JP2003041216A - 表面保護シートおよびその製造方法 - Google Patents
表面保護シートおよびその製造方法Info
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Abstract
れ、かつ基材層が離型処理されている表面保護シートで
あって、巻回体等からの巻戻し性が良好で、しかも粘着
層への離型成分の転写がなく汚染性の問題のない表面保
護シートを提供すること。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂を含有する基材層
と熱可塑性エラストマーを含有する粘着層を共押出しに
よって成膜した後に、連続して前記基材層の粘着層付設
面とは反対面に、離型剤により離型層を形成して表面保
護シートを製造する。
Description
よびその製造方法に関する。本発明の表面保護シート
は、たとえば、金属板、塗装した金属板、アルミサッ
シ、樹脂板、化粧鋼板、塩化ビニルラミネート鋼板、ガ
ラス板等の部材を運搬、加工または養生する際等に、そ
れら部材表面に貼り付け保護する用途等に用いられる。
面保護シートは基材層と粘着層を共押出し法により成膜
し作製している。また表面保護シートは、巻回体等とし
て用いられることから、巻戻し等を容易に行うため基材
層背面(粘着層の反対面)には、軽剥離が可能な離型性
が要求される。一般的な表面保護シートとしては、たと
えば、基材層にポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂
を、粘着層にエチレン・酢酸ビニル共重合体を用いたも
のが知られている。かかるタイプの表面保護シートでは
基材層の背面を離型処理しなくても、巻戻しが可能であ
る。
ーを用いた強粘着タイプの表面保護シートが製品化され
ている。かかるタイプの表面保護シートは、巻戻し等を
容易に行うために基材層背面には、離型処理が必要であ
る。しかし、共押出し法によって製造された表面保護シ
ートの基材層背面へ離型剤を塗布して離型処理を行うこ
とは製造設備的に現実的でなかった。
ートの基材層背面の離型処理法としては、たとえば、特
開平2−252777号公報において、基材層背面を、
ロール、布などにより摩擦処理する方法が提案されてい
る。しかしながら、当該離型処理法では摩擦処理を均一
に処理することが困難で良好な離型性を得ることができ
ず、巻戻し力を十分に減少させることができない等の問
題があった。また基材層の配合によっては離型効果にバ
ラツキが生じることがある。特に摩擦処理効果のバラツ
キは生産速度が高速になるほど顕著となる傾向にあっ
た。これは生産速度が速くなることで、摩擦処理ロール
の相対速度も速くしなければならず、そのために安定し
て摩擦処理ができないことが考えられる。さらに前記摩
擦処理法は、基材層形成材として用いられるオレフィン
系樹脂の中でもポリエチレン樹脂に対してのみ効果があ
り、ポリプロピレン樹脂に対しては殆ど効果がないもの
であった。そのため、ポリプロピレン系基材を使用した
表面保護シートにおいては良好な離型性を得ることがで
きず、巻戻し不良となる場合があった。
おいては、基材層または粘着層に脂肪酸アマイドを添加
した離型処理法が提案されている。しかしながら、当該
離型処理法では脂肪酸アマイドが粘着層表面に転写を引
き起こし、さらにそれが被着体へ転写して、汚染を引き
起こしたり粘着力が低下するなどの問題があった。な
お、前記離型処理法において、離型剤として脂肪酸アマ
イドの代わりに汚染性の少ない長鎖アルキル系ポリマー
を基材層中に同様に添加しその効果を確認してみも、良
好な離型性を得ることはできるものの汚染性に関しては
改善することはできなかった。
着層が共押出し法により成膜され、かつ基材層が離型処
理されている表面保護シートであって、巻回体等からの
巻戻し性が良好で、しかも粘着層への離型成分の転写が
なく汚染性の問題のない表面保護シートおよびその製造
方法を提供することを目的とする。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、以下に示す表面保
護シートおよびその製造方法を見出し本発明を完成する
に至った。
を含有する基材層と熱可塑性エラストマーを含有する粘
着層が共押出しによって成膜されている表面保護シート
であって、前記基材層の粘着層付設面とは反対面に離型
剤による離型層が形成されていることを特徴とする表面
保護シート、に関する。
みが1〜1000nmであることが好ましい。
