JP2002537369A - [1,1’:4’,1”]−テルフェニル化合物の製造法 - Google Patents

[1,1’:4’,1”]−テルフェニル化合物の製造法

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JP2002537369A
JP2002537369A JP2000600960A JP2000600960A JP2002537369A JP 2002537369 A JP2002537369 A JP 2002537369A JP 2000600960 A JP2000600960 A JP 2000600960A JP 2000600960 A JP2000600960 A JP 2000600960A JP 2002537369 A JP2002537369 A JP 2002537369A
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シュテファン、シェーラー
シュテフェン、ハーバー
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クラリアント・ゲーエムベーハー
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C67/00Preparation of carboxylic acid esters
    • C07C67/30Preparation of carboxylic acid esters by modifying the acid moiety of the ester, such modification not being an introduction of an ester group
    • C07C67/333Preparation of carboxylic acid esters by modifying the acid moiety of the ester, such modification not being an introduction of an ester group by isomerisation; by change of size of the carbon skeleton
    • C07C67/343Preparation of carboxylic acid esters by modifying the acid moiety of the ester, such modification not being an introduction of an ester group by isomerisation; by change of size of the carbon skeleton by increase in the number of carbon atoms

Abstract

(57)【要約】 本発明は、 【化1】 式(1)[式中、Rは水素または(C〜C)アルキル基であり、Rは水素、(C〜C)アルキル基または(C〜C)アルコキシ基を表し、Rは水素、直鎖(C〜C12)アルキル基、置換されていないフェニル基または1または2個の(C〜C)アルキル基または(C〜C)アルコキシ基により置換されたフェニル基、または基−(CHOR(ここでxは1〜4の整数であり、Rは(C〜C)アルキル基である)]の[1,1’:4’,1”]−テルフェニル化合物の製造法に関する。該方法により、式(2)(式中、Aは1価の金属またはMeXであり、Meは2価の金属であり、XはCl、BrまたはIであり、RはAまたは三置換されたシリル基であるか、または水素を除いて式(I)に示す意味を有する)の金属アリールをホウ酸エステルと、−80〜40℃で、不活性溶剤の存在下で反応させる。反応生成物を加水分解により式(3)のボロン酸に転化する。ボロン酸、ボロン酸から脱水により得られる無水ボロン酸、またはボロン酸と無水ボロン酸の混合物をアルコールと反応させ、ボロン酸エステルを式(4)[式中、DはCl、Br、I、OS−C n+1、またはN (ここでYはClO 、BF またはHSO である)を表す]のビフェニル化合物と、40〜180℃で、触媒、酸結合剤および極性溶剤の存在下で反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、4”位置で置換された[1,1’:4’,1”]−テルフェニル(t
erphenyl)化合物の製造法に関するものである。
【0002】 アルコキシ基が中程度の鎖長を有するアルキル基を含む4”−アルコキシテル
フェニル−4−カルボン酸は、エキノカンジンB大環状化合物と共に、抗生、特
に殺真菌、特性を有する活性成分を製造するための構築ブロックとして使用され
る。
【0003】 これらの活性成分は、新奇な作用原理を示すので、特に重要である(国際特許
第WO94/25050号およびヨーロッパ特許第0561639号各明細書)
【0004】 その群の中で注目すべき4”置換されたp−テルフェニルは、4”−n−ペン
トキシ[1,1’:4’,1”]−テルフェニル−4−カルボン酸であり、この
化合物は、エキノカンジンB大環状化合物とカップリングした後、優れた特性を
有する生成物になる。
【0005】 国際特許第WO94/25050号明細書には、4”−n−ペントキシ[1,
1’:4’,1”]−テルフェニル−4−カルボン酸の多段階製造法が開示され
ている(28および29頁、パートA、パートBおよびパートC参照)。
【0006】 第一工程で、4’−ブロモ−4−ヒドロキシビフェニルをハロゲン化n−ペン
チルと反応させ、対応する4’−ブロモ−4−n−ペントキシビフェニルを形成
させる。第二工程では、この4’−ブロモ−4−n−ペントキシビフェニルをn
−ブチルリチウムと−78℃で反応させ、金属交換反応により、4’−リチウム
−4−n−ペントキシビフェニルを形成し、この化合物を、別の工程で同様に−
78℃で、ホウ酸トリイソプロピルと反応させる。加水分解および精製処理によ
り、4’−n−ペントキシビフェニル−4−ボロン酸が得られ、これをさらに別
の工程で、標準的なSuzukiカップリングで4−ヨード安息香酸と反応させる。4
”−n−ペントキシ[1,1’:4’,1”]−テルフェニル−4−カルボン酸
が粗製物として得られるので、これをシリカゲル上のクロマトグラフィーにより
精製する。
【0007】 この合成様式を以下に、簡略化した形態で図式的に示す。
【化5】
