JP2003027391A - マスキングペーパー及びその製造方法 - Google Patents

マスキングペーパー及びその製造方法

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JP2003027391A JP2001215508A JP2001215508A JP2003027391A JP 2003027391 A JP2003027391 A JP 2003027391A JP 2001215508 A JP2001215508 A JP 2001215508A JP 2001215508 A JP2001215508 A JP 2001215508A JP 2003027391 A JP2003027391 A JP 2003027391A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】優れたサイズ性、紙力を有し、加工適性に優
れ、経済性も良好なマスキングペーパーを提供する。 【構成】置換度0.3〜0.6のカルボキシメチルセル
ロースを絶乾パルプ重量に対して0.01〜3.0重量
%添加したマスキングペーパーと置換度が0.3〜0.
6のカルボキシメチルセルロースを添加した後に、添加
率の合計が、絶乾パルプ重量に対して0.1〜2.0重
量%の範囲で、少なくとも1種類以上の紙力増強剤を添
加するマスキングペーパーの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアクリル板或いは塩化ビ
ニル板等の樹脂板の表面保護に利用されるマスキングペ
ーパー及びその製造方法に関する。更に詳しくは、サイ
ズ性が高く、乾燥時、湿潤時の引張強度及び表面強度の
全てに優れたマスキングペーパー及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】マスキングペーパーは、アクリル板或い
は塩化ビニル板等の樹脂板の表面に貼付され、樹脂板の
表面を保護する紙として、広く使用されている。マスキ
ングペーパーは、抄紙後の加工工程で、湿紙がヤンキー
ドライヤーに接して乾燥した面(艶面)に糊が塗布さ
れ、乾燥された後、再びスチームにより糊を再湿潤し、
アクリル板等の樹脂板に貼付され、表面保護紙として使
用されるものである。
【0003】上述の糊を塗布する工程で、糊がマスキン
グペーパーの裏面へ染み出てしまうという、糊の裏抜け
が問題となっており、糊の裏抜けを防止するため、高い
サイズ性および高いバリアー性を付与することが求めら
れている。更に糊の塗布時は、マスキングペーパーは湿
潤状態となるため、破断をおこさないように高い湿潤強
度も必要である。
【0004】又、樹脂板保護紙としての実用の際、即ち
保管時又は運搬時に樹脂板をスライドさせた際、マスキ
ングペーパーの表面が摩擦を受け剥けてきてしまうこと
があるため、表面強度が高いことが望まれている。
【0005】上記の品質に応えるため、様々な技術が提
案されている。従来、紙の強度を高める目的で、変性デ
ンプン、ポリアクリルアミド、ポリアミド、ポリアミド
ーエピクロルヒドリン樹脂、メラミンーホルムアルデヒ
ド樹脂、尿素ーホルムアルデヒド樹脂等が製紙用紙力増
強剤としてパルプ繊維に添加されているが、これらは、
紙力増強効果が低かったり、高価であったり、或いは抄
造条件によっては歩留まりが悪く、実用に際して強度の
発現効果が十分でない等種々の問題がある。
【0006】カルボキシメチルセルロース(以下CMC
という)やカルボキシエチルセルロース等のセルロース
誘導体に紙の強度を増強する作用があることは古くから
知られているが、パルプ繊維を含む紙料に添加して用い
る種類の紙力増強剤としては、得られる強度の増強効果
が小さい等の問題点があり、紙料に添加して用いる製紙
用紙力増強剤としては、現在ほとんど使用されていない
のが実状である。
【0007】更に、抄紙に際しては紙力増強剤の他に高
いサイズ性とバリヤー性を付与するために撥水性、耐水
性、サイズ性等の性能を付与する目的で、ロジンサイズ
剤、エマルジョンサイズ剤、アルケニルコハク酸塩、ア
ルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸等の製
紙用サイズ剤をパルプ繊維スラリーに添加している。こ
れらのサイズ剤に関する大きな問題点の一つとして、サ
