JP2003025825A - 車両用空気調和装置 - Google Patents

車両用空気調和装置

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JP2003025825A
JP2003025825A JP2001232529A JP2001232529A JP2003025825A JP 2003025825 A JP2003025825 A JP 2003025825A JP 2001232529 A JP2001232529 A JP 2001232529A JP 2001232529 A JP2001232529 A JP 2001232529A JP 2003025825 A JP2003025825 A JP 2003025825A
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control
vehicle
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air
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JP2001232529A
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Hiroshi Oga
啓 大賀
Takamasa Kawai
孝昌 河合
Toshifumi Kamiya
敏文 神谷
Yuichi Kajino
祐一 梶野
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車載制御装置の負担増大や装置の大型化を招
くこと無しに、乗員の好みに合った最適制御が可能とな
る車両用空気調和装置を提供する。 【解決手段】 空調ユニット20内の作動部27を学習
制御する制御装置16を有する車両用空気調和装置にお
いて、制御装置16は、車両側に設けられた第1の制御
装置17と、車両外部に設けられた第2の制御装置18
とから構成されるようにする。そして、互いに交信でき
る通信手段38A、41Aを設け、制御装置16内に構
成される各手段のうち、記憶手段31c、43cおよび
演算手段31a、43aは、それぞれ第1の制御装置1
7および第2の制御装置18の少なくとも一方に設けら
れるようにする。更に、第2の制御装置18側に設けら
れる記憶手段43cの記憶能力および演算手段43aの
演算能力の少なくとも一方の能力を、第1の制御装置1
7側に設定でき得る能力よりも大きくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用空気調和装
置に関するものであり、制御値の演算、制御特性の学習
演算をより高度に実施するようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用空気調和装置において、特
開平5ー208610号公報のように、乗員の手動操作
が入った時にマイクロコンピュータの学習演算により、
装置内の空気を送風する送風機の制御特性を変更し、容
易に送風特性を変更できるようにし、より乗員の好み合
った制御ができるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、内外気
の切換え、空調空気の温度、吹出しモードの切換え等を
含め、更に、乗員の好みに合った制御を行なわせるため
には、乗員の好みを記憶した種々の学習データメモリや
学習演算が必要となり、メモリ容量や演算負荷が増大
し、車載制御装置の負担増大や装置の大型化を招く。
【0004】本発明の目的は、上記問題に鑑み、車載制
御装置の負担増大や装置の大型化を招くこと無しに、乗
員の好みに合った最適制御が可能となる車両用空気調和
装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、以下の技術的手段を採用する。
【0006】請求項1に記載の発明では、空調ユニット
(20)内に設けられ、空調を機能させるために作動す
る作動部(27、22a〜22e)と、作動部(27、
22a〜22e)の作動を学習制御する制御装置(1
6)とを有するものであって、この制御装置(16)に
は、車室内の空調状態に影響を及ぼす環境条件を検出す
る複数の環境条件検出手段(33〜36)と、環境条件
と作動部(27、22a〜22e)への制御値との相対
関係である制御特性を記憶する記憶手段(31c、43
c)と、乗員の手動操作によって制御値を切換える空調
モード切換え手段(37)と、環境条件検出手段(33
〜36)の検出情報に基づいて制御特性から制御値を算
出すると共に、空調モード切換え手段(37)によって
制御値が変更された時に、制御特性を学習変更する演算
手段(31a、43a)と、演算手段(31a、43
a)で得られた制御値によって作動部(27、22a〜
22e)を駆動する駆動手段(30)とが設けられるよ
うにした車両用空気調和装置において、制御装置(1
6)は、車両側に設けられた第1の制御装置(17)
と、車両外部に設けられた少なくとも1つの第2の制御
装置(18)とから構成されるようにする。
【0007】そして、第1、第2の制御装置(17、1
8)は、環境条件検出手段(33〜36)、空調モード
切換え手段(37)、記憶手段(31c、43c)、演
算手段(31a、43a)の少なくとも1つの情報を互
いに交信できる通信手段(38A、41A)をそれぞれ
有するようにする。
【0008】また、制御装置(16)内に構成される各
手段のうち、環境条件検出手段(33〜36)、空調モ
ード切換え手段(37)、駆動手段(30)は、第1の
制御装置(17)に設けられるようにすると共に、記憶
手段(31c、43c)および演算手段(31a、43
a)は、それぞれ第1の制御装置(17)および第2の
制御装置(18)の少なくとも一方に設けられるように
する。
【0009】更に、第2の制御装置(18)側に設けら
れる記憶手段(31c、43c)の記憶能力および演算
手段(31a、43a)の演算能力の少なくとも一方の
能力を、第1の制御装置(17)側に設定でき得る能力
よりも大きくしたことを特徴としている。
【0010】これにより、記憶容量や演算負荷を大きく
必要とする学習制御において、車両側に設けられた第1
の制御装置(17)に対して、記憶容量あるいは演算能
力を大きくした車両外部の第2制御装置(18)によっ
て、膨大な記憶や複雑な演算ができるようになるので、
車載制御装置の負担増大や装置の大型化を招くこと無
く、乗員の好みに合った最適な空調制御が可能となる。
【0011】請求項2〜4に記載の発明によれば、少な
くとも1つの第2の制御装置(18)は、車両外部の基
地(40)内に設けられた基地制御装置(18)とした
り、または個人用端末装置(60)としたり、更には、
車両外部の基地(40)内に設けられた基地制御装置
(18)および個人用端末装置(60)とから成るもの
としたことを特徴としている。尚、第2の制御装置(1
8)を基地制御装置(18)および個人用端末装置(6
0)の組合わせとする場合には、両者に環境条件検出手
段(33〜36)、空調モード切換え手段(37)、記
憶手段(31c、43c、62b)、演算手段(31
a、43a)の少なくとも1つの情報を互いに交信でき
る通信手段(41A、63A)を設けるようにする。
【0012】これにより、記憶容量や演算能力の大きな
装置として必要とされる第2の制御装置(18)を、基
地(40)内の基地制御装置(18)や個人用端末装置
(60)を用いて具体的に対応することができる。
【0013】請求項5に記載の発明では、作動部(2
7、22a〜22e)は、空調ユニット(20)内に空
気を送風する送風機(27)、内気あるいは外気の導入
流路を切換える内外気切換えドア(22a)、空気温度
を調整するエアミックスドア(22b)、吹出し流路口
を開閉するデフロスタドア(22c)、フェイスドア
(22d)、フットドア(22e)としており、制御特
性としては、送風機(27)の印加電圧制御特性、内外
気切換えドア(22a)の開閉による内外気モード制御
特性、エアミックスドア(22b)の開度制御特性、デ
フロスタドア(22c)、フェイスドア(22d)、フ
ットドア(22e)の開閉による吹出しモード制御特性
のうちの少なくとも1つであることを特徴としている。
【0014】これにより、空調空気の送風量、内外気モ
ード、空気温度、吹出しモード等の種々の空調条件を乗
員の好みに反映することができる。
【0015】請求項6に記載の発明では、第1の制御装
置(17)は、乗員の入れ代わり、車両の入れ代わりを
識別する識別手段(51、52)を有し、演算手段(3
1a、43a)は、識別手段(51、52)からの乗員
識別情報、車両識別情報の少なくとも1つに基づいて制
御特性を学習変更するようにしたことを特徴としてい
る。
