JP2003018999A - 無細胞タンパク質合成系を用いたタンパク質の製造方法 - Google Patents

無細胞タンパク質合成系を用いたタンパク質の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】無細胞タンパク質合成系において、膜タンパク
質など疎水性の高いタンパク質を不溶化させることなく
合成すること。 【解決手段】無細胞タンパク質合成系を用いたタンパク
質の製造方法において、該合成系が界面活性剤を含有す
ることによって、タンパク質を凝集させること無く合成
する。上記タンパク質は少なくとも一部に疎水性領域を
有するタンパク質、例えば膜タンパク質又はその一部で
ある。また、上記界面活性剤はタンパク質を変性させな
い緩和な界面活性剤であり、例えば、非イオン性又は両
性イオン性界面活性剤等が含まれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無細胞タンパク質
合成系を用いたタンパク質の製造方法に関し、詳しくは
生体内において膜に結合して、あるいは膜の中に埋め込
まれた状態で存在する受容体等の難溶性タンパク質を凝
集させること無く合成する方法及びこのようにして合成
されたタンパク質を再構成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒトを始めとする様々な生物のゲノム塩
基配列の大規模解析は、既にゴールを目前としている。
次なる課題は、塩基配列解析により明らかにされた膨大
な数の遺伝子がコードするタンパク質の機能解明であ
り、また、これにより得られた知見は、新しい医薬を開
発する上で多いに役立つものと期待されている。タンパ
ク質の立体構造解析は、タンパク質の機能解明あるいは
ドラッグデザインに有用な情報をもたらすものであり、
今後その重要性を増すと共に、大規模解析に対応したハ
イスループット化が望まれるものと考えられる。
【0003】タンパク質の立体構造解析には、ミリグラ
ムオーダーの精製タンパク質が必要とされる。そのため
以前は、タンパク質の大量調製が立体構造解析のネック
となっていたが、今日では、遺伝子クローニング技術の
発展により、所望のタンパク質を、微生物や培養細胞な
どの発現系を用いて大量にかつ容易に調製することが可
能である。さらに無細胞タンパク質合成系についても、
透析法の導入など様々な改良が行われた結果、数時間で
ミリグラムオーダーのタンパク質が得られるようにな
り、立体構造解析のハイスループット化が現実のものと
なりつつある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら現時点で
は、これらの方法が全てのタンパク質に適用されるわけ
ではなく、膜タンパク質を始めとする疎水性の高い領域
を有するタンパク質の大量調製は、未だに困難である。
培養細胞発現系においては、膜タンパク質は宿主細胞の
有する局在化機構によりその細胞膜に蓄積される。その
ため、これを精製する場合には、各種可溶化剤を用いて
膜から抽出する工程が必要となるが、この工程は時間と
労力を要するほか、抽出効率の上でも問題があり、ま
た、可溶化剤の種類によってはタンパク質本来の構造や
機能が失われることもある。また、膜タンパク質など疎
水性の高い領域を有するタンパク質を大腸菌で発現させ
ると、多くの場合これらは不溶性の沈殿となる。従って
精製にあたっては、沈殿をグアニジンや尿素などの強力
な変性剤を用いて可溶化する工程、さらに、この処理に
より変性したタンパク質を本来の構造に戻す(フォール
ディング)工程が必要となる。これらの工程も時間と労
力を要するものであり、またフォールディング工程の間
に再不溶化するなどの問題も多い。また、これらのタン
パク質は、無細胞タンパク質合成系においても凝集して
不溶性の沈殿となり、十分な合成量を得ることができな
い。
【0005】以上のように、膜タンパク質は不溶化とい
う問題があるため大量調製が困難であり、その立体構造
解析も遅れているのが現状である。しかし、膜タンパク
質には受容体、チャネルタンパク質、トランスポーター
など創薬の対象として重要なものが多く、これからの医
薬開発を効率的に進める上で、その構造解析は急務であ
る。
【0006】本発明は、無細胞タンパク質合成系におい
て、膜タンパク質など疎水性の高い領域を有するタンパ
ク質を不溶化させることなく合成することを課題とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑みて、本発
明者らは無細胞タンパク質合成系を用いて難溶性タンパ
ク質、特に生体内において膜に埋め込まれた状態で存在
する受容体等の高度に疎水的なタンパク質を合成するに
際し、界面活性剤や脂質等を添加するという極めて簡便
な方法によって、これらのタンパク質を凝集(不溶化)
させることなく合成できることを見出し、また、このよ
うにして合成したタンパク質は、生体内での本来の状
態、例えば膜結合型、でないにもかかわらずその生物学
的な機能を発揮しうる蓋然性が極めて高く、その構造や
機能の解析に用いることができることも見出し、これら
の知見に基づいて本発明を完成するに到った。
【0008】すなわち、本発明の第一の視点において、
無細胞タンパク質合成系を用いたタンパク質の製造方法
において、該合成系が界面活性剤を含有することによっ
て、タンパク質を凝集させること無く合成することを特
徴とする。
【0009】好ましい態様において、上記タンパク質は
少なくとも一部に疎水性の高い領域を有するタンパク
質、例えば膜タンパク質等の全体又は一部(部分構造)
であることを特徴とする。
【0010】さらに好ましい態様において、上記界面活
性剤はタンパク質を変性させない緩和な界面活性剤であ
り、例えば、非イオン性又は両性イオン性界面活性剤等
が挙げられる。具体的にはジギトニン、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル(Brij系)、ポリオキシエチレン
ソルビタン(Tween系)、β−ドデシルマルトシド、β
−オクチルグルコシド、β−ノニルグルコシド、β−ヘ
プチルチオグルコシド、β−オクチルチオグルコシド、
スクロースモノデカノエート、スクロースモノドデカノ
エート、オクチルテトラオキシエチレン、オクチルペン
タオキシエチレン、ドデシルオクタオキシエチレン、N,
N-ジメチルデシルアミンN-オキシド、N,N-ジメチルドデ
シルアミンN-オキシド、N,N-ジメチルドデシルアンモニ
オプロパンスルホネート、オクチル(ヒドロキシルエチ
ル)スルホキシド、オクタノイル-N-メチルグルカミ
ド、ノナノイル-N-メチルグルカミド、デカノイル-N-メ
チルグルカミド及び(3-[(3-コルアミドプロピル)-ジメ
チルアンモニオ]-1-プロパンスルホネート(CHAPS)か
らなる群から選択される少なくとも一種の界面活性剤で
あることを特徴とする。