イズ剤の歩留まり不良がある。このためサイズ剤の添加
率を上げて対応するため、抄紙系内を汚し、操業性に問
題を残す。又、サイズ剤の歩留まりを向上させる目的
で、カチオン変性デンプン、ポリアミド−エピクロルヒ
ドリン樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、ポリアクリルア
ミド樹脂、ポリアミド樹脂等のように種々のカチオン性
の薬品が添加されるが、それでも得られる効果が十分で
なかったり、薬品が高価であったり、又、他に添加され
る薬品によっても効果が落ちるとか、品質が安定しない
等の問題点を有する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
の技術の欠点を克服し、優れたサイズ性、紙力を有し、
加工適性に優れ、経済性も良好なマスキングペーパーを
提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の各発明を
包括する。 (1)置換度0.3〜0.6のカルボキシメチルセルロ
ースが絶乾パルプ重量に対して0.01〜3.0重量%
添加されていることを特徴とするマスキングペーパー。
【0010】(2)JIS P 8135に準じて測定
したMD方向の湿潤引張強さが0.4〜3.0kN/m
であることを特徴とする(1)に記載のマスキングペー
パー。
【0011】(3)厚さが65μm以下、且つJIS
P 8122に準じて測定したステキヒトサイズ度が3
秒以上であることを特徴とする(1)又は(2)に記載
のマスキングペーパー。
【0012】(4)JAPAN TAPPI 紙パルプ
試験法 No.1 A法 に準じて測定した表面強さが
14以上であることを特徴とする(1)〜(3)のいず
れかにに記載のマスキングペーパー。
【0013】(5)置換度が0.3〜0.6のカルボキ
シメチルセルロースを添加した後に、添加率の合計が、
絶乾パルプ重量に対して0.1〜2.0重量%の範囲
で、少なくとも1種類以上の紙力増強剤を添加するマス
キングペーパーの製造方法。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明における原料セルロースパ
ルプとしては例えばミズナラ、シナノキ、イタヤカエ
デ、ハリギリ、カツラ、ハルニレ、シラカバ等の国内
産、ビーチ、オーク、オルダー、マングローブ、ユーカ
リ、アカシア等の国外産の広葉樹を原料とする、広葉樹
未晒クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹晒クラフトパ
ルプ(LBKP)、又、赤松、杉、米松、スプールなど
の針葉樹を原料とする針葉樹未晒クラフトパルプ(NU
KP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)が用いら
れ、品種に応じてこれらのパルプが任意の割合で配合さ
れる。適正な紙力を得るためには、NBKPまたは、N
UKPが配合されるが、良好な地合を考えるとこれらの
配合量は70重量%を超えないものとする。この際、パ
ルプの製造は公知のクラフト蒸解方法を施し、公知の方
法で漂白を行う。環境を考えれば分子状塩素元素を使用
しないECFまたはTCFで漂白することが好ましい。
【0015】上記パルプはカナディアンスタンダードフ
リーネス(CSF)で250〜500mL、好ましくは
350〜450mLに調整することにより透気度が高ま
り、糊塗布時に糊の裏抜け防止に効果がある。
【0016】本発明で用いられるCMCは、木材パル
プ、リンターパルプ等を原料とし、モノクロル酢酸等を
反応させて合成されたセルロース誘導体であり、工業的
には水媒法、溶媒法等の公知の製造方法で得られるもの
がそのまま用いられる。CMCと類似のセルロース誘導
体であるカルボキシエチルセルロースでも、本発明と同
様の効果は認められるものの、CMCと比較すると効果
は低く、また、高価であることから、好ましくない。
【0017】本発明のために用いられる前記CMCの置
換度(エーテル化度)は0.3〜0.6の範囲のもので
ある。置換度が0.3未満のものは水に不溶であり、パ
ルプ繊維表面には吸着されずパルプ繊維との混合物とな
り、紙力増強剤による紙力増強効果を向上させない。一
方、置換度が0.6を超すものは、イオン性基が多く分
