JP2003027197A - 高周波特性に優れた無方向性電磁鋼板 - Google Patents

高周波特性に優れた無方向性電磁鋼板

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JP2003027197A JP2001377231A JP2001377231A JP2003027197A JP 2003027197 A JP2003027197 A JP 2003027197A JP 2001377231 A JP2001377231 A JP 2001377231A JP 2001377231 A JP2001377231 A JP 2001377231A JP 2003027197 A JP2003027197 A JP 2003027197A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波特性に優れ、かつ打ち抜き性や製造安
定性にも優れた無方向性電磁鋼板を提供する。 【解決手段】 重量%で、C:0.01%以下、Si:1〜4.
0%、Mn:1%以下、P:0.05%以下、S:0.02%以下
(0を含む)、sol.Al:0.1〜2%、N:0.005%以下
(0を含む)、Cr:0.2〜5%、Cu:0.05〜0.5%を含有
し、残部が実質的にFeであることを特徴とする高周波特
性に優れた無方向性電磁鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波領域(100H
z〜1kHz)において優れた磁気特性(低鉄損、高磁束密
度)を有することが要求される場合に用いられる無方向
性電磁鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電気機器の小型・高効率化の動き
を受けて、モータコアの鉄心材料として使用される無方
向性電磁鋼板には一層の低鉄損化が求められつつある。
特に最近では、電気自動車用モータや高効率エアコン用
モータなどのように高周波領域で使用される用途が増え
ており、高周波での鉄損特性に優れた鋼板のニーズが高
くなっている。例えば、電気自動車では200〜1kHzで励
磁され、高効率エアコン用モータでは100〜400Hzで励磁
されるため、かかる周波数域の磁気特性にすぐれた鋼板
が必要とされている。
【0003】一般に高周波での鉄損特性を向上させる方
法としては、Si、Al含有量を増加させる手法が広く採用
されている。しかしながら、Si、Alの含有量の増加に伴
い打ち抜き性や冷間圧延性が劣化するため、Si、Al含有
量の増加による特性向上には限界があった。
【0004】一方、Crは合金元素のなかでも強度上昇の
少ない元素であり、かつ固有抵抗を増加させる性質を有
しているため、Crの積極活用により、打ち抜き性や冷間
圧延性を劣化させることなく高周波鉄損を改善できるこ
とも考えられる。
【0005】このような観点から、例えば特開平11−
343544号公報には、Siを2.5〜10%含有し、Cと
Nの含有量の総和を100ppm以下とした鋼にCrを1.5〜20
%含有させることによって、冷間加工性と高周波鉄損を
改善する方法が開示されている。さらに、特開2000
−119822号公報には、Si:1〜4%、S:0.002
%以下、N:0.003%以下、Ti:0.006%以下、Nb:0.01
%以下とした鋼にCrを1〜8%含有させることによっ
て、冷間圧延性を損なうことなく鉄損特性を向上させる
方法が開示されている。
【0006】このほか、特開2000−129409号
公報には0.1〜7%のSiを含有する鋼にSn、Sbを含有さ
せて仕上圧延の累積圧下率を65〜95%とした鋼にCrを0.
01〜1%含有させることによって、電気抵抗が増加し、
鉄損が低減されることが、特開2000−144348
号公報には0.5〜4.5%のSiを含有する鋼に50℃以上の温
度域で冷間圧延を施した鋼においてCrを10%以下含有さ
せることによって、比抵抗が増加することが記載されて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法はいずれも仕上焼鈍後の磁気特性を対象としたもの
であり、歪取り焼鈍SRA(以後SRAと記すことがあ
る)後の磁気特性を満足するものではなかった。つま
り、高効率モータ等の用途の多くは磁気特性の向上を目
的にSRAが実施されるが、本発明者らがかかるCr含有
鋼にSRAを実施したところ、仕上焼鈍後には高周波に
おいて良好な磁気特性を示していても、SRA実施後に
はCrそのものが磁気特性に悪影響を及ぼすため、鉄損が
大幅に増加することが判明した。つまり、従来技術で
は、高価なCrを含有させても、SRA後にCr含有の効果
を享受することは難しいのが実状であった。同じこと
は、ブルーイング相当熱処理等の加熱処理を行う場合に
も発生し、問題となっていた。
【0008】本発明はこのような事情に鑑みなされたも
のであり、歪取り焼鈍、ブルーイング相当熱処理等の加
熱処理後においても高周波特性に優れ、かつ打ち抜き性
や製造安定性にも優れた無方向性電磁鋼板を提供するこ
とを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の第1の手段は、重量%で、C:0.01%以下、Si:1〜
4.0%、Mn:1%以下、P:0.05%以下、S:0.02%以
下、sol.Al:0.1〜2%、N:0.005%以下、Cr:0.2〜
5%、Cu:0.05〜0.5%を含有し、残部が実質的にFeで
あることを特徴とする高周波特性に優れた無方向性電磁
鋼板(請求項1)である。
【0010】前記課題を解決するための第2の手段は、
重量%で、C:0.01%以下、Si:1〜4.0%、Mn:1%
以下、P:0.05%以下、S:0.02%以下)、sol.Al:0.
