JP2003031462A - 露光方法及び露光装置 - Google Patents

露光方法及び露光装置

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JP2003031462A
JP2003031462A JP2001212048A JP2001212048A JP2003031462A JP 2003031462 A JP2003031462 A JP 2003031462A JP 2001212048 A JP2001212048 A JP 2001212048A JP 2001212048 A JP2001212048 A JP 2001212048A JP 2003031462 A JP2003031462 A JP 2003031462A
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projection optical
calibration
optical system
correction amount
exposure
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Takakazu Muto
貴和 武藤
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 投影光学系のキャリブレーションに関する時
間を短縮し、生産性を向上できる露光方法及び露光装置
を提供する。 【解決手段】 露光装置EXは、露光光によりマスクM
のパターンを感光性基板Pに投影する投影光学系PL1
〜PL5と、投影光学系PL1〜PL5の結像特性を補
正するレンズ駆動部21と、投影光学系PL1〜PL5
の結像特性に関する情報を計測するアライメント顕微鏡
19と、アライメント顕微鏡19の計測結果に基づい
て、結像特性を補正する補正量を求めるアライメント処
理部18と、所定の計測時間間隔毎にアライメント顕微
鏡19での計測の実施を制御するとともに、アライメン
ト処理部18で求めた補正量と予め設定された設定値と
を比較し、比較の結果に基づいて計測時間間隔を変更す
る制御装置CONTとを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、露光光によりマス
クのパターンを投影光学系を介して基板に転写する露光
方法及び露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体素子、液晶表示素子、撮像素子
(CCD等)、薄膜磁気ヘッドなどのマイクロデバイス
を製造するためのフォトリソグラフィ工程では、例え
ば、ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影型露光
装置(ステッパ)、またはステップ・アンド・スキャン
方式の縮小投影型走査露光装置(スキャニング・ステッ
パ)などを用いて、感光性基板(半導体ウエハ、ガラス
プレート、セラミックウエハ)上に投影光学系を介して
マスクのパターンを転写している。
【0003】この種の投影光学系は、露光処理を継続し
て行うと、設置空間の圧力変化や露光光の照射熱などに
より、像位置、回転、倍率等の結像特性が経時的に変動
し、感光性基板上に転写されるパターンの像特性を変化
させる。したがって、従来より、投影光学系に含まれる
一部のレンズ群(光学素子)を駆動する機構や、一部の
レンズ間を密封して内部圧力を変更する機構等の補正部
を用いて結像特性の変化を調整する、いわゆるレンズキ
ャリブレーション(校正)を実行することで各種結像特
性を一定の精度保証範囲内に収めることが行われてい
る。従来、レンズキャリブレーションの実行は、感光性
基板に対する露光処理中に、一定基板処理枚数毎あるい
は一定時間間隔毎といったように、指定された実行間隔
で行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の露光装置には、以下のような問題が存在
する。投影光学系の結像特性が精度保証範囲に収まって
いる時間は、露光量(透過光量積分値)やその照射間隔
により変化する。つまり、露光量の変化あるいは照射間
隔の変化が大きい場合は、投影光学系の温度変化が大き
くなって結像特性の安定度が低下し、一方、露光量の変
化あるいは照射間隔の変動が小さい場合は、投影光学系
の結像特性の変動は少なくなって安定する。ところが、
上述したように、レンズキャリブレーションの実行は、
一定の基板処理枚数毎あるいは一定の時間間隔毎といっ
たように指定した実行間隔で行われていた。つまり、レ
ンズキャリブレーションの実行間隔は、上記のような結
像特性の種々の変動要因条件によらず、レンズ保証時間
が最も短い条件に合わせて行われていた。そのため、必
要以上の頻度でレンズキャリブレーションを実行してい
る場合が多く、レンズキャリブレーションに関する処理
時間が長くなって、生産効率を低下させる一因となって
いた。
【0005】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、投影光学系のキャリブレーション(校正)に関
する処理時間を短縮し、生産性を向上できる露光方法及
び露光装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め本発明は、実施の形態に示す図1〜図9に対応付けし
た以下の構成を採用している。本発明の露光方法は、露
光光によりマスク(M)のパターンを投影光学系(PL
1〜PL5)を介して基板(P)に転写する露光方法に
おいて、投影光学系(PL1〜PL5)の結像特性を所
定の計測時間間隔毎に計測する計測ステップと、結像特
性の計測結果に基づいて、投影光学系(PL1〜PL
5)を校正するための補正量を演算する演算ステップ
と、演算ステップにより求められた補正量に応じて、所
定の計測時間間隔を変更する変更ステップとを有するこ
とを特徴とする。
【0007】本発明によれば、投影光学系を校正をする
ための結像特性の計測動作の時間間隔を、この結像特性
を校正するために求めた補正量に応じて変更するので、
例えば、小さい補正量ですむ、あるいは校正を必要とし
ない場合には、校正をするための計測動作の間隔を長く
することができる。したがって、必要以上の頻度で校正
を行わなくてすむので、投影光学系の結像特性を一定の
精度保証範囲内に維持しつつ校正に関する全体の処理時
間を短縮できる。したがって、所定の精度を有する露光
処理を効率良く行うことができる。
【0008】本発明の露光装置(EX)は、露光光によ
りマスク(M)のパターンを投影光学系(PL1〜PL
5)を介して基板(P)に転写する露光装置において、
投影光学系(PL1〜PL5)の結像特性を補正する補
正部(21)と、投影光学系(PL1〜PL5)の結像
特性に関する情報を計測する計測部(19)と、計測部
(19)の計測結果に基づいて、結像特性を補正する補
正量を求める演算部(18)と、所定の計測時間間隔毎
に計測部(19)での計測の実施を制御するとともに、
演算部(18)で求めた補正量と予め設定された設定値
とを比較し、比較の結果に基づいて計測時間間隔を変更
する制御部(CONT)とを有することを特徴とする。
【0009】本発明によれば、結像特性を補正するため
に求めた補正量と予め設定された設定値とを比較し、比
較した結果に基づいて結像特性を計測する計測時間間隔
を変更するので、例えば、求めた補正量が設定値より小
さい場合、結像特性の変化が小さいということなので、
補正のための計測動作を長く変更することができる。こ
のように、求めた補正量に応じて計測動作を頻繁に行う
ことがなくなるので、補正に関する全体の処理時間を短
縮して、全体の処理効率を向上することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の露光方法及び露光
装置について図面を参照しながら説明する。図1は本発
明の露光装置の一実施形態を示す概略構成図である。ま
た、図2は本発明の露光装置を構成する投影光学系の投
