JP2003029917A - 座標入力装置 - Google Patents

座標入力装置

Info

Publication number
JP2003029917A
JP2003029917A JP2001214615A JP2001214615A JP2003029917A JP 2003029917 A JP2003029917 A JP 2003029917A JP 2001214615 A JP2001214615 A JP 2001214615A JP 2001214615 A JP2001214615 A JP 2001214615A JP 2003029917 A JP2003029917 A JP 2003029917A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
input
ultrasonic
detection
coordinate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001214615A
Other languages
English (en)
Inventor
Hajime Sato
肇 佐藤
Katsuyuki Kobayashi
克行 小林
Yuichiro Yoshimura
雄一郎 吉村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2001214615A priority Critical patent/JP2003029917A/ja
Publication of JP2003029917A publication Critical patent/JP2003029917A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 超音波方式の座標入力装置で超音波の反射波
の影響を排除ないし軽減して座標算出精度を向上する。 【解決手段】 座標の入力点からの超音波を検出したセ
ンサの検出信号12からそのエンベロープ121に対応
する信号13が取り出され、それを4階微分した信号1
6が生成される。更に、信号13のレベルが参照レベル
信号131以上である間だけ有効になるゲート信号13
2と信号16の比較によりエンベロープ121による超
音波検出タイミングを示すtg信号17が生成される。
一方、検出信号12からその位相122を示す位相信号
19が生成され、これと信号17を反転したゲート信号
171との比較により位相122による超音波検出タイ
ミングを示すtp信号20が生成される。tg信号17
とtp信号20による超音波検出タイミングのそれぞれ
に基づき入力点の座標が算出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、任意に指示された
座標入力点の座標を検出する座標入力装置に関し、特
に、超音波を利用して座標の検出を行なう超音波方式の
座標入力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、コンピュータが出力する各種情報
を表示する表示装置と、その表示画面を座標入力面とし
て表示画面上で入力ペン(ペン型の座標入力点指示手
段)により任意に指示された座標入力点(以下、入力点
と略す)の座標を検出して座標データをコンピュータに
出力する座標入力装置とから構成された情報入出力装置
がある。
【0003】この情報入出力装置を構成する表示装置に
は、CRT,LCD,PDP, プロジェクタ等があり、
近年では、LCDやPDP等のフラットパネルが表示性
能の向上や設置スペースの観点から表示装置市場でのシ
ェアを拡大している。
【0004】一方、座標入力装置は、タッチパネルやタ
ブレットと呼ばれ、入力ペンを用いて座標入力面の入力
可能領域の任意の入力点を指示(タッチ)すると、その
入力点の座標を検出し、接続されたコンピュータに座標
データを出力し、コンピュータが入力点を表示装置で表
示できるようにした装置である。
【0005】入力点の座標を検出する方式としては、抵
抗膜方式、電磁誘導方式、超音波方式が特に知られてお
り、ユーザーが価格、用途に応じて選択できるように多
種多様化してきている。特に、超音波方式は、電磁的な
ノイズに強く、コスト的にも安価であるという特徴を有
しているので、積極的な開発が進められている。
【0006】超音波方式には振動伝達板方式と空中超音
波方式がある。振動伝達板方式では、座標入力面を構成
する振動伝達板に対して、超音波を発生する振動子を備
えた入力ペンで指示された入力点から入力され振動とし
て伝わる超音波を振動伝達板の周辺部に設けられた複数
の超音波センサ(振動センサ)により検出し、その検出
タイミングに基づいて入力点の座標(2次元座標)を算
出する。
【0007】空中超音波方式では、座標入力面上の入力
点を指示する入力ペンから空中に放射された超音波を座
標入力面の周辺部に設けられた複数の超音波センサによ
り検出し、その検出タイミングに基づいて入力点の座標
を算出する。この方式では、座標入力面における入力点
のみならず、座標入力面から離れた空間内の入力点の3
次元座標を検出することもできる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の空中超音波方式
の座標入力装置では、空中に放射された超音波の減衰が
激しく、しかもその減衰は超音波周波数の2乗に比例す
るため、実用的にはある程度低い周波数帯域の超音波を
利用する。しかしながら、それでも超音波センサが超音
波を検出して出力する超音波検出信号は、微弱なもので
あり、そのまま信号処理を行うのには適していないた
め、前置増幅器を用いて増幅するのが一般的である。
【0009】この座標入力装置においては、超音波検出
信号のレベルが非常に大きく変動し、その影響を受けて
座標算出精度が劣化するという問題がある。その検出信
号のレベル変動の要因としては、超音波の伝達距離、入
力ペンの角度、各部品のばらつき等がある。通常、検出
信号を有効と判断するためのしきい値は、前記要因によ
るレベルの変動幅と、不要反射波のレベル、電磁的なノ
イズレベル、電源電圧を考慮して決定される。
【0010】また、不要反射波に関しては、図2に示す
ような座標入力装置の座標入力面からの反射波が主たる
ものであるが、座標入力装置の座標入力面から離れたと
ころから入力する場合は、入力ペンの極く近くに位置す
る例えば机などの不特定多数の物体からの反射波が存在
する。
【0011】このような反射波は、超音波を放射する入
力ペンの位置、すなわち座標の入力点から超音波センサ
までの超音波の伝達経路において直接波と反射波の伝達
経路の距離の差(以下、伝達経路差という)が大きい場
合は、超音波検出後の処理に影響しない。例えば使用周
波数が40kHzの場合、伝達経路差が数十mm(数波
長)あれば、反射波と直接波を分離でき、前記の処理に
影響しない。
【0012】しかし、伝達経路差が十分に得られない場
合には、反射波と直接波が重畳した超音波を検出してそ
の検出信号を処理してしまうため、誤検出となり、座標
算出精度が劣化してしまう。
【0013】一方、数十mmというような伝達経路差を確
保するとなると、入力ペンの超音波を発生する振動子の
位置や超音波センサの構成等において装置の設計の自由
度がなくなってしまうという問題がある。なお、この反
射波の影響と超音波検出信号のレベル変動の影響による
問題は、程度の差はあれ、振動伝達板方式の装置にも云
える。
【0014】本発明は上記のような問題に鑑みてなされ
たものであり、超音波方式の座標入力装置において、反
射波の影響および超音波検出信号のレベル変動の影響を
軽減ないし排除して、安定した座標算出精度が得られる
構成を提供することを課題としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明によれば、超音波発生手段を備えた座標入力
点指示手段により座標の入力点が指示されたときに前記
超音波発生手段から発せられた超音波を異なる複数の位
置に配置された複数の超音波検出手段により検出し、そ
の検出タイミングに基づいて前記入力点の座標を算出す
る座標入力装置において、前記超音波検出手段が出力す
る超音波検出信号から該信号のエンベロープに対応する
エンベロープ信号を取り出すエンベロープ検出手段と、
前記エンベロープ信号を4階以上微分して微分信号を出
力する微分手段と、前記エンベロープ信号の信号レベル
が所定の閾値レベルを上回る間だけ有効になる第1のゲ
ート信号を生成する第1のゲート信号生成手段と、前記
微分信号と第1のゲート信号を比較し、その比較結果に
基づいて前記超音波検出信号のエンベロープから検出し
た超音波検出タイミングを示す第1の検出タイミング信
号を生成する第1の検出タイミング信号生成手段と、前
