JP2003041330A - チタンインゴットの溶解方法 - Google Patents

チタンインゴットの溶解方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】生産効率が高く、品質特性に優れたチタンイン
ゴットを溶解する。 【解決手段】(1) 溶製されたインゴットを炉内で冷却
し、その表面温度が300〜700℃になった段階で炉外に放
出して、前記インゴットの表面温度が100〜200℃のなる
まで水冷した後、その表面を乾燥させるチタンインゴッ
トの溶解方法である。 (2) 上記チタンインゴットの溶解方法は、多段階溶解法
であって、溶製されたインゴットを水冷し、その表面を
乾燥させた後、再溶解するのが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クロール法で得ら
れたスポンジチタンを主原料とするチタンインゴットの
溶解方法に関し、例えば、真空アーク溶解に代表される
消耗電極式溶解法によるインゴットの製造に際して、イ
ンゴットの冷却に要する時間を短縮し、多段階溶解する
場合であっても生産効率を高めることができ、しかも優
れた品質特性を具備するチタンインゴットを溶解する方
法に関するものである。
【0002】
【従来技術】高融点金属であるチタンの工業的な製造に
は、塩素化還元を適用したクロール法が一般的に採用さ
れている。さらに、クロール法によって得られたスポン
ジチタンから、板、棒、管、鍛造品などを製造するため
の加工材料となるインゴットを製造する場合には、溶解
中に耐火物からの汚染を避けるために、アーク、電子ビ
ーム、プラズマを熱源として、外側を強制水冷するモー
ルドを用いて、真空中または不活性雰囲気中で溶解が行
われる。
【0003】従来からチタンインゴットの溶解法として
は、消耗電極式真空アーク溶解法(VAR)、プラズマ
ビーム溶解法(PBR)、電子ビーム溶解法(EB
R)、エレクトロスラグ溶解法(ESR)があるが、工
業的な生産規模でチタンインゴットを溶製するには、消
耗電極式真空アーク溶解法が広く採用されている。
【0004】チタンインゴットの溶解原料となるスポン
ジチタンは、スポンジ状の破砕粒であり、これをプレス
してブリケットをつくり、その際に必要に応じて、合金
元素やリターンスクラップを均一に混ぜて、これらのブ
リケットをビード溶接によって組立て消耗電極を作製す
る。
【0005】図1は、消耗電極式真空アーク溶解炉を含
む全体のプロセス概要を説明する図である。図1に示す
ように、通常、消耗電極の主原料となるスポンジチタン
1は、コンパクト2を成形するため、圧縮プレス8によ
って圧縮成形される。成形されたコンパクト2は、ビー
ド溶接機9により溶接されて消耗電極3を構成し、この
消耗電極3を消耗電極式アーク溶解炉10内で溶解するこ
とによりインゴット7を溶製する。
【0006】消耗電極式アーク溶解炉は、溶解原料とな
る素材から作製された消耗電極を、真空または不活性ガ
ス雰囲気とした炉内にて、外側から水冷した銅モールド
中に吊り下げて電極を負、モールドを正とした直流電流
により、電極下端とモールドの底との間にアークを発生
させて、アークの熱で溶けた電極から落ちた溶湯のプー
ルと、電極との間にアークを安定させる。電極は下端か
ら順次溶解されて、溶解のプールが下方から凝固されて
インゴットを形成する。
【0007】図2は、具体的な消耗電極式真空アーク溶
解炉の構成を示す図である。図2に示すように、消耗電
極3は溶接によりスタブ13に固定され、溶解が進むに従
ってスティンガーロッド12の降下に伴い連続的に下降さ
れる。水冷銅モールド11内では、アーク4の発生によっ
て消耗電極3は溶解し、溶融チタン5を形成し、冷却さ
れて凝固チタン6を構成する。水冷銅モールド1の内部
には、図中の矢印で示されるように、冷却水が循環され
ている。
【0008】通常、消耗電極式真空アーク溶解法では、
組成の均一化、さらに表面欠陥および内部欠陥の低減を
図るために、一次溶解の後、二次溶解、三次溶解と多段
階にわたって溶解が行われる。このような多段階溶解を
実施するには、次段階の溶解用のスタブとの溶接が必要
になるため、溶製されたインゴットの上端および下端を
端面を旋盤で成形加工して、スタブを溶接する必要があ