影領域を示す平面図、図3は投影光学系の内部構成を示
す断面図、図4は本発明の露光装置を構成するマスクス
テージの平面図、図5は本発明の露光装置を構成する基
板ステージの平面図である。本実施形態における露光装
置は、マスクと感光性基板とを5つの投影光学系(光学
モジュール)に対して同期移動する走査型露光装置であ
る。
【0011】図1において、露光装置EXは、マスク
(レチクル)Mと感光性基板(基板)Pとを、並列する
複数の光路に対し同期移動してマスクMのパターンの像
を感光性基板Pに走査露光するものであって、露光光
(露光用照明光)でマスクMを照明する複数の照明光学
系IL1〜IL5(ただし図1においては、便宜上照明
光学系IL1に対応するもののみを示している)と、複
数の投影光学系(光学モジュール)PL1〜PL5と、
マスクMを支持するマスクステージMSTと、感光性基
板Pを支持する基板ステージPSTとを備えている。ま
た、上記複数の光路のそれぞれには、各照明光学系IL
1〜IL5及び各投影光学系PL1〜PL5が含まれて
いる。感光性基板Pは角形のガラスプレートにレジスト
(感光剤)を塗布したものである。ここで、以下の説明
において、投影光学系PL1〜PL5における光軸方向
をZ方向として、Z方向と直交する上記同期移動方向を
X方向、同期移動方向と直交する方向をY方向とする。
【0012】照明光学系IL1(IL2〜IL5)は、
各光路の露光光でマスクMの異なる照明領域を照明する
ものであって、露光用光源5と、光源5から射出した光
束を集光する楕円鏡6と、光路上に配置されたシャッタ
2と、視野絞り(不図示)と、レンズ系7とを主体とし
て構成されている。ここで、本実施形態では、この照明
光学系IL1と同じ構成の照明光学系IL2〜IL5
が、X方向とY方向とに一定の間隔をもって配置されて
いる。そして、マスクM上の異なる照明領域のそれぞれ
が、各照明光学系IL1〜IL5のそれぞれからの露光
光によって照明される構成になっている。
【0013】露光用光源5は、電源8から供給される電
力により光束を射出するようになっており、本実施形態
において光源5には水銀ランプが用いられ、露光光とし
ては、照明光学系IL内に配置された不図示の波長フィ
ルタにより選択され、露光に必要な波長であるg線(4
36nm)、h線(405nm)、i線(365nm)
などが用いられる。
【0014】シャッタ2は、各光路毎に、この光路を開
閉自在に設けられ、光路を遮蔽したときにこの光路から
の露光光を遮光して、光路を開放したときに露光光への
遮光を解除するものである。不図示の視野絞りは、露光
光の照明範囲を開口を介して調整するものである。
【0015】レンズ系7は、光源5から射出し楕円鏡6
で集光された光束をほぼ平行な光束に変換するインプッ
トレンズ、インプットレンズを通過した光束をほぼ均一
な照度分布の光束に調整して露光光に変換するフライア
イインテグレータ、フライアイインテグレータからの露
光光を集光してマスクMを均一な照度で照明するコンデ
ンサレンズ系、リレーレンズ系など複数の光学素子によ
って構成されており、マスクMを照明する露光光の照度
を均一に保持するとともに、視野絞りの開口の像をマス
クMの照明領域に結像させる。
【0016】投影光学系PL1〜PL5のそれぞれは、
マスクMの照明領域に応じた像を、図2に示すように、
感光性基板P上の台形状の異なる投影領域PA1〜PA
5のそれぞれに結像するものであって、いずれも等倍正
立像となっている。また、投影領域PA1〜PA5のそ
れぞれは、隣り合う領域どうし(例えば、PA1とPA
2、PA2とPA3)がX方向に所定量変位するよう
に、且つ隣り合う領域どうしが走査方向(同期移動方
向)と直交する方向であるY方向に互いに重複するよう
に配置されている。すなわち、各投影領域PA1〜PA
5は、走査露光が行われた際にY方向両端の三角形状の
位置A〜Kにおいて重複して投影されるようになってい
る。なお、投影領域PA1の+Y方向の位置Aおよび投
影領域PA5の−Y方向の位置Kは、1回目の走査露光
後、Y方向にステップ移動して2回目の走査露光を行う
際、投影領域を重複させるときに重複されるようになっ
ている。
【0017】したがって、投影光学系PL1〜PL5
は、上記投影領域PA1〜PA5の配置に応じてX方向
に所定量変位するとともに、Y方向に重複するように配
置されている。図3に示すように、投影光学系PL1〜
PL5のそれぞれは、プリズム9、レンズ群10、球面
反射鏡11がそれぞれZ方向に2段に配置された2段イ
ンミラーレンズ光学系モジュールから構成されている。
また、照明光学系IL1〜IL5のそれぞれも、マスク
M上の照明領域が上記の投影領域PA1〜PA5のそれ
ぞれに対応するように配置されている。
【0018】図1にもどって、マスクステージMST
は、パターン(例えば、液晶表示素子パターン)が描画
されたマスクMを吸着保持するものであって、一次元の
走査露光を行うべく走査方向(X方向)に長いストロー
クと、走査方向と直交する方向(Y方向)にステップ移
動をするための長いストロークとを有し、且つZ軸まわ
りに微少量回転可能になっている。マスクステージMS
TのX方向、Y方向の位置、及びZ軸まわりの回転量
は、不図示のレーザ干渉計によって正確に計測される。
【0019】図4に示すように、マスクステージMST
の走査方向片側(+X側)の上面には、Y方向に沿って
延在する指標板12が貼着されている。指標板12に
は、Y方向に一定の間隔で並ぶマーク12a〜12fが
形成されている。マーク12a〜12fは、上記投影領
域PA1〜PA5のそれぞれに2つ入る間隔で配置され
ている。具体的には、マーク12aが重複投影領域の位
置Aに対応し、マーク12bが同位置B、Cに対応し、
マーク12cが同位置D、Eに対応し、マーク12dが
同位置F、Gに対応し、マーク12eが同位置H、Jに
対応し、マーク12fが同位置Kに対応するように配置
されている。また、図1に示すように、マスクステージ
MSTは、このマスクステージMSTをX方向、Y方向
に移動させるとともに、Z軸まわりに回転させるマスク
ステージ駆動部MSTDを備えている。
【0020】基板ステージPSTは、感光性基板Pを吸
着保持するものであって、マスクステージMSTと同様
に、一次元の走査露光を行うべくX方向に長いストロー
クと、走査方向と直交する方向(Y方向)にステップ移
動するための長いストロークとを有し、且つZ軸まわり
に微少量回転可能になっている。基板ステージPSTの
X方向、Y方向の位置、及びZ軸まわりの回転量は、不
図示のレーザ干渉計によって正確に計測される。
【0021】図5に示すように、基板ステージPSTの
走査方向片側(+X側)の上面には、Y方向に沿って延
在する指標板14が貼着されている。指標板14には、
Y方向に一定の間隔で並ぶマーク14a〜14nが形成
されている。ここで、感光性基板Pは、マスクMのパタ
ーンを4つ転写可能な大きさを有しており、基板ステー
ジPST上のマーク14a〜14fは、投影領域PA1
〜PA5が感光性基板P上の+Y方向の転写領域に位置
するときに、マスクステージMSTの指標板12のマー
ク12a〜12fと対をなすように、このマーク12a
〜12fと同一の間隔で配置されている。また、基板ス
テージPST上のマーク14g〜14nは、投影領域P
A1〜PA5が感光性基板P上の−Y方向の転写領域に
位置するときに、マスクステージMSTの指標板12の
マーク12a〜12fと対をなすように、このマーク1
2a〜12fと同一の間隔で配置されている。また、図
1に示すように、基板ステージPSTは、この基板ステ
ージPSTをX方向、Y方向に移動させるとともに、Z
軸まわりに回転させる基板ステージ駆動部PSTDを備
えている。
【0022】そして、図1に示すように、これらマスク
ステージ駆動部MSTD、基板ステージ駆動部PSTD
は、ステージ制御部16に接続されている。ステージ制
御部16は、両駆動部MSTD、PSTDを制御するこ
とにより、マスクMと感光性基板Pとを投影光学系PL
1〜PL5に対して、任意の走査速度(同期移動速度)