子内に存在するため、マイナス電荷を帯びているパルプ
繊維との静電的反発が強く、且つパルプ繊維との親和性
が乏しくなるため、電解質が共存して静電的反発がある
程度遮蔽されても、パルプ表面への吸着が不十分とな
る。このため、その後に添加された紙力増強剤がパルプ
表面に均一に留まらず、十分な紙力増強効果が得られな
い。
【0018】本発明に用いられるCMCは、使用するパ
ルプ繊維の性状や前記したようにCMCの製造方法によ
り様々な重合度のものが製造可能であるが、1%水溶液
の粘度が5〜16,000mPa・s(0.1N−Na
Cl溶媒、25℃、B型粘度計)、平均重合度が100
〜4,500、平均分子量が2万〜100万の範囲のも
のである。本発明に用いられるCMCは、カルボン酸ナ
トリウム塩或いはカリウム塩であり、正確に記せばCM
Cはカルボキシメチルセルロースナトリウム或いはカル
ボキシメチルセルロースカリウムであるが、慣用上、ナ
トリウムやカリウムの記載は省略し、単にCMCとして
表示する。
【0019】本発明では、CMCのナトリウム塩、カリ
ウム塩或いはアンモニウム塩が用いられるが、価格が安
価で容易に入手できること及び得られる効果が高いこと
から、CMCのナトリウム塩が好ましい。又、CMCを
パルプスラリーへ添加する際の溶液濃度は、濃度が高す
ぎると粘性が高く、使用が困難になるため、0.01〜
5.0%、好ましくは0.1〜3.0%の範囲である。
【0020】本発明におけるCMCの添加量は、それら
の置換度、パルプ繊維の種類、要求される性能等に応じ
て変えられるが、パルプ繊維の乾燥重量に対して0.0
1〜3.0重量%、好ましくは0.05〜1.0重量%
である。3.0重量%を超えて使用すると、紙の地合が
低下したり、濾水性が低下する場合がある。さらに、コ
ストアップにつながり経済面より現実的でない。
【0021】本発明では、パルプ繊維スラリーにCMC
を水溶液で添加するが、パルプ繊維スラリーの電気伝導
度は0.4mS/cm以上、好ましくは0.6〜3.0
mS/cmにするのがよい。電気伝導度は、スラリー中
の電解質の量に比例する。スラリーの電気伝導度が0.
4mS/cm未満では、電解質量が不足しているため、
CMCの分子は、パルプ繊維との間に静電的反発力が働
き、十分にパルプ繊維表面に吸着しない。スラリーの電
気伝導度が高いほど、CMCのパルプへの吸着量が増
え、効果が大きくなるが、スラリーの電気伝導度が3.
0mS/cmで、CMCがほぼ全量パルプ繊維表面に吸
着するため、パルプスラリーの電気伝導度を3.0mS
/cm以上にする必要性はない。
【0022】前記CMCをパルプ繊維スラリーに添加す
るとCMCがパルプ繊維表面に吸着してパルプ繊維のゼ
ータ電位がマイナス側に大きく変わる。一般にゼータ電
位とは微粒子における界面動電位で、表面に電荷を有す
る粒子が存在する際、周囲には粒子表面に比較的強く結
びついているイオン層と静電気力とランダムな熱運動と
の平衡で成立する外層との電気二重層が存在し、粒子が
移動する際、それを取り巻くイオン層の内部層も一体と
なり、媒体中を移動する移動体の表面電荷を示してい
る。一般にパルプ繊維のゼータ電位は0〜−25mVの
範囲である。本発明ではパルプ繊維スラリーにCMCを
添加することでパルプ繊維のゼータ電位が下がるが、3
mV以上下げた場合に顕著に抄紙薬品の効果が向上す
る。
【0023】CMC無添加ではパルプ繊維表面に存在す
る吸着点でしか紙力増強剤が吸着されないが、CMCを
添加することによりパルプ繊維の吸着点だけでなくパル
プに均一に吸着されたCMCに吸着されるため、紙力増
強剤は均一、かつ高い確率で吸着されるため、紙力増強
剤に起因する強度のムラがなくなり高い紙力強度が得ら
れる。
【0024】本発明で使用する紙力増強剤はいわゆる製
紙用紙力増強剤や湿潤紙力増強剤で、たとえば、酸化澱
粉、両性澱粉、カチオン化デンプン、アセチル化澱粉、
リン酸エステル化澱粉等の澱粉類、カチオン化グアーガ
ム、カルボキシメチル化グアーガム等のグアーガム類、
ポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂、ポリエチレンイ
ミン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、
メラミン樹脂、ポリアミドポリ尿素樹脂、カチオン変性
尿素樹脂等があげられ、それらを1種類以上CMC添加
