JP2003054933A - シリコン生成用反応装置 - Google Patents

シリコン生成用反応装置

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JP2003054933A JP2002091663A JP2002091663A JP2003054933A JP 2003054933 A JP2003054933 A JP 2003054933A JP 2002091663 A JP2002091663 A JP 2002091663A JP 2002091663 A JP2002091663 A JP 2002091663A JP 2003054933 A JP2003054933 A JP 2003054933A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 連続運転可能とした、高純度シリコン製造装
置を提供すること。 【解決手段】 クロロシラン類と水素を反応せしめてシ
リコンを生成せしめ、生成したシリコンの一部または全
部をシリコン融液を経由して回収するシリコン生成用反
応装置であって、シリコン融液と接触する装置内の内表
面が、熱分解炭素または窒化ホウ素からなるシリコン生
成用反応装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クロロシラン類と
水素との反応によってシリコンを製造するためのシリコ
ン生成用反応装置に関する。さらに詳しくは、反応で生
成したシリコンを反応性の高いシリコン融液を経由して
回収するシリコンの生成用反応装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、半導体あるいは太陽光発電用
電池の原料として使用されるシリコンを製造する方法は
種々知られており、そのうちのいくつかは既に工業的に
実施されている。例えばその一つはシーメンス法と呼ば
れる方法であり、通電によりシリコンの析出温度に加熱
したシリコン棒をベルジャー内部に配置し、該シリコン
棒にトリクロロシラン(SiHCl3、以下TCSとい
う)やモノシラン(SiH4)を水素等の還元性ガスと
共に接触させてシリコンを析出させる方法である。
【0003】この方法は高純度のシリコンを得られるこ
とで特徴があり、最も一般的な方法として実施されてい
るが、析出がバッチ式であるため、種となるシリコン棒
の設置、シリコン棒の通電加熱、析出、冷却、取り出
し、ベルジャーの洗浄等の極めて煩雑な手順を行わなけ
ればならないという問題点がある。特開昭62−761
9号公報には、少なくとも表面が多結晶ケイ素またはS
iO2からなる出発材に向けて、ハロゲンと水素との反
応火炎を放射させるとともに、この火炎中にケイ素原料
化合物を供給して出発材表面にケイ素を析出させ、析出
したケイ素を溶融滴下させる、ケイ素の製造法が開示さ
れている。溶融したケイ素は反応性が非常に高いため、
同公報には高純度ケイ素を得ようとする場合には、出発
材の表面はもちろんのこと、内部からの不純物の拡散も
防止して出発材全体を高純度ケイ素製とするのが好まし
いことが開示されている。
【0004】特開昭54−124896号公報には、シ
リコンの溶融浴に塩化シランと水素の混合物を接触させ
てシリコンを生成させ、それによってシリコン溶融浴を
補給しつつ、溶融浴の底部から凝固状態の多結晶シリコ
ンを棒状に引き出す、高純度多結晶シリコン棒の製造法
が開示されている。溶融浴の容器の材料として不透明石
英、窒化ケイ素または石英、窒化ホウ素、グラファイト
等の表面に窒化ケイ素またはシリコンオキシナイトライ
ドをコーティングしたものが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、クロ
ロシランと水素とからシリコン融液を経由してシリコン
を製造する際に、シリコン融液と接触する部位がシリコ
ン融液と反応性の低い材料からなる、長時間連続運転可
能な反応装置を提供することにある。本発明の他の目的
は、特に高周波誘導加熱によるシリコンの製造装置にお
いて、高周波誘導加熱に適し且つシリコン融液との反応
性も低い部材を備えた、長時間連続運転可能な反応装置
を提供することにある。本発明のさらに他の目的および
利点は、以下の説明から明らかになろう。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、本発明
の上記目的および利点は、クロロシラン類と水素を反応
せしめてシリコンを生成せしめ、生成したシリコンをシ
