JP2003017174A - ホルダ付コネクタ - Google Patents

ホルダ付コネクタ

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JP2003017174A
JP2003017174A JP2001203399A JP2001203399A JP2003017174A JP 2003017174 A JP2003017174 A JP 2003017174A JP 2001203399 A JP2001203399 A JP 2001203399A JP 2001203399 A JP2001203399 A JP 2001203399A JP 2003017174 A JP2003017174 A JP 2003017174A
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terminal
connector
spacer
locking
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JP2001203399A
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Kenji Suzuki
謙志 鈴木
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Yazaki Corp
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Yazaki Corp
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    • H01R13/42Securing in a demountable manner
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  • Connector Housings Or Holding Contact Members (AREA)
  • Details Of Connecting Devices For Male And Female Coupling (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 大幅な設計変更を行うことなくコネクタハウ
ジングの機械的強度も確保しつつ、コネクタハウジング
の小型化、コンパクト化を図ったホルダ付コネクタを提
供する。 【解決手段】 端子40を一次係止するランス11g,
11g′が設けられたコネクタハウジング10と、コネ
クタハウジング10のランス11g,11g′に係止さ
れる端子40と、端子40を保護または保持するホルダ
20とを備え、コネクタハウジング10に端子40が取
付けられる際に、ランス11gの撓み量を確保する逃げ
部12fを、コネクタハウジング10の基壁12bに設
けた。また、逃げ部12fは、ランス11gに対応し
て、コネクタハウジング10の前側開口12dからラン
ス11gの根元近傍まで、端子挿入方向に沿って直線に
設けられた溝12fである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車などに用い
られるホルダ付コネクタにおいて、コネクタハウジング
の小型化、コンパクト化が図られたホルダ付コネクタに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】図33は、端子がコネクタハウジングに
係止される状態を示す従来のコネクタの縦断面図、図3
4は、同じく端子がコネクタハウジングに係止された状
態を示す従来のコネクタの縦断面図、図35は、端子が
コネクタハウジングに係止される際に発生する不具合の
状態を示す他の従来のコネクタの縦断面図である。
【0003】図33および図34に示されるコネクタハ
ウジング110、又は、図35に示されるコネクタハウ
ジング110′ともに、天壁112aと、底壁112b
と、側壁112c,112c′などから形成された周壁
112,112′により囲まれて形成されたものであ
り、このコネクタハウジング110,110′に、端子
収容室111a、後部開口111b、前側の大きな開口
112d,112d′などが形成されている。また、端
子収容室111aは、係止ランス111gに続く隔壁1
11cと、前部側水平隔壁111c′と、垂直隔壁11
1dと、後部側水平隔壁111eなどに囲まれて形成さ
れている。
【0004】ランス111gは、雄端子140をコネク
タハウジング110,110′の端子収容室111aに
係止させて固定させるために設けられたものであり、コ
ネクタハウジング110,110′の隔壁111c,1
11c′,111eと一体に形成されている。
【0005】雄端子140は電気接触部144、電線接
続部141などから形成されている。電気接触部144
は平板形状をしたタブタイプのものであり、いわゆる雄
タブ144として形成されている。この雄端子140の
略後側半分を占める電線接続部141にケーブル150
などの電線150が接続されている。
【0006】図33に示されるコネクタハウジング11
0内の下側に位置する雄端子140は、これからコネク
タハウジング110に取付けられる途中の状態として示
されたものである。雄端子140は、コネクタハウジン
グ110の後部開口111bから端子収容室111a内
に挿入されて、図34に示す如く、コネクタハウジング
110の端子収容室111aに設けられたランス111
gに係止され、このようにして雄端子140はコネクタ
ハウジング110に固定されて取付けられる。
【0007】その際に、図33の如く、雄端子140
は、この雄端子140に押圧されて弾性変形された係止
ランス111gを乗越え、その後、図34の如く、係止
ランス111g自身に内在された弾性復元力により係止
ランス111gは元の姿勢に戻る。このようにして雄端
子140はコネクタハウジング110に設けられたラン
ス111gに係止される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のコネクタC10にあっては、コネクタハウジング1
10の小型化、コンパクト化を図るために、例えば、コ
ネクタハウジング110を形成する底壁112bなどの
周壁112の肉厚を減らしたり、また、係止ランス11
1gの撓み代を少なくしたり、さらに係止ランス111
gの肉厚を減らす等の処置を施しても、コネクタハウジ
ング110や係止ランス111gに要求される機械的強
度などの関係から、コネクタハウジング110の小型化
には限界があった。
【0009】図33および図34に示されるコネクタC
10の小型化を図るうえで、例えば、コネクタハウジン
グ110の底壁112bの内面からコネクタC10内の
下側に位置する雄端子140のタブ144の中心までの
距離Lhすなわち図示された寸法Lhを少なく設定する
ことは、コネクタC10の小型化を図るための1つの重
要な手段である。
【0010】前記寸法Lhを小さく設定してゆく場合、
端子140と係止ランス111gとの位置関係やこれら
の形状を小さくする等といった設計変更も考えられる
が、端子140と係止ランス111gとの位置関係やこ
れらの形状を変更することは、端子140や係止ランス
111gの設計を一から見直す必要性や、係止ランス1
11gの機械的強度を確保するうえで、非常に大幅な変
更やこれのための確認作業が強いられることとなり、多
くの設計強度の見直しや、これに関連した製造ラインに
関する各種の治工具類の変更、また、変更された各種部
品の寸法精度や機械的強度の確認作業などといった労力
が要求されることとなる。そのようなことから前記設計
変更を行うことは実際的ではないものと考えられてい
た。
【0011】このようなことから、コネクタC10を小
型化するために、前記寸法Lhを小さくして、コネクタ
ハウジング110の底壁112bの内面から、コネクタ
C10内の下側に位置する雄端子140のタブ144の
中心までの距離Lhを狭くしてゆくといった設計変更を
行うこととなる。
【0012】しかしながら、端子140と係止ランス1
11gとの位置関係やこれらの形状を変えることなく上
記寸法Lhを少なく設定してゆくと、コネクタハウジン
グ110に設けられた係止ランス111gの撓み代が確
保されなくなり、このことから、図35に示す如く、コ
ネクタハウジング110′の下側の端子収容室111a
内に、端子140が挿入できなくなるといった問題が発
生されることが懸念されていた。このように、図33お
よび図34に示される寸法Lhを、図35に示される寸
法Lh′のように少なく設定して、上下方向の寸法Lh
を小さく設定しようとするにしても自ずと限界があっ
た。
【0013】図33に示される寸法Ljと図34に示さ
れる寸法Liとの差が、係止ランス111gの撓み代に
相当する寸法であるが、図33から分るように、コネク
タC10の下側の端子140がコネクタハウジング11
0の端子挿入室111aに挿入されて取付けられる際
に、係止ランス111gの先端下部が最大撓みの位置に
ある時に、端子140のタブ144の中心と係止ランス
111gの先端下部との距離Lkは必ず確保されていな
ければ、係止ランス111gが最も撓んだ時に係止ラン
ス111gは底壁112bと当接して干渉してしまうこ
ととなる(図35参照)。
【0014】このような状態となると、端子140がコ
ネクタハウジング110′の端子収容室111aに挿入
されて取付けられる際に、コネクタハウジング110′
の下側に位置される端子140は、端子収容室111a
に設けられた係止ランス111gとつかえてしまうこと
となり、結果として図35の如く、端子140がコネク
タハウジング110′の端子収容室111a内に挿入で
きないといった事態となることが懸念されていた。
【0015】本発明は、上記した点に鑑み、自動車など
に用いられるホルダ付コネクタにおいて、大幅な設計変
更を行うことなくコネクタハウジングの機械的強度も確
保しつつ、コネクタハウジングの小型化、コンパクト化
を図ったホルダ付コネクタを提供することを目的とす
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1記載のホルダ付コネクタは、端子
を一次係止するランスが設けられたコネクタハウジング
と、該コネクタハウジングの該ランスに係止される該端
子と、該端子を保護もしくは保持するホルダとを備え、
該コネクタハウジングに該端子が取付けられる際に、該
ランスの撓み量を確保する逃げ部が、該コネクタハウジ
ングの基壁に設けられたことを特徴とする。上記構成に
より、ランスの撓み量を確保する逃げ部がコネクタハウ
ジングの基壁に設けられてあるから、小型化されたコネ
クタハウジングであっても、コネクタハウジングに端子
が取付けられる際に、端子に押圧されて撓まれたランス
がコネクタハウジングの基壁と干渉されることなく、端
子はコネクタハウジングに取付けられることとなる。
【0017】また、請求項2記載のホルダ付コネクタ
は、請求項1記載のホルダ付コネクタにおいて、前記逃
げ部は、前記ランスに対応して、前記コネクタハウジン
グの前側開口から該ランスの根元近傍まで、端子挿入方
向に沿って直線に設けられた溝であることを特徴とす
る。上記構成により、コネクタハウジングの基壁にラン
スの撓み量を確保する溝が端子挿入方向に沿って設けら
れてあるから、コネクタハウジングの大幅な機械的強度
の低下は避けられ、コネクタハウジングに必要とされる
機械的強度は確保されることとなる。また、端子挿入方
向に沿ってコネクタハウジングの基壁に溝が設けられた
ものであるから、コネクタハウジングを形成する際に、
容易にこれの基壁に溝を形成させることができる。
【0018】また、請求項3記載のホルダ付コネクタ
は、請求項1又は2記載のホルダ付コネクタにおいて、
前記ランスの前記基壁側に一対のテーパ面が設けられ、
該一対のテーパ面に対応して、前記コネクタハウジング
の該基壁に形成された前記逃げ部に一対の傾斜面が設け
られたことを特徴とする。上記構成により、コネクタハ
ウジングが左右幅方向に小型化されたものであっても、
ランスやコネクタハウジングの機械的強度が大幅に低下
されることなく、これらの機械的強度は確保される。こ
れと共に、ランスが撓まれた際に、ランスはコネクタハ
ウジングの基壁に設けられた逃げ部に干渉されたり引掛
らずに、ランスはコネクタハウジングの基壁の逃げ部に
良好に収まることとなる。
【0019】また、請求項4記載のホルダ付コネクタ
は、請求項1記載のホルダ付コネクタにおいて、前記逃
げ部は、前記ランスに対応して、前記コネクタハウジン
グの一方の側壁から他方の側壁の近傍にかけて、端子挿
入方向と直交する方向に沿って設けられた溝であること
を特徴とする。上記構成により、コネクタハウジングの
一方の側壁から他方の側壁の近傍にかけて、コネクタハ
ウジングの基壁のランスに対応した部位に、このランス
の撓み量を確保する溝が端子挿入方向と直交する方向に
沿って設けられてあるから、コネクタハウジングの基壁
には、必要最小限のランスの撓み量を確保できる溝が設
けられてあればよいこととなる。これにより、コネクタ
ハウジングを形成する基壁の肉厚の薄肉化によるコネク
タハウジングの大幅な機械的強度の低下は避けられ、コ
ネクタハウジングに必要とされる機械的強度は確保され
ることとなる。
【0020】また、請求項5記載のホルダ付コネクタ
は、請求項1〜4の何れか記載のホルダ付コネクタにお
いて、前記コネクタハウジングに前記端子を二次係止す
るためのスペーサが備えられ、該コネクタハウジングに
仮係止された該スペーサが、該コネクタハウジングの前
記基壁側から押圧されると共に該コネクタハウジングに
本係止されることで、該端子は、該コネクタハウジング
の端子収容室に一体に形成された前記ランスと、該スペ
ーサに形成された傾斜状の隔壁とで二重係止されること
を特徴とする。上記構成により、端子はコネクタハウジ
ングとスペーサに確実に二重係止されることとなる。ス
ペーサは、端子をコネクタハウジングの端子収容室に二
次係止し、コネクタハウジングの端子収容室に確実に端
子を固定するためにコネクタに備えられたものである。
端子がコネクタハウジングに組込まれて構成され、且
つ、スペーサが備えられていない従来のコネクタである
と、端子に接続された電線が不用意に引張られる等され
た際に、これに伴ってコネクタハウジングに設けられた
ランスによってコネクタハウジングに固定されていた端
子が、コネクタハウジングから引抜かれてしまい、結果
としてコネクタハウジングと端子とが分離されてしまう
ということが懸念されていた。しかし、端子がスペーサ
によってコネクタハウジングに二重係止されて確実に固
定されると、前述したような不具合の発生は未然に防止
されることとなり、このようなことを目的として、スペ
ーサはコネクタハウジングに本係止されるように備えら
れたものである。
【0021】また、請求項6記載のホルダ付コネクタ
は、請求項1〜4の何れか記載のホルダ付コネクタにお
