JP2003004035A - 軸受装置 - Google Patents

軸受装置

Info

Publication number
JP2003004035A
JP2003004035A JP2001327098A JP2001327098A JP2003004035A JP 2003004035 A JP2003004035 A JP 2003004035A JP 2001327098 A JP2001327098 A JP 2001327098A JP 2001327098 A JP2001327098 A JP 2001327098A JP 2003004035 A JP2003004035 A JP 2003004035A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seal
outer ring
sliding member
ring
seal sliding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001327098A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuya Kobori
一也 小堀
Seiji Ijuin
誠司 伊集院
Katsuhiro Konno
勝広 今野
Tomoyuki Aizawa
知之 相澤
Kazuo Akagami
和夫 赤上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2001327098A priority Critical patent/JP2003004035A/ja
Publication of JP2003004035A publication Critical patent/JP2003004035A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/22Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings
    • F16C19/34Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings for both radial and axial load
    • F16C19/38Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings for both radial and axial load with two or more rows of rollers
    • F16C19/383Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings for both radial and axial load with two or more rows of rollers with tapered rollers, i.e. rollers having essentially the shape of a truncated cone
    • F16C19/388Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings for both radial and axial load with two or more rows of rollers with tapered rollers, i.e. rollers having essentially the shape of a truncated cone with four rows, i.e. four row tapered roller bearings
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/72Sealings
    • F16C33/76Sealings of ball or roller bearings
    • F16C33/78Sealings of ball or roller bearings with a diaphragm, disc, or ring, with or without resilient members
    • F16C33/7803Sealings of ball or roller bearings with a diaphragm, disc, or ring, with or without resilient members suited for particular types of rolling bearings
    • F16C33/7813Sealings of ball or roller bearings with a diaphragm, disc, or ring, with or without resilient members suited for particular types of rolling bearings for tapered roller bearings
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B31/00Rolling stand structures; Mounting, adjusting, or interchanging rolls, roll mountings, or stand frames
    • B21B31/07Adaptation of roll neck bearings
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B31/00Rolling stand structures; Mounting, adjusting, or interchanging rolls, roll mountings, or stand frames
    • B21B31/07Adaptation of roll neck bearings
    • B21B31/078Sealing devices
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2322/00Apparatus used in shaping articles
    • F16C2322/12Rolling apparatus, e.g. rolling stands, rolls

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Sealing Of Bearings (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)
  • Sealing With Elastic Sealing Lips (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】密封性を向上させ、また分解・組立性に優れて
いる軸受装置を提供する。 【解決手段】軸線方向に分割可能な内輪と、軸線方向に
