JP2003053590A - スクリュープレス装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 長大化を招来することなく処理能力の向上を
図ることができるとともに、処理能力の増大に伴う目詰
まりを防止することができるスクリュープレス装置を提
供すること。 【解決手段】 スクリュープレス装置２０は、供給口２
１ａ側の側端板２１ｃと周側面２１ｄがパンチングメタ
ル等多数の細孔を有する濾過部材によって形成された濾
過筒２１を備え、その中心軸上にスクリュー羽根２２ｂ
を備えたスクリュー軸２２が回転自在に配設されて構成
されている。これにより、これまで塞がれていた側端板
部分でも濾過でき、装置の長大化を招くことなく処理能
力を増大するようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、スクリュープレ
ス装置に関し、下水汚泥やパルプなどを脱水する場合の
処理能力の向上などを図るようにしたものである。

【０００２】

【従来の技術】下水汚泥やパルプ等を脱水する際に用い
られる脱水装置の一つとして、スクリュープレス装置が
あり、円筒状の濾過筒の内部に螺旋状のスクリュー軸が
配設され、スクリュー軸の回転によって被圧搾物を搬送
しつつ容積を減少させて圧搾脱水するようになってい
る。

【０００３】このようなスクリュープレス装置は、例え
ば実開昭６１−１２７８９３号に基本構造が開示されて
おり、図３に示すように、円筒状の濾過筒１１を備え、
その周面がパンチングメタル等多数の細孔を有する濾過
部材によって形成され、一端部に上方に開口する供給口
１１ａを備えるとともに、他端部に下方に開口する排出
口１１ｂをが形成され、この濾過筒１１の内部中心軸上
に、スクリュー軸１２が配設されて構成されている。

【０００４】そして、スクリュー軸１２には、軸胴部１
２ａの周囲に連続する螺旋状のスクリュー羽根１２ｂが
設けられるとともに、図示例では、軸胴部１２ａが排出
口１１ｂ側に向けて徐々に大径化するテーパー状に形成
されており、そのスクリュー羽根１２ｂと濾過筒１１の
内面とによって区画形成される搬送空間が供給口１１ａ
側から排出口１１ｂ側にかけて徐々に小さくなるように
構成され、圧搾脱水できるようになっている。

【０００５】なお、圧搾脱水のため搬送空間を徐々に小
さくする構成としては、この他にスクリュー羽根のピッ
チを排出口側に向けて徐々に小さくなるように設定した
ものもある。

【０００６】このようなスクリュープレス装置１０で
は、スクリュー軸１２が駆動モーター１３によって回転
駆動されるようになっており、これによって供給口１１
ａから濾過筒１１の内部に供給された被圧搾物を徐々に
小さくなる搬送空間を搬送しながら圧搾脱水して排出口
１１ｂから排出するようになっている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
スクリュープレス装置１０では、処理能力は濾過筒１１
を構成する濾過部材の面積に依存するため、処理能力を
上げるためには、円筒状の濾過筒１１の周面を拡大すべ
く大径化したり、軸方向の長さを大きくしなければなら
ず、装置全体が長大化するという問題がある。

【０００８】この発明は、上記従来技術が有する課題に
鑑みてなされたもので、長大化を招来することなく処理
能力の向上を図ることができるとともに、処理能力の増
大に伴う目詰まりを防止することができるスクリュープ
レス装置を提供しようとするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
この発明の請求項１記載のスクリュープレス装置は、一
端部に供給口を備えるとともに、他端部に排出口を備え
る濾過筒の内部に螺旋状のスクリュー軸が配設され、こ
のスクリュー軸の回転によって前記供給口から供給され
た被圧搾物を前記排出口側に搬送しつつ容積を減少させ
て圧搾濾過するスクリュープレス装置において、前記濾
過筒は、その供給口側の端面を構成する側端板が濾過部
材によって形成されていることを特徴とするものであ
る。

【００１０】このスクリュープレス装置によれば、スク
リュープレス装置における濾過筒の供給口側の端面を構
成する側端板を濾過部材によって形成するようにしてお
り、これまで塞がれていた側端板部分でも濾過でき、こ
れにより、装置の長大化を招くことなく処理能力を増大
できるようにしている。

【００１１】また、この発明の請求項２記載のスクリュ
ープレス装置は、請求項１記載の構成に加え、前記濾過
筒は、その供給口側が他部位より大径化されて円錐筒状
に形成されるとともに、前記濾過部材によって形成され
た供給口側の前記側端板の面積がより大きく構成されて
いることを特徴とするものである。

【００１２】このスクリュープレス装置によれば、濾過
筒の供給口側を他部位より大径化して円錐筒状に形成す
るとともに、濾過部材によって形成された供給口側の側
端板の面積をより大きく構成するようにしており、円錐
筒状の周側面と供給側の側端板とで濾過面積の拡大を図
ることができ、より一層処理能力を増大できるようにし
ている。

