JP2003045752A - 電気二重層キャパシタ用セパレータ - Google Patents

電気二重層キャパシタ用セパレータ

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JP2003045752A
JP2003045752A JP2001228516A JP2001228516A JP2003045752A JP 2003045752 A JP2003045752 A JP 2003045752A JP 2001228516 A JP2001228516 A JP 2001228516A JP 2001228516 A JP2001228516 A JP 2001228516A JP 2003045752 A JP2003045752 A JP 2003045752A
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fibers
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electric double
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JP2001228516A
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Noritoshi Kimura
文紀 木村
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Japan Vilene Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極と密着させるために高い圧力を印加して
も、破断することがなく、イオン透過性に優れ、しかも
イオン性溶液の保持性に優れている電気二重層キャパシ
タ用セパレータを提供すること。 【解決手段】 本発明の電気二重層キャパシタ用セパレ
ータは、繊維径が4μm以下の極細繊維と、繊維径が7
μm以上の太繊維とを含む繊維層を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気二重層キャパシ
タ用セパレータに関する。
【0002】
【従来の技術】電気二重層キャパシタは比較的大きな容
量をもち、しかも長寿命かつ急速充放電が可能であるこ
とから、電源の平滑化、ノイズ吸収などの従来の用途以
外に、パーソナルコンピューターのメモリーバックアッ
プ電源、二次電池の補助又は代替に用いられてきてお
り、近年においては電気自動車用の二次電池としての用
途が期待されている。
【0003】この電気二重層キャパシタはイオン性溶液
中に一対の電極が浸漬された構造を有している。この電
気二重層キャパシタに電圧を印加すると、電極と反対符
号のイオンが電極の近傍に分布してイオンの層を形成す
る一方、電極の内部にはイオンと反対符号の電荷が蓄積
される。次いで、電極間に負荷をつなぐと、電極内の電
荷が放電されると同時に、電極近傍に分布していたイオ
ンは電極近傍から離れて中和状態に戻る。
【0004】このような電気二重層キャパシタにおい
て、一対の電極が接触してしまうと、電極近傍において
イオンの層を形成することが困難になるため、通常一対
の電極間にセパレータが配置されている。このセパレー
タは電極と密着していないと、セパレータと電極との間
にイオン性溶液の少ない部分が形成されてしまい、イオ
ン透過性が悪くなるため、このような状態をさけるため
に、セパレータと電極とが密着するように、高い圧力を
印加するのが一般的である。
【0005】従来、このセパレータとして、メルトブロ
ー法により得られた不織布にプラズマ処理を施したもの
が知られている。しかしながら、このセパレータに対し
て高い圧力を加えると、セパレータが破れてしまって電
極同士が接触してしまったり、イオン透過性が悪くなっ
たり、或いはイオン性溶液の保持性が悪いために、電極
にイオン性溶液を吸い取られやすく、キャパシタ寿命が
短くなりやすい、という問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
問題点を解決するためになされたものであり、電極と密
着させるために高い圧力を印加しても、破断することが
なく、イオン透過性に優れ、しかもイオン性溶液の保持
性に優れている電気二重層キャパシタ用セパレータを提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の電気二重層キャ
パシタ用セパレータ(以下、単に「セパレータ」とい
う)は、繊維径が4μm以下の極細繊維と、繊維径が7
μm以上の太繊維とを含む繊維層を備えている。そのた
め、高い圧力を加えたとしても、太繊維の存在によって
セパレータの破断を防止することができ、しかも高い圧
力を印加しても、太繊維の存在によってある程度の空隙
を確保することができると共に、極細繊維を含んでいる
ことによって、イオン性溶液の保持性に優れているた
め、イオン透過性に優れ、寿命の長いキャパシタを製造
することのできるセパレータである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のセパレータを構成する繊
維層は、イオン性溶液の保持性に優れ、キャパシタの寿
命を長くできるように、繊維径が4μm以下の極細繊維
を含んでいる。繊維径が細ければ細い程、イオン性溶液
の保持性に優れているため、繊維径が3μm以下である
のが好ましく、2μm以下であるのがより好ましい。極
細繊維の繊維径の下限は特に限定するものではないが、
0.01μm程度が適当である。
【0009】本発明における「繊維径」は、繊維の横断
面形状が円形である場合には、その直径をいい、繊維の
横断面形状が非円形である場合には、同じ断面積を有す
る円の直径を繊維径とみなす。
【0010】なお、極細繊維によって均一な孔径を有す
る繊維層を形成し、イオン性溶液の分布が均一であるよ
うに、各極細繊維相互の繊維径がほぼ同じであるのが好
ましい。つまり、極細繊維の繊維径分布の標準偏差値
(σ)を、極細繊維の平均繊維径(d)で除した値(=
σ/d)が0.2以下(好ましくは0.18以下)であ
るのが好ましい。なお、各極細繊維相互の繊維径が全く
同じである場合には標準偏差値(σ)が0になるため、
前記値(σ/d)の下限値は0である。
【0011】この「極細繊維の平均繊維径(d)」は、
セパレータの繊維層の電子顕微鏡写真を撮影し、この電
子顕微鏡写真における100本以上(n本)の極細繊維
の繊維径を計測し、その計測した繊維径を平均した値を
いう。また、極細繊維の「標準偏差値(σ)」は、計測
した繊維径(χ)を用いて、次の式から算出した値をい
う。 標準偏差={(nΣχ2−(Σχ)2)/n(n−1)}
1/2 ここでnは測定した極細繊維の本数を意味し、χはそれ
ぞれの極細繊維の繊維径を意味する。
【0012】なお、繊維径が4μm以下の極細繊維が、
繊維径分布の観点で2種類以上の群からなる場合には、
各々の極細繊維群について、上記関係が成立するのが好
ましい。
【0013】また、均一な孔径を有する繊維層を形成で
きるように、各極細繊維は、その繊維軸方向において、
直径が実質的に変化しない(すなわち、実質的に同じ直
径を有している)のが好ましい。
【0014】このような各極細繊維相互の繊維径がほぼ
同じである極細繊維、又は繊維軸方向において、直径が
実質的に変化しない極細繊維は、例えば、紡糸口金部で
海成分中に口金規制して島成分を押し出して複合する複
合紡糸法で得た海島型複合繊維の海成分を除去すること
により得ることができる。
【0015】なお、一般的に混合紡糸法といわれる、島
成分を構成する樹脂と海成分を構成する樹脂とを混合し
た後に紡糸する方法によって得た海島型複合繊維の海成