でX方向に同期移動させるとともに、マスクステージM
STと基板ステージPSTとをY方向に適宜ステップ移
動させる構成になっている。
【0023】一方、図1に示すように、露光装置EXに
は、メインコントローラである制御装置(制御部)CO
NTの指示により、マスクステージMST上のマーク1
2a〜12f及び基板ステージPST上のマーク14a
〜14nを検出して、投影光学系PL1〜PL5の結像
特性を校正するためのアライメント装置(キャリブレー
ション装置)Sが付設されいる。アライメント装置S
は、投影光学系PL1〜PL5のそれぞれの結像特性に
関する情報を計測するアライメント顕微鏡(計測部)1
9と、アライメント顕微鏡19による計測結果が出力さ
れ、このアライメント顕微鏡19の計測結果に基づい
て、投影光学系PL1〜PL5の結像特性のそれぞれを
校正するための補正量を求めるアライメント処理部(演
算部)18と、アライメント処理部18で求めた補正量
に応じて、投影光学系PL1〜PL5のそれぞれの結像
特性を補正するレンズ駆動部(補正部)21と、アライ
メント顕微鏡19を駆動する顕微鏡駆動部20とを備え
ている。
【0024】投影光学系PL1〜PL5は、露光処理を
継続して行うと、設置空間の圧力変化や露光光の照射熱
などにより、像位置(シフト)、回転(ローテーショ
ン)、倍率(スケーリング)等の結像特性が経時的に変
動し、感光性基板P上に転写されるパターンの像特性を
変化させる。キャリブレーション装置Sは、投影光学系
PL1〜PL5に含まれるレンズ群(光学素子)を駆動
するレンズ駆動部(補正部)21を用いて結像特性の変
化を調整する、いわゆるレンズキャリブレーションを実
行することで、投影光学系PL1〜PL5の結像特性を
一定の精度保証範囲内に収めるものである。ここで、前
記補正量とは、アライメント顕微鏡19で計測した投影
光学系PL1〜PL5の結像特性を、前記精度保証範囲
内に収めるための調整量であり、レンズ駆動部21の駆
動量を含む。また、投影光学系PL1〜PL5の結像特
性を補正する補正部は、前記レンズ駆動部21の他に、
一部のレンズ間を密封して内部圧力を変更する機構(不
図示)を含む。
【0025】アライメント顕微鏡(計測部)19は、ハ
ーフミラー22を介してマスクステージMST上のマー
ク12a〜12f及び基板ステージPST上のマーク1
4a〜14nの像を撮像するものであって、マスクMと
共役な位置に配置されたCCDカメラ等で構成されてい
る。アライメント顕微鏡19の撮像信号は、アライメン
ト処理部(演算部)18に出力される。顕微鏡駆動部2
0は、アライメント処理部18の指示によりアライメン
ト顕微鏡19を駆動させるものである。これらアライメ
ント顕微鏡19及び顕微鏡駆動部20は、照明光学系I
L1〜IL5のそれぞれに設けられている。
【0026】レンズ駆動部21を含む補正部は、アライ
メント処理部18の制御により、投影光学系PL1〜P
L5の結像位置(シフト)、倍率(スケーリング)、回
転(ローテーション)等の結像特性をそれぞれの投影光
学系毎に調整するものである。具体的には、投影光学系
PL1〜PL5のそれぞれの結像位置(シフト)は、図
3に示すように、各投影光学系PL1〜PL5と感光性
基板Pとの間の光路に設けられ、露光光の光軸に対する
角度を変更できる平行平板ガラス23を回転させること
により調整される。また、投影光学系PL1〜PL5の
それぞれの倍率(スケーリング)、回転(ローテーショ
ン)は、不図示の調整機構(補正部)によりそれぞれ調
整される。例えば、投影光学系PL1〜PL5の倍率
は、各投影光学系のレンズ(光学素子)間の気体の圧力
を調整したり、この光学素子間の距離を調整することに
より変更することができる。
【0027】制御装置CONTは、ステージ制御部1
6、アライメント装置Sを制御する。また、制御装置C
ONTには、CRTなどの表示装置24が付設されてい
る。表示装置24は、制御装置CONTの指示により、
露光処理に関する情報や、レンズキャリブレーションに
関する情報を表示する。
【0028】次に、上述した構成を備える露光装置EX
の動作について、図6、図7に示すフローチャート図を
参照しながら説明する。図6はレンズキャリブレーショ
ンの手順を示すフローチャート図、図7は露光処理全体
の手順を示すフローチャート図である。
【0029】まず、キャリブレーション装置Sによるレ
ンズキャリブレーションに関する処理の具体的な手順の
第1実施形態について図6を参照しながら説明する。レ
ンズキャリブレーションに関する処理は、投影光学系P
L1〜PL5の結像特性を計測する計測ステップと、結
像特性の計測結果に基づいて、投影光学系PL1〜PL
5を校正するための補正量を演算する演算ステップと、
求めた補正量に応じて、投影光学系PL1〜PL5の結
像特性を校正する校正ステップとを有している。
【0030】まず、制御装置CONTがレンズキャリブ
レーションに関する処理の開始を指示する(ステップS
A1)。
【0031】制御装置CONTは、ステージ制御部16
を介して、マスクステージMST及び基板ステージPS
Tのそれぞれをマーク計測位置に移動する(ステップS
A2)。具体的には、まず、投影光学系PL1、PL
3、PL5の結像特性を計測するために、ステージ制御
部16の制御により、マスクステージMSTに設けられ
ている指標板12のマーク12a〜12f及び基板ステ
ージPSTに設けられている指標板14のマーク14a
〜14fが、投影光学系PL1、PL3、PL5の投影
領域PA1、PA3、PA5内で重なる位置(マーク計
測位置)にマスクステージMSTと基板ステージPST
とを移動させる。このとき、両マーク12a〜12f、
14a〜14fを、投影領域PA1、PA3、PA5内
の重複投影領域である位置A、B、E、F、J、Kに位
置させる。
【0032】次いで、制御装置CONTは、キャリブレ
ーション装置Sのアライメント顕微鏡19を用いて、マ
スクステージMSTの指標板12に設けられたマーク
と、基板ステージPSTの指標板14に設けられたマー
クとの相対値である位置ずれ量を計測し、投影光学系P
L1、PL3、PL5の結像特性を求める(ステップS
A3:計測ステップ)。すなわち、光源5からの露光光
によりマーク12a〜12fを、投影光学系PL1、P
L3、PL5を介してマーク14a〜14f上に結像さ
せ、この結像されたマーク12a〜12fの投影像とマ
ーク14a〜14fとを、アライメント処理部18が顕
微鏡駆動部20を介してアライメント顕微鏡19により
撮像させる。マスクステージMST上のマークと基板ス
テージPST上のマークとの相対値を計測することによ
って、投影光学系PL1、PL3、PL5のそれぞれの
結像特性(シフト、スケーリング、ローテーション)が
求められる。
【0033】アライメント顕微鏡19の計測結果はアラ
イメント処理部18に出力され、アライメント処理部
(演算部)18は、アライメント顕微鏡19による結像
特性の計測結果に基づいて、投影光学系PL1、PL
3、PL5のそれぞれを校正するための補正量を求める
(ステップSA4:演算ステップ)。アライメント処理
部(演算部)18は、撮像信号から両マーク12a〜1
2f、14a〜14fのX方向、Y方向の位置ずれ量Δ
X1,ΔY1を求める。アライメント処理部18は、ア
ライメント顕微鏡19による投影光学系の結像特性の計
測結果に基づいて、位置ずれ量ΔX1、ΔY1の2乗値
が最小となる値(目標値、目標位置)を求め、この目標
値に対する投影光学系のそれぞれを校正するための補正
量を求める。以上のようにして、投影光学系PL1、P
L3、PL5に関する計測処理、演算処理が行われる。
一方、投影光学系PL2,PL4の結像特性の計測を行
う際には、ステージ制御部16の制御により、マスクス
テージMSTと基板ステージPSTとを+X方向に移動
させて、マスクステージMSTの指標板12のマーク1
2b〜12e及び基板ステージPSTの指標板14のマ
ーク14b〜14eを投影光学系PL2、PL4の投影
領域PL2、PL4内で重なる位置に移動させる。この