1〜2%、N:0.005%以下、Cr:0.2〜5%、Sb:0.002
〜0.1%を含有し、残部が実質的にFeであることを特徴
とする高周波特性に優れた無方向性電磁鋼板(請求項
2)である。
【0011】前記課題を解決するための第3の手段は、
重量%で、C:0.01%以下、Si:1〜4.0%、Mn:1%
以下、P:0.05%以下、S:0.02%以下)、sol.Al:0.
1〜2%、N:0.005%以下、Cr:0.2〜5%、Sn:0.002
〜0.1%を含有し、残部が実質的にFeであることを特徴
とする高周波特性に優れた無方向性電磁鋼板(請求項
3)である。
【0012】前記課題を解決するための第4の手段は、
重量%で、C:0.01%以下、Si:1〜4.0%、Mn:1%
以下、P:0.05%以下、S:0.02%以下、sol.Al:0.1
〜2%、N:0.005%以下、Cr:0.2〜5%を含有し、さ
らにCu、Sb、Snのうちの二種以上をCu:0.05〜0.5%、S
b:0.002〜0.1%、Sn:0.002〜0.1%の範囲で含有し、
残部が実質的にFeであることを特徴とする高周波特性に
優れた無方向性電磁鋼板(請求項4)である。
【0013】前記課題を解決するための第5の手段は、
前記第1の手段から第4の手段のいずれかの成分のうち
Cr含有量を、重量%で0.4〜1.4%とした高周波特性に優
れた無方向性電磁鋼板(請求項5)である。 (本発明に至る経緯とCr、Cu、Sb、Snの限定理由)以
下、本発明に至る過程と、Cr、Cu、Sb、Snの限定理由に
ついて詳細に説明する。
【0014】本発明者らは、Cr含有鋼のSRA後特性の
改善方法について鋭意検討を行った。まず、Cr含有鋼の
SRA後特性の支配因子について調査を行った。C:0.
0025%、Si:2.5%、Mn:0.2%、S:0.0015%、sol.A
l:1%、N:0.0014%、Cr:tr.および1.0%を含有する
鋼を真空溶解し、熱間圧延および酸洗を行った。引き続
きこの熱延板に75%H−25%N雰囲気で830℃×3h
rの熱延板焼鈍を施し、その後、板厚0.35mmまで冷間圧
延し、10%H-90%N雰囲気で950℃×1min間の仕
上焼鈍を行った。得られた鋼板から内径33mm、外径45mm
のリング形状の試験片を切り出して磁気特性を調査し
た。その後、100%H雰囲気で750℃×2hrのSRAを
施し、同様に磁気特性を調査した。その結果を表1に示
す。 (表1)
【0015】
【表1】
【0016】表1より、Cr含有鋼は仕上焼鈍後には優れ
た磁気特性を有しているが、SRAの実施で鉄損が著し
く劣化しており、tr.Cr鋼よりむしろ磁気特性が劣化し
ていることがわかる。Cr含有鋼で磁気特性が劣化した原
因を光学顕微鏡、走査電子顕微鏡を使用して調査した結
果、Cr含有鋼ではSRAの冷却時にCr系のカーバイドが
多量に粒界析出していることが判明した。
【0017】そこで本発明者らは、カーバイドの析出を
防止、軽減すればCr含有鋼のSRA後の磁気特性が向上
するのではないかと考え、カーバイド析出の防止を試み
た。カーバイドの析出防止にはCの低減が有効と考えら
れるが、製鋼でのCの低減には限界があり、コストアッ
プにもつながる。また、脱炭焼鈍の適用もコストアップ
につながるうえに製造安定性に問題がある。
【0018】そこで本発明者らは、低コストで製造安定
性にも優れた方法として第三元素の活用を試みた。その
