JP2003019211A - 体内の内腔用の除去可能なステント - Google Patents
体内の内腔用の除去可能なステントInfo
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Abstract
ントを提供する。 【解決手段】 本発明のステントは外表面を備えた軟質
で可撓性を有するフィラメントにより形成される。外側
の生体吸収性/生体分解性のコーティングをフィラメン
トの外表面に施し、このフィラメントに剛性を賦与す
る。このコーティングは吸収および/または分解により
生体内で軟化するため、一定の期間が経過すると、軟質
化フィラメントとして内腔を流れる体液によって内腔か
ら排出されるか、或いは手で容易に除去することができ
る。
Description
に、生体崩壊可能な、または、生体崩壊性のポリマーコ
ーティングを有する除去可能なステントに関する。
内の内腔部を維持するためのステント医療装置またはそ
の他の種類の内腔内の機械的支持装置の使用方法が開発
されて、現在においては内腔部の狭窄または遮断に対す
る主要な治療方法になっている。ステントの種々の外科
的処理における使用方法がステント装置による経験の蓄
積と共に急速に受け入れられてきており、これらを使用
する外科的処理の数がその利点が広く認識されるにつれ
て増加しつつある。例えば、前立腺尿道、食道、胆汁
管、腸管、および種々の冠状動脈および静脈、並びに、
大腿動脈等のような遠隔の心臓脈管のような通路を開口
状態に保つために体内腔内にステントを使用することが
知られている。現在において利用されているステントは
永久ステントおよび一時的ステントの2種類がある。永
久ステントは不確定量の時間だけ体内腔内において維持
できるように構成されている。一方、一時的ステントは
一定の時間だけ体内腔内に維持されて、例えば、外科処
理または傷害により生じる内腔に対する損傷の後に、体
内腔の開通性を維持するように構成されている。一般
に、永久ステントは体内腔の損傷を受けた壁部組織を長
期にわたって支持するように構成されている。このよう
な永久ステントの用途として、心臓脈管系、泌尿器系、
胃腸管系、および婦人科系の用途を含む多数の従来用途
がある。このような永久ステントは、例えば、脈関係の
用途において、経時的に内皮組織により包容または被覆
されることが知られている。同様に、永久ステントは、
例えば、尿道系の用途において、上皮により被覆される
ことが知られている。一方、一時的ステントは特定の制
限された時間だけ内腔開口部の開通性を維持するように
構成されていて、組織の内部成長または包容化により内
腔部の壁部内に取り込まれないことが好ましい。好まし
くは、この一時的ステントは、例えば、内腔部の損傷し
た組織が治癒されてステントが当該内腔部の開通性を維
持する必要が無くなった後のような、所定の臨床的に適
当な時間の経過後に体内腔部から除去できる。例えば、
この一時的ステントは前立腺の遮断またはその他の尿道
の構造的病気の治療における用途の体内配備式カテーテ
ルの置換体として使用できる。この一時的ステントの体
内腔におけるさらに別の用途として、レーザーまたは熱
的な切除のようなエネルギーによる切除処理、または前
立腺組織の照射後に用いて術後の急速な尿道の維持また
はその他の体液の維持を調節するために使用できる。
の両方を種々の従来的な生体許容性の金属材により作成
することが当業界において知られている。しかしなが
ら、金属製のステントの使用に伴う幾つかの不都合点が
ある。例えば、金属製のステントは体組織により被覆さ
れる、包容される、上皮化される、または埋め込まれる
可能性がある。このようなステントは場合によりその初
期的な挿入位置から移動して、内腔における周囲組織に
対して刺激を生じることが知られている。また、金属材
は一般に内腔内の周囲組織よりもはるかに硬質で剛性が
高いために、解剖学的または生理学的に不適合となっ
て、組織を損傷したり、不所望な生物学的応答を生じる
可能性がある。永久的な金属ステントは不確定な時間に
わたって移植されるように構成されているが、このよう
な永久的な金属ステントを除去することが必要になる場
合がある。例えば、外科的な介入を必要とする生物学的
応答が生じた場合に、このようなステントを二次的な処
置により除去することが必要になる場合が多い。また、
金属ステントが一時的ステントの場合も、臨床的に適当
な時間の経過後に除去することが必要になる。すなわ
ち、金属ステントが永久ステントまたは一時的ステント
の如何に拘わらず、このステントが包容状態または上皮
化された状態等になれば、このステントの外科的除去に
より患者に対して不所望な痛みや不快を与えることにな
