JP2003002058A - 車両用補強部材の取付構造および取付方法 - Google Patents

車両用補強部材の取付構造および取付方法

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JP2003002058A
JP2003002058A JP2001185715A JP2001185715A JP2003002058A JP 2003002058 A JP2003002058 A JP 2003002058A JP 2001185715 A JP2001185715 A JP 2001185715A JP 2001185715 A JP2001185715 A JP 2001185715A JP 2003002058 A JP2003002058 A JP 2003002058A
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door
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Koji Yamaguchi
浩司 山口
Masashi Ozawa
正史 小澤
Suekichi Hanshimoseki
末吉 半下石
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Abstract

(57)【要約】 【課題】車両用補強部材と相手部材との溶接部分の腐食
を抑制して、両部材の接合強度を確保することの可能な
車両用補強部材の取付構造および取付方法を提供する。 【解決手段】ドアインパクトビームの取付構造は、ドア
インパクトビーム11のブラケット部14とドアインナ
パネル16との間に塗膜層21及びメッキ層15を介在
させた状態で、スポット溶接によりブラケット部14を
ドアインナパネル16に取り付けた構造である。ブラケ
ット部14とドアインナパネル16との溶接部分には、
ナゲット22が形成されており、このナゲット22によ
り、両部材の溶接部分の接合強度が確保される。また、
塗膜層21及びメッキ層15は、犠牲層となっているた
め、雨水等に接触する場合でも、塗膜層21及びメッキ
層15が先に腐食され、ナゲット22は腐食されにくい
状態となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用補強部材の
取付構造および取付方法に係り、より詳しくは、鋼板か
ら所定形状となるように一体成形されたドアインパクト
ビーム、ドアインナリインフォースメント、センターピ
ラー等の車両用補強部材を金属製の相手部材(車両部
材)にスポット溶接で取り付けた取付構造および取付方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、車両に関しては、安全対策の強化
に対する要求が強まってきており、車両の一部に補強部
材を取り付けて補強するようになっている。ここで、車
両のドア内部に水平方向に架設されて側面衝突時の衝撃
を吸収・緩和するためのドアインパクトビーム(車両用
補強部材)を、ドアインナパネル(相手部材)にスポッ
ト溶接で取り付ける場合を例にとって、車両用補強部材
の取付構造および取付方法に係る従来技術について以下
に説明する。
【0003】図1に示すように、ドアインパクトビーム
11は、その中央に位置する断面略逆U字状の本体部1
2と、その両端に位置する略平板状のブラケット部1
3,14とを備えており、鋼板(例えば板厚1.6mm
の高張力鋼)から一体成形されている。このドアインパ
クトビーム11は、車両の安全対策の強化に対応するた
めに、高い引張強さ(例えば約1500MPa)を有し
ている。
【0004】図1に示される態様のドアインパクトビー
ム11は、鋼板をその鋼材の融点未満の高温(例えば9
30℃)に加熱する加熱工程と、その高温状態にある鋼
板に対して相対的に低温(例えば常温)のプレス型を用
いてプレス加工を施すプレス工程と、を順に行うことで
所定形状に形成されている。このように、鋼板を予め加
熱しておき、それを高温状態のまま常温のプレス型を用
いてプレスするという手法(以下、「ホットスタンプ
法」と呼ぶ)を採用することで、高い引張強さを有する
ドアインパクトビーム11を得ることが可能となる。
【0005】そして、図2,図3に示すように、所望の
引張強さを有してなるドアインパクトビーム11の各ブ
ラケット部13,14を表面にメッキ層15(例えば亜
鉛メッキ層)の形成された金属製のドアインナパネル1
6にスポット溶接で取り付けることにより、ドアインパ
クトビーム11がドア17内部の水平方向に架設される
と共に、ドアインパクトビーム11がドアインナパネル
16に取り付けられたドアインパクトビームの取付構造
となる。
【0006】この場合、ドアインパクトビーム11のブ
ラケット部14とドアインナパネル16との溶接部分に
は図3中に黒色部分で示したナゲット18が形成される
と共に、ドアインパクトビーム11のブラケット部14
及びメッキ層15を備えたドアインナパネル16にはス
ポット溶接時の両電極の押圧力等によって凹部19,2
0がそれぞれ形成されている。スポット溶接を行う前で
は、ドアインナパネル16の表面全てにメッキ層15が
存在しているのだが、スポット溶接を行った後では、図
3に示されるように、ドアインナパネル16のナゲット
18の近傍部分にメッキ層15が存在しない状態となっ
ている。これは、メッキ層15がスポット溶接時の熱の
