JP2002535977A - プラバスタチンの微生物学的製法 - Google Patents
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Abstract
Description
的製法に関連する。
うコレステロール値である。この20年間、コレステロール生合成の主要な律速酵
素としての3-ヒドロキシ3-メチルグルタリル補酵素Aレダクターゼ(EC.1.1.1.34
)が幅広く研究されてきた。プラバスタチン、すなわち式Iで示される化合物
Aレダクターゼ酵素の拮抗阻害剤である[A. Endo et al., J. Antibiot. 29, 13
46-1348(1976); A. Endo et al., FEBS Lett. 72, 323-326(1976); C.H. Kuo et
al., J. Org. Chem. 48, 1991 (1983)]。
結果は未公表)によりにイヌの尿から初めて単離された(Arai, M et al., Sank
yo Kenkyusyo Nenpo, 40, 1-38, 1988)。プラバスタチンは今日、治療上最も有
利な作用機序をもつコレステロール降下剤となっている。その最重要の性質は組
織選択性である。すなわち、肝臓、小腸というコレステロール生合成の2大部位
ではコレステロール合成を阻害するものの、他器官ではこの細胞内酵素の律速効
果はほとんど検出されない。それと同時に、メビノリンとシンバスタチンのコレ
ステロール生合成律速効果はほとんどの器官で著しい(T. Koga et al., Biochi
m. Biophys. Acta, 1045, 115-120, 1990)。
。親油性がより強い後二者の化合物では、ヘキサヒドロナフタリン骨格のC-1炭
素原子に結合した置換基が6員のラクトン環で終わるのに対して、プラバスタチ
ンの場合にはラクトン環の代わりに生物活性の開放形ジヒドロキシ酸ナトリウム
塩が存在している。もう1つの重要な構造上の違いは、メビノリンとシンバスタ
チンではヘキサヒドロナフタリン環のC-6位がメチル基であるが、プラバスタチ
ンではそれがヒドロキシル基に代わっていて、そのために親水性がさらに強まる
という結果になっている点にある。
をわずかしか透過することができない(A.T.M. Serajuddin et al., J. Pharm.
Sci. 80, 830-834, 1991)。
の微生物学的段階ではコンパクチンを生成し、第2の発酵段階ではコンパクチン
酸のナトリウム塩を基質として6β位の微生物学的ヒドロキシル化によりプラバ
スタチンに変換する。
を異にする種々のカビにより、またNocardia属に属する糸状菌により、Actinoma
duraおよびStreptomyces属により、まちまちである(ベルギー特許明細書No. 89
5090、日本特許明細書No. 5,810,572、米国特許No. 4,537,859および4,346,227
、それに公開済み欧州特許出願No. 0605230)。コンパクチン基質の生物変換は
糸状カビ(Mucor hiemalis、Syncephalastrum nigricans、Cunninghamella echi
nulataなど)使用の場合で濃度500 μg/mlとして、また原核生物に属するNocard
ia、ActinomoduraおよびStreptomyces株使用の場合で濃度2000-4000 μg/mlとし
て公開されている。
パクチンの抗菌効果のために、培養基に供給されるコンパクチン基質にたとえ低
濃度でも微生物が耐えられないという点にある(Serizawa et al., J. Antibiot
ics, 36, 887-891, 1983)。この基質の細胞毒性は、日本人研究者たちが幅広く
調べたStreptomyces carbophilusによるヒドロキシル化でも観察された(M. Hos
obuchi et al., Biotechnology and Bioengineering, 42, 815-820, 1993)。
キシル化能を向上させようと試みた。コンパクチンのヒドロキシル化にはシトク
ロムP450モノオキシゲナーゼ系が必要とされる(Matsuoka et al., Eur.J.Bioch
em. 184, 707-713, 1989)。しかしこの執筆者たちによれば、細菌のシトクロム
P450モノオキシゲナーゼ系では1種類ではなく数種類のタンパク質が電子伝達に
関わっており、そのことが組み換えDNA手法の応用をさらに困難にしている。プ
ラバスタチン製造のための費用効果的な微生物学的ヒドロキシル化法の開発はき
わめて困難な、複雑な仕事である。
新しい微生物学的方法を精緻化することにある。われわれはそのための研究活動
のなかで、特にコンパクチンのプラバスタチンへの高濃度微生物学的変換へと順
応させることができるヒドロキシラーゼ酵素をもつ微生物株の発見に努めた。
る基質化合物
ル化することができる糸状カビMortierella maculata種の株を同化性の炭素およ
び窒素源と鉱物塩を含む培地で培養する、(b)変換対象の基質をMortierella mac
ulataの生育した培養物に供給する、(c)基質を生物変換完了まで発酵させる、(d
)式Iで示される化合物を培養ブロスから分離する、および(e)式Iで示される化
合物を単離する、というステップを含む製法に関連する。
ral and Industrial Microorganismsに登録番号NCAIM(P)F 001266で預託されて
いるMortierella maculata n.sp.E-97株の生物学的純粋培養、およびハンガリー
/ブダペストのNational Collection of Agricultural and Industrial Microor
ganismsに登録番号NCAIM(P)F 001267で預託されているその変異型Mortierella m
aculata n.sp.E-97/15/13株の生物学的純粋培養に関連する。
より、コンパクチンに負けずにそれをヒドロキシル化することができる23種の微
生物を選別した。これらの株のなかでは糸状カビが、公開特許で周知となってい
る株に比してコンパクチン耐性が高くプラバスタチンの生産により適すると判明
した。分類学的調査により、この株はMortierella属に属する新たな代表種(Mor
tierella maculata n.sp.)であると判明した。選別したカビから新株を、一方
では突然変異−選択法の適用により、他方では同株のヒドロキシラーゼ酵素の誘
導により、単離したが、それは既公開株よりも高濃度でコンパクチン基質をプラ
バスタチンへとヒドロキシル化することができた。突然変異誘発物質には、物理
的および化学的変異原(UV照射、メチルメタンスルホネート、N-メチル-N’-ニ
トロ-N-ニトロソグアニジン)を使用した。変異誘発処理の後、半数体細胞を作
製するために胞子懸濁液をベノミル剤を混ぜた寒天プレート上にまき、次いでヒ
ドロキシラーゼ酵素を誘導するために生育コロニーを100 μg/mlの8-デ-(2-メチ
ル-ブチリル)-コンパクチンまたはコンパクチンを混ぜた寒天プレートに接種し
た。これらの方法を適用することにより、新株から、親株よりもずっと高度にコ
ンパクチンをプラバスタチンへと変換することができる変異株を作製した。
ドロキシル化のために最も有利な生物変換培地やコンパクチンを高濃度で繰り返
し供給するための最適方法を決定した。
National Collection of Agricultural and Industrial MicroorganismsにNCAIM
(P)F 001266およびNCAIM(P)F 001267の登録番号でそれぞれ預託されているMorti
erella maculata単離カビのE-97およびE-97/15/13株を使用すれば適当な発酵条
