JP2002541088A - リンパ腫の治療のための組成物および方法 - Google Patents

リンパ腫の治療のための組成物および方法

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    • A61P35/02Antineoplastic agents specific for leukemia

Abstract

(57)【要約】 本発明は、哺乳類における新形成の治療方法を提供する。特に本発明は、再発形態の非ホジキンリンパ腫を含めた種々の型のリンパ腫の治療方法を提供する。これらの方法は、リポソーム封入ビンカアルカロイド、例えばビンクリスチンの、リンパ腫を有する哺乳類への投与を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 関連出願の引照 本特許出願は、米国特許仮出願第60/127,444号(1999年4月1日出願)および第
60/137,194号(1999年6月2日出願)(これらの記載内容は各々、参照により本明
細書中に含まれる)に対する優先権を請求する。
【0002】 産業上の利用分野 本発明は、哺乳類における新形成、特に再発形態の新形成の治療のための方法
および組成物に関する。
【0003】 発明の背景 新しい治療方法の開発に向けての長年の探究にもかかわらず、リンパ系の癌ま
たはリンパ腫は、依然として全く一般的である。例えば、55,000例の非ホジキン
リンパ腫(NHL)を含めて、米国において60,000人以上の人々が毎年リンパ腫
と診断されており、これらの数は絶えず増大つつある。さらに、リンパ腫患者に
関する生存率は依然として低いので、これらの疾患に罹患した者の予後はしばし
ば不十分である。これらの疾患を治療するための新しい方法が必要とされている
のは明らかである。
【0004】 リンパ腫の伝統的治療は、典型的にはリンパ腫の型ならびに患者の医療歴によ
っているが、しかし多数のリンパ腫に関する最前線治療は、典型的には化学療法
を含む。このような化学療法はしばしば、化合物の「カクテル」、例えばシクロ
ホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンおよびプレドニソンを含む処方
物CHOPの投与を伴う。さらに、ある種の最前線癌治療は、その他の形態の癌
療法、例えば放射線療法も含む。
【0005】 多くの症例において、患者は最初にこのような最前線治療に応答するが、しか
しその後、再発を蒙り、即ち腫瘍が再出現するかまたは増殖を再び始める。この
ような再発後、患者はしばしばさらなる化学療法で、例えばCHOPまたはその
他の処方物で治療され、あるいはいくつかの症例では、患者はその他の手法、例
えば骨髄移植により治療される。さらに、多くの症例では、患者は最初はこのよ
うな付加的治療に応答するが、しかしその後、もう1回の再発を蒙る。概して、
患者が蒙る再発が多いほど、その後の最適治療に関して当業界に存在する合意は
低い。他の症例では、最初でさえ、患者は治療に全く応答できず、したがって、
難治性癌を有するといわれる。このような場合はさらに、その後の最適治療に関
する当業界での合意はほとんど存在しない。
【0006】 「ビンカアルカロイド」と呼ばれる植物のニチニチソウ(Vinca rosenツルニ
チニチソウ)から単離されるアルカロイドは、多数の種類のリンパ腫、白血病お
よびその他の癌の最前線治療に有効であることを立証している。このようなビン
カアルカロイドの1つであるビンクリスチンは、一般的化学療法処方物CHOP
中に含まれる。微小管を解重合し、それにより細胞増殖を抑制するビンクリスチ
ンは、CHOP中でその遊離形態で投与される。リポソーム封入ビンクリスチン
が報告されている(例えば、米国特許第5,741,516号または米国特許第5,714,163
号参照)。特に、これらの特許は、コレステロールの他に、ホスファチジルコリ
ン、ジステアロイルホスファチジルコリンまたはスフィンゴミエリン中に封入さ
れるビンクリスチンの使用を考察する。しかしながら、この技法の臨床的適用の
成功は、まだ達成されていない。実際、多数の理論的および実際的不確実性、例
えば生物分布、毒性および効能に関する不確実性が残存する。
【0007】 脂質封入薬処方物は、伝統的薬剤送達法を上回る利点を提供し得る。例えば、
いくつかの脂質ベースの処方物は、in vivoでのより長い半減期、優れた組織タ
ーゲッティングおよび毒性低減を提供する。脂質ベースの薬剤送達ビヒクルの処
方物に関しては、多数の方法が記載されている(例えば、米国特許第5,741,516
号参照)。しかしながら、このようなリポソーム封入ビンカアルカロイド処方物
が以前の治療を上回る任意の利点を提供するということを実証した研究はない。
このようなものとして、これらの疾患を治療するための新規の方法に対する当業
界における必要性は依然として存在する。
【0008】 発明の要約 リポソーム封入ビンカアルカロイド、例えばビンクリスチンは、新形成の最前
線治療に、ならびに再発形態の新形成の治療のために、特にリンパ腫、例えば非
ホジキンリンパ腫のために特に有用である、ということがここに発見された。し
たがって、本明細書中では、これらのおよびその他の癌の治療のための方法が提
供される。
【0009】 一局面では、本発明は、哺乳類における再発癌の治療方法であって、リポソー
ム封入ビンカアルカロイドを含む医薬組成物を哺乳類に投与することを包含する
方法を提供する。一態様では、再発癌は非ホジキンリンパ腫である。
【0010】 別の局面では、本発明は、患者における非ホジキンリンパ腫の治療方法であっ
て、リポソーム封入ビンカアルカロイドを含む医薬組成物を患者に投与すること
を包含する方法を提供するが、この場合、組成物はカルジオリピンを含有しない
【0011】 一態様では、非ホジキンリンパ腫は、攻撃的NHL、形質転換NHL、不活性
NHL、再発NHL、難治性NHL、低分化型非ホジキンリンパ腫、濾胞性リン
パ腫、大細胞型リンパ腫、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、外套細胞リンパ腫
、バーキットリンパ腫、NK細胞リンパ腫、散在性大型B細胞リンパ腫および急
性リンパ芽球性リンパ腫から成る群から選択される一成員である。
【0012】 一態様では、ビンカアルカロイドは、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノ
レルビンまたはビンデシンである。別の態様では、リポソームは、ジステアロイ
ルホスファチジルコリンまたはスフィンゴミエリンを含む。別の態様では、リポ
ソームはコレステロールをさらに含む。別の態様では、リポソームはpH勾配を
含む。別の態様では、リポソームの内側のpHは、外側のpHより低い。
【0013】 別の態様では、哺乳類はヒトである。別の態様では、哺乳類は予め少なくとも
1回の化学療法処置を受けている。別の態様では、化学療法処置は、遊離形態の
ビンカアルカロイド、例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシンま
たはビノレルビンの投与を包含した。他の態様では、化学療法処置は、アントラ
サイクリン含有組合せ療法を含んだ。このような一態様では、アントラサイクリ
ンはドキソルビシンであった。別の態様では、哺乳類は、癌の再発前に化学療法
に対する部分または完全応答を示した。別の態様では、再発は二次再発である。
【0014】 別の態様では、リポソーム封入ビンカアルカロイドは静脈内送達により全身に
投与される。別の態様では、リポソーム封入ビンクリスチンは、シクロホスファ
ミド、ドキソルビシンおよびプレドニソンと同時投与されて、CHOP(または
この場合は、「リポ−CHOP」)を形成する。別の態様では、リポソーム封入
ビンカアルカロイドは、少なくとも1つの付加的抗腫瘍薬と同時投与される。別
の態様では、付加的抗腫瘍薬は、抗腫瘍モノクローナル抗体、例えばオンコリム
(商標、Oncolym)、リツキサン(商標、Rituxan)またはベキサール(商標、Be
xxar)である。別の態様では、付加的抗腫瘍薬は、アンチセンス薬または抗腫瘍
ワクチンである。別の態様では、リポソーム封入ビンカアルカロイドは、神経毒
に対する予防的または治療的処置、例えばニューロンチン(商標、Neurontin)
、ガバペンチン(ニューロトニン)とともに同時投与される。
【0015】 別の態様では、リポソーム封入ビンカアルカロイドは、7〜21日毎に1回、好ま
しくは14日毎に1回、哺乳類に投与される。別の態様では、リポソーム封入ビン
カアルカロイドは、約1.4〜約2.4 mg/m2の範囲内の用量で投与される。
【0016】 本発明は、癌の慣用的治療方法に関する改善を提供する。特に本発明は、哺乳
類における攻撃的、再発性、形質転換化、不活性または難治性リンパ腫の治療方
法を提供し、改善は、リポソーム封入ビンカアルカロイド、例えばビンクリスチ
ン(またはその他のリポソーム封入治療薬)を哺乳類に投与することを包含する
。さらに本発明は、非ホジキンリンパ腫の最前線治療に用いるための改良型組合
せ化学療法のための基礎を提供する。
【0017】 本明細書中に記載した処方物を、そして本明細書中に記載した処方物を調製す
るために、それらの使用のための使用説明書を含むキットも含まれる。 本発明は、非ホジキンリンパ腫を含めた新形成の治療のための薬剤の調製にお
けるリポソーム封入ビンカアルカロイドの使用も提供する。ある種の使用におい
ては、ビンカアルカロイドは、例えば、約2.4〜約3.4 mg/m2の用量で薬剤中に存
在し、7〜21日毎に、最も好ましくは14日毎に1回投与される。
【0018】 定義 「新形成」とは、本明細書中で用いる場合、細胞のあらゆる異常成長、腫瘍、
悪性滲出、疣、ポリープ、非固形腫瘍、嚢胞およびその他の成長を指す。新形成
の部位は種々の細胞型を含有し、その例としては、新生物形成細胞、血管内皮ま
たは免疫系細胞、例えばマクロファージおよび白血球等が挙げられるが、これら
に限定されない。
【0019】 哺乳類における「癌」とは、細胞の異常非制御化成長により引き起こされる多
数の症状のいずれかを指す。「癌細胞」と呼ばれる癌を引き起こし得る細胞は、
非制御増殖、不朽性、転移能、急速な成長および増殖、ならびにある種の典型的
形態学的特徴といった多数の特徴的特性を保有する。しばしば、癌細胞は腫瘍の
形態であるが、しかしこのような細胞は哺乳類内に単独でも存在し得るし、ある
