JP2003003809A - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置

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JP2003003809A
JP2003003809A JP2001190634A JP2001190634A JP2003003809A JP 2003003809 A JP2003003809 A JP 2003003809A JP 2001190634 A JP2001190634 A JP 2001190634A JP 2001190634 A JP2001190634 A JP 2001190634A JP 2003003809 A JP2003003809 A JP 2003003809A
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hydraulic
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JP2001190634A
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Tomoya Tsukada
智哉 塚田
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来装置はロック孔から油圧室への作動油の
流動抵抗が大きくなり、バルブタイミング制御応答性が
低下する。 【解決手段】 タイミングギアと相対回動可能なカムシ
ャフト4と、タイミングギアに固定されたハウジング3
と、カムシャフトに固定されて、ハウジング内で隔壁と
間に進角側油圧室17及び遅角側油圧室18を形成する
ベーン部材6と、機関運転状態に応じて前記両油圧室に
流体圧を選択的に給排することにより、ハウジングとベ
ーン部材とを相対回動させる油圧回路と、前記ハウジン
グとベーン部材をロックするロック機構22とを備えて
いる。ロータ15の外周部に形成されたロック孔24
は、ほぼ円柱状に形成され、油圧回路の第1油孔31a
が接続されていると共に、摺動用孔23側の開口端24
aの孔縁部にコーン状のテーパ面33が形成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の吸気弁
や排気弁である機関弁の開閉時期を運転状態に応じて可
変にするベーンタイプのバルブタイミング制御装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来のバルブタイミング制御装置として
は、図9に示すように、機関のクランク軸によって回転
力が伝達されるタイミングギア50の一側面側に、筒状
のハウジング51が薄肉のリアプレートを介してボルト
によって固定されている。また、外周に機関弁である吸
気弁を作動させるカムを有するカムシャフト52の一端
部に固定されたベーン部材53が、前記ハウジング51
の内部に相対回動自在に設けられている。
【0003】前記ハウジング51は、アルミダイキャス
トによってほぼ碗状に一体に形成されて、内周側にほぼ
台形状の隔壁54が突設されたほぼ筒状の周壁55と、
該周壁55のタイミングギア50と反対側の一端開口を
閉塞しつつ一体に成形されたほぼ異形状の側壁(図示せ
ず)とから構成され、前記隔壁54は、円周方向の等間
隔位置に3つ形成されている。
【0004】前記ベーン部材53は、前記カムシャフト
52の先端部に軸方向からボルトによって固定されたロ
ータ56と、該ロータ56の外周面に放射状に突設され
た3つのベーン57とから構成されており、この3つの
ベーン57と前記ハウジング51の各隔壁54との間
に、それぞれ3つの進角側油圧室58と遅角側油圧室5
9が画成されている。
【0005】また、前記進角側と遅角側の各油圧室5
8,59には、機関運転状態に応じて、油圧回路60か
ら油圧が選択的に給排されてベーン部材53を正逆回転
させることによりタイミングギア50とカムシャフト5
2との相対回動位相を変化させて、吸気弁の開閉時期を
可変にするようになっている。
【0006】また、前記周壁55とロータ56との間に
は、機関低回転時などにベーン部材53のばたつきを防
止するロック機構60が設けられている。このロック機
