JP2002530059A - 輸送ベクター - Google Patents

輸送ベクター

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JP2002530059A JP2000582414A JP2000582414A JP2002530059A JP 2002530059 A JP2002530059 A JP 2002530059A JP 2000582414 A JP2000582414 A JP 2000582414A JP 2000582414 A JP2000582414 A JP 2000582414A JP 2002530059 A JP2002530059 A JP 2002530059A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、膜移行ベクター・ペネトラチンの改変形および末端切除形に関する。該末端切除形は、自体が更なる変異を含み得る7量体ペプチドを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、薬剤の標的細胞への配送を改善するために使用する、新規の膜移行
ペプチド担体部分、および新規のペプチド担体分子を貨物体部分とともに含む膜
移行ベクターに関する。
【0002】 医薬業界は薬剤の効率的な配送に関心を永年持ち続けている。この問題は、人
体内における薬剤の短いクリアランス時間(短い半減期)、作用部位の局在化、あ
るいは、事によると薬剤それ自体の特質、例えば、溶解性、疎水性などに関する
。そのために、多くの開発と方策が採られており、それには、作用部位に達する
までの間の不良環境から薬剤を保護するために、例えば、腸溶性錠剤や放出制御
手段などによって製剤化にすることが含まれる。
【0003】 ペプチド誘導薬剤の開発により、それらの薬剤がGI管のみならず血流内におい
て酵素分解の影響を受けやすいと言う問題がさらに提起された。この問題を処理
した例は、リポゾームまたは重合体極小球へのペプチドの取込みであって、ペプ
チドをリンパ系に対する標的にする。
【0004】 さらに、細胞間で機能する薬剤に関する問題は、細胞膜によって生ずる関門で
ある。薬剤の半減期を増大すること、あるいは、薬剤が変性を受けることなしに
人体を通過することを確実にするのは、可能であろう。多数の薬剤が実際に細胞
内に入って治療効果を発揮しているに違いない。
【0005】 ホメオタンパク質は、多重の形態的プロセスに関与するトランス活性化因子で
ある。このタンパク質は、60のアミノ酸残基の配列、いわゆるホメオドメイン
を介してDNAに結合する。このドメインの構造は、ヘリックス2と3との間の
βターンによりさえぎられた3つのαヘリックスからなる(Gehring, W. J. et
al., (1990) Trends Genet 6, 323-9)。多数のホメオタンパク質の間での系統発
生的関係は、ホメオドメインのレベルで、特に第3αヘリックス内で顕著である
。このヘリックスは、DNAとの相互作用と、細胞膜を越えて細胞核に移行する
ホメオタンパク質の能力との両方を、非特異的に担う。
【0006】 欧州特許485578は、ホメオドメイン、特にホメオボックスペプチドのヘリック
ス3、とりわけDrosophila Antennapedia から誘導されたものが、細胞内輸送ベ
クターとして有用であることを開示している。この開示によると、Drosophila A
ntennapedia ホメオペプチド(pAntp ペプチドと呼ぶ)の特異的57アミノ酸配列
が、線維芽細胞および胚細胞(in vivo)を貫通し得た。強調されているのは、配
列の最後27番目のアミノ酸であり、この配列はヘリックス3および4に対応す
る。pAntp ペプチドが他のペプチドまたは薬剤と結合しているかどうかについて
は記述がない。
【0007】 上記に続く開示(Derossi D et al., J Biol Chem (1994)269, 10444-10450, J
oliot AH et al., (1991)The New Biol 3, 1121-1134 and PNAS (1991)88, 1864
-1868, Perez F et al., J Cell Sci (1992)102, 712-722)はすべて、Antennape
dia ホメオドメインの第3ヘリックスから誘導された16アミノ酸合成ペプチド
を、生物活性産物およびアンチセンス・オリゴヌクレオチドの細胞内配送に使用
する方法に関する。このペプチドのアミノ酸配列は、ペネトラチンとしても知ら
れるRQIKIWFQNRRMKWKK(配列番号1)である。この研究過程において、同著者は、
この配列についてのいくつかの変異体、pAntpペプチドの残基41−60、
41−55、46−60に対応する変異体を合成しており、すべての場合で、細
胞中に取り込まれるペプチドのみが、残基43−58を含むペプチドであったこ
とを報告している(Derossi D et al.、前出)。
【0008】 このペプチドの酵母による開裂を防ぐために、Brugidou J et al.,(Biochem B
iophys Res Comm (1995)214(2), 685-693)は、ペネトラチンの3および5位に存
在する2つのイソロイシンをバリンで置換し、C端末にグリシン残基を加えて、
レトロまたは逆型(逆順のDアミノ酸、配列番号1)を調製し、樹脂との結合を容
易にした。余分のグリシンを、メルカプト・リンカー基を介し結合するコレステ
ロール部分で置換して、さらに別のレトロまたは逆型を調製した。コレステロー
ル部分を加えることで、分子の疎水性増大に起因する貫通の問題を改善した。
【0009】 ペネトラチンのレトロまたは逆型のこの開発に基づくWO 97/12912は、16ア
ミノ酸のペプチドが6〜10疎水性アミノ酸を含み、いずれかの末端から第6番
目のアミノ酸がトリプトファンであることを開示する。この開示は、内在化ベク
ターとして作用し得る配列の最低限の特徴を明確にすることを意図している。ア
ミノ酸末端から第6位でトリプトファン残基が保持され、ペプチドが6〜10の
疎水性アミノ酸残基を含有している(WO 97/12912での疎水性アミノ酸残基の分
類は、一般に認められている分類に合致していない)。
【0010】 WO 97/12912が要約するような上記の開示からの結論によると、ホメオドメイ
ン・ペプチドの膜移行性に必須なのは、アミノ酸末端から第6番目のアミノ酸と
してのトリプトファンの存在である。この要件に適合するのは、移行能を有する
とされている式(KWKK)4のペネトラチン変異体であった(Maruta H el al. Cytos
keletal numour suppressors that block ongogenic RAS signalling. Presente
d at Anti-Cancer Proteins and Drugs: Structure, Function and Design; 6-9
November 1998, New York Academy of Sciences. Poster/abstract No. 11)。P
lank C et al. (Human Gene Therapy, (1998) 10, 319-332)は、(KWKK)4KGGCな
どの多数の分枝された膜移行ペプチドを開示している。各KWKKは続くリシン残基
に結合している。
【0011】 本発明は、ペネトラチンを基とする広範な膜移行ペプチドを提供しようとする
。ペプチドには、アミノ酸の末端から第6残基としてトリプトファン残基を含有
しないペプチド、およびペネトラチンより小さいペプチドが含まれる。この小さ
いまたは末端切除の型のペネトラチンは、利点があって、医薬産業に配送担体部
分としてさらに受け入れられる。これは、有益な免疫原性、安定性、クリアラン
スを有し、ある場合には、完全長のペネトラチン(配列番号1)を含むコンジュ
ゲートの使用に比して有益な効力を有する担体−貨物体分子コンジュゲートによ
る。従って、本発明の第1態様は末端切除ペネトラチン誘導体に関し、第2態様
は改変型のペネトラチンに関する。これらの第1および第2態様を詳しく下記す
るが、両者は以下では貨物体配送系の「担体部分」を意味する。
【0012】 つまり、本発明の第1態様は、下記式の膜移行ペプチド担体部分に関する。 RQIKIWFQNRRMKWKK(配列番号1) 1 16 式中、アミノ末端から少なくとも1つのアミノ酸残基が欠失している。または、
その変異体である。驚くべきことに、先行技術の教示と異なり、細胞膜に移行す
る能力はpAntpペプチドの残基43−58の全体を含有していない配列でも
って、保持されることがわかった。
【0013】 本発明によると、9個までのアミノ酸がアミノ末端から欠失できる。好ましく
は、6〜9個のアミノ酸を欠失する。
【0014】 好ましい実施態様において、本発明のペプチド担体部分は表1に示す化合物2
−20を含む。その下に、生化学アッセイの目的で使用されたビオチニルβAl
aハンドルをともに示す。さらに好ましい実施態様において、ペプチドは化合物
16、17、18、19である。
【0015】 つまり、好ましい実施態様において、担体部分は、ペプチド配列 RRMKWKK ま
たはその変異体を含んでいて、15個までのアミノ酸残基および少なくとも下記
式: RRMKWKK (I) 1 7 を含む膜移行ペプチド担体部分またはその変異体と好ましくは定義し得る。第1
態様に関して説明する好ましい実施態様は、式(I)のペプチドに全体的に適用
する。ある実施態様において、式(I)のペプチドに加えられるアミノ酸残基は
、ペネトラチンまたはその変異体中の残基に対応するものである。
【0016】 この配列(式(I)の)およびその変異体は、膜移行を容易にするのに必要な
ペネトラチン分子の最小配列とみられる。従って、上記の実施態様は、ペプチド
のいずれかの端から第6位でのトリプトファンの存在が膜移行にとって必須でな
いとの見解を支持する。
【0017】 本発明のペプチド担体部分についての上記定義の範囲内で、ペプチドの具体的
なアミノ酸残基を、移行能力を保持しながら、改変できる。この改変ペプチドを
「変異体」と呼ぶ。
【0018】 上記に定義した担体部分の変異体は、以下のいかなる改変も含む。(a)1以
上のアミノ酸残基が自然界に存在または不存在のアミノ酸残基で置換される、(
b)2以上のアミノ酸の順序が入れかえられる、(c)(a)と(b)が同時に
存在する、(d)スペース基が2つのアミノ酸残基の間に存在する、(e)1以
上のアミノ酸残基がペプトイド形態である、(f)ペプチドの1以上のアミノ酸
残基の(N−C−C)骨格が改変されているか、(a)−(f)の組み合わせで
ある。好ましくは、変異体は(a)、(b)、(c)の1つから生じる。
【0019】 このように、相同性置換(置換および置き換えは、存在するアミノ酸残基と別
の残基との相互変換を意味するのに使用する)は、塩基性と塩基性、酸性と酸性