件の下でプラバスタチンを効率的に製造することができると同時に、酸形態の6
α-ヒドロキシ-コンパクチン、2α-ヒドロキシ-コンパクチン、8-デ-(2-メチル-
ブチリル)-コンパクチン、3α,5β-ジヒドロキシ-5,6-ジヒドロ-イソコンパクチ
ン、8α,β-ヒドロキシ-コンパクチン、およびコンパクチンの2-メチル-ブチリ
ル側鎖の2位および3位がヒドロキシル化された誘導体などのような好ましくない
関連化合物のほうは生物変換時に少量または微量が生成されるだけであるという
認識を土台にしている。したがって、これらの株は工業規模でのプラバスタチン
製造に特に適する。
ることを考慮すると、高コンパクチンおよびプラバスタチン濃度に耐えうる株を
確保することが重要である。よって、本発明のさらにもう1つの重要部分は、単
離された原カビのヒドロキシル化能を変異−選択法および酵素誘導法の適用によ
り向上させることは可能であり、さらにまた適当な基質供給法の開発により大量
のコンパクチンのプラバスタチンへのヒドロキシル化を一ステップで実行させる
ことも可能であるとの認識である。結論として、Mortierella maculata n.sp.E-
97/15/13と命名された新変異株はプラバスタチンの製造に特に適する。
の分類学的特徴は以下に説明するとおりである。
0 μmを越える厚さの被覆層をなして基底菌糸体を覆う)。それは初め、緻密な
白色の菌糸網のように見えるが、やがてその中に数mm径の黄色がかった胞子形成
点が現れる(新名称のmaculatusはこの状態を指し、「斑点のある」という意味
である)。この黄色がかった色合いは気中網のもっと大きな連続した表面を占め
る場合もある。基底菌糸体の色はCzapek-、血液-Czapek-、チロシン-、でんぷん
-カゼイン-、麦芽エキス-などの寒天培地上ではほとんどが無色であるかまたは
薄黄色がかっている。基底菌糸体網の色は酵母エキス-グルコース-ペプトン培地
上では薄赤みがかっている。拡散性および可溶性色素の産生は前掲培地上では見
られないか、またはごくまれにわずかな黄色がった色合いが見られる。E-97株コ
ロニーはその揮発油産生のために、また(Isabellina節の種を除く)他種Mortie
rellaと同様に、きわめて特徴的な強い芳香を発散させる場合がある。
互いにごくまちまちな間隔をおいてきわめて多数発達する(ただし基底菌糸上で
はそれほどでもない)。それらの胞子嚢柄は分岐せず、ほとんどが直立または湾
曲している。その長さは一般に60〜80 μmである。基部は圧倒的多数の場合、幾
分短いが著しく膨らんだ気中網菌糸部にあり、それとは膜壁で隔てられている。
胞子嚢柄自体もまた参照数字6で示すように膨らんでいる場合があるが、胞子嚢
に向かって5.0〜9.0 μmから1.0〜2.0 μmへと次第に細くなる。胞子嚢の下では
決して広がらないというのが重要な分類学的特徴である(参照数字8を見よ)。
〜17.0 μm程度であり、他Mortierella種の胞子嚢と比較すると割合小さい。胞
子嚢は多数の胞子を蔵する場合もあるが胞子を1個だけ蔵する胞子嚢もある。胞
子9は円筒形またはやや卵形である。そのサイズは3.0〜5.0×1.5〜2.0 μmであ
る。個別胞子内には1個または2個の小さな黒っぽい球状油滴10が存在する場合も
ある。胞子嚢壁はごく破れやすいため、湿潤環境では胞子がすぐに拡散しよう。
胞子嚢が破れると、ときに胞子嚢柄端に細い熊手様の「カラー」とごく短い痕跡
的な(一般的ではない)柱軸が観察される。球状または円筒状の無性芽15〜28は
ほとんどの異種診断培地上で観察されよう。サイズは通常10〜25 μmである。培
地内では鎖状の球状無性芽13、出芽細胞、介在型無性芽15〜23、ある菌糸が他の
菌糸の周りにらせん状に成長するという形の菌糸結合11、吻合様組織および巨細
胞などが観察される場合もある。気中菌糸体内では、大きな(50〜250 pm径)ご
く密集した菌糸網14が見られる場合もあるが、検出可能な接合子は存在しない。
ン、アルギニンまたはゼラチンを加水分解しないがTweenポリソルベートを加水
分解し、またパラフィン炭化水素を分解しない。E-97培養株はウレアーゼ活性を
もち、pH 7.0〜9.0の範囲内でよく増殖し、最高2%のNaClに耐える。キサンチン
、ヒポキサンチン、レシチン、チロシンおよびアデニンの効果は陰性である。培
養株の強酸産生はグルコース、フルクトース、グリセリンおよびガラクトースか
らは検出されてきたが、キシロース、アラビノース、ラフィノース、ソルビトー
ル、イノシトール、イヌリンなどからの産生はごくわずかまたはゼロである。ピ
ルビン酸塩と酢酸塩ではわずかな増殖が検出されるが、安息香酸塩、サリチル酸
塩、クエン酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩およびマロン酸塩では増殖がま
ったく見られない。培地内の唯一の炭素源としてのグルコースおよびフルクトー
スでは十分な増殖が観察された。キシロース、アラビノース、ラムノース、スク
ロース、ラフィノース、マニトールおよびイノシトールによる利用試験は陰性と
出た。培養株はセルロースを分解しない。
代表的なメンバーである。すなわち、胞子嚢は一般に多数の胞子を蔵し、柱軸は
極端に縮小しており、しばしば無性芽が存在し、接合子の存在は検出されず、ま
たコロニーはきわめて特徴的な方向を発散する。E-97株はMortierella属内にあ
って「Alpina節」の一般的な代表種である。Alpina節はごく短い(最大長200 μ
m)非分岐型の胞子嚢柄、および微小な胞子嚢を特徴とする(Zycha, H und Siep
mann, R., Mucorales. Eine Beschreibung aller Gattungen und Arten dieser
Pilzgruppe. D-3301 Lehre, Verl. von J. Cramer, 1969)。Alpina節のメンバ
ー内では、E-97株はM. thaxteri Bjoerling 1936およびM. renispora Dixon-Ste
wart 1932種に最も類似する。しかし、表1のデータはE-97株とこれら2種との診
断的特性の差異をはっきりと示している。したがって、この機会にわれわれはこ
の株を新種としてMortierella maculata nov. spec. E-97の名称で紹介する。
.sp. E-97またはその突然変異型E-97/15/13の培養カビ株を使用する。この被選
択株は高速で増殖するため大いに有利である。それは炭素源としてグルコース、
グリセリン、フルクトース、またはガラクトースを容易に利用する。窒素源とし
ては、酵母エキス、ペプトン、カゼイン、食肉エキス、大豆ミール、コーンステ
ィープリキュール、硝酸ナトリウム、または硫酸アンモニウムを使用することが
できる。
とえばリン酸二水素酸カリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、微量元
素(鉄、マンガン塩)、アミノ酸および消泡剤を使用してもよい。
その変異株E-97/15/13[NCAIM(P)F 001267]の斜面寒天培養からあらかじめ調製さ
れた胞子懸濁液を接種培地にまく。次いで、約25〜30℃で、好ましくは約24〜28
℃で、最も好ましくは約28℃で3日間培養した接種培地10%を生物変換培地に移す
。次いで、4日間、約24〜28℃に、好ましくは約28℃に保ってから、培地にグル
コースとコンパクチン酸ナトリウム塩を供給する。供給されるコンパクチン基質
の濃度次第でさらに2〜12日間、通気条件下で、pHを5.5〜7.5の範囲内に、好ま
しくは7.0に維持しながら培養する。生物変換はかく拌・通気条件下で行われる
ようにし、その場合の通気量は0.2 、かく拌器の回転速度は400 rpmとする。