り、内腔組織に対して付加的な傷害を与える可能性があ
る。このような痛みや不快に加えて、患者は金属ステン
トを除去するために、手術の危険性を伴う時間のかかる
複雑な外科処理を経験しなければならない。
リマー組成物は剛性を減少する等の特別な利点を有して
いるが、このような材料により作成した永久ステントも
また上記のような金属ステントの場合と同様の問題およ
び不都合点が生じる。
生体吸収性および生体崩壊性の材料を使用することが知
られている。このようなステントを作成するための従来
的な生体吸収性または生体崩壊性の材料は経時的に吸収
または崩壊して体内腔からステントを除去するための外
科処理の必要性を排除するために選択される。このよう
なステントを外科的に除去する必要がなくなることに伴
う利点に加えて、生体吸収性で生体崩壊性の材料が、特
に大抵の従来的に使用されていた生体許容性の金属材に
比べて、特別な感応性を有する患者に対して優れた生体
許容性を有する傾向があることが知られている。さら
に、生体吸収性で生体崩壊性の材料により作成されたス
テントの別の利点として、その機械的特性が、脈管や内
腔を損傷する可能性の高い金属ステントに伴う場合の多
い合成や硬さをほとんど消去または除去するように構成
できることである。
は生体崩壊性のステントの使用に伴う不都合点および制
限が存在することが知られている。このような制限はス
テントを作成する材料の特性生じるものである。このよ
うな現時点でのステントに伴う不都合点の一つとして、
材料の分解が早すぎることが挙げられる。このようなス
テントの尿道のような内腔の内部における大きくて硬い
破片への不適当な分解または崩壊により排尿のような正
常な流れが遮られて、内腔の開通性を与えると言うステ
ントの主用目的が損なわれることになる。あるいは、こ
のようなステントが分解するのに長い時間がかかって、
その治療目的の達成後に相当な長時間の間目標とする内
腔の中に滞在する場合がある。従って、例えば、比較的
時間の長くかかる生体崩壊性のポリマーにより作成した
尿道ステントの場合に、石を形成すると言うこれらの材
料に伴う長期の危険性がある。
においては、新規な一時的ステントが要望されており、
当該ステントは適当な治療目的を達成するために一定の
臨床的に適当な時間だけ体内腔内でその機能を維持した
後に、患者に対して刺激、閉鎖、痛みまたは不快を生じ
る可能性のある破片を生じることなく、さらに、外科処
理を要さずに、軟化して細長い糸状の部材に変化して除
去可能になる。
の一時的ステントは体外に容易に排出する、すなわち、
しなやかで柔軟な糸状の部材として除去されて、患者に
対する刺激、閉鎖、痛みまたは不快は、排除できるか、
仮に存在しても、最少である。
に挿入するためのステントを提供することであり、当該
ステントは縫合線のような柔軟な部材により作成された
後に生体崩壊性または生体吸収性のポリマーによりコー
ティングされていて、部材が比較的剛性のあるステント
に形成されており、体内において、ステントが軟化して
柔軟なフィラメントに戻ることにより、特定の治療時間
の経過後に体内腔から容易に通過または排出できる。
移植可能なステントを開示し、当該内腔は自然の解剖学
的構造の一部として存在しているか、外科的に形成した
ものである。このステントは螺旋状またはコイル状の構
造の細長い中空部材であり、好ましい実施形態におい
て、巻かれた繊維により形成した複数のコイルを有する
螺旋状構造を有している。
を有している。さらに、上記のコイルは一定のピッチを
有している。さらに、この構造は外部ポリマーコーティ
ングを有する縫合線のような柔軟でしなやかなフィラメ
ントまたは繊維により作成されている。このポリマーコ
ーティングは生体吸収性または生体崩壊性のポリマー、
またはこれらの混合物である。このコーティングは体温
において固体であり、この柔軟でしなやかな部材を一定
の構造として十分に剛性を有する固定状態に維持できる
のに十分な厚さを有している。
る崩壊または吸収の速度は所望の治療時間内に効果的に
軟化するか、フィラメントの外表面部から除去するのに
十分な速度である。このことにより、このコーティング
が崩壊する際に、インビボ環境内において軟化または吸
収されて、その機械的な保全性が失われる。さらに、こ
のことにより、フィラメントがその自然な柔軟でしなや
かな状態に戻り、そのステント構造が効果的に崩壊し
て、フィラメントが内腔から除去または排出できる。
より、コーティングが進行的に崩壊および/または吸収
されて、ステントが柔軟なフィラメントに軟化または崩
壊して、このフィラメントが体内腔を容易に通過して排
出されるか、体液により自然に排出されることにより、
閉鎖、痛みまたは不快を生じる可能性が最少になる。