、極性と極性などの同じ同士の置換を起こし得る。非相同性置換も1つのクラス
の残基から別の残基へと起こし得る。これには、自然界に存在しないアミノ酸、
例えば、オルニチン(以下、Zという)、ジアミノ酪酸オルニチン(以下、Bと
いう)、ノルロイシン・オルニチン(以下、Oという)、ピリイルアラニン、チ
エニルアラニン、ナフチルアラニン、フェニルグリシンの導入を含む。詳細なリ
ストは下記する。各ペプチド担体の内部で2以上のアミノ酸残基を同時に改変し
得る。
【0020】 本明細書で使用するように、アミノ酸は下記のクラスに従って分類する。 塩基性;H、K、R 酸性;D、E 非極性;A、F、G、I、L、M、P、V、W 極性;C、N、Q、S、T、Y (国際的に認められている単一文字のアミノ酸略記を使用) これらのクラスを用いて、相同性置換および非相同性置換を定義する。すなわち
、相同性置換は同じクラス内での置換を意味し、非相同性置換は相違するクラス
内での置換または自然界に存在しないアミノ酸による置換を意味する。
【0021】 担体部分の2つのアミノ酸残基の間に挿入できる適当なスペーサー基には、グ
リシンやβ−アラニン残基などのアミノ酸スペーサーに加えて、メチル、エチル
、プロピルなどのアルキル基がある。変異の別の形態、型(e)は、ペプトイド
形態における1以上のアミノ酸残基の存在を含み、当業者によく知られている。
疑義を避けるために、「ペプトイド形態」は、α−炭素置換基がα−炭素でなく
残基の窒素原子上にある変異アミノ酸残基を意味するのに使用する。ペプトイド
形態におけるペプチドの製造方法は既知である。例えば、Simon RJ et al ., PN
AS (1992) 89(20), 9367-9371 および Horwell DC, Trends Biotechnol.(1995)
13(4), 132-134。型(f)改変は、国際出願 PCT/GB99/01855 に記載の方法など
により生じ得る。
【0022】 式(I)の定義において示したように、アミノ酸変異、好ましくは型(a)ま
たは(b)が位置1、2、3、5、6のいずれでも独立的に起きることが好まし
い。さらに好ましくは、アミノ酸変異は、位置3または7、特に3で起きる。相
同性置換は、位置1および2が好ましいことがわかり、一方、驚くべきことに、
位置3、4、5、6が非相同性置換を受け入れることが観察された。上記によう
に、2以上の相同性または非相同性の置換が同時に、例えば、位置2と3、4と
5、5と6で起こり得る。さらなる変異が、配列内のいくつかのアミノ酸の配列
を変換することで起こり得る。例えば、ペプチド配列 RRMKWKK おいて、リシン
とトリプトファン残基を変換すると、ペプチド RRMWKKK を得る。この改変は、
相同性または非相同性の置換を組み合わせて追加的に生じ、例えば、配列 RROKW
KK が RROWKKK になる。
【0023】 担体部分はアミノ末端にアミノ酸残基をさらに含み得る。より好ましくは、1
から3個のアミノ酸残基の付加による。このように、本発明のさらなる実施態様
は、RRMKWKK、NRRMKWKK、QNRRMKWKK、FQNRRMKWKK から選択されたペプチドに関
する。
【0024】 本発明の第1態様の最も好ましい実施態様において、ペネトラチンの末端切除
形は、上記の式(I)またはKRMKWKK、RKMKWKK、RREKWKK、RRQKWKK、RROKWKK、R
RMKQKK、RRMKWFK、RORKWKK、RRMWKKK、RROWKKK、RRMKKWK、RROKKWKから選択され
た7個のアミノ酸ペプチドであり、さらに好ましくは、ペプチド担体部分は RRM
KWKK である。
【0025】 本発明の第2態様は、下記式の膜移行ペプチド担体部分に関する。 RQIKIWFQNRRMKWKK(配列番号1) 1 16 式中、少なくとも1つのアミノ酸が別の自然界に存在または非存在の置換アミノ
酸残基で置換されている。
【0026】 本発明の第2態様の好ましい実施態様において、ペプチドのアミノ末端からの
第6アミノ酸残基はトリプトファンではない。下記するように、この位置にトリ
プトファンが存在しなければならないとする以前に認められていた原則を見出し
得ないことを明かにし、広範な膜移行ペプチドを同定した。
【0027】 好ましい実施態様において、本発明のペプチド担体部分は、表3に示す配列番
号における化合物21から36を含む。この表の下に、これらの化合物は、生化
学アッセイの目的で使用するビオチン−βAlaハンドルとともに示す。さらに
好ましい実施態様において、ペプチドは化合物26などの化合物であり、ペプチ
ドのアミノ末端からの第6アミノ酸残基はトリプトファンではない。
【0028】 ある実施態様において、置換アミノ酸残基は、アラニン、アルギニン、アスパ
ラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、
ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン
、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンの残基か
ら選択する。置換アミノ酸残基は、自然界に存在しないアミノ酸から追加的に選
択し得る。本発明のペプチド担体部分についての上記定義の範囲内で、ペプチド
の具体的なアミノ酸残基を、移行能力を保持しながら、改変できる。この改変ペ
プチドを「変異体」と呼ぶ。
【0029】 上記に定義した担体部分の変異体は、以下のいかなる改変も含む。(a)1以
上のアミノ酸残基が自然界に存在または不存在のアミノ酸残基で置換される、(
b)2以上のアミノ酸の順序が入れかえられる、(c)(a)と(b)が同時に
存在する、(d)スペース基が2つのアミノ酸残基の間に存在する、(e)1以
上のアミノ酸残基がペプトイド形態である、(f)ペプチドの1以上のアミノ酸
残基の(N−C−C)骨格が改変されているか、(a)−(f)の組み合わせで
ある。好ましくは、変異体は(a)、(b)、(c)の1つから生じる。
【0030】 このように、相同性置換(置換および置き換えは、存在するアミノ酸残基と別
の残基との相互変換を意味するのに使用する)は、塩基性と塩基性、酸性と酸性
、極性と極性などの同じ同士の置換を起こし得る。非相同性置換も1つのクラス
の残基から別の残基へと起こし得る。これには、自然界に存在しないアミノ酸、
例えば、オルニチン(以下、Zという)、ジアミノ酪酸オルニチン(以下、Bと
いう)、ノルロイシン・オルニチン(以下、Oという)、ピリイルアラニン、チ
エニルアラニン、ナフチルアラニン、フェニルグリシンの導入を含む。各ペプチ
ド担体の内部で1以上のアミノ酸残基を同時に改変し得る。
【0031】 本明細書で使用するように、アミノ酸は下記のクラスに従って分類する。 塩基性;H、K、R 酸性;D、E 非極性;A、F、G、I、L、M、P、V、W 極性;C、N、Q、S、T、Y (国際的に認められている単一文字のアミノ酸略記を使用) これらのクラスを用いて、相同性置換および非相同性置換を定義する。すなわち
、相同性置換は同じクラス内での置換を意味し、非相同性置換は相違するクラス
内での置換または自然界に存在しないアミノ酸による置換を意味する。
【0032】 担体部分の2つのアミノ酸残基の間に挿入できる適当なスペーサー基には、グ
リシンやβ−アラニン残基などのアミノ酸スペーサーに加えて、メチル、エチル
、プロピルなどのアルキル基がある。変異の別の形態、型(e)は、ペプトイド
形態における1以上のアミノ酸残基の存在を含み、当業者によく知られている。
疑義を避けるために、「ペプトイド形態」は、α−炭素置換基がα−炭素でなく
残基の窒素原子上にある変異アミノ酸残基を意味するのに使用する。ペプトイド
形態におけるペプチドの製造方法は既知である。例えば、Simon RJ et al ., PN
AS (1992) 89(20), 9367-9371 および Horwell DC, Trends Biotechnol.(1995)
13(4), 132-134。
【0033】 本発明の第1または第2態様にいずれかで使用し得る自然界に存在しないアミ
ノ酸は次のものを含む。アルファおよびアルファ−ジ置換アミノ酸、N−ア
ルキルアミノ酸、乳酸、天然型アミノ酸の塩化誘導体、例えば、トリフルオ
ロチロシン、p−Cl−フェニルアラニン、p−Br−フェニルアラニン 、p−I−フェニルアラニン、L−アリルグリシン、β−アラニン、L−
α−アミノ酪酸、L−γ−アミノ酪酸、L−α−アミノイソ酪酸、L−ε
−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、L−メチオニンスルフォン 、L−ノルロイシン、L−ノルバリン、p−ニトロ−L−フェニルアラニ
、L−ヒドロキシプロリン、L−チオプロリン、フェニルアラニン(P
he)のメチル誘導体、例えば、4−メチルPhe、ペンタメチルPhe
L−Phe(4−アミノ)、L−Tyr(メチル)、LPhe(4−イソプ
ロピル)、L−Tic(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カル
ボン酸)、L−ジアミノプロピオン酸、L−Phe(4−ベンジル)。上
記の目的に用いて、記号は誘導体の疎水性を示し、は誘導体の親水性を示し
#*は両性を示す。
【0034】 本発明のペプチド担体部分は、L型またはD型のアミノ酸を含み得る。すなわ
ち、1以上の残基、好ましくはすべての残基がL型またはD型であり得る。この
実施態様において、ペプチドはレトロ型、例えば、ペプチド KKWKORR であり得
る。
【0035】 本発明の好ましい実施態様において、ペプチドのアミノ末端からの第6アミノ
酸残基はトリプトファンではない。
【0036】 本発明の膜移行ペプチドは細胞膜に移行し得る。好ましい実施態様において、
核膜に移行し得る。ペプチドが細胞/核の外部から、または内部から移行したか
、すなわち、ペプチドが細胞質または核内で生じ(例えば、そこで合成されたか
、その区画に挿入されたかによって)、そして生じた細胞区画の外部に移行され
たかは、関係がない。一般的に、ペプチドは、細胞の外側でつくられ、外の位置
から細胞質に、次いで選択的に核に移行する。
【0037】 本明細書で用いられるように、「細胞膜移行」は、細胞膜を通って細胞基質/
細胞質に入るか、または細胞基質/細胞質から外部、細胞外または間質空間へ通
るペプチドの能力を意味する。
【0038】 図1は、本発明の第1態様に従ってつくられたペプチド担体部分のいくつかに
ついてのRP−HPLC分析を示す。
【0039】 図2は、本発明の第1態様に従ってつくられたペプチド担体部分を用いて行っ
た細胞内在化アッセイの結果を示す。
【0040】 図3は、化合物39(フルオレノン標識ペネトラチン)を用いて行った細胞内
在化アッセイの結果を示す。
【0041】 図4(A、B、C)は、化合物39を用いて行った細胞内在化アッセイの実時
間の視覚化を示す。
【0042】 図5は、本発明の第2態様に従ってつくられたペプチド担体部分を用いて行っ