後に加える。
【0025】中でも、ポリアクリルアミドを主成分とす
る製紙用紙力増強剤と尿素樹脂を主成分とする製紙用湿
潤紙力増強剤を併用した場合に、最も高い効果が得られ
るが、他の種類の紙力増強剤、湿潤紙力増強剤を用いて
も、優れた効果が発現するため、併用する紙力増強剤、
湿潤紙力増強剤の種類には特に限定はなく、さらに数種
類の紙力増強剤、湿潤紙力増強剤を併用することもでき
る。
【0026】これらの紙力増強剤の添加率は、要求品質
に応じて変えられるが、パルプ繊維の乾燥重量当たり
0.1〜2.0重量%、好ましくは0.3〜1.5%で
ある。0.1%未満であると紙力増強効果が不十分であ
り適さない。逆に2.0%を超えた添加率で紙力増強剤
を使用すると、却って紙の地合の低下、ろ水性の低下な
どの問題点が生じる場合があり、好ましくない。
【0027】本発明においては、前記した製紙用紙力増
強剤の他に、製紙用サイズ剤と定着剤、填料、顔料、歩
留まり向上剤、染料、消泡剤、防腐剤、粘度低下剤等の
公知の抄紙薬品を、必要に応じて併用添加することがで
き、これらの種類および添加率には特に制限はない。こ
れらの抄紙薬品は前記パルプ繊維スラリーの電導度に影
響されないことを確認して目的に応じて適宜選択して用
いられる。
【0028】本発明の抄紙は、公知の湿式抄紙機、例え
ば長網式抄紙機、ギャップフォーマ型抄紙機、円網式抄
紙機、短網式抄紙機などの抄紙機を適宜選択することが
できる。形成された紙層をフェルトにて搬送し、ヤンキ
ードライヤーで乾燥させる。該ヤンキードライヤーに
は、蒸発させた水分を結露させない給気と、該給気を蒸
発させた水分と共に排気するためのヤンキードライヤー
フードが取り付けられていて、給気として100℃以下
の温風が送風されている。
【0029】本発明ではヤンキードライヤー熱風の温度
を60〜400℃の範囲、好ましくは60〜300℃の
範囲にする。熱風の温度が60℃未満であるとヤンキー
ドライヤーの表面とシート間に発生する水蒸気を均一且
つ迅速に蒸発させることが困難となり、ヤンキードライ
ヤーとシートの非接触部分で発生するアバタを防ぐ事が
出来なくなるため適さない。
【0030】逆に、熱風の温度が400℃を超えて高く
なると、過乾燥となりパルプの強度低下し、ひいてはシ
ート強度が低下するばかりでなく、表面の平滑性が悪く
なり、シート製造中シワや紙切れが発生しやすくなり、
シート製造が困難になるため適さない。
【0031】ヤンキードライヤーフード内で発生する水
蒸気の結露防止、熱効率の向上、アバタの発生防止のた
めには熱風を吹き付け、水蒸気を含んだ熱風を吸引する
工程を少なくとも1回以上行う。通常、シートがヤンキ
ードライヤーに貼りつく適量な水分が必要であり、その
範囲は45〜65%であることが好ましい。水分が45
%未満であると、ヤンキードライヤーに貼りつかないた
め適さない。逆に水分が65%を超えて多くなると、ヤ
ンキードライヤーとシートの間に水蒸気が多量に発生
し、シートが浮いた状態になり適さない。
【0032】ヤンキードライヤーに貼りつく適量の水分
をシートが保有していても、乾燥工程でシートとヤンキ
ードライヤーとの間に存在する水蒸気が不均一に蒸発
し、結果としてアバタ(微小な光沢抜け)が発生するた
め、光沢を出すためには、ヤンキードライヤーに貼りつ
いたシートの水分を均一に且つ速やかに排除する必要が
ある。そのためには、水蒸気を含んだ熱風を吸引する工
程を少なくとも1回以上行うことが不可欠である。
【0033】得られたマスキングペーパーのJIS P
8135に準じて測定したMD方向の湿潤引張強さは
0.4〜3.0kN/mであることが好ましい。湿潤引
張強さが0.4kN/m未満であると、抄紙後の加工工
程において湿潤引張強さが不十分であり、加工時の操業
に支障をきたすため適さない。逆に3.0kN/mを超
えて大きくすることはパルプの叩解を進めたり、湿潤紙
力増強剤の添加を増加させる必要があり、紙の地合が悪
化するばかりでなく抄紙機系内にパルプが付着しやすく
なり安定して抄紙できなくなるため適さない。
【0034】得られたマスキングペーパーは厚さが65
μm以下で、JIS P 8122に準じて測定したス
テキヒトサイズ度が3秒以上であることが好ましい。マ
スキングペーパーはアクリル或いは塩化ビニル板等の樹
脂板の表面保護のため使用されていて、保管、輸送、ア
