JP2002522778A - Tc−99m標識化されたフィブリン−α−鎖ペプチドを用いるイメージング - Google Patents

Tc−99m標識化されたフィブリン−α−鎖ペプチドを用いるイメージング

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Abstract

(57)【要約】 本発明は哺乳動物の組織または細胞をイメージングするための放射性標識された物質の組成物、哺乳動物の組織または細胞に結合する放射性標識物質についての組成物、フィブリンに結合する放射性標識物質についての組成物、および該組成物を用いる方法に関する。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、一般に、核医学の分野に、より詳しくは、哺乳動物の組織または細
胞をイメージングするための放射性標識された物質についての組成物、哺乳動物
の組織または細胞に結合する放射性標識物質についての組成物、フィブリンに結
合する放射性標識物質についての組成物、および該組成物を用いる方法に関する
【0002】 (背景技術) 深部静脈血栓(DVT)および肺塞栓(PE)を「ホットスポット」イメージ
ングするための放射活性物質を開発することが、20年以上にわたり、多くの研
究の対象であった(Thakur ML、Coleman RE、Hoist JH、Welch M.、インジウム
−111標識化された血小板:調製およびインビボおよびインビトロ機能に関す
る研究、Thrombosis Research 9:345−354、1976;Knight LC.、血
栓の検出のための放射性医薬、Seminars in Nucl.Med. XX:52−67、199
0;Koblik PD、DeNardo GL、Berger KJ.、血栓および血栓塞栓の検出における
イムノシンチグラフィーの現状、Seminars in Nucl.Med. XIX:221−232
、1989;Thakur ML、放射性標識された抗血小板抗体の血栓の検出における
可能性、S.C.Srivastava編、Radiolabeled monoclonal antibodies for imaging
and therapy、Plenum Publishing Co.、NATO ASI、シリーズ152、1988
;Thakur ML.、静脈血栓のシンチグラフィーイメージング:A state of the art
Thrombotic and Hematologic Disorders 5:29−36,1992)。「ホッ
トスポット」イメージングの1つの方法は、血小板を放射性標識化し、生化学的
に活性な成分の血栓を形成させるものであった。放射性標識された血小板がオカ
ルト血栓をアクリード(acreed)し、外部シンチグラフィーによる検出が容易に
なるという仮定に基づき、血小板を標的とするであろう非常に多くの物質が評価
された。血小板細胞質成分を吸収して結合するIn−111−オキシンなどの物
質を用いて血小板がインビトロにて標識化された(Thakur MLら、1976)。
また、血小板表面糖蛋白複合体IIb−IIIaに特異的な放射性標識された蛋
白またはペプチドを用いて血小板がインビボにて標識化された(Knight LC、1
990;Koblik PDら、1989;Thakur ML、1988;Thakur ML、1992
;Knight LC、Radcliffe R、Maurer AH、Rodwell JD、Alvarez VL、モノクロー
ナル抗体の結合ドメインが活性化された血小板に結合することに基づくTc−9
9m合成ペプチドを用いる血栓イメージング、J Nucl Med 35:282−28
8、1994;Knight LC、Maurer AH、Romano JE、イヌ実験での血栓および塞
栓をイメージングするためのヨウ素−123−ジスインテグリンの比較、J Nucl
Med 37:476−482、1996;Pearson DA、Lister-James J、McBride
WJ、Wilson DM、Martel LJ、Civitello ER、Dean RT、Tc-99m標識された能力の
高いGPIIb/IIIa受容体アンタゴニストを用いる血栓イメージング、化学および初
期の生物学的実験、J Med Chem 39:1372−1382、1996;Lister
−James J、Vallabhajosula S、Moyer BR、Pearson DA、McBride BJ、DeRosch M
A、Bush LR、Mahcac J、Dean RT、テクネチウム-99m血小板受容体−結合血小板
の臨床前評価、J Nucl Med 38:105−111、1997;Line BR、Crane
P、Lazewatsky J、Barrett JA、Cloutier D、Kagan M、Lukasiewicz R、Holmes
RA、DMP444のI期実験、新規な血栓イメージング物質、J Nucl Med 37:11
7P、1996;Barrett JA、Crocker AC、Damphousse DJ、Heminway SJ、Liu
S、Edwards DS、Lazewatsky JL、Kagan M、Mazaika TJ、Carroll TR、イヌ動静
脈シャントおよび深部静脈血栓実験における99mTc環状糖蛋白IIb/II
Ia受容体アンタゴニストの生物学的評価:(99mTc)キレーター−ペプチ
ド接合体の生物学的特性に対するキレーターの効果、Bioconjugate Chem 7:2
03−208、1996)。これらの物質が実験動物および限られたヒトを対象
として成功しているにも拘わらず、最近、わずか1つの物質、AcuTect、
Tc−99m標識化されたペプチドP−280が臨床的使用に認証されたにすぎ
ない。AcuTectは慢性でなく急性の静脈血栓(AcuTect、Diatide
