JP2002526451A - 急性肺傷害の予防方法 - Google Patents

急性肺傷害の予防方法

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JP2002526451A JP2000573744A JP2000573744A JP2002526451A JP 2002526451 A JP2002526451 A JP 2002526451A JP 2000573744 A JP2000573744 A JP 2000573744A JP 2000573744 A JP2000573744 A JP 2000573744A JP 2002526451 A JP2002526451 A JP 2002526451A
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サンフォード シモン
ヌンガヴァラム エス ラママーシー
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、哺乳動物における外傷に続く急性肺障害の予防に対する新規な方法を開示する。該方法には、好中球の肺内蓄積前にテトラサイクリンの効果的な量で哺乳動物を治療することを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 急性呼吸窮迫症候群(ARDS)は、透過性肺水腫と呼吸不全を引き起こす急
性肺傷害を特徴とする危険な疾患である。ARDSの危険に患者を曝す臨床上の
筋書きは、外傷、出血又は敗血症と同じくらいに種々である。危篤介護管理の有
意な進歩にもかかわらず、ARDSによる死亡率は40%を越えたままである。
毎年10万人以上の人々が、アメリカでARDSの合併症で死んでいる。
【0002】 循環している炎症細胞は、特に好中球は、人間と実験動物のモデルの両方にお
いて急性肺傷害の開始と経過とに重要な役割を果たす。数人の研究者はARDS
の場合における好中球の肺内蓄積を詳細にわたって証明してきた。一度活性化さ
れると、これらの好中球は蛋白質分解酵素を放出し、これにはメタロプロティナ
ーゼが含まれ、そして他のメディエーターを放出する。
【0003】 敗血症を引き起こすADRSの場合、肺に蓄積した好中球は、内毒素によって
活性化される。よって、このような場合を治療するひとつの取り組みは内毒素中
和物の投与である。中外製薬の日本特許出願番号WO95/03057は、活性
成分として、テトラサイクリン又はその誘導体を含む内毒素中和物を開示してい
る。テトラサイクリン、又はその誘導体は抗菌活性を持つ必要がない。この内毒
素中和物は内毒素に起因する状態に対して治療上又は予防的に使われると述べら
れている。
【0004】 Sakamakiら、Effect of a Specific Neut
rophil Elastase Inhibitor,ONO−5046,o
n Endotoxin−Induced Acute Lung Injur
y,Am.J.Respir.Crit.Care Med.153,391−
397(1996)は、好中性エラスターゼ阻害剤、N−〔2−〔4−(2,2
−ジメチルプロピオニロキシ)−フェニルスルホニルアミノ〕ベンゾイル〕アミ
ノ酢酸(ONO−5046)の急性肺傷害の要因に対する効果の研究論文を開示
している。著者らは、急性肺傷害はONO−5046によって軽減できることを
見いだした。
【0005】 Sakamakiらによれば、臨床の場において見られるARDSの3つの症
状は、肺組織での好中球の蓄積、末梢血液中の好中球数の一過性涸渇及び気管支
肺胞の洗浄分泌液中の好中球数増加である。これら3つの症状のうち、ONO−
5046は気管支肺胞の洗浄分泌液中の好中球数増加だけを逆転させることが観
察された。その効果は、エラスターゼを阻害するONO−5046の能力による
ものであると述べられた。
【0006】 Searlesら、Antiprotease Reduces Acute
Lung Injury in a Porcine Model of Po
st Pump Syndrome,AmSECT、第35回国際会議(抄録)
,(1997)は、ポストポンプ症候群の治療のための好中球エラスターゼ阻害
剤を開示している。ポストポンプ症候群は心肺バイパスの後に続く急性呼吸窮迫
症候群である。この実験に使われた好中球エラスターゼ阻害剤はデジメチルアミ
ノ−6−デメチル−6−デオキシテトラサイクリン、すなわち非抗細菌テトラサ
イクリン誘導体である。
【0007】 Searlesらにより述べられている実験では、ポストポンプ症候群は2段
階で引き起こされた。第一に、心肺バイパスにより、好中球は、肺脈管構造中に
