JP2003038158A - 大麦焼酎蒸留残液から分取した肝障害発症抑制作用を有する精製濃縮物及び該精製濃縮物の製造方法 - Google Patents

大麦焼酎蒸留残液から分取した肝障害発症抑制作用を有する精製濃縮物及び該精製濃縮物の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】大麦焼酎蒸留残液から分取した肝障害(オロチ
ン酸誘発性脂肪肝及びD-ガラクトサミン誘発性肝炎)の
発症を強力に抑制する作用を有する精製濃縮物及びその
製造方法を提供する。 【解決手段】大麦を原料とする焼酎製造において副成す
る大麦焼酎蒸留残液を固液分離して液体分を得、該液体
分を合成吸着剤を用いる吸着処理に付して吸着画分を
得、該吸着画分をアルカリ又はエタノールを用いて溶出
することにより分取したオロチン酸誘発性脂肪肝及び/
又はD-ガラクトサミン誘発性肝炎の発症を抑制する作用
を有する精製濃縮物及びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は大麦を原料とする焼
酎製造において副成する大麦焼酎蒸留残液を固液分離し
て液体分を得、該液体分を合成吸着剤を用いる吸着処理
に付して吸着画分を得、該吸着画分をアルカリ又はエタ
ノールを用いて溶出することにより得られる脱着画分か
らなる肝障害(オロチン酸誘発性脂肪肝及び/又はD-ガ
ラクトサミン誘発性肝炎)の発症を抑制する作用を有す
る精製濃縮物及びその製造方法に関する。以下の本発明
に係わる記載において肝障害と云う場合、該肝障害は、
オロチン酸誘発性脂肪肝及び/又はD-ガラクトサミン誘
発性肝炎を意味する。
【0002】
【従来の技術】肝障害の一つとして知られる肝炎の中で
は、ウイルスを原因とするウイルス性肝炎が最も多く、
該ウイルス性肝炎は肝臓に肝炎ウイルスが住み着くこと
によって引き起こされる。特にB型肝炎とC型肝炎は、肝
硬変や肝臓がんへの移行率が極めて高いことが知られて
いる。これとは別に、脂肪肝と称される疾患も肝障害の
一つであり、該脂肪肝は、エネルギーの過剰摂取や運動
不足等によって、肝臓の肝細胞中に過剰の中性脂肪が蓄
積した状態をいい、心筋梗塞や動脈硬化などの生活習慣
病を引き起こす原因となることが知られている。
【0003】ところで、日本栄養・食糧学会総会講演要
旨集、Vol.53, 53(1999)には、大麦焼酎を製造する際に
副成される大麦焼酎蒸留残液がオロチン酸投与によるラ
ットの肝臓への脂質の蓄積、即ち、脂肪肝の発症を抑制
する作用を有することが報告されている。また日本醸造
協会誌、Vol.94, No.9, 768(1999)には、大麦焼酎蒸留
残液が有するこうしたオロチン酸誘発性脂肪肝の発症抑
制作用は、ワイン粕やビール粕に比べて強く、該作用は
いも焼酎蒸留残液には全く認められず、米焼酎蒸留残液
では極めて小さいことから、大麦焼酎蒸留残液のみに特
有のものであることが報告されている。更に、日本醸造
協会誌、Vol.95, No.9, 706(2000)には、該大麦焼酎蒸
留残液が、ウイルス性肝障害と同様の症状を呈すること
が知られているD-ガラクトサミン誘発性肝炎に対する発
症抑制効作用があり、該作用は大麦焼酎蒸留残液を遠心
分離に付すことにより得られる液体分に認められること
が報告されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、該大麦
焼酎蒸留残液に含まれる上述した肝障害の発症抑制作用
に寄与する成分は見極められてはいない。またそうした
成分を分取して精製濃縮した精製濃縮物は全く知られて
いない。こうしたことから、該大麦焼酎蒸留残液を前記
肝障害の発症抑制に使用する場合には、該大麦焼酎蒸留
残液をそのまま摂取する以外他に方法は無い。その場
合、該大麦焼酎蒸留残液による所望の肝障害発症抑制作
用を得るためには、該大麦焼酎蒸留残液を凍結乾燥して
凍結乾燥物にしたところで、該凍結乾燥物を多量に摂取
する必要がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決すべく本
発明者らが、実験を介して鋭意検討を行ったところ、驚
くべきことに、大麦焼酎蒸留残液を固液分離して液体分
を得、該液体分を合成吸着剤を用いる吸着処理に付して
吸着画分を得、該吸着画分をアルカリ又はエタノールを
用いて溶出することにより得られる脱着画分が肝障害
(オロチン酸誘発性脂肪肝及びD-ガラクトサミン誘発性
肝炎)の発症を極めて強力に抑制する作用を有すること
を見出した。本発明は、この発見に基づいて完成に至っ
たものである。即ち本発明は、従来、肝障害の発症を抑
制する作用を有する食品或いは医薬品を得る目的で積極
的に使用されることのなかった発酵残渣の一種である大
麦焼酎蒸留残液から肝障害(オロチン酸誘発性脂肪肝及
びD-ガラクトサミン誘発性肝炎)の発症を極めて強力に
抑制する作用を有する精製濃縮物及びその製造方法を提
供するものである。
【0006】本発明者らは、上述した従来技術に鑑みて
実験を介して鋭意検討を行った。即ち、本発明者らは、
後に述べる実験(実験1-A)を介して、大麦焼酎蒸留残
液を遠心分離に付して液体分(a)と固体分(b)とを分
取し、該液体分と該個体分をそれぞれ別々に凍結乾燥に
付して該液体分の凍結乾燥粉末(a-i)及び該固体分の
凍結乾燥粉末(b-i)を得、該凍結乾燥粉末(a-i)及び
該凍結乾燥粉末(b-i)のそれぞれに、オロチン酸を混
和させてラットに投与して実験を行った。その結果、肝
臓重量、肝臓総脂質濃度、肝臓コレステロール濃度、及
び肝臓トリグリセリド濃度は、前記固体分の凍結乾燥粉
末(b-i)にオロチン酸を混和させたもので顕著に増加
したが、前記液体分の凍結乾燥粉末(a-i)にオロチン
酸を混和させたものでは基本食の正常値に近似した値を
示した。一方、血清総コレステロール濃度、血清HDL-コ
レステロール濃度、血清トリグリセリド濃度、及び血清
リン脂質濃度は、前記固体分の凍結乾燥粉末(b-i)に