ー法(HPLC)を行う。この方法では、ブロス試料をメタノールで2倍に薄めて遠
心分離にかけ、上清を使用してHPLC分析を次のパラメーターにより行う:Waters
analytical HPLC装置−カラムNucleosil C18 10 μm;検出波長238 nm;注入量
20 μl、流量1 ml/min;勾配溶出を使用、溶離液:A=0.05%リン酸水溶液、B=
アセトニトリル。
分;プラバスタチンラクトン15.0〜15.5分;コンパクチン16.5〜17.0分。
目に加える。この方法のために、基質を次の要領で固形に調製する。コンパクチ
ンラクトンを0.2M水酸化ナトリウム溶液中、40℃で2時間加水分解し、次いで反
応混合物のpHを塩酸で7.5に調整し、この中和処理溶液をDiaion HP-20吸着材カ
ラムに層状に注入する。中和処理時に形成される塩化ナトリウムはカラムの水洗
によって除去し、次いで50%アセトン水溶液によりコンパクチン酸のナトリウム
塩をカラムから溶出する。その後、溶出液を減圧蒸留し、水性残留物を凍結乾燥
する。中和処理後に、アルカリ性のコンパクチン加水分解物水溶液をそのまま基
質として使用することもできる。この場合には、加水分解物のコンパクチン酸ナ
トリウム塩濃度をHPLCで測定し、溶液を−20℃に保って使用に備える。
ドロキシル化には有利である。コンパクチン基質の供給はブロスpHが6.3を越え
た時点で開始することができる。発酵4日目に、ろ過処理した滅菌コンパクチン
酸ナトリウム水溶液を必要なだけ加えて濃度を500 μg/mlにする。培養物にはグ
ルコースもまた、121℃で25分間滅菌処理した50%溶液として次の要領で供給する
:ブロスpHが6.7より高ければブロス容量比で1%のグルコースを加え、またpHが6
.3〜6.7の範囲内にあれば供給するグルコースの量は0.5%とする。コンパクチン
酸ナトリウム塩は24時間後にブロスから消費されるが、その変換をHPLC測定によ
り分析する。この場合、ブロス1 mlにつきさらに500 μgのコンパクチンを添加
する。コンパクチン基質の他に、前述のようにグルコースもまた供給する。120
時間培養の形態学的特徴は小球(球径0.5〜3.0 mm)の成長に求められる。24時
間後には2回目の分量の基質もまたブロスから消費されるため、その全ブロス中
の濃度を500 μg/mlにするために追加分量のコンパクチン酸ナトリウム塩を加え
、それと平行してブロスのpHに応じてグルコースを供給する。発酵4日目から、
基質とグルコースの供給を前記の要領で発酵17〜18日目まで毎日繰り返す。
態で形成されるため陰イオン交換樹脂カラム吸着法を使用すればブロスろ液から
それを単離できるという点を考慮するのが有利である。産物の単離には、第4級
アンモニウム活性基をもつポリスチレン−ジビニルベンゼンポリマーである強塩
基性陰イオン交換樹脂を使用するのが好都合である。産物は、ヒドロキシル形態
の陰イオン交換樹脂をブロスろ液に混ぜればろ液から直接吸着させることができ
る。イオン交換樹脂上に吸着された産物は、酢酸により、または塩化ナトリウム
を含むアセトン−水混合液、好ましくは1%塩化ナトリウムを含むアセトン−水(
1:1)混合液により、カラムから溶出することができる。プラバスタチンを含む
画分を混ぜ合わせ、溶出液中のアセトンを減圧蒸留でとばす。濃縮液のpHを3.5
〜4.0の範囲内へと15%硫酸で調整し、水溶液を酢酸エチルで抽出する。酢酸エチ
ル抽出物を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。次いで、プラバスタチン
からラクトン誘導体を調製する。ラクトン環の閉環は、ドライ酢酸エチル溶液中
で、室温および連続かく拌条件のもと、触媒量のトリフルオロ酢酸の存在下でラ
クトン形成を誘導することにより行う。この変換手順は薄層クロマトグラフィー
(TLC)分析でチェックする。ラクトン形成終了後、酢酸エチル溶液をまず5%炭
酸水素ナトリウム水溶液で、次いで水で、それぞれ洗浄し、それから無水硫酸ナ
トリウムで乾燥させ、減圧蒸発させる。蒸発処理後の残留物をアセトン溶液中で
活性炭処理し、再び蒸発させ、炭素原子数1-4の脂肪族アルコールから、好まし
くはエタノールから再結晶させる。再結晶母液の蒸発残留物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィーで、酢酸エチル濃度を段階的に高めた酢酸エチル-n-ヘキサ
ン混合物を溶離液として使用して精製する。
温下、アセトン中での等量の水酸化ナトリウムによる加水分解によりプラバスタ
チンを製造する。プラバスタチンナトリウム塩の形成が完了したら、反応混合物
を水で希釈し中和してからアセトン分を減圧蒸留でとばす。得られた水性残留物
からプラバスタチンをDiaion HP-20樹脂充填カラムに吸着させ、脱イオン水で洗
浄しアセトン−脱イオン水混合液でカラムから溶出する。次に、プラバスタチン
含有画分を混ぜ合わせ、アセトン分を蒸発させ、水性残留物を凍結乾燥させると
、高純度のプラバスタチンが得られるので、それを酢酸エチル−エタノール混合
液から再結晶させることができる。
のラクトン環閉環時には、3α-ヒドロキシ-イソ-コンパクチンや他の副産物も形
成される可能性がある。その生成反応は単離歩留まりを低下させるものの、これ
らの化合物は前述の精製法により分離することができるので、製薬上許容しうる
品質のプラバスタチンをこの要領で製造することができる。
たろ液のいずれかから抽出することができる。糸状カビ細胞はろ過または遠心分
離のいずれかによって除去することができるが、特に工業規模では全ブロス抽出
を行うのが有利である。抽出前に、ブロスまたはブロスろ液のpHを無機酸好まし
くは希硫酸で3.5〜3.7に調整する。抽出は酢酸エステルおよび炭素原子数24の脂
肪族アルコール、好ましくは酢酸エチルまたは酢酸イソブチルで行う。抽出ステ
ップは、酸性pHでプラバスタチンからラクトン誘導体が形成されるのを防ぐ意味
できわめて迅速に行うのがよい。
移すことができる。たとえば、酢酸エチル抽出物からは容量比1/10および1/20の
5%炭酸水素ナトリウムまたは弱アルカリ水(pH 7.5〜8.0)でプラバスタチンを
抽出することができる。プラバスタチンは、前述の要領で得られたアルカリ性水
性抽出物から非イオン吸着樹脂使用のカラムクロマトグラフィーにより高純度で
回収することができると判明した。方法としては、まずアルカリ性抽出物から水
性相に溶解した溶媒を減圧蒸留で除去し、次いで水性抽出物をDiaion HP-20カラ
ムに負荷するのが有利である。
ン濃度を徐々に高めながら精製し、次いでプラバスタチン含有主画分を混ぜ合わ
せ減圧濃縮する。この水性濃縮物は別のDiaion PH-20カラムによるクロマトグラ
フィーでさらに精製し、純粋のプラバスタチンを含む溶出液を得る。溶出液から
は、活性炭による清澄化と凍結乾燥を経て製薬上許容しうる品質のプラバスタチ
ンを得ることができる。
在来法よりもステップ数が少ない。単離に際して、プラバスタチンが、中性また
はアルカリ性条件の場合ほど安定的でなくなる酸性状態にさらされる時間はごく
短くてすむ。そのためこの単離法では人工物がほとんど形成されない。
クロマトグラフィーをプラバスタチン精製に使用すると好都合であると判明した
。この方法の適用により、純度99.5%超(HPLCで測定)のプラバスタチンを生産
することができる。
することができるMortierella maculata n. sp.株を含めた)糸状カビまたは糸
状菌株のブロスまたはブロス硝酸塩の有機溶媒抽出物から、好ましくは酢酸エチ
ルまたは酢酸イソブチル抽出物から、第2級アミンによりプラバスタチンを結晶
塩として沈殿させうることが判明した。さらに、この塩形成にはアルキル-、シ
クロアルキル-、アラルキル-またはアリール-置換基をもつ数種の第2級アミンが
