JP2003014733A - 唾液サンプル調製セット - Google Patents

唾液サンプル調製セット

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JP2003014733A
JP2003014733A JP2001202537A JP2001202537A JP2003014733A JP 2003014733 A JP2003014733 A JP 2003014733A JP 2001202537 A JP2001202537 A JP 2001202537A JP 2001202537 A JP2001202537 A JP 2001202537A JP 2003014733 A JP2003014733 A JP 2003014733A
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saliva
absorber
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rod
preparation set
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JP2001202537A
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Naoki Hasegawa
直樹 長谷川
Sumire Otani
すみれ 大谷
Katsuaki Sakaguchi
勝亮 阪口
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Mitsubishi Kagaku Iatron Inc
Original Assignee
Iatron Laboratories Inc
Mitsubishi Kagaku Iatron Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 患者にとってより安全に唾液を採取すること
ができ、しかも、低コストで使い捨て可能な唾液サンプ
ル調製セットを提供する。 【解決手段】 前記唾液サンプル調製セット10は、唾
液吸収採取用具1と唾液分離回収用遠心管2とを含む。
前記唾液吸収採取用具は、処理棒12、処理棒の先端担
持部に着脱自在に担持可能な唾液吸収体11、及び唾液
吸収体を処理棒から離脱可能な押出手段13を含む。前
記処理棒は、唾液吸収体を着脱自在に担持可能な先端担
持部と操作領域とを含み、前記操作領域は、押出手段の
保持部と把持部とを含む。前記唾液分離回収用遠心管
は、区分手段22で区分けされた唾液吸収体収容室24
と唾液回収室23とが、開口端部から閉鎖端部への方向
に向かって、この順に設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、唾液サンプル調製
セットに関する。本発明の唾液サンプル調製セットを用
いると、患者に苦痛を与えない非侵襲的方法で唾液サン
プルを採取することができる。また、採取した唾液サン
プルは、例えば、感染症の起因菌又は起因ウイルスに対
する抗体であって、唾液中に含まれるIgA抗体又はI
gG抗体を免疫学的に分析(検出又は測定)するのに用
いることができる。
【0002】
【従来の技術】感染症の疑いのある患者を診断する場合
には、起因菌又は起因ウイルスの迅速な同定法の開発が
望まれる。培養が難しいウイルスや細菌では、患者の血
液、髄液、又は尿などに存在するこれらの抗原の検査
や、血液中に存在する抗体の検査が行なわれている。し
かし、唾液を用いる非侵襲的な抗体検査は、まだ、実用
的な検査方法が確立していないため、国内では行われて
いない。例えば、結核菌の感染症の疑いがある患者の場
合には、喀痰を採取し、抗酸菌検査、培養検査、又は遺
伝子検査などのように、患者に対して非侵襲的な検査が
行われているが、老人や小児では喀痰を採取することが
できない場合がある。
【0003】これに対して、唾液は簡単に採取すること
が可能であり、唾液中に含まれるIgA抗体及び/又は
IgG抗体を測定することにより、患者への非侵襲的検
査を行なうことができ、例えば、後述の実施例に示すよ