オロチン酸を混和させたものでは明らかに低下したが、
前記液体分の凍結乾燥粉末(a-i)にオロチン酸を混和
させたものでは基本食の正常値に近似した値を示した。
すなわち、前記固体分の凍結乾燥粉末(b-i)は肝障害
の抑制に全く寄与しないが、前記液体分の凍結乾燥粉末
(a-i)は肝障害の発生を抑制することが判った。
【0007】そこで、本発明者らは、後に述べる実験
(実験2-A)を介して、大麦焼酎蒸留残液から得られた
上述の液体分に含まれるどのような成分がオロチン酸誘
発性脂肪肝に対する発症抑制作用を示すかを明らかにす
るために以下の実験を行った。即ち、上記大麦焼酎蒸留
残液の液体分(a) を合成吸着剤を用いる吸着処理に付し
て吸着画分を得、該吸着画分をアルカリを用いて溶出す
ることにより得られる脱着画分を凍結乾燥して得られた
粉末にオロチン酸を混和させてラットに投与して実験を
行った。その結果、該ラットの肝臓重量、肝臓総脂質濃
度、肝臓コレステロール濃度、及び肝臓トリグリセリド
濃度は基本食の正常値と実質的に同等の値を示し、血清
総コレステロール濃度、血清HDL-コレステロール濃度、
血清トリグリセリド濃度、及び血清リン脂質濃度も基本
食の正常値と実質的に同等の値を示し、脂肪肝の発症が
ほとんど完全に抑制されることが判明した。すなわち、
上記大麦焼酎蒸留残液の液体分(a) を合成吸着剤を用い
る吸着処理に付して吸着画分を得、該吸着画分をアルカ
リを用いて溶出することにより得られる脱着画分の凍結
乾燥粉末はオロチン酸誘発性脂肪肝の発症をほとんど完
全に抑制することが判った。一方、上記大麦焼酎蒸留残
液の液体分(a) を合成吸着剤を用いる吸着処理に付した
際の非吸着画分を分画し、該非吸着画分を凍結乾燥して
得られた粉末にオロチン酸を混和させてラットに投与し
て実験を行った。その結果、該ラットの肝臓重量、肝臓
総脂質濃度、肝臓コレステロール濃度、及び肝臓トリグ
リセリド濃度は基本食の正常値とは実質的に異なる値を
示し、血清総コレステロール濃度、血清HDL-コレステロ
ール濃度、血清トリグリセリド濃度、及び血清リン脂質
濃度も基本食の正常値とは実質的に異なる値を示し、オ
ロチン酸誘発性脂肪肝の発症を全く抑制しないことが判
明した。以上の実験結果から、大麦焼酎蒸留残液が有す
るオロチン酸誘発性脂肪肝の発症抑制に寄与する成分
は、前記大麦焼酎蒸留残液を固液分離して得られた液体
分を合成吸着剤を用いる吸着処理に付すことにより得ら
れる吸着画分をアルカリ又はエタノールを用いて溶出す
ることにより得られる脱着画分に存在することが判明し
た。
【0008】更に、本発明者らは、後に述べる実験(実
験2-B)を介して、大麦焼酎蒸留残液を固液分離して得
られた液体分に含まれるどのような成分がD-ガラクトサ
ミン誘発性肝炎の発症抑制作用を示すかを明らかにする
ために以下の実験を行った。即ち、大麦焼酎蒸留残液を
固液分離して得られた液体分(a)を合成吸着剤を用い
る吸着処理に付して吸着画分を得、該吸着画分をアルカ
リを用いて溶出することにより得られる脱着画分を凍結
乾燥することにより得られた粉末を飼料に2重量%混和さ
せて一定期間ラットに自由摂取させた後、該ラットの腹
腔内にD-ガラクトサミンを投与し、所定時間経過後に、
血清中のGOT及びGPTを測定した。その結果、該脱着画分
を2重量%含む飼料を摂取したラットは、該脱着画分を含
まない対照食からなる飼料を摂取したラットに比べて有
意に低いGOT及びGPTの値を示した。このことから該脱着
画分はD-ガラクトサミン誘発性肝炎に対する顕著な発症
抑制作用を有することが判明した。一方、上記合成吸着
剤による吸着処理の際に得られた非吸着画分を凍結乾燥
して得られた粉末を飼料に2重量%混和させて一定期間ラ
ットに自由摂取させた後、該ラットの腹腔内にD-ガラク
トサミンを投与し、所定時間経過後に、血清中のGOT及
びGPTを測定した。その結果、該非吸着画分を2重量%含
む飼料を摂取したラットは、該非吸着画分を含まない対
照食からなる飼料を摂取したラットと比べてわずかに低
いGOT及びGPTの値を示した。このことから該非吸着画分
はD-ガラクトサミン誘発性肝炎に対する発症抑制作用が
極めて小さいことが判明した。以上の実験結果から、大
麦焼酎蒸留残液が有するD-ガラクトサミン誘発性肝炎の
発症抑制に寄与する成分は、該大麦焼酎蒸留残液固液分
離して得られた液体分を合成吸着剤を用いる吸着処理に
付すことにより得られる吸着画分をアルカリ又はエタノ
ールを用いて溶出することにより得られる脱着画分に極
めて濃縮された状態で存在することが判明した。
【0009】上述したように本発明者らは、大麦を原料
とする焼酎製造において副成する大麦焼酎蒸留残液を固
液分離して液体分を得、該液体分を合成吸着剤を用いる
吸着処理に付して吸着画分を得、該吸着画分をアルカリ
又はエタノールを用いて溶出することにより得られる精
製濃縮物が、未処理の大麦焼酎蒸留残液よりも極めて強
力な肝障害発症抑制作用、即ち、オロチン酸誘発性脂肪
肝の発症を強力に抑制する作用及びD-ガラクトサミン誘
発性肝炎の発症を強力に抑制する作用を有することを見
出した。大麦焼酎蒸留残液についてのこの発見は、今ま
でに全く例のない新事実であり、大麦焼酎蒸留残液を肝
障害の罹患予防目的で食品或いは医薬として使用できる
という大麦焼酎蒸留残液の新規な用途を創出するもので
ある。本発明は、食品或いは医薬として有効に使用する
ことができる前記精製濃縮物及びその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0010】上述したように、本発明により提供される
肝障害(オロチン酸誘発性脂肪肝及びD-ガラクトサミン
誘発性肝炎)の発症を抑制する作用を有する精製濃縮物
は、大麦を原料とする焼酎製造において副成する大麦焼
酎蒸留残液を固液分離して液体分を得、該液体分を合成
吸着剤を用いる吸着処理に付して吸着画分を得、該吸着
画分をアルカリ又はエタノールを用いて溶出することに