分割可能な外輪と、内輪と外輪との間に、回転自在に配
置された4列の円錐ころと、一方の輪に取り付けられ、
少なくとも1つの端面接触タイプのリップ部を備えたシ
ール体と、内輪と外輪の他方の輪に取り付けられ、前記
リップ体に当接するシール摺接部材を持つ軸受装置。リ
ップ部922eの接触圧力が小さいため、接触部の発熱
が抑制され、軸受温度自体の低減にも寄与し、それによ
り潤滑剤の劣化を抑えることもでき高速度域の使用に有
利である。又、リップ部922eの接触圧力を小さくす
ると、シール摺動部材924の摺接面及びリップ部92
2eの摺接部の摩耗量低減にも寄与し、且つリップ部9
22eが摩耗した場合でも追従性が優れてシール性能の
変化を小さく抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば鉄鋼設備の
圧延機等に用いられるロールネック軸受などを含む軸受
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延機や冷間圧延機のワークロー
ル、中間ロールに使用されるロールネック軸受として
は、大荷重を支持することができる複列や4列円錐ころ
軸受が用いられるのが一般的である。
【0003】ところで、圧延機等においては、製品の板
厚を精度良く確保するために、大量の冷却水をワークロ
ール等に供給することによって、その形状制御を行って
いる。従って、ロールネック軸受には、かかる冷却水の
侵入を防止するための密封装置が本来的に必要となる。
【0004】かかる密封装置として、例えば実開平6−
82437号に記載されたごときオイルシールなどの接
触形シールを備えたものがある。かかる従来技術による
オイルシールは、芯金を外輪側の内周面に嵌合させ、そ
の芯金から延在するシール部を内輪側の外周面に当接さ
せている。この従来技術によれば、簡素でかつ安価な密
封装置が提供されることとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年におい
ては作業の効率化を促進すべく圧延機等の高速化が図ら
れるようになってきており、それにより軸受の使用環境
も過酷になっているため、その密封性をより高める必要
もある。これに対し、例えば接触形シールを二重に設け
るようにすれば密封性を高めることは出来るが、二重に
シールを設けるスペースが必要となって、装置の大型化
を招く。また、高速化に伴い、軸接触タイプのシール接
触部では発熱が大きくなりすぎ、シール部の早期損傷を
招く恐れがある。更に、シール接触部の発熱等を抑える
ため、その緊迫力を低下させると、シール性が著しく悪
化するという問題がある。
【0006】また、圧延機ロールネック用軸受において
は、軸受やシールの点検や潤滑剤補給のため、定期的に
分解してメンテナンスを行う必要があり、シール構造が
軸受の分解組立の障害となってはならない。この分解組
立のための制約が、密封性を向上させる上で大きな障害
となっていた。加えて、圧延機用ロールネック軸受は、
グリース潤滑で使用される場合において、グリースの補
給が行われないことも多く、グリース洩れや水等の侵入
を防ぐため、通常は軸接触タイプのシールが使用されて
いた。
【0007】本発明は、かかる問題点に鑑み、密封性を
向上させ、また分解・組立性に優れている軸受装置を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成すべ
く、本発明の軸受装置は、軸線方向に分割可能な内輪
と、軸線方向に分割可能な外輪と、前記内輪と前記外輪
との間に、回転自在に配置された4列の円すいころと、
前記内輪と前記外輪の一方の輪に取り付けられ、少なく
とも1つの端面接触タイプのリップ部を備えたシール体
と、前記内輪と前記外輪の他方の輪に取り付けられ、前
記リップ部に当接するシール摺動部材と、を有する。
【0009】
【作用】本発明による軸受装置によれば、軸線方向に分
割可能な内輪と、軸線方向に分割可能な外輪と、前記内
輪と前記外輪との間に、回転自在に配置された4列の円
すいころと、前記内輪と前記外輪の一方の輪に取り付け
られ、少なくとも1つの端面接触タイプのリップ部を備
えたシール体と、前記内輪と前記外輪の他方の輪に取り
付けられ、前記リップ部に当接するシール摺動部材と、
を有する。軸接触タイプのシールでは、一般的にばね等
を使用し、半径方向内方に向かう締め付ける力(緊迫
力)が必要であり、且つ軸の回転ブレが生じてもリップ
部と軸とのスキマが開かないように考慮しているため、
ある程度の接触圧力が必要である。これに対し、本発明
のシール体のごとき端面接触タイプであれば、シール摺
動部材に当てる程度の接触圧力で足りるので、リップ部
の接触部の発熱を低く抑えることができる。従って、軸
接触タイプのシールでは発熱などが問題となる速度域で
も、端面接触タイプのシールでは問題なく使用可能とな
る。このようにリップ部の接触圧力が小さいため、接触
部の発熱が抑制され、軸受温度自体の低減にも寄与し、
それにより潤滑剤の劣化を抑えることもできるので、高
速度域の使用に有利である。又、リップ部の接触圧力を
小さくすると、前記シール摺動部材の摺接面及びリップ
部の摺接部の摩耗量低減にも寄与し、且つリップ部が摩
耗した場合でも、その追従性が優れていることから、シ
ール性能の変化を小さく抑えることができ、従って長期
間安定してシール機能を発揮できる。又、本発明のシー
ル体のごとき端面接触タイプにおいては、軸の回転ブレ
の影響を受けにくいので、端面で接触している軸とリッ
プ部とのスキマを考慮しなくても良いという利点があ
る。尚、端面接触タイプのシールとは、リップ部が、少
なくとも半径方向に延在する面(例えば端面)に接触す
るタイプのシールを言う。
【0010】更に、前記シール摺動部材と、前記一方の
輪とを近接させることにより、ラビリンスシールを形成
することで、取り付けスペースの問題や発熱増大の問題
につながるリップ部の数を増すことなく、ラビリンス効
果を用いてより密封性を高めることができる。
【0011】又、前記シール体の少なくとも一部は、前
記一方の輪と、前記一方の輪に取り付けられるホルダ部
材との間に挟持されていると、かしめなどの塑性加工
や、ボルトなどの部品を追加することなくシール体の抜
けを防止できる。
【0012】更に、前記シール体の少なくとも一部は、
前記一方の輪、又は前記一方の輪に取り付けられるホル
ダ部材に形成された凹部に嵌合していると、かしめなど
の塑性加工や、ボルトなどの部品を追加することなくシ
ール体の抜けを防止できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明にか
かる軸受装置を用いて支持する圧延機のワークロール端
部周辺を示す断面図である。図1において、4列円錐こ
ろ軸受10は、圧延機のワークロール1を支持する軸線
方向に分割可能な2列の内輪12と、ハウジング2に取
り付けられた軸線方向に分割可能な複数列の外輪13
と、内輪12と外輪13との間にそれぞれ複数個配置さ
れた4列の円錐ころ(転動体)14を保持する保持器1
5とからなる。軸受10の両側には、密封装置20が配
置されている。軸受10と密封装置20とで、軸受装置
を構成する。一対の密封装置20は、同様な構成を有す