適することも判明した。便宜上、その中から毒性のない第2級アミン、たとえば
ジオクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミンを選択した。有
機第2級アミン塩、たとえばジベンジルアミン塩の単離は、抽出物のプラバスタ
チン濃度に対し1.5当量のジベンジルアミンを添加し、次いで抽出物を減圧蒸留
で原容量の5%まで濃縮し、ついでこの濃縮液に追加量のジベンジルアミンを加え
て当量比0.2にするという方法で行った。濃縮液からはジベンジルアミン塩結晶
が沈殿する。この粗産物結晶をろ過し減圧乾燥させ、ついで活性炭で清澄化しア
セトン中で再結晶させる。
を用いる単離法をカラムクロマトグラフィー精製の代わりに用いることもできる
。この場合には、アルカリ性水性抽出物の酸性化後に得られる酢酸イソブチル抽
出物からプラバスタチンジベンジルアミン塩を沈殿させるのが有利である。
アルコキシド好ましくはナトリウムエトキシドによりプラバスタチンへと変換す
ることができる。
。再結晶ジベンジルアミン塩を酢酸イソブチル−水混合液に懸濁させ、次いで当
量の水酸化ナトリウムを水溶液とし、かく拌によりpHを8.0〜8.5に維持しながら
懸濁液に加える。懸濁物が消えてから相を分離し、プラバスタチン含有水溶液を
酢酸イソブチルで2回洗浄する。この水溶液を活性炭で清澄処理し、凍結乾燥さ
せて製薬上許容しうる品質のプラバスタチンをえる。
い方法は、再結晶ジベンジルアミン塩をエタノールに懸濁させ、次いで当量また
は弱過剰量のナトリウムエトキシドを懸濁液にかく拌しながら加え、次いで反応
混合物を減圧濃縮し、濃縮液にアセトンを加えて結晶プラバスタチンを沈殿させ
るというものである。
つの好ましい方法は、再結晶ジベンジルアミン塩を酢酸エチル−エタノール混合
液に溶解させ、この溶液に当量または弱過剰量の水酸化ナトリウムをエタノール
に溶かして加え、プラバスタチンを沈殿させるというものである。
よりも単純な方法である。この方法では人工物は形成されないし、生物変換副産
物からの、またヒドロキシル化微生物により生合成される各種代謝産物からのプ
ラバスタチン分離の問題はクロマトグラフィー法を一切使用せずに解決すること
ができる。
2級アミン塩の構造はUV法、IR法、1H-NMR法、13C-NMR法および質量分析法によっ
てすでに立証されている。
のは説明のためであって、本発明の範囲を制限するつもりはまったくない。
a nov.spec. E-97[NCAIM(P)F 001266]株の7〜10日齢の麦芽エキス−酵母エキ
ス寒天斜面培養物から胞子懸濁液を0.9%塩化ナトリウム溶液5 mlで調整し、懸濁
液を500 ml三角フラスコ中の滅菌100 ml接種培地PIに接種した。 培地PIの成分: 1000 ml水道水中 グルコース 50 g 大豆ミール 20 g 滅菌処理前に培地のpHを7.0に調整し、次いで121℃で25分間滅菌処理した。培
養物をロータリーシェーカーにより3日間、28℃で振とうし(250 rpm、振幅2.5
cm)、次いで得られた培養物10 mlを500 ml三角フラスコ中の121℃、25分間滅菌
処理した100-100 ml生物変換培地MU/4に移した。 培地MU/4の成分: 1000 ml水道水中 グルコース 40 g 大豆ミール 20 g カゼイン−ペプトン 1 g アスパラギン 2 g リン酸二水素カリウム 0.5 g 滅菌処理前に培地のpHを7.0に調整し、次いで121℃で25分間滅菌処理した。
幅2.5 cm)、次いで50-50 mgコンパクチン基質(コンパクチン酸ナトリウム塩)
を滅菌ろ過処理した水溶液にして培地に加え、培養を継続した。同様に、5日目
にさらに50-50 mgのコンパクチン酸ナトリウム塩を培養カビに加えさらに24時間
発酵を継続した。ブロスのプラバスタチン濃度をHPLCで求めた。発酵は168時間
継続した。生物変換終了時のブロスの平均プラバスタチン濃度は620 μg/mlであ
った。
地成分は5リットルの容積に合わせて計算するが実際の充填は4.5リットルにとど
め、次いで121℃で45分間滅菌処理し、実施例1に従って調製した接種培養物500
mlをまいた。 培地MU/8の成分: 1000 ml水道水中 グルコース 20 g グリセリン 20 g 大豆ミール 20 g ペプトン 5 g リン酸二水素カリウム 0.5 g ポリプロピレングリコール2000 1 g 培地のpHは滅菌処理前に7.0に調整した。
時の条件で4日間実施した。ブロスは接種後2日目に激しく泡立ち始めたが、それ
は追加のポリプロピレングリコール2000を添加することによって抑えることがで
きる。発酵が始まると(16〜20時間)pHは初期値の6.5から5.0〜5.5へと低下し
、次いで3日目から上昇し始め4日目には6.3〜7.5に達した。ブロスのpHが6.3を
越えたらコンパクチン基質の供給を始めてよい。発酵4日目に、2.5 gのコンパク
チン基質を滅菌ろ過処理した水溶液として添加する。基質の供給と平行して、ブ
ロス容量に合わせて計算した0.5〜1.0%グルコースをpHに応じてブロスに、121℃
、25分間滅菌処理した50%溶液の形で加える。24時間後にコンパクチン基質はブ
ロスから消費し尽くされるが、それは発酵槽から採取した試料からHPLCで検出さ
れる。この場合には、さらに2.5 gのコンパクチン基質とグルコースを前述の要
領で添加し、生物変換をさらに24時間継続させると、基質はプラバスタチンへと
変換された。
でろ過した。分離された菌糸体に2リットルの水を加え、次いでこの菌糸体懸濁
液を1時間かく拌し、ろ過した。これら2つのろ液を混ぜ合わせ、138 g(250 ml)
のDowex Al 400(OH)樹脂を充填したカラム(カラム径3.4 cm、樹脂層高さ28 cm
)に500 ml毎時の流量で通し、次いで樹脂を300 mlの脱イオン水で洗浄した。そ
の後、樹脂からの溶出を10 gの塩化ナトリウムを混ぜた1リットルのアセトン−
水(1:1)混合液で実施した。各画分容量は100 mlであった。溶出液は次のよう
な薄層クロマトグラフィー(TLC)法で分析した:吸着材−Kieselgel 60 F 254D
C(Merck)アルミ箔、展開溶媒−アセトン-ベンゼン-酢酸混合液(50:50:3)、
検出−リンモリブデン酸試薬による。プラバスタチンのRf値は0.5である。産物
を含む画分を混ぜ合わせ、アセトンを減圧蒸留でとばした。400 ml濃縮液を、15
%硫酸により3.5〜4.0にpH調整してから150 ml酢酸エチルで3回抽出した。酢酸エ
チル抽出物を混ぜ合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。その後、プラバス
タチンラクトンをプラバスタチン酸から、触媒量のトリフルオロ酢酸を室温で連
続かく拌しながら加えることにより生成した。プラバスタチンラクトンの形成は
TLCで制御した(前記TLC系におけるプラバスタチンラクトンのRf値は0.7である
)。ラクトン形成の完了後、酢酸エチルを2×50 mlの5%炭酸水素ナトリウム溶液
で洗浄し、次いで50 mlの水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧蒸
発させた。得られた蒸発残留物3 gを100 mlのアセトンに溶かし、0.3 gの活性炭
で清澄処理した。次いで、活性炭をろ去しアセトンを減圧蒸発させた。得られた
粗産物を20 mlエタノールから結晶させた。沈殿した結晶状のプラバスタチンラ
クトンをろ取しフィルター上で30 ml n-ヘキサンにより洗浄し、室温で減圧乾燥
させた。こうして、1.5 gのクロマトグラフィー的に純粋なプラバスタチンラク
トンが得られた。融点140〜142℃、[α]D=+194゜(c=0.5, メタノール)。結
晶化母液を減圧蒸発させ、得られた1.2 gの蒸発残留物を24 g Kieselgel 60吸着