Inc.、J Nucl Med 39(10):19N、1998)を検出し、または謙遜し
ているだけで活性化された血小板を留める可能性のある、肺塞栓を検出すると考
えられる。
【0003】 「ホットスポット」イメージングに関する第2の方法は、クロット形成に関与
する蛋白を放射性標識化することにある。血管壁が損傷している間、凝固蛋白は
次から次へと活性化され、トロンビン酵素を産出する。トロンビンは血漿フィブ
リノーゲンをフィブリンモノマーに切断し、そのモノマーが血小板の近くで重合
し、それがクロットとして適当な位置を占めることとなる。したがって、フィブ
リンは、新しいものであってもそうでなくても、DVTの不可欠な部分を占め、
肺または体内の他の部分を塞栓させる。これがI−125−フィブリノーゲンが
DVTを外部検出するのに長期にわたって人気を享受した主な理由である(Knig
ht LC、1990;Koblik PDら、1989;Thakur ML、1992)。しかし、
その物質はもはや市販されていない。ヨウ素−123−フィブリノーゲンおよび
多くの放射性核種で標識されたアンチフィブリンモノクローナル抗体もまた評価
された(Koblik PDら、1989)。しかし、循環時間が長い、あるいはイメー
ジ度が乏しいなどの理由から、I−125−フィブリノーゲン以外の物質が通常
の核医学の実施に用いられることはなかった。
【0004】 DVTおよびPEの「ホットスポット」イメージングに関する第3の方法は、
アンチフィブリンペプチドを放射性標識化することである。この方法の実行可能
性は以前には研究されなかった。問題となる1つのペプチドが、LaudanoおよびD
oolittleによりフィブリノーゲン/トロンビンのクロット化の阻害物質であると
報告されている、フィブリン−α−鎖のN−末端トリペプチド、H−Gly−P
ro−Arg−OHである(Laudano AP、Doolittle RF、フィブリノーゲンに結
合し、フィブリンモノマーの重合化を防止する合成ペプチド誘導体、Proc Natl
Acad Sci 75:3085−3089、1978)。研究者らはそのトリペプチ
ドのH−Gly−Pro−Arg−Pro−OHアナログがフィブリンのγ−鎖
のC−末端部に結合し、フィブリン重合を防止することによりフィブリノーゲン
/トロンビンのクロットのより一層強力な阻害剤であることを観察した。最近に
なって、Kawasakiらは、いくつかのアナログを調製し、ペンタペプチド、H−G
ly−Pro−Arg−Pro−Pro−OHが最も大きなフィブリノーゲン/
トロンビンのクロット形成阻害活性を有することを見出した(Kawasaki K、Miya
no M、Hirase K、Iwamoto M、アミノ酸およびペプチド XVIII、フィブリンα−
鎖のN−末端部分に関連する合成ペプチドおよびフィブリノーゲン/トロンビン
のクロット形成に対するその阻害効果、Chem Pharm Bull 41:975−977
、1993)。
【0005】 本発明は哺乳動物の細胞および組織を診断学的にイメージングするための組成
物を含む。その組成物は放射性核種とキレート形成する基に結合するリンカーに
結合したアミノ酸を含む。本発明の一の具体例は、DVTおよびPEのイメージ
ングを容易にする、Tc−99mで標識されたペンタペプチドである。
【0006】 定義 「TP850」は、デカペプチド、Gly−Pro−Arg−Pro−Pro
−Ana−Gly−Gly−(D)−Ala−Gly(配列番号1)を意味する
【0007】 (発明の開示) 本発明は哺乳動物の細胞および組織をイメージングするための組成物ならびに
その組成物を用いる方法を含む。
【0008】 (図面の簡単な記載) 図1:Tc−99m−TP850のアミノ酸配列および提案されている構造で
ある。 図2:溶媒組成、流量およびカラムを同じ条件で得られた2種のHPLC溶出
スペクトルを合成したものである。両方のパネルのx軸は時間(分)を示し、y
軸は放射活性体のピーク高(μV)を示す。斜線は溶媒組成(%)である。上の
パネルはウサギに注射したTc−99m−TP850の溶出プロファイルを示し
、下のパネルは3時間経過後にウサギから収集した尿試料のプロファイルである
。尿に溶出される大部分の放射活性体は注射した試料中にあるのと同じような保
持時間(Rt)を有することに注意する。Rt4の放射活性体は結合していない
Tc−99mのものである。Rt6.2および9.08の放射活性体の小さなピー
クは試料中にある不純物のものと考えられる。注射したペプチドの量は僅かで、
280nmで検出されなかった。 図3:注射した3時間後に得られるウサギの腹側のイメージである。右腕の電
極を刺激することで誘発された小さな血栓(矢の先端)ならびに両肺の上葉にあ
るPE(長い矢印)を検出することができる。首の右側にも見られるように(短
い矢印)、切開部に放射活性体が蓄積している。心臓および副鼻腔において放射
活性体を確認することができる。
【0009】 図4:注射した1時間20分後に得られるウサギの腹側のイメージである。電
極を刺激することにより誘発されたクロット(クロット/血液中の放射活性体=
6.5)およびトロンビン浸透縫糸によるクロット(クロット/血液の放射活性
体=3.7)を検出することができる。加えて、心臓、甲状腺および副鼻腔にお
いて放射活性体を確認することができる。調製物中にTc−99mが遊離してい
るのは約3%であった。 図5:2mCiのTc−99m−TP850を2時間30分前に注射したウサ
ギの腹側のガンマ線カメラでのイメージである。右頚静脈(矢印)にトロンビン
浸透縫糸によるクロットが検出でき、左頚静脈(矢印)に電極刺激によるクロッ
トが検出できる。甲状腺においてはTc−99mの遊離した活性体も観察できる
。明細書中に記載されているように、電極でのクロットは等量の血液中に7.1
倍のTc−99mを含み、トロンビンでのクロットは血液中に3.6倍のTc−
99mを含んだ。心臓には放射活性体が少ない。