分を除去する方法によっては、各極細繊維相互の繊維径
がほぼ同じである極細繊維、又は繊維軸方向において、
直径が実質的に変化しない極細繊維を得ることは困難で
あるが、本発明において使用することができる。
【0016】また、メルトブロー法によっても、各極細
繊維相互の繊維径がほぼ同じである極細繊維、又は繊維
軸方向において、直径が実質的に変化しない極細繊維を
得ることは困難であるが、本発明において使用すること
ができる。
【0017】更に、機械的作用(例えば、水流などの流
体流、カレンダーなど)によって分割可能な分割性繊維
に対して、機械的作用を作用させることにより発生させ
た極細繊維は、分割性繊維が完全に分割されるのであれ
ば、各極細繊維相互の繊維径がほぼ同じである極細繊
維、又は繊維軸方向において、直径が実質的に変化しな
い極細繊維を得ることができる。しかしながら、現実に
は分割性繊維が完全に分割されることは稀で、分割性繊
維の一部が分割された状態にあるのが一般的であるた
め、現実には各極細繊維相互の繊維径がほぼ同じである
極細繊維、又は繊維軸方向において直径が実質的に変化
しない極細繊維を得ることは困難である。なお、この分
割性繊維から発生させた極細繊維であっても、本発明に
おいて使用することができる。
【0018】本発明の極細繊維は前述のような極細繊維
を1種類以上含んでいれば良く、1種類である必要はな
い。例えば、複合紡糸法により得られた海島型複合繊維
から形成した極細繊維と、混合紡糸法により得られた海
島型複合繊維から形成した極細繊維、及び/又は分割性
繊維に機械的作用を作用させて発生させた極細繊維を含
んでいることができる。
【0019】この極細繊維は有機系成分及び/又は無機
系成分から構成していることができるが、キャパシタを
軽量化することのできる有機系成分から構成されている
のが好ましい。より具体的には、ポリアミド系樹脂、ポ
リオレフィン系樹脂など1種類以上の樹脂から構成され
ていることができる。特に、イオン性溶液によって侵さ
れることがないように、ポリオレフィン系樹脂から構成
されているのが好ましい。例えば、ポリエチレン系樹脂
(例えば、超高分子量ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレン、エチレン共重合体など)、ポリプ
ロピレン系樹脂(例えば、ポリプロピレン、プロピレン
共重合体など)、ポリメチルペンテン系樹脂(例えば、
ポリメチルペンテン、メチルペンテン共重合体など)か
ら構成されていることができ、ポリプロピレン系樹脂や
ポリエチレン系樹脂からなるのが好ましい。
【0020】なお、極細繊維が融着に関与できる樹脂成
分(以下、「融着成分」ということがある)を含み、こ
の融着成分により融着していると、極細繊維を確実に固
定することができ、極細繊維が脱落したり、毛羽立つこ
とがないため好適な実施態様である。
【0021】この極細繊維を融着させる場合、極細繊維
は融着成分のみから構成することもできるし、融着成分
とこの融着成分の融点よりも高い融点を有する成分(以
下、「非融着成分」ということがある)の2種類以上の
成分から構成することもできる。後者のように極細繊維
が融着成分と非融着成分を含む2種類以上の成分から構
成されていると、融着成分を融着させても繊維形態を維
持して、イオン性溶液の保持性に優れているため好適で
ある。
【0022】極細繊維が融着成分と非融着成分とから構
成されている場合、融着できるように、融着成分が極細
繊維表面の一部又は全部を占めているのが好ましい。よ
り具体的には、極細繊維の横断面形状が、例えば、芯鞘
型、偏芯型、海島型であるのが好ましい。なお、非融着
成分は繊維形状を維持できるように、融着成分の融点よ
りも10℃以上高い融点を有するのが好ましく、20℃
以上高い融点を有するのがより好ましい。
【0023】この融着成分と非融着成分とを含む極細繊
維は、常法の複合紡糸法により海島型複合繊維を紡糸す
る際に、島成分を押し出す口金として、前述のような横
断面形状(例えば、芯鞘型、偏芯型、海島型)を形成で
きるものを使用して海島型複合繊維を紡糸し、海成分を
除去するか、常法の複合紡糸法により海島型複合繊維を
紡糸する際に、融着成分と非融着成分とを混合した樹脂
を島成分を押し出す口金に供給して海島型複合繊維を紡
糸し、海成分を除去することにより得ることができる。
【0024】本発明における「融点」は示差走査熱量計
を用い、昇温温度10℃/分で、室温から昇温して得ら
れる融解吸熱曲線の極大値を与える温度をいう。なお、
極大値が2つ以上ある場合には、最も高温の極大値を融
点とする。
【0025】なお、極細繊維は均一分散しやすいよう
に、自由度の高い短繊維(繊維長が30mm以下)であ
るのが好ましいが、極細繊維、海島型複合繊維、或いは
分割性繊維を裁断する際に、極細繊維同士又は極細繊維
形成樹脂成分(例えば、海島型複合繊維の島成分)同士
が圧着してしまうと、フィブリル化した繊維と同様の状
態となり、イオン透過性が悪くなる傾向があるため、裁
断する際に極細繊維同士又は極細繊維形成樹脂成分同士
が圧着しにくい極細繊維、海島型複合繊維、或いは分割
性繊維を使用するのが好ましい。
【0026】このような圧着しにくい極細繊維、海島型
複合繊維、或いは分割性繊維としては、例えば、極細繊
維、海島型複合繊維、或いは分割性繊維がポリメチルペ
ンテンを含んでいたり、融点が166℃以上(好ましく
は168℃以上)のポリプロピレンを含む極細繊維、海
島型複合繊維、或いは分割性繊維であるのが好ましい。
【0027】また、繊維層の地合いが均一となり、イオ
ン性溶液の分布が均一であるように、極細繊維の横断面
形状が円形であるのが好ましい。
【0028】このような極細繊維は、イオン性溶液の保
持性に優れているように、セパレータの繊維層中、5m
ass%以上含まれているのが好ましく、10mass
%以上含まれているのがより好ましく、20mass%
以上含まれているのが更に好ましい。他方、後述のよう
な太繊維との関係から、40mass%以下であるのが
好ましく、35mass%以下であるのがより好まし
く、30mass%以下であるのが更に好ましい。
【0029】本発明のセパレータは前述のような極細繊
維に加えて、繊維径が7μm以上の太繊維を含んでいる
ため、この太繊維によってセパレータの破断を防止する
ことができ、しかもこの太繊維が圧力に対して抗するこ
とによって空隙を確保し、前述のような極細繊維の作用
と相俟って、イオン透過性及びイオン性溶液の保持性に
優れている。
【0030】この太繊維の繊維径は太い方が、前記効果
に優れているため、繊維径が8μm以上であるのが好ま
しく、9μm以上であるのがより好ましく、12μm以
上であるのが更に好ましい。なお、太繊維の繊維径があ
まりにも大きいと、セパレータの厚さが厚くなり、この
ことによってイオン透過性が悪くなる傾向があるため、
35μm以下であるのが好ましく、30μm以下である
のがより好ましい。
【0031】なお、太繊維の平均繊維径が極細繊維の平
均繊維径の5倍以上であると、太繊維によって空隙を確
保し、この空隙に極細繊維が存在しやすくなる。つま
り、太繊維からなる骨格間に極細繊維が存在しているよ
うな状態となり、圧力が加わったとしても、破断しにく
く、イオンの透過する空隙を確保でき、しかもイオン性
溶液を保持することができるため好適である。より好ま
しくは、太繊維の平均繊維径が極細繊維の平均繊維径の
5.5倍以上である。
【0032】なお、太繊維の平均繊維径は極細繊維の平
均繊維径と同様にして得られる値である。つまり、セパ
レータの繊維層の電子顕微鏡写真を撮影し、この電子顕
微鏡写真における100本以上(n本)の太繊維の繊維
径を計測し、その計測した繊維径を平均した値をいう。
【0033】このような太繊維として、ヤング率が50
cn/dtex以上の高弾性太繊維を含んでいるのが好
