JP2002523883A - 低電圧給電網を介して通信を伝送する装置及び中間片 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 網プラグ（１１）及びこれが差込まれた網ソケット（１２）を介して低電圧給電網（９）に接続されたＰＣ（１０）は、その周波数が１ＭＨｚと４０ＭＨｚの間にある信号によって、この低電圧給電網を介して別の装置と通信を交換する。網プラグ（１１’）を介しかつ前記の網ソケット（１２）の近くに配置された別の網ソケット（１２’）を介して低電圧給電網（９）に接続されたその他の装置から発生される又は開いた線路端部における信号の反射によって生じる高周波妨害信号を抑圧するため、ここには網ソケット（１２’）内に差込まれたそれぞれ１つの中間片（１）が中間接続されており、この中間片内に、それぞれの装置の網プラグ（１１’）が差込まれている。中間片（１）は、網プラグ（１１’）のそれぞれのピンを網ソケット（１２’）のジャックに接続するが、その際、中間片（１）の相導体とゼロ導体内にチョークコイルがあり、これらのチョークコイルは、通信伝送の周波数範囲内にある信号を阻止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 技術分野 本発明は、特許請求の範囲第１項の上位概念に記載の、低電圧給電網を介して
通信を伝送する装置、及び前記の装置に利用する中間片に関する。

【０００２】 従来の技術 低電圧給電網を介して、電話通話、テレコピー、ディジタルデータ等のような
通信も伝送することは周知である。そのために通信はコーディングされ、かつ周
知のように、例えば周波数変調器によって高周波キャリヤ信号に重畳される。変
調されたキャリヤ信号は、それぞれの送信機から低電圧給電網に入力結合され、
かつそれぞれの受信機によって同様に再び出力結合され、かつデコーディングさ
れる。このようにして給電網を利用する通信伝送システムは、例えばＰＣＴ第Ｗ
Ｏ９５／１９５３７号国際公開明細書に記載されている。

【０００３】 しかしながら種々の過程によって低電圧給電網に高周波妨害が生じることがあ
り、これらの妨害は、キャリヤ信号に重畳され、一緒に出力結合され、かつ場合
によっては通信伝送の品質を敏感に害する。それにより伝送の繰返しが必要であ
り、このことは、データ速度の低下を引起こす。受信機におけるこのような妨害
を抑圧することは、しばしばかなりの回路技術的な費用によってしか、又は全く
行なうことができない。

【０００４】 しばしばもっとも強力な妨害は、通信交換に関与する装置の近くの範囲から出
る。とくに網に接続されたあらゆる様式の装置は、例えばスイッチ過程の際にし
ばしばはっきりした高周波成分を含む妨害信号を発生し、これらの妨害信号は、
これらが受信に切換えられた装置の近くにおいて網内に達するとき、ここにほと
んど減衰せずに到達し、かつ通信の受信を敏感に妨害する。

【０００５】 追加的にしばしば開いた線路終端部において反射が発生する。しばしばプラグ
と装置の間のケーブルの長さが、ちょうどキャリヤ信号の波長の１／４又はその
奇数倍になることが生じる。このことは、装置が投入されているか又はいないか
に関係なく、とくにはっきりした反射に通じ、これらの反射は、キャリヤ信号に
重畳される。とくに多数の接続された装置を有する事務所建物において、このよ
うにして多くの妨害が、給電網内に入り込み、これらの妨害は、通信伝送の品質
を強力に害する。

【０００６】 接続された装置を保護するために、相導体及びゼロ導体にインダクタンスを有
しかつケーブルシールドに接続されたアース導体におけるこれらの容量結合を有
する、網プラグ内に統合された網フィルタは公知であり（例えば米国特許第４６
１４９２４号明細書）、その際、容量は、プラグの容積を、とくにその長さ及び
コストをかなり増加する。米国特許第５２６６０５５号明細書によれば、３極網
プラグが公知であり、ここにはインダクタンスだけが挿入されている。両方の場
合に、インダクタンスは、高周波妨害信号から装置を保護するためだけに使われ
る。プラグは、この理由によりそれぞれ装置に固定的に接続されている。今述べ
た明細書は、装置内における妨害を抑圧するために使われる接続部分も示してい
る。網プラグにおいてかつ接続部分において、それぞれ１つの短い導体が、一直
線導体片又は半ループ−が、フェライト材料内に埋め込まれている。しかしこの
ようにして小さなインダクタンスしか実現することができず、これらのインダク
タンスは、きわめて高い周波数の信号しか抑圧しない。

【０００７】 発明の表示 本発明の課題は、通信の伝送のためのその適性に関して類概念に記載の周知の
装置に対して著しく改善された、類概念に記載した装置、及び本発明による装置
における利用に適した中間片を示すことにある。

