JP2002530452A - ポリオレフィンに基づく成形品、繊維およびフィルムの接着および/または被覆適合性を永久的に改善するための脂肪酸アミドの使用 - Google Patents

ポリオレフィンに基づく成形品、繊維およびフィルムの接着および/または被覆適合性を永久的に改善するための脂肪酸アミドの使用

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JP2002530452A JP2000582456A JP2000582456A JP2002530452A JP 2002530452 A JP2002530452 A JP 2002530452A JP 2000582456 A JP2000582456 A JP 2000582456A JP 2000582456 A JP2000582456 A JP 2000582456A JP 2002530452 A JP2002530452 A JP 2002530452A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ポリオレフィンに基づく成形品、繊維およびフィルムの接着および/または被覆適合性を永久的に改善するための脂肪酸アミドの使用であって、(a)主成分として1またはそれ以上のポリオレフィン、(b)ポリオレフィンを基準に、0.01〜20重量%の1またはそれ以上の脂肪酸アミド、および(c)ポリオレフィンを基準に、遷移金属化合物の金属含量が0.01〜1000ppmである1またはそれ以上の遷移金属化合物、を含有する混合物を、180〜330℃の温度で、既知の方法により、押出し法、カレンダー成形法、射出成形法、ブロー成形法などの成形加工にかけることからなる使用に関する。この混合物を次の条件で成形加工にかける:即ち、脂肪酸アミド(b)は、一般式(I): 【化1】 [式中、R基は、5〜21個の炭素原子を含む飽和アルキル基であり、RおよびR基は、互いに独立して、水素または1〜18個の炭素原子を含むアルキル基であり、このアルキル基は、6個までのOH基、NH基もしくはC1-10アルキル基によって置換されていてよく、また、互いに直に隣接していない3個までのメチレン基は酸素によって置換されていてよく、ただし、RおよびR基の両方が同時に水素であることはない]で示される化合物の群から選択され、さらに、成分(a)、(b)および(c)を含有する混合物は、不飽和脂肪酸に基づく脂肪酸アミドを、飽和脂肪酸に基づく脂肪酸アミド(b)の量を基準に、40重量%以下の量で含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、ポリオレフィンに基づく成形品、繊維およびフィルムの接着および
/または被覆適合性を永久的に改善するための特別の脂肪酸アミドの使用に関す
る。
【0002】 (背景技術) あらゆる三次元形状の成形加工品(ポリオレフィンに基づく成形品、繊維およ
びフィルムを包含する)が、実際的に広範囲に使用されている。ここでの重要な
課題は、これらの構造的に非極性の炭化水素成分の表面特性を改善することであ
る。即ち、被覆物および接着剤の接着に劣ることが、中心となる課題であり、そ
の解決方法を見つけようとする多くの試みにもかかわらず、この課題は数10年
間にわたり未解決のままである。
【0003】 従来技術から、プラスチック表面と被覆物および接着剤との適合性を、例えば
、酸化性の後処理方法(例えば、コロナまたはプラズマ処理)によって改善しうる
ことが知られている。このような方法においては、プラスチックの表面を、放電
およびガスの存在下に酸化するかまたは化学的に修飾することにより、プラスチ
ックのある種の表面特性を修飾することができる。しかし、これらの高いエネル
ギー消費は別にしても、このような方法は、常に、追加の工程を必要とし、プラ
スチック部品の製造の際にオゾン放出を導く。さらに、化学的な前処理方法(例
えば、フッ素または塩素ガスによる処理、クロモ硫酸またはフルオロスルホン酸
による処理などを包含する)も、これまでに知られていた。
【0004】 欧州特許EP-B-372890は、滑剤が表面に接着して適用されたポリオレ
フィンまたはポリエステルに基づく繊維を記載している。この滑剤は、(1)脂肪
酸ジエタノールアミド、(2)ポリエーテル修飾されたシリコーン、(3)ソルビタ
ン脂肪酸エステル、および(4)アルキルスルホネートの金属塩の混合物を含有す
る。成分(1)〜(4)は特別の量比で存在する。第3頁第20〜26行によれば、
成分(1)〜(4)の混合物を表面に適用する。4種類の成分を含有する混合物を繊
維表面に適用する方法は、第4頁第6〜9行に詳しく記載されている。記載され
ている適用方法には、(a)ローラーの使用、(b)噴霧、および(c)浸漬が含まれ
る。即ち、欧州特許EP-B-372890の方法は、成分(1)〜(4)の混合物を
、追加の工程においてポリオレフィン成形品の表面に適用することからなる方法
である。従って、欧州特許EP-B-372890の請求項1において使用されて
いる「繊維表面に接着して適用される」なる表現は、関与しているあらゆる接着
が、緩やかで一時的なものであり、例えば比較的弱い接着力の形態にあり、いか
なる意味においても永久的な固定を示すものとはみなされない、ことを意味する
と専門家には解釈されることが明らかであろう。
【0005】 極めて広範囲に使用されているこれまでの化学的な後処理方法(例えば、コロ