【0010】 図6:2.4mCiのTc−99m−TP850を静脈内投与する24時間前
にPEを誘発させた、1匹のラビットからの3種のイメージである。図の左パネ
ルのシンチレーション写真は腹部に注射した15分後に得たものである。その写
真は両肺に放射活性体の異常な蓄積(矢印)があったことを示す。PEのイント
ロデューサーシースを確保するための切開術を行った左首において自発的に形成
されたクロットが、図の左パネルのシンチレーション写真で認められる。インビ
ボでのシンチグラフィーを終える時に、心臓および肺を切開し、分析するために
広げ、ついでガンマ線カメラならびにX−線カメラでイメージ処理した。X−線
イメージング(中央パネル)は左肺にてタンタルの混合したクロットを示し、そ
れは左肺にて観察されるクロットの形状(図の左パネルの腹側シンチレーション
写真)、ならびに図の右パネルに示される切開した肺および心臓のガンマ線カメ
ライメージに見られる左肺クロットの形状に相当する。インビボ(左パネル、矢
印)およびイクスビボ(右パネル、矢印)イメージの両方の、右肺に見られるク
ロットは、タンタルが無いため、X−線(中央パネル)では認められない。この
ことはクロットのこの部分がタンタル無しでそこで形成され、右肺に留まってい
ることを示す。両肺のクロットを分離し、秤量し、放射活性体について計数した
。左肺中のクロットは単位重量中の血液中にあるよりも3倍大きな活性体を有し
、右肺中のクロットは6.1倍大きな活性体を有した。首でのクロットは単位重
量の血液中あるよりも3.2倍大きな活性体を有した。さらに、心臓(H)にお
ける残留血液の放射活性体を図の右パネルに示す。
【0011】 (発明を実施するための最良の形態) 材料および方法 i)ペプチドの調製 この実験のために、4個のアミノ酸の基、Gly−(D)−Ala−Gly−
Gly(GAGG)をキレート形成基として選択した。その4個のNH基を介
して、これらのペプチドはTc−99mと強固にキレート形成するためのN
置を提供する。テトラペプチドキレート形成基は、従来の合成後に結合させるの
ではなく、合成の間のC末端での一次ペプチドの修飾を可能とした。さらには、
付加的なアミノ酸、Aba(4−アミノブチル酸)を、合成の間に、キレート形
成基と一次ペプチドの間にスペーサーとして挿入した。スペーサーとしてAba
を挿入するのはTc−99m複合体より生じる立体障害の可能性を最小限とする
ためであった。この修飾ペプチドの合成は、多段階で、長く、かつ効率的でない
ことが多い、結合操作を排除し、さらにはTc−99mの強固なキレート形成の
ためのキレート形成基を付与する、1つのハイブリッド方法であった。得られた
デカペプチド、Gly−Pro−Arg−Pro−Pro−Aba−Gly−G
ly−(D)−Ala−Glyは、予想される分子量が850であり、以下、T
P850と称する。
【0012】 このペプチドは島津製固相シンセサイザー(Shimadzu、コロンビア、MD)を
用いて特別に合成し(PeptidoGenic Research Co.Inc.、リバーモアー、CA)
、HFIsil、C−18、5ミクロンの分取HPLCカラムを用いて分離した
。イオン噴射分子量分析をPerkin Elmer's Sciex APZ I質量分光計(Norwalk、
CT)を用いて行った。このキレート形成基および装置を用いて、以前に、我々
の研究室で数種類のペプチドを調製し、それをTc−99mで標識した(Thakur
ML、Pallela VR、Consigny PM、血栓塞栓をイメージングするためのTc−99
m−TP1201、Radiology 205:267P、1997;Pallela VR、Cons
igny PM、Shi R、Thakur ML、トロンボスポンジンの活性部位から由来のTc−
99m−TP1300ペプチドを用いる血栓のイメージング、J Nucl Med 39
:64P、1998;Pallela VR、Consigny PM、Shi R、Thakur ML、血栓をイ
メージングするためのTc−99m標識されたフィブリン−α−鎖ペプチドアナ
ログ、Eur J Nucl Med 25:878、1998;Pallela VR、Thakur ML、Cons
igny PM、Rao PS、Vassileva-Belnikolovska D、Shi R、Tc−99m標識され
たトロンボスポンジン受容体アナログTP−1201およびTP−1300を用
いる血栓塞栓のイメージング、Thrombosis Research 93:191−202、1
999;Pallela VR、Thakur ML、Chakder SおよびRattan S、99mTc標識さ
れた血管活性腸管ペプチド受容体アゴニスト:機能性実験、J Nucl Med 40:
352−360、1999)。
【0013】 ii)放射性標識および質管理 50μgのTP850を10μlの水中10%アセトニトリルに溶かし、つい
で200μlの0.1M NaPOを加え、つづいて10μlの0.05M H
Cl中100μgのSnClで予め還元した200μlの等張食塩水中の10
−30mCiのTc−99mを加えた。最近、本発明者らは、新しいバッチの高
純度のSnCl(Sigma Chemicals、セントルイス、MO)を用い、そのSn
Clを10μgに還元することができた。ついで、反応混合物を煮沸水浴中で
30分間インキュベートした。逆相C−18カラムおよび水中0.1%TFA(
A)およびアセトニトリル中0.1%TFA(B)のグラジエント溶媒を用いる
HPLC(Rainin、エメリービル、CA)により生成物を試験した。グラジエン
トは、最初、溶媒Aが90%であり、30分で溶媒Bが100%となるものであ
った。流速は1ml/分であった。HPLCには278nmにセットしたUV検
出器、2”NaI(TI)ガンマカウンターおよび速度メーターが設けてあった
【0014】 iii)Tc−99m−TP850の安定性: 22℃での放射性標識されたペプチドの安定性を、放射活性体のピークの特徴