【0008】 国際特許第WO94/25050号明細書には、4−(4−n−ペンチルオキ
シフェニル)フェニルボロン酸形成までの段階(パートAおよびパートB)に関
してのみ収率が記載されている。4”−n−ペントキシ[1,1’:4’,1”
]−テルフェニル−4−カルボン酸の製造に関連するパートCでは収率に関する
記載は無い。
【0009】 ヨーロッパ特許第0561639号明細書には、上記の反応工程2、3および
4を使用し、工程4で4−ヨード安息香酸の代わりに4−ヨード安息香酸メチル
を使用する4”−n−ペントキシ[1,1’:4’,1”]−テルフェニル−4
−カルボン酸メチルの製造が記載されている。4’−n−ペントキシビフェニル
−4−ボロン酸の収率は44%であり、この化合物と4−ヨード安息香酸メチル
の反応では収率が64%であり(26頁、表15および16、それぞれ第2行の
説明、参照)、これは、全体的な収率が、4’−ブロモ−4−n−ペントキシビ
フェニルに対して28.2%に過ぎないことを意味する。
【0010】 上記の方法には幾つかの欠点がある。一つには、非常に純粋な4’−ブロモ−
4−ヒドロキシビフェニルから出発する必要があるが、これは、最終的な生成物
中に必要な異性体品質を得るためには、Br位置異性体の含有量を最少に抑える
必要があるためである。他方、工程2における金属交換反応は、非常に低い温度
で行なわなければならないので、かなり複雑である。この反応が特別な温度範囲
内に維持されない場合、および/または反応時間が長過ぎる場合、二量体化の結
果、対応する4,4'''−ジ−n−ペントキシ−[1,1’:4’,1”:4”
,1''']−クァテルフェニルが製造される。しかし、この化合物は、非常に複
雑な方法でしか、所望の最終生成物から除去できない。工程3における反応も非
常に低い温度で行なう。もう一つの欠点は、4”−ペントキシ[1,1’:4’
,1”]−テルフェニル−4−カルボン酸が非常に不純な粗製物として得られる
ことは明らかであり、シリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製しなければ
ならない。
【0011】 そこで、本発明の目的は、上記の欠点を回避し、妥当な努力で実行できる方法
を提供することである。
【0012】 この目的は、式
【化6】 [式中、Rは水素または直鎖または分岐したC〜Cアルキル基、特に水素、
〜Cアルキル基、またはC(CH、であり、Rは水素、直鎖また
は分岐したC〜Cアルキル基、または直鎖または分岐したC〜Cアルコ
キシ基、特に水素、C〜Cアルキル基、またはC〜Cアルコキシ基、好
ましくは水素、であり、Rは水素、直鎖C〜C12アルキル基、置換されて
いないフェニル基、1または2個のC〜Cアルキル基、またはC〜C
ルコキシ基により置換されたフェニル基、または基−(CHOR(ここ
でxは1〜4の整数であり、Rは直鎖または分岐したC〜Cアルキル基で
ある)、特に直鎖C〜Cアルキル基、置換されていないフェニル基、または
基−(CHOR(ここでxは1〜4の整数であり、Rは直鎖または分
岐したC〜Cアルキル基である)、好ましくは直鎖C〜Cアルキル基、
または基−(CHOR(ここでxは1〜2の整数であり、Rは直鎖ま
たは分岐したC〜Cアルキル基である)である] の[1,1’:4’,1”]−テルフェニル化合物の製造法により達成される。
【0013】 本方法は、式
【化7】 (式中、Aは1価の金属またはMeXであり、Meは2価の金属であり、XはC
l、Br、またはIであり、RはAまたは三置換されたシリル基であるか、ま
たは水素を除いて式(I)に示す意味を有する) の金属アリールをホウ酸エステルと、−80〜40℃で、不活性溶剤の存在下で
反応させ、反応生成物を加水分解により式
【化8】 のボロン酸に転化させ、ボロン酸、ボロン酸から水を除去することにより得られ
る無水ボロン酸、またはボロン酸と無水ボロン酸の混合物をアルコールと反応さ
せ、それによって形成されたボロン酸エステルを式
【化9】 [式中、RおよびRは式(I)で示す意味を有し、DはCl、Br、I、O S−C2n+1(ここでnは1〜4の整数である)、またはN (こ
こでYはClO 、BF またはHSO である)である] のビフェニル化合物と、40〜180℃で、触媒および極性溶剤の存在下で反応
させることを含んでなる。
【0014】 本発明の方法を以下に簡略化された形態で図式的に示す。
【化10】
【0015】 式(2)の金属アリールは、p位置で適当にハロゲン化されたベンゼン誘導体
を例えばMgまたはアルキルLiと反応させることにより製造することができる
。所望の最終生成物から分離するのが非常に困難なクァテルフェニル化合物は形
成されない。金属アリールとホウ酸エステルの反応は、国際特許第WO94/2
5050号に示されている低温をどの様な場合にも必要としない。グリニャール
化合物により、国際特許第WO94/25050号明細書に示されている温度よ
り明らかに高い温度で反応させることができる。
【0016】 通常、式(2)の、AがLi、Na、K、MgX、またはZnX、特にLi、
MgX、またはZnXであり、XがCl、BrまたはI、特にCl、またはBr
、である金属アリールを使用する。
【0017】 式(2)の、AがMgCl、MgBrまたはMgI、特にMgClまたはMg
Br、好ましくはMgCl、である金属アリールを使用する場合、本方法は特に
簡単である。
【0018】 すでに上に述べた様に、式(2)の、RがAまたは三置換されたシリル基で
あるか、または式(1)の化合物で示した意味を有する(ただし、この場合、水
素では有り得ない)金属アリールを使用する。
【0019】 式(1)の、Rが水素であるテルフェニル化合物を製造しようとする場合、
がAまたは三置換されたシリル基である金属アリール(2)から出発し、反
応生成物のその後の処理により、適当なフェノール系テルフェニル化合物を得る
ことが可能である。
【0020】 金属アリール中の三置換されたシリル基は、基SiRであり、その
際、基R、RおよびRは、同一であるか、または異なるものであって、フ
ェニル基またはC〜Cアリール基であり、特に同一であり、C〜Cアリ
ール基である。シリル基は保護基として作用し、反応後に容易に除去し、適当な
フェノール基を形成することができる。特に適当な三置換されたシリル基はSi
(CH基である。
【0021】 ホウ酸エステルB(OR’)[R’は互いに同一であるか、または異なって
おり、直鎖または分岐したC〜Cアルキル基、フェニル基(置換されていな