うに結核症の診断に有用な情報を提供することができ
る。なお、ヒトの唾液中には、健常者の抗体組成とし
て、IgAが19mg/100mL、IgGが1.4m
g/100mL、IgMが0.2mg/100mLの量
が含まれているとの報告があり、圧倒的に分泌型IgA
が多いことが知られている[早川太郎・須田立雄著「口
腔生化学」第二版(1994年)医歯薬出版、第174
頁]。また、村山らは、脱脂綿を用いてヒト唾液サンプ
ルを採取し、血清、唾液、及び尿中のタンパク質含有量
(アルブミン、トランスフェリン、全タンパク質、並び
にIgG及びIgAなど)を比較したデータを報告して
いる[Nutrition Research,19,
979−989(1999)]。
【0004】唾液サンプルの採取方法としては、虫歯予
防検査では、ワックスを噛んで唾液の分泌を刺激し、唾
液用ロートを付けたスピッツ管の中に唾液をためる方法
(唾液サンプル調製セット)が用いられている。また、
研究目的で唾液を採取する場合の簡易法としては、例え
ば、ピンセットなどを用いて脱脂綿やスポンジを患者の
口中に含ませる方法、あるいは、唾液吸引装置を用いる
方法などが用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ピンセットな
どを用いて脱脂綿などを患者の口中に含ませるサンプル
採取方法では、患者の口中をピンセットで傷つける恐れ
がある。また、唾液吸引装置を用いるサンプル採取方法
では、唾液吸引装置自体が大がかりであり、コスト高と
なる欠点がある。また、感染性の疑いがある患者の唾液
サンプルを採取する場合、医療従事者への感染の危険性
を避けることが必要であるため、使い捨て可能な採取器
具が望ましい。従って、本発明の課題は、患者にとって
より安全に唾液サンプルを採取することができ、しか
も、低コストで使い捨て可能な唾液サンプル調製セット
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の前記課題は、本
発明による、 (1)(a)唾液吸収体を着脱自在に担持可能な先端担
持部と、操作領域とを含み、しかも、前記操作領域が、
前記押出手段の保持部と、把持部とを含む、処理棒、
(b)前記処理棒の先端担持部に着脱自在に担持するこ
とのできる唾液吸収体、及び(c)前記処理棒に保持す
ることができ、前記唾液吸収体を前記処理棒から離脱さ
せることのできる押出手段を含む唾液吸収採取用具;並
びに (2)前記唾液吸収体は通過することができないが、唾
液は通過することのできる区分手段で区分けされた前記
唾液吸収体の収容室と唾液回収室とが、開口端部から閉
鎖端部への方向に向かって、この順に設けられた唾液分
離回収用遠心管を含むことを特徴とする、唾液サンプル
調製セットにより解決することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の唾液サンプル調製セット
は、(1)唾液吸収採取用具と(2)唾液分離回収用遠
心管とを含み、所望により、うがい用カップ、精製水、
又は生理食塩水などを更に含むことができる。以下、添
付図面に沿って、本発明の唾液サンプル調製セットを説
明する。図1は、本発明の唾液サンプル調製セット10
における唾液吸収採取用具1の一態様を示す斜視図であ
り、図3は、本発明の唾液サンプル調製セット10にお
ける唾液分離回収用遠心管2の一態様を示す斜視図であ
る。
【0008】図1に示す唾液吸収採取用具1は、唾液吸
収体としての綿球11と、処理棒としての細円筒管(例
えば、細ストロー)12と、押出手段としての太円筒管
(例えば、太ストロー)13と、所望により設けること
のできるストッパー14とからなる。前記細円筒管12
の先端担持部12aには、掛止手段としての花弁状突起
群12cが設けられており、その状態を拡大して図2に
示す。なお、図2では、先端担持部12aに担持されて
いる綿球11は省略してある。
【0009】前記細円筒管12の先端担持部12aの先
端に設けることのできる花弁状突起群12cは、例え
ば、細円筒管12の先端部に、軸方向に沿って複数の切
り込み(例えば、14a,14b)を入れて複数の分割
片(例えば、15a,15b,15c,15d,15
e,15f)を形成し、それらの分割片を外側に押し曲