リコン融液を経由して回収するシリコン生成用反応装置
であって、シリコン融液と接触する装置内の内表面が、
熱分解炭素または窒化ホウ素からなるシリコン生成用反
応装置によって達成される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のシリコン反応用装置はク
ロロシラン類と水素とを出発原料とし、これらを反応せ
しめてシリコンを生成するための反応装置であれば、い
かなるタイプの反応装置であってもよい。本発明の反応
装置としては、とりわけ高周波誘導加熱によるものが好
ましい。
【0008】かかる反応装置は、好ましくは、(1)下
端にシリコン取出口となる開口部を有する筒状容器、
(2)上記筒状容器の下端から任意の高さまでの内壁を
シリコンの融点以上の温度に加熱することが可能な加熱
手段、(3)上記シリコンの融点以上の温度に加熱され
た内壁で囲まれた空間内に下方に向かって開口するよう
に設けられ、且つ、内壁をシリコンの析出温度未満に維
持する冷却手段を備えたクロロシラン類供給管、および
(4)上記クロロシラン類供給管の開口部より上方の位
置で筒状容器内空間にシールガスを供給するシールガス
供給管より構成される。クロロシラン類と水素との反応
により生成したシリコンは筒状容器内壁を一部または全
部が溶融した状態で流下し、下端に位置するシリコン取
出口から落下する。
【0009】以下、添付図面を参照しつつさらに詳しく
説明する。図1〜3のシリコン製造装置において、筒状
容器1は、シリコン取出口として、後で詳述するよう
に、その内部で析出し、その一部または全部が溶融した
シリコンが自然流下により容器外に落下し得る開口部2
を有する構造であればよい。従って、筒状容器1の横断
面形状は、円状、多角状等の任意の形状を採ることがで
きる。また、筒状容器を大型化する場合、加熱面となる
壁面間の距離を増大させず、加熱効率を向上するため、
その横断面形状を扁平形とすることは、好ましい態様で
ある。上記筒状容器1は、製作を容易にするために、図
1ないし図3に示すような断面積が各部分で等しい直胴
状にすることもできるし、反応ガスの滞在時間を長くし
てクロロシラン類のシリコンへの転化率(以下、単に転
化率ともいう)を向上させるために、図4に示すような
縦断面の一部が他の部分よりも拡大された形状にするこ
とも好適である。
【0010】一方、筒状容器1における開口部2の開口
の仕方も、図1に示すように、ストレートに開口した態
様でもよいし、下方に向かって徐々に径が減少するよう
に絞り部を形成した態様でもよい。また、筒状容器1の
開口部は、その周縁が水平となるように構成する態様で
も問題なく粒子状のシリコンを得るが、図5に示すよう
に周縁が傾斜するように構成する態様、さらには図6に
示すように周縁を波状に構成する態様とすることによ
り、該開口部2の周縁より落下するシリコン融液の液滴
が揃い、シリコン粒子の粒径をより均一に調整すること
ができるため好ましい。
【0011】さらに、上述した何れの開口部周縁の形状
においても、溶融したシリコンが落下時の液切れを良く
するため、先端部に向かって肉厚が次第に薄くなる刃物
状にすることがより好ましい態様である。上記筒状容器
1は、シリコンの融点以上に加熱され、その内部はクロ
ロシラン類やシリコン融液に接触するため、これらの温
度条件や接触物に対して耐久性の高い材質を選択するこ
とが長期間安定してシリコンの製造を行う上で望まし
い。
【0012】本発明において、シリコン融液と接触する
上記筒状容器の内表面は、熱分解炭素または窒化ホウ素
からなる。即ち、これらの材料は、水素、クロロシラン
類、およびシリコン融液が共存する高温環境においても
耐久性が高く、カーボン基材にシリコン融液が浸透する
ことを効果的に防止し、カーボン基材が破壊されること
を防止する。他方、これらの材料は高周波誘導加熱に適
した材料とはいえないので、それに適した材料である炭
素材料と組合せて使用するのが好ましい。例えば、上記
円筒容器をカーボンあるいはグラファイトの如き炭素材
料を基材として作成し、その少なくとも内表面を上記材
料により被覆する。これらの内表面材料は炭素材料の上
にCVD法により直接的に被覆することができるが、円
筒容器の内壁に合致するように成形した後、円筒内に挿
入して使用することもできる。シリコン融液と接触する
内表面は、シリコン融液の透過を考えた場合、内表面材
料は1μm以上の厚みを有するのが好ましい。内表面材
料のうち熱分解炭素は、得られるシリコンの汚染が極め
て少ないため、最も好ましい。
【0013】上記のシリコン製造装置において、上記筒