るため、右側の密封装置20に対してのみ説明を行う。
【0014】図2(a)は、図1のII部を拡大して示す
図である。図2(b)は、外輪ホルダ21、シール体2
2及び外輪13を取り外した状態で示す図である。図2
(a)において、密封装置20は、リング状の外輪ホル
ダ21と、外輪ホルダ21に取り付けられたシール体2
2と、シール摺動部材24と、シール摺動部材24を保
持する保持部材26と、保持部材26を内輪に対して取
り付ける基部25とボルト27とからなる。
【0015】外輪ホルダ21の左端面には、段部21a
が形成されており、一方外輪13の右端面には、段部2
1aに対向するようにして段部13aが形成され、外輪
ホルダ21を外輪13に組み付けた時には、段部21
a、13a同士が係合するようになっている。
【0016】更に、外輪ホルダ21は、外周に周溝21
bを有し、かかる周溝21b内にはO−リング23が配
置され、外輪ホルダ21の外周面とハウジング2(図
1)の内周面との間を密封している。外輪ホルダ21の
右側面には、かかる右側面に沿って上方から垂れ落ちる
水などを捕獲する捕獲溝21cが形成されている。ま
た、外輪ホルダ21の内周には、半径方向に延在するフ
ランジ部21dが形成されている。
【0017】環状のシール体22は、断面が略L字状の
芯金22aと、シール部22bとからなる。芯金22a
は、外輪ホルダ21の内周面21eとフランジ部21d
とに当接するようにして取り付けられている。外輪ホル
ダ21と芯金22aとは不要な分離を抑制するためにカ
シメられていても良い。シール部22bは、3方向に延
在するリップ部22c、22d、22eを有している。
【0018】シール摺動部材24は、シール体22の芯
金22aに対向して、略L字状の断面を有し、内輪12
と同軸の円筒部24aと、円筒部24aの右方端から半
径方向外方に延在するフランジ部24bと、円筒部24
aの左方端から半径方向内方に延在する小フランジ部2
4cとを有している。シール体22のリップ部22c、
22dは、円筒部24aの外周面に当接し、リップ部2
2eはフランジ部24bの内方フランジ面に当接してお
り、軸受10の動作に応じてこれらは互いに摺動するよ
うになっている。
【0019】内輪12の右方端に形成された小径部12
aには、環状の基部25が圧入により取り付けられてい
る。基部25に隣接して環状の保持部材26が設けられ
ている。保持部材26は、小径部12aに対してルーズ
フィットとなっている。保持部材26の左端小径部26
bの外周面に、小フランジ部24cが圧入嵌合されてい
る。基部25と保持部材26とで、シール摺動部材24
の小フランジ部24cを挟むようにし、更に保持部材2
6に形成された貫通孔26aに挿通させたボルト27
を、基部25に形成されたねじ孔25aに螺合させるこ
とにより、シール摺動部材24は基部25すなわち小径
部12aに取り付けられるようになっている。尚、ボル
ト27と基部25のねじ孔25aとで締結手段を構成す
る。
【0020】次に、本実施の形態の動作について説明す
る。図1において、圧延機のワークロール1が内輪12
と共に回転すると、内輪12と外輪13との間を円錐こ
ろ14が転動し、それによりハウジング2に対してワー
クロール1を回転自在に支持することができる。
【0021】かかる場合、ワークロール1の周囲には、
大量の冷却水がかけられるため、図2の密封装置20の
外方(右側)まで、冷却水が飛散してくる可能性があ
る。これに対し、本実施の形態においては、シール体2
2のリップ部22c、22dが、円筒部24aの外周面
に当接し、リップ部22eがフランジ部24bの内方フ
ランジ面に当接するというように、3箇所でシールが行
われるため、密封性能をより高めることが出来る。ま
た、そのうちリップ部22eとフランジ部24bの内方
フランジ面との当接は、リップ部22dと円筒部24a
の半径方向外方で行われるので、シール摺動部材24の
軸線方向長を抑えることが出来、それにより装置構成を
コンパクトに出来る。
【0022】一方、例えばメンテナンスを行う際には、
ボルト27を左回転させ(すなわちシール摺動部材24
を抜き出す方向と異なる方向に力を加えて)取り外せ
ば、内輪12の小径部12aに対してルーズフィットで
ある保持部材26を、シール摺動部材24と一体で小径
部12aから容易に取り外すことが出来る。
【0023】図3(a)は、第2の実施の形態にかかる
図2と同様な断面図であり、図3(b)は、外輪ホルダ
21、シール摺動部材124及び外輪13を取り外した
状態で示す図2(b)と同様な図である。第2の実施の
形態は、図2に示す実施の形態に対し、密封装置120
におけるシール摺動部材124の形状のみが異なってい
るため、その他の同様な構成については詳細な説明を省
略する。
【0024】図3(a)において、第1の実施の形態と
異なり、シール摺動部材と保持部材を一体化して新たな
シール摺動部材124としている。より具体的には、略
環状のシール摺動部材124は、その右方端に半径方向
外方に延在するフランジ部124bを形成しており、そ
の半径方向内方おいて座繰り124cが形成され、座繰
り124c内には、軸線方向にシール摺動部材124を
貫通する貫通孔124dが形成されている。
【0025】シール体22のリップ部22c、22d
は、シール摺動部材124の外周面124aに当接し、
リップ部22eはフランジ部124bの内方フランジ面
に当接しており、軸受10の動作に応じてこれらは互い
に摺動するようになっている。
【0026】シール摺動部材124は、内輪12の小径
部12aに対してルーズフィットとなっており、貫通孔
124dに挿通させたボルト27を、基部25に形成さ
れたねじ孔25aに螺合させることにより、シール摺動
部材124は小径部12aに取り付けられるようになっ
ている。
【0027】本実施の形態においても、ボルト27を左
回転させ(すなわちシール摺動部材24を抜き出す方向
と異なる方向に力を加えて)取り外せば、内輪12の小
径部12aに対してルーズフィットであるシール摺動部
材124を小径部12aから容易に取り外すことが出来
る。また、第1の実施の形態に比べ、保持部材とシール
摺動部材とを一体化していることから、部品点数が削減
され、分解組立時の手間が減少するという効果も得られ
る。
【0028】図4は、第3の実施の形態にかかる図3
(a)と同様な断面図である。第3の実施の形態は、図
3(a)に示す実施の形態に対し、シール摺動部材22
4と基部225の形状のみが異なっているため、その他
の同様な構成については詳細な説明を省略する。
【0029】図4においては、第2の実施の形態に対
し、シール摺動部材224を平板化し、その分だけ基部
225の軸線方向長を長くしている。より具体的には、
内輪12の小径部12aに対してルーズフィットとなっ
ている円板状のシール摺動部材224は、小径部12a
に嵌合取り付けされた基部225の右端面に当接してい
る。ボルト27を、シール摺動部材224の貫通孔22
4aを貫通させ、さらに基部225に形成されたねじ孔
225aに螺合させることにより、シール摺動部材22
4は小径部12aに取り付けられるようになっている。