ましい。このようなヤング率を有する高弾性太繊維を含
んでいることによって、圧力によって破断しにくく、し
かも圧力に対して抗し、空隙を確保しやすくなるためで
ある。なお、ヤング率が高ければ高い程、このような効
果に優れているため、65cn/dtex以上であるの
が好ましく、80cn/dtex以上であるのがより好
ましい。
【0034】この「ヤング率」はJIS L 101
5:1999、8.11項に規定されている方法により
測定した初期引張抵抗度から算出した見掛ヤング率の値
をいう。なお、初期引張抵抗度は定速緊張形試験機によ
って測定した値をいう。
【0035】この高弾性太繊維の繊維径は7μm以上で
ある限り特に限定されるものではないが、破断しにく
く、しかも空隙を確保できるように、10μm以上であ
るのが好ましく、セパレータの厚さが厚くなりすぎてイ
オン透過性を損わないように、35μm以下であるのが
好ましい。高弾性太繊維のより好ましい繊維径は13〜
30μmであり、更に好ましい繊維径は13〜25μm
である。
【0036】この高弾性太繊維はセパレータの破断を防
ぎ、空隙を確保する性能に優れているが、この性能を最
大限に発揮できるように、高弾性太繊維の平均繊維径が
極細繊維の平均繊維径の6倍以上であるのが好ましく、
6.5倍以上であるのがより好ましい。
【0037】また、高弾性太繊維の平均繊維長が極細繊
維の平均繊維長の2.5倍以上であるのが好ましい。こ
のような関係を満たすことによって、高弾性太繊維から
なる骨格間に極細繊維が存在している状態となりやす
い。より好ましくは、高弾性太繊維の平均繊維長が極細
繊維の平均繊維長の3倍以上であり、更に好ましくは4
倍以上であり、最も好ましくは5倍以上である。
【0038】なお、本発明における「繊維長」は、JI
S L 1015(化学繊維ステープル試験法)B法
(補正ステープルダイヤグラム法)により得られる長さ
をいい、「平均繊維長」は無作為に選んだ100本の繊
維の繊維長の平均値をいう。
【0039】この高弾性太繊維は有機系成分及び/又は
無機系成分から構成していることができるが、キャパシ
タを軽量化することのできる有機系成分から構成されて
いるのが好ましい。より具体的には、ポリアミド系樹
脂、ポリオレフィン系樹脂など1種類以上の樹脂成分か
ら構成されていることができる。特に、イオン性溶液に
よって侵されることがないように、ポリオレフィン系樹
脂から構成されているのが好ましい。例えば、ポリエチ
レン系樹脂(例えば、超高分子量ポリエチレン、高密度
ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレ
ン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン共重合体な
ど)、ポリプロピレン系樹脂(例えば、ポリプロピレ
ン、プロピレン共重合体など)、ポリメチルペンテン系
樹脂(例えば、ポリメチルペンテン、メチルペンテン共
重合体など)から構成することができる。これらの中で
も、超高分子量ポリエチレンやポリプロピレンからなる
のが好ましい。
【0040】なお、本発明の高弾性太繊維は前記のよう
な樹脂成分単独から構成されていても良いし、2種類以
上の樹脂成分が混合又は複合されていても良い。2種類
以上の樹脂成分からなる高弾性太繊維の横断面形状とし
ては、例えば、芯鞘型、偏芯型、海島型であることがで
きる。このように2種類以上の樹脂成分から構成されて
いると、繊維表面を構成する樹脂成分によって融着する
ことができる。
【0041】このような高弾性太繊維は、前述のような
効果を発揮しやすいように、セパレータを構成する繊維
層中、15mass%以上含まれているのが好ましく、
20mass%以上含まれているのがより好ましく、3
0mass%以上含まれているのが更に好ましい。他
方、前述のような極細繊維との関係から、95mass
%以下であるのが好ましく、90mass%以下である
のがより好ましく、80mass%以下であるのが更に
好ましい。
【0042】なお、この高弾性太繊維の繊維径が10μ
m以上である場合には、高弾性太繊維の質量比率が前述
のような極細繊維の質量比率の1〜2.5倍であるのが
好ましい。このような質量比率であると、高弾性太繊維
からなる骨格間に極細繊維が存在した状態となりやすい
ためである。
【0043】また、前述のような高弾性太繊維に加え
て、或いは替えて、融着太繊維を含んでおり、この融着
太繊維が融着しているのが好ましい。このような融着太
繊維を含んでいることによって、セパレータの破断防
止、イオン透過性の確保、及びイオン性溶液の保持性の
向上という効果に加えて、セパレータの機械的強度を向
上させることができるため、キャパシタの製造上、好適
である。
【0044】この融着太繊維の融着成分は融着太繊維以
外の繊維(例えば、極細繊維、高弾性太繊維など)に悪
影響を及ぼさない融点を有するのが好ましい。例えば、
融着太繊維以外の繊維として、ポリプロピレン系樹脂単
独からなる極細繊維と、ポリプロピレン系樹脂単独から
なる高弾性太繊維とを含んでいる場合には、融着太繊維
の融着成分として、ポリエチレン系樹脂(例えば、超高
分子量ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリ
エチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチ
レン、エチレン共重合体など)、或いはプロピレン共重
合体(例えば、エチレン−ブテン−プロピレン共重合
体、エチレン−ブタジエン−プロピレン共重合体、エチ
レン−プロピレン共重合体など)を含んでいるのが好ま
しく、融着太繊維以外の繊維として、ポリプロピレン系
樹脂単独からなる極細繊維と、超高分子量ポリエチレン
単独からなる高弾性繊維とを含んでいる場合には、融着
太繊維の融着成分として、ポリエチレン(例えば、高密
度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチ
レン、直鎖状低密度ポリエチレンなど)又はエチレン共
重合体を含んでいるのが好ましい。
【0045】この融着太繊維は融着成分のみから構成さ
れていても良いし、融着成分に加えて融着成分よりも融
点の高い非融着成分を含んでいても良い。後者のように
融着成分と非融着成分とから構成されていると、セパレ
ータの機械的強度をより向上させることができる。この
場合の融着太繊維の横断面形状としては、例えば、芯鞘
型、偏芯型、海島型であることができる。また、非融着
成分は融着成分の融点よりも10℃以上高い樹脂からな
るのが好ましく、20℃以上高い樹脂からなるのがより
好ましい。
【0046】このような融着太繊維はセパレータの機械
的強度を向上させることができるように、セパレータを
構成する繊維層中、10mass%以上含まれているの
が好ましく、20mass%以上含まれているのがより
好ましく、30mass%以上含まれているのが更に好
ましい。他方、前述のような極細繊維又は高弾性太繊維
との関係から、95mass%以下であるのが好まし
く、90mass%以下であるのがより好ましく、80
mass%以下であるのが更に好ましい。
【0047】本発明のセパレータを構成する繊維層は、
上述のような極細繊維及び太繊維のみから構成されてい
る必要はなく、繊維径が4μmを越え、繊維径が7μm
未満の中間繊維を含んでいても良いし、繊維を撚り合わ
せた糸を含んでいても良い。
【0048】本発明のセパレータの繊維層を構成する繊
維(例えば、極細繊維、高弾性太繊維、融着太繊維、中
間繊維など)は、いずれもフィブリル化していないのが
好ましい。このようにフィブリル化していない繊維のみ
から構成されていると、地合いが均一で、セパレータ全
体でバランス良くイオン性溶液を保持することができる