影響を受けて溶融したことによるものである。
【0007】また、ドアインパクトビーム11は、ドア
インナパネル16とドアアウタパネル(図示略)との間
に装着され、その装着状態でドアインパクトビーム11
等にはカチオン電着塗装が施されるようになっている。
なお、図3中では、カチオン電着塗装によってドアイン
パクトビーム11等の表面に形成される塗膜層やドアア
ウタパネルを描かずに省略してある。
【0008】以上のように、ドアインパクトビームの取
付構造および取付方法においては、スポット溶接で形成
されたナゲット18により、ドアインパクトビーム11
とドアインナパネル16との溶接部分における接合強度
が確保されるようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来技術に係るドアインパクトビームの取付構造およ
び取付方法では、以下に記すような問題が存在する。
【0010】すなわち、従来技術に係るドアインパクト
ビームの取付構造および取付方法に関しては、カチオン
電着塗装によってドアインパクトビーム11等の表面に
防錆機能を備えた塗膜層が形成されるものの、ドアイン
パクトビーム11のブラケット部13,14とドアイン
ナパネル16との間には塗料が浸入しにくく隅々まで行
き渡らないため、両部材間には防錆機能を備えた塗膜層
が形成されないおそれがある。
【0011】そのため、ドア17内部に浸入した雨水が
更に両部材間まで浸入して溶接部分(ナゲット18)に
接触したり、ドアインパクトビーム11が湿潤雰囲気等
の過酷条件下で使用されたりする場合、ドアインパクト
ビーム11のブラケット部13,14とドアインナパネ
ル16との溶接部分には腐食が発生又は進行し易く、そ
の腐食に起因して両部材の溶接部分の接合強度が極端に
低下してしまう。その結果、ドアインパクトビーム11
が外部から衝撃を受けた際に十分な強度が得られないお
それが生じることとなり、車両用補強部材としてのドア
インパクトビーム11の機能が発揮されなくなってしま
うことが懸念される。
【0012】また、ドアインパクトビームを製造する場
合に、予め鋼板に防錆機能を備えたメッキ層や塗膜層を
形成しておくことも考えられるが、鋼板を所定形状とな
るように一体成形する際に、鋼板からメッキ層や塗膜層
の損失等する部分が生じてしまうため、ドアインパクト
ビーム自身の防錆機能が十分であるとは言い難い。特
に、鋼板に対してホットスタンプ法等の熱間加工や焼入
れ処理を施す場合には、入熱によってメッキ層や塗膜層
が酸化されたり、溶損したり、剥離等したりもするた
め、ドアインパクトビーム自身の防錆機能の低下は著し
いものとなる。従って、鋼板に予めメッキ処理等の防錆
処理を施した場合でも、ドアインパクトビームとドアイ
ンナパネルとの溶接部分における腐食の問題は残ったま
まである。
【0013】本発明は、上述した実情に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、車両用補強部材と相手部材と
の溶接部分における腐食を抑制して、その溶接部分の接
合強度を確保することの可能な車両用補強部材の取付構
造および取付方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明における車両用補強部材の取
付構造は、鋼板から所定形状となるように一体成形され
た車両用補強部材と金属製の相手部材とを有し、前記車
両用補強部材と前記相手部材との間に導電性塗料からな
る塗膜層を介在させた状態でスポット溶接により前記車
両用補強部材を前記相手部材に取り付けたことをその要
旨としている。
【0015】上記請求項1に記載の発明によれば、車両
用補強部材と相手部材との間に導電性塗料からなる塗膜
層を介在させた状態でスポット溶接により車両用補強部
材を相手部材に取り付けるため、車両用補強部材と相手
部材との溶接部分にはナゲットが形成される。この場
合、導電性塗料からなる塗膜層は、導電性を有している
ため、車両用補強部材と相手部材との溶接部分における
スポット溶接が良好な状態で行われることとなる。この
ようなスポット溶接で形成されたナゲットにより、車両
用補強部材と相手部材との溶接部分の接合強度が確保さ
れるようになる。
【0016】また、車両用補強部材と相手部材との間に
介在された防錆機能を備えた塗膜層は、犠牲材料を含有
しているため(犠牲層であるため)、両部材間から雨水
等が浸入した場合でも、その犠牲材料が先に腐食される
こととなり、車両用補強部材と相手部材との溶接部分は
腐食されにくくなる。その結果、車両用補強部材と相手
部材との溶接部分における腐食が抑制されて、両部材の
溶接部分における接合強度の低下が抑制される。従っ
て、車両用補強部材の取付構造の耐久性及び信頼性の向
上が図られ、車両用補強部材の機能が十分に発揮され得
るようになる。
【0017】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の車両用補強部材の取付構造において、前記鋼板は、高
張力鋼、強靭鋼及び超強力鋼のいずれか1つの材料から
なることをその要旨としている。ここで、「高張力鋼」
とは、低炭素鋼に少量の合金元素を添加することで40
0〜1000MPaの引張強さを有する鋼材をいい、ハ
イテン材とも呼ばれる。また、「強靭鋼」とは、引張強
さ900〜1300MPaの機械構造用合金鋼をいい、
炭素量0.25〜0.5重量%で、ケイ素、マンガン、