いか、または1または2個のC〜Cアルキル基、またはC〜Cアルコキ
シ基、特に直鎖または分岐したC〜Cアルキル基、により置換されている)
、フェニル基(置換されていないか、または1または2個のC〜Cアルキル
基により置換されている)、好ましくは直鎖または分岐したC〜Cアルキル
基、または置換されていないフェニル基、特に好ましくは直鎖または分岐したC 〜Cアルキル基である]を使用する。
【0022】 R’が同一であるホウ酸エステルは特に容易に入手できるので、多くの場合に
使用される上記の型のホウ酸エステルは同一のR’基を有する。その様なホウ酸
エステルの例は、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリ−n−プロ
ピル、ホウ酸トリイソプロピル、ホウ酸トリ−n−ブチル、ホウ酸トリイソブチ
ルである。
【0023】 金属アリールとホウ酸エステルの反応は、最初に述べた様に、−80〜+40
℃、特に−70〜10℃、好ましくは−40〜0℃で行なう。使用する不活性溶
剤は、例えば各アルキル基中に1〜4個の炭素原子を有するジアルキルエーテル
、環中に4または5個の炭素原子を有する環状脂肪族エーテル、例えばテトラヒ
ドロフランまたは1,4−ジオキサン、ホルムアルデヒドジアルキルアセタール
、各アルキル基中に1〜4個の炭素原子を有する1,2−ジアルキルグリコール
エーテル、それらの混合物、またはそれらとトルエンの混合物、特に各アルキル
基中に1〜4個の炭素原子を有するジアルキルエーテル、テトラヒドロフラン、
各アルキル基中に1〜4個の炭素原子を有する1,2−ジアルキルグリコールエ
ーテル、それらの混合物、またはそれらとトルエンの混合物、好ましくはテトラ
ヒドロフラン、ジブチルグリコールエーテル、メチルtert−ブチル、ジエチ
ルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、それらの混合
物、またはそれらとトルエンの混合物である。
【0024】 ホウ酸エステルと金属アリールの反応により塩状の付加物(ホウ酸塩)が形成
される。この反応が完了した後、反応混合物を水または水/氷混合物と接触させ
ることにより、R基として(場合により)基Aまたは三置換されたシリル基を
含む反応生成物、およびなお存在する未反応金属アリールを分解させる。塩状付
加物および金属アリールの両方共、低温でも非常に急速に反応するので、反応生
成物の加水分解は、金属アリールが加水分解するのと同様に非常に急速に起こる
。これによって、ボロン酸(3)が形成され、反応生成物および(場合により)
やはりなお存在する加水分解された金属アリールから誘導される塩が製造される
【0025】 塩、特に塩基性塩、を溶解させるには、得られる水性混合物を、例えば鉱酸、
特に塩酸または硫酸、を加えることにより酸性化する。pHを0〜4、特に0.
5〜3、好ましくは1〜2、に調節し、塩を完全に溶解させるとよい。
【0026】 次いで、相分離を行ない、不活性溶剤およびボロン酸を含む有機相を分離する
。必要であれば、適当な溶剤、例えばエーテル、塩化メチレン、クロロホルム、
トルエン、クロロベンゼン、を加えることにより、相分離し易くすることができ
る。 分離された有機相を水と混合し、なお存在する塩をすべて溶解させ、否値溶剤
、および場合により相分離し易くするために使用した溶剤を留別する。
【0027】 これによってボロン酸が固体として得られるので、これを濾別し、乾燥させる
。乾燥を温度30℃以上、特に50℃以上で行なうと、ボロン酸が水を放出し初
め、対応する無水物を形成する。無水ボロン酸の形成は、一方で温度レベルによ
り、他方、ボロン酸を加熱する時間により左右される。高温および長い露出時間
が無水ボロン酸の形成に好ましい。
【0028】 ボロン酸が望ましい場合、乾燥を低温、真空下で行なうとよい。
【0029】 無水ボロン酸を例えば水性アルカリで加水分解し、その後、ボロン酸の塩を含
む水溶液を酸性化することにより、ボロン酸を放出することもできる。
【0030】 多くの場合、ボロン酸と無水ボロン酸の混合物が形成される。無水ボロン酸は
環状無水物、特に三量体状無水ボロン酸、を含んでなる。場合により、無水物の
混合物が形成されることもある。ボロン酸、無水ボロン酸およびボロン酸と無水
ボロン酸の混合物は、必要であれば、適当な溶剤、例えば脂肪族、環状脂肪族お
よび/または芳香族炭化水素中で再結晶させることにより、精製することができ
る。
【0031】 続く工程で、ボロン酸、無水ボロン酸またはボロン酸と無水ボロン酸を含む混
合物をアルコールと反応させる。エステル化は、通常の方法により行なう。触媒
、例えば酸、を加える必要は無い。ボロン酸、無水ボロン酸またはボロン酸と無
水ボロン酸の混合物は触媒として作用することができる。エステル化は通常、5
0〜150℃、特に60〜140℃で進行させる。
【0032】 反応を容易にするために、エステル化の結果として形成される水を除去するの
がよい。これは、例えば共沸蒸留により水を除去するか、または脱水剤、例えば
オルトギ酸エステル、の添加により、行なうことができる。水を共沸除去するた
めの適当なエントレイナー(entrainer)は、例えば脂肪族または芳香族炭化水素
、塩素化脂肪族または芳香族炭化水素、エーテルまたはケトンである。エントレ
イナーとしては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロペンタン、シクロヘキ
サン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン、ジクロロメタン、ク
ロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、ジクロロベン
ゼン、クロロトルエンまたはジクロロトルエンが挙げられるが、これですべてで
はない。
【0033】 使用するアルコールは、C〜Cアルキルアルコール、C〜Cアルカン
−1,2−ジオール、C〜Cアルカン−1,3−ジオール、C〜Cアル
カン−1,4−ジオールまたは1,2−ジヒドロベンゼン、特に、C〜C
ルキルアルコール、C〜Cアルカン−1,2−ジオール、C〜Cアルカ
ン−1,3−ジオール、好ましくはC〜Cアルキルアルコール、C〜C アルカンジオール、またはC〜Cアルカン−1,3−ジオールである。
【0034】 アルキルアルコールの例は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i
