JP2003035232A - 燃料供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 共通の部品を使用して、さまざまなレイアウ
トに対応することができる燃料供給装置を提供する。 【解決手段】 燃料供給装置は、燃料をエンジンの燃料
供給系に送る燃料ポンプ４と、該燃料ポンプ４から送ら
れる燃料を濾過するフィルタ６と、このフィルタ６が収
納されるフィルタハウジング１１と、このフィルタハウ
ジング１１に接続されるフィードパイプ７とを備える。
フィルタハウジング１１が分割され、フィルタハウジン
グ１１の合わせ面１９，２４それぞれが、燃料ポンプ４
に対するフィードパイプ７の方向を複数に設定できるよ
うに線対称に形成される。分割されたフィルタハウジン
グ１１の組合わせる方向を変えるだけで、共通のフィル
タハウジングを使用しても、さまざまなレイアウトの燃
料供給装置に対応することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、自動２輪車等の
車両に設けた燃料タンクからエンジンの燃料供給系へ燃
料を供給するための燃料供給装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】自動２輪車等の車両の燃料タンク内に
は、エンジンの燃料供給系に燃料を供給するための燃料
供給装置が設けられる。燃料供給装置は、燃料ポンプ、
フィルタ、フィードパイプ及び電装部品が一つになった
ユニットアッシとして構成される。

【０００３】図５は従来の燃料供給装置を示す。燃料供
給装置はレイアウト上、燃料タンクの入口から燃料タン
ク内に入れることができ、しかも燃料タンク内の限られ
たスペース内に収納できるように、その大きさが制限さ
れる。また、燃料タンクの外に配置される燃料供給管の
位置等に応じて燃料供給装置自体のレイアウトもさまざ
まに設定される。例えば図５（Ａ）に示すように、燃料
ポンプ１から吐出される燃料の流れがＵ字回路になるよ
うに燃料供給装置のレイアウトが設定される場合もある
し、図５（Ｂ）に示すように、燃料ポンプ１から吐出さ
れる燃料の流れがストレート回路になるように燃料供給
装置のレイアウトが設定される場合もある。このような
場合、図６（Ａ）に示すようなＵ字タイプのフィルタ部
品２、あるいは図６（Ｂ）に示すようなストレートタイ
プのフィルタ部品２の双方を用意し、レイアウトに応じ
てどちらかのフィルタ部品２を選択していた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このように従来の燃料
供給装置にあっては、大きさが制限された上で、さらに
レイアウトに応じて専用のフィルタ部品、フィードパイ
プが必要となるという問題がある。また、フィードパイ
プ部分に複数の部品が必要となるという問題もある。

【０００５】そこで、本発明は、共通の部品を使用し
て、さまざまなレイアウトに対応することができる燃料
供給装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】以下、本発明について説
明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図
面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本
発明が図示の形態に限定されるものではない。

【０００７】上記課題を解決するために、本発明者は、
分割されたフィルタハウジングの組合わせ方向を変える
ことによって、さまざまなレイアウトの燃料供給装置に
対応できるようにした。すなわち、請求項１の発明は、
燃料をエンジンの燃料供給系に送る燃料ポンプ（４）
と、該燃料ポンプ（４）から送られる燃料を濾過するフ
ィルタ（６）と、このフィルタが収納されるフィルタハ
ウジング（１１）と、このフィルタハウジング（１１）
に接続されるフィードパイプ（７）とを備える燃料供給
装置において、前記フィルタ（６）のフィルタハウジン
グ（１１）が分割され、フィルタハウジング（１１）の
合わせ面（１９，２４）それぞれが、前記燃料ポンプ
（４）に対する前記フィードパイプ（７）の方向を複数
に設定できるように線対称に形成されることを特徴とす
る燃料供給装置により前記課題を解決する。

【０００８】この発明によれば、共通のフィルタハウジ
ングを使用しても、分割されたフィルタハウジングを組
合わせる方向を変えるだけで、さまざまなレイアウトの
燃料供給装置に対応することができる。例えばフィード
パイプの吐出口が下方向を向くようにすることもできる
し、これとは１８０度反転させ、フィードパイプの吐出
口が上方向を向くようにすることもできる。すなわち、
共通の部品を使用しても、フィルタハウジングの組合わ
せ方向を変化させることで、燃料の流れがＵ字フローに
なるようにすることもできるし、ストレートフローにな
るようにすることもできる。

