JP2003046103A - 薄膜太陽電池及びその設置方法 - Google Patents

薄膜太陽電池及びその設置方法

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JP2003046103A
JP2003046103A JP2001231939A JP2001231939A JP2003046103A JP 2003046103 A JP2003046103 A JP 2003046103A JP 2001231939 A JP2001231939 A JP 2001231939A JP 2001231939 A JP2001231939 A JP 2001231939A JP 2003046103 A JP2003046103 A JP 2003046103A
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film solar
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Junji Hirokane
順司 広兼
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面反射光があっても、薄膜光電変換層に入
射される光量を減少させないようにして、光利用効率を
高めて、発電効率を高くすることができる薄膜太陽電池
及びその設置方法を提供すること。 【解決手段】 集光レンズ群9を通り、第2の反射層6
のピンホール7から入射した光が、第1の反射層5と第
2の反射層7との間で多重反射される。これにより、薄
膜光電変換層3に照射される光量が増大して、発電効率
が高くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜太陽電池及び
その設置方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に薄膜太陽電池は、図13に示すよ
うに、ガラス等の透明絶縁基板101上に、SnO
ITO、ZnO等の透明導電膜102が形成され、その
上に、a−Si:H、a−SiGe:H、または、a−
SiC:H等の非晶質半導体からなり、p型不純物ドー
プ半導体層であるp層103、真性半導体層であるi層
104、n型不純物ドープ層であるn層105がこの順
に積層されて薄膜光電変換層106が形成され、その上
に、裏面からの反射光を有効活用するための透明導電膜
107と反射率が比較的高いAlやAgからなる裏面電
極108が積層された構成である。
【0003】また、発電効率を上げるため、図14に示
すように、タンデム構造薄膜太陽電池が提案されてい
る。このタンデム構造薄膜太陽電池は、バンドギャップ
の異なるp層103、i層104、n層105からなる
薄膜光電変換層106が複数層積層された構成であり、
各薄膜光電変換層106において異なる波長の光を光電
変換することにより、トータルの開放電圧を高くして、
発電効率の上昇を実現している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記薄膜太陽電池及び
タンデム構造薄膜太陽電池においては、透明絶縁基板1
01上の透明導電膜102及び107の膜厚を最適化す
ることにより、薄膜光電変換層106において光電変換
に必要とされる波長の光が、薄膜光電変換層106に効
率的に吸収されるように設計されている。しかしなが
ら、これらの最適化設計は、透明導電膜102及び10
7における光の干渉効果を利用したものであり、最適化
設計が実現した中心波長の光に対しても、10%〜20
%の表面反射光が存在し、最適化設計が実現した中心波
長から光の波長がずれるに従い、その表面反射光は、さ
らに増加することになる。このような表面反射光の増大
は、光利用効率の低下の一因となっている。特に、幅広
い波長帯域の光を光電変換に利用するタンデム構造太陽
電池においては、この表面反射による光損失が顕著とな
る。
【0005】そこで、本発明の課題は、表面反射光があ
っても、薄膜光電変換層に入射される光量を減少させな
いようにして、光利用効率を高めて、発電効率を高くす