より分取した脱着画分からなるものである。そして本発
明により提供される該精製濃縮物は、食品或いは医薬と
して有効に使用することが出来るものである。
【0011】本発明において使用する大麦焼酎蒸留残液
は、代表的には、大麦又は精白大麦を原料として大麦麹
及び蒸麦を製造し、得られた大麦麹及び蒸麦中に含まれ
るでんぷんを該大麦麹の麹により糖化し、それらを酵母
によるアルコール発酵に付して焼酎熟成もろみを得、得
られた焼酎熟成もろみを減圧蒸留又は常圧蒸留等の単式
蒸留装置を用いて蒸留する際に蒸留残渣として副成する
もの、即ち、大麦焼酎の蒸留残液を意味する。
【0012】本発明において、大麦焼酎蒸留残液を得る
に際して、大麦焼酎の製造に用いる大麦麹は、通常の大
麦焼酎製造において行われている製麹条件で製造すれば
よく、用いる麹菌株としては、一般的に大麦焼酎製造で
使用する白麹菌(Aspergillus kawachii)が好ましい。
或いは泡盛製造で使用する黒麹菌(Aspergillus awamor
ii)及び清酒製造等で使用する黄麹(Aspergillus oryza
e)などのAspergillus属の菌株を用いることもできる。
また大麦焼酎の製造に用いる酵母は、一般的に焼酎製造
の際に使用する各種の焼酎醸造用酵母を使用することが
できる。
【0013】本発明において、大麦焼酎の製造における
蒸留工程で得られた大麦焼酎蒸留残液を固液分離して液
体分を得る第1の工程は、大麦焼酎蒸留残液から原料大
麦、あるいは大麦麹由来の水不溶性の発酵残渣等のSS分
を除去し、清澄液を得ることを目的として行うものであ
る。この第1の工程における当該固液分離は、スクリュ
ープレス方式やローラープレス方式の固液分離方法によ
り行うことができる。この他、ろ過圧搾式の固液分離機
を用いて予備分離を行い、次いで遠心分離機、ケイソウ
土ろ過装置、セラミックろ過装置、或いはろ過圧搾機等
を用いた方法により本固液分離処理を行ってもよい。第
1の工程で得られた前記液体分を合成吸着剤を用いる吸
着処理に付して吸着画分を得る第2の工程は、該液体分
に含まれる肝障害発症抑制作用を有する成分を該合成吸
着剤を用いて吸着分取することを目的として行うもので
ある。第2の工程で使用する合成吸着剤としては、芳香
族系、芳香族系修飾型、或いはメタクリル系の合成吸着
剤を用いることができる。そうした、合成吸着剤の好適
な具体例としては、オルガノ社製のアンバーライトXAD-
16、三菱化学社製のセパビーズSP850、及び同三菱化学
社製のダイヤイオンHP20等を挙げることができる。
【0014】また、第3の工程においては、第2の工程で
得られる吸着画分をエタノール又はアルカリを用いて溶
出することにより、肝障害発症抑制作用を有する画分を
得る。特に、アルカリを用いて溶出を行う場合には、該
アルカリの好適な具体例として,水酸化ナトリウム、及
び水酸化カリウム等を挙げることができる。こうしたア
ルカリを用いて合成吸着剤から溶出した吸着画分はナト
リウムイオンやカリウムイオンなどの陽イオンを含むこ
とから、さらにイオン交換処理に付すことができる。こ
のようなイオン交換処理は、陽イオン交換樹脂等を用い
て行うことができる。陽イオン交換樹脂として好適な具
体例としては、オルガノ社製の強酸性陽イオン交換樹脂
IR120や弱酸性陽イオン交換樹脂IRC50及びIRC76、さら
に三菱化学社製の強酸性陽イオン交換樹脂ダイヤイオン
SK1B、SK104、PK208や弱酸性陽イオン交換樹脂WK10、WK
40等を挙げることができる。また、上記アルカリを用い
て合成吸着剤から溶出した吸着画分は、塩酸、酢酸、ク
エン酸などの無機酸又は有機酸等を用いて中和処理に付
すこともでき、更に前記中和処理に付した後の吸着画分
を前記陽イオン交換樹脂を用いて脱塩処理に付すことも
できる。以下に本発明を完成するにあたり、本発明者ら
が行った実験について詳述する。
【0015】本発明者らは、上述した報告に鑑みて、大
麦焼酎蒸留残液がオロチン酸誘発性脂肪肝に対する発症
抑制作用を有することから、該大麦焼酎蒸留残液を遠心
分離に付して上清の液体分と沈殿の固体分とを分取し、
該液体分と該固体分をそれぞれ別々に凍結乾燥に付して
液体分の凍結乾燥粉末及び固体分の凍結乾燥粉末を得、
得られた液体分の凍結乾燥粉末及び固体分の凍結乾燥粉
末が、オロチン酸誘発性脂肪肝に対する発症抑制作用を
有するか否かを明らかにするために以下の実験1-Aを行
った。
【0016】以下の実験に供する目的で大麦焼酎の製造
を行った。原料としては、大麦(70%精白)を用いた。
【麹の製造】大麦を40%(w/w)吸水させ、40分間蒸した
後、40℃まで放冷し、大麦トンあたり1kgの種麹(白麹
菌)を接種し、38℃、RH95%で24時間、32℃、RH92%で20
時間保持することにより、大麦麹を製造した。
【蒸麦の製造】大麦を40%(w/w)吸水させ、40分間蒸し
た後、40℃まで放冷することにより、蒸麦を製造した。
【0017】
【大麦焼酎及び大麦焼酎蒸留残液の製造】1次仕込みで
は前述の方法で製造した大麦麹(大麦として3トン)
に、水3.6キロリットル及び酵母として焼酎酵母の培養
菌体1kg(湿重量)を加えて1次もろみを得、得られた1
次もろみを5日間の発酵(1段目の発酵)に付した。次い
で、2次仕込みでは、上記1段目の発酵を終えた1次もろ
みに、水11.4キロリットル、前述の方法で製造した蒸麦
(大麦として7トン)を加えて11日間の発酵(2段目の発
酵)に付した。発酵温度は1次仕込み、2次仕込みとも25
℃とした。上記2段目の発酵を終えた2次もろみを常法に
より単式蒸留に付し、大麦焼酎10キロリットルと大麦焼
酎蒸留残液15キロリットルを得た。
【0018】
【実験1-A】4週齢Wistar系雄性ラット(日本SLC)を1群
6匹として、一般的に栄養学的実験を行う際の標準食と
して使用する基本食を摂取させる基本食群、該基本食に
脂肪肝を人為的に発現させる際に一般的に用いられる1%