た細胞内在化アッセイの結果を示す。
【0043】 本発明のさらなる態様において、ペプチド担体部分(第1または第2態様に従
って末端切除または改変された形のペネトラチン)を貨物体部分に結合して、細
胞移行ベクターをつくる。貨物体部分は、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチド、
タンパク質、ペプチド、生物学的に活性の化合物、診断剤、これらの組合せを含
む。
【0044】 好ましい実施態様において、貨物体部分はタンパク質またはペプチドであり、
さらに好ましい実施態様において、貨物体部分は薬剤などの生物学的に活性の物
質である。
【0045】 貨物体部分は担体部分に直接または間接に結合し得る。貨物体部分が担体部分
に間接に結合する実施態様において、結合は、介在結合基、例えば、フルフィド
リルやカルボキシルなどの基またはさらに大きい基によってなされ得る。このよ
うな基すべてを、下記ではリンカー部分と呼ぶ。好ましくは、担体部分および貨
物体部分は直接に結合している。
【0046】 適当なオリゴヌクレオチド貨物体部分の例として、遺伝子、遺伝子断片、DN
A配列、cDNA配列、RNA配列、ヌクレオチド、ヌクレオシド、合成または
非合成の異項環基、センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチド(ヌクレアー
ゼ耐性骨格を有するものを含む)などがあり、いずれも放射活性標識を包含し得
る。これらは、細胞へ配送するのに、または細胞から外部へ配送するのに望まし
い。好ましくは、オリゴヌクレオチド貨物体部分は遺伝子またはその断片である
【0047】 適当なタンパク質またはペプチドの貨物体部分の例には次のものがある。タン
パク質、ペプチド、これらの誘導体、例えば、抗体およびその断片;サイトカイ
ンおよびその誘導体または断片、例えば、インターロイキン(IL)、特にその
サブタイプ、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、
IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12;コロニ
ー刺激因子、例えば、顆粒球−マクロファージ・コロニー刺激因子、顆粒球−コ
ロニー刺激因子(アルファおよびベータ型)、マクロファージ・コロニー刺激因
子(CSF−1としても知られる);ヘマトポイエチン、例えば、エリスロポイ
エチン、ヘマトポイエチン−α、キット−リガンド(幹細胞因子すなわち Steel
因子としても知られる);インターフェロン(IFNS)、例えば、IFN−
α、IFN−β、IFN−γ;生長因子および二重機能性モジュレーター、例え
ば、表皮生長因子、血小板誘導生長因子、形質転換生長因子(アルファおよびベ
ータ型)、アンフィレグリン、ソマトメジン−C、骨生長因子、線維芽細胞生長
因子、インスリン様生長因子、ヘパリン結合生長因子、腫瘍生長因子;分化因子
など、例えば、マクロファージ分化因子、分化誘発因子(DIF)、白血病阻害
因子;活性化因子、例えば、血小板活性化因子、マクロファージ活性化因子;凝
固因子、例えば、ヘパリン、プロテアーゼおよびそのプロ因子を含む線維素溶解
/抗凝固物質、例えば、凝血因子VII、VIII、IX、X、XI、XII、アンチトロンビ
ンIII、タンパク質C、タンパク質S、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、プ
ロウロキナーゼ、組織プラスミノーゲン・アクチベーター、フィブリノーゲン、
ヒルジン;ペプチドホルモン、例えば、インスリン、生長ホルモン、ゴナンドト
ロピン、卵胞刺激ホルモン、leutenishing ホルモン、生長ホルモン放出ホルモ
ン、カルシトニン;酵素、例えば、スーパーオキシド・ジスムターゼ、グルコセ
レブロシダーゼ、アスパラギナーゼ、アデノシン・デアミナーゼ;ワクチンまた
はその抗原、例えば、肝炎Bワクチン、マラリア・ワクチン、黒色腫ワクチン、
HIV−1ワクチン;転写因子および転写モジュレーター。さらに好ましくは、
貨物体は細胞周期を妨害するタンパク質またはペプチドから選択されたタンパク
質またはペプチドであり得る。例えば、p53ペプチドまたはその断片、p21 WAF ペプチドまたはその断片、例えば、WO 96/14334 および WO 97/42222 に記載
のもの、Fenlペプチドまたはその断片、例えば、WO 96/35715 に記載のもの
、p16ペプチドまたはその断片、例えば、WO 97/11174 に記載のもの、および
その断片および誘導体がある。
【0048】 適切な非ヌクレオチド/タンパク性生物学的に活性な貨物体部分の例は、下記
から選択される薬剤部分である。すなわち、薬剤部分は、細胞毒性剤、抗腫瘍剤
、抗高血圧剤、心臓保護剤、抗不整脈剤、ACE阻害剤、抗炎症剤、利尿剤、筋
弛緩剤、局所麻酔剤、ホルモン剤、コレステロール降下剤、抗凝固剤、抗抑うつ
剤、鎮静剤、神経弛緩剤、麻薬または解熱鎮痛剤のような鎮痛剤、抗ウイルス剤
、抗菌剤、抗真菌剤、静菌剤、CNS活性剤、抗痙攣剤、抗不安剤、制酸剤、睡
眠剤、抗生物質、呼吸器剤、抗ヒスタミン剤、免疫抑制剤、免疫活性剤、栄養添
加剤、鎮咳剤、診断薬、催吐および抗嘔吐剤、炭水化物、グリコソアミノグリカ
ン、糖タンパク質、ポリサッカライド;脂質、例えば、ホスファチジル−エタノ
ールアミン、ホスファチジルセリンおよびその誘導体;スフィンゴシン;ステロ
イド;ビタミン;ランチビオティックを含む抗生物質;静菌および殺菌剤;単一
細胞病原体を含む感染物に効果的な駆虫剤などの物質;小さいエフェクター分子
、例えば、ノルアドレナリン、アルファ・アドレナリン性受容体リガンド、ドパ
ミン受容体リガンド、ヒスタミン受容体リガンド、GAPA/ベンゾジアピン受
容体リガンド、セロトニン受容体リガンド、ロイコトリエン、トリオドチロニン
;細胞毒性剤、例えば、ドキソルビチン、メトトレキセートおよびその誘導体で
ある。
【0049】 薬剤部分は、細胞毒性剤または抗腫瘍薬剤、特に癌治療に用いる薬剤またはそ
の光活性形の薬剤であるのが好ましい。そのような薬剤は一般的に、DNA障害
剤、代謝拮抗剤、抗癌性抗生物質、天然産物およびその類似物、ジヒドロ葉酸レ
ダクターゼ阻害剤、ピリミジン類似物、プリン類似物、サイクリン依存性キナー
ゼ阻害剤、チミジル酸シンターゼ阻害剤、DNAインターカレーター、DNAク
リーバー、トポイソメラーゼ阻害剤、アントラサイクリン類、ニチニチソウ薬剤
、マイトマイシン、ブレオマイシン、細胞毒性ヌクレオシド、プテリジン薬剤、
ジイネン類、ポドフィロトキシン、白金含有薬剤、分化誘導物質、タキサン類を
含む。特に有用なこのクラスの薬剤は、例えば、メトトレキサート、メトプテリ
ン、ジクロロメトトレキサート、5-フルオロウラシル、6-メルカプトプリン、オ
ロムシン、レスコビチン、ボヘミン、プパラノールのような3-置換プリン、フラ
ボピリドル、スタウロスポリン、シトシン・アビノシド、メルファラン、ロイロ
シン、アクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、マイトマイシン D
、マイトマイシン A、カルニノマイシン、アミノプテリン、タリノマイシン、ポ
ドフィロトキシン、エトポシド、シスプラチン、カルボプラチニウム、ビンブラ
スチン、ビンクリスチン、ビンデシン、パクリタキセル、ドセタクセル、タキソ
エール・レチオニル酸、酪酸、アセチル・スペルミジン、タモキシフェン、イリ
ノテカン、カンプトデシンを含む。最も好ましい薬剤部分は、オロムシン、ロス
コビチン、ボヘミン、フラボピリドル、スタウロスポリン、ポドフィロトキシン
、エトポシド、プルバラノル誘導体、タキソル、パクリタキセル、カンプトテシ
ンから選択する。
【0050】 上記のごとく、薬剤部分と担体部分とは、直接あるいはリンカー部分を介して
間接に結合し得る。直接結合は、薬剤部分上のヒドロキシ、カルボキシまたはア
ミノ基のような、適切なすべての官能基によって生じる。好ましい間接結合は結
合化部分によって生じる。適切な結合化部分は、二官能基および多官能基のアル
キル、アリール、アラルキルまたはペプチド部分、アルキル、アリール、アラル
キルのアルデヒド酸エステルおよび無水物、マレイミド安息香酸誘導体、アレイ
ミドプロピオン酸誘導体、スクシニミド誘導体のようなメルカプトまたはカルボ
キシル基を含み、あるいは、シアヌル臭化物または塩化物からの誘導体、カルボ
ニルジイミダゾール、スクシニミジル・エステルまたはスルホン・ハロゲン化物
などを含む。一方でリンカーと薬剤の共有結合形成に、片方でリンカーと担体部
分の共有結合形成に使われるリンカー部分上の官能基は、2個以上の、例えば、
アミノ、ヒドラジド、ヒドロキシル、チオール、マレイミド、カルボニル、カル
ボキシル基などであり得る。リンカー部分は、1〜4個のアミノ酸残基の短い配
列を含む。この配列は、リンカー部分が担体部分に結合するのを仲介するシステ
イン残基を場合により含む。
【0051】 本発明にしたがえば、各担体部分は少なくとも1個の薬剤部分と結合している
。別の態様において、担体部分は、2個以上の貨物体部分と容易に結合するよう
に調製する。各貨物体部分は同一または相違のものである。例えば、担体部分は
、天然のアミノ酸の誘導体などの貨物体部分の接着または多価合成アミノ酸の挿
入を容易にする成分を含み得る。あるいは、結合などを容易にするための具体的
な適応は、例えば、結合化部分として担体部分に結合させ得る分枝リシン残基の
ネットワークによる。各リシン残基が貨物体部分に結合する。この方法において
、単一の担体部分が32個までの貨物体部分、好ましくは2〜10個、さらに好
ましくは4〜5個の貨物体部分を保持し得る。このさらなる態様において、各薬
剤部分は担体部分と、直接に、または同一または相違のリンカー部分を介して間
接に、結合している。2以上の異なる種類の貨物体部分が結合する場合、個々の
薬剤の割合と投与量を合わせて調整し、具体的な貨物体組合せの投与を容易にし
得る。
【0052】 この態様の好ましい例において、担体部分が、32個までの貨物体部分との結
合が容易である少なくとも1個の端末に結合したリシン残基のネットワークを有
するペプチド担体部分である。
【0053】 本発明のさらに別の態様において、移行ベクターは標的化部分をさらに含む。
標的化部分は、担体部分を貨物体部分の機能にとって好ましい特別な細胞型に誘
導できる。そうすると、標的化部分は、アドレス・システムとして作用し、体内
の薬剤分布を偏らせ、配送システムを特定の細胞に偏向させる。標的化部分は、
貨物体部分に、またはより好ましくは担体部分に結合せしめ得る。到達すると、
そこで担体部分は貨物体の細胞内在化を容易にする。
【0054】 適切な標的化部分は、E Ruoslahti et al.(US特許5,622,699; Pasqualini, R,
Ruoslahti, E. Nature(London)(1996),380, 364-366,Ruoslahti, E. Ann. Rev.