構60は、図9及び図10に示すように、周壁55の1
つの隔壁54に有するボス部にロータ56の軸線方向に
沿って径方向に貫通形成された摺動用孔61と、該摺動
用孔61に対応した前記ロータ56の外周面に径方向に
形成されたロック孔62と、前記摺動用孔61の内部に
摺動自在に保持されて、先端部63aが前記ロック孔6
2内に係脱自在に設けられたほぼ円柱状のロックピン6
3と、摺動用孔62の後端部に圧入固定された栓体と前
記ロックピン63との間に弾装されて、該ロックピン6
3をロック孔62方向へ付勢するコイルスプリング64
とから主として構成されている。また、前記ロック孔6
2の底部側には、受圧室65が形成され、この受圧室6
5に、前記進角側油圧室58に連通する前記油圧回路6
0の第1油孔60aを介して供給される油圧によってロ
ックピン63を摺動用孔61内に後退動させて、ロック
を解除するようになっている。
【0007】そして、前記第1油孔60aからロック孔
62(受圧室65)内に流入した油圧は、図10の矢印
に示すように、ロック孔62の開口端62aからロータ
56の外周面と隔壁54の内周面との間の隙間Cを通っ
て進角側油圧室58内に流入し、これによってベーン部
材53一点鎖線に示すように図中右方向に相対回転させ
るようになっている。
【0008】なお、前記各ベーン57の先端部に形成さ
れた各シール溝内に、前記周壁55の内周面55aに摺
接して前記各油圧室58,59間をシールするシール部
材66が嵌着されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のバルブタイミング制御装置にあっては、前記油圧回
路60の一つの第1油孔60aをロック孔62内に連通
させて、ロック解除用の油圧供給用としても兼用させる
ことにより油路の簡素化を図って加工工数を少なくする
ことができるものの、前記ロック孔62の開口端62a
の孔縁部62bがほぼ鋭角状に形成せざるを得なくな
る。特に、径方向に配置されたロックピン63は、剪断
方向の強度を確保するために、ある程度の外径寸法が必
要になることから、摺動用孔61の内径寸法も大きく取
らざるを得なくなる。このため、ロータ56の中心を通
る線Xと摺動用孔61の内周軸方向線Yとのなす角度θ
1が大きくなってしまう。つまり、前記孔縁部62bが
鋭角状になってしまう。
【0010】この結果、ロックピン63を後退動させて
ロック孔62から開口端62aを通り隙間Cを介して進
角側油圧室58内に流入しよとする作動油は、図10の
矢印で示すように孔縁部62bを迂回しながら該孔縁部
62bと隔壁54の狭い隙間C1から入り込まざるを得
ない。したがって、かかる隙間C1での流動抵抗が大き
くなり、進角側油圧室58への流入効率が低下してしま
い、ベーン部材53の回動応答性が悪化するおそれがあ
る。
【0011】また特に、ロックピン63が後退動して前
記隙間C1が開口し始めた直後には、前記孔縁部62b
によって作動油が攪拌されやすくなるため、キャビティ
ーションが生じ、異音が発生する可能性もある。
【0012】そこで、ロックピン63の摺動方向、つま
り摺動用孔61の軸線をロータ56の中心を通る線Xに
対して角度をもってほぼ平行に形成することも考えられ
るが、この方法では孔開け加工が困難になるばかりか、
ロックピン63によるロック保持性も劣ってしまうおそ
れがある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記従来のバ
ルブタイミング制御装置の技術的課題に鑑みて案出され
たもので、請求項1記載の発明は、機関よって回転駆動
される回転体と、該回転体と相対回動可能なカムシャフ
トと、前記回転体とカムシャフトのいずれか一方側に固
定されて、内周側に隔壁が突設されたハウジングと、前
記回転体とカムシャフトの他方側に固定されて、前記隔
壁間でハウジング内を正逆回動可能なベーン部材と、該
ベーン部材と隔壁との間に画成されて、内部に選択的に
油圧が給排される進角側油圧室及び遅角側油圧室と、機
関運転状態に応じて前記進角側油圧室と遅角側油圧室に
流体圧通路を介して流体圧を選択的に給排することによ
り、前記ハウジングとベーン部材とを相対回動させる流
体圧回路と、少なくとも機関始動時に前記ハウジングと
