JP2003042295A - メタルシリンダヘッドガスケット - Google Patents

メタルシリンダヘッドガスケット

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JP2003042295A
JP2003042295A JP2001233881A JP2001233881A JP2003042295A JP 2003042295 A JP2003042295 A JP 2003042295A JP 2001233881 A JP2001233881 A JP 2001233881A JP 2001233881 A JP2001233881 A JP 2001233881A JP 2003042295 A JP2003042295 A JP 2003042295A
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holes
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metal
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Hirokazu Hasegawa
浩和 長谷川
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Nippon Reinz Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリンダヘッドの幅方向に関する変形を抑え
て、この変形に伴うシール性やシリンダヘッドの耐久性
の低下を防止する。 【解決手段】 メタルシリンダヘッドガスケット1aを
構成する金属板2aの一部で、ボルト挿通用の通孔4、
4と幅方向両端縁16、16との間に、撓み防止用突条
17、17を形成する。これら各撓み防止用突条17、
17は、圧縮方向に関する剛性が高く、上記ボルトの緊
締に拘らず押し潰されない。この為、このボルトの緊締
時にも、シリンダヘッドの幅方向両端部がシリンダブロ
ックに近づき過ぎるのを防止して、上記課題を解決でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明に係るメタルシリンダヘ
ッドガスケットは、自動車用エンジンのシリンダブロッ
クの端面(一般的には上面)とシリンダヘッドの端面
(一般的には下面)との間に挟持し、両面間の気密及び
液密を保持するのに利用する。
【0002】
【従来の技術】自動車用エンジンを構成するシリンダヘ
ッド下面とシリンダブロック上面との間にはシリンダヘ
ッドガスケットを挟持して、シリンダ内で発生する高圧
の燃焼ガス、或はシリンダブロックとシリンダヘッドと
の間を流通する冷却水や潤滑油が外部に漏洩するのを防
止している。この様なシリンダヘッドガスケットとし
て、優れた耐熱性を有するメタルシリンダヘッドガスケ
ットが広く使用されている。図12は、この様なメタル
シリンダヘッドガスケットの1例を示している。
【0003】このメタルシリンダヘッドガスケット1
は、例えば亜鉛メッキ鋼板やステンレス鋼板等の1枚乃
至は複数枚の、薄肉の金属板2により構成される。この
金属板2には、シリンダ頂部の開口形状に合わせた円形
のボア孔3、3と、シリンダヘッドをシリンダブロック
に固定する為のボルトを挿通する通孔4、4と、冷却水
や潤滑油等の流体を通す為の透孔5、5とを穿設してい
る。尚、図12には、簡略化の為にこれら各透孔5、5
を、互いに大きさが等しい単なる円孔として描いている
が、実際の場合にこれら各透孔5、5は、長円形等各種
形状のものがあり、大きさも異なるものがある。又、上
記各通孔4、4は、上記各ボア孔3、3の周囲複数個所
(図12の場合、4個所)に設けられている。但し、互
いに隣り合うボア孔3、3の間位置に設けられた通孔
4、4は、互いに隣り合うそれぞれのボア孔3、3の周
囲に設けられた通孔として、重複して数える。
【0004】又、上記メタルシリンダヘッドガスケット
1を構成する金属板2の一部で上記各透孔5、5の周囲
には、これら各透孔5、5の全周を囲むシール用突条
6、6を形成している。これら各シール用突条6、6
は、図13に示す様に、雌型7に設けた凹部8内に金属
板2の一部を、雄型9に設けた凸部10により押し込
み、これら凹部8と凸部10との間で上記金属板2の一
部を塑性変形させる事により形成している。上記各シー
ル用突条6、6を形成する上記雌型7及び雄型9の場合
には、上記凹部8と上記凸部10との間のクリアラン
ス、即ち、これら両部8、10の中心位置を一致させた
状態で、これら両部8、10の端縁同士の間の、上記金
属板2の面方向に関する距離L0 を、この金属板2の厚
さ寸法T0 よりも大きく(L0 >T0 )している。この
様な雌型8及び雄型10を使用する事により、比較的な
だらかな傾斜を有する上記各シール用突条6、6を形成
して、上記メタルシリンダヘッドガスケット1をシリン
ダブロック上面とシリンダヘッド下面との間で強く挟持
した場合に、上記各透孔5、5の周囲部分の当接圧力を
高くし、この部分の気密、液密が良好に保たれる様にし
ている。尚、図示は省略するが、上記ボア孔3、3の周
囲等、ボルト挿通用の通孔4、4を除く各孔の周囲に
も、必要に応じてシール性向上を図る為の突条を形成す
る。
【0005】上述の様に構成されるメタルシリンダヘッ
ドガスケット1は、図14にその一部を示す様に、シリ
ンダヘッド11の下面とシリンダブロック12の上面と
の間に挟持した状態で使用される。即ち、このメタルシ
リンダヘッドガスケット1を、上記シリンダブロック1
2の上面と上記シリンダヘッド11の下面との間に挟