状容器1には、その下端から任意の高さまでの周壁をシ
リコンの融点以上の温度に加熱するための加熱手段3が
設けられる。上記温度に加熱する幅、すなわち、筒状容
器1の下端からの加熱手段3を設ける高さは、筒状容器
の大きさや上記加熱温度、さらに、供給されるクロロシ
ラン類の量などを考慮して適宜決定することができる。
この加熱手段3は、筒状容器の内壁をシリコンの融点以
上に加熱することができるものであれば、公知の手段が
特に制限なく採用される。シリコンの融点については種
々の見解があるが、おおむね1,410℃から1,43
0℃の範囲にあると理解すべきである。
【0014】具体的な加熱手段を例示すれば、図1に示
すように、外部からのエネルギーにより筒状容器内壁を
加熱する方法が挙げられる。より具体的には、高周波に
よる方法、電熱線を用いる方法、赤外線を用いる方法等
がある。これらの方法のうち、高周波を用いる方法は、
高周波を放出する加熱コイルの形状をシンプルにしなが
ら、筒状容器を均質的な温度に加熱することができるた
め、好適である。上記シリコン製造装置において、クロ
ロシラン類供給管5は、シリコンの融点前後に加熱され
た筒状容器1の内壁によって囲まれた空間4にクロロシ
ラン類11を直接供給するためのものであり、空間4内
に下方に向かって開口するように設けられる。
【0015】クロロシラン類供給管5の開口方向を示す
「下方」とは、垂直方向のみに限定されず、供給された
クロロシラン類の大部分が該開口に再度接触しないよう
に開口する態様が全て含まれる。好適な態様は、例え
ば、供給管5の開口角すなわち供給管5の開口壁が垂直
方向断面において垂直方向から上方へ向かう角度が、0
〜60°となるように開口しているのが好ましい。ま
た、クロロシラン類供給管5には、該空間4において管
内が加熱され、クロロシラン類の熱分解に伴うシリコン
の析出が生じないように、管の内壁をクロロシランの自
己分解温度未満に冷却するための冷却手段6を有するこ
とが必要である。
【0016】冷却の態様は、目的を達成することができ
ればどのようなものでもよい。例えば、図1に示すよう
な、内部に水、熱媒油等の冷媒液体を通液可能な流路を
設けて冷却する液体ジャケット方法、図示されていない
が、クロロシラン類供給管に二重管以上の多重環ノズル
を設け、中心部からクロロシラン類を供給し、外環ノズ
ルから冷却ガスをパージして中心ノズルを冷却する空冷
ジャケット方式などが挙げられる。クロロシラン類供給
管の冷却温度は、供給するクロロシラン類の自己分解温
度未満に設定すればよいが、TCSまたは四塩化ケイ素
(SiCl4、以下STCという)を原料として用いる
場合は、好ましくは800℃以下、より好ましくは60
0℃以下、最も好ましくは500℃以下とすることがよ
い。クロロシラン類供給管5の材質としては、筒状容器
1と同様の材質のほか、石英ガラス、鉄、ステンレス鋼
等も使用できる。
【0017】上記シリコン製造装置のうち、図4に示す
ように、筒状容器の一部に拡大部を設けた態様において
は、上記クロロシラン類供給管の開口部を該拡大部の空
間に設けることが加熱された内壁から該開口部を離すこ
とができ、該クロロシラン類供給管でのシリコンの析出
を防止するための冷却を一層容易に行うことができ、好
ましい。
【0018】シールガス供給管7は、クロロシラン供給
管5の開口位置より上部に存在する空間にシールガスを
供給するために設けられる。すなわち、筒状容器に原料
として供給されたクロロシラン類が、析出・溶融のため
の空間に到達するまでの間に該クロロシラン類の熱分解
により分解して固体シリコンが筒状容器内に析出するの
を防止するため、上記高温の空間にクロロシラン供給管
5よりクロロシラン類が直接供給されるが、その際、該
クロロシラン類の供給管5の開口位置より上部に位置す
る壁面では、シリコンの溶融温度からシリコンの析出温
度未満の温度に至る温度勾配が存在し、シリコンの析出
温度以上に加熱され、且つシリコンの融点以上に加熱さ
れない部分が存在するようになる。そして、該部分で析
出したシリコンは、溶融されることなく成長し、シリコ
ン製造装置の長期間の運転において、装置を閉塞すると
いう問題が生じる。
【0019】上記問題に対して、シールガス供給管7を
クロロシラン類供給管5の開口位置より上部に設け、シ
リコンの融点以上に加熱されない空間およびその基材表
面をシールガスで満たすことによって、クロロシラン類
あるいはクロロシラン類と後記の水素との混合ガスの侵
入を防止し、前記固体シリコンの析出を効果的に防止す