により作成した上記のステントである。
を維持するために外科処理において本発明のステントを
使用する方法である。すなわち、先ず、本発明のステン
トを備える。このステントは細長い中空の部材であり、
好ましい実施形態において、複数のコイルを有する螺旋
構造を有している。この部材は長手軸を有している。さ
らに、コイルは一定のピッチを有している。この構造は
外表面部および外部ポリマーコーティングを有する柔軟
でしなやかなフィラメントまたは繊維により作成されて
いる。このステントは体内腔に挿入される。その後、イ
ンビボ環境内で体液に曝されることにより、外部コーテ
ィングが吸収されて崩壊および軟化して、ステントの構
造が崩壊することによりしなやかで柔軟なフィラメント
に戻り、このフィラメントが体液の流通により排除され
るか手動により除去できる。
は以下の説明、実施例、および図面によりさらに明らか
になる。
実施形態を示している。図3に示すように、ステント1
0は一連の接続コイル20を有する螺旋状構造を有して
いる。これらのコイルはフィラメント100により形成
されている。本明細書におけるこの用語の「フィラメン
ト(filament)」はフィラメントだけでなく繊維も含む
ものとして定義しており、用語の繊維と交換可能に使用
される。フィラメント100は連続状のフィラメントで
あることが好ましいが、ステント10を2個以上のフィ
ラメントの部分により形成した後にこれらを繋ぎ合わせ
ることも可能である。図4に示すように、フィラメント
100は内側柔軟部材110および外側コーティング1
30を有している。内側柔軟部材110は外表面部11
5を有している。この内側柔軟部材110の外表面部1
15を外側コーティング130が被覆している。外側コ
ーティング130は内表面部135および外表面部14
0を有している。好ましくは、外側コーティング130
の内表面部135は内側柔軟部材110の外表面部11
5に接触して固着している。さらに、ステントは長手軸
70および中央通路11を有している。また、このステ
ント10はコイル20の第2の部分50に接続したコイ
ル20の第1の先端側部分30を有しており、これらの
部分30および部分50はヒンジ状の接続繊維60によ
り接続されている。ヒンジ状の接続繊維60に隣接する
コイルの先端側部分30は外部括約筋よりも先端側に挿
入される係留部分を形成する。一方、ステント10の基
端側部分50は前立腺尿道内に保持される。この基端側
部分50は直径24を有するコイル20および通路51
を有している。また、ステント10の先端側部分30は
直径22を有するコイル20を有している。さらに、先
端側部分30は通路31を有している。これらの通路3
1および通路51は連通してステント10の通路11を
形成する。図4に示すように、本発明のステント10の
好ましい実施形態の一例は円形の断面形状を有するフィ
ラメント100を有している。なお、このフィラメント
100は丸形、方形、多角形、湾曲形、卵形、およびこ
れらの組み合わせおよびその等価物を含む用途に応じた
種々の形状を有することができる。当該技術分野の熟練
者であれば、特定の断面形状がステントにおいて異なる
利点を賦与することが理解できる。例えば、丸形の断面
を有する本発明の繊維における利点として、ラインに乗
せることが可能であることによるステント製造プロセス
の容易さ、後の製造プロセスにおける繊維からステント
への1段階の遷移、外科処理中にステントの長さを調節
して特定の患者の解剖学的構造に適合させることが可能
であることによるステント配備中の柔軟さ、および縫合
線のような市販のフィラメントの使用等が含まれる。
状を有する生体吸収性のポリマー・フィラメント100
により製造されている。このステント10の長さおよび
全体の直径は患者の解剖学的構造、当該解剖学的構造の
寸法、および尿道内腔に影響する外科処理の種類を含む
多数のファクターにより決まる。例えば、本発明の実施
に有用なステント10の全長は内腔通路を開口状態に維
持するのに十分に効果的な長さである。一般に、成人男
性の尿道の用途における長さは約10mm乃至約200
mmであり、さらに一般的には約20mm乃至約100
mmであり、好ましくは約40mm乃至約80mmであ
る。また、本発明のステント10の直径は内腔部を開口
状態に維持するのに十分に効果的な直径である。前立腺
尿道の用途において、ステントが異なる直径の2個の部
分を有している場合は、一般に、前立腺尿道における直
径は約2mm乃至約25mmであり、さらに一般的には
約4mm乃至約15mmであり、好ましくは約6mm乃
至約10mmである。また、外部括約筋よりも先端側に
係留するために使用する部分の直径は約2mm乃至約2