み、通孔4、4に挿通したボルトを緊締する事により、
このシリンダヘッド11を上記シリンダブロック12に
対して固定する。これにより、メタルシリンダヘッドガ
スケット1は、上記シリンダブロック12の上面と上記
シリンダヘッド11の下面との間で強く挟持され、上記
各シール用突条6、6等、各流体孔の周囲に形成された
各シール用突条が、上記シリンダブロック12の上面と
上記シリンダヘッド11の下面との間で弾性的に圧縮さ
れる(押し潰される)為、前記各透孔5、5等の各流体
孔の周囲部分のシール性を十分に高くする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年に於けるエンジン
の軽量化、高性能化により、メタルシリンダヘッドガス
ケットの使用条件が厳しくなっており、次の〜の様
な問題を生じ易くなっている。 シリンダヘッド11の幅方向両端部の押し付け力が
過大になり、メタルシリンダヘッドガスケット1の幅方
向両端寄り部分に設けたシール用突条がへたり易くな
る。 エンジンの運転開始直後に生じるシリンダヘッド1
1の熱膨張に伴って、このシリンダヘッド11をシリン
ダブロック12に結合固定しているボルトが伸長方向に
塑性変形し易くなる。 エンジンの運転を開始してから十分に時間を経過し
た後に生じるシリンダヘッド11の熱変形により、この
シリンダヘッド11に割れ等の損傷が発生し易くなる。
【0007】このうちのに示した不都合は、エンジン
の軽量化の為に、上記シリンダヘッド11をアルミニウ
ム合金により造る様になり、更にコスト低減の為に、こ
のシリンダヘッド11をシリンダブロック12に結合固
定するボルトの本数を低減する事に伴って生じる。即
ち、近年のエンジンは、軽量化の為にシリンダヘッド1
1を(更にはシリンダブロック12も合わせて)アルミ
ニウム合金により造る場合が多くなっている。アルミニ
ウム合金は、鋳鉄等、旧来エンジンを造っていた金属材
料に比べて弾性変形し易く、得られたシリンダヘッド1
1の剛性が低くなる事は避けられない。一方、エンジン
の高性能化の為に圧縮比や過給比を高くする事によりシ
リンダ内の最高圧力が高くなる事に伴い、シリンダヘッ
ド11の下面とシリンダブロック12の上面との間のシ
ール性を高くする必要上、上記各ボルトの締め付け力を
高くする傾向がある。しかも、エンジンの軽量化とコス
ト低減とを図る為に、従来は図15(A)に示す様に、
各ボア孔3、3の周囲に6個ずつ設けていたボルト緊締
部、即ち、ガスケットに於ける各ボルト挿通用の通孔
4、4の数を、図15(B)に示す様に、4個ずつに低
減する傾向がある。この様に、少ないボルトでより高い
シール性を確保する必要上、各ボルトに緊締に伴って加
わる軸力は非常に大きくなる。
【0008】又、この様に、ボア孔周囲のボルト緊締部
が4個所ずつになると、これらボルト緊締部がエンジン
の幅方向両端に並ぶ構造となる。この為、ボルトに加わ
る軸力を大きくすると、上記シリンダヘッド11は、幅
方向の両端に大きな力を加えられる状態となる。この結
果、図16に誇張して示す様に、各ボルト13、13に
よりその幅方向両端部を、上記シリンダブロック12に
向け強く押し付けられる上記シリンダヘッド11が、下
面が凹面となる方向に弾性変形し、上記シリンダヘッド
11が撓んだ状態となる。このシリンダヘッド11にこ
の様な撓みが生じると、このシリンダヘッド11の下面
と上記シリンダブロック12の上面との突き合わせ面の
面圧が不均一になり、これら両面同士の間のシール性確
保が難しくなる。
【0009】具体的には、上記突き合わせ面の面圧が幅
方向に関して、両端部で高く、中央部で低くなる。そし
て、この中央部で上記各ボア孔3、3の周縁部のシール
性確保が難しくなる半面、メタルシリンダヘッドガスケ
ット1の幅方向両端部に設けたシール用突条6、6(図
12〜14)が過度に(例えば平坦になるまで)圧縮さ
れる。特に近年の小型・軽量化を意図したエンジン用の
メタルシリンダヘッドガスケット1の場合には、前述の
図12に示す様に、透孔5、5及びこれら各透孔5、5
を囲むシール用突条6、6が、上記各ボルト13、13
を挿通する為の通孔4、4よりも、上記メタルシリンダ
ヘッドガスケット1の幅方向端縁寄りに存在する場合が
多い。この様な構造の場合には、上記各シール用突条
6、6を押し潰す力がより大きくなり、これら各シール
用突条6、6が、よりへたり易くなる。
【0010】更には、小型・軽量化を意図して隣り合う
シリンダボア同士の間隔を狭くしたエンジンでは、この
シリンダボア間の当接圧を確保する為、図17に示す様
に、シリンダヘッド11を構成する上側デッキ14と下
側デッキ15とのうちで、下側デッキ15のシリンダブ
ロック12(図16)の上面の一部で上記シリンダボア
間に対向する部分の肉厚を、上記シリンダヘッド11の
幅方向中央部で厚く、両端部で薄くする場合がある。こ
の様な構造を有するシリンダヘッド11の場合には、当
該部分の剛性が幅方向中央部で高く、両端部で低くなる
為、前記図16に示す様な撓みがより一層顕著になり易
い。
【0011】次に、前記の様なボルトの塑性変形は、
エンジンの運転開始に伴う温度上昇がシリンダヘッド1
1及びシリンダブロック12とボルト13、13との間
で異なる事と、これらシリンダヘッド11及びシリンダ
ブロック12を構成するアルミニウム合金とボルト1
3、13を構成する鋼との間で熱膨張係数に差がある事
とに基づいて生じる。即ち、運転開始に伴ってエンジン
の各部は、先ず、シリンダ内の燃焼室に直接対向するシ
リンダブロック12及びシリンダヘッド11から温度上
昇し始める。上記各ボルト13、13は、これらシリン
ダブロック12及びシリンダヘッド11からの熱伝達に