オロチン酸を混合した対照食を与える対照食群、該対照
食に前記大麦焼酎蒸留残液の凍結乾燥物10%を混合した
試験食Aを摂取させる試験食A群、該対照食に該大麦焼酎
蒸留残液を遠心分離して得られる液体分の凍結乾燥物を
7.3%含む試験食Bを摂取させる試験食B群、及び該対照食
に該大麦焼酎蒸留残液を遠心分離して得られる固体分の
凍結乾燥物を2.7%含む試験食Cを摂取させる試験食C群、
の5群に分け、それぞれの群に表1に示す組成の飼料を水
道水と共に14日間自由摂取させて飼育した。なお、上記
試験食B群及び試験食C群において、該大麦焼酎蒸留残液
を遠心分離して得た液体分及び固体分のそれぞれの凍結
乾燥物の各試料中における含量は、試験食A群において
飼料に混合した大麦焼酎蒸留残液の凍結乾燥物10%中の
それぞれの含量に相当する量とした。飼育期間終了後、
14日間飼育後の体重増加量、14日間の飼料摂取量を測定
し、ラットを解剖後、心臓から血液を採取し、肝臓を摘
出した。採取した血液は遠心分離して血清を得、得られ
た血清について、常法に従って、血清総コレステロール
濃度、血清HDL-コレステロール濃度、血清トリグリセリ
ド濃度、及び血清リン脂質濃度を測定し、摘出した肝臓
については、その重量、肝臓総脂質濃度、肝臓コレステ
ロール濃度、肝臓トリグリセリド濃度、及び肝臓リン脂
質濃度を測定した。
【0019】血清総コレステロール濃度、血清HDL-コレ
ステロール濃度、血清トリグリセリド濃度、血清リン脂
質濃度肝臓重量、肝臓総脂質濃度、肝臓コレステロール
濃度、肝臓トリグリセリド濃度、肝臓リン脂質濃度、及
び肝臓重量の測定結果を表2に示す。表2に示す結果から
以下の事実が判明した。即ち、肝臓重量は対照食群と試
験食C群で増加し、試験食A群及び試験食B群では基本食
群の示す正常値に近似した値を示した。肝臓総脂質濃
度、肝臓コレステロール濃度、及び肝臓トリグリセリド
濃度は、対照食群と試験食C群では顕著に増加したが、
試験食A群及び試験食B群では基本食群の示す正常値に近
似した値を示した。一方、血清総コレステロール濃度、
血清HDL-コレステロール濃度、血清トリグリセリド濃
度、及び血清リン脂質濃度は、対照食群と試験食C群で
は低下したのに対して、試験食A群及び試験食B群は基本
食群の示す正常値に近似した値を示した。即ち、脂肪肝
を人為的に発症させるオロチン酸を含む対照食に大麦焼
酎蒸留残液の凍結乾燥物を混合した試験食A群と該対照
食に該大麦焼酎蒸留残液を遠心分離して得た液体分の凍
結乾燥物を混合した試験食B群においてはオロチン酸誘
発性脂肪肝の発症が顕著に抑制された。一方、該対照食
に該大麦焼酎蒸留残液を遠心分離して得た固体分の凍結
乾燥物を混合した試験食C群においては脂肪肝の発症が
全く抑制されることなく、該オロチン酸誘発性脂肪肝が
顕著に発症することが明らかとなった。以上の実験結果
から、大麦焼酎蒸留残液が有するオロチン酸誘発性脂肪
肝の発症抑制に寄与する成分は、その液体分中に含まれ
ていることが判明した。
【0020】そこで、大麦焼酎蒸留残液を固液分離して
得られた液体分に含まれるオロチン酸誘発性脂肪肝の発
症抑制及びD-ガラクトサミン誘発性肝炎の発症抑制に寄
与する成分を分取する目的で、以下の実験2-A、及び実
験2-Bを行った。即ち、大麦焼酎蒸留残液から得られた
前記液体分を合成吸着剤に付すことにより吸着画分と非
吸着画分に分画し、それぞれの画分のオロチン酸誘発性
脂肪肝に対する発症抑制作用及びD-ガラクトサミン誘発
性肝炎に対する発症抑制作用を検討した。
【0021】
【大麦焼酎蒸留残液液体分からの合成吸着剤吸着画分の
取得】以下の実験2-A及び実験2-Bに供する目的で、前記
大麦焼酎蒸留残液から得た液体分を次に示す方法に従っ
て合成吸着剤吸着画分と合成吸着剤非吸着画分に分画し
た。即ち、大麦焼酎蒸留残液を8000rpm,10minの条件で
遠心分離して大麦焼酎蒸留残液の液体分を得、得られた
液体分25Lと脱イオン水10Lをこの順番にオルガノ社製の
合成吸着剤アンバーライトXAD-16を充填したカラム(樹
脂容量10L)に接触させることにより、該カラムに対し
て非吸着性を示す非吸着画分からなる溶出液(a)を得
た。該非吸着画分からなる溶出液(a)を凍結乾燥に付
し、非吸着画分の凍結乾燥物(a')2400gを得、該凍結
乾燥物(a')を以下の実験2-A及び実験2-Bに用いた。さ
らに該カラムに1(wt/vol)%の 水酸化ナトリウム溶液10L
と脱イオン水10Lをこの順番に接触させることにより該
カラムに対して吸着性を示す吸着画分を含有する溶出液
(b)20Lを得た。さらに該溶出液(b)20Lをオルガノ社製強
酸性陽イオン交換樹脂IR-120Bを充填したカラム(樹脂
容量10L)に接触させた後に凍結乾燥に付すことによ
り、ナトリウムイオンを除去した吸着画分の凍結乾燥物
(b')270gを得、該凍結乾燥物(b')を以下の実験2-A
及び実験2-Bに用いた。
【0022】
【実験2-A】本実験は、上記吸着画分(b)の凍結乾燥物
(b')及び上記非吸着画分(a)の凍結乾燥物(a')を用
いて、それぞれのオロチン酸誘発性脂肪肝に対する発症
抑制作用を調べる目的で行った。即ち、4週齢Wistar系
雄性ラット(日本SLC)を1群6匹として、一般的に栄養
学的実験を行う際の標準食として使用する基本食を摂取
させる基本食群、該基本食に脂肪肝を人為的に発現させ
る際に一般的に用いられる1%オロチン酸を混合した対照
食を与える対照食群、該対照食に前記吸着画分の凍結乾
燥物(b')を10重量%含む試験食Aを摂取させる試験食A
群、及び該対照食に前記非吸着画分の凍結乾燥物(a')
10重量%を混合した試験食Bを摂取させる試験食B群の4群
に分け、それぞれの群に表3に示す組成の飼料を水道水
と共に14日間自由摂取させて飼育した。飼育期間終了
後、14日間飼育後の体重増加量、14日間の飼料摂取量を
測定し、ラットを解剖後、心臓から血液を採取し、肝臓
を摘出した。採取した血液は遠心分離して血清を得、得
