JP2003034727A - 導電性樹脂粒子の製造方法 - Google Patents

導電性樹脂粒子の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な工程により導電性、分散性、および耐
熱性に優れた導電性粒子を製造する方法を提供する。 【解決手段】 樹脂粒子を金属粒子で被覆して得られる
導電性粒子の製造方法であって、樹脂粒子と金属粒子と
を媒体中で周速15m/秒以上で回転する撹拌装置で処
理することを特徴とする導電性粒子の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性樹脂粒子の
製造方法に関するものである。本発明の製造方法は例え
ば、異方性導電接着材や異方性導電膜に使用される導電
性樹脂粒子の製造に好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】近年の電子部品の小型薄型化、高機能化
に伴い、プリント配線基板やこれに搭載する半導体チッ
プの接続回路は微細化、高密度化が進んでいる。これら
の微細回路の接続は、従来のワイヤボンド方式や半田ボ
ール溶融方式などとともに、最近では分解能に優れ、異
方導電性を有する接着剤や膜状物のような接続部材であ
る異方導電材が多用されるようになってきた。異方導電
材は、高密度かつ多数の電極を一括して接続する材料で
あり、導電性粒子で相対峙する電極間の電気的接続を行
い、接着剤によって両電極の固定と隣接電極間の絶縁性
を得ている。これらは接続時の加熱加圧により接着剤が
溶融し、分散されている導電粒子が電極間で保持される
ことにより厚み方向での高い導電性が得られ、面方向で
は導電粒子は互いに接触しない程度に分散されているこ
とで高い絶縁性が得られるものである。
【0003】このような異方導電材において、その分解
能を向上させるためには、異方導電材中の導電材料であ
る導電性粒子の粒径を微小化して隣接回路間の絶縁部分
より小さくするとともに、絶縁部分における導電性粒子
どうしの接触を防止できるように導電性粒子の添加量を
調節し、回路接続部における導通性を確実にすることが
必要である。しかし、導電性粒子の粒径を小さくすると
表面積の増加と粒子個数の増加により、粒子は2次凝集
しやすくなることで隣接回路との絶縁性が保持できなく
なることがあり、また粒子の添加量を減少させると接続
すべき回路上の導電性粒子の数が減少することから接続
点数が不足し接続回路間での十分な導通が得られなくな
り、長期接続信頼性を損なう場合があるという問題があ
った。
【0004】一般的にこのような接続部材に用いられる
導電性粒子としては、例えば、ファーネスブラック、チ
ャンネルブラック、アセチレンブラックなどのカーボン
ブラックやグラファイトなどのカーボン系粒子、金、
銀、銅、ニッケル、アルミニウム、半田などの金属粒子
またはこれらの金属の表面を金などの金属でメッキした
金属粒子、あるいは樹脂、無機化合物などの非導電性性
粒子にニッケル、金などの金属でメッキを施したものな
どが挙げられる。これらの中で、金属粒子は導電性には
優れた性質を有するが、異方導電性の接着剤組成物など
に用いられる場合、その比重差が大きいことから、組成
物中で沈降することで局在化しやすく、異方導電材とし
て用いた場合に一様な導電性を発揮できなくなることが
あった。
【0005】一方、樹脂粒子などの非導電性粒子の表面
に金属被膜を形成させる場合、一般的には金属メッキ法
が適用される。この方法は導電材料としては優れた性質
を有するものが得られるが、通常は、メッキ層との密着
を改善するため非導電性粒子の表面に小さな凹凸を形成
させるエッチング工程、エッチング後の粒子表面に触媒
層を形成させこれを活性化させるアクチベーション工程
を経たのち、化学メッキ工程において金属メッキを行う
のが一般的である。金属メッキ法はこのように処理工程
が多く、各工程で使用する薬液も異なることから、コス