基づいて温度上昇するので、運転開始直後に於いては、
上記各ボルト13、13が上記シリンダブロック12及
びシリンダヘッド11の温度よりも低くなる。この様
に、熱膨張係数が小さい鋼製の上記各ボルト13、13
の温度上昇が、熱膨張係数が大きいアルミニウム合金製
の上記シリンダブロック12及びシリンダヘッド11の
温度上昇よりも遅れる為、上記各ボルト13、13に加
わる軸方向の力(軸力)が大きくなる傾向になる。そし
て、この状態では、上記シリンダブロック12の上面と
上記シリンダヘッド11の下面とが、それぞれの幅方向
両端部でより近づき合おうとする、所謂口閉じ現象が発
生する。
【0012】この際、上記各ボルト13、13を挿通す
る通孔4、4に隣接した各透孔5、5の周囲に形成した
各シール用突条6、6が、押し潰され切れずにいれば、
上記各ボルト13、13に加わる軸力をこれら各シール
用突条6、6の弾性変形により吸収し、これら各ボルト
13、13に過大な軸力が加わる事を防止する。これに
対し、前述のの部分で述べた様な理由で、上記各シー
ル用突条6、6が過度に押し潰されている場合には、こ
れら各シール用突条6、6が上記軸力を吸収せず、上記
各ボルト13、13に過大な軸力が加わる。この為、こ
れら各ボルト13、13が伸長方向に塑性変形し、温度
低下に伴ってこれら各ボルト13、13が上記シリンダ
ヘッド11を上記シリンダブロック12に向け抑え付け
る力が低下する可能性がある。そして、低下した場合に
は、これらシリンダブロック12の上面とシリンダヘッ
ド11の下面との間のシール性が不十分になる。又、上
記各シール用突条6、6に、軸力を吸収できる程度の厚
さが残っている場合でも、残っている程度が少ない場合
には、上記軸力に伴って上記各シール用突条6、6が押
し潰される事に伴い、これら各シール用突条6、6がへ
たってしまう。
【0013】更に、前記の様なシリンダヘッド11の
損傷は、エンジンの温度が低い場合と高い場合とで、シ
リンダヘッド11を構成する下側デッキ15の湾曲方向
が異なる事に基づいて生じる。即ち、この下側デッキ1
5は、低温時には前述の図16で説明した様に、下面が
凹面となる方向に湾曲している。これに対して、温度上
昇時には、図18に破線で誇張して示す様に、下面が面
方向に膨張し、上記シリンダヘッド11の外周縁部が上
方に変位する様に湾曲する、所謂口開き現象が発生す
る。上記下側デッキ15が温度上昇時にこの様に湾曲す
る理由は、シリンダ室内の熱に直接曝される下側デッキ
15の温度が、外気に曝されてその冷却作用を受ける上
側デッキ14の温度よりも高くなり、上記下側デッキ1
5の熱膨張量がこの上側デッキ14の熱膨張量よりも多
くなる為である。
【0014】上記シリンダヘッド11は、エンジンの運
転と停止との繰り返しにより、上記図16に示した状態
と上記図18に示した状態とを繰り返す。この様な変形
の繰り返しの周期は、エンジン運転時に振動に伴う変形
の繰り返し周期に比べて遥かに長く、変形自体緩やかに
行なわれる。但し、変形の大きさに関しては、上記振動
に伴う変形が数μm〜10μm程度であるのに対して、
熱膨張に伴う変形は、数十μm〜100μm程度にも達
する大きなものである。エンジンの運転と停止とを繰り
返す度にこの様に大きな変形が繰り返されると、上記シ
リンダヘッド11の内部に金属疲労が生じ、最悪の場
合、亀裂等の損傷が発生してエンジンに重大な損傷を与
える可能性がある。
【0015】以上に詳述した、前記〜の様な問題
は、前記ボルト13、13の緊締に伴う、上記シリンダ
ヘッド11の上記図16に示す様な変形を抑える事によ
り防止できる。ボルトの緊締に伴うシリンダヘッドの変
形防止の構造として従来から、例えば特開平8−355
60号公報、同8−178071号公報、同9−292
027号公報等に記載されたものが知られている。但
し、これら各公報に記載された構造は、上記シリンダヘ
ッドの長さ方向に関する変形を抑えるものであって、幅
方向に関する変形を抑えるものではない。即ち、寸法が
大きく曲げ剛性が低い長さ方向に関しては、従来からそ
の変形防止に就いて種々考慮していたが、長さ方向に比
べて曲げ剛性が高い幅方向に関しては、従来は特に考慮
していなかった。幅方向に関する変形に就いては、前述
した様な、近年に於けるエンジンの改良に伴って新たに
発生してきた問題であり、これを解決する構造は知られ
ていないのが現状である。本発明は、この様な事情に鑑
みて、上記図16に示す様な変形を有効に抑えられる構
造を実現すべく発明したものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明のメタルシリンダ
ヘッドガスケットは、前述した従来から知られているメ
タルシリンダヘッドガスケットと同様に、金属板により
構成している。そして、長さ方向に配列されてそれぞれ
がシリンダブロックの端面に開口したシリンダ孔に整合
する複数のボア孔と、幅方向両端寄り部分にそれぞれ複
数ずつ形成されたボルト挿通用の通孔と、これら各通孔
及び上記各ボア孔から離れて形成された流体を通過させ
る為の複数の透孔とを有する。そして、上記各通孔に挿
通したボルトの緊締により、上記シリンダブロックの端
面とシリンダヘッドの端面との間で挟圧された(挟まれ
て圧縮された)状態で使用される。特に、本発明のメタ
ルシリンダヘッドガスケットに於いては、上記各通孔と
上記金属板の幅方向両端縁との間に、圧縮方向の荷重に
対して大きな剛性を有し、上記各ボルトの緊締力に対し
ては実質的に剛体として作用する撓み防止用突条を形成
している。
【0017】
【作用】上述の様に構成する本発明のメタルシリンダヘ
ッドガスケットの場合には、幅方向両端部に形成した撓