分離される。次に、低用量内毒素(リポポリサッカライド)の投与により、分離
された好中球は活性化されて、蛋白質分解酵素を分泌した。COL−3がリポポ
リサッカライドと共に同時に投与されると、肺傷害は予防された。Searle
sらは好中球エラスターゼ及びゼラチナーゼの活性が改良されたので、COL−
3の投与で肺傷害が予防されたと報告した。
【0008】 Shapiroら(Mice Lacking Neutrophil El
astase Reveal Impaired Host Defense
Against Gram Negative Bacteria Sepsi
s,Nature Medicine 4,615(May 1998))によ
る論文は、好中球エラスターゼ(NE)が好中球の体内移動に影響を与えないと
いうことを証明する実験を開示している。彼らの実験では、マウスの系をNEが
欠乏するものに遺伝子的に変えた。そのマウスは細菌性感染に対する感染性が強
まっていることがShapiroらによって見いだされた。感染部位から細菌を
有効に一掃することができないのは血流から出て感染部位に移動する好中球の欠
乏によるものではないことがわかった。NEが欠乏しているマウスの感染部位へ
の好中球の体内移動はNEが欠乏していないマウスの好中球の体内移動と同程度
の効果であった。
【0009】 二次感染した組織への好中球の流動は正常なマウスとNE不完全マウスとの両
方で同等であることがShapiroらによって見いだされた(615ページ、
コラム2、最後のパラグラフ全体を参照)。検査された二次組織は肺組織を含ん
でいた(図2(d)参照)。
【0010】 グラム陰性菌に対する感染性の増強は、Shapiroらによって報告されて
おり、NE不完全マウスの細胞内殺傷力が損なわれることによるものであり、好
中球の体内移動が損なわれたことによるものではないことが見いだされた。この
ように、Shapiroらの研究は、NEの存在が、肺をも含めて、感染部位に
蓄積する好中球に必要ではないということを説明している。
【0011】 上述したARDSの従来技術の治療は不十分である。ARDSに対する理想的
な治療は、(i)肺の中に好中球が蓄積するのを防ぎ、かつ(ii)いかに好中
球が活性化されるか、またいかに好中球が肺の中へ補充されるかとは無関係であ
る。
【0012】 例えば、中外製薬の出願は、内毒素を中和することによって細菌感染からもた
らされるARDSの治療に限定されている。内毒素は、好中球がエラスターゼの
分泌を開始し、刺激することによって、ARDSのいくつかの型の病原因に重要
な役割を果たしているかも知れない。しかしながら、総ARDS数のほぼ半数は
内毒素よりも他の引き金、例えば外傷によって病状を取得する(CHEST 1
10,273S−277S(1996);Clinical Infectio
us Diseases 14,1213−1228(1992))。内毒素中
和剤はこのような場合の治療に効果がないであろう。
【0013】 Sakamakiらの論文もまたADRSの治療としてNE阻害剤を開示して
いる。著者らは、NE阻害剤、ONO−5046が好中球の化学走性を阻害しな
いことを教示しているので、ONO−5046は好中球の肺内蓄積よりも前に投
与すべきであるという示唆はない。ONO−5046はNE活性の開始後にのみ
に投与されることが示唆されている。
【0014】 NEの阻害によるARDSの治療は、SearlesらとSakamakiら
により示唆されているように、重要ではあるが、肺中の好中球の蓄積によるいく
つかの肺内損傷がすでに発生しているかもしれないので少し遅い。ARDSの潜
在的患者に対するより効果的なプロトコルは、エラスターゼ活性のいかなる開始
よりも先に治療を始めることであろう。
【0015】 この発明の目的は、エラスターゼとMMPの病的に上昇したレベルを上げる好
中球の肺内蓄積よりも前に、ARDSの潜在的患者である、外傷患者を治療する
ことである。
【0016】 発明の要旨 これら及び他の目的は、当業者には明らかであるように、哺乳動物における外
傷に続く急性肺傷害を予防するための新規な方法を提供することによって成し遂
げられた。その方法は好中球の肺内蓄積よりも前にテトラサイクリンの有効量で
哺乳動物を治療することを含む。
【0017】 詳細な説明 本発明は、急性肺傷害の予防に関係する。急性肺傷害は、肺の中に浸透した好
中球によって引き起こされる肺組織への損傷である。好中球は、例えばプロテア
ーゼや酸化体等の肺傷害のメディエーターを分泌する。これらのメディエーター
は、毛細管上内皮及び肺胞上皮の両方の選択透過性における広範囲の損失を導く
。急性肺傷害の特徴がある重大な疾患の例は、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)