られた血清について、常法に従って、血清総コレステロ
ール濃度、血清HDL-コレステロール濃度、血清トリグリ
セリド濃度、及び血清リン脂質濃度を測定し、摘出した
肝臓については、その重量、肝臓総脂質濃度、肝臓コレ
ステロール濃度、肝臓トリグリセリド濃度、及び肝臓リ
ン脂質濃度を測定した。
【0023】血清総コレステロール濃度、血清HDL-コレ
ステロール濃度、血清トリグリセリド濃度、血清リン脂
質濃度肝臓重量、肝臓総脂質濃度、肝臓コレステロール
濃度、肝臓トリグリセリド濃度、肝臓リン脂質濃度、及
び肝臓重量の測定結果を表4に示す。表4に示す結果から
以下の事実が判明した。肝臓重量は対照食群及び試験食
B群で増加し、試験食A群では基本食の正常値と実質的に
同等の値を示した。肝臓総脂質濃度、肝臓コレステロー
ル濃度、及び肝臓トリグリセリド濃度は、対照食群及び
試験食B群では顕著に増加したが、試験食A群では基本食
の正常値と実質的に同等の値,又は該正常値よりも低い
値を示した。一方、血清総コレステロール濃度、血清HD
L-コレステロール濃度、血清トリグリセリド濃度、及び
血清リン脂質濃度は、対照食群及び試験食B群が低下し
たのに対して、試験食A群は基本食の正常値と実質的に
同等の値を示した。即ち、脂肪肝を人為的に発現させる
オロチン酸を含む対照食に前記非吸着画分の凍結乾燥物
(a')を混合した試験食B群においてはオロチン酸誘発
性脂肪肝の発症が全く抑制されなかった。一方、脂肪肝
を人為的に発症させるオロチン酸を含む対照食に該前記
吸着画分の凍結乾燥物(b')を混合した試験食A群にお
いてはオロチン酸誘発性脂肪肝の発症が完全に抑制され
た。以上の実験結果から、大麦焼酎蒸留残液を固液分離
することにより得られた液体分に含まれるオロチン酸誘
発性脂肪肝の発症抑制に寄与する成分は、合成吸着剤に
対する吸着画分(b)に含まれていることが判明した。
【0024】上記吸着画分の凍結乾燥物(b')及び上記
非吸着画分の凍結乾燥物(a')を用いて、それぞれのD-
ガラクトサミン誘発性肝炎に対する発症抑制作用を調べ
る目的で、以下の実験2-Bを行った。
【0025】
【実験2-B】5週令のWistar系雄性ラットを1群9匹とし
て、対照食を摂取させる対照食群、該対照食に含まれる
成分の一部を前記吸着画分の凍結乾燥物(b')2重量%で
代替した試験食Aを摂取させる試験食A群、該対照食に含
まれる成分の一部を前記非吸着画分の凍結乾燥物(a')
2重量%で代替した試験食Bを摂取させる試験食B群、及び
該対照食に含まれる成分の一部を上記大麦焼酎蒸留残液
の液体分の凍結乾燥物2重量%で代替した試験食Cを摂取
させる試験食C群、の4群に分け、それぞれの群に表5に
示す組成の飼料を水道水と共に15日間自由摂取させて飼
育した。実験食投与14日目にD-ガラクトサミンを350mg/
kg体重となるようにラットの腹腔内に投与し、22時間後
にラットを屠殺後、血液を採取し、これを遠心分離して
血清を得、得られた血清について、血清中のGOT及びGPT
を測定するとともに、肝臓の病理組織学的検索を行っ
た。
【0026】血清中のGOT及びGPTの測定結果を表6に示
す。表6に示す結果から以下の事実が判明した。GOT及び
GPTの値は、試験食A群が、対照食群に比べて極めて顕著
に低下した。一方、試験食B群および試験食C群において
は、GOT及びGPTの値は、対照食群に比べて低下したもの
の、その低下の程度は前記試験食A群と比べて明らかに
小さいものであった。肝臓の病理組織学的検索では、対
照食群の肝小葉中心体に強くみられた肝細胞の変成・壊
死が試験食A群ではほとんど認められなかった。即ち、
上記吸着画分の凍結乾燥物(b')を混合した試験食A群
においては、D-ガラクトサミン誘発性肝炎の発症が顕著
に抑制された。この結果から、大麦焼酎蒸留残液の液体
分を合成吸着剤に付すことにより得られる吸着画分
(b)は、大麦焼酎蒸留残液の液体分に比べてD-ガラク
トサミン誘発性肝炎の発症抑制作用が極めて強力である
ことが判明した。
【0027】以上の実験結果から、大麦焼酎蒸留残液の
液体分に含まれる肝障害発症抑制作用、即ち、オロチン
酸誘発性脂肪肝及びD-ガラクトサミン誘発性肝炎のそれ
ぞれに対する発症抑制作用に寄与する成分は、大麦焼酎
蒸留残液の液体分を合成吸着剤に付すことにより得られ
る吸着画分に濃縮されて含まれていることが判明した。
【0028】そこで肝障害発症抑制作用、即ち、オロチ
ン酸誘発性脂肪肝に対する発症抑制作用及びD-ガラクト
サミン誘発性肝炎に対する発症抑制作用を有することが
判明した大麦焼酎蒸留残液の液体分の合成吸着剤吸着画
分の成分組成を下記の方法により測定した。
【合成吸着剤吸着画分の成分組成の分析】前記合成吸着
剤吸着画分の成分組成の分析を行った。即ち、
【0017】に記載した「大麦焼酎及び大麦焼酎蒸留残
液の製造」の方法を複数回行って、ロットを異にする複
数の大麦焼酎蒸留残液を用意した。それぞれの大麦焼酎
蒸留残液を、
【0021】に記載した「大麦焼酎蒸留残液液体分から
の合成吸着剤吸着画分の取得」で採用したのと同様にし
て遠心分離して大麦焼酎蒸留残液の液体分を得、得られ
た液体分25Lと脱イオン水10Lをこの順番にオルガノ社製
の合成吸着剤アンバーライトXAD-16を充填したカラム
(樹脂容量10L)に接触させ、該カラムに吸着した吸着
画分を溶出することにより合成吸着剤吸着画分からなる
分析用試料を得た。この様にして、複数種の分析用試料
を作製した。夫々の合成吸着剤吸着画分からなる分析用
試料のタンパク質、糖組成、ポリフェノール及び有機酸
組成を測定した。タンパク質はケルダール法により、糖
組成は塩酸加水分解によるHPLC法により、ポリフェノー
ルはFolin-Ciocalteu 法により、有機酸組成はHPLC法に
よりそれぞれ測定した。前記合成吸着剤吸着画分の成分
組成(乾燥重量に基づく)の分析結果を表7に示す。表7
に示した結果から明らかなように、前記合成吸着剤吸着
画分は、粗タンパク40乃至60重量%、ポリフェノー