【０００８】 本発明による低電圧給電網を介して通信を伝送する装置によれば、これは、一
層良好に通信の伝送に設定される。前記のような妨害は、ソースにおいて受け止
められ、又は阻止され、かつ網から遠ざけられる。とくに通信の受信は、近くの
範囲からほとんど減衰されない妨害によって害されない。このことは、とくにデ
ータ伝送のために利用される周波数が、比較的高いときに成立つ。プラグと装置
の間にあるケーブル区間の妨害作用も、阻止され、かつそれぞれ低電圧給電網の
伝送特性にとって望ましい線路の終端が行なわれる。

【０００９】 総合的な許容妨害レベルが、−これにはキャリヤ信号も考慮される−ほとんど
の場合、法律的な規定によって制限されているので、妨害の抑圧によって、通信
伝送のために多くの容量も利用することができる。この望ましい作用は、低い妨
害レベルの際に一層弱いキャリヤ信号でも十分であるということによって、なお
増強される。

【００１０】 本発明による中間片は、本発明による装置を実現する、とくに簡単なかつきわ
めて望ましいコストの可能性を提供する。これは、きわめてコンパクトに構成で
き、とくに短いことができ、かつ必要な場合に容易にかつ迅速に取付けることが
でき、かつ同様に再び容易に取り外すことができるので、給電網は、かなりの程
度まで妨害をまぬがれることができる。チョークコイルの使用は、場所を節約し
、かつ飽和効果を回避する。

【００１１】 次に実施例を示すだけの図面によって本発明を詳細に説明する。

【００１２】 発明の実施の方法 本発明による中間片１は、合成物質からなる関連する剛体のハウジング内に、
プラグ３を有し、かつ対向するハウジング壁に、反対側に向いたソケット４を有
する。プラグ３は、３つの平行なピン５ａ、ｂ、ｃを含み、これらのうちピン５
ａ、ｂは、１つの平面内にあるが、一方ピン５ｃは、この平面に対していくらか
ずらして、両方のピン５ａ、ｂの間に配置されている。プラグ３は、規格にした
がった網ソケットに差込むために適している。

【００１３】 ソケット４は、ピン５ａ、ｂ、ｃの配置に対応した構成においてハウジング２
内に配置された３つのジャック６ａ、ｂ、ｃを含み、かつそれによりプラグ３と
互換性を有し、かつこれに対応する規格にしたがった網プラグを収容するために
適している。ピン５ｃは、ジャック６ｃ、及び両方の間に配置された直線接続片
７と一片で形成されている。したがってピン５ｃは、ジャック６ｃに、インダク
タンスを介してではなく、安全上の理由により−ピン５ｃ、接続部７及びジャッ
ク６ｃはアース導体接続部を形成する−、直接電気的に導通接続されているので
、接続部のインピーダンスは、無視できるほど小さい。

【００１４】 それに反してピン５ａは、ジャック６ａにチョークコイル８ａを介して電気的
に導通接続されており、このチョークコイルは、ジャック６ａの下にかつジャッ
ク６ｃに並べてハウジング２内に配置されている。同様にピン５ｂは、チョーク
コイル８ｂを介してジャック６ｂに接続されている。前記の配置は、とくに場所
を節約する。ピン５ａ及び５ｂは、チョークコイル８ａ又は８ｂ及びジャック６
ａ又は６ｂとともに、相導体又はゼロ導体接続部を形成している。チョークコイ
ル８ａ、ｂは、なるべく少なくとも１０μＨのそれぞれ１つのインダクタンスを
有するので、これらは、その周波数がほぼ５０Ｈｚの網周波数より著しく上、と
くに１ＭＨｚより上にある信号を、強力に減衰する。

【００１５】 チョークコイルにおける制限のため−容量は省略される−、中間片は、安価に
製造できるだけでなく、きわめてコンパクトに構成されていることができる。と
くにあらゆる場合に作用する力の一層大きなレバーのため、中間片の折れる又は
網ソケットの損傷する又は引抜かれる危険が大幅に増加する大きな全長を避ける
ことができる。

【００１６】 なるべく公共の又は私有の建物又は建物複合体内にある低電圧給電網９（図５
）を介して通信を伝送する装置において−その際、電話通話、テレコピー、ディ
ジタルデータ、任意のオーディオ又はビデオ信号又はその他を問題にすることが
できる−、通信の交換に関与する装置、例えばＰＣ１０は、その網プラグ１１を
その網ソケット１２内に差込むことによって、直接前記の網に接続されている。
この接続を介してＰＣ１０は、一方において電流を供給され、他方においてこれ
は、この結合及び低電圧給電網９を介して、同様にこれに接続された図示しない
別の装置と通信を交換する。その際、なるべく１ＭＨｚと４０ＭＨｚの間にある
、なるべく少なくとも１０ＭＨｚにある網周波数よるはるかに上にあるキャリヤ
周波数が利用される。