ナおよびプラズマ処理)に鑑みて、関与する種々の課程について正確に言及する
ことはできないと専門家には知られている。しかし、酸化性の表面変化が起こり
、これがある種の「活性中心」の生成につながることが確かめられている。しか
し、その濃度は時間とともに減少するのが普通であり、従って、前処理効果は、
ある一定時間のみ明らかであるにすぎず、通常は72時間を超えることはない[
例えば、Klaus Stoeckert(編)の「合成物質−表面の改良」(ミュンヘン、197
4、第137頁)を参照]。
【0006】 全ての既知の方法に共通する1つの特徴は、一般に、所望の表面効果が一時的
に存在するにすぎないことである。
【0007】 欧州特許EP-B-616622は、押出し可能かつ堆肥化可能なポリマー組成
物であって、自己酸化性成分および遷移金属からなる分解促進系を含有する押出
し可能な熱可塑性ポリマー、コポリマーまたはその混合物を含んでなる組成物に
関する。この自己酸化性の系は、脂肪酸、置換された脂肪酸またはその誘導体ま
たは混合物を含んでなり、この脂肪酸は、10〜22個の炭素原子を含み、少な
くとも0.1重量%の不飽和化合物および少なくとも0.1重量%の遊離酸を含有
する。遷移金属は、組成物中に塩の形態で5〜500ppmの量で存在し、コバ
ルト、マンガン、銅、セリウム、バナジウムおよび鉄からなる群から選択される
。約100ミクロンの厚みのフィルムの形態で、この組成物は、少なくとも80
%の相対空気湿度において60℃で14日間で、脆い物質に酸化分解されると言
及されている。
【0008】 国際特許出願公開WO97/12694およびWO98/42776は、ポリ
オレフィンに基づく成形品、繊維およびフィルムの接着および/または被覆適合
性を永久的に改善するための両親媒性物質の使用であって、 (a)主成分として1またはそれ以上のポリオレフィン、 (b)1またはそれ以上の移動可能な両親媒性物質、および (c)1またはそれ以上の遷移金属化合物、 を含有する混合物を、通常の方法により、180〜320℃の範囲の温度で、成
形(例えば、押出しによる成形)にかけることからなる使用を記載している。不飽
和脂肪酸のジアルカノールアミド、例えば、オレイン酸ジエタノールアミドまた
はリノール酸ジエタノールアミドが成分(b)として使用するのに特に適すること
が開示されている。成分(c)の性質に関する限り、WO97/12694は、特
にCo、Zr、Fe、Pb、Mn、Ni、Cr、VおよびCeを挙げており、一方、WO
98/42776は、特にTiおよびSnを、該成分中に存在する遷移金属として
挙げている。
【0009】 (発明の開示) 本発明が指向する課題は、ポリオレフィンに基づく成形品、繊維およびフィル
ムの接着および/または被覆適合性を持続的および永久的に改善することができ
る助剤を提供することであった。換言すると、本発明の目的は、接着および/ま
たは被覆のためにポリオレフィン表面の親和性を永久的に改善するための助剤を
提供することであった。さらに具体的には、本発明の目的は、所望ではない接着
破壊を排除し、接着点が凝集破壊によってのみ、または凝集/接着破壊の組合わ
せによって破壊されることを確実にする、高強度の結合の確立を可能にすること
であった。特に、ポリオレフィンに基づく成形品、繊維およびフィルムの接着お
よび/または被覆適合性を永久的に改善する際に、従来技術から既知である両親
媒性物質の効果が量的に改善されるであろう。
【0010】 本発明は、ポリオレフィンに基づく成形品、繊維およびフィルムの接着および
/または被覆適合性を永久的に改善するための脂肪酸アミドの使用であって、 (a)主成分として1またはそれ以上のポリオレフィン、 (b)ポリオレフィンを基準に、0.01〜20重量%の1またはそれ以上の脂
肪酸アミド、および (c)ポリオレフィンを基準に、遷移金属化合物の金属含量が0.01〜100
0ppmである1またはそれ以上の遷移金属化合物、 を含有する混合物を、既知の方法により、180〜330℃の温度で、押出し、
カレンダー成形、射出成形、ブロー成形などによる成形にかけることからなり、 脂肪酸アミド(b)が、一般式(I):
【化3】 [式中、Rは、5〜21個の炭素原子を含む飽和アルキル基であり、Rおよ
びRは、互いに独立して、水素または1〜18個の炭素原子を含むアルキル基
であり、このアルキル基のそれぞれは、6個までのOH基、NH基もしくはC 1-10 アルキル基によって置換されていてよく、また、互いに直に隣接していない
3個までのメチレン基は酸素によって置換されていてよく、ただし、Rおよび
はその両方が水素であることはできない] で示される化合物の群から選択され、 さらに、成分(a)、(b)および(c)を含有する混合物が、不飽和脂肪酸に基づ
く脂肪酸アミドを、飽和脂肪酸に基づく脂肪酸アミド(b)の量を基準に、多くと
も40重量%の量で含有することからなる使用に関する。
【0011】 (発明を実施するための最良の形態) 本発明において「遷移金属」とは、より狭い意味でのあらゆる遷移金属であり
[例えば、Roempps Chemie-Lexikon、シュトゥットガルト、1977、第371
7頁を参照]、さらに金属スズ(Sn)および鉛(Pb)である。
【0012】 本発明に従って使用する一般式(I)で示される脂肪酸アミド(b)は、C6-22
肪酸から誘導される。これらの脂肪酸は、一般式(II):R-COOH [式中、