ため、イオン透過性に優れ、イオン透過の均一性にも優
れている。なお、「フィブリル化していない繊維」と
は、パルプのように、微細な繊維が凝集した状態にない
繊維を意味する。
【0049】本発明のセパレータの繊維層を構成する繊
維(例えば、極細繊維、高弾性太繊維、融着太繊維、中
間繊維など)は、前述のように、有機系成分及び/又は
無機系成分から構成していることができるが、キャパシ
タを軽量化することができるように、いずれの繊維も有
機系成分から構成されているのが好ましい。より具体的
には、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂など1
種類以上から構成されていることができる。特に、イオ
ン性溶液よって侵されないように、いずれの繊維も実質
的にポリオレフィン系樹脂から構成されているポリオレ
フィン系繊維であるのが好ましい。この「実質的にポリ
オレフィン系樹脂から構成されているポリオレフィン系
繊維」とは、イオン性溶液によって大きく影響を受ける
部分は繊維表面であるため、繊維表面(繊維両端部を除
く)がポリオレフィン系樹脂から構成されている繊維を
いう。例えば、ポリアミド樹脂とポリオレフィン系樹脂
とからなり、ポリオレフィン系樹脂のみが繊維表面(繊
維両端部を除く)を占めている繊維は実質的にポリオレ
フィン系繊維である。
【0050】本発明のセパレータの繊維層を構成する繊
維(例えば、極細繊維、太繊維、中間繊維など)の繊維
表面を構成する樹脂がいずれも同系統の樹脂からなる
と、繊維同士の融着力が強く、破断しにくいため好適で
ある。特に、繊維表面がいずれもポリプロピレン系樹脂
からなるのが好ましい。また、セパレータの繊維層を構
成する繊維(例えば、極細繊維、太繊維、中間繊維な
ど)の融着成分がいずれも同系統の樹脂からなる場合
も、繊維同士の融着力が強く、破断しにくいため好適で
ある。特に、繊維の融着成分がいずれもポリエチレン系
樹脂からなるのが好ましい。
【0051】本発明のセパレータの繊維層を構成する繊
維(例えば、極細繊維、高弾性太繊維、融着太繊維、中
間繊維など)は未延伸状態にあることもできるが、機械
的強度に優れているように、延伸状態にあるのが好まし
い。
【0052】また、本発明のセパレータの繊維層を構成
する繊維(例えば、極細繊維、高弾性太繊維、融着太繊
維、中間繊維など)の繊維長は、特に限定されるもので
はないが、繊維長が短いほど繊維の自由度が高く、均一
に分散することができるため、繊維長は0.5〜30m
mであるのが好ましい。より好ましくは1〜20mmに
切断された繊維である。なお、実質的に連続したフィラ
メント繊維を含んでいることによって、機械的強度を向
上させることができるため、フィラメント繊維を含んで
いるのが好適な場合もある。
【0053】更に、本発明のセパレータの繊維層を構成
する繊維(例えば、極細繊維、太繊維、中間繊維など)
に、酸素及び/又は硫黄含有官能基が導入されている
と、イオン性溶液との馴染みが良く、この繊維層によっ
てイオン性溶液を高度に保持することができるため、好
適な実施態様である。
【0054】この酸素及び/又は硫黄含有官能基として
は、例えば、スルホン酸基、スルホン酸塩基、スルホフ
ルオライド基、カルボキシル基、カルボニル基、水酸基
などを挙げることができる。これらの中でも、スルホフ
ルオライド基が特に有効であることが実験的に確認され
ている。
【0055】本発明のセパレータを構成する繊維層は、
実質的に繊維の融着のみによって固定されているのが好
ましい。このように繊維の融着のみによって固定されて
いることによって、地合いが優れていることができるた
め、イオン性溶液が均一に分布することができ、イオン
透過性に優れている。例えば、融着以外に絡合している
ことによって繊維が固定されていると、繊維を絡合させ
るための作用(例えば、水流などの流体流など)によっ
て、繊維の分散が乱されて、イオン性溶液が均一に分布
できない結果として、イオン透過性が悪くなる傾向があ
るが、融着のみによって固定されていれば、繊維の分散
が乱れないため、イオン透過性に優れている。
【0056】なお、繊維層を形成する際に繊維が絡むこ
とがある。例えば、カード機により繊維ウエブを形成し
たり、湿式法により繊維ウエブを形成した場合でも、繊
維ウエブはある程度その形態を保つことができる。この
ことは、多かれ少なかれ繊維同士が絡合した状態にある
ことを示している。しかしながら、この程度の絡合は、
前述の流体流絡合のように、繊維の分散を乱す絡合では
ないため、本明細書においては、実質的に絡合していな
いものとみなす。このように、「実質的に繊維の融着の
み」とは、繊維ウエブを形成した後における繊維同士の
固定が融着のみによってなされている状態をいう。この
状態は別の見方をすれば、繊維層を構成する繊維(例え
ば、極細繊維、高弾性太繊維、融着太繊維、中間繊維な
ど)が、実質的に二次元的に配置した状態にある。
【0057】本発明のセパレータの繊維層は上述のよう
な、極細繊維、太繊維、場合により中間繊維を含んでい
るが、その状態は特に限定するものではない。つまり、
これら繊維が混在していることもできるし、各繊維が独
立して層状に存在していることもできる。これらの中で
も、これら繊維が混在していると、極細繊維が均一に分
散していることによって、均一にイオン性溶液を保持で
き、イオン透過性により優れているため好適である。
【0058】本発明のセパレータは上述のような繊維層
を含むものであるが、この繊維層は、例えば、不織布構
造、織物構造、編物構造などの構造であることができ
る。これらの中でも、微細な空隙を形成することがで
き、イオン性溶液の保持性に優れている不織布構造であ
るのが好ましい。
【0059】また、本発明のセパレータは上述のような
繊維層のみから構成されていても良いし、上述のような
繊維層に加えて別の層を備えていても良い。例えば、微
孔膜層などを備えていても良い。これらの中でも、セパ
レータが繊維層のみから構成されていると、セパレータ
全体に、均一にイオン性溶液を保持することができ、イ
オン透過性に優れているため好適な態様である。
【0060】このように、セパレータが繊維層のみから
構成されている場合の、繊維が均一に分散していること
を示す指標として、「地合指数」を挙げることができ
る。この地合指数の値が0.15以下であると、繊維が
均一に分散しており、イオン性溶液を均一に保持でき
る。より好ましい地合指数は0.10以下である。
【0061】この「地合指数」は特開2001−509
02号に記載されている方法により得られる値をいう。
つまり、次のようにして得られる値をいう。 (1)光源から被測定物(セパレータ)に対して光を照
射し、照射された光のうち、被測定物の所定領域におい
て反射された反射光を受光素子によって受光して、輝度
情報を取得する。 (2)被測定物の所定領域を画像サイズ3mm角、6m
m角、12mm角、24mm角に等分割して、4つの分
割パターンを取得する。 (3)得られた各分割パターン毎に等分割された各区画
の輝度値を、輝度情報に基づいて算出する。 (4)各区画の輝度値に基づいて、各分割パターン毎の
輝度平均(X)を算出する。 (5)各分割パターン毎の標準偏差(σ)を求める。 (6)各分割パターン毎の変動係数(CV)を次の式に
より算出する。 変動係数(CV)=(σ/X)×100 ここで、σは各分割パターン毎の標準偏差を示し、Xは
各分割パターン毎の輝度平均を示す。 (7)各画像サイズの対数をX座標、当該画像サイズに
対応する変動係数をY座標とした結果得られる座標群
を、最小二乗法により一次直線に回帰させ、その傾きを
算出し、この傾きの絶対値を地合指数とする。
【0062】また、セパレータが繊維層のみから構成さ
れている場合の、繊維が均一に分散していることを示す
別の指標として、「最大孔径」を挙げることができる。