クロム、ニッケル、モリブデン等の組成からなるもので
ある。例えば、強靭鋼として、JISでは、Mn鋼、M
n−Cr鋼、Cr鋼、Cr−Mo鋼、Ni−Cr鋼、N
i−Cr−Mo鋼が挙げられる。更に、「超強力鋼(超
強靭鋼)」とは、引張強さ1300MPa以上で、鉄鋼
材料の中で最高強度水準のものをいう。
【0018】上記請求項2に記載の発明によれば、請求
項1に記載の発明の作用に加えて、高張力鋼、強靭鋼及
び超強力鋼のいずれか1つの材料からなる鋼板が優れた
引張強さ(400MPa以上)を有しているため、当該
鋼板から一体成形される車両用補強部材も優れた引張強
さを有することとなり、車両用補強部材としての機能が
より確実に発揮されるようになる。
【0019】請求項3に記載の発明は、請求項1又は請
求項2に記載の車両用補強部材の取付構造において、前
記塗膜層は、エポキシ樹脂よりなるバインダーと、該バ
インダー中に散在した亜鉛よりなる導電性フィラーとを
備えた導電性塗料からなることをその要旨としている。
【0020】上記請求項3に記載の発明によれば、請求
項1,請求項2に記載の発明の作用に加えて、エポキシ
樹脂よりなるバインダーと、該バインダー中に散在した
亜鉛よりなる導電性フィラーとを備えた導電性塗料から
なる塗膜層は、溶接性、防錆性及び耐候性に優れている
ため、その塗膜層を車両用補強部材と相手部材との間に
介在させた状態でスポット溶接を行っても、塗膜層の溶
接性、防錆性及び耐候性が確実に発揮される。従って、
車両用補強部材の取付構造が長期に渡って安定した状態
で維持されるため、車両用補強部材の取付構造の耐久性
及び信頼性の向上がより一層確実なものとなる。なお、
塗膜層中の亜鉛よりなる導電性フィラーは、犠牲材料と
しての役割を果たしている。
【0021】請求項4に記載の発明は、請求項1から請
求項3のいずれか一項に記載の車両用補強部材の取付構
造において、前記車両用補強部材はドアインパクトビー
ムであると共に、前記相手部材は表面にメッキ層の形成
されたドアインナパネルであり、前記ドアインパクトビ
ームの両端部に一体成形されたブラケット部にのみ前記
塗膜層を形成し、前記塗膜層及び前記メッキ層を介した
状態でスポット溶接により前記ブラケット部を前記ドア
インナパネルに取り付けたことをその要旨としている。
【0022】上記請求項4に記載の発明は、車両用補強
部材としてのドアインパクトビームの取付構造に関し、
請求項1,請求項2,請求項3に記載の発明の作用が奏
される。この取付構造によれば、ドアインパクトビーム
のブラケット部とドアインナパネルとが防錆機能を備え
た塗膜層及びメッキ層の2層を介した状態でスポット溶
接により取り付けられているため、ブラケット部とドア
インナパネルとの溶接部分の腐食が確実に抑制されて、
両部材の溶接部分の接合強度がより一層確実に確保され
るようになる。また、ドアインパクトビームのブラケッ
ト部にのみ塗膜層が形成されているため、製造コストの
増大が極力抑えられる。
【0023】請求項5に記載の発明における車両用補強
部材の取付方法は、鋼板から所定形状となるように一体
成形された車両用補強部材と金属製の相手部材との該車
両用補強部材側の接触面に導電性塗料を塗装して塗膜層
を形成する塗装工程と、前記塗膜層を介した状態でスポ
ット溶接により前記車両用補強部材を前記相手部材に取
り付ける溶接工程とを順に行うことをその要旨としてい
る。
【0024】上記請求項5に記載の発明によれば、塗装
工程と、溶接工程とを順に行うことにより、請求項1に
記載の発明の作用を備えた車両用補強部材の取付構造が
得られる。
【0025】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
の車両用補強部材の取付方法において、前記塗装工程を
行う前に、サンドブラスト又はショットブラストによっ
て前記車両用補強部材の塗装面を清浄する清浄工程を行
うことをその要旨とする。
【0026】上記請求項6に記載の発明によれば、請求
項5に記載の発明の作用に加えて、塗装工程を行う前に
清浄工程を行うことで、車両用補強部材の塗装面(接触
面)がサンドブラスト又はショットブラストによって清
浄されて、塗装面の錆等の酸化物や油脂等が除去される
ため、車両用補強部材の塗装面に対する塗装が良好な状
態で行われる。また、車両用補強部材の塗装面が清浄さ
れた状態で、その上から塗膜層を形成して塗装面を保護
しているため、車両用補強部材の塗装面は腐食されにく
い状態となっている。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明をドアインパクトビ
ームの取付構造および取付方法に具体化した一実施の形
態を図4に基づいて説明する。但し、本実施の形態のド
アインパクトビームは、図1に示した態様のドアインパ
クトビームであり、その構成や取付構造等の概要につい
ては既に説明したため、本実施の形態では、それに関す
る説明を省略する場合もあるし、図1及び図2を併せ参
照して補足的に説明する場合もある。
【0028】図1に示した態様のドアインパクトビーム
11は、板厚1.6mmの高張力鋼板から一体成形され
ている。この高張力鋼は、0.21重量%のC、0.2
2重量%のSi、1.24重量%のMn、0.20重量
%のCr、0.022重量%のTi、0.0015重量
%のB、0.012重量%のP、0.001重量%の
S、残部がFe及び不可避不純物からなるものである。
【0029】なお、高張力鋼としては、0.18〜0.