記第1の検出タイミング信号が有効な間だけ有効になる
第2のゲート信号を生成する第2のゲート信号生成手段
と、前記超音波検出信号から該信号の位相を示す位相信
号を生成する位相信号生成手段と、前記第2のゲート信
号と前記位相信号を比較し、その比較結果に基づき前記
超音波検出信号の位相から検出した超音波検出タイミン
グを示す第2の検出タイミング信号を生成する第2の検
出タイミング信号生成手段を有し、前記第1と第2の検
出タイミング信号による超音波検出タイミングのそれぞ
れに基づいて前記入力点の座標を算出する構成を採用し
た。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の実施
の形態を説明する。ここでは、2つの実施形態を説明す
る。
【0017】[第1の実施形態]本発明の第1の実施形
態として、空中超音波方式の座標入力装置で、座標入力
面上で指示された入力点の2次元座標(x,y)を算出
する装置の実施形態を図1〜図7により説明する。
【0018】<全体構成の説明(図1)>まず、本実施
形態の装置の全体構成を図1により説明する。
【0019】図1において、1は演算制御回路であり、
座標入力装置全体を制御すると共に、座標入力面上で指
示された入力点の座標を算出してコンピュータ等のホス
ト装置4にシリアルケーブル等を通じて出力する。
【0020】2は光送受信回路であり、後述する入力ペ
ン21から発光される光信号を検出したり、また、入力
ペン21の動作を制御する光信号としての入力ペン制御
信号を送信したりする。
【0021】3は信号処理回路であり、光送受信回路2
で検出された光信号を処理し、そのデータを演算制御回
路1に出力したり、演算制御回路1から出力される入力
ペン制御信号をパルス列に変換し、光送受信回路2に出
力したりする。
【0022】5はプロジェクタ等の画像投射装置であ
り、ホスト装置4が出力する各種の画像情報による画像
をアクリルや塩化ビニル等からなるスクリーン8に投射
する。スクリーン8の表面が表示面であるとともに座標
入力装置の座標入力面となっている。
【0023】21は、装置の使用者が座標入力面上の所
望の入力点を指示して座標入力を行なうためのペン型の
座標入力点指示手段としての入力ペンである。この入力
ペン21による座標入力は、座標入力面としてのスクリ
ーン8の表面において符号7で示す有効エリア内の所望
の入力点を入力ペン21のペン先で指示する(タッチす
る)ことで行う。
【0024】スクリーン8の表面において有効エリア7
の外側の周辺部の四隅には、超音波による機械的振動を
電気信号に変換して超音波を検出する圧電素子などから
なる超音波センサ6a〜6dが固定されている。
【0025】9は、センサ信号処理回路であり、各超音
波センサ6a〜6dが超音波を検出して出力する超音波
検出信号を処理して、各センサ6a〜6dの超音波の検
出タイミング(各センサへの超音波の到達タイミング)
を示す検出タイミング信号を生成し、それぞれを演算制
御回路1に出力する。
【0026】演算制御回路1は、その信号による各セン
サの超音波の検出タイミングに基づいて、入力ペン21
により指示された座標入力面上の入力点の2次元座標
(x、y)を後述のように算出し、ホスト装置4に出力
する。
【0027】ホスト装置4は入力された座標の情報を画
像情報として画像投射装置5に出力し、それにより画像
投射装置5が画像をスクリーン8に投射し、スクリーン
8の入力点の位置にドットなどが表示される。
【0028】<入力ペン21と超音波センサ6a〜6d
の説明(図2)>次に、入力ペン21及び超音波センサ
6a〜6dについて図2により説明する。
【0029】図2において、入力ペン21に内蔵された
超音波発生手段としての振動子25は振動子駆動回路2
4により駆動される。同回路24からの電気的な駆動信
号は振動子25によって機械的な超音波振動に変換さ
れ、その超音波がアルミ等の金属で構成される円錐形の
反射材27で反射され、超音波通過窓28から空気中に
放射される。
【0030】振動子25は、厚さ方向に振動する圧電振
動子の前面に音響整合層26を設けたものである。音響
整合層26はシリコンゴム等を薄層化したもので、空気
との音響インピーダンスの整合をとり、高感度で広帯域
特性が得られるようにし、またパルス応答性のよい超音
波信号の送信を可能としている。
【0031】超音波通過窓28から空気中に放射された
超音波は、超音波センサ6a〜6d(図2では6aのみ
図示)上に設けられた金属からなる円錐形の反射材21
1で反射されて超音波センサ6a〜6dで検出され、そ
の超音波検出タイミング(超音波到達タイミング)に基
づいて後述のように入力点の座標が算出される。
【0032】振動子駆動回路24は、振動子25をその
共振周波数の所定の発数でパルス駆動すると同時に、入
力ペン21に設けられた赤外LED等の発光素子22に
所定の周波数で変調した発光タイミング信号を送信す
る。
【0033】なお、振動子駆動回路24は電池23を電
源として動作する。電池23は、アルカリ乾電池等の1
次電池、またはニッケル水素電池等の2次電池であり、
交換可能となっている。振動子駆動回路24は、電池2
3の出力電圧を電源電圧として動作して、振動子25の
パルス駆動電圧も電源電圧と同じ電圧値で駆動される。
出力レベルを上げたい場合は、昇圧トランス等を介して
振動子25を電源電圧よりも高い電圧で駆動することも
可能である。しかし、消費電流が大きくなるので、電池
寿命の観点では不利である。
【0034】<全体の動作の説明>次に座標入力装置全
体の動作について説明する。上述のように、入力ペン2
1内の振動子駆動回路24は、振動子25を駆動するの
と同時に発光素子22に所定の周波数で変調した発光タ
イミング信号を出力し、それに応じた光信号を発光させ
る。その光信号が光送受信回路2で検出され、信号処理
回路3で復調処理された後、演算制御回路1に対して、
超音波センサ6a〜6dに伝達される超音波の伝達時間
の計時をスタートさせるスタートタイミング信号として
入力される。
【0035】演算制御回路1は、信号処理回路3からの
スタートタイミング信号により内部タイマ(カウンタで
構成されている)による振動伝達時間の計時を開始させ
る。そして、入力ペン21の振動子25から発生した超
音波は、座標入力面上で入力ペン21により指示された
入力点(厳密に云うと振動子25の位置)から超音波セ
ンサ6a〜6d迄の距離に応じた伝達時間だけ遅延して
各超音波センサに到達して検出され、その検出信号が各
超音波センサからセンサ信号処理回路9に入力される。
【0036】センサ信号処理回路9は各超音波センサ6
a〜6dからの検出信号に対して後述する信号処理を行
ない、各超音波センサの超音波検出タイミング(各超音
波センサへの超音波の到達タイミング)を示す超音波検
出タイミング信号を生成し、演算制御回路1に入力す
る。
【0037】演算制御回路1はその信号のそれぞれが入
力された時点で内部タイマで計時されている時間を各超
音波センサ6a〜6dまでの超音波の伝達時間とし、そ
のデータに基づいて入力ペン21で指示された入力点の
座標を算出する。そして、演算制御回路1は、算出した
入力点の座標情報をホスト装置4に入力し、ホスト装置
4は入力された座標情報に基づいて画像投射装置5によ
る画像の表示を制御したりする。
【0038】<演算制御回路1の説明(図3)>次に、
演算制御回路1の構成と動作を図3のブロック図により
説明する。図中31は演算制御回路1及び本座標入力装
置全体を制御するマイクロコンピュータであり、制御処
理を行う主体となるCPU311、その制御プログラム
を格納したROM312、ワーキングエリアとして計算
等に使用するRAM313、及び定数等を記憶する不図
示の不揮発性メモリ等によって構成されている。
【0039】32a〜32dは不図示の基準クロックを
カウントして計時を行なうタイマを構成するカウンタで
あり、超音波センサ6a〜6dのそれぞれに対応し、そ
れぞれへの超音波の伝達時間の計時を行なう。カウンタ
32a〜32dは、入力ペン21において振動子25の
駆動開始と同時に発光素子22から発せられる光信号が
光送受信回路2で検出され、信号処理回路3を介してス
タートタイミング信号が演算制御回路1に入力される
と、起動されて計時のカウントを開始する。これによっ
て、計時開始と振動子25からの超音波の発生との同期
が取られ、超音波センサ6a〜6dにより超音波が検出
されるまでの入力点からの超音波の伝達時間を測定でき
ることになる。
【0040】超音波センサ6a〜6dが超音波を検出す
ると、その検出信号がセンサ信号処理回路9に入力さ
れ、各超音波センサ6a〜6dの超音波検出タイミング
信号が生成され、検出タイミング信号入力回路34を介
してカウンタ32a〜32dに入力される。そして、カ