結果、適量のCrを含有させた鋼においてCu、Sb、Sn等を
活用することで、SRA後の高周波磁気特性が格段に向
上することが見いだされた。
【0019】以下にその結果について述べる。C:0.00
25%、Si:2.5%、Mn:0.2%、S:0.0015%、sol.Al:
1%、N:0.0012%、Cr:tr.および1%、Cu:tr.〜0.6
%を含有する鋼を真空溶解した。その後、先と同様の条
件にてサンプル作製を行い、磁気特性を評価した。その
結果を図1に示す。
【0020】図1より、tr.Cr鋼ではCuを含有させても
磁気特性の改善効果はほとんど認められないことがわか
る。また、Cr含有鋼でもCuを含有しないものではSRA
後の磁気特性は著しく高い。ところが、Cr含有鋼にCuを
0.05%以上含有させたものでは、磁気特性が大幅に向上
していることがわかる。つまり、CrとCuを複合して含有
させた場合は、これらをそれぞれ単独で含有させた場合
と比べて磁気特性が格段に向上することが判明したので
ある。この原因を調査した結果、Cu含有鋼ではSRA後
のカーバイドの析出個数がtr.Cu鋼よりも著しく減少し
ていることが判明した。また、粒内のカーバイドも完全
に消失していた。つまり、カーバイドの析出状態の相違
が磁気特性向上の原因と考えられる。
【0021】ただし、Cuを0.5%以上含有させると表面
キズが発生しやすくなる。したがって、Cuは0.05〜0.5
%の範囲とする。表面キズを軽減するにはNiを複合して
含有させるのがよい。本発明者らがNi含有量について調
査を行ったところ、Niは0.5%以下であれば含有させて
も磁気特性に悪影響を及ぼさないことが明らかになっ
た。よって、表面キズを軽減する目的でNiを0.5%以下
で複合して含有させることが好ましい。
【0022】なお、図1において○印でプロットされて
いる点におけるCu含有量は、左から0、0.05、0.1、0.
2、0.3、0.4、0.5、0.6%である。
【0023】さらに、Cu以外の元素についても同様の試
験を実施したところ、Sb、Snにも同様の効果が認められ
ることが確認された。これらの結果を、図2、図3に示
す。図2、図3より、Sb、Snはともに0.002%以上含有
させることにより、磁気特性が向上することが分かる。
なお、図2、図3において○印でプロットされている点
のSb、Sn含有量は、左から0、0.001、0.002、0.004、0.
007、0.01、0.02、0.05、0.1、0.15、0.2%である。た
だし、Sb、Snを0.1%以上含有させると、強度上昇によ
り打ち抜き性が劣化する。したがって、これらの含有量
は、0.002〜0.1%とする。
【0024】次に、tr.Cuおよび0.2%Cu鋼において、S
RA後の高周波特性とCr含有量の関係を調査した。供試
材の化学成分はC:0.0025%、Si:2.5%、Mn:0.2%、
S:0.0015%、sol.Al:1%、N:0.0012%である。そ
の結果を図4に示す。図4においても、Cu含有によりCr
含有の効果が大きく変化していることがわかる。つま
り、tr.Cu鋼では、Crの含有によってSRA後鉄損はわ
ずかに減少傾向を示した後、増加に転じているが、0.2
%Cu鋼ではCrの含有量が1%付近まではCrの含有量の増
加により鉄損は減少している。このため、0.2%Cu鋼に
おいては、Cr含有量が0.2〜5%の範囲でSRA後に良
好な高周波特性が得られている。また、Crの含有量が0.