Cell Dev.Biol.(1996),12,697-715; Arap, W, Pasqualini, R, Ruoslahti, E, S
cience (1998), 279, 377-380) に同定されているペプチド配列を含む。これら
の開示(出典明示により本明細書の一部とする)は、あるペプチドがある型の細
胞に対してアドレス・ラベルとして作用することを記述している。
【0055】 本発明の上記の実施態様に従って、ペプチド担体部分を含むアミノ酸(そのい
ずれの数の、好ましくは、そのすべて)は、LまたはD(または逆)形であり得
る。さらに好ましくは、L形である。
【0056】 さらなる実施態様において、上記の担体部分はレトロ形であり得る。この実施
態様において、ペプチド担体部分を含むアミノ酸(そのいずれの数の、好ましく
は、そのすべて)は、LまたはD(または逆)形であり得る。
【0057】 貨物体部分がタンパク質またはペプチド自体であるとき、担体および貨物体の
部分は、両者ともLまたはD形であり得、あるいは、担体がL形で貨物体がD形
、または担体がD形で貨物体がL形であり得る。
【0058】 ペネトラチンまたはその誘導体として定義された担体部分において、本発明の
明細で利点がある更なる改変は、カルボキシ末端アミノ酸残基の遊離カルボキシ
基の、カルボキサミド基への転換である。例として、担体部分が式I(RRMKWKK
)であるとき、カルボキシ末端リシン残基は、カルボキサミド基に転換されたカ
ルボキシル基を有し得る。この改変は、全体として、担体部分の安定性および配
送システムを高めると考えられる。このように、C末端アミノ酸残基は-C(O)-NR
R'であり得る。なお、R および R'は、水素、C1-6 アルキル、C1-6 アルキレン
、C1-6 アルキニル(合わせて、「alk」とする)ベンジルまたはアルカリールな
どのアリール、各々がO、S、Nなどのヘテロ原子により選択的に置換されてい
るものから選択される。好ましくは、R または R'の少なくとも1つが水素であ
り、さらに好ましくは両者とも水素である。
【0059】 このように、最も好ましい実施態様において、本発明は、選択的にアミデート
化された末端リシン残基を有する担体部分 RRMKWKK に関する。この残基は、p
21WAF誘導ペプチド、p16誘導ペプチド、薬剤、レスコビチン、タキソル、
ポドフィロトキシンから選択された貨物体部分に直接働く。
【0060】 本明細書に記述する配送システムは、新規の化学的存在である。ここに開示す
る具体的な化学的存在は次の内容を含む;
【表2】
【0061】 配送システムの投与の結果得られる治療効果は、無活化配送システムあるいは
その解離成分から生じる。このものは、貨物体部分、すなわち単独またはリンカ
ーと結合の貨物体部分、リンカーの部分またはリンカー、または担体の部分を含
む。かくして、本明細書における「配送システム」なる用語は、その通常の意味
、すなわち、貨物体部分などのものを配送するシステムなる意味で用いる。それ
に加えて、その無活化状態において活性を示すようなシステムあるいはそのすべ
ての構成部分を含む意味でもある。かくして、上記で検討したシステムが提供す
る利点は、貨物体および配送システムに適用できる。
【0062】 配送ベクターは、業界既知のいかなる方法でも調製できる。例えば、担体部分
ペプチドの会合は、溶液または固体のペプチド合成法で行うことができ、脱保護
反応形態の末端アミノ基のみを有する完全保護の先駆物質を得る。この機能体は
貨物体部分またはその適切な活性誘導体と直接に反応させ得る。あるいは、この
アミノ基は、貨物体部分またはリンカーとの反応に適した別の官能基に転換でき
る。かくして、例えば、アミノ基とコハク酸無水物との反応が選択的に処理でき
るカルボキシル基を提供し、一方、さらにシステイン誘導体によるペプチド鎖伸
長が選択的に処理できるチオール基をもたらす。ひとたび適切な選択的に処理で
きる官能基が配送ベクター前駆体中で得られると、貨物体部分またはその誘導体
は、例えば、アミド、エステルまたは二硫化物の結合形成を通じて結合する。あ
るいは、リンカー基、例えば、m-マレイミドベンゾイルは、リンカー基前駆体と
配送ベクター前駆体の選択的に処理できる機能体との反応により導入され、つい
でリンカー基と貨物体部分間の共役結合形成が生じる。多価貨物体配送ベクター
構造物は、なかでも、三価化学基を有する選択的に処理できる配送ベクター前駆
体の連続的伸長によって得られる。例えば、Nα,ε-Fmoc-保護リシン誘導体によ
るペプチド鎖伸長が、2価、4価、8価の構造物前駆体を、1個、2個、3個の結
合/Fmoc-脱保護サイクルの後に生ずる。
【0063】 これらの方法を使って、当業者は、さまざまなリンカー部分を利用していろい
ろな貨物体-担体の共役体を調製できる。下記に例示するように、貨物体部分上
の適切な基を、担体部分への連結のために、それに、所望により貨物体部分ある
いは担体部分またはその両方に連結するリンカーのために選択し得る。
【0064】 本発明の化合物は、生理的に許容し得る希釈剤または担体によって、哺乳動物
などに対する獣医用と、特にヒト用の医薬としての使用のために、いろいろな方
法で製剤できる。例えば、これらの化合物は、実例をあげれば、液体の希釈剤あ
るいは担体を含有する組成物として使用できる。例えば、水性または油性の溶液
、懸濁液または乳濁液がある。非経口投与のために注射形態でしばしば用いるこ
とができ、このものは、好都合には無菌であって発熱物質を含まない。経口投与
もまた行うことができる。この目的には組成物は液体の希釈剤または担体を含有
し得るが、通常の固形担体用材、例えば、デンプン、ラクトーゼ、デキストリン
、ステアリン酸マグネシウムを使用するのが普通である。そのような固形組成物
は、粉末の形をとり得るが、より都合のよい形態としては、例えば、錠剤、カシ
ェ剤、カプセル(スパンスルを含む)がある。あるいは、より特殊な製剤形として
リポソームおよび微細粒がある。
【0065】 注射あるいは経口型投与の他には、ヒトおよび獣医関係の両方に使用する投与
方法として座剤あるいはペッサリーを含む。その他の医薬組成物の形態には、口
腔あるいは鼻腔投与、肺胞組織のような気道投与がある。その他、局所投与用の
製剤は、ローション、軟膏剤、クリーム、ゲル、スプレイを含む。
【0066】 組成物は、単位用量形態、すなわち、単位用量あるいは単位用量の多重または
サブ単位を含む個別分離形態で製剤し得る。
【0067】 本発明の移行ベクター配送は、既存の配送システムに優れる多数の利点を提供
する。これらの利点は、従来の治療と比較すると、改善された効力、薬剤の細胞
摂取の改善、水溶性の改善、副作用の軽減および細胞内生物学的利用能、薬剤耐
性発生の減少を含む。
【0068】 [実施例] 実施例1:ペネトラチン(配列番号1)の末端切除形である一連のペプチド(ペ
プチド1-20)の調製 略語 アミノ酸およびペプチド命名法はIUPAC-IUB法(Eur. J. Biochem. 198
4, 138, 9-37)に従っている。その他の略語:Ahx、6-アミノヘキサノイル;
APase、アルカリホスファタ-ゼ; DE MALDI-TOF MS、遅延抽
出マトリックス補助レーザーデソ-プションイオン化飛行時間型質量分析法;D
IEA、N,Nジイソプロピルエチルアミン;PBS、リン酸緩衝生理食塩水(
10 mM ホスフェート、150 mM、NaCl、pH 7.4);PyBOP、
ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシ-トリス-ピロリジノ-ホスホニウムヘキサフ
ルオロホスフェート;RP-HPLC、逆相高性能液体クロマトグラフィー;T
FA、トリフルオロ酢酸。
【0069】 1.1:試料および方法 概要 全体を通じて用いたペプチドの脱保護/切断混合物は以下である:0.75:0
.5:0.5:0.25:10 (w/v/v/v/v) フェノ-ル、水、チオアニソール(PhSMe)
、1,2-エタンジチオール、TFA(Beavis, R. C.ら,. (1992) Orgaruc Mass S
pectrometry 27, 156-158)。分析および分取RP-HPLCは、Vydac 218TP54(4
.6×250mm)および218TP1022(22×250mm)の各カラムを用いて行った。分析には流
速1mL/分また調製には流速9mL/分を用いた(25℃)。20分(分析)お
よび40分 (分取)にわたって、水溶液中のMeCNを増加しながら勾配溶出を
行った。溶出物をλ=200〜300nmでモニターした。ペプチドサンプルも
また、DE MALDI-TOF(Thermo Bio分析, Hemel Hempstaed, England)
分光光度計を用いて分析した。α-シアノ-4-ヒドロキシ桂皮酸マトリックス(Be
avis, RC.ら, (1992) 有機マススペクトル 27, 156-158)を用い、質量範囲1,0
00ないし2,600の範囲にある標準ペプチドを用いて較正した。
【0070】 1.2:ペプチド1-20の同時多重合成 ペプチドを、マルチプチオン(Multiptin)・ペプチド・合成キット(Chiron Tec
hnologies Pty, Ltd., Clayton, VIC, Australia)を用いて合成した。ペプチド
鎖を、Fmoc 酸(DMF中で100mM)およびPyBOP/HOBt/HO
Bt/DIEA(1:1:1.5)カップリング化学を用いて、「マクロ・クラウン
」(SynPhase HM Series I, Rink Amide Linker; 5.3 μmol/クラウン)上に集め
た。アミノ酸側鎖保護基は、2,2,5,7,8-ペンタメチルクロマン-6-スルホ
ニル(Arg)、トリチル(AsnおよびGln)およびt-ブチロキシカルボル(
LysおよびTrp)であった。活性化したアミノ酸溶液を、PinAID装置
(Chiron Technology)を用いて分配した。カップリング反応は、最小4時間、
進行した。反復脱保護反応(DMF中20%ピペラジン)および洗浄サイクル(
DMFおよびMeOH)を含む、他の全ての鎖の組立て操作は、キットマニュア
ルに設定された方法に従って行った。N末端βAla残基のカップリングおよび
脱保護の後、(+)ビオチン(DMF中で300mM)を4時間カップリングし
た(アミノ酸に関して上記のような性質)。洗浄および乾燥の後、「マクロ・ク
ラウン」を、合成装置から取出し、10mLのキャップ付ポリプロピレンチュー
ブ中に入れた。各チューブに、1.5mLの切断/脱保護混合物を添加した。2
時間後、「マクロ・クラウン」を取出し、各々正味0.5mLのTFAで洗浄し
た。切断混合物および洗浄液の組合せ物を含む各チューブにEtO(8mL)を
添加した。4℃に冷却した後、沈殿したペプチドを遠心分離(5,000r.p.
m.で4分間)および傾倒して収集した。残渣をEt2O中(5mL/チュ-ブ)に
再懸濁した。かかる懸濁液を再び冷却し、このペプチドを前記のように単離した
。この洗浄工程を再度くりかえし、粗ペプチドを真空で乾燥した。
【0071】 超音波処理を用いて、粗ペプチドを0.1%TFA水溶液(2mL/サンプル)
に再溶解し、最初の固相抽出カートリッジ(Merck LiChrolut RP-18, 500mg) (
MeOHの後に0.1%TFA水溶液)に充填した。このカートリッジを連続洗
浄(2×0.1%TFA水溶液(2mL))し、溶出した(0.1%TFA水溶液(
2mL)で6:4 MeCN/H2O)。溶出物を蒸発し、真空遠心分離によって乾
燥した。標題化合物に関する収率および分析データを表2にまとめた。
【表3】 表2:ペプチド1−20についてのクロマトグラフィーおよびマススペクトル分
【表4】 DE MALDI-TOF MSを用いる 固相抽出および真空遠心分離の後 合成「クラウン」5.3μmol付加に対する比率 20分にわたる0.1%TFA水溶液中5〜35 %の勾配(ペプチド1−20)
クロマトグラム由来の調整(λ=214nm)
【0072】 還元型鎖状および酸化型環状ペプチド37および38の調製 ペプチド配列を、ABI 433A ペプチド合成装置(Perkin-Elmer Applied Biosyst
ems)および標準的な"0.25 mmol FastMoc MonPrevPk"性
質を用いて、Fmoc-Cys(Trt)樹脂(p-ヒドロキシメチルフェノキシ酢酸、0.50
mmol/g相関性、0.50g、0.25mmol; ABI 401418)で合成した。
最終のFmoc脱保護および洗浄(EtO)の後、かかるポリペプチド樹脂を
、真空で乾燥した(1.43g、91%)。この物質のアリコート(285g、約
0.05 mmol)をDMFに再懸濁し、排液し、ビオチンアミドカプロエート
‐N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(137mg、0.3mmol)、HOB
t(50mg、0.3mmol)およびDMF(3mL)中のDIEA(0.14mL
0.8mmol)と、18時間窒素下で反応させた。次いで、該樹脂を、DMF、
CHClおよびEtOで連続的に洗浄し、真空で乾燥した。
【0073】 上記ビオチン化ペプチジル樹脂(290mg、約0.05mmol)を、切断
/脱保護混合物(5mL)で、2.5時間処理した。次いで、樹脂残渣を濾過した
。濾過物をEtO(45mL)で処理し、この混合物を冷却し、沈殿ペプチド
を遠心分離で収集した(2分、4,000 r.p.m.)。上記ビオチン化ペプチ
ド(141ma、約4量体)を、同様にしてEt2Oで2回以上洗浄し、真空で乾燥
した。このサンプル(20mg)を0.1% TFA水溶液 (2mL)で洗浄し、該
溶液を濾過し、分取RP-HPLCによって分画した。純粋な物質を含む分画(分
析RP‐HPLCによる)をプールし、凍結乾燥し、純粋なペプチド37(12.