有する基材層と熱可塑性エラストマーを含有する粘着層
を共押出しによって成膜した後に、連続して前記基材層
の粘着層付設面とは反対面に、離型剤により離型層を形
成することを特徴とする前記表面保護シートの製造方
法、に関する。
法によって成膜した表面保護シートに、連続して離型剤
による離型工程を設けることで、基材層上に離型層を付
設することを可能としたものである。当該離型層は、基
材層を形成するポリオレフィンの種類または配合に関係
なく、良好な巻戻し性を得ることができる。また、当該
離型層は、粘着層への離型成分の転写がなく汚染性の問
題がない。特に離型層の厚みを1〜1000nmに薄膜
化形成した場合に汚染低減効果が大きい。この理由は定
かではないが薄膜化した離型層はその被膜強度によって
粘着層への転写が軽減されることが考えられる。
ら説明する。
ポリオレフィン系樹脂を含有する基材層1と熱可塑性エ
ラストマーを含有する粘着層2が共押出し法によって成
膜されており、前記基材層1の粘着層2の付設面とは反
対面に、離型剤による離型層3が形成されている。
樹脂は特に制限されず、たとえば、ポリプロピレンまた
はプロピレン成分とエチレン成分からなるブロック系、
ランダム系等のプロピレン系ポリマー;低密度、高密
度、リニア低密度ポリエチレン等のエチレン系ポリマ
ー;エチレン−αオレフィン共重合体などのオレフイン
系ポリマー、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン
−メタクリル酸メチル共重合体などのエチレン成分と他
モノマーとのオレフィン系ポリマー等を例示できる。こ
れらポリオレフィン系樹脂は1種を単独でまたは2種以
上を用いることができる。
として含有するが、劣化防止等を目的に、例えば、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤等
の光安定剤、帯電防止剤、その他に、例えば、酸化カル
シウム、酸化マグネシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チ
タン等の充填剤、顔料、目ヤニ防止剤、滑剤、アンチブ
ロッキング剤等の添加剤を適宜に配合することができ
る。
通常20〜300μm程度であり、好ましくは30〜2
50μm、さらに好ましく40〜200μmである。ま
た、基材層1は、単層でもよく二層以上の多層からなっ
ていてもよい。
例えば、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理や、
パッタエッチング処理、プライマー等の下塗り処理など
の、離型層3と基材層1の密着力の向上等を目的とした
表面処理を必要に応じて施すこともできる。
としては、スチレン系エラストマー、ウレタン系エラス
トマー、エステル系エラストマー、オレフィン系エラス
トマーなどの粘着剤のベースポリマーとして用いられて
いるものを特に制限なく使用できる。より具体的には、
スチレン・ブタジエン・スチレン(SBS)、スチレン
・イソプレン・スチレン(SIS)、スチレン・エチレ
ン−ブチレン共重合体・スチレン(SEBS)、スチレ
ン・エチレン−プロピレン共重合体・スチレン(SEP
S)等のA−B−A型ブロックポリマー;スチレン・ブ
タジエン(SB)、スチレン・イソプレン(SI)、ス
チレン・エチレン−ブチレン共重合体(SEB)、スチ
レン・エチレン−プロピレン共重合体(SEP)等のA
−B型ブロックポリマー;スチレン・ブタジエンラバー
(SBR)等のスチレン系ランダム共重合体;スチレン
・エチレン−ブチレン共重合体・オレフィン結晶(SE
BC)等のA−B−C型のスチレン・オレフィン結晶系
ブロックポリマー;オレフィン結晶・エチレン−ブチレ
ン共重合体・オレフィン結晶(CEBC)等のC−B−
C型のオレフィン結晶系ブロックポリマー;エチレン−
αオレフィン、エチレン−プロピレン−αオレフィン、
プロピレン−αオレフィン等のオレフィン系エラストマ
ー、さらにはこれらの水添物等があげられる。これら熱
可塑性エラストマーは1種を単独でまたは2種以上を用
いることができる。
エラストマーに、粘着特性の制御等を目的に、必要に応
じて、例えば、軟化剤、オレフィン系樹脂、シリコーン
系ポリマー、液状アクリル系共重合体、リン酸エステル
系化合物、粘着付与剤、老化防止剤、ヒンダードアミン
系光安定剤、紫外線吸収剤、その他に、例えば、酸化カ
ルシウム、酸化マグネシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化
チタン等の充填剤や顔料などの添加剤を適宜に配合する