いて、前記コネクタハウジングに前記端子を二次係止す
るためのスペーサが備えられ、該スペーサが、該コネク
タハウジングの側壁側から挿入されると共に該コネクタ
ハウジングに本係止されることで、該端子は、該コネク
タハウジングの端子収容室に一体に形成された前記ラン
スと、該スペーサに形成された隔壁とで二重係止される
ことを特徴とする。上記構成により、端子はコネクタハ
ウジングとスペーサに確実に二重係止されることとな
る。また、コネクタハウジングの側壁側からでないと、
スペーサの本係止またはスペーサの本係止の解除を行う
ことができないような部位にホルダ付コネクタが用いら
れたとしても、煩わしい作業などが伴われることなく、
容易で迅速にスペーサの本係止を行うことができたり、
また、スペーサの本係止を解除できることとなる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係るホルダ付コネ
クタの一実施形態について図面を用いて詳細に説明す
る。図1は、本発明に係るホルダ付コネクタの一実施例
を示す分解斜視図である。図2は、コネクタハウジング
を示す斜視図、図3は、同じくコネクタハウジングを示
す縦断面図、図4は、コネクタハウジングを示す正面図
である。また、図5は、同じくコネクタハウジングを示
す正面図であり、本発明のもの、及び、本発明のものと
対比される参考例とを示す説明図である。また、図6
は、ランスを示す斜視図である。
【0023】図7は、フロントホルダを示す斜視図、図
8は、スペーサを示す斜視図、図9は、他のコネクタハ
ウジングに他のフロントホルダと他のスペーサが組付け
られた状態を示す斜視図である。また、図10は、雄端
子と電線の組付け状態を示す側面図、図11(a)は雌
端子と電線の組付け状態を示す縦断面図、図11(b)
は同じく側面図、図12は、図11(a)に示される楕
円で囲まれて表示されたE部の拡大説明図である。
【0024】図13は、フロントホルダが取付けられた
コネクタハウジングを示す正面図である。図14は、端
子がコネクタハウジングに一次係止される状態を示す縦
断面図、図15は、端子がコネクタハウジングに一次係
止された状態を示す縦断面図、図16は、スペーサによ
りコネクタハウジングに端子が二次係止された状態を示
す縦断面図である。また、図14〜図16は、フロント
ホルダがコネクタハウジングに仮係止された状態を示す
縦断面図でもある。図17は、図16のQ−Q断面図、
図18は、図17に示される楕円で囲まれて表示された
F部の拡大説明図である。また図19は、他方のコネク
タを示す縦断面図である。
【0025】また、図20は、一方のコネクタと他方の
コネクタとが嵌合される前の状態を示す縦断面図、図2
1は、一方のコネクタと他方のコネクタとが嵌合され始
めた状態を示す縦断面図、図22は、一方のコネクタと
他方のコネクタとが嵌合されている途中の状態を示す縦
断面図、図23は、図22に示される真円で囲まれて表
示されたG部の拡大説明図、図24は、一方のコネクタ
と他方のコネクタとの嵌合動作が終了された状態を示す
縦断面図である。
【0026】図25は、他の実施形態のコネクタハウジ
ングを示す斜視図、図26は、同じく他の実施形態のコ
ネクタハウジングを示す縦断面図、図27は、同じく他
の実施形態のコネクタハウジングを示す正面図、図28
は、フロントホルダが取付けられたコネクタハウジング
を示す他の実施形態の正面図、図29は、端子がコネク
タハウジングに一次係止される状態を示す他の実施形態
の縦断面図である。
【0027】図30は、端子がコネクタハウジングに一
次係止された状態を示す他の実施形態の縦断面図であ
る。図30に示されるQ′−Q′断面について説明する
と、このQ′−Q′断面は、図17に示されるコネクタ
のうちの楕円で囲まれて表示されたF部(図18参照)
において共通した形状を示すものである。
【0028】図31は、その他の実施形態のコネクタハ
ウジングとスペーサを示す分解斜視図である。なお、図
32は、端子がコネクタハウジングに一次係止される際
に発生する不具合の状態を示す他の参考例の縦断面図で
あり、本発明のものと対比されるものとして示された参
考図である。また、参考例や参考図に付された各符号に
おいて、本発明の実施形態の一例で説明されたものと同
じものに関しては、その形状や構造などについての詳細
な説明が省略されている。
【0029】図1,図16,図19,図20を基にホル
ダ付コネクタの各方向について説明する。まず「上下」
の定義については、図1および図20の如く、コネクタ
ハウジング10の係合ロック部14が設けられてある
側、また、他のコネクタハウジング60の係止ロック部
64が設けられてある側を上側とし、図20の如く、コ
ネクタハウジング10のスペーサ挿入口13が設けられ
てある側、また、他のコネクタハウジング60のスペー
サ挿入口63が設けられてある側を下側とする。この明
細書中の「上下」とは、図16,図19,図20に示さ
れる水平に配置された各コネクタC1,C2の高さ方向
を意味する。
【0030】また「前後」の定義は、図16と図20に
示される一方のコネクタC1および図19と図20に示
される他方のコネクタC2の嵌合面側を前側とし、これ
と反対側の電線接続側を後側と定義する。ここで表面視
および裏面視について説明すると、表面視はコネクタを
嵌合面側から見る状態をいい、裏面視はコネクタを端子
挿入側すなわち電線接続側から見る状態をいう。また
「左右」の定義は、前記「上下」および前記「前後」の
定義に従い自ずと決定される。この明細書中の「左右」
とは水平に配置された各コネクタC1,C2の幅方向を
意味する。
【0031】なお、この明細書における「上下」、「前
後」、「左右」の定義は便宜上のものであり、必ずしも
ホルダ付コネクタの実使用時における方向と一致するも
のではない。本発明のホルダ付コネクタは、例えば図示
された状態に対して上下逆さまの状態で使用されてもよ
く、本発明の目的が損なわれないのであれば、本発明の
ホルダ付コネクタは、いかなる姿勢で使用されても何ら
支障はない。
【0032】また、この明細書でいうコネクタとは、コ
ネクタハウジングに、スペーサ、端子すなわちターミナ
ルなどの電気接続用部品を備え、電気的接続を目的とし
た部品をいう。また、本発明に関するコネクタは、前記
の電気接続用部品に加えて、シール、ゴム栓、防水栓な
どの密封部材が備えられて防水性などが向上されたもの
でもよく、またフロントホルダ以外にリアホルダなどの
付加部品が組付けられたものであってもよい。また、端
子に電線が接続されたものや溶接可能なコネクタなどが
用いられてもよい。
【0033】図1と図20〜図24の如く、コネクタハ
ウジング10と、フロントホルダ20などのホルダ20
と、スペーサ30と、雄端子40を備える一方のコネク
タC1と、他のコネクタハウジング60と、他のフロン
トホルダ70と、他のスペーサ80と、雌端子90を備
える他方のコネクタC2すなわち相手側コネクタC2と
が嵌合されて、両コネクタC1,C2が通電可能に接続
される。
【0034】図1〜図5に示されるコネクタハウジング
10について説明する。また、これと共に、図25〜図
27に示されるコネクタハウジング10′と、図31に
示されるコネクタハウジング10″とについても、図1
〜図5に示されるコネクタハウジング10と併せて説明
する。
【0035】コネクタハウジング10,10′,10″
は、天壁12aすなわち基壁12b,12b′と向い合
った他の壁12a、及び、この天壁12aよりも一段下
がった別の天壁12a′すなわち基壁12bと向い合っ
た他の壁12a′と、底壁12bすなわち基壁12b,
12b′と、一対の側壁12c,12c′,12c″
と、前記天壁12aから前記一段下がった天壁12a′
を結ぶ一方の側壁15cと他方の側壁15dと、前記側
壁15c,15dに続き天壁12aの後側を塞ぐ一対の
別の側壁12ca(図17参照)とから周壁12,1
2′,12″が形成され、これによりコネクタハウジン
グ10,10′,10″の前側に相手側コネクタ収容部
17,17′すなわち相手側コネクタ収容室17,1
7′と開口12d,12d′が形成されている。
【0036】また、図2〜図4と、図25〜図27と、
図31に示される如く、コネクタハウジング10,1
0′,10″の開口12d,12d′の周縁に傾斜ガイ
ド面12hが設けられている。この傾斜ガイド面12h
は、図20〜図24の如く、一方のコネクタC1に他方
のコネクタC2が挿入されて両者が嵌合される際に、他
方のコネクタC2が一方のコネクタC1の相手側コネク
タ収容室17,17′内に挿入され易くするために形成
されたものである。
【0037】また、図1〜図4と、図25〜図27と、
図31から分るように、コネクタハウジング10,1
0′,10″内に、端子収容部11a、スペーサ収容部
13(図3,図26)、ホルダ20に対応したアーム収
容部15およびホルダ本体収容部16,16′が形成さ
れている。
【0038】また、図1〜図5に示されるコネクタハウ
ジング10については、このコネクタハウジング10の
底壁12bの内面側に、下側の係止ランス11gに対応
してこれの撓み量を確保するための6本の逃げ部12f
すなわち多条溝12fが設けられている。図4および図
13の如く、各々の逃げ溝12fの両端に傾斜面12r
が形成されている。
【0039】図1〜図3および図17と、図25および
図26と、図31の如く、アーム収容部15は、天壁1
2aと、前記天壁12aから前記一段下がった天壁12
a′が延長されて形成された隔壁12a′と、一方の側
壁15cと、他方の側壁15dに囲まれて、アーム収容
室15aが形成され、このアーム収容室15aの後側
に、フロントホルダ20の本係止を解除させるための治
工具(図示せず)などが挿入できるようにするために、
後部開口15bが設けられている。
【0040】さらに、図1〜図4と、図25〜図27
と、図31の如く、コネクタハウジング10,10′,
10″の天壁12aの前側上部に係合ロック部14が設
けられ、このコネクタハウジング10,10′,10″
の底壁12b,12b′の前側下部に他のロック部18
が設けられている。
【0041】また、図1〜図3と、図25および図26
と、図31の如く、コネクタハウジング10,10′,
10″の後側に複数の端子収容部11aすなわち端子収
容室11aと、この端子収容室11aに雄端子40(図
10,図14〜図16)が挿入されるための後部開口1
1bが設けられている。雄端子40が端子収容室11a
内に挿入されて所定の位置に取付けられると、雄端子4
0の後部に接続されたケーブル50(図15,図16)
等の電線50が、コネクタハウジング10,10′,1
0″の後部開口11bより導出される。
【0042】さらに図3,図26の如く、各端子収容室
11aは、係止ランス11g,11g′に続き水平方向
に延びた隔壁11c,11c′すなわち水平隔壁11
c,11c′と、これに対応してスペーサ収容部13よ
りも前側に位置する垂直隔壁11dと、スペーサ収容部
13よりも後側に位置する後部側水平隔壁11eと、こ
れに対応した後部側垂直隔壁11fとから形成されてい
る。
【0043】図10に示される雄端子40が、所定の方
向でコネクタハウジング10,10′,10″の端子収
容室11a内に挿入されて、図14〜図17と、図29
および図30に示されるように取付けられるために、図
10,図14〜図17,図29,図30に示される雄端
子40の位置決め用突部45に対応して、図4,図27
の如く、コネクタハウジング10,10′の端子収容室
11aに端子の挿入方向を定める位置決め用溝11a′
が形成されている。
【0044】図3〜図5および図14〜図16と、図1
9と、図20と、図26,図27,図29,図30に示
されるランス11g,11g′,61gについて、図6
と共に詳しく説明する。
【0045】ここで、図示された如く、フードすなわち
コネクタフードが設けられたコネクタハウジング10,
10′の内部に設けられたランス11g,11g′にお
いて、コネクタハウジング10,10′内の上側に位置
するランスを符号11g′で示し、下側に位置するラン
スを符号11gで示した。ランスは係止ランスとも呼ば
れ、ハウジングランス方式とターミナルランス方式とに
分けられる。「ランス」とは「槍」を意味するが、係止
ランスは槍状に限らず、アーム状等、種々の形態のもの
であってもよい。
【0046】ハウジングランス方式は、プラスチック製
などのアームからなるターミナル係止用ランスが、コネ
クタハウジングのターミナル保持キャビティ内いわゆる
端子収容室内に一体に形成されて、ターミナルすなわち
端子を係止させる方式のものである。プラスチック製の
アームは、一般にプラスチックアームと呼ばれ、コネク
タハウジングのターミナル保持キャビティに一体成形さ
れたターミナル係止ランス11g,11g′,61g
(図3,図19,図26)を指すものである。
【0047】またランスは、ターミナル・端子をコネク
タハウジングに係止させるためのものであることから、
ターミナル・端子自身に設けられた平板状の突起のもの
もこれに含まれる。例えば、ターミナルランス方式につ
いて説明すると、ターミナルランス方式は、ターミナル
係止用ランスがターミナル自身すなわち端子自身に設け
られてあるもので、コネクタハウジングの端子収容室に
設けられた係止部に掛り止められるようにされた方式の
ものをいう。
【0048】図14または図29の如く、コネクタハウ
ジング10,10′の端子収容室11a内に端子40が
挿入される際に、コネクタハウジング10,10′内の
下側の端子収容室11aに設けられた係止ランス11g
は、端子40の前側に設けられた仮係止用突部43aに
押圧されて下側に撓まれる。その後、図15または図3
0に示される如く、端子40の前側に設けられた仮係止
用突部43aは係止ランス11gを乗越え、このように
してコネクタハウジング10,10′に設けられた端子
収容室11aの所定の位置まで端子40が挿入される。
【0049】すると係止ランス11gに内在された復元
弾性力により、係止ランス11gは図15または図30
の如く元の姿勢に戻る。このように、係止ランス11g
が設けられたコネクタハウジング10に撓み特性が要求
されることから、コネクタハウジング10は可撓性を有
する合成樹脂で形成されることが好ましい。
【0050】このように、係止ランス11g,11g′
は、端子40をコネクタハウジング10,10′,1
0″の端子収容室11a内に一次係止させるために設け
られたものである。図6に示される係止ランス11g
は、コネクタハウジング10,10′内の下側に位置す
る係止ランス11gの拡大斜視図を示したものである。
【0051】この係止ランス11gは、主に、真直部1
1hと係止突起11iから形成されている。係止突起1
1iは、前端面11jと、前側の傾斜面11kと、後側
の傾斜面11mと、テーパ状のガイド傾斜面11nから
形成されている。テーパ状のガイド傾斜面11nは、こ
れの始端11pから終端11qまで、係止ランス11g
の係止突起が欠き取られるようにして形成されたもので