1mg)を得た(分析RP-HPLC:t=20.8分、純度>99%、λ= 214nm (20〜30% M
eCN勾配). DE MALDI-TOF MS: [M+H]=2776, [2M+H]2+=1389 (C127H205N39O 25 S33=2774.43)。
【0074】 粗ペプチド37 (分取RP-HPLC前、 35mg)を炭酸アンモニム水溶液
に溶解した(0.1M、70mL)。 キャップされていない混合物を18時間、室
温で撹拌した。次いで、得られた懸濁液を、AcOH(約2mL)でpH4まで酸
性にして透明な溶液を得、それを真空乾燥で18時間、乾燥するまで蒸発した。
残渣を、0.1% 水性TEA (2mL)に再溶解し、勾配を20〜30%MeC
Nから展開したことを除いて、上記の還元された前駆体37と同様の方法で、分
取RP-HPLCによって精製した。凍結乾燥後、純粋なペプチド38(4.5m
g)を得た。分析RP-HPLC:t=15.7分、λ=214nm(20〜30%勾配で純度>99 %、DE
MALDI-TOF MS:[M+H]=2774,[2M+H]2+=1388(C127H203N39O25S3=2772.42)。
【0075】 フルオレセイン標識ペネトラチン39の調製 この配列は、ペプチド37で記載した同様の手法でFmoc-Lys(Boc)-樹脂(0.5
mmol/g付加;ABI 401425)を使用する以外は、ペプチド37に対する記載と
同様に構築した。H-βAla-Arg(Pmc)-Gln(Trt)-Ile-Lys(Boc)-IlEtrp-Phe-Gln(
Trt)-Asn(Trt)-Arg(Pmc)-Arg(Pmc)-MEt-Lys(Boc)-Trp-Lys(Boc)-Lys(Boc)樹脂
(300mg、約0.055mmol)を、DMF中(5mL)の5-カルボキシフル
オレセイン (103mg、0.27mmol; Sigma C 0537)、 PyBOP(14
2mg, 0.27mmol)、 HOBt(37mg、0.27mmol)およびDI
EA(71mL、0.41μmol)と、窒素下、暗所で18時間反応させた。次
いで、これを洗浄し(DMF、CHClおよびEtO)、真空下で乾燥し
た。切断/脱保護剤 (12mL)を用いて、暗所で2時間処理し、上記のように
操作した後、粗ペプチド (183mg) を得た。アリコート(90mg)を分取R
P-HPLCで精製し、凍結乾燥の後、純粋なペプチドを得た(38mg)。分析R
P-HPLC:t=15.7分、λ= 214mn(22.5〜39.5%勾配)で純度>99 %. DE MALDI-TOF
MS:[M+H]=2677, [2M+H]2+=5359 (C128H183N35O27S=2676.11)。
【0076】 1.3:ペプチド内在化アッセイ HaCaT細胞(固定化した「正常」ヒト線維芽細胞系)を、10%の胎児ウシ
血清と抗生物質を含む媒体(DMEM)中へ、1ウェルあたり50,000細胞
づつ、96ウェルプレートへ播種した。一晩インキュベーションした後、ペプチ
ドを細胞培養液中に希釈系として調製し、細胞に添加した。インキュベーション
時間の終点(通常、10および60分)で、該細胞を3回PBSですすぎ、20
分間、−20℃、EtOH/AcOH(95:5)中で固定した。固定化後、該細胞
を3%のTween-20を含むPBSで10分間処理することによって、浸透性とした
。内生のアルカリホスファターゼ活性を65℃、60分間、インキュベートして
中和した。細胞を、室温で30分間、アルカリホスファターゼ・ストレプタビジ
ン(Pierce Chemical Co., Rockford, IL,USA)と共に0.1% BSAを含むP
BSでインキュベートし、PBSで充分洗い流した。新規に調製した基質溶液(
lmg/mLのp-ニトロフェニルホスフェート二ナトリウム(Pierce Chemical C
o.)、0.5mM MgClを含む10mM ジエタノールアミン(pH 9.5)を各
ウェルに添加し、十分に染色が進行するまでインキュベートした(約30分)。酵
素反応を、2M NaOH水溶液(50μL)を各ウェルに添加して停止した。ア
ルカリホスファターゼ活性を405nmでの吸光度で測定した。
【0077】 1.4:結果 1.4.1:ペプチド合成 ペプチド1−20を、いわゆるMultipin(商標)方法を用いて同時に調製した
(Valerio, R.M.ら(1993)International Journal of Peptide and Protein Resea
rch 42, 1-9)。1日あたり、平均2回のカップリング/脱保護サイクルを行い、
ビオチン化、分解/脱保護、固相抽出による精製を含む全ての合成を、2週間中
に完了した。ペプチドの単離および精製収率は約40〜81%の範囲であり、純
度は75−96%(表2)であった。該ペプチドの卓越した品質は、図1に示し
た。観察された主要な不純物(MS、データは示していない)は、Met(O)含
有ペプチドであった(図1においてピークをトレースする)。メチオニンスルホキ
シドの形成は、Multipin方法に伴う一般的な問題であるようで、おそらく、アシ
ル化および脱保護工程後の長期空気乾燥サイクル中の酸化によるものであろう。
基本的には、ペプチドにおけるMet(O)再還元し得る;例えば、TFAにおい
てNHI/MeSを用いてMet(O)含有不純物をはっきりとペプチド1へ
転換し得た(Nicolasら, (1995)Tetrahedron 51, 57013)(結果は示していない)。
【0078】 1.4.2:最小活性配列の決定 上記で明かにしたように、アンテナペディア(Antennapedia)ホメオドメイン
の16量体ペプチド対応残基43-58は、残基41-60、43-58、41-5
5および46-60に対応するペプチドを用いて、十分な移行特性を保持する最
小配列として最初に同定した。結果(図2)によると、ペプチド1のC末端切除
は、内在化の程度が低下したが、末端切除ペプチドは依然細胞膜移行能を有して
いた。しかし、ペプチド1のN末端からの継続的な切除は、ペプチド1それ自身
によって到達したレベルに匹敵する多くの事例において、末端切除ペプチドで有
意レベルの移行が保持されることを示す。最初の3つの末端切除(11−13)に
おいて、活性は少ししか消失しなかったが、もとのシグナルの約半分のみが誘導
体14および15では残っていた。しかし、10量体から7量体への(16-19
)段階では、C末端の6量体ペプチド20で顕著な低下が観察される前に、対照
ペプチド1に比較してほぼ完全な膜移行効力を回復した。この効果は、数回の独
立した実験において再現し得た。1つのペプチド濃度のみの値を図2に示すが、
各々の独立したペプチドに対する用量作用曲線は、ペプチド濃度にかかわらず同
じパターンを示していた。細胞の非存在下における非特異的結合は、画一的かつ
無視できるものであった(結果は、示していない)。
【0079】 1.4.3:フルオレセイン標識ペネトラチン39のペプチド内在化アッセイ このアッセイは、ビオチン化したペプチドを用いる場合に必要な細胞操作から
生じる人工産物を観測する可能性なしに、細胞の内在化の実験および測定ができ
る。図4は、生存細胞中のペプチド内在化の直接測定を示す(t=10分間の場
合は四角、t=60分間の場合は菱形)。図4からわかるように、ビオチン化ペ
ネトラチン1は、細胞核内には優勢的に局在し、仁に蓄積し、細胞質基質では低
い濃度であった。明らかに、この分布は、直接的な蛍光プローブ39を用いた場
合と酷似する。従って、間接的なビオチン−アビジン視覚化アプローチを正当化
する。ペネトラチンが、主に核に局在するように見えるという事実は、このペプ
チドが実は原形質および核膜双方を横切って移行できるということを示している
。核での蓄積は、DNAに対する陽性電荷を帯びたペプチドの結合によるのであ
ろう。
【0080】 実施例2:さらに末端切除されたペネトラチン誘導体 2.1:上記のセクション1.1および1.2に従って、下記のペプチドを調
製した。
【表5】 これらペプチドは、セクション1.3で記載したペプチド内在化アッセイで使
用し、細胞中に内在化されたことが分かった。
【0081】 実施例3:順番に核残基がアラニンによって置換された一連の完全長ペプチド
(21−36)の調製 3.1:ペプチド21−36の同時多重合成 ペプチドを、上記セクション1.1および1.2に記載の方法において調製した
。標題化合物の収率および分析データを表3にまとめた。 表3:
【表6】 表4:ペプチド1および21−36についてのクロマトグラフィーおよびマスス
ペクトル分析
【表7】 DE MALDI-TOF MSを用いる 固相抽出および真空遠心分離の後 合成「クラウン」5.3μmol付加に対する比率 20分にわたる0.1%TFA水溶液中15-35%アセトニトリルの勾配(ペプ
チド21−36) クロマトグラム由来の調整(λ=214nm)
【0082】 3.2 ペプチド内在化アッセイをセクション1.3に従い行った
【0083】 3.3 結果 3.3.1:ペプチド合成 ペプチド21−36を、いわゆるMultipin(商標)法を用いて、同時に調製し
た(Valerio, R.M.ら(1993)Internatuonal Journal of Peptide and protein Res
earch 42,1-9)。1日あたり、平均2回のカップリング/脱保護サイクルを行い
、ビオチン化、分解/脱保護、固相抽出による精製を含む全ての合成を、2週間
中に完了した。ペプチドの単離および精製収率は、約43〜76%の範囲であり
、純度は66−96%(表2)であった。観察される主要な不純物は、Met(
O)含有ペプチドであった(MS、データは示していない)。メチオニンスルホ
キシドの形成は、Multipin方法に伴う一般的な問題である。おそらく、アシル化
および脱保護工程後の長期空気乾燥サイクル中の酸化によるものであろう。基本
的には、ペプチドにおけるMet(O)を再還元し得る;例えば、分析スケールに
関して、NHI/MeSを含むTFAを用いると、Met(O)含有不純物を
はっきりとペプチド1へ転換し得た(Nicolas, ら, (1995)Tetrahedron 51, 5701
3)(結果は示していない)。
【0084】 3.3.2:残基置換効果 Alaによって順番に各残基が置換された一組のペプチド(ペプチド21−3
6)を用いた結果を図5に示した。この結果は、任意の特別な疎水性残基に対す
る緊縮要件が全くないことを示している。例えば、両方のIle残基が、見かけ
上活性を失わずにValで置換され得ることは、他の文献でも報告されている(B
rugidou,Jら., (1995) Biochemical and Biophysical Research Communications
214, 685-693)。さらに、Met12は、LeuまたはNleによって自由に交
換し得る(結果は、示していない)。これら結果から明らかに示されることは、
先行技術における一般的な意見とは対照的に、Trpの必要がないことである。
【0085】 実施例4:さらに改変されたペネトラチン誘導体 上記セクション1.1および1.2に記載の方法を用いて、さらに配列番号1
の改変ペプチドを、太線で示されたアラニン残基を何らかの別のアミノ酸によっ
て置換して、調製した。これは上記セクション1.3に記載の細胞の内在化アッ
セイの際に全て活性であった下記ペプチドを含む。
【表8】 番号はアンテナペディアで見られるような対応する残基を示し、ここでペネト
ラチンをAntP(43-58)として表示した。
【0086】 実施例5-17:上記方法を用いて、貨物体に結合した担体部分を含む移行ベ
クターを記載したように調製した。
【0087】 実施例5: H-Cys-βAla-Arg-Arg-MEt-Lys-Trp-Lys-Lys-NH Rink Amide AM 樹脂(0.69mmol/g, Novabiochem)から、H-Cys(Trt)-β
Ala-Arg(Pmc)-Arg(Pmc)-Met-Lys(Boc)-Lys(Boc)-Lys(Boc)-樹脂を構築した。脱
保護(1.5時間)した後に、Et2Oで沈殿し、遠心分離し、デカンテーションし、
乾燥することにより粗ペプチドを得た。アリコート(全246mg)を、分取RP
-HPLC (6.5〜16.5%MeCN勾配)により精製し、純粋な標題化合物を
得た(106.4mg)。分析RP-HPLC: t = 15.8分(6.5〜16.5 % MeCN勾配、純
度>95 %,λ=214nm)。DE MALDI-TOF MS:[M+H] =1205.4(C52H92N20OS