は上記定義の通りである]によって示される。
【0013】 1つの態様においては、脂肪酸アミド(b)は、脂肪酸アルカノールアミドまた
はジアルカノールアミドであり、これら化合物のベースとなる脂肪酸は、飽和の
6-22脂肪酸である。
【0014】 脂肪酸アルカノールアミドは、一般式(Ia):
【化4】 [式中、Rは上記定義の通りであり、Rは、6個までのOH基、NH基ま
たはC1-10アルキル基によって置換されていてもよいC1-18アルキル基であり、
は1個のOH基によって置換されたC1-6アルキル基であるのが好ましい] で示される化合物である。
【0015】 脂肪酸ジアルカノールアミドは、一般式(Ib):
【化5】 [式中、Rは上記定義の通りであり、RおよびRは、互いに独立して、6
個までのOH基、NH基またはC1-10アルキル基によって置換されていてもよ
いC1-18アルキル基であり、RおよびRは、1個のOH基によって置換され
たC1-6アルキル基であるのが好ましい] で示される化合物である。
【0016】 化合物(b)は、個々に、および互いと組合わせて使用することができる。
【0017】 好ましい態様においては、使用する化合物(b)は、ベースの脂肪酸が、12〜
16個の炭素原子、より具体的には12〜14個の炭素原子を含む飽和脂肪酸で
ある化合物である。この群の特に好ましい化合物は、ラウリン酸、ミリスチン酸
および植物原料に由来するこれら酸の混合物(例えば、ヤシ油脂肪酸)のモノおよ
びジエタノールアミドである。ここに挙げた化合物は、特に工業用品質で使用さ
れる。
【0018】 他の態様は、成分(a)、(b)および(c)を含有する混合物が、不飽和脂肪酸に
基づく脂肪酸アミドを、飽和脂肪酸に基づく脂肪酸アミド(b)の量を基準に、多
くとも10重量%の量で含有することを特徴とする。
【0019】 本発明に従って使用する化合物(b)は移動することができる。このことは、こ
れら化合物が、製造中に、例えば押出しによる製造中に、得られるポリオレフィ
ン成形品の表面に移動することができることを意味する。従って、これらはプラ
スチック母材の表面に、または該表面近くの領域に蓄積する。このことを出願人
は、数nm程度の厚みの表面層を取り、その後にアブスキャン(Abscan)法を適用
することによって、確かめることができた。
【0020】 本発明に従って記載した特別の脂肪酸アミド(b)の使用によって、被覆物およ
び接着剤が、追加の前処理を行うことなく永久的に、プラスチックに接着するこ
とを確実にする。これが確立されると、接着および/または被覆適合性の値は、
長期間にわたって無傷のままであり、ときには、継続貯蔵したときに増加するこ
ともある。本発明によれば、永久的な結合または被覆が達成されるように本発明
に従って表面修飾されたポリオレフィンと接触させることができる接着剤および
被覆組成物の種類については、基本的に制限はない。即ち、専門家には既知であ
るあらゆる接着剤、特に市販されている接着剤を、接着剤として使用することが
できる。被覆物に関する限り、ペイントが特に関係している。ペイントとは、液
体または粉末形態の固体であり、これは、薄い層で表面に適用され、化学反応お
よび/または物理課程によって該表面に強固な装飾および/または保護フィルム
を形成する。また、本発明における被覆物には、印刷インクが含まれる。この理
由は、印刷インクが、印刷すべき基材にバインダー層中で適用され、被覆を形成
するバインダーによって基材に接着されるためである。
【0021】 成分(a)、(b)および(c)を含有する混合物を、専門家には周知である通常の
成形法、例えば、押出し、カレンダー成形、射出成形、ブロー成形などにおいて
使用する。本発明の好ましい態様においては、成分(a)、(b)および(c)を含有
する混合物の溶融物を、成形方法の課程において、酸素(より具体的には大気中
酸素)と接触させる。例えば、押出しの場合には、これは、溶融物が押出しダイ
を通って押出機を離れるときに起こる。上記した好ましい態様は、酸化(所望に
より、触媒によって促進される)の課程および他の二次反応が起こるのを可能に
する。(大気中)酸素は、一方において表面それ自体に作用することができ、他方
においてプラスチックの内部(特に、拡散が可能な表面近くの領域)にも作用する
ことができる。
【0022】 ポリオレフィン表面における被覆または接着適合性を改善するために自体知ら
れている方法と、高い接着または被覆適合性の値を導く本発明の教示の組合わせ
は、本発明の教示の範囲内にある。即ち、本発明に従って製造されるポリオレフ
ィンの表面を、機械的および化学的および/または物理的に処理することもでき
る。しかし、一般にこれは必要ではない。
【0023】 既に上記したように、ポリオレフィン(a)の成形中に、化合物(b)を遷移金属
化合物(c)と組合わせて使用する。遷移金属化合物の量は、ポリオレフィンを基
準にした遷移金属化合物の金属含量として、0.01〜1000ppmの範囲内
である。基本的に、遷移金属化合物の性質について特別の制限は存在しない。従
って、原則的には、専門家に知られているあらゆる遷移金属化合物を、本発明の
教示の目的に使用することができる。1つの態様においては、遷移金属の塩、好
ましくは6〜22個の炭素原子を含む有機酸に基づく塩を、遷移金属化合物とし
て使用する。別の態様においては、遷移金属化合物を、ポリオレフィンを基準に
した遷移金属化合物の金属含量として、5ppm以下の量で使用する。別の態様