−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、n−ペンタノール、2−メ
チルペンタノール、n−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、特にメタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、およ
びi−ブタノールである。
【0035】 適当なアルカンジオールの例はエチレングリコール、プロパン−1,3−ジオ
ールおよび2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール(ネオペンチルグリコ
ール)である。
【0036】 アルコールとの反応により、対応するボロン酸エステルが形成され、次いでこ
のボロン酸エステルを、触媒、酸結合剤および極性溶剤の存在下で、式(4)の
ビフェニル化合物と反応させる。
【0037】 しかし、ボロン酸エステルの代わりに、式(3)のボロン酸、脱水によりボロ
ン酸から得られる無水ボロン酸、またはボロン酸と無水ボロン酸の混合物をこの
反応に使用し、それによって、ボロン酸、無水ボロン酸、またはボロン酸と無水
ボロン酸の混合物とアルコールの反応によるボロン酸エステルの製造を省略する
こともできる。
【0038】 ボロン酸エステルの反応、またはボロン酸、無水ボロン酸、またはボロン酸と
無水ボロン酸の混合物の反応は、すでに述べた様に、40〜180℃、特に50
〜130℃、好ましくは60〜120℃、で行なう。使用できる酸結合剤は、ア
ミン、例えば脂肪族アミン、特にトリアルキルアミン、有機または無機酸の塩基
性塩、特に有機または無機酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、例え
ば酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、NaPO、KPO、NaHCO
KHCO、NaCO、KCO、MgCO、CaCO、またはアル
カリ金属酸化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ土
類金属水酸化物、例えばNaOH、KOH、Mg(OH)、またはCa(OH
、である。
【0039】 非常に適当な酸結合剤は、アルカリ金属重炭酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アル
カリ土類金属重炭酸塩およびアルカリ土類金属炭酸塩、特にNaCO、およ
びKCO、好ましくはNaCO、である。特に使用する式(4)のビフ
ェニル化合物は、Rが水素または直鎖または分岐したC〜Cアルキル基、特
に水素、C〜Cアルキル基、またはC(CH、好ましくはCH、ま
たはC(CH、であり、Rが水素、直鎖または分岐したC〜Cアル
キル基、またはC〜Cアルコキシ基、特に水素、C〜Cアルキル基、ま
たはC〜Cアルコキシ基であり、DはCl、Br、I、またはN
特にCl、Brまたは、I、好ましくはBrまたはI、である化合物である。
【0040】 極性溶剤としては、プロトン性および非プロトン性の双極性溶剤、特にアルコ
ール、スルホキシド、スルホン、アミドおよび適当であれば水またはそれらの混
合物、を使用することができる。アルコールの例は、直鎖または分岐したC
アルキルアルコール、エチレングリコール、式HO−(CH−CH−O
H(n=2〜1000)のポリエチレングリコールまたはこれらのアルコー
ル同士の、またはこれらのアルコールと水の混合物、特にエチレングリコール、
〜Cアルキルアルコールとエチレングリコールとの、またはポリエチレン
グリコールとの、または水との混合物、好ましくはメタノールとポリエチレング
リコール、メタノールとエチレングリコール、またはブタノールと水の混合物、
である。
【0041】 スルホキシドの例はジメチルスルホキシドおよびジエチルスルホキシドである
【0042】 スルホン群の代表例としてスルホラン(チオランジオキシド)、およびアミド
群の代表例としてN−メチルピロリドンを挙げるべきである。
【0043】 多くの場合、アルコール、スルホキシド、スルホランおよび/またはアミドの
混合物も使用することができ、これらの混合物は必要に応じて水を含むこともで
きる。
【0044】 適当な触媒は、パラジウムまたはパラジウムまたはニッケル化合物である。P
d金属、Pd(0)錯体化合物、Pd(II)錯体化合物、Ni(0)錯体化合物、
およびNi(II)錯体化合物、特にホスフィン、好ましくは三置換されたホスフィ
ン、例えばトリ−n−ブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、
トリフェニルホスフィン(PPh)、を含む錯体化合物を使用することができ
る。
【0045】 Pd(0)錯体化合物の例はPd(PPh、Pd(dba)である。
【0046】 Pd(II)錯体化合物の例はPdCl(PPh、PdBr(PPh、PdCl(R”CN)PdBr(R”CN)(ここでR”=フェニ
ル、メチル)、PdCl(dppf)、PdBr(dppf)[dppf=
1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]、PdCl(COD)
、PdBr(COD)(COD=シクロオクタ−1,5−ジエン)である。
【0047】 Ni(0)錯体化合物の例はNi(PPhであり、Ni(II)錯体化合物
の例はNiCl(PPh、NiBr(PPh、NiCldp
pfおよびNiBrdppfである。
【0048】 Pd(II)化合物またはNi(II)化合物、例えば対応する塩、をホスフィンと共
に使用することもできる。この場合、対応する錯体化合物はその場で形成される
。 パラジウム化合物、例えばPdCl、Pd(アセテート)、が特に適当であ
る。
【0049】 [1,1’:4’,1”]−テルフェニル−4−カルボン酸(式(1)でR=
H)の製造では、ビフェニル化合物(4)の反応で形成される反応生成物を水お
よび酸、特に鉱酸、好ましくはHClまたはHSO、で処理し、形成される
塩を大部分または完全に加水分解させるのがよい。多くの場合、加水分解を高温
で、例えば30〜100℃で、特に60〜90℃で行なうのが適当であることが
立証されている。
【0050】 本発明は、
【化11】 にも関する。
【0051】 下記の例は本発明を詳細に説明するが、本発明を制限するものではない。
