JP2002541843A - プロテアーゼ活性化受容体2の変異体 - Google Patents

プロテアーゼ活性化受容体2の変異体

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Abstract

(57)【要約】 (i)野生型PAR−2に比較してトリプシンに対する低下した感受性を有し;(ii)野生型PAR−2に比較してtrans−シンナモイル−LIGRLO−NH2に対する高まった感受性を有し;及び(iii)TLIGRL−NH2により活性化される、変異PAR−2受容体ポリペプチド又はそのフラグメントが提供され、前記ポリペプチド又はそのフラグメントは、野生型ポリペプチドの対応するECL−2アミノ酸配列から少なくとも1つのアミノ酸の違いを有する細胞外ループ−2(ECL−2)を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、野生型に比較して変化した諸特性を有するプロテアーゼ活性化受容
体2ポリペプチドの多型の同定に関する。
【0002】 背景技術 プロテアーゼであるトロンビン、トリプシン及びトリプターゼの生物学的作用
は、プロテアーゼ活性化受容体(PAR)と呼ばれる新規クラスのG−タンパク
調節型受容体の活性化にますます帰せられている(1)。PARアミノ末端のエ
クソドメインがタンパク分解すると、この受容体の本体上に分子内結合する鎖付
きの(tethered)リガンドを露出させ、シグナル伝達を開始させる。現在では、
4種のPARがクローン化され、このうちPAR−1及びPAR−3はトロンビ
ンにより活性化され(2,3)、PAR−2はトリプシン及びマスト細胞トリプ
ターゼにより活性化され(4〜6)、PAR−4はトロンビンとトリプシンの両
方により活性化される(7)。PAR−3を例外として、この受容体の鎖付きリ
ガンドにある最初の5つのアミノ酸に対応する合成ペプチドは、PARを活性化
することができる(1)。SLIGKV−NH2はヒトPAR−2を活性化する
のに使用されているが、マウスの配列であるSLIGRL−NH2と選択的PA
R−2作動薬であるtc−LIGRLO−NH2は、PAR−2のより強力なア
クチベータである(8)。ヒトPAR−1作動薬のSFLLR−NH2は、PA
R−1の作動薬としてあまり信頼し得ないことが判明したが、それはヒトPAR
−2を活性化するからである(9,10)。しかしながら、高度に選択的なPA
R−1作動薬である、TFLLR−NH2とAla−パラフルオロPhe−Ar
g−シクロヘキシルAla−シトルリン−Tyr(Cit)−NH2が今日では
PAR−1の選択的に活性化するために使用されている。ヒトPAR−4のペプ
チド作動薬であるGYPGQV−NH2は、他のペプチドと異なり、受容体の活
性化を刺激するのにより高い濃度を必要とする(7)。従って、上記の低ペプチ
ドは、PARのin vivoにおける潜在的な生物学的役割を同定するのに有用なツ
ールであることが判明している。
【0003】 PAR−2は、上皮細胞(2,11)、内皮細胞(12,13)、平滑筋細胞
(14)、角化細胞(15,16)、好中球(17)及びある種のT細胞系を含
む、多種多様な細胞で発現されている。かなりの証拠により、今日では、PAR
−2は炎症における重要な受容体と示唆されている。例えば、炎症メディエータ
ーのTNF、IL−1及びLPSは、内皮細胞のPAR−2発現をアップレギュ
レートし(19)、PAR−2の活性化は、角化細胞からの炎症性サイトカイン
の放出(16)と、白血球の内皮細胞へのローリング及び接着をもたらす(20
)。さらに、PAR−2作動薬(SLIGRL−NH2)のin vivoにおける投与
は炎症反応を誘発する(21)。生成する浮腫はニューロンのPAR−2活性化
により発生する(22)。マスト細胞トリプターゼは、炎症の主要メディエータ
ーとPAR−2のアクチベータであり、ヒト内皮細胞(23)及び上皮細胞(2
4)からのサイトカイン放出を刺激し、モルモットの皮膚へ注射すると、脈管漏
出(25)と好酸球及び好中球の蓄積(26)を誘発する。プロテアーゼのトリ
プシン及びトリプターゼはPAR−2の選択的活性化により炎症反応を始動し得
るので、受容体の活性化を変化させ得る受容体の多型性は、疾患に対して重要な
意味をもつ可能性がある。
【0004】 鎖付きリガンドがPAR−2を活性化する正確な機序は明確に確立されていな
い。近縁のトロンビン受容体(PAR−1)を用いた洗練された研究により、鎖
付きリガンドが細胞外ループ−2(ECL−2)と相互作用することが示された
(27〜29)。さらに、ECL−2は、作動薬の特異性と受容体のシグナル伝
達を支配するのに重要であるようにみえる。最近の証拠も、PAR−2のECL
−2が作動薬特異性の決定的な領域であることを示唆している(30)。上記の
研究は、PAR−2作動薬ペプチド(PAR−2AP)であるSLIGRL−N
2(これはPAR−1を活性化し得ない)が、PAR−2のECL−2をPA
R−1へ置換したPAR−1キメラを活性化し得ることを示した。さらに、PA
R−1において重要であることが見出された、PAR−2のECL−2の突然変
異残基は受容体の機能を有意に変化させる(31)。従って、PAR−1とPA
R−2は、受容体活性化を始動させるのに同一の細胞外ドメインを使用するよう
に思われる。
【0005】 発明の要約 ヒト結腸のcDNAライブラリーからPAR−2をクローニングする間に、我
々は、細胞外ループ−2(ECL−2)の残基240でのフェニルアラニンから
セリンへの突然変異により特徴づけられる、ヒトPAR−2の多型的形態(PA
2F240S)を同定した。多数の人々のゲノム分析により、両方の対立遺伝
子の存在が確かめられたが、対立遺伝子の頻度は、野生型と突然変異体の対立遺
伝子でそれぞれ0.916(F240)と0.084(S240)であった。カルシウ
ムのシグナル伝達を、永久にトランスフェクトした細胞系における受容体活性化
の指標として使用した。PAR2F240Sは、トリプシン(〜3.7倍)、P
AR活性化ペプチドのSKLIGV−NH2(〜2.5倍)及びSLIGRL−
NH2(〜2.8倍)に対する感受性の有意な低下を示したが、選択的PAR−
2作動薬のtrans−シンナモイル−LIGRLO−NH2に対しては高まっ
た感受性(4倍)を示した。高まった感受性はまた、選択的PAR−1作動薬で
あるTFLLR−NH2(〜7倍)に対しても観察されたが、試験した他のPA
R−1作動薬では観察されなかった。PAR−4作動薬であるGYPGKF−N
2は効果がなかったが、trans−シンナモイル−YPGKF−NH2はPA
2F240S受容体を選択的に活性化し得たが、野生型の受容体は活性化しな
かった。さらに、我々は、TLIGRL−NH2が選択的なPAR2F240S作
動薬であることを見出した。F240S突然変異をラットPAR−2へ導入する
ことによって、我々は、ヒトPAR2F240Sで見られるものを反映する作動
薬効力のシフトを観察し、F240が作動薬の特異性において重要な役割を担う
ことを確認した。この多型性により誘発される、この劇的に変化する薬理学的プ
ロフィールは、PARをターゲットとする拮抗薬の設計にとって重要な意義を有
し、炎症性疾患に貢献するか又はそれを予測するものとなる可能性がある。
【0006】 従って、本発明は、変異プロテアーゼ活性化受容体2(PAR−2)ポリペプ
チド又はそのフラグメントを提供し、これは (i)野生型PAR−2に比較してトリプシンに対する低下した感受性を有し;
(ii)野生型PAR−2に比較してtrans−シンナモイル−LIGRLO
−NH2に対する高まった感受性を有し;及び (iii)TLIGRL−NH2により活性化され、 このポリペプチド又はそのフラグメントは、野生型ポリペプチドの対応する細胞
外ループ2(ECL−2)アミノ酸配列から少なくとも1つのアミノ酸の違いを
有するECL−2を含む。
【0007】 好ましくは、比較目的のために使用される野生型ポリペプチドは、SEQ I
D No.2に示されるアミノ酸配列を有するヒトPAR−2である。 好ましくは、少なくとも1つのアミノ酸の違いは、SEQ ID No.2に
示されるアミノ酸配列の残基240、又はその同等物における修飾、より好まし
くは、SEQ ID No.2に示されるアミノ酸配列の残基240、又はその
同等物における置換を包含する。このように、好ましい態様では、本発明は、残
基240がフェニルアラニンでないような、残基240、又はその同等物での置
換を含むPAR−2ポリペプチド又はそのフラグメントを提供する。好ましくは
、アミノ酸残基240は芳香族アミノ酸ではない。
【0008】 好ましくは、本発明のポリペプチドは、SEQ ID No.2に示されるア
ミノ酸配列の残基240、又はその同等物におけるフェニルアラニンからセリン
への置換を含む。
【0009】 本発明はまた、本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチドと、本発明の
ポリペプチドの宿主細胞における発現を指令し得る転写調節配列と機能可能的に
連結される本発明のヌクレオチドをそのなかに含んでなる前記宿主細胞を提供す
る。好ましくは、本発明のヌクレオチドは、SEQ ID No.1に示される
ヌクレオチド配列のコーディング領域のセンス鎖の719位にチミジン残基を含
む。
【0010】 さらなる側面では、本発明は、本発明のポリヌクレオチドの少なくとも10個
の連続したヌクレオチドをそれぞれ含んでなる、オリゴヌクレオチドプライマー
の対を提供し、前記プライマーは、PAR−2遺伝子のECL−2領域を増幅す
るポリメラーゼ連鎖反応における使用に適している。さらに本発明は、片方又は
両方のPAR−2対立遺伝子の多型性をECL−2領域に有する個体を同定する
方法における、前記プライマーの使用を提供する。
【0011】 もう1つの側面では、本発明は、本発明のポリペプチドの活性をモジュレート
する化合物を同定する方法を提供し、前記方法は、前記ポリペプチドを前記候補
化合物と接触させること、及びこの候補化合物が前記ポリペプチドの活性をモジ
ュレートするかどうかを決定することを含む。
【0012】 さらなる態様では、本発明は本発明のポリペプチドを選択的に阻害する化合物
を同定する方法を提供し、前記方法は: (i)前記ポリペプチドをPAR−2作動薬の存在及び不在下で候補化合物と接
触させること; (ii)このポリペプチドの作動薬介在性の活性化を阻害するか又は低下させる
候補化合物群を選択すること; (iii)野生型PAR−2ポリペプチドをPAR−2作動薬の存在及び不在下
で、工程(ii)において選択される候補化合物と接触させること;及び (iv)野生型PAR−2ポリペプチドの作動薬介在性の活性化を有意には阻害
しない候補化合物を選択することを含む。
【0013】 本発明はさらに、本発明の上記方法により同定される化合物と、本発明のポリ
ペプチドを含んでなる、患者を治療するときのその使用を提供する。このように
、本発明は、炎症により特徴づけられる病態を治療する方法における使用のため
に、本発明のポリペプチドの活性をモジュレートする化合物を提供する。好まし
くは、この化合物は、本発明のポリペプチドの活性を阻害する。
【0014】 もう1つの側面では、本発明は、炎症性障害の増加したリスクを有する患者を
同定する方法を提供し、前記方法は、前記患者から得られる生物学的サンプルに
おいて、本発明のポリペプチド又は本発明のポリヌクレオチドの存在又は不在を
決定することを含む。
【0015】 発明の詳細な説明 一般に、本明細書において述べられる技術は当技術分野でよく知られているが
、特に参考になり得るのは、Sambrook et al., Molecular Cloning, A Laborato
ry Manual (1989) と Ausubel et al., Short Protocols in Molecular Biology