み防止用突条の存在に基づき、シリンダブロックとシリ
ンダヘッドとを結合固定するボルトの緊締時にも、この
シリンダブロックの端面の幅方向両端部と上記シリンダ
ヘッドの端面の幅方向両端部とが過度に近づく事を防止
できる。この結果、このシリンダヘッドの撓みを抑え
て、この撓みに基づいて発生する、前述した様な各種不
都合を防止できる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1〜6は、請求項1、4に対応
する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、
本例は、本発明の基本構成を示している為、図1には、
メタルシリンダヘッドガスケット1aを構成する金属板
2aにボア孔3、3と通孔4、4とのみを形成した状態
を示し、潤滑油或は冷却水を流通させる為の透孔5、5
並びにこれら各透孔5、5の周囲に適宜形成するシール
用突条6、6(図8、12参照)等の各種シール用突条
は、図示を省略している。上記金属板2aには複数(図
示の例では4個)のボア孔3、3を、長さ方向(図1の
左右方向)に直列に配列している。又、上記金属板2a
の幅方向両端(図1の上下両端)寄り部分にボルト挿通
用の通孔4、4を、それぞれ複数ずつ形成している。図
示の場合、これら各通孔4、4は、上記各ボア孔3、3
毎に4個ずつ、それぞれこれら各ボア孔3、3をその間
に挟持する2本の仮想直線α、αと、上記金属板2aの
幅方向端縁16、16との間に形成している。これらの
構成に就いては、従来から知られているメタルシリンダ
ヘッドガスケットと同様である。
【0019】特に、本発明のメタルシリンダヘッドガス
ケット1aに於いては、上記各通孔4、4と上記金属板
2aの幅方向両端縁16、16との間に、圧縮方向の荷
重に対して大きな剛性を有する撓み防止用突条17、1
7を形成している。これら各撓み防止用突条17、17
は、前述の図12に示した従来構造で各透孔5、5の周
囲に形成したシール用突条6、6よりも高さが低い代わ
りに潰し方向(高さ方向)の剛性が高い形状を有する。
即ち、上記各撓み防止用突条17、17は、上記メタル
シリンダヘッドガスケット1aを、図5に示す様にシリ
ンダブロック12の上面とシリンダヘッド11の下面と
の間で挟持し、このシリンダヘッド11をシリンダブロ
ック12に対してボルト13、13により結合固定した
場合でも、これら各ボルト13、13の緊締力によって
は、不可避的且つ僅かな弾性変形及び塑性変形を生じた
後は、十分に上記シリンダヘッド11の撓みを防止する
高さを保った状態で、実質的に剛体として作用する。
【0020】この様な撓み防止用突条17、17は、図
2に略示する様に、幅方向両端部が金属板2aの片面か
ら急角度で立ち上がった断面形状を有する。即ち、上記
各透孔5、5の周囲に形成したシール用突条6、6が、
後述する様に、幅方向両端部が金属板の片面から緩やか
に立ち上がった円弧形の断面形状を有するのに対して、
上記各撓み防止用突条17、17の断面形状は、大略コ
字形である。そして、これら各撓み防止用突条17、1
7の頂部22が、金属板2aの片面の平坦面部分23か
ら突出する高さが、この金属板2aの厚さ以下である。
又、この金属板2aの平坦面部分23と上記撓み防止用
突条17の頂部22とを連続させる部分24、24の幅
も、上記金属板2aの厚さ以下である。更に、この金属
板2aの他面で上記頂部22と対応する部分に形成され
た凹部18の深さが、この頂部22の高さとほぼ一致し
ている。
【0021】この様な撓み防止用突条17、17の加工
は、図3に示す様に、従来に比べて凹部8aと突部10
aとの間のクリアランスが小さい雌型7aと雄型9aと
を使用して行なう。即ち、上記各撓み防止用突条17、
17を形成する上記雌型7a及び雄型9aの場合には、
上記凹部8aと上記凸部10aとの間のクリアランス、
即ち、これら両部8a、10aの中心位置を一致させた
状態で、これら両部8a、10aの端縁同士の間の、上
記金属板2aの面方向に関する距離L1 を、この金属板
2aの厚さ寸法T1 以下(L1 ≦T1 )にしている。こ
の様な雌型8a及び雄型10aを使用し、撓み防止用突
条の頂部22と金属板2aの平坦面部分23とを連続さ
せる部分の幅が、この金属板2aの厚さ寸法T1 以下と
なる様に、上記各撓み防止用突条17、17を形成す
る。この際、型形状やプレス条件を適宜調整し、高さ寸
法H1 も上記厚さ寸法T1 よりも小さい値(H1 <T
1 )となる様に、上記各撓み防止用突条17、17を形
成する。尚、この様にしてこれら各撓み防止用突条1
7、17を形成する作業は、前記メタルシリンダヘッド
ガスケット1aの他の部分を加工するのと同時に行な
え、特別な加工を必要としない為、加工コストが嵩む事
はない。
【0022】この様にして得られる各撓み防止用突条1
7、17の断面形状は、上記凹部8aと上記凸部10a
との間のクリアランス(端縁同士の間の距離L1 )を変
える事により、上記高さ寸法H1 は上記凸部10aによ
る上記凹部8a内への金属板2aの押し込み量を変える
事により、調節自在である。この様に上記各撓み防止用
突条17、17の断面形状を適宜調節する事により、過
大な荷重に基づいて塑性変形する変形代を調整できる
為、エンジンの剛性や運転時の荷重変動に対応した、最
適な撓み防止用突条17、17を得られる。尚、上記ク
リアランスL1 は、特に上記金属板2aの厚さ寸法T1
の20〜50%の範囲の値が好ましい。例えば、この厚
さ寸法T1 が0.6mmである場合に、上記クリアランス
1 は、0.12〜0.3mm程度の値にすれば良い。こ
のクリアランスL1 が小さい(0.6mm厚に対して0.