【0030】シール体22のリップ部22c、22d
は、基部225の外周面225bに当接し、リップ部2
2eはシール摺動部材224の内方フランジ面224b
に当接しており、軸受10の動作に応じてこれらは互い
に摺動するようになっている。
【0031】本実施の形態においても、ボルト27を左
回転させ(すなわちシール摺動部材24を抜き出す方向
と異なる方向に力を加えて)取り外せば、内輪12の小
径部12aに対してルーズフィットであるシール摺動部
材224を小径部12aから容易に取り外すことが出来
る。また、第1の実施の形態に比べ、保持部材とシール
摺動部材とを一体化していることから、部品点数が削減
され、分解組立時の手間が減少するという効果に加え
て、シール摺動部材224は金属板をプレスして安価に
形成できるという効果もある。
【0032】図5は、第4の実施の形態にかかる図2
(a)と同様な断面図である。第4の実施の形態は、図
2に示す実施の形態に対し、内輪の小径部を省略してい
る。その他の同様な構成については詳細な説明を省略す
る。
【0033】図5においては、内輪312の右端面にね
じ孔312aが形成されている。ボルト327が円筒状
の保持部材326の貫通孔326aを貫通し、ねじ孔3
12aに螺合されており、それにより保持部材326が
内輪312の端面に取り付けられている。
【0034】断面が略L字状のシール摺動部材324
は、保持部材326の外周面に形成された段差部326
bに抜け出しを抑制されて嵌合固定されている。シール
体22のリップ部22c、22dは、シール摺動部材3
24の円筒面324aに当接し、リップ部22eはシー
ル摺動部材324のフランジ面324bに当接してお
り、軸受10の動作に応じてこれらは互いに摺動するよ
うになっている。
【0035】本実施の形態においても、ボルト327を
左回転させ(すなわちシール摺動部材24を抜き出す方
向と異なる方向に力を加えて)取り外せば、内輪312
に対して保持部材326をシール摺動部材324と一体
で、容易に取り外すことが出来る。また、第1の実施の
形態に比べ、部品点数を削減でき、分解組立時の手間が
減少する。
【0036】図6(a)は、第5の実施の形態にかかる
図2(a)と同様な断面図である。第5の実施の形態
は、図2に示す実施の形態に対し、ボルトを用いないで
シール摺動部材を取り付けている点が異なっている。そ
の他の同様な構成については詳細な説明を省略する。
【0037】図6(a)において、シール摺動部材52
4の円筒部524aの左端には、半径方向内方に突出す
る突起524cが形成されている。一方、内輪512の
右端近傍の内周には、周溝512cが形成されている。
シール摺動部材524は、突起524cを周溝512c
に係合させることによって、内輪512に対して取り付
けられている。
【0038】図6(b)は、図6(a)のVIB部を拡大
して示す図である。シール摺動部材524の分解時に
は、工具Tを用いる。図6(b)に示すように、工具T
の尖った先端を内輪512の周溝512c内に挿入し、
シール摺動部材524の突起524cをこじ開けるよう
にして(すなわちシール摺動部材524の抜き出し方向
と異なる矢印の方向に力を加えて)、周溝512cとの
係合を離脱させ、それによりシール摺動部材524の取
り外しが可能となる。尚、図6(b)に示すように、周
溝512cの肩部に面取り512dが形成され、突起5
24cの肩部に面取り524dが形成されていれば、工
具Tがあたったときに、それらが変形することを抑止で
きる。
【0039】図6(c)は、本実施の形態の変形例を示
す図である。かかる変形例においては、シール摺動部材
524’の突起524c’は、塑性変形により形成され
るため、より安価に製造することが出来る。
【0040】図7(a)は、第6の実施の形態にかかる
図2(a)と同様な断面図であり、図7(b)は、外輪
ホルダ621とシール体622とを取り外した状態で示
す図である。第6の実施の形態は、図2に示す実施の形
態に対し、シール摺動部材とシール体との位置関係が異
なっている点が主として異なっている。その他の同様な
構成については詳細な説明を省略する。
【0041】図7(a)においては、外輪ホルダ621
は、右端において半径方向内方に延在するフランジ部6
21dを形成している。シール体622の芯金622a
は、断面が略L字状の形状を有しており、その円筒部6
22fを外輪ホルダ621の内周面に当接させ、且つ円
筒部622fの左端から半径方向外方に突出する突起部
622hを、外輪ホルダ621の内周段部621eに係
合させている。シール体622の一部分を、外輪ホルダ
621と外輪13とで挟み込み位置決めしている。これ
によりかしめなどの塑性加工や、ボルトなどの部品を追
加することなくシールの抜けを防止できる。
【0042】シール体622のリップ部622c、62
2dは、内輪12の小径部12aの外周に対して十分な
シメシロで圧入嵌合されたシール摺動部材624の円筒
部624aの外周面に当接し、リップ部622eはシー
ル摺動部材624のフランジ面624bに当接してお
り、軸受10の動作に応じてこれらは互いに摺動するよ
うになっている。
【0043】本実施の形態において、シール摺動部材6
24の当接面であるフランジ面624bが、軸受装置1
0の軸線方向外方に向いているので、メンテナンス時な
どにおいて、シール体622を外輪ホルダ621と一体
で取り外す際に、シール摺動部材624のフランジ面6
24bがこれを邪魔することがなく、それによりシール
体622の分解を容易に行うことが出来る。
【0044】本実施の形態においては、シール摺動部材
624が内輪12に対して圧入嵌合されているにもかか
わらず、シール体622の分解が容易に行え、しかもシ
ール摺動部材624を取り付けるためのボルトなども不
要なため、部品点数が削減されるという効果がある。
【0045】図8は、第7の実施の形態にかかる図2
(a)と同様な断面図である。第7の実施の形態は、図
2に示す実施の形態に対し、シール体の構成のみが異な
っている。その他の同様な構成については詳細な説明を
省略する。
【0046】図8の実施の形態においては、図2の実施
の形態と異なり、シール部722bが、シール摺動部材
24のフランジ面24bに当接する単一のリップ部72
2eを設けている。従って、シール体722のコストダ
ウンを図ることが出来る。軸接触タイプのシールでは、
一般的にばね等を使用し、半径方向内方に向かう締め付
ける力が必要であり、且つ軸の回転ブレが生じてもリッ
プ部と軸とのスキマが開かないように考慮しているた
め、ある程度の接触圧力が必要である。本実施の形態の
ごとき端面接触タイプであれば、シール摺動部材24に
当てる程度の接触圧力で足りるので、リップ部722e
の接触部の発熱を低く抑えることができる。又、本実施
の形態のように端面接触タイプにおいては、軸の回転ブ
レの影響を受けにくいので、端面で接触している軸(こ
こではシール摺動部材24)とリップ部722eとのス
キマを考慮しなくても良いという利点がある。尚、明ら
かであるが、シール体のリップ部を単一とすることは、
本明細書の他の実施の形態にも適用可能であるが、かか
るリップ部を1つもしくは3つ以外とすることも任意に