的な保持時間を測定しながら、HPLCで24時間まで試験した。インビボでの
安定性は、略2mCiのTc−99m−TP850調製物を注射し、3時間後に
集め、20μl部の尿をHPLCで分析することで試験した。
【0015】 iv)フィブリン結合 Tc−99m−TP850の、ウサギ、イヌおよびヒトのフィブリンに結合す
る能力をインビトロにて試験した。制度上必要な認可を得、ヒト血液を集め、す
べての動物実験を行った。約10mlの静脈血を健康なヒトボランティアより、
および正常な成体のイヌおよびウサギより得た。その血液に抗凝固剤を添加しな
かった。血液が凝固した後、各血液試料から、1mlの血清試料を4本の別個の
試験管に分配し、約25μCiのTc−99m−TP850(比活性:約340
Ci/ミリモル)を各試験管に加え、試薬を穏やかに混合した。ついで、トロン
ビン(6i.u.)を最初の2本の試験管に加え、等容量の食塩水を他の2本の試
験管に加えた。その内容物を穏やかに混合し、37℃で10分間インキュベート
した。試験管を遠心分離(2000gx10分)に付し、上澄を注意して取り出
し、最初の2本の試験管中にあるフィブリンクロットを2mlの0.9%NaC
lで2回洗浄した。遠心分離に付した後、洗浄液を上澄と合した。クロットおよ
び上澄と結合した放射活性体を測定し、コンパクトなフィブリンクロット中に認
められる活性体全体のパーセントとして計算した。 17mlのウサギおよびイヌからの静脈血を3mlのアシッド・シトラート・
デキストロースA(ACD A)中に集め、180gで10分間遠心分離に付し
、血小板に富む血漿(PRP)を分離した(Thakur ML、Coleman RE、Hoist JH
、Welch M、インジウム−111標識された血小板:調製およびインビボとイン
ビトロ機能に関する研究、Thrombosis Research 9:345−354、1976
)。凝集実験はChronolog(ハーバータウン、PA)アグレゴメーターを用いて
行った。各実験では、増大する量のTP850および4μMのADPを、37℃
で攪拌しながら、約1.5x10血小板を含有する、500μlのPRPに加
えた。TP850の不在下での凝集を100%とし、凝集を50%まで阻害する
量のTP850を用いてIC50値を測定した。
【0016】 vi)血液クリアランス すべての動物のプロトコルは動物保護団体の認可を受けており、そのとおりに
行った。薬剤の血液クリアランスを成体ニュージランド白ウサギ(体重:3ない
し3.5kg)で試験した。各ウサギをケタミン(ketamine)(30mg/kg
)およびザイラキシン(zylaxine)(5mg/kg)を筋肉内注射することで麻
酔した。その後、23ゲージのカテーテルを右耳動脈に挿入し、ルアーロック(
leuer lock)(Burron Med.Inc.、ベツレヘム、PA)に接続した。ルアーロッ
クを介して1mlの0.9%滅菌NaClに付き6i.u.のヘパリンを投与する
ことでカテーテルの開放性を維持した。このカテーテルを1、5、10、15お
よび30分に、そして放射性核種を注射した1、2および3時間後に、0.5m
lの血液試料を2回ずつ採血するのに使用した。各試料を集める前に、十分な血
液を採集し、食塩水と置換し、採集した各血液試料が希釈されないようにした。 放射活性な物質を注射するのに対側耳の末端静脈を用いた。注射する前後でシ
リンジ中の放射活性体の数を測定し、注射用量を決定し、適当なTc−99m標
準溶液を調製した。次に血液試料を秤量し、放射活性体を計数し、結果を血液1
g当たりの%注射用量(%I.D./g)として表し、時間の関数としてプロット
した。
【0017】 vii)組織分布実験 Tc−99m−TP850を投与した3時間後の3匹のウサギから組織試料を
収穫した。組織を秤量し、各組織と、注射する時に調製したTc−99mの対照
標準溶液と結合した放射活性体を測定した。放射活性体を組織1gの%注射用量
(%I.D./g)として表した。結果は平均値として表し、標準偏差を決定した
【0018】 viii)DVT誘発 体重が3−3.5kgである、8匹の成体(雄または雌)のニュージランド白
ウサギを、各々、上記のように麻酔処理に付し、右肘静脈および/または頚静脈
を暴露させ、刺激用電極を挿入した(Leadley RJ、Humphrey LA、Shebuski RJ、
イヌにおける動脈血栓実験におけるエンドセリン−1による血栓形成の阻害、Th
rombosis and Haemostasis 74:1583−1590、1995)。その電極
は90°の角度に曲げられた26−ゲージのステンレススチール製皮下注射用針
からなっており、30ゲージのテフロン(登録商標)で絶縁された銀被覆の銅線 に接続した。針を血管に挿入し、ついでその針が血管のエンドセリンラインと接 触し、銅線に挿入したフレア状のスリーブで適当な位置に固定されるようにゆっ くりと引っ張った。第2電極をウサギの舌に用いた。その刺激用電極を電力供給 源のアノードに接続し、他方の電極をカソードに接続した。450μAの電流を 流し、10分後に0.9%溶液の2mCiのTc−99mTP850(比活性が 約510Ci/ミリモル)(2ml)を耳末端静脈を介して注入した。各投与に おける放射活性体を投与の前後で測定して記録した。さらに、既知量のTc−9 9mを含む適当な対照溶液を調製した。Tc−99m−TP850を投与する1 0分前にトロンビン浸透縫糸を頚静脈に挿入することにより、さらに2匹のウサ ギにて、血栓を誘発させた。低出力の平行なホールを有するコリメーターに接続 したGEスターカムガンマ線カメラ(GE、ミルウォーキー、WI)を用い、4 時間までの、仰向けの位置にあるウサギの連続的なガンマ線カメラのイメージを 得た。各イメージについて、合計350000を集計した。
【0019】 ix)肺塞栓の誘発 さらに6匹のウサギで肺塞栓を誘発させた。0.5ないし0.75mlの血液を