(1999) 4th Ed., John Wiley & Sons, Inc. であろう。
【0016】 A.PAR−2の変異ポリペプチド 野生型PAR−2の配列は、ヒト、マウス及びラットについて公表されている
(それぞれ、5,37,35)。これらの配列はGenBank受入れ番号P5
5085及びZ49994(ヒト)、P55086(マウス)及びQ63645
(ラット)の下で公共データベースより入手可能である。他のPAR−2配列も
、他の霊長類の種やげっ歯類の種のような他の種から得られる。一般に、上記の
PAR−2配列は、SEQ ID NO:2として示されるヒト配列と、少なく
とも50ないし100個のアミノ酸全体でのアミノ酸レベルにおいて、少なくと
も60、70又は80%同一である。特に、典型的には、非本質的な隣接配列よ
りも、PAR−2の機能に必須であることが知られている配列の領域に関して相
同性が考慮されるべきである。相同性はまた類似性(即ち、類似の化学的特性/
機能を有するアミノ酸残基)に関して考慮され得るが、本発明の文脈では、相同
性を配列同一性により表現することが好ましい。
【0017】 相同性比較は、目視、又はより普通には、容易に入手し得る配列比較プログラ
ムの助けで実施され得る。これらの市販コンピュータ・プログラムは、2種又は
それ以上の配列間の相同性比率(%)を算出し得る。
【0018】 相同性比率(%)は、連続した配列について算出され得る、即ち一方の配列を
他方の配列と並置し、一方の配列の各アミノ酸を他方の配列の対応アミノ酸と1
つずつ比較する。これは「非ギャップ」並置と呼ばれる。典型的には,このよう
な非ギャップ並置が実施されるは、比較的少ない数の残基(例えば、50未満の
連続アミノ酸)だけである。
【0019】 これはごく単純で矛盾のない方法であるが、例えば、1つの挿入又は欠失によ
り以降のアミノ酸残基が並置を狂わされ、全体の並置を実施したときに、他の点
では同一な配列の対において相同性比率が大きく減少する可能性があることを考
慮していない。従って、ほとんどの配列比較法は、全体の相同性スコアを不当に
不利にすることなく、あり得る挿入及び欠失を考慮に容れる最適な並置を産出す
るように設計されている。このことは、、局所の相同性を最大化するために、配
列並置に「ギャップ」を挿入することによって達成される。
【0020】 しかしながら、このより複雑な方法は、同一数の同一アミノ酸について(2つ
の比較される配列間のより高い関連性を反映して)できるだけ少ないギャップを
有する配列並置が多くのギャップのあるものより高いスコアを達成するように、
「ギャップペナルティ」を帰属において生じる各ギャップへ帰属する。典型的に
は、ギャップの存在について比較的高い代償とギャップ内のそれぞれの後続残基
についてより少ないペナルティを科す「アフィンギャップコスト」が使用される
。これは最も一般的に使用されるギャップスコアリングシステムである。当然な
がら、高いギャップペナルティはより少ないギャップのある最適化された並置を
もたらす。ほとんどの並置プログラムはこのギャップペナルティが変更されるこ
とを可能にする。しかしながら、このような配列比較のソフトウェアを使用する
ときはデフォルト値を使用することが好ましい。例えば、GCGウィスコンシン
ベストフィット(Wisconsin Bestfit)パッケージ(以下参照)を使用するとき
は、アミノ酸配列についてのデフォルトギャップペナルティは、1つのギャップ
につき−12であり、各伸張部分につき−4である。
【0021】 従って、最大相同性比率(%)の算出には、第一に、ギャップペナルティを考
慮にした、最適並置の作成を必要とする。このような並置を実行するのに適した
プログラムは、GCGウィスコンシンベストフィットパッケージ(ウィスコンシ
ン大学、U.S.A.;Devereux et al., 1984, Nucleic Acids Research 12:
387)である。配列比較を実行し得る他のソフトウェアの例には、限定しないが
、BLASTパッケージ(Ausubel et al., 1999, 同上、18章を参照のこと)
、FASTA(Atschul et al., 1990, J. Mol. Biol., 403-410)、及びGEN
EWORKSの比較ツールセットが含まれる。BLASTもFASTAもオフラ
イン及びオンライン検索で利用可能である(Ausubel et al., 1999, 同上、7-58
〜7-60頁を参照のこと)。しかしながら、GCGベストフィットプログラムを使
用することが好ましい。
【0022】 最終相同性比率は同一性について測定し得るが、並置法そのものは、典型的に
は、全か無かの対比較に基づいているわけではない。その代わり、化学的類似性
や進化上の距離に基づいたそれぞれの対比較に対してスコアをつける尺度化類似
性スコアマトリックスが一般に使用される。そのような一般的に使用されるマト
リックスの例は、BLOSUM62マトリックス−BLASTプログラムセット
用のデフォルトマトリックスである。一般に、GCGウィスコンシンプログラム
は、公知のデフォルト値か又は、提供される場合は、カスタム記号比較表を使用
する(さらに詳細についてはユーザーマニュアルを参照のこと)。GCGパッケ
ージについては公知のデフォルト値を使用し、又は他のソフトウェアの場合は、
BLOSUM62のようなデフォルトマトリックスを使用することが好ましい。
【0023】 ソフトウェアにより最適の並置が作成されたなら、相同性比率、好ましくは配
列同一性比率を算出することが好ましい。このソフトウェアは、典型的には配列
比較の一部としてそれを実行し、数的結果を産出する。
【0024】 上記に述べたヒト、マウス及びラットの配列以外のPAR−2配列は、例えば
、標準的なクローニング技術を使用するか、又は公知のデータベースの検索によ
り得ることができる。
【0025】 本発明は、野生型ポリペプチドの対応する細胞外ループ2(ECL−2)アミ
ノ酸配列から少なくとも1つのアミノ酸の違いをECL−2が有するという点で
野生型配列とは異なる、本発明の変異PAR−2ポリペプチドを提供する。この
アミノ酸変化は、変異PAR−2ポリペプチドが以下の特性を有するようなもの
である: (i) それは、野生型PAR−2に比較してトリプシンへの低下した感受性を
有する; (ii) それは、野生型PAR−2に比較してtrans−シンナモイル−L
IGRLO−NH2に対する高まった感受性を有し;及び (iii)TLIGRL−NH2により活性化される。
【0026】 ヒトPAR−2の細胞外ループ2は、SEQ ID No.2として示される
配列の残基212〜245付近、又は他の種からのPAR−2配列における同等
の領域に位置している。このように、本発明の変異PAR−2ポリペプチドは、
野生型配列からのこの領域において少なくとも1つのアミノ酸の違いを有する。
この比較は対応する野生型配列に対してなされるべきである。「野生型」という
用語は、当技術分野で知られていて、一般には、天然に存在するほとんどのメン
バーに特徴的であり、突然変異体の表現型と対照的である表現型を意味すると受
けとれる。好ましくは、本発明の文脈では,野生型の配列は、SEQ ID N
O:2に示されるヒト野生型のアミノ酸配列であると考えられる。
【0027】 好ましい態様では、このアミノ酸の違いは、SEQ ID NO:2として示
される配列の残基236〜245(を含む)の間に位置している(特定のアミノ
酸の番号付けに対する以後の言及はすべて他のPAR−2配列にある対応する/
同等の残基を含むとみなされるべきである−「又はその同等物」という用語は、
SEQ ID NO:2に示されるヒト配列の特に番号づけられた残基に対応す
る他のPAR−2配列のアミノ酸を意味する)。より好ましくは、この違いは、
残基240における欠失、置換又は挿入、好ましくは置換である。特に、本発明
の変異PAR−2ポリペプチドは、残基240に非芳香族のアミノ酸、好ましく
はセリンを含む。
【0028】 もう1つの態様では、本発明の変異PAR−2ポリペプチドは、残基240、
又は他のPAR−2配列におけるその同等物において、フェニルアラニンのよう
な芳香族アミノ酸を含まない。
【0029】 本発明の変異ポリペプチドは、例えば実施例に記載のアッセイを使用して、ト
リプシン及びtrans−シンナモイル−LIGRLO−NH2に対するその感
受性を判定するために試験し得る。このように、典型的には、トリプシン感受性
は、変異PAR−2ポリペプチドを発現する細胞をトリプシンに曝露し、カルシ
ウム応答性(カルシウムの細胞シグナル伝達アッセイの詳細については参考文献
31を参照)を測定することによって測定し得る。選択的PAR−2作動薬のt
rans−シンナモイル−LIGRLO−NH2に対する感受性も同様のアッセ
イを使用して判定し得る。比較は、典型的には、同等の条件のもとで試験された
野生型PAR−2に対してなされる。
【0030】 好ましくは、本発明のポリペプチドは、野生型PAR−2よりトリプシン感受
性が少なくとも2倍、より好ましくは少なくとも3倍低い。さらに、本発明のポ
リペプチドは、好ましくは、野生型PAR−2よりtrans−シンナモイル−
LIGRLO−NH2への感受性が少なくとも2倍、より好ましくは少なくとも
3〜4倍高い。さらに、本発明のポリペプチドは、好ましくは、野生型PAR−
2よりtrans−シンナモイル−LIGRLO−NH2への感受性がせいぜい
20又は40倍高い。
【0031】 本発明の変異ポリペプチドはまた、好ましくはTLIGRL−NH2により活
性化される。活性化は、やはり、典型的には参考文献31に記載のアッセイのよ
うなカルシウムの細胞シグナル伝達アッセイを使用して試験され得る。
【0032】 本発明のポリペプチドにはまた、それがアミノ酸の違いを含むECL−2の領
域を少なくとも含むならば、上記変異体の完全長配列のフラグメントも含まれる
。典型的には、ポリペプチドフラグメントは少なくとも6個のアミノ酸を含む。
【0033】 さらに本発明のポリペプチドとして含まれるのは、上記の変異体及び誘導体で
ある。本発明のアミノ酸配列に関連した「変異体(variant)」又は「誘導体(d
erivative)」という用語には、当該配列の1つ(又はそれ以上)のアミノ酸の
置換、変異、修飾、置き換え、欠失、又はこの配列への1つ(又はそれ以上)の
アミノ酸の追加が含まれるが、但し、生じた配列は、対応する野生型の配列に対
して少なくとも1つのアミノ酸の違いがあるECL−2領域を含む。
【0034】 このように、本発明のポリペプチドは本発明における使用のために修飾され得
る。典型的には、この配列の生物学的活性を維持する修飾がなされる。アミノ酸
の置換は、例えば、1、2又は3〜10、20又は30個の置換でなし得る。ア
ミノ酸の置換は、例えば、治療用に投与されるポリペプチドの血漿半減期を増加
させるために、天然に存在しない類似体の使用を含んでよい。
【0035】 例えば、以下の表により、保守的な置換もなし得る。第二のカラムの同一ブロ
ック、及び好ましくは第三のカラムの同一ライン内のアミノ酸は互いに置換され
得る。
【0036】
【表1】
【0037】 本発明のポリペプチドは、典型的には、例えば以下に記載のような組換え手段
によりつくられる。しかしながら、それはまた、固相合成のような当業者に周知
の技術を使用する合成手段によってつくることが可能である。本発明のタンパク
質はまた、例えば、抽出及び精製を促進するために、融合タンパク質として産生
され得る。融合タンパク質のパートナーの例には、グルタチオン−S−トランス
フェラーゼ(GST)、6xHis、GAL4(DNA結合性及び/又は転写活
性化のドメイン)及びβ−ガラクトシダーゼが含まれる。融合タンパク質の配列
の除去を可能にするために、融合タンパク質のパートナーと注目タンパク質配列
の間にタンパク分解部位を含むことも好便であり得る。好ましくは、融合タンパ