【0011】本発明の一実施形態において、細菌の菌体
抽出液を用いた無細胞タンパク質合成系に界面活性剤、
好ましくは0.1〜2.0容量%のジギトニン及び/又は0.01
〜0.5容量%のBrij35を含むことによって、膜タンパク
質を凝集させること無く合成することを特徴とする。
【0012】また、本発明の第二の視点において、無細
胞タンパク質合成系により製造されたタンパク質を再構
成する方法であって、膜タンパク質の少なくとも一部を
コードする鋳型核酸と、界面活性剤と、脂質とを含み、
タンパク質の合成と同時に又は一定時間経過後に合成反
応液の界面活性剤濃度を低下させることによって、前記
タンパク質を脂質膜に再構成することを特徴とする。
【0013】好ましい態様において、上記界面活性剤濃
度を低下させる工程は、透析、希釈、ろ過、遠心分離及
び/又は界面活性剤に対する吸着剤を添加する工程であ
ることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】(無細胞タンパク質合成系)本発
明における無細胞タンパク質合成系とは、細胞抽出液を
用いて試験管内でタンパク質を合成する系であり、この
ような合成系としてはmRNAの情報を読み取ってリボ
ゾーム上でタンパク質を合成する無細胞翻訳系、又はD
NAを鋳型としてRNAを合成する無細胞転写系と無細
胞翻訳系の両者を含む系の何れでも良い。DNAを鋳型
として用いる場合には、PCR等の試験管内での増幅反
応により、従来必要とされたクローニングという煩雑な
操作を経ることなく、多数の鋳型DNAを同時並行的に
迅速に調製することができる。
【0015】上記細胞抽出液としては、リボゾーム、t
RNA等のタンパク質合成に必要な成分を含む真核細胞
又は原核細胞の抽出液が使用可能である。前記真核細胞
及び原核細胞としては従来公知のものが何れも使用可能
であり、具体的に例示すれば、大腸菌、好熱性細菌、小
麦胚芽、ウサギ網状赤血球、マウスL−細胞、エールリ
ッヒ腹水癌細胞、HeLa細胞、CHO細胞及び出芽酵
母などが挙げられ、特に大腸菌由来のもの(例えば大腸
菌S30細胞抽出液)又は高度好熱菌(Thermusthermoph
ilus)由来のものが高い合成量を得る点において望まし
い。該大腸菌S30細胞抽出液は、大腸菌A19(rna, me
t), BL21, BL21 star, BL21 codon plus株等から公知
の方法(Pratt, J.M. et al., Transcription and tran
slation -a practical approach, (1984), pp.179-209,
Henes, B.D.とHiggins, S.J.編、IRL Press, Oxford
参照)に従って調製できるし、あるいはPromega社やNov
agen社から市販されるものを使用してもよい。
【0016】このような細胞抽出液は、上記各細胞抽出
液が濃縮されたもの(以下「濃縮細胞抽出液」とい
う。)でもよいし、未濃縮のもの(以下「粗細胞抽出
液」という。)であっても良いが、濃縮細胞抽出液を使
用することにより、より高いタンパク質合成量が得られ
る。この濃縮細胞抽出液を得る方法としては、任意の手
段例えば限外濾過、透析、PEG沈殿等によって行うこ
とができる。
【0017】本発明の無細胞タンパク質合成系の組成と
しては、大腸菌S30等の粗細胞抽出液又は濃縮細胞抽
出液(10〜90重量%)の他に、目的のタンパク質をコー
ドするDNA又はRNA(mRNA等)、ATP(0.5
〜5mM)、GTP(0.05〜1.0mM)、CTP(0.05〜1.0m
M)、UTP(0.05〜1.0mM)、緩衝液、塩類、アミノ
酸、RNase阻害剤、抗菌剤、必要によりRNAポリ
メラーゼ(DNAを鋳型とする場合)及びtRNA等を
含むことができる。その他、ATP再生系、ポリエチレ
ングリコール(例えばPEG#8000)、3',5'-cA
MP、葉酸類(0.1〜5mM)、還元剤(例えば1〜10mMのジ
チオスレイトール)等が含まれる。
【0018】緩衝液としては、例えばHepes-KOH、Tris-
OAcのような緩衝剤を使用できる。塩類としては、酢酸
塩(例えばアンモニウム塩、マグネシウム塩等)、グルタ
ミン酸塩等が使用でき、抗菌剤としてはアジ化ナトリウ
ム、アンピシリン等が使用可能である。またDNAを鋳
型として用いる場合にはRNAポリメラーゼを反応系に
添加するが、例えばT7RNAポリメラーゼ等の市販の酵素
を使用できる。
【0019】本発明において、ATP再生系としては好
ましくは0.02〜5μg/μLのクレアチンキナーゼ(CK)
と10〜100mMのクレアチンホスフェート(CP)の組合
せが挙げられるが、これに限定されるものではなく、従
来より公知の材料が何れも使用可能であり、上記以外に
例えば1〜20mMのホスホエノールピルベート(PEP)
と0.01〜1μg/μLのピルビン酸キナーゼ(PK)の組合
せ等が使用可能である。これらPK及びCKは何れもA
DPをATPに再生する酵素であり、それぞれPEPお
よびCPを基質として必要とする。
【0020】本発明の無細胞タンパク質合成系には、バ
ッチ法、フロー法の他、従来公知の技術がいずれも適用
可能であり、例えば限外濾過膜法や透析膜法、樹脂に翻
訳鋳型を固定化したカラムクロマト法等(Spirin, A.
ら、Meth. In Enzymol. 217巻、123〜142頁、
1993年参照)を挙げることができる。
【0021】(難溶性タンパク質)本発明において合成
されるタンパク質は、分子中に疎水性の大きい部分を局
部的に含むようなタンパク質(難溶性タンパク質)又は
その一部であれば良く、特に、受容体、チャネルタンパ
ク質、トランスポーター及び膜結合酵素などの膜タンパ
ク質が挙げられる。具体的に例示すると、細胞膜受容体
としては、イオンチャネル内蔵受容体(脳内のグルタミ
ン酸受容体等)、膜7回貫通型受容体(アドレナリン、
ドーパミン等のアミン作動性受容体、アンギオテンシ
ン、ニューロペプチド等の生理活性ペプチド受容体
等)、脂質受容体(プロスタグランディン受容体等)、
ペプチドホルモン受容体(ACTH,TSH受容体等)及びケモ
カイン受容体等がある。トランスポーターとしては、グ
ルコースやアミノ酸等の比較的低分子物質から、タンパ
ク質やDNA等の比較的大きな分子を輸送するためのも
の等がある。膜結合酵素としては、Gタンパク質等の細
胞内へのシグナル伝達に関与する多くのタンパク質が存
在し、細胞増殖の調節や細胞のガン化等に関し重要な働
きをしている。さらに、このような従来から公知の膜タ
ンパク質のみならず、いまだその機能が明らかでない新
規な膜タンパク質も含まれる。
【0022】これらの難溶性タンパク質は驚くべきこと
に界面活性剤との複合体として生物学的機能や立体構造
の解析に使用できる場合があり、例えばマウス脳から界
面活性剤で抽出した可溶性画分にニューロテンシンとの
結合活性を検出した報告などがある(Mazella,J.ら、J.