る。このため、溶解を繰り返す前に、旋盤加工やスタブ
溶接が可能になる程度までにインゴットを冷却させる必
要がある。
【0009】溶製されたインゴットの冷却として、溶解
を終了した直後から、インゴットの酸化が問題とならな
い程度の表面温度になるまで、真空またはArガス等の
非酸化性雰囲気とした溶解炉内で冷却し、その後、大気
に解放してハンドリングが可能になる表面温度になるま
で冷却する方法が採用されていた。しかし、この方法で
は、表面温度が低下するまでに長時間を要するため、生
産効率が著しく低下するという問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前述の通り、多段階溶
解を実施するために、溶製されたインゴットを炉内冷却
と大気放冷とを組み合わせて、ハンドリングが可能な表
面温度に冷却するとすれば、長時間の冷却を要するた
め、生産効率が著しく低下することになる。従来では、
インゴットを溶解炉内で冷却して、表面温度が酸化が問
題とならない所定温度(700℃以下)まで降下させて、
炉外へ取り出して送風機などで空冷していた。しかし、
空冷による方法では、冷却に長時間を要するとともに、
工場内に冷却スペースを余分に設置せねばならず、さら
に工場内に埃が舞い上がるという環境上の問題も発生し
ていた。
【0011】一方、溶製されたインゴットの冷却時間を
短縮するために、インゴットを水冷することが着想され
るが、水冷を施すことによって、インゴット表面に水分
が残留し、再溶解前に溶解炉内の真空排気時間を延長さ
せる必要が生じたり、再溶解されたインゴットに表面欠
陥が増加したり、酸素濃度の上昇が観察される。すなわ
ち、インゴットの水冷によって冷却時間の短縮は達成で
きるが、水冷条件を適切に選択しなければ、溶解作業の
効率化、品質向上に支障をきたすことになる。
【0012】本発明は、従来の消耗電極式溶解法で発生
する問題点に鑑みてなされたものであり、溶製されたイ
ンゴットの冷却に際し、炉内冷却と炉外での水冷を組み
合わせて、水冷条件の適正化を図ると同時に、水冷にイ
ンゴット表面の水洗作用も付加させることによって、冷
却時間を短縮して生産効率を高め、さらに品質特性に優
れるチタンインゴットの溶解方法を提供することを目的
としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するため、一次溶解後のインゴットに水冷を施し
て、水冷にともなう諸現象について検討した。確かに、
水冷によってインゴットの冷却時間を短縮することがで
きるが、従来の空冷によるインゴットに比べ、二次溶解
後に酸素濃度の上昇が見られた。このような水冷による
酸素濃度の上昇は、一次溶解後のインゴット表面に残留
する塩化マグネシウム(MgCl)が水分を吸収するこ
と、および表面の凸凹部への冷却水の残留が要因であ
る。
【0014】そこで、インゴットを水冷する際に、イン
ゴットを放射温度計または接触温度計で連続または断続
的に表面温度を測定し、水冷終了温度(冷却水をインゴ
ットへ供給することを終了する温度)を変更するテスト
を実施した。その結果、水冷終了温度が100℃以上であ
れば、二次溶解での酸素濃度の上昇が観察されなかっ
た。さらに、空冷によって冷却されたインゴットに比
べ、二次溶解での酸素濃度が低減できることも明らかに
なった。
【0015】インゴットの表面温度が100℃以上の状態
で水冷を停止すれば、インゴットの保有熱により、表面
の凸凹部に残留した水分、およびMgClの吸湿作用によ
って取り込まれた水分の大部分を蒸発させることができ
るため、水冷したことによる水分の上昇は無視できる程
度となる。
【0016】しかも、インゴットを水冷するときに、冷
却水が表面に残留するMgClを洗い流して除去する作用
もあるため、水冷終了後に表面に残留するMgCl量は、
空冷されたインゴット表面のそれに比べ少なくなる。ま
た、冷却水によって表面に残留するMgClをインゴット
の全周にわたって洗い流すようにした場合、インゴット
表面のMgClは効果的に除去されるため、空冷されたイ
ンゴット表面のそれに比べ著しく少なくなる。
【0017】空冷されたインゴットを二次溶解すると、
冷却中に大気から吸湿された水分から酸素が取り込まれ