=1205.55)。
【0088】 2'-[スクシンイミドプロピオニル(H-Cys-pAla-Arg-Arg-Met-Lys-Trp-Lys-Lys-N
H]パクリタキセル
【化1】 DMF(1mL)中の2'-(マレイミドプロピオノイル)パクリタキセル(17μ
mol, 17.4mg)およびH-Cys-βAla-Arg-Arg-Met-Lys-Trp-Lys-Lys-NH2(1
5μmol、18.1mg)の溶液にEt3N(2.0μL)を加えた。この混合物を
1時間攪拌し、濾過し、分取RP-HPLC(10〜70%MeCN勾配)により
精製した。無色の固体として純粋な標題化合物を得た(9.4mg)。分析RP-HPLC
: tR=17.2分(0〜60% MeCN勾配; 純度>97%)。DE MALDI-TOF MS: [M+H]+=2211.7(
C106H148N22O26S2=2210.57)。
【0089】 実施例6 4-(マレイミドプロピオノイル)ポドフィロトキシン
【化2】 CH2Cl2(2mL)中のポドフィロトキシン(60μmol、25.6mg)、
3-マレイミドプロピルオン酸(0.31mmol、52.4mg)、DIC(0.1
7mmol、21.5mg)およびDMAP(80μmol、10mg)の溶液を1
時間攪拌した。溶媒を真空蒸発し、残渣をDMF/MeOH(1mL)に再溶解し
、分取RP-HPLC(20〜70%MeCN勾配)により精製し、無色の固体と
して純粋な標題の化合物を得た(7.3mg)。分析RP-HPLC: tR=20.1分(0〜60% M
eCN勾配; 純度>95%)。1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ: 2.66-2.71 (t, J=6.3Hz, 2
H, CH2), 2.82-2.84 (m, 2H, H2 および H3), 3.69 (s, 6H, OCH3x2), 3.75 (s,
3H, OCH3), 3.83 (t, J=6.3Hz, 2H, CH2), 4.12 (t, J=9.92Hz, 1H, H11), 4.3
1 (m, 1H, H11), 4.53 (d, J=11.4Hz, 1H, H1), 5.80 (d, J=8.7Hz, 1H, H4), 5
.92 (dd, J=5.49, 1.17Hz, 2H, OCH2O), 6.32 (s, 2H, H2'6'), 6.47 (s, 1H, H
8), 6.66 (s, 2H, CH=CH), 6.74 (s, 1H, H5)。
【0090】 4-[スクシンイミドプロピオノイル-(H-Cys-βAla-Arg-Arg-Met-Lys-Trp-Lys-Ly
s-NH)]ポドフィロトキシン
【化3】 DMF(1.5mL)中の4-(マレイミドプロピオノイル)ポドフィロトキシン(1
7.7μmol、10mg)およびH-Cys-βAla-Arg-Arg-Met-Lys-Trp-Lys-Lys-NH2(
25μmol、30.4mg)の溶液にEtN(3.5μL)を加えた。この混合物
を40分間攪拌し、濾過し、分取RP-HPLC(0〜60%MeCN勾配)によ
り精製した。無色の固体として純粋な標題の化合物を得た(17.8mg、57%
)。分析RP-HPLC: tR=14.8分(0〜60% MeCN勾配; 純度>98%)。DE MALDI-TOF MS:
[M+H]+=1772.3(C81H119N21O20S2=1771.07)。
【0091】 実施例7: H-Cys-βAla-Arg-Arg-Met-Lys-Trp-Lys-Lys-NH Rink Amide AM 樹脂(0.69mmol/g, Novabiochem)から、H-Cys(Trt)-β
Ala-D−Arg(Pmc)-D-Arg(Pmc)-D-Met-D-Lys(Boc)-D-Trp-D-Lys(Boc)-D-Lys(Boc)-
樹脂を構築した。脱保護(1.5時間)後に、Et2Oで沈殿し、遠心分離/デカン
テーションし、乾燥することにより粗ペプチドを得た。アリコート(全237m
g)を、分取RP-HPLC (8〜18%MeCN勾配)により精製し、純粋な標
題化合物を得た(66mg)。分析RP-HPLC: t = 12.9分(9〜19% MeCN勾配, 純
度>99 %,λ=214nm)。DE MALDI-TOF MS:[M+H] =1207.2(C52H92N20OS
=1205.55)。
【0092】 4-[スクシンイミドプロピオノイル-(H-Cys-β-Ala-D-Arg-D-Arg-D-Met-D-Lys
-D-Trp-D-Lys-D-Lys-NH2)]ポドフィロトキシン
【化4】 DMF(1.5mL)中の4-(マレイミドプロピオノイル)ポドフィロトキシン(
18.9μmol、10.7mg)およびH-Cys-βAla-D-Arg-D-Arg-D-Met-D-Lys-D
-Trp-D-Lys-D-Lys-NH2 (28μmol、33.8mg)の溶液にEt3N(1.5μ
L)を加えた。この混合物を40分間攪拌し、濾過し、分取RP-HPLC(0〜
60%MeCN勾配)により精製した。無色の固体として純粋な標題の化合物を
得た(6.9mg、21%)。分析RP-HPLC: tR=14.8分(0〜60% MeCN勾配; 純度>9
8%)。DE MALDI-TOF MS: [M+H]+=1771.5(C81H119N21O20S2=1771.07)。
【0093】 実施例8: 4'-(マレイミドプロピオノイル)エピポドフィロトキシン
【化5】 ピリジン(1mL)中の4'-デメチルエピポドフィロトキシン(12mmol、
5mg)、3-マレイミドプロピオン酸(50μmol、12.2mg)およびDI
C(28μmol、3.47mg)の溶液を30分間攪拌した。MeOH(0.5m
L)を加え、この混合物を分取RP-HPLC(0〜60%MeCN勾配)により精
製し、無色の固体として純粋な標題の化合物を得た(4.2mg、62%)。分析R
P-HPLC: tR=17.6分(0〜60% MeCN勾配; 純度>95%)。1H-NMR (300MHz, CDCl3)δ:
2.84 (m, 1H, H3), 2.99 (t, J=7.44Hz, 2H, CH2-Mim), 3.32 (dd, J=14.04, 5
.07Hz, 1H, H2), 3.69 (s, 6H, OCH3x2), 3.95 (t, J=7.44Hz, 2H, CH2-Mim), 4
.39 (dd, J=8.13, 4.28Hz, 2H, H11), 4.66 (d, J=5.00Hz, 1H, H1), 4.89 (d,
J=3.32Hz, 1H, H4), 6.01 (d, J=6.42Hz, 2H, OCH2O), 6.32 (s, 2H, H2'6'), 6
.57 (s, 1H, H8), 6.74 (s, 2H, CH=CH), 6.90 (s, 1H, H5)。 13C-NMR (75MHz,
CDC13) δ: 28.64, 31.02, 32.55, 37.33, 39.53, 42.99, 55.15, 65.78, 66.5
6, 100.65, 106.54, 107.97, 109.65, 130.68, 130.92, 133.21, 136.96, 146.6
2, 147.61, 150.39, 167.36, 169.30, 173.89。
【0094】 4'-[スクシンイミドプロピオノイル-(H-Cys-βAla-Arg-Arg-Met-Lys-Trp-Lys
-Lys-NH)]エピポドフィロトキシン
【化6】 DMF(1.5mL)中の4'-(マレイミドプロピオノイル)エピポドフィロトキ
シン(14μmol、7.9mg)およびH-Cys-βAla-Arg-Arg-Met-Lys-Trp-Lys-L
ys-NH(26μmol、31.5mg)の溶液にEt3N(1.91μL)を加えた。
この混合物を40分間攪拌した後、分取RP-HPLC(0〜60%MeCN勾配
)により精製し、無色の固体として純粋な標題の化合物を得た(15.8mg、6
3%)。分析RP-HPLC: tR=13.3分(0〜60% MeCN勾配; 純度>98%)。DE MALDI-TOF
MS: [M+H]+=1757.2(C80H117N21O20S2=1757.05)。
【0095】 実施例9: 4-(ヨードアセチル)ポドフィロトキシン
【化7】 乾燥CHCl中でポドフィロトキシン(0.49mmol、204mg)、ヨ
ード酢酸(0.164mg、20mg) およびDIC(0.552mmol、0.9
7mg)およびDMAP(0.164mmol、20mg)の混合物を0℃に冷却
した。ピリジン(0.2mL)を添加し、上記反応混合物を0℃、1時間撹拌した
。該混合物を蒸発して乾燥した。得られた淡黄色残渣をMeCNに再溶解し、分
取RP-HPLC(20〜70%MeCN勾配)により精製し、無色固体として純
粋な標題の化合物を得た(89.7mg)。分析RP-HPLC: tR=22.3分(0〜60% MeCN勾配、
純度>95%)。1H-NMR (300 MHz, CDC13) δ: 2.85 (m, 2H, H2,3), 3.70 (s, 6H,
OCH3x2), 3.72 (s, 2H, CH2I), 3.74 (s, 3H, OCH3), 4.13 (m, 1H, H11), 4.3
4(mLH, H11), 4.53(d, lH, J=3.60Hz, H1), 5.83(d, lH, J=8.43Hz, H4), 5.9
3 (dd, 2H, J=4.35, 1.17Hz, OCH0), 6.31 (s, 2H, H2'6'), 6.48 (s, 1H, H8
), 6.77 (s, 1H, H5)。
【0096】 4-[アセチル-(H-Cys-βAla-Arg-Arg-Met-Lys-Trp-Lys-Lys-NH)]ポドフィロ
トキシン
【化8】 DMF(1mL)中の4-(ヨードアセチル)ポドフィロトキシン(17μmol、
10mg)およびH-Cys-βAla-Arg-Arg-Met-Lys-Trp-Lys-Lys-NH2(23μmol
、28.6mg)の溶液にEt3N(2.4μL、17μmol)を加えた。1時間攪
拌した後、MeCN(0.5mL)を加え、混合物を分取RP-HPLC(0〜60
%MeCN勾配)により精製し、無色の固体として純粋な標題の化合物を得た(2
9.4mg、100%)。分析RP-HPLC: tR=14.1分(O〜60% MeCN勾配、純度>98%)
。DE MALDI-TOF MS: [M+H]+=1661.0(C76H114N20O18S2=1659.97)。
【0097】 実施例10: 4'-デメチル-4-(ヨードアセチル)エピポドフィロトキシン
【化9】 0℃で、CH2C1(2mL)中の4'-デメチルエピポドフィロトキシン(0.
26mmol、104mg)、ヨード酢酸(0.53mmol、98.8mg)およ
びDIC(0.32mmol、40.1mg)の溶液にピリジン(50μL)およびD
MAP(0.1mmol、12.8mg)を加えた。1時間攪拌した後、溶媒を蒸発
した。残渣をDMF(1mL)に再溶解し、分取RP-HPLC(20〜60%Me
CN勾配)により精製し、無色の固体として純粋な標題の化合物を得た(35.7mg,
24%)。分析RP-HPLC: tR=20.3分(0〜60% MeCN勾配、純度>96%)。1H-NMR (300 MH
z, CDC1) δ: 3.02 (m, 1H, H3), 3.20 (m, 1H, H2), 3.71 (s, 6H, OCH3x2),
3.63 (s, 2H, CH2I), 3.74 (s, 3H, OCH3), 4.05 (m, 1H, H11), 4.27(mLH,
H11), 4.60(d, lH, J=4.94Hz, H1), 6.06(d, lH, J=3.41Hz, H4), 5.92 (m, 2H,
OCH2O), 6.21 (s, 2H, H2'6'), 6.49 (s, 1H, H8), 6.80 (s, 1H, H5)。
【0098】 4'-ジメチル-4-[アセチル-(H-Cys-βAla-Arg-Arg-Met-Lys-Lys-NH)]エピ
ドフィロトキシン
【化10】 DMF(1mL)中の4'-デメチル-4-(ヨードアセチル)エピポドフィロトキシ
ン(17.6μmol、10mg)およびH-Cys-βAla-Arg-Arg-Met-Lys-Trp-Lys-L
ys-NH2(14.9μmol、18mg)の溶液にEt3N(2.1μL、15μmol
)を加えた。1時間攪拌した後、反応混合物を分取RP-HPLC(0〜60%M
eCN勾配)により精製し、無色の固体として純粋な標題の化合物を得た(11.