クリル板などの使用後の廃棄には薄くて軽量であること
が望まれているため、65μm以下が好ましい。厚さは
薄ければ薄いほうが好ましいが、ステキヒトサイズが3
秒未満であると加工工程での糊付けで糊が裏抜けし、操
業菜等に支障をきたすため適さない。現状では45μm
未満であるとクッション性が低く、樹脂板の保護に支障
を来すことがある。
【0035】得られたマスキングペーパーのJAPAN
TAPPI 紙パルプ試験法 No.1 A法 に準
じて測定した表面強さは14以上であることが好まし
い。表面強さが14未満であると実用時に、表面が剥け
てきてしまい、実用に相応しくなく適さない。
【0036】得られマスキングペーパーのJAPAN
TAPPI NO.5に準じて測定される透気度は 30
秒〜60秒が好ましい。後の加工工程で糊を塗布する
際、糊が裏面へ裏抜けしないようサイズ性とともに地合
が求められる。地合の悪化は強度の低下とともにこの裏
抜けを誘発するため、透気度は30秒〜60秒が好まし
い。30秒未満では糊塗布時に地合不良で糊の裏抜けを
誘発するだけでなく、地合不良により紙力の低下も招く
ため好ましくない。逆に60秒を超えると、シート乾燥
時の乾燥不良を誘発するため好ましくない。
【0037】得られたマスキングペーパーの坪量は要求
品質に合わせ適宜選択可能であるが密度は0.5〜0.
9g/cmの範囲にすることが重要である。密度が
0.5g/cm以下であるとクッション性はあるもの
の、紙力が低下してしまい適さない。逆に密度が0.9
g/cmを超えるとクッション性が乏しく、実用時緩
衝材として樹脂板の保護に支障をきたすため適さない。
【0038】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、勿論、本発明はこれらの例に限定されるもの
ではない。尚、以下の実施例および比較例において%は
重量%であり、パルプスラリーへの添加剤の添加量は、
絶乾重量に対する重量%で示した。
【0039】各物性の測定は、下記の方法に従った。 試験法 (1)厚さ JIS P−8118に準じて測定した。 (2)裂断長(MD方向) JIS P−8113に準じて測定した。 (3)湿潤引張強さ(MD方向) JIS P 8135に準じて測定した。 (4)ステキヒトサイズ度 JIS P 8122に準じて測定した。 (5)表面強さ JAPAN TAPPI 紙パルプ試験法 No.1
A法に準じて測定した。(単位A) (6)王研式透気度 王研式透気度はJAPAN TAPPI 紙パルプ試験
法 No.5 に準じて測定した。
【0040】実施例1 LBKP55%、NBKP45%とを配合し、CSF3
90mLに叩解した後、置換度0.45のCMC(固形
分濃度1%の溶液粘度900mPa・s、第一工業製薬
製試作品450A)を絶乾パルプ重量に対し0.1%添
加した。その後、定着剤として硫酸バンドを2.0%添
加し、サイズ剤(日本PMC社製 AL−120)を
1.5%添加し、更にアニオン性ポリアクリルアミドを
成分とする紙力増強剤(荒川化学工業株式会社製 PS
194−7)を0.9%と、カチオン変性尿素樹脂を成
分とする湿潤紙力増強剤(三井化学株式会社製 ユーラ
ミンP1510)を0.9%添加し、ハーパー型抄紙機
を用い、ヤンキードライヤーでの熱風の温度を80℃
で、反ドライヤー面から吹き付けたに後に湿った熱風を
吸引し、マスキングペーパーを得た。
【0041】実施例2 アニオン性ポリアクリルアミドを成分とする紙力増強剤
(荒川化学工業株式会社製 PS194−7)を0.5
%と、カチオン変性尿素樹脂を成分とする湿潤紙力増強
剤(三井化学株式会社製 ユーラミンP1510)を
0.5%とした以外は実施例1と同様にして抄紙し、マ
スキングペーパーを得た。
【0042】実施例3 CMCの添加率を2.9%にしたこととカチオン変性尿
素樹脂を成分とする湿潤紙力増強剤(三井化学株式会社
製 ユーラミンP1510)を1.0%とした以外は実
施例1と同様にして抄紙し、マスキングペーパーを得
た。
【0043】実施例4 CMCの添加率を0.03%とした以外は実施例1と同
様にして抄紙し、マスキングペーパーを得た。
【0044】実施例5 CMCを置換度が0.35のもの(固形分濃度1%の溶
液粘度100mPa・s、自社実験室製造)とした以外
は実施例2と同様にして抄紙し、マスキングペーパーを
得た。
