JP2002541983A - 皮膚に優しい吸収性物品及びその組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 上皮障壁を向上させる身体側材料、例えば、吸収性物品の身体側ライナは、身体側材料の外側表面に、天然脂肪又は油、ステロール又はステロール誘導体、乳化性界面活性剤、湿潤剤、皮膚軟化剤、ワックス、及び増粘剤を含む高脂質疎水性組成物を塗布し、その後、組成物を再凝固させて身体側材料の外側表面に固体の組成物を分布させることにより製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 （技術分野） 本発明は、おむつ、トレーニングパンツ、大人用失禁用製品、下着用パンツ、
及び女性用ケア製品等の使い捨て吸収性物品の身体側材料に高脂質疎水性ローシ
ョンを封入することに関する。詳細には、本発明は、使い捨て吸収性物品の身体
側材料から脂質又は非脂質を皮膚に移動させることによって皮膚バリヤー性機能
を促進することにより、皮膚の健康を向上することに関する。

【０００２】 （背景技術） 角質層は、皮膚の最も外側の層であり、皮膚の水分レベルの調節を担当し、環
境中に見られる化学物質及び他のストレッサーに対する障壁として機能する。角
質層の細胞間隙の脂質が複雑に配置されることで、正常な障壁機能が確立する。
コレステロール、セラミド、及び脂肪酸のほか、いくつかの他の微量脂質の多層
構造により、親水性物質が、皮膚の中に、又はそれを通過して移動することに対
する主な障壁がもたらされる。障壁機能と皮膚の健康との間に関連があることは
、皮膚から脂質が抽出されることにより引き起こされる皮膚炎から明らかである
。

【０００３】 皮膚バリヤー性は、幾つかのメカニズムで損傷を受けることがある。例えば、
吸収性ティシュ又はワイプのような研磨材料で皮膚を繰り返し擦ることにより引
き起こされる物理的擦過傷では、皮膚の層が剥離することにより、皮膚バリヤー
性が損傷する。尿、糞便及び膣分泌物のような生物学的液体は、皮膚バリヤー性
を損傷することが可能な種々の成分を含むことがある。これらの成分の例として
、プロテアーゼ、リパーゼ及び胆汁酸が挙げられる。皮膚バリヤー性が危うくな
ると、このような成分は、生物学的液体の他の組成物と共に、皮膚炎を発症させ
るか、悪化させることがある。

【０００４】 例えば、おむつかぶれは、大部分は、皮膚バリヤー性が損なわれることにより
引き起こされる皮膚の状態の類型である。皮膚バリヤー性の損傷は、おむつによ
り引き起こされる皮膚の閉塞による皮膚水和の増大、糞便及び尿の酵素による酵
素的皮膚損傷、及び皮膚を繰返して布又はウェットワイプできれいにすることに
より引き起こされる物理的損傷を含む種々の因子により引き起こされる場合があ
る。

【０００５】 また、水和が過度になっても、皮膚バリヤー性に悪い影響を与える。例えば、
おむつを当てた皮膚の水和レベルは、おむつを当てない皮膚の５〜１０倍に達す
ることがある。また、おむつを当てた皮膚が、頻繁に尿に接触しても、皮膚水和
を増大させることができる。皮膚水和が増大すると、角質内の皮膚の脂質組織が
乱される。この乱れにより、糞便及び尿の刺激物の皮膚透過性が大きくなり皮膚
炎のリスクが増大する。 おむつを当てた皮膚は、通常、界面活性剤含有の液体を用いたワイプで一日に
数回きれいにされる。界面活性剤は、角質層から脂質を抽出するか、角質層内の
脂質組織を乱すことにより、障壁機能を低下させる場合がある。ワイプ材料は、
皮膚に物理的損傷を引き起こすことにより、障壁機能を低下させる場合がある。

【０００６】 おむつ、トレーニングパンツ、大人用失禁用製品、吸収性下着用パンツ、及び
女性用ケア製品は、体液を吸収し、皮膚の乾燥を保つために用いられてきた。こ
のタイプの使い捨て吸収性物品は、一般に、液体不透過性裏面シート部材、吸収
性コア又は組立体、及び液体透過性身体側材料を備える。着用者の皮膚に接触す
るのは、身体側材料である。身体側材料は、柔らかくなじみやすい材料で作られ
るが、使用中に皮膚を擦傷することがあり、吸収性物品が吸収しようとしても、
固形又は半固形の***物のように、皮膚が完全に乾燥して体液が無い状態にでき
ないこともある。体液が頻繁に放出され、使い捨て吸収性物品を頻繁に使用する
間には、皮膚の擦傷がひどくなって赤くなり、触れると痛むことがある。

【０００７】 典型的には、障壁クリーム、ローション又は軟膏を用いて、皮膚に人工的な疎
水性の障壁を設け、おむつかぶれのような皮膚の状態を治療する。このような化
学物質を皮膚に塗布すると厄介で不便であることが多い。これらは、一般に、お
むつかぶれの兆候が明らかである場合にのみ用いられる。 おむつライナは、ワセリンのような普通におむつを使用すると皮膚に移動する
ことができる皮膚軟化剤で処理することができる。皮膚に移動されれば、おむつ
ライナ調合物は、糞便及び尿に対して人工的な障壁を設けることができる。この
ような調合物は、確実に十分な量のワセリンを皮膚に移動させて健康に利益をも
たらすために、高濃度のワセリンを必要とする場合がある。高濃度のワセリンは
、厄介で感触が脂っぽく、おむつのような吸収性物品の液体処理特性を損なう可
能性がある。ワセリンが皮膚に浸透するのが遅ければ、薬剤で皮膚が汚れ、衣類
及び他の材料が汚れる可能性がある。

【０００８】 従って、この技術分野で必要とされているものは、吸収性物品の身体側材料か
ら移動し、生物学的液体中の刺激物に対して皮膚を保護、維持、及び／又は回復
する局所用化学物質であり、吸収性物品の身体側材料から移動し、皮膚に吸収さ
れ、脂っぽくなく、消費者に美的に許容される局所用化学物質であり、吸収性物
品の身体側材料から移動し、おむつの***物閉じ込め機能を損なわない局所用化
学物質である。

【０００９】 （発明の開示） 優れた皮膚バリヤー性を向上させる使い捨て吸収性物品は、約０．１から約９
５重量パーセントの天然脂肪又は油、約０．１から約１０重量パーセントのステ
ロール及びステロール誘導体、約０．５から約２０重量パーセントの湿潤剤、Ｈ
ＬＢが約３から約６である約１から約２０重量パーセントの油中水型乳化性界面
活性剤／界面活性剤の組み合わせ、約５から約９５重量パーセントの皮膚軟化剤
、約５から約９５重量パーセントのワックス、及び約１から２５重量パーセント
の増粘剤を含む皮膚バリヤー性を増強する油性の疎水性組成物を用いて作ること
ができることが発見されている。この組成物は、融点が約３０℃から約１００℃
、約５０センチポアズより大きい処理粘度であってもよい。また、この組成物の
貫入硬度は、約５ミリメートルから３６０ミリメートルであってもよい。

【００１０】 従って、１つの態様において、本発明は、皮膚バリヤー性を向上させる使い捨
て吸収性物品であり、これは、身体側材料の外側表面に、皮膚軟化剤、ワックス
、増粘剤、湿潤剤、ＨＬＢが約３から６の範囲である油中水型乳化性界面活性剤
、ステロール及びステロール誘導体、及び天然脂肪又は油を含む融解した高脂質
疎水性組成物を塗布し、その後、組成物を再凝固させて、身体側材料の外側表面
に分布させて作ることができる。この組成物は、室温では固体であり、塗布する
とすぐに凝固するため、身体側材料内に浸透して移動しにくい。これは、液剤で
処理した身体側材料に比較し、付加された固体ローション組成物が身体側表面材
料の表面に残る率が大きく、そこで、使用者の皮膚に接触して移動し、皮膚の健
康に優れた利益をもたらす。更に、少量の付加量を用いて、実質的に吸収性物品
の身体側材料の表面に組成物を効果的に配置することにより、低価格で同じ利益
をもたらすことができる。

【００１１】 他の態様において、本発明は、身体側材料の外側表面が、約０．１から約９５
重量パーセントの天然脂肪又は油、約０．１から約１０重量パーセントのステロ
ール及びステロール誘導体、約０．５から約２０重量パーセントの湿潤剤、ＨＬ
Ｂが約３から６の範囲である約１から約２０重量パーセント油中水型乳化性界面
活性剤／界面活性剤の組み合わせ、約５から約９５重量パーセントの皮膚軟化剤
、約５から約９５重量パーセントのワックス、及び約１から約２５重量パーセン
トの増粘剤を含む油性疎水性組成物が凝固した沈着物を有する身体側材料である
。この組成物は、融点／凝固点が約３０℃から約１００℃であり、約５０センチ
ポアズより大きい処理粘度であってもよい。また、この組成物の貫入硬度は、約
５ミリメートルから約３６０ミリメートルの貫入度であってもよい。

【００１２】 他の様態において、本発明は、（ａ）天然脂肪又は油、ステロール及びステロ
ールの組み合わせ、湿潤剤、ＨＢＬが約３から６の範囲である油中水型乳化性界
面活性剤、皮膚軟化剤、ワックス、及び増粘剤を含む組成物を該組成物の融点を
越える温度にして組成物を融解し、（ｂ）溶けた組成物を身体側材料の外側表面
に一様に塗布し、（ｃ）融解した組成物を凝固させる段階を含む、身体側材料を
処理する方法である。

【００１３】 （発明を実施するための最良の形態） 本発明の１つの実施形態は、皮膚バリヤー性を向上させる組成物を含む身体側
表面材料である。この組成物は、約０．１から約９５重量パーセントの天然脂肪
又は油、約０．１から約１０重量パーセントのステロール又はステロール誘導体
、ＨＬＢが約３から６の範囲である約１から約２０重量パーセントの油中水型乳
化性界面活性剤、約０．５から約２０重量パーセントの湿潤剤、約５から約９５
重量パーセントの皮膚軟化剤、約５から約９５重量パーセントのワックス、及び
約１から約２５重量パーセントの増粘剤を含むことができる。

【００１４】 組成物の融点は、約３０℃から約１００℃であってもよい。組成物は約５０セ
ンチポアズより大きい処理粘度であってもよい。組成物の貫入硬度は、約５ミリ
メートルから約３６０ミリメートルであってもよい。組成物の付加量は、材料の
約０．１グラム／平方メートル（ｇ／ｍ２）から約３０ｇ／ｍ２、好ましくは、
約０．５ｇ／ｍ２から約２５ｇ／ｍ２であってもよい。

【００１５】 組成物に用いられる天然脂肪又は油としては、ヒマワリ油、ボラジ、又はアボ
カドオイルを挙げることができる。組成物に用いられるステロール又はステロー
ル誘導体としては、大豆ステロール、コレステロール、又はラノステロールを挙
げることができる。組成物に用いられる湿潤剤としては、グリセリン、ソルビト
ール、又は硬化デンプン加水分解物を挙げることができる。組成物に用いられる
乳化性界面活性剤としては、ソルビタンオレアート、グリセリルステアレート、
又はソルビタンステアレートを挙げることができる。組成物に用いられる皮膚軟
化剤としては、ワセリン、鉱物油、又は化粧品用エステルを挙げることができる
。組成物に用いられるワックスとしては、オゾケライト、ケラシン、又は微結晶
性ワックスを挙げることができる。組成物に用いられる増粘剤としては、エチレ
ン／ビニルアセテートコポリマー又はポリエチレンを挙げることができる。