25重量%のC、0.15〜0.35重量%のSi、
1.15〜1.40重量%のMn、0.15〜0.25
重量%のCr、0.01〜0.03重量%のTi、0.
0005〜0.0025重量%のB、0.03重量%以
下のP、0.01重量%以下のS、残部がFe及び不可
避不純物からなる高張力鋼を用いることが好ましく、そ
の高張力鋼の融点は1300〜1400℃であり、引張
強度は500〜600MPaである。
【0030】本実施の形態のドアインパクトビーム11
には、従来技術に係るドアインパクトビームと違って、
各ブラケット部13,14のドアインナパネル16との
接触面に防錆機能を備えた膜厚25μmの塗膜層21
(図4参照)が形成されている。この塗膜層21は、エ
ポキシエステル樹脂よりなるバインダーと、該バインダ
ー中に散在した亜鉛(粒子)よりなる導電性フィラーと
を備えた一液型の導電性塗料からなり、導電性を有する
と共に、溶接性、防錆性及び耐候性に優れている。ま
た、塗膜層21中の亜鉛よりなる導電性フィラーは、犠
牲材料の役割を果たすようになっており、塗膜層21自
身が、犠牲層になっているとも言える。
【0031】本実施の形態のドアインパクトビーム11
も、図2に示されるのと同様に、両端部の各ブラケット
部13,14が表面にメッキ層15(例えば亜鉛メッキ
層)の形成された金属製のドアインナパネル16にスポ
ット溶接で取り付けられており、ドア17内部の水平方
向に架設されている。但し、外観上は図2と変わりはな
いのだが、後述するように、本実施の形態では、各ブラ
ケット部13,14と表面にメッキ層15の形成された
ドアインナパネル16との間には塗膜層21が介在され
た状態でスポット溶接により取り付けられている(図4
参照)。なお、メッキ層15は、犠牲層の役割を果たす
ようになっている。
【0032】図4に示すように、ドアインパクトビーム
11の塗膜層21を備えた各ブラケット部13,14
を、メッキ層15を備えたドアインナパネル16にスポ
ット溶接で取り付けることにより、ドアインパクトビー
ム11がドアインナパネル16に取り付けられたドアイ
ンパクトビームの取付構造となる。この場合、ドアイン
パクトビーム11のブラケット部14とドアインナパネ
ル16との溶接部分には図4中に黒色部分で示したナゲ
ット22が形成されると共に、ドアインパクトビーム1
1のブラケット部14及びメッキ層15を備えたドアイ
ンナパネル16にはスポット溶接時の両電極の押圧力等
によって凹部19,20がそれぞれ形成されている。
【0033】スポット溶接を行う前では、各ブラケット
部13,14にのみ塗膜層21が存在していると共に、
ドアインナパネル16の表面全てにメッキ層15が存在
しているのだが、スポット溶接を行った後では、図4に
示されるように、ブラケット部14及びドアインナパネ
ル16のナゲット22近傍部分に塗膜層21及びメッキ
層15が存在しない状態となっている。これは、塗膜層
21及びメッキ層15がスポット溶接時の熱の影響を受
けて溶融したことによるものである。なお、図4に示さ
れていないブラケット部13等においても、ブラケット
部14等と同様の現象が起こっていることは言うまでも
ない。
【0034】また、ドアインパクトビーム11は、ドア
インナパネル16と図示しないドアアウタパネルとの間
に装着され、その装着状態でドアインパクトビーム11
等にはカチオン電着塗装が施されるようになっている。
なお、図4中では、カチオン電着塗装によってドアイン
パクトビーム11等の表面に形成される塗膜層やドアア
ウタパネルを描かずに省略してある。
【0035】本実施の形態のドアインパクトビーム11
は、上述した高張力鋼からなる鋼板をその融点未満の高
温に加熱する加熱工程と、その高温状態にある鋼板に対
して相対的に低温(例えば常温)のプレス型を用いてプ
レス加工を施すプレス工程とを順に行うことで、図1に
示した態様のドアインパクトビーム11を製造する。
【0036】より詳しく説明すると、加熱工程において
は、前記鋼板を加熱装置で所定の目標温度(本実施の形
態では930℃)となるように加熱した。本実施の形態
の加熱装置では、常温から徐々に温度を上げて目標温度
に到達させてから、その目標温度で保持するようにし
た。また、鋼板を加熱装置で加熱する際には、不活性ガ
ス雰囲気(例えば窒素ガス雰囲気)中で行うことが好ま
しい。
【0037】次に、プレス工程においては、目標温度に
加熱した鋼板に対し、直ちにプレス加工を施す。すなわ
ち、鋼板を加熱装置から離間させてプレス機にセットし
押圧動作を開始するまでの時間を5秒以内として、プレ
ス直前の鋼板の温度が850℃を下回らないように配慮
した。他方、プレス型としての固定型及び可動型の温度
は常温のままとした。これは、高温状態の鋼板と常温の
プレス型との間に相応の温度差を与えて、高温状態の鋼
板が冷えたプレス型に接触した際に焼入れ効果が生ずる
ことを意図したものである。
【0038】更に、可動型を固定型に押圧するときの圧