ト面において問題があった。さらに、被メッキ粒子が小
径になるほど比表面積が増大するため、メッキ反応速度
が速くなり制御が難しくなりやすいことに加え、粒子が
凝集を起こした状態でメッキ被覆が形成されると、凝集
が解離した際にメッキ被覆の欠陥が現れ、使用時に支障
をきたすことがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、簡単な工程
により導電性、分散性、および耐熱性に優れた導電性粒
子を製造する方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)樹脂粒
子を金属粒子で被覆して得られる導電性粒子の製造方法
であって、樹脂粒子と金属粒子とを媒体中で周速15m
/秒以上で回転する撹拌装置で処理することを特徴とす
る導電性粒子の製造方法、(2)樹脂粒子がポリイミド
樹脂粒子である第(1)項記載の導電性粒子の製造方
法、である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、樹脂粒子と金属粒子と
を媒体中で分散させ、これを高速で撹拌する装置で処理
することで、金属粒子が樹脂粒子の表面を被覆し、導電
性と分散性に優れた導電性材料を簡単な工程により効率
よく製造する方法を提供するものである。
【0009】本発明で用いる樹脂粒子については特に限
定しないが、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、
ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポ
リエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂など
の熱可塑性樹脂、あるいはフェノール樹脂、エポキシ樹
脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリエス
テル樹脂、シリコン樹脂などの熱硬化性樹脂、あるいは
ポリイミド樹脂を用いることができる。これらの中で
も、本発明の製造方法を適用した場合には金属粒子の衝
突に対して容易に変形や破壊を起こさないものが好まし
く、また、本発明の製造方法によって得られた導電性粒
子を異方性導電接着剤や異方性導電膜の材料として用い
る場合には加熱加圧して圧接を行うことを考慮する必要
がある。これらのことから、耐熱性に優れたフェノール
樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミ
ド樹脂などを用いることが好ましく、さらには、耐熱性
に優れること、微粒子の製造が比較的容易であることか
ら、ポリイミド樹脂を用いることが特に好ましい。
【0010】樹脂粒子の形状は特に限定しないが、大き
さの揃ったものが得られやすく、処理時に金属粒子が樹
脂粒子表面に均一に付着しやすいという点から、球状の
ものを用いることが好ましい。樹脂粒子の大きさは特に
限定しないが、高速撹拌処理時に凝集しにくく、かつ、
導電性粒子としてより小径のものが求められている背景
を考慮すると、粒径が0.01〜10μmであることが
好ましく、さらに好ましくは0.1〜5μmである。樹
脂粒子径が前記上限より大きいと市場の要求に合致しに
くい場合がある。また、樹脂粒子径が前記下限より小さ
いと、処理時に樹脂粒子どうしの凝集が起こりやすくな
り、凝集粒子が解離した場合に被覆欠陥を生じる場合が
ある。
【0011】前記樹脂粒子は、市販のものを用いてもよ
いし、必要に応じて合成してもよい。ポリイミド粒子を
用いる場合では、例えば以下のような方法で樹脂粒子を
得ることができる。まず第一工程として、無水テトラカ
ルボン酸を含む第一溶液と、ジアミン化合物を含む第二
溶液とをそれぞれ調製する。第一溶液で用いる溶媒は、
実質的に無水テトラカルボン酸が溶解し、かつ、生成す
るポリアミド酸が溶解しないものを用い、第二溶液で用
いる溶媒は、実質的にジアミン化合物が溶解し、かつ、