耳末端静脈に挿入した23Gバタフライ針を介して15mgのタンタル粉末およ
び6i.u.のトロンビンを含有する1mlシリンジに吸い出すことにより、放射
性の不透明な肺塞栓を調製した。ついで、シリンジの内容物を穏やかに混合し、
クロットを形成させて20分間凝固させた。シリンジからクロットを取り出し、
1cm長のクロットをイントロデューサーシース(6Fr、Pinnacle、MediTech
、ウォータータウン、MA)に取り、ついでそれを前以って単離した頚静脈に挿
入し、右心房に入れた。ついで、そのクロットを等張食塩水を用いてシースから
フラッシュさせた。Tc−99m−TP850を投与する前の動物の胸部X−線
を記録し、殺した後の切開した肺のX−線を記録することにより、タンタル含有
のクロットの位置を確認した。クロットを投与し、X−線でその位置を確認した
後、Tc−99m−TP850を注射し、上記するようにウサギをイメージング
した。PEの4匹の動物を手術より回復させた。2匹のウサギに24時間後にT
c−99m−TP850を注射し、他の2匹のウサギには48時間後に注射した
。 PEまたはDVTについてイメージングを終えるにあたって、ヘパリン(10
00i.u.)を各ウサギに静脈内注射し、ついでナトリウムペントバルビトール
(100mg/kg)を用いて殺した。血液試料を吸い出し、ついで肺および心
臓を切開し、放射線写真を撮り、クロットを収穫した。クロットおよび血液を秤
量し、それらと結合した放射活性体を計数し、クロット/血液の割合を決定した
【0020】 結果 i)ペプチドの放射性標識化、質管理および安定性: HPLCで測定したペプチドの純度は>90%であった。そのペプチドの予想
される分子量は850であり、質量分析により観察された分子量は849.4で
あった。Tc−99mで標識されるTP850の提案される構造を図1に示し、
そこではTc−99mがN配置でキレート形成基に結合している。Tc−99
m標識化は、一貫して、>95%の収率を生成した。HPLC分析はその活性体
の>90%が7分の保持時間(Rt)で単一のピークにて溶出されることを示し
た。少量(<5%)の放射活性体が6.2分のRtで溶出され、3.5分のRtで
結合していないTc−99mが溶出された。溶出プロファイルを図2に示す。 Tc−99m−TP850の調製物は22℃に24時間あっても安定していた
。Tc−99m−TP850を注射した3時間後に収集した尿試料のHPLC分
析(図2)から、放射活性体の溶出プロファイルが注射した調製物のプロファイ
ルと類似しており、尿試料中の放射活性体のピークの保持時間が注射した放射活
性体試料の保持時間と類似していることがわかった。これは小型ペプチドが迅速
なインビボ蛋白分解の影響を受けにくいことを示す。
【0021】 ii)血液クリアランスおよび組織分布: 血液クリアランスは、t1/2−αが約4分(20%)であり、t1/2−β
が約13分(80%)である、二段階構成であった。Tc−99m−TP850
の3時間に及ぶ組織分布の試験は、最も多くの放射活性体が腎臓にあり(0.1
0±0.086%I.D./g)、これは腎臓が主たる***経路であることを示唆
した。肝臓の摂取量は0.016±0.014%I.D./gであり、腸では0.0
1±0.004%I.D./gであった。この時点での血液中の摂取量はわずか0.
007±0.004%I.D./gであった。循環血液中の放射活性体の割合が少
ないことは、血栓のイメージングを容易にした。他のすべての組織中の放射活性
体は取るに足りないものであった。
【0022】 ii)フィブリン結合および血小板凝集の阻害 ヒト、イヌおよびウサギのフィブリンに結合するTP850放射活性体は、各
々、42±2%、60±3.9%および56±2.5%であった。イヌおよびウサ
ギの血小板凝集を阻害するIC50は、各々、236μmおよび167μmであ
った。これらのデータはTc−99m−TP850の実験モデルとしてウサギを
用いることの正当性を裏付けるものである。
【0023】 iii)DVTおよびPEのイメージング Tc−99m−TP850は血液を速やかにきれいにしたが、すべての動物で
イメージング期間中、心臓の血液プール活性体が検出可能であった。副鼻腔中の
放射活性体もまた実験したすべての動物で検出可能であった。これは、以前に我
々の研究室で実験した、トロンボスポンジンアナログに特異的な活性化された血
小板受容体、Tc−99m−TP1201およびTc−99m−TP1300の
結果と矛盾するものではなかった(Pallela VR、Thakur ML、Consigny PM、Rao
PS、Vassileiva-Belnikolovska D、Shi R、Tc−99m標識されたトロンボス
ポリン受容体アナログTP−1201およびTP−1300を用いる血栓塞栓の
イメージング、Thrombosis Research 93:191−202、1999)。しか
し、Tc−99m−TP850放射活性体は、これらの2種の物質と異なり、骨
または軟骨のいずれにも見られなかった。新たなDVTおよびPEはすべて、注
射してから通常90−120分以内に検出することができた。外科的切開術また
は血管縫合にて自発的に形成されるクロットもまた検出可能であった。同様に、
右心房に注射されたクロットを破壊したまたはそれから分離されたクロットの一
片により形成されたPEもイメージングすることができた。一例を図3に示し、
そこでは右前腕の電極誘発のクロット、肺の各上葉の2つのPE、および切開部
に蓄積した放射活性体が示されている。この動物において、前腕におけるクロッ
ト中放射活性体の血液中放射活性体に対する割合は12であり、PEの血液に対
する割合は1.3(L)および2.1(R)であった。クロットに結合した放射活
性体は、各々、0.087%I.D./g、0.006%I.D./gおよび0.00
7%I.D./gであった。