及びポストポンプ症候群(PPS)である。
【0018】 肺の中への好中球の浸透のひとつの原因は外傷(trauma)である。外傷
は、本発明の目的に対して、外因性の薬剤や出来事によって起きる生組織への何
らかの傷害のことである。これには、例えば、全ての挫滅傷、固い表面との接触
、又は内皮や、上皮、内臓への切り傷又は他の損傷が含まれる。このような外傷
は、例えば、手術、事故等から生じ得る。
【0019】 本発明によって処方される治療から利益を得られる哺乳動物としては、どんな
哺乳動物でもよい。哺乳動物の範疇には、ヒトや、農場哺乳動物、家庭内哺乳動
物、実験哺乳動物などが含まれる。農場哺乳動物のいくつかの例としては、ウシ
や、ブタ、ウマ、ヤギなどが含まれる。家庭内哺乳動物のいくつかの例としては
、イヌやネコなどが含まれる。実験哺乳動物のいくつかの例としては、ラットや
、マウス、ウサギ、モルモットなどが含まれる。
【0020】 発明の方法には、テトラサイクリン化合物の投与が含まれる。テトラサイクリ
ンは抗生物質として早くから目覚ましい成功によって周知の一群の化合物である
。テトラサイクリンや、スポロサイクリンなどの化合物は、広スペクトルの抗生
物質であり、広範囲の細菌や他の微生物に対して有用性を持っている。親化合物
、即ち、テトラサイクリンは、以下の一般的構造を有している。
【0021】
【化1】
【0022】 多重環核の番号規則は、以下の通りである。
【0023】
【化2】
【0024】 テトラサイクリンは、5−OH(オキシテトラサイクリン、例えばテラマイシ
TM)及び7−Cl(クロロテトラサイクリン、例えばオーレオマイシンTM)誘
導体と同様、自然界に存在し、全て、周知の抗生物質である。天然のテトラサイ
クリンはそれらの抗生物質の性質を失うことなく修飾してもよいが、その構造の
一定元素は同じように働くように保持されるべきである。半合成テトラサイクリ
ンには、例えば、ドキシサイクリン、ミノサイクリン及びメタサイクリンが含ま
れる。
【0025】 テトラサイクリン抗生物質の使用は、感染の治療に対して一般的に有効である
が、望ましくない副作用を誘引することがある。例えば、抗生物質のテトラサイ
クリンの長期間投与は、例えば腸内細菌叢のような、健康によい細菌叢を減少さ
せるか排除することがあり、抗生物質に耐性のある微生物の産生又は酵母と真菌
の過成長を導くことがある。これらの重大な不利益によって、一般に、これらの
化合物の慢性的な投与を要求する治療療法は排除される。
【0026】 抗生物質のテトラサイクリンに構造的に関係しているが、それらの抗生物質活
性が実質的又は完全に、化学的修飾によって除去されている一群の化合物が定義
されてきた。抗生物質活性が、テトラサイクリンの抗生物質活性よりも10倍小
さく、好ましくは、テトラサイクリンの抗生物質活性よりも5倍小さい場合には
、抗生物質活性の実質的な除去が起こる。
【0027】 基本的なテトラサイクリンの構造になされるか、なされないかもしれない修飾
については、Mitscher,L.A.The Chemistry of
the Tetracycline Antibiotics,Marcel
Dekker,New York(1978),Ch.6によって検討された。
Mitscherによれば、テトラサイクリン環系の5−9位での修飾は、抗生
物質の性質の完全な損失を起こすことなくできる。しかしながら、環系の基本的
構造の変化、又は1−4若しくは10−12位での置換基の置換によって、実質
的に抗菌性が減少した、又は抗菌性が基本的に失われた合成テトラサイクリンを
一般的に導く。
【0028】 好ましいテトラサイクリン化合物は、その抗菌性が減少又は除去されるように
化学的に修飾される。化学的に修飾された非抗菌性テトラサイクリン(CMT’
s)には、例えば、4−デ(ジメチルアミノ)テトラサイクリン(CMT−1)
や、テトラサイクリノニトリル(CMT−2)、6−デメチル−6−デオキシ−
4−デ(ジメチルアミノ)テトラサイクリン(CMT−3)、7−クロロ−4−
デ(ジメチルアミノ)テトラサイクリン(CMT−4)、テトラサイクリンピラ
ゾール(CMT−5)、4−ヒドロキシ−4−デ(ジメチルアミノ)テトラサイ
クリン(CMT−6)、4−デ(ジメチルアミノ−12α−デオキシテトラサイ
クリン(CMT−7)、6−デオキシ−5α−ヒドロキシ−4−デ(ジメチルア
ミノ)テトラサイクリン(CMT−8)、4−デ(ジメチルアミノ)−12α−
デオキシアンハイドロテトラサイクリン(CMT−9)、4−デ(ジメチルアミ
ノ)ミノサイクリン(CMT−10)が含まれる。
【0029】 化学的に修飾されたテトラサイクリンは、技術的に公知の方法によって作るこ