この最大孔径が40μm以下であると、繊維が均一に分
散しており、均一にイオン性溶液を保持することができ
るため、イオン透過性に優れている。この最大孔径が小
さい程、繊維の分散性が均一であることを意味するた
め、35μm以下であるのがより好ましく、30μm以
下であるのが更に好ましい。この「最大孔径」は、ポロ
メータ(コールター社製)を用いてバブルポイント法に
より測定される値をいう。
【0063】更に、セパレータが繊維層のみから構成さ
れている場合の、繊維が均一に分散していることを示す
更に別の指標として、「(最大孔径/平均流量孔径)
比」を挙げることができる。この(最大孔径/平均流量
孔径)比(=最大孔径/平均流量孔径)が2以下、(よ
り好ましくは1.9以下)であると、繊維層の孔径分布
が狭く、イオン性溶液が均一に分散できる結果として、
イオン透過性に優れるキャパシタを製造することができ
る。なお、理想的には最大孔径と平均流量孔径が同じ、
つまり、(最大孔径/平均流量孔径)比が1である。こ
の「平均流量孔径」は、ASTM−F316に規定され
ている方法により得られる値をいい、例えば、ポロメー
タ(Polometer、コールター(Coulte
r)社製)を用いてミーンフローポイント法により測定
される値をいう。
【0064】本発明のセパレータが繊維層のみからなる
場合、セパレータの空隙率はイオン性溶液の保持性及び
イオン透過性に優れるように、45〜65%であるのが
好ましく、50〜60%であるのがより好ましい。
【0065】この「空隙率(P)」は次の式により得ら
れる値をいう。 空隙率(P)={1−W/(T×d)}×100 ここで、Wは面密度(g/m)を意味し、Tはセパレ
ータの厚さ(μm)を意味し、dはセパレータ(繊維
層)の繊維を構成する樹脂の密度(g/cm)を意味
する。なお、「面密度」はJIS P 8124(紙及
び板紙−坪量測定法)に規定されている方法に基づいて
得られる坪量を意味する。また、繊維層の繊維を構成す
る樹脂が2種類以上存在している場合には、樹脂の密度
は各樹脂の質量平均をいう。例えば、密度dの樹脂A
がa(mass%)と、密度dの樹脂Bがb(mas
s%)存在している場合、樹脂の密度は次の式により得
られる値をいう。 d=d×a/100+d×b/100
【0066】更に、本発明のセパレータが繊維層のみか
らなる場合、セパレータの少なくとも一方向における引
張り強さが20N/5cm幅以上であれば、セパレータ
が破断することなく極板群を形成することができ、歩留
まり良くキャパシタを製造することができる。より好ま
しい引張り強さは30N/5cm幅以上であり、40N
/5cm幅以上であるのが更に好ましい。なお、キャパ
シタを製造する際には、主としてセパレータの長手方向
に張力が作用するため、前記引張り強さはセパレータの
長手方向に関してであるのが好ましい。この「引張り強
さ」は、ある方向と直交する方向に長さ5cmで、ある
方向に長さ20cmに裁断した、長方形状のセパレータ
を、引張り強さ試験機(オリエンテック製、テンシロン
UTM−III−100)のチャック間(チャック間距
離:10cm)に固定し、引張り速度300mm/mi
nでセパレータを引張り、セパレータを破断するために
要する力をいう。
【0067】本発明のセパレータの厚さは特に限定する
ものではないが、セパレータの厚さが薄ければ薄い程、
イオン透過性に優れているため、600μm以下である
のが好ましく、400μm以下であるのがより好まし
く、200μm以下であるのが更に好ましい。他方、セ
パレータの厚さが薄すぎると、セパレータ本来の作用で
ある電気絶縁性能が悪くなる場合があるため、20μm
以上であるのが好ましく、30μm以上であるのがより
好ましく、40μm以上であるのが更に好ましい。
【0068】この「厚さ」は、JIS B 7502:
1994に規定されている外側マイクロメーター(0〜
25mm)を用いて、JIS C 2111 5.1
(1)の測定法により測定した、無作為に選んだ10点
の平均値をいう。
【0069】本発明のセパレータの面密度は特に限定さ
れるものではないが、面密度が大きくなればなる程、厚
さが厚くなる傾向があり、面密度が小さくなればなる
程、厚さが薄くなる傾向があるため、前述のような厚さ
であることが容易であるように、10〜300g/m2
であるのが好ましく、20〜200g/m2であるのが
より好ましく、30〜100g/m2であるのが更に好
ましい。
【0070】本発明のセパレータは、ニードル式耐貫通
力が500gf以上であるのが好ましい。つまり、キャ
パシタを構成する電極としては、電荷量を多くできるよ
うに、比表面積の大きい活性炭微粒子を用いるのが一般
的であるが、このような電極をセパレータと密着させる
ために、高い圧力を印加すると、活性炭が微粒子である
が故にセパレータを貫通してしまい、電気絶縁性が損わ
れる場合があるため、前記のようなニードル式耐貫通力
が500gf以上であるのが好ましい。より好ましいニ
ードル式耐貫通力は600gf以上であり、更に好まし
いニードル式耐貫通力は700gf以上である。
【0071】このニードル式耐貫通力は次のようにして
得られる値をいう。円筒状貫通孔(内径:11mm)を
有する支持台の円筒状貫通孔を覆うようにセパレータを
1枚載置し、更にセパレータ上に、円筒状貫通孔(内
径:11mm)を有する固定材を、固定材の中心が前記
支持台の円筒状貫通孔の中心と一致するように載置し
て、セパレータを固定する。次いで、このセパレータに
対して、ハンディー圧縮試験機(カトーテック製、KE
S−G5)に取り付けられたニードル(先端部における
曲率半径:0.5mm、直径:1mm、治具からの突出
長さ:2cm)を、0.01cm/sの速度で垂直に突
き刺し、ニードルが突き抜けるのに要する力を測定し、
この力をニードル式耐貫通力とする。
【0072】本発明のセパレータは前述のように、電極
と密着させるために高い圧力を印加しても、破断するこ
とがなく、イオン透過性に優れており、しかもイオン性
溶液の保持性に優れているため、各種電気二重層キャパ
シタに対して適用することができるものである。例え
ば、イオン性溶液が水溶液系の電気二重層キャパシタ、
イオン性溶媒が有機系の電気二重層キャパシタに使用す
ることができ、特に、イオン性溶液が硫酸水溶液の電気
二重層キャパシタのセパレータとして好適に使用でき
る。
【0073】本発明のセパレータは、例えば、次のよう
にして製造することができる。まず、セパレータの繊維
層を形成するために、前述のような極細繊維及び/又は
分割性繊維と太繊維(好ましくは高弾性太繊維及び/又
は融着太繊維)、場合によって中間繊維を用意する。そ
して、これら繊維を使用して、常法により不織布構造、
織物構造、或いは編物構造を有する繊維層を形成する。
【0074】好適である不織布構造を有する繊維層の場
合、用意した繊維を用いて繊維ウエブを形成する。この
繊維ウエブの形成方法は特に限定するものではないが、
例えば、乾式法(例えば、カード法、エアレイ法など)
や湿式法により形成することができる。これらの中で
も、繊維がより均一に分散して、繊維層全体で均一にイ
オン性溶液を保持できる不織布構造を形成しやすいよう
に、湿式法により形成するのが好ましい。この湿式法と
しては、従来公知の方法、例えば、水平長網方式、傾斜
ワイヤー型短網方式、円網方式、又は長網・円網コンビ
ネーション方式により形成することができる。
【0075】次いで、この繊維ウエブを構成する繊維を
固定して、不織布構造を有する繊維層を形成することが
できる。この繊維の固定は絡合及び/又は融着により実
施することができる。前者の絡合する方法としては、水
流などの流体流やニードルを作用させる方法があり、こ
の方法によれば、繊維ウエブ中に分割性繊維を含んでい