2mg、46%)。分析RP-HPLC: tR=12.8分(0〜60% MeCN勾配、純度>98%)。DE
MALDI-TOF MS: [M+H]+=1647.2(C75H112N20O18S2=1645.95)。
【0099】 実施例11: 4-(Boc-Gly)ポドフィロトキシン
【化11】 CH2Cl2(5mL)中のポドフィロトキシン(400mg、0.97mmol)
、Boc-Gly-OH(510mg、2.91mmol)、DIC(1.73mmol、27
3μL)、DMAP(0.41mmol、50mg)およびピリジン(173μL)の
混合物を1時間攪拌した。溶媒を蒸発した。この残渣をDMF(1.5mL)に再
溶解し、RP-HPLC(20〜70%MeCN勾配)により精製し、無色の固体
として純粋な標題の化合物を得た(502.6mg、91%)。分析RP-HPLC: tR=2
2.1分(0〜60% MeCN勾配、純度>97%)。
【0100】 4-(H-Gly)ポドフィロトキシン
【化12】 CH2Cl2(8mL)中の4-(Boc-Gly)ポドフィロトキシン(0.24mmol、
137mg)の溶液にTFA(0.5mL)を添加した。1時間攪拌した後、溶媒を
蒸発した。得られた淡黄色の固体残渣を分取RP-HPLC(10〜70%MeC
N勾配)により精製し、無色の固体として純粋な標題の化合物を得た(41.7mg, 37
%)。分析RP-HPLC: tR=15.2分(0〜60% MeCN勾配、純度>97%)。
【0101】 4-(マレイミドプロピオノイル-Gly)ポドフィロトキシン
【化13】 DMF(1mL)中の3-マレイミドプロピオン酸(70μmol、11.8mg)
およびDIC(38μmol、4.83mg)の溶液に4-(H-Gly)ポドフィロトキ
シン(17μmol、8mg)、DMAP(10μmol、1.2mg)およびピリ
ジン(20μL)を加えた。1時間攪拌した後、混合物を分取RP-HPLC(0〜
60%MeCN勾配)により精製し、無色の固体として純粋な標題の化合物を得
た(1.1mg)。分析RP-HPLC: tR=18.2分(0〜60% MeCN勾配、純度>97%)。
【0102】 4-[(スクシンイミドプロピオノイル-Gly)-(H-Cys-βAla-Arg-Arg-Met-Lys-Tr
p-Lys-Lys-NH2)] ポドフィロトキシン
【化14】 DMF(1mL)中の4-マレイミドプロピオノイル-Gly)ポドフィロトキシン(
1.8μmol、1.1mg)およびH-Cys-βAla-Arg-Arg-Met-Lys-Trp-Lys-Lys-NH2(
4μmol、5mg)の溶液にEt3N(0.5μL、4μmol)を加えた。混合
物を1時間攪拌した。これをMeCN(0.5mL)で希釈し、分取RP-HPLC
(0〜60%MeCN勾配)により精製し、無色の固体として標題の化合物を得た
(1.1mg、33%)。分析RP-HPLC: tR=14.7分(0〜60% MeCN勾配、純度>97%)
。DE MALDI-TOF MS: [M+H]+=1829.8(C83H122N22O21S2=1828.12)。
【0103】 実施例12: H-Cys-Arg-Arg-Met-Lys-Trp-Lys-Lys-Cys-NH Rink Amide AM樹脂(0.69mmol/g, Novabiochem)から開始して、H-Cys(Trt)-Arg
(Pmc)-Arg(Pmc)-Met-Lys(Boc)-Trp-Lys(Boc)-Lys(Boc)-Cys(Trt)-樹脂を構築し
た。脱保護(1.5時間)の後、Et2Oから沈殿させ、遠心分離/デカンテーショ
ン、および乾燥により粗ペプチドを得た。アリコート(全量258mg)を分取R
P-HPLC(9〜19%MeCN勾配)により精製し、純粋な標題化合物を得た(
132.4mg)。分析RP-HPLC: tR=20.3分(8〜18% MeCN勾配、純度>99%、λ=21
4nm)。DE MALDI-TOF MS: [M+H]+=1238.6(C52H92N20O9S3=1237.63)。
【0104】 Bis-[4-(スクシンイミドプロピオノイル)ポドフィロトキシン-(H-Cys-Arg-Arg-M
et-Lys-Trp-Lys-Lys-Cys-NH2)
【化15】 DMF(1mL)中の4-(マレイミドプロピオノイル)ポドフィロトキシン(19
μmol、11mg)およびH-Cys-Arg-Arg-Met-Lys-Trp-Lys-Lys-Cys-NH2(12
μmol、15mg)の溶液にEt3N(2.8μL)を添加した。1時間攪拌した
後、混合物を分取RP-HPLC(10〜70%MeCN勾配)により精製し、無
色の固体として純粋な標題の化合物を得た(9.0mg、32%)。分析RP-HPLC:
tR=17.4分(0〜60% MeCN勾配、純度>98%)。DE MALDI-TOF MS: [M+H]+=2369.7(C1 10 H146N22O31S3=2368.66)。
【0105】 実施例13: 4'-(スクシンイミドプロピオニル)エピドフィロトキシン-(H-Cys-Arg-Arg-Me
t-Lys-Trp-Lys-Lys-Cys-NH2)-10-O-(スクシンイミドプロピオニル)カンプト
テシン
【化16】 DMF(1.5mL)中の10-O-(マレイミドプロピオニル)カンプトテシン(0
.005mmol、2.6mg)、4'-(マレイミドプロピオノイル)エピポドフィ
ロトキシン(11μmol、13mg) の溶液に、Et3N(1.5μL)を加えた
。1.5時間攪拌した後、混合物を分取RP-HPLC(10〜70%MeCN勾
配)により精製し、無色の固体として純粋な標題の化合物を得た(1.9mg)。分
析RP-HPLC: tR=14.8分(0〜60% MeCN勾配、純度>96%)。DE MALDI-TOF MS: [M+H] + =2304.6(C107H138N24O28S3=2304.58)。
【0106】 実施例14: 4'-(スクシンイミドプロピオノイル)エピポドフィロトキシン-(H-Cys-Arg-Ar
g-Met-Lys-Trp-Lys-Lys-Cys-NH)-2'-(スクシンイミドプロピオノイル) パク
リタキセル
【化17】 DMF(1mL)中の4'-[スクシンイミドプロピオノイル-(H-Cys-Arg-Arg-Met
-Lys-Trp-Lys-Lys-Cys-NH)]エピポドフィロトキシン(2μmol、3.5mg)、
2'-(マレイミドプロピオノイル) パクリタキセル(2μmol、2mg)の溶液
にEtN(0.3μL)を加えた。1.5時間攪拌した後、反応混合物を分取RP
-HPLC(10〜70%MeCN勾配)により精製し、無色の固体として純粋な
標題の化合物を得た(1.5mg)。分析RP-HPLC: t=17.8分(0〜60% MeCN勾配、
純度>98%)。DE MALDI-TOF MS: [M+H]+=2794.5(C134H173N23O37S=2
794.14)。
【0107】 実施例15: 4'-メトキシ-4-[4''-アミノアニリノ-(スクシンイミドプロピオニル)-(H-C
ys-βAla-Arg-Arg-Met-Lys-Trp-Lys-Lys-NH)]エピポドフィロトキシン
【化18】 DMF(1mL)中の4'-メトキシ-4-[4"-アミノアニリノ (マレイミドプロ
ピオノイル)] エピポドフィロトキシン(7μmol、4.6mg)およびH-Cys-β
Ala-Arg-Arg-Met-Lys-Trp-Lys-Lys-NH2(14μmol、16.3 mg)の溶液に
Et3N(1μL)を加えた。1時間攪拌した後、混合物を分取RP-HPLC(0
〜60%MeCN勾配)により精製し、無色の固体として純粋な標題の化合物を
得た(6.4mg、49%)。分析RP-HPLC: tR=15.2分(0〜60% MeCN、純度>98%)
。DE MALDI-TOF MS: [M+H]+=1861.6(C87H125N23O19S2=1861.20)。
【0108】 実施例16: 4'-デメチル-4-[4"-アミノアニリノ-(マレイミドプロピオノイル)]エピポ
ドフィロトキシン
【化19】 1:1 DMF/CHCl(2mL)中の4'-デメチル-4-(4"-アミノアニリ
ノ)エピポドフィロトキシン(24μmol、12mg)、-マレイミドプロピオン
酸(49μmol、8.3mg)およびDIC(27μmol、3.4mg)の溶液に
ピリジン(10μL)を加えた。1時間攪拌した後、反応混合物を蒸発した。得ら
れた淡黄色の固体を分取RP-HPLC(10〜70%MeCN勾配)により精製
し、無色の固体として純粋な標題の化合物を得た(5.3mg、34%)。分析RP-
HPLC: tR=19.5分(0〜60% MeCN勾配、純度>96%)。1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ:
2.65 (t, 2H, J=7.3Hz, CH2), 2.98 (m, 1H, H3), 3.17 (m, 1H, H2), 3.79 (s
, 6H, OCH3), 3.93 (t, 2H, J=7.0Hz, CH2), 3.99 (mLH, H5, H11), 4.38 (m,
1H, H11), 4.58(d, 1H, J=4.95Hz, H1), 4.64 (d, 1H, J=3.95Hz, H4), 5.96 (
m, 2H, OCH2O), 6.33 (s, 2H, H2'6'), 6.49-6.53 (m, 3H, H8, Ar), 6.74 (s,
2H, CH=CH), 6.75 (s, 1H, H5), 7.33 (m, 2H, Ar)。
【0109】 4'-デメチル-4-[4"-アミノアニリノ-(スクシンイミドプロピオノイル)-(H-Cys
-βAla-Arg-Arg-Met-Lys-Trp-Lys-Lys-NH)]エピポドフィロトキシン
【化20】 DMF(1.5mL)中の4'-デメチル-[4"-アミノアニリノ(マレイミドプロピ
オノイル)]エピポドフィロトキシン(8.3μmol、5.3mg)およびH-Cys-β
Ala-Arg-Arg-Met-Lys-Trp-Lys-Lys-NH2(13μmol、15.6mg)の溶液にE
3N(2μL)を加えた。1時間攪拌した後、この混合物を分取RP-HPLC(
0〜60%MeCN勾配)により精製し、無色の固体として純粋な標題の化合物
を得た(14.9mg、97%)。分析RP-HPLC: tR=13.7分(0〜60% MeCN勾配、純
度>98%)。DE MALDI-TOF MS: [M+H]+=1847.1(C86H123N23O19S2=1847.17)。
【0110】 実施例17:トポイソメラーゼII阻害アッセイにおけるエトポシドおよびポド
フィロトキシン誘導体の評価 トポイソメラーゼIIアッセイ−プラスミドDNA(0.3μg)を、37℃、切断
緩衝液(30mM Tris-HCl pH 7.6、60mM NaCl、3mM ATP、
15mMメルカプトエタノール、8mM MgCl2)中、試験化合物(終濃度lm
M、100μMまたは10μM)を添加、または添加せずに、4単位の精製組換
えヒトトポイソメラーゼIIとともにインキュベートした。反応はSDS(最終濃
度1%w/v)を迅速に加えて停止した。サンプルをプロテイナーゼKで処理し(
37℃で30分間)、同量の42:1 CHCl3/i-アミルアルコールで2回抽出
した。負荷色素を添加した後、サンプルを4 x TAE、0.5mg/mL臭化エ
チジウムを含む1%アガロースゲルに添加し、16〜24時間電気泳動を行った
。トポイソメラーゼIIの阻害は、捕捉された切断中間体を表す線状プラスミドD
NAの生成により、また生成物(弛緩DNA)に対する基質(スーパーコイルDN
A)の比により判定した。反応緩衝液を切断よりむしろ触媒作用の検出のために
至適化したこと、すなわちサンプル当たり2単位の酵素しか用いなかったこと以
外は同様にして、弛緩化アッセイを行った。この反応緩衝液は50mM Tris-HC
I、pH8、120mM KCl、0.5mM ATP、0.5mMジチオトレイト
ール、10mM MgCl2であった。トポイソメラーゼIIの阻害は、生成物(弛
緩DNA)に対する基質(スーパーコイルDNA)の比により判定した。
【表9】 a) IはトポイソメラーゼIIによるスーパーコイルプラスミドの弛緩化の阻害を
示し、CはトポイソメラーゼII反応中間体の集積を示す。
【0111】 実施例18:薬物部分に関するベクターとしての完全長および末端切除のペネ
トラチンの比較 完全長および末端切除のペネトラチン担体部分を用いて適用された薬剤部分の
癌細胞(表9に記載の細胞系)に対する細胞毒性の生物学的効果を比較するために