ベーン部材をロックするロック機構とを備え、前記ロッ
ク機構は、前記隔壁に中心軸線が前記ベーン部材の径方
向に向かって形成された摺動用孔と、前記ベーン部材の
前記摺動用孔に対向した位置に形成されたロック孔と、
前記摺動用孔内に摺動自在に保持されて、先端部が前記
ロック孔内に適宜係合するロック部材とを備え、前記ロ
ック孔内に前記流体圧通路から流体圧が供給されて前記
ロック部材を後退動させると共に、該ロック孔の開口端
から流出した流体圧を前記ベーン部材と隔壁と間の隙間
を通過させて前記一方の油圧室に供給するようにした内
燃機関のバルブタイミング制御装置において、前記ロッ
ク孔の開口端における少なくとも前記一方の油圧室側の
孔縁部に、流体圧が通流するテーパ部あるいはアール部
を形成したことを特徴としている。
【0014】したがって、この発明によれば、ロック孔
から隙間への流体圧の流入性がスムーズになることか
ら、いずれか一方の油圧室への流入も円滑に行われ、流
入効率が高くなる。この結果、ベーン部材の相対回動速
度が速くなって、バルブタイミング制御の切り換え応答
性を向上させることができる。
【0015】請求項2に記載の発明は、前記ロック孔を
ほぼ円柱状に形成すると共に、前記テーパ部あるいはア
ール部を前記ロック孔の開口端の孔縁部全体に形成した
ことを特徴としている。
【0016】請求項3に記載の発明は、前記ロック部材
をほぼ円柱状のピンによって形成すると共に、該ロック
部材の先端部をテーパ状に形成する一方、前記ロック孔
の開口端側の内周面を、前記ロック部材のテーパ状先端
部が当接嵌合するテーパ状に形成したことを特徴として
いる。
【0017】請求項4に記載の発明は、前記摺動用孔が
形成された隔壁の油圧室側の内端縁を、アール状に形成
したことを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる内燃機関の
バルブタイミング制御装置を吸気側に適用した実施形態
を図面に基づいて詳述する。
【0019】図4及び図5は本発明の第1の実施形態を
示し、機関の図外のクランクシャフトによりタイミング
チェーンを介して回転駆動される回転体たるタイミング
ギア1と、該タイミングギア1の一側部にボルト2によ
って固定された筒状のハウジング3と、一端部4aが前
記タイミングギア1の中央孔1aを介して前記ハウジン
グ3内に挿通され、外周に図外の吸気弁を開作動させる
複数のカムを有するカムシャフト4と、該カムシャフト
4の一端部4aに軸方向から固定ボルト5によって固定
されて、前記ハウジング3内に回動自在に収容されたベ
ーン部材6と、前記ハウジング3とベーン部材6とを機
関停止時などに連結ロックするロック機構22とを備え
ている。
【0020】前記タイミングギア1は、ほぼ平歯車状を
呈し、中央には前記カムシャフト4の一端部4aが相対
回動自在挿通される前記中央孔1aが貫通形成されてい
ると共に、外周にタイミングチェーンが巻装される歯部
1bが形成されている。
【0021】前記ハウジング3は、アルミダイキャスト
によってほぼ碗状に一体に形成されて、ほぼ筒状の周壁
7と、該周壁7のタイミングギア1と反対側の一端開口
を閉塞しかつ該周壁7と型成形時に一体に接合されたほ
ぼ異形状の側壁8とから構成されている。
【0022】前記周壁7は、円周方向のほぼ120°位
置が内方へ膨出変形されて内周側にほぼ台形状の隔壁9
が3つ突設されていると共に、かかる各隔壁9の形成部
位の外端部に扇状の台座部10が3つ形成されており、
該各台座部10の円周方向の中央位置に前記ボルト2が
挿通する挿通孔11がそれぞれ穿設されている。また、
この周壁7の他端開口は前記タイミングギア1の一側面
によって液密的に閉塞されている。
【0023】前記側壁8は、前記周壁7の端縁の前記各
隔壁9を含めた外形状に沿った形状に形成され、中央部
に前記固定用ボルト5が挿通するボルト孔13が貫通形
成されている。
【0024】前記ベーン部材6は、前記カムシャフト4
の一端部4aに軸方向から前記固定用ボルト5によって
直接ボルト締めされたほぼ円筒状のロータ15と、該ロ
ータ15の外周面に放射状に突設された3つのベーン1
6とから構成されている。
【0025】前記ロータ15は、一側中央位置に有する
嵌合溝15a内にカムシャフト4の一端部4aが嵌合さ