ル7乃至12重量%、多糖類5乃至10重量%(糖組成:
グルコース0乃至2重量%、キシロース3乃至5重量%、
及びアラビノース2乃至5重量%)、有機酸4乃至10
重量% (リンゴ酸1乃至3重量%、クエン酸2乃至4重
量%、コハク酸0乃至1重量%、乳酸0乃至6重量%、及
び酢酸0乃至1重量%)、及び遊離糖類0乃至2重量%(マ
ルトース0乃至1重量%、キシロース0乃至1重量%、ア
ラビノース0乃至1重量%、及びグルコース0乃至1重
量%、)を含有することが明らかとなった。尚、上記分
析用試料の作製の手法を上記合成吸着剤アンバーライト
XAD-16以外の合成吸着剤用いて行い、上記複数種の大麦
焼酎蒸留残液の液体分の夫々について合成吸着剤吸着画
分からなる分析用試料を得、得られた分析用試料につい
て上述したのと同様にして分析を行ったところ、表7に
示すのと実質的に同等の結果が得られた。
【0029】以上のことから、本発明において大麦焼酎
蒸留残液の液体分、即ち大麦焼酎蒸留残液を固液分離し
て得られた液体分を吸着剤処理に付すことにより得られ
る吸着画分からなる肝障害発症抑制作用、即ち、オロチ
ン酸誘発性脂肪肝に対する発症抑制及びD-ガラクトサミ
ン誘発性肝炎に対する発症抑制作用を有する精製濃縮物
は、粗タンパク含量が高く、さらにポリフェノール、多
糖類、有機酸、及び遊離糖類を含有することが判明し
た。
【発明の実施の形態】
【0030】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが,本発明はこれらの実施例によって何ら限定され
るものではない。
【0031】以下の実施例に供する目的で大麦焼酎の製
造を行った。原料としては、大麦(70%精白)を用い
た。
【麹の製造】大麦を40%(w/w)吸水させ、40分間蒸した
後、40℃まで放冷し、大麦トンあたり1kgの種麹(白麹
菌)を接種し、38℃、RH95%で24時間、32℃、RH92%で20
時間保持することにより、大麦麹を製造した。
【蒸麦の製造】大麦を40%(w/w)吸水させ、40分間蒸し
た後、40℃まで放冷することにより、蒸麦を製造した。
【0032】
【大麦焼酎及び大麦焼酎蒸留残液の製造】1次仕込みで
は前述の方法で製造した大麦麹(大麦として3トン)
に、水3.6キロリットル及び酵母として焼酎酵母の培養
菌体1kg(湿重量)を加えて1次もろみを得、得られた1
次もろみを5日間の発酵(1段目の発酵)に付した。次い
で、2次仕込みでは、上記1段目の発酵を終えた1次もろ
みに、水11.4キロリットル、前述の方法で製造した蒸麦
(大麦として7トン)を加えて11日間の発酵(2段目の発
酵)に付した。発酵温度は1次仕込み、2次仕込みとも25
℃とした。上記2段目の発酵を終えた2次もろみを常法に
より単式蒸留に付し、大麦焼酎10キロリットルと大麦焼
酎蒸留残液15キロリットルを得た。該大麦焼酎蒸留残液
を以下の実施例に用いた。
【0033】
【実施例1】大麦焼酎製造の蒸留工程で得られた前記大
麦焼酎蒸留残液を8000rpm,10minの条件で遠心分離して
大麦焼酎蒸留残液の液体分を得、得られた液体分25Lを
オルガノ社製の合成吸着剤アンバーライトXAD-16を充填
したカラム(樹脂容量10L)に接触させ、当該カラムに
吸着する吸着画分を得、さらに前記吸着画分を吸着した
該カラムに脱イオン水10Lを接触させて得られた溶出液
を除去後、該カラムに1(wt/vol)%の 水酸化ナトリウム
溶液10Lと脱イオン水10Lをこの順番に接触させることに
より吸着画分からなる溶出液20Lを分取した。該溶出液2
0Lをオルガノ社製強酸性陽イオン交換樹脂IR-120Bを充
填したカラム(樹脂容量10L)に接触させた後に凍結乾
燥に付し、得られた凍結乾燥物270gを粉砕したところ、
褐色を呈する精製濃縮物が得られた。
【0034】
【比較例1】大麦焼酎製造の蒸留工程で得られた前記大
麦焼酎蒸留残液を8000rpm,10minの条件で遠心分離して
大麦焼酎蒸留残液の液体分を得、得られた液体分25Lを
真空凍結乾燥機を用いて凍結乾燥に付し、得られた凍結
乾燥物1500gを粉砕したところ、淡褐色を呈する粉末が
得られた。
【0035】実施例1で得られた精製濃縮物(実1)、
および比較例1で得られた大麦焼酎蒸留残液の液体分の
凍結乾燥物(比1)を以下の試験例1に供し、それぞれ
のオロチン酸誘発性脂肪肝に対する発症抑制作用を評価
した。
【0036】
【試験例1】即ち、4週齢Wistar系雄性ラット(日本SL
C)を1群6匹として、一般的に栄養学的実験を行う際の
標準食として使用する基本食を摂取させる基本食群、該
基本食に脂肪肝を人為的に発現させる際に一般的に用い
られる1%オロチン酸を混合した対照食を与える対照食
群、該対照食に精製濃縮物(実1)1%を混合した試験食
Aを摂取させる試験食A群、及び該対照食に凍結乾燥物
(比1)1%を混合した試験食Bを摂取させる試験食B群、
の4群に分け、それぞれの群に表8に示す組成の飼料を水
道水と共に14日間自由摂取させて飼育した。飼育期間終
了後、14日間飼育後の体重増加量、14日間の飼料摂取量
を測定し、ラットを解剖後、心臓から血液を採取し、肝
臓を摘出した。採取した血液は遠心分離して血清を得、
得られた血清について、常法に従って、血清総コレステ
ロール濃度、血清HDL-コレステロール濃度、血清トリグ
リセリド濃度、及び血清リン脂質濃度を測定し、摘出し
た肝臓については、その重量、肝臓総脂質濃度、肝臓コ
レステロール濃度、肝臓トリグリセリド濃度、及び肝臓
リン脂質濃度を測定した。
【0037】
【評価1】血清総コレステロール濃度、血清HDL-コレス
テロール濃度、血清トリグリセリド濃度、血清リン脂質
濃度肝臓重量、肝臓総脂質濃度、肝臓コレステロール濃
度、肝臓トリグリセリド濃度、肝臓リン脂質濃度、及び
肝臓重量の測定結果を表9に示す。表9に示す結果から以
下の事実が判明した。肝臓重量は対照食群で顕著に増加
し、試験食B群でもやや増加したが、試験食A群では基本