いは非腫瘍形成性癌細胞、例えば、白血病細胞でもあり得る。癌は、多数の方法
のいずれかで検出され、その例としては単数または複数の腫瘍の存在の検出(臨
床的または放射線的手段)、腫瘍内のまたは別の生物試料から(例えば組織生検
から)の細胞の検査、癌を示す血液マーカー(例えば、CA125、PAP、PS
A、CEA、AFP、HCG、CA19-9、CA15-3、CA27-29、LDH、NS
E他)の測定、ならびに癌を示す遺伝子型(例えば、TP53、ATM等)の検出
が挙げられるが、これらに限定されない。しかしながら、1以上の前記の検出方
法における陰性結果は、癌の不存在を必ずしも示さず、例えば癌治療に対する完
全応答を示した患者は、その後の再発により立証されるように依然として癌を有
し得る。
【0020】 「全身送達」とは、本明細書中で用いる場合、生物内の化合物の広範な生分布
をもたらす送達を指す。全身送達とは、有用な、好ましくは療法的量の化合物が
身体のほとんどの部分に露呈されることを意味する。広範な生分布を得ることは
、一般的には、疾患部位に達する前に化合物が迅速に分解または清掃されない(
例えば一次通過器官(肝臓、肺等)により、または迅速非特異的細胞結合により
)ような導入経路を必要とする。リポソーム封入ビンカアルカロイドの全身送達
は、好ましくは静脈内送達により得られる。
【0021】 「リンパ腫」とは、リンパ系におけるBまたはT細胞の悪性成長を指す。「リ
ンパ腫」は、多数の型の悪性成長、例えばホジキンリンパ腫および非ホジキンリ
ンパ腫(NHL)を含む。「非ホジキンリンパ腫」とは、ホジキンリンパ腫(例
えば癌性領域におけるリード−スターンバーグ細胞の存在により特性化される)
でないリンパ系におけるBまたはT細胞の悪性増殖を指す。非ホジキンリンパ腫
は、29を上回る型のリンパ腫を包含し、それらの区別は、癌細胞の型に基づいて
いる。特定の分類は、ワーキング公式化、ラッパポート分類およびREAL分類
といった用いられる分類の特定の系によっている。好ましい態様では、REAL
分類が用いられる。
【0022】 「再発癌」またはリンパ腫とは、前の治療に応答した前の完全または部分寛解
後に再発した癌またはリンパ腫を指す。再発は、臨床的、放射線学的または生化
学的検定により、あるいは癌マーカーのレベル増大により検出されるような腫瘍
の再出現または再成長を含めたあらゆる方法で限定され得る。前の治療としては
、化学療法、放射線療法および骨髄移植が挙げられるが、これらに限定されない
【0023】 「不活性」非ホジキンリンパ腫は、緩徐成長形態のリンパ腫を含む一分類であ
る。それらは、ワーキング公式化において低分化型と呼ばれるものおよび中等度
分化型NHLのいくつかの部類を包含する。不活性NHLは、時としては、慣用
的癌療法、例えば化学療法および放射線療法に応答しない。
【0024】 「形質転換化」非ホジキンリンパ腫は、攻撃的局面を獲得し、標準化学療法に
より応答性になる不活性NHLを説明するために時として用いられる一分類であ
る。
【0025】 「難治性癌」または「難治性リンパ腫」を有する患者は、組合せ化学療法のそ
れらの一次経過において完全寛解を達成できなかった者であるか、あるいはその
後の化学療法において完全または部分寛解を達成できなかった患者である。「原
発性難治性」患者は、一次治療でも完全寛解を達成できなかった者である。
【0026】 「安定疾患」とは、療法が、通常の臨床的、放射線学的および生化学的手段に
より測定した場合に単数または複数の腫瘍の成長または蔓延の休止をもたらす状
態であるが、しかし単数または複数の腫瘍のサイズまたは有病率の退行または低
減は認められず、即ちサイズおよび重症度を低減または増大していない癌である
【0027】 「部分応答」または「部分寛解」とは、治療に応答した腫瘍サイズおよび/ま
たは癌マーカーレベルにより測定した場合の、癌性状態の改善を指す。典型的に
は、「部分応答」とは、腫瘍または腫瘍指示血液マーカーが治療に応答してサイ
ズまたはレベルを50%低減したことを意味する。治療は癌に対して向けられる任
意の治療であり得るが、しかし典型的には化学療法、放射線療法、ホルモン療法
、外科手術、細胞または骨髄移植、免疫療法他が挙げられる。腫瘍のサイズは、
臨床的または放射線学的手段により検出し得る。腫瘍指示マーカーは、当業者に
周知の手段により、例えばELISAまたはその他の抗体ベースの検定により検
出し得る。
【0028】 「完全応答」または「完全寛解」とは、例えば腫瘍サイズおよび/または癌マ
ーカーレベルにより測定した場合、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、外科
手術、細胞または骨髄移植あるいは免疫療法といった治療後に癌性状態が消失し
たことを意味する。腫瘍の存在は、臨床的または放射線学的手段により検出し得
る。腫瘍指示マーカーは、当業者に周知の手段により、例えばELISAまたは
その他の抗体ベースの検定により検出し得る。「完全応答」とは、完全応答の後
に再発が起こり得るので、癌が治癒されたことを必ずしも示さない。
【0029】 「化学療法」とは、癌細胞の成長、増殖および/または生存を抑制する化学的
作用物質の投与を指す。このような化学的作用物質は、しばしば、細胞の成長ま
たは***に必要な細胞内過程に向けられ、したがって、一般的に急速に成長し、
***する癌性細胞に対して特に有効である。例えば、ビンクリスチンは微小管を
解重合し、したがって細胞が有糸***に入るのを阻害する。概して、化学療法は
、癌性細胞または癌性になると思われる細胞を阻害し、または阻害するよう意図
されたあらゆる化学的作用物質を含み得る。このような作用物質はしばしば、組
合せて、例えば処方物CHOP中で投与され、そしてしばしば最も有効である。
【0030】 「放射線療法」とは、癌を有する動物への放射能の投与を指す。放射線は***
中の細胞、例えば癌細胞を殺害するかまたはその成長を阻害する。 「外科手術」とは、動物からの細胞の、例えば癌細胞の直接除去または切除で
ある。最もしばしば、癌細胞は腫瘍(例えばリンパ腫に起因する)の形態であり
、これは動物から除去される。
【0031】 「ホルモン療法」とは、細胞に及ぼすマイトジェン作用を有するホルモン、例
えばエストロゲンまたはアンドロゲンを妨害するかまたは阻害する化合物の投与
を指す。しばしば、これらのホルモンは、in vivoでの癌細胞の癌性特性を増大
するよう作用する。
【0032】 「免疫療法」とは、動物体内の癌細胞を破壊する動物の免疫系の能力を強化す
る方法を指す。 「遊離形態」治療薬、または「遊離治療薬」とは、リポソームに封入されてい
ない治療薬を指す。普通は、薬剤は別記しない限り、「遊離」しているかまたは
「遊離形態」であると考えられる。遊離形態のビンカアルカロイドは、しかしな
がら、他の試薬、例えば他の化学療法的化合物、製剤担体または錯化作用物質と
組合せても存在し得る、即ち、本用語は、本明細書中で用いる場合、ビンカアル
カロイドの脂質処方物を特定的に除外するだけである。
【0033】 発明の詳細な説明および好ましい態様 本発明は、患者における新形成の治療方法を提供する。本発明は、リポソーム
封入ビンカアルカロイドが種々の形態のリンパ腫の治療に非常に有効である、と
いう発見に基づいている。特に、リポソーム封入ビンカアルカロイドの投与はリ
ンパ腫患者の生存中央値を増大する、という驚くべき発見がなされた。特に好ま
しい態様では、スフィンゴミエリンおよびコレステロールベースのリポソーム中
に封入されたビンクリスチンは、非ホジキンリンパ腫、特に再発形態の非ホジキ
ンリンパ腫(NHL)の治療に用いられる。本発明は、とりわけ、不活性、形質
転換化および攻撃的形態のNHLの治療方法も提供する。
【0034】 しばしば、再発性、不活性、形質転換化および攻撃的形態の非ホジキンリンパ
腫のこのような治療は、少なくとも1回の一次抗癌治療、例えば化学療法および
/または放射線療法と、その後の少なくとも1つの治療に対する少なくとも1回
の部分または完全応答後に投与される。他の態様では、リポソームビンカアルカ
ロイドは、最前線治療として投与される。これらの態様のいずれかにおいて、リ
ポソーム封入ビンカアルカロイドは、単一作用物質としてまたは組合せ療法で提
供し得る。
【0035】 本発明はさらに、低減化毒性による固形および非固形腫瘍の治療のためのリポ
ソームビンカアルカロイドの用量および投与計画を提供する。
【0036】 I.脂質封入ビンカアルカロイドにより治療可能な癌 本明細書中に記載した方法は、あらゆる型の癌を治療するために用い得る。特
にこれらの方法は、血液およびリンパ系の癌、例えばリンパ腫、白血病および骨
髄腫に適用し得る。
【0037】 好ましい態様では、本発明の方法は、多数のリンパ腫のいずれかを治療するた
めに用いられる。例えば、ホジキンおよび非ホジキンリンパ腫はともに、本明細
書中に記載した方法を用いて治療し得る。特に好ましい態様では、当該方法は、
種々の分類系のいずれか、例えばワーキング公式化、ラッパポルト分類および好
ましくはREAL分類により限定されるようなあらゆる型のNHLを含めた非ホ
ジキンリンパ腫(NHL)を治療するために用いられる。このようなリンパ腫と
しては、低分化型、中等度分化型、高分化型リンパ腫、ならびにB細胞およびT
細胞リンパ腫が挙げられるが、これらに限定されない。これらの範疇に含まれる
のは、種々の型の小細胞、大細胞、分割細胞、リンパ球性、濾胞性、散在性、バ
ーキット、外套細胞、NK細胞およびCNS、AIDS関連、リンパ芽球、成人
リンパ芽球、不活性、攻撃的、形質転換化およびその他の型のリンパ腫である。
本発明の方法は、成人または小児期形態のリンパ腫、ならびに任意の段階での、
例えばI、II、IIIまたはIV期のリンパ腫のために用い得る。種々の型の
リンパ腫は当業者には周知であり、例えばAmerican Cancer Society(例えば、w
ww3.cancer.org参照)により記載されている。
【0038】 本明細書中に記載した方法は、好ましくはあらゆる形態の白血病、例えば成人
および小児期形態の疾患にも適用される。例えば、任意の急性、慢性、骨髄性お
よびリンパ球性形態の疾患を、本発明の方法を用いて治療し得る。好ましい態様
では、本方法は急性リンパ性白血病(ALL)を治療するために用いられる。種
々の型の白血病についてのさらなる情報は、中でもLeukemia Society of Americ