5mmであり、さらに一般的には約4mm乃至約15m
mであり、好ましくは約6mm乃至約10mmである。
さらに、本発明のステントを製造するために使用する繊
維の主要な断面寸法は効果的な支持および柔軟性を賦与
するのに十分な値である。一般に、円形の断面を利用す
る場合に、尿道の用途における直径は約0.1mm乃至
約4mmであり、さらに一般的には約0.5mm乃至約
3mmであり、好ましくは約1mm乃至約2mmであ
る。すなわち、本発明のステントのピッチ、長さ、直径
および繊維の直径は尿道管の壁部の半径方向の応力に対
応して十分な支持を効果的に行ない、尿道内腔内に挿入
する際の挿入の容易さおよび安定性を賦与し、さらに、
所望の柔軟性および内腔の開通性を賦与するのに十分な
寸法である。ステントのピッチは単位長さ当たりのコイ
ルの数として定められる。本特許出願明細書において
は、例えば、このピッチはステントの長さの1センチメ
ートル当たりのコイルの数として定められている。一般
に、尿道の用途において、このピッチは約2.5乃至約
100であり、さらに一般的には約3乃至約20であ
り、好ましくは約5乃至約10である。尿道の用途にお
いては隣接コイルの間に空隙が無いことが好ましいが、
本発明のステントは隣接コイルの間に空間が存在してい
てもよい。
を形成するためにコーティング130により被覆される
柔軟部材110は崩壊して体内腔から容易に除去できる
ステントを効果的に提供するために十分な柔軟さ、柔ら
かさ、およびしなやかさを有するように選択される。こ
の柔軟性部材に対して有用な材料には柔軟でしなやかな
モノフィラメントおよび編組式の糸状部材が含まれる。
特に、モノフィラメントまたは編組式のポリプロピレ
ン、シルク、ポリエステル、ナイロン等、およびこれら
の等価物のような従来的な非吸収性の縫合線を使用する
ことが好ましい。さらに、上記の柔軟部材は従来的な吸
収性の縫合線、モノフィラメントまたは編組式の繊維で
あって、95/5ラクチド/グリコリドおよびポリジオ
キサノン等が含まれる。さらに、この柔軟部材110は
「延伸(spun)」重合して糸を形成している生体許容性
の繊維により作成した糸状の材料により作成できる。
用な外側コーティングは従来的な生体崩壊性または生体
吸収性のポリマーおよびその混合物であって、ラクチ
ド、グリコリド、パラ−ジオキサノン、カプロラクト
ン、およびトリメチレンカーボネート、およびこれらの
混合物およびこれらのコポリマーから成る群から選択さ
れるモノマーにより作成したポリマーを含む。このポリ
マーコーティングの崩壊または吸収の作用により、フィ
ラメントが所定時間の経過後に軟質で柔軟な部材に戻
り、ステントが効果的に崩壊して、柔軟部材が内腔から
容易に除去または通過できるようになる。流動的な環境
内においては、進行的に崩壊するステントが閉鎖を生じ
ることなく容易に体外に排出し、内腔から除去できる。
フィラメント100を形成するために効果的に剛性を賦
与できるポリマーコーティングの種類はガラス転移温度
が室温以上、好ましくは55℃以上、最も好ましくは約
120℃であるポリマーを含む。これらの材料はアモル
ファス、すなわち、結晶性を示さないものであってもよ
い。一方、低い温度、特に室温よりも低いガラス転移点
を有するポリマーは一般にある程度の結晶化性を有して
いて本発明の用途において機能するための寸法安定性お
よび剛性を賦与する。このような材料は半結晶性材料と
言うことができる。コーティング用の水溶性ポリマーに
ついては、大まかにイオン性および非イオン性の2種類
の水溶性ポリマーがある。一般的に、ポリアクリルアミ
ド、ポリアクリル酸ポリマー、ポリエーテル(特に、ポ
リエチレングリコールまたはポリエチレンオキサイ
ド)、特定のポリビニルアルコールおよび特定のポリ
(N−ビニルピロリドン)のようなビニル・ポリマーが
使用されている。また、特定の多糖類ガムもまた有用で
あり、ヒドロキシ・メチル・セルロースまたは特定のヒ
ドロキシ・イソプロピルセルロースのような特定のヒド
ロキシ・セルロースもまた有用である。
できる。さらに、水溶性樹脂の分子量を変更することも
制御手段になる。
溶解度を達成するために特に有利である。さらに、ポリ
アミド(ナイロン)は機械的強度、吸水性等を賦与する
ので便利な成分として使用できる。
ングリコール(PEGまたはポリエチレンオキサイド、
PEO)であり、特に、半結晶性であるその高分子量樹
脂が好ましい。このPEGの融点は約60℃であり、こ
の温度は本発明において有用なコーティングの必要条件
を満たすために十分な高さである。必要に応じて、PE
Oをナイロンと共に混合することができる。加えて、ポ
リグリコリド/ラクチド・コポリマー、ポリカプロラク