は、金属がCo、Zr、Fe、Pb、Mn、Ni、Cr、V、Ce、TiおよびSnからな
る群から選択される遷移金属化合物(c)の使用を特徴とする。
【0024】 所望により、酸化課程のための触媒として専門家に知られている他の化合物を
、上記した必須の遷移金属化合物に加えて使用することができる。
【0025】 1つの好ましい態様においては、化合物(b)と遷移金属化合物(c)の金属含量
との重量比を、10:0.1〜10:10-7の値、好ましくは10:0.02〜1
0:10-6の値、さらに好ましくは10:0.01〜10:10-5の値に調整す
る。
【0026】 本発明によれば、特別の脂肪酸アミド(b)を、通常の成形方法(例えば、押出
し、カレンダー成形、射出成形、ブロー成形など)の課程において使用する。予
め調製した混合物の形態で、成分(a)、(b)および(c)を使用するのが望ましい
であろう。また、プラスチック成形において成功裏に使用されており、かつ専門
家に知られている他の典型的な助剤、例えば、スリップ剤、帯電防止剤、滑剤、
剥離剤、UV安定剤、酸化防止剤、充填剤、難燃剤、離型剤、核剤および粘着防
止剤を、独立して調製し、最終生成物の最終混合中に添加することもできる。上
記した助剤が既に成分(a)中に完全にまたは部分的に存在している形態で、上記
成分を使用する通常の実施は、明らかに本発明の範囲内に包含される。
【0027】 しかし、例えば押出し法が使用されるときには、成分(b)および/または(c)
および/または他の添加剤(全部または部分的に)を、押出機においてポリオレフ
ィン溶融物それ自体に導入して、成分(a)、(b)および(c)および所望による他
の助剤の混合物が、調製された生成物として最初から存在するのではなく、押出
機それ自体において形成されるようにするのが望ましいこともある。このような
方法は、例えば、ポリマー溶融物に添加される成分(b)が、液体形態で存在し、
予め調製しておくよりも注入する方が容易であるときに適当になる。
【0028】 さらに、本発明の効果を得るのに必要という訳ではないが、本発明に従って成
分(a)〜(c)を使用した後に、通常のコロナまたはプラズマ処理を行うのが望ま
しいこともある。
【0029】 基本的に、あらゆる既知のエチレンまたはプロピレンに基づくポリマーおよび
コポリマーを、ベースとなる親油性ポリオレフィン材料として使用することがで
きる。
【0030】 純粋なポリオレフィンとコポリマーとの混合物も、化合物(b)が、本発明に従
って移動し、従って固体の表面に集まるその能力を保持しているなら、原則的に
適している。本発明の教示の目的に特に適するポリマーを以下に列挙する:ポリ
(エチレン)、例えばHDPE(高密度ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチ
レン)、VLDPE(超低密度ポリエチレン)、LLDPE(線状低密度ポリエチレ
ン)、MDPE(中密度ポリエチレン)、UHMPE(超高分子量ポリエチレン)、
VPE(架橋ポリエチレン)、HPPE(高圧ポリエチレン);アイソタクチックポ
リプロピレン;シンジオタクチックポリプロピレン;メタロセン触媒されたポリ
プロピレン、耐衝撃性ポリプロピレン、エチレンとプロピレンをベースとするラ
ンダムコポリマー、エチレンとプロピレンをベースとするブロックコポリマー;
EPM[ポリ(エチレン-コ-プロピレン)];EPDM[ポリ(エチレン-コ-プロピレ
ン-コ-非共役ジエン)]。
【0031】 他の適当なポリマーを以下に列挙する:ポリ(スチレン);ポリ(メチルスチレ
ン);ポリ(オキシメチレン);メタロセン触媒されたα-オレフィンまたはシクロ
オレフィンコポリマー、例えばノルボルネン/エチレンコポリマー;少なくとも
80%のエチレンおよび/またはスチレンと、20%未満のモノマー、例えば酢
酸ビニル、アクリレート、メタクリレート、アクリル酸、アクリロニトリル、塩
化ビニルを含有するコポリマー。このようなポリマーの例を以下に列挙する:ポ
リ(エチレン-コ-アクリル酸エチル)、ポリ(エチレン-コ-酢酸ビニル)、ポリ(エ
チレン-コ-塩化ビニル)、ポリ(スチレン-コ-アクリロニトリル)。また、適当な
ポリマーは、グラフトコポリマーおよびポリマー配合物、即ち、特に上記したポ
リマーが存在するポリマー混合物、例えばポリエチレンとポリプロピレンをベー
スとするポリマー配合物である。
【0032】 エチレンおよびプロピレンをベースとするホモポリマーおよびコポリマーが本
発明の目的に特に好ましい。従って、本発明の1つの態様においては、ポリエチ
レンそれ自体をポリオレフィンとして使用し、別の態様においては、ポリプロピ
レンそれ自体をポリオレフィンとして使用し、さらに別の態様においては、エチ
レン/プロピレンコポリマーをポリオレフィンとして使用する。
【0033】 本発明の方法によって得られる表面修飾されたポリオレフィン-ベースの成形
品およびフィルムへの被覆物または接着剤の適用は、基本的には、専門家に知ら
れている関連の方法のいずれかによって行うことができる。
【0034】 1つの態様においては、ポリエチレンを成分(a)として使用する。これがHD
PE(高密度ポリエチレン)であるときには、成形中は200〜300℃の温度に
合わせるのが好ましく、一方、カーボンブラックを含有するHDPEの場合には
、成形温度を250〜300℃の範囲内の値に合わせるのが好ましい。LDPE