生成するポリアミド酸が溶解しないものを用いる。第二
工程では、第一溶液と第二溶液とを混合し、例えば20
〜40℃で通常の撹拌または超音波による撹拌などを行
って、混合溶液からポリアミド酸微粒子を析出させる。
沈殿生成したポリアミド酸粒子は、遠心分離法等により
固液分離して回収する。第三工程として、第二工程で得
たポリアミド酸粒子をイミド化することによってポリイ
ミド微粒子を得る。イミド化する方法は、ポリアミド酸
微粒子を有機溶媒中に分散させ、130〜250℃程度
の温度で加熱してイミド化する方法(熱閉環)、又はポ
リアミド酸粒子をピリジン及び無水酢酸からなる有機溶
媒中に分散させ、撹拌しながら15〜115℃程度の温
度で24時間程度加熱してイミド化する方法(化学閉
環)などを用いることができる。得られたポリイミド粒
子は、公知の方法により回収し、必要に応じて石油エー
テル、メタノール、アセトン等の有機溶剤で洗浄すれば
よい。
【0012】本発明で用いる金属は、導電性を有する各
種の金属、金属酸化物、合金等が用いられるが、特に限
定されるものではない。このうち金属の例としては、亜
鉛、アルミニウム、スズ、金、銀、鉄、銅、亜鉛、ニッ
ケル、パラジウム、白金などが挙げられ、これらを単独
もしくは複合して用いることもできる。これらの中で
も、展性、延性、導電性などに優れることから、金、
銀、アルミニウム、スズ、銅を用いるのが好ましい。金
属粒子の形状は、例えば金属を溶融させて製造するアト
マイズ法によれば球形のものが得られ、電気分解による
析出ではリーフ状または針状のものが得られる。また、
粒子形状は不均一であるが金属塊を微粉砕させる方法で
も得ることができる。これらの中でも、樹脂粒子への衝
突を効率よく行えること、また、樹脂粒子を均一に被覆
しやすいなどの理由から、粒径の揃った球状粒子を用い
ることが好ましい。
【0013】本発明で用いる金属粒子の大きさは特に限
定しないが、樹脂粒子に対する被覆を効率よく行うため
には0.01〜5.0μmであることが好ましく、さら
に好ましくは0.1〜1.0μmである。前記範囲の粒
径の金属粒子と、前記範囲の粒径の樹脂粒子とを用いる
ことにより、本発明の処理において金属粒子が樹脂粒子
に衝突し、その際の衝撃により、展性、延性を有した金
属粒子が変形し、樹脂粒子の表面を被覆することができ
る。また、用いる樹脂粒子の大きさや性状によっては、
樹脂粒子どうしの凝集が起こりやすいこともあるが、そ
のような場合でも金属粒子の衝突により凝集が解離しや
すくなり、さらに金属による樹脂粒子の被覆によって樹
脂粒子の再凝集を起こりにくくする効果も併せ持つ。
【0014】本発明で用いられる媒体の種類は特に限定
しないが、以下の点に留意して適宜選択して用いればよ
い。即ち、樹脂粒子や金属粒子が媒体中で溶解あるいは
変質しないこと、処理時の発熱で容易に蒸発しないこ
と、処理温度範囲(通常20〜50℃)における粘度が
低く樹脂粒子や金属粒子の運動を阻害しないこと、使用
後の処理が容易にできること、などである。一例を挙げ
ると、トルエン、キシレンなどの芳香族類、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、エ
タノール、プロパノールなどのアルコール類、あるいは
水などを使用できる。これらの中でも、樹脂粒子にポリ
イミド樹脂を用い、金属粒子として銀を用いてこれを被
覆する場合は、前記の理由からキシレンを用いることが
特に好ましい。
【0015】樹脂粒子と金属粒子を媒体中で高速撹拌処
理を行う際の粒子濃度についても特に限定しないが、処
理液全体に対して、樹脂粒子が0.1〜5重量%である
ことが好ましく、さらに好ましくは0.5〜3重量%で
ある。粒子濃度が前記下限より低いと、樹脂粒子と金属
粒子との接触回数が少なくなるため、十分に被覆処理す
ることが難しくなったり、処理に長時間を費やしエネル
ギーコスト面で不利になることがある。また、前記上限
より高いと、用いる粒子や媒体の種類によっては樹脂粒