【0024】 実験したウサギのクロット/血液の割合は1.2から12の範囲にあった。こ
れらのクロットは非常に小さく、血管壁または付着している脂肪組織なしでは容
易に分離することができなかった。同様に、タンタルも多くのPEに付着した。
結果として、組織またはタンタルが付着した重量は、クロット、PEおよびDV
Tの単位重量当たりの放射活性を低くかつ可変的なものとした。
【0025】 図4はTc−99m−TP850を投与する1時間20分前のウサギの腹側イ
メージを示す。刺激電極により誘発される右頚静脈中のクロットおよびトロンビ
ン浸透縫糸により誘発される左頚静脈中のクロットを検出することができた。ク
ロットの血液に対する割合は、各々、6.5および3.7であった。クロット放射
活性は0.035%I.D./gおよび0.02%I.D./gであった。この動物に
おいて、注射したTc−99mのうち3.5%が結合せず遊離しているため、放
射活性体は甲状腺においても認められた。
【0026】 図5は、トロンビン浸透縫糸が右頚静脈にあり、左頚静脈に刺激電極クロット
が形成されたウサギ中に、Tc−99m−TP850の注射から150分後に得
られた腹側のイメージを示す。両方のクロットは、電極クロットの血液に対する
割合は7.1で、トロンビンに浸透した縫糸のクロット/血液の割合は3.6で検
出することができた。クロット/血液の放射活性体の割合を人為的に減少させる
、縫糸それ自体の重量が各縫糸クロットには含まれている。これらのクロットに
組み込まれた放射活性体は、クロットの重量1g当たり0.046%I.D.およ
び0.024%I.D.で測定された。
【0027】 図6は両方の肺に24時間前に誘発されたPEを有するウサギの腹側イメージ
を示す。そのイメージはTc−99m−TP850を注射した1時間15分後で
陽性であった。肺を切開し、イメージングし、X−線を照射した。クロットの位
置を確実にした。ついでクロットを取り出し、秤量し、結合した放射活性体を測
定した。クロットの血液に対する割合は右クロットで6.1であり、左クロット
では3.0であった。クロット中の放射活性体は、0.021%I.D./gおよび
0.01%I.D./gであった。
【0028】 反対に、48時間経過したクロットは、シンチグラフィーでもまたX−線のい
ずれでも検出できなかった。このことは、それらのクロットが溶解し、消滅して
いることを示唆した。このことはウサギにおける高フィブリン溶解活性と矛盾す
るものではない(Didisheim P、血栓および抗血栓剤の研究に有用な動物実験、P
rog in Hemostasis and Thrombosis、Spaet TH編、グルーンアンドストラルトン
:ニューヨーク、165−197頁、1976;Doolittle RF、Omcley JL、お
よびSurgenor DM、トロンビンおよびフィブリノーゲンの相互作用における種の
相違、J Biol Chem 237:3123、1962;Gallimore MJ、Nulkar MVお
よびShaw JTB、ヒト、イヌおよびウサギの血液中のフィブリン溶解作用阻害剤の
比較実験、Thromb Diath Haemonth 14:145−158、1965;Hawkey C
M、動物におけるフィブリン溶解作用、The Haemotstatic Mechanism in Man and
Other Animals、MacFarlane RG編、アカデミックプレス:ロンドン、143−
150頁、1979;Mason RGおよびRead MS、フィブリン溶解性血液凝固にお
ける種の相違、J Biomed Mater Res 5:121−128、1971;Craig IH
、Bell FPおよびSchwartz CJ、血栓およびアテローム性動脈硬化:ブタにおける
肺血栓塞栓の組成、Exper Mol Path 18:290−301、1973)。治療
に抗凝固剤を介入させる影響については未だ実験されたことがない。
【0029】 考察 アメリカ合衆国において、年間378,000人以上の患者がDVTで、10
3,000人以上がPEで入院している(Vital and Health Statistics. Serie
s 13: Data from National Health Survey Ditts Publication No. (PHS)95-178
3, 1993)。これらの病気は、現代の技術にもかかわらず、毎年200,000
人以上の死に寄与する。DVTおよびPEの臨床診断は信用できず(Burke B, S
ostman D, Carroll BおよびWitty LA, 深部静脈血栓の診断アプローチ(The dia
gnostic approach to deep venous thrombosis) Clinics in Chest Medicine 1
6: 253-1568, 1995; Worsley DF, Alavi A, Palevsky, HI. 肺塞栓患者における
放射性核種イメージングの役割(Role of radionuclide imaging in patients w
ith suspected pulmonary ebolism) Radiologic Clinics of North America 31
: 849-859, 1993)、PEはしばしば、過小評価され、過小診断され、過小治療
される病気である(Janata-Schwatzek K. Weiss K, Riezinger I, Bankier A. D
omanovits H, Seidler, D. Pulmonary Embolism: Diagnosis and treatment. Se
minars in Thrombosis and Hemostasis 22: 33-52, 1996)。
【0030】 静脈造影法は侵襲性であり、他の物理療法には限界がある。らせん形CT、M
RIおよび換気−血流(VQ)スキャンが、結局、その診断のための主な診断的