ることができる薄膜太陽電池及びその設置方法を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明の薄膜太陽電池は、透明基板と、上記透明基
板の一方の面側に位置する第1の反射層と、上記透明基
板の上記一方の面と第1の反射層との間に位置する薄膜
光電変換層と、上記透明基板の他方の面に設けられると
共に、ピンホール群を有する第2の反射層と、上記ピン
ホール群に入射光を集光する集光レンズ群とを備えるこ
とを特徴としている。
【0007】上記構成によれば、入射光は集光レンズ群
によって第2の反射膜のピンホール群の各ピンホールに
集光される。そして、各ピンホールから入射した光は、
第1の反射層と第2の反射層との間で多重反射される。
従って、上記薄膜光電変換層に照射される光量が増大し
て、発電効率が高くなる。
【0008】1実施の形態では、上記薄膜光電変換層
が、p型不純物ドープ非晶質半導体層とn型不純物ドー
プ非晶質半導体層とで、真性非晶質半導体層であるi層
を挟んだpin構造で構成されている。
【0009】上記実施の形態では、上記薄膜光電変換層
が、非晶質半導体からなり、かつ、pin構造であるか
ら、吸収係数が高くて、薄く、安価に製造でき、かつ、
光電変換効率が比較的高いという利点を有する。
【0010】また、1実施の形態は、上記薄膜光電変換
層が複数層積層されたタンデム構造である。
【0011】上記実施の形態では、上記薄膜光電変換層
が複数層積層されたタンデム構造であるから、太陽電池
の開放電圧を大きくすることができる。また、上記複数
の薄膜光電変換層のバンドギャップを異ならせることに
よって、各波長の光を各薄膜光電変換層で効率よく光電
変換することができる。従って、上記実施の形態は、発
電効率を高くすることができる。
【0012】また、1実施の形態では、上記集光レンズ
が半球状のレンズであり、その半球状のレンズの中心が
上記第2の反射層に設けられた上記ピンホールの中心と
略重なるように、上記半球状のレンズ群が第2の反射層
上に取り付けられている。
【0013】上記実施の形態によれば、上記半球状レン
ズの中心が第2の反射層のピンホールの中心と略重なる
ように、上記半球状レンズ群が第2の反射層上に取り付
けられているので、上記半球状のレンズによって、入射
光が、効率良く、第2の反射層のピンホールに集光され
る。従って、発電効率を高くすることができる。
【0014】また、1実施の形態では、上記集光レンズ
が紫外線硬化樹脂により形成されている。
【0015】上記実施の形態では、上記集光レンズが紫
外線硬化樹脂からなるので、2P法(光重合法:Photo
Polymerization)等の簡略な方法で集光レンズ群を一括
形成することが可能となり、薄膜太陽電池の低コスト化
を実現することができる。
【0016】また、1実施の形態では、上記集光レンズ
群は、各1つの半球状のレンズの周りに6個の半球状の
レンズが接する最密状態になっている。
【0017】上記実施の形態では、各1つの半球状のレ
ンズの周りに6個の半球状のレンズが接する最密状態に
なっているので、トータルの集光面積を広くすることが
でき、発電効率を高くすることができる。
【0018】また、本発明の薄膜太陽電池の設置方法
は、上記実施の形態の薄膜太陽電池を、特定の半球状の
レンズに隣接し、かつ、お互いに隣接する2つの半球状
のレンズが接する点と、上記特定の半球状のレンズの中
心点を結ぶ直線が略東西方向を向くように設置すること
を特徴としている。
【0019】本発明によれば、光が東西方向、かつ、斜
め方向から入射する朝方及び夕方においても、各半球状
のレンズは、隣りの半球状のレンズとは東西方向に直接
接していなくて、東西方向には、半球状のレンズの間に
空間が空いているので、光が東西方向、かつ、斜め方向
から入射する朝方及び夕方においても、各半球状のレン
ズは多くの光を受けることができる。従って、朝方及び
夕方においても、高い発電効率を維持することができ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の薄膜太陽電池を図
示の実施の形態により詳細に説明する。
【0021】(実施の形態1)図1は、本発明の実施の
形態1の薄膜太陽電池の断面概略図を示している。