る。一方、本発明によって冷却されたインゴットは、表
面に残留するMgCl量が減少しており、かつ水冷に起因
する水分も充分に除去されているため、二次溶解での酸
素取り込み量は、空冷されたインゴットに比べ、可成り
削減されたものになる。
【0018】上述の通り、インゴットを水冷する場合に
は、空冷する場合に比べ、表面に残留するMgClは減少
している。しかし、水冷終了温度を管理することなく水
冷する場合には、インゴット保有熱の作用を活用するこ
とができず、残留するMgClが多量の水分を冷却水から
吸収し、結果的には、二次溶解での酸素濃度が上昇する
ことになる。
【0019】例えば、インゴットの表面温度が100℃未
満まで冷却した後に、温風乾燥機などで水分を除去する
ことも可能であるが、その場合には、インゴット全体を
囲って乾燥させるために大型温風乾燥機が必要となり、
設備コストが増加するとともに、乾燥処理工程が新たに
必要となり、作業工数および処理時間の増加が問題とな
る。これらの問題に加えて、インゴットの表面温度が10
0℃未満になれば、高温時の水冷と比較して、インゴッ
トの冷却速度は可成り遅くなり、冷却時間も相当延長せ
ざるを得ず、さらに、100℃未満まで冷え切ったインゴ
ットを外部から温風で乾燥させるには、インゴットの保
有熱を有効に利用できないことから、エネルギー効率上
も好ましくないという問題もある。
【0020】換言すれば、インゴットを空冷する場合に
は、二次溶解までにMgClが空気中の水分を吸湿して二
次インゴットの酸素濃度を上昇させることが無視できな
かったが、水冷終了温度をインゴット表面温度で100℃
以上の条件で管理しながら水冷することによって、表面
に残留するMgClを削減させることができ、しかもその
MgClを乾燥させた状態で二次溶解するため、酸素濃度
の上昇を抑制することが可能になる。
【0021】図3は、本発明の水冷装置の概略構成の一
例を説明する図である。図示される水冷装置では、溶製
されたチタンインゴット7はインゴット置台14に静置さ
れ、チタンインゴット7の全長にわたり、水冷配管15を
介して水冷シャワー16が均一に供給され、冷却時間の大
幅な短縮が図れる。
【0022】さらに、本発明の水冷装置の他の構成例で
は、MgClを効果的に除去することを意図して、冷却水
の水圧を高くし、かつ供給量を増やすようにできる。こ
の場合には、例えば、高圧水流の吹き出し口をインゴッ
トの円周方向に設けて、さらにこの吹き出し口をインゴ
ットの長手方向にそって往復する構造にすればよい。ま
た、図3に示すインゴットを軸方向を中心として回転さ
せても、インゴットの全側面に水冷シャワーを当てるこ
とができるため、同様にMgClを効果的に除去すること
ができる。
【0023】本発明は、上記の知見に基づいて完成され
たものであり、下記の(1)および(2)のチタンインゴット
の製造方法を要旨とする。 (1) スポンジチタンを主原料とする消耗電極を用いてイ
ンゴットに溶解する方法であって、溶製されたインゴッ
トを炉内で冷却し、その表面温度が300〜700℃になった
段階で炉外に放出して、前記インゴットの表面温度が10
0〜200℃になるまで水冷した後、その表面を乾燥させる
ことを特徴とするチタンインゴットの溶解方法である。 (2) 上記(1)のチタンインゴットの溶解方法は、多段階
溶解法であって、溶製されたインゴットを水冷し、その
表面を乾燥させた後、再溶解するのが望ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の溶解方法では、インゴッ
トの炉外での水冷操作において、炉外に放出する温度、
および水冷終了温度を適正化することにより、さらに冷
却水が発揮する水洗作用とが相まって、水冷後のインゴ
ット表面に残留するMgClを減少させ、インゴットの保
有熱を利用してインゴット表面の水分を蒸発させること
を特徴としている。これにより、再溶解前の真空排気時
間の短縮、再溶解インゴットの表面欠陥の減少、および
酸素濃度の上昇抑制を図ることができる。
【0025】本発明が対象とする溶解方法は、消耗電極
式真空アーク溶解法(VAR)、プラズマビーム溶解法
(PBR)、電子ビーム溶解法(EBR)、エレクトロ
スラグ溶解法(ESR)のいずれであってもよく、さら