行うことができる。
【0047】図9は、第8の実施の形態にかかる図2
(a)と同様な断面図である。第8の実施の形態は、図
2に示す実施の形態に対し、外輪と外輪ホルダを一体に
した点のみが異なっている。その他の同様な構成につい
ては詳細な説明を省略する。
【0048】図9においては、外輪813の右端内周に
形成された段部813aにシール体22の芯金22aが
取り付けられている。本実施の形態によれば、部品点数
を削減することが出来る。尚、外輪と外輪ホルダとを一
体化することについては、図3〜8に示す実施の形態に
おいても同様に適用可能である。
【0049】図10は、第9の実施の形態にかかる図2
(a)と同様な断面図である。第9の実施の形態は、図
2に示す実施の形態に対し、主としてシール体及びシー
ル摺動部材周辺の構成が異なっている。その他の同様な
構成については詳細な説明を省略する。
【0050】図10において、シール体922は、断面
がクランク形状の芯金922aと、上述した実施の形態
のごときリップ部922c、922d、922eを備え
たシール部922bとから形成されている。芯金922
aの周囲縁(図10で上端)は、外輪13の端面と、外
輪ホルダ921の端面に形成された段部921aとの間
で挟持され、外輪13に固定されるようになっている。
それにより、かしめなどの塑性加工や、ボルトなどの部
品を追加することなくシール体922の抜けを防止でき
る。
【0051】シール摺動部材924は、略L字状の断面
を有し、内輪912と同軸の円筒部924aと、円筒部
924aの図10で右方端から半径方向外方に延在する
フランジ部924bとを有している。円筒部924aに
は、ボルト27の貫通孔924cが軸線方向に形成され
ている。シール体922のリップ部922c、922d
は、円筒部924aの外周面に当接し、リップ部922
eはフランジ部924bの内方フランジ面に当接してお
り、軸受10の動作に応じてこれらは互いに摺動するよ
うになっている。
【0052】内輪912の図10で右方端に形成された
小径部912aには、環状の基部925が圧入により取
り付けられている。基部925の図10で左方端内周か
ら突出した爪部925aが、小径部912aの外周に形
成された周溝912bに係合し、それにより基部925
の内輪912からの抜け止めが達成されるようになって
いる。基部925に形成されたねじ孔925bにボルト
27を螺合させることで、基部925に対してシール摺
動部材924を、取り外し可能に取り付けることができ
るようになっている。
【0053】更に、本実施の形態においては、外輪ホル
ダ921の内周面921bと、シール摺動部材924の
外周縁924fとが、わずかなスキマを隔てて(すなわ
ち狭路を形成して)対峙しており、それにより軸受10
の動作時に、内周面921bと外周縁924fとでラビ
リンスシールを形成するようになっている。従って、ス
ペースの都合上、これ以上接触形のリップを設けること
ができないような場合でも、密封性をより高めることが
できる。尚、このようにラビリンスシールを形成するこ
とは、図3〜9に示す実施の形態にも同様に適用可能で
ある。
【0054】図11は、第10の実施の形態にかかる図
2(a)と同様な断面図である。第10の実施の形態
は、図10に示す実施の形態に対し、外輪ホルダ及びシ
ール摺動部材の構成が異なっているのみであるので、そ
の他の同様な構成については詳細な説明を省略する。
【0055】図11に示すように、本実施の形態におい
ても、芯金922aの周囲縁(図11で上端)は、外輪
13の端面と、外輪ホルダ921’の端面に形成された
段部921a’との間で挟持され、外輪13に固定され
るようになっている。
【0056】更に、本実施の形態においても、外輪ホル
ダ921’の外方側内周面921b’と、シール摺動部
材924’の外周縁924f’とが、わずかなスキマを
隔てて(すなわち狭路を形成して)対峙しているが、外
方側内周面921b’は、外方(図11で右方)に向か
うに連れて拡径するテーパ状となっており、又外周縁9
24f’も、それに応じたテーパ形状となっている。従
って、軸受10の動作時に異物の振り切り効果を高める
ことができ、それにより、より効果の高いラビリンスシ
ールを形成することができる。
【0057】図12は、第11の実施の形態にかかる図
2(a)と同様な断面図である。第9の実施の形態は、
図10に示す実施の形態に対し、主としてシール体及び
外輪ホルダの構成が異なっている。その他の同様な構成
については詳細な説明を省略する。
【0058】図12において、シール体1122は、断
面がL字状の芯金1122aと、上述した実施の形態の
ごときリップ部1122c、1122d、1122eを
備えたシール部1122bとから形成されている。芯金
1122aの外周円筒部(図12で上部)は、外輪13
の端面と、外輪ホルダ1121の内周面に形成された段
部1121aとの間で挟持され、外輪13に固定される
ようになっている。
【0059】更に、本実施の形態においては、外輪ホル
ダ1121の外方端部(図12で右方端)の内周面に段
部1121bが形成されており、これと、シール摺動部
材924の外周縁924fとが、わずかなスキマを隔て
て(すなわち狭路を形成して)対峙しており、それによ
り軸受10の動作時に、段部1121bと外周縁924
fとでラビリンスシールを形成するようになっている。
本実施の形態によれば、図12から明らかなように、外
周縁924fの軸線方向の厚さを変えることなく、段部
1121bと外周縁924fとで形成する狭路を、図1
0のものより長くでき、しかも狭路は折れ曲がっている
ので、密封性をより高めることができる。
【0060】図13は、第12の実施の形態にかかる図
2(a)と同様な断面図である。第9の実施の形態は、
図12に示す実施の形態に対し、主としてシール体の構
成が異なっている。その他の同様な構成については詳細
な説明を省略する。
【0061】図13において、シール体1222は、断
面がL字状の芯金1222aと、上述した実施の形態の
ごときリップ部1222c、1222d、1222eを
備えたシール部1222bとから形成されている。芯金
1222aの外周面には、周方向に連続した凸部122
2gが形成されている。外輪ホルダ1221内に、シー
ル体1222を挿入すると、芯金1222aが弾性変形
するが、そのままシール体1222を所定の位置まで押
し込むと、かかる凸部1222gが外輪ホルダ1221
の内周面に形成した周溝(凹部)1221aに嵌合する
ことで、芯金1222aが弾性変形から復帰し、それに
より芯金1222aは外輪ホルダ1221に固定される
ようになっている。このような嵌合取り付けにより、か
しめなどの塑性加工や、ボルトなどの部品を追加するこ
となくシール体1222の抜けを防止できる。。
【0062】更に、本実施の形態においても、外輪ホル
ダ1221の内周面1221bと、シール摺動部材92
4の外周縁924fとが、わずかなスキマを隔てて(す
なわち狭路を形成して)対峙しており、それにより軸受
10の動作時に、内周面1221bと外周縁924fと
でラビリンスシールを形成するようになっている。
【0063】図14は、第13の実施の形態にかかる図