【００１７】 ＰＣ１０が接続される網ソケット１２の近くの範囲において網ソケット１２’
及び網プラグ１１’を介して低電圧給電網９に接続されかつプリンタ１３、テレ
ビジョン装置１４、端末機器１５及びステレオ装置１６のように通信交換に関与
しない別の装置は、例えばスイッチ過程の際に高周波成分を含む妨害信号を発生
する。低電圧給電網９に所属の短い線を介して前記の装置が接続されたＰＣ１０
にこれらの妨害信号が、大体において減衰されずに到達すると、これらは、ここ
において回路技術的にきわめて高価な処置によってしか、又は全く抑圧すること
ができず、かつこれらが重畳された通信の受信を敏感に妨害する。

【００１８】 この理由により妨害信号のソースとして問題になる装置は、それぞれ中間片１
を介して低電圧給電網９に接続されている。なるべくその際、それぞれ中間片１
のプラグ３は、直接相応する網ソケット１２’内に差込まれるが、一方そのソケ
ット４は、装置の網プラグ１１’を収容する。延長ケーブル又は分配器を利用す
る際、中間片は、別の位置に配置してもよい。いずれの場合にも、前記の装置か
ら出る高周波信号、とくに通信交換にとって有利な１ＭＨｚと４０ＭＨｚの間の
前記の範囲にあるものは、中間片１のチョークコイル８ａ、ｂによって、実質的
に完全に抑圧されるので、これらの信号は、ＰＣ１０における通信の受信を妨害
しない。

【００１９】 さらに中間片１は、とりわけ不所望な長さの際に開いた線路終端部をなしかつ
装置を遮断した際にも敏感な妨害を引起こすことがあるプラグとそれぞれの装置
との間のケーブルを、高い周波数の信号に対して実質的に切離すという作用を有
する。それにより反射が阻止され、かつ低電圧給電網９における妨害信号の合計
は、さらに、かつ場合によってはきわめて著しく減少する。

【００２０】 妨害の減少によって、データ伝送速度はかなり高めることができる。さらにキ
ャリヤ信号の強さが減少できるので、低電圧給電網９における高周波信号の全レ
ベルに対する法律的な制限は、著しく容易に守ることができる。

【００２１】 本発明の枠内において、中間片の種々の変形が可能である。例えばこれは、複
数のソケットを有する分配器として形成することができ、その際、相導体及びゼ
ロ導体の互いに対応するジャックは、なるべく相応するピンの後に接続された１
つのチョークコイルに接続されている。これは、延長ケーブルとして形成するこ
ともでき、その際、一方においてプラグが、かつ他方においてソケット又は複数
のソケットが、３心ケーブルによって接続された２つのハウジング部分内に配置
されている。この時、チョークコイルは、両方のハウジング部分のうちの一方に
収容されており、又は両方の間に分配されている。しかし前記の１つの部分から
なる構成は、そのとくにコンパクトな構成のため、及び−とくに中間片がそれぞ
れ直接網ソケット内に差込まれるとき−その使用の簡単さ及びわかりやすさのた
めに有利である。

【００２２】 本発明は、もちろん別の規格の、例えば３つの相導体を有する低電圧給電網に
も同様に使用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明による中間片の略図である。

【図２】 本発明による中間片の水平長手断面図である。

【図３】 図２におけるＩＩＩ−ＩＩＩに沿った断面図である。

【図４】 図２におけるＶＩ−ＶＩに沿った断面図である、

【図５】 本発明による通信を伝送する装置の略図である。

【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書

【提出日】平成１２年７月４日（２０００．７．４）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００２

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００２】 従来の技術 低電圧給電網を介して、電話通話、テレコピー、ディジタルデータ等のような
通信も伝送することは周知である。そのために通信はコーディングされ、かつ周
知のように、例えば周波数変調器によって高周波キャリヤ信号に重畳される。変
調されたキャリヤ信号は、それぞれの送信機から低電圧給電網に入力結合され、
かつそれぞれの受信機によって同様に再び出力結合され、かつデコーディングさ
れる。このようにして給電網を利用する通信伝送システムは、例えばＰＣＴ第Ｗ
Ｏ９５／２９５３７号国際公開明細書に記載されている。

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】特許請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【特許請求の範囲】