【0022】この薄膜太陽電池は、透明絶縁基板1の一
方の面に、透明導電膜2、薄膜光電変換層3、透明導電
膜4及び第1の反射層5を順次積層している。また、上
記透明絶縁基板1の他方の面には、ピンホール群7を有
する第2の反射層6を形成し、さらに、この反射層6上
に、ピンホール群7の各ピンホール7に入射光8を集光
すべく配列された集光レンズ群9を形成している。
【0023】上記集光レンズ群9の各集光レンズ9は、
半球状のレンズ9である。この各半球状のレンズ9の中
心は、上記第2の反射層9のピンホール群7のピンホー
ル7の中心と略重なるようにして、この半球状のレンズ
9によって、入射光が、第2の反射層6のピンホール7
に効率良く集光されるようにしている。
【0024】上記構成において、薄膜太陽電池に太陽光
等の光が照射されると、入射光8は集光レンズ群9によ
り、第2の反射層6上に形成されたピンホール群7へと
集光され、透明基板1、透明導電膜2、薄膜光電変換層
3、透明導電膜4を順次通過し、第1の反射層5により
反射される。第1の反射層5により反射された光(点
線)は、透明導電膜4を通過し、再度、薄膜光電変換層
3へと入射して透過する。この透過光は、透明導電膜2
を通過し、第2の反射層6により反射され、再度、薄膜
光電変換層3へ入射する。また、上記薄膜光電変換層3
において反射された光も、第1の反射層5及び第2の反
射層6により反射され、再度、薄膜光電変換層3へ入射
することになる。このように、第1の反射層5、第2の
反射層6及び薄膜光電変換層3の間で、ピンホール群7
から入射した光が多重反射することにより、入射光8が
薄膜光電変換層3に効率良く照射されるので、薄膜光電
変換層3による発電効率を高くすることができる。
【0025】(実施の形態2)図2に示す本発明の実施
の形態2の薄膜太陽電池は、透明基板1の一方の面に、
透明導電膜2、第1の薄膜光電変換層31、第2の薄膜
光電変換層32、第3の薄膜光電変換層33、透明導電
膜4及び第1の反射層5を順次積層している。また、上
記透明基板1の他方の面には、ピンホール群7を有する
第2の反射層6と、このピンホール群7の各ピンホール
7に入射光8を集光すべく配列された集光レンズ群9を
形成している。
【0026】上記第1、第2、第3の薄膜光電変換層3
1、32、33は、3層のタンデム構造であって、直列
結合している。さらに、上記第1、第2、第3の薄膜光
電変換層31、32、33のバンドギャップは、互いに
を異ならせている。
【0027】上記構成によれば、薄膜太陽電池への入射
光8は、集光レンズ群9により集光されて、ピンホール
群7のピンホール7から透明絶縁基板1の中に入射す
る。この入射光8は、図1の薄膜太陽電池と同様に、第
1の反射層5、第2の反射層6及び第1、第2、第3の
薄膜光電変換層31、32、33の間で、多重反射し
て、入射光8が第1、第2、第3の薄膜光電変換層3
1、32、33に効率良く照射される。従って、第1、
第2、第3の薄膜光電変換層31、32、33による発
電効率を高くすることができる。
【0028】さらに、上記第1、第2、第3の薄膜光電
変換層31、32、33は、3層のタンデム構造で、直
列結合しているので、端子間の開放電圧が大きくなっ
て、さらに発電効率を高くすることができる。
【0029】さらにまた、上記第1、第2、第3の薄膜
光電変換層31、32、33のバンドギャップが互いに
異なっているため、第1、第2、第3の薄膜光電変換層
31、32、33において光電変換のために吸収される
光の波長が異なって、幅広い波長にわたる光をより効率
的に光電変換に利用することができ、従って、発電効率
をさらに高くすることができる。
【0030】図3と図4は、集光レンズ群9の集光レン
ズ9の平面的配置構造を示している。
【0031】図3に示す集光レンズ群9では、複数の半
球状のレンズ9が縦横に規則正しく配列して、1つの半
球状のレンズ9に上下左右から4個の半球状のレンズ9
が接触している。
【0032】この平面的配置構造では、集光レンズ群9
の半球状のレンズ9が取り付けられた領域以外の反射領
域10に入射した光は、ピンホール群7に集光されるこ
となく、透明絶縁基板1上に形成された第2の反射層6
により反射されるため、光損失が大きくなる。