手段である。らせん形CTにおいて、PEの画像の評価においていくつかの解釈
的落とし穴が存在し、MRIはおそらくCTの代わりにはならない。CTは肺中
の人工産物に対して解像度がよりよく、感度がより小さいが、その落とし穴およ
びしばしばアレルギー性の造影剤の使用が研究者をVQスキャニングに依存させ
た。VQスキャニング自体は、コールドスポットイメージング技術であり、単に
PEの低いまたは高い可能性を予測することができるにすぎない。多くの臨床医
にとって、この種類の診断は不十分である。
【0031】 原則として、適当な放射性医薬品の使用によって補助された外部シンチグラフ
ィー技術は、ホットスポットイメージを提供でき、シンチグラフィー技術は非侵
襲性であるのでその要望を満たすことができ、過度の不便さまたは患者に病的状
態を与えることなく、患者の全身をスキャンすることができる。
【0032】 過去2、3年間に、多数の放射性医薬品がDVTまたはPEを位置決定する可
能性のある物質として研究されてきた。血栓は主としてフィブリン、血小板およ
びフィブリン網に捕捉された細胞からなるので、放射性ヨウ素標識されたフィブ
リノーゲンおよびIn−111標識された血小板の使用に多くの注意が寄せられ
た。
【0033】 血小板は血栓の主要かつ最も生物学的に活性な成分を形成するので、多くの点
において、放射能標識した血小板は単純かつ理想的な物質であるはずである。し
かしながら、放射能標識した血小板は、寿命が長く(8日)、投与後数日間、バ
ックグラウンド放射能を上昇させたので、あまり魅力的ではなかった。放射能の
ゆっくりとしたクリアランスは、バックグラウンド放射能に対する病変の比率が
最適下限であるために、診断の遅延をもたらす。また、血小板はイン・ビトロで
標識されなければならず、熟練した人員を必要とする。さらに、抗凝血治療、ヘ
パリンの存在下、特に新鮮な血小板の癒着が妨害される場合に、In−111血
小板シンチグラフィーはあまり成功しない。その大部分が血小板表面上のIIb
およびIIIa糖蛋白複合体に特異的な抗体のアレイもまた、研究された。特異
性の欠損、望ましくない薬物動力学または該物質の煩わしい調製を包含する種々
の理由のため、これらを用いる成功には限界があった。これらの物質および他の
物質の賛否両論はKnight, TharkurおよびKoblikらによって記載されている。
【0034】 科学および分子生物学の技術における進歩に促されて、血栓塞栓症の非侵襲性
診断用放射能物質の近年の開発は、休止または活性化血小板に特異的なTc−9
9m標識ペプチドの使用に集中している。ペプチドは、モノクローナル抗体より
もサイズが小さく、容易に生産できる。それらは、放射能標識蛋白よりも迅速に
循環から除去され、おそらくいずれの免疫学的反応も誘導しないと予想され、さ
らに、多くの場合、それらはモノクローナル抗体と同様に高い受容体特異性およ
び結合定数を有すると予想される。Tc−99mの物理的特性のため、Tc−9
9m標識ペプチドは、In−111で標識された抗体より一層魅力的な診断的イ
メージング用生物分子になった。テクネチウム−99mは、世界中で容易に入手
でき、安価で、かつ、ガンマ線エネルギー(140KeV、90%)で崩壊し、
ガンマ線カメラ、二次元または断層撮影法によって有効に検出できる。それは、
過剰の放射能崩壊が起こる前に検査を行うのに十分な長さであり、また、検査が
行われた後、長く体内に残存し、対象に過剰の放射を与えるほど長くはない半減
期(6時間)を有する。
【0035】 今まで評価されたペプチドの全ては、血小板糖蛋白受容体複合体IIb II
Iaに特異的である。そのなかでも、1のペプチド、Tc−99m−P280が
近年、商品名AcuTectとしてFDAによって認可された。製造元の記載に
よれば、該ペプチドは、古いクロットまたはPEではなく、急性の血栓のみを検
出することが予測される。この主な理由は、AcuTectがイン・ビボで結合
しうる新鮮な血小板は慢性のクロットまたはPEにおいて稀にしか蓄積しないと
いう生理学的理由である。したがって、DVTならびにPEのイメージングを可
能にする該問題への異なるアプローチが必要である。
【0036】 より初期に記載された凝固過程は、クロットの実質的部分を形成するフィブリ
ンモノマーを生じる。フィブリン含量の実際量は、クロットによって変動しうる
が、一般に、それは、ほとんどの成人において血漿蛋白100gあたり5gほど
の高さである血中フィブリノーゲンと同じであると予想される。フィブリンは形
成または溶解しているクロットの表面および内部に存在するので、フィブリンに
特異的なTc−99m標識ペプチドの開発は興味をそそる。原則として、かかる
物質は、クロットのいずれの段階または状態のフィブリンをも標的とすることが
でき、それを確実にイメージできる。この目的のため、特に目的の1のペプチド
は、N末端フィブリンα−鎖ペプチド、H−Gly−Pro−Arg−OHであ
り、それは、LaudanoおよびDoolittleによってフィブリノーゲン/トロンビンの
クロット化阻害物質であると報告された(13)。フィブリンのα−鎖は、多く
の動物種ならびにヒトにおいて同じトリペプチド配列で開始する。これらの研究
者らは、トリペプチドのH−Gly−Pro−Arg−Pro−OHアナログが
フィブリンのγ−鎖のC末端部分にも結合し、フィブリン重合化を防止したので
、それがそのトリペプチド自体よりもフィブリノーゲン/トロンビンのクロット
化の一層強力な阻害物質であることを観察した。より近年には、Kawasakiらが数
個以上のアナログを調製し、ペンタペプチド、H−Gly−Pro−Arg−P
ro−Pro−OHが最も高いフィブリノーゲン/トロンビンのクロット阻害活
性を有することを見出した。
【0037】 シンチグラフィーイメージングのために選択されたペプチドは、それらを選択
の放射性核種で標識する前に修飾される。有効な放射能標識を達成するために、