4〜1.4%の範囲にあるときにさらに良好な特性が得られ
ている。
【0025】以上より、Crの含有量は0.2〜5%(請求
項1〜4)とし、さらに好ましい範囲として0.4〜1.4%
(請求項5)とする。なお、0.5〜1%とすることがよ
り一層好ましい。
【0026】なお、図4においてプロットされている点
のCr含有量は左から順に0、0.1、0.2、0.4、0.5、0.8、
1.0、1.4、1.7、4.5、5.0%である。また、Sn、Sbを0.0
02%以上含有する鋼においても、上記と同様の傾向が認
められた。なお、以上の考察は、磁性焼鈍を行った例に
ついて行ったが、Cr含有鋼において、ブルーイング相当
熱処理や、その他の加熱処理を行うと、その冷却時にCr
系のカーバイドが多量に粒界析出し、その結果磁気特性
を悪化させることは、同じであるので、本発明の効果
は、仕上焼鈍の後に、これらの加熱処理を行う鋼板につ
いて得られるものである。
【0027】(その他の成分の限定理由) Si: Siは鋼板の固有抵抗を上げるのに有効な元素であ
る。しかし、含有量が1%以下では高周波特性の向上効
果が小さく、4.0%超えでは打ち抜き性や圧延性が劣化
する。したがって、Siの含有量は1〜4.0%とする。 Mn: Mnは粒成長性の向上あるいは赤熱脆性を防止する
目的で含有させてもよい。しかし、Crを含有している本
発明鋼においては、1%を超えて含有させると磁束密度
が著しく低下する。また、打ち抜き性も劣化する。従っ
て、Mn含有量は1%以下とする。磁束密度及び打ち抜き
性の観点からは、Mn含有量は0.3%以下とすることが好
ましい。さらに、Sの含有量を0.0009%以下とするか、
Ca又はREMを0.0005〜0.0050含有させてMnSの析出に
起因した粒成長性の劣化や赤熱脆性を防止する場合に
は、Mnの含有量を0.1%以下とすることがより好まし
い。
【0028】P: Pは0.05%を超えて含有させると鋼
板が硬くなるため0.05%以下とした。低硬度化の観点か
らは0.01%以下とすることが望ましい。 S: Sは0.02%を超えて含有すると磁気特性が劣化す
るため、0.02%以下とする。鋼板の粒成長性を向上させ
るには、0.002%以下とすることが好ましい。 Al: AlはSiと同様、固有抵抗を上げるのに有効な元素
である。しかし、Alの含有量が0.1%未満では、微細析
出物が形成されるため、粒成長性が劣化し、磁気特性に
悪影響を及ぼす。一方、2%を超えて含有させても磁気
特性の改善効果は小さく、いたずらにコストアップを招
く。したがって、sol.Alの含有量は0.1〜2%とする。 N: Nは含有量が多いとAlNの析出量が多くなり、鉄
損を増大させるため0.005%以下とする。
【0029】上記以外の元素として、粒成長性を向上さ
せる目的でCaやREMを0.005%以下含有させてもよ
い。また、表面キズを防止する目的でNiを0.5%以下、
内部酸化を防止する目的でBを0.002%以下含有させて
もよい。
【0030】(製造方法)本発明においては、成分が所
定の範囲内であれば、製造方法は通常の無方向性電磁鋼
板を製造する方法でかまわない。すなわち、転炉で吹練
した溶鋼を脱ガス処理し所定の成分に調整し、引き続き
鋳造、熱間圧延を行う。熱間圧延時の仕上焼鈍温度、巻
取り温度は特に規定する必要はなく、通常の無方向性電
磁鋼板を製造するときの温度でかまわない。また、熱延
後の熱延板焼鈍は行っても良いが必須ではない。次いで
1回の冷間圧延、もしくは中間焼鈍をはさむ2回以上の
冷間圧延により所定の板厚とした後に、最終焼鈍を行
う。製鋼でのCの低減が不十分な場合には、熱延板焼鈍
もしくは最終焼鈍時に露点10〜30℃、5〜30%H−N
の脱炭雰囲気として、Cを低減してもよい。
【0031】
【実施例】(実施例1)鋼を、転炉で吹練した後に脱ガ
ス処理を行うことにより表2に示す所定の成分に調整し
て、鋳造し、スラブを1140℃で1hr加熱した後、板厚2.
0mmまで熱間圧延を行った。熱延仕上げ温度は800℃、巻
取り温度は610℃とした。巻取り後、No.8の鋼板につい
ては、10%H−90%N、露点+17℃、720℃で1hrの
焼鈍を施してCの含有量を調整した後に、75%H−25
%N、露点-30℃、860℃で焼鈍を施した。それ以外に
ついては、脱炭焼鈍を施さずに75%H−25%N、露
点-30℃、860℃で熱延板焼鈍を施した。その後、板厚0.