【0016】これにより、乗員が代わったとき、車両が
代わったときにも、乗員の好みを反映した空調制御が可
能となる。
【0017】請求項7に記載の発明では、第1、第2の
制御装置(17、18、60)に設けられる記憶手段
(31c、43c、62b)および演算手段(31a、
43a)は、コンピュータの構成要素としており、通信
手段(38A、41A、63A)は、インターネットを
用いたことを特徴としている。
【0018】これにより、交信する信号は、コンピュー
タのデジタルデータとして、車両(10)側と車両外部
間をインターネットで容易に通信できる。
【0019】請求項8に記載の発明では、第1の制御装
置(17)あるいは基地制御装置(18)の演算手段
(31a、43a)で学習変更された制御特性は、個人
用端末装置(60)の記憶手段(62b)に記憶される
ようにし、第1の制御装置(17)あるいは基地制御装
置(18)は、個人用端末装置(60)に記憶された制
御特性を用いて、作動部(27、22a〜22e)を制
御するようにしたことを特徴としている。
【0020】これにより、記憶容量の大きな個人用端末
装置(60)に乗員本人の学習データ(学習演算された
制御特性)を多量に記憶できるようになる。そして、常
に乗員本人の学習データを用いることができるので、複
数の乗員を対象にした学習制御において、使用するデー
タを間違えたり、他人のデータを変更してしまうような
ことがない。
【0021】請求項9に記載の発明では、個人用端末装
置(60)は、個人を識別する個人識別情報を有してお
り、第1の制御装置(17)には、個人識別情報を入力
する個人識別情報入力手段(53)が設けられ、第1の
制御装置(17)あるいは基地制御装置(18)の演算
手段(31a、43a)で学習変更された制御特性は、
個人識別情報と共に第1の制御装置(17)あるいは基
地制御装置(18)の記憶手段(31c、43c)に記
憶されるようにし、第1の制御装置(17)あるいは基
地制御装置(18)は、個人識別情報入力手段(53)
から入力される個人識別情報に対応する第1の制御装置
(17)あるいは基地制御装置(18)に記憶された制
御特性を用いて、作動部(27、22a〜22e)を制
御するようにしたことを特徴としている。
【0022】これにより、個人用端末装置(60)を忘
れた場合、あるいは電源切れ等で使用できない場合で
も、個人識別情報により今まで学習された本人のデータ
を第1の制御装置(17)あるいは基地制御装置(1
8)から読み込み、活用することができるので、学習制
御を引続き行なうことができる。
【0023】請求項10および請求項11に記載の発明
では、個人用端末装置(60)は、携帯電話(61)と
しており、個人用識別情報は、この携帯電話(61)の
電話番号としたことを特徴としている。
【0024】これにより、普及率が高く身近な携帯電話
(61)を個人用端末装置(60)として比較的容易に
活用でき、個人用識別情報を電話番号として利用でき
る。
【0025】請求項12に記載の発明では、第1の制御
装置(17)あるいは基地制御装置(18)の演算手段
(31a、43a)で学習変更された後に、基地制御装
置(18)の記憶手段(43c)あるいは個人用端末装
置(60)の記憶手段(62b)に記憶される制御特性
のうち、いずれか新しい方の制御特性が他方の記憶手段
(43c、62b)に、通信手段(41A、63A)を
用いて送信されるようにしたことを特徴としている。
【0026】これにより、個人用端末装置(60)を忘
れた場合や電源切れで使用できない場合に、学習された
最新の制御特性は基地制御装置(18)側に記憶される
ことになるが、基地制御装置(18)から個人用端末装
置(60)に学習データが送信されるので、常に個人用
端末装置(60)には最新の学習データを記憶でき、次
回個人用端末装置(60)を使用する場合に、好みに合
った空調制御を継続できる。
【0027】また、逆に、個人用端末装置(60)側に
最新の学習データが記憶されている場合でも、基地制御
装置(18)側にもそのデータを記憶させるようにする
ことで、上記のように個人用端末を忘れた時などに、基
地制御装置(18)の最新のデータを活用して、好みに
合った空調制御を継続できる。
【0028】請求項13に記載の発明では、第1の制御
装置(17)あるいは基地制御装置(18)の演算手段
(31a、43a)で学習変更された制御特性は、使用
される車両を識別する車両識別情報と共に基地制御装置
(18)の記憶手段(43c)に記憶されるようにし、
乗員が異なる車両を使用する場合に、個人用端末装置
(60)から異なる車両識別情報を基地制御装置(1
8)に送信すると、基地制御装置(18)の演算手段
(43a)は、異なる車両に対応するように制御特性を
変換して、個人用端末装置(60)に送信するようにし
たことを特徴としている。
【0029】これにより、車両を乗り代えた場合でも、
本人の好みに合った空調制御が可能となる。
【0030】請求項14に記載の発明では、少なくとも
1つの第2の制御装置(18)は、通信手段(71A)
および記憶手段(73)を内部に設けた運転免許証(7
0)とし、この運転免許証(70)の記憶手段(73)
には、少なくとも個人を識別する個人識別情報を有して
おり、第1の制御装置(17)の演算手段(31a)
は、個人識別情報に基づいて制御特性を学習変更するよ
うにしたことを特徴としている。
【0031】これにより、車両の運転時に必ず携帯され
る運転免許証(70)によって、乗員の識別を確実に行
なうことができるので、その乗員に合った学習制御が確
実に実施される。
【0032】請求項15に記載の発明では、個人識別情
報は、氏名、性別、年齢、生年月日、免許証番号のうち
の少なくとも1つを有することを特徴としている。
【0033】これにより、乗員自身を識別する情報に加
えて、例えば、年齢、性別を用いてその乗員に対してよ
りフィットした学習を行なうことができる。
【0034】請求項16に記載の発明では、第1の制御
装置(17)の演算手段(31a)で学習変更された制
御特性は、運転免許証(70)の記憶手段(73)に記
憶されるようにし、第1の制御装置(17)は、運転免
許証(70)に記憶された制御特性を用いて、作動部
(27、22a〜22e)を制御するようにしたことを
特徴としている。
【0035】これにより、請求項8に記載の発明と同様
に、常に乗員本人の学習データを用いることができるの
で、複数の乗員を対象にした学習制御において、使用す
るデータを間違えたり、他人のデータを変更してしまう
ようなことがない。
【0036】また、車両を乗り代えた場合でも、運転免
許証(70)に記憶された制御特性を用いて本人の好み
に合った空調制御を継続して行なうことができる。
【0037】請求項17に記載の発明では、通信手段
(38A、71A)は、自動送受信される無線を用いた
ことを特徴としている。
【0038】これにより、乗員が車両に乗車した時に、
自動的に乗員本人の情報を用いた空調制御を行なうこと
ができる。
【0039】尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述す
る実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すもので
ある。
【0040】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)本発明の車両用
空気調和装置の第1実施形態における具体的構成を図1
に示す。車両用空気調和装置は、車両10に設けられる
空調ユニット20、第1の制御装置17および車両外部
の基地40に設けられる第2の制御装置18とから成
る。
【0041】空調ユニット20は、車両10の車室内前
方のインストルメントパネル前方側に配置されており、
空調ユニット20の最上流側には内外気切換えドア22
aが設置されている。この内外気切換えドア22aは、
内外気モードを形成するものであり、外気導入口と内気
導入口とが分かれた部分に配置され、図示しないアクチ
ュエータにより回動し、空調ユニット20内に導入する
空気の内気と外気の割合を選択する。
【0042】ブロアモータ24とこれに固定されたファ
ン23とから成る送風機27は、空調ユニット20内に
空気を吸い込んで空調ユニット20の下流側に送風する
ものであり、送風機27の下流には、エバポレータ25
とヒータコア26が設けられている。
【0043】エバポレータ25は図示しないコンプレッ
サ等と結合され、冷凍サイクルを構成し、通過する空気
を冷却する。ヒータコア26は図示しないエンジン冷却
水が内部を循環し、自身を通過する空気を加熱する。
【0044】ヒータコア26の上流側にはエアミックス
ドア22bが設けられており、エアミックスドア22b
の開度は図示しないアクチュエータにより調節され、こ
れによってヒータコア26を通過する空気とヒータコア
26をバイパスする空気の割合とが調整され、最下流の