aから見出し得る(例えば、www.leukemia.org参照)。 別の型の腫瘍、例えば神経芽細胞腫、骨髄腫、前立腺癌、小細胞肺癌他も、本
明細書中に記載した方法を用いて治療し得る。
【0039】 II.最前線治療 本発明の多数の態様において、リポソーム封入ビンカアルカロイドは、癌の最
前線治療として用いられる。好ましい態様では、リポソーム封入ビンカアルカロ
イドは、リンパ腫、特に非ホジキンリンパ腫を治療するために用いられる。本明
細書中で用いる場合、「最前線治療」とは、再発性または難治性癌と対照をなし
て、癌を呈示する患者のための一次治療を指す。
【0040】 このような態様では、リポソーム封入ビンカアルカロイドは、単独で、あるい
は好ましくは他の化学療法薬、例えば、シクロホスファミド、ドキソルビシンお
よびプレドニソンと組合せて用い得る。特に好ましいのは、リポソーム封入ビン
クリスチンをシクロホスファミド、ドキソルビシンおよびプレドニソンとともに
用いて、それにより改良型リポソームCHOP処方物(「リポ」−CHOP)を
生成することである。
【0041】 最前線治療における単一作用物質として用いられる場合、用量および投与計画
は、好ましくは再発癌のための単一作用物質治療と同一である。組合せ養生法で
用いられる場合、用量および投与計画は、組合せのための好ましい養生法に対応
するよう変更し得る。
【0042】 III.再発性または難治性形態の疾患 本発明の方法は、原発性、再発性、形質転換化または難治性形態の癌を治療す
るために用い得る。しばしば、再発癌患者は、化学療法、放射線療法、骨髄移植
、ホルモン療法、外科手術等を含めた1以上の処置を施されている。このような
治療に応答する患者の中で、彼等は安定疾患、部分応答(即ち、腫瘍または癌マ
ーカーレベルは少なくとも50%減少する)または完全応答(即ち、腫瘍ならびに
マーカーは検出不可能になる)を示し得る。これらのシナリオのいずれかにおい
て、癌はその後再出現し、癌の再発を示し得る。
【0043】 ある態様では、本明細書中で提供される方法は、癌の治療を1回受けたことの
ある患者は、このような治療に部分的にまたは完全に応答し、その後再発を蒙っ
ている。その他の態様では、1回より多い治療を受けたことがあり、1回より多
く応答し、その後1回より多く再発を蒙ったことのある患者が治療される。以前
の治療コースには、任意の抗癌治療、例えば化学療法、放射線療法、骨髄移植等
が含まれる。 本発明のある種の態様では、リポソームアルカロイドが、「耐性」癌、即ち治
療に対する完全応答を前に示したことがあるが、しかしその後、第2回またはそ
の後の治療に対する耐性を示す癌に対して用いられる。
【0044】 IV.ビンカおよびその他のアルカロイド 本発明は、天然アルカロイド、例えばビンカアルカロイド、あるいは天然アル
カロイドの任意の合成誘導体の使用を含み得る。ビンカアルカロイドとしては、
ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンドリン、ビンデシン、ビンロイロシン、
ビンロシジン、ビンオレルビンまたはそれらの誘導体が挙げられるが、これらに
限定されない(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチンおよびビンドリンに関
しては、Merck Index, 11th Edition(1989)entries 9887、9891及び9893参照
)。その他の適切なアルカロイドの例としては、ポドフィリン、ポドフィロトキ
シンおよびそれらの誘導体(例えば、エトポシド、エトポシドホスフェート、テ
ニポシド等)、カンプトテシン(例えば、イリノテカン、トポテカン等)、タキ
サン(タキソール等)およびそれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定され
ない。前記の化合物はすべて、当業者には周知であり、市販供給元から、合成に
より、または天然供給源からの精製により容易に入手可能である。
【0045】 好ましい態様では、本発明に用いられるビンカアルカロイドは、ビンクリスチ
ンである。リューロクリスチンスルフェート、22−オキソビンカロイコブラス
チン、キョークリスチン、ビンコシド、ビンクレックス、オンコビン、ビンカサ
ルPFS(登録商標)またはVCRとしても知られているビンクリスチンは、多
数の供給元、例えばPharmacia & Upjohn、Lilly、IGT等のいずれかから市販され
ている。それはしばしば、ビンクリスチンスルフェートとして、例えば1 mg/mL
溶液として供給される。
【0046】 本発明は、単一ビンカアルカロイドまたは多重同時投与ビンカアルカロイドの
使用を包含し得る。さらに、1以上のビンカアルカロイドは、その他の化合物ま
たは分子、例えばその他の抗腫瘍薬と併用し得る。ある種の態様では、ビンカア
ルカロイドおよび/またはその他の化合物のこのような組合せはリポソーム処方
前になされ、それにより単一リポソーム内の組合せを作製し得る。他の態様では
、リポソーム封入ビンカアルカロイドが処方され、その後、それら自体は遊離形
態またはリポソーム封入し得る他の分子と組合される。
【0047】 リポソーム封入アルカロイドを含めた本明細書中に記載したあらゆる治療薬は
、ヒト疾患の周知のモデルにおける前臨床試験を施すことができる。ヒトリンパ
腫のin vivoモデルとしては、非ホジキンB細胞株DoHH2を保有するマウス
(Kluin-Nelemans HC, et al.(1991)Leukemia 5(3)221-224)、あるいはDau
diまたはRaji細胞異種移植片を保有するマウス(例えば、Hudson, WA et al.(1
998)Leukemia 12(12):2029-2033参照)が挙げられる。多数のその他の腫瘍学
的モデルも用い得るし、当業者に周知である。
【0048】 V.脂質 本発明のリポソームを調製するために、両親媒性、中性、陽イオン性および陰
イオン性脂質を含めた多数の脂質の任意のものを用い得る。このような脂質は単
独でまたは組合せて用い得るし、二層安定化化合物、例えばポリアミドオリゴマ
ー(例えば、Ansellによる米国特許出願「Polyamide Oligomers」、米国特許第
号09/218,988(1998年12月22日提出)参照)、ペプチド、タンパク質、洗剤、脂
質誘導体、例えばホスファチジルエタノールアミンと結合したPEGおよびセラ
ミドと連結したPEG(米国特許第号08/485,608参照)も含み得る。好ましい態
様では、宿主免疫系によるリポソームの排除を低減する隠蔽剤、例えば、ポリア
ミドオリゴマー複合体、例えばATTA−脂質(米国特許出願第08/996,783号(
1998年2月2日提出)参照)、およびPEG−脂質複合体(米国特許出願第08/486
,214号、08/316,407号および08/485,608号参照)も含み得る。
【0049】 生理学的pHで非荷電または中性両イオン性形態のいずれかで存在する多数の
脂質種のいずれかに属する多数の中性脂質の任意のものを含み得るが、その例と
しては、ジアシルホスファチジルコリン、ジアシルホスファチジルエタノールア
ミン、セラミド、スフィンゴミエリン、セファリン、コレステロール、セレブロ
シドおよびジアシルグリセロールが挙げられる。
【0050】 好ましい態様では、用いられる脂質はスフィンゴミエリンである。特に好まし
い態様では、脂質はスフィンゴミエリンおよびコレステロールを包含する。この
ような態様では、スフィンゴミエリン対コレステロールの比は、典型的には約75
/25(スフィンゴミエリンのmol%/コレステロールのmol%)〜約50/50(スフィ
ンゴミエリンのmol%/コレステロールのmol%)、好ましくは約70/30〜55/45(
スフィンゴミエリンのmol%/コレステロールのmol%)、最も好ましくは約55/4
5(スフィンゴミエリンのmol%/コレステロールのmol%)である。しかしなが
ら、このような比は本発明の処方物中への他の脂質の付加により変えることがで
きる。
【0051】 生理学的pHで正味陽性電荷を保有する陽イオン性脂質は、本発明で用いるた
めにリポソーム中に容易に組み入れ得る。このような脂質としては、N,N−ジ
オレイル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド(「DODAC」);N−(
2,3−ジオレイルオキシ)プロピル−N,N−N−トリエチルアンモニウムク
ロリド(「DOTMA」);N,N−ジステアリル−N,N−ジメチルアンモニ
ウムブロミド(「DDAB」);N−(2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル
)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(「DOTAP」);3β−
(N−(N’,N’−ジメチルアミノエタン)カルバモイル)コレステロール(
「DC−Chol」)、N−(1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル)−
N−2−(スペルミンカルボキサミド)エチル)−N,N−ジメチルアンモニウ
ムトリフルオルアセテート(「DOSPA」)、ジオクタデシルアミドグリシル
カルボキシスペルミン(「DOGS」)、1,2−ジオレオイル−sn−3−ホ
スホエタノールアミン(「DOPE」);ならびにN−(1,2−ジミリスチル
オキシプロプ−3−イル)−N,N−ジメチル−N−ヒドロキシエチルアンモニ
ウムブロミド(「DM」IE」)が挙げられるが、これらに限定されない。さら
に、陽イオン性脂質の多数の市販調製物、例えばLIPOFECTIN(DOT
MAおよびDOPE(GIBCO/BRLから得られる)を含む)、LIPOFECTA
MINE(DOSPAおよびDOPE(GIBCO/BRLから得られる)を含む)なら
びにTRANSFECTAM(エタノール中のDOGS(Promega Corp. から得
られる)を含む)を用い得る。
【0052】 本発明に用いるのに適した陰イオン性脂質としては、ホスファチジルグリセロ
ール、カルジオリピン、ジアシルホスファチジルセリン、ジアシルホスファチジ
ン酸、N−ドデカノイルホスファチジルエタノールアミン、N−スクシニルホス
ファチジルエタノールアミン、N−グルタリルホスファチジルエタノールアミン
、リシルホスファチジルグリセロールおよび中性脂質と結合するその他の陰イオ
ン性改質基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】 多数の態様において、両親媒性脂質が用いられる。「両親媒性脂質」とは、脂