ウンタ32a〜32d内において超音波検出タイミング
信号の入力時点での時間のカウント値のデータが各超音
波センサ6a〜6dへの超音波伝達時間のデータとして
不図示のラッチ回路にラッチされる。
【0041】そして、超音波センサ6a〜6dの全ての
超音波検出タイミング信号の受信がなされたことを判定
回路33が判定すると、マイクロコンピュータ31にそ
の旨の信号を出力する。その信号に応じて、マイクロコ
ンピュータ31は、カウンタ32a〜32dのラッチ回
路から各超音波センサ6a〜6dまでの伝達時間の計時
データを読み取る。そして、この計時データに基づいて
後述の演算を行なってスクリーン8上の入力ペン21に
よる入力点の座標を算出する。
【0042】なお、上記の超音波検出タイミング信号に
は、実際には後述のように超音波センサ6a〜6dの検
出信号のエンベロープの処理により生成されるタイミン
グ信号と、位相の処理により生成されるタイミング信号
があり、このそれぞれにより2種類の伝達時間が計時さ
れ、それぞれに基づいて入力点の座標が算出される。
【0043】マイクロコンピュータ31は、このように
算出した座標の情報をI/Oポート35を介してホスト
装置4に出力する。ホスト装置4は、入力された座標情
報に応じて画像情報を画像投射装置5に出力し、スクリ
ーン8上の入力ペン21による入力点の位置にドット等
を表示させることができる。あるいはI/Oポート35
と他の外部機器用のインターフェース回路を介して、他
の外部機器に座標情報を出力することができる。
【0044】<センサ信号処理回路9と信号処理の説明
(図4,図5)>次に、センサ信号処理回路9の構成、
その信号処理、及びそれに基づく各超音波センサ6a〜
6dまでの超音波伝達時間の検出について図4のブロッ
ク図と図5のタイミングチャート図により説明する。な
お、以下では超音波センサ6aのためのセンサ信号処理
回路9の構成と信号処理について説明するが、他の超音
波センサ6b〜6dについても図4と同じ構成がそれぞ
れに設けられ、それぞれで全く同様の信号処理がなされ
ることは勿論である。
【0045】既に説明したように、入力ペン21による
入力点から超音波センサ6aへの超音波の伝達時間の計
時は、信号処理回路3から演算制御回路1へのスタート
タイミング信号の出力によりカウンタ32aで開始され
る。このとき、入力ペン21内の振動子駆動回路24か
ら振動子25へ駆動信号11が印加される。図5に示す
ように、駆動信号11は短い(例えば1発の)矩形パル
スである。駆動信号11を短いパルスとする理由は、検
出すべき超音波(直接波)と不要反射成分との干渉(重
畳)による誤検出を防ぎ、装置全体の小型化を図るため
である。
【0046】この駆動信号11によって、入力ペン21
の振動子25が駆動され、超音波が空中に放射される。
その超音波は入力ペン21の入力点(厳密に云うと振動
子25の位置)から超音波センサ6aまでの距離に応じ
た伝達時間をかけて空中を進行した後に超音波センサ6
aで検出される。
【0047】このときに超音波を検出した超音波センサ
6aの検出信号を図5中で符号12で示してある。この
検出信号12が図4に示すセンサ信号処理回路9の超音
波センサ6a用の構成に入力され、まず前置増幅回路4
01で増幅された後、図5に示す検出信号12の波形の
エンベロープ(包絡線)121と位相122のそれぞれ
についてエンベロープ検出回路402以下の信号処理系
とバンドパスフィルタ408以下の信号処理系で別々に
処理される。
【0048】まず、エンベロープ121については、エ
ンベロープ検出(検波)回路402により検出信号12
からその波形のエンベロープ121に対応するエンベロ
ープ信号13が検波により取り出される。そのエンベロ
ープ信号13はゲート信号生成回路406に入力され
る。ゲート信号生成回路406は、エンベロープ信号1
3と参照レベル信号131を比較して、エンベロープ信
号13の信号レベルが参照レベル信号131の所定の参
照レベル(閾値レベル)を上回る間だけ有効(ローレベ
ル)になるゲート信号132を出力する。
【0049】また、エンベロープ信号13はエンベロー
プ4階微分回路404に入力されて4階微分され、4階
微分信号16が生成される。この4階微分信号16がゲ
ート信号132とともに、微分信号コンパレータ405
に入力される。
【0050】このコンパレータ405は、4階微分信号
16とゲート信号132を比較し、ゲート信号132が
開いている有効な間、すなわちエンベロープ信号13の
信号レベルが参照レベル信号131以上の間であってゲ
ート信号132がローレベルの間で、4階微分信号16
の波形が破線で示すゼロレベル以下になる間だけ有効
(ハイレベル)になるtg信号17を生成する。このt
g信号17が最初に有効になる最初の立ち上がり時点
は、ゲート信号132が有効な間で、4階微分信号16
の波形が最初に正側から負側へゼロレベルにクロスする
ゼロクロス点に対応している。すなわち、tg信号17
は、ゲート信号132が有効な間における4階微分信号
16の波形の最初のゼロクロス点を検出信号12のエン
ベロープ121による超音波の検出点として検出して、
その検出時点で有効になる信号であり、これがエンベロ
ープ121から検出した超音波の検出タイミングを示す
超音波検出タイミング信号として演算制御回路1に入力
される。
【0051】演算制御回路1では、tg信号17の入力
時点でカウンタ32aのカウント値のデータがラッチさ
れ、そのカウント値による時間、すなわち入力ペン21
の振動子25の駆動信号11の立ち上がり時点からtg
信号17の最初の立ち上がり時点までの時間tgが検出
信号12のエンベロープ121から検出した超音波セン
サ6aまでの超音波の伝達時間とされる。
【0052】一方、超音波センサ6aの検出信号12の
位相122についての処理では、まず検出信号12が狭
帯域のバンドパスフィルタ408によって所定幅の周波
数成分の信号18にされ、さらにスライス回路409に
よって、所定の振幅レベル以下に波形がスライス(波形
のレベル圧縮)される。そして、スライス回路409の
出力信号が検出信号12の位相を示す位相信号19とし
て位相信号コンパレータ410に入力される。
【0053】また、微分信号コンパレータ405から出
力されるtg信号17がゲート信号生成回路407に入
力されて反転され、ゲート信号171が生成される。こ
のゲート信号171はtg信号17に対応し、tg信号
17が有効(ハイレベル)な間だけ開く(有効なローレ
ベルになる)信号である。このゲート信号171も位相
信号コンパレータ410に入力される。
【0054】コンパレータ410は、位相信号19とゲ
ート信号171を比較して、ゲート信号171が開いて
いる有効なローレベルの間(tg信号17が有効な間)
の位相信号19の部分を取り出し、それを位相122か
ら検出した超音波検出タイミングを示す超音波検出タイ
ミング信号であるtp信号20として出力する。
【0055】このtp信号20が演算制御回路1に入力
される。このtp信号20のパルスの内で最初のパルス
の立ち上がり時点、すなわちtp信号20が最初に有効
になる時点が位相122から検出した超音波の検出時点
とされ、この時点でカウンタ32aのカウント値のデー
タがラッチされ、そのカウント値による時間、すなわち
入力ペン21の振動子25の駆動信号11の立ち上がり
時点からtp信号20の最初のパルスの立ち上がり時点
までの時間tpが位相122から検出した超音波センサ
6aまでの超音波の伝達時間とされる。
【0056】<入力点と超音波センサ間の距離算出の説
明>次に、上記のようにして計時された超音波の伝達時
間tg,tpに基づいて演算制御回路1で行なわれる入
力ペン21の入力点と超音波センサ6a〜6dの間の距
離の算出について説明する。なお、以下では、座標入力
面上で入力ペン21のペン先により指示される入力点の
位置と振動子25の位置を実質的に同一と見なして説明
する。
【0057】本実施形態の装置で用いられている超音波
は、空中を伝わるため、超音波センサ6a〜6dの検出
信号12の波形のエンベロープ121と位相122の関
係は、超音波の伝達距離に関わらず一定である。ここで
エンベロープ121の進む速度、即ち群速度をVg、そ
して位相122の進む速度、即ち位相速度をVpとす
る。この群速度Vg及び位相速度Vpから入力ペン21
の入力点と超音波センサ6a間の距離を検出することが
できる。
【0058】まず、エンベロープ121にのみ着目する
と、その速度はVgであり、エンベロープ121の波形
上の特定点(本実施形態ではゲート信号132が開いて
いる間の4階微分信号16の最初のゼロクロス点)の検
出時点までの超音波の伝達時間を先述したtgとして、
入力ペン21による入力点と超音波センサ6aの間の距