【0052】 実験項 出発材料の製造 例A 4−n−ペントキシフェニルマグネシウムクロライド(出発材料)の製造 4−ペントキシフェニルマグネシウムクロライドのテトラヒドロフラン中30
%濃度溶液134gを、マグネシウムリボン(turnings)60.8gと共に、標準
的なガラス製反応容器中のテトラヒドロフラン178gの中に、不活性ガス雰囲
気中で入れ、加熱して沸騰させる。4−クロロフェニルペンチルエーテル497
gをテトラヒドロフラン450gに入れた溶液の10分の1を加える。反応開始
後、残りのクロロ芳香族化合物を5時間かけて滴下して加える。滴下が完了した
後、さらに3時間還流加熱する。テトラヒドロフラン675gで希釈した後、室
温、不活性ガス雰囲気中で過剰のマグネシウムを濾別する。4−ペントキシフェ
ニルマグネシウムクロライドのテトラヒドロフラン中30%濃度溶液1930g
が得られる。
【0053】 4−n−ペントキシフェニルボロン酸および無水4−n−ペントキシフェニル
ボロン酸の製造 例1 4−n−ペントキシフェニルボロン酸と三量体状無水4−n−ペントキシフェニ
ルボロン酸の混合物の製造 テトラヒドロフラン390gをホウ酸トリメチル437gと共に、標準的なガ
ラス製反応容器中に、不活性ガス雰囲気中で入れ、−20℃に冷却し、4−ペン
トキシフェニルマグネシウムクロライドのテトラヒドロフラン中29%濃度溶液
3000gを、内部温度が−15℃を超えない様に加える。加え終わった後、そ
の白色懸濁液を、水1135gと氷1135gの混合物に注意深く加え、得られ
た混合物を、60%濃度の硫酸325gでpH1〜2に調節する。マグネシウム
塩が溶解した後、相を分離し、上側の生成物を含む有機相(3200g)を水3
リットルに加え、蒸留によりテトラヒドロフランを実質的に除去する。これによ
って白色固体が得られる。ボロン酸を濾別し、50℃/150mbarで乾燥させる
。これによって、4−ペントキシフェニルボロン酸540gが三量体状酸無水物
との混合物として得られる、この酸は炭化水素(ヘキサン、シクロヘキサン)か
ら再結晶させることにより、さらに精製することができる。
【0054】 例2 4−n−ペントキシフェニルボロン酸の製造 最初に得られたボロン酸と三量体状酸無水物の混合物を過剰の水酸化ナトリウ
ム中に高温で溶解させ、冷却後、氷中で冷却しながら50%濃度の塩酸を加えて
遊離のボロン酸を沈殿させることにより、純粋なボロン酸が得られる。濾過し、
水洗することにより、4−n−ペントキシフェニルボロン酸が得られるが、この
物質は融点75〜80℃(タイル上で圧迫して乾燥させる)を有し、乾燥(例え
ば乾燥加熱炉中)により三量体状酸無水物をある程度形成する。 4−ペントキシフェニルボロン酸のIRスペクトル ν:3334(O−H)、2940、1607、1413、1346、1287
、1259、1182、1172、1158、1113、1098、1021、
997、818cm−1
【0055】 例2a 三量体状無水4−n−ペントキシフェニルボロン酸の製造 最初に得られたボロン酸と三量体状酸無水物の混合物をトルエン中で共沸脱水
し、トルエンを除去した後、酸無水物をシクロペンタンで沈殿させることにより
、あるいは混合物を乾燥加熱炉中、真空下、50℃で一定重量に乾燥させること
により、純粋な酸無水物が得られる。三量体状無水4−n−ペントキシフェニル
ボロン酸は融点が102〜103℃である。 無水4−ペントキシフェニルボロン酸のIRスペクトル ν:2932、1604、1414、1381、1368、1356、1346
、1305、1292、1270、1247、1173、1021、833cm 。 4−n−ペントキシフェニルボロン酸エステルの製造
【0056】 例3 4−n−ペントキシフェニルボロン酸のグリコールエステルの製造 無水4−n−ペントキシフェニルボロン酸250gをエチレングリコール81
gと共にトルエン1000ml中に加熱して溶解させる。エステル化で形成された
水を共沸によりウォータートラップで除去する。反応完了後、先ずトルエンを留
別し、次いで残留物を真空中で分別蒸留する。これによって、沸点156℃/6
mbarの4−n−ペントキシフェニルボロン酸のグリコールエステル274gが得
られるが、この物質は数時間後に固化する(融点37〜39℃)。
【0057】 例4 4−n−ペントキシフェニルボロン酸のネオペンチルグリコールエステルの製造 無水4−n−ペントキシフェニルボロン酸505gを2,2−ジメチルプロパ
ン−1,3−ジオール274gと共にトルエン2.5リットル中に加熱して溶解
させる。エステル化で形成された水を共沸によりウォータートラップで除去する
。反応完了後、トルエンを減圧蒸留により完全に除去する。残留物にシクロヘキ
サン550mlを加え、この混合物を加熱沸騰させ、濾過し、室温に冷却する。沈
殿した4−n−ペントキシフェニルボロン酸の2,2−ジメチルプロパン−1,
3−ジオールエステルを濾別し、室温で真空乾燥させる。融点80〜82℃の4
−n−ペントキシフェニルボロン酸の2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオ
ールエステル(4−n−ペントキシフェニルボロン酸のネオペンチルグリコール
エステル)595gが得られる。 4−n−ペントキシフェニルボロン酸エステルから4”−n−ペントキシ[1,
1’:4’,1”]−テルフェニル−4−カルボン酸の製造
【0058】 例5 4”−n−ペントキシ[1,1’:4’,1”]−テルフェニル−4−カルボン
酸の製造 4’−ヨードビフェニル−4−カルボン酸162gを、4−n−ペントキシフ
ェニルボロン酸のグリコールエステル129gおよび炭酸ナトリウム79.5g
と共に、エチレングリコール1.5リットル中に入れ、強く攪拌しながら、Pd
Cl(PPh350mgを加え、混合物を80℃で6時間攪拌する。高温
の反応混合物を、37%濃度の硫酸150gおよび水1000gの混合物中に注
意深く注ぎ込み、この混合物を90〜100℃に30分間加熱する。濾過し、水
洗した後、粗製物を80℃/100mbarで乾燥させ、次いでジメチルアセトアミ
ドから再結晶させる。乾燥後、純度>99%の4”−n−ペントキシ[1,1’
:4’,1”]−テルフェニル−4−カルボン酸141g(78%)が得られる
【0059】 例6 4”−n−ペントキシ[1,1’:4’,1”]−テルフェニル−4−カルボン
酸の製造 4’−ヨードビフェニル−4−カルボン酸32.4gを、4−n−ペントキシ
フェニルボロン酸のグリコールエステル25.8gおよび炭酸ナトリウム15.
