JP2003040817A - トリス(α−クロロアルキル)芳香族炭化水素の製造方法 - Google Patents

トリス(α−クロロアルキル)芳香族炭化水素の製造方法

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JP2003040817A
JP2003040817A JP2001231309A JP2001231309A JP2003040817A JP 2003040817 A JP2003040817 A JP 2003040817A JP 2001231309 A JP2001231309 A JP 2001231309A JP 2001231309 A JP2001231309 A JP 2001231309A JP 2003040817 A JP2003040817 A JP 2003040817A
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aromatic hydrocarbon
tris
chloroalkyl
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Sunao Nagai
永井  直
Hideki Nanami
秀記 名波
Yoshiro Onogawa
善郎 小野川
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】トリス(α−クロロアルキル)芳香族炭化水素
の効率的な製造方法を提供すること。 【解決手段】トリアルキル芳香族炭化水素を塩基性化合
物存在下に光照射下、塩素ガスを作用させ光塩素化する
トリス(α−クロロアルキル)芳香族炭化水素の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は簡便な方法で効率よ
く3官能性化合物の原料となるトリス(α−クロロアル
キル)芳香族炭化水素を得る新規な製造方法である。当
該トリス(α−クロロアルキル)芳香族炭化水素からは
樹脂添加剤、架橋剤等になる3官能性化合物が容易に合
成可能である。
【0002】
【従来の技術】トリス(α−クロロアルキル)芳香族炭
化水素を製造する方法としては対応するトリアルキル
芳香族炭化水素に四塩化炭素中、光照射下に次亜塩素酸
アルキルを作用させる方法(US5064518)、
水中で光照射下に塩素を作用させる方法(特開平9−1
2616)、次亜塩素酸を作用させる方法(特開平9
−143106)が知られている。しかしながらの方
法は溶媒として使用する四塩化炭素の毒性が高いこと
と、収率が53%と低いことが問題である。の方法は
1,3,5−トリイソプロピルベンゼンを原料として実
際に追試したところ、ベンゼン核への塩素化が優先し、
目的とするアルキル側鎖への塩素化がほとんど進行しな
かった。p−ジイソプロピルベンゼンを使用する場合、
当該特許記載通りに反応が進行することから、トリイソ
プロピルベンゼンの場合は置換基が増加してベンゼン核
が塩素化に対して活性化され核塩素化が優先したと考え
られる。の方法は次亜塩素酸ナトリウムを中和して用
いるため容積効率が極端に悪いという問題がある。ま
た、対応するトリス(α−ヒドロキシアルキル)芳香族
炭化水素を塩化水素によりクロル化する方法、対応する
トリス(α−アルケニル)芳香族炭化水素に塩化水素を
付加させる方法も存在するが、当該トリス(α−ヒドロ
キシアルキル)芳香族炭化水素、トリス(α−アルケニ
ル)芳香族炭化水素自体を製造するためには別反応を必
要とするため効果的な製造法とは言い難い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようにトリス(α
−クロロアルキル)芳香族炭化水素を合理的に製造する
方法はいまだ確立されていない。本発明の目的は、トリ
アルキル芳香族炭化水素のα位のみを選択的に光塩素化
することにより、中間体となるトリス(α−ヒドロキシ
アルキル)芳香族炭化水素あるいはトリス(α−アルケ
ニル)芳香族炭化水素を経由することなしに直接、トリ
ス(α−クロロアルキル)芳香族炭化水素を効率よく製
造する方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
の方法で、芳香核への塩素化を抑制しα位の塩素化の
選択性を向上させるために添加剤および反応条件の探索
を種々実施した。その結果、添加剤として塩基性化合物
を用い、光照射下に塩素を作用させることによりα位塩
素化の選択性が向上することを見出した。塩素化の過程