【０００９】また、請求項２の発明は、請求項１に記載
の燃料供給装置において、前記フィードパイプ（７）の
方向は、少なくとも、前記燃料ポンプ（４）が燃料を吐
出する方向と平行な方向と、前記燃料ポンプ（７）が燃
料を吐出する方向と反対な方向とを含むことを特徴とす
る。

【００１０】この発明によれば、一般的な燃料供給装置
に要求されるレイアウトに対応することができる。

【００１１】また、請求項３の発明は、請求項１又は２
に記載の燃料供給装置において、前記フィルタハウジン
グの合わせ面それぞれが、四角形又は円形のフランジで
あることを特徴とする。

【００１２】この発明によれば、合わせ面を反転させて
も形状が変化することがない。特に正方形のフランジの
場合、合わせ面を９０度回転させても形状が変化するこ
とがない、合わせ面が円形のフランジの場合、合わせ面
を任意の角度に回転させても形状が変化することがな
い。このため、より多くのレイアウトに対応することが
できる。

【００１３】さらに、請求項４の発明は、請求項１ない
し３いずれかに記載の燃料供給装置において、前記合わ
せ面（１９，２４）を溶着することで、２分割されたフ
ィルタハウジング（１１）が結合されることを特徴とす
る。

【００１４】この発明によれば、フィルタハウジングの
溶着方向を変えるだけで、さまざまなレイアウトの燃料
供給装置に対応することができる。

【００１５】さらに、請求項５の発明は、請求項１ない
し４いずれかに記載の燃料供給装置は、前記燃料供給装
置は、自動２輪車の燃料タンク内に配置されることを特
徴とする。

【００１６】自動２輪車は、４輪車に比べて燃料タンク
も小さく、燃料タンクの外の燃料供給管もさまざまに配
置されることが多い。このため、この発明は特に自動２
輪車に好適に用いることができる。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しつつ本発
明による燃料供給装置の実施形態につき説明する。

【００１８】図１（Ａ）はＵ字タイプの燃料供給装置を
示し、図１（Ｂ）はストレートタイプの燃料供給装置を
示す。自動２輪車等の燃料タンクには、燃料ポンプ４が
設けられ、その吸入口は樹脂製メッシュ等の異物除去フ
ィルタを有するストレーナ５に接続される。燃料ポンプ
４の吐出口から吐出される燃料は、高圧燃料フィルタ６
を介してフィードパイプ７に送られる。燃料は燃料タン
クの外に設けられる燃料供給管によってスロットルボデ
ィへ送られ、さらにインジェクタからエンジンの燃焼室
内へ噴射される。また、燃料の一部は余剰燃料としてス
ロットルボディのプレッシャーレギュレータより燃料戻
し管８を通ってストレーナ５近傍に戻される。

【００１９】図１（Ａ）の例について説明する。燃料タ
ンクの底部に形成された開口部にはシールパッキン９を
介して燃料供給装置の組立体が下方より取り付けられ
る。開口部は、組立体のベースプレート１０で覆われて
いる。燃料供給装置は、燃料をエンジンの燃料供給系に
送る燃料ポンプ４と、燃料ポンプ４から送られる燃料を
濾過するフィルタ６と、このフィルタ６が収納されるフ
ィルタハウジング１１と、このフィルタハウジング１１
に接続されるフィードパイプ７と、燃料ポンプ４を制御
するための電装部品とで構成される。この例では、燃料
ポンプ４のストレーナ５から吸込まれ、上方に向かう燃
料は、フィルタハウジング１１内でＵターンし、フィー
ドパイプ７内を下方に向かって流れる。

【００２０】図１（Ｂ）に示す例について説明する。燃
料タンクの上部に形成された開口部にはシールパッキン
９を介して燃料供給装置の組立体が上方より取り付けら
れる。開口部は、組立体のベースプレート１０で覆われ
ている。この例でも燃料供給装置は、燃料をエンジンの
燃料供給系に送る燃料ポンプ４と、燃料ポンプ４から送
られる燃料を濾過するフィルタ６と、このフィルタ６が
収納されるフィルタハウジング１１と、このフィルタハ
ウジング１１に接続されるフィードパイプ７と、燃料ポ
ンプ４を制御するための電装部品とで構成される。燃料
ポンプ４はベースプレート１０から下方に吊り下げられ
た取付けプレート１２に支持されている。この例では、
燃料ポンプ４のストレーナ５から吸込まれ、上方に向か
う燃料は、フィルタハウジング１１内でクランク状に向
きを変え、フィードパイプ７内を上方に向かって流れ
る。