【0033】一方、図4に示す集光レンズ群9では、横
方向に並んだ複数の半球状のレンズ9からなる行は、隣
り合う上下の行で、半球状のレンズ9の配列ピッチは半
ピッチずらせて、各1つの半球状のレンズ9の周りに6
個の半球状のレンズ9が接する最密状態の配置構造をも
っている。
【0034】この図4に示す集光レンズ群9では、その
反射領域10が図3に示す反射領域10よりも小さいか
ら、光利用効率が高くなって、発電効率を高くすること
ができる。
【0035】上記実施の形態1,2では、図4に示す集
光レンズ群9を用いている。もっとも、図3に示す集光
レンズ群9を用いることも可能である。
【0036】(実施の形態3)図5は、図4に示す集光
レンズ群9を有する実施の形態1及び2の薄膜太陽電池
の設置方法を説明する図である。
【0037】太陽光は、常に太陽電池の真上から照射さ
れるものではなく、朝方や夕方においては、太陽光が薄
膜太陽電池に斜め方向から入射することになる。
【0038】図6は、図5において、集光レンズ群9が
一直線上に連続的に連なる矢印11の方向から、光が斜
めに照射された場合の様子を示しており、図7は、図5
において、ある特定の集光レンズ91に隣接し、かつ、
お互いに隣接する2つの集光レンズ92、93が接する
点と、上記特定の集光レンズ91の中心点とを結ぶ直線
の方向である矢印12の方向から、光が斜めに照射され
た場合の様子を示している。
【0039】図6の場合、光入射方向に対して、集光レ
ンズ群9の複数の半球状のレンズ9が一直線上に連続的
に連なって形成されているため、斜めから入射する光8
が、隣接する半球状のレンズ9により遮られて、斜めか
ら照射された光を効率的に半球状のレンズ9で集光する
ことができなくなる。図6に示すように、ある特定の半
球状のレンズ94の中心に位置するピンホール7を通
り、その半球状のレンズに隣接する集光レンズ95に外
接する直線の傾き以上に傾いた方向から光が入射する場
合、隣接する半球状のレンズ95による遮光効果が顕著
となり、光利用率の劣化、すなわち、発電効率の劣化に
つながる。
【0040】一方、図7の場合、図5において光が入射
してくる方向12に対して、半球状のレンズ群9が離散
的に形成されているため、隣接する半球状のレンズ9に
よる遮光効果が著しく低減されることになって、図7に
示すように、図6の場合よりもさらに傾いた方向から入
射する光8も効率的に半球状レンズ9へと導くことが可
能となる。
【0041】従って、朝方及び夕方に、光が傾いて入射
する方向、すなわち、東西方向を、図5において、ある
特定の集光レンズ91に隣接し、かつ、お互いに隣接す
る2つの集光レンズ92、93が接する点と、上記特定
の集光レンズ91の中心点とを結ぶ直線の方向(矢印1
2の方向)と一致させることにより、より効率的な集光
が実現され、発電効率の高い薄膜太陽電池を得ることが
可能となる。
【0042】実施例1 図8から図12に示すプロセスに従って、図1に示す本
発明の薄膜太陽電池を作成した。
【0043】まず、図8に示すように、透明基板として
のガラス基板1上に、図示しないくし型集電電極を形成
した後、膜厚30nmのSnO透明導電層2を反応性
スパッタリングにより形成した。次に、p型不純物ドー
プ半導体層であるp層、真性半導体層であるi層、n型
不純物ドープ層であるn層がこの順に積層された光電変
換層3をプラズマCVD(化学的気相成長)装置による
気相成長法で形成した。各半導体層は、それぞれ、Si
ガス・Hガス・CHガス・Bガスの混合
ガスを用いて気相成長した膜厚15nmのa−SiC:
Hのp層、SiHガス・Hガスの混合ガスを用いて
気相成長した膜厚200nmのa−Si:Hのi層、S
iHガス・Hガス・PHガスの混合ガスを用いて
気相成長した膜厚15nmのa−Si:Hのn層とし
た。上記光電変換層3を形成した後、膜厚30nmのS
nO透明導電層4を反応性スパッタリングにより形成
し、さらに、膜厚100nmのAlからなる第1の反射
層5をスパッタリングにより形成した。ここで、第1の
反射層5は、集電電極として兼用される。
【0044】次に、図9に示すように、第1の反射層5
上に、膜厚20nmのTa保護膜13をスパッタリング
により形成し、ガラス基板1の他方の面に、膜厚100