トン等により作成した生体崩壊性ポリマーがフィラメン
ト100の外側コーティングとして使用できる。さら
に、ポリオキサエステルが利用でき、この材料は水溶性
であって加水分解により崩壊する。さらに別の適当なポ
リマーが本明細書に参考文献として含まれる米国特許第
5,980,551号に記載されている。
するというその機能を実行するために半径方向の応力に
耐えるように構成する必要がある。ステントが体内腔内
に配備されている時に半径方向の応力に耐えるための本
発明のステントの機械的能力または機械特性は主に外側
コーティングにおける生体崩壊性/生体吸収性の材料に
より賦与される。すなわち、この外側コーティングにお
ける材料の強度および剛性および厚さが必要な負荷に対
して有効に耐えてステントの機能を維持するのに十分な
構成でなければならない。すなわち、コーティングが崩
壊して分解する時に、この材料は適当に選択された生体
崩壊性の材料の十分な厚さを維持して必要な時間だけ必
要な負荷に有効に耐えて患者の内腔を維持することがで
きる。要するに、このコーティングは特定の治療時間だ
け体内腔を開通または開口状態に維持するために必要な
機械的条件を満たすように構成されている。
よりステント構造から効果的に除去されると、残ったフ
ィラメントが柔軟部材としての軟質でしなやかな小繊維
状態に戻る。この残った軟質のフィラメントは容易に内
腔から排出または除去できる。
同時押出成形、溶融コーティング、後続の溶融処理によ
るコーティングの拡散処理を伴う溶液コーティングまた
はパウダー・コーティング等を含む従来的な方法により
作成できる。例えば、コーティング処理を利用する場合
は、内側柔軟部材をモノ−フィラメント押出成形材料に
するか、マルチ−フィラメント編組材料により形成でき
る。さらに、この内側コアまたは柔軟部材を液槽中、コ
ーティングローラー中、ブラシ、スプレーおよび/また
はダイを通過させることによる溶融コーティングまたは
溶液コーティングにより、外側コーティングを当該柔軟
部材の上面に備えることができる。
ーティングを形成するのに用いるポリマーおよび混合物
は薬剤供給基質として利用できる。このような基質を形
成するために、上記のコーティング材料が治療剤と共に
混合される。本発明のポリマーと共に使用できる種々の
異なる治療剤の範囲は極めて広い。一般に、本発明の薬
剤組成物により投与可能な治療剤としては、抗生物質お
よび抗ウイルス剤のような抗感染剤、鎮痛薬および鎮痛
薬混合物、抗炎症剤、ステロイドのようなホルモン、骨
再生成長因子、および天然誘導または遺伝子工学処理し
た蛋白質、多糖類、糖蛋白質、またはリポ蛋白質が含ま
れるがこれらに限らない。
ーと混合することにより配合できる。この治療剤は液
体、微細分割した固体、またはその他の任意の適当な物
理的形態として存在し得る。一般に、必要な選択物とし
てでなく、上記の基質は希釈剤、キャリヤ、賦形剤、安
定化剤等の1種類以上の添加剤を含むことができる。
よび治療する医療状態により決まる。一般に、この薬物
の量は基質に対して約0.001重量%乃至約70重量
%、さらに一般的には約0.001重量%乃至約50重
量%、最も一般的には約0.001重量%乃至約20重
量%である。さらに、この薬物供給基質内に混合される
ポリマーの量および種類は所望の放出プロファイルおよ
び使用する薬物の量により異なる。
徐々に崩壊(主に加水分解による)または吸収され、こ
れに伴って、一定の持続または延長された時間において
分散状態の薬物が放出される。これにより、有効量(例
えば、0.0001mg/kg/時間乃至10mg/k
g/時間)の薬物の持続された供給(例えば、1時間乃
至5000時間、好ましくは2時間乃至800時間にわ
たる)が行なえる。なお、この投与形態は、治療する対
象、痛みの程度、処方医の調節等により決まる必要性に
応じて投与できる形態である。このような処理に従うこ
とにより、当該技術分野の熟練者であれば、種々の配合
物を作成することができる。
により作成する場合の本発明のステント10は巻き付け
処理による以下の方法で製造される。先ず、フィラメン
ト100を加熱した状態でマンドレルの周りに巻きつけ
た後に、マンドレルの周囲上でコイル状にする。このマ
ンドレルおよびコイルの組立体を拘束状態でアニールし
た後に、マンドレルを除去する。このコイルのピッチお
よび直径は所望のステントの寸法および形状を形成する
ように選択される。必要に応じて、例えば、コーティン
グ槽または溶融槽に入れて直ぐに、フィラメント100
を加熱することなくマンドレルの周囲に巻き付けるか、
あるいは、コーティングしていない柔軟部材110をマ
ンドレルの周りに巻いた後に従来法によりコーティング
を施してから必要に応じて硬化させることができる。