質物質の疎水性部分が疎水性相に配向し、一方、親水性部分が水性相に向けて配
向する任意の適切な物質を指す。このような化合物としては、リン脂質、アミノ
脂質およびスフィンゴ脂質が挙げられるが、これらに限定されない。代表的リン
脂質としては、スフィンゴミエリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエ
タノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスフ
ァチジン酸、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン、リソホスファチジ
ルコリン、リソホスファチジルエタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジ
ルコリン、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジル
コリンまたはジリノレオイルホスファチジルコリンが挙げられる。その他の無リ
ン化合物、例えばスフィンゴ脂質、グリコスフィンゴ脂質族、ジアシルグリセロ
ールおよびβ−アシルオキシ酸も用い得る。さらに、このような両親媒性脂質は
、他の脂質、例えばトリグリセリドおよびステロールと容易に混合し得る。
【0054】 本発明に用いられるリポソームは、本明細書中に開示した方法および当業者に
既知の他の方法を用いて形成し得る多重膜または単膜性であり得る。
【0055】 さらに本発明に含めるのに適しているのは、プログラム可能な融合脂質処方物
である。このような処方物は、細胞膜と融合する傾向をほとんど有さず、所定の
シグナルイベントが起こるまで、それらのペイロードを送達する。これは、それ
が細胞との融合を開始する前に生物体または疾患部位への注射後に脂質処方物を
より均一に分布させる。シグナルイベントは、例えば、pH、温度、イオン環境
または時間の変化であり得る。後者の場合、融合遅延または「隠蔽(cloaking)
」構成成分、例えばATTA−脂質複合体またはPEG−脂質複合体は、時間中
にリポソーム膜の外に簡単に交換し得る。処方物は身体中に安定に分布されるま
でには、融合性であるよう十分な隠蔽剤を失っている。他のシグナルイベントに
関しては、疾患部位または標的細胞に関連したシグナル、例えば炎症の部位での
温度増大を選択するのが望ましい。
【0056】 VI.リポソーム作製 例えば、以下に記載されているように、リポソームを調製するためには種々の
方法が利用可能である:Szoka他、「Ann. Rev. Biophys. Bioeng.」9:467(1980
)、米国特許第4,186,183号、第4,217,344号、第4,235,871号、第4,261,975号、
第4,485,054号、第4,501,728号、第4,774,085号、第4,837,028号、第4,946,787
号、PCT公開WO91/17424号、Deamer及びBangham「Biochim. Biophys. Acta」4
43:629-634(1976);Fraley他、「Proc. Natl. Acad. Sci. USA」76:3348-3352
(1979);Hope他、「Biochim. Biophys. Acta」812:55-65(1985);Mayer他、
「Biochim. Biophys. Acta」858:161-168(1986);Williams他、「Proc. Natl.
Acad. Sci.」85:242-246(1988);「the text Liposomes」Marc J. Ostro編、
Marcel Dekker, Inc., New York, 1983, Chapter 1およびHope他、「Chem. Phys
. Lip.」40:89(1986)(これらの記載内容は、参照により本明細書中に含まれ
る)。適切な方法としては、音波処理、押出、高圧/均質化、微小流動化、洗剤
透析、小リポソーム小胞のカルシウム誘導性融合およびエーテル注入法が挙げら
れ、これらはすべて当業界で周知であるが、これらに限定されない。
【0057】 一方法は、異種類サイズの多重膜小胞を生成する。この方法では、小胞形成脂
質は、適切な有機溶媒または溶媒系中に溶解され、真空下でまたは不活性気体下
で乾燥されて、薄い脂質皮膜を形成する。所望により、皮膜は適切な溶媒中に、
例えば第三級ブタノール中に再溶解され、次に凍結乾燥されて、より容易に水和
される粉末様形態であるより均質な脂質混合物を生成する。この皮膜は、水性緩
衝化溶液で被覆されて、撹拌しながら典型的には15〜60分間かかって水和される
。結果的に生じる多重膜小胞のサイズ分布は、より激しい撹拌条件下で脂質を水
和することにより、または可溶化洗剤、例えば、デオキシクロレートを添加する
ことにより、より小さいサイズに向かってシフトし得る。
【0058】 単膜小胞は、音波処理または押出により調製され得る。音波処理は一般に、氷
浴中で先端音波発生器、例えばBranson先端音波発生器を用いて実行される。典
型的には、懸濁液は数回音波処理を施される。押出は、生体膜押出器、例えばLi
pex生体膜押出器により実施し得る。押出フィルターの限定孔サイズは、特定サ
イズの単膜リポソーム小胞を生成し得る。リポソームは、不斉セラミックフィル
ター、例えばNorton Company, Worcester MAから市販されているCeraflowマイク
ロフィルターを通した押出によっても生成し得る。単膜小胞は、エタノール中に
リン脂質を溶解し、次に緩衝液中に脂質を注入して、脂質に単膜小胞を自発的に
生成させることによっても作製し得る。さらに、リン脂質は、洗剤、例えばコレ
ート、トリトンXまたはn−アルキルグルコシド中に可溶化し得る。可溶化脂質
−洗剤ミセルへの薬剤の添加後、洗剤は多数の考え得る方法、例えば透析、ゲル
濾過、アフィニティークロマトグラフィー、遠心分離および限外濾過のいずれか
により除去される。
【0059】 リポソーム調製後、生成中にある大きさに作られなかったリポソームは所望の
サイズ範囲および相対的に狭いリポソームサイズ分布を達成するようなサイズに
し得る。約0.2〜0.4μのサイズ範囲が、慣用的フィルターを通した濾過によりリ
ポソーム懸濁液を滅菌化させる。フィルター滅菌法は、リポソームが約0.2〜0.4
μにサイズダウンされた場合に、高スループットに基づいて実施し得る。
【0060】 所望のサイズにリポソームをサイジングするために、いくつかの技法が利用可
能である。一つのサイジング方法は、米国特許第4,737,323号に開示されている
(この記載内容は、参照により本明細書中に含まれる)。浴音波処理またはプロ
ーブ音波処理によるリポソーム懸濁液の音波処理は、約0.05μ未満のサイズの小
単膜小胞に漸進的サイズ低減を生じる。均質化は、大型リポソームを小型リポソ
ームに断片化するために剪断エネルギーによるもう一つの方法である。典型的均
質化手法では、多重膜小胞は、典型的には約0.1〜0.5μの選定リポソームサイズ
が観察されるまで、標準乳濁液ホモジナイザーを通して再循環される。リポソー
ム小胞のサイズは、Bloomfield「Ann. Rev. Biophys. Bioeng.」10:421-450(19
81)(この記載内容は、参照により本明細書中に含まれる)に記載されているよ
うな準電気的光散乱(QELS)により確定し得る。平均リポソーム直径は、生
成リポソームの音波処理により低減し得る。間欠性音波処理サイクルは、効率的
リポソーム合成を押し進めるためにQELS査定により変更し得る。
【0061】 小孔ポリカーボネート膜または不斉セラミック膜によるリポソームの押出も、
相対的に十分限定されたサイズ分布にリポソームサイズを低減するための有効な
一方法である。典型的には、懸濁液は所望リポソームサイズ分布が達成されるま
で、1以上の回数、膜を通して循環される。リポソームは、継続的に小孔膜を通
して押し出されて、リポソームサイズの漸減を達成し得る。本発明に用いるため
には、約0.05μ〜約0.40μのサイズ範囲を有するリポソームが好ましい。特に好
ましい態様では、リポソームは約0.05〜約0.2μである。 好ましい態様では、当業者に既知の慣用的方法を用いて空リポソームが調製さ
れる。
【0062】 典型的には、以下で考察するように、本発明に用いられるリポソームは膜貫通
能を含み、それにより抗新生物剤、例えばビンカアルカロイドがリポソームに有
効に負荷され、保持される。好ましい態様では、その能力は、膜の内外にpH勾
配を作ることにより実行される。特に好ましい態様では、pHはリポソームの内
側では外側より低い。このような勾配は、例えば低pHを有する、例えば約2〜
約6のpHを有する緩衝液の存在下でリポソームを処方し、その後リポソームを
より高いpH溶液に移すことにより達成される。好ましい態様では、pHは約3
〜5であり、最も好ましい態様では、pHは約4である。多数の緩衝液のあらゆる
もの、例えばクエン酸塩を用い得る。
【0063】 その後、サイジングの前または後に、適切な緩衝液、例えばリン酸ナトリウム
緩衝液の添加により、外部pHは、例えば約7または7.5に上げることができる。
外部pHの上昇は、リポソーム膜内外にpH勾配を作り、それにより効率的な薬
剤の添加および保持を促進する。
【0064】 これらの方法により調製されるリポソームは、患者への薬剤の負荷および投与
前の相当な期間中、保存し得る。例えば、リポソームは、脱水され、貯蔵され、
その後再水和されて、1以上のビンカアルカロイドを負荷され、投与される。脱
水は、例えば標準凍結乾燥装置を用いて成し遂げられ、即ちそれらは低圧条件下
で脱水される。さらに、リポソームは、脱水前に、例えば液体窒素中で凍結し得
る。糖が、脱水前にリポソーム環境に、例えばリポソームを含有する緩衝液に添
加され、それにより脱水中のリポソームの完全性を促進する(例えば、米国特許
第5,077,056号または第5,736,155号参照)。
【0065】 多数の態様において、空リポソームは、先ず低pH緩衝液中で処方され、次に
所望サイズのリポソームを得るための種々の方法の1つで操作される。リポソー
ムのサイジング方法としては、浴またはプローブによる音波処理、あるいは均質
化が挙げられる。好ましくは、このような処理後、リポソームは約0.05〜0.45μ
である。最も好ましくは、リポソームは約0.05〜約0.2μである。このようにサ