nmのAlからなる第2の反射層6をスパッタリングに
より形成する。
【0045】次に、図10に示すように、フォトレジス
トマスク(図示せず)を用いて、希硝酸により、第2の
反射層6のウエットエッチングを行い、第2の反射層6
にピンホール群7を形成する。形成したピンホール7の
直径は、0.5mmであった。
【0046】次に、図11に示すように、集光レンズ群
に対応した窪み15が形成された透明ガラススタンパ1
6に未硬化状態の紫外線硬化樹脂17を満たし、それぞ
れの集光レンズ群に対応した窪み15の開口の中心位置
とピンホール7の位置が一致するように位置合わせした
後、図12に示すように、透明ガラススタンパ16とガ
ラス基板1とを密着させ、透明ガラススタンパ16越し
に紫外線光18を照射し、紫外線硬化樹脂17を硬化し
た後、透明ガラススタンパ16を剥離することにより、
本実施例1の集光レンズ群9を有する薄膜太陽電池が完
成する。ここで作製した実施例1の薄膜太陽電池の集光
レンズは、図3に示すように、集光レンズ群9が縦横に
同じ位相で規則正しく配列したものである。また、集光
レンズ9の直径は10mmであり、そのレンズ表面は、
ピンホール7の中心位置を中心とした球面状であった。
【0047】比較のため、図8に示す状態で、SnO
透明導電層2の膜厚を100nmとした従来の構成の薄
膜太陽電池を同時に作製した。ここで、SnO透明導
電層2の膜厚を100nmとした理由は、透明導電層2
による反射防止効果により、従来の薄膜太陽電池におけ
る光電変換効率を最大とするためである。
【0048】上記の方法に従って作製した実施例1の薄
膜太陽電池と従来の薄膜太陽電池に対して、AM1.5
シミュレーターで100mW/cmの光を照射し、I
−V特性を測定したところ、実施例1の薄膜太陽電池
は、従来の薄膜太陽電池に比べて、開放電圧が12%程
度大きく、短絡電流が6%程度大きくなっていることが
確認された。従って、実施例1の薄膜太陽電池は、従来
の薄膜太陽電池に比べて、光電変換効率が19%程度高
くなっていることがわかった。
【0049】実施例2 実施例2の薄膜太陽電池は、実施例1と同様にして、図
8〜12と略同じプロセスで作製されるが、図4に示す
ように、集光レンズ群9が最密状態となるように配列し
ている。
【0050】この実施例2の薄膜太陽電池と実施例1の
薄膜太陽電池に対して、AM1.5シミュレーターで1
00mW/cmの光を照射し、I−V特性を測定した
ところ、実施例2の薄膜太陽電池は、実施例1の薄膜太
陽電池に比べて、開放電圧が3%程度大きく、短絡電流
が3%程度大きくなっていることが確認された。従っ
て、実施例2の薄膜太陽電池は、実施例1の薄膜太陽電
池に比べて、光電変換効率がさらに6%程度高くなって
いることがわかった。
【0051】実施例3 実施例2の薄膜太陽電池に対して、AM1.5シミュレ
ーターで100mW/cmの光を、図6,7に示すよ
うに、薄膜太陽電池の基板1に対する入射角が20度と
なるように、かつ、図5において、集光レンズ群9が一
直線上に連続的に連なる方向11(矢印11で示す。)
と、ある特定の集光レンズ91に隣接し、かつ、お互い
に隣接する2つの集光レンズ92、93が接する点と、
上記特定の集光レンズ91の中心点とを結ぶ直線の方向
12(矢印12で示す。)とから照射してI−V特性を
測定したところ、方向12から照射した場合、方向11
から照射した場合に比べて、開放電圧が5%程度大き
く、短絡電流が5%程度大きくなっていることが確認さ
れた。従って、方向12から照射した場合、方向11か
ら照射した場合に比べて、光電変換効率がさらに10%
程度高くなっていることがわかった。この結果から、朝
方及び夕方に、光が傾いて入射する方向、すなわち、東
西方向を、ある特定の集光レンズ91に隣接し、かつ、
お互いに隣接する2つの集光レンズ92、93が接する
点と、上記特定の集光レンズ91の中心点とを結ぶ直線
の方向12と一致させることにより、より効率的な集光
が実現され、発電効率の高い薄膜太陽電池を得ることが
可能となることが確認された。
【0052】実施例4 次に、図2に示す本発明のタンデム構造の薄膜太陽電池
を作製した。
【0053】第4実施例においては、薄膜光電変換層3