離dは、 d=Vg・tg (1) で与えられる。この式は超音波センサ6aのみに関する
ものであるが、同じ式により他の3つの超音波センサ6
b〜6dと入力点の距離も同様にして表すことができ
る。
【0059】しかし、距離dに対する時間tgの線形性
が良いとはいえないので、より高精度な座標決定をする
ために、先述のように検出信号12の位相122から検
出した超音波検出タイミングによる超音波伝達時間tp
に基づく処理を行なう。この伝達時間tpと位相速度V
pから、超音波センサ6aと入力点の間の距離dは、 d=n・λp+Vp・tp (2) となる。ここでλpは超音波の波長、nは整数である。
前記(1)式と(2)式から上記の整数nは、以下の(3),
(3)′式により求めることができる。
【0060】 n=int[(Vg・tg−Vp・tp)/λp+1/2] (3) V=Vg=Vpより n=int[V・(tg−tp)/λp+1/2] (3)′ ここで、エンベロープによる伝達時間tgの距離dに対
する線形性が良いとは言えず、式(3)′において整数化
を実行しているのはこのためである。正確な整数nを求
めるための必要十分条件は次の式(4)から導出される式
(5)に示され、 n*=V・(tg−tp)/λp (4) ΔN=n*−n≦0.5 (5) つまり、発生する誤差量が±1/2波長以内であれば、
エンベロープによる伝達時間tgの線形性が良くなくて
も、整数nを正確に決定することができる事を示すもの
である。上記のようにして求めたnを(2)式に代入する
ことで、入力ペン21の入力点と超音波センサ6a間の
距離dを精度良く算出することができる。他の超音波セ
ンサ6b〜6dのそれぞれと入力点の間の距離も全く同
様にして精度良く算出することができる。
【0061】<座標算出の説明(図6)>次に、上記の
ように算出した入力点と超音波センサ6a〜6dの間の
距離に基づく入力点の座標の算出について図6により説
明する。
【0062】図6に示すスクリーン8の表面、すなわち
座標入力面において四隅の符号Sa〜Sdの位置に4つ
の超音波センサ6a〜6dを設けると、先に説明した超
音波検出タイミングによる伝達時間に基づいて、演算制
御回路1で入力ペン21の入力点Pから各々の超音波セ
ンサ6a〜6dの位置Sa〜Sdまでの直線距離da〜
ddを算出することができる。
【0063】更に演算制御回路1において、直線距離d
a〜ddに基づき、入力点Pの座標(x,y)を3平方
の定理から次の式(6),(7)から求めることができる。
【0064】 x=(da+dd)・(da−dd)/2X (6) y=(da+db)・(da−db)/2Y (7) ここでX,Yはそれぞれ超音波センサ6a,6d間の距
離と超音波センサ6a,6b間の距離である。以上のよ
うにして入力ペン21の入力点の座標をリアルタイムで
算出することができる。
【0065】なお、上記計算は入力点Pと3つの超音波
センサの間の距離情報を用いて可能であるが、本実施形
態では4個の超音波センサが設置されているので、残り
の1個の超音波センサと入力点P間の距離情報を上記の
計算で算出した座標の確からしさの検証に用いてもよ
い。
【0066】また、例えば入力点Pとの距離Lが最も大
きくなった超音波センサの距離情報(距離Lが大きくな
るので超音波検出信号レベルが低下しノイズの影響を受
ける確率が大きくなる)を用いず、残りの3個の超音波
センサの距離情報で座標を算出しても良い。
【0067】また、後述する理由により、ある超音波セ
ンサの近傍の入力点の座標算出では、その超音波センサ
の距離情報は用いず、他の3個の距離情報用いて算出す
るようにしてもよい。
【0068】また、本実施形態では4個の超音波センサ
を配置しているが、製品スペックに応じてセンサの個数
が設定されることは言うまでもない。
【0069】以上のような本実施形態によれば、図5に
示したように超音波センサの超音波検出信号12のエン
ベロープ121による超音波検出時点であるtg信号1
7の最初の立ち上がり時点と、位相122による超音波
検出時点であるtp信号20の最初のパルスの立ち上が
り時点は、エンベロープ信号13のピークより前であ
る。すなわち、検出信号12のエンベロープ121のピ
ークより前の部分は、超音波の反射波の成分が重畳して
いないか、重畳していても少ないが、そのピークより前
の部分の処理で超音波検出タイミングが得られるので、
反射波の影響を排除ないし低減して、超音波検出を高精
度に行なえる。したがって伝達時間tg,tpの計時を
高精度に行なえ、それに基づく、入力点と超音波センサ
間の距離の算出、座標算出を高精度に行なうことができ
る。
【0070】このような本実施形態の装置の性能を実験
で確認した結果を図7により説明する。図7は、本実施
形態と従来例のそれぞれの装置の構成で先述したエンベ
ロープによる超音波の検出と伝達時間tgの計時に基づ
いて入力ペンの入力点と超音波センサの間の距離Lを測
定(算出)した結果の距離Lと測定誤差ΔLの関係を示
している。
【0071】なお従来例では、図4のセンサ信号処理回
路の構成において、エンベロープ4階微分回路404の
代わりに、エンベロープ121の変曲点を検出する変曲
点検出回路(2階微分回路)を用い、その出力信号(図
5中に符号15で示してある)においてゲート信号13
2が開いている間の最初のゼロクロス点の時点を超音波
検出時点としている。
【0072】図7からわかるように、本実施形態では、
従来例に比べて、概ね距離Lの全般において測定誤差Δ
Lが極めて小さく、良好な線形性が得られる。この良好
な線形性は、前述した(5)式のΔNのマージンが大きく
なることを示すものである。したがって、本実施形態に
よれば入力点の座標を高精度に算出することができる。
【0073】なお、図7に示す本実施形態の測定結果に
おいて、距離Lが100mmより小さい部分、すなわち入
力点が超音波センサに近接した場合に非線形な部分が認
められるが、この現象は入力点が超音波センサに近接し
た場合に超音波センサの超音波検出信号の波形が変形す
ることから生じている。この現象に対しては、入力点が
4つの超音波センサ6a〜6dの内の1つのセンサに近
接している場合は、そのセンサは使用せずに他のセンサ
の超音波検出信号に基づいて座標を算出するなどして対
応することができる。
【0074】また、本実施形態では、超音波の位相によ
る伝達時間tpを検出するために、位相信号19をその
まま用いず、位相信号19においてゲート信号171が
有効な間の部分に相当するtp信号20を用いて伝達時
間tpを検出しているので、超音波センサの検出信号1
2のレベル変動の影響を軽減ないし排除することができ
る。例えば、位相信号19の最初のパルスの立ち上がり
時点を超音波の検出時点とすると、検出信号12の信号
レベルの変動により、位相信号19の最初のパルスの発
生時点が前後にずれるので、それによる超音波の検出時
点も前後にずれてしまうが、tp信号20ではそのよう
なことがない。
【0075】なお、以上説明した実施形態において、図
5のゲート信号171が開いている間の位相信号19の
部分としてのtp信号20において最初のパルスの立ち
上がり時点を位相122による超音波検出時点とした
が、同パルスの立ち下がり時点、或いは例えば2発目な
どの他の順番のパルスの立ち上がり時点ないし立下り時
点を超音波検出時点としてもよい。どの時点を超音波検
出時点とするかは座標検出のサンプリングレート等の装
置のスペックに応じて決定する。
【0076】また、エンベロープ信号13をエンベロー
プ4階微分回路404で4階微分してエンベロープの4
階微分信号16を生成するものとしたが、5階以上微分
してエンベロープの5階以上の微分信号を生成するもの
としてもよい。ただし、階数を大きくすると、回路のノ
イズマージンが減少すると同時に回路における信号の遅
延等も問題になるので、反射波の影響を考慮して適宜決
定する。
【0077】以上では、空中超音波方式の座標入力装置
の実施形態を説明したが、他の超音波方式である振動伝
達板方式の装置にも本発明に係る構成を適用できること
は勿論である。
【0078】[第2の実施形態]次に、本発明の第2の
実施形態として、空中超音波方式の座標入力装置で、座
標入力面上ないし座標入力面から離れた空間で指示され
た入力点の3次元座標(x,y,z)を算出する装置の
実施形態について図8〜図13により説明する。
【0079】本実施形態の装置のハードウェアの構成
は、入力ペン21の構成が後述のように若干異なる以外
は、先述した第1の実施形態と共通とし、入力ペン21
以外の構成の説明は省略する。また、本実施形態の装置
の座標入力動作において、入力ペン21の振動子26の
駆動から入力点(入力ペン21の振動子25の位置)と
超音波センサ6a〜6dの距離の算出までは、第1の実
施形態と共通として、その説明も省略し、前記の距離に