最も一般的には、予め合成したペプチドを金属キレート剤と結合させる。これは
、ペプチド官能基を第一に遮断し、キレート剤を結合し、過剰の試薬を除去する
多段工程である。次いで、得られた生産物由来の官能基の遮断を解き、分取HP
LCを用いて生産物を分離し、質量分光分析によって所望の生産物を同定する。
該手法は時間がかかるだけでなく、しばしば効率が悪くもある。
【0038】 Tc−99mでペプチドを標識するために発明者らが開発したハイブリッドペ
プチド技術は、単純で、有効であり、上記の欠点を取り除く。発明者らのフィブ
リンクロット結合および血小板凝集阻害研究の結果は、これらの修飾がペプチド
の生物学的活性を傷つけなかったという意見を支持する。これらの結果は、生物
学的に活性なペプチドを用いる以前の知見と一致する。
【0039】 該研究で観察されたTc−99m−TP 850のウサギフィブリンへの結合
およびウサギ血小板凝集の阻害に関するそのIC50値は、実験的クロットおよ
びPEのイメージングモデルとしてのウサギの使用を正当化するのに十分に高か
った。血管壁損傷によって、刺激性電極によって、または頚動脈に移植されたト
ロンビン浸漬構造によって形成された全クロットは、ガンマ線シンチグラフィー
によって検出可能であった。一般に、クロットは小さく、放射能は0.01%
I.D./gから0.087% I.D./gの間を変動してそれらに取り込ま
れた。この変動は、おそらく、分離されないがクロットの重量に寄与する非放射
性組織またはタンタルの存在が原因であった。しかしながら、クロット中に取り
込まれた放射能の割合またはこの割合の変化のいずれも、かかる動物実験におい
て珍しくはない。比較的小さい割合の放射のにもかかわらず、クロットは、注入
後約90分で検出可能であった。
【0040】 実験において、Tc−99m−TP 850は、発明者らが以前に評価した少
なくとも2つの活性化血小板特異的Tc−99m標識ペプチドよりも相当に高い
PEにおける放射能取り込みを有した。Tc−99m−TP 850を用いると
、配置後48時間で自発的に溶解したものを除き、全PEが検出可能であった。
48時間の古いクロットの消失は、調製時にタンタルで浸漬されたこれらのクロ
ットのX線不透過度の喪失によって確認された。ウサギをモデルとして使用する
選択は、以前に記載された発明者らの支持的なイン・ビトロでのデータに基づい
た。しかしながら、ウサギ中のプラスミノーゲン濃度はヒトの2倍以上の高さで
ある。したがって、ウサギにおけるフィブリン溶解活性は非常に高く、これらの
クロットの迅速な溶解を導く。
【0041】 原則として、抗フィブリン剤は、年数の経った血栓のイメージングにより好結
果であるはずであり、かかる環境において、より多くのフィブリンがクロット表
面に露出され、クロット周辺の血流がより多くなりうるので、抗凝血治療による
干渉にあまり影響されないであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 Tc−99m−TP850のアミノ酸配列および構造を示す。
【図2】 溶媒組成、流量およびカラムの同じ条件で得られた2種のHPL
C溶出スペクトルの合成したものを示す。
【図3】 注射した3時間後に得られるウサギの腹側のイメージを示す。
【図4】 注射した1時間20分後に得られるウサギの腹側のイメージを示
す。
【図5】 2mCiのTc−99m−TP850を2時間30分前に注射し
たウサギの腹側のガンマ線カメラでのイメージを示す。
【図6】 2.4mCiのTc−99m−TP850を静脈内投与する24
時間前にPEを誘発させた、1匹のラビットからの3種のイメージを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G045 AA25 AA29 CB01 CB17 DA36 FB10 4C085 HH03 JJ01 KA29 KB09 KB82 LL07

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I)または(II): X−P−X−Z−M (I) M−Z−X−P−X (II) [式中: Xは0ないし20個の天然または合成アミノ酸であり; PはGly−Pro−Argを含むペプチド(配列番号2)またはそのアナロ
    グもしくはフラグメントであり; Xは0ないし20個の天然または合成アミノ酸であり; Zは1またはそれ以上の天然または合成アミノ酸を含むリンカーであり;およ
    び Mは選択された放射性核種との複合体形成能を有するキレート形成基を含む放
    射性標識基である] で示される組成物。
  2. 【請求項2】 配列番号1のペプチドを含む、請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 放射性標識基が放射性核種と複合体を形成している、請求項
    1記載の組成物。
  4. 【請求項4】 放射性核種がテクネチウム−99mである、請求項3記載の
    組成物。
  5. 【請求項5】 式: 【化1】 で示される、請求項3記載の組成物。
  6. 【請求項6】 Mが放射性核種についてのキレート形成基としてGly−(
    D)−Ala−Gly−Gly(配列番号3)を含む、請求項1記載の組成物。
  7. 【請求項7】 診断学上有効量の請求項1に記載の組成物を哺乳動物に標的
    部位で投与し、該標的部位にある組成物を検出することを特徴とする、哺乳動物
    細胞または組織のイメージング方法。
  8. 【請求項8】 標的部位が哺乳動物の血栓である、請求項6記載の方法。
  9. 【請求項9】 フィブリンに結合し、放射性標識基を有する、診断学上有効
    量の組成物を投与し;および その組成物を血栓の部位で検出することを特徴とする、哺乳動物における血栓
    のイメージング方法。
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