力(プレス圧)を、1000MPa〜10000MPa
に設定(本実施の形態では約5000MPaに設定)す
ると共に、可動型が上死点位置から下死点位置に移動し
再び上死点位置に復帰するまでの一押圧工程に要する時
間を5秒以内とした。なお、押圧完了後、プレス型から
取り出した直後のドアインパクトビームの温度は100
〜200℃であったが、その後、数十秒自然放冷するこ
とで常温近くに達した。
【0039】このように、鋼板に対し熱間加工及び焼入
れ処理を施すホットスタンプ法を用いることにより、ド
アインパクトビーム11を鋼板から所定形状となるよう
に一体成して、図1に示した態様のドアインパクトビー
ム11を得る。このドアインパクトビーム11の引張強
度は、約1500MPaであり、加工前の500〜60
0MPaの引張強度から約900〜1000MPaも強
度アップした。そして、サンドブラスト又はショットブ
ラストによってドアインパクトビーム11のブラケット
部13,14の塗装面(接触面)を清浄する清浄工程を
行うことで、塗装面の錆等の酸化物や油脂等を除去す
る。
【0040】また、清浄工程を行った後に、ドアインパ
クトビーム11のブラケット部13,14の塗装面に前
記導電性塗料を塗装して塗膜層21を形成する塗装工程
を行う。これにより、各ブラケット部13,14の塗装
面に、膜厚25μmの塗膜層21を形成する。本実施の
形態では、導電性塗料の塗装方法として、エアレススプ
レー塗りを用いた。ここで、塗膜層21の膜厚は、50
μm以下となるように設定することが好ましい。
【0041】最後に、塗膜層21及びメッキ層15を介
した状態でスポット溶接によりドアインパクトビーム1
1をドアインナパネル16に取り付ける溶接工程を行
う。これにより、図4(図2参照)に示される態様で、
ドアインパクトビーム11の各ブラケット部13,14
をドアインナパネル16に取り付けたドアインパクトビ
ームの取付構造を得る。
【0042】以上詳述した本実施の形態によれば、以下
に記す効果が得られるようになる。
【0043】・別の従来技術に係るドアインパクトビー
ム101として、図7に示した態様のものが知られてい
る。このドアインパクトビーム101は、円筒状の焼入
れ鋼管からなるビーム本体102と、そのビーム本体1
02の両端部に設けられた一対の金属製ブラケット10
3,104とを備えており、両部材が溶接に接合されて
一体化している。
【0044】本実施の形態によれば、ドアインパクトビ
ーム11がホットスタンプ法によって一体成形されてい
るため、別工程により得られた部材同士を一体化して製
造する図7に示した態様のドアインパクトビーム101
と比較して、ドアインパクトビーム11の製造時におけ
る作業性の低下及び製造コストの大幅な増大を抑制する
ことができる。
【0045】・本実施の形態では、ホットスタンプ法を
採用することで、1500MPa相当の引張強さを有す
るドアインパクトビーム11を製造することができる。
【0046】・本実施の形態のホットスタンプ法によれ
ば、プレス加工に際して高温状態の鋼板と常温のプレス
型との間に温度差をもたせたことで、鋼板がプレス型に
よって押圧されたときに、プレスによる付形と焼入れと
を同時に行うことができる。これにより、ドアインパク
トビーム11の製造工程を簡素化させることができるた
め、ドアインパクトビーム11の生産性を向上できる。
【0047】・本実施の形態では、ドアインパクトビー
ム11のブラケット部13,14とドアインナパネル1
6との間に塗膜層21及びメッキ層15の2層を介在さ
せた状態でスポット溶接によりブラケット部13,14
をドアインナパネル16に取り付けることとした。この
場合、塗膜層21及びメッキ層15の両層は、導電性を
有しているため、ドアインパクトビーム11のブラケッ
ト部13,14とドアインナパネル16との溶接部分に
おけるスポット溶接を良好な状態で行うことができて、
両部材の溶接部分の接合強度を確保できるようになる。
【0048】・本実施の形態によれば、ドアインパクト
ビーム11のブラケット部13,14とドアインナパネ
ル16との間に介在された塗膜層21及びメッキ層15
の両層が、犠牲層となっているため、塗膜層21とメッ
キ層15との間から雨水等が浸入した場合でも、それら
の犠牲層が先に腐食されることとなり、ブラケット部1
3,14とドアインナパネル16との溶接部分であるナ
ゲット22が腐食されることを抑制できる。
【0049】・本実施の形態によれば、ドアインパクト
ビーム11のブラケット部13,14とドアインナパネ
ル16との溶接部分(ナゲット22)の腐食を抑制でき
るため、両部材の溶接部分における接合強度の低下を抑
制することができるようになる。
【0050】・本実施の形態によれば、溶接部分の接合
強度を確保できるため、ドアインパクトビームの取付構
造の耐久性及び信頼性の向上を図ることができる。
【0051】・本実施の形態によれば、引張強さ500
〜600MPaの高張力鋼からなる鋼板を用いてドアイ