6,図7および図8に示すような尿道ステント配置処理
における以下の方法で利用できる。先ず、ステント10
をアプリケータ装置200の先端部に配置する。装置2
00はグリップ255を有するハンドル250を備えて
いる。ハンドル250の上部257は軸保持部材290
に取り付けられている。この保持部材290は長手方向
に沿う通路292、前端部295および後端部296を
有している。さらに、取り付けチューブ240が先端部
242および基端部244を有している。また、この取
り付けチューブ240は通路248を備えている。チュ
ーブ240の基端部244は通路292の中に取り付け
られていて、内側の通路248は通路292に連通して
いる。さらに、アプリケータ・チューブ220が通路2
48の中に摺動自在に取り付けられている。このチュー
ブ220は先端部222、基端部224、および通路2
26を有している。このチューブ220の基端部224
には取り付けブロック300が取り付けられており、こ
のブロック300はピン309により端部224に固定
されている。また、ブロック300の底部にはギア歯3
35を有するラック・ギア部材330が取り付けられて
いる。さらに、ハンドル250の中に、歯部275を有
するピニオン・ギア部材270を受容するための空孔部
350が設けられている。ピニオン・ギア部材270は
回動ピン265により空孔部350の中に回動自在に取
り付けられている。歯部275は歯部335に歯合して
係合している。さらに、ピン265の反対側におけるピ
ニオン・ギア部材270から駆動トリガー280が延出
している。トリガー280の駆動により、チューブ22
0がチューブ240に対して基端側および先端側に移動
する。さらに、トリガー280を作動することにより、
ステント10がチューブ220およびチューブ240か
ら放出可能になる。
および図9に示すような患者の陰茎の内腔400の中の
尿道410の中に挿入されている。装置200の先端部
およびステント10は尿道410の中で操縦されて、ス
テントの前立腺部分が前立腺尿道411内に配置され、
ステントの先端部が外部括約筋430の先端側に配置さ
れて、膀胱450から尿道の内腔を通して尿の開口した
通路が形成できる。その後、トリガー280を係合して
装置の先端側に引くことによりアプリケータ装置200
を尿道410から抜き取って、この処理が完了し、移植
されたステント10により尿道の内腔410が開通す
る。図9に示すように、適当な時間の経過後のステント
10はほとんど軟質で柔軟なフィラメントの状態に変化
して、尿の流れと共に患者の体外に尿道410を介して
容易に排出されるか、手で内腔から抜き出すことができ
る。なお、当該技術分野の熟練者であれば、内腔の特異
的特徴または外科的な配備処理により必要とされる調整
により、別の種類の体内腔に対応した配置が同様に可能
であることが理解できる。
ついて例示するが、本発明を制限するものではない。
る除去可能な繊維の製造 窒素でパージしたホッパーにポリジオキサノンホモポリ
マー(PDSホモポリマー)を添加した。このホッパー
は、24:1(長さ:直径)の標準的なスクリューを備
えた19.05mm(3/4インチ)の縦型単一スクリ
ュー式押出成形装置である。この押出成形装置の温度プ
ロファイルは後方領域からダイにかけて約121.1
℃、約126.7℃、約132.2℃、および約13
5.0℃(それぞれ250°F、260°F、270°
F、および275°F)であった。また、スクリューの
回転速度を6.5rpm(毎分回転数)として、加える
圧力を約9,274kPa(1,345psi)とし
た。直径0.508mm(0.020インチ)のガイド
(加圧先端部分)および直径12.192mm(0.0
48インチ)のダイとともにB&H30クロスヘッド
(B&H Tool社、サンマルコス、カリフォルニア州)を使
用した。直径4.572mm(0.018インチ)の非
分解性のポリエステル編組フィラメント(ETHIBOND(商
標)、Ethicon社)をクロスヘッドの中に導入した。こ
の繊維は、溶融ポリジオキサノンでコーティングされた
後、水槽で冷却し、エアーワイパーで乾燥し、その後、
スプールに連続的に巻き取った。このとき、水の温度は
8℃、巻き取り速度は2.1メートル/分であった。こ
の繊維の外径は約11.2mm(0.044インチ)で
あり、窒素環境内で保管した。
を用いるステントの製造 糸を結んで、マンドレルの第1の穴C(図10参照)を
介して小さいループが形成されるようにした。2個の金
属ポスト(φ2×15mm)を穴Aおよび穴Bに挿入し
た。
ドレルのC側の端部を巻き付けモーターのコレクトの内
側に固定した。長さ約1.524m(5フィート)のコ