基づく入力点の3次元座標の算出から説明する。
【0080】<3次元座標の算出の説明(図8)>図8
に示すように、周囲の4方に超音波センサ6a〜6dが
配置されたスクリーン8の表面、すなわち表示面かつ座
標入力面をX軸とY軸が直交して通るXY平面とし、ス
クリーン8の表面に垂直でX軸とY軸に直交する軸をZ
軸とする。
【0081】この3次元座標系において、前述した方法
により求められた入力ペン4の入力点(入力ペン21の
振動子25の位置)と各超音波センサ6a,6b,6
c,6dの距離を各々La,Lb,Lc,Ld、X軸方
向の超音波センサどうしの距離をXs-s、Y軸方向の超
音波センサどうしの距離をYs-sとすれば、
【0082】
【数1】 である。同様にして、
【0083】
【数2】 である。したがって、上記の式(9),(10),(1
1)の演算を演算制御回路1のマイクロコンピュータ3
1が行なうことにより、入力ペン4の入力点の3次元座
標(x,y,z)を算出することができる。
【0084】ところで、上記の式(9),(10),
(11)からわかるように、入力ペン21の入力点と3
個の超音波センサとの距離(ここではLa,Lb,L
c)が測定できれば、入力点の3次元座標を求めること
が可能となる。
【0085】これに対して、本実施形態では、超音波セ
ンサを4個用いているので、例えば、入力点からの距離
が最も遠い超音波センサの距離情報を使わず(この場
合、そのセンサの超音波検出信号は、距離が遠いために
信号レベルが最も低くなっている)、残り3個の距離情
報のみで、座標を算出することで、信頼性の高い座標算
出が可能になる。
【0086】また、この距離が遠いセンサの情報を活用
することで、出力された座標値の信頼性が高いものか判
定することも可能である。具体的方法としては、3個の
距離情報の組み合わせを変更して演算すると、例えば、
距離情報La,Lb,Lcで算出された座標値と、距離
情報Lb,Lc,Ldで算出された座標値は同一なはず
であり、両者が一致しない場合には、いずれかの距離情
報が不正、つまり誤検出したことになるので、その場合
には、座標値を出力しないという方法により信頼性を向
上させる構成も実施可能である。
【0087】<入力ペンの構成の説明(図9)>次に本
実施形態の入力ペン21の構成を図9により説明する。
図9に示す本実施形態の入力ペン21の内部構成は、第
1の実施形態の図2で先述した構成と共通とし、発光素
子22,電池23,振動子駆動回路24,振動子25な
どが設けられ、これらの動作も共通とする。
【0088】この内部構成に加えて、本実施形態の入力
ペン21では、図9に示すように、先端部にペン先スイ
ッチ41が設けられ、側面に2つのペンサイドスイッチ
42a,42bが設けられている。これらのスイッチの
オン、オフに応じて次に述べるように入力ペンの動作モ
ードが切り換えられる。
【0089】<動作モードの説明(図10〜図13)>
次に、本実施形態の座標入力装置の動作モードについて
図10〜図13により説明する。本実施形態では、図1
0の表に示すように、入力ペン21のペン先スイッチ4
1とペンサイドスイッチ42a,42bのオン、オフに
応じて、超音波発生源である振動子25の駆動モードが
後述する第1または第2の駆動モードに切り換えられ、
それにより入力ペン21で筆記入力がなされるペンダウ
ン状態と、カーソル移動などがなされるペンアップ状態
に切り換えられる。
【0090】また、入力ペン21による入力動作のモー
ドとして、入力ペン21を座標入力面としてのスクリー
ン8の表面に直接に接触させて筆記入力などを行なう直
接入力モードと、入力ペン21をスクリーン8に接触さ
せずに、スクリーン8からZ軸方向に第1の所定距離、
例えば300mm以内のスペース内で座標入力を行なう
近接入力モードと、スクリーン8からZ軸方向に前記第
1の所定距離よりも大きな第2の所定距離、例えば10
00mm以上離れたスペースで座標入力を行なう遠隔入
力モードに分けられる。
【0091】そして、算出した座標値のデータを出力す
る出力座標モードが直接入力モードと近接入力モードで
は絶対座標モード、遠隔入力モードでは相対座標モード
に切り換える。絶対座標モードでは、1回のサンプリン
グ毎に算出した3次元座標(x,y,z)の内のx座標
とy座標の値のデータをそのまま絶対座標データとして
出力する。相対座標モードでは、1回のサンプリング毎
に、そのサンプリングで算出したx,y座標の算出値
と、前回のサンプリングで算出したx,y座標の算出値
との差分の値Δx,Δyを求め、そのデータを相対座標
データとして出力する。
【0092】まず、各スイッチ41,42a,42bに
より切り換えられる動作モードの詳細について説明す
る。
【0093】図10の表に示すように、ペン先スイッチ
41とペンサイドスイッチ42a,42bのオン、オフ
に応じて、振動子25が第1の駆動モードまたは第2の
駆動モードで駆動される。第1の駆動モードでは、図1
2のタイミングチャートに示す振動子25の駆動信号9
02の周期、すなわちこの信号を生成するための駆動タ
イミング信号901の周期であって座標入力のサンプリ
ング周期が例えば50回/秒とされ、第2の駆動モード
では、これと異なる周期例えば40回/秒とされる。
【0094】そして、座標入力装置の本体側では各超音
波センサ6a〜6dが検出する音波の周期、すなわち振
動子25の駆動周期であるサンプリング周期の相違によ
り、マイクロコンピュータ31が振動子25の駆動モー
ドを判別し、第1の駆動モードでは、入力ペン21の動
作モードがそれによる座標入力動作で文字などの筆記入
力を行なえるペンダウン状態であると認識して、そのた
めの座標入力処理を行なう。また、第2の駆動モードで
は、入力ペン21による座標入力動作によりディスプレ
イ6の表示画面上でカーソルの移動などを行なえるペン
アップ状態であると認識して、そのための座標入力処理
を行なう。
【0095】なお、筆記入力を行なうペンダウン状態で
は、カーソル移動などの入力を行なうペンアップ状態に
おけるよりも詳細な座標データを入力することが好まし
い(筆跡をより忠実に再現するため)ので、ペンダウン
状態(第1の駆動モード)のサンプリング周期をペンア
ップ状態(第2の駆動モード)より短く設定している。
【0096】このような振動子25の駆動モードの切り
換えの制御は、入力ペン21の振動子駆動回路24を構
成する制御回路により図11のフローチャートに示す手
順で行なわれる。すなわち、ステップS201で制御の
処理をスタートした後、ステップS202,S203,
S204,S205で順次ペン先スイッチ41、ペンサ
イドスイッチ42a,42bがオンか否か判定し、ペン
先スイッチ41がオンされている場合、及びペンサイド
スイッチ42a,42bが共にオンされている場合はス
テップS207で振動子25を第1の駆動モードで駆動
し、ペンダウン状態とする。また、ペンサイドスイッチ
42a,42bのいずれか一方のみがオンされている場
合はステップS206で振動子25を第2の駆動モード
で駆動し、ペンアップ状態とする。そしてステップS2
08で処理を終了する。また、各スイッチ41,42
a,42bがいずれもオンされていなければそのまま処
理を終了する。
【0097】このような制御により、実際の入力ペン2
1の操作に応じた動作は以下のようになる。
【0098】すなわち、まず操作者が入力ペン21を握
って座標入力面(この場合、図9に示す様に、XY平面
(z=0)が設定されたスクリーン8の表面)の所望の
座標入力点を押圧すると、ペン先スイッチ41がオンす
る。この場合、振動子駆動回路24により振動子25が
第1の駆動モードで例えば50回/秒の周期で駆動さ
れ、その周期で音波が空中に放射される。
【0099】そして、座標入力装置本体側で入力ペン2
1の動作モードはペンダウン状態と認識され、操作者は
座標入力面を入力ペン21でなぞることによって文字な
どの筆記入力を行なうことができる。なお、出力座標モ
ードは絶対座標モードとされ、算出された座標入力点
(振動子25の位置)の3次元座標x,y,z(z=
0)の内のx座標とy座標の値のデータがそのまま出力
され、それにより筆記入力がなされる。
【0100】一方、ペン先スイッチ41がオフ状態の場
合は、入力ペン21がスクリーン8から離れており、少
なくとも操作者によるXY平面(z=0)内での座標入
力が行われていない状態を意味する。その場合であって
も、入力ペン21の操作により、スクリーン8上に表示
されているカーソルを移動する等の動作を行えることが
好ましい。そのため、ペンサイドスイッチ42a,42
bのいずれか一方のみを押圧してオンすることで、振動
子25が第2の駆動モードで例えば40回/秒の周期で
駆動され、その周期で音波が空中に放射され、装置本体
側でペンアップ状態と認識される。そしてペンアップ状