イズ化されたリポソームは、次に濾過により滅菌し得る。さらに、慣用的レーザ
ー光線粒子サイズ識別等により、粒子サイズ分布をモニタリングし得る。さらに
、相対的に十分限定されたサイズ分布へのリポソームサイズの低減方法、例えば
、小孔ポリカーボネート膜または不斉セラミック膜を通す1回以上のリポソーム
の押出が知られている。
【0066】 VII.リポソーム封入ビンカアルカロイドの調製 多数の方法のいずれかを用いて、ビンカアルカロイドおよび/またはその他の
薬剤をリポソームに負荷し得る。このような方法としては、例えば封入法および
膜貫通能負荷法が挙げられる。一般的には、このような方法の後、ビンカアルカ
ロイドは約0.1 mg/mL〜約0.5 mg/mlで存在する。好ましくはビンカアルカロイド
は、約0.15〜0.2 mg/mLで存在する。
【0067】 一つ封入技法では、薬剤およびリポソーム構成成分は、すべての種が混和性で
、乾燥皮膜に濃縮される有機溶媒中に溶解される。次に緩衝液が乾燥皮膜に添加
され、小胞壁中に組み入れられた薬剤を有するリポソームが形成される。あるい
は、薬剤は緩衝液中に入れられて、脂質構成成分のみの乾燥皮膜に添加される。
この様にして、薬剤はリポソームの水性内部に封入されるようになる。リポソー
ムの形成に用いられる緩衝液は、例えば等張生理食塩水、リン酸緩衝化生理食塩
水またはその他の低イオン強度緩衝液の任意の生物学的相溶性緩衝溶液であり得
る。結果的に生じるビンカアルカロイドを包含するリポソームは次に、前記のよ
うにサイジングし得る。
【0068】 膜貫通能負荷は、米国特許第4,885,172号、第5,059,421号、第5,171,578号お
よび第5,837,282号(イオノフォア負荷を教示する)に詳細に記載されている(
これらの記載内容は各々、参照により本明細書中に含まれる)。要するに、膜貫
通能負荷法は、適切な水性媒質中に溶解された場合に、荷電状態で存在し得る本
質的にあらゆる慣用的薬剤に関して用い得る。好ましくは、それがリポソーム膜
に分配するよう、薬剤は相対的に親油性である。膜貫通能は、二層のリポソーム
またはタンパク質−リポソーム複合体を横切って生じ、薬剤は膜貫通能によりリ
ポソーム中に負荷される。膜貫通能は、膜の内外の1以上の荷電種(例えば、N
+、K+および/またはH+)に関する濃度勾配を生じさせることにより生成さ
れる。この濃度勾配は、異なる内部および外部媒質を有するリポソームを産生す
ることにより生成され、会合陽子勾配を有する。次に、Henderson-Hasselbach方
程式により予測されたように、薬剤蓄積が起こり得る。
【0069】 本発明に用いるためのリポソーム封入ビンカアルカロイドを調製するための好
ましい方法は、例えば米国特許第5,741,516号、第5,814,335号および第5,543,15
2号に考察されている(これらの各々はInex Pharmaceuticals Corp.に譲渡され
ており、これらの記載内容は、参照により本明細書中に含まれる)。好ましい態
様では、リポソームビンカアルカロイドは、3つ以上のバイアルを含むキットか
らの使用の前に調製される。少なくとも1つのバイアルは、例えば例えば100ま
たは200 mg/mLマンニトール(例えばSP Pharmaceuticals LLC, Albuquerque, NM
から得られる。製薬上許容可能である、そしてビンクリスチンが長時間安定であ
るその他の賦形剤も用い得る。)および酢酸ナトリウムを含有し、pH3.5〜5.5
、好ましくはpH4.5〜pH4.7に調整された緩衝液中に例えば1 mg/mL、2 mg/Ml
または5 mg/mL硫酸ビンクリスチンを含有するビンクリスチン溶液を含有する。
バイアルの1つは、スフィンゴミエリンおよびコレステロール(各々、例えばNE
N Life Sciences, Avanti Polar Lipids等から市販されている)から成るリポソ
ームを含有し、例えばpH4.0の300mMクエン酸塩緩衝液中に懸濁された溶液を含
入する。別の単数または複数のバイアルは、アルカリ性リン酸塩緩衝液(例えば
、pH9.0)、例えば二塩基性リン酸ナトリウム、14.2 mg/ml(20 ml/バイアル
)を含有する。
【0070】 その他の好ましい態様では、特許請求されるリポソーム封入ビンクリスチンを
処方するために用い得る構成成分を含入する2つのバイアルを含有するキット、
あるいは予備負荷ビンクリスチンを包含するリポソームの安定調製物を含有する
1つのバイアルを含有するキットが用いられる。このような安定調製物は多数の
方法のうちのいずれかにより成し遂げられ、その例としては、(1)周囲温度で
貯蔵されるかまたは冷蔵される、そして化学的安定性を強化するための1以上の
変法または構成成分を有する水和調製物、例えば酸化防止剤、(2)凍結された
、そして凍結/融解誘導性損害から保護するために適切な賦形剤を含む水和調製
物、あるいは(3)凍結乾燥調製物が挙げられるが、これらに限定されない。典
型的には、前記のキットのいずれかは、使用のための使用説明書ならびに浄化用
使い捨て物質も含有する。
【0071】 リポソームを調製するために、硫酸ビンクリスチンおよびリポソーム溶液は各
々、適切な濃度比、例えば0.01/1.0〜0.2/1.0(ビンカアルカロイド質量/脂質
質量)で滅菌バイアルに添加され、混合される。混合物は、例えばバイアルを多
数回反転させることにより、混合される。低pH緩衝液中でのリポソームの形成
後、そしてリポソームのサイジングの前または後に、リポソームは高pHの緩衝
液中、例えばリン酸ナトリウム緩衝液中に導入され、それによりリポソーム表面
内外にpH勾配が作られる。好ましい態様では、リポソームの外部環境は、約p
H7.0〜約pH7.5である。リポソームおよびビンカアルカロイドは、所望のアル
カロイド/脂質比を達成するのに十分な時間、混合し得る。混合物は、例えば多
数回反転により混合され、約55℃〜約80℃、好ましくは約60℃〜約65℃の温度で
約5、10分またはそれ以上加熱し得る。このような処理は、約90%より多いビン
クリスチンをリポソーム内に封入させることができる。
【0072】 その他の態様では、これらの工程後に、より大規模且つ負荷リポソームビンク
リスチンが、例えば即投与フォーマットで病院の薬局に供給される。このような
より大規模な処方物は、キット用に記載されたものとは異なる出発物質から調製
し得る。特に、緩衝液が異なってもよい。
【0073】 VIII.リポソームターゲッティング ある態様では、細胞型または組織に特異的なターゲッティング部分を用いて、
本発明のリポソームを標的化するのが望ましい。種々のターゲッティング部分、
例えば配位子、細胞表面受容体、糖タンパク質、ビタミン(例えば、リボフラビ
ン)およびモノクローナル抗体を用いたリポソームのターゲッティングは、従来
記載されている(例えば、米国特許第4,957,773号および第4,603,044号参照。こ
れらの教示内容は、参照により本明細書中に含まれる)。ターゲッティング部分
は、全タンパク質またはその断片を含み得る。
【0074】 ターゲッティングメカニズムは一般に、ターゲッティング部分が標的、例えば
細胞表面受容体との相互作用に利用可能であるように、ターゲッティング作因が
リポソームの表面に位置する必要がある。リポソームは、リポソームが形成され
る時点で膜にコネクター部分を組み入れるよう意図される。コネクター部分は、
膜にしっかり包埋され、固定される親油性部分を有さねばならない。それは、リ
ポソームの水性表面で化学的に利用可能な親水性部分も有さねばならない。親水
性部分は、その部分と作用物質が安定な化学結合を形成するように、ターゲッテ
ィング作因に化学的に適切であるよう選択される。したがって、コネクター部分
は、通常はリポソーム表面から外側に延びて、ターゲッティング作因を的確に配
置するよう形造られる。いくつかの場合には、標的をコネクター部分に直接結合
できるが、しかし、多くの場合、「分子架橋」として作用する第三の分子を用い
るのがより適切である。架橋は、コネクター部分とリポソームの表面から出た標
的作因とを連結し、それにより細胞標的との相互作用に自由に利用可能な標的作
因を作製する。
【0075】 標的作因を結合するための標準的方法を用い得る。例えば、標的作因の結合の
ために活性化し得るホスファチジルエタノールアミン、または誘導化親油性化合
物、例えば脂質誘導化ブレオマイシンを用い得る。抗体−標的化リポソームは、
例えばプロテインAを組み入れたリポソームを用いて構築される(Renneisen, e
t al., J. Bio. Chem., 265:16337-16342(1990)およびLeonetti, et al., Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA 87:2448-2451(1991)参照)。抗体複合のその他の例
は、米国特許出願第08/316,394号(1994年9月30日提出)(この教示内容は、参
照により本明細書中に含まれる)に開示されている。ターゲッティング部分の例
は、細胞構成成分に特異的なその他のタンパク質も含み得るが、その例としては
、新生物または主要に関連した抗原が挙げられる。ターゲッティング部分として
用いられるタンパク質は、共有結合を介してリポソームと結合し得る(Heath「C
ovalent Attachment of Proteins to Liposomes, 149 Methods in Enzymology」
111-119(Academic Press, Inc. 1987)参照)。その他のターゲッティング方法
としては、ビオチン−アビジン系が挙げられる。
【0076】 IX.脂質封入ビンカアルカロイドの投与 リポソーム封入ビンカアルカロイドは、非経口、静脈内、全身、局所、腫瘍内
、筋内、皮下、腹腔内、吸入または任意のこのような送達方法を含めた多数の方
法のいずれかで投与し得る。好ましい態様では、製剤組成物は、注射により静脈
内に投与される。一態様では、患者は、例えば30分、60分、90分またはそれ以上
の時間、流通静脈内線を介して、リポソーム封入ビンカアルカロイド(単一剤)
の静脈内注入を施される。このような注入は、定期的に、例えば1、3、5、7、10
、14、21または28日毎にまたはそれ以上の日数に1回、好ましくは7〜21日毎に1
回、最も好ましくは14日毎に1回、施すことができる。本明細書中で用いる場合
、リポソームビンカアルカロイドの各投与は、1「コース」の処置とみなされる