ク質は注目配列のタンパク質の機能を妨げない。本発明のポリペプチドはまた、
多型のPAR−2形態を自然に発現する個体から採取した細胞/組織から精製さ
れ得る。
【0038】 本発明のポリペプチドは、実質的に単離された形態であり得る。このタンパク
質は本発明の意図された目的に干渉しない担体又は希釈剤とともに混合されても
、実質的に単離されているものとみなし得る。本発明のタンパク質はまた、実質
的に精製された形態であり得て、この場合、それは調製物中にこのタンパク質を
概して含み、調製物中のタンパク質の90%以上、例えば95%、98%又は9
9%が本発明のタンパク質である。
【0039】 B.ポリヌクレオチド 本発明のポリヌクレオチドは、本発明のポリペプチド配列をコードする核酸配
列を含む。遺伝暗号の縮重性の結果として、数多くの異なるポリヌクレオチドが
同一のポリペプチドをコードし得ることは、当業者の理解するところである。さ
らに、定常的な技術を使用して、本発明のポリペプチドが発現され得る特定の宿
主生物のコドン使用法を反映させるために、本発明のポリヌクレオチドによりコ
ードされるポリペプチド配列に影響を及ぼさないヌクレオチド置換をし得ること
も当業者の理解するところである。本発明の特に好ましいポリヌクレオチドは、
SEQ ID No.1に示されるヌクレオチド配列のコーディング領域のセン
ス鎖の719位にチミジン残基を含む。
【0040】 本発明のポリヌクレオチドはDNA又はRNAを含み得る。それらは一本鎖又
は二本鎖であり得る。それらはまた、そのなかに合成又は修飾されたヌクレオチ
ドを包含するポリヌクレオチドであり得る。オリゴヌクレオチドに対する数多く
の異なるタイプの修飾が当技術分野で知られている。それには、メチルホスホネ
ート及びホスホロチオエート骨格、分子の3’及び/又は5’端でのアクリジン
又はポリリシンの付加、が含まれる。本発明の目的のためには、本明細書に記載
のポリヌクレオチドは当技術分野で利用可能な任意の方法により修飾され得ると
考えられる。そのような修飾は、本発明のポリヌクレオチドのin vivo活性又は
寿命を亢進するために実施され得る。
【0041】 本発明のポリヌクレオチドが二本鎖である場合、この二重鎖の2つの鎖は、個
別か又は組み合わせて、本発明に包含される。ポリヌクレオチドが一本鎖である
場合、このポリヌクレオチドの相補配列も本発明の範囲内に含まれると理解され
るべきである。
【0042】 野生型PAR−2又は天然に存在する変異体をコードするポリヌクレオチドは
、数多くの方法において得ることができる。本明細書に記載される配列の他の変
異体は、例えば、広範囲の個体、例えば様々な集団の個体から作成されるDNA
ライブラリーをプローブすることにより得られる場合がある。さらに、他の相同
体、特に哺乳動物(例、ハムスター、ウシ、又は霊長類の細胞)に見出される相
同体は、他の動物種から作成されるcDNAライブラリー又はゲノムライブラリ
ーをプローブし、既知のPAR−2配列の全部又は一部を含んでなるプローブを
用いて中位〜高いストリンジェンシーの条件下で、そのようなライブラリーをプ
ローブすることによって得られる場合がある。同様の考察は、既知のヒト、ラッ
ト又はマウスのPAR−2配列の種相同体と対立遺伝子の変異体を得ることにも
適用される。
【0043】 変異体及び株/種相同体はまた、本発明の配列内の保存アミノ酸配列をコード
する変異体及び相同体の内部にある配列をターゲットにするように設計されたプ
ライマーを使用する縮重PCRを用いて得られる場合がある。保存配列は、例え
ば、いくつかの変異体/相同体由来のアミノ酸配列を並置することによって予測
し得る。配列並置は当技術分野で知られているコンピュータ・ソフトウェアを使
用して実施し得る。例えば、GCGウィスコンシンPileUpプログラムが広
く使用されている。
【0044】 縮重PCRに使用されるプライマーは、1つ又はそれ以上の縮重位置を含有し
、既知配列に対する単一の配列プライマーで配列をクローニングするために使用
されるものより低いストリンジェンシー条件で使用される。
【0045】 他のやり方では、SEQ ID No.1のような特徴づけられた配列の部位
特異的突然変異誘発によって、そのようなポリヌクレオチドが得られる場合があ
る。このことは、例えば、ポリヌクレオチド配列が発現されている特定の宿主細
胞のコドン選好性を最適化するために配列に対してサイレントなコドン変化が求
められる場合に有用であるかもしれない。制限酵素認識部位を導入すること、又
はポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドの特性又は機能を変化させ
ることのために他の配列変化が所望される場合もある。
【0046】 本発明のポリヌクレオチドは、プライマー、例えばPCRプライマー、選択的
増幅反応用のプライマー、例えば放射活性又は非放射活性ラベルを使用する従来
手段により表示ラベルで標識されたプローブを産生するために使用され得るか、
又はこのポリヌクレオチドはベクターへクローン化され得る。このようなプライ
マー、プローブ及び他のフラグメントは、少なくとも15、好ましくは少なくと
も20、例えば少なくとも25、30又は40個のヌクレオチドの長さであり、
本明細書に使用されるような本発明のポリヌクレオチドの用語にも含まれる。
【0047】 プライマーとプローブは、以下に記載のように、個人の遺伝子型を同定し、そ
のPAR−2状態を確定するために好便にも使用され得る。 本発明によるDNAポリヌクレオチド及びプローブのようなポリヌクレオチド
は、組換え的、合成的、又は当業者に利用可能な手段により産生され得る。それ
らはまた、標準技術によりクローン化され得る。
【0048】 一般に,プライマーは、所望される核酸配列を一度に1個ずつ段階的に製造す
ることを含む、合成手段により産生され得る。自動化技術を使用してこのことを
達成する技術は、当技術分野で容易に利用可能である。
【0049】 より長いポリヌクレオチドは、組換え手段、例えばPCR(ポリメラーゼ連鎖
反応)クローニング技術を使用して産生される。このことは、クローン化するこ
とが所望される配列の領域に隣接するプライマー(例えば、約15〜30ヌクレ
オチド)をつくること、動物又はヒトの細胞から得られるmRNA又はcDNA
にこのプライマーを接触させること、所望される領域の増幅をもたらす条件下で
ポリメラーゼ連鎖反応を実施すること、増幅されたフラグメントを単離すること
(例えば、反応混合物をアガロースゲル上で精製することによって)、及び増幅
されたDNAを回収することを含む。プライマーは、増幅されたDNAが好適な
クローニング・ベクターへクローン化されるように、好適な制限酵素認識部位を
含有するように設計され得る。
【0050】 C.ヌクレオチドベクター 本発明のポリヌクレオチドは複製可能な組換えベクターへ取り込ませることが
できる。このベクターは、適合する宿主細胞においてこの核酸を複製するために
使用され得る。従って、さらなる態様では、本発明は、本発明のポリヌクレオチ
ドを複製可能なベクターへ導入すること、適合する宿主細胞へこのベクターを導
入すること、及びこのベクターの複製をもたらす条件下で宿主細胞を増殖させる
ことによって本発明のポリヌクレオチドを創出する方法を提供する。ベクターは
宿主細胞から回収し得る。好適な宿主細胞には、E.coliのような細菌、酵母、哺
乳動物細胞、及び他の真核細胞系、例えば昆虫のSf9細胞が含まれる。
【0051】 好ましくは、本発明のポリヌクレオチドは、ベクターにおいて、宿主細胞によ
るコーディング配列の発現をもたらし得る調節配列と機能可能的に連結される。
即ち、このベクターは発現ベクターである。「機能可能的に連結される」という
用語は、上記の諸成分がその意図されたやり方において機能することを可能にす
る関係にあることを意味する。コーディング配列に「機能可能的に連結される」
調節配列は、コーディング配列の発現が調節配列に適合した条件下で達成される
ようなやり方で連結される。
【0052】 調節配列は、例えば、調節配列により指令される転写のレベルを転写モジュレ
ーターに対してより応答させるために、さらなる転写調節要素の付加により修飾
され得る。
【0053】 本発明のベクターは、本発明のタンパク質の発現をもたらすために、以下に記
載のような好適な宿主細胞へ形質転換されるか又はトランスフェクトされ得る。
この方法は、上記のような発現ベクターで形質転換された宿主細胞を、当該タン
パク質をコードするコーディング配列がこのベクターにより発現される条件下で
培養すること、及び、発現されたタンパク質を所望により回収することを含み得
る。
【0054】 ベクターは、複製起点、所望により前記ポリペプチドの発現についてのプロモ
ーター、及び所望によりプロモーターのレギュレーターが備わった、例えばプラ
スミド又はウイルスベクターであり得る。このベクターは、1つ又はそれ以上の
選択マーカー、例えば細菌プラスミドの場合のアンピシリン耐性遺伝子、又は哺
乳動物ベクターのネオマイシン耐性遺伝子を含有し得る。ベクターは、例えば、
宿主細胞をトランスフェクトするか又は形質転換するために使用され得る。
【0055】 本発明のタンパク質をコードする配列に機能可能的に連結される調節配列には
、プロモーター/エンハンサー、及び他の発現調節シグナルが含まれる。これら
の調節配列は、発現ベクターがその中で使用されるように設計されている宿主細
胞と適合性があるように選択され得る。プロモーターという用語は当技術分野で
よく知られていて、それには、大きさ及び複雑性において最小のプロモーターか
ら上流の要素及びエンハンサーを包含するプロモーターまでの範囲にある核酸領
域が含まれる。
【0056】 プロモーターは、典型的には、哺乳動物細胞において機能的であるプロモータ
ーから選択されるが、原核プロモーターや他の真核細胞において機能的なプロモ
ーターも使用され得る。プロモーターは、典型的には、ウイルス又は真核性の遺
伝子のプロモーター配列から誘導される。例えば、それは、その中で発現が起こ
り得る細胞のゲノムから誘導されるプロモーターであり得る。真核プロモーター
に関して言えば、それらは、(a−アクチン、b−アクチン、チューブリンのプ
ロモーターのように)普遍的なやり方か、又は他のやり方では、(ピルビン酸キ
ナーゼ遺伝子のプロモーターのように)組織特異的なやり方で機能するプロモー
ターであり得る。それはまた、特定の刺激に応答するプロモーター、例えば、ス
テロイドホルモン受容体に結合するプロモーターであり得る。ウイルスプロモー
ターも使用され得る。例えば、モロニーマウス白血病ウイルスの長い末端繰り返
し(MMLV−LTR)プロモーター、ラウス肉腫ウイルス(RSV)LTRプ
ロモーター、又はヒトサイトメガロウイルス(CMV)IEプロモーターである
【0057】 本発明のポリヌクレオチドの発現レベルが細胞の寿命の間に調節され得るよう
にプロモーターが誘導可能であることも有利であり得る。「誘導可能である」と
は、このプロモーターを使用して得られる発現のレベルが調節され得ることを意
味する。
【0058】 さらに、上記のプロモーターは、さらなる調節性の配列、例えばエンハンサー
配列の付加により修飾され得る。上記の2種又はそれ以上の異なるプロモーター
に由来する配列要素をを含んでなるキメラプロモーターも使用され得る。
【0059】 D.宿主細胞 本発明のベクター及びポリヌクレオチドは、このベクター/ポリヌクレオチド
を複製すること、及び/又は本発明のポリヌクレオチドによりコードされる本発
明のタンパク質を発現させることの目的のために、宿主細胞へ導入され得る。本
発明のポリペプチドを発現させるには、真核細胞、例えば酵母、昆虫又は哺乳動
物の細胞、特に哺乳動物の細胞を使用することが好ましい。
【0060】 本発明のベクター/ポリヌクレオチドは、トランスフェクション、形質転換及