【００１６】 本発明の他の実施形態は、（ａ）天然脂肪又は油、ステロール及びステロール
誘導体、湿潤剤、ＨＢＬが約３から６の範囲である油中水型乳化性界面活性剤、
皮膚軟化剤、ワックス、及び増粘剤を含む組成物を組成物の融点を越える温度ま
で加熱して組成物を融解し、（ｂ）融解した組成物を身体側材料ウェブの外側表
面に間隔を置いて堆積した状態で加え、（ｃ）融解した組成物の堆積物を凝固さ
せることにより、皮膚バリヤー性を増強する組成物で身体側材料を処理する方法
である。溶けた組成物は、スプレー、スロットコーティング、又はプリントする
ことにより塗布できる。

【００１７】 本発明の他の実施形態は、約０．１から約９５重量パーセントの天然脂肪又は
油、約０．１から約１０重量パーセントのステロール及びステロール誘導体、Ｈ
ＬＢが約３から６の範囲である約１から約２０重量パーセントの油中水型乳化性
界面活性剤、約０．５から約２０重量パーセントの湿潤剤、約５から約９５重量
パーセントの皮膚軟化剤、約５から約９５％のワックス、及び約１から約２５重
量パーセントの増粘剤を含む、皮膚バリヤー性を向上させる組成物である。

【００１８】 組成物の天然の脂肪又は油は、アボカド油、アプリコット油、ババス油、ボラ
ジ油、椿油、カノーラ油、ヒマシ油、カモミール、ココナツ油、トウモロコシ油
、綿実油、月見草油、麻実、硬化綿実油、硬化パーム核油、マレイン酸大豆油、
メドウホーム油、パーム核油、リン脂質、菜種油、パルミチン酸、ステアリン酸
、リノール酸、ローズヒップ油、紅花、ヒマワリ油、大豆油、スィートアーモン
ド、ＰＲＯＬＩＰＩＤ １４１、又は天然脂肪又は油の誘導体（例えばステアリ
ルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、及びベネニルアル
コール等）、及びその混合物からなる群から選択することができる。（ＰＲＯＬ
ＩＰＩＤは、ニュージャージー州ウェーンにあるＩｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ
Ｓｐｅｃｉａｌｔｙ Ｐｒｏｄｕｃｔｓから市販されている。ＰＲＯＬＩＰＩＤ
は、一般に、１９９８年１２月１５日にＲｅｒｅｋ他に付与された米国特許第５
，８４９，３１５号に開示されている。尚、この全ての開示内容は、参考文献と
して一致する範囲で本明細書に組み込まれている。）

【００１９】 組成物のステロール及びステロール誘導体は、コレステロール、シトステロー
ル、スチグマステロール、及びエルゴステロール、ラノステロール、ソイステロ
ール、アボカドステロール、ＣＲＯＤＡＲＯＭ ＡＶＯＣＡＤＩＮ、ステロール
エステル、及びその混合物からなる群から選択することができる。組成物の乳化
性界面活性剤は、ソルビタンモノオレアート、ソルビタンセキオレアート（ｓｏ
ｒｂｉｔａｎ ｓｅｑｕｉｏｌｅｔｅ）、ソルビタントリオレアート、ソルビタ
ンステアレート、ソルビタントリステアレート、及びその混合物からなる群から
選択することができる。（Ｃｒｏｄａｒｏｍ Ａｖｏｃａｄｉｎは、ニュージャ
ージー州パーシッパニーにあるＣｒｏｄａ，Ｉｎｃ．から市販されている。）

【００２０】 組成物の湿潤剤は、グリセリン、硬化デンプン加水分解物、プロピレングリコ
ール、ＰＣＡナトリウム、乳酸ナトリウム、ソルビトール、及びその混合物から
なる群から選択することができる。組成物の皮膚軟化剤は、鉱物油、鉱物ゼリー
、ワセリン、化粧品用エステル、及びその混合物からなる群から選択することが
できる。組成物のワックスは、カルナバ、ケラシン、セチルエステル、微晶性ワ
ックス、モンタンワックス、オゾケライト、合成ワックス、及びその混合物から
なる群から選択することができる。組成物の増粘剤は、ポリオレフィン樹脂、ポ
リオレフィンポリマー、エチレン／ビニルアセテートコポリマー、ポリエチレン
、及びその混合物からなる群から選択することができる。

【００２１】 組成物に用いられる天然脂肪又は油の量は、約０．１から約９５重量パーセン
トであってもよい。組成物に用いられるステロール及びステロール誘導体の量は
、約０．１から約１０パーセントであってもよい。組成物に用いられる乳化性界
面活性剤の量は、約１から約２０重量パーセントであってもよい。組成物に用い
られる湿潤剤の量は、約０．５から約２０重量パーセントであってもよい。組成
物に用いられる皮膚軟化剤の量は、約５から約９５重量パーセントであってもよ
い。組成物に用いられるワックスの量は、約５から約９５重量パーセントであっ
てもよい。組成物に用いられる増粘剤の量は、約１から約２５重量パーセントで
あってもよい。

【００２２】 組成物の１つの実施形態は、約１０重量パーセントのヒマワリ油、約０．８重
量パーセントの大豆ステロール、約１重量パーセントのソルビタンオレアート、
約５重量パーセントのグリセリン、約３１．２重量パーセントのワセリン、約４
５重量パーセントの微晶性ワックス、セチルエステル及びオゾケライトのブレン
ド、及び約７重量パーセントの粘性エチレン／ビニルアセテートコポリマーを含
む。微晶性ワックス、セチルエステル、及びオゾケライトのブレンドは、約１０
から約２０重量パーセントの微晶性ワックス、約１０から約２０重量パーセント
のセチルエステル、及び約６０から約８０重量パーセントのオゾケライトを含む
。

【００２３】 組成物の他の実施形態は、約１０重量パーセントのボラジ油、約０．８重量パ
ーセントの大豆ステロール、約１重量パーセントのソルビタンオレアート、約５
重量パーセントのグリセリン、約２６．６重量パーセントのワセリン、約５０重
量パーセントのワックス、及び約７重量パーセントの粘性エチレン／ビニルアセ
テートコポリマーを含む。 組成物の他の実施形態は、約１０重量パーセントのアボカド油、約０．８重量
パーセントの大豆ステロール、約１重量パーセントのソルビタンオレアート、約
５重量パーセントのグリセリン、約３１．２重量パーセントのワセリン、約４５
重量パーセントのオゾケライト、セチルエステル、微晶性ワックスのブレンド、
及び約７重量パーセントの粘性エチレン／ビニルアセテートコポリマーを含む。
微晶性ワックス、セチルエステル、及びオゾケライトのブレンドは、約１０から
約２０重量パーセントの微晶性ワックス、約１０から約２０重量パーセントのセ
チルエステル、約６０から約８０重量パーセントのオゾケライトである。

【００２４】 組成物の他の実施形態は、約２重量パーセントのＰＲＯＬＩＰＩＤ １４１（
Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ Ｓｐｅｃｉａｌｔｙ Ｐｒｏｄｕｃｔｓ、ニュー
ジャージー州ウェーン）、約１０重量パーセントのヒマワリ油、約１重量パーセ
ントの大豆ステロール、約１重量パーセントのソルビタンオレアート、約５重量
パーセントのグリセリン、約３４重量パーセントのワセリン、約３２重量パーセ
ントのケラシン、及び約１５重量パーセントの粘性ポリエチレンを含む。 組成物の他の実施形態は、約２重量パーセントのＰＲＯＬＩＰＩＤ １４１（
Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ Ｓｐｅｃｉａｌｔｙ Ｐｒｏｄｕｃｔｓ、ニュー
ジャージー州ウェーン）、約３０重量パーセントのヒマワリ油、約３重量パーセ
ントの大豆ステロール、約５重量パーセントのソルビタンオレアート、約５重量
パーセントのソルビトール、約５重量パーセントのワセリン、約４０重量パーセ
ントのオゾケライト、及び約１０重量パーセントのポリエチレンを含む。

【００２５】 組成物の他の実施形態は、約５重量パーセントのラノリン、約２５重量パーセ
ントのヒマワリ油、約３重量パーセントのコレステロール、約５重量パーセント
のソルビタンステアレート、約５重量パーセントの硬化デンプン加水分解物、約
２重量パーセントのワセリン、約４０重量パーセントのオゾケライト及び微晶性
ワックス、及び約１５重量パーセントのポリエチレンのブレンドを含む。微晶性
ワックス及びオゾケライトのブレンドは、約４０重量パーセントの微晶性ワック
ス及び約６０重量パーセントのオゾケライトである。 組成物の他の実施形態は、約２７重量パーセントのアボカドオイル、約３重量
パーセントのアボカジン又はアボカドステロール、約２重量パーセントのグリセ
リルステアレート、約１５重量パーセントのグリセリン、約３重量パーセントの
ワセリン、約４０重量パーセントのオゾケライト、及び約１０重量パーセントの
ポリエチレンを含む。

【００２６】 組成物の他の実施形態は、約１５重量パーセントのアボカド油、約５重量パー
セントのステロールエステル、約１０重量パーセントのグリセリルステアレート
、約８重量パーセントのグリセリン、約２重量パーセントのワセリン、約５５重
量パーセントのオゾケライト及びセチルエステルのブレンド、及び約５重量パー
セントのポリエチレンを含む。セチルエステル及びオゾケライトのブレンドは、
約１０重量パーセントのセチルエステル、及び約９０重量パーセントのオゾケラ
イトである。 組成物の他の実施形態は、約４５重量パーセントのボラジオイル、約１０重量
パーセントのアボカジン即ちアボカドステロール、約５重量パーセントのグリセ
リルステアレート、約１重量パーセントのグリセリン、約１重量パーセントのワ
セリン、約３６重量パーセントのケラシン、及び約１２重量パーセントのポリエ
チレンを含む。

【００２７】 組成物の他の実施形態は、約２５重量パーセントのヒマワリ油、約３重量パー
セントのラノステロール、約２重量パーセントのグリセリルステアレート、約５
重量パーセントのグリセリン、約１５重量パーセントのワセリン、約４５重量パ
ーセントのオゾケライト及び微晶性ワックスのブレンド、及び約５重量パーセン
トのポリエチレンを含む。微晶性ワックス及びオゾケライトのブレンドは、約１
０重量パーセントの微晶性ワックス及び約９０重量パーセントのオゾケライトで
ある。 組成物の他の実施形態は、約３５重量パーセントのアボカド油、約３重量パー
セントのシトステロール、約５重量パーセントのソルビタントリオレアート、約
５重量パーセントのグリセリン、約１重量パーセントのワセリン、約４１重量パ
ーセントのオゾケライト、及び約１０重量パーセントのポリエチレンを含む。

【００２８】 本発明の他の実施形態は、吸収性物品の使用者の皮膚バリヤー性機能を向上／
回復／維持するための方法である。 この方法は、 ａ）身体側材料から使用者の皮膚に組成物を移動すると、皮膚バリヤー性を向上
／回復／維持する利点をもたらす、皮膚バリヤー性を向上／回復／維持させる組
成物を含む身体側材料を、使用者の皮膚に接触させる段階と、 ｂ）吸収性物品を使用している間に、身体側材料から使用者の皮膚に組成物の少
なくとも一部を移動させる段階と、 ｃ）１つ又はそれ以上の付加的な身体側材料を用い、身体側材料が接触している
皮膚の一部で、皮膚バリヤー性を向上／回復／維持する組成物を含まない同等の
身体側材料が接触している皮膚に比較し、皮膚バリヤー性を向上／回復／維持す
るのに十分な頻度で段階ａ）及びｂ）を繰り返す段階と、 を含む。