とき、両マーク12b〜12e、14b〜14eを、投
影領域PA2、PA4内の重複投影領域である位置C、
D、G、Hに位置させる。そして、上記と同様の手順で
アライメント顕微鏡19により、結像されたマーク12
b〜12eの投影像とマーク14b〜14eとを撮像
し、アライメント処理部18により、両マーク12b〜
12e、14b〜14eのX方向、Y方向の位置ずれ量
ΔX2,ΔY2を求める。
【0034】制御装置(制御部)CONTは、アライメ
ント処理部18により複数の投影光学系PL1〜PL5
のそれぞれの求めた補正量と、予め設定された設定値と
を比較する(ステップSA5)。ここで、前記設定値と
は、投影光学系の結像特性を精度保証範囲に収めるため
の補正量に対して設定された許容値であって、必要とす
る補正量が設定値(許容値)以下である場合には、その
投影光学系は所定の精度で露光処理を行うことができる
よう予め設定された値である。設定値は、制御装置CO
NTの不図示の記憶部に記憶されている。
【0035】制御装置CONTは、前記補正量と前記設
定値とを比較した結果に基づいて、投影光学系PL1〜
PL5のそれぞれに対して校正するかどうかを決定す
る。すなわち、制御装置CONTは、求めた補正量に応
じて、投影光学系PL1〜PL5の結像特性を校正す
る。ここで、制御装置CONTは、前記設定値より大き
い補正量を要する投影光学系を校正する。必要とする補
正量が設定値より大きいということは、所定の精度で露
光処理を行うことができる結像特性を有していないとい
うことである。したがって、制御装置CONTは、投影
光学系PL1〜PL5の結像特性を計測し、結像特性を
精度保証範囲に収めるための補正量が設定値より大きい
投影光学系PL〜PL5に対してだけ校正を行うように
する。
【0036】設定値より大きい補正量を要する投影光学
系に対してだけ校正を行うに際し、制御装置CONT
は、設定値より大きい補正量を要する投影光学系の個数
Nを求める(ステップSA6)。次いで、制御装置CO
NTは、設定値より大きい補正量を要する投影光学系の
個数Nが0であるかどうかを判別する(ステップSA
7)。
【0037】ステップSA7において、設定値より大き
い補正量を要する投影光学系の個数Nが0であると判断
した場合、制御装置CONTはキャリブレーションに関
する処理を終了する(ステップSA12)。
【0038】一方、ステップSA7において、設定値よ
り大きい補正量を要する投影光学系の個数Nが0でない
と判断した場合、制御装置CONTは、設定値より大き
い補正量を要する投影光学系(すなわち校正を要する投
影光学系)に対して校正処理を行う。
【0039】ここで、制御装置CONTは、投影光学系
PL1〜PL5のうち校正を要する投影光学系(光学モ
ジュール)が複数ある場合、求めた補正量が大きい投影
光学系から順次校正処理を行う。すなわち、カウンタk
の初期値としてk=1とし(ステップSA8)、設定値
より大きい補正量を要するN個の投影光学系のうち、補
正量がk番目に大きい(すなわち、補正量が1番大き
い)投影光学系に対して校正処理を行う(ステップSA
9:校正ステップ)。校正処理では、レンズ駆動部(補
正部)21により、位置ずれ量ΔX1、ΔY1、ΔX
2、ΔY2の2乗値が最小となるように、投影光学系P
L1〜PL5の倍率、投影像の回転、像位置が校正され
る。このとき、複数の投影光学系PL1〜PL5の重複
投影領域における結像特性が校正される。
【0040】校正する際、倍率、回転については各調整
機構で調整し、像位置については平行平板ガラス23を
各投影光学系の位置ずれ量(補正量)に応じて回転し、
露光光の光軸に対する角度を調整する。ここで、平行平
板ガラス23の回転角(微小角)をθ(rad)、板厚
をt(mm)、屈折率をnとしたときに、像位置のシフ
ト量(補正量)ΔL(mm)は、次式で表される。 ΔL=(1−1/n)×t×θ … (1) したがって、(1)式から、 θ=ΔL×n/{(n−1)×t} … (2) が求められる。そして、(2)式により、計測された位
置ずれ量から平行平板ガラス23の回転角(補正量)を
求める。このとき、複数の投影光学系の重複投影領域に
おける結像特性も校正される。なお、平行平板ガラス2
3を用いた結像特性の校正方法は、特開平7−1832
12号等に記載されているため、ここでは詳細な説明を
省略する。なお、上記の位置ずれ量ΔX1,ΔY1、Δ
X2、ΔY2の計測は、投影光学系PL1、PL3、P
L5及びPL2、PL4の各列毎に個別に行われるが、
両ステージMST、PSTを移動して同一のマークを計
測に使用するため、各列では同じ基準で位置ずれ量が計
測され、隣接する投影領域の重複位置A〜Kにおける誤
差を正確に計測することができる。そのため、この誤差
が極小になるように投影光学系PL1〜PL5のそれぞ
れの結像特性を校正することにより、マスクM上に形成
されているパターンを正確に感光性基板P上に転写する
ことができるようになる。
【0041】そして、補正量がk番目に大きい投影光学
系に対する校正処理が終了したら、カウンタkが個数N
と等しいかどうかを判別し(ステップSA10)、k=
Nであると判断したら、設定値より大きい補正量を要す
るN個の投影光学系の全てに対して校正処理を行ったこ
とになるので、制御装置CONTは、レンズキャリブレ
ーションに関する処理を終了する(ステップSA1
2)。
【0042】一方、ステップSA10において、k=N
ではないと判断したら、カウンタk=k+1とし(ステ
ップSA11)、必要とする補正量が次に大きい(すな
わち、2番目に大きい)投影光学系に対して校正処理を
行う(ステップSA9)。このように、校正処理(校正
ステップ)において、複数の投影光学系PL1〜PL5
のそれぞれの結像特性の計測結果に基づく補正量の大小
に応じて、複数の投影光学系から選択的に結像特性の校
正を行う。
【0043】こうして、校正するための補正量が設定値
より大きい投影光学系(光学モジュール)のそれぞれに
対する校正処理が終了したら、制御装置CONTは、レ
ンズキャリブレーションに関する処理を終了する(ステ
ップSA12)。
【0044】次に、図7を参照しながら、露光光により
マスクMのパターンを投影光学系PL1〜PL5を介し
て感光性基板Pに転写する手順について説明する。オペ
レータから露光処理開始を指示されると(ステップS
1)、制御装置CONTは、露光処理準備として、レン
ズキャリブレーションに関する処理を行う(ステップS
2)。レンズキャリブレーションに関する処理は、前述
したように、マスクステージMST上のマーク12a〜
12f及び基板ステージPST上のマーク14a〜14
nを用いて投影光学系PL1〜PL5の結像特性を計測
する計測ステップと、結像特性の計測結果に基づいて、
投影光学系を校正するための補正量を演算する演算ステ
ップと、算出された補正量に応じて、投影光学系PL1
〜Pl5の結像特性を校正する校正ステップとを有して
いる。
【0045】レンズキャリブレーションに関する処理に
よって投影光学系PL1〜PL5のそれぞれの校正が終
了したら、マスクM及び感光性基板Pのそれぞれがマス
クステージMST及び基板ステージPSTのそれぞれに
搬入される。そして、アライメント処理部18がアライ
メント顕微鏡19によりマスクMと感光性基板Pとの相
対位置を検出し、ステージ制御部16がマスクステージ
MSTと基板ステージPSTとの少なくとも一方をステ
ップ移動させて露光位置を決める。その後、シャッタ2
を開くと、光源5からの露光光がレンズ系7によって視
野絞りの開口に応じた像を、ハーフミラー13を透過し
てマスクMの照明領域に結像する。マスクMの照明領域
に応じた像は、マスクMと感光性基板Pとが投影光学系
PL1〜PL5に対して同期移動することにより、投影
光学系PL1〜PL5を介して感光性基板P上の所定の
転写領域に等倍正立で投影されて転写されるといった露
光処理が行われる(ステップS3)。そして、再度基板
ステージPSTをステップ移動させた後に、上記と同様