【００２１】図２は、フィルタ及びフィルタハウジング
の分解斜視図を示す。フィルタの濾過体１３は図３に示
すように、平板状の濾紙又は不織布等の濾材を襞状に折
り畳むプリーツ加工によって製造され、その外形は略長
方形に形成される。このように加工された濾過体１３を
金型にインサートし、濾過体の周囲に樹脂を流し込むこ
とで、濾過体１３の外周が樹脂製のフランジ部１４（図
２参照）で覆われ、フィルタ６が形成される。

【００２２】フィルタ６が収納されるフィルタハウジン
グ１１は、ポンプ側ハウジング１１ａとフィードパイプ
側ハウジング１１ｂとに２分割される。ポンプ側ハウジ
ング１１ａは、燃料ポンプ４の吐出側が差し込まれる略
円筒形のポンプ接続部１６と、フィルタ６が収納される
フィルタ収納部１７とで構成される。ポンプ接続部１６
には燃料ポンプ４が直接接続される。フィルタ収納部１
７側には、燃料ポンプ４の吐出口が挿入される吐出口接
続部１８も形成される。燃料ポンプ４から吐き出された
燃料は、吐出口接続部１８からフィルタ収納部１７内に
流れ込む。ポンプ側ハウジング１１ａの合わせ面１９
は、燃料ポンプ４に対するフィードパイプ７の方向を複
数に設定できるように中心線を軸にした線対称に形成さ
れる。この実施形態においては長方形のフランジに形成
される。なお、フィードパイプ７の軸線と合わせ面１９
の位置する平面とは平行である。

【００２３】フィードパイプ側ハウジング１１ｂは、フ
ィルタ６が収納されるフィルタ収納部２２と、フィルタ
収納部２２に結合され、フィードパイプ７を接続するた
めのパイプ接続口２３とを有する。フィルタ６によって
濾過された燃料は、フィードパイプ側ハウジング１１ｂ
からフィードパイプ７に流れ込む。フィードパイプ側ハ
ウジング１１ｂの合わせ面２４も、燃料ポンプ４に対す
るフィードパイプ７の方向を複数に設定できるように中
心線を軸にした線対称に形成される。この実施形態にお
いては、ポンプ側ハウジング１１ａの合わせ面１９と同
一形状の長方形のフランジに形成される。この図２にお
いて、Ｕ字タイプの燃料供給装置に用いられるフィード
パイプ側ハウジング１１ｂとストレートタイプの燃料供
給装置に用いられるフィードパイプ側ハウジング１１ｂ
とが並べて、互いに１８０度反転させた状態で示されて
いる。なお、フィードパイプ７の軸線と合わせ面２４の
位置する平面とは平行である。

【００２４】ポンプ側ハウジング１１ａとフィードパイ
プ側ハウジング１１ｂとは熱板等を用いて互いに溶着さ
れる。このとき、共通のフィルタハウジングを使用して
も、分割されたフィルタハウジング１１ａ，１１ｂの組
合わせる方向を変えて溶着するだけで、さまざまなレイ
アウトの燃料供給装置に対応することができる。例え
ば、燃料ポンプ４に対するフィードパイプ７の方向が、
燃料ポンプ４が燃料を吐出する方向と平行な方向（フィ
ードパイプ７の吐出口が上方向を向く図１（Ｂ）が該
当）を向くようにすることもできるし、前記燃料ポンプ
４が燃料を吐出する方向と反対な方向（フィードパイプ
７の吐出口が下方向を向く図１（Ａ）が該当）を向くよ
うにすることもできる。したがって、Ｕ字タイプとスト
レートタイプとで２部品別に製造することなく、共通の
部品で２つのレイアウトに対応することができる。ま
た、Ｕ字タイプとストレートタイプとで燃料は同じ回数
方向転換するので、抵抗も変化することが少ない。