れている一方、前記3つのベーン16は、前記ハウジン
グ3の各隔壁9との間に、それぞれ3つの進角側油圧室
17と遅角側油圧室18を画成している。
【0026】また、前記各ベーン16の径方向の先端部
16aには、シール溝19が長手方向に沿ってそれぞれ
形成されていると共に、該各シール溝19の内に前記周
壁7の内周面7aに摺接して前記各油圧室17,18間
をシールするシール部材20それぞれ嵌着されている。
このシール部材20は、比較的軟質なPPS樹脂を基材
として横断面ほぼコ字形状に形成され、シール溝19内
に単に嵌着されて、前記各油圧室17,18内に供給さ
れた油圧によて周壁7の内周面7a方向に押しつけられ
るようになっている。
【0027】前記ロック機構22は、図1〜図3に示す
ように、1つの隔壁9に有するボス部12に径方向に貫
通形成された摺動用孔23と、該摺動用孔23に対応し
た前記ロータ15の外周部に径方向に沿って穿設された
ロック孔24と、前記摺動用孔23の内部に摺動自在に
保持されて、先端部25aが前記ロック孔24内に係脱
自在に設けられたロック部材であるロックピン25と、
摺動用孔23の後端部に圧入固定された栓体26と前記
ロックピン25との間に弾装されて、該ロックピン25
をロック孔24方向へ付勢するコイルスプリング27と
から主として構成されている。
【0028】前記ロック孔24は、ほぼ円柱状に形成さ
れ、底部側に形成された受圧室28に後述する第1油圧
通路31の一つの第1油孔31aが接続されて、機関始
動後に供給される油圧によってロックピン25を摺動用
孔23内に後退動させるようになっていると共に、摺動
用孔23側の開口端24aの孔縁部にテーパ面33が形
成されている。
【0029】このテーパ面33は、ほぼ前記孔縁部の全
周に渡って形成されていると共に、ロック孔24の軸方
向のほぼ中央位置から前記摺動用孔23に向かって漸次
拡径するようにほぼコーン状に形成されている。したが
って、このテーパ面33と、ロータ15の外周面及びボ
ス部12の内周面との間に形成された隙間C1の角度θ
が鈍角になると共に、開口端24aの横断面積が大きく
なる。
【0030】また、前記各進角側油圧室17と遅角側油
圧室18には、油圧回路30から油圧が選択的に給排さ
れるようになっている。この油圧回路30は、図4に示
すように進角側油圧室17に対して油圧を給排する第1
油圧通路31と、遅角側油圧室18に対して油圧を給排
する第2油圧通路32との2系統の油圧通路を有し、こ
の両油圧通路31,32には、図外の供給通路とドレン
通路とが夫々通路切替用の電磁切替弁を介して接続され
ている。前記供給通路には、オイルパン内の油を圧送す
るオイルポンプが設けられていると共に、供給通路の上
流端とドレン通路の下流端がオイルパンに連通してい
る。
【0031】前記第1油圧通路31は、シリンダヘッド
内からカム軸受の内周のグルーブ溝を通って、カムシャ
フト4の内部一側部に軸方向及び径方向に折曲形成され
ていると共に、ロータ15の内部放射状に形成されて、
それぞれが各進角側油圧室17にカムシャフト4外周の
環状溝31dを介して連通した3本の第1油孔31a〜
31cを有している。
【0032】一方、第2油圧通路32は、同じくシリン
ダヘッド内からカム軸受の内周のグルーブ溝を通って、
カムシャフト4の内部他側部に軸方向及び径方向に折曲
形成されていると共に、ロータ15の内部放射状に形成
されて、それぞれが各遅角側油圧室18にカムシャフト
4外周の環状溝32dを介して連通した3本の第2油孔
32a〜32cを有している。
【0033】前記電磁切替弁は、4ポート2位置型であ
って、内部の弁体が各油圧通路31,32と供給通路及
びドレン通路とを相対的に切り替え制御するようになっ
ていると共に、マイクロコンピュータを内蔵したコント
ローラ(ECU)からの制御信号によって切り替え作動
されるようになっている。コントローラは、機関回転数
を検出するクランク角センサからの機関回転数信号や吸
入空気量を検出するエアフローメータからの負荷信号及
び水温センサからの機関水温信号によって現在の運転状
態を検出すると共に、図外のクランク角及びカム角セン
サからの信号によってタイミングギア1とカムシャフト
4との相対回動位置を検出している。
【0034】以下、本実施形態の作用を説明する。ま