げて拡げることにより形成することができる。本発明で
用いることのできる掛止手段は、先端担持部の領域にお
いて、唾液吸収体(例えば、綿球)を着脱自在に担持す
ることができる構造である限り、特に限定されるもので
はなく、例えば、先端担持部の側壁又は末端に設けた1
又は複数の突起部(例えば、トゲ状突起部)であること
もできる。
【0010】前記細円筒管の先端担持部には、唾液吸収
体(例えば、綿球)の1個又は複数個を担持させること
ができる。唾液吸収体(例えば、綿球)を先端担持部に
担持させるために、唾液吸収体(例えば、綿球)に貫通
孔又は非貫通孔を設けるのが好ましい。図1に示すよう
に、前記細円筒管12の先端担持部12aに1個の綿球
11を担持させる場合には、貫通孔を有する綿球11を
用い、その綿球11の貫通孔に前記先端担持部12aを
貫通させ、貫通孔の出口で花弁状突起群12cによって
掛止させることができる。あるいは、非貫通孔を有する
綿球を用いて、その綿球の非貫通孔に前記先端担持部1
2aを挿入し、綿球の内部で、花弁状突起群12cによ
って掛止させることができる。前記細円筒管12の先端
担持部12aに複数個の綿球を担持させる場合には、更
に、貫通孔を有する複数個の綿球を用いて、綿球の貫通
孔に前記先端担持部12aを次々に貫通させ、最後の綿
球の貫通孔の出口で花弁状突起群12cによって掛止さ
せることもできる。あるいは、最後に挿入する綿球のみ
を、非貫通孔を有する綿球とし、その綿球の内部で、花
弁状突起群12bによって掛止させることができる。
【0011】また、図1に示す唾液吸収採取用具1にお
いては、ストッパー14を設けることにより、綿球11
が、細円筒管12の軸方向に沿って内側方向(矢印Bで
示す方向)に移動しないようにすることができる。図1
に示す態様のストッパー14は、例えば、細円筒管12
と同じ直径で可撓性材料からなる円筒管(例えば、プラ
スチック製ストロー)を短く切断し、更に縦方向(軸方
向)に一端から他端まで完全に縦走する切り込み部14
aを設けることにより、作成することができる。図1に
示す唾液吸収採取用具1においては、前記ストッパー1
4の切り込み部14に、綿球11を構成する繊維の一部
を絡ませて綿球11を係止することによって、綿球11
の移動を防止することができる。その他、ストッパーと
して、前記処理棒(例えば、細円筒管)の先端担持部に
担持されている唾液吸収体(例えば、綿球)を、前記処
理棒(例えば、細円筒管)の軸方向に沿って内側方向
(図1の矢印Bで示す方向)に移動させない構造を有す
る1又は複数個の突出片を前記処理棒(例えば、細円筒
管)の側面に、直接あるいは任意の担体を介して、設け
ることもできる。
【0012】太円筒管13は、細円筒管12の外径及び
前記ストッパー14の外径よりも太い内径を有し、細円
筒管12の軸方向に沿って、自由に移動させることがで
きる。細円筒管12は、先端担持部12aと、操作者が
処理棒を手に掴むための把持部12bと、太円筒管13
を保持する保持部とからなる。図1に示す態様の細円筒
管12における保持部とは、先端担持部12aと把持部
12bとの間の部分であって、太円筒管13で覆われて
いる部分である。
【0013】本発明で用いることのできる唾液吸収体
は、口腔内で、口腔内又は舌と接触させて唾液を吸収す
ることができ、しかも、唾液を吸収させた後、遠心によ
り唾液吸収体から唾液を分離することが可能である限
り、その材料及び構造は特に限定されるものではない。
前記唾液吸収体としては、例えば、液体吸収性材料(例
えば、繊維材料、特には、綿又はウール)からなる唾液
吸収体、あるいは、液体吸収性構造(例えば、発泡体な
どの多孔質構造)を有する唾液吸収体などを挙げること
ができる。また、唾液吸収体の形状及び大きさは、口中
に含むことができる限り、特に限定されるものではな
く、その形状も、大略球状又は大略楕球状であることが
できる。好ましい唾液吸収体は、脱脂綿からなる綿球で
ある。
【0014】本発明で用いることのできる処理棒は、一
方の端部に唾液吸収体を着脱自在に担持することができ
る先端担持部を有し、他方の端部側に操作領域を含む限
り、特に限定されるものではない。前記操作領域には、
操作者が前記処理棒を手で扱うための把持部と、押出手