態で、入力ペン21の動きに伴う座標入力によってカー
ソルを移動するなどの動作を行なうことができる。
【0101】また、入力ペン21が座標入力面から離れ
ていても(z>0)、筆記入力を行ないたい場合には、
ペンサイドスイッチ42a,42bの両方を押圧してオ
ンすることにより、振動子25が第1の駆動モードで駆
動されてペンダウン状態となり、筆記入力が可能とな
る。
【0102】なお、図9に示すように、ペンサイドスイ
ッチ42a,42bは、入力ペン21の側面において互
いに周方向に約90度の角度をなすようにして隣接して
配置されている。これにより、操作者が入力ペン21を
握ったときに、操作者の右利き、左利きに関係なく、そ
のペンサイドスイッチ42a,42bの一方に親指、他
方に人差し指を自然に触れられるようになっている。そ
して、ペンサイドスイッチ42a,42bのいずれの一
方のみをオンしても同一の動作モード(第2の駆動モー
ド、ペンアップ状態)に切り換えられるので、操作者の
利き腕に関係なく動作モードの切り換え操作を簡単に行
なえ、使い勝手がよい。
【0103】また、ペンサイドスイッチを1つとして2
段階に切り換えられるものとしてもよい。つまり、軽く
押圧した場合に1段階目の切り換えがなされ(ペンアッ
プ状態)、さらに強く押圧することで2段階目の切り換
えがなされる(ペンダウン状態)構成であって、この場
合も利き腕に関係なく、使い勝手の良い入力ペン21を
実現することが可能となる。
【0104】ところで、以上では、振動子25の第1と
第2の駆動モードで、その駆動信号の周期(サンプリン
グ周期)を異ならせるものとしたが、その周期は同じと
して駆動信号の変調形態を異なるものとし、例えば第1
の駆動モードでは駆動信号を図12中で符号902で示
す波形、第2の駆動モードでは符号906で示す波形に
変調するものとしてもよい。ここでは駆動信号906は
駆動信号902のパルスを周期Ptで2回発生するもの
としている。
【0105】これにより、装置本体側の各超音波センサ
6a〜6dの超音波の検出信号は第1の駆動モードでは
信号903、第2の駆動モードでは信号907となり、
例えばピークホールド回路を用いて検出信号903ない
し907のエンベロープ904ないし908のピークを
検出し、ピーク検出信号905ないし909を生成する
ことにより、第1と第2の駆動モードを判別することが
できる。
【0106】また、振動子25の第1と第2の駆動モー
ドによって、その駆動信号を902或いは920の様に
パルス幅(周波数)を異なるものとして、放射する音波
の周波数を変更してもよい。これにより超音波センサ6
a〜6dの検出信号が903あるいは921のように周
波数が異なるものとなり、それをゼロレベルとコンパレ
ートした信号(一方の信号922のみ図示)のパルスの
周期Tを検出することで、第1と第2の駆動モードを区
別することも可能である。
【0107】さらには、第1と第2の駆動モードで、発
光素子22から送信(発光)するスタート信号としての
光信号の変調形態を異なるものとして、光送受信回路2
で光信号を検波して第1と第2の駆動モードを区別して
も良い。
【0108】ただし、2番目に説明した駆動信号を90
2或いは906のように変調する方法は図2に示した反
射波の影響を受ける。すなわち、振動子25の駆動信号
が第1の駆動モードの駆動信号902であっても、反射
波の影響により、超音波センサ6a〜6dの超音波の検
出信号の波形が第2の駆動モードに対応した超音波検出
信号907のような波形になることが有る。つまり、超
音波センサ6a〜6dには最初に直接波が到達し、続い
て直接波と反射波の経路差に応じて反射波が到達するこ
とになるが、直接波と反射波の経路差がちょうど波長の
整数倍の時、両者の信号が重畳され、音波検出信号の波
形に信号907のように第1と第2のピークが形成され
る場合がある。
【0109】従って、この場合には、第1の駆動モード
だが反射波の影響で検出信号907が形成されたのか、
第2の駆動モードで駆動信号を信号906にしたために
検出信号907が得られたのかを区別することができな
い。これを区別するためには、例えば、ピーク検出信号
909のパルスの周期Ptを監視するとともに、各超音
波センサ6a〜6dで検出される直接波と反射波の経路
差が全て異なるため、全センサの信号を比べて判定する
などの処理を必要とする。
【0110】この様な反射波の影響を考慮すると、第1
と第2の駆動モードで駆動信号を902または906の
様に変調するよりも、駆動周波数を異ならせる(信号9
02と920)方法が優れ、さらには最初に述べた駆動
周期、すなわちサンプリング周期を変更する方法は、反
射波の影響を全く無視できる優れた方法であると言え
る。
【0111】次に、出力座標モードについて説明する。
【0112】上述のように、ペンサイドスイッチ42
a,42bを操作することで、入力ペン21が座標入力
面としてのスクリーン8の表面から離れていても、座標
を入力して、カーソルを移動したり(ペンアップ状
態)、あるいは筆記入力したり(ペンダウン状態)する
ことができる。この様な場合(入力ペン21がスクリー
ン8の表面に接触しておらず、ペン先スイッチ41がオ
フしている状態)において、スクリーン8の比較的近傍
で入力ペン21で座標入力動作をする場合(以後、近接
入力と言う)と、スクリーン8からかなり離れたところ
で座標入力動作をする場合(以後、遠隔入力と言う)と
では操作上、要求される仕様が異なる。
【0113】まず、近接入力の場合、表示面を構成する
スクリーン8と入力ペン21のZ軸方向の距離は比較的
小さな値であり、入力ペン21を移動することで、例え
ばスクリーン8に表示されているカーソルを直感的に、
しかもダイレクトに所望の位置に移動することが可能で
ある。もちろん、所望の位置に対する実際のカーソルの
位置ずれは、直接にスクリーン8の表面に入力する場合
(ペン先スイッチ41がオン状態)に比べ大きくなる
が、十分実用の範囲内と言うことができる。
【0114】しかしながら、遠隔入力の場合は、そのず
れ量が大きくなることは明らかであり、例えば表示され
ているカーソルを所望の位置に移動させるためには、ま
ず操作者は直感的に座標を入力することになるが、所望
の位置からのずれ量は大きく、そのずれ量を視認しなが
ら、入力ペン21を徐々に移動して、カーソル位置を徐
々に所望の位置に移動していくことになる。言い換えれ
ば、直感によりまず所望位置に入力ペン21を位置さ
せ、その応答(例えばカーソルの表示位置)を視認する
ことで、人間の脳が手に位置修正動作を指示し、その動
作に伴ってカーソルを徐々に移動させ所望位置にカーソ
ルを移動させる、つまり操作者による視覚情報に基づき
操作者の脳が補正動作を行うループを繰り返して、目的
を達成することになる。
【0115】この様に、スクリーン8に表示されている
画像情報(XY平面上に座標系を有する画像情報)に対
して、何らかの遠隔入力操作を行おうとする場合、操作
者が一連の座標入力を行おうとする際の最初の1点目の
座標値と前述の画像情報の座標値は、一致させることが
できない。このことは、例えばOHP等により表示され
ている表示画像上の任意の点を指示する道具としてレー
ザポインタが普及しているが、やはりレーザ発光時の最
初の1点目は、どこを指示するか解らず、指示されたポ
イント位置を見ながら、位置修正動作をして所望の位置
にレーザを照射することができる様になることを考えれ
ば明らかである。
【0116】さて、このレーザポインタを使った通常の
プレゼン、打ち合わせ等を想定すれば、操作者が直接所
望の位置を指示することが困難である事に加え、聞き手
からすれば、レーザポインタの指示位置が不連続に、し
かも突然移動するので、その指示位置を探す(ポインタ
が照射されていない場合でも探してしまう)ことに気を
とられ、発表内容の理解を手助けする道具としては十分
な仕様とはなっていない。
【0117】一方、指示棒は所望の位置を指示する古典
的な道具と言えるが、聞き手からすれば、操作者による
指示棒の動作が視覚的に予測でき、レーザポインタによ
る指示手段よりも、発表内容に集中できると言う点で
は、良い道具と言える。ただし、指示棒の長さには限度
が有るので、操作範囲が限られる点が欠点である。
【0118】このような問題を解決するために、本実施
形態の座標入力装置では、前述のように入力ペン21に
よる入力動作のモードを直接入力モード、近接入力モー
ド、遠隔入力モードに区別し、出力座標モードを直接入
力モードと近接入力モードでは絶対座標モードとし、遠
隔入力モードでは相対座標モードとする。
【0119】この出力座標モードの切り換えは、演算制
御回路1のマイクロコンピュータ31により、図13の
フローチャートに示す制御手順で以下のようになされ
る。
【0120】すなわち、まずステップS301で処理を