子どうしの凝集が増加したり、処理系の粘度が上がるこ
とで撹拌のエネルギーが粒子に伝わりにくくなることな
どにより、被覆処理が十分に行えない場合がある。ま
た、処理時の樹脂粒子と金属粒子との配合比は、用いる
樹脂粒子あるいは金属粒子の性質・性状、媒体の種類、
および高速撹拌処理条件によって異なるため特に限定し
ないが、樹脂粒子を金属粒子で均一かつ効率的に被覆す
るためには、一般的には両方の体積比率が略等量である
ことが好ましい。
【0016】本発明で用いられる高速攪拌装置として
は、周速15m/秒以上の能力を有する設備であれば特
に限定しないが、例えば最大周速40m/秒のクレアミ
ックス(エム・テクニック(株)製)、最大周速100
m/秒のT.K.フィルミックス(特殊機化工業(株)
製)などが好ましい。撹拌処理時の周速は、15m/秒
以上であることが好ましく、より好ましくは30〜10
0m/秒である。周速が15m/秒未満では、樹脂粒子
と金属微粒子に作用するエネルギーが不足し、本発明の
効果である樹脂粒子どうしの凝集防止や、樹脂粒子に対
する金属粒子の付着を十分に行えないことがある。
【0017】なお、高速撹拌処理を行う場合の処理時間
については、樹脂粒子や金属粒子の種類や処理条件など
によって変わるため特に限定しないが、一般的には一定
時間を経過すればそれ以上処理しても効果は変わらない
傾向がみられるので、それぞれの処理系において最小所
要時間を見い出せばよい。
【0018】本発明の高速撹拌処理を行うことにより、
樹脂粒子、金属粒子に対して、撹拌による剪断力、衝突
力、局部的な圧力変化、キャビテーションによる効果な
どが複合的に作用すると考えられる。この処理により、
金属粒子は樹脂粒子の表面に衝突し、衝撃で変形すると
ともに樹脂粒子の表面に付着し樹脂粒子を被覆するもの
と考えられる。通常、媒体などの液中においても、樹脂
粒子はその粒径が小さいとゼータ電位の絶対値が小さ
く、凝集を起こして粗大化しやすい傾向があるが、本発
明においては高速で撹拌を行うことにより、樹脂粒子の
凝集や樹脂粒子どうしのくっつきを低減することがで
き、さらに樹脂粒子は金属粒子で被覆されるに従って粒
子としてのゼータ電位の絶対値が増大し、被覆された後
の導電性樹脂粒子の再凝集を防止する効果もあると考え
られる。
【0019】本発明の方法による樹脂粒子の金属粒子に
よる被覆は、従来のメッキ法に比べると、工程が単純
で、化学薬品の高精度な制御を行う必要がなく、操作が
容易な設備を用いて短時間で処理できる。また、粒子濃
度、撹拌速度、処理時間など設備の運転条件設定を簡単
に行えるため、樹脂粒子、金属粒子の性状に適合した最
適な被覆条件を容易に選択することができる。
【0020】本発明の導電性樹脂粒子を異方導電性接着
剤に用いる場合は、通常の方法を適用することができ
る。例えば、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエス
テル樹脂、ABS樹脂などの樹脂を単独又は組み合わせ
たものを主成分とし、これに硬化剤、カップリング剤、
粘着性付与剤などを適宜含有した接着剤を配合する。こ
れを適量の溶剤に溶解させ液状としたものに導電性樹脂
粒子を添加し、ボールミルや通常の撹拌装置により分散
混合させて導電性接着剤組成物とすることができる。導
電性接着剤の使用方法としては、例えば回路または電極
上にこれを塗布したのち、必要に応じて溶剤を除去した
状態とし、これと接続されるべき対峙する回路または電
極を位置合わせした後、加熱加圧あるいは熱ロールによ
り成形を行う。このとき、導電性樹脂粒子は成形時の温
度、圧力に対してその形状を維持することができ、対峙
する回路または電極間で保持されることにより、厚み方
向での高い導電性を確保することができる。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。ここで記載されている「部」および「%」は、全て
「重量部」「重量%」を示す。