ある。また、図4および図6の如く、係止ランス11g
の下側に一対のテーパ面11rが形成されている。さら
に係止ランス11gの上側の一方に肉盗み部11sが形
成されている。また、図4,図27の如く、係止ランス
11g,11g′の下側に、下面11t,11t′が形
成されている。
【0052】図6から分るように、端子係止ランス11
gに設けられたガイド傾斜面11nに治具棒(図示せ
ず)の先端が当接され、治具棒の先端がさらに係止ラン
ス11gの真直部11hまで押進められることで、係止
ランス11gは下側に向けて撓まれる。これにより、係
止ランス11gの前端面11jは、雄端子40の仮係止
用突部43a(図10)から外れて解除される。このよ
うにして雄端子40の一次係止が解除される。
【0053】このような係止ランスの解除方法について
は、図14〜図16と、図29および図30に示される
コネクタハウジング10,10′内の上側に設けられた
係止ランス11g′についても、上記と同様な方法で行
えるものである。また、図19に示されるコネクタハウ
ジング60内に設けられた係止ランス61gと、雌端子
90との一次係止を解除する場合においても、上記と同
様な方法で行われるものである。
【0054】図3,図26に示されるコネクタハウジン
グ10,10′のスペーサ収容部13は、図1および図
8と、図16および図20と、図30に示されるスペー
サ30に対応して、このスペーサ30が、コネクタハウ
ジング10,10′に収められる部位を示すものであ
る。図3または図26に示されるスペーサ収容部13
は、図1および図8に示されるスペーサ30の形状に略
対応した空間部であり、図3,図26の如く、コネクタ
ハウジング10,10′内で上から一段下がった壁部、
すなわち天壁12a′が水平方向に延長されて形成さ
れ、且つ、この天壁12a′を兼ねた隔壁12a′の近
傍から底壁12b,12b′を貫いて、コネクタハウジ
ング10,10′の内部に形成されている。なお、図1
6,図20などの関係から、ここでは、便宜上、スペー
サ収容部13とスペーサ挿入口13の符号を兼ねたもの
として表示されている。
【0055】図8に示されるスペーサ30の一対の係止
片33に設けられた仮係止部34に対応して、コネクタ
ハウジング10,10′のスペーサ収容部13に一対の
仮係合用突起が形成される。また、図8に示されるスペ
ーサ30の一対の係止片33に設けられた本係止部35
に対応して、コネクタハウジング10のスペーサ収容部
13に一対の本係合用突起が形成される。なお、図3,
図26において、コネクタハウジング10,10′のス
ペーサ収容部13に設けられた一対の仮係合用突起およ
び一対の本係合用突起は、後部側垂直隔壁11fに遮ら
れていることから、図3,図26に示されるコネクタハ
ウジング10,10′の縦断面図では見えない部位に設
けられている。
【0056】図1〜図4と、図14〜図16と、図20
と、図25〜図27と、図29〜図31に示される如
く、コネクタハウジング10,10′,10″の天壁1
2aの前側に係合ロック部14が設けられている。図示
された係合ロック部14は、図1および図9と、図19
〜図22および図24に示される他のコネクタハウジン
グ60の係止ロック部64、すなわち、慣性ロック部6
4に対応して設けられたものである。
【0057】図2および図3と、図25および図26
と、図31に示される如く、コネクタハウジング10,
10′,10″を形成する周壁12,12′,12″の
天壁12aの上部前側に設けられた係合ロック部14
は、一対のガイド用凹部14aと、凹形連結部14bす
なわち係合凹部14bと、この係合凹部14bに設けら
れた係合面14cから形成されている。
【0058】また、図9および図19に示される他のコ
ネクタハウジング60の前側下部に設けられた一対の案
内用突出部69に対応して、図2,図4,図13と、図
25,図27,図28と、図31の如く、コネクタハウ
ジング10,10′,10″の相手側コネクタ収容室1
7,17′内の下部に、一対の案内用溝19が設けられ
ている。
【0059】また、図1〜図3および図17と、図25
および図26と、図31に示される如く、コネクタハウ
ジング10,10′,10″の中間部分の内部にフロン
トホルダ本体収容部16,16′が設けられ、さらにコ
ネクタハウジング10,10′,10″を形成する周壁
12,12′,12″の天壁12aの後側にアーム収容
部15が設けられている。このようなコネクタハウジン
グ10,10′,10″に形成されたフロントホルダ本
体収容部16,16′とアーム収容部15は、図1およ
び図7に示されるフロントホルダ20の本体部22とア
ーム部25が、コネクタハウジング10,10′,1
0″の内部に収められるために、フロントホルダ20の
形状に対応して形成されたものである。
【0060】また、図1および図7と、図13および図
28に示される如く、フロントホルダ20の本体部22
の幅方向の両端部位に設けられた一対の導入部24すな
わち一対の導入片24に対応して、図1〜図4および図
13と、図25〜図28と、図31に示される如く、コ
ネクタハウジング10,10′,10″を形成する周壁
12,12′,12″の側壁12c,12c′,12
c″の内部面側に、一対の案内部12eすなわち一対の
導入片案内溝12eが設けられている。
【0061】図3,図4,図13と、図26〜図28か
ら分るように、コネクタハウジング10,10′,1
0″を形成する側壁12c,12c′,12c″の内部
面側に設けられた一対の導入片案内溝12eは、あり溝
形状に形成されたものであり、フロントホルダ20の本
体部22の幅方向の両端部位に設けられた一対の導入片
24が、コネクタハウジング10,10′,10″の側
壁12c,12c′,12c″の内部面側に設けられた
一対の導入片案内溝12eから外れ難いようにするため
に形成されたものである。
【0062】また、図1〜図3および図14〜図16
と、図25〜図31に示される如く、コネクタハウジン
グ10,10′,10″を形成する周壁12,12′,
12″の底壁12b,12b′の下部前面側に、他のロ
ック部18が設けられている。図3または図26の如
く、他のロック部18は、主にロックアーム18aと、
係止突起18bと、撓み空間などから形成され、図20
〜図22および図24に示される一方のコネクタC1を
構成するコネクタハウジング10が、他の基体に設けら
れたロック部と係止される際に用いられるものである。
具体的に説明すると、コネクタハウジング10に形成さ
れた他のロック部18は、一方のコネクタC1,C1′
等が、自動車などの所定の固定部位に取付けられるため
に設けられたものである。
【0063】図1および図7と、図13および図16
と、図28および図30に示されるホルダ20について
説明する。本発明の一実施形態で用いられるホルダ20
は、端子の二重係止が行われるホルダいわゆる端子金具
用挿入検知部材と異なるものである。ここで、二重係止
について簡単に説明する。通常のターミナルすなわち端
子の係止状態は、図33および図34の如く、プラスチ
ック製などのランス又はアームにより端子がコネクタハ
ウジングの端子収容室に係止されるものである。
【0064】しかし、二重係止方式のコネクタは、図1
5および図16と、図19と、図20と、図30の如
く、コネクタハウジングの端子収容室内で端子の保持力
を向上させるために、スペーサ等の他の部品によって端
子をコネクタハウジングに二重に係止させる方式のもの
をいう。図16および図20と、図30から分るよう
に、本発明に用いられるホルダ20は、雄端子40の電
気接触部44いわゆる雄タブ44を保護または保持もし
くは支持するために備えられたものである。
【0065】また、図14〜図16と、図29および図
30の如く、コネクタハウジング10,10′の端子収
容室11aよりも、前側の位置にその本体部22が備え
られることから、このようなホルダ20は、具体的にフ
ロントホルダ20と呼ばれてもよい。図1から分るよう
に、ホルダ20すなわちフロントホルダ20は、取付方
向S2すなわちコネクタの嵌合方向S2(S4)に沿っ
て、コネクタハウジング10,10′,10″の前側の
開口12d,12d′からコネクタハウジング10,1
0′,10″の内部へ挿入されて取付けられるものであ
る。
【0066】図1および図7の如く、フロントホルダ2
0は、本体部22と、アーム部25すなわち片持ちアー
ム25と、一対の導入部24すなわち一対の導入片24
から形成されている。そして図7および図16の如く、
フロントホルダ20の本体部22は、天壁22aと、底
壁22bと、前壁22cと、側壁22dと、水平隔壁2
1c(図16)から形成されている。
【0067】また、図7および図13の如く、フロント
ホルダ20の本体部22に、端子挿通部21aの一部を
形成する複数の電気接触部突出口21bと、複数の治具
棒挿通部23が設けられている。図16の如く、フロン
トホルダ20の前壁22cに設けられた電気接触部突出
口21bから、雄端子40の電気接触部44すなわち雄
タブ44が出されるようにするために、電気接触部突出
口21bは、フロントホルダ20の前壁22cを貫通す
るように設けられている。
【0068】また、フロントホルダ20の前壁22cに
設けられた電気接触部突出口21bの後側から、雄端子
40のタブ44がこの電気接触部突出口21bを挿通さ
れ易くするために、フロントホルダ20の前壁22cの
後側は傾斜状をしたガイド面となっている。
【0069】図16の如く、フロントホルダ20の本体
部22に複数の端子挿通部21aが設けられている。端
子挿通部21aは、前記の電気接触部突出口21bと、
天壁22a、底壁22b、前壁22c、側壁22d、水
平隔壁21cに囲まれて形成されている。
【0070】水平隔壁21cは、フロントホルダ20の
本体部22を形成する一方の側壁22dから他方の側壁
22dにかけて、天壁22aと底壁22bを仕切るよう
にして形成された一枚の板状のものである。このように
水平隔壁21cは、フロントホルダ20の一方の側壁2
2dから他方の側壁22dにかけて、連続した一枚の板
で形成されていると共に、一方の側壁22dから他方の
側壁22dの間に垂直な隔壁は存在しない。
【0071】また、図7,図13,図16の如く、フロ
ントホルダ20の前壁22cに治具棒挿入孔23aと治
具棒挿入口23bが設けられ、図16に示される通り、
フロントホルダ20の底壁22bの上面側と水平隔壁2
1cの上面側に、前記治具棒挿通孔23aに続くガイド
溝23dが設けられている。
【0072】また、前記の治具棒挿入孔23aやガイド
溝23dを介して、図15および図16に示される端子
収容室11aに設けられた係止ランス11g,11g′
まで、治具棒(図示せず)が容易に導き入れられるよう
にするために、図7および図13の如く、フロントホル
ダ20の前壁22cに設けられた治具棒挿入口23bに
テーパガイド面23cが形成されている。図13の如
く、このテーパガイド面23cは治具棒挿入口23bの
周縁に一様に形成されている。このようにしてフロント
ホルダ20の本体部22に治具棒挿通部23が設けられ
ている。
【0073】図1に示されるフロントホルダ20は、取
付方向S2に沿うように移動されて、図13〜図16の
如く、コネクタハウジング10内に取付けられる。図1
および図7から分るように、フロントホルダ20の本体
部22を形成する側壁22dからフロントホルダ20の
後側に向けて、一対の導入片24がフロントホルダ20
の本体部22から突出して設けられている。
【0074】フロントホルダ20に設けられた前記一対
の導入片24は、図1〜図4および図13と、図25〜
図28から分るように、コネクタハウジング10,1
0′の側壁12c,12c′の内部面側に設けられた一
対のあり溝形状の導入片案内溝12eに対応した形状
(図13,図28)のものであり、この一対の導入片案
内溝12eにフロントホルダ20の一対の導入片24が
嵌合されて、フロントホルダ20はコネクタハウジング
10,10′,10″内に精度良く取付けられる。
【0075】また、図1および図7から分るように、フ
ロントホルダ20の本体部22を形成する天壁22aか
らフロントホルダ20の後側に向けて、アーム部25す
なわち片持ちアーム25がフロントホルダ20の本体部
22から突出して設けられている。
【0076】図20〜図24に示される一方のコネクタ
C1と他方のコネクタC2とが嵌合される際に、フロン
トホルダ20に設けられた片持ちアーム25は、図1,
図2,図14〜図17に示されるコネクタハウジング1
0の内部に設けられたアーム収容部15にスライドされ
ながら入り込むことになる。これによりフロントホルダ
20に設けられた片持ちアーム25は、コネクタハウジ
ング10の外部に露出されずにコネクタハウジング10
の周壁12によって保護される。
【0077】フロントホルダ20に設けられた片持ちア
ーム25について、図7,図17,図18を用いて詳し
く説明する。この片持ちアーム25は、略U字形をした
可撓変形枠25aの一方の枠25cに仮係止用突起25
eが設けられ、略U字形をした可撓変形枠25aの他方
の枠25dに本係止用突起25fが設けられたものであ
る。可撓変形枠25aは略U字形をして、これの内側部
位に撓み空間25bが存在するので、フロントホルダ2
0の仮係止および本係止がこの片持ちアーム25によっ
て行われる際に、適度に弾性変形されて良好に係止もし
くは解除作業が行われるものである。
【0078】図7および図18の如く、フロントホルダ
20の片持ちアーム25の可撓変形枠25aに設けられ
た仮係止用突起25eは、傾斜摺接面25gと、摺接面
25hと、係止面25iから形成されている。また、フ
ロントホルダ20の片持ちアーム25の可撓変形枠25
aに設けられた本係止用突起25fは、後側の傾斜摺接
面25jと、摺接面25kと、前側の傾斜摺接面25m
から形成されている。
【0079】図17および図18は、フロントホルダ2
0の片持ちアーム25が、コネクタハウジング10(1
0′)のアーム収容部15内に仮係止された状態を示す
ものである。フロントホルダ20の片持ちアーム25を
形成する可撓変形枠25aの一方の枠25cに設けられ
た仮係止用突起25eに対応して、コネクタハウジング
10の内部に形成されたアーム収容部15の一方の側壁
15c内面に仮係合用突起15eが形成されている。ま
た、フロントホルダ20の片持ちアーム25を形成する
可撓変形枠25aの他方の枠25dに設けられた本係止
用突起25fに対応して、コネクタハウジング10の内
部に形成されたアーム収容部15の他方の側壁15d内
面に本係合用突起15fが形成されている。
【0080】図18の如く、コネクタハウジング10
(10′)の内部に形成されたアーム収容部15の一方
の側壁15c内面に設けられた仮係合用突起15eは、
傾斜摺接面15gと、摺接面15hと、係合面15iか
ら形成されている。また、コネクタハウジング10(1
0′)の内部に形成されたアーム収容部15の他方の側
壁15d内面に設けられた本係合用突起15fは、前側