びエレクトロポレーションのような、当技術分野で知られている多種多様な技術
を使用して、好適な宿主細胞へ導入され得る。本発明のベクター/ポリヌクレオ
チドが動物へ投与される場合、いくつかの技術が当技術分野で知られている。例
えば、レトロウイルス、単純ヘルペスウイルス及びアデノウイルスのような組換
えウイルスベクターを用いた感染、核酸の直接注射、及び全体的な形質転換であ
る。
【0061】 E.タンパク質の発現及び精製 本発明のポリヌクレオチドを含んでなる宿主細胞は、本発明のタンパク質を発
現するために使用され得る。宿主細胞は、本発明のタンパク質の発現を可能にす
る好適な条件の下で培養され得る。本発明のタンパク質の発現は、それが連続的
に産生されるように構成的であり得るか、又は、発現を始動させる刺激を必要と
して誘導され得る。誘導される発現の場合、タンパク質の産生が始動され得るの
は、例えば、培地への誘導物質(例、デキサメタゾン又はIPTG)の添加によ
り必要とされる場合である。
【0062】 本発明のタンパク質は、酵素的、化学的、及び/又は浸透圧溶解、及び物理的
な破壊を含む、当技術分野で知られている多種多様な技術により宿主細胞から抽
出され得る。
【0063】 F.抗体 本発明はまた、本発明のポリペプチド又はそのフラグメントに対するモノクロ
ーナル又はポリクローナル抗体を提供する。従って、本発明はさらに本発明のポ
リペプチドに対するモノクローナル又はポリクローナル抗体の産生法を提供する
。好ましくは、これらの抗体は本発明のポリペプチドに特異的である、即ち、野
生型PAR−2とはほとんど、ないし全く交叉反応性を有さない。
【0064】 ポリクローナル抗体が所望される場合、選択される哺乳動物(例、マウス、ウ
サギ、ヤギ、ウマ、等)を、変異ECL−2配列エピトープを含んでなる免疫原
性ポリペプチドで免疫化する。免疫化した動物から血清を採取し、既知の方法に
より処理する。PAR−2エピトープに対するポリクローナル抗体を含有する血
清が他の抗原に対する抗体を含む場合、このポリクローナル抗体を免疫アフィニ
ティー・クロマトグラフィーにより精製し得る。ポリクローナル抗血清を産生し
て処理するための技術は当技術分野で知られている。そのような抗体が作られる
ために、本発明はまた、動物又はヒトの免疫原として使用される別のポリペプチ
ドをハプテンとする、本発明のポリペプチド又はそのフラグメントを提供する。
【0065】 本発明のポリペプチド中のエピトープに対して向けられるモノクローナル抗体
も、当業者により容易に産生し得る。ハイブリドーマによりモノクローナル抗体
をつくるための一般的な方法論はよく知られている。不死の抗体産生細胞系は、
細胞融合、さらに、腫瘍遺伝子DNAを用いてBリンパ球を直接形質転換するこ
と、又はエプシュタイン−バー・ウイルスを用いたトランスフェクションのよう
な他の技術により創出し得る。オービット(orbit)エピトープに対して産生さ
れるモノクローナル抗体のパネルを様々な特性、即ち、イソ型及びエピトープ親
和性につきスクリーニングすることができる。
【0066】 他の技術は、ファージ・ディスプレイ・ライブラリーをスクリーニングするこ
とを含むが、ここでは例えば、ファージが多種多様な相補性決定領域(CDR)
の付いたそのコートの表面にscFvフラグメントを発現する。この技術は当技
術分野でよく知られている。
【0067】 ECL−2エピトープに対して向けられる抗体は、モノクローナルとポリクロ
ーナルの両方とも、特に診断において有用である。モノクローナル抗体は、特に
、抗イディオタイプ抗体を産生するのに使用され得る。抗イディオタイプ抗体は
、それに対する防護が所望される薬剤の抗原の「内部イメージ」を担う免疫グロ
ブリンである。抗イディオタイプ抗体を産生する技術は当技術分野で知られてい
る。これら抗イディオタイプ抗体は治療に有用でもあり得る。
【0068】 本発明の目的のためには、「抗体」という用語は、他に特定しなければ、ター
ゲット抗原に結合する活性を保持する、全抗体のフラグメントも包含する。その
ようなフラグメントには、Fv、F(ab’)及びF(ab’)2フラグメント
、並びに単鎖抗体(ScFv)が含まれる。さらに、抗体及びそのフラグメント
は、例えばEP−A−239400に記載のように、ヒト化抗体であり得る。
【0069】 抗体は、生物学的サンプルに存在する本発明のポリペプチドを検出する方法に
おいて使用され得るが、前記方法は: (a)本発明の抗体を提供すること; (b)抗体−抗原複合体の形成を可能にする条件下で前記抗体とともに生物学
的サンプルをインキュベートすること;及び (c)前記抗体を含んでなる抗体−抗原複合体が形成されるかどうかを判定す
ること、を含む。
【0070】 好適なサンプルには、脳、***、卵巣、肺、結腸、膵臓、精巣、筋肉及び骨組
織のような組織抽出物、又はそのような組織から誘導される新生物の増殖物から
の抽出物が含まれる。
【0071】 本発明の抗体は、固形支持体に結合しているか、又は好適な試薬、対照物、使
用説明書とともに好適な容器に入ったキットへパッケージされ得る。
【0072】 G.使用 (i)遺伝子型の決定(ジェノタイピング) 我々は、PAR−2のF240S多型が125名の群において8.4%の対立
遺伝子頻度で存在し、15.2%の個体が少なくとも1つの変異対立遺伝子を担
っていることを示した。さらに、我々は、F240Sの多型が野生型PAR−2
に比較してPAR−活性化作動薬に対し異なる反応を示すことを示した。多型の
変化した特質は、PAR−2をターゲットにする拮抗薬を使用することに基づい
た薬物療法に関してきわめて重要となり得る。なぜなら、野生型PAR−2タン
パク質をターゲットにするように設計された拮抗薬が、S対立遺伝子を有する個
体へ投与される場合、無効となるか、又は実際には有害になるかもしれないから
である。また、FSヘテロ接合体及び/又はSSホモ接合体は、炎症性疾患のよ
うな疾患に対して高まった罹病性を有する場合がある。従って、個体のPAR−
2状態を決定することは、変異PAR−2に関連した疾患に罹るリスクにある個
体を同定することに使用し得る。
【0073】 このように、PAR−2作動薬が投与され得る個体がS対立遺伝子か又は他の
同様な変異を有するかどうかを判定することは、その遺伝子型を確定するために
きわめて望ましいだろう。
【0074】 従って、本発明は個体のPAR−2遺伝子型を決定する方法を提供し、この方
法は、個体のPAR−2遺伝子内にあるECL−2領域の配列の全部又は一部を
決定することを含む。好ましくは、アミノ酸240、又はその同等物を特定する
ヌクレオチドコドンの配列が決定されるか、より好ましくは、ヌクレオチド71
9における多型部位の配列が決定される。
【0075】 この配列は、ゲノムDNA又はmRNA、好ましくはゲノムDNAについて決
定され得る。このことをするための多様な技術が、PFLP分析又は直接ゲノム
配列決定(いずれも実施例で説明される)のように、当技術分野で知られている
。この文脈における配列の決定は、正確なヌクレオチド配列が確定されなければ
ならないということを必ずしも意味しない。なぜなら、例えば、特定サイズの制
限フラグメントの存在又は不在がわかれば十分であり得るからである(実施例を
参照のこと)。
【0076】 注目の個体由来の核酸は、典型的には、血液サンプル又は他の組織サンプルの
ような、個体から取られる生物学的サンプルから得られる。 典型的には、ジェノタイピングは、ECL−2領域に隣接するPCRプライマ
ーを使用して実施され得る。従って、本発明は、PAR−2ヌクレオチド配列の
少なくとも10個の連続したヌクレオチドをそれぞれ含んでなり、ECL−2領
域に隣接するオリゴヌクレオチドプライマーの対を提供する。このプライマー対
は、個体のPAR−2遺伝子型を確定することの使用に提供される。PCRプラ
イマーは、緩衝液のような他の成分、使用説明書などとともにキットへパッケー
ジされ得る。
【0077】 ジェノタイピングはまた、タンパク質をベースとするアプローチを使用して、
例えば本発明のPAR−2ポリペプチドに対する抗体(F節参照)を使用して実
行され得る。 (ii)変異PAR−2ポリペプチドの作動薬/拮抗薬を同定するためのアッセ
イ 上記に論じたように、F240S PAR−2多型は野生型PAR−2とは異
なる特質を有するので、野生型PAR−2受容体の活性に影響を及ぼすために使
用され得る作動薬/拮抗薬はこの多型に対して有効でない可能性がある。従って
、少なくとも1つのS対立遺伝子、又は野生型に比較して変換した特質を有する
他の多型を保有する患者に有効である作動薬/拮抗薬を同定することが望ましい
だろう。
【0078】 従って、本発明は、本発明のポリペプチドの活性をモジュレートする、例えば
本発明のポリペプチドを刺激するか又は阻害する化合物を同定するスクリーニン
グ方法を提供する。
【0079】 容易に実施される1つのタイプのin vitroアッセイでは、本発明のポリペプチ
ドへ結合することについて、候補化合物が試験され得る。結合アッセイは当技術
分野で周知である。好ましい態様では、候補化合物は既知の作動薬又は拮抗薬と
の競合アッセイにおいて試験される。この作動薬又は拮抗薬は検出し得るラベル
で標識され得る。1つの典型的なプロトコールでは、様々な濃度の候補化合物が
一定濃度の標識化作動薬又は拮抗薬とともに供給され、標識化作動薬/拮抗薬の
受容体に対する結合の阻害が既知の技術を使用して評価され得る。
【0080】 より洗練された機能アッセイは、本発明のポリペプチドに候補物質を接触させ
ること、及びこのポリペプチドが刺激されるか又は阻害されるかを決定すること
を含む。本発明のポリペプチドを刺激する作動薬について試験する場合、1つの
好適なアッセイは、実施例及び参考文献31に記載のカルシウムシグナル伝達ア
ッセイである。このように、例えば、作動薬誘導性の応答に対する候補化合物の
効果は、本発明の変異PAR−2受容体を組換え的に発現する細胞において測定
され得る。
【0081】 上記細胞に対する受容体活性化の効果についてのアッセイ系には、本明細書に
おいてより詳しく説明される、カルシウム可動性及び電圧固定法が含まれる。こ
れらのアッセイは、候補化合物の受容体に結合する能力より、受容体の活性に対
する効果の評価を可能にする。変異PAR−2受容体を発現する細胞により作動
薬に誘導されたCa放出が増加することは、既知の技術を使用して評価し得る。
1つのそのようなプロトコールは、参照により本明細書に組込まれている米国特
許第5,874,400号に説明されている。これらのタイプのアッセイを使用
すれば、受容体を活性化する候補化合物の能力を直接試験することができる。カ
ルシウム可動性を測定する他の方法では、受容体活性化についての測定として電
圧固定アッセイを使用し得る。作動薬に誘導された内側への塩化物の流れは、単
電極電圧固定技術を使用する以外は本質的に既報(Julius et al., Science (19
88) 241: 558-563)のようにして、変異PAR−2受容体を発現する電圧固定さ
れた細胞において測定される。
【0082】 他のアッセイは、角化細胞からのサイトカイン放出を測定すること(16)、
及び白血球の内皮細胞へのローリング及び接着を含む。 拮抗薬は、既知の作動薬が対照サンプルにおいて単独で使用され、試験サンプ
ルにおいて候補化合物とともに細胞へ同時投与されること以外は、同様のやり方
で試験され得る。
【0083】 好適な既知の作動薬には、トリプシン、トリプターゼ、TFLLR−NH2
trans−シンナモイル−LIGRLO−NH2、並びに米国特許第5,87
4,400号に記載の多数の作動薬が含まれる。本発明のアッセイ法における使
用に適した既知の拮抗薬も米国特許第5,784,400号に記載されている。
【0084】 1つの側面では、本発明のポリペプチドに特異的であり、野生型PAR−2に
はほとんど、又は全く影響を及ぼさない、このペプチドの活性のモジュレーター