ことができる。
は、粘着層2の接着力の向上に有効である。粘着付与剤
としては、例えば、脂肪族系共重合体、芳香族系共重合
体、脂肪族・芳香族系共重合体系や脂環式系共重合体等
の石油系樹脂、クマロン−インデン系樹脂、テルぺン系
樹脂、テルぺンフェノール系樹脂、重合ロジン等のロジ
ン系樹脂、(アルキル)フェノール系樹脂、キシレン系
樹脂またはこれらの水添物などの、一般的に粘着剤に使
用されるものを特に制限なく使用できる。これら粘着付
与剤は1種を単独でまたは2種以上を用いることができ
る。離型層3との剥離性や耐候性などの点から水添系の
粘着付与剤が好ましい。なお、粘着付与剤は、オレフィ
ン樹脂とのブレンド物として市販されているものを使用
することもできる。
特に制限されないが、凝集力の低下による糊残り問題の
発生を回避した接着力の向上などの点より、熱可塑性エ
ラストマー100重量部に対して、80重量部以下、さ
らには60重量部以下、特に50重量部以下とするのが
好ましい。
と、通例、接着力の向上に有効である。軟化剤として
は、例えば、低分子量のジエン系ポリマー、ポリイソブ
チレン、水添ポリイソプレン、水添ポリブタジエンやそ
れらの誘導体があげられる。前記誘導体としては、たと
えば、片末端または両末端にOH基やCOOH基を有す
るものを例示でき、具体的には水添ポリブタジエンジオ
ール、水添ポリブタジエンモノオール、水添ポリイソプ
レンジオール、水添ポリイソプレンモノオールなどがあ
げられる。特に、被着体に対する接着性の向上を抑制す
る目的からは、水添ポリブタジエンや水添ポリイソプレ
ン等のジエン系ポリマーの水添物やオレフィン系軟化剤
等が好ましい。具体的には(株)クラレ製の商品名「ク
ラプレンLIR−200」等が入手可能である。これら
軟化剤は1種を単独でまたは2種以上を用いることがで
きる。
宣に設定できるが、分子量が小さくなると粘着層2から
の被着体への物質移行や重剥離化等の原因となるおそれ
があり、一方、分子量が大きくなると接着力の向上効果
に乏しくなる傾向があることから、軟化剤の数平均分子
量は5000〜10万程度、特に1万〜5万のものが好
ましい。
制限されないが、配合量が多くなると、高温や屋外暴露
時での糊残りが増加する傾向にあることから、熱可塑性
エラストマーおよび軟化剤を含む粘着剤組成物100重
量部に対して、40重量部以下、さらには20重量部以
下、特に10重量部以下であるのが好ましい。
求される接着力などに応じて適宜に決定すればよいが、
通常1〜50μm程度であり、好ましくは2〜40μ
m、さらに好ましく5〜20μmである。
ナ放電処理、紫外線照射処理、火炎処理、プラズマ処理
やスパッタエッチング処理などの、粘着性の制御や貼付
作業性等を目的とした表面処理を必要に応じて施すこと
もできる。さらに、粘着層2には必要に応じて、実用に
供されるまでの間、セパレータなどを仮着して保護する
こともできる。
性を付与しうるものを特に制限なく使用できる。たとえ
ば、離型剤としては、シリコーン系ポリマーや長鎖アル
キル系ポリマーからなるものがあげられる。離型剤は、
無溶剤型、有機溶剤に溶解させ溶剤型、水中で乳化した
乳化型のいずれであってもよいが、溶剤型、乳化型の離
型剤は安定して離型層3を基材層1に付設することがで
きる。その他に、離型剤としては紫外線硬化型のものな
どがあげられる。離型剤の具体的としては、ピーロイル
(一方社油脂社製)、信越シリコーン(信越化学工業社
製)等が入手可能である。
が、前述の通り、薄膜化形成した場合に汚染低減効果が
大きいことから、通常1〜1000nm程度、さらには
5〜500nm、特に10〜100nmであるのが好ま
しい。
と粘着層2を共押出し法によって成膜した後に、連続し
て前記基材層1の粘着層2の付設面とは反対面に、離型
剤により離型層3を形成することにより製造する。成膜
工程及び離型処理工程のライン速度は、通常、10〜1
00m/分程度である。
に、押出機11に基材層1の形成材、押出機12に粘着
層の形成材をそれぞれ仕込み混練した後に押出し、さら
にこれらを共押出機13を用いて基材層1と粘着層2を
共押出し法により成膜する。共押出し法としては、フィ
ルム製造などに一般的に用いられるインフレーション
法、Tダイ法等に準じて行うことができる。なお、基材
層1と粘着層2は、二層または多層にて共押出しされ
る。基材層1と粘着層2には必要に応じて前記表面処理
を施すことができる。
に設けられた離型処理工程13において、基材層1の粘
着層2の付設面とは反対面に、離型剤3′により離型層