【００１３】さらに、この発明の請求項３記載のスクリ
ュープレス装置は、請求項１または２記載の構成に加
え、前記スクリュー軸には、掻き取り清掃部材が前記濾
過部材によって形成された供給側の前記側端板に当接さ
せて設けられており、前記スクリュー軸の回転に伴って
前記掻き取り清掃部材が前記側端板を清掃するように構
成されていることを特徴とするものである。

【００１４】このスクリュープレス装置によれば、スク
リュー軸に掻き取り清掃部材を設けて濾過部材によって
形成された供給側の側端板を清掃するように構成してあ
り、処理能力の増大に伴う側端板の清掃を自動的にでき
るようにし、目詰まり除去の手間を省くようにしてい
る。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施の形態を
添付図面を参照して詳細に説明する。図１および図２は
この発明のスクリュープレス装置の一実施の形態にかか
り、図１は概略構成を示す縦断面図、図２（ａ）はＡ−
Ａ断面図、図２（ｂ）はＢ−Ｂ断面図である。

【００１６】このスクリュープレス装置２０は、濾過筒
２１を備え、この濾過筒２１の内部中心軸上にスクリュ
ー軸２２が回転自在に配設されるとともに、濾過筒２１
の一端部に上方に開口する供給口２１ａを備えるととも
に、他端部に下方に開口する排出口２１ｂをが形成され
ている。

【００１７】そして、このスクリープレス装置２０で
は、濾過筒２１の供給口２１ａ側の側端板２１ｃの外
側、周側面２１ｄの周囲および下部を覆って、濾液受け
２３が設けられている。

【００１８】また、この濾過筒２１は、一端部の供給口
２１ａ側が大径で他端部の排出口２１ｂ側の近傍が小径
とされてテーパーの円錐筒状とされ、この円錐筒状の部
分に連続して円筒状の部分が設けられて構成されてお
り、周側面２１ｄはパンチングメタル等多数の細孔を有
する濾過部材によって形成され、供給口２１ａ側の側端
板２１ｃも周側面２１ｄと同様の濾過部材によって形成
され、排出口２１ｂ側の側端板２１ｅは無孔の板材によ
って閉塞されている。

【００１９】このような濾過筒２１の中心軸上に配設さ
れるスクリュー軸２２は、軸胴部２２ａの周囲に連続す
る螺旋状のスクリュー羽根２２ｂが設けられており、こ
のスクリュー羽根２２ｂのピッチは一定とされ、その外
周縁が濾過筒２１の円錐筒状および円筒状の内周に近接
するよう形成されて、排出口２１ｂ側に向かって順次小
径化されたのち、一定の径の部分が連続している。

【００２０】このようなスクリュー軸２２は、その両端
部が軸受２４によって回転可能に支持されており、供給
口２１ａ側の軸端部は濾液受け２３を貫通して外部に突
出し、その突出端にスプロケット２５が装着され、この
スプロケット２５と駆動モーター２６の回転軸に装着さ
れたスプロケット２７との間にチェーン２８が掛けられ
ている。

【００２１】また、スクリュー軸２２には、その供給口
２１ａ側に直角に突き出すアーム２９が側端板２１ｃと
対向して取付けられ、その背面がスクリュー羽根２２ｂ
の端縁に固定されており、このアーム２９の供給口２１
ａ側の側端板２１ｃと対向する面に、掻き取り清掃部材
としての清掃ブラシ３０が装着してある。

【００２２】この清掃ブラシ３０は、所定幅で長さは側
端板２１ｃの半径と対応し、その植毛を供給口２１ａ側
の側端板２１ｃの内面に圧接させて設けてある。

【００２３】このように構成したスクリュープレス装置
２０では、濾過筒２１は排出口２１ｂ側が小径化してい
るため、その内面とスクリュー軸２２のスクリュー羽根
２２ｂとによって区画形成される搬送空間が排出口２１
ｂ側に向けて徐々に狭くなるようになっており、スクリ
ュー軸２２が駆動モーター２６によって回転駆動される
ことで供給口２１ａから内部に供給された汚泥等の被圧
搾物を排出口２１ｂ側に向けて搬送しつつ圧搾・脱水し
て排出口２１ｂから排出するとともに、濾過筒２１の側
端板２１ｃおよび周側面２１ｄの外側に漏出する濾液は
濾液受け２３によって捕捉・排出される。