Biol. Chem.263巻、144−149頁、1988年
参照)。また、紅色光合成細菌(Rhodopseudomonas viri
dis)の光合成反応中心複合体は界面活性剤との複合体と
して結晶化され、3Å分解能以上の高分解能でX線結晶
解析が行われている(Michel, H.ら、J.Mol.Biol.158
巻、567頁、1982年及びDeisenhofer,J.ら、Natu
re916巻、618頁(1985年参照)。従って、膜
タンパク質は相当量の界面活性剤に覆われた状態で結晶
化しても、もとの脂質二重層内の環境をかなり復元して
いると考えられる。
【0023】従って、本発明の方法により凝集すること
なく合成され、合成反応液の上清に回収されるタンパク
質についても、リガンドとの結合能力やシグナル伝達作
用等の生物学的な機能を発揮し得る蓋然性が極めて高い
と考えられる。
【0024】(界面活性剤)本発明の方法に用いられる
界面活性剤は、合成すべきタンパク質の種類によって適
宜選択して使用されることが望ましく、タンパク質の変
性を起こさないものであれば従来公知のものがいずれも
使用可能である。通常用いられる界面活性剤には、その
電気的性質により、非イオン性、陰イオン性、及び両性
イオン性に大別される。非イオン性界面活性剤として
は、ジギトニン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
(Brij系)、ポリオキシエチレンソルビタン(Tween
系)、β−ドデシルマルトシド、β−オクチルグルコシ
ド、β−ノニルグルコシド、β−ヘプチルチオグルコシ
ド、β−オクチルチオグルコシド、スクロースモノデカ
ノエート、スクロースモノドデカノエート、オクチルテ
トラオキシエチレン、オクチルペンタオキシエチレン、
及びドデシルオクタオキシエチレン等が挙げられる。陰
イオン性界面活性剤としては、タウロデオキシコール酸
等が挙げられる。両性イオン性界面活性剤としてはN,N-
ジメチルデシルアミンN-オキシド、N,N-ジメチルドデシ
ルアミンN-オキシド、N,N-ジメチルドデシルアンモニオ
プロパンスルホネート、及び(3-[(3-コルアミドプロピ
ル)-ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホネート(CH
APS)等が挙げられる。
【0025】これらの界面活性剤は、一種のみで単独使
用してもよく、また二種以上を組み合わせてもよい。こ
れらの界面活性剤の使用量は、目的タンパク質の種類に
応じて適宜設定されることが好ましいが、通常用いられ
る濃度としてはその界面活性剤の臨界ミセル濃度(CM
C)の1〜50倍量程度が好ましく、より好ましくは3
から10倍程度使用される。例えば、界面活性剤として
ジギトニンやBrij35等の非イオン性界面活性剤を使用し
た場合、その濃度はジギトニンでは0.1〜2.0容量%程度
が好ましく、より好ましくは0.4〜1.5容量%程度であ
る。また、Brij35では0.01〜0.5容量%程度が好まし
く、より好ましくは0.02〜0.2容量%程度である。
【0026】上記界面活性剤は、タンパク質を変性させ
ない緩和な界面活性剤であることが好ましい。ドデシル
硫酸ナトリウム(SDS)のようなタンパク質変性作用の強
い界面活性剤は、合成されたタンパク質を変性させる可
能性が強い。また、これらは無細胞タンパク質合成系を
構成する酵素タンパク質等を変性させてそのタンパク質
合成活性自体を阻害する可能性があるため本発明の方法
には不適当である。
【0027】また、上記界面活性剤だけでは、水溶液中
でタンパク質の構造を維持し、凝集を防止するのが困難
な場合に、上記界面活性剤や脂質よりも小さなヘプタン
-1,2,3-トリオールやオクタン-1,2,3-トリオール等の両
親媒性物質や、トリエチルアミンアンモニウムやフェニ
ルアラニン等の極性物質を共存させることによって凝集
を防止することができる。
【0028】(合成されたタンパク質の検出と再構成)
本発明の方法により無細胞タンパク質合成系で合成した
タンパク質は、界面活性剤との複合体となることによっ
て合成反応液中で凝集(不溶化)せずに、後述する実施
例において具体的に示したように、合成反応液を通常の
遠心分離処理した後の上清画分に検出される。従って、
これらの溶液中のタンパク質を用いてその機能を解析し
たり、NMRによる構造解析に用いることができ、さら
にこれらの溶液から該タンパク質の結晶を作製すること
ができればX線結晶解析に用いることもできる。
【0029】さらに、膜タンパク質等の生体内での構造
や機能をより正確に解析するためには、無細胞タンパク
質合成系で合成されたタンパク質を人工膜やリポソーム
等に再構成することが好ましい。かかる再構成は界面活
性剤と脂質とを添加した無細胞タンパク質合成系で、合
成反応と同時に又は一定時間経過後に界面活性剤濃度を
低下させることによって、合成されたタンパク質を脂質
膜に再構成する。ここで、再構成とは、脂質によって形
成された二分子層又は多重層からなる人工膜やリポソー
ムに、合成された膜タンパク質の少なくとも一部が埋め
込まれることによって生体内における状態に類似した系
を構築することである。この方法に使用し得る脂質には
アシルグリセロール(中性脂肪)やコレステロールエス
テル等の単純脂質の他、リン脂質や糖脂質等の複合脂質
が含まれる。リン脂質には、ホスファチジルコリン(P
C)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホス
ファチジルセリン(PS)ホスファチジルイノシトール
(PI)、ホスファチジルグリセロール(PG)プラズ
マローゲン、スフィンゴミエリン、セラミドシリアチン
及びこれらの誘導体等があり、糖脂質にはセレブロシ
ド、グロボシド、ガングリオシド等のスフィンゴ糖脂質
と総称されるもの等が挙げられる。これらは一種又は二
種以上を組み合わせて使用することができ、その使用量
は用いる脂質によって適宜設定されることが好ましい
が、通常、0.1〜10 mM程度である。
【0030】これらの脂質の存在下に合成された膜タン
パク質は、界面活性剤の濃度を低下させることによって
脂質の二分子層や多重層が形成される際に、これに組み
込まれて再構成が行われる。界面活性剤の濃度を低下さ
せるためには、例えば、透析法、希釈法や界面活性剤に
対する吸着剤を添加する方法等が挙げられる。
【0031】脂質膜に再構成された膜タンパク質を精製
する場合は、これらの複合体をろ過や遠心分離法等によ
って回収し、更に界面活性剤を加えて一旦可溶化して目
的の膜タンパク質のみを精製することも可能である。後
述する実施例3では、このようにして精製及び脂質膜に
再構成した膜タンパク質について、ヒトβ2-アドレナリ
ン作動性受容体(ADRB2)としてリガンドとの結合能力を
有することが確認される。結合能力評価は、放射性同位
元素で標識されたAlprenolol等のβアドレナリン受容体
の遮断薬と、非標識の該遮断薬とを種々の濃度比で競合
して結合、あるいは阻害させ、放射性同位元素の特異的
結合(取り込み)を測定することによって、再構成され
た受容体の結合能力を評価する。図11の結果から、非
標識の遮断薬濃度が増加するとβアドレナリン受容体に
結合する標識量が減少することから、再構成されたβア
ドレナリン受容体がそのリガンドと特異的に結合し、生
物活性を有することが認められる。
【0032】また、無細胞タンパク質合成系が透析法に
よって構成されている場合には、かかる合成反応の内液
に界面活性剤と脂質とを添加し、タンパク質合成反応を
行うと同時に又は一定時間経過後に透析外液から界面活
性剤を除去することによって、タンパク質の合成速度と
界面活性剤濃度を最適化して、合成されたタンパク質を
脂質層の中に再構成することが可能となる。
【0033】
【実施例】以下に本発明の実施例として、ラット由来ニ
ューロテンシン受容体(NTR)及びヒト由来β2−アドレ
ナリン作動性受容体(ADRB2)をコードするcDNAフラ
グメントを用いて本発明の方法について検討した結果を