ーティングされた繊維をそのループを通過させ、その繊
維を折り曲げた。繊維の両方の自由端を支持して緩く張
り、ループを繊維のほぼ中央に位置するようにした。折
り曲げたフィラメントをともに緩く支持して、各コイル
が互いに密着するように巻き付けた。前立腺部分を巻き
付けているときの巻き付け速度は20rpm乃至30r
pmとした。
ら先端側に向けて繊維を曲げた。さらに180°巻きつ
けて、ポスト(A)とポスト(B)との間にコネクター
を形成した。その後、フィラメントをマンドレルに対し
て垂直にし、前立腺部分を巻き付けたときと同様の方法
で先端のループをコイルにした。フィラメントをマンド
レルに固定するために、調節可能なクランプを用いた。
この組立体を真空条件下で48時間保管し、アニール処
理に先立って乾燥させた。
よびポスト(B)をマンドレルから取り外した。この組
立体全体をアニール処理用の炉内に吊るし、真空下で1
0時間、80℃でアニール処理した。その後、ステント
をマンドレルから取り外して、不要な部分を切断し、窒
素環境内に保管した。
で前立腺の熱切除術を行なった。この外科手順が完了し
た後、本発明のステント10を、アプリケータ200を
用いて以下の方法で患者の尿道および膀胱の中に挿入し
た。まず、外科医はステントの余分な部分を切断し、こ
のステントをアプリケータの端部に配置した。従来の膀
胱鏡をアプリケータの内腔内に挿入した。ステントおよ
びアプリケータは、水溶性の医療用潤滑剤により潤滑さ
れている。さらに、標準的な膀胱鏡検査手順と同様に供
給装置に溶液タンクを取り付けた。次に、膀胱鏡で直接
観察して、ステントを前立腺尿道内に挿入した。ステン
トを適正な位置に配置した後、アプリケータを引き抜
き、ステントを前立腺尿道内に残留させた。移植後約2
8日経過すると、外側のコーティングが分解されて、ス
テントが軟質で可撓性を有するフィラメント構造になる
ため、このフィラメントの端部を把持して内腔から引っ
張り出し、フィラメントを尿道管から取り出すことがで
きる。
対して多くの利点を有する。その中には、剛性の一定期
間の維持(内腔開通性)、ステントが容易に通過可能/
除去可能なフィラメントに軟化する分解/吸収の軟質化
機構、生体適合性、ステントが移動してしまうのを防止
する手段、X線等によりステントおよびその位置を非侵
襲性にモニタリングする手段が含まれる。
および説明してきたが、当業者であれば、本発明の範囲
および概念から逸脱することなく形態および細部の様々
な変更が可能であることを理解できるであろう。
r)を含むことを特徴とする請求項1に記載のステン
ト。 (2)前記コーティングが溶解ポリマー(solution pol
ymer)を含むことを特徴とする請求項1に記載のステン
ト。 (3)前記フィラメントが外科用縫合糸を含むことを特
徴とする請求項1に記載のステント。 (4)前記縫合糸がモノフィラメントを含むことを特徴
とする実施態様(3)に記載のステント。 (5)前記縫合糸がマルチフィラメントを含むことを特
徴とする実施態様(3)に記載のステント。
むことを特徴とする実施態様(3)に記載のステント。 (7)前記縫合糸が吸収性の縫合糸を含むことを特徴と
する実施態様(3)に記載のステント。 (8)前記コーティングがラクチド、グリコリド(glyc
olide)、パラ−ジオキサノン(para-dioxanone)、カ
プロラクトン、およびトリメチレンカーボネート、これ
らの混合物およびこれらのコポリマーから成る群から選
択されるモノマーにより製造されたポリマーを含むこと
を特徴とする請求項1に記載のステント。 (9)前記コーティングのポリマーが55℃を超えるガ
ラス転移温度を有することを特徴とする請求項1に記載
のステント。 (10)前記コーティングのポリマーが120℃を超え
るガラス転移温度を有することを特徴とする請求項1に
記載のステント。
リアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリエチ
レンオキサイド、ビニルアルコール、およびポリ(N−
ビニルピロリドン)から成る群から選択されるポリマー
を含むことを特徴とする請求項1に記載のステント。 (12)前記ポリマーコーティングがポリアミドをさら
に含むことを特徴とする請求項1に記載のステント。 (13)前記コーティングが溶融ポリマーを含むことを
特徴とする請求項2に記載のフィラメント。 (14)前記コーティングが溶解ポリマーを含むことを
特徴とする請求項2に記載のフィラメント。 (15)前記フィラメントが外科用縫合糸を含むことを
特徴とする請求項2に記載のフィラメント。
含むことを特徴とする実施態様(15)に記載のフィラ
メント。 (17)前記縫合糸がマルチフィラメントを含むことを