ンパクトビーム11が一体成形されているため、その一
体成形されたドアインパクトビーム11も優れた引張強
さを有することとなり、ドアインパクトビーム11とし
ての機能をより確実に発揮できるようになる。
【0052】・本実施の形態によれば、清浄工程におい
て、ドアインパクトビーム11のブラケット部13,1
4の塗装面における錆等の酸化物や油脂等を除去できる
ため、ブラケット部13,14の塗装面に対する塗装を
良好な状態で行うことができる。
【0053】・本実施の形態によれば、ドアインパクト
ビーム11のブラケット部13,14の塗装面を清浄し
た状態で、その上から塗膜層21を形成して塗装面を保
護しているため、ブラケット部13,14の塗装面を腐
食させにくくすることができるようになる。
【0054】・本実施の形態によれば、ドアインパクト
ビーム11の各ブラケット部13,14の溶接面にのみ
塗膜層21を形成したため、製造コストの増大を極力抑
えることができる。
【0055】・本実施の形態では、導電性塗料として、
エポキシエステル樹脂よりなるバインダーと、該バイン
ダー中に散在した亜鉛よりなる導電性フィラーとを備え
たものを用いることとした。この導電性塗料からなる塗
膜層21は、溶接性、防錆性及び耐候性に優れているた
め、その塗膜層21をドアインパクトビーム11のブラ
ケット部13,14とドアインナパネル16との間に介
在させた状態でスポット溶接を行っても、塗膜層21の
溶接性、防錆性及び耐候性を確実に発揮させることがで
きる。従って、ドアインパクトビームの取付構造を長期
に渡って安定した状態で維持できるため、ドアインパク
トビームの取付構造の耐久性及び信頼性の向上をより一
層確実なものとすることができる。
【0056】・本実施の形態によれば、導電性塗料が一
液型の導電性塗料からなるため、塗装工程で塗装する際
に、導電性塗料の取り扱いが便利であると共に、作業性
がよい。
【0057】・本実施の形態によれば、清浄工程と、塗
装工程と、溶接工程とを順に行うことで、ドアインパク
トビーム11のブラケット部13,14とドアインナパ
ネル16との溶接部分の防錆性に優れたドアインパクト
ビームの取付構造を得ることができる。
【0058】なお、前記実施の形態を次にように変更し
て実施することもできる。
【0059】・前記実施の形態では、車両用補強部材の
取付構造として、ドアインパクトビームの取付構造を採
用したが、特にドアインパクトビームの取付構造に限定
されるものではない。
【0060】例えば、図5に示すように、車両用補強部
材の取付構造として、スポット溶接によりドアインナリ
インフォースメント51(車両用補強部材)をドアイン
ナパネル16(相手部材)の上部側に取り付けたドアイ
ンナリインフォースメントの取付構造を採用してもよ
い。この場合、前記実施の形態と同様に、ドア17内部
のドアインナパネル16の表面にはメッキ層15が形成
されており、ドアインナリインフォースメント51とド
アインナパネル15との間に塗膜層21及びメッキ層1
5が介在された状態で、スポット溶接によりドアインナ
リインフォースメント51がドアインナパネル16に取
り付けられている。
【0061】また、図6に示すように、車両用補強部材
の取付構造として、スポット溶接によりセンターピラー
61(車両用補強部材)をルーフサイド62(相手部
材)及びサイドシル63(相手部材)に取り付けたセン
ターピラーの取付構造を採用してもよい。この場合、ル
ーフサイド62及びサイドシル63の表面には、メッキ
層15が形成されていてもよいし、形成されていなくて
もよい。更に、図示しないが、車両用補強部材の取付構
造として、バンパーリインフォースメント(車両用補強
部材)等の取付構造を採用するようにしてもよい。
【0062】・前記実施の形態では、熱間加工及び焼入
れ処理を施してドアインパクトビーム11を一体成形し
たが、例えば冷間加工のみによりドアインパクトビーム
を一体成形したり、そのドアインパクトビームに対して
更に焼入れ処理を施したり、鋼板に対して熱間加工のみ
の処理を施したりしてドアインパクトビームを製造して
もよい。要は、鋼板からドアインパクトビームを一体成
形するのであれば、どのような加工や処理を行ってもよ
い。
【0063】・前記実施の形態では、塗装工程を行う前
に清浄工程を行ったが、清浄工程を省略するようにして
もよい。
【0064】・前記実施の形態では、導電性塗料とし
て、エポキシエステル樹脂よりなるバインダーと、亜鉛
よりなる導電性フィラーとを備えたものを用いたが、特
にエポキシエステル樹脂と亜鉛との組み合わせに限定さ
れるものではない。例えば、バインダーとして、エポキ
シエステル樹脂以外のエポキシ樹脂、フェノール樹脂、
ケイ素樹脂、ビニル樹脂、乾性油、アクリル樹脂、アル
キド樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂材料やゴム材料を用い
たり、導電性フィラーとして、金、銀、銅、ニッケル、