食の正常値と実質的に同等の値を示した。肝臓総脂質濃
度、肝臓コレステロール濃度、及び肝臓トリグリセリド
濃度は、対照食群では顕著に増加し、試験食B群でもや
や増加したが、試験食A群では基本食の正常値と実質的
に同等の値,又は該正常値よりも低い値を示した。一
方、血清総コレステロール濃度、血清HDL-コレステロー
ル濃度、血清トリグリセリド濃度、及び血清リン脂質濃
度は、対照食群が顕著に低下し、試験食B群も低下した
のに対して、試験食A群は基本食の正常値と実質的に同
等の値を示した。即ち、脂肪肝を人為的に発現させるオ
ロチン酸を含む対照食に凍結乾燥物(比1)を1%混合し
た試験食B群においてはオロチン酸誘発性脂肪肝に対す
る発症抑制作用が極めて小さかったのに対して、精製濃
縮物(実1)を1%混合した試験食A群においてはオロチ
ン酸誘発性脂肪肝の発症が完全に抑制された。この結果
から、本発明の精製濃縮物のオロチン酸誘発性脂肪肝に
対する発症抑制作用は、大麦焼酎蒸留残液の液体分のそ
れを卓越するものであることが判った。
【0038】実施例1で得られた精製濃縮物(実1)、
および比較例1で得られた大麦焼酎蒸留残液の液体分の
凍結乾燥物(比1)を以下の試験例2に供し、それぞれのD
-ガラクトサミン誘発性肝炎に対する発症抑制作用を評
価した。
【0039】
【試験例2】5週令のWistar系雄性ラットを1群9匹とし
て、対照食を摂取させる対照食群、該対照食に含まれる
成分の一部を精製濃縮物(実1)2重量%で代替した試験
食Aを摂取させる試験食A群、および該対照食に含まれる
成分の一部を凍結乾燥物(比1) 2重量%で代替した試験
食Bを摂取させる試験食B群、の3群に分け、それぞれの
群に表10に示す組成の飼料を水道水と共に15日間自由摂
取させて飼育した。実験食投与14日目にD-ガラクトサミ
ンを350mg/kg体重となるようにラットの腹腔内に投与
し、22時間後にラットを屠殺後、血液を採取し、これを
遠心分離して血清を得、得られた血清について、血清中
のGOT及びGPTを測定するとともに、肝臓の病理組織学的
検索を行った。
【0040】
【評価1】血清中のGOT及びGPTの測定結果を表11に示
す。表11に示す結果から以下の事実が判明した。GOT及
びGPTの値は、試験食A群及び試験食B群が対照食群に比
べて低下したが、特に試験食A群の低下が極めて顕著で
あった。肝臓の病理組織学的検索では、対照食群の肝小
葉中心体に強くみられた肝細胞の変成・壊死が試験食A
群ではほとんど認められなかった。即ち、大麦焼酎蒸留
残液の液体分から得た本発明の精製濃縮物を混合した試
験食A群においては、D-ガラクトサミン誘発性肝炎の発
症が顕著に抑制された。この結果から、本発明の精製濃
縮物のD-ガラクトサミン誘発性肝炎に対する発症抑制作
用は、大麦焼酎蒸留残液の液体分のそれを卓越するもの
であることが判った。
【0041】以上、試験例1及び試験例2の結果から明ら
かなように、本発明の大麦焼酎蒸留残液から得られる精
製濃縮物は、大麦焼酎蒸留残液液体分に比べて極めて強
力な肝障害発症抑制作用、即ち、オロチン酸誘発性脂肪
肝の発症を強力に抑制する作用及びD-ガラクトサミン誘
発性肝炎の発症を強力に抑制する作用を有し、大麦焼酎
蒸留残液の液体分に比べて極少量の摂取でオロチン酸誘
発性脂肪肝及びD-ガラクトサミン誘発性肝炎の発症に対
する有効な抑制作用を発揮するものであることが判明し
た。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】
【表6】
【0048】
【表7】
【0049】
【表8】
【0050】
【表9】
【0051】
【表10】
【0052】
【表11】
【0053】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明によれば、
大麦を原料とする焼酎製造において副成する大麦焼酎蒸
留残液を固液分離して液体分を得、該液体分を合成吸着
剤を用いる吸着処理に付して吸着画分を得、該吸着画分
をアルカリ又はエタノールを用いて溶出することによ
り、肝障害(オロチン酸誘発性脂肪肝及びD-ガラクトサ
ミン誘発性肝炎)の発症を強力に抑制する作用を有する
精製濃縮物を得ることが出来る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年8月23日(2002.8.2
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
請求項2前記合成吸着剤は、芳香族系合成吸着剤、
芳香族系修飾型合成吸着剤、又はメタクリル系合成吸着
剤である請求項1に記載の精製濃縮物
【請求項】前記脱着画分の凍結乾燥粉末からなる請求
項1又は2に記載の精製濃縮物。
【請求項】食品として使用する請求項1乃至3のいず
れかに記載の精製濃縮物。
【請求項】医薬品として使用する請求項1乃至3のい
ずれかに記載の精製濃縮物。
【請求項】請求項1に記載の精製濃縮物は、乾燥物重
量で、粗タンパク40乃至60重量%、ポリフェノール
7乃至12重量%、多糖類5乃至10重量%(糖組成:グ
ルコース0乃至2重量%、キシロース3乃至5重量%、及
びアラビノース2乃至5重量%)、有機酸4乃至10重
量% (リンゴ酸1乃至3重量%、クエン酸2乃至4重量
%、コハク酸0乃至1重量%、乳酸0乃至6重量%、及び
酢酸0乃至1重量%)、及び遊離糖類0乃至2重量%(マル
トース0乃至1重量%、キシロース0乃至1重量%、アラ
ビノース0乃至1重量%、及びグルコース0乃至1重量
%)の成分組成を有する。
【請求項】大麦を原料とする焼酎製造において副成す
る大麦焼酎蒸留残液を固液分離して液体分を得る工程、
該液体分を合成吸着剤を用いる吸着処理に付して吸着画
分を得る工程、及び該吸着画分をアルカリ又はエタノー
ルを用いて溶出することにより脱着画分を得る工程を順
次行うことを特徴とするオロチン酸誘発性脂肪肝及び/
又はD-ガラクトサミン誘発性肝炎の発症を抑制する作用