の傾斜摺接面15jと、摺接面15kと、後側の傾斜摺
接面15mから形成されている。
【0081】図17および図18の如く、フロントホル
ダ20の片持ちアーム25は、コネクタハウジング10
(10′)のアーム収容部15内に対し、容易に本係止
が行われ、且つ、容易に本係止が解除されるものとなっ
ている。
【0082】図17および図18に示されるフロントホ
ルダ20の片持ちアーム25が、スライド方向S3に沿
って移動されようとすると、可撓変形枠25aの他方の
枠25dに設けられた台形の本係止用突起25fが、撓
み空間25b側に一時的に寄せられると共に、コネクタ
ハウジング10(10′)のアーム収容室15aの他方
の側壁15d内面に設けられた台形の本係合用突起15
fを乗越え、その後、フロントホルダ20の片持ちアー
ム25に設けられた本係止用突起25fは、コネクタハ
ウジング10(10′)のアーム収容部15に設けられ
た本係合用突起15fよりも後側に位置することとな
る。このようにして本係止が行われる。
【0083】コネクタハウジング10に本係止されたフ
ロントホルダ20を、再度、仮係止の状態に戻す場合に
は、図1,図2,図16,図17に示されるフロントホ
ルダ20のアーム収容室15aの後部開口15bから、
治具棒などの治工具(図示せず)をアーム収容室15a
内に挿入して、フロントホルダ20の片持ちアーム25
の後端を押圧する。
【0084】すると、フロントホルダ20の片持ちアー
ム25に設けられた本係止用突起25fは、可撓変形枠
25aの撓み空間25b側に一時的に移動されつつ、コ
ネクタハウジング10のアーム収容部15に設けられた
本係合用突起15fを乗越えて、これの前側に位置され
ることとなる。このようにして、フロントホルダ20
は、コネクタハウジング10(10′)に対し、図17
および図18に示される通りの仮係止状態に戻される。
【0085】図18の如く、仮係止の状態において、フ
ロントホルダ20の片持ちアーム25の一方の枠25c
に設けられた仮係止用突起25eの係止面25iと、コ
ネクタハウジング10(10′)のアーム収容部15の
一方の側壁15c内面に設けられた仮係合用突起15e
の係合面15iとが、アーム挿入方向に対して垂直な面
として形成されて互いに当接されるから、例えば本係止
が解除された後に、フロントホルダ20がコネクタハウ
ジング10(10′)から不用意に抜け落ちてしまい、
一方のコネクタC1,C1′からフロントホルダ20が
見失われてしまうといった不具合の発生は、未然に防止
されるように設計されている。
【0086】図1,図8,図16と、図30に示される
スペーサ30について説明する。このスペーサ30は、
端子40をコネクタハウジング10の端子収容室11a
に二次係止し、コネクタハウジング10,10′の端子
収容室11aに、確実に端子40を固定するためにコネ
クタC1,C1′に備えられたものである。
【0087】例えば図34に示される如く、端子140
がコネクタハウジング110に組込まれて構成された従
来のコネクタC10であり、且つ、スペーサが備えられ
ていない従来のコネクタC10であると、端子140の
後側に加締められて接続されたケーブル150が不用意
に引張られる等された際に、これに伴ってコネクタハウ
ジング110の端子収容室111aに設けられた係止ラ
ンス111gによって、コネクタハウジング110の端
子収容室111a内に固定されて取付けられた端子14
0が、コネクタハウジング110の後部開口111bか
ら引抜かれてしまい、結果としてコネクタハウジング1
10と端子140とが分離されてしまうといった不具合
の発生が懸念されていた。
【0088】しかし、図16および図20の如く、端子
40がスペーサ30によってコネクタハウジング10に
二重係止されて確実に固定されるため、前述したような
不具合の発生は未然に防止されることとなり、このよう
なことを目的として、スペーサ30はコネクタハウジン
グ10,10′に本係止されるように備えられたもので
ある。このスペーサ30は、各壁に囲まれて形成された
複数の端子収容部31aおよび開口部31bと、操作部
32と、一対の係止片33すなわち一対の係止用突出片
33とから形成されている。
【0089】スペーサ30の幅方向の左右両端部に設け
られた一対の係止用突出片33は、これに対応してコネ
クタハウジング10,10′の内部に設けられた一対の
係合部(図示せず)に良好に保持される形状に形成され
ている。また図1および図8から分るように、スペーサ
30の操作部32は、基板32aと、この基板32aに
立設された各支持板32b,32c(図16)から形成
されている。
【0090】図8および図16から分るように、スペー
サ30の端子収容部31aは、上下の傾斜状の隔壁31
cと、この上下の傾斜状の隔壁31cを結ぶ各垂直隔壁
31dから形成されている。スペーサ30に設けられた
端子収容部31aに雄端子40(図16)が挿通可能で
あるようにするために、スペーサ30に設けられた端子
収容部31aは、2つの開口部31b(図8)が設けら
れて貫通形状に形成されている。
【0091】図8の如く、スペーサ30を形成する係止
用突出片33の後側上部に、仮係止用突出部34aとこ
れに対応した撓み空間34bとから形成された仮係止部
34が設けられている。また、スペーサ30を形成する
一対の係止用突出片33の後側の中ほどに、本係止用突
起35aとこれに対応した撓み空間35bとから形成さ
れた本係止部35が設けられている。
【0092】スペーサ30がコネクタハウジング10,
10′のスペーサ収容部13に途中まで挿入されて、ス
ペーサ30がコネクタハウジング10に仮係止される際
に、両者が容易に仮係止されるようにするために、スペ
ーサ30を形成する係止用突出片33の後側上部に設け
られた一対の仮係止部34は、仮係止用突出部34aが
容易に撓むことができるようにするための略Uの字形を
した撓み空間34bを含むものである。
【0093】また、スペーサ30がコネクタハウジング
10,10′のスペーサ収容部13に完全に挿入され
て、スペーサ30がコネクタハウジング10,10′に
本係止される際に、両者が容易に本係止されるようにす
るために、スペーサ30を形成する係止用突出片33の
後側の中ほどに設けられた一対の本係止部35は、本係
止用突起35aが容易に撓むことができるようにするた
めの略0字形をした撓み空間35bを含むものである。
【0094】コネクタハウジング10,10′にスペー
サ30が仮係止の位置で保持されている状態について説
明する。図14,図15と、図29,図30の如く、ス
ペーサ30は、コネクタハウジング10,10′のスペ
ーサ収容部13から、これの操作部32がやや下側に突
出された位置においてコネクタハウジング10,10′
に保持されている。このような保持状態は、スペーサ3
0の係止用突出片33に設けられた本係止用突起35a
(図8)と、コネクタハウジング10,10′のスペー
サ収容部13に設けられた本係合用突起とが、外れた位
置関係にある状態となっており、スペーサ30がコネク
タハウジング10,10′にまだ完全に嵌合されていな
い状態となっている。このように、コネクタハウジング
10,10′とスペーサ30とが、前述した位置関係と
なっている状態が仮係止状態である。
【0095】コネクタハウジング10,10′とスペー
サ30とが仮係止の状態に組付けられて保持されること
により、スペーサ30が取付けられたコネクタハウジン
グ10,10′が組立工程などにおいて取扱われる際
に、コネクタハウジング10,10′からスペーサ30
が不用意に分離されてしまい、そのようなことから、コ
ネクタハウジング10,10′からスペーサ30が見失
われてしまうといった不具合の発生は未然に防止されて
いる。
【0096】一方、図16の如く、スペーサ30の操作
部32が押圧されて、コネクタハウジング10のスペー
サ収容部13内にスペーサ30が完全に挿入されると、
スペーサ30の係止用突出片33に設けられた本係止用
突起35a(図8)が、コネクタハウジング10のスペ
ーサ収容部13に設けられた本係合用突起を乗越え、両
者は嵌合された状態となる。このように、コネクタハウ
ジング10とスペーサ30とが、前述した位置関係とな
っている状態が本係止状態である。
【0097】図1の如く、スペーサ30は、取付方向S
1に沿うように、予め、コネクタハウジング10のスペ
ーサ収容部13に挿入される。その際に、スペーサ30
は、コネクタハウジング10のスペーサ収容部13に完
全に挿入されるのではなく、まず、仮係止すなわち1次
係止された状態でコネクタハウジング10に取付けられ
る。その後、予め、ケーブル50が加締められて取付け
られた雄端子40(図10)が、コネクタハウジング1
0内とスペーサ30内に挿入される。
【0098】そして、図14および図15の如く、コネ
クタハウジング10内に挿入された雄端子40が、コネ
クタハウジング10に一体成形された係止ランス11g
によって一次係止された後に、図16および図20から
分るように、スペーサ30の操作部32が押圧されて、
コネクタハウジング10内のスペーサ収容部13にスペ
ーサ30が二次係止される。すなわち、コネクタハウジ
ング10のスペーサ収容部13内にスペーサ30が本係
止される。そして、スペーサ30がコネクタハウジング
10に完全に嵌合されることにより、スペーサ30に設
けられた上下の傾斜状の隔壁31cによって、雄端子4
0はコネクタハウジング10に二次係止される。
【0099】このようにして雄端子40は、コネクタハ
ウジング10の端子収容室11aに設けられた係止ラン
ス11g,11g′と、コネクタハウジング10に二次
係止されたスペーサ30の傾斜状の隔壁31cとによっ
て、確実に一方のコネクタC1に二重係止されたことと
なる。このようにすれば、ケーブル50が不用意に引張
られる等されて、ケーブル50に取付けられた雄端子4
0が、コネクタハウジング10から後抜けされてしまう
といった不具合の発生を確実に防止することができる。
【0100】これについては、他方のコネクタC2に備
えられた雌端子90(図19)についても、前記理由と
同じく、雌端子90は他方のコネクタC2に二重係止さ
れている。図19に示される他のコネクタハウジング6
0に仮係止部と本係止部が設けられ、これに対応して、
他のフロントホルダ70に仮係合部と本係合部が設けら
れ、これにより他のコネクタハウジング60に他のフロ
ントホルダ70が係止・係合されることとなる。そして
図19に示される雌端子90は、他のコネクタハウジン
グ60の端子収容室61aに設けられた係止ランス61
gと、他のコネクタハウジング60に二次係止された他
のスペーサ80の傾斜状の隔壁81cとによって、確実
に他方のコネクタC2に二重係止されている。
【0101】図8に示されるスペーサ30は、上側の傾
斜状の隔壁31cが天壁を兼ね、各垂直隔壁31dのう
ちの最も右側の壁と最も左側の壁は、側壁を兼ねたもの
となっている。また、上側の傾斜状の隔壁31c上に垂
直隔壁は形成されておらず、端子収容部31aはスペー
サ30の左右の幅方向に一列に整列されて、スペーサ3
0に6つほど設けられたものとなっている。なお、本発
明に用いられるスペーサ30は、あらゆる形状のスペー
サが使用可能とされる。
【0102】図10に示される雄端子40について説明
する。雄端子の電気接触部は雌端子の中に入り電気接続
が行われるものである。また、タブを備えるバスバーに
ついて説明すると、バスバーの電気接触部は雌端子の中
に入り電気接続が行われる雄端子の役割を果す。雄端子
の形状として、平板形状をしたタブタイプ、角ピンタイ
プ、丸ピンタイプなどが挙げられ、雄端子は、いかなる
形状のものであってもよい。
【0103】雄端子40は、まず、金属製板材に打抜き
加工が施されて端子金具素材が形成され、次に、この端
子金具素材に折曲げ加工が施されることにより、所定の
形状をした雄端子40が形成される。このようにして各
プレス加工が施されて形成された雄端子40は、電線接
続部41と、電気接触部44と、電線接続部41と電気
接触部44とを結ぶ連接部42と、仮係止用突部43a
および本係止用突部43bと、雄端子40が端子収容室
へ挿入される際に雄端子40が正しい向きで端子収容室
に導かれて取付けられるための位置決め用突部45が形
成されたものである。
【0104】雄端子40の電線接続部41は、導体圧着
片41aと千鳥状に設けられた2つの被覆圧着片41b
から形成されている。雄端子40の電気接触部44すな
わち雄タブ44は、根元44aと本体44bと先端44
cとから形成されている。雄端子40のタブ44の先端
44cは、この雄端子40が所定の挿入部位に容易で迅
速に入ってゆくことができるようにするために、テーパ
ガイドの形状に形成されている(図10,図17参
照)。
【0105】また、雄端子40の仮係止用突部43aと
本係止用突部43bの間の部位が係止ランス収容部43
cとされ、本係止用突部43bと被覆圧着片41bの間
の部位が隔壁収容部43dとされている。雄端子40の
隔壁収容部43dにスペーサ30の傾斜状の隔壁31c
が嵌め込まれることで、雄端子40はコネクタハウジン
グ10に二次係止される(図16)。
【0106】図14〜図16、又は、図29および図3
0、もしくは、図31の如く、本発明の一実施形態のホ
ルダ付コネクタC1,C1′は、端子40を一次係止す
るランス11g,11g′が設けられたコネクタハウジ
ング10,10′,10″と、コネクタハウジング1
0,10′,10″のランス11g,11g′に係止さ
れる端子40と、端子40を保護または保持もしくは支
持するホルダ20とが備えられたものである。また、端
子40を二次係止するスペーサ30,30′がコネクタ
ハウジング10,10′,10″に備えられている。な
お、本発明のホルダ付きコネクタは、端子を二次係止す
るためのスペーサが備えられずに、スペーサは省略され
たものであってもよい。
【0107】そして、コネクタハウジング10,1
0′,10″に端子40が取付けられる際に、コネクタ
ハウジング10,10′,10″内の下側に設けられた
端子係止ランス11gの撓み量を確保する逃げ溝12f
(図1〜図5),12f′(図25〜図31)が、コネ
クタハウジング10,10′,10″の基壁12b,1
2b′に設けられている。このような溝12f,12
f′は、コネクタハウジング10,10′,10″に1
本だけ設けられてもよく、また、コネクタハウジング1
0,10′,10″に複数ほど設けられてもよい。
【0108】このようにすれば、コネクタハウジング1
0,10′,10″内の下側に設けられた係止ランス1
1gの撓み量を確保する逃げ溝12f,12f′が、コ
ネクタハウジング10,10′,10″の基壁12b,
12b′に設けられてあるから、小型化されたコネクタ
ハウジング10,10′,10″であっても、コネクタ
ハウジング10,10′,10″に端子40が取付けら
れる際に、端子40に押圧されて撓まれた下側の係止ラ
ンス11gがコネクタハウジング10,10′,10″
の基壁12b,12b′と干渉されることなく、端子4