にマスクMとガラス基板Pとを同期移動させることによ
り、感光性基板P上の他の転写領域にマスクMのパター
ンが転写される。
【0046】露光処理することによって、投影光学系P
L1〜PL5の結像特性は変化する。したがって、この
結像特性を一定の精度保証範囲に収めるように、第1回
目のキャリブレーションに関する処理(ステップS2)
から所定時間後、あるいは感光性基板Pを所定枚数露光
処理後、投影光学系PL1〜PL5のキャリブレーショ
ンに関する処理が再度行われる(ステップS4)。この
第2回目のキャリブレーションに関する処理も、投影光
学系PL1〜PL5の結像特性を計測する計測ステッ
プ、この計測ステップに伴う演算ステップ、校正ステッ
プを有している。
【0047】そして、第2回目のキャリブレーションに
関する処理(ステップS4)が終了したら、感光性基板
Pに対する露光処理が再開される(ステップS5)。そ
して、露光処理を行い、第2回目のキャリブレーション
に関する処理(ステップS4)から所定時間後、あるい
は感光性基板Pを所定枚数露光処理後、第3回目のキャ
リブレーションに関する処理が行われる(ステップS
6)。そして、第3回目のキャリブレーションに関する
処理が終了したら、露光処理が行われる(ステップS
7)。
【0048】このように、キャリブレーションに関する
処理と露光処理とは交互に行われ、キャリブレーション
に関する処理は、所定時間間隔毎あるいは所定基板枚数
を処理するのに要する時間間隔毎に行われるように設定
されている。すなわち、キャリブレーションに関する処
理のうち、投影光学系PL1〜PL5の結像特性を計測
する計測ステップは、所定の計測時間間隔毎(あるいは
所定基板枚数を処理するのに要する時間間隔毎)に行わ
れるように設定されている。ここで、制御装置CONT
は、所定の計測時間間隔毎にアライメント顕微鏡(計測
部)19での計測の実施を制御するとともに、アライメ
ント顕微鏡19による計測時間間隔を変更する機能を有
している。つまり、キャリブレーションのための計測時
間間隔は、制御装置(制御部)CONTによって設定さ
れるようになっている。
【0049】制御装置(制御部)CONTは、第1回目
のキャリブレーションに関する処理(ステップS2)に
おいて算出された補正量の小さい投影光学系、すなわ
ち、第1回目のキャリブレーションに関する処理におい
て算出された補正量が設定値より小さい投影光学系に関
しては、結像特性の変化が小さく安定しているため、第
2回目のキャリブレーションに関する処理(ステップS
4)において校正のための計測動作を行わない。すなわ
ち、制御装置CONTは、校正のための補正量が小さい
投影光学系に対しては、第2回目のキャリブレーション
に関する処理において、校正のための結像特性の計測処
理を行わずに、次の第3回目のキャリブレーションに関
する処理(ステップS6)において校正のための結像特
性の計測動作を行うようにキャリブレーション装置Sを
制御する。
【0050】すなわち、制御装置CONTは、補正量が
小さい場合には結像特性の計測時間間隔をあけるといっ
たように、演算ステップにより求められた補正量に応じ
て、所定の計測時間間隔を変更する。計測時間間隔の変
更(変更ステップ)は、アライメント処理部(演算部)
18で求めた校正するための前記補正量と予め設定され
た設定値とを比較し、この比較した結果に基づいて行わ
れる。
【0051】こうすることにより、複数ある投影光学系
PL1〜PL5のうち、校正のための補正量が小さく、
結像特性が精度保証範囲にある投影光学系に対しては、
第2回目のキャリブレーションに関する処理において計
測処理及びこれに伴う演算処理、校正処理を省略するこ
とができるので、キャリブレーションに関する全体の処
理時間を短縮することができる。特に、第1回目のキャ
リブレーションに関する処理(ステップS2)時におい
て、投影光学系PL1〜PL5の全ての補正量が設定値
以下であれば、第2回目のキャリブレーションに関する
処理の全てを省略できるので、レンズキャリブレーショ
ンに関する全体の処理時間は大幅に短縮される。
【0052】一方、所定の計測時間間隔毎に結像特性の
計測処理を行う際、第1回目のキャリブレーションに関
する処理時において算出された補正量が設定値より大き
い投影光学系に対しては、第2回目のキャリブレーショ
ンに関する処理時において結像特性の計測処理を行う。
【0053】以上説明したように、投影光学系を校正す
るための補正量を求め、この求めた補正量に応じて、結
像特性を計測するための計測時間間隔を変更するように
したので、その投影光学系に対して校正を要しない場合
には、この投影光学系に対する結像特性の計測処理、ひ
いては演算処理・校正処理を省略することができ、キャ
リブレーションに関する全体の処理時間を短縮すること
ができる。したがって、デバイスを製造する際の生産性
を向上することができる。
【0054】補正量が設定値より大きい投影光学系に対
してのみ校正を行うようにしたので、従来のように所定
時間間隔毎(あるいは所定基板枚数を処理するのに要す
る時間間隔毎)に全ての投影光学系に対して校正を行っ
ていた方法と違い、校正を行う投影光学系の数が減るの
で、レンズキャリブレーションに関する処理時間を短縮
でき、作業効率を向上することができる。そして、算出
した補正量に応じて投影光学系の結像特性を校正するこ
とにより、この投影光学系を用いた精度良い露光処理を
常に安定して行うことができる。
【0055】投影光学系の結像特性を精度保証範囲に収
めるための補正量に対して予め設定された設定値と前記
算出した補正値とを比較し、比較した結果に基づいて、
計測時間間隔を変更したり、校正を行うかどうかを決定
するようにしたことにより、投影光学系の結像特性を所
定の精度保証範囲に維持しつつ、キャリブレーションに
関する処理時間を短縮することができる。そして、補正
値が設定値に対して大きい投影光学系に対してだけ、結
像特性の計測処理及びこれに伴う校正処理を行うように
したことにより、校正が必要な投影光学系に対しては確
実に校正を行い、校正を要しない投影光学系に対しては
計測処理及び校正処理を省略することができるようにな
ったので、処理の負担を低減し、作業効率を向上するこ
とができる。
【0056】複数の投影光学系において、それぞれの投
影光学系のそれぞれの結像特性の計測結果に基づく補正
量の大小に応じて、複数の投影光学系から選択的に結像
特性を校正するようにしたことにより、処理の負担を低
減し、作業効率を向上することができる。
【0057】第1回目,第2回目,第3回目,…のキャ
リブレーションに関する処理を行っていくうちに、複数
ある投影光学系PL1〜PL5のうち、例えば投影光学
系PL2に関する補正量が増大するような場合において
は、この投影光学系PL2に関して校正をこまめに行う
必要があるので、他の投影光学系PL1,PL3,PL
4,PL5に関しては例えば計測時間間隔を基板処理枚
数10枚毎に校正を行うための計測処理を行っていたも
のを、投影光学系PL2に関しては基板処理枚数5枚毎
に計測処理を行うといったように、ある投影光学系の補
正量が所定の値より増大するような場合には、この投影
光学系に対して計測時間間隔を短縮することができる。
こうすることにより、所定の結像特性を有する投影光学
系を用いて、常に精度良く露光処理を行うことができ
る。このように、補正量が所定の値より増大するような
場合には、この投影光学系に対する結像特性の計測時間
間隔を短縮することにより、常に校正された状態での投
影光学系を用いて露光処理を行うことができるので、精
度良い露光処理を実現することができる。
【0058】次に、本発明に係るレンズキャリブレーシ
ョンに関する処理の具体的な手順の第2実施形態につい
て図8を参照しながら説明する。ここで、以下の説明に
おいて、上述した実施形態と同等あるいは同様の構成部
分についてはその説明を省略又は簡略するものとする。
第2の実施形態と第1の実施形態とが異なる点は、予め
所定の制限時間が設定され、校正処理(校正ステップ)
は、この制限時間内に実行される点である。