(低密度ポリエチレン)を使用するときには、成形課程中は180〜260℃の温
度、より具体的には200〜260℃の範囲内の温度に合わせるのが好ましい。
【0035】 押出し法の場合には、HDPEおよびLDPEについて上記した温度が、特に
ダイの温度に当てはまる。
【0036】 成分(a)、(b)および(c)の混合物を押出しによって成形するときには、ポリ
オレフィン成形品を、ダイから離れた直後に、好ましくは0.1〜5.0秒間で、
最高で50℃冷却する。即ち、この50℃の温度差(以下においてはΔT50と
も言う)は、以下の式によって示される:
【数1】 ΔT50=T(ダイ)−T(ポリオレフィン表面) [式中、T(ダイ)は、押出しダイの温度であり、T(ポリオレフィン表面)は、例
えば関連の既知の赤外法(例えば、Chinoの「IR-TA/Handy 1000」赤外熱量計)を
用いて、全く接触させることなく測定した押出されたポリオレフィン成形品の表
面温度である]。
【0037】 1つの特に好ましい態様においては、ポリオレフィン成形品を、押出しダイか
ら離れた直後に、1.0〜5.0秒間で、より具体的には1.7〜5.0秒間で、最
高で50℃冷却する。
【0038】 ポリオレフィン成形品が、押出しダイから離れた後に一定速度で移動すると仮
定すると、上記した時間の尺度を、既知の式:v=s/t(速度=距離÷時間)を
用いて、距離の尺度に容易に変換することができる。この式を、s=v*t(距
離=速度×時間)に変換することができ、これから、距離s(即ち、押出しダイか
らの距離)と時間tが互いに比例していることがわかる。定義により、距離尺度
の0の点を、ダイの出口すぐのところに設定する。
【0039】 脂肪酸アミド(b)を用いて得られるポリオレフィン成形品、より具体的には、
押出しによって得られる顆粒を、大きなプラスチックを加工する際のいわゆるマ
スターバッチとして使用することができる。
【0040】 また、本発明は、結合および/または被覆されたポリオレフィンに基づく成形
品、繊維およびフィルムの製造方法であって、 (a)主成分として1またはそれ以上のポリオレフィン、 (b)ポリオレフィンを基準に、0.01〜20重量%の1またはそれ以上の脂
肪酸アミド、および (c)ポリオレフィンを基準に、遷移金属化合物の金属含量が0.01〜100
0ppmである1またはそれ以上の遷移金属化合物、 を含有する混合物を、既知の方法により、180〜330℃の温度で、押出し、
カレンダー成形、射出成形、ブロー成形などによる成形にかけ、次いで、得られ
た接着および/または被覆適合性が改善されたポリオレフィンに基づく成形品、
繊維およびフィルムを、通常のように接着剤および/または被覆組成物と接触さ
せることからなり、 脂肪酸アミド(b)が、一般式(I):
【化6】 [式中、Rは、5〜21個の炭素原子を含む飽和アルキル基であり、Rおよ
びRは、互いに独立して、水素または1〜18個の炭素原子を含むアルキル基
であり、このアルキル基のそれぞれは、6個までのOH基、NH基もしくはC 1-10 アルキル基によって置換されていてよく、また、互いに直に隣接していない
3個までのメチレン基は酸素によって置換されていてよく、ただし、Rおよび
はその両方が水素であることはできない] で示される化合物の群から選択され、 さらに、成分(a)、(b)および(c)を含有する混合物が、不飽和脂肪酸に基づ
く脂肪酸アミドを、飽和脂肪酸に基づく脂肪酸アミド(b)の量を基準に、多くと
も40重量%の量で含有することを特徴とする方法に関する。
【0041】 (実施例) 1.使用原料 1-1.ポリオレフィン(a) ホスタ(Hosta):高密度ポリエチレン[「ホスタレン(Hostalen)CRP100」
、ホスタレン社(Hostalen GmbH)の製品];製造元によれば、このポリエチレンは
酸化防止剤およびカーボンブラックをも含有する。 ルポ(Lupo):低密度ポリエチレン[「ルポレン(Lupolen)1800H」、エレナ
ック(Elenac)の製品]。
【0042】 1-2.添加剤(b) コンペルラン(Comperlan)LD:ラウリン酸ジエタノールアミド[ヘンケル社(H
enkel KGaA)、デュッセルドルフの製品]。 コンペルラン(Comperlan)LM:ラウリン酸モノエタノールアミド[ヘンケル社
、デュッセルドルフの製品]。 コンペルラン(Comperlan)F:リノール酸ジエタノールアミド[ヘンケル社、デ
ュッセルドルフの製品]。 C8-AE:カプリル酸メチルと2-(2-アミノエトキシ)-エタノールの反応生
成物(以下に記載するアミド製造のための一般的方法によって得られる)。 C12-AE:ラウリン酸メチルと2-(2-アミノエトキシ)-エタノールの反応
生成物(以下に記載するアミド製造のための一般的方法によって得られる)。 C16-AE:パルミチン酸メチルと2-(2-アミノエトキシ)-エタノールの反
応生成物(以下に記載するアミド製造のための一般的方法によって得られる)。 C8-APD:カプリル酸メチルと3-アミノプロパン-1,2-ジオールの反応
生成物(以下に記載するアミド製造のための一般的方法によって得られる)。 C12-APD:ラウリン酸メチルと3-アミノプロパン-1,2-ジオールの反
応生成物(以下に記載するアミド製造のための一般的方法によって得られる)。 C16-APD:パルミチン酸メチルと3-アミノプロパン-1,2-ジオールの