ず、機関の始動及び始動後の所定の低回転低負荷域で
は、コントローラから制御信号が出力された電磁切替弁
が供給通路と第2油圧通路32を連通させると共に、ド
レン通路と第1油圧通路31とを連通させる。このた
め、進角側油圧室17には、機関停止時と同じく油圧が
供給されず低圧状態を維持している一方、遅角側油圧室
18には、オイルポンプから圧送された油圧が第2油圧
通路32から第2油孔32aを通って供給されるが、今
だ十分に油圧が上昇していないため、ロックピン25は
コイルスプリング27のばね力でロック孔24内に係入
された状態を維持し、ベーン部材6は、図5に示す位置
に保持されて、タイミングギア1とカムシャフト4の最
遅角側の回動位置での確実な結合状態が維持される。
【0035】このため、吸気弁のバルブタイミングを始
動性に好適な所定の遅角制御が維持されることにより機
関のクランキングが速やかに立上って始動性が良好にな
ると共に、カムシャフト4に作用する正負のトルク変動
によるベーン部材6のばたつきの発生を抑制できる。ま
た、かかるロック状態は、アイドリング運転中にも維持
されるため、慣性吸気の利用により燃焼効率が向上して
燃費の向上と回転の安定化が図れる。
【0036】その後、、機関が中回転中負荷域に移行す
ると、コントローラからの制御信号によって電磁切替弁
が作動して、供給通路と第1油圧通路31を連通させる
一方、ドレン通路と第2油圧通路32を連通させる。し
たがって、遅角側油圧室18内の油圧が第2油圧通路3
2を通ってドレン通路からオイルパン内に戻されて遅角
側油圧室18内が低圧になる。一方、進角側油圧室17
内に油圧が各第1油孔31aを経由して供給されて高圧
になる。
【0037】また、このとき、図1及び図2に示すよう
に一つの第1油孔31aから受圧室28に流入した油圧
は、ロックピン25の先端部25aに作用してコイルス
プリング27のばね力に抗して後退動させるため、該先
端部25aがロック孔24から抜け出す。このため、ベ
ーン部材15は、遅角側油圧室18方向、つまり進角側
方向へのみの相対回動が許容されて、進角側油圧室17
内の油圧の上昇に伴い、隔壁9の遅角側油圧室17側の
他側面に当接するまで最大に回動して最進角側位置に保
持される。
【0038】したがって、タイミングギア1とカムシャ
フト4とは、最進角側へ相対回動制御されて吸気弁の開
閉時期を最進角側へ制御する。これによって、機関のポ
ンプ損失が低減して出力の向上が図れる。
【0039】また、前述のように、前記受圧室28(ロ
ック孔24)内に流入してロックピン25を摺動用孔2
3内に後退動させた作動油は、図2に示すように、テー
パ面33に沿って前記隙間C1、C内に流入するが、こ
のとき、テーパ面33とボス部12の内周面との間の角
度が鈍角になっていることから隙間C1への流入性がス
ムーズになる。また、ベーン部材6が、図3に示すよう
にさらに時計方向へ回動するとテーパ面33によってロ
ック孔24と進角側油圧室17が速やかに直接連通する
ようになるため、進角側油圧室17への流入効率もさら
に高くなる。
【0040】この結果、ベーン部材6の遅角側から進角
側、つまり図5に示す位置から時計方向への相対回動速
度が速くなって、バルブタイミング制御の切り換え応答
性が向上する。
【0041】しかも、前記テーパ面33を形成したこと
から、キャビティーションの発生も効果的に抑制される
ため、異音の発生も防止できる。
【0042】さらに、前記テーパ面33によってロック
孔24内でのロックピン25の摺動抵抗が小さくなると
共に、先端部25aの先端面側全体に油圧を作用させる
ことができることから、ロックピン25のロック孔24
からの抜け性が良好になる。
【0043】また、ロック孔24を円柱状に形成すると
共に、テーパ面33も孔縁部の全体に形成したことか
ら、かかるロック孔24やテーパ面33の加工作業が容
易になる。
【0044】なお、各油圧室17,18には、機関の運
転状態に応じて油圧を適宜給排することにより回動部材
3を所望の中間位置に連続的に保持することも可能であ
る。
【0045】図6及び図7は第2の実施形態を示し、前
記ロック孔24の開口端24aの孔縁部を円弧面34
(アール状)に形成すると共に、ボス部12の進角側油
圧室17側の内端縁35もアール状、つまり円弧状に形