【００２９】 この方法の皮膚バリヤー性を向上／回復／維持する組成物は、約０．１から約
９５重量パーセントの天然脂肪又は油、約０．１から約１０重量パーセントのス
テロール及びステロール誘導体、ＨＬＢが約３から約６の範囲である約１から約
２０重量パーセントの油中水型乳化性界面活性剤、約０．５から約２０重量パー
セントの湿潤剤、約５から約９５重量パーセントの皮膚軟化剤、約５から約９５
重量パーセントのワックス、及び約１から約２５重量パーセントの増粘剤を含む
。

【００３０】 組成物の融点は、約３０℃から約１００℃であってもよい。再凝固組成物は、
約５０センチポアズより大きい処理粘度であってもよい。再凝固組成物の貫入硬
度は、約５から約３６０ミリメートルであってもよい。この方法は、使用者が、
使用する度に、皮膚バリヤー性を向上／回復／維持する組成物を有する身体側材
料を用いる段階を更に含むことができる。この方法は、使用者が、断続的に、皮
膚バリヤー性向上／回復／維持組成物を含まない身体側材料を用いる段階を更に
含むことができる。この方法は、皮膚が荒れた使用者が、皮膚バリヤー性機能を
改善するのに十分な頻度で、皮膚バリヤー性向上／回復／維持組成物を含む身体
側材料を用いる段階を更に含むことができる。

【００３１】 油性疎水性組成物への天然脂肪又は油、又は天然脂肪又は油の混合物の量は、
約０．１から約９５重量パーセント、詳細には約５から約７５重量パーセント、
更に詳細には約１０から約５０重量パーセントであってもよい。本明細書で用い
る場合、天然脂肪又は油と言う用語は、脂肪、油、精油、脂肪酸、脂肪アルコー
ル、リン脂質、及びその混合物を含むものであると理解されたい。本明細書で用
いる場合、適切な天然脂肪又は油には、以下のＣＴＦＡ表記により分類された材
料が含まれるが、これに限定されるものではない。

【００３２】 脂肪及び油：アプリコット核油、アボカドオイル、ババス油、ボラジシードオ
イル、バター、Ｃ₁₂−Ｃ₁₈酸トリグリセリド、椿油、カノーラ油、カプリル酸／
カプリン酸／ラウリン酸トリグリセリド、カプリル酸／カプリン酸／リノール酸
トリグリセリド、カプリル酸／カプリン酸／ステアリン酸トリグリセリド、カプ
リル酸／カプリン酸トリグリセリド、ニンジン油、カシューナッツ油、ヒマシ油
、チェリーピットオイル、チーア油、カカオ脂、ココナツ油、タラ肝油、トウモ
ロコシ胚芽油、トウモロコシ油、綿実油、Ｃ₁₀−Ｃ₁₈トリグリセリド、卵油、エ
ポキシ化大豆油、月見草油、グリセリルトリアセチルヒドロキシステアレート、
グリセリルトリアセチルリシノレアート、グリコスフィンゴリピド、グレープシ
ードオイル、ヘーゼルナッツオイル、ヒト胎盤脂質、ハイブリッド紅花油、ハイ
ブリッドヒマワリ種子油、硬化ヒマシ油、硬化ヒマシ油ラウレート、硬化ココナ
ツ油、硬化綿実油、硬化Ｃ₁₂−Ｃ₁₈トリグリセリド、硬化魚油、硬化ラード、硬
化メンハーデンオイル、硬化ミンクオイル、硬化オレンジラフィー油、硬化パー
ム核油、硬化パーム油、硬化ピーナツオイル、硬化サメ肝油、硬化大豆油、硬化
獣脂、硬化植物油、ラノリン及びラノリン誘導体、ラード、ラウリン酸／パルミ
チン酸／オレイン酸トリグリセリド、レスケレラオイル、アマニ油、マカデミア
ナッツオイル、マレイン酸大豆油、メドウホーム種子油、メンハーデン油、ミン
クオイル、モリンガ油、モーチエレラ油、ニーツフット油、オレイン酸／リノー
ル酸トリグリセリド、オレイン酸／パルミチン酸／ラウリン酸／ミリスチン酸／
リノール酸トリグリセリド、オレオステアリン、オリーブハスクオイル、オリー
ブオイル、大網脂質、オレンジラフィーオイル、パーム核油、パーム油、杏仁油
、ピーナツオイル、ペンハワルジャンビオイル、ペンタデスマ（Ｐｅｎｔａｄｅ
ｓｍａ）バター、リン脂質、ピスタチオナッツオイル、胎盤脂質、菜種油、米ぬ
か油、紅花油、ゴマ油、サメ肝油、シアバター、大豆油、スフィンゴリピド、ヒ
マワリ種子油、スィートアーモンドオイル、トール油、獣脂、トリベヘニン、ト
リカプリン、トリカプリリン、トリヘプタノイン、トリヒドロキシメトキシステ
アリン、トリヒドロキシステアリン、トリイソノナノイン、トリイソステアリン
、トリラウリン、トリリノレイン、トリリノレニン、トリミリスチン、トリオク
タノイン、トリオレイン、トリパルミチン、トリセバシン、トリステアリン、ト
リウンデカノイン、植物油、クルミ油、ふすま脂質、小麦胚芽油、ザドアリ（Ｚ
ａｄｏａｒｙ）オイル等、及びその混合物である。

【００３３】 脂肪酸：アラキジン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、カプリン酸、カプロン酸、
カプリル酸、ココナッツ酸、トウモロコシ酸、綿実酸、硬化ココナッツ酸、硬化
メンハーデン酸、硬化獣脂酸、ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸、ラ
ウリン酸、リノール酸、リノレン酸、アマニ酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パ
ルミチン酸、パーム核酸、ペラルゴン酸、リシノール酸、大豆酸、ステアリン酸
、トール油酸、獣脂酸、ウンデカン酸、ウンデシレン酸、小麦胚芽酸等、及びそ
の混合物である。

【００３４】 脂肪アルコール：ベヘニルアルコール、Ｃ₉−Ｃ₁₁アルコール、Ｃ₁₂−Ｃ₁₃ア
ルコール、Ｃ₁₂−Ｃ₁₅アルコール、Ｃ₁₂−Ｃ₁₆アルコール、Ｃ₁₄−Ｃ₁₅アルコー
ル、カプリリックアルコール、セテアリルアルコール、セチルアルコール、ココ
ナッツアルコール、デシルアルコール、硬化獣脂アルコール、ラウリルアルコー
ル、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、パームアルコール、パーム核
アルコール、ステアリルアルコール、獣脂アルコール、トリデシルアルコール等
、及びその混合物である。

【００３５】 精油：アニス油、バームミント油、バジル油、ビーバーム油、ベルガモント油
、バーチ油、ビターアーモンド油、ビターオレンジ油、キンセンカ油、カリフォ
ルニアナツメグ油、キャラウェイ油、カルダモン油、カモミール油、シナモン油
、サルビア油、丁子葉油、丁子油、コリアンダー油、サイプレス油、ユーカリ油
、ウイキョウ油、クチナシ油、ゼラニウム油、ジンジャー油、グレープフルーツ
油、ホップ油、ヒプチス（Ｈｙｐｔｉｓ）油、インディゴブッシュ（Ｉｎｄｉｇ
ｏ Ｂｕｓｈ）油、ジャスミン油、杜松油、キウイ油、ローレル油、ラベンダー
油、レモングラス油、レモン油、リンデン油、ラビジ油、マンダリンオレンジ油
、マトリカリア油、ジャコウバラ油、ナツメグ油、乳香、オレンジフラワー油、
オレンジ油、パチョリ油、ぺニローヤル油、ペパーミント油、松根油、松根ター
ル油、ローズヒップ油、ローズマリー油、ローズ油、ルー油、セージ油、ニワト
コ油、白檀油、サッサフラス油、蝦夷松油、スペアミント油、スィートマジョラ
ム油、スィートバイオレット油、タール油、ティーツリー油、タイム油、ワイル
ドミント油、ノコギリソウ油、イランイラン油等、及びその混合物である。

【００３６】 好ましい天然脂肪又は油には、アボカド油、アプリコット油、ババス油、ボラ
ジ油、椿油、カノーラ油、ヒマシ油、ココナツ油、トウモロコシ油、綿実油、月
見草油、硬化綿実油、硬化パーム核油、マレイン酸大豆油、メドウホーム油、パ
ーム核油、リン脂質、菜種油、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、ステ
アリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ベネニルアル
コール、ローズヒップ油、ヒマワリ油、大豆油、ＰＲＯＬＩＰＩＤ １４１（ニ
ュージャージー州ウェーンにあるＩｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ Ｓｐｅｃｉａｌ
ｔｙ Ｐｒｏｄｕｃｔｓが所有するグリセリルステアレート、脂肪酸、脂肪アル
コール、及びリン脂質のブレンド）等、及びその混合物が含まれるが、これに限
定されるものではない。

【００３７】 ステロール又はステロール誘導体又はその混合物の油性疎水性組成物中での量
は、約０．１から約１０重量パーセント、詳細には約０．５から約５重量パーセ
ント、更に詳細には約０．８から約１重量パーセントであってもよい。本明細書
で用いる場合、適切なステロール及びステロール誘導体には、以下の材料が含ま
れるが、これに限定されるものではない。例えば、コレステロール、シトステロ
ール、スチグマステロール、及びエルゴステロール等の１７位にテールを有し、
極性基を有さないβ−ステロールのほか、Ｃ₁₀−Ｃ₃₀コレステロール／ラノステ
ロールエステル、コレカルシフェロール、コレステリルヒドロキシステアレート
、コレステリルイソステアレート、コレステリルステアレート、７−デヒドロコ
レステロール、ジヒドロコレステロール、ジヒドロコレステリル・オクチルデカ
ノエート、ジヒドロラノステロール、ジヒドロラノステリル・オクチルデカノエ
ート、エルゴカルシフェロール、トール油ステロール、大豆ステロールアセテー
ト、ラナステロール、大豆ステロール、アボカドステロール、アボカジン、ステ
ロールエステル等、及びその混合物である。

【００３８】 ＨＬＢが３から６の範囲の油中水型乳化性界面活性剤／界面活性剤の組み合わ
せの油性疎水性組成物中での量は、約１から約２０重量パーセント、詳細には約
２から約１０重量パーセント、更に詳細には約３から約８重量パーセントであっ
てもよい。乳化性界面活性剤は、一般に、化粧品の原料に用いられ、種々の成分
の乳液を形成する。水及び水溶性／水分散性材料のような不混和性層が、油のよ
うな連続層に水滴として分散する。 ＨＬＢが約３から６の好ましい界面活性剤及び界面活性剤の組み合わせには、
ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセキオレエート、ソルビタントリオレエ
ート、グリセリルステアレート、ソルビタンステアレート、ソルビタントリステ
アレート等、及びその混合物が含まれるが、これに限定されるものではない。

【００３９】 油性疎水性組成物中の湿潤剤の量は、約０．５から約２０重量パーセント、詳
細には約１から約１５重量パーセント、更に詳細には、約３から約１０重量パー
セントであってもよい。湿潤剤は、一般に、皮膚の上層の含水量を増加させるの
に用いられる化粧品の原料である。この群の材料は、主として含水原料を含む。
本明細書で用いる場合、適切な湿潤剤には、以下の材料が含まれるが、これに限
定されるものではない。アセトアミドＭＥＡ、アロエベラゲル、アルギニンＰＣ
Ａ、キトサンＰＣＡ、銅ＰＣＡ、コーングリセリド、ジメチルイミダゾリジノン
、フルクトース、グルカミン、グルコース、グルコースグルタミン酸、グルクロ
ン酸、グルタミン酸、グリセレス−７、グリセレス−１２、グリセレス−２０、
グリセレス−２６、グリセリン、ハチミツ、硬化ハチミツ、硬化デンプン加水分
解物、加水分解コーンスターチ、ラクトアミドＭＥＡ、乳酸、ラクトースリジン
ＰＣＡ、マンニトール、メチルグルセス−１０、メチルグルセス−２０、ＰＣＡ
、ＰＥＧ−２ラクトアミド、ＰＥＧ−１０プロピレングリコール、ポリアミノ糖
縮合物、ＰＣＡカリウム、プロピレングリコール、プロピレングリコールシトレ
ート、糖水解物、糖イソメレート、アスパラギン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム
、ＰＣＡナトリウム、ソルビトール、ＴＥＡ−乳酸塩、ＴＥＡ−ＰＣＡ、尿素、
キシリトール等、及びその混合物である。 好ましい湿潤剤には、グリセリン、硬化デンプン加水分解物、プロピレングリ
コール、ＰＣＡナトリウム、乳酸ナトリウム、ソルビトール等、及びその混合物
が含まれるが、これに限定されるものではない。