車室内に吹き出す空気の温度がコントロールされる。空
気の温度は、エアミックスドア22bの開度が小さい程
低下し冷風となる。
【0045】空調ユニット20の最下流には、吹出しモ
ードを形成するデフロスタドア22c、フェイスドア2
2d、およびフットドア22eが設けられている。そし
て、温度コントロールされた空気は、これら各ドア22
c、22d、22eを図示しないアクチュエータにより
作動させることによって、各吹出モードにて吹出され
る。尚、上記送風機27、各ドア22a〜22eは、本
発明における作動部に対応するものである。
【0046】空調ユニット20内の送風機27の送風量
および各種ドア22a、22b、22c、22d、22
eの開度は、第1の制御装置17および第2の制御装置
18とから構成される制御装置16により制御される。
具体的には、第1の制御装置は車両側制御装置17とし
ており、また第2の制御装置は後述する基地制御装置1
8としており、車両側制御装置17内のマイクロコンピ
ュータ31からの出力信号に基づいて駆動手段を成す駆
動回路30により、図示しない電圧コントローラおよび
アクチュエータを介して制御されるようにしている。
【0047】マイクロコンピュータ31は、中央演算処
理装置(以下、CPU)31a、ROM31b、RA
M、スタンバイRAM31c、I/Oポート、A/D変
換機能等を持ち、それ自体は周知のものである。尚、C
PU31aは、本発明における演算手段に対応し、RO
M31b、スタンバイRAM31cは、本発明における
記憶手段に対応するものである。
【0048】スタンバイRAM31cは、イグニッショ
ンスイッチ(以下、IGスイッチと記す)オフの場合に
おいても後述する各種情報や制御特性データ等を記憶
(バックアップ)するためのRAMであり、IGスイッ
チがオフであってもバッテリーからIGスイッチを介さ
ずに直接電源が供給される。また、バッテリーより電源
がはずされた状況でも短時間ならばマイクロコンピュー
タ31には電源が供給される様な図示しないバックアッ
プ用の電源から構成されている。
【0049】そして、ROM31bには、図2に示すよ
うな各種制御特性が初期特性として記憶されている。具
体的には、図2(a)に示すエアミックスドア22bの
開度制御特性、図2(c)に示す内外気切換えドア22
aの開閉による内外気モード制御特性、図2(d)に示
すデフロスタドア22c、フェイスドア22d、フット
ドア22eの開閉による吹出しモード制御特性である。
これらの制御特性は、後述する目標吹出し温度TAOに
応じて変化するように予め定めたものである。
【0050】マイクロコンピュータ31には、車室内の
空調に影響を及ぼす環境条件が環境条件検出手段として
の内気温センサ33,外気温センサ34,日射センサ3
5によりそれぞれのレベル変換回路32を介して入力さ
れ、これらはマイクロコンピュータ31においてA/D
変換され環境条件情報として読み込まれる。また乗員の
好みの温度は、温度設定スイッチ36(環境条件検出手
段)により入力され、上記同様、レベル変換回路32を
介して入力され、マイクロコンピュータ31においてA
/D変換され設定温度情報(環境条件情報)として読み
込まれる。
【0051】また、マイクロコンピュータ31には空調
モード切換え手段を成す操作部37からの出力信号が入
力される。この操作部37は図示しない自動制御状態を
設定するAUTOスイッチ、手動内外気切換えスイッ
チ、手動吹出しモード切換えスイッチ(フェイス、バイ
レベル、フット、フットデフ、デフロスタ)、手動送風
量切換えスイッチ等から構成される。
【0052】上記スイッチのうち、手動送風量切換えス
イッチの詳細について図3を用いて説明する。手動送風
量切換えスイッチは、ロースイッチ371、ダウンスイ
ッチ372、アップスイッチ373、およびハイスイッ
チ374の4つのスイッチから構成されている。このう
ちロースイッチ371は、押されることによって送風機
27への印加電圧を4ボルト(最低電圧)に制御する信
号を出力するように構成されている。またハイスイッチ
374は、押されることによって印加電圧を12ボルト
(最高電圧)に制御する信号を出力するように構成され
ている。
【0053】またダウンスイッチ372は、押されるこ
とによって印加電圧を所定の電圧分下げる信号を出力
し、アップスイッチ373は、押されることによって印
加電圧を所定の電圧分上げる信号を出力するように構成
されている。
【0054】更に、車両側制御装置17には後述する基
地40に設けられた基地制御装置18と各種信号を互い
に交信できる通信手段38Aが設けられている。通信手
段38Aは、マイクロコンピュータ31からの出力信号
(空調制御に必要な種々の環境条件検出情報、空調モー
ド設定情報、制御特性データ等であるが、ここでは操作
部37の空調モード設定情報としている。)を車両10
外部の基地40に向けて送信する送信部38と、車両1
0外部の基地40からの出力信号を受信し、マイクロコ
ンピュータ31に入力する受信部39とから成るように
している。
【0055】一方、車両10の外部には、例えば、計算
センターのような基地40に、通信手段41Aおよびコ
ンピュータ43を有する第2の制御装置としての基地制
御装置18が設けられている。通信手段41Aは、基地
受信部41と基地送信部42とから成り、基地受信部4
1は、車両10側の送信部38からの出力信号(空調制
御に必要な種々の環境条件情報、空調モード設定情報、
制御特性データ等であるが、ここでは操作部37の空調
モード設定情報としている。)を受信し、コンピュータ
43に信号を入力する。そして、コンピュータ43で演
算された制御特性、制御値等の信号を基地送信部42か
ら車両10側の受信部39に出力するようにしている。
【0056】コンピュータ43は、上記マイクロコンピ
ュータ31に準ずるもので、演算手段としてのCPU4
3aおよび記憶手段としてのROM43b、スタンバイ
RAM43cを有する汎用コンピュータとしており、こ
の記憶容量、演算能力等は、マイクロコンピュータ31
に設定し得る能力に比べて格段に大きいものとしてい
る。そして、マイクロコンピュータ31には、基地受信
部41で受信した信号を用いて種々の制御値の演算およ
び予めROM43bに記憶された種々の制御特性(ここ
では、図2(b)に示す印加電圧制御特性)の学習演算
を行ない、乗員の好みに合うようにこの制御特性を変更
していくようにしている。これらの演算データは、基地
送信部42、受信部39を介してマイクロコンピュータ
31に入力され、マイクロコンピュータ31は駆動回路
30を介して、送風機27および各ドア22a、22
b、22c、22d、22eを駆動制御する。
【0057】次にマイクロコンピュータ31およびコン
ピュータ43による基本的な制御を図4、図5に示すフ
ローチャートに従って説明する。マイクロコンピュータ
31は、車両のIGスイッチのオンと共にステップS1
0にて制御を開始し、ステップS20に進み、各種変
換、フラグ等の初期値を設定する。
【0058】ステップS30で、内気温センサ33,外
気温センサ34,および日射センサ35から入力される
センサ信号により環境条件を入力し、温度設定スイッチ
36および操作部37より操作スイッチの状態を入力す
る。
【0059】次にステップS50に進み、ステップS3
0における入力信号のうち、環境条件情報、設定温度よ
り、車室内に吹き出す空気の目標吹出し温度TAO(以
下TAOと呼ぶ)を下記数式1に従って演算する。
【0060】 (数式1) TAO=KSET×TSET−KR×TR−KAM×TAM−KS×TS+C ただしKSET、KR、KAM、KSは係数、Cは定数
であり、TSETは設定温度、TRは内気温度、TAM
は外気温度、TSは日射量である。
【0061】次にステップS100に進み、ステップS
30における入力信号のうち、操作部37の操作スイッ
チへの乗員の手動操作があったか否かを判定する。ここ
では、操作スイッチは、送風機27への印加電圧を可変
させる手動送風量切換えスイッチとしている。手動操作
があったと判定すると、ステップS150に進み、基地
40のコンピュータ43において、送風機27の印加電
圧制御特性を乗員の好みに合った特性に変更するために
学習演算を行うが、詳細については後述する。手動操作
がなかったと判定すれば、次のステップS200に進
む。
【0062】ステップS200では、予めROM31b
に記憶された開度制御特性から、TAOに対応するエア
ミックスドア22bの開度が演算され、この開度となる
様に図示しないアクチュエータを駆動回路30を介して
制御し、各吹出し口から車室内へ吹出される空気の温度
をコントロールする。
【0063】次にステップS300に進み、後述するス
テップS150での学習演算により変更、更新されたス
タンバイRAM31cの印加電圧制御特性から送風機2