【0022】(1)ポリイミド粒子Aの製造 第一溶液としてBTDA(3,3',4,4'−ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸二無水物)0.002molを
アセトンに溶解させた50ml溶液(BTDA/アセト
ン=0.002mol/50ml溶液という。以下同
じ。)、第二溶液としてDPE(4,4'−ジアミノジ
フェニルエーテル)/アセトン=0.002mol/5
0ml溶液をそれぞれ調製した。次いで、25℃で両溶
液を混合して周波数38kHzの超音波で10分間撹拌
し、反応させることにより、ポリアミド酸を析出した。
得られたポリアミド酸を走査型電子顕微鏡(SEM)で
観察し、ポリアミド酸が単分散状の均一な球状粒子から
構成されていることを確認した。このポリアミド酸粒子
は平均粒径0.499μm、標準偏差0.0295、変
動係数5.912%であった。次に、回収したポリアミ
ド酸粒子1gを200mlキシレン中に分散させた後、
140℃で約4時間環流してイミド化を行い、ポリイミ
ド粒子Aを得た。このポリイミド粒子をSEMで観察
し、ポリイミド粒子も単分散状の均一な球状粒子から構
成されていることを確認した。このポリイミド粒子は平
均粒径0.506μm、比重1.420、標準偏差0.
0268、変動係数5.285%であった。ガラス転移
温度(Tg)は329℃であった。
【0023】(2)ポリイミド粒子Bの製造 第一溶液としてBTDA/アセトン=0.002mol
/100ml溶液、第二溶液として2,4,6−トリア
ミノピリミジン/(メタノール+アセトン)=0.00
04mol/(2ml+18ml)溶液、さらに第二溶
液としてDPE/アセトン=0.0016mol/80
ml溶液をそれぞれ調製した。次いで、25℃で両溶液
を混合して周波数38kHzの超音波で10分間攪拌
し、反応させることにより、ポリアミド酸を析出した。
得られたポリアミド酸を走査型電子顕微鏡(SEM)で
観察し、ポリアミド酸が単分散状の均一な球状粒子から
構成されていることを確認した。このポリアミド酸粒子
は平均粒径1.135μm、標準偏差0.0500、変
動係数4.474%であった。次に、回収したポリアミ
ド酸粒子0.3gを200mlキシレン中に分散させた
後、135℃で約4時間環流してイミド化を行い、ポリ
イミド粒子Bを得た。このポリイミド粒子をSEMで観
察し、ポリイミド粒子も単分散状の均一な球状粒子から
構成されていることを確認した。このポリイミド粒子は
平均粒径1.112μm、比重1.410、標準偏差
0.0460、変動係数4.151%であった。ガラス
転移温度(Tg)は310℃であった。
【0024】(3)実施例1:導電性粒子Cの製造 前記方法で得られたポリイミド粒子A3g/キシレン5
00ml、金属粒子として銀粒子(福田金属箔粉工業製
「シルコートAgC−AO」、平均粒径0.5μmの球
状粒子品)23g/キシレン500mlをそれぞれ調製
し、これらを簡易混合したのち、T.K.フィルミック
ス(特殊機化工業(株)製)を使用して50m/秒で2
分間処理し、導電性粒子Cを得た。この導電性粒子をS
EMで観察したところ、ほぼ球形状で粒径の揃った粒子
から構成されていることがわかった。また、粒子表面に
ついてXMA分析装置を行い、銀粒子による面分析を行
ったところ、粒子表面の全面から銀が検出され、非検出
部はほとんど存在しないことを確認した。この導電粒子
の平均粒径0.688μm、比重6.102であった。
これらのことから、ポリイミド粒子はそのほとんど全面
を銀粒子によって被覆された状態であると考えられた。
【0025】(4)実施例2:導電性粒子Dの製造 前記方法で得られたポリイミド粒子B3g/キシレン5
00ml、金属粒子として銀粒子(福田金属箔粉工業製
「シルコートAgC−AO」、平均粒径0.5μmの球
状粒子品)23g/キシレン500mlをそれぞれ調製
し、これらを簡易混合したのち、クレアミックス(エム
