JP2003047405A - コーヒー豆の炭焼焙煎方法 - Google Patents

コーヒー豆の炭焼焙煎方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭焼コーヒー特有の味わいや香りが深く、し
かも水分含有率が低減して保存性に優れると共に、抽出
効率の良い焙煎コーヒー豆の製造方法を提供すること。 【解決手段】 コーヒー豆の炭焼焙煎方法において、焙
煎機のダンパーを閉じた状態で炭火の熱によりコーヒー
生豆を焙煎する第1工程、焙煎機のダンパーを開いた状
態で炭火の熱により第1工程で得た焙煎コーヒー豆を焙
煎する第2工程、該焙煎されたコーヒー豆を急冷する工
程を含むことを特徴とするL値での焙煎色が14.0〜
25.0である焙煎コーヒー豆の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コーヒー豆の炭焼
焙煎方法と焙煎されたコーヒー豆に関する。
【0002】
【従来の技術】コーヒーの品質価値は、焙煎工程までで
約7割が決まると言われている。特に、焙煎工程は、コ
ーヒー生豆にはなかった苦味やコーヒーらしい特徴が現
れ、化学的にもっとも変化する重要な工程である。従来
よりコーヒーの焙煎方法としては、完全熱風式、半熱風
式及び直火式が知られている。
【0003】このうち完全熱風式は、ガス等の火力で熱
した500℃ほどの高温の空気を焙煎機(ロースター)
に送り込み、この熱風によりコーヒー生豆を4〜18分
間焙煎する方法であり、焙煎時にコーヒー生豆が直接火
に触れることはない。また、半熱風式は、ガス等の火力
が直接豆に触れないように焙煎機内部の釜を鉄板で囲
い、間接的にコーヒー生豆に触れるガス等の火力及びそ
の火力で熱した200〜400℃ほどの熱風により、コ
ーヒー生豆を4〜18分間焙煎する方法である。
【0004】完全熱風式と半熱風式焙煎は、コーヒー生
豆に対して高い熱カロリーを与えるため、豆から水分を
とる力が強く、豆の膨張も早い。しかも、熱がコーヒー
豆の芯まで速やかに達するため、その分焙煎時間も短か
くなる。さらに、豆に直接火があたらないため、焙煎後
のコーヒー豆の表面がきれいに仕上るという長所を持
つ。しかし、焙煎工程によって生ずるはずのコーヒー本
来の香りが弱いといった欠点を有する。また、直火式
は、焙煎機内の釜が網で囲まれており、ガス等の火力が
直接豆に触れる状態で、コーヒー生豆を4〜18分間焙
煎する方法である。直火式は香ばしくいコーヒー本来の
特徴的な香りが強く得られる一方で、豆に火を通すため
の熱管理に熟練を要する等の欠点を有する。
【0005】一方、熱源として、炭を用いる炭焼焙煎と
いう方法もある。炭焼焙煎の方法は、ダンパー(排気装
置)のダクトを開いた状態で、コーヒー生豆を火持ちの
良い炭を用いて15分間ほど直火焙煎した後、急激に冷
却する方法である。しかし、この炭焼焙煎方法では、焙
煎時間が短いため焙煎されたコーヒーに炭焼特有の味わ
いや香りを十分に得ることはできない。また、従来の焙
煎方法は、熱源がガス等の火力や熱せられた空気である
ことから、炭が持つほどの遠赤外線効果が得られないた
め、焙煎されたコーヒー豆は組織の膨張が少なく、コー
ヒー豆の水分含有率が高くなる。このため、炭焼焙煎方
法で焙煎されたコーヒーに比べて香りも少なく、抽出効
率も低下するという問題を抱えている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者は炭
焼焙煎について種々の検討した結果、コーヒー生豆を炭
火によって長時間かけて焙煎することによって、炭焼特
有の味わいや香りが得られることを見出し、本発明に至
った。すなわち、本発明の目的は、香ばしい炭焼特有の
味わいや香りを有し、しかも焙煎後のコーヒー豆組織が
よく膨張し、水分含有率が低く、抽出効率の優れた焙煎
コーヒー豆を製造する方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、コーヒー豆の炭焼焙煎方法において、焙煎機のダン
パーを閉じた状態で炭火の熱によりコーヒー生豆を焙煎
する第1工程、焙煎機のダンパーを開いた状態で炭火の
熱により第1工程で得た焙煎コーヒー豆を焙煎する第2
工程、該焙煎されたコーヒー豆を急冷する工程を含むこ
とを特徴とするL値での焙煎色が14.0〜25.0で