7への印加電圧が演算され、駆動回路30を介して送風
機27を駆動させ、車室内へ吹出される送風量を制御す
る。
【0064】次にステップS400に進み、予めROM
31bに記憶された内外気モード制御特性から、TAO
に対応する内外気モードが演算され、内外気切換えドア
22aを駆動する図示しないアクチュエータを駆動回路
30を介して制御する。
【0065】次にステップS500に進み、予めROM
31bに記憶された吹出しモード制御特性から、TAO
に対応する吹出しモードが演算され、デフロスタドア2
2c、フェイスドア22d、およびフットドア22eを
駆動する図示しないアクチュエータを駆動回路30を介
して制御する。
【0066】次にステップS600に進み、図示しない
コンプレッサの制御を行なう。ステップS600の処理
後、ステップS30に戻って再び各種信号を読み込み、
操作スイッチの手動操作有無の状態を判定して、ステッ
プS150〜ステップS600あるいは、ステップS2
00〜ステップS600により空調の制御が繰り返され
る。
【0067】次に、本発明の要部となる基地40でのコ
ンピュータ43による制御特性の学習演算に関する制御
フローを図5に示すフローチャートに基づいて説明す
る。
【0068】ステップS100で操作部37の操作スイ
ッチへの乗員の手動操作があったと判定すると、ステッ
プS151で、送信部38から基地40の基地受信部4
1に信号をインターネットを用いて送信する。ここで送
信する信号は、ステップS50で演算されたTAOのデ
ータおよび操作部37の手動送風量切換えスイッチの情
報としている。
【0069】次にステップS152に進み、基地受信部
41で上記各データを受信する。そして、ステップS1
53で、コンピュータ43のCPU43aにより送風機
27の印加電圧制御特性を乗員の好みに合うように学習
演算を行う。コンピュータ43のROM43bには図2
(b)に示した印加電圧制御特性が予め、初期値として
入力されている。そして、図6に示すように、この時の
TAOをTAO1としたとき、乗員の手動操作による送
風機印加電圧値(ア点)と初期特性値とを比較して両者
の平均値として、印加電圧制御特性は破線に示すように
変更される。尚、乗員の手動操作によるデータは、時系
列的にスタンバイRAM43cに取り込み、記憶される
ようにしており、このフローが回るたびに乗員の手動操
作データは増加し、その平均値で更に印加電圧制御特性
は乗員の手動操作値に近いものに変更される。
【0070】次にステップS154に進み、上記印加電
圧制御特性を基地送信部42からインターネットを用い
て、車両側の受信部39に送信する。
【0071】次にステップS155に進み、マイクロコ
ンピュータ31のスタンバイRAM31cに印加電圧制
御特性を更新して記憶し、ステップS200に戻るよう
にしている。
【0072】以上、本第1実施形態における構成、作動
について説明したが、その作用効果について以下説明す
る。記憶容量や演算負荷を大きく必要とする学習演算
も、車両10側に設けられたマイクロコンピュータ31
に対して、車両外部の基地40に設けられ、記憶容量、
演算能力が大きく設定されたコンピュータ43で演算で
きるようになるので、車載制御装置の負担増大や装置の
大型化を招くこと無く、乗員の好みに合った最適な空調
制御が可能となる。
【0073】ここでは乗員の操作スイッチへの手動操作
ごとに手動操作データが記憶され、送風機27の印加電
圧制御特性がその都度変更、更新されていくので、乗員
の好みに合った最適な空調制御が可能となる。
【0074】また、送受信する信号は、コンピュータの
デジタルデータとして、車両10と基地40間をインタ
ーネットを用いて通信しているので容易にデータのやり
取りが可能となる。
【0075】尚、図4中、ステップS100では、乗員
の手動操作の有無を判定して、基地40にデータを送信
するようにしたが、定時間(たとえば30秒おき)毎に
送信するようにして、コンピュータ43で手動操作の有
無を判定して、印加電圧制御特性を学習演算するように
しても良い。これによれば、送信部38からの送信エラ
ー等あった場合でも定期的に信号を基地40に送信する
ので、確実に乗員の手動操作信号が学習演算に反映さ
れ、乗員の好みに合わすことができる。
【0076】また、印加電圧制御特性は、図7(a)、
(b)に示すように、TAOに対する特性に対して、外
気温、日射、内気温に対する特性としても良い。これに
よれば、記憶容量、演算能力を大きく必要とする演算も
基地40のコンピュータ43で対応するので、印加電圧
制御特性を更に細分化でき、乗員の好みに木目細かく対
応できる。
【0077】(第2実施形態)本発明の第2実施形態を
図8、図9に示す。第2実施形態は、上記第1実施形態
に対して、車両10側から得られるすべての入力情報
を、基地40に送信し、コンピュータ43で制御特性を
変更する学習演算および制御値の演算を行い、その情報
を車両10側に送信し、空調ユニット20を制御するも
のである。基本構成は、上記第1実施形態に対して、マ
イクロコンピュータ31内のCPU31a、ROM31
b、スタンバイRAM31cを削除したものとしてい
る。そして、制御フローを変更しているのでその部分に
ついて詳細説明する。
【0078】基本の制御フローは図8に示すフローチャ
ートであり、上記第1実施形態のステップS50、ステ
ップS100、ステップS150をステップS1000
に変更したものである。ステップS1000は、図9に
示すようになっており、ステップS30の各種信号入力
の後、ステップS1100に進む。
【0079】まず、ステップS1100で、車両10側
で入力した情報(データ)をすべて送信部38から基地
40に向けて送信する。すべてのデータとは、内気温セ
ンサ33,外気温センサ34,および日射センサ35か
らのデータ、温度設定スイッチ36および操作部37の
操作スイッチのデータである。これらのデータは、ステ
ップS1110で、基地40の基地受信部41で受信さ
れ、コンピュータ43のCPU43aで演算されること
になる。
【0080】次にステップS1120に進み、TAOを
算出する。これも上記第1実施形態同様、ステップS1
110で受信した内気温センサ33,外気温センサ3
4,および日射センサ35からのデータと温度設定スイ
ッチ36からのデータに基づいて演算される。
【0081】次にステップS1130に進み、ステップ
S1110における受信データのうち、操作部37の手
動送風量切換えスイッチへの乗員の手動操作があったか
否かを判定する。手動操作があったと判定すると、ステ
ップS1140に進み、送風機27の印加電圧制御特性
を乗員の好みに合った特性に変更するために学習演算を
行う。学習演算の詳細は、上記第1実施形態におけるフ
ローチャート(図5)のステップS153と同一のため
ここでは説明を割愛する。
【0082】次にステップS1150に進み、ステップ
S1140で学習演算により変更された印加電圧制御特
性をスタンバイRAM43cに記憶し、ステップS11
60に進む。尚、この制御フローが繰り返されるたびに
スタンバイRAM43cに記憶された制御特性は、その
都度更新され、記憶される。
【0083】一方、ステップS1130で否と判定され
るとステップS1160に進み、各種制御値を演算す
る。コンピュータ43のROM43bに予め記憶された
内外気モード制御特性、エアミックスドア22bの開度
制御特性、吹出しモード制御特性および上記ステップS
1150で更新記憶された印加電圧制御特性に基づい
て、ステップS1120で算出したTAOに対応する各
種制御値を演算する。そして、この各種制御値の信号を
基地送信部42から車両10側へ送信する。
【0084】次にステップS1170に進み、送信され
たデータは、車両10側の受信部39で受信され、マイ
クロコンピュータ31は駆動回路30に信号を出力し、
ステップS200、ステップS300、ステップS40
0、ステップS500、ステップS600の順に各部位
を制御する。
【0085】これにより、乗員の好みに合った最適な制
御が可能になることに加えて、基地40のコンピュータ
43ですべての学習演算、制御値の演算、記憶等を行う
ようにしているので、マイクロコンピュータ31内のC
PU31a、ROM31b、スタンバイRAM31cは
不要とすることができ、信号の入出力機能のみを有する
安価なもので対応ができるようになる。
【0086】(第3実施形態)本発明の第3実施形態を
図10〜12に示す。上記第1、第2実施形態では学習
演算する制御特性を送風機27の印加電圧制御特性とし
て説明したが、これに限らず、他の制御特性についても
学習演算するようにしてもよい。
【0087】図10は内外気モード制御特性について学
習演算するものであり、乗員の手動操作により、初期の
制御特性中、TAO2において、例えば内外気両モード
で作動していた場合に、外気モード(イ点)に切換えら