2(a)と同様な断面図である。第9の実施の形態は、
図13に示す実施の形態に対し、外輪と外輪ホルダとを
一体にした点が異なっている。その他の同様な構成につ
いては詳細な説明を省略する。
【0064】本実施の形態においては、外輪1313の
図10で右端を延長し、その内周面に形成した周溝(凹
部)1313aに、シール体1222の芯金1222a
の凸部1222gを嵌合させることで、芯金1222a
は外輪1313に固定されるようになっている。
【0065】更に、本実施の形態においても、外輪13
13の内周面1313bと、シール摺動部材924の外
周縁924fとが、わずかなスキマを隔てて(すなわち
狭路を形成して)対峙しており、それにより軸受10の
動作時に、内周面1313bと外周縁924fとでラビ
リンスシールを形成するようになっている。本実施の形
態によれば、外輪と外輪ホルダとを一体化することで、
部品点数を削減することが出来る。尚、外輪と外輪ホル
ダとを一体化することについては、図10〜12に示す
実施の形態においても同様に適用可能である。
【0066】(実施例)図15は、本発明者らの行った
シール試験に用いた試験装置を示す図であり、図15
(a)は、その断面図であり、図15(b)は、図15
(a)におけるXVB部を拡大して示す図である。この試
験装置について説明すると、図において、不図示のモー
タにより回転駆動される回転軸1401の図15(a)
における左端には、円板1402が一体的に回転するよ
うに接合されている。円板1402は、図15(a)に
おける右端に、半径方向外方に延在するフランジ140
2aを形成している。
【0067】更に、円板1402の図15(a)におけ
る右端外周近傍には、円筒部材1403が一体的に回転
するように、不図示のボルトで固定されている。円筒部
材1403は中空であって、図15(a)における右端
より半径方向外方に延在するフランジ1403aを形成
している。円筒部材1403を外包するようにして、固
定円筒部材1404が配置されている。固定円筒部材1
404は、不図示のハウジングなどに固定された環状部
1405の図の右端に、不図示のボルトで固定されてい
る。又固定円筒部材1404は、図の右端より半径方向
内方に、フランジ1403aの外周縁からわずかに離隔
する位置まで延在するフランジ1404aを形成してい
る。ここで、円板1402のフランジ1402aと、円
筒部材1403と、固定円筒部材1404とで、環状空
間Aが形成されている。固定円筒部材1404の最上部
周壁を半径方向に貫通する給水パイプ1407を介し
て、環状空間Aに、外部から給水できるようになってい
る。一方、固定円筒部材1404の最下部周壁を半径方
向に貫通する貫通孔1404bが形成され、これが環状
空間Aに給水された水を排水する排水口として機能す
る。
【0068】図15(b)に示すように、環状部140
5の図の左端内周には、段部1405aが形成されてい
る。シール体1422の芯金1422aは、図15
(b)に示す断面が略クランク状となっている形状を有
しており、その外縁を段部1405aに係合させ、且つ
抑え板1406で図の左方より抑えて環状部1405と
の間で挟んで固定されている。抑え板1406は、不図
示のボルトで環状部1405に固定されている。
【0069】図15(b)において、芯金1422aの
内周縁から、図で右方及び半径方向外方に延在する截頭
円錐形状のリップ部1422bは、その外周縁を、円板
1402のフランジ(シール摺動部材に相当)1402
aに当接させている。すなわち、芯金1422aと、リ
ップ部1422bとで、端面接触タイプのシール部14
22を構成している。
【0070】図15(a)において、抑え板1406の
左端には、カバー部材1408が不図示のボルトで取り
付けられており、円板1402の左側を覆うことで、そ
の内部に円筒状空間Bを形成している。カバー部材14
08の最下方には、円筒状空間Bに連通するパイプ14
09が下方に向かって延在するように取り付けられてお
り、これを介して円筒状空間Bに侵入した水を排出させ
ることができる。円筒状空間Bは、パイプ1409のみ
を介して外部と連通しており、従ってパイプ1409を
通過する水の量を測定することで、円筒状空間Bに侵入
した水の量を測定できる。
【0071】かかる試験装置において、回転軸1401
を回転させつつ、パイプ1407から環状空間Aに給水
を行うと、給水された水の大部分は、貫通孔1404b
を介して外部へと排水されるが、その一部は、環状部1
405の内周と、円板1402のフランジ1402aと
のスキマを介し、更にシール部1422のリップ部14
22bとフランジ1402aの間を抜けて、円筒状空間
Bに至るようになる。その量が少ないほど、シール部1
422のシール性が優れていることとなる。
【0072】かかる試験装置を用いた試験結果につい
て、図16を参照して説明する。図16(a)は、図1
5のシール部1422において、シメシロアッパ(2.
5+0.68mm)側での回転速度に対する洩れ量の測
定結果を示しており、図16(b)は、シメシロロア
(2.5−0.68mm)側での回転速度に対する洩れ
量の測定結果を示しており、図16(c)は、測定結果
をまとめたものである。尚、給水量は、原則的に毎分1
000ccとしたが、毎分100回転の場合、シメシロ
アッパ側では毎分7500ccとし、シメシロロア側で
は毎分3500ccとしている。以上から明らかなよう
に、いずれの場合も、十分なシール性を確保できること
が確認された。又、シメシロロア側の供試品において、
試験後リップに細かいクラックが視認されたが、測定結
果に示すとおり、シール性に影響はなかった。
【0073】図17は、圧延速度に対するリップ温度の
測定結果を示す図である。本実施の形態のような端面接
触タイプのシール部を用いれば、図17に示す如く、圧
延速度で毎分3300m程度の高速域まで使用可能と判
断できる。
【0074】図18は、シメシロと洩れ量との関係を示
す図である。特に、高速条件で使用される軸受では軸受
内部すきまを大きくする傾向があるため、リップ部とシ
ール摺動部材の変位量が大きい。ここで、軸接触タイプ
のシールではリップとシール摺動部材との芯ずれ量に対
し、リップとシール摺動部のシメシロが小さいため漏れ
やすい傾向がある。
【0075】例えば、内径350mm程度の軸受を例に
挙げると、軸接触タイプのシールにおいては、シールシ
メシロの設計値を1mm程度としてシール効果を保持す
るためには、少なくとも0.7mmのシメシロが必要だ
が、軸受内部のすきま公差に応じて、リップ部が軸外周
面より半径方向に最大で0.2mm離れ、且つ組み付け
公差の範囲内で外輪ホルダー自体も半径方向に変位しう
るので、必要なシメシロを保持することは難しいといえ
る。
【0076】これに対し、端面接触タイプのシールにお
いて、シールシメシロの設計値を2.5mm程度とする
と、シール効果を保持するためには少なくとも1.5m
mのシメシロが必要である。かかる場合、外輪ホルダー
は軸方向に固定されているため、シメシロの減少に与え
る影響を考慮する必要はない。又、軸受内部のすきま公
差に応じて、リップ部とシール摺動部材とが最大で0.