る場合であっても、分割性繊維を分割することにより極
細繊維を発生させることができる。後者の融着する方法
としては、繊維ウエブ構成繊維(例えば、極細繊維、分
割性繊維、高弾性太繊維、融着太繊維、中間繊維など)
の融着成分を熱により融着させる方法があり、この方法
であれば、繊維の分散が乱れないため、地合いが優れて
おり、イオン性溶液が均一に分布することができるた
め、イオン透過性に優れる繊維層を形成することができ
る。
【0076】この流体流により絡合する場合の条件とし
ては、繊維ウエブの地合いを大きく乱さない限り、特に
限定されるものではないが、例えば、ノズル径0.05
〜0.3mm、ピッチ0.2〜3mmで一列又は二列以
上にノズルを配置したノズルプレートから、圧力1MP
a〜30MPaの流体流を噴出すれば良い。このような
流体流は1回以上、繊維ウエブの片面又は両面に対して
噴出する。なお、流体流で処理する際に、繊維ウエブを
載置する支持体(例えば、ネット、多孔板など)の非開
孔部が太いと、得られる繊維層も大きな孔を有するもの
となり、イオン性溶液の均一分布が損われるばかりでな
く、電気絶縁性も低下する傾向があるため、非開孔部の
太さが0.25mm以下の支持体を使用するのが好まし
い。
【0077】他方、繊維ウエブを融着させる場合には、
無圧下で行なっても良いし、加圧下で行なっても良い
し、或は無圧下で融着成分を溶融させた後に加圧(直ち
に加圧するのが好ましい)しても良い。なお、加熱温度
は、いずれの場合も、融着成分の軟化温度から融点より
も30℃高い温度までの範囲内で行なうのが好ましく、
加圧する場合の圧力は、繊維層の空隙率が45〜65%
となり、少なくとも一方向(好ましくは長手方向)にお
ける引張り強さが20N/5cm幅となるように、適宜
調節するのが好ましい。この「軟化温度」は、示差熱量
計を用い、昇温速度10℃/分で室温から昇温して得ら
れる融解吸熱曲線の開始点を与える温度をいう。
【0078】また、繊維層が薄いことによって、イオン
透過性を高めることができるため、繊維層の厚さが必要
以上に厚い場合には、一対のロール間を通過させるなど
して、厚さを調節するのが好ましい。
【0079】本発明の繊維層における繊維の分散が均一
であることを示す指標である、地合指数が0.15以下
の繊維層、最大孔径が40μm以下である繊維層、或い
は(最大孔径/平均流量孔径)比が2以下である繊維層
は、極細繊維量を多くしたり、繊維層を構成する繊維と
していずれもフィブリル化していない繊維を使用した
り、繊維長が1〜20mm程度の短い繊維を使用した
り、湿式法により繊維ウエブを形成したり、融着のみに
よって繊維を固定(絡合処理を施さない)するなど、こ
れらを併用することによって製造することができる。
【0080】本発明の空隙率が45〜65%である繊維
層は、極細繊維量を少なくしたり、使用する繊維量を少
なくしたり、融着する際の圧力を調整するなど、これら
を併用することによって製造することができる。
【0081】本発明の少なくとも一方向(好ましくは長
手方向)における引張り強さが20N/5cm幅以上で
ある繊維層は、繊維を抄き上げるネットの移動速度とス
ラリー流量とを調節して繊維の配向が一方向に近い状態
としたり、融着の程度を高くしたり、繊維長を長くする
など、これらを併用することによって製造することがで
きる。
【0082】本発明のニードル式耐貫通力が500gf
以上のセパレータは、ヤング率の大きい高弾性太繊維を
使用したり、高弾性太繊維量を多くしたり、高弾性太繊
維を均一に分散させたり、融着太繊維によって強固に融
着したり、融着太繊維を溶融させた後直ちに加圧して融
着するなどの諸条件を調節することによって製造するこ
とができる。
【0083】本発明の繊維層を構成する繊維はイオン性
溶液によって侵されることがないように、ポリオレフィ
ン系繊維から実質的に構成されているのが好ましいた
め、イオン性溶液の保持性を向上させるために、繊維層
を構成する繊維表面に酸素及び/又は硫黄含有官能基が
導入するのが好ましい。このような官能基を導入する方
法として、例えば、スルホン化処理、フッ素ガス処理、
放電処理などを挙げることができる。なお、各繊維に対
して酸素及び/又は硫黄含有官能基を導入した後に繊維
層を形成しても良いし、繊維層を形成した後に酸素及び
/又は硫黄含有官能基を導入しても良い。以下、繊維層
に対して酸素及び/又は硫黄含有官能基を導入する場合
について説明するが、繊維に対して酸素及び/又は硫黄
含有官能基を導入する場合も同様にして、酸素及び/又
は硫黄含有官能基を導入することができる。
【0084】スルホン化処理としては、特に限定するも
のではないが、例えば、発煙硫酸、硫酸、三酸化イオ
ウ、クロロ硫酸、又は塩化スルフリルからなる溶液中
に、前述のような繊維層を浸漬して、繊維層を構成する
繊維にスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基を導入し
たり、一酸化硫黄ガス、二酸化硫黄ガス、或いは三酸化
硫黄ガスなどの存在下で放電を作用させて、繊維層を構
成する繊維にスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基を
導入することができる。
【0085】フッ素ガス処理についても、特に限定する
ものではないが、例えば、不活性ガス(例えば、窒素ガ
ス、アルゴンガスなど)で希釈したフッ素ガスと、酸素
ガス、二酸化炭素ガス、及び二酸化硫黄ガスなどの中か
ら選んだ、少なくとも1種類のガスとの混合ガスに繊維
層をさらすことにより、繊維層を構成する繊維にスルホ
フルオライド基などを導入することができる。
【0086】放電処理としては、例えば、コロナ放電処
理、プラズマ処理、グロー放電処理、沿面放電処理、又
は電子線処理などがある。これら放電処理の中でも、空
気中の大気圧下で、それぞれが誘電体を担持し、この誘
電体同士が対向するように配置した一対の電極間に、こ
れら両方の誘電体と接触するように繊維層を配置し、こ
れら両電極間に交流電圧を印加して、繊維層の内部空隙
で放電を発生させる方法であると、繊維層の外側だけで
はなく、繊維層の内部を構成する繊維表面にもカルボキ
シル基、カルボニル基、或いは水酸基などを導入するこ
とができる。したがって、繊維層の内部におけるイオン
性溶液の保持性及びイオン透過性に優れており、キャパ
シタの寿命を長くすることができる。
【0087】以上のようにして製造した繊維層はそのま
まセパレータとして使用することができるが、このよう
な繊維層に加えて微孔膜層を含んでいる場合には、次い
で、熱ラミネート加工等により繊維層と微孔膜層とを一
体化して、本発明のセパレータを製造することができ
る。
【0088】以下に、本発明のセパレータの実施例を記
載するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0089】
【実施例】(実施例1)海島型複合繊維として、ポリ−
L−乳酸(以下、「PLLA」と表記する)からなる海
成分中に、ポリプロピレンからなる島成分が25個存在
する、複合紡糸法により得た繊維(繊度:1.65dt
ex、切断繊維長:2mm、融点:172℃)を用意し
た。
【0090】次いで、この海島型複合繊維を、温度80
℃、10mass%水酸化ナトリウム水溶液からなる浴
中に30分間浸漬し、海島型複合繊維の海成分であるP
LLAを抽出除去して、ポリプロピレン極細繊維(繊維
径:2μm、平均繊維径:2μm、ρ/d:0.08
3、融点:172℃、切断繊維長:2mm、平均繊維
長:2mm、密度:0.91g/cm、フィブリル化
していない、延伸されている、繊維軸方向において直径
が実質的に変化しない、繊維横断面形状:円形)を得
た。
【0091】また、融着太繊維として、芯成分(非融着
成分)がポリプロピレン(融点:168℃、密度:0.