れたとすると、内外気両モードから外気モードへの切換
え特性をイ点側に変更するように(破線の特性)学習演
算させている。
【0088】図11は吹出しモード制御特性について学
習演算するものであり、乗員の手動操作により、初期の
制御特性中、TAO3において、例えばバイレベルモー
ドで作動していた場合に、フェイスモード(ウ点)に切
換えられたとすると、バイレベルモードからフェイスモ
ードへの切換え特性をウ点側に変更するように(破線の
特性)学習演算させている。
【0089】図12はエアミックスドア22bの開度制
御特性について学習演算するものである。ここでは
(a)に示す外気温度と日射の関係において多数の領域
に区分し、各区分ごとに(b)に示すような内気温度に
対するエアミックスドア22bの開度制御特性を設けて
いる。初期の開度制御特性中、例えば内気温T1におい
てエアミックスドア22bが作動していた場合に、乗員
の手動操作により、設定温度を下げる(設定温度とエア
ミックスドア開度は対応する)ようにに切換えられたと
すると(オ点)、初期の制御特性をオ点側に変更するよ
うに(破線の特性)学習演算させている。
【0090】このように第1、第2実施形態における送
風機27の印加電圧制御特性のみの学習演算に限らず、
内外気モード、吹出しモード、エアミックスドア22b
の開度制御特性の学習演算も加えることで、更に乗員の
好み合った最適な空調制御が可能となる。
【0091】(第4実施形態)本発明の第4実施形態を
図13、図14に示す。上記第1〜第3実施形態では、
乗員の手動操作に基づいて、各種制御特性を学習演算し
たが、ここでは、乗員、車両を識別して制御特性の学習
演算をするようにしている。
【0092】図13は乗員を識別して制御特性の学習演
算するものであり、車両10側には乗員識別手段として
の乗員入力スイッチ51を設け、基地40のコンピュー
タ43内のROM43b、スタンバイRAM43cを乗
員ごとの記憶エリアに区分している。
【0093】乗員が車両に乗り込んだ時に、まず、自己
の識別情報を入力する。例えば乗員Aならば情報Aを入
力する。基地40ではこの乗員識別情報Aを受信し、コ
ンピュータ43内の乗員A用の記憶エリアに記憶された
各種情報を用いて制御特性の学習演算を行ない、空調ユ
ニット20を制御する。乗員Bに代われば、入力される
情報Bに基づいて乗員Bの各種情報を用いて制御特性の
学習演算を行ない、空調ユニット20を制御する。
【0094】また、図14は車両を識別して制御特性の
学習演算するものであり、車両10側には車両識別手段
としての車両入力スイッチ52を設け、基地40のコン
ピュータ43のROM43b、スタンバイRAM43c
には初期値として車両aを使用していた場合の各種情報
が記憶されている。
【0095】例えば、乗員が車両aから車両bに乗り代
えたとすると、車両入力スイッチ52に旧車両a、新車
両bの車両識別情報を入力する。基地40ではこの車両
識別情報a、bを受信し、コンピュータ43内に記憶さ
れた車両aの各種情報を車両bに適合するように予め定
めた車両変換係数αを乗じて車両b用の情報に変換す
る。そして、この車両b用の情報を用いて制御特性の学
習演算を行ない、空調ユニット20を制御する。
【0096】これにより、乗員が代わった時、車両を乗
り代えた時にも、乗員の好みに合った最適な空調制御が
可能となる。
【0097】(第5実施形態)本発明の第5実施形態を
図15〜図18に示す。第5実施形態は、上記第1実施
形態に対して、第2の制御装置を基地制御装置18に対
して個人用端末装置60としたものであり、乗員毎の学
習演算された制御特性(以下、学習データと呼ぶ)をう
まく活用して各乗員にマッチした学習制御をするように
している。
【0098】図15に示すように、基本の構成は、第2
の制御装置として個人用端末装置60としており、更に
具体的には、各乗員個人用の携帯電話61を用いるよう
にしている。携帯電話61には、当然のことながら、送
信部63および受信部64から成る通信手段63Aを有
しており、コンピュータ部62には、演算手段としての
CPU62aおよび記憶手段としてのRAM62bを備
えている。
【0099】この携帯電話61におけるRAM62b
は、車両側のマイクロコンピュータ31に設けられるス
タンバイRAM31cよりも記憶容量の大きなものとな
っている。
【0100】また、この携帯電話61を車両の所定の場
所に置くことでスイッチが作動し、車両側のマイクロコ
ンピュータ31と互いの通信手段38A、63Aによっ
て交信が開始されるようにしている。
【0101】次に、この携帯電話61を用いた空調ユニ
ット20の学習制御について図16〜図18を用いて説
明する。
【0102】図16は、空調ユニット20の全体の制御
フローを示したものであり、図4で示した上記第1実施
形態と同一のステップには同一のステップ符号で示すよ
うにしている。(以下、同一のステップについては説明
を割愛する。)ここでは、ステップS100の後のステ
ップS160における学習計算は、マイクロコンピュー
タ31のCPU31aで行なうようにしている。また、
本実施形態の特徴部となる個人用の制御特性の読み込み
および書き込みを行なうためのステップS2000とス
テップS3000を追加しており、以下その制御フロー
の詳細について説明する。
【0103】まず、個人用の制御特性の読み込みの制御
フローについて図17を用いて説明する。ステップ20
で初期設定を行なった後に、ステップS2100で乗員
が携帯電話61を持っているかどうかを判定する。これ
は上記のように携帯電話61を所定の位置に置かれたか
どうかでマイクロコンピュータ31にその信号が入力さ
れることで判定され、否と判定されるとステップS22
00に進み、マイクロコンピュータ31のROM31b
に予め記憶された初期制御特性(ここでは送風機27の
印加電圧制御特性)がCPU31aに読み込まれ、ステ
ップS30に進む。
【0104】一方、ステップS2100で携帯電話61
を持っていると判定されると、ステップS2300に進
み、携帯電話61内のRAM62bに後述する図18の
ステップS3200で、すでに学習演算された制御特性
が有るか否かを判定する。否と判定されれば、ステップ
S2200に進み上記と同様に初期特性が読み込まれ
て、ステップS30以降の制御に使用される。
【0105】しかし、ステップS2300で学習演算さ
れた制御特性が携帯電話61のRAM62bに書き込ま
れていると判定された場合は、その制御特性をマイクロ
コンピュータ31のCPU31aに読み込み、ステップ
S30以降の制御に使用するようにしている。
【0106】また、ステップS100で、乗員の手動操
作有りと判定されると、上記ステップS2200、ステ
ップS2400で読み込まれた制御特性を学習演算し、
スタンバイRAM31cに記憶し、ステップS200以
降の制御に使用するようにしている。
【0107】そして、ステップS30〜ステップS60
0の間で各作動部27、22a〜22eおよびコンプレ
ッサが制御される。
【0108】更に、ステップS700でIGスイッチが
OFFか否かが判定され、否の場合は、上記ステップS
30〜ステップS600の制御が繰り返される。IGス
イッチがOFFと判定されれば、ステップS3000に
進み、携帯電話61のRAM62bに学習特性の書き込
みが行われる。
【0109】即ち、図18に示すように、ステップS3
100で乗員が携帯電話61を持っていると判定された
場合にはステップS3200に進み、ステップS160
における学習データが携帯電話61のRAM62bに書
き込まれるようにしている。尚、この学習データは、携
帯電話61のRAM62bの記憶能力を最大限活用する
ように、時系列的に記憶されていくようにしている。
【0110】ステップS3100で携帯電話61を持っ
ていないと判定された場合は、そのまま制御フローが終
了されるようにしている。
【0111】これにより、記憶容量や演算能力の大きな
装置として必要とされる第2の制御装置として個人用端
末装置60を用いて具体的に対応することができる。即
ち、普及率が高く身近な携帯電話61を個人用端末装置
60として比較的容易に活用できる。
【0112】そして、記憶容量の大きな携帯電話61に
乗員本人の学習データを多量に記憶でき、常に乗員本人
の学習データを用いることができるので、複数の乗員を
対象にした学習制御において、使用するデータを間違え
たり、他人のデータを変更してしまうようなことがな
い。
【0113】また、携帯電話61には、学習データを時
系列的に記憶させるようにしているので、学習データの
変化状況を把握することができる。
【0114】尚、ステップS160における学習演算
は、携帯電話61のCPU62aで行なうようにしても
良い。
【0115】(第6実施形態)本発明の第6実施形態を
図19〜図21に示す。第6実施形態は、図19に示す
ように、少なくとも1つの第2の制御装置として、基地