段の保持部とが含まれる。処理棒の形状としては、例え
ば、筒状(例えば、円筒状又は多角筒状)又は柱状(円
柱状又は多角柱状)であることができる。処理棒の先端
担持部の形状も、唾液を吸収採取する際に、唾液吸収体
が先端担持部から離脱することがなく、しかも、唾液吸
収体を唾液分離回収用遠心管の収容室へ移行させる際
に、唾液吸収体を離脱させることができる限り、特に限
定されるものではない。処理棒の材料は、液体非吸収性
であることが好ましく、例えば、プラスチック又は金属
からなることができる。
【0015】本発明で用いることのできる押出手段は、
処理棒の先端担持部に担持された唾液吸収体を、処理棒
の軸方向に沿って外側方向(矢印Aに示す方向)に押し
出すことにより、前記処理棒から離脱させることができ
る限り、特に限定されるものではなく、例えば、図1に
示すような、処理棒の外周に沿って設けられ、且つ処理
棒の長さ方向に移動可能な押出用筒状体、あるいは、円
筒状処理棒の内部に設けられ、処理棒の長さ方向に移動
可能で、且つ先端担持部側の末端で円筒状処理棒の外側
に突出する押圧部材を有する押出用ピストンを挙げるこ
とができる。
【0016】前記押出手段として、押出用筒状体を用い
る場合には、その内径を処理棒の外径よりも大きくし
て、押出用筒状体が処理棒の軸方向へ移動可能にする必
要がある。円筒状ストッパーを設ける場合には、その外
径よりも、押出用筒状体の内径を大きくする。ストッパ
ーとして、処理棒の側壁の一部に突出部を有するストッ
パーを設ける場合には、その一部突出部を超えて軸方向
への移動を可能にする内径とするか、あるいは、押出用
筒状体の側壁の一部に、一部突出部を押出用筒状体の外
側へ露出させるスリット部を設けて、軸方向への移動を
可能にすることもできる。また、押出用筒状体の一方の
端部をそのまま唾液吸収体と接触させて唾液吸収体を押
し出す場合には、その端部の外径を唾液吸収体の外径よ
りも小さくする必要がある。前記押出用筒状体が唾液吸
収体と接触する端部に、別途に押圧部材を設け、その押
圧部材によって唾液吸収体を離脱させることもできる。
押出用筒状体の長さは、処理棒における唾液吸収体担持
末端とは反対側の末端が、唾液採取時に把持部として露
出する(すなわち、押出用筒状体に覆われることがな
い)限り、特に限定されるものではない。
【0017】図3に示す唾液分離回収用遠心管2は、プ
ラスチックチューブ21内に、区分手段としての保持台
22を有し、前記保持台22によって、唾液吸収体収容
室23と唾液回収室24とに区分けされている。図3に
示す保持台22は、例えば、相互に嵌合可能な溝22
a’,22b’を有する一対の平板22a,22bを組
み合わせることにより形成することができる。組み合わ
せる前の状態の平板22a,22bを、それぞれ、図4
(a)及び図4(b)に示す。図4に示す各平板22
a,22bは、それぞれ、長方形状の平板の隣り合う2
角を切り落とし、更に、それらの切り落とした4角が同
一面方向に揃うように嵌合可能な溝22a’又は22
b’を設けた構造をしている。一方、プラスチックチュ
ーブ21の底部は、末端に近づくほど内径が狭くなる逆
円錐形状であるため、保持台22は、切り落とした4角
から形成される面をプラスチックチューブ21の逆円錐
形状の底部と接触した状態で、プラスチックチューブ2
1内に配置されている。
【0018】本発明で用いることのできる唾液分離回収
用遠心管は、唾液を吸収させた唾液吸収体から唾液を分
離するのに充分な遠心操作を実施することができる遠心
管である限り、特に限定されるものではなく、通常の遠
心管に前記の保持台を挿入することによって作成するこ
とができる。
【0019】本発明で用いることのできる区分手段は、
唾液分離回収用遠心管内に唾液吸収体を納めた状態で遠
心した場合に、前記唾液吸収体は通過することができな
いが、唾液は通過することができる限り、特に限定され
るものではない。前記区分手段としては、例えば、図3
に示すような保持台、あるいは、平板状網板などを挙げ
ることができる。本発明では、前記区分手段を、唾液分
離回収用遠心管と分解可能(すなわち、取り外し可能)
な状態で配置することもできるし、あるいは、区分手段
と唾液分離回収用遠心管とを一体化した状態で形成させ