12mm程度である)場合には、図4(A)に示す様に、
幅方向両端部が急激に(ほぼ直角に)立ち上がった撓み
防止用突条17を得られる。これに対して、上記クリア
ランスL1 が大きい(0.6mm厚に対して0.3mm程度
である)場合には、図4(B)に示す様に、幅方向両端
部が比較的緩く立ち上がった撓み防止用突条17を得ら
れる。但し、この図4(B)に示した撓み防止用突条1
7にしても、前記シール用突条6、6に比べて幅方向両
端縁部の立ち上がり角度は急であり、圧縮方向の力に対
する剛性は高い。尚、上述の説明は、説明の簡略化、明
瞭化の為、突条の両側のクリアランスが互いに等しい場
合に就いて行なったが、このクリアランスは、必ずしも
突条の両側で等しくなくても良い。例えば、シリンダヘ
ッドの撓み具合や、突条の形成位置と圧縮荷重との関係
に合わせて、上記両側のクリアランスを互いに異ならせ
ても良い。
【0023】本例のメタルシリンダヘッドガスケット1
aの場合には、上述の様な撓み防止用突条17、17
を、前記各通孔4、4と前記金属板2aの幅方向両端縁
16、16との間に、これら各通孔4、4毎に1個ずつ
設けている。又、上記各撓み防止用突条17、17の平
面形状は、上記各通孔4、4の側が凹となった円弧形と
している。この様なメタルシリンダヘッドガスケット1
aの場合には、上記各撓み防止用突条17、17の存在
に基づき、前記シリンダブロック12と前記シリンダヘ
ッド11とを結合固定する前記ボルト13、13の緊締
時にも、上記シリンダブロック12の上面の幅方向両端
部と上記シリンダヘッド11の下面の幅方向両端部とが
過度に近づく事を防止できる。
【0024】即ち、このシリンダヘッド11の幅方向両
端部を上下に貫通してそれぞれの下端部を上記シリンダ
ブロック12のねじ孔に螺合した上記ボルト13、13
を緊締すると、これらシリンダブロック12の上面とシ
リンダヘッド11の下面との間に挟持した上記メタルシ
リンダヘッドガスケット1aが、これら両面同士の間で
強く挟持され、その反作用としてこれら両面同士の間で
突っ張る。そして、この突っ張り力に基づいて、ボルト
13、13からの距離が離れている、上記シリンダヘッ
ド11の幅方向中央部の上方への変形量が大きくなり、
上記シリンダヘッド11が、その下面が凹面となる方向
に湾曲する。但し、上記両面同士の間に本例のメタルシ
リンダヘッドガスケット1aを挟持している場合には、
上記各撓み防止用突条17、17が、上記両面の幅方向
両端部同士の間で強く突っ張る。
【0025】即ち、上記各ボルト13、13の緊締に伴
って上記シリンダヘッド11の下面が、図6の実線位置
から鎖線位置にまで変位すると、上記各撓み防止用突条
17、17が上記シリンダヘッド11の下面を支え、こ
の下面がそれ以上シリンダブロック12の上面に近づく
事を阻止して、これら両面の幅方向両端縁同士が過度に
近づく事を防止する。又、エンジンの始動時に於ける、
前述した様な口閉じ現象の発生時にも、上記各撓み防止
用突条17、17が上記両面の幅方向両端縁同士が過度
に近づく事を防止する。尚、これら各撓み防止用突条1
7、17は、上記シリンダヘッド11の下面端部とシリ
ンダブロック12の端部上面との間で強く押圧される事
により、或る程度塑性変形する。但し、この変形は、最
初のエンジン始動時にその大部分が行なわれて、上記メ
タルシリンダヘッドガスケット1aの両面と上記シリン
ダブロック12の下面及び上記シリンダヘッド11の下
面との当接部を馴染ませる。しかも、上記各撓み防止用
突条17、17の塑性変形量は、これら各突条の高さに
比べて極く僅かであり、塑性変形後も十分な高さを有し
ている。そして、2回目以降のエンジン始動時に発生す
る口閉じ量は、最初の運転時とほぼ同等の大きさである
為、上記各撓み防止用突条17、17がそれ以上塑性変
形する事はない。又、仮にこの口閉じ量を大きく越える
様な異常変形が発生しても、この撓み防止用突条17、
17が最初の口閉じの際と同様の塑性変形をする事でそ
の異常変形を吸収できる為、撓み防止効果は維持され
る。何れにしても、これら各撓み防止用突条17、17
が上記両面同士が近づき過ぎるのを防止する結果、上記
シリンダヘッド11の変形を抑えて、この変形に基づい
て発生する、前述した様な各種不都合を防止できる。
【0026】具体的には、第一に、上記メタルシリンダ
ヘッドガスケット1aの幅方向両端寄り部分に設けた前
記各シール用突条6、6が過度に押し潰される事を防止
して、これら各シール用突条6、6がへたる事を防止で
きる。第二に、エンジンの運転開始直後に生じるシリン
ダヘッド11の熱膨張に拘らず、上記各ボルト13、1
3に伸長方向の塑性変形が生じにくくなる。即ち、上記
各撓み防止用突条17、17の存在により、上記各シー
ル用突条6、6部分が、十分に弾性変形自在な状態とな