を同定することが好ましい場合がある。
【0085】 もう1つの側面では、野生型PAR−2もモジュレートする、本発明のポリペ
プチドの活性のモジュレーターを同定することが好ましい場合がある。 従って、本発明のアッセイは、同様のアッセイ技術を使用して、本発明のポリ
ペプチドの作動薬又は拮抗薬の野生型PAR−2に対する効果を決定する工程を
さらに含み得る。
【0086】 本発明の候補化合物はまた、例えば、PAR−2作動薬の投与により引き起こ
される炎症反応にそれらが影響を及ぼし得るかどうかを決定するために、動物モ
デルを使用して試験し得る(参考文献21を参照のこと)。
【0087】 そのような動物モデルの1つが米国特許第5,874,400号に記載されて
いて、ここでは作動薬をラットの大腿静脈に注射し、動脈圧をモニターする。こ
のアッセイは、既知の作動薬の代わりに候補化合物を投与することによって候補
作動薬をアッセイすること、又は既知の作動薬とともに候補化合物を同時投与す
ることによって候補拮抗薬をアッセイすることのために使用され得る。候補化合
物の効果はまた、米国特許第5,874,400号に記載のように、大腿静脈の
刺激の結果としての血管拡張を観察することによっても測定され得る。
【0088】 候補化合物 好適な候補化合物には、ペプチド、特にPAR−2の配列に基づいた、約5〜
30、又は10〜25アミノ酸のサイズのペプチド、特定すると、PAR−2に
存在する鎖付きのリガンド配列、又は1つ又はそれ以上の残基が置換されたその
ようなペプチドの変異体が含まれる。他のペプチド候補物には、米国特許第5,
784,400号に記載のペプチド作動薬及び拮抗薬、又は1つ又はそれ以上の
残基が置換されたそのようなペプチドの変異体が含まれる。ランダム配列、又は
最大に多様化したペプチドのパネルを提供する首尾一貫して変化した配列を含ん
でなるペプチドのパネルに由来するペプチドも使用され得る。
【0089】 好適な候補物質には、本発明のポリペプチドに特異的である抗体産物(例えば
、モノクローナル及びポリクローナル抗体、単鎖抗体、キメラ抗体及びCDR−
移植抗体)も含まれる。さらに、コンビナトリアルライブラリー、ペプチド及び
ペプチド模擬体、明確化された化学物質、オリゴヌクレオチド、及び天然産物ラ
イブラリーもPAR−2活性のモジュレーターとしての活性についてスクリーニ
ングされ得る。候補物質は、初回スクリーニングでは、例えば各反応につき10
種の物質のバッチで使用され、阻害を示すバッチの物質が個別に試験され得る。
記載の競合結合アッセイのようなin vitroスクリーニングにおいて活性を示す候
補物質は、次いで、やはり上記の全細胞系において試験され得る。
【0090】 H.治療上の使用 本発明のポリペプチドの拮抗薬/作動薬は、様々な障害に罹患している患者を
より効果的に治療するために使用され得るが、この患者は本発明による1種又は
それ以上のPAR−2多型を保有する。例えば、本発明のポリペプチドの拮抗薬
は、炎症性疾患、又は炎症により特徴づけられる病態、例えば喘息、慢性閉塞性
肺疾患、関節炎、炎症性腸疾患、乾癬及び湿疹を治療するのに使用され得る。そ
れらはまた、多発性硬化症のような障害を治療すること、及び血圧を高めること
にも使用され得る。
【0091】 対照的に、本発明のポリペプチドの作動薬は、例えば、降圧薬として使用され
得る。 本発明のポリペプチドの活性をモジュレートする本発明の化合物、例えば、本
発明のアッセイ法によって同定されるか又は同定可能な物質は、好ましくは、本
発明の組成物を製造するために様々な成分と組み合わせ得る。好ましくは、この
組成物は、医薬組成物(ヒト又は動物に使用し得る)を製造するために製剤的に
許容される担体又は希釈剤と組み合わせられる。好適な担体及び希釈剤には、等
張生理食塩液、例えばリン酸緩衝化生理食塩水が含まれる。
【0092】 本発明の組成物は、直接的な注射により投与され得る。組成物は、腸管外、筋
肉内、皮下、経口、又は経皮投与のために製剤化され得る。より最近、ペプチド
を全身投与するための他の方法が設計されたが、これには胆汁酸塩又はフシジン
酸、又は他の界面活性剤のような浸透剤を使用する経粘膜及び経皮投与が含まれ
る。さらに、腸溶外皮又は被包化の製剤で適切に製剤化すれば、経口投与もまた
可能であり得る。上記化合物はまた、軟膏、ペースト、ゲル等の形態で、局所及
び/又は局在化して投与され得る。
【0093】 典型的には、各化合物は、0.01〜30mg/体重kg、好ましくは0.1
〜10mg/体重kg、より好ましくは0.1〜1mg/体重kgの用量で投与
され得る。
【0094】 専門医は特定の患者及び病態にとって最適の投与経路及び投与量を容易に決定
し得るだろうから、記載の投与経路及び投与量は1つのガイドとしてのみ意図さ
れている。
【0095】 本発明を以下の非限定的な実施例を参照にして、以下詳しく説明する。
【0096】
【実施例】
材料と方法 ペプチドと他の試薬 ペプチドはすべて固相法により、Peptide Synthesis Fa
cility(カルガリー大学医学部、カルガリー、アルバータ、カナダ)で合
成した。このペプチドの性質及び純度をHPLC分析、質量スペクトル分析、及
び定量アミノ酸分析により評価した。ペプチドを25mM HEPES緩衝液、
pH7.4において調製し、定量アミノ酸分析により標準化して、ペプチドの濃
度及び純度を確かめた。pGEM−T−Easyベクター、SAU 96 I、
taqポリメラーゼ、デオキシ核三リン酸塩(dNTP)、MgCl及び10x
PCR反応緩衝液は、プロメガ(サウサンプトン、UK)より購入した。オリゴ
ヌクレオチドはすべてOswel Laboratories(サウサンプトン
、UK)で合成し;FCS、DMEM、非酵素的細胞解離液、ペニシリン、スト
レプトマイシン、アンホテリシン、ピルビン酸ナトリウム、及びPBS(カルシ
ウムとマグネシウムを含まない)はGibco BRL(ゲイサースブルグ、M
D、U.S.A.)からのものであり;ブタ膵臓IX型トリプシン、スルフィン
ピラゾン、及びカルシウムイオノホア(A23187)は、シグマ(セントルイ
ス、MO)からで、pcDNA3.1(+)及びGeneticinはInvi
trogen(オランダ)からのものであった。
【0097】 PAR−2のクローニングとPAR−2の多型性 結腸癌の患者から手術時に切除したヒト結腸組織をRNAの供給源として使用
した。簡潔に言うと、採取したばかりの結腸組織をホモジェナイズした後に、T
rizol試薬(Gibco、ペーズリー、スコットランド、UK)及びクロロ
ホルムを加えた。RNAを一晩イソプロパノールにおいて−20℃で沈澱させた
。このRNAペレットを4℃で遠心分離して回収し、80%エタノールで洗浄し
、風乾し、DEPC処理水に懸濁し、260nmで分光光度法により定量した。
全細胞RNAの1マイクログラムを、ポリd(T)15をプライマーとして使用し
て、42℃で1時間、AMV逆転写酵素により逆転写(RT)した。(1U−セ
ンス5’−CCAGGAGGATGCGGAGC−3’)の始めとPAR−2リ
ーディングフレームの終わり(1D−アンチセンス5’−GAGGACCTGG
AAAACTCAATA−3’)にある配列に対して特定のオリゴヌクレオチド
を使用して、cDNAを増幅させた。予測サイズ(〜1200bp)のPCR産
物を、連結キット(プロメガ、サウサンプトン、UK)を使用して、pGEM−
T Easyベクターへクローン化した。次いで、ThermoSequenc
e DNAポリメラーゼ配列決定キット(Amersham Life Sci
ences、バックス、UK)を利用する、ジデオキシヌクレオチド配列決定法
(32)を使用して、この産物の両鎖について配列を決定した。ヒトPAR−2
をコードするcDNAをpcDNA3.1へサブクローン化し、pBluesc
ript(Stratagene、ケンブリッジ、UK)を使用して増幅し、Q
iagen最大調製(maxiprep)キット(Qiagen社、ハーフォードシア、
UK)を使用して精製した。この産物を配列決定し、リーディングフレームの正
確な配向性を確かめた。
【0098】 PAR2の野生型cDNA配列(5)のコピーを得るために、QuikCha
ngeキット(Stratagene、ケンブリッジ、UK)を使用する部位特
異的突然変異誘発を、製造業者の使用説明書に則って実施した。次いで、C71
9からT719へのヌクレオチド変化を確かめるためにこのクローンの配列を決
定した。Phe240残基がPAR−2活性化の全般的な機序にとって重要であ
るのか、又はヒトPAR−2の機能に干渉する特異的な突然変異に他ならないの
かを確定するために、我々は、ラットPAR−2クローン(8)に対してT71
9をC719へ突然変異させる部位特異的突然変異誘発を実施した。次いで、こ
のクローンの配列を決定し、この突然変異の存在を確かめた。
【0099】 制限フラグメントの長さ多型性分析(RFLP) 正常な白色人種の人間125名の血液から標準技術(33)により、ゲノムD
NAを抽出した。細胞外ループIIにあるヌクレオチド699−718に対応す
る特定のPAR−2プライマー(T2D−センス5’−GCTCTTGGTGG
GAGACAGT−3’)と細胞外ループIIIにあるヌクレオチド926−
949に対応するそれ(T4U−アンチセンス5’−GGCTCTTAATCA
GAAAATAATGCA−3’)を使用して、ゲノムDNAサンプルから25
0bpのPCR産物を産生した。SAU96I部位をT2D−センスプライマー
の中へ設計し、Gの代わりに716(T)を置換することによって達成した(上
記のプライマーT2Dを参照のこと、G(716)は下線を施されている)。対
照のSau96I制限部位はPCR産物の3’末端から100bpのところに存
在していた。PCR反応は、50μlの反応量にDNA 300ng、各プライ
マー 150ng、200μM dNTP、2.5mM MgCl及びTaqポ
リメラーゼ 1Uを有するGene Amp 2400PCRシステムにおいて
、94℃、5分で開始し、94℃、30秒の変性を35サイクル、58℃、30
秒でアニーリング、72℃、30秒で伸張、72℃、5分で最終伸張して、実施
した。生成した250bpのPCR産物を、反応あたりSau96I 6Uを使
用して、37℃で一晩消化した。この生成物をアクリルアミドゲル上で泳動し、
エチジウムブロミドに5分間染色し、紫外光の下での発光により観察した。15
0bp及び100bpのバンドの存在が、多型対立遺伝子の不在を示すのに対し
、150bpバンドの不在で130bp及び100bpのバンドが存在している
ことは、両方の多型対立遺伝子の存在を示した。
【0100】 ゲノムDNAの配列決定 RFLP分析から得られたデータを確かめるために、細胞外ループIのヌクレ
オチド389−409(SID−センス5’−TGAAGATTGCCTATC
ACATAC−3’)と細胞外ループIIIのヌクレオチド926−949(T
4U−アンチセンス5’−GGCTCTTAATCAGAAAATAATGCA
−3’)に対応するオリゴヌクレオチドを使用して、ヒトゲノムDNAを増幅し
た。アニーリング温度を54℃に設定したことの他は、RFPL分析に記載のよ
うにしてPCR反応を実施した。多型ヌクレオチド部位、719を含有する56
0bpの生成物をPCR精製キット(Qiagen)を使用して精製した後に、
ABI 377(ABI PRISMTM Dye Primer Cycle
Sequencing−21M13 FS及びM13REV FS Read
y Reaction Kits)において、蛍光をベースとした自動サイクル
配列決定を実施した。
【0101】 細胞培養とトランスフェクション:キルステン(Kirsten)肉腫により
形質転換されたラット腎臓上皮細胞(KNRK,American Tissu
e Type Culture Collection、ベテスダ、MD、U.