0はコネクタハウジング10,10′,10″に取付け
られることとなる。
【0109】例えば、図32に示される他の参考例の如
く、コネクタハウジング10x″に上記溝12fが形成
されずに、雄端子40の中心部からコネクタハウジング
10x″の基壁12bx″の内面までの寸法が小さい寸
法Lb′に設定された場合、コネクタハウジング10
x″や雄端子40の寸法精度などにより、端子40がコ
ネクタハウジング10x″の後部開口11bから挿入さ
れて取付けられる際に、コネクタハウジング10x″内
の下側に位置する端子係止ランス11gx″の下部が、
コネクタハウジング10x″の周壁12x″を形成する
基壁12bx″の内面部と当接してしまうといったこと
が懸念されていた。
【0110】このような事態が発生すると、端子係止ラ
ンス11gx″は十分に下側に撓まれることができない
から、端子40の仮係止用突部43aが係止ランス11
gx″とつかえてしまい、このことから、所定の通りに
端子40をコネクタハウジング10x″の端子収容室1
1a内に取付けることができないといった不具合が発生
することが問題となっていた。
【0111】しかし、上述したように、コネクタハウジ
ング10,10′,10″を形成する周壁12,1
2′,12″の基壁12b,12b′に、コネクタハウ
ジング10,10′,10″内の下側に設けられた端子
係止ランス11gの撓み量を確保する逃げ溝12f,1
2f′が形成されてあれば、前記不具合は発生せずに端
子40はコネクタハウジング10,10′,10″の端
子収容室11a内にスムーズに挿入されることとなる。
【0112】さらに図5に示す如く、図1〜図4に示さ
れた本発明の実施形態の一例のように周壁12などから
形成されたコネクタハウジング10と、参考例に示され
るように周壁12x′などから形成されたコネクタハウ
ジング10x′とを表面視から比較すれば、参考例のコ
ネクタハウジング10x′よりもコネクタハウジング1
0は高さ方向に小型化されていることが分る。上述した
ようにすれば、雄端子の中心部からコネクタハウジング
10の基壁12bの内面までの寸法Laを、図示された
如く寸法Lbのように小さく設定できる。
【0113】図5に示されるコネクタハウジング10を
形成する基壁12bのフードの厚さLcすなわちフード
肉厚Lcの最大寸法は、同図の参考例のコネクタハウジ
ング10x′を形成する基壁12bx′のフードの厚さ
Lcと同じ寸法に設定されている。そして、コネクタハ
ウジング10の高さ方向の寸法は、参考例のコネクタハ
ウジング10x′の高さ寸法よりも、La−Lbの寸法
だけ小さくすることが可能となる。La−Lbは、多条
溝12fの溝深さに相当する寸法であり、このLa−L
bの寸法分だけ、コネクタハウジング10は、参考例の
コネクタハウジング10x′よりも高さ方向に小型化さ
れることとなる。
【0114】また、本発明のホルダ付コネクタC1,C
1′が用いられると、大幅な設計変更を行うことなくコ
ネクタハウジング10,10′,10″の機械的強度も
確保しつつ、コネクタハウジング10,10′,10″
の端子収容部11aに設けられた係止ランス11g,1
1g′の形状は、略従来の形状の係止ランス11gx′
と同形状のものとすることができ、さらにコネクタハウ
ジング10,10′,10″の端子収容室11aに挿入
されて取付けられる端子40も従来のものと共用化する
ことができると共に、コネクタハウジング10,1
0′,10″の小型化、コンパクト化が図られることと
なる。
【0115】これに伴って、コネクタハウジング10,
10′,10″の開口12d,12d′から、相手側コ
ネクタ収容室17,17′に挿入される他方のコネクタ
C2(図19〜図22,図24)や、他方のコネクタC
2を構成する他のコネクタハウジング60(図9,図1
9)も小型化されることとなる。
【0116】また、これと共に、コネクタハウジング1
0,10′,10″の開口12d,12d′から挿入さ
れて、相手側コネクタ収容室17,17′の奥側のフロ
ントホルダ本体収容部16,16′まで、スライドされ
つつ移動されるフロントホルダ20の本体22(図1,
図7,図13〜図16,図28〜図30)も、同時に小
型化されることとなる。
【0117】図3および図14〜図16に示される如
く、コネクタハウジング10の基壁12bに設けられた
前記多条溝12fについて詳しく説明すると、この多条
溝12fは、複数ほど設けられた下側の端子係止ランス
11gに対応して、コネクタハウジング10の前側開口
から端子係止ランス11gの根元近傍まで、端子挿入方
向に沿って直線に設けられた複数の溝12fとして形成
されたものである。
【0118】この明細書でいう端子挿入方向とは、図1
4および図15と、図29および図30の如く、端子4
0がコネクタハウジング10,10′内に挿入される方
向であったり、また、図20〜図24の如く、一方のコ
ネクタC1に備えられた雄端子40のタブが、相手側コ
ネクタC2に備えられた雌端子90内に挿入されて嵌合
される方向を指すものである。
【0119】このようにすれば、コネクタハウジング1
0の基壁12bに複数ほど設けられた端子係止ランス1
1gの撓み量を確保する多条溝12fが、端子挿入方向
に沿って設けられてあるから、コネクタハウジング10
の大幅な機械的強度の低下は避けられ、コネクタハウジ
ング10に必要とされる機械的強度は確保されることと
なる。
【0120】コネクタハウジング10の機械的強度に関
しては、図1〜図5および図13〜図16の如く、コネ
クタハウジング10の基壁12bに形成された複数の突
出部12gが補強リブとしての役目を果すことから、コ
ネクタハウジング10の機械的強度が著しく低下すると
いった心配もない。
【0121】また、端子挿入方向に沿ってコネクタハウ
ジング10の基壁12bに多条溝12fが設けられたも
のであるから、コネクタハウジング10を射出成形法に
よって形成する際に、コネクタハウジング10が射出成
形用金型から引抜かれて取出される時に、容易にこれの
基壁12bに多条溝12fを形成させつつ、射出成形用
金型のキャビティからコネクタハウジング10を抜取る
ことができる。
【0122】さらに、端子挿入方向に沿ってコネクタハ
ウジング10の基壁12bに多条溝12fが設けられる
ことにより、射出成形により形成されたコネクタハウジ
ング10のソリ発生の防止にも貢献されるものと考えら
れる。また、複数の端子係止ランス11gに対応して、
コネクタハウジング10の基壁12bに多条溝12fが
設けられることにより、複数の端子係止ランス11g
は、撓み時に互いに干渉しあうこともなく、コネクタハ
ウジング10の基壁12bに設けられた逃げ溝12fに
収められることとなる。
【0123】また、図4および図13の如く、コネクタ
ハウジング10内の下側に設けられた端子係止ランス1
1gの基壁12b側に、一対のテーパ面11rが設けら
れ、この一対のテーパ面11rに対応して、コネクタハ
ウジング10の基壁12bに形成された多条溝12fに
一対の傾斜面12rが設けられている。
【0124】また、図4の如く、多状溝12fを形成す
る溝底面12fは、コネクタハウジング10の下側の端
子係止ランス11gの下面11tに対応したものとなっ
ている。ここでは、便宜上、溝12fと溝底面12fと
の符号は、兼ねたものとして示されている。
【0125】このようにすれば、コネクタハウジング1
0が左右幅方向に小型化されたものであっても、下側の
端子係止ランス11gやコネクタハウジング10の機械
的強度が大幅に低下されることなく、これらの機械的強
度は確保される。これと共に、コネクタハウジング10
内の下側に設けられた端子係止ランス11gが撓まれた
際に、端子係止ランス11gはコネクタハウジング10
の基壁12bに設けられた多条溝12fに干渉されたり
引掛らずに、端子係止ランス11gはコネクタハウジン
グ10の基壁12bの多条溝12fに良好に収まること
となる。
【0126】また、図15,図16,図30の如く、コ
ネクタハウジング10,10′に端子40を二次係止す
るためのスペーサ30が備えられている。そして、コネ
クタハウジング10,10′に仮係止されたスペーサ3
0が、コネクタハウジング10,10′の基壁12b,
12b′側から押圧されると共にコネクタハウジング1
0,10′に本係止されることで、端子40は、コネク
タハウジング10,10′の端子収容室11aに一体に
形成された係止ランス11g,11g′と、スペーサ3
0に形成された傾斜状の隔壁31cとで二重係止され
る。
【0127】このようにすれば、端子40はコネクタハ
ウジング10,10′とスペーサ30に確実に二重係止
されることとなる。スペーサ30は、端子40をコネク
タハウジング10,10′の端子収容室11aに二次係
止し、コネクタハウジング10の端子収容室11aに確
実に端子40を固定するために一方のコネクタC1,C
1′に備えられたものである。
【0128】例えば、図34の如く、端子140がコネ
クタハウジング110に組込まれて構成され、且つ、ス
ペーサが備えられていない従来のコネクタC10である
と、端子140の後側に接続されたケーブル150が不
用意に引張られる等された際に、これに伴ってコネクタ
ハウジング110に設けられたランス111gによっ
て、コネクタハウジング110に係止されて固定されて
いた端子140が、コネクタハウジング110から引抜
かれてしまい、結果としてコネクタハウジング110と
端子140とが分離されてしまうということが懸念され
ていた。
【0129】しかし、図15および図16と、図30の
如く、端子40がスペーサ30によってコネクタハウジ
ング10,10′に二重係止されて確実に固定される
と、前述したような不具合の発生は未然に防止されるこ
ととなり、このようなことを目的として、スペーサ30
はコネクタハウジング10,10′に本係止されるよう
に備えられたものである。
【0130】本発明の他の実施の形態に関し、図1〜図
24に示される発明の実施の形態と異なる部位につい
て、図25〜図31と共に詳しく説明する。図示された
各符号において、上述した符号と同じものに関しては、
その説明について省略されている。
【0131】図25〜図31に示されるコネクタハウジ
ング10′,10″は、基壁12b′を含む周壁1
2′,12″から形成されて、コネクタハウジング1
0′,10″の前側の開口12d′からホルダ本体収容
部16′にかけて、相手側コネクタ収容部17′が設け
られている。また、図25,図27,図28,図31の
如く、コネクタハウジング10′,10″の一方の側壁
12c′,12c″の下部近傍に、逃げ溝12f′に続
く開口部12f″が設けられている。
【0132】図25〜図31の如く、ランス逃げ溝12
f′は、コネクタハウジング10′,10″内の下側に
設けられた係止ランス11gに対応して、コネクタハウ
ジング10′,10″の一方の側壁12c′,12c″
の開口部12f″から他方の側壁12cの近傍にかけ
て、端子挿入方向と直交する方向に沿って設けられた逃
げ溝12f′として形成されたものである。
【0133】このようにすれば、コネクタハウジング1
0′,10″を形成する周壁12′,12″の一方の側
壁12c′,12c″の開口部12f″から他方の側壁
12cの近傍にかけて、コネクタハウジング10′,1
0″の基壁12b′の係止ランス11gに対応した部位
に、この係止ランス11gの撓み量を確保する逃げ溝1
2f′が端子挿入方向と直交する方向に沿って設けられ
てあるから、コネクタハウジング10′,10″の基壁
12b′には、必要最小限の係止ランス11gの撓み量
を確保できる逃げ溝12f′が設けられてあればよいこ
ととなる。
【0134】これにより、コネクタハウジング10′,
10″を形成する基壁12b′の肉厚の薄肉化によるコ
ネクタハウジング10′,10″の大幅な機械的強度の
低下は避けられ、コネクタハウジング10′,10″に
必要とされる機械的強度は確保されることとなる。
【0135】また、図31の如く、コネクタハウジング
10″に端子を二次係止するためのサイドスペーサ3
0′が備えられている。図示された如く、略Uの字形を
したサイドスペーサ30′が本発明のホルダ付コネクタ
に用いられてもよい。このスペーサ30′は、一対の隔
壁31c′と、この一対の隔壁31c′を連結する操作
部32′と、一対の隔壁31c′と操作部32′に囲ま
れた端子収容部31a′とから形成されたものである。
【0136】また、コネクタハウジング10″の一方の
側壁12c″の開口部12f″から、他方の側壁12c
の近傍にかけて形成された逃げ溝12f′と、コネクタ
ハウジング10″の一方の側壁12c″の挿入口13″
から、コネクタハウジング10″内に形成されたスペー
サ収容部13′ともに、コネクタハウジング10″の端
子挿入方向と直交する方向に設けられたものである。
【0137】そして、略Uの字形をしたスペーサ30′
が、コネクタハウジング10″を形成する周壁12″の
一方の側壁12c″側から挿入されると共に、コネクタ
ハウジング10″に本係止されることで、コネクタハウ
ジング10″内に備えられる端子は、コネクタハウジン
グ10″の端子収容室11aに一体に形成された端子係
止ランスと、スペーサ30′に形成された隔壁31c′
とで二重係止されることとなる。
【0138】このようにすれば、端子はコネクタハウジ
ング10″とスペーサ30′に確実に二重係止されるこ
ととなる。また、コネクタハウジング10″の側壁12
c″側からでないと、スペーサ30′の本係止またはス
ペーサ30′の本係止の解除を行うことができないよう
な部位にホルダ付コネクタが用いられたとしても、煩わ
しい作業などが伴われることなく、容易で迅速にスペー
サ30′の本係止を行うことができたり、また、スペー
サ30′の本係止を解除できることとなる。
【0139】図10,図11と、図14〜図16と、図
19〜図22および図24と、図29および図30に示
されるケーブル50などの電線50について説明する。
この明細書でいう電線とは、絶縁被覆体やエナメル材な
どで保護された導体や、導体だけで他に被覆されていな
い状態のものを含め、これらを総称して指す。ケーブル
について簡単に説明すると、ケーブルは芯線とも呼ば
れ、図11(a)の如く、ケーブル50は絶縁被覆体5
2やエナメル材などで保護された1本の導体51、又
は、絶縁被覆体52やエナメル材などで保護された複数
の導体51からなる。
【0140】ケーブル50などの絶縁被覆体52の材質
として、例えば軟質樹脂、ゴムなどが挙げられる。ワイ
ヤハーネスなどの組電線もしくは組配線は、主に、導体
51と絶縁被覆体52とから構成されるケーブル50
と、これを束ねるテープと、コネクタと、グロメットな
どを備え、自動車などに取付けられる際に必要な部位が
折曲げられて使用されるものである。
【0141】そのため導体51の材質は、通電性が良好
であるばかりでなく繰返しの折曲げにも耐えうるように
可撓性を有するものが好ましく、そのような金属線とし
て軟銅線などの銅系電線などが挙げられる。また、ケー
ブル50は複数の導体51が束ねられると共に適度にね