材充填カラム(カラム径1.6 cm、層の高さ20 cm)のクロマトグラフィーにかけ
た。粗産物を5 mlのベンゼンに溶かして、カラムに層状に注入した。溶出には酢
酸エチル濃度を次第に高めた酢酸エチル−n-ヘキサン混合液を使用した。プラバ
スタチンラクトンは60%酢酸エチル−40% n-ヘキサン混合液で溶出させることが
できる。画分はTCLにより、展開溶媒として酢酸エチル−n-ヘキサン(9:1)混合
液を使用して制御した。プラバスタチンラクトンを含む画分を混ぜ合わせ、減圧
蒸発させた。この方法により、0.3 gの純粋な産物が得られた。その品質は結晶
化で得られたプラバスタチンラクトンに匹敵する。
法により調整した:1.8 gのプラバスタチンラクトンを20 mlのアセトンに溶かし
、4.5 mlの1 M水酸化ナトリウム水溶液をかく拌しながら添加し、次いでこの溶
液を室温で半時間かく拌した。塩形成が完了したところで、この混合液に10 ml
の水を加え、溶液を中和し、次いでアセトンを減圧蒸発させた。濃縮水溶液を15
0 ml Diaion HP20樹脂充填カラムのクロマトグラフィーにかけた(カラム径2.6
cm、層の高さ30 cm)。溶離液には、アセトン濃度を5%刻みで高めたアセトン−
脱イオン水混合液を使用した。プラバスタチンをカラムから15%アセトンのアセ
トン−脱イオン水混合液で溶出した。画分はTLCで分析した。産物を含む画分を
混ぜ合わせ、アセトンを減圧蒸発させた。水性残留物を凍結乾燥させることで、
1.3 gのプラバスタチンが得られた。クロマトグラフィー的に純粋な産物はエタ
ノールと酢酸エチルの混合液から結晶させた。 融点:170〜173℃(分解) [α]D 20=+156゜(c=0.5、水中) 紫外線吸収スペクトル(20 μg/ml、メタノール中):λmax=231, 237, 245 nm(
logε−4.263; 4.311; 4.136) 赤外線吸収スペクトル(KBr):υOH3415,υCH 2965,υC=O 1730, COO- 1575 c
m-1 1 H-NMRスペクトル(D2O,δ,ppm):0.86,d, 3H(2-CH3); 5.92, dd, J=10.0および5
.4 Hz, 1H(3-H); 5.99,d, J=10.0 Hz, 1H(4-H); 5.52, br 1H(5-H); 4.24,m 1H(
6-H); 5.34, br, 1H(8-H); 4.06, m, 1H(β-H),3.65,m, 1H(δ-H); 1.05,d, 3H(
2’-CH3); 0.82,t, 3H(4’-H3) 13 C-NMRスペクトル(D2O,δ,ppm):15.3,q(2-CH3);139.5,d (C-3);129.5,d(C-4);
138.1,s(C-4a);127.7,d(C-5);66.6,d(C-6);70.1,d (C-8); 182.6, s(COO-); 72.
6,d(C-β); 73.0, d(C-δ); 182.0, s(C-1’) ; 18.8, q(2’-CH3);13.7,q(C-4
’) ポジティブFAB質量スペクトル(特徴的イオン):[M+Na]-469; [M+N]+447 ネガティブFAB質量スペクトル(特徴的イオン):[M-H]-445, [M-Na]-423, m/z 10
1[2-メチル-酪酸-H]- 実施例3 実施例1に述べた要領で、実験室規模の実効内容積5リットルの発酵槽に生物変
換培地MU/4を準備した。実際の充填は4.5リットルにとどめたが、培地成分は5リ
ットルで計算した。次いで121℃で45分間滅菌処理し、実施例1に従って調製した
接種培養物500 mlを接種した。発酵は25℃、かく拌速度300 rpm、通気量50リッ
トル毎時の条件で4日間行った。5 gのコンパクチン基質を培養物に供給した後、
実施例2に準じて生物変換を行わせた。
し、分離された菌糸体を2×1リットルの脱イオン水に懸濁させて洗浄した。合計
5.6リットルのブロスろ液を、20%硫酸で3.5〜3.7にpH調整し、次いでこの酸性ろ
液を2750 ml酢酸エチルと共に30分かく拌した。その後、相を分離した。水性相
をやはり2×1375 ml酢酸エチルで抽出し、混ぜ合わせた4740 mlの酢酸エチル抽
出物に470 mlの脱イオン水を加え、次いで酢酸エチル水溶液を1M水酸化ナトリウ
ムで7.5〜8.0にpH調整した。20分かく拌後に相を分離し、次いで酢酸エチル抽出
物を前述の要領で2×235 ml脱イオン水で抽出した。次に、混ぜ合わせた弱アル
カリ性水溶液1080 mlを280 mlに減圧濃縮した。この濃縮水溶液を、280 ml Diai
on HP-20(Mitsubishi Co., Japan)非イオン樹脂を充填したクロマトグラフィ
ーカラム(高さ/直径比=6.5)に層状に注入した。カラムへの吸着は流量250〜
300 ml毎時で行わせ、次いでカラムを840 ml脱イオン水で洗浄した。その後、カ
ラムを800 ml 5%、1000 ml 10%、500 ml 15%および500 ml 20%のアセトン水溶液
で順次、溶出処理した。溶出の過程で50 ml画分を収集し、実施例2に示すTLC法
で分析した。主成分としてプラバスタチンを含む画分を混ぜ合わせ、得られた溶
液を260 mlへと減圧濃縮した。この濃縮水溶液を260 ml Diaion HP-20樹脂充填
カラムのクロマトグラフィーにかけた。プラバスタチン吸着後、カラムを790 ml
の脱イオン水で洗浄してから、アセトン水溶液260-260 ml分量で、水溶液のアセ
トン濃度を2.5、5.0、10.0、12.5、15.0および20.0%へと次第に高めながら溶出
した。カラムクロマトグラフィーでは25 ml画分を収集し、画分のプラバスタチ
ン濃度を前述の要領で分析した。TCLでプラバスタチンを単一成分として含むと
判明した画分を混ぜ合わせ、減圧蒸発させた。その後、この濃縮水溶液(約30 m
l)に0.3 gの活性炭を加え、プラバスタチンを室温で約30分間清澄処理した。次
いで活性炭を溶液からろ去し、ろ液を凍結乾燥させた。こうして、1.62 gのプラ
バスタチンが凍結乾燥された状態で得られた。
6]株の斜面培養物から胞子懸濁液を0.9%塩化ナトリウム溶液5 mlで調整し、懸
濁液を3000 ml三角フラスコ中の滅菌500 ml接種培地VHIGに接種した。 培地VHIGの成分: 1000 ml水道水中 グルコース 30 g 食肉エキス 8 g 酵母エキス 1 g Tween-80 0.5 g (ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレアート) 滅菌処理前に培地のpHを7.0に調整し、次いで121℃で25分間滅菌処理した。培
養物をロータリーシェーカーにより3日間振とうし(250 rpm、振幅2.5 cm)、次
いで得られた培養物を、実効内容積5リットルの、生物変換培地PKを入れた実験
室規模発酵槽に接種した。 培地PKの成分: 1000 ml水道水中 グルコース 40 g ペプトン 5 g 大豆ミール 20 g K2HPO4 2 g KH2PO4 1 g NaNO3 2 g KCl 0.5 g 滅菌処理前に培地のpHを7.0に調整した。接種、培養後、基質の供給と生物変
換を実施例2の要領で行い、次いで発酵終了時にブロス中の濃度が650 μg/mlと
なっていたプラバスタチンをブロスから単離した。
ブロスのpHを、連続かく拌しながら2Mの水酸化ナトリウムで9.5〜10.0へと調整
し、次いで1時間後に20%硫酸でpHを3.5〜3.7に調整した。その後、この酸性溶液
を2.45リットルの酢酸エチルで抽出した。相を分離し、乳化有機物相から遠心分
離により清澄エキスを分離した。このブロスを、前述の方法により2×1.22リッ
トルの酢酸エチルで再抽出し、次いで混合液のpHを1M水酸化ナトリウムで8.0〜8