【0059】まず、制御装置CONTがレンズキャリブ
レーションに関する処理の開始を指示する(ステップS
B1)。制御装置CONTは、ステージ制御部16を介
して、マスクステージMST及び基板ステージPSTの
それぞれをマーク計測位置に移動する(ステップSB
2)。次いで、制御装置CONTは、アライメント装置
Sのアライメント顕微鏡19を用いて、マスクステージ
MSTの指標板12に設けられたマークと、基板ステー
ジPSTの指標板14に設けられたマークとの相対値で
ある位置ずれ量を計測し、投影光学系PL1〜PL5の
結像特性を求める(ステップSB3:計測ステップ)。
アライメント顕微鏡19の計測結果はアライメント処理
部18に出力され、アライメント処理部(演算部)18
は、アライメント顕微鏡19による結像特性の計測結果
に基づいて、投影光学系PL1〜PL5のそれぞれを校
正するための補正量を求める(ステップSB4:演算ス
テップ)。制御装置(制御部)CONTは、アライメン
ト処理部18により複数の投影光学系PL1〜PL5の
それぞれの求めた補正量と、予め設定された設定値とを
比較する(ステップSB5)。制御装置CONTは、設
定値より大きい補正量を要する投影光学系の個数Nを求
める(ステップSB6)。次いで、制御装置CONT
は、設定値より大きい補正量を要する投影光学系の個数
Nが0であるかどうかを判別する(ステップSB7)。
ステップSB7において、設定値より大きい補正量を要
する投影光学系の個数Nが0であると判断した場合、制
御装置CONTはキャリブレーションに関する処理を終
了する(ステップSB13)。
【0060】一方、ステップSB7において、設定値よ
り大きい補正量を要する投影光学系の個数Nが0でない
と判断した場合、制御装置CONTは、設定値より大き
い補正量を要する投影光学系(すなわち校正を要する投
影光学系)に対して校正処理を行う。ここで、制御装置
CONTは、投影光学系PL1〜PL5のうち校正を要
する投影光学系(光学モジュール)が複数ある場合、求
めた補正量が大きい投影光学系から順次校正処理を行
う。すなわち、カウンタkの初期値としてk=1とし
(ステップSB8)、設定値より大きい補正量を要する
N個の投影光学系のうち、補正量がk番目に大きい(す
なわち、補正量が1番大きい)投影光学系に対して校正
処理を行う(ステップSB9:校正ステップ)。
【0061】そして、補正量がk番目に大きい投影光学
系に対する校正処理が終了したら、カウンタkが個数N
と等しいかどうかを判別し(ステップSB10)、k=
Nであると判断したら、設定値より大きい補正量を要す
るN個の投影光学系の全てに対して校正処理を行ったこ
とになるので、制御装置CONTは、レンズキャリブレ
ーションに関する処理を終了する(ステップSB1
3)。
【0062】一方、ステップSB10において、k=N
ではないと判断したら、カウンタk=k+1とする(ス
テップSB11)。
【0063】そして、次に大きい(すなわち、2番目に
大きい)補正量を要する投影光学系に対して校正処理を
行う。このとき、レンズキャリブレーションに関する処
理を開始してからの時間が、予め設定されている制限時
間に達したかどうかを判別する(ステップSB12)。
ステップSB12において、制限時間に達していないと
判断した場合、制御装置CONTは、補正量が次に大き
い(すなわち、2番目に大きい)投影光学系に対して校
正処理を行う(ステップSB9)。一方、ステップSB
12において、制限時間に達したと判断した場合、制御
装置CONTは、レンズキャリブレーションに関する処
理を終了する(ステップSB13)。
【0064】以上のようにして、1回目のキャリブレー
ションに関する処理(図6ステップS2参照)が終了し
たら、感光性基板Pに対する露光処理(図6ステップS
3参照)が行われる。そして、前述したように、校正処
理するための投影光学系PL1〜PL5のそれぞれの結
像特性の計測処理が、所定の計測時間間隔毎(あるいは
所定基板枚数を処理するのに要する時間間隔毎)に行わ
れる。
【0065】ここで、第1回目のレンズキャリブレーシ
ョンに関する処理(ステップS2)において、制限時間
を超えてしまい、補正量が設定値より大きいにもかかわ
らず校正処理されなかった投影光学系は、第2回目のレ
ンズキャリブレーションに関する処理(ステップS4)
において、優先的に校正処理される。
【0066】以上説明したように、レンズキャリブレー
ションに関する処理を行う際、制限時間を予め設定して
おき、この制限時間内に校正処理を行うことによって、
キャリブレーションに関する全体の処理時間を短縮する
ことができる。したがって、デバイスの生産効率を向上
することができる。
【0067】そして、複数の感光性基板Pを基板ステー
ジ(露光処理位置)PSTに順次搬送して露光処理し、
レンズキャリブレーションに関する処理を所定基板処理
枚数あるいは所定時間間隔毎にする際、先の(第1回目
の)レンズキャリブレーションに関する処理時において
制限時間を超えて校正処理を施されなかった投影光学系
に対しては、次の(第2回目の)レンズキャリブレーシ
ョンに関する処理時において校正するので、投影光学系
の結像特性を確実に精度保証範囲内に収めることができ
る。この場合、先のレンズキャリブレーションに関する
処理時においては、必要とする補正量が大きい投影光学
系から順次校正処理しているので、たとえ、制限時間内
に校正処理を行われなかった投影光学系が存在しても、
この投影光学系は所定の精度保証を有しているので、露
光処理に悪影響を与えない。
【0068】なお、制限時間に達する前に、必要とする
補正量が設定値より大きいN個の投影光学系の全てを校
正し終えた際には、余った時間内で、補正量が設定値よ
り小さい投影光学系に対しても結像特性が目標値になる
ように校正を行うようにしてもよい。もちろん、制限時
間に達する前に、必要とする補正量が設定値より大きい
N個の投影光学系の全てを校正し終えた際には、レンズ
キャリブレーションに関する処理を終了して露光処理を
行うようにしてもよい。
【0069】レンズキャリブレーションに関する処理
は、複数の感光性基板Pを基板ステージ(露光処理位
置)PSTに順次搬送して露光処理する際、所定の時間
間隔毎あるいは所定の基板処理枚数毎に行われる。すな
わち、レンズキャリブレーションに関する処理は、第1
の感光性基板Pが基板ステージPSTから搬出された
後、第2の感光性基板Pが基板ステージPSTに搬入さ
れるまでの間に行われるが、第1の感光性基板Pと第2
の感光性基板Pとが搬入される時間間隔は変更すること
がある。したがって、校正処理の制限時間は、基板ステ
ージPSTに第1の感光性基板Pと第2の感光性基板P
とが搬送される時間間隔に応じて変更するようにしても
よい。例えば、レンズキャリブレーションに関する処理
がロットとロットとの間で行われる場合において、次の
ロットの感光性基板Pが搬入されるまでに時間がかかる
場合には、制限時間を長くするなど、感光性基板Pの搬
入状況に応じて、制限時間を変更することができる。逆
に、1つのロット内において搬入される第1の感光性基
板Pと第2の感光性基板Pとの間で校正処理を行う際に
は、制限時間を短く変更することができる。このよう
に、制御装置CONTは、基板ステージPSTに対する
感光性基板Pの搬入予定時刻に基づいて、制限時間を設
定することができる。
【0070】なお、第2実施形態における校正処理は、
必要とする補正量が大きい投影光学系から順次校正して
いるが、校正を要する投影光学系が複数ある場合、これ
ら複数の投影光学系を同時に校正するようにしてもよ
い。この場合、各々の投影光学系の結像特性が精度保証
範囲内に収まるように、校正処理は繰り返し行われるこ
とになるが、この場合も制限時間を予め設けておき、こ
の制限時間内に校正処理の繰り返しを行う構成とするこ
ともできる。
【0071】上記各実施形態において、複数の投影光学
系のうち、1本目の投影光学系の結像特性を計測して校
正し、2本目の投影光学系の結像特性を計測して校正す
る、といったように、校正を順次行うようにしてもよい