っている。又、上記各ボルト13、13と上記各撓み防
止用突条17、17とは、上記メタルシリンダヘッドガ
スケット1aの面方向にずれており、上記メタルシリン
ダヘッドガスケット1aの一部で上記各ボルト13、1
3と上記各撓み防止用突条17、17との間部分が、或
る程度弾性変形する。更には、これら各撓み防止用突条
17、17に関しても、僅かとは言え弾性変形する。こ
れら各部の弾性変形が足し合わされて、上記熱膨張に伴
って上記各ボルト13、13に加わる伸長方向の大きな
力のうちの相当部分を吸収する。又、これらの弾性変形
の足し合わせでは吸収し切れない変形は、前述の様に上
記各撓み防止用突条17、17が若干の塑性変形を行な
う事で吸収できる。この結果、これら各ボルト13、1
3に、塑性変形に結び付く程の大きな力が加わる事がな
くなる。第三に、低温状態と高温状態との繰り返しに伴
うシリンダヘッド11の変形を抑えて、このシリンダヘ
ッド11に割れ等の損傷が発生しにくくできる。即ち、
本発明のメタルシリンダヘッドガスケット1aを使用し
た場合には、前記図5に示す様に、上記シリンダヘッド
11の幅方向両端部下面と前記シリンダブロック12の
上面とが過度に近づく事がなく、その分、低温時に於け
る上記メタルシリンダヘッドガスケット1aの(下面を
凹面とする方向の)弾性変形量が少なく抑えられる。こ
の為、上記図5に示した低温状態と、前述の図18に示
した高温状態との間で、上記シリンダヘッド11の変形
量を少なく抑えて、上記損傷の防止を図る事ができる。
【0027】次に、図7は、本発明の実施の形態の第2
例を示している。本例の場合には、金属板2aの片面
(図7の上面)に撓み防止用突条17を形成する事に伴
ってこの金属板2aの他面(図7の下面)に形成された
凹部18内に、エポキシ樹脂の如き硬質合成樹脂等のコ
ート材19を充填している。この様にコート材19を充
填する事により、上記撓み防止用突条17の、圧縮方向
に関する剛性をより一層向上させて、前述の図5で説明
した様な、シリンダヘッド11の変形防止効果をより一
層向上させる事ができる。又、上記コート材19自体
が、相手面と馴染み易いと言った特性を有する為、前記
各ボルト13、13の緊締時には、上記撓み防止用突条
17を形成した部分が、より一層エンジンと馴染み易く
なり、このエンジンの運転時に発生する不整を吸収する
作用・効果が向上する。
【0028】次に、図8〜11は、請求項1〜4に対応
する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例
のメタルシリンダヘッドガスケット1bの場合には、冷
却水或は潤滑油を流通させる為の複数の透孔5、5を、
それぞれボルト13、13(図5参照)を挿通する為の
通孔4、4に隣接した状態で、且つ、上記各透孔5、5
の過半部がこれら各通孔4、4の中心を結ぶ線よりも金
属板2bの幅方向端縁側に位置する状態で形成してい
る。この為に図示の例では、この金属板2bの幅方向両
端縁16、16aのうちの一方(図8の上方)の端縁1
6aの一部に、幅方向外方に突出する突出部20、20
を形成し、上記各透孔5、5を、これら各突出部20、
20に整合する部分に形成している。又、これら各透孔
5、5の周囲にシール用突条6、6を、それぞれこれら
各透孔5、5の全周を囲む状態で形成している。
【0029】そして、上記各通孔4、4と金属板2bの
幅方向端縁16aとの間に設けた各撓み防止用突条17
a、17aを、上記各シール用突条6、6と、上記金属
板2bの幅方向端縁、即ち、上記各突出部20、20の
周縁との間にまで延長している。これに対して、上記金
属板2bの他方(図8の下方)の端縁16側にはボルト
13、13を挿通する為の通孔4、4のみを形成し、こ
れら各通孔4、4と上記端縁16との間に、前述した第
1例の場合と同様の撓み防止用突条17、17を形成し
ている。従って、上記一方の端縁16a側で上記各透孔
5、5に隣接して設けた上記各撓み防止用突条17a、
17aは、上記他方の端縁16側に設けた撓み防止用突
条17、17よりも長い。本例の場合には、この様に各
撓み防止用突条17、17aの長さを変える事により、
上記各シール用突条6、6が過度に圧縮される事をより
有効に防止できる様にすると共に、シリンダヘッド11
の変形防止効果をより一層向上させている。この点に付
いて、次に説明する。
【0030】本例のシリンダヘッドガスケット1bをシ
リンダブロック12の上面とシリンダヘッド11の下面
との間に挟持して前記各ボルト13、13(図5参照)
を緊締した場合、上記シリンダヘッド11の下面が上記
メタルシリンダヘッドガスケット1bの上面を押圧す
る。この場合に於いて、上記シリンダヘッド11の下面
がこのメタルシリンダヘッドガスケット1bの上面を押