ることができる。シールガス供給管7は、クロロシラン
類供給管5の開口位置より上部であれば特に制限されな
いが、加熱手段3が存在しない筒状容器壁面に設けるこ
とが好ましい。また、シールガス供給管7より供給され
るシールガスは、シリコンを生成せず、且つクロロシラ
ン類が存在する領域においてシリコンの生成に悪影響を
与えないガスが好適である。具体的には、アルゴン、ヘ
リウム等の不活性ガスや後記の水素等が好適である。さ
らに、シールガスの効果をさらに高めるために、シリコ
ンをエッチングし得るガス、例えば塩化水素などをシー
ルガスに適宜混合することもより好ましい態様である。
【0020】この場合、シールガスの供給量は、シリコ
ンの融点以上に加熱できない空間およびその基材表面を
常に満たす圧力を保つ程度に供給されていれば十分であ
り、かかる供給量を低減するには、該空間の全体あるい
は下部の断面積を小さくするように、筒状容器1の形状
あるいはクロロシラン類供給管の外壁の形状等を決定す
ればよい。上記シリコン製造装置において、クロロシラ
ン類と共に析出反応に供される水素は、クロロシラン類
を予め混合して、クロロシラン類供給管5から供給する
ことができ、またそれと独立して筒状容器1前記空間4
に供給し得る位置に開口する水素供給管10を設け、そ
こから供給することもできる。
【0021】水素供給管10は、シリコン製造装置を構
成する筒状容器1の構造、大きさ等を勘案して、クロロ
シラン類との反応を効率よく行うことのできる箇所に適
宜設けることができる。さらに、シリコンの析出反応に
供する水素の一部または全部は、前記シールガスを兼ね
て供給することもできる。図2に示すように、前記シー
ルガス供給管を兼ねた水素ガス供給管14として、クロ
ロシラン供給管5の開口位置より上部に設けることがで
きる。勿論、上記シールガス供給管を兼ねた水素供給管
14から供給される水素の量は、反応に必要な量を勘案
して適宜決定される。
【0022】本発明に用いるクロロシラン類としては、
TCS、STCのほか、ジクロロシラン(SiH2
2)、モノクロロシラン(SiH3Cl)およびヘキサ
クロロジシラン(Si2Cl6)に代表されるクロロジシ
ラン類、さらにはオクタクロロトリシラン(Si3
8)に代表されるクロロトリシラン類も好適に使用で
きる。これらのクロロシラン類を単独で、または互いに
混合物として使用することも可能である。これらのクロ
ロシラン類のうち、TCSまたはSTCを主成分とする
クロロシランを用いれば、ガス下流域に悪影響を及ぼす
シリコン微粉や発火性のある高沸点シラン類(ポリマ
ー)の発生を低減できるため、より長時間安定した運転
が可能になり、好ましい。
【0023】上記シリコン製造装置において、筒状容器
1の下端の開口部2には、これより溶融落下するシリコ
ン融液を外気と触れることなく冷却固化せしめて回収す
るための外気と遮断された空間を与える室を接続するこ
とが、高純度のシリコンを工業的に得るために好まし
い。すなわち、その代表的な態様を示す図3および図4
に記載したように、前記筒状容器1のシリコン取出口に
当たる開口部2に、シリコン融液が落下し得る冷却空間
22を形成すると共に、ガス排出口26、および、必要
に応じて、冷却により固化したシリコンの取出口31を
設けた冷却回収室20を接続したシリコン製造装置が好
ましい。
【0024】上記冷却回収室20は、筒状容器1の開口
部2に直接設けることも可能であるが、かかる接続箇所
から温度勾配が生じ、該冷却回収室の上部で固体シリコ
ンが析出する温度となる箇所が存在する可能性が高い。
但し、筒状容器1より排出されるガス中に存在するクロ
ロシラン類は、もはやそれ以上のシリコンを析出しない
安定的なガス組成にまで近づいており、析出したとして
もその量は少ない。
【0025】しかし、冷却回収室20においても固体シ
リコンの析出を殆ど防止し、極めて長期間に亘る連続運
転を可能とするためには、図3および図4に示すよう
に、冷却回収室20の筒状容器1との接続部分を、筒状
容器1の加熱手段3を覆う位置まで上方に設定すること
により、加熱された筒状容器1の下端と該冷却回収室2
0の内壁とを離して設けると共に、シールガス供給管2
1を、筒状容器1の開口部2の開口位置より上部に存在
する空間に設けてシールガスを供給する態様が好適であ
る。
【0026】上記シールガスの種類、供給量等は前記シ
ールガス供給管7にシールガスを供給する場合と同様に
決定することができる。上記態様において、特にシール
ガスによる効果を十分に発揮させるためには、筒状容器
1周囲を流通するシールガスの線速は、少なくとも0.