じられて、強度などに優れた芯線の状態となっている。
さらに、細いサイズが維持されつつ銅線などの金属線か
らなる導体の表面の絶縁性をより高くするために、エナ
メル材の被覆された導体がケーブルなどの電線に用いら
れてもよい。
【0142】そして、導体51を保護する絶縁被覆体5
2もまた、前記で説明したように繰返しの折曲げに耐え
うる性質を有する絶縁材料で形成されることが好まし
く、例えば可撓性の絶縁材料であることが望ましい。そ
のような材質として、例えば、塩化ビニル系ポリマー、
ポリエチレン系ポリマーなどの熱可塑性樹脂材もしくは
軟質樹脂材、ゴム材、又はこれらの混合材などが挙げら
れる。また必要に応じて絶縁材料に各種の充填材が添加
されてあってもよい。
【0143】これらの絶縁被覆材が例えば押出成形され
る際に、これと共にダイの押出孔の部分に銅線などの前
記導体が通されることにより、絶縁被覆体52と導体5
1とが複合化されてケーブル50などの電線50が構成
される。
【0144】図9および図19に示される相手側コネク
タC2を構成する他のコネクタハウジング60について
説明する。前述した一方のコネクタC1,C1′の小型
化・コンパクト化に伴って、他方のコネクタC2および
これを構成する他のコネクタハウジング60も小型化さ
れたものとなっている。
【0145】このコネクタハウジング60は、天壁62
aすなわち基壁62bと向い合った他の壁62aと、底
壁62bすなわち基壁62bと、一対の側壁62cから
周壁62が形成されている。また、これと共に、図1,
図9,図19から分るように、他のコネクタハウジング
60に、端子収容部61a、スペーサ収容部63、底壁
62bから延長されたフロントホルダ支持部66(図1
9)が形成されている。さらに、他のコネクタハウジン
グ60の天壁62aに、係止ロック部64すなわち慣性
ロック部64が設けられている。
【0146】また、図1,図9,図19の如く、他のコ
ネクタハウジング60に複数の端子収容部61aすなわ
ち端子収容室61aと、この端子収容室61aに雌端子
90(図19)が挿入されるための後部開口61bが設
けられている。雌端子90が端子収容室61a内に挿入
されて所定の位置に取付けられると、雌端子90の後部
に接続されたケーブル50(図19)等の電線50が、
他のコネクタハウジング60の後部開口61bより導出
される。
【0147】さらに図19の如く、各端子収容室61a
は、係止ランス61gに続き水平方向に延びた隔壁61
cと、これに対応してスペーサ収容部63よりも前側に
位置する垂直隔壁61dと、スペーサ収容部63よりも
後側に位置する後部側水平隔壁61eと、これに対応し
た後部側垂直隔壁61fとから形成されている。
【0148】図19に示される他のコネクタハウジング
60に一体に形成された係止ランス61gは、図3〜図
6および図14〜図16に示される上述の係止ランス1
1g,11g′と同様の作用をするものである。図19
に示される他方のコネクタC2の縦断面図における断面
位置と、図14〜図16に示される一方のコネクタC1
の縦断面図における断面位置とは、一部が異なる断面位
置として示されたものである。
【0149】スペーサ収容部63は、図19および図2
0に示される他のスペーサ80が、他のコネクタハウジ
ング60に収められている部位に略相当する。このスペ
ーサ収容部63は、他のコネクタハウジング60の天壁
62aの近傍から底壁62bを貫いて、他のコネクタハ
ウジング60の内部に形成されている。また、ここで
は、便宜上、スペーサ収容部63とスペーサ挿入口63
の符号を兼ねたものとして表示されている。
【0150】図1,図9,図19の如く、他のコネクタ
ハウジング60の天壁62a上に係止ロック部64すな
わち慣性ロック部64が設けられている。図1および図
9に示される係止ロック部64は、図1および図2に示
されるコネクタハウジング10の係合ロック部14に対
応して設けられたものである。
【0151】図9および図19から分るように、他のコ
ネクタハウジング60を形成する周壁62の天壁62a
の上部に設けられた係止ロック部64は、一対のガイド
用突出部64aと、可撓連結部64eから形成された両
持ちアーム64dと、これの撓み空間64e′(図1
9)と、この両持ちアーム64dの可撓連結部64e上
に設けられたロック突起64bおよび一対の段付突出部
64hから形成されるものである。
【0152】ロック突起64bすなわち係止突起64b
は、係止面64c(図19)と、傾斜摺接面64fと、
初期当接面64g(図19)と、一対の側面から形成さ
れている。また、一対のガイド用突出部64aの一方か
ら他方にかけて、連結片65(図9)が設けられてい
る。
【0153】慣性ロック部64に設けられた一対の段付
突出部64hは、一方のコネクタC1と他方のコネクタ
C2との嵌合もしくは嵌合の解除が行われる際に、他方
のコネクタC2に設けられた係止ロック部64の両持ち
アーム64dを積極的に撓ませるために、可撓連結部6
4eから形成される両持ちアーム64dを指などで押し
易くするために設けられたものである。
【0154】また、係止ロック部64の撓み空間64
e′(図19,図22)は、一方のコネクタC1と他方
のコネクタC2とが嵌合される際に、一方のコネクタC
1側の係合ロック部14と他方のコネクタC2側の係止
ロック部64とが係止・係合される場合において、可撓
連結部64eから形成された両持ちアーム64dが適度
に弾性変形できるための重要な空間である(図22参
照)。
【0155】また、図2,図25,図31に示される如
く、コネクタハウジング10,10′,10″の相手側
コネクタ収容室17,17′内の下部に設けられた一対
の案内用溝19に対応して、図9および図19に示され
る如く、他のコネクタハウジング60の前側下部に一対
の案内用突出部69が設けられている。
【0156】また、図9の如く、他のフロントホルダ7
0の幅方向の両端部位に設けられた一対の係止部72d
すなわち一対の係止突起72dに対応して、他のコネク
タハウジング60を形成する周壁62の側壁62cに、
一対の係合部62dすなわち一対の係合凹部62dが設
けられている。
【0157】図1,図9,図19に示される他のフロン
トホルダ70について説明する。図19および図20に
示される通り、このフロントホルダ70は端子の二重係
止が行われるフロントホルダと異なるものである。図1
9の如く、他のフロントホルダ70は、天壁72aと、
底壁72bと、前壁72cと、側壁と、水平隔壁71c
から形成されている。このような前記各壁に囲まれて、
雌端子90の前側部位の収容部が形成されている。
【0158】水平隔壁71cは、他のフロントホルダ7
0を形成する一方の側壁から他方の側壁にかけて、天壁
72aと底壁72bを仕切るようにして形成された一枚
の板状のものである。このように水平隔壁71cは、他
のフロントホルダ70の一方の側壁から他方の側壁にか
けて、連続した一枚の板で形成されていると共に、一方
の側壁から他方の側壁の間に垂直な隔壁は存在しない。
【0159】また、他のフロントホルダ70に、テーパ
ガイド面71aが設けられた複数の端子挿入口71b
と、複数の治具棒挿通部(図示せず)が設けられてい
る。図19〜図24から分るように、他のフロントホル
ダ70の前壁72cに設けられた端子挿入口71bを介
して、図23に示される雌端子90の電気接触部94に
設けられた端子収容室95a内に、雄端子40の電気接
触部44すなわち雄タブ44が良好に導かれるために、
端子挿入口71bにテーパガイド面71aが設けられて
いる(図19,図23)。
【0160】また、前記複数の治具棒挿通部は、上述し
た図7および図16に示される治具棒挿通部23と同様
の理由から設けられたものである。図19に示される他
方のコネクタC2の縦断面図における断面位置と、図1
4〜図16に示される一方のコネクタC1の縦断面図に
おける断面位置とは、一部が異なる断面位置として示さ
れたものである。
【0161】図9の如く、他のフロントホルダ70の左
右幅方向の両端部に、一対の係止突起72dが設けられ
ている。他のフロントホルダ70に設けられた前記一対
の係止突起72dは、他のコネクタハウジング60の側
壁62cに設けられた一対の係合凹部62dに対応して
嵌合されている。このようにして、他のフロントホルダ
70は、他のコネクタハウジング60に取付けられてい
る。
【0162】図19に示される他のスペーサ80につい
て説明する。このスペーサ80は、各壁に囲まれて形成
された複数の端子収容部81aおよび開口部と、操作部
82およびこの操作部82に続く操作突出部83と、他
のスペーサ80の幅方向の左右両端部に設けられた一対
の係止用突出片(図示せず)から形成されている。
【0163】図8および図16に示されるスペーサ30
と同じく、図19に示される他のスペーサ80の操作部
82は、基板と、この基板に立設された各支持板から形
成されている。また、他のスペーサ80に設けられた操
作部82に続く操作突出部83は、これらに対応して他
のコネクタハウジング60の底壁62bに設けられた取
付部に嵌め込まれている。
【0164】他のスペーサ80に設けられた前記一対の
係止用突出片は、図8に示されるスペーサ30の係止用
突出片33と略同様な形状に形成されたものである。前
記一対の係止用突出片に仮係止部と本係止部が設けられ
(図示せず)、これに対応して、他のコネクタハウジン
グ60の内部に一対の仮係合部と本係合部が設けられて
いる(図示せず)。他のスペーサ80に設けられた前記
一対の係止用突出片は、これに対応して他のコネクタハ
ウジング60の内部に設けられた一対の係合部(図示せ
ず)に良好に保持される形状に形成されたものである。
【0165】また、図19の如く、他のスペーサ80の
端子収容部81aは、上下の傾斜状の隔壁81cと、こ
の上下の傾斜状の隔壁81cを結ぶ各垂直隔壁81dか
ら形成されている。他のスペーサ80に設けられた端子
収容部81aに雌端子90が挿通可能であるようにする
ために、他のスペーサ80に設けられた端子収容部81
aは、2つの開口部が設けられて貫通形状に形成されて
いる。
【0166】他のスペーサ80は、他方のコネクタC2
の組立工程の当初において、他のコネクタハウジング6
0のスペーサ収容部63に挿入される。その際に、他の
スペーサ80は、他のコネクタハウジング60のスペー
サ収容部63に完全に挿入されるのではなく、まず、1
次係止された状態で他のコネクタハウジング60に取付
けられる。その後、予め、ケーブル50が加締められて
取付けられた雌端子90が、他のコネクタハウジング6
0内と他のスペーサ80内に挿入される。
【0167】そして、図19および図20の如く、他の
コネクタハウジング60内に挿入された雌端子90が、
他のコネクタハウジング60に一体成形された係止ラン
ス61gによって一次係止された後に、他のコネクタハ
ウジング60内のスペーサ収容部63に他のスペーサ8
0が二次係止される。そして、他のスペーサ80が他の
コネクタハウジング60に完全に嵌合されることによ
り、他のスペーサ80に設けられた上下の傾斜状の隔壁
81cによって、雌端子90は他のコネクタハウジング
60に二次係止される。このようにして、雌端子90は
確実に他方のコネクタC2に二重係止される。
【0168】図19に示される他のスペーサ80は、上
側の傾斜状の隔壁81cが天壁を兼ね、各垂直隔壁81
dのうちの最も右側の壁と最も左側の壁は、側壁を兼ね
たものとなっている。また、上側の傾斜状の隔壁81c
上に垂直隔壁は形成されておらず、端子収容部81aは
他のスペーサ80の左右の幅方向に一列に整列されて、
他のスペーサ80に6つほど設けられたものとなってい
る。なお、本発明に用いられる他のスペーサ80は、あ
らゆる形状のスペーサが使用可能とされる。
【0169】また、図1および図14〜図16と、図1
9と、図20と、図29および図30に示される如く、
コネクタハウジング10,10′,60を形成する周壁
12,12′,62の底壁12b,12b′,62b側
から挿入されるといった上下方向に取付けられる方式の
スペーサ30,80のほかに、図31に示される如く、
コネクタハウジング10″を形成する周壁12″の側壁
12c″側から挿入されるといったような左右方向に取
付けられる方式のスペーサ30′、いわゆるサイドスペ
ーサ30′であってもよく、本発明に用いられるスペー
サは、いかなる形態のスペーサであってもよい。
【0170】上述したコネクタハウジング10,1
0′,10″,60、フロントホルダ20,70、スペ
ーサ30,30′,80は、複雑な形状のものである
が、このような複雑な形状のものであっても大量生産性
に適した材料で成形されることが望ましく、例えば、射
出成形が可能な合成樹脂であって熱可塑性的な性質を有
する合成樹脂であることが好ましい。
【0171】また、図17および図18の如く、コネク
タハウジング10のアーム収容室15aに設けられた仮
係合部15eおよび本係合部15fと、これに対応して
フロントホルダ20の片持ちアーム25に設けられた仮
係止部25eおよび本係止部25fとに撓み特性が要求
されることから、コネクタハウジング10およびフロン
トホルダ20は可撓性を有する合成樹脂で形成されるこ
とが好ましい。
【0172】また、図8の如く、スペーサ30を形成す
る一対の係止用突出片33に設けられた仮係止部34お
よび本係止部35は、容易に撓むことのできる形状とな
っているが、このようにスペーサ30に撓み特性が要求
されることから、スペーサ30も可撓性を有する合成樹
脂で形成されることが好ましい。
【0173】同様に、スペーサ30を形成する一対の係
止用突出片33に設けられた仮係止部34および本係止
部35に対応して、コネクタハウジング10に仮係合部
および本係合部が設けられてあるが、このコネクタハウ
ジング10の仮係合部および本係合部も撓み特性が要求
されることからも、コネクタハウジング10は可撓性を
有する合成樹脂で形成されるとよい。
【0174】そのような射出成形が可能な合成樹脂であ
って、熱可塑性的な性質を有する合成樹脂であり、さら
に可撓性を有する合成樹脂として、例えば、ポリブチレ
ンテレフタレート樹脂(PBTと略称する)、アクリロ
ニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABSと略称す
る)、ポリアミド樹脂(PAと略称する)、ポリプロピ
レン樹脂(PPと略称する)などが挙げられ、必要に応
じて合成樹脂に各種の充填材が添加されてあってもよ
い。
【0175】本発明の実施形態の一例で用いられるコネ
クタハウジング10,10′,10″,60、フロント
ホルダ20,70、スペーサ30,30′,80は、ポ
リブチレンテレフタレート樹脂(PBT)から形成さ
れ、寸法安定性、強度の安定性、電気的特性などの点で
優れたものとなっている。ポリブチレンテレフタレート
樹脂(PBT)として、例えばPBT−H01などが挙
げられる。
【0176】また、コネクタハウジング10,10′,
10″,60、フロントホルダ20,70、スペーサ3