ることもできる。
【0020】(1)唾液吸収採取用具と(2)唾液分離
回収用遠心管とを含む本発明の唾液サンプル調製セット
を用いると、特に限定されるものではないが、例えば、
以下の手順に従って、唾液サンプルを採取することがで
きる。唾液サンプル被採取者が、所望により水(例え
ば、精製水)でうがいをした後、唾液吸収採取用具の唾
液吸収体(例えば、綿球)を、歯茎の内側と舌との間に
入れ、前記唾液吸収体が濡れるまで(例えば、5分間〜
20分間)待つ。続いて、図5の工程Aに示すように、
唾液吸収採取用具1の唾液吸収体11部分を、唾液分離
回収用遠心管2の内部に挿入した状態で、唾液吸収採取
用具1の押出手段13を下方向(矢印Aで示す方向)に
押出すことにより、図5の工程Bに示すように、前記唾
液吸収体11のみを唾液分離回収用遠心管2の収容室2
4(すなわち、区分手段22の上)に落下させる。唾液
分離回収用遠心管2を遠心分離(例えば、3000回転
で5分間)することにより、唾液吸収体11に吸収され
ていた唾液が、唾液分離回収用遠心管2の唾液回収室2
3に回収されるので、この唾液を適当な吸引手段、例え
ば、チップ又はパスツールピペットで分取して、唾液サ
ンプルを調製することができる。こうして得られた唾液
サンプルをそのまま分析に使用するか、あるいは、分析
に使用するまで保管することができる。所望により、分
析前に、適当な緩衝液などで希釈してから、分析用サン
プルとして用いることもできる。
【0021】本発明の唾液サンプル調製セットで採取し
た唾液サンプルは、公知の種々の分析方法により分析す
ることができる。例えば、感染症の起因菌又は起因ウイ
ルスに対する唾液中に含まれるIgA抗体又はIgG抗
体を免疫学的に分析(検出、又は測定)する方法に用い
ることができる。より具体的には、例えば、結核菌A6
0抗原を用いて、唾液サンプル中に含まれるA60抗原
特異的IgA抗体及び/又はIgG抗体を免疫学的に分
析することにより、結核菌の感染の有無、すなわち、結
核症を診断するための抗体検査を迅速に行なうことがで
きる。
【0022】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。
【実施例1】《唾液の採取》本実施例では、図1に示す
唾液吸収採取用具1と、図3に示す唾液分離回収用遠心
管2(区分手段として、図4に示す平板22a,22b
からなる保持台22を含む)とを含む本発明の唾液サン
プル調製セットを用いて、以下の手順により、結核菌を
排菌している患者6名から唾液サンプルを採取した。な
お、唾液吸収採取用具1の各寸法は、図1において、a
が125mmであり、bが55mmであり、cが10m
mであった。また、綿球(川本産業)11の直径は10
mmであり、細円筒管12の直径は3mmであり、太円
筒管13の直径は5mmであった。また、図4におい
て、平板22a,22bの各寸法は、dが12mmであ
り、eが16mmであり、fが12mmであり、gが1
6mmであった。また、プラスチックチューブ21とし
て、15mL遠心チューブを使用した。
【0023】まず、精製水(約10mL)でうがいをし
た後、綿球を舌と歯茎の内側との間に入れ、綿球が唾液
で濡れるまで待ち(約10分間)、唾液を吸収させた。
綿球のみを唾液分離回収用遠心管に移し、遠心分離器を
用いて、3,000回転で5分間遠心分離を実施した。
パスツールピペットで、底部の溶液を分取して得た唾液
サンプルを、後述の実施例2で使用するまで、−20℃
で保存した。
【0024】
【実施例2】《A60抗原を用いた唾液中の抗体(Ig
A及びIgG)の測定》抗体(IgA及びIgG)の測
定は、結核菌A60抗体検査キット[AndaBioc
hemicals社(フランス)]を使用した。実施例
1で採取した唾液サンプルをリン酸緩衝化生理食塩水
[PBS;10mmol/Lリン酸バッファー(pH
7.4)及び0.15mol/L塩化ナトリウム]で2
0倍に希釈し、その希釈液100μlずつをIgA抗体
測定用マイクロプレート及びIgG抗体測定用マイクロ
プレートに加え、37℃で1時間反応させた。反応終了
後、洗浄装置(DIA−WASHERII装置;ダイアヤ
トロン)を用いて、洗浄用バッファー[1%ウシ血清ア