S.A)を新鮮な培地(DMEM,5%(体積/体積)FCS、100μM ピ
ルビン酸ナトリウム、ペニシリン 100U/ml、ストレプトマイシン 10
0μg/ml、及びアンホテリシンB 250ng/ml)において60mmペ
トリ皿へ播き、空気95%、CO2 5%、37℃で一晩インキュベートした。
集密度60%で、製造業者(Gibco/BRL)のプロトコールにより、ペト
リ皿の各構築体8μgにつき、Lipofectamine法を使用して、トラ
ンスフェクションを実施した。トランスフェクトされた細胞を、培地を含有する
ジェネチシン(0.6mg/ml)においてサブクローン化し、トリプシンとP
AR−2選択ペプチドtc−NH2に反応してカルシウムシグナルを発する能力
により、最初にクローンを選択した。各受容体についての永久細胞系を得るため
に、B5抗PAR−2ポリクローナルウサギ抗体を使用する蛍光標示式細胞分取
により、高レベルのPAR−2を発現する細胞を単離した((34)に記載され
ている)。すべての細胞系を、空気95%、CO2 5%、37℃で、トリプシ
ンを使用せず、ジェネチシン含有培地において常法により増殖させた。このラッ
トPAR−2細胞系については他にも記載されている(8,31)。FACS分
析により評価されるような適合した発現を有するクローンを、機能上の試験用に
選択した。
【0102】 カルシウムシグナル伝達アッセイ カルシウムシグナル伝達アッセイは既報(31)のように実施した。簡潔に言
うと、細胞を80cm2フラスコ(Gibco/BRL)に播き、90%の集密
度が達成されるまでインキュベートした。(カルシウム及びマグネシウムを含ま
ない)PBSで2回洗浄した後、細胞を非酵素的細胞解離液5mlとともにイン
キュベートし、200gで10分間遠心分離した。この細胞ペレットをDMEM
、10% FCS及び0.25mM スルフィピラゾンの1mlに再懸濁した。
この細胞懸濁液へ、2.5mg/mlのFluo−3アセトキシメチルエステル
(Moleculer Probes社、ユージーン、OR)10μlを加えて
から、室温で35分間穏やかに振盪した。次いで、カルシウムアッセイ緩衝液(
150mM NaCl,3mM KCl,1.5mM CaCl2,10mM
グルコース、20mM HEPES,2.5mM スルフィンピラゾン、pH7
.4)において細胞を洗浄し、過剰な色素を除去し、カルシウムアッセイ緩衝液
1.5mlに再懸濁した。パーキン−エルマー蛍光光度計(LM150?)にお
いて、励起波長480nmで、530nmで発光を記録して、蛍光測定を実施し
た。細胞懸濁液(3x105細胞/mlの2ml)を4mlキュベットの中でミ
ニ磁気棒を用いて撹拌し、24℃に維持した。濃度効果曲線を確定するために、
試験作動薬の添加により産生されるシグナルを、カルシウムイオノホア 2μM
により産生される蛍光ピーク高の比率として測定した。以前の実験で、用量反応
曲線の最高値がカルシウムイオノホア 2μMで得られることが確立していたた
めである。プロテアーゼ阻害剤(アマスタチン)の添加は試験ペプチドの反応に
少しも影響しなかったので、プロテアーゼ阻害剤は実験法から省略した。
【0103】 結果 ヒトPAR−2受容体のクローニング 公知の配列(4)の5’及び3’末端を基にして合成された特定のプライマー
を使用して、ヒト結腸組織から誘導したcDNAより、PAR−2のリーディン
グフレームをクローン化した。得られた配列の公知の配列との比較から、ヌクレ
オチド719位におけるチミンからシトシンへの変化が示された。まず、我々は
、この突然変異がPCRの人工産物であるのか、又は正常な集団の内部に存在す
るのかを確定しようとした。従って、我々は白色人種の集団から正常な選択個体
の配列を決定し、DNA配列決定により突然変異の存在を確かめた(図1)。野
生型PAR−2についてホモ接合である人が719位の単一チミン残基により同
定された(図1a)のに対し、多型性PAR−2についてホモ接合である人は7
19位のシトシンの存在により同定された(図1b)。最後に、ヘテロ接合性の
人は、719位にチミンとシトシンが両方存在していることにより同定された(
図1c)。この突然変異は、フェニルアラニン240(F240)からセリン2
40(S240)へのアミノ酸変化を誘発すると予測される。この突然変異部位
は、ECL−2において、第五の膜貫通ドメインから約6個目のアミノ酸である
(図2)。
【0104】 PAR−2多型性のジェノタイピング RFPL分析と自動化DNA配列決定を利用して、白色人種の集団における多
型性の頻度を決定した。ホモ接合S/S遺伝子型の頻度は相対的に珍しく、試験
した個体のコホートから2%未満であることが見出された(表1)。このデータ
は、ハーディ・ワインベルグ式(F2+2FS+S2=1;F2=ホモ接合体F/
Fの頻度、S2=ホモ接合体S/Sの頻度、及び2FS=ヘテロ接合体F/Sの
頻度)に一致することが見出され、PAR−2遺伝子の2つの対立遺伝子がメン
デル式に分離することを示した。
【0105】 表1.正常な白色人種集団におけるPAR−2対立遺伝子の分布。制限フラグ
メントの長さ多型性分析とゲノムDNAの直接配列決定(方法を参照)を使用し
て、PAR−2対立遺伝子[ヌクレオチド719T(240F)及び/又はヌク
レオチド719C(240S)]について正常人125名の遺伝子型を決定した
。対立遺伝子と遺伝子頻度を以下に示す。
【0106】
【表2】
【0107】 PAR2F240Sは、PAR−2作動薬のトリプシン、SLIGKV−NH2
びSLIGRL−NH2に対しては感受性が低いが、tc−NH2に対しては感受
性が高い。
【0108】 F240からS240への突然変異がその作動薬に対する受容体の反応性を変
化させるかどうかを確かめるために、適合する受容体の発現を有する永久のKN
RK細胞系として野生型とPAR2F240Sの両方を発現させ、細胞表面の蛍
光(FACS)分析により評価した。次いで、この細胞系を使用して、細胞内カ
ルシウムの上昇によりモニターされる、受容体の作動薬活性化反応を試験した。
【0109】 トリプシンといくつかのPAR−2選択的活性化ペプチドの濃度効果曲線を図
3に示す。野生型受容体では、トリプシンはPAR−2APであるSLIGKV
−NH2、tc−NH2及びSLIGRL−NH2より3桁分強力であり、その相
対的な効力順位は、トリプシン>>>>tc−NH2≧SLIGRL−NH2>S
LIGKV−NH2であった。この作動薬効力の順位は、既報(31)に一致し
ている。トリプシンは1nMで検出し得るカルシウム上昇を促進し、100nM
でほぼ最大応答に達した。PAR−2APであるtc−NH2に対する有効反応
は1〜100μM、SLIGKV−NH2は5〜200μM、SLIGRL−N
2は2〜100μMで有効であった(それぞれ、図3a、b、c及びd)。P
AR2F240S受容体では、このPAR−2作動薬すべての効力が有意に異な
っていた(図3)。トリプシンの強さは約1/4であり(図3及び表2)、5〜
500nMでPAR2F240S受容体を活性化し、濃度効果曲線を右方へシフ
トさせた(図3a)。元の鎖付きリガンドペプチドであるSLIGKV−NH2
も、この系では強さが1/2以下であることが見出され、10〜500μMでP
AR2F240S受容体を活性化した(図3b及び表2)。しかしながら、いず
れの系でも、SLIGKV−NH2に対する最大反応は、他のPAR−2作動薬
で得られる最大反応より低いようであった(カルシウムイオノホアとの比較で約
60%に対し、約50%)。tc−NH2ペプチドは、4倍以上強力で(図4c
及び表2)、0.2〜20μMでPAR2F240S受容体を活性化した(野生
型受容体では1〜50μM)。SLIGRL−NH2の効力はSLIGKV−N
2のそれと同程度(約2.5倍)だけ減少し、5〜200μMでPAR2F24
0S受容体を活性化した(図3及び表2)。PAR2F240S系における上記
作動薬の効力の相対順位は野生型受容体についてのものから量的に異なり、トリ
プシン>>tc−NH2>>SLIGRL−NH2>SLIGKV−NH2であっ
た。
【0110】 PAR2F240Sは選択的PAR−1作動薬のTFLLR−NH2に対する感受
性がより高いが、SFLLR−NH2とCit−NH2への感受性においては違い
を示さない。
【0111】 PAR−1APのSFLLR−NH2がPAR−2を活性化し得ること(9,
10)を前提として、我々は、PAR2F240S受容体がこのヒトPAR−1
誘導化ペプチドに対する反応性における違い、さらに2種の他の選択的PAR−
1APであるTFLLR−NH2及びCit−NH2に対する可能な違いを示すか
どうかを研究することにした。野生型受容体では、効力の相対順位は、既報(3
5)のように、SFLLR−NH2>Cit−NH2>TFLLR−NH2であっ
た。SFLLR−NH2、Cit−NH2及びTFLLR−NH2は、受容体活性
化を、それぞれ5〜200μM、50〜400μM及び100〜800μMで促
進することが見出された(図4a及び表2)。PAR2F240S受容体では、
SFLLR−NH2及びCit−NH2は、野生型受容体で見出されたように、5
〜100μM及び50〜400μMで反応を誘発することが見出された。驚くべ
きことに、PAR−1選択的作動薬として開発されたTFLLR−NH2は、P
AR2F240S受容体では7倍以上強力であることが見出され、10〜400
μMで反応を引き起こした(図4b及び表2)。PAR2F240S受容体にお
けるこれらPAR−1APの相対効力の順位は、SFLLR−NH2>TFLL
R−NH2>Cit−NH2であり、上記の野生型のそれとは量的に異なっていた
。PAR−2選択的ペプチドのtc−NH2(50μM)の前添加によりPAR2 F240Sを脱感作した後で、我々は、TFLLR−NH2(50μM)が無効
になることを観察した(データ示さず)。さらに、トロンビン 5U/ml(P
AR−1活性化について最大であることが示された濃度(35))は、野生型と
PAR2F240Sの両方の細胞系でカルシウム反応を誘発しなかった(データ
示さず)。
【0112】
【表3】
【0113】 表2.PAR−2S及びPAR−2F受容体系間の作動薬効力の比(多型/野
生型)。PAR−2S受容体系における各作動薬の活性を、REC,PAR2=ECPAR 2F240S /ECwild-typeの式により、PAR−2F受容体における各作動薬の活
性に比較して表した。PAR2F240S受容体における反応を引き起こす各作
動薬の濃度(ECPAR2F240S)を、野性型受容体における(A231872比較
した)同一のカルシウムシグナルを引き起こすのに必要とされる作動薬の濃度(
ECwild-type)で割った。数値は、図3及び4に示される用量反応曲線の平行
領域に沿った4点から得られる平均値である。1.0より大きい数値は、野生型
受容体よりもPAR2F240S受容体において感受性が低いことを示す。 ラットPAR2F240Sは、作動薬感受性において、ヒトPAR2F240Sと
同一の変化を示す。
【0114】 F240残基がPAR−2作動薬の特異性にとって重要であるかどうかを決定
するために、我々はラットPAR−2に部位特異的突然変異誘発を実施し、F2
40をS240へ突然変異させた。ラットPAR2F240S受容体に対するP
AR活性化作動薬の相対効力を表IIに示す。ラットPAR2F240S受容体
では、トリプシンはラットPAR−2受容体系よりも約2倍強力ではなく、1〜
20nMの間で反応を引き起こした(データ示さず)。さらに、SLIGRL−
NH2は、この系において約3倍強力ではないことが見出された。tc−NH2
、TFLLR−NH2と同じように、ラットPAR2F240S受容体において3
倍強力であった。 TLIGRL−NH2及びtc−YPGKF−NH2は、PAR2F240Sを選
択的に活性化し得るが、野生型PAR−2受容体は活性化し得ない。
【0115】 我々は、SLIGRL−NH2のセリンにスレオニンを置換することでこのペ
プチドの効力が高まるかどうかを決定することに興味があった。さらに、我々は
、PAR−4ペプチドのGYPGKF−NH2と、PAR−4の活性化配列を基