91g/cm)からなり、鞘成分(融着成分)が高密
度ポリエチレン(融点:135℃、密度:0.96g/
cm)からなる芯鞘型複合太繊維(繊度:0.8dt
ex、繊維径:10.5μm、平均繊維径:10.5μ
m、切断繊維長:5mm、芯成分と鞘成分との質量比率
は1:1、フィブリル化していない、延伸されている)
を用意した。
【0092】更に、高弾性太繊維として、高結晶性ポリ
プロピレンからなる太繊維(ヤング率:90cN/dt
ex、繊度:1.3dtex、繊維径:13.5μm、
平均繊維径:13.5μm、切断繊維長:10mm、平
均繊維長:10mm、密度:0.91g/cm、フィ
ブリル化していない、延伸されている)を用意した。
【0093】次いで、前記ポリプロピレン極細繊維20
mass%と、芯鞘型複合太繊維50mass%と、ポ
リプロピレン高弾性太繊維30mass%とを混合し、
分散させたスラリーから、湿式法(水平長網方式)によ
り、繊維が均一に混在し、分散した繊維ウエブを形成し
た。
【0094】次いで、この繊維ウエブを温度135℃に
設定された熱風循環式ドライヤー中に3分間放置して、
繊維ウエブの乾燥、及び実質的に前記芯鞘型複合太繊維
の鞘成分(高密度ポリエチレン)による熱融着により繊
維同士を固定して、融着不織布を形成した。
【0095】次いで、この融着不織布にカレンダー処理
を実施して、セパレータ基材を製造した。
【0096】次いで、このセパレータ基材を、フッ素ガ
ス3vol%、酸素ガス5vol%、ニ酸化硫黄ガス5
vol%、及び窒素ガス87vol%からなる混合ガス
と、120秒間接触させることにより、繊維表面にスル
ホフルオライド基を導入して、本発明のセパレータ(面
密度:40g/m2、厚さ:100μm)を製造した。
なお、このセパレータを構成する太繊維の平均繊維径は
極細繊維の平均繊維径の5.5倍であった。
【0097】(比較例1)径が0.2mmのオリフィス
が0.7mmピッチで配置されたノズルピースを用意
し、このノズルピースにポリプロピレン樹脂を供給する
とともに、このノズルピースを温度260℃程度に加熱
して、1つのオリフィスあたり、1分間に0.09g量
吐出した。次いで、この吐出したポリプロピレン繊維に
対して、温度270℃に加熱した空気を吹き付けて極細
化した後、極細化ポリプロピレン繊維を目開き0.99
1mmのネットで捕集し、極細化ポリプロピレン繊維
(フィブリル化していない、未延伸、繊維軸方向におい
て直径が変化している、繊維横断面形状:円形)からな
る繊維ウエブ(平均繊維径:3μm)を形成した。
【0098】次いで、この繊維ウエブを、目の開きが
0.175mmの平織ネット上に載置した後、ノズルピ
ッチが0.6mmでノズル径が0.13mmのノズルプ
レートから、圧力12MPaの水流を繊維ウエブの両面
に対して、交互に2回づつ噴出して、繊維同士を絡合
し、絡合メルトブロー不織布を形成した。
【0099】次いで、この絡合メルトブロー不織布にカ
レンダー処理を実施して、セパレータ基材を製造した。
【0100】次いで、このセパレータ基材をフッ素ガス
3vol%、酸素ガス5vol%、ニ酸化硫黄ガス5v
ol%、及び窒素ガス87vol%からなる混合ガス
に、120秒間接触させることにより、繊維表面にスル
ホフルオライド基を導入して、比較用セパレータ(面密
度:40g/m2、厚さ:70μm)を製造した。
【0101】(比較例2)実施例1と同じ融着太繊維と
高弾性太繊維とを50:50の質量比率で混合し、分散
させたスラリーから、湿式法(水平長網方式)により繊
維ウエブを形成したこと以外は、実施例1と全く同様の
手順で、繊維表面にスルホフルオライド基を導入した、
比較用セパレータ(面密度:40g/m2、厚さ:20
0μm)を製造した。
【0102】(地合指数の測定)各セパレータの地合指
数を次のようにして測定した。 (1)光源から被測定物(セパレータ)に対して光を照
射し、照射された光のうち、被測定物の所定領域におい
て反射された反射光を受光素子によって受光して輝度情
報を取得した。 (2)被測定物の所定領域を画像サイズ3mm角、6m
m角、12mm角、24mm角に等分割して、4つの分
割パターンを取得した。 (3)得られた各分割パターン毎に等分割された各区画
の輝度値を輝度情報に基づいて算出した。 (4)各区画の輝度値に基づいて、各分割パターン毎の
輝度平均(X)を算出した。 (5)各分割パターン毎の標準偏差(σ)を求めた。 (6)各分割パターン毎の変動係数(CV)を次の式に
より算出した。 変動係数(CV)=(σ/X)×100 ここで、σは各分割パターン毎の標準偏差を示し、Xは
各分割パターン毎の輝度平均を示す。 (7)各画像サイズの対数をX座標、当該画像サイズに
対応する変動係数をY座標とした結果得られる座標群
を、最小二乗法により一次直線に回帰させ、その傾きを
算出し、この傾きの絶対値を地合指数とした。なお、地
合指数は数字が小さいほど、繊維が均一に分散している
ことを意味する。この結果は表1に示す通りであった。
【0103】
【表1】
【0104】(最大孔径の測定)各セパレータの最大孔
径を、ポロメータ(コールター社製)を用いてバブルポ
イント法により測定した。この値は表1に示す通りであ
った。
【0105】((最大孔径/平均流量孔径)比の測定)
各セパレータの平均流量孔径を、ポロメータ(Polo
meter、コールター(Coulter)社製)を用
いてミーンフローポイント法により測定した。
【0106】次いで、前述のようにして得られた最大孔
径値をもとに、(最大孔径/平均流量孔径)比を算出し
た。この結果は表1に示す通りであった。
【0107】(空隙率の測定)まず、各セパレータの面
密度(W)及び厚さ(T)を測定した。
【0108】次いで、セパレータ構成繊維の樹脂の密度
(d)を、各構成繊維の密度及び質量比率から算出し
た。
【0109】次いで、次の式から「空隙率(P)」を算
出した。 空隙率(P)={1−W/(T×d)}×100 この結果は表1に示す通りであった。
【0110】(長手方向における引張り強さの測定)長
手方向と直交する方向(幅方向)に長さ5cmで、長手
方向に長さ20cmに裁断した、長方形状の各セパレー
タを、引張り強さ試験機(オリエンテック製、テンシロ
ンUTM−III−100)のチャック間(チャック間距
離:10cm)に固定し、引張り速度300mm/mi
nで各セパレータを長手方向に引張り、各セパレータを
破断するために要する力を測定し、この力を長手方向に
おける引張り強さとした。この結果は表1に示す通りで
あった。
【0111】(ニードル式耐貫通力)円筒状貫通孔(内
径:11mm)を有する支持台の円筒状貫通孔を覆うよ
うに各セパレータを1枚載置し、更に各セパレータ上
に、円筒状貫通孔(内径:11mm)を有する固定材
を、固定材の中心が前記支持台の円筒状貫通孔の中心と