65mm軸方向に離隔したとしても、シメシロは1.5
mmを下回ることがなく、従って十分なシール性を確保
できる。また、シメシロの上下限値での密封性にも問題
はない。更に、図16、図18の実験結果から、長時間
使用しシールリップに多少のクラックが発生した場合で
も、密封性に影響がないことが確認された。
【0077】以上、本発明を実施の形態を参照して説明
してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈さ
れるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることは
もちろんである。尚、図15(b)における構造を、本
発明に適用した例を図19に示す。図19においては、
シール体1422は、外輪ホルダ1421の段部142
1aに取り付けられた芯金1422aと、その内周縁か
ら延在するリップ部1422bとから形成されている。
リップ部1422bの外方端は、シール摺動部材142
4のフランジ部1424bの内側端面に当接している。
上述した実施の形態と同様に、内輪12の外周に取り付
けた基部1425に対して、ボルト27によりシール摺
動部材1424が取り付けられている。本実施の形態に
おいても、外輪ホルダ1421の内周面1421bと、
シール摺動部材1424のフランジ部1424bの外周
縁1424fとが、わずかなスキマを隔てて(すなわち
狭路を形成して)対峙しており、それにより軸受(不図
示)の動作時に、内周面1421bと外周縁1424f
とでラビリンスシールを形成するようになっている。
【0078】
【発明の効果】本発明による軸受装置によれば、軸線方
向に分割可能な内輪と、軸線方向に分割可能な外輪と、
前記内輪と前記外輪との間に、回転自在に配置された4
列の円すいころと、前記内輪と前記外輪の一方の輪に取
り付けられ、少なくとも1つの端面接触タイプのリップ
部を備えたシール体と、前記内輪と前記外輪の他方の輪
に取り付けられ、前記リップ部に当接するシール摺動部
材と、を有する。軸接触タイプのシールでは、一般的に
ばね等を使用し、半径方向内方に向かう締め付ける力が
必要であり、且つ軸の回転ブレが生じてもリップ部と軸
とのスキマが開かないように考慮しているため、ある程
度の接触圧力が必要である。これに対し、本発明のシー
ル体のごとき端面接触タイプであれば、シール摺動部材
に当てる程度の接触圧力で足りるので、リップ部の接触
部の発熱を低く抑えることができる。又、本発明のシー
ル体のごとき端面接触タイプにおいては、軸の回転ブレ
の影響を受けにくいので、端面で接触している軸とリッ
プ部とのスキマを考慮しなくても良いという利点があ
る。
【0079】尚、タンデムミル等の圧延機に使用する軸
受装置の場合、軸接触タイプのシールでは、圧延速度が
比較的低速である前段に通常ゴム素材のものを用い、比
較的高速である後段に耐熱材ゴム素材のものを使用する
と、メンテナンス及び共通化の点で不利となる。しかし
ながら、前段及び後段とも耐熱材ゴム素材のシールを用
いればコストの点で不利である。これに対し、端面接触
タイプのシールを用いれば、前段、後段とも同一素材
(耐熱材でないゴム)を用いることが可能であり、メン
テナンス、部品共通化及びコストの点で有利である。
又、通常の軸接触タイプのシールは、ゴムの経年劣化等
によるリップ部のクラックに対して、性能の劣化が著し
いが、本発明の端面接触タイプのシールでは、前述のご
とく、多少のクラックが生じても当初の性能を確保でき
るという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる軸受装置を用いて支持する圧延
機のワークロール端部周辺を示す断面図である。
【図2】図2(a)は、図1のII部を拡大して示す図で
ある。図2(b)は、外輪ホルダ21、シール体22及
び外輪12を取り外した状態で示す図である。
【図3】図3(a)は、第2の実施の形態にかかる図2
と同様な断面図であり、図3(b)は、外輪ホルダ12
5、シール摺動部材124及び外輪13を取り外した状
態で示す図2(b)と同様な図である。
【図4】第3の実施の形態にかかる図3(a)と同様な
断面図である。
【図5】第4の実施の形態にかかる図2(a)と同様な
断面図である。
【図6】図6(a)は、第5の実施の形態にかかる図2
(a)と同様な断面図であり、図6(b)は、図6
(a)のVIB部を拡大して示す図であり、図6(c)
は、本実施の形態の変形例を示す図である。
【図7】図7(a)は、第6の実施の形態にかかる図2
(a)と同様な断面図であり、図7(b)は、外輪ホル
ダ621とシール体622とを取り外した状態で示す図
である。
【図8】第7の実施の形態の変形例にかかる図2(a)
と同様な断面図である。
【図9】第8の実施の形態にかかる図2(a)と同様な
断面図である。
【図10】第9の実施の形態にかかる図2(a)と同様
な断面図である。
【図11】第10の実施の形態にかかる図2(a)と同
様な断面図である。
【図12】第11の実施の形態にかかる図2(a)と同
様な断面図である。
【図13】第12の実施の形態にかかる図2(a)と同
様な断面図である。
【図14】第13の実施の形態にかかる図2(a)と同
様な断面図である。
【図15】本発明者らの行ったシール試験に用いた試験
装置を示す図であり、図15(a)は、その断面図であ
り、図15(b)は、図15(a)におけるXVB部を拡
大して示す図である。
【図16】図16(a)は、図15のシール部1422
において、シメシロアッパ(2.5+0.68mm)側
での回転速度に対する洩れ量の測定結果を示しており、
図16(b)は、シメシロロア(2.5−0.68m
m)側での回転速度に対する洩れ量の測定結果を示して
おり、図16(c)は、測定結果をまとめたものであ
る。
【図17】圧延速度に対するリップ温度の測定結果を示
す図である。
【図18】シメシロと洩れ量との関係を示す図である。
【図19】第14の実施の形態にかかる図2(a)と同
様な断面図である。
【符号の説明】
1 ワークロール 2 ハウジング 12、312,512、912 内輪 13、813、1313 外輪 14 円錐ころ 20,120,220,320,520,620,72
0、820 密封装置2 2、622,722、922,1122,1222 シ
ール体 24,124,224,324,524,624,72
4、924 シール摺動部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今野 勝広 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 (72)発明者 相澤 知之 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 (72)発明者 赤上 和夫 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 Fターム(参考) 3J006 AE23 AE37 AE38 3J016 AA04 BB03 BB17 CA02 CA06 3J101 AA16 AA25 AA32 AA44 AA54 AA62 BA53 BA54 BA73 DA09 EA49 FA32 FA46 GA36

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線方向に分割可能な内輪と、 軸線方向に分割可能な外輪と、 前記内輪と前記外輪との間に、回転自在に配置された4
    列の円すいころと、 前記内輪と前記外輪の一方の輪に取り付けられ、少なく
    とも1つの端面接触タイプのリップ部を備えたシール体
    と、 前記内輪と前記外輪の他方の輪に取り付けられ、前記リ
    ップ部に当接するシール摺動部材と、を有する軸受装
    置。
  2. 【請求項2】 前記シール摺動部材と、前記一方の輪と