開始するが、ここで、遠隔入力モードで前述したサンプ
リング周期、例えば50回/秒ないし40回/秒で連続
して座標入力動作がなされているかどうかを示すフラグ
が0(連続して座標入力動作がなされていないことを示
す)に初期化される。
【0121】次に、ステップS302において、上記の
サンプリング周期(2つある場合は長いほうの周期)の
期間内に、座標算出に必要で有効な信号、すなわち有効
なスタート信号と、各超音波センサ6a〜6dの検出信
号から生成された有効な超音波検出タイミング信号を受
信したか判定し、受信していなければステップS312
で上記フラグを0にリセットした後、処理を終了する
(ステップS313)。
【0122】一方、ステップS302で有効な信号を受
信した場合には、ステップS303でペンダウン状態か
ペンアップ状態かを判定する。すなわち先述した振動子
25の駆動モードが第1と第2の駆動モードのいずれで
あるか判定する。この判定は、先述のように、駆動モー
ドにより異なる駆動信号のサンプリング周期、周波数あ
るいは変調形態、あるいはスタート信号の変調形態など
を検出して行なう。
【0123】次に、ステップS304において、そのと
きにカウンタ32a〜32dのラッチ回路にラッチされ
ている各超音波センサ6a〜6dへの超音波の伝達時間
のデータに基づいて振動子25の位置、すなわち入力点
の3次元座標(x,y,z)の値を前述した演算方法で
算出する。
【0124】次に、ステップS305で上記フラグが1
にセットされているか否か判定し、1の場合、すなわち
今遠隔入力モードで座標入力動作が連続してなされてい
る場合はステップS311に進むが、そうでない場合は
ステップS306に進む。
【0125】ステップS306では、ステップS304
で算出した座標値の内のZ座標の値が第1の所定値、例
えば300mm以下か否か判定し、その所定値以下であ
れば近接入力モードであるものと認識して、ステップS
307に進み、出力座標モードを絶対座標モードとし
て、ステップS304で算出した3次元座標(x,y,
z)の内のx座標とy座標のデータをそのまま出力し、
その後、処理を終了する。ここでz座標のデータも出力
するようにしてもよい。なお、直接入力モードではペン
先スイッチ41がオンすることによりz=0が検出され
るので、このときもx座標とy座標のデータをそのまま
出力するようにする。
【0126】一方、ステップS306でz座標値が第1
の所定値以下でないと判定した場合には、ステップS3
08でz座標値が第2の所定値、例えば1000mm以
上であるか否か判定し、その所定値以上でない場合は処
理を終了するが、その所定値以上の場合にはステップS
309に進む。
【0127】ステップS309では、遠隔入力モードと
判断し、ステップS304で算出した3次元座標(x,
y,z)の内のx座標とy座標の値のデータを座標値
( X1st,Y1st )としてメモリに格納する。その後、
ステップS310でフラグを1にセットした後、ステッ
プS302に戻りステップS302以下の処理を繰り返
す。
【0128】ここで前述と同様にステップS302で有
効信号の検出、ステップS303でペンアップ、ダウン
状態の判定、ステップS304で3次元座標(x,y,
z)の算出を行ない、ステップS305でフラグが1か
否かの判定を行うが、ステップS310からの繰り返し
の場合は、ステップS305でフラグが1となる。この
場合、遠隔入力モードであって座標入力動作が連続して
なされていると認識して、ステップS311に進む。
【0129】ステップS311では、ステップS304
で算出した3次元座標値、すなわち今回のサンプリング
で得た3次元座標値の内のx座標値およびy座標値と、
ステップS309でメモリに格納しておいた前回のサン
プリングで得たx座標値のX1stおよびy座標値のY1
stとの差分(Δx,Δy)を算出して出力する。なお、
ここで今回のサンプリングで得た3次元座標値の内のx
座標値およびy座標値のデータをあらためてx座標値X
1st,y座標値Y1stのデータとしてメモリに格納し
ておく。その後、ステップS302に戻り、ステップS
302以下の処理を繰り返す。
【0130】なお、ステップS307の後と、ステップ
S308の判定でNoの場合、およびステップS312
の後は処理を終了するが、その後、この処理を再びスタ
ートする。ステップS308の判定でNoの場合と、ス
テップS312の後の場合は、適当な時間を置いて再ス
タートすればよいが、ステップS307の後の場合は直
ちに再スタートする必要がある。
【0131】以上のような処理により、直接入力と近接
入力では絶対座標(x,y)を出力し、遠隔入力では相
対座標(Δx,Δy)を出力することができる。これに
より、操作者は、遠隔入力の際に、現在位置するカーソ
ルの位置から、スムーズに所望の位置にカーソルを移動
することが可能となり、しかも、その座標入力が連続し
て行われている一連の間は、カーソルのX方向の移動
量、Y方向の移動量は、入力ペン21の両方向の移動量
と1対1に絶対的に対応しているので、遠隔操作であっ
ても、文字を入力したりすることも可能となる。
【0132】ところで、以上では算出した3次元座標の
内の1軸(以上ではZ軸)の座標情報に応じて、残り2
軸(以上ではX軸とY軸)の座標情報の出力形態を異な
らせるようにしたが、1軸(例えばZ軸)の座標情報に
応じて、例えばマウスボタンのクリックと同様のスイッ
チ動作を行なわせることもできる。例えば、フラグによ
って判定できる連続的な座標入力動作において、入力ペ
ン21を任意の位置からZ軸方向に急速に移動させた
後、元の位置に急速に戻す動作をした場合、マウスのク
リックと同等の操作をしたと判定する。その動作を2回
続けてすれば、ダブルクリックがなされたと判定する。
【0133】このようなスイッチ動作の判定は、座標入
力装置が算出する3次元座標の内のz座標値の急激な変
化で行われ、このスイッチ動作で例えば表示画面の遠隔
操作などを行なうことができる。このスイッチ動作の方
法と、前述した出力座標モードの切り換え方法と併用す
ることも可能である。
【0134】なお、以上のように1軸(例えばZ軸)の
座標情報に応じて、他の2軸(例えばX軸とY軸)の座
標情報の出力形態を異ならせたり、マウスのクリック動
作と同様の処理を行なったりする構成は、空中超音波方
式の座標入力装置に限らず、3次元座標の検出が可能な
他の方式、例えば光学式などの座標入力装置にも適用す
ることができる。
【0135】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、超音波方式の座標入力装置において、超音波
検出手段の超音波検出信号を処理して超音波の検出タイ
ミング信号を生成する回路の構成を工夫することによ
り、座標の入力点から超音波検出手段までの超音波の直
接波と反射波の伝達経路差を大きく確保できなくても、
反射波の影響を排除ないし軽減することができるととも
に、超音波検出信号のレベル変動の影響も排除ないし軽
減することができ、それにより安定して高精度に座標算
出を行なうことができるとともに、装置の設計の自由度
も得られるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における座標入力装置
の全体の構成を示すブロック図である。
【図2】同装置の入力ペンと超音波センサの構成と超音
波の伝達の様子などを示す説明図である。
【図3】同装置の演算制御回路の構成を示すブロック図
である。
【図4】同装置のセンサ信号処理回路の超音波センサ1
個分の構成を示すブロック図である。
【図5】センサ信号処理回路の信号処理に関わる各信号
の波形とタイミングを示すタイミングチャート図であ
る。
【図6】入力点の2次元座標の算出方法を説明するため
の説明図である。
【図7】実施形態と従来例の構成で実験した結果の入力
点と超音波センサ間の距離と測定誤差の関係を示すグラ
フ図である。
【図8】本発明の第2の実施形態による座標入力装置で
座標入力を行なう3次元座標系を示す説明図である。
【図9】同装置の入力ペンの外観を示す側面図及び背面
図である。
【図10】同装置の各種モードと、入力ペンの各スイッ
チのオン、オフ及びz座標の算出値の対応関係を示す表
図である。
【図11】入力ペンの各スイッチのオン、オフに応じた
入力ペンの振動子の駆動モードの切り換えの処理手順を
示すフローチャート図である。
【図12】駆動モードにより振動子の駆動信号の変調形
態や周波数を変更する様子を示すタイミングチャート図
である。
【図13】出力座標モードの切り換えに関わる演算制御
回路のマイクロコンピュータの制御手順を示すフローチ
ャート図である。
【符号の説明】