【００４０】 油性疎水性組成物中の皮膚軟化剤の量は、約５から約９５％、詳細には約１５
から約８０重量パーセント、更に詳細には約２０から約６５重量パーセントであ
ってもよい。本明細書で用いる場合、適切な皮膚軟化剤には、以下の材料が含ま
れるが、これに限定されるものではない。鉱物油、鉱物ゼリー、ワセリン、化粧
品用エステル、脂肪エステル、グリセリルエステル、アルコキシル化カルボン酸
、アルコキシル化アルコール、脂肪アルコール、ラノリン及びラノリン誘導体、
ワセリン基材オイル、シリコン、脂肪、硬化植物油、ポリヒドロキシエステル等
、及びその混合物である。

【００４１】 油性疎水性組成物中のワックスの量は、約５から約９５％、詳細には約１０か
ら約７５重量パーセント、更に詳細には約２０から約６０重量パーセントであっ
てもよい。本明細書で用いる場合、適切なワックスには、以下の材料が含まれる
が、これに限定されるものではない。シロヤマモモ蝋、蜜蝋、Ｃ₃₀アルキルジメ
チコーン、カンデリラ蝋、カルナバ、ケラシン、セチルエステル、硬化綿実油、
硬化ホホバ油、硬化ホホバワックス、硬化微晶性ワックス、硬化米ぬかワックス
、木蝋、ホホババター、ホホバエステル、ホホバワックス、ラノリンワックス、
微晶性ワックス、ミンクワックス、モタン（ｍｏｔａｎ）酸ワックス、モタンワ
ックス、オーリキュリ（ｏｕｒｉｃｕｒｙ）ワックス、オゾケライト、パラフィ
ン、ＰＥＧ−６蜜蝋、ＰＥＧ−８蜜蝋、米ぬかワックス、セラックワックス、麦
殻ワックス、ステリルジメチコン合成蜜蝋、合成カンデリラ蝋、合成カルナバ蝋
、合成木蝋、合成ホホバワックス、合成ワックス等、及びその混合物のような天
然及び合成ワックスである。 好ましいワックスには、カルナバ、ケラシン、セチルエステル、微晶性ワック
ス、モンタンワックス、オゾケライト、合成ワックス等、及びその混合物が含ま
れるが、これに限定されるものではない。

【００４２】 油性疎水性組成物中の増粘剤の量は、約１から約２５重量パーセント、詳細に
は約５から約２０重量パーセント、更に詳細には約１０から約１５重量パーセン
トであってもよい。本明細書で用いる場合、適切な増粘剤には、以下の材料が含
まれるが、これに限定されるものではない。ポリオレフィン樹脂、ポリオレフィ
ンポリマー、エチレン／ビニルアセテートコポリマー、ポリエチレン等、及びそ
の混合物からなる群である。

【００４３】 本明細書で用いる場合、「身体側材料」という用語には、身体側ライナ、弾性
材料、ティシュ、取り込み及び分配材料、コフォームや織布及び不織布を含むが
これに限定されない吸収性材料、裏面シートライナ材料、又はおむつ、トレーニ
ングパンツ、吸収性下着用パンツ、大人用失禁用製品、女性用衛生製品等のパー
ソナルケア吸収性物品の構造体に用いられるか、用いることができる本技術分野
で公知の他の材料といった材料が含まれるが、これに限定されるものではない。
「身体側材料」という用語は、着用者の皮膚に、典型的及び低頻度に接触する両
方の材料を含むと理解される。本発明の身体側材料は、単層又は多層であっても
よい。

【００４４】 本発明の組成物は、吸収性物品の特定の部分又は構成材に塗布することもでき
、吸収性物品の使用中に使用者の皮膚に接触する吸収性物品の表面全体に塗布す
ることもできる。また、組成物は、吸収性物品又はその一部の皮膚に接する表面
に、種々の濃度又は堆積量で塗布することができる。組成物は、吸収性物品を使
用する間に、組成物が使用者の皮膚に接触することにより、移動することになる
ように塗布される。本発明の組成物は、身体側表面が吸収性物品に組み込まれた
後、又は身体側表面が吸収性物品に組み込まれる前に塗布することができる。「
有効な量の組成物」という用語は、身体側材料に塗布されると、皮膚バリヤー性
を向上させる利益をもたらすのに有効とされる本発明の組成物の量を意味すると
理解されたい。

【００４５】 本発明で、身体側材料として機能する材料の他の例は、以下の特許出願に論じ
られている。発明者がＭｉｃｈａｅｌ Ｊ．ＦａｕｌｋｓとＰａｍｅｌａ Ｊ．
Ｍａｙｂｅｒｒｙである１９９８年８月２５日に出願された、米国出願番号０９
／１３９，８２０号、代理人整理番号１３，７３２号の「通気性を改良した吸収
性物品」、発明者がＭｉｃｈａｅｌ Ｊ．Ｆａｕｌｋｓ、Ｐａｍｅｌａ Ｊ．Ｍ
ａｙｂｅｒｒｙ、Ｓｕｅ Ｃ．Ｐａｕｌ、Ａｕｄｒａ Ｓ．ＷｒｉｇｈｔとＦｒ
ａｎｋ Ｊ．Ａｋｉｎである１９９８年８月２５日に出願された、米国出願番号
０９／１３９，８２４号、代理人整理番号１３，８２７号の「空気交換率の高い
吸収性物品」及び、発明者がＭｉｃｈａｅｌ Ｊ．Ｆａｕｌｋｓ、Ｐａｍｅｌａ
Ｊ．Ｍａｙｂｅｒｒｙ、Ｓｕｅ Ｃ．ＰａｕｌとＡｕｄｒａ Ｓ．Ｗｒｉｇｈ
ｔである１９９９年９月９日に出願された、米国出願番号０９／３２８，６８１
号、代理人整理番号１４，２７０号「カンジダアルビカンスの増殖を抑制する吸
収性物品」（優先権主張：１９９８年８月２５日に出願した仮出願、米国出願番
号６０／０９７，８１０号ＰＲＯＶ）である。尚、これらの全ての開示内容は、
一致する範囲で本明細書に参照文献として組み込まれている。

【００４６】 融解した油性疎水性組成物の再凝固は、組成物が、該組成物の融点か、それを
ほんのわずかに越える温度まで加熱されていれば、冷却ロールのような外部冷却
手段を必要とすることなく殆ど瞬間的に起こり得る。しかし、所望であれば、融
解物を塗布する前又は後のいずれかに、冷却ロールのような外部手段を用いて再
凝固を促進することもできる。このように瞬間的に再凝固すると、組成物が身体
側ライナ１８又はティシュ材料２０に浸透することが妨げられ、身体側ライナ１
８又はティシュ材料２０の外側表面２８に保持される傾向があるので有利である
。例えば、融解組成物の温度は、融点より約１０℃以下高く、詳細には約５℃以
下高く、更に詳細には約２℃以下高いと有利である。融解組成物の温度が融点に
近づくと、融解組成物の粘性が高くなるので融解組成物が外側表面２８に保持さ
れる傾向が更に助長される。

【００４７】 本明細書の目的では、「融点」とは、融解の大部分が起こる温度とされるが、
融解は、実際にはある範囲の温度で起こると考えられている。本発明の組成物の
融点は、約３０℃から約１００℃、詳細には約４０℃から約８０℃、更に詳細に
は約５０℃から約６０℃であってもよい。

【００４８】 また、本明細書の目的では、「貫入硬度」とは、ＡＳＴＭ Ｄ １３２１の「
ワセリンワックスの針貫入」に従って、針貫入をミリメートルで表したものであ
る。針貫入硬度値が低ければ、硬い材料ということになる。本発明の組成物の貫
入硬度は、約５から３６０ミリメートル、詳細には約５から約２００ミリメート
ル、更に詳細には約２０から約１５０ミリメートル、更に詳細には約４０から約
１００ミリメートルであってもよい。（針貫入硬度が３６０ミリメートルより大
きい調合物は、ＡＳＴＭ方法Ｄ １３２１を用いて測定することができない）。

【００４９】 本発明の調合物又は組成物の硬度は、２つの理由で重要である。第１に、調合
物が柔らかいと、調合物の移動性が増加することになり、身体側ライナ１８又は
２０のほか、吸収性コア１４の内側に移動しやすくなるが、これは望ましくない
。第２に、調合物が柔らかいと、ベタベタ／油っぽい感触になる傾向があり、こ
れも望ましくない。一般に、調合物の針貫入硬度が、約２００から３６０ミリメ
ートルであれば、クリームのような感触で、わずかにベタベタし、あまり滑らか
でない（添加物にもよる）。調合物の針貫入硬度が、約５から約２００ミリメー
トルであれば、絹様からクリーム様の感触であり、極めて滑らかである（添加物
にもよる）。

【００５０】 本発明の調合物又は組成物の融点の粘度及び／又は処理温度の粘度は、２つの
理由で重要である。第１に、身体側ライナ１８又はティシュ材料２０の外側表面
に塗布するとき、融点粘度又は処理温度粘度が高ければ、調合物は、身体側ライ
ナ１８又はティシュ材料２０の内表面３０を通過して浸透しにくい。調合物が身
体側ライナ１８又はティシュ材料２０を通過してあまり浸透できなければ、調合
物は、着用者の皮膚の表面に容易に移動することができる身体側ライナ１８又は
ティシュ材料２０の外側表面２８に多く残ることになる。 第２に、調合物の融点又はそれより高い温度で、調合物の粘度が高ければ、一
般的な又は不利な貯蔵状態でも調合物が移動しにくくなる。

【００５１】 消費者へ大きな利益をもたらすために、付加的な原料を用いることができる。
原料の部類及びそれに対応する利点には、消泡剤（加工中の泡立ちを抑える）、
抗菌剤、抗カビ剤、防腐剤、酸化防止剤（調合物又は組成物の天然脂肪及び他の
原料の酸化を防いで製品を保全する）、収斂化粧品（皮膚を引き締めたり、チク
チクする感じを促す）、収斂剤（皮膚又は粘膜に塗布すると、浸出、放出、又は
出血を抑制し、凝固蛋白により作用する薬剤製品）、生物学的添加物（製品の性
能又は消費者受けを良くするものであり、ビタミンを含む）、消臭剤（不快な臭
いを軽減又は消失し、身体表面で悪臭が形成されるのを防ぐ）、皮膚軟化剤（皮
膚表面又は角質層に留まり、潤滑剤として作用し、剥離を低減し、皮膚の外観を
改善することができることによって、皮膚を柔らかく、滑らかで、柔軟な外観に
することを助ける）、フィルム形成剤（乾燥すると皮膚に連続フィルムを生成す
ることにより、活性原料を皮膚に保持する）、香料（消費者受けを良くする）、
シリコン及び有機修飾シリコンのような潤滑剤、天然保湿剤（ＮＭＦ）及び本技
術分野で公知の他の皮膚保湿原料、皮膚調整剤、皮膚剥脱剤（αヒドロキシ酸及
びβヒドロキシ酸のような皮膚細胞の代謝回転を高める原料）、皮膚保護剤（損
傷又は露出した皮膚又は粘膜表面を有害又は厄介な刺激物から保護する薬剤製品
）、溶剤（化粧品又は薬剤に有用であることが見出された成分を溶解するのに用
いられる液体）、紫外線吸収剤、及び界面活性剤（洗浄剤、可溶化剤、懸濁剤、
及び湿潤剤として用いられる）が含まれるが、これに限定されるものではない。