1、32、33以外は、第1実施例と同様にして形成し
た。
【0054】薄膜光電変換層31、32、33は、それ
ぞれ、SiHガス・Hガス・CHガス・B
ガスの混合ガスを用いて気相成長した膜厚10nmのa
−SiC:Hのp層、SiHガス・Hガスの混合ガ
スを用いて気相成長した膜厚60nmのa−Si:Hの
i層、SiHガス・Hガス・PHガスの混合ガス
を用いて気相成長した膜厚10nmのa−Si:Hのn
層からなるpin構造からなり、プラズマCVD法によ
る気相成長を繰り返し行うことにより形成した。
【0055】本発明のタンデム構造である第4実施例の
薄膜太陽電池と、第1実施例の薄膜太陽電池に対して、
AM1.5シミュレーターで100mW/cmの光を
照射し、I−V特性を測定したところ、第4実施例の薄
膜太陽電池は、第1実施例の薄膜太陽電池に比べて、開
放電圧が60%程度大きく、短絡電流が20%程度小さ
くなっていることが確認された。すなわち、第4実施例
の薄膜太陽電池は、第1実施例の薄膜太陽電池に比べ
て、光電変換効率が28%程度高くなっていることがわ
かった。
【0056】実施例4においては、薄膜光電変換層3
1、32、33を、それぞれ、同一条件で形成している
が、それぞれの薄膜光電変換層の膜厚を最適化し、さら
には、それぞれの薄膜光電変換層の半導体の種類を変え
て、光電変換に利用する光の波長をずらすことにより、
さらに高い光電変換効率を実現することが可能である。
【0057】上記実施の形態、実施例では、半球状のレ
ンズという言葉を使用したが、半球状とは、球を中心を
通る平面で切断した厳密な意味の半球に限らず、球を平
面で切断した形状をも含む概念である。
【0058】
【発明の効果】以上より明らかなように、本発明の薄膜
太陽電池によれば、集光レンズ群によって集光されて第
2の反射膜のピンホール群から入射した光は、第1の反
射層と第2の反射層との間で多重反射されて、上記第1
の反射層と第2の反射層との間に存在する薄膜光電変換
層を繰り返し照射するので、上記薄膜光電変換層に照射
される光量が増大して、発電効率が高くなる。
【0059】1実施の形態は、上記薄膜光電変換層が、
非晶質半導体からなり、かつ、pin構造であるので、
吸収係数が高くて、薄く、安価に製造でき、かつ、光電
変換効率が比較的高いという利点を有する。
【0060】また、1実施の形態は、上記薄膜光電変換
層が複数層積層されたタンデム構造であるので、太陽電
池の開放電圧を大きくすることができる。また、上記複
数の薄膜光電変換層のバンドギャップを異ならせること
によって、各波長の光を各薄膜光電変換層で効率よく光
電変換することができる。従って、上記実施の形態は、
発電効率を高くすることができる。
【0061】また、1実施の形態では、上記集光レンズ
が半球状のレンズであり、その半球状レンズの中心が第
2の反射層のピンホールの中心と略重なるように、上記
半球状レンズ群が第2の反射層上に取り付けられている
ので、上記半球状のレンズによって、入射光が、効率良
く、第2の反射層のピンホールに集光され、従って、発
電効率を高くすることができる。
【0062】また、1実施の形態では、上記集光レンズ
が紫外線硬化樹脂により形成されているので、2P法等
の簡略な方法で集光レンズ群を一括形成することがで
き、薄膜太陽電池の低コスト化を実現することができ
る。
【0063】また、1実施の形態では、上記集光レンズ
群は、各1つの半球状のレンズの周りに6個の半球状の
レンズが接する最密状態になっているので、トータルの
集光面積を広くすることができ、発電効率を高くするこ
とができる。
【0064】また、本発明の薄膜太陽電池の設置方法
は、各1つの半球状のレンズの周りに6個の半球状のレ
ンズが接する最密状態になっている集光レンズ群を有す
る上記薄膜太陽電池を、特定の半球状のレンズに隣接
し、かつ、お互いに隣接する2つの半球状のレンズが接
する点と、上記特定の半球状のレンズの中心点を結ぶ直
線が略東西方向を向くように設置するので、光が東西方
向、かつ、斜め方向から入射する朝方及び夕方において
も、各半球状のレンズは、隣りの半球状のレンズとは東
西方向に直接接していなくて、東西方向には、半球状の
レンズの間に空間が空いているので、光が東西方向、か