【0077】 本発明で用いるための適切な処方物は、例えば、「Remington's Pharmaceutic
al Sciences」Mack Publishing Company, Philadelphia, PA, 17TH Ed.(1985)
に見出し得る。しばしば、静脈内組成物は、許容可能な担体、例えば水性担体中
に懸濁されたリポソームの溶液を含む。種々の水性担体のいずれか、例えば水、
緩衝化水、0.4%生理食塩水、0.9%等張生理食塩水、0.3%グリシン、5%デキス
トロース等が用いられ、それは、安定性強化のための糖タンパク質、例えばアル
ブミン、リポタンパク質、グロブリン等を含み得る。しばしば、正常緩衝化生理
食塩水(135〜150mMNaCl)が用いられる。これらの組成物は、慣用的滅菌技
法、例えば濾過により滅菌し得る。組成物は、生理学的条件に近づけるために必
要とされるような製薬上許容可能な補助物質、例えばpH調整剤および緩衝剤、
張度調整剤、湿潤剤等、例えば酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウ
ム、塩化カリウム、塩化カルシウム、ソルビタンモノラウレート、トリエタノー
ルアミンオレオート等を含有し得る。これらの組成物は、前記で言及した技法を
用いて滅菌し得るし、あるいは滅菌条件下で生成し得る。担体中のリポソームの
濃度は、変化し得る。一般的には、濃度は約20〜200 mg/mLであるが、しかしな
がら、当業者は、異なるリポソーム構成成分による処置を最適化するために、あ
るいは特定の患者のために、濃度を変え得る。例えば、濃度は処置に関連した流
体負荷を下げるために増大することができる。
【0078】 用量当たりで投与されるビンカアルカロイドの量は、最小治療用量を上回るが
、しかし毒性用量を下回る。用量当たりの量の選択は、多数の因子、例えば患者
の医療歴、他の療法の使用および疾患の性質に依存している。ある種の態様では
、初回低用量が投与され、これは初回用量に対する患者の応答および/または耐
性に基づいて増大させ得る。例えば、0.5、1.0、1.5、2.0、2.4 mg/m2(即ち体
表面積m2当たりのビンカアルカロイド、例えばビンクリスチンのmg数)またはそ
れより高い濃度を投与し得る。好ましい態様では、患者は、平均70 kgの患者に
関する約40 mg/m2の脂質用量または約1.1 mg/kg脂質および0.05 mg/kgビンクリ
スチンに対応する2.0 mg/m2の用量を、あるいは約3 mg〜約6 mgのビンクリスチ
ン/用量を投与される。
【0079】 患者は、典型的には、少なくとも2コースのこのような処置を受け、処置に対
する患者の応答によってはそれ以上の可能性もある。単一剤養生法では、処置の
総コースは、観察された応答および毒性に基づいて、患者および医者により決定
される。14日毎に1回の12コースまでの処置コースは、申し分ない患者応答を示
した。より大きい数値は、ある場合に是認し得る。同様に、リポ−CHOPを用
いる処置のコース数は、患者および医者により決定される。
【0080】 ビンクリスチン投与量はヒトにおける神経毒性により制限されるため、それは
時としては、神経毒性のための処置とともにリポソームビンクリスチンを同時投
与するのが有用である。この処置は、予防的または治療的であり得る。一例は、
ニューロパシー痛の治療のためのノイロンチン(商標)ガバペンチン(Parke-Da
vis)またはノイロトニンの投与であり、例えば100〜200 mgのノイロンチン(商
標)が1日3回成人に投与される。ニューロパシー痛が改善された場合、リポソー
ムビンクリスチン治療が継続される。この種の予防的または治療的処置はリポソ
ームビンクリスチンの副作用を治療するためにのみ意図されているため、下記の
組合せ療法組とは別個に考えられる。
【0081】 本発明は、一部は、遊離形態ビンカアルカロイドに対照するものとして、リポ
ソーム封入ビンカアルカロイドは総投与量を越えずに投与し得る、という意外な
発見を基礎にしている。例えば、遊離形態ビンクリスチンは典型的には最高2.0
mgで投与されるが、一方、リポソーム封入ビンクリスチンは、好ましくは2.0 mg
/m2の一定投与量で投与し得る。したがって、1.5〜3.0 m2表面積の典型的患者に
関しては、約3.0〜約6.0 mgビンクリスチンの用量を投与し得る。
【0082】 X.組合せ療法 多数の態様において、リポソーム封入ビンカアルカロイドは、1つ以上の付加
的構成成分または療法と組合せて投与される。例えば、多数のビンカアルカロイ
ドは同時投与し得るし、あるいは1以上のビンカアルカロイドは、別の治療化合
物、例えばシクロホスファミド、ドキソルビシン、プレドニソン、その他のアル
カロイド、例えばタキサン、カンプトテシンおよび/またはポドフィリン、その
他の化学療法剤、例えばアンチセンス薬または抗腫瘍ワクチンと組合せて投与し
得る。好ましい態様では、リポソーム封入ビンクリスチンは、シクロホスファミ
ド、ドキソルビシンおよびプレドニソンと同時投与し得る。ある種の態様では、
多数の化合物が同一リポソーム中に負荷される。他の態様では、リポソーム封入
ビンカアルカロイドは別々に生成され、その後、同時投与のために他の化合物と
併用される。あるいは、ある種の療法は、予定順序で、例えばCHOPまたはリ
ポ−CHOPで、連続的に投与される。リポソーム封入ビンクリスチンは、CV
P組合せで、あるいはシクロホスファミド−ビンクリスチン−プレドニソンでも
処方し得る。
【0083】 リポソーム封入ビンカアルカロイドは、抗腫瘍薬、例えばモノクローナル抗体
とも組合され、その例としては、オンコリム(商標、Oncolym)(Techniclone C
orp. Tustin, CA)またはリツキサン(商標、Rituxan)(IDEC Pharmaceuticals
)、ベッキサール(商標、Bexxar)(Coulter Pharmaceuticals, Palo Alto, CA
)またはIDEC−Y2B8(IDEC Pharmaceuticals Corporation)が挙げられ
るが、これらに限定されない。さらに、リポソーム封入ビンカアルカロイドは、
1以上の非分子治療、例えば放射線療法、骨髄移植、ホルモン療法、外科手術等
とともに投与し得る。
【0084】 好ましい態様では、リポソーム封入ビンカアルカロイドは抗癌化合物または療
法と組合せて投与され、これが、作用メカニズムおよび非重複毒性プロフィール
に基づいた腫瘍低減における改善増大または共働的改善を提供する。特に、リポ
ソームビンカアルカロイドは、任意にリポソームタキサンでもあり得るタキサン
とともに送達し得る。ビンカアルカロイドは微小管を解重合し、タキサンは微小
管を安定化すると考えられるが、しかし2つの化合物は、腫瘍成長の改善に共働
的に作用することが判明したが、これはおそらくは両方が微小管動力学の抑制に
関与するためであると考えられる(Dumontet, C. and Sikic, B.I.(1999)J. C
lin. Onc. 17(3)1061-1070参照)。したがって、本発明のビンカアルカロイド
のリポソーム処方物は、遊離形態のビンカアルカロイドおよびタキサンの連続投
与に関連した骨髄性および神経学的毒性を有意に低減する。 当業者に既知のその他の組合せ療法は、本発明の方法とともに用い得る。
【0085】 実施例 以下の実施例は本発明を説明するために提供されたものであり、本発明を限定
するものではない。 実施例1:リポソーム封入ビンクリスチンの作製 6バイアルキットを用いて、リポソーム封入ビンクリスチン(硫酸ビンクリス
チンリポソーム注射剤)を調製した。バイアル1および2は、マンニトールおよ
び酢酸ナトリウムを含む緩衝液、pH4.5〜4.7中の硫酸ビンクリスチン溶液(1
mg/mLビンカサールPFS(登録商標)(SP Pharmaceuticals LLC, Albuqueque,
NM))を含有し、バイアル3は、300 mMクエン酸塩、pH4.0を含む緩衝液中の
空リポソーム(100 mg/mLスフィンゴミエリン/コレステロールリポソーム、約6
0/40〜50/50比、さらに好ましくは55/45 mol%/mol%)を含有し、バイアル4
および5は、アルカリ性リン酸塩緩衝液(14.2 mg/mL二塩基性リン酸ナトリウム
7水和物)を含有し、ならびにバイアル6は空滅菌バイアルであった。薄膜水和
、および米国特許第5,741,516号に記載されているような標準的押出技法を用い
て、前記の空リポソームを調製した。
【0086】 4 mlの硫酸ビンクリスチンをバイアル1および2から取り出し、滅菌バイアル
6に添加した。その後、0.8 mLのスフィンゴミエリン/コレステロールリポソー
ムをバイアル3から取り出して、バイアル6に添加した。バイアル6を5回反転
させて、物質を混合した。バイアル4および5からの20 mLのリン酸ナトリウム
溶液を、バイアル6に添加した。バイアル6を再び5回反転させて、揺すぶらず
に、物質を混合した。次にバイアル6を水浴中で60〜65℃で5分間加熱した後、
バイアルを再び5回反転させた。次にバイアルを再び5分間加熱し、さらに5回
反転させた。 最終生成物は、0.16 mg/mLの硫酸ビンクリスチンおよび3.2 mg/mLの総脂質を
含有した。
【0087】 実施例2:再発NHL法におけるリポソーム封入ビンクリスチン 再発性非ホジキンリンパ腫(NHL)を有する患者50名およびリンパ芽球性リ
ンパ腫(ALL)を有する1名が、本試験に含まれた。各患者は少なくとも16歳
で、HIVまたは他のいかなる重篤感染も有さず、中枢神経系のいかなる疾患も
有さず、そして正常腎機能を有して、好中球は少なくとも0.5 K、血小板は少な
くとも50 Kであった。14日毎に1回投与する2.0 mg/m2の静脈内リポソームビン
クリスチンを12用量まで、各患者に投与した。使用したリポソームは、スフィン
ゴミエリンおよびコレステロールを含んでいた。
【0088】 結果 51名の患者のうち35名を評価した。これら35名の患者の年齢の中央値は62歳(
19〜86歳の範囲)であり、このうち21名が男性であった。12名の患者が濾胞性N
HLを、7名が形質転換化、11名が散在性大細胞、3名が外套細胞、1名がNK
細胞リンパ腫および1名がALLを有した。臨床等級は、患者の1名で高く、17
名が攻撃的で、10名が不活性、7名が形質転換化であった。血清LDHは、35名
の患者のうち16名で高く、B2マイクログロブリンは30名の患者のうち19名で3.