とができる。例えば、Mistcher,L.A.,The Chemistr
y of the Tetracycline Antibiotics,Ma
rcel Dekker,New York(1978),Ch.6と米国特許
4704383号明細書と5532227号明細書とを参照されたい。
【0030】 投与されるテトラサイクリン化合物の量は、肺中の好中球蓄積の減少又は抑制
に対して効果的な量であればよい。非抗菌性テトラサイクリン誘導体は、ある不
利益、例えば上記化合物の抗微生物又は抗細菌量の使用にしばしば伴う有用微生
物の無差別殺菌の不利益を回避しながら、抗菌テトラサイクリンよりも高いレベ
ルで用いることができる。
【0031】 被験者に対する最大投薬量は、望ましくない又は耐えられない副作用を起こさ
ない最高の投薬量である。例えば、テトラサイクリン化合物は約0.1〜24m
g/kg/day、好ましくは、約2〜18mg/kg/day量で投与するこ
とができる。本発明の目的に対して、副作用には、臨床的に有意な抗微生物又は
抗細菌活性、及び毒性が含まれる。例えば、約50mg/kg/dayの過剰な
投与量は、ヒトを含む、たいていの哺乳動物で副作用を生じよう。少なくとも、
開業医はその分野での技術と知識によって指導され、本発明は、上述の現象を達
成するのに効果的な投与量を制限なく含む。
【0032】 本発明の方法に用いるための好適な製薬組成物には、技術的に開業医に理解さ
れているように、適当な製薬賦形剤中のテトラサイクリン化合物の組み合わせが
含まれる。
【0033】 上述の製薬上の目的に対して、本発明のテトラサイクリンはそれ自体、任意に
、公知の製薬上許容できるアジュバンド又はキャリアーと一緒に製薬製剤に調剤
することができる。これらの製剤は従来の化学的方法によって作ることができ、
内部的、例えば、錠剤又は液体によって経口的に、又は坐薬によって、若しくは
、非経口的に、例えば、静脈内に、筋肉内に又は皮下に、注射用溶液又は懸濁液
として、更には、局所的に又は肺と気道の中への吸入に対して呼吸できる範囲内
での液滴のスプレー又はエアゾールの形で投薬され得る。このようなエアゾール
は、例えばさらなる治療的有効性に寄与するであろう肺界面活性物質製剤のよう
なベヒクルを含む。時間徐放性又は調節送達投薬を利用する。
【0034】 特定の症例における有効な化合物の実際に好ましい投与量は、調剤された特定
の成分や、適用の方法、特別な部位、治療を受ける被験者によって異なると理解
する。投薬量は、例えば、製剤と既知の薬剤との活性差の通常の比較によって、
例えば、適切な通常の薬理学的なプロトコルによって、通常の考慮に基づいて決
定される。
【0035】 本件出願明細書については、急性肺傷害は、テトラサイクリンが傷害の有意な
抑制を導くとすれば予防されたものと考えられる。その治療の結果として、患者
はどんな傷害も持続しないであろうし、又は治療しない場合に比べて、傷害の有
意な減少を維持するであろう。換言すれば、患者はその治療の結果として医学的
状態を改善するであろう。
【0036】 本発明の方法には、肺での好中球の有意な肺内蓄積よりも前のいかなる時での
テトラサイクリンの投与が含まれる。従って、この期間の上限は、肺での好中球
の有意な蓄積によって決定される。好ましくは、テトラサイクリンの投与は、外
傷後46時間以内に、更に好ましくは、外傷後24時間以内、特に好ましくは外
傷後12時間以内、最適には外傷後6時間以内になされる。肺における有意な肺
内好中球蓄積は、全身性の好中球減少症から推測され得る。血液1μl当たりの
白血球がおよそ4000以下の白血球数は、肺領域での有意な好中球蓄積が起こ
った好中球減少症を示す。
【0037】
【実施例】
外科的準備 健康なヨークシャー雑種(hybrid)ブタ(15−20kg)をケタミン
(30mg/kg,IM)とキシラジン(2mg/kg,IM)とで麻酔し、挿
管前10−15分にアトロピン(0.05mg/kg,IM)で前処理した。麻
酔は静注(I.V.)ペントバルビタールナトリウム(50mg/ml)で誘発
し、気管開口術を確立した。動物は麻酔人工呼吸器(Narkomed Dra
ger AV)で人工呼吸させた。パンクロニウムブロミドの大量瞬時注入によ
って麻痺を維持しながら、ハーバード注入ポンプ(Harvard infus
ion Pump)(Model 907)を経由してペントバルビタールナト
リウム(6mg/kg/hr)での連続的な麻酔を投与した。
【0038】 右頚動脈切開を行ない、全身の動脈圧を測定するのに内径2mmのポリエチレ
ンチューブを使用した。静注液体や、麻酔作用薬、薬物及び大腸菌リポポリサッ
カライド(LPS)の注入液の維持のために、近接する内部経静脈の中へ、7.