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。なお、ここで%は、特記しない限り容
量%である。
【0034】[実施例1]ラットニューロテンシン受容体
(NTR)の合成 NTRは、Gタンパク質連結型受容体ファミリーのメンバ
ーであり、7回膜貫通型膜タンパク質である。そのリガ
ンドであるニューロテンシンの結合により、Gタンパク
質を介してホスホリパーゼCを活性化し、イノシトール
-1,4,5-トリスリン酸/ジアシルグリセロールを産生す
る働きを有する。
【0035】1)MBP-T43NTR-TrxA-H10鋳型フラグメン
トの調製 ここでは、NTRcDNAの5'側にマルトース結合タンパ
ク質(MBP)遺伝子、3'側にチオレドキシン(TrxA)遺
伝子および10個のヒスチジンタグ配列を接続した融合遺
伝子を用いた。この融合遺伝子を含む発現ベクターpRG/
III-hs-MBP-T43NTR-TrxA-H10は、大腸菌での発現、生成
が報告されており(Grisshammer, R.ら、Biochemical S
ociety Transactions, 27巻、899〜903頁、1
999年参照)オックスフォード大学、A.Watts博士よ
り提供された。NTRcDNAを含むベクターpRG/III-hs-
MBP-T43NTR-TrxA-H10を鋳型とし、5’プライマー;5'-
GTTTAACTTTAAGAAGGAGATATACATATGAAAATAAAAACAGGTGCACG
CA-3'(配列番号1)、及び3’プライマー;5'-GCGGAT
AACAATTTCACACAGGAAACAGTCGACGCCAGGGTTTTCCCAGT-3'
(配列番号2)を用い、表1に示した組成の反応液25μ
Lを調製した。表2に示したプログラムに従って第1次
PCRを行い、NTRcDNAフラグメントを増幅した。
【0036】
【表1】 第1次PCR反応液の組成
【0037】
【表2】 PCRプログラム
【0038】続いて第1次PCR産物を鋳型とし、この
両末端と一部重複する2つの化学合成2本鎖DNA断片
(T7プロモーター配列をコードする5'断片(配列番号
3)及びT7ターミネーター配列をコードする3'断片
(配列番号4))と、5',3'-プライマー;5'-GCCGCTGTC
CTCGTTCCCAGCC-3'(配列番号5)、とを用い、表3に示
した組成の反応液25μLを調製し、表2に示したプログ
ラムに従って第2次PCRを行った。この結果、図1に
示したように、5’上流のT7プロモーター配列と、3'
下流のT7ターミネーター配列の間に、大腸菌のマルトー
ス結合タンパク質(MBP)、N末端の一部欠失したNTR(T
43NTR)、チオレドキシン(TrxA)及び10個のヒスチジンタ
グの融合タンパク質をコードする配列が挿入されたNTR
(MBP-T43NTR-TrxA-H10)cDNA鋳型フラグメントが
得られた。
【0039】
【表3】 第2次PCR反応液の組成
【0040】2)無細胞タンパク質合成法によるMBP-T4
3NTR-TrxA-H10タンパク質の合成 大腸菌S30抽出液はZubayら(Annu.Rev.Geneti.,7,267-2
87,1973)の方法に従って、大腸菌BL21株から調製し
た。タンパク質合成反応は下記の表4に示した組成の溶
液に、上記のMBP-T43NTR-TrxA-H10cDNAフラグメン
トのPCR産物1μL、上記大腸菌S30抽出液7.2μLを加
え、反応液の全量を30μLとした。同じ組成の反応液に
終濃度0.04%、0.4%、1%のジギトニン(和光純薬)又
は終濃度0.01%、0.02%、0.2%のBrij35(SIGMA)を加
えたものを調製した。タンパク質合成反応は、30℃で2
時間行った。
【0041】
【表4】 タンパク質合成反応液の組成
【0042】3)抗ヒスチジンタグ抗体を用いたウェス
タンブロッティングによるMBP-T43NTR-TrxA-H10タンパ
ク質の検出 合成反応終了後、反応液を12,000g、20分間遠心し、上
清と沈殿に分離した。この沈殿を1.5倍量のSDS-PAGEサ
ンプルバッファーに溶解した。上清についてはアセトン
沈澱処理を行い、得られた沈殿を1.5倍量のSDS-PAGEサ
ンプルバッファーに溶解した。これらの試料について、
定法に従ってSDS-ポリアクリルアミド電気泳動を行っ
た。ゲルはMULTIGEL15/25(第一化学薬品)を用いた。
泳動終了後、セミドライトランスファー装置BE-330(バ
イオクラフト)を用いて、ゲル中の試料をニトロセルロ
ース膜(PROTORAN BA85、ポアサイズ0.45μm、Schleic
her&Schuell)にブロットした。このニトロセルロース
膜を、10倍に希釈したWesternBlocking Reagent(Roch
e)を用い、室温にて一夜、ブロッキング処理を行っ
た。この膜に、一次抗体として1000倍に希釈した抗ヒス
チジンタグ抗体(6xHis Monoclonal Antibody、CLONETE
CH)を加え、室温、1時間インキュベートした。TBST液
でニトロセルロース膜を4回洗浄した後、二次抗体とし
て5000倍希釈した抗マウスIg抗体(西洋ワサビ由来過酸
化酵素を結合したもの、Amersham PharmaciaBiotech)
を加え、室温、1時間インキュベートした。TBST液でニ
トロセルロース膜を4回洗浄した後、ECL Western Blot
ting Detection Reagent(Amersham Pharmacia Biotech)
と反応させ、ルミノイメージアナライザーLAS-1000 plu
s(富士フィルム)により検出した。
【0043】4)ジギトニン添加によるMBP-T43NTR-Trx
A-H10タンパク質の合成 ジギトニン添加又は無添加の条件で合成されたタンパク
質のウエスタンブロッティングの結果を図2に示した。
ここで検出されたバンドは、抗ヒスチジンタグ抗体に認
識されるもの、すなわちMBP-T43NTR-TrxA-H10である。
なお約20kDaのバンドは、鋳型DNAを加えていない対照サ
ンプル(レーン5、10)を含めたすべてのサンプルに検
出されているため、大腸菌に由来するタンパク質に抗体
が非特異的に結合したものと考えられる。ジギトニン非
存在下では、合成されたMBP-T43NTR-TrxA-H10は不溶化
しており(レーン1)、上清には検出されていない(レ
ーン6)。0.04%ジギトニン存在下においては大部分が
不溶化した(レーン2)一方、少量が上清画分に検出さ
れた (レーン7)。0.4%以上のジギトニン存在下では、
大部分のMBP-T43NTR-TrxA-H10は上清画分に検出され
(レーン8、9)、不溶性画分にはほとんど存在しない
(レーン3、4)ことが分かった。これらの結果から、
本発明の方法により、膜タンパク質であるMBP-T43NTR-T
rxA-H10を上清から回収され得ることが示された。
【0044】5)Brij35を添加によるMBP-T43NTR-TrxA-
H10タンパク質の合成 Brij35添加又は無添加の条件で合成されたタンパク質の
ウエスタンブロッティングの結果を図3に示した。ここ
で検出されたバンドは、抗ヒスチジンタグ抗体に認識さ
れるもの、すなわちMBP-T43NTR-TrxA-H10である。なお
約20kDaのバンドは、鋳型DNAを加えていない対照サンプ
ル(レーン5、10)を含めたすべてのサンプルに検出
されているため、大腸菌に由来するタンパク質に抗体が
非特異的に結合したものと考えられる。Brij35非存在下
および0.01%のBrij35存在下では、合成されたMBP-T43N
TR-TrxA-H10は不溶化しており(レーン1、2)、上清に
は検出されていない(レーン6、7)。0.02 %のBrij3
5存在下においては合成されたMBP-T43NTR-TrxA-H10の一
部が不溶性画分に検出された(レーン3)一方、その大
部分は上清画分に検出された (レーン8)。0.2%のBrij