0 mg/Lより大きかった。前治療養生法の中央値は、3(1〜10の範囲)であった
。35名の患者のうち18名が、リポソーム封入ビンクロスチン直前の養生法に対し
て難治性であった。35名すべてが、予めビンクリスチン投与を受けていた。NH
Lを有する34名の患者に関しては、14名が完全または部分応答を示し、全応答率
は40%(95%信頼区間:24%〜58%)であった。臨床等級による応答は、表1に
示す通りであった。
【0089】
【表1】
【0090】 結論 応答継続期間中央値は、4ヶ月であった。応答患者の半数が治療後少なくとも
4ヶ月間応答を保持するという事実は、過去に極貧予後を示した異種群の患者に
関しては、意外で、予期せぬことであり、臨床的に印象的な応答であった。 前記の結果は、全用量のリポソームビンクリスチンは、重度予備処置集団にお
いてさえ、良好な活性で再発NHLに投与し得るということを実証する。
【0091】 さらに、リポソームビンクリスチンは、遊離ビンクリスチンより有意に低い非
特異的毒性を実証した。末梢神経毒性は、遊離ビンクリスチンの最も高頻度且つ
用量限定性の毒性作用である。末梢性ニューロパシー作用は、通常は、5〜6 mg
の総用量(2〜3用量の遊離ビンクリスチン)を摂取した成人で開始し、一般的に
15〜20 mgの累積用量(8〜10用量の遊離ビンクリスチン)後に有意である。本発
明の試験では、有意には、典型的患者は1回投与のみで3〜5 mgを摂取し、37 mg
までの累積用量が送達された。有意のリポソームビンクリスチン誘導性末梢神経
毒性を報告した患者はなかった。より高い総用量でも、同様に耐容される。これ
らの高用量はNHLの管理には非常に望ましく、この疾患の治療における将来に
向けての有意且つ意外な過程を示す。
【0092】 実施例3:リンパ腫に対する最前線治療としてのリポソームビンカアルカロイ
ドの使用 本実施例は、リンパ腫、特に非ホジキンリンパ腫(低分化型または中等度分化
型)を示す患者の治療のための、他の化学療法と組合せた、最前線治療としての
リポソームビンカアルカロイドの使用を説明する。形質転換化または攻撃的NH
Lを示す患者は、最前線治療としてこの改良型組合せ治療を摂取し得るし、ある
いは医者は、全実施例に記載したような単一剤OncoTCS(商標)治療を選択し得
る。下記の組合せ療法養生法は、毒性を非常に低減して、本発明のリポソーム中
に送達する場合、非常に高用量のビンクリスチンを投与し得るという意外な結果
を利用する。
【0093】 好ましい組合せ養生法は、:シクロホスファミド、ヒドロキシダウノルビシン
(ドキソルビシン)、OncoTCS(商標)およびプレドニソンを包含する改良型C
HOP養生法(「リポ−CHOP」)である。一治療サイクルは約5日を要し、
サイクルは約21〜28日毎に反復される。模範的サイクルは、以下からなる: シクロホスファミド(750 mg/m2IV、d1) ヒドロキシダウノルビシン(50 mg/m2IV、d1) OncoTCS(商標)(50 mg/m2IV、d1(最高値なし)) プレドニソン(100 mgPOqdx5日)
【0094】 標準CHOP治療に必要な同一看護介入を用いて、治療を実施する。 改良型CHOP治療を受けている患者は、部分的および完全寛解率、寛解期間
/処置後の再発時間、および生存時間中央値において、標準CHOPを上回る有
意の改善を示すと予測される。
【0095】 実施例4:単一剤リポソームビンクリスチンによるリンパ腫の治療 さらなる試験では、異なる種類のリンパ腫を示す50名のヒト患者を、実施例2
に記載したような単剤リポソームビンクリスチンで処置した。結果は、以下の表
に示す通りであった。
【0096】
【表2】 18%が等級3〜4の神経毒性。毒性死なし。 CR=完全応答。 PR=部分応答。 一次難治性とは、初期治療に対する応答が観察されなかったことを意味する。 ABMT=自系骨髄移植片。
【0097】 さらに、これらの結果は、リポソームビンクリスチンの単剤治療がリンパ腫の
ための優れた治療であることを示す。これらの結果は、リポ−CHOPにおける
リポソームビンクリスチンに関する、ならびにリンパ腫の単剤最前線治療に関す
る役割を強く示唆する。
【0098】 実施例5:付加的研究 図1は、本明細書中に記載した方法を用いた臨床試験に関する結果を提供する
。これは、不活性、形質転換化、再発性および攻撃的後骨髄移植片(BMT)形
態の非ホジキンリンパ腫の治療において、本発明の方法が特に有効である、とい
うことを実証している。
【0099】 実施例6:前の養生法数当たりのリポソームビンクリスチンに対する応答 図2は、再発性攻撃的NHLを有する評価可能患者の数、完全応答または寛解
(CR)を示したこのような患者の数、部分応答または寛解(PR)を示したこ
のような患者の数、CRまたはPRを示したパーセンテージ、ならびに各パーセ
ンテージ値に関する95%信頼区間を示す結果を提供する。これらのデータは、前
治療を1回、前治療を2回またはそれ以上受けたことのある患者、そして後者群
のうち、本試験の直前の治療に応答した者および前の治療に応答しなかった者に
関して示している。 本試験は、本発明の方法が各部類の患者を治療するのに非常に有効であること
を実証する。
【0100】 本明細書中に記載した実施例および態様は説明のためのみのものであって、種
々の修正または変更は、その見地において、当業者に示唆されており、本出願の
精神および範囲、ならびに添付の特許請求の範囲内に含まれるべきである、と理
解される。本明細書中に引用された出版物、特許および特許出願はすべて、すべ
ての目的に関してこれらの記載内容は、参照により本明細書中に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、特に不活性、形質転換化、再発性および攻撃的骨髄移植(BMT)後
形態の非ホジキンリンパ腫の治療における方法の効力に関して、本明細書中に記
載した方法を用いた臨床試験に関する結果を提供する。
【図2】 図2は、特に従来の養生法群の効果に関して、再発性攻撃的NHLにおけるリ
ポソームビンクリスチンに対する応答に関する結果を提供する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/7088 A61K 31/7088 39/00 39/00 Z 39/395 39/395 T 47/02 47/02 47/12 47/12 47/24 47/24 47/26 47/26 47/28 47/28 A61P 35/00 A61P 35/00 35/02 35/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 カバニラス,フェルナンド アメリカ合衆国,テキサス 77030,ヒュ ーストン,シェークスピア ロード 2316,ボックス 68 (72)発明者 ロガン,パトリシア エム. カナダ国,ブリティッシュ コロンビア ブイ5ブイ 2ティー6,バンクーバー, オーブレイ プレイス 462 (72)発明者 バージ,クライブ ティー.,アール. カナダ国,ブリティッシュ コロンビア ブイ8エム 1シー2,ブレントウッド ベイ,デイムラート ウェイ 917 (72)発明者 ゴールディ,ジェームズ エイチ. カナダ国,ブリティッシュ コロンビア ブイ6ケー 1ワイ9,バンクーバー,ウ エスト セブンス アベニュ 2558 (72)発明者 ウェブ,マーリー エス. カナダ国,ブリティッシュ コロンビア ブイ4シー 3ワイ5,デルタ,サンセッ ト ドライブ 8467 Fターム(参考) 4C076 AA19 AA95 BB13 CC27 DD26 DD41 DD43 DD63 DD66 DD70 FF16 FF63 FF67 4C085 AA03 AA14 BB01 EE03 GG02 4C086 AA01 AA02 CB05 DA10 DA35 EA10 EA16 MA01 MA02 MA03 MA04 MA05 MA07 MA24 MA66 NA06 NA12 NA13 ZB26 ZB27

Claims (77)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 哺乳類における再発癌の治療方法であって、リポソーム封入
    ビンカアルカロイドを含む医薬組成物を前記哺乳類に投与することを含む方法。
  2. 【請求項2】 前記再発癌がリンパ腫または白血病である請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 前記再発癌が非ホジキンリンパ腫である請求項1の方法。
  4. 【請求項4】 前記非ホジキンリンパ腫が低分化型非ホジキンリンパ腫、中
    等度分化型非ホジキンリンパ腫、濾胞性リンパ腫、大細胞型リンパ腫、B細胞リ
    ンパ腫、T細胞リンパ腫、外套細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、NK細胞リ
    ンパ腫および急性リンパ芽球性リンパ腫から成る群から選択される一員である請
    求項1の方法。
  5. 【請求項5】 前記ビンカアルカロイドがビンクリスチンである請求項1の
    方法。
  6. 【請求項6】 前記ビンカアルカロイドがビンブラスチン、ビンデシンおよ
    びビノレルビンから成る群から選択される請求項1の方法。
  7. 【請求項7】 前記リポソームがジステアロイルホスファチジルコリンを含
    む請求項1の方法。
  8. 【請求項8】 前記リポソームがコレステロールをさらに含む請求項7の方
    法。
  9. 【請求項9】 前記リポソームがスフィンゴミエリンを含む請求項1の方法
  10. 【請求項10】 前記リポソームがコレステロールをさらに含む請求項9の
    方法。
  11. 【請求項11】 前記リポソームがpH勾配を含む請求項1の方法。
  12. 【請求項12】 pH勾配が、前記リポソームの外側より内側の方がpHが
    低くなっている請求項11の方法。
  13. 【請求項13】 前記哺乳類がヒトである請求項1の方法。
  14. 【請求項14】 前記哺乳類が予め少なくとも1回の化学療法処置を受けて