反応生成物(以下に記載するアミド製造のための一般的方法によって得られる)。 C12-EA:ラウリン酸メチルとエタノールアミンの反応生成物(以下に記載
するアミド製造のための一般的方法によって得られる)。 C12-AP:ラウリン酸メチルと3-アミノ-1-プロパノールの反応生成物(
以下に記載するアミド製造のための一般的方法によって得られる)。 C12-MPMD:ラウリン酸メチルと2-メチルペンタメチレンジアミンの反
応生成物(以下に記載するアミド製造のための一般的方法によって得られる)。 C12-BEPD:ラウリン酸メチルと2-ブチル-2-エチルペンタン-1,5-
ジアミンの反応生成物(以下に記載するアミド製造のための一般的方法によって
得られる)。 C18-DEA:ステアリン酸ジエタノールアミド。
【0043】 アミド製造のための一般的方法 脂肪酸メチルエステル(1モル)およびアミン(1モル)を、撹拌機、滴下ロート
および内部温度計を装着した500mlのフラスコに導入した。アミンを、不活
性ガス雰囲気(窒素)中、撹拌しながら迅速に滴下した。次いで、メタノール中の
ナトリウムメチラートの30重量%溶液(7.2g)を添加し、反応混合物を12
0℃の底部温度までゆっくりと加熱した。次に、反応混合物を、この温度で4時
間撹拌した。次いで、180℃の底部温度で、水流真空下に、メタノールを連続
的に留去した。 この方法によって、次の化合物(b)を調製した:即ち、C8-AE、C12-A
E、C16-AE、C8-APD、C12-APD、C16-APD、C12-EA
、C12-AP、C12-MPMD、C12-BEPDを調製した。
【0044】 1-3.遷移金属化合物(c) 使用した遷移金属化合物(c)の金属は、全て酸化数+2を有していた。Fe、
Mn、ZrおよびCeを、そのオクトエートまたはニトレートの形態で使用した。
CoおよびCuは、「オクタ-ゾリゲン コバルト6、D60中(Octa-Soligen Koba
lt 6 in D60)」および「ゾリゲン クッファー8(Soligen Kupfer 8)」[ボーチャ
ーズ(Borchers)の製品]の形態で使用した。これらの製品は、表1〜3において
は、それぞれCo-SoligenおよびCu-Soligenと表示している。
【0045】 2.本発明の方法による表面修飾したポリエチレンの製造 表面修飾したポリエチレンの接着適合性の性質を試験するために、以下の成分
を混合することによって、最初にポリエチレンをテープの形態で製造した: ・600gのポリエチレン顆粒(a)[使用したポリエチレンの具体的な種類は表
1〜3に示す]、 ・添加剤(b)、および ・遷移金属化合物(c)。 使用した成分(b)および(c)の具体的な種類および量は、表1〜3に示す。
【0046】 混合物を、ホッパーから押出機に導入した。ブラベンダー(Brabender)DSK
42/7二軸スクリュー押出機[ブラベンダー社(Brabender OHG)、Duisburg]を
使用した。専門家には周知であるように、押出機はプラスチックを加工するため
の機械であり、この機械において、粉末形態および顆粒状の両方の熱可塑性プラ
スチックを連続的に混合および可塑化することができる。供給ホッパーの下に、
長さ方向に3つの加熱ゾーンに分けられた逆回転している二軸スクリューが存在
し、さらに、顆粒または粉末の早すぎる溶融を防止するための水冷却系が存在す
る。PCインターフェースを介して押出機に接続されたデータ処理用プラスト-
コーダー(Plast-Corder)PL2000によって、加熱ゾーンの温度および二軸ス
クリューの回転速度を制御することができる。ポリエチレンテープを製造するた
めに、次の温度に調節した。即ち、加熱ゾーンI〜IIIの全てを230℃とし、
これら3つの加熱ゾーンを空冷して、一定温度に維持した。
【0047】 ポリエチレン顆粒[特定の成分(b)および(c)を含有する]は、逆回転している
二軸スクリューによって自動的に押出機に取込まれ、スクリューに沿って運ばれ
る。回転速度は50rpmであった。これにより、押出機における比較的長い滞
留時間、従って十分なコンパウンド化および均質化が保証された。得られた均質
かつ実質的に泡を含まない混合物が、最後に、第4の加熱ゾーンであるダイに入
る。ダイの温度は、個々の試験で変化させ、これを表1〜3に示した。
【0048】 ダイを離れた後に、熱混合物を、滑らかかつ均一な厚みの幅広のテープが空冷
時に得られるように速度を調節したコンベヤーベルトに流した。ここに記載した
試験においては、ポリエチレンテープが約35mm幅および約0.35mm厚み
になるように、速度を調節した。正方形の試験試料(25×25mm)を、この材
料から打抜き、以下に記載する結合試験に使用した。
【0049】 3.接着および引張試験 3-1.試験試料の調製 上記2に従って調製した押出しテープを、室温(20℃)で24時間保存した。
次いで、ポリエチレンの正方形の25×25mm片を、2つの100×25mm
の木片の間で結合させた。結合は2mmの厚みを有していた。結合面積は、正確
に25×25=625mmであった。この試験方法は、上記した国際特許出願
公開WO98/42776の第21頁に記載されている方法に対応するものであ
る(ただし、ポリプロピレン小片をポリエチレン小片によって置換していること
を除いて)。
【0050】 2成分系の接着剤[「マクロプラスト(Makroplast)」ポリウレタン接着剤、ヘ
ンケル社(デュッセルドルフ)の製品]を接着剤として使用した。2種類の反応性