35存在下では、不溶化したMBP-T43NTR-TrxA-H10はごく
一部のみであり(レーン4)、ほぼ全量が上清に検出さ
れた(レーン9)。これらの結果から、ジギトニン同様、
Brij35を用いた系においても膜タンパク質であるMBP-T4
3NTR-TrxA-H10を上清から回収されることが示された。
【0045】[実施例2]ヒトβ2‐アドレナリン作動性
受容体(ADRB2)の合成 ADRB2は、Gタンパク質連結型受容体ファミリーのメン
バーであり、7回膜貫通型膜タンパク質である。そのリ
ガンドであるアドレナリンの結合により、促進性Gタン
パク質を介してアデニリルシクラーゼを活性化させ、細
胞内環状AMP濃度を上昇させる働きを有する。このタ
ンパク質は既に公知であり、そのcDNAの塩基配列は
GenBankに登録されている(アクセッション番号AF02295
6)。
【0046】1)His6-β2鋳型フラグメントの調製 ここではヒトβ2アドレナリン受容体とウシGs融合cD
NAが組み込まれたプラスミドベクターpFASTBacβ2-Gs
(デューク大学メディカルセンターのRobert J. Lefkow
itz博士より入手)を鋳型とし、5’プライマー;5'-GG
TGCCACGCGGATCCATGGGGCAACCCGGGAAC-3'(配列番号
6)、及び3’プライマー;5'-GCGGATAACAATTTCACACAG
GAAACAGTCGACTTACAGCAGTGAGTCATTTGTACTACAA-3'(配列
番号7)を用い、実施例1と同様の方法により表1に示
した組成の反応液25μLを調製し、表2に示したプログ
ラムに従って第1次PCRを行い、ADRB2cDNAフラグ
メントを増幅した。
【0047】次に、第1次PCR産物を鋳型とし、この
両末端と一部重複する2つの化学合成二本鎖DNA断片
(T7プロモーター配列、6個のヒスチジンタグ配列及び
トロンビン切断部位をコードする5’断片(配列番号
8)及びT7ターミネーター配列をコードする3’断片
(配列番号9)と、5',3'-プライマー;5'-GCCGCTGTCCT
CGTTCCCAGCC-3'(配列番号5)とを用い、実施例1と同
様の方法により表3に示した組成の反応液25μLを調製
し、表2に示したプログラムに従って第2次PCRを行
った。この結果、図4に示したように、5'側にT7プロモ
ーター配列、ヒスチジンタグおよびトロンビン切断部位
を、3'側にT7ターミネーター配列を有するADRB2(His6
)cDNA鋳型フラグメントが得られた。
【0048】2)無細胞タンパク質合成系によるHis6-
β2タンパク質の合成 実施例1と同様の方法により、大腸菌S30抽出液を用
いて無細胞タンパク質合成系によりHis6-β2タンパク質
を合成した。表4に示した組成の溶液に、上記His6-β
鋳型cDNA1μLと、大腸菌S30抽出液7.2μLを
加え、反応液の全量を30μLとした。同じ組成の反応液
に終濃度0.04%、0.4%、1%のジギトニン(和光純
薬)、終濃度0.01%、0.02%、0.2%のBrij35(SIGM
A)、終濃度0.5%のβ-ドデシルマルトシド、NP-40、Tw
een20又はTriton X-100を加えたものを調製した。タン
パク質をオートラジオグラムにより検出する場合は、L-
[14C]Leucine(Moravek Biochemicals)3.7kBqを添加し
た。合成反応は30℃、120分行った。
【0049】3)オートラジオグラムによる His6-β2
タンパク質の検出 合成反応終了後、反応液を12,000g、20分間遠心し、上
清と沈殿に分離した。この沈殿を1.5倍量のSDS-PAGEサ
ンプルバッファーに溶解した。上清についてはアセトン
沈澱処理を行い、得られた沈殿を1.5倍量のSDS-PAGEサ
ンプルバッファーに溶解した。これらの試料について、
定法に従ってSDS-ポリアクリルアミド電気泳動を行っ
た。ゲルはMULTIGEL15/25(第一化学薬品)を用いた。
泳動終了後、ゲルを乾燥させImaging Plate(BAS-SR204
0、富士フィルム)にあてて暗所に24時間置いた。こ
の後、バイオイメージングアナライザーBAS2500(富士
フィルム)を用いて標識タンパク質の検出を行った。
【0050】4)抗ヒスチジンタグ抗体を用いたウェス
タンブロッティングによるHis6-β2タンパク質の検出 実施例1と同様の方法により、合成反応終了後の反応液
を上清と沈殿に分け、SDS-PAGEを行った後、ゲル中のタ
ンパク質をニトロセルロース膜にブロットし、抗ヒスチ
ジンタグ抗体と反応させてルミノイメージアナライザー
(LAS-1000 plus富士フィルム社製)により検出した。
【0051】5)ジギトニン添加によるHis6-β2タンパ
ク質の合成 ジギトニン添加又は無添加の条件で合成されたタンパク
質のオートラジオグラムによる検出結果を図5に、ま
た、ウエスタンブロッティングの結果を図6に示した。
図5では、ジギトニン非存在下および0.04%ジギトニン
存在下では、標識タンパク質のバンドは主に沈殿画分に
検出され(レーン1、2)、上清にはほとんど検出され
ず(レーン6、7)、これらの条件下では試料中のタン
パク質の大部分が不溶化することが示された。一方、ジ
ギトニンの濃度が0.4%、1%の場合は、標識タンパク質
は主に上清に検出された(レーン8、9)。これらの結
果から、無細胞タンパク質合成系にある濃度以上のジギ
トニンを添加することにより、合成されたタンパク質の
不溶化を防げること、これらを上清から回収できること
が示された。
【0052】一方、抗ヒスチジンタグ抗体によるウエス
タンブロッティングの結果(図6)では、鋳型DNAを加
えていない対照サンプル(レーン5、10)を含めたす
べてのサンプルに約20kDaのバンドが検出されたが、こ
れは大腸菌に由来するタンパク質に、抗体が非特異的に
結合したものと考えられる。図5の結果同様、ジギトニ
ン非存在下では、合成されたHis6-β2は不溶化しており
(レーン1)、上清には検出されていない(レーン
6)。0.04%ジギトニン存在下においては大部分が不溶
化した(レーン2)一方、少量が上清画分に検出された
(レーン7)。0.4%以上のジギトニン存在下では、大部
分のHis6-β2は上清画分に検出された(レーン3、4、
8、9)。これらの結果から、本発明の方法により、膜
タンパク質であるHis6-β2を上清から回収できることが
示された。
【0053】6)Brij35添加によるHis6-β2タンパク質
の合成 Brij35添加又は無添加の条件で合成されたタンパク質の
ウエスタンブロッティングの結果を図7に示した。Brij
35非存在下および0.01%のBrij35存在下では、合成され
たHis6-β2は不溶化しており(レーン1、2)、上清に
は検出されていない(レーン6、7)。0.02%Brij35存
在下においては合成されたHis6-β2の一部が不溶性画分
に検出された(レーン3)一方、その大部分は上清画分
に検出された (レーン8)。0.2%のBrij35存在下で
は、不溶化したHis6-β2はごく一部のみであり(レーン
4)、ほぼ全量が上清に検出された(レーン9)。これら
の結果から、ジギトニン同様、Brij35を用いた系におい
ても膜タンパク質であるHis6-β2を上清から回収できる
ことが示された。なお約20kDaのバンドは、鋳型DNAを加
えていない対照サンプル(レーン5、10)を含めたすべ
てのサンプルに検出されているため、大腸菌に由来する
タンパク質に、抗体が非特異的に結合したものと考えら
れる。
【0054】7)β-ドデシルマルトシド、NP-40、Twee
n 20 又はTriton X-100添加による His6-β2タンパク質
の合成 終濃度が0.5%になるようにβ-ドデシルマルトシド、NP
-40、Tween 20 又は Triton X-100を添加した場合に合
成されたタンパク質のオートラジオグラムの結果を図8
に、またウエスタンブロッティングの結果を図9に示し
た。図8及び9共に、分子量約46,000のバンドがHis6-