【0045】実施例6 CMCを置換度が0.55のもの(固形分濃度1%の溶
液粘度1600mPa・s、第一工業製薬社製、セロゲ
ン4H)としたこと以外は実施例1と同様にして抄紙
し、マスキングペーパーを得た。
【0046】実施例7 CMCをの置換度が0.40のもの(固形分濃度1%の
溶液粘度100mPa・s、第一工業製薬試作品#41
2C)としたことと、CMCの添加率を1.0%とした
以外は実施例1と同様にして抄紙し、マスキングペーパ
ーを得た。
【0047】比較例1 CMCを添加しないこと以外は、実施例1と同様にして
抄紙し、マスキングペーパーを得た。
【0048】比較例2 カルボキシメチルセルロースの置換度を0.7(固形分
濃度1%の溶液粘度1700mPa・s、第一工業製薬
株式会社製、セロゲンBSH)とした以外は実施例1と
同様に抄紙し、マスキングペーパーを得た。
【0049】比較例3 カルボキシメチルセルロースの添加率を0.03%とし
た以外は実施例1と同様に抄紙し、マスキングペーパー
を得た。
【0050】比較例4 カルボキシメチルセルロースの添加率を3.2%とした
以外は実施例1と同様に抄紙し、マスキングペーパーを
得た。
【0051】得られたマスキングペーパーの物性を測定
し、実施例1〜3及び比較例1〜4で得られた結果を表
1に示した。
【0052】
【表1】
【0053】表1の結果から明らかなように、実施例1
〜3のマスキングペーパーは加工時もしくは樹脂表面に
貼付され実用される際に必要な、高いサイズ性と十分な
強度を有している。一方、カルボキシメチルセルロース
を添加しなかったり(比較例1)、カルボキシメチルセ
ルロースの置換度が規定の範囲を外れた場合(比較例
2)、あるいはカルボキシメチルセルロースの添加率が
規定の範囲を外れて小さくなると(比較例3)、裂断長
が十分でなくなり、あわせてサイズ性、湿潤引張強さも
十分な値とはならない。また、カルボキシメチルセルロ
ースの添加率が規定の範囲を超えて大きくなると(比較
例4)、地合が悪化することにより紙力が低下するのみ
でなく、サイズ性も低下してしまう。
【0054】
【発明の効果】特定のカルボキシメチルセルロースを添
加することにより、紙力増強剤の添加量を減らしても、
加工時および実用時の良好な強度とサイズ性を有するア
クリル板あるいは塩化ビニル板などの樹脂板の表面保護
に利用されるマスキングペーパーを得ることが可能とな
った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北尾 修 東京都江東区東雲1丁目10番6号 王子製 紙株式会社東雲研究センター内 Fターム(参考) 4L055 AA02 AA03 AC06 AG46 AG72 AG77 AG78 AH16 AH17 BD10 CF03 EA29 EA32 FA13 FA17 GA42 GA50

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】置換度0.3〜0.6のカルボキシメチル
    セルロースが絶乾パルプ重量に対して0.01〜3.0
    重量%添加されていることを特徴とするマスキングペー
    パー。
  2. 【請求項2】JIS P 8135に準じて測定したM
    D方向の湿潤引張強さが0.4〜3.0kN/mである
    ことを特徴とする請求項1に記載のマスキングペーパ
    ー。
  3. 【請求項3】厚さが65μm以下、且つJIS P 8
    122に準じて測定したステキヒトサイズ度が3秒以上
    であることを特徴とする請求項1又は2に記載のマスキ
    ングペーパー。
  4. 【請求項4】JAPAN TAPPI 紙パルプ試験法
    No.1 A法 に準じて測定した表面強さが14以
    上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載のマスキングペーパー。
  5. 【請求項5】置換度が0.3〜0.6のカルボキシメチ
    ルセルロースを添加した後に、添加率の合計が、絶乾パ
    ルプ重量に対して0.1〜2.0重量%の範囲で、少な
    くとも1種類以上の紙力増強剤を添加することを特徴と
    するマスキングペーパーの製造方法。
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