制御装置18および個人用端末装置60としての携帯電
話61を設けるようにしたものである。
【0116】ここでは、個人用端末装置60の個人識別
情報を携帯電話61の電話番号として活用し、且つ、学
習データを基地制御装置18と携帯電話61に記憶し
て、両者のコンビネーションでうまく活用するようにし
たものである。
【0117】車両側制御装置17、基地制御装置18、
携帯電話61は、それぞれ通信手段38A、41A、6
3Aを有しており、これら3つの制御装置17、18、
61の間で、記憶手段としてのスタンバイRAM31
c、43c、RAM62bに記憶される学習データを交
信できるようにしている。
【0118】そして、携帯電話61の電話番号を個人識
別情報とし、車両側制御装置17には、マイクロコンピ
ュータ31にこの信号が入力される乗員入力スイッチ5
3を設けるようにしている。この入力スイッチ53は、
例えばテンキータイプのものとしており、個人の電話番
号(11桁番号)をキーインするようにしている。尚、
このキーイン方法については、電話番号に対応する簡略
番号を設定するようにしても良い。
【0119】上記構成に対する空調ユニット20の制御
フローについては、上記第5実施形態で説明した図16
中のステップS2000およびステップS3000をそ
れぞれ、図20、図21に示すステップS2001とス
テップS3001に変更したものとしている。
【0120】ステップS2001の学習特性読み込みの
フローは、図17で示したステップS2000に対し
て、ステップS2150およびステップS2160を追
加したものとしている。
【0121】即ち、ステップS2100で、乗員が車両
を使用する際に携帯電話61を持っていないと判定され
た場合には、ステップS2150で、乗員入力スイッチ
53によって個人識別情報(電話番号)が入力されてい
るかどうか判定し、入力されていれば、後述する図21
のステップS3160で、基地40のスタンバイRAM
43cに記憶された学習データがマイクロコンピュータ
31のCPU31aに読み込まれるようにしている。
【0122】そして、一連の制御が成され、学習特性を
書き込むにあたって、ステップS3001の制御が使用
される。ステップS3001のフローは、図18で示し
たステップS3000に対してステップS3150およ
びステップS3160を追加したものとしている。
【0123】即ち、ステップS3100で乗員が携帯電
話を持っていないと判定された場合には、ステップS3
150で、乗員入力スイッチ53によって個人識別情報
(電話番号)が入力されているかどうか判定し、入力さ
れている場合は、ステップS3160で、この時の学習
データを基地40のスタンバイRAM43cに個人識別
情報と共に記憶させるようにしている。
【0124】これにより、乗員が携帯電話61を忘れた
場合、あるいは電源切れ等で使用できない場合でも、個
人識別情報により今まで学習された本人の学習データを
基地制御装置18から読み込み、活用することができる
ので、学習制御を引続き行なうことができる。また、個
人用識別情報を電話番号として有効に利用できる。
【0125】(第7実施形態)本発明の第7実施形態の
制御フローを図22に示す。第7実施形態は、上記第6
実施形態に対して、学習データの書き込みの際に、基地
40の基地制御装置18と携帯電話61との間で最新の
データを互いに交信するようにしたものである。
【0126】基本の構成は、図19に示した上記第6実
施形態と同一であり、制御フロー中、制御終了後の学習
データ書き込み処理を図21で示したステップS300
1から図22に示すステップS3002に変更してい
る。
【0127】ここでは、ステップS3160で基地制御
装置18に学習データを書き込み、また、ステップS3
200で携帯電話61に学習データを書き込みした後
に、ステップS3300で、基地制御装置18に書き込
まれた学習データが携帯電話61に書き込まれた学習デ
ータよりも時系列的に新しいか否かを判定する。
【0128】これは、乗員が携帯電話61を持っている
場合は、ステップS3200で携帯電話61のRAM6
2bに学習特性が書き込まれ、また、乗員が携帯電話を
持っていない場合は、ステップS3150の個人識別情
報の入力に基づいて基地制御装置18のスタンバイRA
M43cに学習データが書き込まれ、両者の記憶手段に
は最新の学習特性として異なるものが記憶されることに
よるものである。
【0129】ステップS3300で、基地制御装置18
側の学習データの方が新しいと判定されると、ステップ
S3400で、この最新の学習データを基地制御装置1
8から携帯電話61に通信手段41A、63Aを用いて
送信し、記憶させるようにしている。
【0130】また、ステップS3300で、否と判定さ
れると、ステップS3500で最新の学習データを携帯
電話61から基地制御装置18に通信手段63A、41
Aを用いて送信し、記憶させるようにしている。
【0131】これにより、携帯電話61を忘れた場合や
電源切れで使用できない場合に、学習された最新のデー
タは基地制御装置18側に記憶されることになるが、基
地制御装置18から携帯電話61にこの最新のデータが
送信されるので、常に携帯電話61には最新の学習デー
タを記憶でき、次回携帯電話61を使用する場合にも好
みに合った空調制御を継続できる。
【0132】また、逆に、携帯電話61側に最新の学習
データが記憶されている場合でも、基地制御装置18側
にもその学習データを記憶させるようにすることで、上
記のように携帯電話61を忘れた時などに、基地制御装
置18の最新のデータを活用して好みに合った空調制御
を継続できる。
【0133】尚、最新の学習データは、上記制御フロー
のステップS3002内のステップS3400やステッ
プS3500によらずとも、乗員の操作により基地制御
装置18から携帯電話61に学習データをダウンロード
したり、携帯電話61から基地制御装置18に学習デー
タを送信するようにしても良い。
【0134】(第8実施形態)本発明の第8実施形態を
図23に示す。第8実施形態における基本の構成は、図
19で示した上記第6実施形態と同一であるが、車両側
制御装置17内のマイクロコンピュータ31のROM3
1bには、車両を識別する情報(例えば車両a、b、c
等)を予め記憶させている。また、基地制御装置18内
のスタンバイRAM43c内の記憶の仕方を細分化し、
乗員の学習データを個人識別情報(例えば乗員A、B、
C等)に加えて上記車両識別情報と共に記憶させるよう
にしている。
【0135】乗員識別情報と車両識別情報との関連付け
は、以下のように行なうようにしている。即ち、車両1
0に乗員Aが携帯電話61を所定の位置に置いた時に、
通信手段38A、63Aによって、携帯電話61のRA
M62bに個人識別情報(A)と共に記憶されている乗
員の学習データに、ROM31bの車両識別情報(a)
が付加されるようにしている。そして、この個人識別お
よび車両識別の両者の情報を有する学習データが、通信
手段63A、41A間で基地制御装置18のスタンバイ
RAM43c内に記憶されるようにしている。
【0136】更に、スタンバイRAM43c内には、車
両間の制御特性を変換する車両変換係数を予め定め、記
憶するようにしており、例えば、乗員Aが車両aから車
両bに乗り代えた時、車両aで用いていた学習特性に車
両変換係数αを乗じて車両bに適合する特性に変換する
ようにしている。そして、この変換された学習データが
携帯電話61に送信され、これを用いて空調ユニット2
0を制御するようにしている。
【0137】これにより、車両を乗り代えた場合でも、
本人の好みに合った空調制御が可能となる。
【0138】(第9実施形態)本発明の第9実施形態を
図24に示す。第9実施形態は、第2の制御装置とし
て、車両運転時に必ず携帯される乗員の運転免許証70
を活用するようにして、乗員個人に合った学習制御を行
なうようにしたものである。
【0139】まず、運転免許証70内には通信手段71
Aと記憶手段73とが内蔵され、所謂ICカードのごと
く形成されたものとしている。通信手段71Aは、送信
部71、受信部72から成る。そして、通信方法として
は車両側制御装置17の通信手段38Aと自動送受信可
能な無線を用いるものとしている。更に具体的には、互
いの通信手段38A、71Aが近づいた時点で両者が接
続されるブルートゥースを用いるものとしている。尚、
この通信方法は、運転免許証70を通信手段38Aにか
ざす、あるいはスリットする等によって互いに送受信す
るものとしても良い。
【0140】更に、記憶手段としてのICメモリ73に
は、予め個人識別情報を記憶するようにしている。ここ
では、この個人識別情報としては、個人の氏名、年齢、
性別を入力している。尚、個人の氏名としては、運転免
許証番号をそのまま活用するのが良い。
【0141】一方、車両側制御装置17のマイクロコン