アルミニウム等の金属や酸化銀、酸化錫、酸化アンチモ
ン系等の金属酸化物やカーボンブラック、グラファイ
ト、硝酸銀等を用いたりするようにしてもよい。
【0065】・前記実施の形態では、ドアインパクトビ
ーム11の各ブラケット部13,14にのみ塗膜層21
を形成したが、ブラケット部13,14以外の部分にも
塗膜層を形成するようにしてもよい。
【0066】・前記実施の形態では、ドアインナパネル
16の表面にメッキ層15を形成したが、メッキ層15
を省略する構成としてもよい。
【0067】・前記実施の形態では、ブラケット部1
3,14の塗装面(接触面)に導電性塗料を塗装する塗
装方法として、エアレススプレー塗りを用いたが、例え
ばハケ塗り、エアースプレー塗り等を用いてもよく、特
にエアレススプレー塗りに限定されるものではない。
【0068】・前記実施の形態では、引張強度500〜
600MPaの高張力鋼からなる鋼板を用いたが、それ
以外の高張力鋼、強靭鋼、超強力鋼等を用いるようにし
てもよい。要は、鋼材であれば、どのような材料を用い
てもよい。
【0069】他に、特許請求の範囲の各請求項に記載さ
れないものであって、前記実施の形態等から把握される
技術的思想について、以下にその効果と共に記載する。
【0070】(a) 前記車両用補強部材はドアインナ
リインフォースメントであると共に、前記相手部材は表
面にメッキ層の形成されたドアインナパネルであること
を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記
載の車両用補強部材の取付構造。
【0071】このように構成した場合、請求項1,請求
項2,請求項3に記載の発明の効果に加えて、ドアイン
ナリインフォースメントとドアインナパネルとが塗膜層
及びメッキ層の2層を介した状態でスポット溶接により
取り付けられているため、ドアインナリインフォースメ
ントとドアインナパネルとの溶接部分の腐食を確実に抑
制して、両部材の溶接部分における接合強度の低下をよ
り一層確実に抑制できるようになる。
【0072】(b) 前記車両用補強部材はセンターピ
ラーであると共に、前記相手部材はルーフサイド及びサ
イドシルであることを特徴とする請求項1から請求項3
のいずれか一項に記載の車両用補強部材の取付構造。
【0073】このように構成すれば、請求項1,請求項
2,請求項3に記載の発明の効果に加えて、センターピ
ラーとルーフサイド及びサイドシルとが塗膜層を介した
状態でスポット溶接により取り付けられているため、セ
ンターピラーとルーフサイド及びサイドシルとの溶接部
分の腐食を抑制して、両部材の溶接部分における接合強
度の低下を抑制できるようになる。
【0074】(c) 前記鋼板の材料は、0.18〜
0.25重量%のC、0.15〜0.35重量%のS
i、1.15〜1.40重量%のMn、0.15〜0.
25重量%のCr、0.01〜0.03重量%のTi、
0.0005〜0.0025重量%のB、0.03重量
%以下のP、0.01重量%以下のS、残部がFe及び
不可避不純物からなる高張力鋼であることを特徴とする
請求項1に記載の車両用補強部材の取付構造。
【0075】このように構成した場合、請求項1に記載
の発明の効果に加えて、引張強さ500〜600MPa
を有する鋼板に対し、冷間加工、熱間加工、焼入れ等の
処理を施すことで、少なくとも500MPa以上(上限
値は約1500MPa)の引張強さを有するドアインパ
クトビームを得ることができる。従って、車両用補強部
材としての機能をより確実に発揮させることができるよ
うになる。
【0076】(d) 前記車両用補強部材には熱間加工
や焼入れ等の熱処理が施されていることを特徴とする請
求項1から請求項4のいずれか一項に記載の車両用補強
部材の取付構造。
【0077】このように構成すれば、請求項1,請求項
2,請求項3,請求項4に記載の発明の効果に加えて、
車両用補強部材としての機能を十分に発揮することがで
きるようになる。
【0078】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、車両用
補強部材と相手部材との溶接部分における腐食を抑制し
て、その溶接部分の接合強度の低下を抑制できる。ま
た、車両用補強部材と相手部材との溶接部分におけるス
ポット溶接を良好な状態で行うことができて、車両用補
強部材と相手部材との溶接部分における接合強度を確保
できるようになる。更に、車両用補強部材の取付構造の
耐久性及び信頼性の向上を図ることができるため、車両
用補強部材の機能を十分に発揮できるようになる。
【0079】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明の効果に加えて、高張力鋼、強靭鋼及び超
強力鋼のいずれか1つの材料からなる鋼板が優れた引張
強さを有しているため、当該鋼板から一体成形される車
両用補強部材も優れた引張強さを有することとなり、車
両用補強部材としての機能をより確実に発揮させること