・テクニック(株)製)を使用して30m/秒で3分間
処理し、導電性粒子Dを得た。この導電性粒子をSEM
で観察したところ、ほぼ球形状で粒径の揃った粒子から
構成されていることがわかった。また、粒子表面につい
てXMA分析装置を行い、銀粒子による面分析を行った
ところ、粒子表面の全面から銀が検出され、非検出部は
ほとんど存在しないことを確認した。この導電粒子の平
均粒径1.402μm、比重6.085であった。これ
らのことから、ポリイミド粒子はそのほとんど全面を銀
粒子によって被覆された状態であると考えられた。
【0026】(5)導電性材料としての評価 実施例1で得られた導電性樹脂粒子Cを、エポキシ接着
剤(吉川化工社製・SE−4500)に、10重量%と
なるように配合し、均一に混合して導電性接着剤とし
た。この導電性接着剤を、150μmピッチ幅でITO
電極(インジウム−スズ酸化物電極)が形成されたガラ
ス板上にスクリーン印刷により塗布した。これとは別
に、150μmのピッチ幅で35μmのポリイミドフィ
ルム上に、表面がアルミからなる電極を形成したフレキ
シブルプリント電極を、前記ITO電極に重ね合わせ、
150℃、30kg/cm2で1時間加熱加圧して圧着
した。この接合部における接触抵抗を測定したところ、
1.0Ωであった。さらに、冷熱サイクル試験(70℃
1時間保持/マイナス40℃1時間保持)を50回及び
100回繰り返した後の接触抵抗値を測定したところ、
それぞれ、1.1Ω、1.1Ωであり、安定した導電性
能が得られていることが確認された。
【0027】(6)導電性材料としての評価 導電性樹脂粒子として、実施例2で得られたDを用いた
以外は、「(5)導電性材料としての評価」と同様の
方法で行った。接合後の接触抵抗を測定したところ、
0.6Ωであった。さらに、冷熱サイクル試験(70℃
1時間保持/マイナス40℃1時間保持)を50回及び
100回繰り返した後の接触抵抗値を測定したところ、
それぞれ、0.7Ω、0.7Ωであり、安定した導電性
能が得られていることが確認された。
【0028】実施例で得られた導電性粒子は、樹脂粒子
に対する金属粒子の被覆度合いが高いものであり、被覆
後の再凝集が発生せず、分散性に優れたものであった。
また、得られた導電性粒子を接着剤と混合して異方導電
性接着剤として用いたところ、冷熱サイクル試験後も良
好な導電性能を得ることができた。
【0029】
【発明の効果】本発明は、樹脂粒子と金属粒子とを媒体
中で周速15m/秒以上で回転する撹拌装置で処理する
ことを特徴とする導電性粒子の製造方法であり、従来の
金属メッキ法と比較すると、複数の処理工程や高精度な
制御を必要とせず、操作が容易な設備を用いて短時間で
処理できる。また、粒子濃度、撹拌速度、処理時間など
設備の運転条件設定を簡単に行えるため、樹脂粒子、金
属粒子の性状に適合した最適な被覆条件を容易に選択す
ることができ、工業的に導電性粒子を得るのに好適であ
る。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F070 AA13 AA15 AA18 AA32 AA44 AA45 AA46 AA47 AA50 AA54 AA55 AA58 AA59 AA71 AB00 AC06 AE06 DB04 DB08 DC01 DC11 DC12

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂粒子を金属粒子で被覆して得られる
    導電性粒子の製造方法であって、樹脂粒子と金属粒子と
    を媒体中で周速15m/秒以上で回転する撹拌装置で処
    理することを特徴とする導電性粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】 樹脂粒子がポリイミド樹脂粒子である請
    求項1記載の導電性粒子の製造方法。
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