ある焙煎コーヒー豆の製造方法である。請求項2記載の
本発明は、第1工程の焙煎を、100%炭火の熱で14
〜18分間行い、第2工程の焙煎を、100%炭火の熱
で2〜13分間行う請求項1記載の方法である。請求項
3記載の本発明は、第1工程及び第2工程の焙煎に用い
る炭火が白炭と中白炭の混合物に由来する炭火である請
求項1又は2記載の方法である。請求項4記載の本発明
は、請求項1記載の方法で得られたL値での焙煎色が1
4.0〜25.0である焙煎コーヒー豆である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明はコーヒー豆の炭焼焙煎方
法において、焙煎機のダンパーを閉じた状態で炭火の熱
によりコーヒー生豆を焙煎する第1工程、焙煎機のダン
パーを開いた状態で炭火の熱により第1工程で得た焙煎
コーヒー豆を焙煎する第2工程、該焙煎されたコーヒー
豆を急冷する工程を含む焙煎コーヒーの製造方法であ
り、該焙煎コーヒー豆のL値での焙煎色は14.0〜2
5.0を示すものである。本発明の炭焼焙煎方法に用い
る焙煎機としては、通常の炭焼焙煎に用いられている焙
煎機であれば、特に制限されることはない。
【0009】本発明のコーヒー豆の炭焼焙煎方法におい
ては、焙煎を2段階で行う。すなわち、焙煎機のダンパ
ーを閉じた状態で炭火の熱によりコーヒー生豆を焙煎す
る第1工程、及び焙煎機のダンパーを開いた状態で炭火
の熱により第1工程で得た焙煎コーヒー豆を焙煎する第
2工程を採用することとする。焙煎の第1工程において
は、焙煎機のダンパーを閉じた状態で炭火の熱によりコ
ーヒー生豆を焙煎するが、これにより炭の遠赤外線効果
によりコーヒー生豆の芯まで熱が伝わり、煎りむらのな
い焙煎ができる。また、第1工程に続き、第2工程を行
うことによって、従来の1段階の炭焼焙煎では得られな
い利点、例えば長時間の焙煎が可能となり、香味が改善
され、後味のキレが良い製品を得ることができる。
【0010】第1工程における焙煎温度は80〜200
℃、好ましくは120〜160℃であり、焙煎時間は5
〜30分間、好ましくは14〜18分間である。また、
焙煎機のダンパーは閉じた状態で焙煎を行うことが好ま
しい。ダンパーを閉じた状態とすることで、焙煎機内は
空気の流れが止まり、比較的低温の炭火で焙煎を長時間
行うことができる。その結果、コーヒー豆の組織の膨張
に伴い、水分含有率が低下して良質の香りが発現するよ
うになる。また、品種が異なるコーヒー豆の混合物を焙
煎した場合、コーヒー豆全体の水分含量が均一化され、
第2工程での煎りムラの解消に有益である。
【0011】第2工程における焙煎温度は120〜23
0℃、好ましくは160〜200℃であり、焙煎時間は
2〜20分間、好ましくは6〜12分間である。焙煎機
のダンパーは開いた状態で焙煎を行うことが好ましい。
ダンパーを開いた状態とすることで、焙煎機内は熱風が
流れてコーヒー豆をはじけさせ、水分の気化と共に異臭
も除かれるため、コーヒー特有の香りが生成する。な
お、本発明による第1工程と第2工程の焙煎時間が短い
と、期待する効果が十分に得られないので、合計で20
分間以上とすべきである。また、第1工程及び第2工程
における熱源としては、炭を用いる。焙煎方法としては
完全熱風式、半熱風式又は直火式のいずれでもよく、特
に直火式がコーヒー豆の香味の点から好ましい。
【0012】焙煎の第1工程及び第2工程に用いる炭の
種類については特に制限はないが、コーヒー豆の焙煎に
必要な熱量を供給し得るもので、かつ火持ちが良く、温
度の調節がし易い炭が好ましく、具体的には白炭や中白
炭が挙げられる。また、これらの炭は、単独で用いる
他、混合して用いることもでき、特に硬く火力が弱いが
燃焼時間の長い白炭ともろいが火力が強く燃焼時間の短
い中白炭を混合して使用することが好ましい。その場合
の白炭と中白炭の混合割合は30〜70%:70〜30
%、好ましくは45〜55%:55〜45%である。白
炭や中白炭としては、長崎県対馬産が好適である。
【0013】焙煎の第2工程が終了した焙煎コーヒー豆
は、直ちに急冷する。これにより、予熱による焙煎コー
ヒー豆の過加熱を防いで焙煎の進行を止め、好ましい焙
煎状態を保つことができる。上記したように焙煎の第1
工程、第2工程及び焙煎後の急冷する工程を経た焙煎コ