.5に調整した。相を分離し、酢酸エチル相を前述の要領でpH 8.0〜8.5の脱イオ
ン水2×0.2リットルで抽出した。弱アルカリ性水溶液を含む混合プラバスタチン
のpHを20%硫酸で、かく拌しながら3.5〜3.7に調整した。得られた酸性溶液を酢
酸エチル4×0.2リットルで抽出した。酢酸エチル抽出物を混ぜ合わせ、脱イオン
水2×0.2リットルで洗浄し、次いで150モル%のジベンジルアミン(HPLCで求めた
プラバスタチン濃度に対応させて計算)を酢酸エチル溶液に加えた。酢酸エチル
溶液を容量0.2リットルに減圧濃縮した。得られた濃縮液にさらに20モル%のジベ
ンジルアミンを加え、沈殿溶液を一晩0〜5℃に保持した。沈殿したプラバスタチ
ンジベンジルアミン塩をろ取し、沈殿物をフィルター上で冷酢酸エチルで1回、
次いでn-ヘキサンで2回、それぞそれ洗浄し、最後に40〜50℃で減圧乾燥させた
。得られた粗産物(3.9 g)を100 mlのメタノールに室温で溶解し、次いで溶液
を0.45 gの活性炭で清澄処理した。その後、メタノールろ液を減圧濃縮した。蒸
発残留物を120 mlのアセトンに62〜66℃の外部温度で溶かし、次いで溶液を室温
まで冷却した。その後、再結晶を0〜5℃で一晩継続させた。沈殿した結晶をろ取
し、フィルター上で冷アセトンで2回、n-ヘキサンで2回、それぞれ洗浄した。再
結晶プラバスタチンジベンジルアミン塩を160 ml酢酸イソブチルと80 ml脱イオ
ン水の混合液に懸濁させた。その後、当量の水酸化ナトリウムを懸濁液にかく拌
しながら加えた。懸濁が消えてから相を分離し、プラバスタチンを含む水溶液を
酢酸イソブチル2×30 mlで洗浄した。得られた水溶液を活性炭で清澄処理した。
次いで水性ろ液を容量約20 mlへと濃縮した。得られた水溶液を0.4リットルSeph
adex LH-20ゲル(Pharmacia, Sweden)充填クロマトグラフィーカラム(高さ:
径=22)に注入した。クロマトグラフィーでは溶離液として脱イオン水を使用し
、20 ml画分を収集した。画分をLTCで分析し、次いでプラバスタチンを含む画分
を前述の要領でHPLCで分析した。純水のプラバスタチンを含む画分を混ぜ合わせ
、凍結乾燥させた。こうして、1.75 gのプラバスタチンが得られた。その純度は
HPLC分析では99.5%を超える。
6]株の斜面培養物から胞子懸濁液を0.9%塩化ナトリウム溶液5 mlで調整し、懸
濁液を実施例4で述べた要領で500 mlの接種培地に接種した。実効内容積5リット
ルの実験室規模発酵槽を使用して、生物変換培地PC/4を121℃で45分間滅菌処理
してから、タネ培養物を接種した。 培地PC/4の成分: 1000 ml水道水中 麦芽エキス 5.0 % 大豆ミール 1.0 % ペプトン 1.0 % コーンスティープリキュール 1.0 % MgSO4×7 H2O 0.1 % 滅菌処理前に培地のpHを7.0に調整した。接種後、培養と基質の供給を実施例2
の要領で行い、次いでプラバスタチン濃度610 μg/mlのブロス5.1リットルを得
た。
に示した方法で生産され、その粗産物から再結晶後に2.9 gのプラバスタチンジ
ベンジルアミン塩が得られた。再結晶プラバスタチンジベンジルアミン塩を45 m
lのエタノールに懸濁させ、次いでかく拌しながら水酸化ナトリウムの1 Mエタノ
ール溶液を供給することより110モル%の水酸化ナトリウムを加えた。溶液のかく
拌を半時間続けてから、0.3 gの活性炭を加えてさらに半時間かく拌した。溶液
をろ過し、ろ液を15 mlに濃縮した。56〜60℃で濃縮液に60 mlのアセトンを加え
た。得られた溶液を室温に冷却し、次いで一晩+5℃に保持した。その後、沈殿
をろ取し、2×20 mlアセトン、2×20 ml酢酸エチル、2×20 ml n-ヘキサンで順
次洗浄し、最後に減圧乾燥させた。得られた1.7 gの粗製プラバスタチンをエタ
ノールに溶かし、次いで活性炭で清澄処理し、エタノール−酢酸エチル混合液か
ら結晶させた。こうして1.54 gの、実施例2の産物に匹敵するプラバスタチンが
得られた。
E-97[NCAIM(P)F 001266]株の斜面培養物から、3000 ml三角フラスコ中の滅菌
500 ml接種培地MIへの接種を行い、ロータリーシェーカー上で3日間、28℃に保
持した。 培地MIの成分: 1000 ml水道水中 グルコース 40 g カゼイン 5 g KCl 0.5 g NaNO3 3 g KH2PO4 2 g MgSO4×7 H2O 0.5 g FeSO4×7 H2O 0.01 g 滅菌処理前に培地のpHを6.0に調整し、次いで121℃で35分間滅菌処理する。得
られたタネ培養物を発酵槽内の滅菌処理済み5リットル生物変換培地P12に接種す
る。 培地P12の成分: 1000 ml水道水中 グルコース 10 g 麦芽エキス 50 g 酵母エキス 5 g コーンスティープリキュール 5 g MgSO4×7 H2O 1 g Tween-80 0.5 g 滅菌処理前に培地のpHを7.0に調整し、次いで121℃で45分間滅菌処理した。発
酵、基質の供給および生物変換は実施例2の要領で行った。生物変換終了後、620
μg/mlの濃度に形成されたプラバスタチンを次の要領で単離した。
リウムで9.5へとpH調製してから、室温で1時間かく拌した。ブロスをろ過し、菌
糸体を1×2リットルの、次いで1×0.5リットルの水に、それぞれ懸濁させて洗浄
した。ろ液を混ぜ合わせ、水溶液のpHを20%硫酸で3.7に調整し、2.5リットルの
、次いで1.5リットルの酢酸エチルでそれぞれ抽出した。酢酸エチル抽出物を混
ぜ合わせ、2×0.5リットルの水で洗浄し、1.95 gのジシクロヘキシルアミンを加
えた。酢酸エチル抽出物を40℃で200 mlに減圧濃縮し、濃縮液に0.195 gのジシ
クロヘキシルアミンを再び加え、それを15℃で6時間かく拌した。沈殿した結晶
物質をろ取し、20 mlの、次いで15 mlの酢酸エチルで洗浄し、40℃で乾燥させた
。こうして、3.51 gの粗産物が得られた。粗産物をアセトン−エタノール混合液
中で再結晶させ、3.05 gのプラバスタチンジシクロヘキシルアミン塩(融点162
〜168℃)を得た。これを実施例5に従ってプラバスタチンに変換した。
要領で発酵、基質の供給および生物変換を行った。生物変換の結果として得られ
たプラバスタチンをブロスから次の要領で単離した。
。カビの菌糸体を2リットルの0.1 M水酸化ナトリウム溶液に入れて1時間かく拌
し、ろ過した。2つのろ液を混ぜ合わせ、15%硫酸でpHを3.5〜4.0に調整した。そ
の後、溶液を2×1.8リットルの酢酸エチルで抽出した。混ぜ合わせた酢酸エチル
抽出物を800 mlの水で洗浄した。次いで400 mlの脱イオン水を加え、また混合液
のpHを1 Mの水酸化ナトリウムで8.0〜8.5に調整した。混合液を15分間かく拌し
、相を分離した。酢酸エチル相に300 mlの水を加え、pHを8.0〜8.5に調整した。
15分かく拌後、相を分離した。300 mlの水を酢酸エチルに再び加え、pHを8.0〜9
.5に調整した。次いで混合液を15分間かく拌した。2相を再び分離した。水性相
をすべて混合し、15%硫酸でpHを3.5〜4.0に調整し、次いで3×300 mlの酢酸エチ
ルで抽出した。酢酸エチル抽出物を混ぜ合わせ150 mlの水で洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥させ、ろ過した。次いで150モル%のジオクチルアミン−プラバス
タチン濃度に合わせて計算−を酢酸エチル抽出物に加えた。酢酸エチルを蒸発さ
せて約1/10の容積とし、アセトンを沈殿が起こるまで加えた。混合物を一晩5℃
に保持した。沈殿をG-4フィルターでろ過し、20 mlのアセトンで、次いで20 ml
のn-ヘキサンでそれぞれ洗浄してから、室温で減圧乾燥させた。得られた3.3 g