ルブミン(BSA)及び0.2%Tween20を含有
するPBS]で5回洗浄した。
【0025】次に、二次抗体として、ペルオキシダーゼ
標識抗ヒトIgAモノクローナル抗体、又はペルオキシ
ダーゼ標識抗ヒトIgGモノクローナル抗体を加え、3
7℃で30分間反応させた後、前記洗浄用バッファーで
5回洗浄した。続いて、基質溶液(Tetra−Met
hyl−Benzidine及び0.02%H22)を
加え、37℃で15分間反応させた後、反応停止液
(0.5N硫酸)を加えて反応を停止させた。この発色
は、マイクロプレートリーダー(MPR−A4i装置;
東ソー)を用いて、450nmの吸光度により測定し
た。なお、IgA抗体量及びIgG抗体量は、IgA抗
体及びIgG抗体の各々標準品(1U/mL,2U/m
L,4U/mL,8U/mL,16U/mL)を用い
て、換算した。
【0026】結果を、後述の参考例1の結果(ガフキー
号数)と併せて、表1に示す。表1における唾液中Ig
A抗体の判定において、記号「+」は、唾液中IgA抗
体量が10U/mLを越えることを意味し、記号「±」
は、5〜10U/mLであることを意味し、記号「−」
は、5U/mL未満であることを意味する。また、表1
における唾液中IgG抗体の判定において、記号「+」
は、唾液中IgG抗体量が5U/mL以上であることを
意味し、記号「−」は、5U/mL未満であることを意
味する。実施例1と同じ結核菌患者6名から採取した唾
液を検査材料に用い、A60抗原に反応するIgA抗体
又はIgG抗体の抗体価を確認したところ、表1に示す
ように、唾液中のIgA抗体が上昇している患者(患者
番号2、患者番号3、及び患者番号6の各患者)と、唾
液中のIgG抗体が上昇している患者(患者番号1の各
患者)とがいることが明らかになった。
【0027】 《表1》 患者 ガフキー 唾液中IgA抗体 唾液中IgG抗体 番号 号数 U/mL 判定 U/mL 判定 1 10号 9.8 ± 9.2 ± 2 4号 47.8 + 0.0 − 3 3号 75.2 + 0.0 − 4 3号 5.0 ± 0.0 − 5 4号 7.0 ± 0.0 −6 6号 92.6 + 0.0 −
【0028】
【参考例1】《結核菌患者の排菌の有無の確認》実施例
1で唾液採取を実施した患者6名における排菌(結核菌
が喀痰中に存在すること)の有無は、ガフキー号数(0
号〜10号)により確認した。すなわち、各患者より採
取した喀痰をスライドガラスに塗布し、自然乾燥させた
後、塗抹面を上にして火炎の中を2〜3回ゆっくりと通
過させて固定することにより、標本を作製した。石炭酸
フクシン及びメチレンブルーを用いるチール・ネルゼン
法により、前記標本における抗酸菌の染色を行なった。
前記染色により、抗酸菌は赤く染まり、その他の細胞及
び一般細菌は青く染まるので、鏡検(倍率=1000
倍)により抗酸菌数を調べ、ガフキー号数で示した[金
井正光編「臨床検査法提要」(1993年)金原出版、
第1112頁]。結果を表1に示す。
【0029】
【参考例2】《A60抗原を用いた血清中の抗体(Ig
A及びIgG)の測定》結核菌菌体タンパク質の構成成
分であるA60タンパク質複合体に対する抗体(IgA
又はIgG)は、結核感染患者の血液中に存在すること
が明らかになっている[Klin.Wochensch
r.,69,696−709(1991)、及びMed
ical Hypotheses,52,583−59
3(1999)]。本参考例では、実施例1で唾液採取
を実施した患者6名から採取した血液中の抗体量を測定
した。すなわち、実施例1で唾液採取を実施した患者6
名から、血液を採血した後、遠心分離(3,000rp
m×10min)し、血清を得た。この血清をPBSで
100倍に希釈した後、この希釈液100μlずつを用
いて、以下、実施例2と同様の操作により、IgA抗体
及びIgG抗体の測定を行なった。なお、血清について
は、IgA抗体及びIgG抗体の各々標準品(1U/m
L,2U/mL,4U/mL,8U/mL,16U/m
L)を用いて、換算した。
【0030】結果を、先述の参考例1の結果(ガフキー
号数)と併せて、表2に示す。表2における血清IgA
抗体の判定において、記号「+」は、唾液中IgA抗体