一致するように載置して各セパレータを固定した後、こ
のセパレータに対して、ハンディー圧縮試験機(カトー
テック製、KES−G5)に取り付けられたニードル
(先端部における曲率半径:0.5mm、直径:1m
m、治具からの突出長さ:2cm)を、0.01cm/
sの速度で垂直に突き刺し、ニードルが突き抜けるのに
要する力を測定し、この力をニードル式耐貫通力とし
た。この結果は表1に示す通りであった。
【0112】(電気導電率の測定)電気導電率測定用テ
ストセルの中に設置された、直径20mmの白金製円形
電極間に、各セパレータを1枚づつ挟み、30重量%
(20℃)の希硫酸電解液を前記テストセル内に満たし
た後、0.56MPaの圧力を電極間に加え、各セパレ
ータの厚さ方向における電気導電率を、交流インピーダ
ンス法に基づいて測定し、イオン透過性を示す値として
評価した。この電気導電率が5×10−4S/cm以上
のセパレータが実用上適している。この結果は表1に示
す通りであった。
【0113】(加圧保液率の測定)直径30mmに裁断
した各セパレータを、それぞれ温度が20℃で、相対湿
度が65%の環境下で、水分平衡に至らせた後、質量
(M)を測定した。
【0114】次に、各セパレータ中の空気を希硫酸溶液
で置換するように、30重量%(20℃)の希硫酸溶液
中に1時間浸漬して、希硫酸溶液を保持させた。
【0115】次に、各セパレータを上下3枚づつのろ紙
(直径:30mm)で挟み、加圧ポンプにより、5.7
MPaの圧力を30秒間作用させた後、各セパレータの
質量(M)を測定した。
【0116】次いで、次の式により加圧保液率を求め
た。なお、この測定は各セパレータの4箇所について行
い、その平均を加圧保液率とした。この結果は表1に示
す通りであった。 加圧保液率(%)={(M−M)/M}×100
【0117】表1から明らかであるように、本発明のセ
パレータは電気導電率が高いイオン透過性に優れるもの
であり、加圧保液率が高い電解液の保持性に優れる、キ
ャパシタの寿命を長くすることができるものであった。
これは、本発明のセパレータが極細繊維と太繊維とを含
む繊維層を備えており、しかも繊維が均一に分散してお
り、イオン性溶液を均一に保持できる結果であると予測
された。
【0118】これに対して、比較例1のセパレータは極
細繊維のみから構成されており、空隙率が小さいうえ
に、圧力によって容易に変形して、更に緻密な構造とな
りやすいためか、電気導電率が低いイオン透過性の悪い
ものであった。また、比較例2のセパレータは太繊維の
みから構成されており、空隙率は大きいものの、イオン
性溶液の保持に関与できる繊維表面積が小さいためか、
加圧保液率が低く、イオン性溶液の保持性の悪いもので
あった。
【0119】
【発明の効果】本発明の電気二重層キャパシタ用セパレ
ータは、高い圧力を加えたとしても、太繊維の存在によ
ってセパレータの破断を防止することができ、しかも高
い圧力を印加しても、太繊維の存在によってある程度の
空隙を確保することができると共に、極細繊維を含んで
いることによって、イオン性溶液の保持性に優れている
ため、イオン透過性に優れ、寿命の長いキャパシタを製
造することのできるセパレータである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D21H 13/00 D01F 8/14 Z 13/14 H01G 9/00 301C 15/10 D06M 9/04 // D01F 8/06 7/02 A 8/14 Fターム(参考) 4L031 AA14 AA18 AB10 AB11 AB34 AB36 BA11 BA17 CA01 CA02 DA21 4L041 AA07 BA02 BA04 BA05 BA16 BA24 BC20 BD12 BD20 CA05 CA36 CA38 DD01 DD05 DD11 4L047 AA14 AA21 AA27 AA28 AB08 AB10 BA09 BB01 BB09 CB01 CB08 CC12 4L055 AF16 AF17 AF44 AF46 AF47 BE11 BE20 EA01 EA16 FA13 FA15 FA30 GA01 GA31 GA50

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維径が4μm以下の極細繊維と、繊維
    径が7μm以上の太繊維とを含む繊維層を備えているこ
    とを特徴とする、電気二重層キャパシタ用セパレータ。
  2. 【請求項2】 極細繊維として、海島型複合繊維の海成
    分を除去することにより形成した極細繊維を含んでいる
    ことを特徴とする、請求項1記載の電気二重層キャパシ
    タ用セパレータ。
  3. 【請求項3】 太繊維として、ヤング率が50cN/d
    tex以上の高弾性太繊維を含んでいることを特徴とす
    る、請求項1又は2に記載の電気二重層キャパシタ用セ
    パレータ。
  4. 【請求項4】 太繊維として、融着太繊維を含んでお
    り、この融着太繊維が融着していることを特徴とする、
    請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電気二重層キャ
    パシタ用セパレータ。
  5. 【請求項5】 繊維層を構成する繊維が、いずれもフィ
    ブリル化していないことを特徴とする、請求項1〜請求
    項4のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ用セパレ
    ータ。
  6. 【請求項6】 太繊維の平均繊維径が極細繊維の平均繊
    維径の5倍以上であることを特徴とする、請求項1〜請
    求項5のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ用セパ
    レータ。
  7. 【請求項7】 繊維層がポリオレフィン系繊維から実質
    的に構成されていることを特徴とする、請求項1〜請求
    項6のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ用セパレ
    ータ。
  8. 【請求項8】 繊維層を構成する繊維に、酸素及び/又
    は硫黄含有官能基が導入されていることを特徴とする、
    請求項1〜請求項7のいずれかに記載の電気二重層キャ
    パシタ用セパレータ。
  9. 【請求項9】 イオン性溶液が水溶液系の電気二重層キ
    ャパシタに対して使用することを特徴とする、請求項1
    〜請求項8のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ用
    セパレータ。
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