5フレンチ3重管腔(7.5 French triple lumen)カテ
ーテルを設置した。血液ガスの分析(ラジオメーター社、Model ABL5
)及び血液酸素含有量の分析(ラジオメーター社、Model OSM3)のた
めに内径2mmのポリエチレンチューブで左大腿動脈切開を確立した。肺動脈圧
(PAP)及び肺動脈閉塞圧(PAOP)を評価する微量成分分析のために、肺
動脈の中に左大腿静脈の中に、7フレンチフローダイレクティッドスワン−ガン
ズ温度希釈カテーテル(7 French flow−directed Sw
an−Ganz thermodilution catheter)を通した
。右心房と同一水準にされたトランスデューサー(Argon Model 0
49−992−000A)を用いて圧力を測定し、血行動体モジュール(785
51D)を有するヒューレットパッカードのモニター/ターミナル(78534
C)に記録した。更に、混合されている静脈中の酸素(O2)飽和及び含有量の
ための試料を得るために該スワン−ガンズカテーテルを使用した。最後に、心拍
出量(バクスター、エクスプローラー)を得るために温度希釈機能を使用した。
心拍出量の測定を、呼気の終わりに2重で行った。心電図(ECG)モニタリン
グをECG/圧力モジュールで実施した。人工呼吸器気道アダプター(1436
5A)の呼気系とキャプノメーターセンサー(14360A)とに接続されたヒ
ューレットパッカードCO2/FiO2モジュール(78556A)で、吐き出し
終わりのPCO2を測定した。
【0039】 低正中線切開を通して膀胱切開を行い、フォーリーカテーテルと温度プローブ
を膀胱の中に設置した。初期の人工呼吸器の設定は、FiO2=50%、一回呼
吸量=12cc/kg、及び速度=10であった。PaCO2=45−55mm
Hgのベースラインが得られる呼吸速度を調整をした。30分毎に1.5x1回
呼吸量のセットの手動送達によって肺に吐息をつかせた。我々の実験室での予備
的な実験では、ARDSの誘発によって動脈のPCO2の致死的な上昇が起こる
ことが示された。その結果、−3mEq/L以下の塩基過剰(BE)を静脈内重
炭酸ナトリウムで補正し、通常範囲(4−45mmHg)内にPaCO2を維持
する人工呼吸率で調整をした。中心温度を34−38℃の間に維持するため、加
熱パッド及び温められた静注液体を利用した。ベースラインの10%以内に心拍
出量(CO)を維持するために、すべてのグループが、デキストラン70の大量
瞬時注入に加えてラクテーティッド(lactated)リンゲル液(25ml
/kg/hr)を受けた。
【0040】 心肺バイパス ベースラインの活性化凝固時間(ACT)が得られた(ヘモクロン401全血
凝固機器、International Technidyne社)後 、心肺バイパス(CPB)を設置した全ての動物を、ヘパリン(300U/kg
)で十分に血液凝固阻止した。適切な血液凝固阻止の検査(ACT>480秒)
と共に、右大腿動脈の中に動脈カニューレ(USCI14F動脈カテーテル)を
設置すること、及び右動脈へ進んだ右大腿静脈の中に静脈カニューレ(Medt
ronic 18 フレンチ経皮的大腿動脈カテーテル)を設置することを促進
するために、外科的切開を行なった。心肺バイパス回路には、Cobe(登録商
標)オキシジェネーター(Cobe Duo Flat Plate memb
rane)、チュービングパック、動脈フィルター(40μm)、及びSarn
s(登録商標)ローラーポンプが含まれた。そのポンプの主な溶液には、ラクテ
ーティッドリンガー(1500ml)、マンニトール(5gm)、重炭酸ナトリ
ウム(35meg)及びブタの肺のヘパリン(300ユニット/kg)が含まれ
た。
【0041】 非拍動性CPBを120mL/kgの流速で開始した。血液流速の調整によっ
て動脈血液圧の平均値を維持した(30−60mmHg)。生理的血液ガス(p
H7.35−7.45、PCO235−40mmHg、及びPO2150−300
mmHg)を維持するため、オキシゲネーターへの酸素及び空気流を滴定した。
CPBの間、10−15分間にわたって体温を28℃に下げるために、血液貯蔵
器に組み込まれた加温コイルを用いた。体温はCPBが終わるまえの20分にわ
たって標準に戻した。CPBの終了よりも30分前に、イソプロテレノール(1
mg/ml)静脈内注入を開始した。ブタは十分なバイパスの支持上になかった
ので、イソプロテレノールは心臓の膨張を除去し、かつ虚血を予防するための効
果的な拍出量を促進した。ベースライン値の10%以内に全身血圧の維持をイソ
プロテレノールによって徐々になくした。CPBの中止の5分前に、電解質不均
衡に関連するリズム障害を避けるために、塩化カルシウム(500mg)及び硫
化マグネシウム(1gm)を与えた。30分以内に、次のように定義されたベー
スライン状態に復帰し、:1)オキシゲネーター中のすべての血液を動物の中へ
注入して戻した(reverse)、2)ヘパリンをプロタミン(1.3mg/
100Units heparin)と共に戻した、及び3)肺圧、全身圧及び
心拍出量を、筋収縮剤(intropic agent)を使用しないで、ベー
スラインの10%以内とした。CPBに曝された腕に無作為化(randomi
ze)されなかった動物は、偽(Sham)CPB(血液凝固阻止やバイパスな