適当なポドフィロトキシン共役体(ポドフェロトキシン-19量体ベクター)、4-
[サクシンイミドプロピオノイル-(H-Cys-Arg-Gln-Ile-Lys-IlEtrp-Phe-Gln-As
n-Arg-Arg-Met-Lys-Trp-Lys-Lys-Gly-NH)]ポドフィロトキシン;ポドフィロト
キシン7量体ベクター、4-[スクシンイミドプロピオノイル-(H-Cys-βAla-Arg-A
rg-Met-Lys-Trp-Lys-Lys-NH)]ポドフィロトキシンを適切な濃度で細胞に曝露
した。試験化合物の連続希釈物を細胞系に適用した。96時間インキュベーショ
ンの後、細胞毒性を標準スルホドダミンB(SRB)細胞増殖アッセイを用いて評
価した。IC50値は表9に示した。
【表10】 1.イオン・マウス(iron mice)へのiv投与による最大耐性用量は、約40mg/
kg(xマウス)である。 2.イオン・マウスへのiv投与による最大耐性用量は、約75mg/kg(xマウ
ス)である。 表から分かるように、末端切除ペネトラチン-ポドフィロトキシン共役体は、比
較的低い一般的な毒性を示すが、癌細胞に対する抗増殖活性に関してはより有効
であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、同時に合成したペプチド担体部分についてのRP−HP
LC分析を示す。
【図2】 図2は、末端切除ペネトラチン類似体の細胞内在化アッセイを示
す。
【図3】 図3は、 ペプチドの生細胞への内在化についての直接測定の結
果である。
【図4】 図4は、 蛍光顕微鏡によるペネトラチン細胞内在化の撮影であ
る。
【図5】 図5は、 改変ペネトラチン類似体の細胞内在化である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 9902525.6 (32)優先日 平成11年2月4日(1999.2.4) (33)優先権主張国 イギリス(GB) (31)優先権主張番号 9902522.3 (32)優先日 平成11年2月4日(1999.2.4) (33)優先権主張国 イギリス(GB) (31)優先権主張番号 9914578.1 (32)優先日 平成11年6月22日(1999.6.22) (33)優先権主張国 イギリス(GB) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ニコライ・ゼレフ イギリス、ディディ6・8エヌアール、ニ ューポート−オン−テイ、ウエスト・エイ カーズ・ドライブ28番 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA80 CA01 EA10 FA18 GA30 HA20 4C076 AA95 BB13 CC27 EE41N EE59 FF32 FF67 FF68 4H045 AA10 AA30 BA14 BA15 BA16 BA17 BA41 BA72 EA20 FA34 GA21

Claims (46)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式: RQIKIWFQNRRMKWKK(配列番号1) 1 16 (式中、アミノ末端から少なくとも1つのアミノ酸残基が欠失している)または
    その変異体を含む膜移行ペプチド担体部分。
  2. 【請求項2】 9個までのアミノ酸が欠失している、請求項1の担体部分。
  3. 【請求項3】 6〜9個のアミノ酸が欠失している、請求項2の担体部分。
  4. 【請求項4】 9個のアミノ酸が欠失している、請求項3の担体部分。
  5. 【請求項5】 RRMKWKK、NRRMKWKK、QNRRMKWKK、FQNRRMKWKK から選択され
    る、請求項3の担体部分。
  6. 【請求項6】 (a)1以上のアミノ酸残基が自然界に存在または不存在の
    アミノ酸残基で置換され、(b)1以上のアミノ酸の順序が入れかえられ、(c
    )(a)と(b)が同時に存在し、(d)スペース基が2つのアミノ酸残基の間
    に存在し、(e)1以上のアミノ酸残基がペプトイド形態であり、(f)ペプチ
    ドの1以上のアミノ酸残基の(N−C−C)骨格が改変され、または(a)−(
    f)の組み合わせである、請求項1−5に定義された担体部分の変異体。
  7. 【請求項7】 KRMKWKK、RKMKWKK、RREKWKK、RRQKWKK、RROKWKK、RRMKQKK、
    RRMKWFK、RORKWKK、RRMWKKK、RROWKKK、RRMKKWK、RROKKWKから選択される、請求
    項6の担体部分。
  8. 【請求項8】 化合物2−20のいずれかにより提示される、請求項1の担
    体部分。
  9. 【請求項9】 下記式: RQIKIWFQNRRMKWKK(配列番号1) 1 16 (式中、少なくとも1つのアミノ酸が別の自然界に存在または非存在の置換α−
    アミノ酸残基で置換されている)を含む膜移行ペプチド担体部分。
  10. 【請求項10】 アミノ末端から第6番目のアミノ酸がトリプトファンでな
    い、請求項9の担体部分。
  11. 【請求項11】 置換α−アミノ酸残基が、アラニン、アルギニン、アスパ
    ラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、
    ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン
    、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンの残基か
    ら選択される、請求項9または10の担体部分。
  12. 【請求項12】 化合物21−36のいずれかにより提示される、請求項1
    1の担体部分。
  13. 【請求項13】 カルボキシ末端アミノ酸残基の遊離カルボキシ基が、-C(O
    )-NRR'(式中、R および R'は、水素、C1-6 アルキル、C1-6 アルキレン、C1-6
    アルキニル、アリール、各々がO、S、Nなどのヘテロ原子により選択的に置換
    されているものから選択される)の形態にある、請求項1−12の担体部分。
  14. 【請求項14】 カルボキシ末端アミノ酸残基の遊離カルボキシ基が、カル
    ボキサミド基である、請求項13の担体部分。
  15. 【請求項15】 式 RRMKWKK-NH2 の、請求項14の担体部分。
  16. 【請求項16】 ペプチドがL型でアミノ酸残基を含む、請求項1−15の
    担体部分。
  17. 【請求項17】 ペプチドがD型でアミノ酸残基を含む、請求項1−15の
    担体部分。
  18. 【請求項18】 ペプチドがレトロ型である、請求項16または17の担体
    部分。
  19. 【請求項19】 貨物体部分に結合した請求項1−18の膜移行ペプチド担
    体部分を含む膜移行ベクター。
  20. 【請求項20】 貨物体部分が、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチド、タン
    パク質、ペプチド、生物学的に活性の化合物または診断剤である、請求項19の
    移行ベクター。
  21. 【請求項21】 貨物体部分が、遺伝子、遺伝子断片、DNA配列、cDN
    A配列、RNA配列、ヌクレオチド、ヌクレオシド、合成または非合成の異項環
    基、センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドから選択されたオリゴヌクレ
    オチドまたはヌクレオチドである、請求項20の移行ベクター。
  22. 【請求項22】 貨物体部分が、細胞周期を妨害するタンパク質またはペプ
    チドである、請求項20の移行ベクター。
  23. 【請求項23】 貨物体部分が、p53ペプチド断片、p21WAFペプチド
    断片、Fenlペプチド断片、p16ペプチド断片から選択される、請求項22
    の移行ベクター。
  24. 【請求項24】 貨物体部分が薬剤である、請求項20の移行ベクター。
  25. 【請求項25】 貨物体部分が細胞毒性剤である、請求項24の移行ベクタ
    ー。
  26. 【請求項26】 貨物体部分が、DNA障害剤、代謝拮抗剤、抗癌性抗生物
    質、天然産物およびその類似物、ジヒドロ葉酸レダクターゼ阻害剤、ピリミジン
    類似物、プリン類似物、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤、チミジル酸シンター
    ゼ阻害剤、DNAインターカレーター、DNAクリーバー、トポイソメラーゼ阻
    害剤、アントラサイクリン類、ニチニチソウ薬剤、マイトマイシン、ブレオマイ
    シン、細胞毒性ヌクレオシド、プテリジン薬剤、ジイネン類、ポドフィロトキシ
    ン、白金含有薬剤、分化誘導物質、タキサン類から選択される、請求項25の移
    行ベクター。
  27. 【請求項27】 貨物体部分が、メトトレキサート、メトプテリン、ジクロ
    ロメトトレキサート、5-フルオロウラシル、6-メルカプトプリン、オロムシン、
    レスコビチン、ボヘミン、プパラノールのような3-置換プリン、フラボピリドル
    、スタウロスポリン、シトシン・アビノシド、メルファラン、ロイロシン、アク
    チノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、マイトマイシン D、マイトマ
    イシン A、カルニノマイシン、アミノプテリン、タリノマイシン、ポドフィロト
    キシン、エトポシド、シスプラチン、カルボプラチニウム、ビンブラスチン、ビ
    ンクリスチン、ビンデシン、パクリタキセル、ドセタクセル、タキソエール・レ
    チオニル酸、酪酸、アセチル・スペルミジン、タモキシフェン、イリノテカン、
    カンプトデシンから選択される、請求項26の移行ベクター。
  28. 【請求項28】 貨物体部分が担体部分に直接結合している、請求項19−
    27の移行ベクター。
  29. 【請求項29】 貨物体部分が担体部分にリンカー部分によって間接結合し
    ている、請求項19−27の移行ベクター。
  30. 【請求項30】 標的化部分をさらに含む、請求項19−29の移行ベクタ
    ー。
  31. 【請求項31】 標的化部分が担体部分に接着している、請求項30の移行
    ベクター。
  32. 【請求項32】 標的化部分が貨物体部分に接着している、請求項30の移
    行ベクター。
  33. 【請求項33】 各担体部分が2以上の貨物体部分を担っている、請求項1
    9−32の移行ベクター。
  34. 【請求項34】 貨物体部分が相違する、請求項33の移行ベクター。
  35. 【請求項35】 貨物体部分が担体部分にリシン残基ネットワークによって
    接着している、請求項33または34の移行ベクター。
  36. 【請求項36】 担体部分ペプチドがL型でアミノ酸残基を含む、請求項1
    9−25の移行ベクター。
  37. 【請求項37】 担体部分ペプチドがD型でアミノ酸残基を含む、請求項1
    9−25の移行ベクター。
  38. 【請求項38】 担体部分ペプチドがレトロ型である、請求項19−37の
    移行ベクター。
  39. 【請求項39】 担体部分ペプチドおよび貨物体部分の両方がL型である、
    請求項23または24の移行ベクター。
  40. 【請求項40】 担体部分ペプチドおよび貨物体部分の両方がD型である、
    請求項23または24の移行ベクター。
  41. 【請求項41】 担体部分ペプチドがD型であり、貨物体部分がL型である
    、請求項23または24の移行ベクター。
  42. 【請求項42】 担体部分ペプチドがL型であり、貨物体部分がD型である
    、請求項23または24の移行ベクター。
  43. 【請求項43】 細胞膜に移行し、細胞質基質に留まる、請求項19−42
    のベクター。
  44. 【請求項44】 細胞膜および核膜に移行する、請求項19−42のベクタ
    ー。
  45. 【請求項45】 15個までのアミノ酸残基および少なくとも式: RRMKWKK (I) またはその変異体を含む膜移行ペプチド担体部分。
  46. 【請求項46】 下記: 【表1】 から選択される配送システム。
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