β2タンパク質であると推定される。これらの結果は、
界面活性剤無添加の条件では沈殿画分(レーン1P)の
みに検出され、上清画分(レーン1S)には検出されな
かった。これに対し、各種界面活性剤を添加した条件で
は、0.5%のβ-D-ドデシルマルトシドを添加した場合に
不溶性画分(レーン2P)と上清画分(レーン2S)に
ほぼ同量のHis6-β2タンパク質が検出された。なお、そ
の他の界面活性剤を添加した場合には上清画分にはHis6
2タンパク質はほとんど検出されなかった。これらの
結果から、0.5%のβ-ドデシルマルトシドの添加によ
り、膜タンパク質であるHis6-β2を上清から回収できる
ことが示された。
【0055】[実施例3]ヒトβ2−アドレナリン作動性
受容体(ADRB2)の再構成 1)透析法によるタンパク質合成 実施例2と同様の方法により、ヒトβ2−アドレナリン
作動性受容体(ADRB2)発現用の鋳型cDNAフラグメントを
調製し、これをTOPO TA Cloning Kit (Invitrogen社)を
用いてプラスミドpCR2.1-TOPOに組み込んだものを鋳型
として用いた。続いて実施例1と同様の方法により、大
腸菌S30抽出液を用いて無細胞タンパク質合成系によ
りHis6-β2タンパク質を合成した。但し、実施例1及び
2とは異なり、表5に示した組成の反応内液(20mL)及び
反応外液(200mL)を用いる透析法により蛋白質合成を行
った。反応内液は5mLずつ透析膜(DispoDialyzer, Spec
tra/Por,分画分子量50,000)4本に分注し、反応外液中
に浮遊させて30℃で16時間タンパク質合成を行った。
【0056】
【表5】
【0057】2)透析 合成反応終了後、上記透析膜を1%CARBIOSORB (Carbioc
hem社)を加えたリン酸緩衝液(137mM NaCl, 2.7mM KCl,
10mM Na2HPO4, 2mM KH2PO4)中に移し、2〜3時間毎
に同緩衝液を交換しながら4℃で8時間透析した。
【0058】3)可溶化 透析終了後、透析内液を回収し、4℃で100,000 x g、
1時間超遠心分離を行った。得られた沈殿画分を15mL
の上記リン酸緩衝液に懸濁し、10%のβ−ドデシルマル
トシド(ナカライテスク社製)を滴下して加え、終濃度
1%とした後、4℃で2時間可溶化した。可溶化した溶
液を透析膜(Spectra/Por, 分画分子量10,000)に入れ、
上記リン酸緩衝液中で8時間4℃で透析した。
【0059】4)精製 透析終了後の可溶化溶液を4℃で100,000 x g、1時間
超遠心分離を行った。得られた上清画分(15mL)に、あら
かじめ緩衝液A(20mMリン酸緩衝液(pH7.4)、500mM NaC
l、10mMイミダゾール、0.05%β−ドデシルマルトシ
ド)で平衡化しておいた湿容量2mLのNi-NTAアガロース
(QIAGEN社)を加え、混合後、4℃で3時間穏やかに撹
拌した。その後、Ni-NTAアガロースをカラムに充填し、
余分な緩衝液を取り除いた。カラムを20mLの緩衝液Aで
洗浄した後、5mLの緩衝液B(20mMリン酸緩衝液(pH7.
4)、500mM NaCl、300mMイミダゾール、0.05%β−ドデ
シルマルトシド)でタンパク質を溶出した。
【0060】5)脱塩 5mLのタンパク質溶出液をVIVASPIN(Sartorius社、分
画分子量10,000)で2.5mLに濃縮した。2.5mLの濃縮液
を、リン酸緩衝液で平衡化したPD−10脱塩カラム(Amer
sham Pharmacia社)に添加した。続いて同カラムにリン
酸緩衝液を加え、タンパク質の溶出画分3.5mLを回収し
た。
【0061】6)再構成 3.5mLのタンパク質溶出液をVIVASPIN(分画分子量10,00
0)で1mLに濃縮した。1mLの濃縮液に、終濃度が0.01
%となるようにβ−ドデシルマルトシドと6.25μLの脂
質混合液を加えた後、透析膜(Spectra/Por, 分画分子量
50,000)に移し、1%CARBIOSORBを加えたリン酸緩衝液
で8時間4℃で透析した。
【0062】7)再構成したHis6-β2タンパク質の検出 上述した方法により、界面活性剤及び脂質の存在下で再
構成を行ったHis6-β2タンパク質の純度を、実施例1及
び2と同様に、SDS-PAGE及びウエスタンブロッティング
で調べた。図10は、Ni-NTAアガロースカラム及びPD-1
0脱塩カラムによる精製の各段階における試料をSDS-PAG
Eを行った後、(a)銀染色及び(b)抗β2AR抗体を
用いてウエスタンブロッティングを行った結果を示し
た。(a)及び(b)のいずれの結果も、分子量約46
kDaのHis6-β2タンパク質が精製されていることが分か
る。
【0063】8)結合能力評価(Binding Assay) 上記6)で再構成した透析終了後のタンパク質溶液を4
℃で100,000 x g、1時間超遠心分離を行い、得られた
沈殿画分(再構成された膜画分)を100〜200μLのイン
キュベーションバッファー(75mM Tris-HCl (pH7.4), 1
2.5mM MgCl2, 2mM EDTA)に懸濁した。この再構成膜画
分を0〜100μMのAlprenolol(Sigma社)の存在下、30℃
で30分間静置した。その後、終濃度が10μMとなるよう
に[3H]Dihidroalprenololを加えて更に30℃で1時間反
応させた。
【0064】96wellのUnifilter GF/C (Whatman社)を
用意し、あらかじめ200μLの0.3%ポリエチレンイミン
で2回、続けて200μLの50mM Tris-HCl (pH7.4)で9回
洗浄した。この96well Unifilterに上記反応液を加え
た後、インキュベーションバッファーで7回洗浄した。
その後、96well Unifilterを乾燥させ、各wellに50μ
LのMicroScint-O (Packard社)を加え、暗所で10分間静
置した。これをTOPCOUNT (Packard社)を用いて各well毎
の[3H]Dihidroalprenololに由来する放射能を測定し
た。種々の濃度のAlprenolol存在下での[3H]Dihidroalp
renololの取り込み量(結合曲線Binding Curve)を図1
1に示した。図11において、対照として用いたヒトβ
2AR(Sf9)(Lot No. UHW-1098F)はRBI社から
購入した。x軸は添加したAlprenololのモル濃度を対数
目盛りでプロットし、y軸はAlprenolol無添加で測定し
た時の放射能量を100%として各濃度のAlprenolol添加
時の放射能の取り込み率を示した。図11より、本発明
の再構成を行ったHis6-β2タンパク質は、Alprenololの
濃度が10−6Mから10−4Mに増加するに従って、
[3H]Dihidroalprenololの取り込み率が約80%から約10
%に低下すること、即ち、添加した非標識のAlprenolol
と結合していることが分かる。
【0065】
【発明の効果】本発明の方法によれば、タンパク質の活
性を損なわないかたちで一定量のタンパク質(特に、膜
タンパク質)を得ることが可能となり、タンパク質の構
造と機能に関する研究に有力な手段を提供することがで
きる。これらの膜タンパク質、特に、受容体、チャネル
タンパク質、トランスポーター等の機能を制御する薬剤
の開発を通じて病気の診断や治療への応用が期待され
る。