3を形成する。図2の離型処理工程13では、例えばグ
ラビアロール等のロールコーターによる塗布方式にて離
型剤3′が塗布されている。離型処理工程13として
は、他にスプレー等による噴霧方式など公知の塗工方式
を採用できる。離型処理工程13の後には、離型剤の種
類に応じて、加熱、紫外線照射、EB照射等の乾燥(硬
化)工程14が施された後、巻回ローラ15にて巻き取
られ、表面保護シートは巻回体として得られる。
て説明する。
セン180)100重量部に対して白色顔料(大日精化
社製,HCM2035W)4重量部を添加した基材層形
成材と、スチレン・エチレンブチレン・スチレンポリマ
ー(旭化成社製,タフテックH1042)100重量部
に対して水添石油系樹脂(荒川化学社製,アルコンP−
100)30重量部を添加した粘着層形成材を、Tダイ
法にてダイス温度230℃にて、基材層100μmと粘
着層10μmを共押出しして成膜した。成膜工程のライ
ン速度は45m/分にて行なった。
続して、基材層の粘着層付設面とは反対面に、離型剤と
して、濃度1重量%のピーロイル1010Sトルエン溶
液(一方社油脂社製)をグラビアロールにて離型層の厚
み(乾燥後)が50nmになるように塗工した後、乾燥
することにより離型層を形成し、表面保護シートを作製
した。離型工程のライン速度は45m/分にて行なっ
た。
分散型離型剤K−256(中京油脂社製)を用い、離型
層の厚み(乾燥後)が100nmになるように塗工、乾
燥して離型層を形成したこと以外は実施例1(離型処理
工程)と同様にして表面保護シートを作製した。
外線硬化型離型剤XS56−A2982(GE東芝シリ
コーン社製)を用い、離型層の厚み(乾燥後)が100
nmになるように塗工した後、紫外線を照射して離型層
を形成したこと以外は実施例1(離型処理工程)と同様
にして表面保護シートを作製した。
代えて、ポリプロピレン(出光石油化学社製,IDEM
ITSU PP F−744NP)を使用したこと以外
は実施例1(成膜工程)と同様にして成膜し、さらに実
施例1(離型処理工程)と同様にして離型層を形成して
表面保護シートを作製した。
にエチレンビスステアリルアミド(日本化成社製)を1
部添加したこと以外は実施例1(成膜工程)と同様にし
て成膜し、これを表面保護シートとした。
にピーロイル1010S(一方社油脂社製)を3部添加
したこと以外は実施例1(成膜工程)と同様にして成膜
し、これを表面保護シートとした。
層を形成する代わりに、摩擦処理を行なって表面保護シ
ートを作製した。摩擦処理は特開平9−324159号
の実施例に基づき、相対速度100m/分で行なった。
代えて、ポリプロピレン(出光石油化学社製,IDEM
ITSU PP F−744NP)を使用したこと以外
は実施例1(成膜工程)と同様にして成膜し、さらに実
施例1(離型処理工程)において、離型剤により離型層
を形成する代わりに、摩擦処理を行なって表面保護シー
トを作製した。摩擦処理は特開平9−324159号の
実施例に基づき、相対速度100m/分で行なった。
た表面保護シートについて、巻戻し力および汚染性の評
価を行った。結果を表1に示す。
ールを、インストロン型引張試験機にて引張速度300
mm/分にて、巻戻すシートとロール面との角度が垂直
になるように巻戻しを行い、巻戻し力(N/20mm)
を測定した。
%RHの環境下で1週間保存した後に、ステンレス板
(304BA板)に貼付し、さらに50℃/95%の環
境下に保存した後に室温(23℃)にて剥離した。剥離
後のステンレス板上の汚染の有無を確認した。
戻し性を有し、しかも汚染も発生しないことが分かる。
一例である。
Claims (3)
- 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂を含有する基材層
と熱可塑性エラストマーを含有する粘着層が共押出しに
よって成膜されている表面保護シートであって、前記基
材層の粘着層付設面とは反対面に離型剤による離型層が
形成されていることを特徴とする表面保護シート。 - 【請求項2】 離型層の厚みが1〜1000nmである
ことを特徴とする請求項1記載の表面保護シート。 - 【請求項3】 ポリオレフィン系樹脂を含有する基材層
と熱可塑性エラストマーを含有する粘着層を共押出しに
よって成膜した後に、連続して前記基材層の粘着層付設
面とは反対面に、離型剤により離型層を形成することを
特徴とする請求項1または2記載の表面保護シートの製
造方法。
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