1m/s、好ましくは0.5m/s、最も好ましくは1
m/s以上とすることがよい。冷却回収室20の材質と
しては、金属材料、セラミックス材料、ガラス材料等が
いずれも好適に使用できるが、工業装置として頑丈であ
り、かつ高純度のシリコンを回収することを両立するた
めに、金属製回収室の内部を、シリコン、耐熱性セラミ
ックス、テフロン(登録商標)、石英ガラス等でライニ
ングを施すことはより好適である。一方、筒状容器1で
の反応後の排ガスは、ガス排出口26より取り出され
る。
【0027】筒状容器1より一部または全部が溶融し落
下したシリコンは、冷却回収室20の冷却空間22を落
下するうちに冷却されて固化したシリコン23として、
室下部に蓄積され、取り扱い容易な温度までに冷却され
る。全部が溶融したシリコンの場合、上記冷却空間を長
く設定すると粒状化されたシリコンが得られ、該冷却空
間が短い場合は、落下の衝撃により塑性変形した固体シ
リコンが得られる。装置下部に堆積したシリコンは、必
要に応じて破砕して粒状物にすることもできる。尚、溶
融したシリコンが落下する際の冷却を促進するために、
冷却ガスの供給管32を設けることは好適な態様であ
る。また、冷却回収室20には、必要に応じて、固化し
たシリコンを連続的あるいは断続的に抜き出す取出口3
1を設けることも可能である。
【0028】また、上記シリコンの冷却をより効果的に
実施するために、冷却回収室20に冷却手段24を設け
ることが好ましい。かかる冷却の態様は、例えば、図3
に示すように、内部に水、熱媒油、アルコール等の冷媒
液体を通液可能な流路を設けて冷却する液体ジャケット
による方法が最も好ましい。図3および図4に示す態様
のように、冷却回収室20を上部に延長し、加熱手段を
覆うようにした場合、材質保護のために適宜ジャケット
構造にして熱媒油等の冷却媒27を流通することもでき
るし、材質に耐熱性がある場合には熱効果を高めるため
に断熱材を施して保温するともできる。
【0029】本発明のシリコン製造装置を使用したシリ
コンの製造条件は、特に制限されないが、該シリコン製
造装置にクロロシラン類と水素とを供給し、該クロロシ
ラン類からシリコンへの転化率が10%以上、好ましく
は30%以上となる条件下でシリコンを生成せしめるよ
うに、クロロシラン類と水素との供給比率、供給量、滞
在時間等を決定することが、冷却回収装置における固体
シリコンの析出をより効果的に防止することができ好ま
しい。例えば、前供給ガス中のクロロシラン類のモル分
率は1〜90モル%、好ましくは5〜50モル%である
ことが、反応容器の大きさに対して経済的なシリコンの
製造速度を得るために好ましい。また、反応圧力は高い
方が装置を小型化できるメリットがあるが、0〜1MP
aG程度が工業的に実施しやすく、好ましい。
【0030】滞在時間は、一定容量の反応容器に対し
て、圧力と温度の条件によって変化するが、反応条件下
において、反応容器である筒状容器内でのガスの平均的
な滞在時間は0.001〜60秒、好ましくは0.001
〜10秒、特に好ましくは0.001〜1秒に設定すれ
ば、十分に経済的なクロロシラン類の転化率を得ること
が可能である。
【0031】
【発明の効果】以上の説明より理解されるように、本発
明によれば、長期間連続運転可能な高純度シリコンの製
造装置が提供される。この装置は工業的に極めて有用
で、その価値は極めて高いものである。
【0032】
【実施例】以下、本発明を詳細に説明するために実施例
を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。
【0033】実施例1 図3に示すシリコン製造装置を使用した。CVDにより
熱分解炭素を50μmの厚みでコーティングした、内径
25mm、長さが50cmで、下部に開口部2を持つ形
状のカーボン製筒状容器1に、その上部10cmの位置
から下端までの周囲に加熱手段3として高周波加熱コイ
ルを設置した。図2に示す通液可能なジャケット構造を
もつ、内径4mm、外径20mmのステンレス製のクロ
ロシラン類供給管5を、該筒状容器の上端から15cm
の高さまで挿入した。冷却回収室20は、内径150m