35mmまで冷間圧延を行い、980℃×50secの仕上焼鈍を行
った後、引き続き750℃×2hrの磁性焼鈍を施した。
【0032】磁気測定は25cmエプスタイン試験片を用い
て行った。各鋼板の磁気特性を表2に併せて示す。
【0033】表2より、鋼板成分を本発明の範囲に制御
したNo.1〜18の鋼番の鋼について、SRA後の高周波
鉄損W10/400に優れた鋼板が得られることがわか
る。
【0034】これに対し、No.19、20の鋼はCu、Sb、Sn
が本発明の範囲外なので、鉄損が高い。No.21の鋼はC
が本発明範囲外なので、鉄損が高い。No.22、23の鋼はC
rが本発明の範囲外なので鉄損が高い。また、No.24の鋼
はMnが本発明の範囲外であるので磁束密度が低下してい
る。N0.25の鋼は、sol.Alが本発明の範囲外であるので
鉄損が高くなっている。
【0035】
【表2】 (実施例2)磁性焼鈍を施さず、代わりに500℃×1hr
のブルーイング相当熱処理を施した他は、実施例1と全
く同じ条件で製造を行った結果を、表3に示す。Cu、S
b、Snのいずれもが添加されていないNo.26の鋼は鉄損が
高くなっているが、Sbを本発明の範囲で添加したNo.2
7、No.28の鋼においては低い鉄損が得られている。
【表3】
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば高
周波特性に優れ、かつ打ち抜き性や製造安定性にも優れ
た鋼板が得られる。なお、本発明にかかる無方向性磁性
鋼板は、磁性焼鈍やブルーイング相当熱処理、その他の
加熱処理が行われた後で使用するときに格別優位な効果
を発揮するが、これら加熱処理を行わない状態で使用し
ても低い鉄損が得られることには変わりはなく、特に用
途を加熱処理が行われた後で使用するものに限定される
わけではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】tr.Cr鋼と1%Cr鋼の、SRA後のW
10/400とCu含有量の関係を示す図である。
【図2】 tr.Cr鋼と1%Cr鋼の、SRA後のW
10/400とSb含有量の関係を示す図である。
【図3】 tr.Cr鋼と1%Cr鋼のSRA後のW
10/400とSn含有量の関係を示す図である。
【図4】 tr.Cu鋼と0.2%Cu鋼のSRA後のW
10/400とCr含有量の関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 靖 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 5E041 AA02 CA01 CA04 NN01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.01%以下、Si:1〜4.
    0%、Mn:1%以下、P:0.05%以下、S:0.02%以
    下、sol.Al:0.1〜2%、N:0.005%以下(、Cr:0.2
    〜5%、Cu:0.05〜0.5%を含有し、残部が実質的にFe
    であることを特徴とする高周波特性に優れた無方向性電
    磁鋼板。
  2. 【請求項2】 重量%で、C:0.01%以下、Si:1〜4.
    0%、Mn:1%以下、P:0.05%以下、S:0.02%以
    下、sol.Al:0.1〜2%、N:0.005%以下、Cr:0.2〜
    5%、Sb:0.002〜0.1%を含有し、残部が実質的にFeで
    あることを特徴とする高周波特性に優れた無方向性電磁
    鋼板。
  3. 【請求項3】 重量%で、C:0.01%以下、Si:1〜4.
    0%、Mn:1%以下、P:0.05%以下、S:0.02%以
    下、sol.Al:0.1〜2%、N:0.005%以下、Cr:0.2〜
    5%、Sn:0.002〜0.1%を含有し、残部が実質的にFeで
    あることを特徴とする高周波特性に優れた無方向性電磁
    鋼板。
  4. 【請求項4】 重量%で、C:0.01%以下、Si:1〜4.
    0%、Mn:1%以下、P:0.05%以下、S:0.02%以
    下、sol.Al:0.1〜2%、N:0.005%以下、Cr:0.2〜
    5%を含有し、さらにCu、Sb、Snのうちの二種以上をC
    u:0.05〜0.5%、Sb:0.002〜0.1%、Sn:0.002〜0.1%
    の範囲で含有し、残部が実質的にFeであることを特徴と
    する高周波特性に優れた無方向性電磁鋼板。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のうちいずれか1
    項に記載の成分のうち、Cr含有量を、重量%で0.4〜1.4
    %とした高周波特性に優れた無方向性電磁鋼板。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3872195A4 (en) * 2019-12-27 2023-05-24 Shougang Zhixin Qian'an Electromagnetic Material Co., Ltd. NON-ORIENTED GRAIN ELECTRIC STEEL, METHOD FOR PREPARATION AND USE

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EP3872195A4 (en) * 2019-12-27 2023-05-24 Shougang Zhixin Qian'an Electromagnetic Material Co., Ltd. NON-ORIENTED GRAIN ELECTRIC STEEL, METHOD FOR PREPARATION AND USE

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JP4123505B2 (ja) 2008-07-23

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