特徴とする実施態様(15)に記載のフィラメント。 (18)前記縫合糸が非吸収性の縫合糸を含むことを特
徴とする実施態様(15)に記載のステント。 (19)前記縫合糸が吸収性の縫合糸を含むことを特徴
とする実施態様(15)に記載のフィラメント。 (20)前記コーティングがラクチド、グリコリド、パ
ラ−ジオキサノン、カプロラクトン、およびトリメチレ
ンカーボネート、これらの混合物およびこれらのコポリ
マーから成る群から選択されるモノマーから製造される
ポリマーを含むことを特徴とする請求項2に記載のフィ
ラメント。
5℃を超えるガラス転移温度を有することを特徴とする
請求項2に記載のフィラメント。 (22)前記コーティングのポリマーが120℃を超え
るガラス転移温度を有することを特徴とする請求項2に
記載のフィラメント。 (23)前記ポリマーコーティングが、ポリアクリルア
ミド、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイ
ド、ビニルアルコール、およびポリ(N−ビニルピロリ
ドン)から成る群から選択されるポリマーを含むことを
特徴とする請求項2に記載のフィラメント。 (24)前記ポリマーコーティングがさらにポリアミド
を含むことを特徴とする請求項2に記載のフィラメン
ト。
に移植するための除去可能なステントが提供できる。
のステント装置の好ましい実施形態の斜視図である。
1のステントおよびアプリケータの斜視図である。
図である。
使用した繊維の断面であり、円形の断面を示している図
である。
図であり、この装置は使用前の待機状態で示されてい
る。
図であり、アプリケータ・トリガーを係合することによ
りステントが部分的に配備された状態におけるアプリケ
ータに対するステントの位置を示している図である。
によりステントが完全に配備された状態における図6の
アプリケータに対するステントの位置を示している図で
ある。
腔部の開通性を維持している状態の本発明のステントを
示している図である。
は分解して軟化した後の患者の尿道内に存在する本発明
のステントを示しており、ステントが細長い軟質の柔軟
なフィラメントとして体外に除去されている状態を示し
ている図である。
に使用するマンドレルの概略図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 フィラメントから形成される螺旋構造を
含むステントであって、 前記螺旋構造が、複数のコイル、長手方向の軸、および
内部に長手方向の通路を含み、 前記コイルがあるピッチを有し、 前記フィラメントがある断面および外表面を有し、外表
面を備えた軟質で可撓性の細長い部材と、前記部材の外
表面上の生体吸収性または生体分解性の外側ポリマーコ
ーティングとを含み、 前記ポリマーコーティングが生体内で十分に分解または
吸収されて前記螺旋状構造が十分に軟質の細長い部材に
戻るまで、前記可撓性の部材が実質的に螺旋状構造に事
実上維持されるように、前記ポリマーコーティングが十
分な機械的形態保全性を有することを特徴とするステン
ト。 - 【請求項2】 生体内崩壊性のフィラメントであって、 ある断面および外表面を有する細長い可撓性の部材と、 前記外表面上の生体分解性または生体吸収性のポリマー
を含むポリマーコーティングとを含み、 前記ポリマーコーティングが生体内で十分に分解または
吸収されて、構造が十分に軟質で細長い部材に戻るま
で、前記可撓性の部材が実質的に一定の構造に事実上維
持されるように、前記ポリマーコーティングが十分な機
械的形態保全性を有することを特徴とするフィラメン
ト。 - 【請求項3】 体内の内腔の通路を実質的に開通状態に
維持する方法であって、 ステントを準備するステップであって、前記ステント
が、複数のコイル、長手方向の軸、および長手方向の通
路を備えた繊維から形成された螺旋構造と、ある断面お
よび外側表面を有する細長い可撓性の部材と、前記可撓
性の部材の前記外側表面に設けられた外側ポリマーコー
ティングとを含み、前記コイルがあるピッチを有してお
り、前記繊維がある断面を有しており、前記ポリマーコ
ーティングが前記可撓性の部材を螺旋構造に効果的に維
持するように十分な機械的形態保全性を有する、前記ス
テップと、 前記ステントを体内の内腔に移植し、前記外側のコーテ
ィングが軟化して前記ステント構造が軟質で可撓性を有
するフィラメント構造に変わるまで、前記ステントを長
期に亘って前記内腔に維持して、所望の期間に亘って前
記内腔の通路を実質的に開通した状態に効果的に維持す
るステップとを含むことを特徴とする方法。
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