ピュータ31のスタンバイRAM31cには、上記した
個人識別情報に対応する個人(乗員A、乗員B等)毎の
学習データを記憶するようにしている。また、ここで
は、制御特性の学習演算においては、性別、年齢を加味
した学習(例えば、性別、年齢に応じた係数を加えて制
御特性変更する等)を行なうようにしている。
【0142】上記構成によって、乗員が車両10に乗車
すると、車両側制御装置17および運転免許証70の両
通信手段38A、71A間で個人識別情報がブルートゥ
ースにより自動送受信され、マイクロコンピュータ31
は、その乗員の学習データを用いて学習制御を行なう。
【0143】これにより、車両の運転時に必ず携帯され
る運転免許証70によって、乗員の識別を確実に行なう
ことができるので、その乗員に合った学習制御が確実に
実施される。この時、乗員自身を識別する情報に加え
て、年齢、性別を用いるようにしているので、その乗員
に対してよりフィットした学習を行なうことができる。
【0144】また、通信手段38A、71Aとして自動
送受信されるブルートゥースを用いるようにしているの
で、乗員が車両10に乗車した時に、自動的に乗員本人
の学習データを用いた空調制御を行なうことができる。
【0145】(第10実施形態)本発明の第10実施形
態を図25に示す。第10実施形態は、上記第9実施形
態に対して、運転免許証70のICメモリ73に乗員本
人の学習データを個人識別情報と合せて記憶するように
したものである。
【0146】この学習データが、通信手段38A、71
Aによって車両側制御装置31に送信され、車両運転中
の空調制御が行なわれる。そして、運転中の乗員の手動
操作によって学習データが変更された時は、その都度運
転免許証70のICメモリ73に記憶更新されるように
している。
【0147】これにより、上記第5実施形態と同様に、
常に乗員本人の学習データを用いることができるので、
複数の乗員を対象にした学習制御において、使用するデ
ータを間違えたり、他人のデータを変更してしまうよう
なことがない。
【0148】尚、学習データは、ICメモリ73に記憶
させるようにしているので、車両側制御装置17のスタ
ンバイRAM31cの記憶容量を更に小さくすることが
できる。
【0149】また、車両を乗り代えた場合でも、運転免
許証70に記憶された学習データを用いて本人の好みに
合った空調制御を継続して行なうことができる。
【0150】(その他の実施形態)上記実施形態の学習
演算は、乗員の変更操作した制御値と初期制御特性値と
の平均を取り、乗員の好みに近づける手法(オートマト
ン)を用いたが、これに限定されるものではなく、階層
間の結合係数を変更することによって学習演算を行なう
ニューロ等の他の手法を用いてもよい。
【0151】また、通信手段としてインターネット、ブ
ルートゥースを用いて説明したが、衛星通信等その他の
通信手段を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における装置全体を示す
構成図である。
【図2】制御値を演算する制御特性図であり、目標吹出
し温度TAOに対する(a)はエアミックスドアの開度
制御特性、(b)は送風機の印加電圧制御特性、(c)
は内外気モード制御特性、(d)は吹出しモード制御特
性である。
【図3】操作部の手動送風量切換えスイッチの詳細図で
ある。
【図4】第1実施形態におけるメイン制御フローを示す
フローチャートである。
【図5】第1実施形態におけるサブ制御フローを示すフ
ローチャートである。
【図6】送風機の印加電圧制御特性の学習演算を示す説
明図である。
【図7】送風機の印加電圧制御特性における、(a)は
外気温と日射の区分図、(b)は(a)の区分毎の内気
温との関係図である。
【図8】第2実施形態におけるメイン制御フローを示す
フローチャートである。
【図9】第2実施形態におけるサブ制御フローを示すフ
ローチャートである。
【図10】内外気モード制御特性の学習演算を示す説明
図である。
【図11】吹出しモード制御特性の学習演算を示す説明
図である。
【図12】エアミックスドアの開度制御特性における
(a)は外気温と日射の区分図、(b)は(a)の区分
毎の内気温に対する学習演算を示す説明図である。
【図13】第4実施形態における乗員の識別を行う装置
全体の構成図である。
【図14】第4実施形態における車両の識別を行う装置
全体の構成図である。
【図15】第5実施形態における装置全体を示す構成図
である。
【図16】第5実施形態におけるメイン制御フローを示
すフローチャートである。
【図17】第5実施形態におけるサブ制御フローを示す
フローチャートである。
【図18】第5実施形態におけるサブ制御フローを示す
フローチャートである。
【図19】第6実施形態における装置全体を示す構成図
である。
【図20】第6実施形態におけるサブ制御フローを示す
フローチャートである。
【図21】第6実施形態におけるサブ制御フローを示す
フローチャートである。
【図22】第7実施形態におけるサブ制御フローを示す
フローチャートである。
【図23】第8実施形態における装置全体を示す構成図
である。
【図24】第9実施形態における装置の代表部分を示す
構成図である。
【図25】第10実施形態における装置の代表部分を示
す構成図である。
【符号の説明】
10 車両 16 制御装置 17 車両側制御装置(第1の制御装置) 18 基地制御装置(第2の制御装置) 20 空調ユニット 22a 内外気切換えドア(作動部) 22b エアミックスドア(作動部) 22c デフロスタドア(作動部) 22d フェイスドア(作動部) 22e フットドア(作動部) 27 送風機(作動部) 30 駆動回路(駆動手段) 31a CPU(演算手段) 31b ROM(記憶手段) 31c スタンバイRAM(記憶手段) 33 内気センサ(環境条件検出手段) 34 外気センサ(環境条件検出手段) 35 日射センサ(環境条件検出手段) 36 温度設定スイッチ(環境条件検出手段) 37 操作部(空調モード切換え手段) 38A 通信手段 40 基地 41A 通信手段 43a CPU(演算手段) 43b ROM(記憶手段) 43c スタンバイRAM(記憶手段) 51 乗員入力スイッチ(乗員識別手段) 52 車両入力スイッチ(車両識別手段) 53 乗員入力スイッチ(個人識別情報入力手段) 60 個人用端末装置(第2の制御装置) 61 携帯電話(第2の制御装置) 62b RAM(記憶手段) 63A 通信手段 70 運転免許証(第2の制御装置) 71A 通信手段 73 ICメモリ(記憶手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神谷 敏文 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 梶野 祐一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空調ユニット(20)内に設けられ、空
    調を機能させるために作動する作動部(27、22a〜
    22e)と、 前記作動部(27、22a〜22e)の作動を学習制御
    する制御装置(16)とを有し、 前記制御装置(16)には、車室内の空調状態に影響を
    及ぼす環境条件を検出する複数の環境条件検出手段(3
    3〜36)と、 前記環境条件と前記作動部(27、22a〜22e)へ
    の制御値との相対関係である制御特性を記憶する記憶手
    段(31c、43c)と、 乗員の手動操作によって前記制御値を切換える空調モー
    ド切換え手段(37)と、 前記環境条件検出手段(33〜36)の検出情報に基づ
    いて前記制御特性から前記制御値を算出すると共に、前
    記空調モード切換え手段(37)によって前記制御値が
    変更された時に、前記制御特性を学習変更する演算手段
    (31a、43a)と、 前記演算手段(31a、43a)で得られた前記制御値
    によって前記作動部(27、22a〜22e)を駆動す
    る駆動手段(30)とが設けられるようにした車両用空
    気調和装置において、 前記制御装置(16)は、車両側に設けられた第1の制
    御装置(17)と、車両外部に設けられた少なくとも1
    つの第2の制御装置(18)とから構成されるように
    し、 前記第1、第2の制御装置(17、18)は、前記環境
    条件検出手段(33〜36)、前記空調モード切換え手
    段(37)、前記記憶手段(31c、43c)、前記演
    算手段(31a、43a)の少なくとも1つの情報を互
    いに交信できる通信手段(38A、41A)をそれぞれ
    有し、 前記制御装置(16)内に構成される前記各手段のう
    ち、前記環境条件検出手段(33〜36)、前記空調モ
    ード切換え手段(37)、前記駆動手段(30)は、前
    記第1の制御装置(17)に設けられるようにすると共