で副生する塩化水素が核塩素化を助長する効果を示し、
塩基性化合物が反応系から塩化水素を除去することによ
り選択性が向上したと考えられるが詳細な機構は明確で
はない。すなわち本発明は、一般式(I)(化3):
【0005】
【化3】 (式中、Arは単環式もしくは縮合環式芳香環を表し、
は低級アルキル基を表し、Rは水素又は低級アル
キル基を表す)で示されるトリアルキル芳香族炭化水素
を、塩基性化合物存在下に光照射下、塩素ガスを作用さ
せることを特徴とする、一般式(II)(化4):
【0006】
【化4】 (式中、Ar、R及びRは前記のとおり)で示され
るトリス(α−クロロアルキル)芳香族炭化水素の製造
方法、である。
【0007】
【発明の実施の形態】式(I)、(II)のArは単環式
もしくは縮合環式芳香環を表し、例えばベンゼン環、ナ
フタレン環、アントラセン環、ピレン環等を挙げること
ができる。置換基の置換位置は特に限定されるものでは
ない。
【0008】式(I)、(II)のR〜Rにおいて低
級アルキル基としては直鎖、分岐または環状の炭素数1
〜8のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペン
チル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n−へキ
シル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロ
オクチル基等を表す。
【0009】反応に用いる塩基性化合物としては、例え
ば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウ
ム、水酸化セシウム、水酸化バリウムに代表されるアル
カリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸水素
ナトリウム、炭酸水素カリウムに代表されるアルカリ金
属の炭酸水素塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸
バリウムに代表されるアルカリ金属またはアルカリ土類
金属の炭酸塩、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリ
ウムに代表されるアルミン酸化合物、アンモニアまたは
アンモニア水、トリエチルアミン、ピロール、ピリジ
ン、2−クロロピリジン、ピロリジン、イミダゾール、
オキサゾール、チアゾール、γ,γ’−ビピリジル、ピ
ペリジン、ピリミジン、ピラジン、ピペリジン、1,
3,5−トリアジン、モルホリン、インドール、キノリ
ン、カルバゾール等の有機アミン類、アンバーライト−
93(登録商標)、アンバーリスト−21(登録商
標)、アンバーリスト−93(登録商標)等の弱塩基性
イオン交換樹脂を挙げられ、これらの塩基は単独で用い
ても良いし、2種以上を混合して用いても良い。使用す
る塩基としては効果と価格の点から炭酸ナトリウムが好
ましい。反応に使用する塩基性化合物の量は、特に制限
されるものではないが、原料に対し0.1モル%〜10
当量、好ましくは1モル%〜8当量、さらに好ましくは
10モル%〜5当量である。
【0010】反応に用いる溶媒としては、例えば、ヘキ
サン、ヘプタン、デカン、シクロヘキサン等の脂肪族及
び脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素、これら脂肪族又は芳香族炭化水素のハ
ロゲン化物、アニソール、n−ブチルエーテルの含酸素
溶媒、及びこれらの混合溶媒が使用される。これらの溶
媒の使用量は原料の溶解性によるが、原料のトリアルキ
ル芳香族炭化水素に対し1〜100倍重量、好ましくは
3〜50倍重量、更に好ましくは5〜10倍重量であ
る。
【0011】反応の実施は例えば次のように行う。原料
であるトリアルキル芳香族炭化水素を溶媒に溶解または
分散し、塩基性化合物を添加する。反応系内の酸素を除
去するために窒素等の不活性ガスで置換した後、高圧水
銀灯等によって光を照射する。光照射下に反応溶液に塩
素ガスを導入することにより光塩素化を実施する。
【0012】本発明において用いる塩素量は理論量に対
して当量以上であれば特に制限されるものではないが、
大過剰の塩素を用いた際には副反応が進行し、目的化合
物の純度の低下を招くことも考えられる。このことか
ら、効率よく高純度で目的物を得るために、理論量に対
して1.1〜1.5倍モルであることが好ましい。反応温
度としては、高温では生成した塩素化物が熱分解を起こ
し易く、さらに逐次的に塩素化が進行し純度の低下を招