に、これらを組み合わせた溶解方法であってもよい。い
ずれであっても、本発明の目的、効果を達成することが
できる。
【0026】溶製されたインゴットは炉内で冷却を行
い、表面温度が300〜700℃になってのち、炉外に放出し
てインゴットの水冷に移行する。したがって、本発明で
は、炉外放出温度と水冷開始温度とはほぼ同一温度とし
て把握しても差し支えない。本発明の目的の1つであ
る、冷却時間の短縮効果を充分に得るには、インゴット
を戸外に放出して直ちにインゴットの水冷に移行するの
が望ましいが、インゴットを戸外へ放出する際および水
冷開始時のインゴットの表面温度が300〜700℃であれ
ば、本発明の効果を達成することができる。
【0027】炉外に放出する温度の下限を300℃とした
のは、300℃未満まで冷却すると溶解炉内での冷却時間
が長時間となり、著しく生産効率が低下するためであ
る。さらに、冷却水がインゴット表面で激しく沸騰する
エネルギーによってもMgClを除去する効果が促進され
ることから、水冷開始直前の放出温度を300℃以上にす
る必要がある。
【0028】一方、炉外に放出する温度が700℃を超え
る場合には、水冷にともなってインゴット表面の酸化が
著しくなって、インゴットの酸素濃度が上昇することに
なる。したがって、生産効率およびインゴット品質の観
点からは、溶解炉内での冷却後、炉外に放出する温度は
400〜500℃とするのが望ましい。
【0029】本発明の水冷操作では、水冷終了温度をイ
ンゴット表面温度で100〜200℃となるようにしなければ
ならない。前述の通り、インゴットの表面温度が100℃
未満である場合には、乾燥処理のために設備費や作業工
数の増加が懸念される。さらに、インゴットの保有熱を
有効に活用することができず、インゴット表面に水分が
残留するため、再溶解前の真空排気時間を延長しなけれ
ばならず、さらに再溶解インゴットの表面欠陥の増加、
および酸素濃度の上昇が生ずることになる。
【0030】これに対し、水冷終了時のインゴットの表
面温度が200℃を超える場合には、インゴット端面の旋
盤での成形加工やスタブ溶接の際のハンドリングが困難
になる。このため、直ぐに作業にはいることができず、
インゴットの表面温度が200℃以下になるまで大気中で
放冷せざるを得ない。特に、インゴットの表面温度が20
0℃付近では、インゴットの冷却速度が急激に遅くなる
ため、200℃を超える表面温度で水冷を終了し、その
後、表面温度が200℃以下になるまで大気中で放冷する
ことは、冷却時間の短縮の観点からは効率的でない。
【0031】前述の通り、本発明の水冷操作では、MgCl
を効果的に除去することも意図するものであるから、
冷却水の水圧を高くし、かつ供給量を増やすようにする
のが有効である。したがって、本発明では、冷却水の水
圧を0.5MPa以上とし、冷却水の供給量を80リットル/分
以上とするのが望ましい。
【0032】本発明の溶解方法では、インゴットの保有
熱で表面の水分を蒸発させるものであるから、自然乾燥
が好適である。さらに乾燥時間を短縮するには、ドライ
エアーを吹き付けて蒸発を促進するのが望ましい。この
場合には、工場内の粉塵防止の面から、インゴット装置
が覆われる構造であるのが望ましい。
【0033】対象となるインゴットの寸法は任意に選択
することができ、寸法が大きな場合には水量を多くして
水冷速度を速めると同時に、インゴット表面の温度管理
を的確に行えばよい。表面温度の測定位置は、インゴッ
ト表面のいずれでもよいが、インゴットの上端および下
端の端部にそれぞれ設けて、これらの平均値を表面温度
とするのが望ましい。
【0034】本発明の溶解方法方法は、比熱および熱伝
導率が近似する純チタンおよびチタン合金でも適用する
ことができる。
【0035】
【実施例】本発明の溶解方法による効果を、具体的な実
施例に基づいて説明する。クロール法によって製造され
たスポンジチタンを主原料として、前記図1に示すよう
に、圧縮プレス8によりコンパクト2を作製し、次い
で、ビード溶接機9によって溶接して一体化し、円柱状
の消耗電極3を製造した。この消耗電極を消耗電極式真
空アーク溶解炉で溶解し、直径660mm、重量4800kgの一
次溶解インゴットを溶製した。
【0036】溶製されたインゴットは炉内で冷却され、