の粗製プラバスタチンジオクチルアミン塩を20 mlのアセトンから再結晶させ、2
.7 gの純粋なプラバスタチンジオクチルアミン塩を得た。融点143〜146℃。プラ
バスタチンジオクチルアミン塩を実施例5に示す方法でプラバスタチンに変換し
た。
ことができる)Mortierella maculata n.sp. E-97株のヒドロキシル化能を、以
下に詳述する突然変異−選択および酵素誘導実験で発達させることにより、Mort
ierella maculata n.sp. E-97/15/13[NCAIM(P)F 001267]変異株を作り出した。
01266]株を斜面寒天培地MSにより28℃で7日間培養した。 寒天培地MSの成分: 1000 ml蒸留水中 グルコース 4 g 麦芽エキス 10 g 酵母エキス 4 g 寒天 20 g 5 mlの0.9%塩化ナトリウム溶液により斜面培地から胞子を洗い流し、次いで胞
子懸濁液を滅菌ペトリ皿に移した後、それに紫外線を1分間照射した。その後N’
-メチル-N’-ニトロ-N-ニトロソグアニジンを胞子懸濁液に加え、最終濃度を200
0 μg/mlとした。次いで懸濁液を100 ml三角フラスコに移し、28℃、150 rpmで2
0分間振とうした。その後、胞子を4000 rpm、10分間の遠心分離にかけて沈降さ
せ、次いで滅菌処理した0.9%塩化ナトリウム溶液に懸濁させた。懸濁液を、10
μg/mlのベノミルと1%の脱線維素血液を混ぜた寒天プレートMU-VB上にまいた。
寒天培地MU-VBの成分 990 ml蒸留水中 グルコース 40 g アスパラギン 2 g ペプトン 2.5 g リン酸二水素カリウム 0.5 g 寒天 20 g この培地は滅菌処理後、10 mlウシ血液と10 mgベノミルを加えて仕上げた。
寒天培地PSを入れた試験管に移した。 寒天培地PSの成分 1000 ml蒸留水中 グルコース 40 g 菌類ペプトン 10 g 寒天 15 g 滅菌処理に先立って培地のpHを5.6〜5.7に調整する。滅菌処理は121℃で20分
間実施する。
た振とうフラスコ実験で試験した。この方法で、濃度1000 μg/mlの添加コンパ
クチン酸ナトリウム塩から60%超の変換率でプラバスタチンを産生するMortierel
la maculata n.sp.E-97 /15/13[NCAIM(P)F 001267]変異株を選択した。
g/mlの8-デ-(2-メチル-ブチリル)コンパクチンおよび/またはコンパクチンを混
ぜたMU-BV寒天培地での培養により誘導した。形成されたコロニーをランダム選
択後にMU-BV斜面培地を入れた誘導器に移した。増殖した斜面培養のプラバスタ
チン生産性を実施例1で述べた方法で調べたが、それとの違いは500 μg/ml単位
のコンパクチン基質の供給を発酵4日目からさらに11日間実施したこと、および1
2日間に段階的に追加されたコンパクチンナトリウム基質がプラバスタチンへと
完全に転換されたことにある。50本の振とうフラスコ培養で行われた生物変換の
終わりには、30 gのコンパクチンナトリウム基質から18.5 gのプラバスタチンの
形成がHPLCで測定された。混合ブロスからのプラバスタチンの回収は下記の方法
によって行った。
pHを20%硫酸で3.5〜3.7に調整した。その後、この酸性溶液を2.75リットルの酢
酸エチルで抽出した。相を分離し、乳化有機物相から遠心分離で透明抽出液を得
た。ブロスを1.37リットルの酢酸エチルでさらに2回、前述の要領で抽出した。
酢酸エチル抽出物を混合し、2×1.15リットルの脱イオン水で洗浄し、次いで150
モル%のジベンジルアミン−HPLCで測定したプラバスタチン濃度に合わせて計算
−を酢酸エチル溶液に加えた。酢酸エチル溶液を約0.23リットルに減圧濃縮した
。この濃縮液にさらに20モル%のジベンジルアミンを加え、沈殿溶液を一晩0〜5
℃に保った。プラバスタチン酸ジベンジルアミン塩の沈殿をろ取し、次いで沈殿
を冷酢酸エチルに懸濁させ次いでn-ヘキサンに2回懸濁させて洗浄し、最後に40
〜50℃で減圧乾燥させた。得られた粗産物(22.4 g)を0.67リットルのアセトン
に62〜66℃で溶かし、溶液を2.2 gの活性炭で清澄処理した。清澄処理後、アセ
トンろ液を0.56リットルに減圧濃縮した。濃縮液から沈殿した結晶を再び前記温
度で溶かし、次いで溶液を室温に冷却した。その後、再結晶を0〜5℃で一晩継続
させた。沈殿結晶をろ取し、冷アセトンに2回、n-ヘキサンに2回、それぞれ懸濁
させて洗浄した。再結晶プラバスタチン酸ジベンジルアミン塩を40〜50℃で減圧
乾燥させた。得られたプラバスタチン酸ジベンジルアミン塩(14.8 g)を40〜44
℃で740 mlの酢酸エチル−エタノール(9:1)混合液に溶かし、次いで1Mエタノ
ール溶液という形のこの溶液に110モル%の水酸化ナトリウムを加えた。得られた
沈殿溶液を室温で半時間かく拌し続け、次いで1〜1.5時間氷で冷やして完全に沈
殿させた。その後沈殿をろ取し、2×150 mlの冷酢酸エチルと2×150 mlのn-ヘキ
サンで洗浄し、最後に40〜50℃で減圧乾燥させた。得られたプラバスタチンをエ
タノールに溶かし、1.0 gの活性炭で清澄処理し、次いでエタノール−酢酸エチ
ル混合液から結晶させた。こうして実施例2に掲げたデータに相当する物理定数
をもつ9.4 gのプラバスタチンが得られた。
様の変更や修正を本発明の精神と範囲から逸脱することなく行えることは当業者
には自明であろう。したがって、本発明は添付の請求項と準拠法によって要求さ
れる限りで限定されるものとする。
合物からの微生物学的製造方法であって、 (a) 式II化合物を6β位でヒドロキシル化することができる糸状カビMortiere
lla maculata種の株を同化性の炭素および窒素源と鉱物塩を含む培地上で培養す
る、 (b) 変換対象の基質をMortierella maculataの生育した培養物に供給する、 (c) 基質を生物変換完了まで発酵させる、 (d) 式I化合物を培養ブロスから分離する、および (e) 式I化合物を単離する というステップを含む製造方法。
を6β位でヒドロキシル化することができるMortierella菌株であって、本質的に
ハンガリー/ブダペストのNational Collection of Agricultural and Industri
al Microorganismsに登録番号NCAIM (P)F 001266で預託されているMortierella
maculata n.sp.E-97の新規株からなる菌株。
を6β位でヒドロキシル化することができるMortierella菌株であって、本質的に
ハンガリー/ブダペストのNational Collection of Agricultural and Industri
al Microorganismsに登録番号NCAIM (P)F 001267で預託されているMortierella
maculata n.sp.E-97/15/13の新規株からなる菌株。
Claims (33)
- 【請求項1】 以下の式I 【化1】 で示される化合物の、以下の式II: 【化2】 (式中Rはアルカリ金属またはアンモニウムのイオンである)で示される基質化
合物からの微生物学的製造方法であって、 (a) 式II化合物を6β位でヒドロキシル化することができる糸状カビMortiere
lla maculata種の株を同化性の炭素および窒素源と鉱物塩を含む培地上で培養す
る、 (b) 変換対象の基質をMortierella maculataの生育した培養物に供給する、 (c) 基質を生物変換完了まで発酵させる、 (d) 式I化合物を培養ブロスから分離する、および (e) 式I化合物を単離する というステップを含む製造方法。 - 【請求項2】 前記培地が栄養ブロスである、請求項1記載の方法。