ーヒー豆は、L値14.0〜25.0の焙煎色を有して
いる。ここで、L値での焙煎色とは、焙煎されたコーヒ
ー豆の粉砕サンプルをダブルビーム方式(交照測光方
式)を採用する測色色差計ZE−2000(日本電色工
業株式会社製)を用いた反射測定から算出される焙煎色
を意味する。L値測定の一態様を、以下に示す。
【0014】焙煎されたコーヒー豆は、細引きに粉砕す
ることのできるカットミル(たとえばシルバーカットミ
ル等(カリタ株式会社製))で細引きに粉砕する。次
に、粉砕したコーヒーサンプルを、測色色差計ZE−2
000(日本電色工業株式会社製)の反射試料台中の丸
セルに入れ、タッピングを行う。続いて、この機器を始
動させて、反射率測定を行いL値を表示させる。L値が
低いほど焙煎色は暗色、すなわち深煎りであることを示
す。本発明の方法によって焙煎された焙煎コーヒー豆は
L値が14.0〜25.0であり、浅煎りから深煎りの
ものとなる。
【0015】
【実施例】以下に、実施例等により本発明を詳しく説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 ブレンドしたコーヒー生豆(ブラジル産アラビカ種、コ
ロンビア産アラビカ種、インドネシア産ロブスター種及
びエチオピア産モカ種)20kgを用い、炭焼焙煎を行
った。焙煎機として、TYPE R-120(富士珈機株式会社
製)を用いた。焙煎の第1工程では、長崎県対馬産白炭
50%と長崎県対馬産中白炭50%を混合した炭を用
い、焙煎機のダンパーを閉じた状態で、16分間直火焙
煎を行った。続いて、第2工程では、上記と同じ混合炭
を用い、ダンパーを開いた状態で、9分間直火焙煎を行
った。第2工程の焙煎終了後、直ちに急冷して焙煎の進
行を停止させて焙煎コーヒー豆を得た。
【0016】焙煎コーヒー豆のL値の測定は、第2工程
終了直後及び急冷後の焙煎コーヒー豆をサンプルとし
て、以下の方法で測定した。まず、焙煎コーヒー豆をシ
ルバーカットミル(カリタ株式会社製)で細引きに粉砕
した。次に、粉砕したコーヒーサンプルを、測色色差計
ZE−2000(日本電色工業株式会社製)の反射試料
台中の丸セルに入れ、タッピングを行った。続いて、こ
の機器を始動させて反射率測定を行い、L値を表示させ
た。その結果、焙煎コーヒー豆はいずれも17.5のL
値を示した。
【0017】さらに、焙煎コーヒー豆粉砕物より調製し
たコーヒー抽出液について、コーヒーの官能検査に精通
している官能検査員(男性)7名による官能検査を実施
した。官能検査は、焙煎コーヒー豆粉砕物から常法によ
り抽出して得たコーヒー抽出液について、味わい、苦味
の強さ、後味のキレ、コクの有無、香りの良さ、香りの
強さ、炭の香りの強さ及び総合評価の8項目について各
検査員が5段階で評価したものの平均値を求めた。各項
目の評価は5段階で行い、例えば味わいの場合は、かな
り深いを5、深いを4、普通を3、少し薄いを2、薄い
を1として評価した。官能検査の結果を第1表に示す。
【0018】比較例1 実施例1と同じブレンドコーヒー生豆を用い、完全熱風
式焙煎方法を行ったこと以外は、実施例1と同様に行っ
た。なお、焙煎機として、コーヒーロースターTYPE R-1
00 (完全熱風式)(ドイツ・プロバット社製)使用し
た。ブレンドしたコーヒー生豆130kgをコーヒーロ
ースターに投入し、ガスの火力により熱せられた熱風で
15分間焙煎を行った。焙煎終了後、直ちに急冷して焙
煎の進行を停止させ、焙煎コーヒー豆を得た。次いで、
実施例1と同様に、L値の算出及び焙煎コーヒー豆粉砕
物より調製したコーヒー抽出液についての官能検査を行
った。焙煎コーヒー豆はいずれも17.5のL値を示し
た。また、官能検査の結果を第1表に示す。
【0019】
【表1】第1表
【0020】表から明らかなように、実施例1の焙煎コ
ーヒーは、官能検査を行ったすべての項目において比較
例1の焙煎コーヒーよりも好ましい評価を得ており、コ
ーヒーの官能的特徴である味わいに深みがあることが明
らかとなった。また、炭火による遠赤外線効果によりコ
ーヒー豆の芯まで焼けていることの指標である苦味は強
いこともわかった。しかも、後味にキレがあり、炭火で
焙煎を行ったことによる特有の香りが加わっていること
が判明した。さらに、香りの質も良く、強く感じ取ら
れ、炭の香りが明確に感じ取られていることが明らかと