ができるようになる。
【0080】請求項3に記載の発明によれば、請求項
1,請求項2に記載の発明の効果に加えて、塗膜層の溶
接性、防錆性及び耐候性を確実に発揮させることができ
る。従って、車両用補強部材の取付構造が長期に渡って
安定した状態で維持できるため、車両用補強部材の取付
構造の耐久性及び信頼性の向上をより一層確実なものと
することができる。
【0081】請求項4に記載の発明によれば、請求項
1,請求項2,請求項3に記載の発明の効果に加えて、
ドアインパクトビームのブラケット部とドアインナパネ
ルとの溶接部分の腐食を確実に抑制して、両部材の溶接
部分の接合強度をより一層確実に確保できるようにな
る。また、ドアインパクトビームのブラケット部にのみ
塗膜層を形成したため、製造コストの増大を極力抑える
ことができる。
【0082】請求項5に記載の発明によれば、塗装工程
と、溶接工程とを順に行うことにより、請求項1に記載
の発明の効果を備えた車両用補強部材の取付構造を得る
ことができる。
【0083】請求項6に記載の発明によれば、請求項5
に記載の発明の効果に加えて、清浄工程によって車両用
補強部材の塗装面における錆等の酸化物や油脂等を除去
できるため、車両用補強部材の塗装面に対する塗装を良
好な状態で行うことができる。また、車両用補強部材の
塗装面を清浄した状態で、その上から塗膜層を形成して
塗装面を保護しているため、車両用補強部材の塗装面を
腐食させにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態のドアインパクトビームを示す斜
視図である。
【図2】ドア内部のドアインナパネルにドアインパクト
ビームを取り付けた状態を示す正面図である。
【図3】従来技術に係るドアインパクトビームの取付構
造を模式的に示す断面図である。
【図4】本実施の形態に係るドアインパクトビームの取
付構造を模式的に示す断面図である。
【図5】別の実施の形態において、ドア内部のドアイン
ナパネルにドアインナリインフォースメントを取り付け
た状態を模式的に示す正面図である。
【図6】別の実施の形態において、ルーフサイド及びサ
イドシルにセンターピラーを取り付けた状態を模式的に
示す正面図である。
【図7】別の従来技術に係るドアインパクトビームを示
す斜視図である。
【符号の説明】
11 ドアインパクトビーム 12 本体部 13,14 ブラケット部 15 メッキ層 16 ドアインナパネル 17 ドア 21 塗膜層 22 ナゲット 51 ドアインナリインフォースメント 61 センターピラー 62 ルーフサイド 63 サイドシル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板から所定形状となるように一体成形
    された車両用補強部材と金属製の相手部材とを有し、前
    記車両用補強部材と前記相手部材との間に導電性塗料か
    らなる塗膜層を介在させた状態でスポット溶接により前
    記車両用補強部材を前記相手部材に取り付けたことを特
    徴とする車両用補強部材の取付構造。
  2. 【請求項2】 前記鋼板は、高張力鋼、強靭鋼及び超強
    力鋼のいずれか1つの材料からなることを特徴とする請
    求項1に記載の車両用補強部材の取付構造。
  3. 【請求項3】 前記塗膜層は、エポキシ樹脂よりなるバ
    インダーと、該バインダー中に散在した亜鉛よりなる導
    電性フィラーとを備えた導電性塗料からなることを特徴
    とする請求項1又は請求項2に記載の車両用補強部材の
    取付構造。
  4. 【請求項4】 前記車両用補強部材はドアインパクトビ
    ームであると共に、前記相手部材は表面にメッキ層の形
    成されたドアインナパネルであり、前記ドアインパクト
    ビームの両端部に一体成形されたブラケット部にのみ前
    記塗膜層を形成し、前記塗膜層及び前記メッキ層を介し
    た状態でスポット溶接により前記ブラケット部を前記ド
    アインナパネルに取り付けたことを特徴とする請求項1
    から請求項3のいずれか一項に記載の車両用補強部材の
    取付構造。
  5. 【請求項5】 鋼板から所定形状となるように一体成形
    された車両用補強部材と金属製の相手部材との該車両用
    補強部材側の接触面に導電性塗料を塗装して塗膜層を形
    成する塗装工程と、 前記塗膜層を介した状態でスポット溶接により前記車両
    用補強部材を前記相手部材に取り付ける溶接工程とを順
    に行うことを特徴とする車両用補強部材の取付方法。
  6. 【請求項6】 前記塗装工程を行う前に、サンドブラス
    ト又はショットブラストによって前記車両用補強部材の
    塗装面を清浄する清浄工程を行うことを特徴とする請求
    項5に記載の車両用補強部材の取付方法。
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