くことから実用的ではない。このことから反応温度とし
ては−20℃〜150℃、好ましくは−20℃〜80
℃、さらに好ましくは−10〜50℃である。
【0013】反応後は、反応溶液に窒素ガスを導入し
て、溶液中の塩素および塩化水素を除去する。反応溶媒
として水を用いた場合は、有機溶媒を用い反応生成物を
抽出する。反応溶媒として有機溶媒を用いた場合は、有
機溶媒を留去することにより粗トリス(α−クロロアル
キル)芳香族炭化水素が得られる。得られた粗トリス
(α−クロロアルキル)芳香族炭化水素はそのまま3官
能性化合物の原料として使用しても良いが、精製する場
合は、再結晶により行う。再結晶に用いる溶媒としては
不活性な溶媒であればいずれでも良いが、例えばペンタ
ン、ヘキサンもしくはヘプタン等の脂肪族炭化水素類、
トルエン、キシレンもしくはエチルベンゼン等の芳香族
炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノールも
しくはブタノール等の脂肪族アルコール類、テトラヒド
ロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類が挙げら
れる。これらの溶媒は単独または混合で用いてもよい。
【0014】
【実施例】以下に実施例を示すが、本発明はこれらの実
施例に何ら限定されるものではない。 実施例1 撹拌機、温度計、塩素吹き込み管を有する500mlの
パイレックス(登録商標)製フラスコ内に1,3,5−
トリイソプロピルベンゼン20.4 g(0.01mo
l)、炭酸ナトリウム15.9g(0.15mol)、
クロロベンゼン200gを加えた。反応溶液を15分間
窒素パージした後、内温を5℃に設定しつつ、撹拌しな
がら、高圧水銀灯(100w)を用いて反応容器の外部
から光照射下で、塩素ガス(原料に対して3.4当量)
を5時間かけて導入した。光塩素化終了後に窒素ガスを
15分バブリングした後、反応溶液を、水100mlを
用いて2度洗浄を行い、溶媒を留去することによって白
色の結晶を得た。ガスクロマトグラフィーによって分析
を行った結果、トリス(1−クロロ−1−メチルエチ
ル)ベンゼンの反応収率は77%であった。
【0015】実施例2 実施例1において炭酸ナトリウムの代わりにピリジン2
3.7g(0.3mol)を使用した以外は実施例1と
同様に反応を行ったところ、トリス(1−クロロ−1−
メチルエチル)ベンゼンの反応収率は70%であった。
【0016】比較例1 実施例1において塩基性化合物を添加しないこと以外は
実施例1と同様に反応を行ったところ、トリス(1−ク
ロロ−1−メチルエチル)ベンゼンは全く得られなかっ
た。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば樹脂添加剤、架橋剤等と
して有用な3官能性化合物の原料となるトリス(α−ク
ロロアルキル)芳香族炭化水素を、対応するトリアルキ
ル芳香族炭化水素から直接、効率的に製造することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野川 善郎 静岡県庵原郡蒲原町蒲原5700番地1 イハ ラニッケイ化学工業株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC30 BA92 BA95 BE12

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I)(化1): 【化1】 (式中、Arは単環式もしくは縮合環式芳香環を表し、
    は低級アルキル基を表し、Rは水素又は低級アル
    キル基を表す)で示されるトリアルキル芳香族炭化水素
    を、塩基性化合物存在下に光照射下、塩素ガスを作用さ
    せることを特徴とする、一般式(II)(化2): 【化2】 (式中、Ar、R及びRは前記のとおり)で示され
    るトリス(α−クロロアルキル)芳香族炭化水素の製造
    方法。
  2. 【請求項2】Arがベンゼン環、RとRがともにメ
    チル基である請求項1記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105523883A (zh) * 2016-01-07 2016-04-27 福州大学 一种光催化甲苯转化为氯代甲苯的方法
CN105523883B (zh) * 2016-01-07 2018-05-04 福州大学 一种光催化甲苯转化为氯代甲苯的方法

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