圧する力は、幅方向両端部で互いに異なる。即ち、上記
シリンダヘッド11の下面には、図11に示す様に、潤
滑油或は冷却水を流通させる為の通路21を、上記シリ
ンダヘッド11の下面外周縁部に相当に寄せた状態で開
口させている。従って、この通路21を形成した、上記
一方の端縁16a側部分の剛性は、他方の端縁16側部
分の剛性よりも低い。そして、この様に押圧方向に関す
る剛性が低い側に設けた撓み防止用突条17a、17a
の長さを、この剛性が高い側に設けた撓み防止用突条1
7、17の長さよりも長くしている。この様に、シリン
ダヘッド11の剛性が低い部分に対向する撓み防止用突
条17a、17aの長さを長くする事で、これら各撓み
防止用突条17a、17aが上記シリンダヘッド11を
押圧する力の単位長さ当りの値を小さく抑え、このシリ
ンダヘッド11の変形防止を図っている。
【0031】尚、上記各撓み防止用突条17a、17a
は、必ずしも図8に示す様に連続した形状としなくても
良く、例えば必要とする長さ分、断続的に形成しても良
い。又、上記各撓み防止用突条17a、17aの近傍
に、例えば図9に示す様に、シール用突条6等の他の突
条等が形成されている為、上記各撓み防止用突条17
a、17aを所望長さまで延長できない場合には、上記
他の突条等の近傍部分に、上記図9に示す様に、更に別
の撓み防止用突条17bを、上記所望長さに不足する長
さ分だけ形成する事もできる。この場合には、上記図9
に示す様に、撓み防止用突条17a、17bが、隣接し
て二重に並ぶ状態となる。
【0032】又、前記各シール用突条6、6は、図10
に示す様に、上記各撓み防止用突条17a、17aに比
べて滑らかで圧縮方向(図10の上下方向)に関して弾
性変形し易い断面形状を有する。又、上記各シール用突
条6、6の自由状態での高さ寸法H6 は、上記各撓み防
止用突条17a、17aの高さ寸法H17よりも大きい
(H6 >H17)。従って、本例のメタルシリンダヘッド
ガスケット1bをシリンダブロック12の上面とシリン
ダヘッド11の下面との間で挟持し、ボルト13、13
を緊締した状態で、上記各シール用突条6、6は、上記
高さ寸法の差に、上記各撓み防止用突条17a、17a
の微小な塑性変形分δを加えた分(H6 −H17+δ)だ
け、弾性的に押し潰される。
【0033】この様なシール用突条6、6は、図10
(A)に示す様に、上記各撓み防止用突条17a、17
aを形成した金属板2b自体に形成しても良いが、図1
0(B)に示す様に、これら各撓み防止用突条17a、
17aを形成した金属板2bに重ね合わせた、別の金属
板2cに形成しても良い。尚、この様に上記各シール用
突条6、6を形成する金属板2cと撓み防止用突条17
a、17aを形成する金属板2bとを別々にする場合に
は、この撓み防止用突条17a、17aを形成する金属
板2bを、上記各シール用突条6、6を形成する金属板
2cよりも軟質で、且つ、板厚が大きいものを使用する
事が好ましい。この理由は、前記各ボルト13、13の
緊締に伴う大きな荷重により、上記各撓み防止用突条1
7a、17aが塑性変形する変形代の調整を行い易い為
である。又、図示の例では、上記各シール用突条6、6
として、断面円弧形の、所謂フルビードを示している
が、シール用突条の設置スペースの大きさや所要面圧の
大きさによっては、平坦部同士を傾斜部で連続させてダ
イヤフラム状に構成した、所謂ハーフビードとする事も
できる。その他の部分の構成及び作用は、前述した第1
例又は第2例の場合と同様であるから、重複する説明は
省略する。
【0034】尚、本発明のメタルシリンダヘッドガスケ
ット1a、1bは、シリンダヘッド11の幅方向に関す
る変形を防止する事を主目的に発明したものであるが、
長さ方向に関する変形も防止できる。即ち、各撓み防止
用突条17、17aは、上記各メタルシリンダヘッドガ
スケット1a、1bの幅方向両端部に、それぞれ長さ方
向のほぼ全長に亙りほぼ等間隔に形成している。言い換
えれば、上記各メタルシリンダヘッドガスケット1a、
1bの四隅部分に上記各撓み防止用突条17、17aが
存在する。従って、これら各撓み防止用突条17、17
aによって、上記シリンダヘッド12の幅方向の変形だ
けでなく、長さ方向の変形防止も図れる。この為、本発
明を実施する場合に、長さ方向の変形防止の為の構造を
別途採用する必要はない。
【0035】
【発明の効果】本発明のメタルシリンダヘッドガスケッ
トは、以上に述べた通り構成され作用するので、シリン
ダヘッドの変形を効果的に抑えて、この変形に伴って発
生するシール性の低下やヘッドの耐久性低下を有効に防
止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す略平面図。
【図2】図1の拡大A−A断面図。