9gと共に、エチレングリコール300ml中に入れ、強く攪拌しながら、PdC
(PPh70mgを加え、混合物を120℃で6時間攪拌する。高温の
反応混合物を、37%濃度の硫酸30gおよび水200gの混合物中に注意深く
注ぎ込み、この混合物を90〜100℃に30分間加熱する。濾過し、水洗した
後、粗製物を80℃/100mbarで乾燥させ、次いでジメチルアセトアミドから
再結晶させる。乾燥後、純度>99%の4”−n−ペントキシ[1,1’:4’
,1”]−テルフェニル−4−カルボン酸25.2g(70%)が得られる。
【0060】 例7 4”−n−ペントキシ[1,1’:4’,1”]−テルフェニル−4−カルボン
酸の製造 4’−ヨードビフェニル−4−カルボン酸32.4gを、4−n−ペントキシ
フェニルボロン酸のグリコールエステル25.8gおよび炭酸ナトリウム15.
9gと共に、エチレングリコール300ml中に入れ、強く攪拌しながら、PdC
18mgおよびPPh26.6mgを加え、混合物を80℃で6時間攪拌する
。高温の反応混合物を、37%濃度の硫酸30gおよび水200gの混合物中に
注意深く注ぎ込み、この混合物を90〜100℃に30分間加熱する。濾過し、
水洗した後、粗製物を80℃/100mbarで乾燥させ、次いでジメチルアセトア
ミドから再結晶させる。乾燥後、純度>99%の4”−n−ペントキシ[1,1
’:4’,1”]−テルフェニル−4−カルボン酸24.1g(67%)が得ら
れる。
【0061】 例8 4”−n−ペントキシ[1,1’:4’,1”]−テルフェニル−4−カルボン
酸の製造 4’−ヨードビフェニル−4−カルボン酸162gを、4−n−ペントキシフ
ェニルボロン酸のグリコールエステル129gおよび炭酸ナトリウム79.5g
と共に、エチレングリコール1.5リットル中に入れ、強く攪拌しながら、Pd
(dba)溶液17.5mlを加え、混合物を80℃で6時間攪拌する。高温の
反応混合物を、37%濃度の硫酸150gおよび水1000gの混合物中に注意
深く注ぎ込み、この混合物を90〜100℃に30分間加熱する。濾過し、水洗
した後、粗製物を80℃/100mbarで乾燥させ、次いでジメチルアセトアミド
から再結晶させる。乾燥後、純度>99%の4”−n−ペントキシ[1,1’:
4’,1”]−テルフェニル−4−カルボン酸132g(73%)が得られる。
【0062】 Pd(dba)溶液の製造 不活性ガス中で、テトラクロロパラジウム酸ナトリウム1.47gをエチレン
グリコール175ml中に分散させ、60℃に加熱し、ジベンジリデンアセトン(
dba)3.65gを加えた後、60℃で15分間攪拌する。次いで、酢酸ナト
リウム7.5gを加え、室温でさらに60分間攪拌する。この暗色溶液をそのま
ま使用する。
【0063】 例9 4”−n−ペントキシ[1,1’:4’,1”]−テルフェニル−4−カルボン
酸の製造 4’−ヨードビフェニル−4−カルボン酸20.1gを、炭酸ナトリウム13
.1gおよび4−n−ペントキシフェニルボロン酸のグリコールエステル21.
4gをジメチルスルホキシド(DMSO)260g中に入れ、PdCl(PP
160mgを加えた後、100〜110℃に2時間加熱する。固体を40
℃で濾別し、ジメチルスルホキシドで洗浄し、水100ml中に分散させる。次い
でこの混合物を80℃に加熱し、37%濃度の硫酸47gを1時間かけて滴下し
ながら加える。この混合物を80℃でさらに30分間攪拌し、40℃に冷却し、
濾過する。乾燥させ、ジメチルアセトアミドから再結晶させることにより、純度
>99%の4”−n−ペントキシ[1,1’:4’,1”]−テルフェニル−4
−カルボン酸18g(81%)が得られる。
【0064】 例10 4”−n−ペントキシ[1,1’:4’,1”]−テルフェニル−4−カルボン
酸の製造 4’−ヨードビフェニル−4−カルボン酸32.4gを、4−n−ペントキシ
フェニルボロン酸のグリコールエステル25.8gおよび炭酸ナトリウム15.