しの外科的準備)を受けた。
【0042】 内毒素注入 LPSを受けているブタに、生理食塩水500mlに混合した大腸菌リポポリ
サッカライド(LPS;SIGMA 111:B4)1μg/kgを注入し、容
積測定注入ポンプ(Flo−Guard 8000TM、トラベノール社)を経由
して1時間にわたって送達した。LPSに曝されなかった腕に無作為化されたブ
タは、偽LPS(500mlの生理食塩水ベヒクルのみ)を受けた。
【0043】 化学的に修飾されたテトラサイクリン(CMT−3) CMT−3(6−デメチル−デオキシ−4−デジメチルアミノテトラサイクリ
ン)をジメチルスルフォキシドに溶解し、25μM(9.2μg/mL)の血中
濃度を達成する投与量で静脈内に投与した。我々は、我々の投薬手順(dosi
ng Regimine)に対して静脈内分布を主に想定した。この送達方法は
、高速液体クロマトグラフィーで測定したところ、1時間で1.2±0.367
μg/mLの血清濃度を達成しただけであった。
【0044】 計算 集めたデータに基づいた次の計算を、バクスターエクスプローラー(Baxt
er ExplorerTM)心拍出コンピューターで行った。 次式を用いて、静脈混合剤を計算した: 静脈混合剤(Q3/Q1)=100・[(Hgb・ 1.38)+(0.0031・PAO2)-CaO2] [(Hgb・1.38)+(0.0031・PAO2)-CvO2] 上記式において、CaO2及びCvO2は動脈血及び静脈血の酸素含有量、Q3
は静脈混合血流、Q1は総血流、PAO2は肺胞酸素分圧を示す。次式を用いて、
CaO2、CvO2及びPAO2を計算した: CaO2=(0.0138・Hgb・SaO2)+0.0031・PaO2; CvO2=(0.0138・Hgb・SvO2)+0.0031・PvO2; PAO2=[(Pbar-PH2O)・FiO2]-PaCO2・[FiO2+(1-FiO2)÷0.8] 動脈飽和(SaO2)及び静脈飽和(SvO2)を、OSM3で測定した。換気
効率指数(VEI)をあらかじめ確認しておき、その公式で計算した。 VEI(ml/kg/cmH2O)= 5ml/kg/min (ΔP・Rf・PaCO2)/760 上記式において、ΔP=呼気圧及び最高点と終わりの差(mmHg)、Rf=
呼吸回数である。VEIを、服薬率と類似の単位で表現し、総CO2生産率を5
ml/kg/minで不変であると仮定し、かつPA2=PaCO2で計算した
。指数によって、動物の気道圧、呼吸速度及び実験中に変化するPaCO2間で
の呼吸状態を比較できた。
【0045】 細気管支肺胞洗浄(BAL) 剖検で、左下葉に向かう気管支にカニューレを挿入し、残っている気管支枝か
ら分離するように確実にし、それから生理食塩水60mlを20mlずつ3アリ
コートで注入した。勢いよくそれぞれのアリコートを注入し、最適のBAL試料
を得るためにゆっくり3回回収した。BAL液の混合されたアリコートを、細胞
を取り除くために10分間1000gで回し、後の化学的分析のために上清を凍
結した(−70℃)。
【0046】 ゼラチナーゼ活性 コラゲナーゼの精製に対する方法は、他のところで十分に開示されている。簡
潔に述べれば、BAL液900μlに、1Xコラゲナーゼ緩衝液100μl(T
ris0.50mM+NaCl0.2M+5mM塩化カルシウム+0.02%B
rij)を加えた。この混合物70μl+1.0mMアミノフェニル水銀酢酸1
0μ+SBTI(300mg/ml)10μlを室温で1時間インキュベートし
た。次に、放射線標識(トリチウム)されたタイプIのラットの皮膚ゼラチン1
0μlを加え、37℃で4時間インキュベートした。それから非放射性(col
d)ゼラチン(2mg/ml)50μl及び45%トリクロロ酢酸100μlを
添加し、全混合物を4℃で30分冷却した。反応混合物を13000gで15分
遠心分離し、液体シンチレーション計算によって上清に放出された放射活性の量
を決定するために100μlのアリコートを採った。ゼラチナーゼの活性は次の
ように決めた:%ゼラチン溶解=(100μl上清のDPM−ブランクのDPM)2.5 (10μl基質のDPM) 基質10μLは、ゼラチン10μgを含んでいた。リシスに基質濃度を掛ける
こと及びインキュベーション時間で割ることによって、我々は蛋白質1グラム当
たり1時間当たりに分解される基質の量を計算することができた。
【0047】 エラスターゼ活性 BAL液100μl及び1.25mM合成エラスターゼに特異的合成基質マッ
ドハウスセコナール−アラニン−アラニン−プロリン−バリン−p−ニトロアニ
リドを96穴ELISAプレート中で37℃で18時間インキュベートした。イ
ンキュベーション終了時に、405mMで光学濃度を測定した。データを、mg
蛋白質/時間あたりで下がったηmolエラスターゼ基質で示した。これらの方
法は、他のところで十分に詳しく述べられている。
【0048】 BAL蛋白質 BAL蛋白質分析は、標準としてアルブミンを用いたブラッドフォード蛋白質
アッセイ(Bradford protein assay)(Bio Rad
)に基づいた。標準は、70μg/ml〜1.40mg/mlの範囲であった。
クマシーブルー色素液20mlを生理食塩水で100mLに希釈した。標準液1
00μl又はBAL液100μlのいずれかをクマシーブルー液5mlに加え、