成した。具体的に説明すれば、前記円弧面34は、所定
の滑らかな曲面となるような曲率に設定されて、孔縁部
の全周に渡って形成されている。一方、前記内端縁35
は、同じく滑らかな曲面となるような曲率に形成され
て、ハウジング3の軸方向に沿って形成されている。
【0046】したがって、この実施形態によれば、前述
のようにロック孔24内に流入した作動油は、図7の矢
印に示すように前記円弧面35に沿って隙間C1内に滑
らかに流入し、さらに内端縁35に沿って進角側油圧室
17にスムーズに流入する。したがって、前記第1の実
施形態と同様な作用効果が得られると共に、内端縁35
も円弧状に形成されていることから、作動油を一層効率
良く進角側油圧室18内に供給することができる。この
結果、ベーン部材20の回動切り換え速度が速くなり、
バルブタイミングの制御応答性がさらに向上する。
【0047】図8は第3の実施形態を示し、この実施形
態は、前記ロック孔24の内周面24b全体を摺動用孔
23方向へ拡開するようにテーパ状に形成してコーン状
に形成する一方、ロックピン25の先端部25aの外周
面25bをロック孔24に係合した際に、前記内周面2
4bに適合状態で嵌合するようにテーパ状に形成した。
また、ボス部12の進角側油圧室17側の内端縁35も
円弧状に形成した。
【0048】したがって、この実施形態によれば、ロッ
ク孔24の内周面24b全体がテーパ状に形成されてい
ることから、ロック孔24内の作動油はこのテーパ状内
周面24bに沿って隙間C1内に速やかに流入するた
め、前記第1の実施形態と同様な作用効果が得られると
共に、ロックピン25の先端部25a外周面もテーパ状
に形成されていることから、ロック孔24への挿入性が
良好になる。したがって、ロックピン25によるロック
作用を安定かつ確実に行うことができる。
【0049】本発明は、前記各実施形態の構成に限定さ
れるものではなく、例えば、ロック孔24を遅角側油圧
室17に油圧を給排する油孔に接続することも可能であ
り、また、前記テーパ面33や内周面24bのテーパ角
度をロックピン25のロック作用に支障が生じない範囲
で自由に変更することが可能である。
【0050】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、請求項1
に記載の発明によれば、ロック孔から隙間への流体圧の
流入性がスムーズになり、したがって、いずれか一方の
油圧室への流入も円滑に行われ、流入効率が高くなる。
この結果、ベーン部材の相対回動速度が速くなって、バ
ルブタイミング制御の切り換え応答性が向上する。
【0051】しかも、キャビティーションの発生も効果
的に抑制されるため、異音の発生も防止できる。
【0052】さらに、ロック孔内でのロック部材の摺動
抵抗が小さくなると共に、ロック部材先端部の先端面側
全体に流体圧を作用させることができることから、ロッ
ク部材のロック孔からの抜け性が良好になる。
【0053】請求項2に記載の発明によれば、ロック孔
を円柱状に形成し、しかもテーパ面などをロック孔の孔
縁部全体に形成することから、かかるロック孔やテーパ
面などの成形作業が容易になる。
【0054】請求項3に記載の発明によれば、ロック孔
の内周面がテーパ状に形成されていることから、流体圧
をテーパ状内周面に沿って隙間内に速やかに流入させる
ことができるため、前記第1の実施形態と同様な作用効
果が得られると共に、ロック部材の先端部外周面もテー
パ状に形成されていることから、ロック孔への挿入性が
良好になる。したがって、ロック部材によるロック作用
を安定かつ確実に行うことができる。
【0055】請求項4に記載の発明によれば、ロック孔
内の流体圧をさらに効率良く油圧室内に流入させること
が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す図5の部分拡大
図。
【図2】本実施形態の作用を示す図5の部分拡大図。
【図3】同じく本実施形態の作用を示す図5の部分拡大
図。
【図4】図5のA−A線断面図。
【図5】図4のB−B線断面図。
【図6】本発明の第2の実施形態を示す要部拡大図。
【図7】本実施形態の作用説明図。
【図8】本発明の第3の実施形態を示す要部拡大図。
【図9】従来のバルブタイミング制御装置の部分拡大
図。
【図10】従来装置の作用説明図。