し、複数の投影光学系のそれぞれの結像特性を同時に計
測し、これら計測結果に基づいて複数の投影光学系のそ
れぞれに対する校正を同時に行うようにしてもよい。
【0072】なお、上記各実施形態においては、投影光
学系は複数の投影光学系(光学モジュール)を有してお
り、複数ある投影光学系のうち、校正するための補正量
が設定値より大きい投影光学系に対して校正を行うよう
に説明したが、投影光学系が1つである露光装置のキャ
リブレーション動作についても本発明のレンズキャリブ
レーション方法を適用できる。すなわち、図7に示すよ
うに、第1回目,第2回目,第3回目,…,といったよ
うに、所定の計測時間間隔を予め設定しておき、例え
ば、第1回目の計測処理時において校正するための補正
量が設定値より小さい場合には、この投影光学系は校正
処理を要しないと判断し、第2回目の計測動作時におい
ては、結像特性の計測処理(ひいてはこの計測結果に基
づいた演算処理、校正処理)を行わなわず、第3回目の
計測処理時に行うようにすれば、第2回目の計測処理を
行わなかった分、キャリブレーションに関する全体の処
理時間を短縮することができる。一方、第1回目の計測
処理時において算出された補正値が設定値より大きい場
合には、第2回目の計測動作時においても結像特性の計
測処理を行う。更に、第1回目,第2回目,第3回目,
…,と計測して行くにつれて、算出した補正量が増大す
るような場合には、キャリブレーションをこまめに行う
必要があるので、校正を行うための結像特性の計測動作
の時間間隔を短縮する。
【0073】上記実施形態において、校正のための補正
量は、複数のパラメータ(XシフトYシフト、Xスケー
リング、Yスケーリング、ローテーション)の最小自乗
値に基づいて設定されているが、例えばXシフトだけを
計測して校正するようにしてもよい。
【0074】また、5つのパラメータから補正値を求め
た後、精度保証範囲(目標値)に対して最も大きい誤差
を生じているパラメータ(例えばXシフト)に対しての
み校正を行うようにしてもよい。すなわち、5つパラメ
ータに基づく補正値を算出した場合、全てのパラメータ
(Xシフト、Yシフト、ローテーション、Xスケーリン
グ、Yスケーリング)のそれぞれを補正する補正部(レ
ンズ駆動部、アクチュエータ)を駆動せず、最も大きい
誤差を生じているXシフトを補正する補正部のみを駆動
するようにしてもよい。こうすることにより、補正部の
負荷を減らして校正処理時間を短縮することができる。
すなわち、重要と思われる誤差を補正する補正部、ある
いは制限時間内で処理できるであろう誤差を補正する補
正部のみを選択して駆動するようにすることができる。
【0075】なお、所定の基板枚数の目安として基板の
ロット単位としてもよい。又、時間間隔と所定の基板枚
数を処理するのに要する時間間隔とを併用して、どちら
かの時間間隔になった時にキャリブレーションを行うよ
うにしてもよい。又、時間間隔に基づいて行うがロット
の途中では行わないようにしてもよい。
【0076】上記各実施形態において、投影光学系の結
像特性を計測する際に用いる指標板(マーク)はマスク
ステージMST及び基板ステージPSTのそれぞれに設
けられている構成であるが、マスクMや感光性基板Pに
指標板(マーク)を設けてもよい。マスクMや感光性基
板Pに指標板を設けた場合、描画誤差が生じる場合があ
るが、この誤差分もレンズキャリブレーションで補正で
きる。
【0077】上記実施形態の露光装置EXとして、マス
クMと感光性基板Pとを同期移動してマスクMのパター
ンを露光する走査型の露光装置の他に、マスクMと感光
性基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを露光
し、感光性基板Pを順次ステップ移動させるステップ・
アンド・リピート型の露光装置に適用することもでき
る。
【0078】露光装置EXの用途としては角型のガラス
プレートに液晶表示素子パターンを露光する液晶用の露
光装置に限定されることなく、例えば、半導体製造用の
露光装置や、薄膜磁気ヘッドを製造するための露光装置
にも広く適当できる。
【0079】本実施形態の露光装置EXの光源1は、g
線(436nm)、h線(405nm)、i線(365
nm)のみならず、KrFエキシマレーザ(248n
m)、ArFエキシマレーザ(193nm)、F2レー
ザ(157nm)を用いることもできる。
【0080】投影光学系PLの倍率は、等倍系のみなら
ず縮小系および拡大系のいずれでもよい。
【0081】投影光学系PLとしては、エキシマレーザ
などの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石な
どの遠紫外線を透過する材料を用い、F2レーザやX線
を用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系にす
る。
【0082】基板ステージPSTやマスクステージMS
Tにリニアモータを用いる場合は、エアベアリングを用
いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス
力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもいい。また、
ステージは、ガイドに沿って移動するタイプでもいい
し、ガイドを設けないガイドレスタイプでもよい。
【0083】ステージの駆動装置として平面モ−タを用
いる場合、磁石ユニット(永久磁石)と電機子ユニット
のいずれか一方をステージに接続し、磁石ユニットと電
機子ユニットの他方をステージの移動面側(ベース)に
設ければよい。
【0084】基板ステージPSTの移動により発生する
反力は、特開平8−166475号公報に記載されてい
るように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に
逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露
光装置においても適用可能である。
【0085】マスクステージMSTの移動により発生す
る反力は、特開平8−330224号公報に記載されて
いるように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)
に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた
露光装置においても適用可能である。
【0086】以上のように、本願実施形態の露光装置
は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む
各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、
光学的精度を保つように、組み立てることで製造され
る。これら各種精度を確保するために、この組み立ての
前後には、各種光学系については光学的精度を達成する
ための調整、各種機械系については機械的精度を達成す
るための調整、各種電気系については電気的精度を達成
するための調整が行われる。各種サブシステムから露光
装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機
械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等
が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組
み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程
があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光
装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行わ
れ、露光装置全体としての各種精度が確保される。な
お、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理さ
れたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0087】半導体デバイスは、図9に示すように、デ
バイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設
計ステップに基づいたマスクを製作するステップ20
2、デバイスの基材である基板を製造するステップ20
3、前述した実施形態の露光装置によりマスクのパター
ンを基板に露光する基板処理ステップ204、デバイス
組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工
程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ20
6等を経て製造される。
【0088】
【発明の効果】請求項1に記載の露光方法によれば、投
影光学系を校正をするための結像特性の計測動作の間隔
を、この結像特性を校正するために求めた補正量に応じ
て変更するので、小さい補正量ですむ場合は校正をする
ための計測動作の間隔を長くすることによって校正に関
する全体の処理時間を短縮することができるとともに、
大きい補正量を必要とする場合は計測時間間隔を短くす
ることにより投影光学系の結像特性を一定の精度保証範
囲内に維持することができる。したがって、処理効率を
向上しつつ所定の精度を有する露光処理を行うことがで
きる。
【0089】請求項2に記載の露光方法によれば、変更
ステップは、補正量が所定の値より増大すると計測時間
間隔を短縮する構成なので、補正量が大きくなったら校
正のための計測動作をこまめに行うことができる。した
がって、投影光学系の結像特性を一定の精度保証範囲内
に維持することができる。
【0090】請求項3に記載の露光方法によれば、校正
のために求めた補正量に応じて、投影光学系の結像特性
を校正するので、補正量が小さい場合には校正を行わな
いなど、処理効率を向上することができる。したがっ
て、デバイスの生産性を向上することができる。
【0091】請求項4に記載の露光方法によれば、校正
ステップは、予め設定された制限時間内に実行されるの
で、投影光学系を所定の精度保証範囲に効率良く収める
ことができるとともに、処理効率を向上することができ
る。したがって、精度良い露光処理を効率良く実現する
ことができる。
【0092】請求項5に記載の露光方法によれば、複数
の光学モジュールを有する投影光学系に対して、複数の
光学モジュールのうち少なくとも一つの補正量に応じ
て、計測時間間隔を変更するので、複数の光学モジュー
ルの全ての結像特性を精度保証範囲に効率良く収めるこ
とができる。したがって、精度良い露光処理を安定して
行うことができる。
【0093】請求項6に記載の露光方法によれば、投影
光学系が複数の光学モジュールを有している際、それぞ
れの光学モジュールに対して算出された補正量の大小に
応じて、複数の光学モジュールから選択的に校正処理を
行うので、誤差の大きい光学モジュールに対して校正処
理を確実に行うことができるとともに、誤差の小さい光
学モジュールに対しては校正処理を省略することができ
るので、精度良い露光処理を効率良く行うことができ
る。
【0094】請求項7に記載の露光装置によれば、投影
光学系の結像特性を補正する際、演算部で求めた補正量
と予め設定された設定値とを比較し、この比較した結果
に基づいて計測時間間隔を変更するので、校正をするた
めの補正量が小さい投影光学系、すなわち、校正処理を
必要としない投影光学系に対しては校正処理を省略する
といったことができる。したがって、投影光学系の結像
特性を所定の精度に維持しつつ校正に関する全体の処理
時間を短縮することができ、精度良い露光処理を効率良
く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の露光装置の一実施形態を示す概略構成
図である。
【図2】本発明の露光装置を構成する投影光学系の投影
領域を示す平面図である。
【図3】本発明の露光装置を構成する投影光学系の内部
構造を示す断面図である。
【図4】本発明の露光装置を構成するマスクステージの
平面図である。
【図5】本発明の露光装置を構成する基板ステージの平
面図である。
【図6】本発明の露光方法のうちキャリブレーションに
関する処理の第1実施形態を示すフローチャート図であ
る。
【図7】本発明の露光方法を示すフローチャート図であ
って、露光処理全体を示す図である。
【図8】本発明の露光方法のうちキャリブレーションに
関する処理の第2実施形態を示すフローチャート図であ
る。
【図9】半導体デバイスの製造工程の一例を示すフロー
チャート図である。
【符号の説明】
18 アライメント処理部(演算部) 19 アライメント顕微鏡(計測部) 21 レンズ駆動部(補正部) CONT 制御装置(制御部) EX 露光装置 M マスク PL1〜PL5 投影光学系(光学モジュール) P 感光性基板(基板) S キャリブレーション装置(アライメント装置)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露光光によりマスクのパターンを投影光
    学系を介して基板に転写する露光方法において、 前記投影光学系の結像特性を所定の計測時間間隔毎に計
    測する計測ステップと、 前記結像特性の計測結果に基づいて、投影光学系を校正
    するための補正量を演算する演算ステップと、 前記演算ステップにより求められた前記補正量に応じ
    て、前記所定の計測時間間隔を変更する変更ステップと
    を有することを特徴とする露光方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の露光方法において、 前記変更ステップは、前記補正量が所定の値より増大す
    ると前記計測時間間隔を短縮することを特徴とする露光
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の露光方法におい
    て、 前記補正量に応じて、前記投影光学系の結像特性を校正
    する校正ステップを有することを特徴とする露光方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の露光方法において、 前記校正ステップは、予め所定の制限時間が設定され、
    該所定の制限時間内に実行されることを特徴とする露光
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の露光方
    法において、 前記投影光学系は、複数の光学モジュールを備え、 前記計測ステップは、前記複数の光学モジュールについ
    て計測し、前記複数の光学モジュールの少なくとも一つ
    の前記補正量に応じて、前記計測時間間隔を変更するこ
    とを特徴とする露光方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の露光方法において、 前記校正ステップは、前記複数の光学モジュールの計測
    結果に基づく補正量の大小に応じて、前記複数の光学モ
    ジュールから選択的に結像特性を校正することを特徴と
    する露光方法。
  7. 【請求項7】 露光光によりマスクのパターンを投影光
    学系を介して基板に転写する露光装置において、 前記投影光学系の結像特性を補正する補正部と、 前記投影光学系の結像特性に関する情報を計測する計測
    部と、 前記計測部の計測結果に基づいて、前記結像特性を補正
    する補正量を求める演算部と、 所定の計測時間間隔毎に前記計測部での計測の実施を制
    御するとともに、前記演算部で求めた補正量と予め設定
    された設定値とを比較し、該比較の結果に基づいて前記
    計測時間間隔を変更する制御部とを有することを特徴と
    する露光装置。
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