m、長さが3mのステンレス製とした。なお、上記筒状
容器の下端の周縁は図5に示す形状とした。
【0034】クロロシラン類供給管5の冷却ジャケット
6に通水して、管の内部を50℃以下に維持するととも
に、冷却回収室20の下部ジャケット24にも通水し、
筒状容器1上部の水素ガス供給管14、および冷却回収
室20の上部のシールガス供給管21から水素ガスをそ
れぞれ5L/min流通させたのち、高周波加熱装置を
起動して、筒状容器1を1,500℃に加熱した。容器
内の圧力は、ほぼ大気圧であった。クロロシラン類供給
管5に、反応水素とトリクロロシランを、それぞれ20
L/minおよび10g/minの速度となるように予
め混合して供給したところ、約0.6g/minの速度
でシリコンを得た。この場合のトリクロロシランの転化
率は約30%であった。50時間反応を継続した後、運
転を停止してカーボン製筒状容器を観察したところ、シ
リコンによる劣化はなかった。また、熱分解炭素による
シリコンの汚染は1ppm以下と、極めて少ないもので
あった。
【0035】比較例1 実施例1の筒状容器にコーティングを施さないカーボン
製筒状容器を用い、その他は実施例1と同様の条件で運
転を実施した。50時間反応を継続した後、運転を停止
してカーボン製筒状容器を観察したところ、劣化によ
り、カーボン製筒状容器の肉厚が数マイクロメートル減
少している部分があった。
【0036】実施例2 実施例1のカーボン製筒状容器の内表面を窒化ホウ素を
CVDでコーティングしたカーボン製筒状容器を使用
し、その他は実施例1と同様の条件で運転を実施した。
50時間反応を継続した後、運転を停止してカーボン製
筒状容器を観察した結果、シリコンによる劣化はなかっ
た。
【0037】実施例3 実施例1のカーボン製筒状容器の内表面を厚み1,00
0μmの窒化ホウ素をインサートしたカーボン製筒状容
器を使用し、その他は実施例1と同様の条件で運転を実
施した。50時間反応を継続した後、運転を停止してカ
ーボン製筒状容器を観察した結果、シリコンによる劣化
はなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシリコン製造装置の代表的な態様を示
す概念図である。
【図2】本発明のシリコン製造装置の他の代表的な態様
を示す概念図である。
【図3】本発明のシリコン製造装置のさらに他の代表的
な態様を示す概念図である。
【図4】本発明のシリコン製造装置のさらに他の代表的
な態様を示す概念図である。
【図5】本発明のシリコン製造装置の筒状容器下端の周
縁の形状を示す概念図である。
【図6】本発明のシリコン製造装置の筒状容器下端の周
縁の形状を示す概念図である。
【符号の説明】
1 筒状容器 3 加熱手段 5 クロロシラン類供給管 6 冷却手段 7、21 シールガス供給管 8、14 水素ガス供給管 20 冷却回収室 24 冷却ジャケット 26 ガス排出ライン 31 シリコン取出口 32 冷却ガス供給管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G072 AA01 BB12 GG01 GG04 GG05 HH07 HH08 HH09 JJ01 MM01 RR30 UU01 UU02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロロシラン類と水素を反応せしめてシ
    リコンを生成せしめ、生成したシリコンをシリコン融液
    を経由して回収するシリコン生成用反応装置であって、
    シリコン融液と接触する装置内の内表面が、熱分解炭素
    または窒化ホウ素からなるシリコン生成用反応装置。
  2. 【請求項2】 内表面がカーボン基材の表面上に成形さ
    れる請求項1に記載の装置。
  3. 【請求項3】 内表面を構成する熱分解炭素または窒化
    ホウ素の厚みが1μm以上である請求項1に記載の装
    置。
  4. 【請求項4】 内表面がCVD法により成形されたもの
    である請求項1に記載の装置。
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