    を近接させることにより、ラビリンスシールを形成して
    いる請求項1に記載の軸受装置。
  3. 【請求項3】 前記シール体の少なくとも一部は、前記
    一方の輪と、前記一方の輪に取り付けられるホルダ部材
    との間に挟持されている請求項1又は2に記載の軸受装
    置。
  4. 【請求項4】 前記シール体の少なくとも一部は、前記
    一方の輪、又は前記一方の輪に取り付けられるホルダ部
    材に形成された凹部に嵌合している請求項1〜3のいず
    れかに記載の軸受装置。
JP2001327098A 2001-04-17 2001-10-25 軸受装置 Pending JP2003004035A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001327098A JP2003004035A (ja) 2001-04-17 2001-10-25 軸受装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001117959 2001-04-17
JP2001-117959 2001-04-17
JP2001327098A JP2003004035A (ja) 2001-04-17 2001-10-25 軸受装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003004035A true JP2003004035A (ja) 2003-01-08

Family

ID=26613690

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001327098A Pending JP2003004035A (ja) 2001-04-17 2001-10-25 軸受装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003004035A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006115003A1 (ja) * 2005-04-18 2006-11-02 Ntn Corporation ころ軸受および軸受構造
JP2011220488A (ja) * 2010-04-13 2011-11-04 Nsk Ltd 外輪回転形転がり軸受、及びそのシール装置取り外し方法、並びに圧延機
EP2400172A1 (de) * 2010-06-24 2011-12-28 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Wälzkörpereinheit mit geteiltem Aussenring und Transportring
JP2012172724A (ja) * 2011-02-18 2012-09-10 Nsk Ltd 外輪回転形転がり軸受及び圧延機
JP2012172723A (ja) * 2011-02-18 2012-09-10 Nsk Ltd 外輪回転形転がり軸受及び圧延機
JP2014005903A (ja) * 2012-06-26 2014-01-16 Jtekt Corp 転がり軸受装置
JP2014231856A (ja) * 2013-05-28 2014-12-11 Ntn株式会社 転がり軸受
US9829041B2 (en) 2013-05-28 2017-11-28 Ntn Corporation Rolling bearing

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006115003A1 (ja) * 2005-04-18 2006-11-02 Ntn Corporation ころ軸受および軸受構造
US8636420B2 (en) 2005-04-18 2014-01-28 Ntn Corporation Roller bearing and bearing structure
JP2011220488A (ja) * 2010-04-13 2011-11-04 Nsk Ltd 外輪回転形転がり軸受、及びそのシール装置取り外し方法、並びに圧延機
EP2400172A1 (de) * 2010-06-24 2011-12-28 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Wälzkörpereinheit mit geteiltem Aussenring und Transportring
JP2012172724A (ja) * 2011-02-18 2012-09-10 Nsk Ltd 外輪回転形転がり軸受及び圧延機
JP2012172723A (ja) * 2011-02-18 2012-09-10 Nsk Ltd 外輪回転形転がり軸受及び圧延機
JP2014005903A (ja) * 2012-06-26 2014-01-16 Jtekt Corp 転がり軸受装置
JP2014231856A (ja) * 2013-05-28 2014-12-11 Ntn株式会社 転がり軸受
US9829041B2 (en) 2013-05-28 2017-11-28 Ntn Corporation Rolling bearing

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20080260314A1 (en) Wheel support bearing assembly
US8646985B2 (en) Sealed spherical roller bearing assembly
EP2905489B1 (en) Sealed rolling bearing
JP2006322579A (ja) 転がり軸受
WO2013015108A1 (ja) 密封型転がり軸受
JP5620258B2 (ja) 密封装置、及びこれを備えた転がり軸受装置
WO2016188400A1 (zh) 轴承
JP2003004035A (ja) 軸受装置
JP5455334B2 (ja) シール付き軸受
US10550891B2 (en) Seal member for rolling bearing and rolling bearing assembly
WO2016125516A1 (ja) 鉄道車両用軸受装置
JP5455429B2 (ja) シール付き軸受
JP5782777B2 (ja) 玉軸受用保持器及び玉軸受
JP2015200393A (ja) シールリング付転がり軸受
EP2837844B1 (en) Shear valve and torque limiter
JP6186833B2 (ja) シールリング付転がり軸受
JP2009074589A (ja) 密封装置
JP2004169889A (ja) ピニオン軸支持用軸受装置およびピニオン軸支持装置
JP2005325866A (ja) 鉄道車両用軸受
JP2008240776A (ja) アンギュラ玉軸受
EP2093442B1 (en) Sealed rolling bearing
JP2009024807A (ja) 密封装置
JP2005061575A (ja) 転がり軸受
JP2010090986A (ja) 密封型転がり軸受
JP2008223967A (ja) 転がり軸受

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041021

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070720

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070724

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071115