    に、前記記憶手段(31c、43c)および前記演算手
    段(31a、43a)は、それぞれ前記第1の制御装置
    (17)および前記第2の制御装置(18)の少なくと
    も一方に設けられるようにし、 前記第2の制御装置(18)側に設けられる前記記憶手
    段(43c)の記憶能力および前記演算手段(43a)
    の演算能力の少なくとも一方の能力を、前記第1の制御
    装置(17)側に設定でき得る能力よりも大きくしたこ
    とを特徴とする車両用空気調和装置。
  2. 【請求項2】 前記少なくとも1つの第2の制御装置
    (18)は、車両外部の基地(40)内に設けられた基
    地制御装置(18)としたことを特徴とする請求項1に
    記載の車両用空気調和装置。
  3. 【請求項3】 前記少なくとも1つの第2の制御装置
    (18)は、個人用端末装置(60)としたことを特徴
    とする請求項1に記載の車両用空気調和装置。
  4. 【請求項4】 前記少なくとも1つの第2の制御装置
    (18)は、車両外部の基地(40)内に設けられた基
    地制御装置(18)および個人用端末装置(60)とか
    ら成るものとし、 前記基地制御装置(18)および前記個人用端末装置
    (60)は、前記環境条件検出手段(33〜36)、前
    記空調モード切換え手段(37)、前記記憶手段(31
    c、43c、62b)、前記演算手段(31a、43
    a)の少なくとも1つの情報を互いに交信できる通信手
    段(41A、63A)を有するようにしたことを特徴と
    する請求項1に記載の車両用空気調和装置。
  5. 【請求項5】 前記作動部(27、22a〜22e)
    は、前記空調ユニット(20)内に空気を送風する送風
    機(27)、内気あるいは外気の導入流路を切換える内
    外気切換えドア(22a)、空気温度を調整するエアミ
    ックスドア(22b)、吹出し流路口を開閉するデフロ
    スタドア(22c)、フェイスドア(22d)、フット
    ドア(22e)であり、 前記制御特性は、前記送風機(27)の印加電圧制御特
    性、前記内外気切換えドア(22a)の開閉による内外
    気モード制御特性、前記エアミックスドア(22b)の
    開度制御特性、前記デフロスタドア(22c)、前記フ
    ェイスドア(22d)、前記フットドア(22e)の開
    閉による吹出しモード制御特性のうちの少なくとも1つ
    であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    の車両用空気調和装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の制御装置(17)は、乗員の
    入れ代わり、車両の入れ代わりを識別する識別手段(5
    1、52)を有し、 前記演算手段(31a、43a)は、前記識別手段(5
    1、52)からの乗員識別情報、車両識別情報の少なく
    とも1つに基づいて前記制御特性を学習変更するように
    したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の
    車両用空気調和装置。
  7. 【請求項7】 前記第1、第2の制御装置(17、1
    8、60)に設けられる前記記憶手段(31c、43
    c、62b)および前記演算手段(31a、43a)
    は、コンピュータの構成要素であり、 前記通信手段(38A、41A、63A)は、インター
    ネットを用いたことを特徴とする請求項1〜6のいずれ
    かに記載の車両用空気調和装置。
  8. 【請求項8】 前記第1の制御装置(17)あるいは前
    記基地制御装置(18)の前記演算手段(31a、43
    a)で学習変更された前記制御特性は、前記個人用端末
    装置(60)の記憶手段(62b)に記憶されるように
    し、 前記第1の制御装置(17)あるいは前記基地制御装置
    (18)は、前記個人用端末装置(60)に記憶された
    前記制御特性を用いて、前記作動部(27、22a〜2
    2e)を制御するようにしたことを特徴とする請求項3
    〜7のいずれかに記載の車両用空気調和装置。
  9. 【請求項9】 前記個人用端末装置(60)は、個人を
    識別する個人識別情報を有しており、 前記第1の制御装置(17)には、前記個人識別情報を
    入力する個人識別情報入力手段(53)が設けられ、 前記第1の制御装置(17)あるいは前記基地制御装置
    (18)の前記演算手段(31a、43a)で学習変更
    された前記制御特性は、前記個人識別情報と共に前記第
    1の制御装置(17)あるいは前記基地制御装置(1
    8)の記憶手段(31c、43c)に記憶されるように
    し、 前記第1の制御装置(17)あるいは前記基地制御装置
    (18)は、前記個人識別情報入力手段(53)から入
    力される前記個人識別情報に対応する前記第1の制御装
    置(17)あるいは前記基地制御装置(18)に記憶さ
    れた前記制御特性を用いて、前記作動部(27、22a
    〜22e)を制御するようにしたことを特徴とする請求
    項4〜8のいずれかに記載の車両用空気調和装置。
  10. 【請求項10】 前記個人用端末装置(60)は、携帯
    電話(61)としたことを特徴とする請求項3〜9のい
    ずれかに記載の車両用空気調和装置。
  11. 【請求項11】 前記個人用識別情報は、前記携帯電話
    (61)の電話番号としたことを特徴とする請求項10
    に記載の車両用空気調和装置。
  12. 【請求項12】 前記第1の制御装置(17)あるいは
    前記基地制御装置(18)の前記演算手段(31a、4
    3a)で学習変更された後に、前記基地制御装置(1
    8)の記憶手段(43c)あるいは前記個人用端末装置
    (60)の記憶手段(62b)に記憶される前記制御特
    性のうち、いずれか新しい方の制御特性が他方の前記記
    憶手段(43c、62b)に、前記通信手段(41A、
    63A)を用いて送信されるようにしたことを特徴とす
    る請求項4〜11のいずれかに記載の車両用空気調和装
    置。
  13. 【請求項13】 前記第1の制御装置(17)あるいは
    前記基地制御装置(18)の前記演算手段(31a、4
    3a)で学習変更された前記制御特性は、使用される車
    両を識別する車両識別情報と共に前記基地制御装置(1
    8)の記憶手段(43c)に記憶されるようにし、 乗員が異なる車両を使用する場合に、前記個人用端末装
    置(60)から異なる車両識別情報を前記基地制御装置
    (18)に送信すると、前記基地制御装置(18)の前
    記演算手段(43a)は、異なる車両に対応するように
    前記制御特性を変換して、前記個人用端末装置(60)
    に送信するようにしたことを特徴とする請求項4〜12
    のいずれかに記載の車両用空調装置。
  14. 【請求項14】 前記少なくとも1つの第2の制御装置
    (18)は、前記通信手段(71A)および前記記憶手
    段(73)を内部に設けた運転免許証(70)とし、 前記運転免許証(70)の前記記憶手段(73)には、
    少なくとも個人を識別する個人識別情報を有しており、 前記第1の制御装置(17)の前記演算手段(31a)
    は、前記個人識別情報に基づいて前記制御特性を学習変
    更するようにしたことを特徴とする請求項1または請求
    項5のいずれかに記載の車両用空気調和装置。
  15. 【請求項15】 前記個人識別情報は、氏名、性別、年
    齢、生年月日、免許証番号のうちの少なくとも1つを有
    することを特徴とする請求項14に記載の車両用空気調
    和装置。
  16. 【請求項16】 前記第1の制御装置(17)の前記演
    算手段(31a)で学習変更された前記制御特性は、前
    記運転免許証(70)の前記記憶手段(73)に記憶さ
    れるようにし、 前記第1の制御装置(17)は、前記運転免許証(7
    0)に記憶された前記制御特性を用いて、前記作動部
    (27、22a〜22e)を制御するようにしたことを
    特徴とする請求項14または請求項15のいずれかに記
    載の車両用空気調和装置。
  17. 【請求項17】 前記通信手段(38A、71A)は、
    自動送受信される無線を用いたことを特徴とする請求項
    14〜請求項16のいずれかに記載の車両用空気調和装
    置。
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