成分(樹脂=UK8109;硬化剤=UK5400)を、アルミニウム皿において
5:1の比率で撹拌した。可使時間(ポットライフ)は約1時間であった。
【0051】 約1時間の保存の後、25mm幅の小片を、それぞれのテープから切取り、鋳
型の助けを借りて、2つの木片の間で両側において結合させた。それぞれのプラ
スチックテープの5つの小片を結合させた。鋳型の使用は、結合させる所望の表
面が修飾プラスチックと木片の間に維持されるのを確実にした。木製クランプを
用いて試験試料を固定した。余分な接着剤は除去した。
【0052】 3-2.引張試験 3-1に従って調製した試験試料を、20℃で約3〜4日間保存して、2成分
接着剤が完全に硬化するのを確実にした。ツビック(Zwick)万能試験機を用いて
引張剪断力を測定した。試験試料を引張負荷のもとに置く速度は、15mm/分
であった。結合した木材スパチュラ(=試験試料)を、万能試験機の掴み具にクラ
ンプ止めし、指定の試験速度で引き剥がした。試験試料が常に垂直に配置され、
かつ試験機の中程に正確に配置されるのを確実にすることに注意した。得られた
試験結果を表1〜3に示す。全ての結果は5回の試験の平均である。
【0053】 表1〜3の最上部の欄の説明 No.:試験番号(B=本発明;C=比較)。 (a):成分(a)(ポリオレフィン)。 (b):成分(b)(または、比較試験においては添加剤);「%」欄は、成分(a)
に対する特定化合物の使用量(重量%)を示す。 (c):成分(c);「ppm Me」欄は、成分(a)に対する、遷移金属化合物の遷移
金属の使用量をppmで示す。 T/ダイ:ダイ温度(℃)。 TSS:引張試験で測定し、ニュートン/mmで示す引張剪断強度。
【0054】
【表1】
【0055】 表1から、本発明に従って飽和脂肪酸に基づく脂肪酸アミド(この表において
は、Comperlan LDの例で示されている)を使用して得られる結果(実施例B1〜B
5を参照)が、不飽和脂肪酸に基づく脂肪酸アミド(この表においては、Comperla
n Fの例で示されている)を使用して得られる結果(比較例C1〜C5を参照)より
も明らかに良好であることがわかる。
【0056】
【表2】
【0057】 表2は、押出しダイの最適温度が、使用するポリエチレンがHDPE型のもの
であるかまたはLDPE型のものであるかに依存することを示す。
【0058】
【表3】
【0059】 出願人が行った別の試験は、同じ金属を含有するがしかし他の配位子または対
イオンを含有する遷移金属化合物または遷移金属塩を成分(c)として使用したと
きに、表1〜3に示すように、同じように優れたレベルのTSS値が得られるこ
とを示した。
【0060】 さらに、出願人が行った他の試験は、試験試料の調製時にポリウレタン接着剤
「マクロプラスト」の代わりに他の市販の接着剤を使用することによって接着お
よび引張試験を変化させたときに、表1〜3に示すように、同じように優れたレ
ベルのTSS値が得られることを示した。例えば、以下の接着剤を試験し、優れ
た結果を得た:シコメット(Sicomet)7000、シコメット8400、シコメッ
ト9010、シコメット・チキソトロプ(thixotrop)(シアノアクリレート);パ
テックス・モンタージュ(Pattex Montage)、ポナル・デュオ(Ponal Duo)、テロ
ミックス(Teromix)6700(2成分系ポリウレタン接着剤);テロレーム(Terore
hm)MC9340(ホットメルト型ポリウレタン接着剤);メタロン(Metallon)R
A、メタロンFL、パテックス・クラフト・ミックス(Pattex Kraft Mix)(2成
分系エポキシ接着剤)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 23:00 B29K 23:00 105:16 105:16 B29L 7:00 B29L 7:00 (72)発明者 イェルク−ディーター・クラマン ドイツ連邦共和国デー−27574ブレーマー ハーフェン、イム・シッフスモーア8デー 番 (72)発明者 ロルフ・テンヘフ ドイツ連邦共和国デー−40627デュッセル ドルフ、ヴェンシュトラーセ41番 Fターム(参考) 4F071 AA13X AA14 AA14X AA15 AA15X AA16 AA17X AA18 AA19X AA20 AA20X AA21X AA22 AA22X AA24X AA28X AA32X AA33X AA34X AA40 AA77X AB18 AC04 AC09 AE20 AF28 AF58 BA01 BB04 BB05 BB06 BC01 BC07 4F207 AA03 AG01 KA01 KA17 KK52 4J002 BB001 BB031 BB041 BB051 BB061 BB071 BB081 BB111 BB121 BB141 BB151 BC031 BC041 BC061 BC081 BD051 BD061 BG041 BG051 BG091 BN001 DF037 EG047 EP016 FD346 GF00 GJ00 GK00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィンに基づく成形品、繊維およびフィルムの接着
    および/または被覆適合性を永久的に改善するための脂肪酸アミドの使用であっ