- 【請求項3】 式I化合物を培養ブロスから分離するステップが陰イオン交
換樹脂への吸着により行われる、請求項2記載の方法。 - 【請求項4】 式I化合物を培養ブロスから分離するステップが水不混和性
の有機溶媒による抽出により、次いで中間物としてのそのラクトン誘導体または
第2級アミン塩の分離により行われる、請求項2記載の方法。 - 【請求項5】 式I化合物を培養ブロスから分離するステップが発酵ブロス
の有機溶媒抽出物から得られるアルカリ性水性抽出物の非イオン吸着樹脂クロマ
トグラフィーによる精製によって行われる、請求項2記載の方法。 - 【請求項6】 Mortierella maculata株がハンガリー/ブダペストのNation
al Collection of Agricultural and Industrial Microorganismsに登録番号NCA
IM(P)F 00126で預託されているMortierella maculata n.sp. E-97株である、請
求項1記載の方法。 - 【請求項7】 Mortierella maculata株がハンガリー/ブダペストのNation
al Collection of Agricultural and Industrial Microorganismsに登録番号NCA
IM(P)F 00127で預託されているMortierella maculata n.sp. E-97/15/13株であ
る、請求項1記載の方法。 - 【請求項8】 変換に使用される株のヒドロキシラーゼ酵素が8-デ-(2-メチ
ル-ブチリル)コンパクチンまたはコンパクチンによって誘導される、請求項1記
載の方法。 - 【請求項9】 基質としての式II化合物が供給ステップに沿って培養物に添
加され、かつ供給ステップが培養物のpHに依存し、その量はブロス容量の0.5〜1
.0%であることを特徴とする、請求項2記載の方法。 - 【請求項10】 発酵ステップがグルコース、フルクトースおよびグリセリ
ンからなる群より選択される炭素源を含む培地で行われる、請求項1記載の方法
。 - 【請求項11】 発酵ステップが大豆ミール、ペプトン、カゼイン、酵母エ
キスおよび食肉エキスからなる群より選択される窒素源を含む培地で行われる、
請求項1記載の方法。 - 【請求項12】 生物変換時に形成される式I化合物が培養ブロスから、ブ
ロスろ液および菌糸体洗浄水からの陰イオン交換樹脂への吸着、樹脂からの式I
化合物の溶出、式I化合物のラクトン形態への完全な変換、ラクトン誘導体の単
離、ラクトン誘導体の水酸化ナトリウムによる加水分解、および式I化合物の非
イオン吸着樹脂上での脱塩によって分離されることを特徴とする、請求項2記載
の方法。 - 【請求項13】 陰イオン交換樹脂がポリスチレン−ジビニルベンゼン骨格
を備える第4級アンモニウム活性基をもち、ブロスろ液からの式I化合物の分離
に使用される、請求項12記載の方法。 - 【請求項14】 生物変換時に形成される式I化合物が、あらかじめpH 3.5
〜3.7へと酸性化されているブロスから、またはブロスろ液から、水不混和性の
有機溶媒により酸形態で抽出される、請求項4記載の方法。 - 【請求項15】 水不混和性の有機溶媒が酢酸エチルである、請求項14記載
の方法。 - 【請求項16】 水不混和性の有機溶媒が酢酸イソブチルである、請求項14
記載の方法。 - 【請求項17】 式I化合物が有機溶媒から水酸化ナトリウム水溶液中にナ
トリウム塩形態で抽出されかつ非イオン吸着樹脂上で精製される、請求項5記載
の方法。 - 【請求項18】 式I化合物を、アルキル-、シクロアルキル-、アラルキル
-またはアリール-置換基をもつ第2級アミンにより抽出物から結晶形態で沈殿さ
せることを特徴とする、請求項14記載の方法。 - 【請求項19】 結晶体の第2級アミン塩を炭素原子数1〜4の酢酸アルキル
エステルと水の混合液中に懸濁させ、その懸濁液に当量の水酸化ナトリウムを水
溶液にして加えて有機物相と水性相が形成されるようにし、有機物相と水性相を
分離させ、水性相を酢酸イソブチルで洗浄し次いで活性炭で清澄処理し、その水
溶液を凍結乾燥させることを特徴とする、請求項18記載の方法。 - 【請求項20】 アルキルエステルがイソブチルエステルである、請求項19
記載の方法。 - 【請求項21】 結晶体の第2級アミン塩を炭素原子数1〜4のアルコールに
懸濁させ、水酸化ナトリウムのエタノール溶液を加えることによりその懸濁液か
ら式I化合物の溶液を調製し、その溶液からアセトンにより式I化合物を沈殿さ
せることを特徴とする、請求項18記載の方法。 - 【請求項22】 炭素原子数1〜4のアルコールがエタノールである、請求項
21記載の方法。 - 【請求項23】 結晶体の第2級アミン塩を炭素原子数1〜4のアルカンカル
ボン酸の炭素原子数1〜4個のアルキルエステルと炭素原子数1〜4のアルコールと
の混合液に溶解させ、水酸化ナトリウムを加えることによりその溶液から式I化
合物を結晶形態で沈殿させることを特徴とする、請求項18記載の方法。 - 【請求項24】 混合液が酢酸エチル−エタノール混合液である、請求項23
記載の方法。 - 【請求項25】 プラバスタチンが発酵ブロスから、酸形態の式I化合物ジ
ベンジルアミン塩を経由して単離される、請求項19記載の方法。 - 【請求項26】 式I化合物の酸誘導体がそのジシクロヘキシルアミン塩を
経由して精製される、請求項19記載の方法。 - 【請求項27】 式I化合物の酸誘導体がそのジオクチルアミン塩を経由し
て精製される、請求項19記載の方法。 - 【請求項28】 式I化合物が、ゲルクロマトグラフィー使用のHPLCで測定
して少なくとも99.5%の純度に精製される、請求項19記載の方法。 - 【請求項29】 Mortierella maculata株が約25℃〜約30℃で培養される、
請求項1記載の方法。 - 【請求項30】 ハンガリー/ブダペストのNational Collection of Agric
ultural and Industrial Microorganismsに登録番号NCAIM (P)F 001266で預託さ
れているMortierella maculata n.sp.E-97株の生物学的純粋培養物。 - 【請求項31】 ハンガリー/ブダペストのNational Collection of Agric
ultural and Industrial Microorganismsに登録番号NCAIM (P)F 001267で預託さ
れているMortierella maculata n.sp.E-97/15/13株の生物学的純粋培養物。 - 【請求項32】 以下の式II: 【化3】 (式中Rはアルカリ金属またはアンモニウムのイオンである)で示される化合物
を6β位でヒドロキシル化することができるMortierella菌株であって、本質的に
ハンガリー/ブダペストのNational Collection of Agricultural and Industri
al Microorganismsに登録番号NCAIM (P)F 001266で預託されているMortierella
maculata n.sp.E-97の新規株からなる菌株。 - 【請求項33】 以下の式II: 【化4】 (式中Rはアルカリ金属またはアンモニウムのイオンである)で示される化合物
を6β位でヒドロキシル化することができるMortierella菌株であって、本質的に
ハンガリー/ブダペストのNational Collection of Agricultural and Industri
al Microorganismsに登録番号NCAIM (P)F 001267で預託されているMortierella
maculata n.sp.E-97/15/13の新規株からなる菌株。
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