【００５２】 身体側ライナ１８又はティシュ材料２０に塗布される組成物の最低レベルは、
着用者の皮膚の擦り傷又は刺激を軽減するのに有効な量である。身体側ライナ１
８又はティシュ材料２０全体の組成物の付加量は、身体側ライナ１８又はティシ
ュ材料２０の重量に基づくと、約０．０５から約１００ｍｇ／ｃｍ２、望ましく
は約１から約５０ｍｇ／ｃｍ２、更に望ましくは約１０から約４０ｍｇ／ｃｍ２
であってもよい。付加量は、製品特性に関係している組成物及び特定の組成物の
初期の効果によることができる。

【００５３】 加熱した組成物を身体側ライナ１８又はティシュ２０のウェブの外側表面２８
に均一に塗布するための好ましい方法は、スプレー又はスロットコーティングで
ある。しかし、フレキソ印刷、輪転グラビア印刷、及びＷＥＫＯのようなスプレ
ーといった他の方法を用いることもできる。 本明細書で用いる場合、量、温度、分子量、及び貫入硬度の列挙した範囲は、
特に説明しなくても、列挙した範囲内の全ての下位範囲を含むことを意図してい
る。

【００５４】 本明細書で用いる場合、「吸収性物品」という用語は、体液を吸収し、保持す
るために用いられる物品又は製品を言う。使い捨て吸収性物品１０には、体液を
吸収して皮膚を濡らさないために用いられている、おむつ、トレーニングパンツ
、大人用失禁用物品、吸収性下着用パンツ、及び女性用ケア製品といった製品が
挙げられる。

【００５５】 この種の使い捨て吸収性物品１０は、一般に、液体不透過性裏面シート部材１
２、吸収性コア１４又は吸収性組立体１６、及び液体透過性身体側ライナ１８を
備える。（図１及び図２参照。）着用者の皮膚と接触するのは、身体側ライナ１
８又はティシュ材料２０である。典型的には、裏面シート部材１２は、身体側ラ
イナ１８に接合し、吸収性コア１４が、裏面シート部材１２と身体側ライナ１８
との間に配置されている。以下に、このような構造体、裏面シート部材１２、身
体側ライナ１８、及び吸収性コア１４の全体的な説明をおこなう。

【００５６】 一般に、吸収性コア１４は、尿、月経、及び他の体外***物のような体液を吸
収し、それを保持する。吸収性コア１４は、圧縮可能で、従順であり、使用者の
皮膚に刺激がないことが好ましい。吸収性コア１４は、長方形、楕円形、砂時計
形、Ｔ形、非対称形、犬の骨形等のような種々の大きさ及び形状とすることがで
きる。吸収性コア１４は、吸収性物品１０によく用いられる各種の液体吸収性材
料で構成されることができる。吸収性コア１４は、典型的には、多孔性繊維マト
リックス２２及び高吸収性材料２４を含む。

【００５７】 吸収性コア１４の多孔性繊維マトリックス２２は、フラフ及び高吸収性材料２
４の空気堆積バットであることが好ましく、多様な方法、例えば、Ｍａｚｕｒａ
ｋとＦｒｉｅｓによる米国特許第４，３８１，７８２号の教示内容によって形成
してもよい。この特許の全ての開示内容は、一致する範囲で本明細書に参照文献
として組み込まれている。吸収性コア１４は、高吸収性材料２４（ＳＡＰ）及び
繊維２２、好ましくはフラフパルプの空気形成混合物を含んでもよい。フラフ繊
維２２及び高吸収性材料２４の混合は、均一、段階的、又は層状であってもよい
。また、化学的に硬化された熱加工パルプのようなフラフパルプ以外の繊維２２
を用いることもできる。

【００５８】 また、吸収性コア１４は、空気形成フラフ２２及びＳＡＰ２４以外の吸収性材
料を含むこともできる。例えば、Ｌａｕに付与された米国特許第４，８１８，４
６４号及びＡｎｄｅｒｓｏｎに付与された第４，１００，３２４号に示されるよ
うなコフォーム材料を用い、それが高吸収性材料を含んでいれば吸収体を作るこ
とができる。また、Ａｎｄｅｒｓｏｎ他に付与された米国特許第５，６５１，８
６２号に開示された繊維及び高吸収性材料の組み合わせを含む湿式形成複合材料
を用いることもできる。ラテックス結合又はスルーエアー結合により互いに結合
された繊維、結合繊維、及び高吸収性材料の混合物を含む、安定した空気堆積材
料も吸収性材料として使用可能である。更に、本技術分野で公知の体外***物を
吸収する働きをするどのような材料を用いても、本発明に示すような吸収性コア
１４を構成することができる。

【００５９】 高吸収性材料２４は、典型的には、ヒドロゲルポリマーであり、ヒドロゲルポ
リマーは、十分に架橋され、材料を実質的に水不溶性にしていることが望ましい
。架橋は、例えば、照射によるものであるか、共有、イオン、ファンデルワール
ス又は水素結合によるものであってもよい。適切な材料は、Ｄｏｗ Ｃｈｅｍｉ
ｃａｌ Ｃｏｍｐａｎｙ（Ｄｒｙｔｅｃｈ ２０３５ＬＤ）、Ｈｏｅｃｈｓｔ−
Ｃｅｌａｎｅｓｅ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ及びＡｌｌｉｅｄ−Ｃｏｌｌｏｉｄ
のような種々の商業的企業から入手可能である。典型的には、高吸収性材料２４
は、水中でその重量の少なくとも約１５倍吸収することができ、望ましくは、水
中でその重量の約２５倍以上吸収することができる。

【００６０】 高吸収性材料２４は、種々の技術を用いて吸収性コア１４中に分配するか、又
は組み込むことができる。例えば、高吸収性材料２４は、吸収性コア１４を構成
する繊維２２の間に、実質的に一様に分配できる。材料２４は、吸収性コア１４
の繊維２２内に不均一に分配され、裏面シート部材１２から内向きに移動しなが
ら濃度を観察することにより測定すると、高吸収性材料２４の濃度が減少するか
、増加するかのいずれかのほぼ連続な勾配を形作ることもできる。もしくは、高
吸収性材料２４は、吸収性コア１４の繊維２２から分離した別個の層を備えるこ
ともでき、吸収性コア１４と一体化した別個の層を備えることもできる。

【００６１】 また、吸収性コア１４は、ラップ層２６を備え、繊維吸収性コア１４の一体化
を維持するのを助けることもできる。（図２参照。）このラップ層２６は、セル
ロース系ティシュ又はポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の合成ポ
リマーフィラメント又はレーヨン又は綿のような天然ポリマーフィラメントで構
成されたスパンボンド、メルトブローン又はボンデッドカーデッドウェブ材料を
含むことができる。ラップ層２６は、身体側ライナ１８に用いたものと同じ材料
で作ることもでき、身体側ライナ１８に用いたものとは異なる材料で作ることも
できる。場合によっては、身体側ライナ１８は無くてもよく、この場合、ティシ
ュ材料２０とも呼ばれるラップ層２６が、着用者の皮膚と接触する吸収性物品１
０の身体側層１８として機能する。

【００６２】 吸収性コア１４は、ダスティング層、透過層、ウィッキング又は捕捉／分配層
、取込み層、又はサージ層のような、体外***物の捕捉、分配、及び貯蔵を助け
るための付加的な構造体を備えることができる。１９８９年１月１７日にＭｅｙ
ｅｒ他に付与された米国特許第４，７９８，６０３号、又は、１９９６年１月２
３日にＢｉｓｈｏｐ他に付与された米国特許第５，４８６，１６６号、１９９４
年１１月１５日にＬａｔｉｍｅｒ他に付与された米国特許第５，３６４，３８２
号、Ｅｌｌｉｓ他に付与された米国特許第５，４９０，８４６号、Ｌａｔｉｍｅ
ｒ他に付与された米国特許第５，４２９、６２９号、Ｈａｎｓｏｎ他に付与され
た米国特許第５，５０９，９１５号、Ｐｒｏｘｍｉｒｅ他に付与された米国特許
第５，１９２，６０６号に記載されているようなサージ制御層を参照されたい。

【００６３】 身体側ライナ１８は、不織布又は他の柔らかい材料で構成され、着用者の皮膚
に接触する。身体側ライナ１８は、着用者の方に向く外側（外部）表面２８及び
着用者から遠ざかる方に向く内側（内部）表面３０を有する。身体側ライナ１８
は、以下に詳細に説明する。身体側ライナ１８は、着用者にとって従順で柔らか
い感触である。身体側ライナ１８は、水性液体透過性であり、水性液体をその厚
みに容易に透過させる柔らかくて柔軟な如何なる多孔性シートであってもよい。
適切な身体側ライナ１８は、天然繊維（例えば木材又は綿繊維）、合成繊維（例
えばポリエステル又はポリプロピレン繊維）のような各種の材料、又は天然及び
合成繊維の組み合わせ又は網目状フォーム及び有孔プラスチックフィルムで製造
することができる。

【００６４】 身体側ライナ１８は、水性液体透過性材料で形成され、水性液体***物、及び
場合によっては半固形***物も、吸収性コア１４まで通過し、吸収性物品１０の
吸収性コア１４に吸収できる。適切な身体側ライナ１８は、ポリプロピレン、ポ
リエチレン、ポリエステル等の合成ポリマーフィラメント又は繊維で構成された
不織ウェブ、スパンボンド、メルトブローン又はボンデッドカ−デッドウェブ、
有孔フィルム、又はレーヨン又は綿のような天然ポリマーフィラメント又は繊維
のウェブで構成されてもよい。

【００６５】 また、身体側ライナ１８は、水性液体の移動を助ける界面活性剤で処理しても
よい。身体側ライナ１８は、不織スパンボンドであることが適切である。スパン
ボンド材料は、ジョージア州ロズウェルにあるＫＩｍｂｅｒｌｙ−Ｃｌａｒｋ
Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎから入手可能なものが適切である。身体側ライナ１８の
重量は、約０．３ｏｚ．／平方ヤード（ｏｓｙ）から約２．０ｏｓｙまで、もし
くは約０．５ｏｓｙである。下着用パンツの身体側ライナ１８は、模様又は色を
付けたり、装飾的にエンボス加工してもよい。また、身体側ライナ１８は、ポリ
プロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、レーヨン、チッソ（ｃｈｉｓｓｏ）
等のポリオレフィン繊維の不織ウェブ又はシートであってもよい。また、身体側
ライナ１８は、有孔プラスチックフィルム、発泡プラスチックウェブ材料又はス
クリム材料であってもよい。身体側ライナ１８の孔サイズは、材料の通気性によ
り、空気、汗、及び蒸散を容易に通過させることができる大きさである。身体側
ライナ１８は、選択的に、エンボス加工又は一面に広がる不連続なスリット又は
孔で穿孔してもよい。