9gと共に、メタノール/エチレングリコール(9:1)300ml中に入れ、強
く攪拌しながら、PdCl(PPh70mgを加え、混合物を6時間還流
攪拌する。高温の反応混合物を、37%濃度の硫酸30gおよび水200gの混
合物中に注意深く注ぎ込み、この混合物を90〜100℃に30分間加熱する。
濾過し、水洗した後、粗製物を80℃/100mbarで乾燥させ、次いでジメチル
アセトアミドから再結晶させる。乾燥後、純度>99%の4”−n−ペントキシ
[1,1’:4’,1”]−テルフェニル−4−カルボン酸28.9g(80%
)が得られる。
【0065】 例11 4”−n−ペントキシ[1,1’:4’,1”]−テルフェニル−4−カルボン
酸の製造 4’−ヨードビフェニル−4−カルボン酸162gを、4−n−ペントキシフ
ェニルボロン酸の2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオールエステル155
gおよび炭酸ナトリウム79.5gと共に、エチレングリコール1.5リットル
中に入れ、強く攪拌しながら、PdCl(PPh350mgを加え、混合
物を80℃で6時間攪拌する。高温の反応混合物を、37%濃度の硫酸150g
および水1000gの混合物中に注意深く注ぎ込み、この混合物を90〜100
℃に30分間加熱する。濾過し、水洗した後、粗製物を80℃/100mbarで乾
燥させ、次いでジメチルアセトアミドから再結晶させる。乾燥後、純度>99%
の4”−n−ペントキシ[1,1’:4’,1”]−テルフェニル−4−カルボ
ン酸43.2g(24%)が得られる。
【0066】 例12 4−n−ペントキシフェニルボロン酸から4”−n−ペントキシ[1,1’:4
’,1”]−テルフェニル−4−カルボン酸の製造 純度95%の4’−ヨードビフェニル−4−カルボン酸34.1gを、4−n
−ペントキシフェニルボロン酸26g(0.125モル)、炭酸ナトリウム15
.9g(0.15モル)および二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウ
ムPdCl(PPh70mgと共に、DMSO300ml中に入れる。この
懸濁液を80℃で6時間攪拌し、固体を濾別し、水中に入れ、37%濃度の硫酸
で酸性化し、95℃に30分間加熱し、再度濾過する。ジメチルホルムアミド(
DMF)から再結晶させることにより、4”−n−ペントキシ[1,1’:4’
,1”]−テルフェニル−4−カルボン酸22.1g(61%)が得られる。 4’−ヨードビフェニル−4−カルボン酸メチルから4”−n−ペントキシ[1
,1’:4’,1”]−テルフェニル−4−カルボン酸メチルの製造
【0067】 例13 4”−n−ペントキシ[1,1’:4’,1”]−テルフェニル−4−カルボン
酸メチルの製造 4’−ヨードビフェニル−4−カルボン酸メチル33.8g(0.1モル)を
、4−n−ペントキシフェニルボロン酸のグリコールエステル29.3g(0.
125モル)、二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム70mgおよび
炭酸ナトリウム15.9g(0.15モル)と共に、DMF300ml中に入れ、
80℃で12時間攪拌する。濾過および水洗の後、乾燥した残留物をDMFから
再結晶させる。これによって、融点248℃の4”−n−ペントキシ[1,1’
:4’,1”]−テルフェニル−4−カルボン酸メチル20.5g(45%)が
得られる。
【0068】 国際特許第WO94/25050号明細書による4”−n−ペントキシ[1,1
’:4’,1”]−テルフェニル−4−カルボン酸製造の比較例 比較例1 4−ブロモ−4’−n−ペントキシビフェニルから4’−n−ペントキシビフェ
ニル−4−ボロン酸の製造 4−ブロモ−4’−n−ペントキシビフェニル31.9g(0.1モル)をテ
トラヒドロフラン640mlに窒素雰囲気中で溶解させ、−78℃に冷却し、n−
ブチルリチウムの15%濃度ヘキサン溶液67ml(0.11モル)を2時間かけ
て滴下しながら加える。この間、内部温度は−78℃〜−65℃に維持する。滴
下が完了した後、濃い乳状の懸濁液を−78℃でさらに15分間攪拌し、次いで
ホウ酸トリイソプロピル25.5ml(0.11モル)を−78℃で15分間かけ
て滴下しながら加える。ホウ酸エステルを加えた後、得られた透明溶液を−78
℃で15分間攪拌する。続いて冷却浴を取り去り、40分後、2N塩酸100ml
で溶液をpH2に調整する。総を分離し、有機相を水および飽和食塩水で洗浄し
、次いで水200mlを加え、蒸留により溶剤を除去する。沈殿した固体を濾別し
、乾燥させる。融点148〜150℃の4’−n−ペントキシビフェニル−4−
ボロン酸25.8g(91%)が得られる。
【0069】 比較例2 4’−n−ペントキシビフェニル−4−ボロン酸から4”−n−ペントキシ[1
,1’:4’,1”]−テルフェニル−4−カルボン酸の製造 4’−n−ペントキシビフェニル−4−ボロン酸25g(0.088モル)お
よび4−ヨード安息香酸21.8g(0.088モル)を、不活性ガス雰囲気中
で、エタノール270ml、トルエン750mlおよび2M炭酸ナトリウム溶液13
2mlの混合物中に分散させ、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
5.08g(4.4ミリモル)を加えた後、還流下で18時間加熱する。灰褐色
の混合物を冷却し、酸性化し、酢酸エチルで抽出する。有機相を水および飽和食
塩水で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、Celiteを通して濾過する。溶剤を
除去することにより、固体1.2gが得られるが、この固体は、HPLC分析(
基準物質と比較)により、4”−n−ペントキシ[1,1’:4’,1”]−テ
ルフェニル−4−カルボン酸をまったく含まない。明らかに、国際特許第WO9
4/25050号による合成経路により、4”−n−ペントキシ[1,1’:4
’,1”]−テルフェニル−4−カルボン酸はまったく形成されない。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年3月8日(2001.3.8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 [式中、Rは水素または直鎖または分岐したC〜Cアルキル基であり、R は水素、直鎖または分岐したC〜Cアルキル基、または直鎖または分岐した
〜Cアルコキシ基であり、Rは水素、直鎖C〜C12アルキル基、置
換されていないフェニル基、1または2個のC〜Cアルキル基、またはC 〜Cアルコキシ基により置換されたフェニル基、または基−(CHOR (ここでxは1〜4の整数であり、Rは直鎖または分岐したC〜Cアル
キル基である)である] の[1,1’:4’,1”]−テルフェニル化合物の製造法であって、式