に設計された、活性化ペプチドのtc−YPGKF−NH2を試験した。この結
果を図5に示す。ヒトとラットのPAR2F240S細胞系の両方において、T
LIGRL−NH2(50μM)は有意な活性の増加を示した。ヒト野生型受容
体では、TLIGRL−NH2(50μM)はほとんど効果がなかったが、TL
IGRL−NH2(50μM)は、PAR2F240Sでは、SFLLR−NH2
(50μM)のそれと同等の反応を引き起こした。ラットの野生型受容体では、
TLIGRL−NH2(50μM)はわずかな反応を刺激したが、この反応はラ
ットPAR2F240S細胞系で観察されるものの半分であった。PAR−4ペ
プチドのGYPGKF−NH2(400μM)は、ラット及びヒトの野生型及び
PAR2F240S系において効果がなかった(データ示さず)。tc−YPG
KF−NH2ペプチドは、ラット又はヒトの野生型細胞系のいずれでも効果がな
かった(図5d)が、ヒトPAR2F240SではSFLLR−NH2に等しい明
確な反応を刺激し、ラットPAR2F240S系ではSFLLR−NH2反応の5
0%を刺激した。tc−NH2(50μM)の添加によりPAR2F240Sを脱
感作した後では、我々は、TLIGRL−NH2(50μM)もtc−YGPG
KF−NH2(100μM)も無効であった(データ示さず)。さらに、TLI
GRL−NH2(100μM)の添加により、準最高用量(20μM)のSLI
GRL−NH2による応答は除去された(データ示さず)。
【0116】 考察 今回の研究の主たる知見は、トリプシン及び他のPAR作動薬に応答して異な
る活性化を示す、ヒトPAR−2の遺伝子多型性の発見である。PAR2F24
0S受容体は、トリプシン、SKLIGV−NH2及びSLIGRL−NH2に対
しては低下した感受性を示したが、tc−NH2と、驚くべきことに、PAR−
1選択的作動薬のTFLLR−NH2に対する感受性において増加を示した。さ
らに、ペプチドのTLIGRL−NH2がPAR2F240Sの選択的作動薬とし
て使用し得ることも見出した。さらに、同一の突然変異をラットPAR−2にお
いて構築すると上記の知見を反映し、F240が作動薬の特異性を調節すること
に直接参画する可能性があることが示唆された。我々は、トリプシン及び他の作
動薬の効力における変化がPAR−2拮抗薬の開発にとって重要な意味を有する
と結論し、この多型性が疾患において意味があり得ることの可能性を提起する。
【0117】 直接のDNA配列決定とRFLP分析により、正常なヒト集団におけるこの多
型性の存在が確かめられた。スクリーニングした125名の患者のうち、S24
0対立遺伝子についてホモ接合であることが見出せたのは2名だけであり、この
遺伝子型を発現する個体がある病態に関連し得る可能性を示した。ハーディ・ワ
インベルグ式を使用してデータを分析すると、この対立遺伝子が普通に分布し、
メンデル形式で分離することが示された。残念ながら、患者の守秘性により、彼
らの表現型又は疾患とのあり得る関連を調査するために、関心対象になり得る患
者と接触することはできなかった。それでも、この多型性と数多くの病態との連
関の可能性を検証するための別の研究が進行中である。
【0118】 この多型性がPAR−2シグナル伝達に対して直接影響するかどうかを研究す
るために、我々は、野生型とPAR2F240Sのいずれかの受容体を発現する
トランスフェクトされた2種の永久細胞型を産生した。(FACS分析により評
価される)比較可能な受容体密度を発現する細胞系を慎重に選択し、リガンド活
性における様々な違いが受容体機能の変化によるものであって、受容体密度の違
いによるのではないことを保証した。受容体活性化の指標としてカルシウム上昇
を使用し、我々は、トリプシンがPAR2F240S受容体からの応答を誘発す
るのに強さが約1/4低下することを観察した。この鎖付きリガンドに対する受
容体感受性の明らかな低下に一致したのは、SKLIGV−NH2とSLIGR
L−NH2もより強力でなかった(それぞれ、約2.5倍と2.8倍の低下)と
いう知見である。トリプシンによる効力の損失が起きたのは、ファニルアラニン
からセリンへの突然変異により誘発されたコンホメーション変化の結果として、
露出した鎖付きリガンドが受容体の本体上にさほど効率よく合体し得なくなるた
めかもしれない。他の可能性としては、鎖付きリガンドは、受容体上には効率よ
く合体し得るのだが、野生型受容体において誘発されるものと比較し得るコンホ
メーション変化、即ち活性化を誘発することができないのかもしれない。他の研
究では、ラットPAR−2のECL−2にあるP231232233をP2312322 33 へ突然変異させると、PAR−2APに対する受容体活性の劇的な損失を生じ
るが、トリプシンの効力はこの多重アミノ酸置換によってさほど影響を受けなか
った(31)。トリプシンがSKV−NH2及びSRL−NH2に比較して最も大
きく効力を失ったという知見は、Phe240が鎖付きリガンドと合成ペプチド
の両方に対する作動薬特異性において重要な役割を担う可能性があることを示唆
する。
【0119】 トリプシン、SKLIGV−NH2、SLIGRL−NH2についての我々の観
察と、突然変異をPARに構築した他の報告(27,31)とは著しく対照的に
、tc−NH2は、PAR2F240S受容体を活性化することに4倍強力であっ
た。tc−NH2化合物と他のPAR−2AP(天然の鎖付きリガンドを含む)
との主たる構造上の違いは、大きな芳香族のtrans−シンナモイル基が付い
ていることにある。F240からS240への突然変異によりベンゼン基が失わ
れることがtrans−シンナモイル基がより効率的に合体することを可能にし
、それによってより大きな受容体活性化を誘発するのかもしれない。PARにつ
いての結合アッセイは問題があることが判明しているので、観察された作動薬効
力の違いがリガンドのアフィニティーか又は効力における違いによるのかを評価
することは難しい。しかしながら、すべてのペプチドについての最大反応は両方
の細胞系で同等だったので、試験した作動薬の本来的な活性は影響されていない
と論じることは妥当であろう。それでも、大きな芳香族のF240を小さな非芳
香族のS240に置換することは、PAR−2作動薬に対する受容体の感受性を
著しく変化させると思われる。
【0120】 我々は自らの研究を広げて、PAR−1APの効力における可能なシフトに注
目した。PAR−1鎖付きリガンド配列であるSFLLRがPAR−2を活性化
し得るのに対し、PAR−2ペプチド配列のSLIGKV−NH2がPAR−1
に対して効果のないことは十分確立されている(9,10)。最も興味深いのは
、TF−NH2が7倍以上の効力の増加を示し、相対効力の順位をTFLLR−
NH2とCit−NH2との間にシフトさせたという知見である。しかしながら、
我々は、SFLLR−NH2とCit−NH2が野生型とPAR2F240Sの両
細胞系において等しい効力を有することに気づいた。これらの結果は、SFLL
R−NH2とCit−NH2が他のPAR−2APとは異なるやり方でPAR−2
のECL−2と相互作用する可能性を示唆するものであろう。実際、15−残基
配列がPAR−1と同一であるラットPAR−2のECL−2を突然変異させる
と、SFLLER−NH2が減少した効力を示すことがすでに報告されている(
31)。また、上記の試験から、SFLLER−NH2が他のPAR−2APと
は異なったやり方で相互作用し得ることも結論された。SFLLR−NH2とC
it−NH2について得られた濃度効果曲線も、効力におけるシフトは観察され
なかったので、受容体の密度は両細胞系について比較可能なレベルにあったとい
うFACSの結果を支持する。
【0121】 TFLLER−NH2における明らかなシフトがSFLLER−NH2ではみら
れなかったことの理由は大変興味深い。TFLLER−NH2ペプチドについて
得られたデータに照らし、SFLLER−NH2とTFLLER−NH2との配列
における類似性に注目すれば、SFLLER−NH2がPAR2F240S受容体
を活性化することにより強力であると予測しただろう。SLIGKV−NH2
SFLLER−NH2の位置1でのセリン残基の置換はPAR−2の上首尾な活
性化について十分許容されないことがすでに報告されている(9,10)。実際
、我々は、SLIGRL−NH2におけるセリンをスレオニンへ置換することに
よって、我々のPAR2F240S受容体に選択的であるペプチド(TLIGR
L−NH2)を産生することを見出した。これは、TLIGRL−NH2が野生型
PAR−2に対しては減少した効力を有し、PAR−1には全く効果がないから
である(10)。PAR2F240Sは、活性化ペプチドの位置1における保守
的な変化を許容し、それによりこの受容体が野生型受容体とは異なるやり方でペ
プチド作動薬と相互作用し得ることの確信的な証拠を提供し得ると思われる。こ
のことを銘記し、TFLLER−NH2がPAR−2の存在下においてPAR−
1を選択的に活性化するのに有用なツールとなったとすれば(35)、ヒトの組
織又は細胞を使用するバイオアッセイにおいてこのペプチドについて派生したデ
ータはいくらか注意しながら分析すべきであると考える。
【0122】 ヒトPAR2F240S受容体について得られた結果を試験した後で、我々は
、F240が他の種におけるPAR−2受容体の作動薬特異性を決定する上で重
要な残基であるのか、また特異性に関するその影響がヒトPAR−2に限られて
いるのかを考察した。従って、我々はラットPAR−2に同一のF240からS
240への突然変異を構築した。ラット及びマウスのPAR−2のタンパク質配
列は、特にECL−2の内部でヒトPAR−2と高度の相同性を示す(36,3
7)。ラットPAR−2では、F240残基が保存され、残基241にはヒトP
AR−2におけるアスパラギンに代わってセリンが存在している。我々は、ラッ
トPAR2F240Sにおいて、作動薬効力の相対シフトがヒトPAR−2Sで
観察されるものを反映することを見出した。トリプシンとSLIGRL−NH2
はより強力ではなく、ヒトの系において見出されたように、tc−NH2はより
強力であった。さらに、我々はまた、TFLLR−NH2がラットPAR2F24
0S細胞系において高められた効力を示すことを認め、ヒトPAR2F240S
受容体についての我々の初期観察を確かめた。上記の結果は、F240残基が作
動薬特異性において重要な残基として役立つことを強く含意するだけでなく、こ
の受容体が特定の作動薬を同定するのに利用する根底の機序に関わり得ることも
示唆する。
【0123】 PAR−4ペプチドのGYPGKF−NH2はラットとヒトの細胞系に対して
無効であったが、我々は、tc−YGPKF−NH2がヒトとラットのいずれの
PAR2F240Sも活性化し得ることを見出して驚いた。tc−YGPKF−
NH2は800μMの用量まで野生型PAR−2に対して影響を及ぼさなかった
。このことは、PAR2F240S受容体に対しては100μMの濃度で明らか
な反応を示したことと全く対照的であった。この受容体活性化における野生型と
多型性受容体との間のはっきりした対照性から、この2種の受容体が、少なくと
も作動薬を認識する方法において機能的に非常に異なっていることが確かめられ
る。さらに、それ自身のペプチド作動薬とはほとんど似ていないペプチドにより
活性化され得るPAR2F240S受容体の顕著な能力は、PAR−2拮抗薬の
開発に種々の困難が生じ得ることを示唆する。さらに、in vivoで見出される他
の低ペプチドがこの受容体を活性化し得て、不適切な炎症反応をもたらすという
可能性も生じる。
【0124】 蓄積している証拠は、PAR−2が炎症において重要な役割を担うことを示唆
する(19,21,22,38)。PAR−2は胃腸管において高レベルで発現
され、イオン輸送、腸の運動性、及びプロスタグランジン放出を調節することが
示されている(39−42)。興味深いことに、Porphyromonas gingivalis か
ら誘導される細菌性プロテアーゼのジンジパイン(Gingipain)−Rは
PAR−2を活性化し(43)、この活性化が病原体侵入の最初の炎症シグナル
の1つを提供する可能性がある。我々の今回の結果に基づけば、PAR−2S多