0,30′,80などの成形体は、必要に応じてタンブ
リング処理いわゆるたる研磨処理が施され、このように
して金型から取出された後に、成形体に残されたバリが
取去られるようにしてもよい。
【0177】図1〜図9,図13〜図31の如く、コネ
クタハウジング10,10′,10″,60、フロント
ホルダ20,70、スペーサ30,30′,80などの
各角部は、必要に応じて面取り形状となっている。「面
取り」とは、1つの面と他の面との交わりの角(かど)
に斜面または丸みがつけられている状態をいう。C面取
りは斜面の形状をした面取りであり、R面取りは丸みを
おびた形状の面取りである。
【0178】このような面取り部分を設ける目的は、角
部に応力が集中されることを緩和させると共に、コネク
タハウジング10,10′,10″,60、フロントホ
ルダ20,70、スペーサ30,30′,80、コネク
タC1,C1′,C2を取り扱う作業者が、角部によっ
て手などに怪我をしてしまうといった障害の発生を予防
するためでもある。このような面取りは前記タンブリン
グ処理によって形成されてもよい。
【0179】図11(a)および図11(b)に示され
る雌端子90について説明する。雌端子は、内部に雄端
子を受入れて電気的な接続を行うもので雄端子の相手端
子を指し、接触荷重を発生させるばねなどの弾性接触片
を備えるものなどがある。発明の実施の形態で用いられ
る雌端子90は、上記雄端子40に対応した矩形の箱型
形状をしたもので、内部に弾性接触片96(図11
(a),図12)が備えられる雌端子である。このよう
な矩形の箱型形状をした雌端子の他に、各種形状をした
タブタイプ、角ピンタイプ、丸ピンタイプなどの雄端子
に対応して、略矩形筒状もしくは略円筒形状をした雌端
子などが挙げられ、あらゆる種類の雌端子が採用可能で
ある。
【0180】雌端子90は、まず、金属製板材に打抜き
加工が施されて端子金具素材が形成され、次に、この端
子金具素材に折曲げ加工が施されることにより、所定の
形状をした雌端子90が形成される。このようにして各
プレス加工が施されて形成された雌端子90は、電線接
続部91と、電気接触部94と、電線接続部91と電気
接触部94とを結ぶ連接部92と、仮係止用突部93a
および本係止用突部93bが形成されたものである。
【0181】雌端子90の電線接続部91は、導体圧着
片91aと千鳥状に設けられた2つの被覆圧着片91b
から形成されている。図11(a)の如く、ケーブル5
0等の電線50のうち、軟銅線などの銅系材料で形成さ
れた導体51が雌端子90に設けられた導体圧着片91
aによって加締められ、これにより雌端子90とケーブ
ル50は通電可能に接続されている。又、ケーブル50
を構成し、軟質樹脂材、ゴム材、又はこれらの混合材な
どから形成された絶縁被覆体52が、雌端子90の後側
に千鳥状に設けられた2つの被覆圧着片91bによって
加締められている。なお、図10に示される雄端子40
とケーブル50との接続状態も、図11(a)と共に説
明した前記加締めによる接続状態と同様なものとなって
いる。
【0182】図11(a)および図11(b)から分る
ように、雌端子90の電気接触部94は矩形筒状をした
箱型となって内部に端子収容室95aが形成されてい
る。図11(a)に示される雌端子90の電気接触部9
4の端子収容室95aに、図10に示される雄端子40
のタブ44が挿入される。
【0183】また図11の如く、雌端子90の仮係止用
突部93aと本係止用突部93bの間の部位が係止ラン
ス収容部93cとされ、本係止用突部93bと被覆圧着
片91bの間の部位が隔壁収容部93dとされている。
雌端子90の隔壁収容部93dに他のスペーサ80の傾
斜状の隔壁81cが嵌め込まれることで、雌端子90は
他のコネクタハウジング60に二次係止される(図1
9)。
【0184】雌端子90の電気接触部94について、図
11(a)および図12を用いて詳しく説明すると、雌
端子90の電気接触部94は、基壁95cと、この基壁
95cに略平行に対向して位置する他の壁95dと、前
記基壁95cの両側と前記他の壁95dの両側を結ぶ一
対の側壁95eから形成されて、矩形筒状をした箱型と
なっている。このようにして雌端子90の電気接触部9
4に端子収容室95aと開口95bが形成されている。
また、雌端子90の電気接触部94に弾性接触片96と
撓み支持片97が設けられている。
【0185】図12の如く、基壁95cに略平行に対向
して位置する他の壁95dが、端子収容室95a側に向
けて突出されて一対の突部95fが形成されている。基
壁95cに略平行に対向して位置する他の壁95dに設
けられた一対の突部95fは、雌端子90が雄端子40
のタブ44(図10,図23参照)と接続されるための
一対の接点95fとしての機能を果すものである。
【0186】雌端子90の電気接触部94の基壁95c
が、雌端子90の開口95bの近傍から端子収容室95
a内に向けて折返されて弾性接触片96が形成されてい
る。この弾性接触片96は、雌端子90の開口95bの
近傍に位置する折返し曲げ部96aから、端子収容室9
5aの内部側に向けて緩やかに傾斜されながら延長さ
れ、頂部96bを経て再び緩やかに傾斜されながら延長
されつつ形成され、弾性接触片96の自由端96cの近
傍にて弾性接触片96は基壁95cと接触されている。
【0187】弾性接触片96の自由端96cは、頂部9
6bから次第に基壁95cに近づいて当接した弾性接触
片96が、再び基壁95cから離反する方向に僅かに折
曲げられている。これによって形成された曲面が、端子
収容室95aを形成する基壁95cの内面と摺接可能に
接触される。このようにすれば、弾性接触片96の自由
端96cによって、雌端子90の基壁95cに傷がつけ
られ難くなり、弾性接触片96の自由端96cの動きは
スムーズなものとなる。
【0188】また、図12に示される弾性接触片96の
頂部96bの左右方向、すなわち、雌端子90を開口9
5b側から見て、矩形箱型をした雌端子90の端子収容
室95a内に存する弾性接触片96の頂部96bの幅方
向に、一対の係止突起が設けられている。前記弾性接触
片96の頂部96bの幅方向に設けられた前記一対の係
止突起は、図11(b)に示される雌端子90の一対の
側壁95eに設けられた窓95gに嵌合されて保持され
る。
【0189】図12の如く、雌端子90に設けられた弾
性接触片96の自由端96cが位置する部位の近傍か
ら、基壁95cの一部が打抜かれると共に端子収容室9
5a側に向けて緩やかに折られて撓み支持片97が形成
されている。この撓み支持片97は、前記弾性接触片9
6の自由端96cの近傍部位に対応した折れ部97aか
ら、端子収容室95aの内部側に向けて緩やかに傾斜さ
れながら延長され、前記弾性接触片96の頂部96bの
近傍部位に対応して形成された略スプーン形に近似の自
由端97bまで延長されている。
【0190】弾性接触片96の頂部96bの裏面が、撓
み支持片97の略スプーン形に近似の自由端97bの曲
面によって当接され且つ押圧されるようにすれば、撓み
支持片97の自由端97bによって、弾性接触片96の
頂部96bの裏面に傷がつけられ難くなり、弾性接触片
96の頂部96bの動きはスムーズなものとなる。
【0191】前記弾性接触片96と前記撓み支持片97
は、互いに弾性接触されたものである。前記弾性接触片
96に設けられた頂部96bは、雌端子90が雄端子4
0のタブ44(図10,図24参照)と接続されるため
の接点としての機能を果すものである。
【0192】図12に示される基壁95cに略平行に対
向して位置する他の壁95dに設けられた一対の接点9
5fと、弾性接触片96に設けられた頂部96bすなわ
ち他の接点96bとによって、図10に示される雄端子
40の電気接触部44すなわち雄タブ44の本体44b
が挟持されて、図24の如く、雄端子40と雌端子90
とが嵌合される。これにより、一方のコネクタC1から
他方のコネクタC2にかけて、雄端子40と雌端子90
を介して通電可能に接続される。
【0193】図12に示される雌端子90の基壁95c
に略平行に対向して位置する他の壁95dに設けられた
一対の接点95fと、弾性接触片96に設けられた他の
接点96bとの3点によって、雄端子の電気接触部が挟
持される。
【0194】このようにすれば、図22〜図24に示さ
れる雄端子40と雌端子90とが雄雌結合される際の摺
動抵抗が低下され、これにより、合計12極(図1,図
4,図5,図9,図13,図27,図28)といった多
極コネクタの雄雌嵌合が行われる際に、嵌合力は少しで
も軽減され、少しでもフィーリングのよい雄雌嵌合を行
うことができるコネクタを提供することができるものと
期待される。
【0195】なお、雌端子は、これの電気接触部94を
形成する基壁95cに2つの接点が設けられ、他の壁9
5dに1つの接点を有する弾性接触片が設けられた形状
のものであってもよく、また、雌端子90の端子収容室
95aに別の部品の弾性接触片が組付けられて構成され
る雌端子などといったいわゆる2部品端子であってもよ
く、本発明のホルダ付コネクタに用いられる雌端子は、
いかなる形態のものであってもよい。
【0196】上述した雄端子40、雌端子90などの端
子類もしくはバスバーの材質として、例えば、青銅、銅
合金などの銅系材料、アルミニウム合金などが挙げられ
る。本発明に用いられる雄端子40、雌端子90などの
端子類もしくはバスバーとして、通電機能を有する金属
材料、その他に電気を良好に通すことのできる導体であ
ればいかなる材質であってもよい。
【0197】また、耐食性を向上させるために、前記材
質にメッキなどの表面保護処理が施されたものであって
もよい。しかし通常使用される条件下で十分に性能を維
持できるのであれば、価格低減化の観点からも、そのよ
うな表面保護処理は省略されたものであることが好まし
い。
【0198】図20〜図24の如く、ホルダ付コネクタ
の接続構造の一実施形態は、コネクタハウジング10内
に、雄端子40と、雄端子40の電気接触部44すなわ
ち雄タブ44(図10)を保護または保持もしくは支持
するフロントホルダ20と、雄端子40を二重係止する
スペーサ30が収容されて構成された一方のコネクタC
1と、他のコネクタハウジング60内に雌端子90が収
容されて構成された他方のコネクタC2とを備えるもの
である。
【0199】図20の如く、他方のコネクタC2が、コ
ネクタの嵌合方向S4に沿うように一方のコネクタC1
へ向けて移動されてコネクタの嵌合が行われ始める。そ
して、一方のコネクタC1のコネクタハウジング10内
に収容されたフロントホルダ20の前面22c′に、他
方のコネクタC2の前面72c′が押圧する(図22,
図23)ことで、一方のコネクタC1のコネクタハウジ
ング10とフロントホルダ20との仮係止状態が本係止
状態に移行される。
【0200】図16〜図18の如く、一方のコネクタC
1を構成するコネクタハウジング10に仮係止の状態で
保持されていたフロントホルダ20は、押圧されること
で矢印S3に示されるスライド方向S3に摺接されつつ
移動され、その後、フロントホルダ20はコネクタハウ
ジング10に本係止される。
【0201】そして、一方のコネクタC1のコネクタハ
ウジング10とフロントホルダ20とが仮係止状態から
本係止状態へ移行されるのと同時に、一方のコネクタC
1の雄端子40と他方のコネクタC2の雌端子90との
接続(図24)が行われて、一方のコネクタC1と他方
のコネクタC2との嵌合が行われるものである。
【0202】このようにすれば、一方のコネクタC1の
コネクタハウジング10とフロントホルダ20の仮係止
状態から本係止状態への移行と、一方のコネクタC1の
雄端子40と他方のコネクタC2の雌端子90との接続
を同時に行うことができる。これにより、コネクタC
1,C2の嵌合動作は1回にまとめて行われることとな
り、一方のコネクタC1と他方のコネクタC2との嵌合
時のフィーリングを向上させることができる。
【0203】フロントホルダ20のコネクタハウジング
10への本係止は、一方のコネクタC1と他方のコネク
タC2との嵌合によって行われるものであるから、コネ
クタハウジング10とフロントホルダ20との本係止
と、一方のコネクタC1の雄端子40と他方のコネクタ
C2の雌端子90との接続が別々に行われるといったい
わゆる2段フィーリングの雄雌嵌合が行われることはな
い。
【0204】従って、一方のコネクタC1と、他方のコ
ネクタC2の接続の際に発生するものと懸念されていた
フロントホルダ20の中途半端な係止状態いわゆる中途
係止や、中途半端な嵌合状態いわゆる中途嵌合といった
不具合の発生を未然に防止することができる。
【0205】図23に示される如く、雄端子40のタブ
44が雌端子90の弾性接触片96に当接され始めるの
と略同時に、一方のフロントホルダ20の前面22c′
と、他のフロントホルダ70の前面72c′とが当接さ
れ始めて、フロントホルダ20,70どうしにかかる荷
重と、端子40,90どうしにかかる荷重とが略同時に
発生されることとなる。
【0206】また、図1および図7と、図16〜図18
と、図30の如く、フロントホルダ20の本体部22の
天壁22aに、フロントホルダ20の後側へ向けて延長
され、且つ、略U字形をした可撓性の片持ちアーム25
が設けられている。
【0207】また、コネクタハウジング10,10′内
に、片持ちアーム25の長手方向に沿ってコネクタハウ
ジング10,10′の後側に延長されたアーム収容部1
5が設けられている。このアーム収容部15は、後部開
口15bを有するアーム収容室15aを形成したものと
なっている。そして、コネクタハウジング10,10′
内に設けられたアーム収容部15の長手方向に沿って、
フロントホルダ20の片持ちアーム25は摺接可能とな
っている。
【0208】詳しく説明すると、図7,図17,図18
の如く、フロントホルダ20の片持ちアーム25を形成
する可撓変形枠25a内に、撓み空間25bが設けられ
ている。略U字形をした可撓変形枠25aを形成する一
方の枠25cの外側に、仮係止用突起25eが設けられ
ている。また、略U字形をした可撓変形枠25aを形成
する他方の枠25dの外側に、本係止用突起25fが設
けられている。そして、前記仮係止用突起25eは前記
本係止用突起25fよりもフロントホルダ20の片持ち
アーム25の後側に設けられて、仮係止用突起25eと
本係止用突起25fは片持ちアーム25に千鳥状に配置
されている。
【0209】また、図2,図3,図16,図17と、図
25,図26,図30の如く、コネクタハウジング1
0,10′のアーム収容部15は、天壁12aと隔壁1
2a′と一対の側壁15c,15dから囲まれてアーム
収容室15aが形成されたものである。そして、図17
および図18の如く、フロントホルダ20の片持ちアー
ム25を形成する一方の枠25cの外側の仮係止用突起
25eに対応して、アーム収容室15aの一方の側壁1
5cの内側に仮係合用突起15eが形成されている。
【0210】また、フロントホルダ20の片持ちアーム
25を形成する他方の枠25dの外側の本係止用突起2
5fに対応して、アーム収容室15aの他方の側壁15