【図3】撓み防止用突条の加工状態を示す部分拡大断面
図。
【図4】撓み防止用突条の具体的な断面形状の2例を示
す部分拡大断面図。
【図5】本発明のメタルシリンダヘッドガスケットを組
み付けた状態でのシリンダヘッドの変形状態を誇張して
示す模式図。
【図6】本発明のメタルシリンダヘッドガスケットをシ
リンダブロック上面とシリンダヘッド下面との間に組み
付ける際のシリンダヘッドの挙動を説明する為の、図5
のB部に相当する拡大図。
【図7】本発明の実施の形態の第2例を示す、図2と同
様の図。
【図8】同第3例を示す略平面図。
【図9】同第4例を示す部分略平面図。
【図10】シール用突条の形成位置の2例を示す図8の
拡大C−C断面図。
【図11】シリンダヘッドの幅方向に関する断面形状を
示す略図。
【図12】従来のメタルシリンダヘッドガスケットの1
例を示す略平面図。
【図13】シール用突条の加工状態を示す部分拡大断面
図。
【図14】シール用突条部分をシリンダブロック上面と
シリンダヘッド下面との間で挟持した状態を示す略断面
図。
【図15】メタルシリンダヘッドガスケットへのボルト
挿通用の通孔の形成状態の2例を示す、部分略平面図。
【図16】従来のメタルシリンダヘッドガスケットを組
み付けた状態でのシリンダヘッドの変形状態を誇張して
示す模式図。
【図17】シリンダヘッドの幅方向に関する断面形状の
別例を示す略断面図。
【図18】温度上昇に伴うシリンダヘッドの変形状態を
誇張して示す模式図。
【符号の説明】
1、1a、1b メタルシリンダヘッドガスケット 2、2a、2b、2c 金属板 3 ボア孔 4 通孔 5 透孔 6 シール用突条 7、7a 雌型 8、8a 凹部 9、9a 雄型 10、10a 凸部 11 シリンダヘッド 12 シリンダブロック 13 ボルト 14 上側デッキ 15 下側デッキ 16、16a 端縁 17、17a、17b 撓み防止用突条 18 凹部 19 コート材 20 突出部 21 流体の通路 22 頂部 23 平坦面部分 24 頂部と平坦面部分とを連続させる部分

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長さ方向に配列されてそれぞれがシリン
    ダブロックの端面に開口したシリンダ孔に整合する複数
    のボア孔と、幅方向両端寄り部分にそれぞれ複数ずつ形
    成されたボルト挿通用の通孔と、これら各通孔及び上記
    各ボア孔から離れて形成された流体を通過させる為の複
    数の透孔とを有し、上記各通孔に挿通したボルトの緊締
    により上記シリンダブロックの端面とシリンダヘッドの
    端面との間で挟圧された状態で使用される、金属板製の
    メタルシリンダヘッドガスケットに於いて、この金属板
    の幅方向両端縁と上記各通孔との間に、圧縮方向の荷重
    に対して大きな剛性を有し、上記各ボルトの緊締力に対
    しては実質的に剛体として作用する撓み防止用突条を形
    成した事を特徴とするメタルシリンダヘッドガスケッ
    ト。
  2. 【請求項2】 複数の透孔のうちの少なくとも一部の透
    孔が通孔に隣接した状態で、且つ、当該透孔の少なくと
    も一部が当該通孔よりも金属板の幅方向端縁側に位置す
    る状態で形成されており、当該透孔の周囲に自由状態で
    の高さが撓み防止用突条の高さよりも高いシール用突条
    が、上記透孔の全周を囲む状態で形成されており、上記
    撓み防止用突条が、このシール用突条と上記金属板の幅
    方向端縁との間にまで延長されている、請求項1に記載
    したメタルシリンダヘッドガスケット。
  3. 【請求項3】 メタルシリンダヘッドガスケットの片面
    を押圧する端面の剛性が、この端面の幅方向の一端部側
    で幅方向他端部側よりも大きいシリンダヘッドに関して
    使用されるメタルシリンダヘッドガスケットであって、
    上記端面の剛性が大きい幅方向一端部側の撓み防止用突
    条の長さに比べて、同じく剛性が小さい幅方向他端側の
    撓み防止用突条の長さを長くした、請求項2に記載した
    メタルシリンダヘッドガスケット。
  4. 【請求項4】 撓み防止用突条の頂部が金属板の片面の
    平坦面部分から突出する高さがこの金属板の厚さ以下で
    あり、この金属板の平坦面部分と上記撓み防止用突条の
    頂部とを連続させる部分の幅もこの金属板の厚さ以下で
    あり、この金属板の他面で上記頂部と対応する部分に形
    成された凹部の深さが、この頂部の高さと実質的に一致
    している、請求項1〜3の何れかに記載したメタルシリ
    ンダヘッドガスケット。
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