【００６６】 理想的には、身体側ライナ１８の布は、米国コネチカット州ダンバリーのＵｎ
ｉｏｎ Ｃａｒｂｉｄｅ Ｃｈｅｍｉｃａｌｓ ａｎｄ Ｐｌａｓｔｉｃｓ Ｃ
ｏｍｐａｎｙ，Ｉｎｃ．から、商品名ＴＲＩＴＯＮ Ｘ−１０２で市販されてい
るような界面活性剤で表面処理される。本明細書で用いる場合、「布」という用
語は、全ての織り、編み及び不織繊維ウェブのことを言う。「不織ウェブ」とい
う用語は、織り又は編加工の助けを借りずに形成された材料のウェブを意味する
。 他の材料として、水性液体透過性身体側ライナ１８は、スパンボンデッドポリ
プロピレン又はポリエチレンキャリヤーシートに結合されたポリエステル繊維の
カーデッドウェブで製造することができる。カーデッド材料は、約２０から約６
０重量パーセントのポリプロピレン又はポリエチレン及び約８０から約４０重量
パーセントのポリエステルで作られている。この材料の坪量は、約３０ｇｓｍと
約７０ｇｓｍとの間であってもよい。

【００６７】 裏面シート部材１２は、体液が、吸収性物品１０の吸収性コア１４に放出され
たとき、水性液体が外側の衣類に染み透るのを防ぐために必要である。裏面シー
ト部材１２は、典型的には、ポリエチレンのような水性液体不透過フィルムで構
成される。水性液体不透過裏面シート部材１２は、着用者から遠ざかる方を向く
外側（外部）表面３２及び着用者の方を向く内側（内部）表面３４を有する。使
い捨て吸収性物品１０の構造において、障壁として働く裏面シート部材１２は、
通常遭遇する透過に対して裏面シート部材１２を抵抗性にすることにより、着用
されると、吸収性物品１０を通る水性液体の移動を抑制する必要がある。裏面シ
ートは、水性液体不透過性に形成又は処理された材料を備えることが望ましい。

【００６８】 もしくは、裏面シート部材１２は、水性液体透過性材料を備えることもでき、
更に、吸収性コア１４に付随する水性液体不透過層のような他の適切な手段（図
示せず）を備えて、水性液体が吸収性物品１０の吸収性コア１４から移動しない
ようにすることもできる。使い捨て吸収性物品１０は、吸収性コア１４のコーテ
ィングのような本技術分野で公知の何らかの方法によるか、別個の水性液体不透
過性材料を吸収性コア１４に固定することにより、水性液体不透過性にしてもよ
い。裏面シート部材１２は、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ポリビニル又
は同様の材料のようなプラスチックフィルムの薄い水性液体不透過ウェブ又はシ
ートを備えてもよい。他の利用可能な材料には、上記の種類の材料の単一のスパ
ンボンド層、２層スパンボンド及びメルトブローン材料、又は３層材料のスパン
ボンデッド−メルトブローン−スパンボンデッド材料が含まれる。また、適切な
フォーム材料の他に、水性液体不透過性で蒸気透過性である材料を用いることも
できる。

【００６９】 もしくは、裏面シート部材１２は、水性液体透過性が低くなるように適切に構
成され、配置された不織繊維ウェブを備えてもよい。もしくは、裏面シート部材
１２は、熱結合したプラスチックフィルム及び不織ウェブ複合体のような層状又
はラミネートされた材料を備えてもよい。もしくは、裏面シート部材１２は、通
常の着用状態では水蒸気透過性である水性液体不透過フィルム又はフォームで構
成される。裏面シート部材１２の水蒸気透過率は、ＡＳＴＭ Ｅ９６−９２で測
定すると、少なくとも約８００グラム／ｍ２／２４時間であることが更に望まし
い。適切なフィルムの例の１つは、Ｍｉｔｓｕｉで製造され、Ｃｏｎｓｏｌｉｄ
ａｔｅｄ Ｔｈｅｒｍｏｐｌａｓｔｉｃｓ（ＣＴ）から商品名ＥＳＰＯＩＲ（登
録商標）Ｎ−ＴＡＦ−ＣＴで販売されている、３９．４グラム／平方メートルの
微孔性フィルムである。

【００７０】 また、吸収性物品１０は、ウエスト４２（下着用パンツ及びブリーフのような
吸収性物品１０）、脚開口部３８及び４０を囲む領域、フィット弾性体としてウ
エスト部分（図示せず）（下着用パンツのような吸収性物品１０における）、側
部パネル（図示せず）（ブリーフ及び下着用パンツのような吸収性物品１０にお
ける）、及びフラップ又は障壁構造体（図示せず）に弾性部材３６を含んでもよ
い。弾性部材３６は、ストリップ、リボン、連結したリボン又はストリップ、シ
ート、ストランド、バンド、糸、フィラメントの形状であってもよく、又はこれ
らの形状及び本技術分野で公知の他の形状の如何なる組み合わせであってもよい
。また、弾性部材３６は、吸収性物品１０に配置されると活性化される潜在的な
弾性材料であってもよい。

【００７１】 本発明の組成物は、３０℃で固体又は半固体である。本明細書で用いる場合、
「半固体」という用語は、偽塑性又は塑性流体に典型的なレオロジーを有する組
成物のことを言う。この組成物は、室温では、少なくとも半固体状態であるため
、組成物の移動は最低限にされる。室温で固体又は半固体である組成物は、身体
側ライナ１８又はティシュ材料２０の内部に移動せず、最終的に、組成物を塗布
した吸収性物品１０内に移動しない傾向がある。組成物は、通常の接触、着用者
の動き、又は着用者の体温により、着用者の皮膚に移動することが可能である。

【００７２】 身体側ライナ１８又はティシュ材料２０は、有効な量の本発明の組成物を含む
。本明細書で用いる場合、「身体側ライナ」という用語は、「ティシュ材料」と
置き換えて用いることができる。本明細書で用いる場合、「有効な量の組成物」
という用語は、身体側ライナ１８又はティシュ材料に塗布すると、擦り傷及び刺
激を軽減するのに有効である組成物の量のことを言う。 組成物は、吸収性物品１０の身体側ライナ１８又はティシュ材料２０の外側表
面に塗布される。溶融体又は流体軟度を有する滑らかな材料を均一に分配する何
れかの塗布法を用いてもよい。適切な方法には、スプレー、スロットコーティン
グ、（フレキソ印刷のような）プリント、（グラビアコーティングのような）コ
ーティング、押出し、又は回転する表面に組成物をスプレーし、次に身体側ライ
ナ１８又はティシュ材料２０の外側表面に組成物を移動するようなこれらの方法
の組み合わせが含まれる。

【００７３】 身体側ライナ１８又はティシュ材料２０に組成物を塗布する方法では、身体側
ライナ１８又はティシュ材料２０が組成物で飽和しないようにする必要がある。
身体側ライナ１８又はティシュ材料２０が組成物で飽和されると、身体側ライナ
１８又はティシュ材料２０の流体透過性が、減少又は遮断される。また、身体側
ライナ１８又はティシュ材料２０は、本発明の組成物の治療又は保護利益を得る
ためには、飽和する必要がない。

【００７４】 種々の締結手段４４を用いて、着用者の周りに、着用者に接触させて吸収性物
品１０を固定することができるが、これらにはテープファスナ、ベルト、紐、使
い捨て及び再使用可能な衣類、及び機械式ファスナが含まれる。機械式ファスナ
には、ボタン、ボタン穴、スナップ、バックル、クラスプ、面ファスナ、端部伸
長タブ等が含まれ、これらは、ある種の相補的装置又は吸収性物品１０の外側カ
バーを連結又は係合するようにデザイン又は作り替えられている。このような機
械的閉鎖部品のための適切な係合部品には、フック、ループ、スナップ、バック
ル、球、キノコ、矢尻、球付きステム、オス及びメス係合部品等のような自己係
合幾何学的形状材料が含まれる。また、このような吸収性物品の優れたフィット
性を確実にするために、弾性ファスナも用いられる。いくつかの締結システム及
び固定部材の例は、Ｋｕｅｎに付与された米国特許第５，４２３，７８９号、Ｒ
ｏｅｓｓｌｅｒ他に付与された第５，４０５，３４２号、Ｒｏｅｓｓｌｅｒ他に
付与された第５，４０３，３０２号、Ｒｏｅｓｓｌｅｒ他に付与された第５，３
９９，２１９号、Ｋｕｅｎ他に付与された第５，３８６，５９５号、Ｋｅｕｈｎ
，Ｊｒ．他に付与された第５，３７４，２６２号、Ｓｉｅｂｅｒｓ他に付与され
た第５，３１８，５５５号、Ｋｕｅｎに付与された第５，３０４，１６２号、Ｒ
ｏｅｓｓｌｅｒ他に付与された第５，２８８，５４６号、Ｒｏｅｓｓｌｅｒ他に
付与された第５，１７６，６７１号、Ｒｏｅｓｓｌｅｒ他に付与された第５，１
７６，６７１号、及びＲｏｅｓｓｌｅｒ他に付与された第５，０１９，０７３号
に開示されている。

【００７５】 また、使い捨て吸収性物品１０は、フラップ又はガスケット構造（図示せず）
を含むことができる。このようなフラップ又はガスケット構造は、１９８７年１
１月３日にＥｎｌｏｅに付与された米国特許第４，７０４，１１６号、１９８９
年７月１１日にＥｎｌｏｅに付与された米国特許第４，８４６，８２３号、１９
９５年５月９日にＥｎｌｏｅに付与された米国特許第５，４１３，５７０号、１
９９５年５月１６日にＥｎｌｏｅに付与された米国特許第５，４１５，６４４号
及び１９９７年２月４日にＥｎｌｏｅに付与された米国特許第５，５９９，３３
８号に開示された構成を含む、多数の異なる構成で組み立てることができる。

【００７６】 本発明の組成物は、身体側ライナ１８又はティシュ材料２０の全外側表面又は
その部分に塗布することができる。組成物は、使い捨て吸収性物品１０の縦中央
線４６に中心を合わせて位置合わせしたストリップ又はパターンで塗布すること
が好ましい。（図１参照。）ストリップ又はパターンの寸法は、組成物を塗布す
る個々の吸収性物品１０によって変わり得る。 本発明の組成物は、身体側ライナ１８又はティシュ材料２０の外側表面に不均
一に塗布することもできる。「不均一」という用語は、本明細書で用いる場合、
組成物の量、分配のパターン、塗布の厚さ等が、身体側ライナ１８又はティシュ
材料２０の外側表面にわたって変わり得ることを言う。組成物は、身体側ライナ
１８又はティシュ材料２０の内側表面にのみ塗布することもでき、外側表面２８
に組成物を塗布することと組み合わせて塗布することもできる。

【００７７】 本発明の組成物は、吸収性物品１０の組み立て過程のいずれの時点で身体側ラ
イナ１８又はティシュ材料２０に塗布することもできる。例えば、身体側ライナ
１８又はティシュ材料２０に形成される原材料ウェブが、身体側ライナ１８又は
ティシュ材料２０に加工される前に組成物で処理してもよく、身体側ライナ１８
又はティシュ材料２０が、吸収性物品１０に組み込まれる前に組成物で処理して
もよく、身体側ライナ１８又はティシュ材料２０が、身体側ライナ１８又はティ
シュ材料２０が吸収性物品１０に組み込まれた後に組成物で処理してもよい。