【0066】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> RIKEN <120> Methods for producing a protein in cell-free system <130> RJH13-109T <140> <141> <150> JP P2001-135111 <151> 2001-05-02 <160> 9 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 52 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:NTR-5' primer <400> 1 gtttaacttt aagaaggaga tatacatatg aaaataaaaa caggtgcacg ca 52 <210> 2 <211> 50 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:NTR-3' primer <400> 2 gcggataaca atttcacaca ggaaacagtc gacgccaggg ttttcccagt 50 <210> 3 <211> 136 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: NTR-5' fragment <400> 3 ccgctgtcct cgttcccagc ccatgattac gaattcagat ctcgatcccg cgaaattaat 60 acgactcact atagggagac cacaacggtt tccctctaga aataattttg tttaacttta 120 agaaggagat atacat 136 <210> 4 <211> 183 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:NTR-3' fragment <400> 4 gtttcctgtg tgaaattgtt atccgctgct gagttggctg ctgccaccgc tgagcaataa 60 ctagcataac cccttggggc ctctaaacgg gtcttgaggg gttttttgct gaaaggagga 120 actatatccg gataacctcg agctgcaggc atgcaagctt ggggctggga acgaggacag 180 cgg 183 <210> 5 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:NTR-5'3' primer <400> 5 gccgctgtcc tcgttcccag cc 22 <210> 6 <211> 34 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: ADR2-5' primer <400> 6 ggtgccacgc ggatccatgg ggcaacccgg gaac 34 <210> 7 <211> 61 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: ADR2-3' primer <400> 7 gcggataaca atttcacaca ggaaacagtc gacttacagc agtgagtcat ttgtactaca 60 a 61 <210> 8 <211> 193 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: ADR2 5' fragment <400> 8 ccgctgtcct cgttcccagc ccatgattac gaattcagat ctcgatcccg cgaaattaat 60 acgactcact atagggagac cacaacggtt tccctctaga aataattttg tttaacttta 120 agaaggagat atacatatgg gcagcagcca tcatcatcat catcacagca gcggcctggt 180 gccacgcgga tcc 193 <210> 9 <211> 183 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: ADR2 3' fragment <400> 9 gtttcctgtg tgaaattgtt atccgctgct gagttggctg ctgccaccgc tgagcaataa 60 ctagcataac cccttggggc ctctaaacgg gtcttgaggg gttttttgct gaaaggagga 120 actatatccg gataacctcg agctgcaggc atgcaagctt ggggctggga acgaggacag 180 cgg 183
【図面の簡単な説明】
【図1】無細胞タンパク質合成系でニューロテンシン受
容体(NTR)を発現させるための鋳型DNAをPCR法に
より調製する方法を示した図である。
【図2】ジギトニンを添加した無細胞タンパク質合成系
により合成したニューロテンシン受容体(NTR)をSDS-ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動し、ウエスタンブロッテ
ィング法により分析した結果である。レーン1〜5には
合成反応終了後、遠心分離により沈殿した不溶性画分
を、レーン6〜10には遠心分離の上清画分をアプライ
した。ジギトニン添加量はそれぞれ、レーン1及び6:
0%、レーン2及び7:0.04%、レーン3及び8:0.4
%、レーン4及び9:1%、レーン5及び10:0%(鋳
型DNA無添加)である。レーンMは分子量マーカーと
してECL protein molecular weight markers(アマシャ
ム・ファルマシアバイオテック社製)を用いた。
【図3】Brij35を添加した無細胞タンパク質合成系によ
り合成したニューロテンシン受容体(NTR)をSDS-ポリア
クリルアミドゲル電気泳動し、ウエスタンブロッティン
グ法により分析した結果である。レーン1〜5には合成
反応終了後、遠心分離により沈殿した不溶性画分を、レ
ーン6〜10には遠心分離の上清画分をアプライした。
Brij35の添加量はそれぞれ、レーン1及び6:0%、レ
ーン2及び7:0.01%、レーン3及び8:0.02%、レー
ン4及び9:0.2%、レーン5及び10:0%(鋳型DN
A無添加)である。レーンMは分子量マーカーとしてEC
L proteinmolecular weight markers(アマシャム・フ
ァルマシアバイオテック社製)を用いた。
【図4】無細胞タンパク質合成系でヒトβ2‐アドレナ
リン作動性受容体(ADRB2)を発現させるための鋳型D
NAをPCR法により調製する方法を示した図である。
【図5】ジギトニンを添加した無細胞タンパク質合成系
により合成したヒトβ2‐アドレナリン作動性受容体(A
DRB2)をSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動し、オー
トラジオグラフィーにより分析した結果である。レーン
1〜5には合成反応終了後、遠心分離により沈殿した不
溶性画分を、レーン6〜10には遠心分離の上清画分を
アプライした。ジギトニン添加量はそれぞれ、レーン1
及び6:0%、レーン2及び7:0.04%、レーン3及び
8:0.4%、レーン4及び9:1%、レーン5及び10:
0%(鋳型DNA無添加)である。レーンMは分子量マ
ーカーとしてECL protein molecular weight markers
(アマシャム・ファルマシアバイオテック社製)を用い
た。
【図6】ジギトニンを添加した無細胞タンパク質合成系
により合成したヒトβ2‐アドレナリン作動性受容体(A
DRB2)をSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動し、ウエ
スタンブロッティング法により分析した結果である。レ
ーン1〜5には合成反応終了後、遠心分離により沈殿し
た不溶性画分を、レーン6〜10には遠心分離の上清画
分をアプライした。ジギトニン添加量はそれぞれ、レー
ン1及び6:0%、レーン2及び7:0.04%、レーン3
及び8:0.4%、レーン4及び9:1%、レーン5及び1
0:0%(鋳型DNA無添加)である。レーンMは分子
量マーカーとしてECL protein molecular weight marke
rs(アマシャム・ファルマシアバイオテック社製)を用
いた。