【符号の説明】
1…タイミングスギア(回転体) 3…ハウジング 4…カムシャフト 6…ベーン部材 15…ロータ 16…ベーン 17…進角側油圧室 18…遅角側油圧室 22…ロック機構 23…摺動用孔 24…ロック孔 25…ロックピン(ロック部材) 28…受圧室 30…油圧回路 31a…第1油孔 33…テーパ面 34…円弧面 35…内端縁

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関よって回転駆動される回転体と、 該回転体と相対回動可能なカムシャフトと、 前記回転体とカムシャフトのいずれか一方側に固定され
    て、内周側に隔壁が突設されたハウジングと、 前記回転体とカムシャフトの他方側に固定されて、前記
    隔壁間でハウジング内を正逆回動可能なベーン部材と、 該ベーン部材と隔壁との間に画成されて、内部に選択的
    に油圧が給排される進角側油圧室及び遅角側油圧室と、 機関運転状態に応じて前記進角側油圧室と遅角側油圧室
    に流体圧通路を介して流体圧を選択的に給排することに
    より、前記ハウジングとベーン部材とを相対回動させる
    流体圧回路と、 少なくとも機関始動時に前記ハウジングとベーン部材を
    ロックするロック機構とを備え、 前記ロック機構は、前記隔壁に中心軸線が前記ベーン部
    材の径方向に向かって形成された摺動用孔と、前記ベー
    ン部材の前記摺動用孔に対向した位置に形成されたロッ
    ク孔と、前記摺動用孔内に摺動自在に保持されて、先端
    部が前記ロック孔内に適宜係合するロック部材とを備
    え、前記ロック孔内に前記流体圧通路から流体圧が供給
    されて前記ロック部材を後退動させると共に、該ロック
    孔の開口端から流出した流体圧を前記ベーン部材と隔壁
    と間の隙間を通過させて前記一方の油圧室に供給するよ
    うにした内燃機関のバルブタイミング制御装置におい
    て、 前記ロック孔の開口端における少なくとも前記一方の油
    圧室側の孔縁部に、流体圧が通流するテーパ部あるいは
    アール部を形成したことを特徴とする内燃機関のバルブ
    タイミング制御装置。
  2. 【請求項2】 前記ロック孔をほぼ円柱状に形成すると
    共に、前記テーパ部あるいはアール部を前記ロック孔の
    開口端の孔縁部全体に形成したことを特徴とする請求項
    1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  3. 【請求項3】 前記ロック部材をほぼ円柱状のピンによ
    って形成すると共に、該ロック部材の先端部をテーパ状
    に形成する一方、前記ロック孔の開口端側の内周面を、
    前記ロック部材のテーパ状先端部が当接嵌合するテーパ
    状に形成したことを特徴とする請求項2に記載の内燃機
    関のバルブタイミング制御装置。
  4. 【請求項4】 前記摺動用孔が形成された隔壁の油圧室
    側の内端縁を、アール状に形成したことを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関のバルブタイミ
    ング制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE10332881A1 (de) * 2003-07-19 2005-02-10 Ina-Schaeffler Kg Vorrichtung zum Verändern der Steuerzeiten von Gaswechselventilen einer Brennkraftmaschine, insbesondere Rotationskolben-Verstelleinrichtung zur Drehwinkelverstellung einer Nockenwelle gegenüber einer Kurbelwelle
JP2020094507A (ja) * 2018-12-11 2020-06-18 日立オートモティブシステムズ株式会社 内燃機関のバルブタイミング制御装置及び内燃機関のバルブタイミング制御システム
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