【００７８】 実施例 以下の実施例は、本発明を更に詳細に理解するために示すものである。特定の
材料及びパラメータは、典型的なものであり、本発明の範囲を限定するものでは
ない。 以下の調合は、実施例１−実施例３で用いられる。調合１ 重量％ ワセリン ９３．７％ グリセリン ５％ ＰＲＯＬＩＰＩＤ １４１ １．０％ （Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ Ｓｐｅｃｉａｌｔｙ Ｐｒｏｄｕｃｔｓ、ニュ
ージャージー州ウェーン） 酢酸トコフェロール ０．３％調合２ 重量％ ワセリン ８８．７％ グリセリン ５％ ＰＲＯＬＩＰＩＤ １４１ １．０％ （Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ Ｓｐｅｃｉａｌｔｙ Ｐｒｏｄｕｃｔｓ、ニュ
ージャージー州ウェーン） 酢酸トコフェロール ０．３％ アボカジン（ＣＲＯＤＡ） ５．０％調合３ 重量％ ワセリン ８３．７％ グリセリン ５％ 酢酸トコフェロール ０．３％ ヒマワリ油 ９．２％ 大豆ステロール ０．８％ ＰＲＯＬＩＰＩＤ １４１（ＩＳＰ） １．０％ （Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ Ｓｐｅｃｉａｌｔｙ Ｐｒｏｄｕｃｔｓ、ニュ
ージャージー州ウェーン）調合４ 重量％ ワセリン １００％調合５ 重量％ ワセリン ８５．４％ グリセリン ５％ グリセリルモノオレアート ３％ 大豆ステロール ３％ 酢酸トコフェロール ０．３％調合６ 重量％ ワセリン ８６．４％ グリセリン ５％ グリセリルモノオレアート ３％ ボラジ油 ３％ 大豆ステロール １％ ＰＲＯＬＩＰＩＤ １４１（ＩＳＰ） １．０％ （Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ Ｓｐｅｃｉａｌｔｙ Ｐｒｏｄｕｃｔｓ、ニュ
ージャージー州ウェーン） アロエ ０．３％ 酢酸トコフェロール ０．３％調合７ 重量％ １）グリセリン ５．００ ２）Ｐｒｏｌｉｐｉｄ １４１ １．００ ３）大豆ステロール ０．８０ ４）ヒマワリ油 １０．００ ５）ワセリン ＵＳＰ ４３．２０ ６）Ａｌｌｙｓｏｎ Ｗａｘ ＡＥ−１６９２ ４０．００調合８ 重量％ １）ワセリン ＵＳＰ ６０．００ ２）Ａｌｌｙｓｏｎ Ｗａｘ ＡＥ−１６９２ ３８．９０ ３）ブチルパラベン ０．２０調合９ 重量％ １）ワセリン ＵＳＰ ６０．００ ２）ステアリルアルコール ４０．００

【００７９】 実施例１ 吸収性物品を処理する高脂肪調合物は、ＴＥＷＬで測定されるように、障壁修
復を促進する。 全ての試験は、温度及び湿度を調整した部屋（７１°Ｆ±５°Ｆ、４０％±５
％相対湿度）で行った。 経表皮性水分損失（ＴＥＷＬ） パネリスト２４名の掌側前腕を布やすりで擦り、ＴＥＷＬレベルを１８から２
０ｇ／ｍ２／ｈｒに増大させた。擦った後、１５マイクロリットルの疎水性高脂
質調合物を掌側前腕に局所的に塗布した。ＴＥＷＬは、Ｄｅｒｍａｌａｂ蒸発計
装置を用いて、１、２及び４時間後に測定した。平均ＴＥＷＬ値を表１に示す。
繰返し測定ＡＮＯＶＡを用いて、繰返しＴＥＷＬ測定値を調整した。 表１：ＴＥＷＬ（ｇ／ｍ２／ｈｒ）結果−高脂質吸収性物品調合物 ＊ 未処理部位と有意差があるものを示す。 上のデータは、高脂質調合が、皮膚バリヤー性回復を改善することを明瞭に示
している。

【００８０】 実施例２ 吸収性物品を処理する高脂質調合物は、導電率で測定されるように、皮膚の保
湿性を向上させる。 全ての試験は、温度及び湿度を調整した部屋（７１°Ｆ±５°Ｆ、４０％±５
％相対湿度）で行った。 導電率 １５マイクロリットルの疎水性高脂質調合物を掌側前腕に局所的に塗布した。
導電率は、Ｓｋｉｃｏｎ装置を用いて、１、２、４及び６時間後に測定した。平
均導電率を表２に示す。単変量ＡＮＯＶＡを用いて、各時間でのペアの比較を行
った。 表２：吸収性物品のための高脂質調合物の導電率 ＊ 未処理部位と有意差があるものを示す。 上のデータは、高脂質調合が、皮膚バリヤー性の保湿性を改善することを明瞭
に示している。

【００８１】 実施例３ 吸収性物品を処理する高脂質調合物は、導電率で測定されるように、皮膚の保
湿性を向上させる。 全ての試験は、温度及び湿度を調整した部屋（７１°Ｆ±５°Ｆ、４０％±５
％相対湿度）で行った。 導電率 １５マイクロリットルの疎水性高脂質調合物を掌側前腕に局所的に塗布した。
導電率は、Ｓｋｉｃｏｎ装置を用いて、１、２、４及び６時間後に測定した。基
準線、４、及び６時間後での平均導電率を表３に示す。単変量ＡＮＯＶＡを用い
て、各時間でのペアの比較を行った。 表３：吸収性物品のための高脂質調合物の導電率 ＊ 未処理部位と有意差があるものを示す。 上のデータは、高脂質調合が、皮膚バリヤー性の保湿性を改善することを明瞭
に示している。

【００８２】 実施例４ 高脂質ライナは、経表皮性水分損失（ＴＥＷＬ）で測定されるように皮膚バリ
ヤー性を向上させ、水溶性放出の排除を向上させる。 全ての試験は、温度及び湿度を調整した部屋（７１°Ｆ±５°Ｆ、４０％±５
％相対湿度）で行った。試験を開始する前に、パネリスト２０名の掌側前腕を洗
浄し、内因性の油を全て除去した。簡単に言えば、各腕にクリーム色の石鹸を用
いて３０秒間石鹸の泡を塗った。石鹸の泡は、９０秒間腕に保持してから洗い流
した。腕は、叩くようにして水気を取り、基準線ＴＥＷＬ及びクロマメーター指
示値を得る前に、２０分間の待ち時間が必要であった。 試験には、４つの試験製品及び未処理のコントロール部位が含まれた。試験製
品は、調合７、８、９で処理されたライナ又は未処理ライナを備えていた。各ラ
イナに対する処理剤の付加レベルは、ほぼ０．２ｇ処理剤／ライナであった。

【００８３】 ＴＥＷＬ Ｄｅｒｍａｌａｂ蒸発計装置を用いて、基準線のＴＥＷＬ測定値を得た後、前
腕を折り畳んだライナで拭いた。ライナは、縦方向に二つ折りにし、腕の部位を
横切って５回拭いて広げ、その後、新しい面が出るように再び折り畳み、再び５
回拭いた。全ての拭き作業は、ライナの処理側で行った。この手順を、１５分間
隔で合計３０回繰り返した。最後の作業が終わってから、ＴＥＷＬ及びクロマメ
ーター指示値を得た。最後のＴＥＷＬ指示値の平均の最小２乗から基準値を引い
たものを表４に示している。ＴＥＷＬ値は、洗い流しの後に障壁が回復すること
によるほか、ローション処理が堆積することにより、減少することがわかる。方
法番号の間で、有意差が見られた。 表４ ＴＥＷＬ（ｇ／ｍ２／ｈｒ）結果−高脂質ライナ ＊ ライナ及び対照部位に有意差があるものを示す。 上のデータは、高脂質調合で処理したライナが、繰返し拭き作業の後、皮膚バ
リヤー性機能を改善することを明瞭に示している。

【００８４】 クロマメータ 拭いた皮膚の部位には、次に、３００マイクロリットルの染料をヒルトップチ
ャンバに加えることにより、水溶性の染料（０．５％メチレンブルー）を投与し
た。チャンバは、各部位に位置決めし、軽く押し付けて確実に皮膚と接触させた
。接触させて１分後にチャンバを除去し、３０秒間流水で腕をすすいだ。各部位
をふき取り乾燥し、クロマメータ指示値を得た。未処理皮膚に染色料が取り込ま
れる程度を測定できるように、１つの腕に対照部位を設けた。クロマメータ指示
値は、Ｌ、ａ、ｂ尺度で記録した。Ｌは明度であり、ａは赤／緑（正の値＝赤）
、ｂは黄色／青（正の値＝黄色）である。メチレンブルー染色の取り込み試験で
は、ｂ値が最も関係するため、このデータのみを詳細に分析した。結果は、平均
の最小二乗から拭き作業後の基準値を引いた値で表５に示している。 表５ クロマメータ結果−高脂質ライナ ＊ 他の全ての処理より染料の取り込みが有意に低いものを示す（ｐ値＜０．０
０１）。 ＊＊ 他の全ての処理より染料の取り込みが有意に高いものを示す（ｐ値＜０．
０１）。 上のデータは、高脂質調合物で処理したライナは、他の全ての処理より、メチ
レンブルー染料の取り込みを妨げ、水溶性材料に対する防御を示すことを明瞭に
示している。

【００８５】 つまり、実施例は、本発明の高脂質疎水性組成物により、柔らかさが改善され
たほか、皮膚バリヤー性機能の保護が改善された吸収性物品が提供されることを
代表的に示す。従って、本発明の種々の態様は、従来の吸収性物品に比較すると
、柔らかく、皮膚バリヤー性機能の保護が改善された吸収性物品を作ることがで
きるので有利である。このような吸収性物品は、おむつ、トレーニングパンツ、
大人用失禁用製品、下着用パンツ、及び女性用ケア製品等に有利に用いることが
できる。 本発明は、特定の様態に関して詳細に記載したが、当業者であれば、前述の内
容を理解すればこれらの態様の変更物、修正物、及び均等物を容易に想到できる
ことが分かる。従って、本発明の範囲は、請求の範囲及びその全ての均等物でも
って判断されるべきである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の１つの実施形態による吸収性物品の例示的な部分切り欠き平面図であ
る。

【図２】 本発明の他の実施形態による吸収性物品の例示的な部分切り欠き平面図である
。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ａ６１Ｆ 13/511 Ａ４１Ｂ 13/02 Ｎ Ｄ０６Ｍ 13/144 Ａ６１Ｆ 13/18 ３１０Ｚ 13/188 (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ，ＺＷ )，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ， ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ， ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，Ｃ Ｒ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ， ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，Ｋ Ｚ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ， ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，Ｓ Ｋ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ (72)発明者 オッツ デイヴィッド ローランド アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 54915 アップルトン ノース ケンシン トン ドライヴ 809 (72)発明者 ランゲ ベス アン アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 54911 アップルトン サウス オルド オネイダ ＃319 415 (72)発明者 ネルソン ブレンダ マリー アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 54915 アップルトン サウス ハックル ベリー レーン 3124 Ｆターム(参考） 3B028 EC10 3B029 BD22 4C003 BA06 GA03 4C098 AA09 CC07 CE06 DD10 DD14 DD24 DD25 DD26 DD30 4L033 AB05 AB06 AB07 AC10 AC15 BA01 BA11 BA12 BA16 BA21