【図7】Brij35を添加した無細胞タンパク質合成系によ
り合成したヒトβ2‐アドレナリン作動性受容体(ADRB
2)をSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動し、ウエス
タンブロッティング法により分析した結果である。レー
ン1〜5には合成反応終了後、遠心分離により沈殿した
不溶性画分を、レーン6〜10には遠心分離の上清画分
をアプライした。Brij35の添加量はそれぞれ、レーン1
及び6:0%、レーン2及び7:0.01%、レーン3及び
8:0.02%、レーン4及び9:0.2%、レーン5及び1
0:0%(鋳型DNA無添加)である。レーンMは分子
量マーカーとしてECL protein molecular weight marke
rs(アマシャム・ファルマシアバイオテック社製)を用
いた。
【図8】β-ドデシルマルトシド、NP-40、Tween 20 又
はTriton X-100を添加した無細胞タンパク質合成系によ
り合成したヒトβ2‐アドレナリン作動性受容体(ADRB
2)をSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動し、オート
ラジオグラフィーにより分析した結果である。レーン1
は界面活性剤無添加、レーン2は0.5%のβ-ドデシルマ
ルトシド添加、レーン3は0.5%のNP-40添加、レーン4
は0.5%のTween 20添加、レーン5は0.5%のTriton X-1
00を添加して合成した試料をアプライした。Pは沈殿画
分、Sは上清画分を示す。レーンMは分子量マーカーと
してECL protein molecular weight markers(アマシャ
ム・ファルマシアバイオテック社製)を用いた。
【図9】β-ドデシルマルトシド、NP-40、Tween 20 又
はTriton X-100を添加した無細胞タンパク質合成系によ
り合成したヒトβ2‐アドレナリン作動性受容体(ADRB
2)をSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動し、ウエス
タンブロッティング法により分析した結果である。レー
ン1は界面活性剤無添加、レーン2は0.5%のβ-ドデシ
ルマルトシド添加、レーン3は0.5%のNP-40添加、レー
ン4は0.5%のTween20添加、レーン5は0.5%のTriton
X-100を添加して合成した試料をアプライした。Pは沈
殿画分、Sは上清画分を示す。レーンMは分子量マーカ
ーとしてECLprotein molecular weight markers(アマ
シャム・ファルマシアバイオテック社製)を用いた。
【図10】実施例3に示した方法により再構成を行った
ヒトβ2‐アドレナリン作動性受容体(ADRB2)の各精製
段階の試料をSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動し、
(a)銀染色及び(b)ウエスタンブロッティング法に
より分析した結果である。レーン1〜5はNi-NTAアガロ
ースカラムによる精製の各段階の試料(1:原試料、
2:流出画分、3:洗浄画分、4:300mMイミダゾール
による溶出画分、5:500mMイミダゾールによる溶出画
分)を、レーン6〜8はPD-10脱塩カラムによる精製の
各段階の試料(6:流出画分、7:フラクション1、
8:フラクション2)である。
【図11】実施例3で再構成を行ったHis6-β2タンパク
質と、対照として用いたヒトβ2AR(Sf9)のAlpr
enololに対する結合曲線である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白水 美香子 神奈川県横浜市鶴見区末広町1丁目7番22 号 理化学研究所 横浜研究所内 (72)発明者 矢吹 孝 神奈川県横浜市鶴見区末広町1丁目7番22 号 理化学研究所 横浜研究所内 (72)発明者 石原 豪史 東京都世田谷区大蔵1−9−23 メゾンタ ツミ203 (72)発明者 横山 茂之 神奈川県横浜市鶴見区末広町1丁目7番22 号 理化学研究所 横浜研究所内 Fターム(参考) 4B024 AA20 BA63 CA04 CA11 4B064 AG20 CA21 CC24 CD04 CD13 CD15 DA01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無細胞タンパク質合成系を用いたタンパク
    質の製造方法において、該合成系が界面活性剤を含有す
    ることによって、タンパク質を凝集させること無く合成
    することを特徴とするタンパク質の製造方法。
  2. 【請求項2】前記タンパク質は少なくとも一部に疎水性
    領域を有するタンパク質又はその一部であることを特徴
    とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】前記タンパク質は膜タンパク質であること
    を特徴とする請求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】前記界面活性剤はタンパク質を変性させな
    い緩和な界面活性剤であることを特徴とする請求項1〜
    3何れか記載の方法。
  5. 【請求項5】前記界面活性剤は非イオン性又は両性イオ
    ン性界面活性剤であることを特徴とする請求項1〜4何
    れか記載の方法。
  6. 【請求項6】前記界面活性剤は、ジギトニン、ポリオキ
    シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソル
    ビタン、β−ドデシルマルトシド、β−オクチルグルコ
    シド、β−ノニルグルコシド、β−ヘプチルチオグルコ
    シド、β−オクチルチオグルコシド、スクロースモノデ
    カノエート、スクロースモノドデカノエート、オクチル
    テトラオキシエチレン、オクチルペンタオキシエチレ
    ン、ドデシルオクタオキシエチレン、N,N-ジメチルデシ
    ルアミンN-オキシド、N,N-ジメチルドデシルアミンN-オ
    キシド、N,N-ジメチルドデシルアンモニオプロパンスル
    ホネート、オクチル(ヒドロキシルエチル)スルホキシ
    ド、オクタノイル-N-メチルグルカミド、ノナノイル-N-
    メチルグルカミド、デカノイル-N-メチルグルカミド及
    び(3-[(3-コルアミドプロピル)-ジメチルアンモニオ]-
    1-プロパンスルホネート(CHAPS)からなる群から選択
    される少なくとも一種である請求項1〜5何れか記載の
    方法。
  7. 【請求項7】細菌の菌体抽出液を用いた無細胞タンパク
    質合成系によるタンパク質の製造方法において、該合成
    系が界面活性剤を含むことによって、膜タンパク質を凝
    集させること無く合成することを特徴とするタンパク質
    の製造方法。
  8. 【請求項8】前記界面活性剤は0.1〜2.0容量%のジギト
    ニン及び/又は0.01〜0.5容量%のBrij35であることを
    特徴とする請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】無細胞タンパク質合成系により製造された
    タンパク質を再構成する方法であって、該無細胞タンパ
    ク質合成系が、膜タンパク質の少なくとも一部をコード
    する鋳型核酸と、界面活性剤と、脂質とを含み、タンパ
    ク質の合成と同時に又は一定時間経過後に、合成反応液
    の界面活性剤濃度を低下させることによって、前記タン
    パク質を脂質膜に再構成することを特徴とする方法。
  10. 【請求項10】前記界面活性剤濃度を低下させる工程
    が、透析、希釈、ろ過、遠心分離及び/又は界面活性剤
    に対する吸着剤を添加する工程であることを特徴とする
    請求項9記載の方法。
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