dの内側に本係合用突起15fが形成されている。そし
て、仮係合用突起15eは本係合用突起15fよりもコ
ネクタハウジング10,10′のアーム収容部15の前
側に設けられて、仮係合用突起15eと本係合用突起1
5fはアーム収容室15a内に千鳥状に配置されてい
る。
【0211】このようにすれば、フロントホルダ20に
設けられた可撓性の片持ちアーム25は、コネクタハウ
ジング10,10′内のアーム収容部15に保護される
から、フロントホルダ20の可撓性の片持ちアーム25
が、コネクタハウジング10,10′,10″の外部に
露出されることがない。
【0212】従って、可撓性のフロントホルダ20に不
用意に他のものが当たり、これにより可撓性のフロント
ホルダ20に塑性変形が生じてしまい、このことから、
コネクタハウジング10,10′,10″に本係止され
たフロントホルダ20が、仮係止の状態に戻せなくなる
といった不具合の発生を未然に防止することができる。
C1,C1′などで示される一方のコネクタと、C2で
示される他方のコネクタとの嵌合後も、フロントホルダ
20の片持ちアーム25は外部に露出されずに、コネク
タハウジング10,10′,10″のアーム収容部15
内に収められて外部のものから保護される(例:図2
4)。
【0213】さらに、フロントホルダ20の可撓性の片
持ちアーム25は、これに係止・係合手段が備えられて
いるから、コネクタハウジング10,10′のアーム収
容室15aの内部で容易に仮係止の状態に維持されるこ
とが可能であると共に、容易に本係止の状態に維持され
ることができる。これにより、コネクタハウジング1
0,10′からフロントホルダ20が分離されてフロン
トホルダ20が見失われてしまい、このことから、コネ
クタハウジング10,10′内に備えられた雄端子40
がフロントホルダ20で保護されないといった不具合の
発生を未然に防止することができる。
【0214】また、図1および図7,図13,図16
と、図28の如く、フロントホルダ20を形成する本体
部22の左右幅方向の両側に、フロントホルダ20の後
側に向けて延長された一対の導入片24が形成されてい
る。そして、この一対の導入片24に対応して、図1〜
図4,図13,図16と、図25〜図28と、図31の
如く、コネクタハウジング10,10′,10″を形成
する一対の側壁12c,12c′,12c″の内面に、
あり溝形状(図4,図13,図27,図28)をした導
入片案内溝12eが形成されている。
【0215】このようにすれば、フロントホルダ20が
コネクタハウジング10,10′,10″内に収容され
始めてから、フロントホルダ20がコネクタハウジング
10,10′,10″に仮係止されるまでに、フロント
ホルダ20がこじられることなく、容易で迅速にフロン
トホルダ20は所定の姿勢でコネクタハウジング10,
10′,10″内に収容される。これにより、フロント
ホルダ20の片持ちアーム25は、この片持ちアーム2
5の長手方向に沿って形成されたコネクタハウジング1
0,10′,10″内のアーム収容部15内に、容易で
迅速に導き入れられることとなる。
【0216】また、図1および図9と、図19および図
20の如く、他方のコネクタC2を構成する他のコネク
タハウジング60に、雌端子90を保護もしくは保持
し、且つ、一方のコネクタC1のコネクタハウジング1
0内に備えられたフロントホルダ20と当接される他の
フロントホルダ70と、雌端子90を二重係止するため
の他のスペーサ80が備えられている。一方のコネクタ
C1を構成するコネクタハウジング10内に備えられた
フロントホルダ20の前壁22cの前面22c′と、他
方のコネクタC2を構成する他のフロントホルダ70の
前壁72cの前面72c′とが当接されると共に押圧さ
れるものである。
【0217】このようにすれば、他方のコネクタC2を
構成する他のコネクタハウジング60と他のフロントホ
ルダ70とが別体に形成され、これにより他のコネクタ
ハウジング60内に設けられた係止ランス61gなどの
複雑な形状の部位を容易に形成できると共に、他のコネ
クタハウジング60に備えられた雌端子90はフロント
ホルダ20により保護される。さらに他のコネクタハウ
ジング60の内部に備えられた雌端子90は、他のスペ
ーサ80によって二重係止されることにより、雌端子9
0は他のコネクタハウジング60に確実に取付けられる
こととなる。
【0218】図1〜図4,図9,図13〜図16,図1
9〜図22,図24〜図31の如く、他のコネクタハウ
ジング60に慣性ロック部64が設けられ、これに対応
して、コネクタハウジング10,10′,10″に係合
ロック部14が設けられている。一方のコネクタC1,
C1′と他方のコネクタC2は、慣性ロック構造が備え
られたものとなっており、中途半端な雄雌嵌合が行われ
ないコネクタの接続構造となっている。このような中途
嵌合の防止機能が備えられたコネクタC1,C1′,C
2が用いられると、よりスムーズな雄雌嵌合を行えるホ
ルダ付コネクタの接続構造となり好ましい。
【0219】以上の如く、実施の形態の一例に示された
ホルダ付コネクタC1,C1′,C2は、慣性ロック機
構を備えたコネクタC1,C1′,C2に関するもので
あるが、通常のロック機構を備えるものにおいても、両
フロントホルダ20,70の前面22c′,72c′の
当接によるフロントホルダ20のコネクタハウジング1
0への本係止と、各端子40,90の接続および嵌合の
タイミングが同じであれば、通常のロック機構を備える
ものであっても、スムーズなコネクタの雄雌嵌合が行わ
れることとなる。通常のロック機構のものは、中途嵌合
防止機能は備えられていないものであるが、本発明の目
的を損なわないものであれば、あらゆる形態のロック機
構が本発明に採用されても何ら支障はないものである。
【0220】
【発明の効果】以上の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、ランスの撓み量を確保する逃げ部がコネクタハウジ
ングの基壁に設けられてあるから、小型化されたコネク
タハウジングであっても、コネクタハウジングに端子が
取付けられる際に、端子に押圧されて撓まれたランスが
コネクタハウジングの基壁と干渉されることなく、端子
をコネクタハウジングに取付けることができる。
【0221】また、請求項2記載の発明によれば、コネ
クタハウジングの基壁にランスの撓み量を確保する溝が
端子挿入方向に沿って設けられてあるから、コネクタハ
ウジングの大幅な機械的強度の低下は避けられ、コネク
タハウジングに必要とされる機械的強度を確保すること
ができる。また、端子挿入方向に沿ってコネクタハウジ
ングの基壁に溝が設けられたものであるから、コネクタ
ハウジングを形成する際に、容易にこれの基壁に溝を形
成させることが可能となる。
【0222】また、請求項3記載の発明によれば、コネ
クタハウジングが左右幅方向に小型化されたものであっ
ても、ランスやコネクタハウジングの機械的強度が大幅
に低下されることなく、これらの機械的強度を確保する
ことができる。これと共に、ランスが撓まれた際に、ラ
ンスをコネクタハウジングの基壁に設けられた逃げ部に
干渉させたり引掛らせることなく、ランスをコネクタハ
ウジングの基壁の逃げ部に良好に収めることが可能とな
る。
【0223】また、請求項4記載の発明によれば、コネ
クタハウジングの一方の側壁から他方の側壁の近傍にか
けて、コネクタハウジングの基壁のランスに対応した部
位に、このランスの撓み量を確保する溝が端子挿入方向
と直交する方向に沿って設けられてあるから、コネクタ
ハウジングの基壁には、必要最小限のランスの撓み量を
確保できる溝が設けられてあればよいことになる。これ
により、コネクタハウジングを形成する基壁の肉厚の薄
肉化によるコネクタハウジングの大幅な機械的強度の低
下は避けられ、コネクタハウジングに必要とされる機械
的強度を確保することが可能となる。
【0224】また、請求項5記載の発明によれば、スペ
ーサは、端子をコネクタハウジングの端子収容室に二次
係止し、コネクタハウジングの端子収容室に確実に端子
を固定するためにコネクタに備えられたものであるか
ら、端子をコネクタハウジングとスペーサとで確実に二
重係止させることが可能となる。
【0225】また、請求項6記載の発明によれば、端子
をコネクタハウジングとスペーサに確実に二重係止させ
ることができる。また、コネクタハウジングの側壁側か
らでないと、スペーサの本係止またはスペーサの本係止
の解除を行うことができないような部位にホルダ付コネ
クタが用いられたとしても、煩わしい作業などが伴われ
ることなく、容易で迅速にスペーサの本係止を行うこと
ができたり、また、スペーサの本係止を解除することが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るホルダ付コネクタの一実施例を示
す分解斜視図である。
【図2】コネクタハウジングを示す斜視図である。
【図3】同じくコネクタハウジングを示す縦断面図であ
る。
【図4】コネクタハウジングを示す正面図である。
【図5】同じくコネクタハウジングを示す正面図であ
る。
【図6】ランスを示す斜視図である。
【図7】フロントホルダを示す斜視図である。
【図8】スペーサを示す斜視図である。
【図9】他のコネクタハウジングに他のフロントホルダ
と他のスペーサが組付けられた状態を示す斜視図であ
る。
【図10】雄端子と電線の組付け状態を示す側面図であ
る。
【図11】(a)は雌端子と電線の組付け状態を示す縦
断面図、(b)は同じく側面図である。
【図12】図11(a)のE部の拡大説明図である。
【図13】フロントホルダが取付けられたコネクタハウ
ジングを示す正面図である。
【図14】端子がコネクタハウジングに一次係止される
状態を示す縦断面図である。
【図15】端子がコネクタハウジングに一次係止された
状態を示す縦断面図である。
【図16】スペーサによりコネクタハウジングに端子が
二次係止された状態を示す縦断面図である。
【図17】図16のQ−Q断面図である。
【図18】図17のF部の拡大説明図である。
【図19】他方のコネクタを示す縦断面図である。
【図20】一方のコネクタと他方のコネクタとが嵌合さ
れる前の状態を示す縦断面図である。
【図21】一方のコネクタと他方のコネクタとが嵌合さ
れ始めた状態を示す縦断面図である。
【図22】一方のコネクタと他方のコネクタとが嵌合さ
れている途中の状態を示す縦断面図である。
【図23】図22のG部の拡大説明図である。
【図24】一方のコネクタと他方のコネクタとの嵌合動
作が終了された状態を示す縦断面図である。
【図25】他の実施形態のコネクタハウジングを示す斜
視図である。
【図26】同じく他の実施形態のコネクタハウジングを
示す縦断面図である。
【図27】同じく他の実施形態のコネクタハウジングを
示す正面図である。
【図28】フロントホルダが取付けられたコネクタハウ
ジングを示す他の実施形態の正面図である。
【図29】端子がコネクタハウジングに一次係止される
状態を示す他の実施形態の縦断面図である。
【図30】端子がコネクタハウジングに一次係止された
状態を示す他の実施形態の縦断面図である。
【図31】その他の実施形態のコネクタハウジングとス
ペーサを示す分解斜視図である。
【図32】端子がコネクタハウジングに一次係止される
際に発生する不具合の状態を示す他の参考例の縦断面図
である。
【図33】端子がコネクタハウジングに係止される状態
を示す従来のコネクタの縦断面図である。
【図34】端子がコネクタハウジングに係止された状態
を示す従来のコネクタの縦断面図である。
【図35】端子がコネクタハウジングに係止される際に
発生する不具合の状態を示す他の従来のコネクタの縦断
面図である。
【符号の説明】
10,10′,10″ コネクタハウジング 11a,61a 端子収容部(端子収容室) 11g,11g′,61g ランス(係止ランス、端
子係止ランス、ターミナル係止ランス) 11r テーパ面 12b,12b′,62b 基壁(底壁) 12c,12c′,12c″,62c 側壁 12d,12d′ 開口 12f 逃げ部(逃げ溝、溝、多条溝、
溝底面) 12f′ 逃げ部(逃げ溝、溝) 12r 傾斜面 20 ホルダ(フロントホルダ) 30 スペーサ 30′ スペーサ(サイドスペーサ) 31c,81c 傾斜状の隔壁 31c′ 隔壁 40 端子(雄端子) C1,C1′ コネクタ(ホルダ付コネクタ、
一方のコネクタ)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端子を一次係止するランスが設けられた
    コネクタハウジングと、該コネクタハウジングの該ラン
    スに係止される該端子と、該端子を保護もしくは保持す
    るホルダとを備え、該コネクタハウジングに該端子が取
    付けられる際に、該ランスの撓み量を確保する逃げ部
    が、該コネクタハウジングの基壁に設けられたことを特
    徴とするホルダ付コネクタ。
  2. 【請求項2】 前記逃げ部は、前記ランスに対応して、
    前記コネクタハウジングの前側開口から該ランスの根元
    近傍まで、端子挿入方向に沿って直線に設けられた溝で
    あることを特徴とする請求項1記載のホルダ付コネク
    タ。
  3. 【請求項3】 前記ランスの前記基壁側に一対のテーパ
    面が設けられ、該一対のテーパ面に対応して、前記コネ
    クタハウジングの該基壁に形成された前記逃げ部に一対
    の傾斜面が設けられたことを特徴とする請求項1又は2
    記載のホルダ付コネクタ。
  4. 【請求項4】 前記逃げ部は、前記ランスに対応して、
    前記コネクタハウジングの一方の側壁から他方の側壁の
    近傍にかけて、端子挿入方向と直交する方向に沿って設
    けられた溝であることを特徴とする請求項1記載のホル
    ダ付コネクタ。
  5. 【請求項5】 前記コネクタハウジングに前記端子を二
    次係止するためのスペーサが備えられ、該コネクタハウ
    ジングに仮係止された該スペーサが、該コネクタハウジ
    ングの前記基壁側から押圧されると共に該コネクタハウ
    ジングに本係止されることで、該端子は、該コネクタハ
    ウジングの端子収容室に一体に形成された前記ランス
    と、該スペーサに形成された傾斜状の隔壁とで二重係止
    されることを特徴とする請求項1〜4の何れか記載のホ
    ルダ付コネクタ。
  6. 【請求項6】 前記コネクタハウジングに前記端子を二
    次係止するためのスペーサが備えられ、該スペーサが、
    該コネクタハウジングの側壁側から挿入されると共に該
    コネクタハウジングに本係止されることで、該端子は、
    該コネクタハウジングの端子収容室に一体に形成された
    前記ランスと、該スペーサに形成された隔壁とで二重係
    止されることを特徴とする請求項1〜4の何れか記載の
    ホルダ付コネクタ。
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