Claims (57)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外側表面を有する身体側材料であって、前記材料の前記外側
   表面が、 約０．１から約９５重量パーセントの天然脂肪又は油と、 約０．１から約１０重量パーセントのステロール又はステロール誘導体と、 ＨＬＢが約３から約６までの範囲である、約１から約２０重量パーセントの油中
   水型乳化性界面活性剤と、 約０．５から約２０重量パーセントの湿潤剤と、 約５から約９５重量パーセントの皮膚軟化剤と、 約５から約９５重量パーセントのワックスと、 約１から約２５重量パーセントの増粘剤と、 を含む皮膚バリヤー性を向上させる組成物を有することを特徴とする材料。
2. 【請求項２】 前記組成物の融点が、約３０℃から約１００℃であることを
   特徴とする請求項１に記載の材料。
3. 【請求項３】 前記組成物の処理粘度が、約５０センチポアズより大きいこ
   とを特徴とする請求項１に記載の材料。
4. 【請求項４】 前記組成物の貫入硬度が、約５ミリメートルから約３６０ミ
   リメートルであることを特徴とする請求項１に記載の材料。
5. 【請求項５】 前記組成物の前記付加量が、前記材料の約０．１グラム／平
   方メートル（ｇ／ｍ２）から約３０ｇ／ｍ２であることを特徴とする請求項１に
   記載の材料。
6. 【請求項６】 前記天然脂肪又は油が、ヒマワリ油であることを特徴とする
   請求項１に記載の材料。
7. 【請求項７】 前記天然脂肪又は油が、ボラジ油であることを特徴とする請
   求項１に記載の材料。
8. 【請求項８】 前記天然脂肪又は油が、アボカド油であることを特徴とする
   請求項１に記載の材料。
9. 【請求項９】 前記ステロール又はステロール誘導体が、大豆ステロールで
   あることを特徴とする請求項１に記載の材料。
10. 【請求項１０】 前記ステロール又はステロール誘導体が、コレステロール
    であることを特徴とする請求項１に記載の材料。
11. 【請求項１１】 前記ステロール又はステロール誘導体が、ラノステロール
    であることを特徴とする請求項１に記載の材料。
12. 【請求項１２】 前記湿潤剤が、グリセリンであることを特徴とする請求項
    １に記載の材料。
13. 【請求項１３】 前記湿潤剤が、ソルビトールであることを特徴とする請求
    項１に記載の材料。
14. 【請求項１４】 前記湿潤剤が、硬化デンプン加水分解物であることを特徴
    とする請求項１に記載の材料。
15. 【請求項１５】 前記乳化性界面活性剤が、ソルビタンオレアートであるこ
    とを特徴とする請求項１に記載の材料。
16. 【請求項１６】 前記乳化性界面活性剤が、グリセリルステアレートである
    ことを特徴とする請求項１に記載の材料。
17. 【請求項１７】 前記乳化性界面活性剤が、ソルビタンステアレートである
    ことを特徴とする請求項１に記載の材料。
18. 【請求項１８】 前記皮膚軟化剤が、ワセリンであることを特徴とする請求
    項１に記載の材料。
19. 【請求項１９】 前記皮膚軟化剤が、鉱物油であることを特徴とする請求項
    １に記載の材料。
20. 【請求項２０】 前記皮膚軟化剤が、化粧品用エステルであることを特徴と
    する請求項１に記載の材料。
21. 【請求項２１】 前記ワックスが、オゾケライトであることを特徴とする請
    求項１に記載の材料。
22. 【請求項２２】 前記ワックスが、ケラシンであることを特徴とする請求項
    １に記載の材料。
23. 【請求項２３】 前記ワックスが、微晶性ワックスであることを特徴とする
    請求項１に記載の材料。
24. 【請求項２４】 前記増粘剤が、エチレン／ビニルアセテートコポリマーで
    あることを特徴とする請求項１に記載の材料。
25. 【請求項２５】 前記増粘剤が、ポリエチレンであることを特徴とする請求
    項１に記載の材料。
26. 【請求項２６】 （ａ）天然脂肪又は油、ステロール又はステロール誘導体
    、湿潤剤、ＨＬＢが約３から約６の範囲である油中水型乳化性界面活性剤、皮膚
    軟化剤、ワックス、及び増粘剤を含み、融点が約３０℃から約１００℃である皮
    膚バリヤー性向上組成物を該組成物の融点を越える温度まで加熱して融解する段
    階と、 （ｂ）融解した組成物を身体側材料の外側表面に塗布する段階と、 （ｃ）融解した組成物を再凝固する段階と、 を含む、外側表面を有する身体側材料を製造する方法。
27. 【請求項２７】 前記再凝固した組成物の処理粘度が、約５０センチポアズ
    より大きいことを特徴とする請求項２６に記載の方法。
28. 【請求項２８】 前記再凝固組成物の貫入硬度が、約５から約３６０ミリメ
    ートルであることを特徴とする請求項２６に記載の方法。
29. 【請求項２９】 前記融解組成物が、スプレーで塗布されることを特徴とす
    る請求項２６に記載の方法。
30. 【請求項３０】 前記融解組成物が、スロットコーティングで塗布されるこ
    とを特徴とする請求項２６に記載の方法。
31. 【請求項３１】 前記融解組成物が、プリントで塗布されることを特徴とす
    る請求項２６に記載の方法。
32. 【請求項３２】 約０．１から約９５重量パーセントの天然脂肪又は油、約
    ０．１から約１０重量パーセントのステロール及びステロール誘導体、ＨＬＢが
    約３から６の範囲である約１から約２０重量パーセントの油中水型乳化性界面活
    性剤、約０．５から約２０重量パーセントの湿潤剤、約５から約９５重量パーセ
    ントの皮膚軟化剤、約５から約９５重量パーセントのワックス、及び約１から約
    ２５重量パーセントの増粘剤を含む皮膚バリヤー性向上組成物。
33. 【請求項３３】 前記組成物の融点が、約３０℃から約１００℃であること
    を特徴とする請求項３２に記載の組成物。
34. 【請求項３４】 前記再凝固組成物の処理粘度が、約５０センチポアズより
    大きいことを特徴とする請求項３２に記載の組成物。
35. 【請求項３５】 前記再凝固組成物の貫入硬度が、約５から約３６０ミリメ
    ートルであることを特徴とする請求項３２に記載の組成物。
36. 【請求項３６】 前記天然脂肪又は油が、アボカド油、アプリコット油、バ
    バス油、ボラジ油、椿油、カノーラ油、ヒマシ油、カモミール、ココナツ油、ト
    ウモロコシ油、綿実油、月見草油、麻実、硬化綿実油、硬化パーム核油、マレイ
    ン酸大豆油、メドウホーム油、パーム核油、リン脂質、菜種油、パルミチン酸、
    ステアリン酸、リノール酸、ローズヒップ油、紅花油、ヒマワリ油、大豆油、ス
    ィートアーモンド、又は、ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリス
    チルアルコール、及びベネニルアルコールのような天然脂肪又は油の誘導体及び
    その混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項３２に記載の組成
    物。
37. 【請求項３７】 前記ステロール及びステロール誘導体が、コレステロール
    、シトステロール、スチグマステロール、及びエルゴステロール、ラノステロー
    ル、大豆ステロール、アボカドステロール、アボカジン、ステロールエステル、
    及びその混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項３２に記載の
    組成物。
38. 【請求項３８】 前記ステロールが、ラノリン、アボカジン、及びその混合
    物からなる群から選択されたステロール又はステロール誘導体を含む天然抽出物
    であることを特徴とする請求項３２に記載の組成物。
39. 【請求項３９】 前記乳化性界面活性剤が、ソルビタンモノオレアート、ソ
    ルビタンセキオレアート、ソルビタントリオレアート、グリセリルステアレート
    、ソルビタンステアレート、ソルビタントリステアレート、及びその混合物から
    なる群から選択されることを特徴とする請求項３２に記載の組成物。
40. 【請求項４０】 前記湿潤剤が、グリセリン、硬化デンプン加水分解物、プ
    ロピレングリコール、ＰＣＡナトリウム、乳酸ナトリウム、ソルビトール、及び
    その混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項３２に記載の組成
    物。
41. 【請求項４１】 前記皮膚軟化剤が、鉱物油、鉱物ゼリー、ワセリン、化粧
    品用エステル、及びその混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求
    項３２に記載の組成物。
42. 【請求項４２】 前記ワックスが、カルナバ、ケラシン、セチルエステル、
    微晶性ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、合成ワックス、及びその混
    合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項３２に記載の組成物。
43. 【請求項４３】 前記増粘剤が、ポリオレフィン樹脂、ポリオレフィンポリ
    マー、エチレン／ビニルアセテートコポリマー、ポリエチレン及びその混合物か
    らなる群から選択されることを特徴とする請求項３２に記載の組成物。
44. 【請求項４４】 前記天然脂肪又は油の量が、約０．１から約９５重量パー
    セントであることを特徴とする請求項３２に記載の組成物。
45. 【請求項４５】 前記ステロール及びステロール誘導体の量が、約０．１か
    ら約１０パーセントであることを特徴とする請求項３２に記載の組成物。
46. 【請求項４６】 前記乳化性界面活性剤の量が、約１から約２０重量パーセ
    ントであることを特徴とする請求項３２に記載の組成物。
47. 【請求項４７】 前記湿潤剤の量が、約０．５から約２０重量パーセントで
    あることを特徴とする請求項３２に記載の組成物。
48. 【請求項４８】 前記皮膚軟化剤の量が、約５から約９５重量パーセントで
    あることを特徴とする請求項３２に記載の組成物。
49. 【請求項４９】 前記ワックスの量が、約５から約９５重量パーセントであ
    ることを特徴とする請求項３２に記載の組成物。
50. 【請求項５０】 前記増粘剤の量が、約１から約２５重量パーセントである
    ことを特徴とする請求項３２に記載の組成物。
51. 【請求項５１】 ａ）皮膚バリヤー性向上／回復／維持組成物を含み、使用
    者の皮膚に移動すると、皮膚バリヤー性向上／回復／維持という利点をもたらす
    身体側材料が使用者の皮膚に接触する段階と、 ｂ）使用中に、前記身体側材料の前記組成物の少なくとも一部を移動する段階と
    、 ｃ）前記身体側材料が接触する皮膚の領域に、前記皮膚バリヤー性向上／回復／
    維持組成物を含まない同等の身体側材料が接触する皮膚と比較して、前記皮膚バ
    リヤー性を向上／回復／維持するのに十分な頻度で、１つ又はそれ以上の付加的
    な身体側材料を用いて段階ａ）及びｂ）を繰り返す段階と、 を含む使用者の皮膚の皮膚バリヤー性機能を向上／回復／維持するための方法で
    あって、前記皮膚バリヤー性向上／回復／維持組成物が、約０．１から約９重量
    パーセントの天然脂肪又は油、約０．１から約１０重量パーセントのステロール
    及びステロール誘導体、ＨＬＢが約３から約６の範囲である約１から約２０重量
    パーセントの油中水型乳化性界面活性剤、約０．５から約１０重量パーセントの
    湿潤剤、約５から約９５重量パーセントの皮膚軟化剤、約５から約９５重量パー
    セントのワックス、及び約１から約２５重量パーセントの増粘剤を含むことを特
    徴とする方法。
52. 【請求項５２】 前記組成物の融点が、約３０℃から約１００℃であること
    を特徴とする請求項５１に記載の方法。
53. 【請求項５３】 前記再凝固組成物の処理粘度が、約５０センチポアズより
    大きいことを特徴とする請求項５１に記載の方法。
54. 【請求項５４】 前記再凝固組成物の貫入硬度が、約５から約３６０ミリメ
    ートルであることを特徴とする請求項５１に記載の方法。
55. 【請求項５５】 前記使用者が、使用する度に、前記皮膚バリヤー性向上／
    回復／維持組成物を含む前記身体側材料を使用することを特徴とする請求項５１
    に記載の方法。
56. 【請求項５６】 前記使用者が、間欠的に、皮膚バリヤー性向上／回復／維
    持組成物を含まない前記身体側材料を使用することを特徴とする請求項５１に記
    載の方法。
57. 【請求項５７】 皮膚が荒れた前記使用者が、前記皮膚バリヤー性向上／回
    復／維持組成物を含む前記身体側材料を、皮膚バリヤー性機能を改善するのに十
    分な頻度で使用することを特徴とする請求項５１に記載の方法。