    いる請求項1の方法。
  15. 【請求項15】 前記少なくとも1つの化学療法処置が遊離形態のビンカア
    ルカロイドの投与を含む請求項14の方法。
  16. 【請求項16】 前記遊離形態のビンカアルカロイドがビンクリスチン、ビ
    ンブラスチン、ビンデシンおよびビノレルビンから成る群から選択される一員で
    ある請求項15の方法。
  17. 【請求項17】 前記少なくとも1つの化学療法処置がアントラサイクリン
    含有組合せ養生法の投与を含む請求項14の方法。
  18. 【請求項18】 前記アントラサイクリンがドキソルビシンである請求項1
    7の方法。
  19. 【請求項19】 前記哺乳類が前記癌の再発前に前記化学療法に対する部分
    応答または完全応答を示した請求項14の方法。
  20. 【請求項20】 前記再発が二回目の再発である請求項19の方法。
  21. 【請求項21】 前記リポソーム封入ビンカアルカロイドが静脈内送達によ
    り全身に投与される請求項1の方法。
  22. 【請求項22】 前記リポソーム封入ビンカアルカロイドが少なくとも1つ
    の付加的な化学療法薬と同時投与される請求項1の方法。
  23. 【請求項23】 前記少なくとも1つの付加的な化学療法薬がシクロホスフ
    ァミド、ドキソルビシン、プレドニソンおよびそれらの組合せから成る群から選
    択される一員である請求項22の方法。
  24. 【請求項24】 前記リポソーム封入ビンカアルカロイドが少なくとも1つ
    の付加的な抗腫瘍薬と同時投与される請求項1の方法。
  25. 【請求項25】 前記付加的な抗腫瘍薬がモノクローナル抗体である請求項
    24の方法。
  26. 【請求項26】 前記モノクローナル抗体がリツキサン(商標、Rituxan)
    、オンコリム(商標、Oncolym)およびベキサール(商標、Bexxar)から成る群
    から選択される一員である請求項25の方法。
  27. 【請求項27】 前記付加的な抗腫瘍薬がアンチセンス薬または抗腫瘍ワク
    チンである請求項24の方法。
  28. 【請求項28】 前記ビンクリスチンが約1.4〜約2.4 mg/m2の用量で前記患
    者に投与される請求項5の方法。
  29. 【請求項29】 前記ビンクリスチンが7〜21日毎に1回前記患者に投与され
    る請求項5の方法。
  30. 【請求項30】 前記ビンクリスチンが14日毎に1回前記患者に投与される
    請求項5の方法。
  31. 【請求項31】 患者における非ホジキンリンパ腫の治療方法であって、リ
    ポソーム封入ビンカアルカロイドを含む医薬組成物を患者に投与することを含み
    、前記組成物がカルジオリピンを含有しない方法。
  32. 【請求項32】 前記ビンカアルカロイドがビンクリスチンである請求項3
    1の方法。
  33. 【請求項33】 前記ビンカアルカロイドの用量が約1.4 mg/m2より多い請
    求項31の方法。
  34. 【請求項34】 前記用量が約1.4〜約2.4 mg/m2である請求項33の方法。
  35. 【請求項35】 前記組成物が7〜21日毎に1回前記患者に投与される請求
    項33の方法。
  36. 【請求項36】 前記組成物が14日毎に1回前記患者に投与される請求項3
    5の方法。
  37. 【請求項37】 前記ビンカアルカロイドがビンブラスチン、ビンデシンお
    よびビノレルビンから成る群から選択される一員である請求項31の方法。
  38. 【請求項38】 前記リポソームが中性脂質を含む請求項31の方法。
  39. 【請求項39】 前記リポソームがジステアロイルホスファチジルコリンを
    含む請求項31の方法。
  40. 【請求項40】 前記リポソームがコレステロールをさらに含む請求項39
    の方法。
  41. 【請求項41】 前記リポソームがスフィンゴミエリンを含む請求項31の
    方法。
  42. 【請求項42】 前記リポソームがコレステロールをさらに含む請求項41
    の方法。
  43. 【請求項43】 前記リポソームがpH勾配を含む請求項31の方法。
  44. 【請求項44】 pH勾配が、前記リポソームの外側より内側の方がpHが
    低くなっている請求項43の方法。
  45. 【請求項45】 前記非ホジキンリンパ腫が再発非ホジキンリンパ腫である
    請求項31の方法。
  46. 【請求項46】 前記患者が予め少なくとも1回の化学療法処置を受けてい
    る請求項31の方法。
  47. 【請求項47】 前記少なくとも1つの化学療法処置が遊離形態のビンカア
    ルカロイドの投与を含む請求項46の方法。
  48. 【請求項48】 前記遊離形態のビンカアルカロイドがビンクリスチン、ビ
    ンブラスチン、ビンデシンおよびビノレルビンから成る群から選択される一員で
    ある請求項47の方法。
  49. 【請求項49】 前記少なくとも1つの化学療法処置がアントラサイクリン
    含有組合せ養生法の投与を含む請求項46の方法。
  50. 【請求項50】 前記アントラサイクリンがドキソルビシンである請求項4
    9の方法。
  51. 【請求項51】 前記患者が前記非ホジキンリンパ腫の再発前に前記化学療
    法処置に対する部分応答または完全応答を示した請求項46の方法。
  52. 【請求項52】 前記リポソーム封入ビンカアルカロイドが全身送達により
    投与される請求項31の方法。
  53. 【請求項53】 前記全身送達が静脈内送達を含む請求項52の方法。
  54. 【請求項54】 前記リポソーム封入ビンカアルカロイドが少なくとも1つ
    の付加的な化学療法薬と同時投与される請求項31の方法。
  55. 【請求項55】 前記少なくとも1つの付加的な化学療法薬がシクロホスフ
    ァミド、ドキソルビシン、プレドニソンおよびそれらの組合せから成る群から選
    択される一員である請求項54の方法。
  56. 【請求項56】 前記リポソーム封入ビンカアルカロイドが少なくとも1つ
    の付加的な抗腫瘍薬と同時投与される請求項31の方法。
  57. 【請求項57】 前記付加的な抗腫瘍薬がモノクローナル抗体である請求項
    56の方法。
  58. 【請求項58】 前記モノクローナル抗体がリツキサン(商標、Rituxan)
    、オンコリム(商標、Oncolym)およびベキサール(商標、Bexxar)から成る群
    から選択される一員である請求項57の方法。
  59. 【請求項59】 前記付加的な抗腫瘍薬がアンチセンス薬または抗腫瘍ワク
    チンである請求項56の方法。
  60. 【請求項60】 哺乳類における形質転換癌の治療方法であって、リポソー
    ム封入ビンカアルカロイドを含む医薬組成物を前記哺乳類に投与することを含む
    方法。
  61. 【請求項61】 前記形質転換癌が非ホジキンリンパ腫である請求項60の
    方法。
  62. 【請求項62】 前記ビンカアルカロイドがビンクリスチンである請求項6
    0の方法。
  63. 【請求項63】 前記リポソームがスフィンゴミエリンおよびコレステロー
    ルを含む請求項60の方法。
  64. 【請求項64】 哺乳類における新形成の治療方法であって、約1.4〜約2.4
    mg/m2の用量でリポソーム封入ビンカアルカロイドを前記哺乳類に投与すること
    を含む方法。
  65. 【請求項65】 前記ビンカアルカロイドが7〜21日毎に1回前記哺乳類に
    投与される請求項64の方法。
  66. 【請求項66】 前記ビンカアルカロイドが14日毎に1回前記哺乳類に投与
    される請求項65の方法。
  67. 【請求項67】 前記ビンカアルカロイドが神経毒に対する予防的または治
    療的処置とともに前記哺乳類に同時投与される請求項64の方法。
  68. 【請求項68】 哺乳類における新形成の治療に用いるためのキットであっ
    て、リポソーム封入ビンカアルカロイドの調製に有用な構成成分、リポソーム封
    入ビンカアルカロイドを調製するための使用説明書および前記新形成の治療にお
    けるリポソーム封入ビンカアルカロイドの使用のための使用説明書を包含するキ
    ット。
  69. 【請求項69】 少なくとも3つのバイアルを含み、バイアルの1つが硫酸
    ビンクリスチン、マンニトール緩衝液および酢酸ナトリウムを含有し、バイアル
    の1つがクエン酸緩衝液中に懸濁されたスフィンゴミエリンおよびコレステロー
    ルを含むリポソームを含有し、そしてバイアルの1つがアルカリ性リン酸塩緩衝
    液を含有する請求項68のキット。
  70. 【請求項70】 哺乳類における新形成の治療に用いるためのキットであっ
    て、リポソーム封入ビンカアルカロイドの安定な処方物、前記新形成の治療にお
    けるリポソーム封入ビンカアルカロイドの使用のための使用説明書を含むキット
  71. 【請求項71】 非ホジキンリンパ腫を治療するための薬剤の製造に用いる
    ためのリポソーム性ビンクリスチンの使用。
  72. 【請求項72】 前記ビンクリスチンの用量が約1.4〜約2.4 mg/m2である請
    求項71の使用。
  73. 【請求項73】 前記ビンクリスチンがスフィンゴミエリンを含むリポソー
    ム中に封入される請求項71の使用。
  74. 【請求項74】 前記リポソームがコレステロールをさらに含む請求項73
    の使用。
  75. 【請求項75】 前記非ホジキンリンパ腫が再発非ホジキンリンパ腫である
    請求項65の使用。
  76. 【請求項76】 前記非ホジキンリンパ腫が不活性非ホジキンリンパ腫であ
    る請求項65の使用。
  77. 【請求項77】 前記非ホジキンリンパ腫が形質転換非ホジキンリンパ腫で
    ある請求項65の使用。
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