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，Ｅ Ａ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ， ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，Ｇ Ｅ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ， ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，Ｎ Ｚ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ， ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ Ｆターム(参考） 5E021 FA03 FA04 FA14 FA16 FB07 FB16 FB17 FC19 MA18 5G355 AA03 BA01 BA08 5G375 AA02 CA02 CA19 CC05 CC07 DA36 DB16 5K046 AA03 BB05 PS03 PS24

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも１つの相導体、ゼロ導体及びアース導体を有し、
   その周波数が網周波数より著しく上にあるデータを伝送するキャリヤ信号を少な
   くとも受信し又は送出するために適した少なくとも１つの装置を含み、この装置
   が、網ソケット内に差込まれたプラグを介して低電圧給電網（９）に接続されて
   おり、かつデータの交換に関与せずかつ起こり得る妨害源をなす少なくとも１つ
   の装置を含み、この装置が、網プラグ（１１’）及びこれに電気的に導通接続さ
   れる網ソケット（１２’）を介して、低電圧給電網（９）に接続されている、低
   電圧給電網（９）を介して通信を伝送する装置において、起こり得る妨害源をな
   す少なくとも１つの装置の網プラグ（１１’）と網ソケット（１２’）との間の
   接続が、網ソケット（１２’）に接続されかつとくにここに差込まれたプラグ（
   ３）と装置がここに差込まれたプラグ介して接続される少なくとも１つのソケッ
   ト（４）とを有する中間片（１）を介して行なわれ、この中間片（１）が、低電
   圧給電網（９）の個々の導体のために並列の導体接続部を有し、その際、アース
   導体接続部を除いたそれぞれの導体接続部に、インダクタンスがあることを特徴
   とする、低電圧給電網（９）を介して通信を伝送する装置。
2. 【請求項２】 建物又は建物複合体内にあることを特徴とする、請求項１に
   記載の装置。
3. 【請求項３】 データを伝送する信号の周波数が、１ＭＨｚと４０ＭＨｚの
   間にあることを特徴とする、請求項１又は２に記載の装置。
4. 【請求項４】 インダクタンスの値が、ぞれぞれ１０μＨと２０μＨの間に
   あることを特徴とする、請求項１ないし３の１つに記載の装置。
5. 【請求項５】 ハウジング（２）内において、網ソケット（１２’）内に差
   込むために少なくとも３つの接続ピン（５ａ，５ｂ，５ｃ）を有するプラグ（３
   ）を有し、網プラグ（１１’）を収容するためにジャック（６ａ，６ｂ，６ｃ）
   を有しかつプラグ（３）から離れた方に配置されかつこれと互換性を有する少な
   くとも１つのソケット（４）を有し、その際、それぞれの接続ピン（５ａ；５ｂ
   ；５ｃ）が、ジャック（６ａ；６ｂ；６ｃ）に電気的に導通するように接続され
   ている、請求項１ないし４の１つに記載の装置に利用する中間片（１）において
   、直接の接続部（７）によって接続されるピン（５ｃ）及びジャック（６ｃ）に
   おける以外に、ピン（５ａ；５ｂ）とジャック（６ａ；６ｂ）との間にチョーク
   コイル（８ａ；８ｂ）があることを特徴とする、請求項１ないし４の１つに記載
   の装置に利用する中間片（１）。
6. 【請求項６】 ピン（５ｃ）とジャック（６ｃ）との間の接続部（７）が、
   これらとともに一片で形成されていることを特徴とする、請求項５に記載の中間
   片。
7. 【請求項７】 正確にソケット（４）を有することを特徴とする、請求項５
   又は６に記載の中間片。
8. 【請求項８】 ハウジング（２）が、関連しかつ剛体に形成されていること
   を特徴とする、請求項５ないし７の１つに記載の中間片。
9. 【請求項９】 それぞれ正確に３つのピン（５ａ，５ｂ，５ｃ）及び３つの
   ジャック（６ａ，６ｂ，６ｃ）を有し、チョークコイル（８ａ，８ｂ）に接続さ
   れたピン（５ａ，５ｂ）及びジャック（６ａ，６ｂ）が、それぞれ互いに間隔を
   置いて１つの平面内に配置されており、かつ残りのジャック（６ｃ）が、前記の
   平面に対してずらされてその間に取付けられているが、一方チョークコイル（８
   ａ，８ｂ）が、それぞれこれらに接続されたジャック（６ａ，６ｂ）の下におい
   て両側に残りのジャック（６ｃ）に並べてあることを特徴とする、請求項７及び
   ８に記載の中間片。
10. 【請求項１０】 ハウジング（２）が合成物質からなることを特徴とする、
    請求項５ないし７の１つに記載の中間片。