分光光度計で575nmで光学濃度を測定した。BAL液100μl当たりの蛋
白質マイクログラムとして結果を報告した。
【0049】 剖検で、右中葉を摘出し、その気管支にカニューレを挿入した。グルタルアル
デヒド固定液(2.5%、リン酸緩衝液)を、気管支から空気をこれ以上置換で
きなくなるまでゆっくりと滴下した。それから、肺をグルタルアルデヒドに浸し
、固定液の気道圧が25mmHgに安定化するまで、追加固定液をシリンジで注
入した。カニューレを締め、葉を室温で24時間グルタルアルデヒドに貯蔵した
。不偏の組織学的評価を確実にするため、層別化した無作為サンプリング方法を
利用した。それぞれの動物の固定された葉からの1組織塊をランダムに選び、ル
ーチンのパラフィン切片にして分析した。10連続切片(厚さ7μm)を作り、
個々に載せて、連続的に番号をつけた。奇数又は偶数の切片のどちらかを無作為
選択し、病理組織診断用のヘマトキシリン及びエオシンで染色した。動物当たり
それぞれ5切片ずつの上に、ランダムに置かれたサンプリングプローブを、それ
ぞれに10等間隔のサンプリング部分を含むが、垂直軸に沿って確立した。この
方法では、同じ動物からの切片間でサンプリングプローブの部分的重複を避けた
。顕微鏡の載物台の副尺スケールにそれぞれの領域を配置し、それから高解像度
ビデオカメラを使って100xオイル液浸で見た。気管支の特徴的な領域、結合
性組織隔膜又は毛細血管ではない血管を、切片の垂直軸に沿ってステージを0.
5mm進めて捨てた。この手順は、肺胞と間質のみの好中球の定量化に限られる
。すべての焦点面において、6400μm2のサンプリング領域から、総好中球
数を得た。
【0050】 肺水分 両肺からの代表的な組織試料を、使用する組織と接触しないように注意して、
非柔組織から鋭く切り離した。皿に試料を置き、重さを計った。それから、オー
ブンで65℃で24時間試料を乾燥し、再び重さを計った。湿乾重量比(W/D
)で肺水分を示した。
【0051】 プロトコル(図解として図1を参照) コントロール:(n=3)動物を、1時間の偽CPB(バイパスなしの外科的
準備)にさらし、続いて偽LPS(LPSなしの生理食塩水ベヒクルの注入)を
行い、それから2時間モニターした。へパリン又はプロタミンのどちらも与えな
かった。 CPB:(n=4)動物を、1時間のCPBにさらし、続いて偽LPS注入を
行い、それから2時間モニターした。 LPS:(n=6)動物を、1時間の偽CPBにさらし、続いてLPS注入を
行い、2時間モニターした。へパリン又はプロタミンのどちらも与えなかった。 CPB+LPS:(n=6)動物を、1時間のCPBにさらし、続いてLPS
注入を行い、2時間モニターした。 CPB+LPS+CMT:(n=5)動物を、1時間のCPBにさらし、続い
てLPS+CMTの同時注入を行い、そして2時間モニターした。
【0052】 統計学 生理学的なパラメータ、好中球数、及び蛋白質分解酵素の間の相違を、グルー
プ間比較に対してNewman−Keuls’ post hoc分析で分散の
一方向性分析を使って評価し、グループ内比較に対して分散の繰り返し分析を使
って評価した。グループ間の死亡率をフィッシャーの正確な試験(Fische
r’s Exact Test)を使って分析した。すべての評価で5%の信頼
区間を使用した。
【0053】 動物 動物を、過量のペントバルビタール(90mg/kg IV)で安楽死させた
。この研究で述べた実験は、研究での実験動物の使用に対する国立衛生研究所の
指針を厳守して行なわれた。プロトコルはニューヨーク、シラキュースのSUN
Yヘルスサイエンスセンターで、人道にかなった動物の使用のための委員会によ
って承認された。
【0054】 結果 CPB+LPSは、重症の生理的肺障害の典型的なARDSに発展したただひ
とつのグループだった。すべての他のグループで100%だったのと比較して、
このグループで生存したのは270分で60%だった。生理学的に、この障害は
、動脈の酸素化の有意な減少(図2)、換気効率指数の低下(図3)、及び静脈
混合の増加(図4)として表された。VEIはCPBにさらされたすべてのグル
ープで減少した。しかしながら、VEIは、CMTで処理されたグループで改善
し、270分でCPB+LPSグループよりも有意に良くなったままだった(図
3)。同様の傾向がCPB単独に曝されたグループで見られた(図3)。CPB
に曝されたブタのVEIの低下は、呼吸速度の有意な低下を必要とするCO2
産増加が原因である。CO2生産は、おそらくバイパス回路上の刺激量を用いた
炭酸水素塩及び乳酸の変換から生じた。すべてのグループで、経時的な心拍出量
の、有意で進行性の減少があった。心拍出量は、静脈還流量をポンプ流速2L/
minまでに限定しているので、CPBに耐えているグループにおいて、60分
で有意に低下した。LPSに曝されたすべてのグループで、150分の間に肺動
脈圧の有意な増加が発生した(表1)。すべてのグループに対して、肺動脈閉塞
圧で有意な変化はなかったことが注目された。
【0055】
【表1】
【0056】 肺間質及び肺胞の中への好中球の浸潤は、コントロール(0.7±0.1 6
400μm2当たり好中球)、CPB(1.5±0.1)、LPS(1.2±0
.1)及びCPB+LPS+CMT(1.1±0.1)と比較して、次のCPB