    て、 (a)主成分として1またはそれ以上のポリオレフィン、 (b)ポリオレフィンを基準に、0.01〜20重量%の1またはそれ以上の脂
    肪酸アミド、および (c)ポリオレフィンを基準に、遷移金属化合物の金属含量が0.01〜100
    0ppmである1またはそれ以上の遷移金属化合物、 を含有する混合物を、既知の方法により、180〜330℃の温度で、押出し、
    カレンダー成形、射出成形、ブロー成形などによる成形にかけることからなり、 脂肪酸アミド(b)が、一般式(I): 【化1】 [式中、Rは、5〜21個の炭素原子を含む飽和アルキル基であり、Rおよ
    びRは、互いに独立して、水素または1〜18個の炭素原子を含むアルキル基
    であり、このアルキル基のそれぞれは、6個までのOH基、NH基もしくはC 1-10 アルキル基によって置換されていてよく、また、互いに直に隣接していない
    3個までのメチレン基は酸素によって置換されていてよく、ただし、Rおよび
    はその両方が水素であることはできない] で示される化合物の群から選択され、 さらに、成分(a)、(b)および(c)を含有する混合物が、不飽和脂肪酸に基づ
    く脂肪酸アミドを、飽和脂肪酸に基づく脂肪酸アミド(b)の量を基準に、多くと
    も40重量%の量で含有することからなる使用。
  2. 【請求項2】 ポリエチレンを成分(a)として使用することを特徴とする請
    求項1に記載の使用。
  3. 【請求項3】 成分(a)、(b)および(c)の混合物を押出機において成形し
    、ポリオレフィン成形品を、押出しダイから離れた直後に、0.1〜5.0秒間で
    最高で50℃冷却することを特徴とする請求項1または2に記載の使用。
  4. 【請求項4】 金属がCo、Zr、Fe、Pb、Mn、Ni、Cr、V、Ce、Ti
    およびSnからなる群から選択される遷移金属化合物(c)を使用することを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の使用。
  5. 【請求項5】 遷移金属化合物(c)が、遷移金属の塩からなる群から選択さ
    れることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の使用。
  6. 【請求項6】 遷移金属化合物(c)を、ポリオレフィン(a)を基準に、遷移
    金属化合物(c)の金属含量で5ppm以下の量で使用することを特徴とする請求
    項1〜5のいずれかに記載の使用。
  7. 【請求項7】 脂肪酸アミド(b)と遷移金属化合物(c)の金属含量との重量
    比を、10:0.1〜10:10-7の値に調整することを特徴とする請求項1〜
    6のいずれかに記載の使用。
  8. 【請求項8】 ポリエチレンもしくはポリプロピレンの単独またはエチレン
    /プロピレンコポリマーを、ポリオレフィンとして使用することを特徴とする請
    求項1〜7のいずれかに記載の使用。
  9. 【請求項9】 他の典型的な助剤をポリオレフィンの成形において使用し、
    そして/または、コロナまたはプラズマ処理を、追加の加工工程として通常のよ
    うに行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の使用。
  10. 【請求項10】 結合および/または被覆されたポリオレフィンに基づく成
    形品、繊維およびフィルムの製造方法であって、 (a)主成分として1またはそれ以上のポリオレフィン、 (b)ポリオレフィンを基準に、0.01〜20重量%の1またはそれ以上の脂
    肪酸アミド、および (c)ポリオレフィンを基準に、遷移金属化合物の金属含量が0.01〜100
    0ppmである1またはそれ以上の遷移金属化合物、 を含有する混合物を、既知の方法により、180〜330℃の温度で、押出し、
    カレンダー成形、射出成形、ブロー成形などによる成形にかけ、次いで、得られ
    た接着および/または被覆適合性が改善されたポリオレフィンに基づく成形品、
    繊維およびフィルムを、通常のように接着剤および/または被覆組成物と接触さ
    せることからなり、 脂肪酸アミド(b)が、一般式(I): 【化2】 [式中、Rは、5〜21個の炭素原子を含む飽和アルキル基であり、Rおよ
    びRは、互いに独立して、水素または1〜18個の炭素原子を含むアルキル基
    であり、このアルキル基のそれぞれは、6個までのOH基、NH基もしくはC 1-10 アルキル基によって置換されていてよく、また、互いに直に隣接していない
    3個までのメチレン基は酸素によって置換されていてよく、ただし、Rおよび
    はその両方が水素であることはできない] で示される化合物の群から選択され、 さらに、成分(a)、(b)および(c)を含有する混合物が、不飽和脂肪酸に基づ
    く脂肪酸アミドを、飽和脂肪酸に基づく脂肪酸アミド(b)の量を基準に、多くと
    も40重量%の量で含有することを特徴とする方法。
JP2000582456A 1998-11-10 1999-10-30 ポリオレフィンに基づく成形品、繊維およびフィルムの接着および/または被覆適合性を永久的に改善するための脂肪酸アミドの使用 Pending JP2002530452A (ja)

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