なった。以上のことから、コーヒー生豆を本発明にした
がい2段階の焙煎を行い、炭焼による焙煎時間を長くす
ることにより、特有の味わいや香りを有する良質のコー
ヒーが得られることが明らかとなった。
【0021】実施例2、比較例2 この例では、実施例1及び比較例1と同様に焙煎して得
た焙煎コーヒー豆について、その膨張度合を検討した。
まず、900ml容の測定容器の中に、ごまをすりきり
で一杯になるまで入れた後、このごまを一旦別の容器に
移した。次に、測定容器の中に、実施例1又は比較例1
で得た焙煎コーヒー豆100gを入れ、その上からごま
を測定容器内に戻した。測定容器内にごまを隙間が生じ
ないように入れ、容器にすりきりで一杯となるように入
れた。先に入れた焙煎コーヒー豆のために測定容器に入
りきらなかったごまの体積をメスシリンダーで測定し、
この測定値に基づいて焙煎コーヒー豆の体積を求め、膨
張度合を算出した。また、コーヒー生豆の体積と比較す
ることによって焙煎コーヒー豆の膨張率を求めた。結果
を第2表に示す。表から明らかなように、本発明の方法
で焙煎されたコーヒー豆は、従来の完全熱風式焙煎方法
で焙煎されたコーヒー豆よりも体積が大きく、膨張度合
が高いことが明らかとなった。
【0022】
【表2】第2表
【0023】実施例3、比較例3 この例では、実施例1及び比較例1と同様にして得た焙
煎コーヒー豆のpHについて経時的変化を調べた。実施
例1又は比較例1と同様にして得た焙煎コーヒー豆10
0g以上を、シルバーカットミル(カリタ株式会社製)
で細引きに粉砕し、コーヒー粉末を得た。次に、コーヒ
ーマシン(メリタFKM242)を用いて、コーヒー粉
末100gに熱湯2200ccを注いで抽出を行った。
こうして得たコーヒー抽出液について、抽出終了後から
0、20、40又は60分間約80℃にて保温保管し
た。しかる後、該抽出液を室温まで冷却し、pHを以下
の方法で測定した。pHの測定は、電極法により実施し
た。コーヒー抽出液のpH測定結果を第3表に示す。
【0024】
【表3】第3表
【0025】第3表から明らかなように、コーヒー抽出
液のpHは、従来法である完全熱風式で焙煎した比較例
3のものよりも、本発明の方法で焙煎を行った実施例3
のものの方が高値を示す傾向が認められた。以上のこと
から、本発明の炭焼焙煎方法と従来の完全熱風式焙煎方
法とでは、コーヒー抽出液のpHの経時的変化に差があ
ることがわかり、コーヒー生豆を本発明にしたがって2
段階の焙煎を行い、かつ炭焼による焙煎時間を長くする
ことにより、コーヒー抽出液のpHの経時的変化を抑制
できるので、コーヒー抽出液の劣化を抑える効果が期待
できることが明らかとなった。
【0026】実施例4、比較例4 この例では、実施例1及び比較例1と同様にして得た焙
煎コーヒー豆の水分含有率について検討した。これらの
焙煎コーヒー豆の水分含有率を、ハロゲン乾燥方法によ
る重量損失から算出することにより求めた。すなわち、
コーヒー焙煎豆4gをHG53ハロゲン水分計(メトラ
ー・トレド社製)のサンプル受け皿に均等になるよう入
れ、セットした。次に、乾燥温度125℃、乾燥時間3
0分間に乾燥条件を設定し、重量損失を測定した。得ら
れた数値に基づいて、焙煎コーヒー豆の水分含有率を算
出した。結果を第4表に示す。
【0027】
【表4】第4表
【0028】第4表から明らかなように、本発明の方法
で焙煎した方が、従来の完全熱風式で焙煎した場合より
も、焙煎コーヒー豆の水分含有率が低い。このことか
ら、本発明の方法は焙煎コーヒー豆の保存性に優れてい
る上に、良質の香りを保持できることがわかる。
【0029】実施例5、比較例5 この例では、実施例1及び比較例1と同様にして焙煎し
て得たコーヒー豆から調製したコーヒー粉末の抽出効率
について検討した。まず、焙煎コーヒー豆をシルバーカ
ットミル(カリタ株式会社製)にて細引きに粉砕し、コ
ーヒー粉末を得た。次に、コーヒーマシン(メリタFK
M242)を用いて、一定量のコーヒー粉末を2200
ccの熱湯で抽出を行った。得られたコーヒー抽出液の
可溶性固形分(屈折計示度)、すなわちBrixを測定
した。Brixの測定は、糖用屈折計を用いて実施し
た。なお、使用するコーヒー粉末の量を一定とするた
め、実施例4において算出した水分含有率をもとに、コ
ーヒー粉末の使用量を決定し、実施例5の場合は99.