【００２４】また、このスクリュープレス装置２０で
は、濾過筒２１の供給口２１ａ側の側端板２１ｃが濾過
部材によって形成されるとともに、濾過筒２１が円錐筒
状に形成されてその面積が大きいため、供給口２１ａか
ら供給された被圧搾物の脱水を迅速に行うことができ、
全体としての濾過面積を増大でき、濾過筒を長大化する
こと無く処理能力を増大できる。

【００２５】さらに、スクリュー軸２２の回転に伴って
供給口２１ａ側の側端板２１ｃを清掃ブラシ３０が擦っ
て目詰まりを除去するため、定期的な清掃は必要なくメ
ンテナンスの手間が省けるとともに、洗浄水を節約する
ことができる。

【００２６】なお、上記実施の形態では、濾過筒２１を
円錐状とし、スクリュー軸２２のスクリュー羽根２２ｂ
のピッチを一定に構成した場合で説明したが、これに限
るものではなく、濾過筒を円筒状とし、側端板２１ｃを
濾過部材で構成したものやスクリュー軸のスクリュー羽
根のピッチを変化させたものであっても良いが、上記実
施の形態のように、濾過筒を円錐状とすれば、側端板及
び周側面の濾過部材によって濾過面積を大きくして処理
能力を向上することができる。

【００２７】また、掻き取り清掃部材は清掃ブラシに限
らず、薄板状のブレードを供給口側の側端板に圧接する
ように構成しても良く、その数も一本に限らず二本以上
の複数としても良いものである。

【００２８】さらに、濾過部材もパンチングメタルにか
ぎらず、濾過できるものであれば網状や格子状など他の
構成のものであっても良い。

【００２９】

【発明の効果】以上、一実施の形態とともに具体的に説
明したように、この発明の請求項１記載のスクリュープ
レス装置によれば、スクリュープレス装置における濾過
筒の供給口側の端面を構成する側端板を濾過部材によっ
て形成したので、これまで塞がれていた側端板部分でも
濾過でき、これにより、装置の長大化を招くことなく処
理能力を増大することができる。

【００３０】また、この発明の請求項２記載のスクリュ
ープレス装置によれば、濾過筒の供給口側を他部位より
大径化して円錐筒状に形成するとともに、濾過部材によ
って形成された供給口側の側端板の面積をより大きく構
成したので、円錐筒状の周面と供給側の側端板とで濾過
面積の拡大を図ることができ、より一層処理能力を増大
することができる。

【００３１】さらに、この発明の請求項３記載のスクリ
ュープレス装置によれば、スクリュー軸に掻き取り清掃
部材を設けて濾過部材によって形成された供給側の側端
板を清掃するように構成したので、処理能力の増大に伴
う側端板の清掃を自動的に行うことができ、目詰まり除
去の手間を省くことができるとともに、洗浄水を節約す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明のスクリュープレス装置の一実施の形
態にかかる概略構成を示す縦断面図である。

【図２】この発明のスクリュープレス装置の一実施の形
態にかかり、（ａ）はＡ−Ａ断面図、（ｂ）はＢ−Ｂ断
面図である。

【図３】従来のスクリュープレス装置の概略構成を示す
断面図である。

【符号の説明】

２０ スクリュープレス装置 ２１ 濾過筒 ２１ａ 供給口 ２１ｂ 排出口 ２１ｃ 側端板（供給口側） ２１ｄ 周側面 ２１ｅ 側端板（排出口側） ２２ スクリュー軸 ２２ａ 軸胴部 ２２ｂ スクリュー羽根 ２３ 濾液受け ２４ 軸受 ２５ スプロケット ２６ 駆動モータ ２７ スプロケット ２８ チェーン ２９ アーム ３０ 清掃ブラシ（掻き取り清掃部材）

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一端部に供給口を備えるとともに、他端
   部に排出口を備える濾過筒の内部に螺旋状のスクリュー
   軸が配設され、このスクリュー軸の回転によって前記供
   給口から供給された被圧搾物を前記排出口側に搬送しつ
   つ容積を減少させて圧搾濾過するスクリュープレス装置
   において、 前記濾過筒は、その供給口側の端面を構成する側端板が
   濾過部材によって形成されていることを特徴とするスク
   リュープレス装置。
2. 【請求項２】 前記濾過筒は、その供給口側が他部位よ
   り大径化されて円錐筒状に形成されるとともに、前記濾
   過部材によって形成された供給口側の前記側端板の面積
   がより大きく構成されていることを特徴とする請求項１
   に記載のスクリュープレス装置。
3. 【請求項３】 前記スクリュー軸には、掻き取り清掃部
   材が前記濾過部材によって形成された供給側の前記側端
   板に当接させて設けられており、前記スクリュー軸の回
   転に伴って前記掻き取り清掃部材が前記側端板を清掃す
   るように構成されていることを特徴とする請求項１また
   は２に記載のスクリュープレス装置。