【００２５】図４は、燃料供給装置の他の例を示す。図
中（Ａ）はＵ字フローを示し、図中（Ｂ）はストレート
フローを示す。この例では、燃料ポンプ４の吐出方向及
びフィードパイプ７の延びる方向は、ベースプレート１
０に直交する方向ではなく、斜めに傾けられている。本
発明の燃料供給装置はこのようなレイアウトにも対応す
ることができる。

【００２６】実施形態における本発明は、上記実施形態
に限られず種々の変更が可能である。例えば合わせ面１
９は、長方形のフランジに限らず、正方形でも円形でも
楕円形でもよい。正方形のフランジの場合、合わせ面を
９０度回転させても形状が変化することがなく、合わせ
面が円形のフランジの場合、合わせ面を任意の角度に回
転させても形状が変化することがない。このため、より
多くのレイアウトに対応することができる。また、燃料
ポンプ４の吐出口とフィルタハウジング１１とのシール
性を上げるために、燃料ポンプ４の吐出口にフィルタハ
ウジング１１を直接接続することなく、パイプ等を介し
て接続してもよい。

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、フ
ィルタのフィルタハウジングが分割され、フィルタハウ
ジングの合わせ面それぞれが、前記燃料ポンプに対する
前記フィードパイプの方向を複数に設定できるように線
対称に形成されるので、共通のフィルタハウジングを使
用しても、分割されたフィルタハウジングを組合わせる
方向を変えるだけで、さまざまなレイアウトの燃料供給
装置に対応することができる。例えば燃料ポンプからフ
ィルタを経由してフィードパイプに向かう燃料の流れが
Ｕ字フローになるようにすることもできるし、ストレー
トフローになるようにすることもできる。さらに、本発
明の燃料供給装置は特に自動２輪車の燃料供給タンクに
好適に用いることができるが、これに限られることなく
４輪の車両の燃料タンクにも用いることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態における燃料供給装置を示
す側面図（図中（Ａ）はＵ字フローを示し、図中（Ｂ）
はストレートフローを示す）。

【図２】フィルタ及びフィルタハウジングを示す分解斜
視図。

【図３】フィルタの濾過材を示す斜視図。

【図４】燃料供給装置の他の例を示す図（図中（Ａ）は
Ｕ字フローを示し、図中（Ｂ）はストレートフローを示
す）。

【図５】従来の燃料供給装置を示す側面図（図中（Ａ）
はＵ字フローを示し、図中（Ｂ）はストレートフローを
示す）。

【図６】従来のフィルタを示す側面図（図中（Ａ）はＵ
字フローを示し、図中（Ｂ）はストレートフローを示
す）。

【符号の説明】

４ 燃料ポンプ ６ フィルタ ７ フィードパイプ １１ フィルタハウジング

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 燃料をエンジンの燃料供給系に送る燃料
   ポンプと、該燃料ポンプから送られる燃料を濾過するフ
   ィルタと、このフィルタが収納されるフィルタハウジン
   グと、このフィルタハウジングに接続されるフィードパ
   イプとを備える燃料供給装置において、 前記フィルタハウジングが分割され、 フィルタハウジングの合わせ面それぞれが、前記燃料ポ
   ンプに対する前記フィードパイプの方向を複数に設定で
   きるように線対称に形成されることを特徴とする燃料供
   給装置。
2. 【請求項２】 前記燃料ポンプに対する前記フィードパ
   イプの方向は、少なくとも、前記燃料ポンプが燃料を吐
   出する方向と平行な方向と、前記燃料ポンプが燃料を吐
   出する方向と反対な方向とを含むことを特徴とする請求
   項１に記載の燃料供給装置。
3. 【請求項３】 前記フィルタハウジングの合わせ面それ
   ぞれが、四角形又は円形のフランジであることを特徴と
   する請求項１又は２に記載の燃料供給装置。
4. 【請求項４】 前記合わせ面を溶着することで、２分割
   されたフィルタハウジングが結合されることを特徴とす
   る請求項１ないし３いずれかに記載の燃料供給装置。
5. 【請求項５】 前記燃料供給装置は、自動２輪車の燃料
   タンク内に配置されることを特徴とする請求項１ないし
   ４いずれかに記載の燃料供給装置。