炉外に放出されたがこのときの表面温度は、放射温度計
によってインゴットの上端の温度で測定した。炉外へ放
出されたインゴットは、熱電対によって上端の温度を測
定しながら、前記図3に示す冷却装置を用い0.5MPaの水
圧、100リットル/分の水量で冷却を行い、水冷終了温
度を測定した。測定した温度を表1に示す。
【0037】水冷後に充分に乾燥されたインゴットは、
インゴット端面を旋盤での成形加工し、スタブを溶接し
て二次溶解用の電極とした。得られた電極を消耗電極式
真空アーク溶解炉で再溶解し、直径740mm、重量4800kg
の二次溶解インゴットを溶製した。二次溶解インゴット
の上部端面の酸素濃度を測定して、原料スポンジの酸素
濃度と比較して、酸素濃度の上昇量を確認した。さら
に、二次溶解インゴット側面を旋盤旋削して、浸透探傷
法で検出できるポロシティ欠陥がなくなるまで切削し、
その切削深さを測定した。測定した酸素濃度の上昇量や
切削深さの結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】本発明で規定する炉外放出温度および水冷
終了温度の条件を満足する発明例(No.1〜5)は、酸
素濃度の上昇量、欠陥検出の切削深さはともに少なく、
また、一次溶解の炉外放出から二次溶解前の真空排気ま
での作業時間も5〜8.5Hrと短時間であり、良好な評価
を得ることができた。これに対し、本発明で規定する炉
外放出温度または水冷終了温度のいずれかの条件を具備
しない比較例(No.6〜11)は、酸素濃度の上昇量、欠
陥検出の切削深さ、または作業時間のいずれかが不具合
であり、良好な評価が得られなかった。
【0040】
【発明の効果】本発明のチタンインゴットの溶解方法に
よれば、溶製されたインゴットの冷却に際し、炉内冷却
と炉外での水冷を組み合わせて、水冷条件の適正化を図
ると同時に、水冷にインゴット表面の水洗作用も付加さ
せることによって、冷却時間を短縮して生産効率を高
め、さらに品質特性に優れるチタンインゴットを溶解す
ることができる。
【0041】具体的には、インゴットの炉外放出温度お
よび水冷終了温度を適正化、さらに冷却水の水洗作用に
より、水冷後のインゴット表面に残留するMgClを減少
させ、インゴットの保有熱を利用してインゴット表面の
水分を蒸発させることによって、再溶解前の真空排気時
間の短縮、再溶解インゴットの表面欠陥の減少、および
酸素濃度の上昇抑制を図る。
【図面の簡単な説明】
【図1】消耗電極式真空アーク溶解炉を含む全体のプロ
セス概要を説明する図である。
【図2】具体的な消耗電極式真空アーク溶解炉の構成を
示す図である。
【図3】本発明の水冷装置の概略構成の一例を説明する
図である。
【符号の説明】
1:スポンジチタン、 2:コンパクト、3:消耗電
極、 4:アーク、5:溶融チタン、 6:凝固チタ
ン、7:インゴット、 8:圧縮プレス、9:ビード溶
接機、 10:消耗電極式アーク溶解炉、11:水冷銅モー
ルド、 12:スティンガーロッド、13:スタブ、 14:
インゴット置台、15:水冷配管、 16:水冷シャワー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B22D 30/00 B22D 30/00 C22B 9/22 C22B 9/22 // C22B 9/18 9/18 A 9/187

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スポンジチタンを主原料とする消耗電極を
    用いてインゴットに溶解する方法であって、溶製された
    インゴットを炉内で冷却し、その表面温度が300〜700℃
    になった段階で炉外に放出して、前記インゴットの表面
    温度が100〜200℃になるまで水冷した後、その表面を乾
    燥させることを特徴とするチタンインゴットの溶解方
    法。
  2. 【請求項2】インゴットの溶解が多段階溶解であって、
    溶製されたインゴットを水冷し、その表面を乾燥させた
    後、再溶解することを特徴とする請求項1記載のチタン
    インゴットの溶解方法。
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