【化2】 (式中、Aは1価の金属またはMeXであり、Meは2価の金属であり、XはC
l、BrまたはIであり、RはAまたは三置換されたシリル基であるか、また
は水素を除いて式(I)に示す意味を有する) の金属アリールをホウ酸エステルと、−80〜40℃で、不活性溶剤の存在下で
反応させ、反応生成物を加水分解により式
【化3】 のボロン酸に転化させ、ボロン酸、ボロン酸から水を除去することにより得られ
る無水ボロン酸、またはボロン酸と無水ボロン酸の混合物をアルコールと反応さ
せ、それによって形成されたボロン酸エステルを式
【化4】 [式中、RおよびRは式(I)で示す意味を有し、DはCl、Br、I、O S−C2n+1(ここでnは1〜4の整数である)、またはN (こ
こでYはClO 、BF またはHSO である)である] のビフェニル化合物と、40〜180℃で、触媒、酸結合剤および極性溶剤の存
在下で反応させることを含んでなることを特徴とするテルフェニル化合物の製造
法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07F 5/05 C07F 5/05 A // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 Fターム(参考) 4H006 AA02 AB84 AC23 AC80 BA21 BA25 BA37 BA45 BA48 BA92 BB11 BB14 BB15 BB20 BB22 BB42 BE12 BJ50 BP30 BS30 4H039 CA41 CD20 CD90 4H048 AA01 AB84 【要約の続き】 す]のビフェニル化合物と、40〜180℃で、触媒、 酸結合剤および極性溶剤の存在下で反応させる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 【化1】 [式中、Rは水素または直鎖または分岐したC〜Cアルキル基であり、R は水素、直鎖または分岐したC〜Cアルキル基、または直鎖または分岐した
    〜Cアルコキシ基であり、Rは水素、直鎖C〜C12アルキル基、置
    換されていないフェニル基、1または2個のC〜Cアルキル基、またはC 〜Cアルコキシ基により置換されたフェニル基、または基−(CHOR (ここでxは1〜4の整数であり、Rは直鎖または分岐したC〜Cアル
    キル基である)である] の[1,1’:4’,1”]−テルフェニル化合物の製造法であって、式 【化2】 (式中、Aは1価の金属またはMeXであり、Meは2価の金属であり、XはC
    l、BrまたはIであり、RはAまたは三置換されたシリル基であるか、また
    は水素を除いて式(I)に示す意味を有する) の金属アリールをホウ酸エステルと、−80〜40℃で、不活性溶剤の存在下で
    反応させ、反応生成物を加水分解により式 【化3】 のボロン酸に転化させ、ボロン酸、ボロン酸から水を除去することにより得られ
    る無水ボロン酸、またはボロン酸と無水ボロン酸の混合物をアルコールと反応さ
    せ、それによって形成されたボロン酸エステルを式 【化4】 [式中、RおよびRは式(I)で示す意味を有し、DはCl、Br、I、O S−C2n+1(ここでnは1〜4の整数である)、またはN (こ
    こでYはClO 、BF またはHSO である)である] のビフェニル化合物と、40〜180℃で、触媒、酸結合剤および極性溶剤の存
    在下で反応させることを含んでなることを特徴とするテルフェニル化合物の製造
    法。
  2. 【請求項2】 式(2)の、AがLi、Na、K、MgXまたはZnXであり、XがCl、B
    r、またはIである金属アリールを使用する、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 式(2)の、AがMgCl、MgBr、またはMgIである金属アリールを使
    用する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 ホウ酸エステルB(OR’)[R’は互いに同一であるか、または異なって
    おり、直鎖または分岐したC〜Cアルキル基、またはフェニル基(置換され
    ていないか、または1または2個のC〜Cアルキル基、またはC〜C
    ルコキシ基により置換されている)である]を使用する、請求項1〜3のいずれ
    か一項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 各アルキル基中に1〜4個の炭素原子を有するジアルキルエーテル、環中に4
    または5個の炭素原子を有する環状脂肪族エーテル、ホルムアルデヒドジアルキ
    ルアセタール、各アルキル基中に1〜4個の炭素原子を有する1,2−ジアルキ
    ルグリコールエーテル、それらの混合物、またはそれらの物質とトルエンの混合
    物を不活性溶剤として使用する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 C〜Cアルキルアルコール、C〜Cアルカン−1,2−ジオール、C 〜Cアルカン−1,3−ジオール、C〜Cアルカン−1,4−ジオール
    または1,2−ジヒドロベンゼンをアルコールとして使用する、請求項1〜5の
    いずれか一項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 ボロン酸エステルの代わりに、ボロン酸、無水ボロン酸、またはボロン酸と無
    水ボロン酸の混合物を、式(4)のビフェニル化合物と反応させる、請求項1〜
    5のいずれか一項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 式(4)のDがCl、Br、I、またはN であるビフェニル化合物を
    使用する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 パラジウム、パラジウム化合物またはニッケル化合物を触媒として使用する、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  10. 【請求項10】 アルコール、スルホキシド、スルホン、アミドおよび適当であれば水またはそ
    れらの混合物を極性溶剤として使用する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の
    方法。
  11. 【請求項11】 化合物4−n−ペントキシフェニルボロン酸、三量体状無水4−n−ペントキ
    シフェニルボロン酸、4−n−ペントキシフェニルボロン酸のグリコールエステ
    ルまたは4−n−ペントキシフェニルボロン酸のネオペンチルグリコールエステ
    ル。
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