+LPS(1.8±0.1)が有意に大きかった(p<0.05)。加えて、C
MTに続く好中球浸潤の処理は、コントロールレベル(P<0.05)よりも有
意に高く、おそらくCPB後1時間に処理を開始した結果であろう。CPB又は
LPSのどちらかを受けた動物の病理組織の切片は、コントロールと比較して、
より大きな白血球浸潤で厚くなった肺胞壁によってはっきりと目立った。CPB
+LPSの両方に曝された動物は、CMT−3の処理によって回復したが、すべ
ての他のグループと比較して、より大規模な白血球浸潤を示し、血管が鬱血した
【0057】 BAL分析は、他のすべてのグループと比較して、CPB+LPSグループで
エラスターゼ及びゼラチナーゼ(図6)活性の有意な増加を証明した。CMT−
3の処理で、エラスターゼ及びゼラチナーゼ活性は、コントロールで認められた
レベルに減少した。更に、BAL液中の総蛋白質は、LPSに曝された動物で有
意に増加し、CPB+LPSでまだそれ以上に増加した(表2)。しかしながら
、CMT−3の治療は、CPB+LPSグループで見られたBAL蛋白質の増加
を除去した(表2)。肺水分は、W/D比で決められ、CPB+LPSグループ
で最も高かったが、すべての他のグループと統計学的に異ならなかった(表2)
【0058】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】 試験をしたすべてのグループの経時変化を示すグラフである。
【図2】 経時的な動脈中のPO2の変化を示すグラフである。
【図3】 経時的な換気効率の変化を示すグラフである。
【図4】 経時的な肺静脈混合剤の変化を示すグラフである。
【図5】 総エラスターゼ及びMMP(ゼラチナーゼ)活性を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CR, CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI,G B,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL ,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT ,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL, TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN,Y U,ZA,ZW (72)発明者 ピーコン アンソニー アメリカ合衆国 ニューヨーク州 13104 マンリアス プレストウィック ドライ ヴ 8442 (72)発明者 ルッツ チャールズ アメリカ合衆国 ニューヨーク州 13210 シラキュース ウェストモアランド ア ベニュー 1234 (72)発明者 カーニー ディヴィッド アメリカ合衆国 ニューヨーク州 13214 ダウィット ダウィットシャー ロード 104 (72)発明者 ガットー ルイス アメリカ合衆国 ニューヨーク州 13045 コートランド ノースウェイ ドライヴ 3993 (72)発明者 ゴルブ ローン エム アメリカ合衆国 ニューヨーク州 11787 スミスタウン ホウィットニー ゲイト 29 (72)発明者 シモン サンフォード アメリカ合衆国 ニューヨーク州 11790 ストーニー ブルック セダー ストリ ート 71 (72)発明者 ラママーシー ヌンガヴァラム エス アメリカ合衆国 ニューヨーク州 11787 スミスタウン ライナム コート 10 Fターム(参考) 4C086 AA01 AA02 DA29 MA01 MA04 NA14 ZA60 ZC61

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 哺乳動物における外傷に続く急性肺傷害の予防方法であって
    、好中球の有意な肺内蓄積の前にテトラサイクリンの有効量で治療することを含
    むことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 上記テトラサイクリンが実質的に抗細菌活性を有しない請求
    項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 上記テトラサイクリンが6−デメチル−6−デオキシ−4−
    デ(ジメチルアミノ)テトラサイクリン(CMT−3)である請求項1記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 上記テトラサイクリンが4−デ(ジメチルアミノ)テトラサ
    イクリン(CMT−1)である請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 上記テトラサイクリンが6−デオキシ−5α−ヒドロキシ−
    4−デ(ジメチルアミノ)テトラサイクリン(CMT−8)である請求項1記載
    の方法。
  6. 【請求項6】 上記テトラサイクリンが4−デ(ジメチルアミノ)ミノサイ
    クリン(CMT−10)である請求項1記載の方法。
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