を有する精製濃縮物の製造方法。
【請求項】前記脱着画分を凍結乾燥する工程を更に有
する請求項に記載の精製濃縮物の製造方法。
請求項9前記合成吸着剤は、芳香族系合成吸着剤、
芳香族系修飾型合成吸着剤、又はメタクリル系合成吸着
剤である請求項7又は8に記載の精製濃縮物の製造方
【請求項10】玄麦大麦又は精白大麦を原料にして製造
した大麦麹と焼酎用酵母とを発酵に付して熟成もろみを
作製し、該熟成もろみを蒸留に付して大麦焼酎を製造す
る工程(A)、及び前記工程(A)において前記大麦焼酎
を製造する際に蒸留残渣として副成する大麦焼酎蒸留残
液を固液分離して液体分を得、該液体分を合成吸着剤を
用いる吸着処理に付して吸着画分を得、該吸着画分をア
ルカリ又はエタノールを用いて溶出することにより脱着
画分からなるオロチン酸誘発性脂肪肝及び/又はD-ガラ
クトサミン誘発性肝炎の発症を抑制する作用を有する精
製濃縮物を製造する工程(B)とからなり、前記工程
(A)及び前記工程(B)を連続して行うことを特徴とす
る前記大麦焼酎及び前記精製濃縮物を連続して製造する
方法。
【請求項11】前記工程(A)において、前記熟成もろ
みを得る際に、別に用意した玄麦大麦又は精白大麦を前
記大麦麹及び前記焼酎用酵母と共に発酵に付すことを特
徴とする請求項10に記載の方法。
請求項12前記合成吸着剤は、芳香族系合成吸着
剤、芳香族系修飾型合成吸着剤、又はメタクリル系合成
吸着剤である請求項10又は11に記載の方法
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹嶋 直樹 大分県宇佐市大字山本2211 株式会社大麦 発酵研究所内 (72)発明者 望月 聡 大分県大分市田室町6−31−603 サーパ ス田室 (72)発明者 外薗 英樹 大分県宇佐市大字山本2231−1 三和酒類 株式会社内 (72)発明者 梅本 泰史 大分県宇佐市大字山本2231−1 三和酒類 株式会社内 Fターム(参考) 4B018 LB10 MD79 MD93 ME14 MF01 MF13 4B028 AC06 AG03 AP20 AP22 AS06 AS09 AS10 4C088 AB73 AC04 BA12 BA16 CA13 MA52 NA14 ZA75 4H055 AA01 AB10 AB27 AC62 AD20 AD31 BA30 BA50

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大麦を原料とする焼酎製造において副成
    する大麦焼酎蒸留残液を固液分離して液体分を得、該液
    体分を合成吸着剤を用いる吸着処理に付して吸着画分を
    得、該吸着画分をアルカリ又はエタノールを用いて溶出
    することにより得られる脱着画分からなる、オロチン酸
    誘発性脂肪肝及び/又はD-ガラクトサミン誘発性肝炎の
    発症を抑制する作用を有する精製濃縮物。
  2. 【請求項2】前記脱着画分の凍結乾燥粉末からなる請求
    項1に記載の精製濃縮物。
  3. 【請求項3】食品として使用する請求項1又は2に記載の
    精製濃縮物。
  4. 【請求項4】医薬品として使用する請求項1又は2に記載
    の精製濃縮物。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の精製濃縮物は、乾燥物重
    量で、粗タンパク40乃至60重量%、ポリフェノール
    7乃至12重量%、多糖類5乃至10重量%(糖組成:グ
    ルコース0乃至2重量%、キシロース3乃至5重量%、及
    びアラビノース2乃至5重量%)、有機酸4乃至10重
    量% (リンゴ酸1乃至3重量%、クエン酸2乃至4重量
    %、コハク酸0乃至1重量%、乳酸0乃至6重量%、及び
    酢酸0乃至1重量%)、及び遊離糖類0乃至2重量%(マル
    トース0乃至1重量%、キシロース0乃至1重量%、アラ
    ビノース0乃至1重量%、及びグルコース0乃至1重量
    %)の成分組成を有する。
  6. 【請求項6】大麦を原料とする焼酎製造において副成す
    る大麦焼酎蒸留残液を固液分離して液体分を得る工程、
    該液体分を合成吸着剤を用いる吸着処理に付して吸着画
    分を得る工程、及び該吸着画分をアルカリ又はエタノー
    ルを用いて溶出することにより脱着画分を得る工程を順
    次行うことを特徴とするオロチン酸誘発性脂肪肝及び/
    又はD-ガラクトサミン誘発性肝炎の発症を抑制する作用
    を有する精製濃縮物の製造方法。
  7. 【請求項7】前記脱着画分を凍結乾燥する工程を更に有
    する請求項6に記載の精製濃縮物の製造方法。
  8. 【請求項8】玄麦大麦又は精白大麦を原料にして製造し
    た大麦麹と焼酎用酵母とを発酵に付して熟成もろみを作
    製し、該熟成もろみを蒸留に付して大麦焼酎を製造する
    工程(A)、及び前記工程(A)において前記大麦焼酎を
    製造する際に蒸留残渣として副成する大麦焼酎蒸留残液
    を固液分離して液体分を得、該液体分を合成吸着剤を用
    いる吸着処理に付して吸着画分を得、該吸着画分をアル
    カリ又はエタノールを用いて溶出することにより脱着画
    分からなるオロチン酸誘発性脂肪肝及び/又はD-ガラク
    トサミン誘発性肝炎の発症を抑制する作用を有する精製
    濃縮物を製造する工程(B)とからなり、前記工程(A)
    及び前記工程(B)を連続して行うことを特徴とする前
    記大麦焼酎及び前記精製濃縮物を連続して製造する方
    法。
  9. 【請求項9】前記工程(A)において、前記熟成もろみ
    を得る際に、別に用意した玄麦大麦又は精白大麦を前記
    大麦麹及び前記焼酎用酵母と共に発酵に付すことを特徴
    とする請求項8に記載の方法。
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