9g、比較例5の場合は100gを用いた。Brixの
測定結果を第5表に示す。
【0030】
【表5】第5表
【0031】表から明らかなように、本発明の方法によ
って得た焙煎コーヒー豆の方が、従来の完全熱風式焙煎
方法によって得た焙煎コーヒー豆よりもBrix値が高
く、抽出効率が高いことが判明した。
【0032】試験例1 炭焼焙煎方法が及ぼすコーヒーの品質について検討し
た。すなわち、第1工程を行わず、焙煎開始時より焙煎
機のダンパーを開いた状態で、炭火の熱により12分間
焙煎を行う従来の炭焼焙煎方法で得られた焙煎コーヒー
豆(従来品)と実施例1に示した本発明の方法により得
た焙煎コーヒー豆(本発明品)との比較を行った。得ら
れた焙煎コーヒー豆は、常法にしたがってコーヒー粉末
を調製し、これらから熱湯で抽出したコーヒー抽出液に
ついて、実施例1と同様に官能検査を実施した。結果を
第6表に示す。表から明らかなように、本発明品に由来
するコーヒー抽出液の方が総合的に品質が優れているこ
とがわかった。
【0033】
【表6】第6表
【0034】試験例2 この例では、焙煎時に用いる炭の種類による影響につい
て調べた。すなわち、実施例1と同様に長崎県対馬産木
炭(白炭50%と中白炭50%の混合炭)を用い、実施
例1と同様の条件で焙煎して得た焙煎コーヒー豆(本発
明品)と中国産備長炭(銘柄:荒上小)を用いて実施例
1と同様の条件で焙煎して得た焙煎コーヒー豆(対照
品)から、試験例1と同様の方法で得たコーヒー抽出液
について、実施例1と同様に官能検査を実施した。結果
を第7表に示す。表から明らかなように、本発明品に由
来するコーヒー抽出液の方が総合的に品質が優れている
ことがわかった。
【0035】
【表7】第7表
【0036】
【発明の効果】本発明により、2段階焙煎法による従来
法よりも長時間の焙煎を行うコーヒー豆の炭焼焙煎方法
が提供される。本発明の方法によって得られる焙煎コー
ヒー豆は、コーヒー豆の煎りムラが解消され、かつコー
ヒー豆の組織の膨張率が向上し、豆に含まれていた水分
が従来法よりも多く除かれるため、保存性に優れている
上に、該焙煎コーヒー豆から得られるコーヒー抽出液の
官能検査において、従来の炭焼焙煎コーヒー豆に由来す
るものに比べて炭焼コーヒー特有の味わいや香りが深
く、良質であるとの評価が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 廣瀬 裕一郎 佐賀県鳥栖市蔵上町315番地1−101 (72)発明者 太田 英明 福岡県福岡市西区野方2丁目15番37号 Fターム(参考) 4B027 FB21 FC01 FQ02 FR17

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コーヒー豆の炭焼焙煎方法において、焙
    煎機のダンパーを閉じた状態で炭火の熱によりコーヒー
    生豆を焙煎する第1工程、焙煎機のダンパーを開いた状
    態で炭火の熱により第1工程で得た焙煎コーヒー豆を焙
    煎する第2工程、該焙煎されたコーヒー豆を急冷する工
    程を含むことを特徴とするL値での焙煎色が14.0〜
    25.0である焙煎コーヒー豆の製造方法。
  2. 【請求項2】 第1工程の焙煎を、100%炭火の熱で
    14〜18分間行い、第2工程の焙煎を、100%炭火
    の熱で2〜13分間行う請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 第1工程及び第2工程の焙煎に用いる炭
    火が白炭と中白炭の混合物に由来する炭火である請求項
    1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の方法で得られたL値での
    焙煎色が14.0〜25.0である焙煎コーヒー豆。
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