つ、斜め方向から入射する朝方及び夕方においても、各
半球状のレンズは多くの光を受けることができ、従っ
て、朝方及び夕方においても、高い発電効率を維持する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の薄膜太陽電池の断面図
である。
【図2】 本発明の実施の形態の薄膜太陽電池の断面図
である。
【図3】 本発明の実施の形態の薄膜太陽電池の平面図
である。
【図4】 本発明の実施の形態の薄膜太陽電池の平面図
である。
【図5】 本発明の実施の形態の薄膜太陽電池の平面図
である。
【図6】 本発明の実施の形態の薄膜太陽電池の断面図
である。
【図7】 本発明の実施の形態の薄膜太陽電池の断面図
である。
【図8】 本発明の実施例の薄膜太陽電池の作製方法を
説明する断面図である。
【図9】 本発明の実施例の薄膜太陽電池の作製方法を
説明する断面図である。
【図10】 本発明の実施例の形態薄膜太陽電池の作製
方法を説明する断面図である。
【図11】 本発明の実施例の薄膜太陽電池の作製方法
を説明する断面図である。
【図12】 本発明の実施例の薄膜太陽電池の作製方法
を説明する断面図である。
【図13】 従来の薄膜太陽電池の断面図である。
【図14】 従来の薄膜太陽電池の断面図である。
【符号の説明】
1 透明基板 2 透明導電膜 3 薄膜光電変換層 4 透明導電膜 5 第1の反射層 6 第2の反射層 7 ピンホール 8 光 9 集光レンズ群 10 反射領域

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板と、 上記透明基板の一方の面側に位置する第1の反射層と、 上記透明基板の上記一方の面と第1の反射層との間に位
    置する薄膜光電変換層と、 上記透明基板の他方の面に設けられると共に、ピンホー
    ル群を有する第2の反射層と、 上記ピンホール群に入射光を集光する集光レンズ群とを
    備えることを特徴とする薄膜太陽電池。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の薄膜太陽電池におい
    て、 上記薄膜光電変換層が、p型不純物ドープ非晶質半導体
    層とn型不純物ドープ非晶質半導体層とで、真性非晶質
    半導体層であるi層を挟んだpin構造で構成されてい
    ることを特徴とする薄膜太陽電池。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の薄膜太陽電池におい
    て、 上記薄膜光電変換層が複数層積層されたタンデム構造で
    あることを特徴とする薄膜太陽電池。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の薄膜太陽電池におい
    て、上記集光レンズが半球状のレンズであり、その半球
    状のレンズの中心が上記第2の反射層に設けられた上記
    ピンホールの中心と略重なるように、上記半球状のレン
    ズ群が第2の反射層上に取り付けられていることを特徴
    とする薄膜太陽電池。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の薄膜太陽電池におい
    て、上記集光レンズが紫外線硬化樹脂により形成されて
    いることを特徴とする薄膜太陽電池。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の薄膜太陽電池におい
    て、上記集光レンズ群は、各1つの半球状のレンズの周
    りに6個の半球状のレンズが接する最密状態になってい
    ることを特徴とする薄膜太陽電池。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の薄膜太陽電池を、 特定の上記半球状のレンズに隣接し、かつ、お互いに隣
    接する2つの半球状のレンズが接する点と、上記特定の
    半球状のレンズの中心点を結ぶ直線が略東西方向を向く
    ように設置することを特徴とする薄膜太陽電池の設置方
    法。
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