型性の存在は、ある種の炎症及び腸の障害を予兆するか、又はそれに貢献する可
能性がある。さらに、PAR2F240S受容体は、肺において有害な効果を有
する可能性がある。これは、PAR−2が、強力な気管支拡張剤のプロスタグラ
ンジンE2の放出を刺激することによって肺において保護的な役割を有すると報
告されているからである(44)。このように、PAR2F240Sは喘息のよ
うな気道の疾患に関わる可能性がある。とは言っても、PAR−2の病態生理学
的な役割については今のところほとんど知られていないので、理解が進むかどう
かは選択的PAR−2拮抗薬の開発によるだろう。最近、PAR−2活性化の強
力な炎症効果により、この受容体の疾患における役割とPAR−2拮抗薬の新規
抗炎症剤としての可能性に異議が唱えられている(45,46)。今日まで、P
AR−1について真の拮抗薬として開発されたものはただ1つであり(47)、
PAR−2についてはまだ1つも得られていない。このPAR−2多型性につい
て見出されたPAR作動薬の異なる活性化を考察すると、PAR−2拮抗薬を設
計するときに、我々はこの受容体のことを考慮する必要があるのかどうか疑わし
く思う。この多型性が疾患に関連しているかどうかは今後決定しなければならな
いが、作動薬の効力における有意な変化と対立遺伝子の比較的稀な特性を考慮す
ると、この多型性が疾患に貢献する因子であり得ることはありそうである。
【0125】 結論を言うと、我々はアミノ酸240にF(野生型)又はSを見出し得る、ヒ
トPAR−2受容体のの多型変異を見出した。この変異は、トリプシンと他の作
動薬による受容体活性化に有意な違いをもたらす。このような変異は、疾患感受
性、表現型又はPAR−2をターゲットにする治療薬への反応における個体間の
差異の遺伝的基礎となる可能性がある。
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【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 2種のヒトPAR−2対立遺伝子のヌクレオチド配列比較。配列分析を白色人
種被検者のコホートに対して実施し、2種のPAR−2形態の存在を確かめた。
(a)719−Tにつきホモ接合であるか、又は(b)719−Cにつきホモ接
合である被検者、及び719−T/C(ここで、Y=T又はCである)被検者を
示す。突然変異により修飾されたアミノ酸240のコドンを、下線を施して表す
【図2】 多型性の位置づけと、マウス、ラット及びヒトPAR−2由来のECL−2ア
ミノ酸残基の並置。Phe240と隣接アミノ酸残基の位置における保存に注目
すること。アミノ酸の数はヒト受容体からのものである。
【図3】 トリプシン及びPAR2−AP群に反応したヒト野生型及びPAR2F240
S受容体でのカルシウムシグナル伝達。(a)トリプシン;(b)SLIGKV
−NH2;(c)tc−NH2;及び(d)SLIGRL−NH2。野生型の反応
を−◆−により示し、PAR2F240Sの反応を−△−により示す。非酵素的
細胞解離液を用いて細胞を浮上させ、Fluo−3(22μM)を負荷してから
、室温で35分インキュベーションした。様々な濃度の作動薬で細胞にチャレン
ジし、蛍光分光光度法(励起480nm、発光530nm)により反応をモニタ
ーした。反応を、2μMのカルシウムイオノホアで得られるピーク高さに対して
正規化した(% A23187)。各データ点は、それぞれ同一2検体で実施し
た3〜4回の個別実験の平均±SEMを表す。
【図4】 PAR1−APであるSFLLR−NH2、Cit−NH2及びTFLLR−N
2に反応したヒト野生型及びPAR2F240S受容体のカルシウムシグナル伝
達。 (a)SFLLR−NH2及びCit−NH2に対する濃度効果曲線;SFLL
R−NH2に対する野生型の反応、−◆−;PAR2F240Sの反応、−△−。
Cit−NH2に対する野生型の反応、−★−;及びPAR2F240Sの反応、
−−◎−−。 (b)TFLLR−NH2に対する濃度効果曲線。TFLLR−NH2に対する野
生型の反応、−◆−;及び、PAR2F240Sの反応、−△−。非酵素的細胞
解離液を用いて細胞を浮上させ、Fluo−3(22μM)を負荷してから、室
温で35分インキュベーションした。様々な濃度のPAR−1APで細胞にチャ
レンジし、蛍光分光光度法(励起480nm、発光530nm)により反応をモ
ニターした。反応を、2μMのカルシウムイオノホアで得られるピーク高さに対
して正規化した(% A23187)。各データ点は、個別に増殖させた細胞収
穫物から増殖させ、同一2検体で実施した3〜4回の個別実験の平均±SEMを
表す。
【図5】 TLIGRL−NH2及びtc−YGPKF−NH2に反応したヒト及びラット
の野生型及びPAR2F240S受容体におけるカルシウムシグナル伝達。非酵
素的細胞解離液を用いて細胞を浮上させ、Fluo−3(22μM)を負荷して
から、室温で35分インキュベーションした。示した作動薬で細胞にチャレンジ
し、蛍光分光光度法(励起480nm、発光530nm)により反応をモニター
した。反応を、SFLLR−NH2(50μM)で得られるピーク高さに対して
正規化した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/19 C12N 1/21 4H045 1/21 C12Q 1/68 A 5/10 G01N 33/15 Z C12Q 1/68 33/50 Z G01N 33/15 33/53 D 33/50 33/566 33/53 A61P 1/04 33/566 9/12 // A61P 1/04 11/00 9/12 11/06 11/00 17/00 11/06 17/06 17/00 19/02 17/06 C12N 15/00 A 19/02 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 コンプトン,スティーブン・ジョン カナダ国ティー3ビー・4ダブリューア イ,アルバータ,ノース・ウエスト・カル ガリー,ポイント・ドライブ 145,1107 (72)発明者 ケアンズ,ジェニファー・アン イギリス国エセックス エスエス15・4イ ーエヌ,バシルドン,ウォッシュ・ロード 35,メンデルス・ファーム・ハウス (72)発明者 グーフ,アラン・チャールズ イギリス国ビーエイ21・4ディーダブリュ ー,サマーセット,ヨーヴィル,キング・ ストリート 34 Fターム(参考) 2G045 AA40 BB20 BB50 CB01 DA80 FB02 4B024 AA01 AA11 BA63 CA04 DA02 EA04 GA11 HA01 HA14 4B063 QA01 QQ42 QR32 QR62 QS25 QS34 4B065 AA90X AA99Y AB01 BA02 CA24 CA44 CA46 4C084 AA16 NA14 ZA422 ZA592 ZA682 ZA892 ZA962 ZB112 ZC412 ZC422 4H045 AA10 AA20 AA30 BA10 CA40 DA50 EA22 FA74

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変異プロテアーゼ活性化受容体2(PAR−2)ポリペプチ
    ド又はそのフラグメントであって、 (i)野生型PAR−2に比較してトリプシンに対する低下した感受性を有し;
    (ii)野生型PAR−2に比較してtrans−シンナモイル−LIGRLO
    −NH2に対する高まった感受性を有し;及び (iii)TLIGRL−NH2により活性化され、 野生型ポリペプチドの対応する細胞外ループ2(ECL−2)アミノ酸配列から
    少なくとも1つのアミノ酸の違いを有するECL−2を含む、前記ポリペプチド
    又はそのフラグメント。
  2. 【請求項2】 野生型ポリペプチドがSEQ ID No.2に示されるア
    ミノ酸配列を有するヒトPAR−2である、請求項1に記載のポリペプチド。
  3. 【請求項3】 少なくとも1つのアミノ酸の違いがSEQ ID No.2
    に示されるアミノ酸配列の残基240、又はその同等物における修飾を包含する
    、請求項1又は2に記載のポリペプチド。
  4. 【請求項4】 SEQ ID No.2に示されるアミノ酸配列の残基24
    0、又はその同等物における置換を含んでなる、請求項3に記載のポリペプチド
  5. 【請求項5】 SEQ ID No.2に示されるアミノ酸配列の残基24
    0、又はその同等物におけるフェニルアラニンからセリンへの置換を含んでなる
    、請求項4に記載のポリペプチド。
  6. 【請求項6】 SEQ ID No.2に示されるアミノ酸配列の位置24
    0、又はその同等物においてフェニルアラニン残基を欠くPAR−2ポリペプチ
    ド又はそのフラグメント。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリペプチドをコード
    するヌクレオチド。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリペプチドの宿主細
    胞における発現を指令し得る転写調節配列と機能可能的に連結される請求項7に
    記載のヌクレオチドをそのなかに含んでなる宿主細胞。
  9. 【請求項9】 オリゴヌクレオチドプライマーの対であって、請求項7に記
    載のポリヌクレオチドの少なくとも10個の連続したヌクレオチドをそれぞれ含
    んでなり、PAR−2遺伝子のECL−2領域を増幅するポリメラーゼ連鎖反応
    における使用に適している、前記プライマー。
  10. 【請求項10】 片方又は両方のPAR−2対立遺伝子の多型性をECL−
    2領域に有する個体を同定する方法における、請求項9に記載のプライマーの使
    用。
  11. 【請求項11】 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリペプチドの活性
    をモジュレートする化合物を同定する方法であって、前記ポリペプチドを候補化
    合物と接触させること、及びこの候補化合物が前記ポリペプチドの活性をモジュ
    レートするかどうかを決定することを含む、前記方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリペプチドを選択
    的に阻害する化合物を同定する方法であって: (i)前記ポリペプチドをPAR−2作動薬の存在及び不在下で候補化合物と接
    触させること; (ii)このポリペプチドの作動薬介在性の活性化を阻害するか又は低下させる
    候補化合物群を選択すること; (iii)野生型PAR−2ポリペプチドをPAR−2作動薬の存在及び不在下
    で、工程(ii)において選択される候補化合物と接触させること;及び (iv)野生型PAR−2ポリペプチドの作動薬介在性の活性化を有意には阻害
    しない候補化合物を選択することを含む、前記方法。
  13. 【請求項13】 請求項11又は12に記載の方法により同定される化合物
  14. 【請求項14】 炎症性障害の増加したリスクを有する患者を同定する方法
    であって、前記患者から得られる生物学的サンプルにおいて、請求項1〜6のい
    ずれか1項に記載のポリペプチド、又は請求項7に記載のポリヌクレオチドの存
    在又は不在を決定することを含む、前記方法。
  15. 【請求項15】 炎症により特徴づけられる病態を治療する方法に使用する
    、請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリペプチドの活性をモジュレートする
    化合物。
  16. 【請求項16】 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリペプチドの活性
    を阻害する、請求項15に記載の化合物。
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