1 演算制御回路 2 光送受信回路 3 信号処理回路 4 ホスト装置 5 画像投射装置 6a〜6d 超音波センサ 8 スクリーン 9 センサ信号処理回路 21 入力ペン 25 振動子 31 マイクロコンピュータ 32a〜32d カウンタ 41 ペン先スイッチ 42a,42b ペンサイドスイッチ 402 エンベロープ検出回路 404 エンベロープ4階微分回路 405 微分信号コンパレータ 406,407 ゲート信号生成回路 408 バンドパスフィルタ 409 スライス回路 410 位相信号コンパレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉村 雄一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 5B068 AA04 AA32 BB21 BC03 BD02 BD11 BD22 BD25 BE03 BE06 BE15 CC11 EE04 EE06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波発生手段を備えた座標入力点指示
    手段により座標の入力点が指示されたときに前記超音波
    発生手段から発せられた超音波を異なる複数の位置に配
    置された複数の超音波検出手段により検出し、その検出
    タイミングに基づいて前記入力点の座標を算出する座標
    入力装置において、 前記超音波検出手段が出力する超音波検出信号から該信
    号のエンベロープに対応するエンベロープ信号を取り出
    すエンベロープ検出手段と、 前記エンベロープ信号を4階以上微分して微分信号を出
    力する微分手段と、 前記エンベロープ信号の信号レベルが所定の閾値レベル
    を上回る間だけ有効になる第1のゲート信号を生成する
    第1のゲート信号生成手段と、 前記微分信号と第1のゲート信号を比較し、その比較結
    果に基づいて前記超音波検出信号のエンベロープから検
    出した超音波検出タイミングを示す第1の検出タイミン
    グ信号を生成する第1の検出タイミング信号生成手段
    と、 前記第1の検出タイミング信号が有効な間だけ有効にな
    る第2のゲート信号を生成する第2のゲート信号生成手
    段と、 前記超音波検出信号から該信号の位相を示す位相信号を
    生成する位相信号生成手段と、 前記第2のゲート信号と前記位相信号を比較し、その比
    較結果に基づき前記超音波検出信号の位相から検出した
    超音波検出タイミングを示す第2の検出タイミング信号
    を生成する第2の検出タイミング信号生成手段を有し、 前記第1と第2の検出タイミング信号による超音波検出
    タイミングのそれぞれに基づいて前記入力点の座標を算
    出することを特徴とする座標入力装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の検出タイミング信号は、前記
    第1のゲート信号が有効な間で前記微分信号の波形がゼ
    ロレベル以下になる間だけ有効になる信号であることを
    特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の検出タイミング信号の最初に
    有効になる時点を前記超音波検出信号のエンベロープか
    ら検出した超音波検出時点とすることを特徴とする請求
    項2に記載の座標入力装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の検出タイミング信号は、前記
    第2のゲート信号が有効な間の前記位相信号の部分に相
    当する信号であることを特徴とする請求項1に記載の座
    標入力装置。
  5. 【請求項5】 前記第2の検出タイミング信号の最初に
    有効になる時点を前記超音波検出信号の位相から検出し
    た超音波検出時点とすることを特徴とする請求項4に記
    載の座標入力装置。
JP2001214615A 2001-07-16 2001-07-16 座標入力装置 Withdrawn JP2003029917A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001214615A JP2003029917A (ja) 2001-07-16 2001-07-16 座標入力装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001214615A JP2003029917A (ja) 2001-07-16 2001-07-16 座標入力装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003029917A true JP2003029917A (ja) 2003-01-31

Family

ID=19049395

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001214615A Withdrawn JP2003029917A (ja) 2001-07-16 2001-07-16 座標入力装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003029917A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010033531A (ja) * 2008-07-30 2010-02-12 Micro-Star Internatl Co Ltd 電力管理及び安全保護のためのシステム並びにその方法
JP2010515195A (ja) * 2007-01-03 2010-05-06 ルイディア インコーポレイテッド 複数のスタイラスアノテーションシステム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010515195A (ja) * 2007-01-03 2010-05-06 ルイディア インコーポレイテッド 複数のスタイラスアノテーションシステム
JP2010033531A (ja) * 2008-07-30 2010-02-12 Micro-Star Internatl Co Ltd 電力管理及び安全保護のためのシステム並びにその方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4006290B2 (ja) 座標入力装置、座標入力装置の制御方法、プログラム
US7075524B2 (en) Coordinate input apparatus, control method thereof, and program
JP4590114B2 (ja) 座標入力装置及びその制御方法、記録媒体
US5308936A (en) Ultrasonic pen-type data input device
WO2019019606A1 (zh) 超声波触控装置及方法、显示装置
JP2004078496A (ja) 超音波型座標入力装置
US7075514B2 (en) Coordinate input apparatus, control method therefor, and computer-readable memory
JP2003029917A (ja) 座標入力装置
JP2004078323A (ja) 座標入力装置及び座標演算方法
JP2002351605A (ja) 座標入力装置
JP4136584B2 (ja) 座標入力装置及び座標値出力方法とプログラム
JPH09160721A (ja) ペン入力装置
JPH09212288A (ja) 情報入力システムおよび情報入力方法
JP2004185488A (ja) 座標入力装置
JPH09167046A (ja) 超音波スタイラスペン
JPH10149253A (ja) ペン入力装置
JP2004070496A (ja) 座標入力装置、座標値処理方法
JPH10149252A (ja) ペン入力装置及び該装置における位置座標補正方法
JP2004192033A (ja) 座標入力装置
JP3550843B2 (ja) ペン入力装置
JP2004062656A (ja) 座標入力装置及びその制御方法、プログラム
JP2004192032A (ja) 座標入力装置
JP2002358157A (ja) 座標入力装置、座標入力装置の制御方法、および座標入力装置の制御プログラム
JP2002333950A (ja) 座標入力装置
JPH06214712A (ja) 情報入力装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20070209

A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20081007