量が350U/mLを越えることを意味し、記号「±」
は、200〜350U/mLであることを意味し、記号
「−」は、200U/mL未満であることを意味する。
また、表2における血清IgG抗体の判定において、記
号「+」は、唾液中IgG抗体量が225U/mLを越
えることを意味し、記号「±」は、125〜225U/
mLであることを意味し、記号「−」は、125U/m
L未満であることを意味する。
【0031】 《表2》 患者 ガフキー 血清IgA抗体 血清IgG抗体 番号 号数 U/mL 判定 U/mL 判定 1 10号 488 + 2562 + 2 4号 162 − 158 ± 3 3号 276 ± 182 ± 4 3号 475 + 274 + 5 4号 231 ± 624 +6 6号 185 − 1259 +
【0032】
【発明の効果】本発明の唾液サンプル調製セットによれ
ば、低コストで、且つ患者にとってより安全に唾液を採
取することができる。また、使い捨てにすることも可能
であるので、医療従事者への感染の危険性を避けること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の唾液サンプル調製セットにおける唾液
吸収採取用具の一態様を示す斜視図である。
【図2】図1に示す細円筒管の先端担持部を拡大して示
す斜視図である。
【図3】本発明の唾液サンプル調製セットにおける唾液
分離回収用遠心管の一態様を示す斜視図である。
【図4】図3に示す保持台の分解斜視図である。
【図5】本発明の唾液サンプル調製セットを用いる唾液
採取工程の一部を示す説明図である。
【符号の説明】
10・・・唾液サンプル調製セット;1・・・唾液吸収
採取用具;2・・・唾液分離回収用遠心管;11・・・
唾液吸収体;12・・・細円筒管;13・・・太円筒
管;14・・・ストッパー;21・・・プラスチックチ
ューブ;22・・・保持台;23・・・唾液吸収体収容
室;24・・・唾液回収室。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 1/10 G01N 1/10 V 33/50 33/50 G 33/53 33/53 N Fターム(参考) 2G045 BB10 BB11 CB07 CB21 DA37 HA07 HA14 JA07 2G052 AA29 AA36 AB18 AD06 AD26 AD46 BA02 BA14 CA02 CA18 CA32 CA45 DA02 DA27 DA33 EC00 ED06 ED09 ED17 FA08 FD01 GA12 GA30 JA05 JA08 JA13 JA15 JA16 JA23 JA26 4B029 AA09 BB17 BB20 CC01 HA05 HA06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)(a)唾液吸収体を着脱自在に担
    持可能な先端担持部と、操作領域とを含み、しかも、前
    記操作領域が、前記押出手段の保持部と、把持部とを含
    む、処理棒、(b)前記処理棒の先端担持部に着脱自在
    に担持することのできる唾液吸収体、及び(c)前記処
    理棒に保持することができ、前記唾液吸収体を前記処理
    棒から離脱させることのできる押出手段を含む唾液吸収
    採取用具;並びに (2)前記唾液吸収体は通過することができないが、唾
    液は通過することのできる区分手段で区分けされた前記
    唾液吸収体の収容室と唾液回収室とが、開口端部から閉
    鎖端部への方向に向かって、この順に設けられた唾液分
    離回収用遠心管を含むことを特徴とする、唾液サンプル
    調製セット。
  2. 【請求項2】 前記処理棒に保持可能な前記押出手段
    が、前記処理棒の操作領域の外周に沿って設けられ、且
    つ処理棒の長さ方向に往復運動が可能な筒状体である、
    請求項1に記載の唾液サンプル調製セット。
  3. 【請求項3】 前記処理棒の先端担持部に、唾液吸収体
    2又はそれ以上を担持する、請求項1又は2に記載の唾
    液サンプル調製セット。
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