JP2002521634A - 重車両用ホイールハブ及びブレーキディスク構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 車両ホイール用のホイールハブ及びブレーキディスク装置であって、アクスルにジャーナル軸受けされ、該ホイールハブに支持されたブレーキディスクの内部スプラインと噛み合う外部スプラインをもったホイールハブを具備する。上記ブレーキディスクは囲周グルーブに置かれた切れ目のあるリテイナリング（１４）により１つの軸方向への変位を阻止されている。リングの１端部分（１７）はラジアル内方へと曲げられ、ロックピンを形成し、これはスプライングルーブ内に突出しリングが回転しないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は自動車用のホイールハブ及びブレーキディスク装置にかかり、アクス
ルエンドにベアリング手段を介してハブ部分が装着され、該ハブ部分は軸方向グ
ルーブ（８）とバー（９）とが交番する筒状ネック部分と、該ハブ部分にブレー
キディスクを固定するため上記バー（９）とグルーブ（８）とに係合するようグ
ルーブ（１１）とバー（１２）とを対応させた中央開口付きブレーキディスク（
１０）と、上記ネック部分の囲周グルーブ（１３）に保持され、上記ハブ部分に
１方向においてブレーキディスクを軸方向に固定する切れ目のあるリテーナー・
リング（１４）と、を具備して成るホイールハブ及びブレーキディスク構造に係
る。

【０００２】 ＳＥ−Ａ−９２０１７１０及びＳＥ−Ａ−９６０２３８５−８は公知のホイー
ルハブ及びブレーキディスク装置について述べてあり、ハブのネック部分に外部
スプラインを設け、これがブレーキディスクの中央開口における内部スプライン
と係合するものが示されている。このブレーキディスクはハブのネック部分のグ
ルーブに配置された内外リテーナー・リング間に軸方向に固定される。内リテー
ナー・リングは弾性リングを固定しこれがハブとディスクとに接触し、ハブとデ
ィスク間に或る限定された動きを許し、ブレーキ時に部品に生ずる変形とか許容
度を補償する。外リテーナー・リングはブレーキディスクの側面と直接接触する
ように配置され、ブレーキディスクの外方への軸方向運動を限定する強固な衝接
体を形成する。

【０００３】 例示するようにリテーナー・リングは断面が４角形（ＳＥ−Ａ−９２０１７１
０−２）或いは円形（ＳＥ−Ａ−９６０２３８５−８）いずれも用いられる。両
出願とも端が開いたリングであり、その端面が互いに向かい合うが、それぞれ長
所短所を有する。４角形リングのブレーキディスクに対する表面圧力は円形断面
のリングのそれよりも小さいが或る条件ではリテーナー・リングとブレーキディ
スクとの間のある種のクライミング作用（ｃｌｉｍｂｉｎｇ ｅｆｆｅｃｔ）に
よりハブとブレーキディスクとの間に相対的運動があるときはひろがる。この作
用は円形リングならば避けられるが表面圧力は増加する。このリテーナー・リン
グはハブとブレーキディスクとの間の相対回転を阻止する固定リングはもたない
が、円形断面による表面圧力の増加が摩耗を増加することになる。

【０００４】 本発明の目的は一般的に本書冒頭にのべた形式のホイールハブ及びブレーキデ
ィスク装置においてリテーナー・リング構成を持ち、これが円形断面のものであ
っても上述解決策よりもっと摩耗が少なく、同時に該リングがその位置から逸出
するクライミング作用を排除する。

【０００５】 これは本発明によればリテーナー・リングが互いに対面する端部分を有し、少
なくともその１方がラジアル方向内方へ曲げられ、これをネック部分の凹みへと
延ばし、リテーナー・リングをネック部分に回転に対して固定することにより解
決される。

【０００６】 このように回転に対して固定されたリングは動きによる摩擦に起因する摩耗が
排除され、表面圧力が高いにもかかわらず円形断面のリングが用い得、４角形断
面リングのクライミング傾向を持たないようにできる。

【０００７】 本発明によるさらに開発された装置においては、ブレーキディスクが中央部開
口とともに囲周グルーブを有しこの囲周グルーブはリテーナー・リングの断面形
状に適合する形状を有し、囲周表面がリテーナー・リングのラジアル外面の上に
飛び出し且つ該外面からわずかに離れて配置され、リテーナー・リングがラジア
ル方向に拡張するのを防止する。これは平らな面にブレーキディスクが接触して
リングを用いることが可能となり表面圧力小さく、摩耗も少なくハブ及びブレー
キディスクに対するその位置が変わるおそれがない。

【０００８】 本発明を図面を参照してより詳細に説明する。

【０００９】 図１に示すホイールハブ及びブレーキディスク装置はアクスルエンド１を具備
し、これは全体的に２で示すいわゆるユニットベアリングを支持し、この外側リ
ング３はホイールハブの１部を形成する環状フランジ４を備える。このフランジ
４に対していわゆるホイールディスクと称するディスク状をした支持エレメント
６がしっかりとねじ込まれるが、これにはネック部分７が一体となっており、こ
のラテラル外面にはＶ状に軸方向のスプライン溝とバー８と９とが交互に作られ
る。ブレーキディスク１０は中央開口を有し、これには対応して軸方向のグルー
ブとバー１１と１２とが形成され、ネック部分７のバーとグルーブ９と８とを係
合してブレーキディスクを回転に対して固定する。

【００１０】 ブレーキディスク１０はスプリングリング１５により、ハブネック７のバー９
におけるグルーブ１３内に配置されたリテーナー・リング１４に対して軸方向に
負荷されるが、このスプリングリング１５は内部リテーナー・リング１６により
ブレーキディスク１０の内端面とハブネック７に対してロックされている。図３
に示す例ではグルーブ１３の深さは軸方向グルーブとバー８、９の高さのほぼ半
分である。図２に示すようにリテーナー・リング１４は切れ目があり、取り付け
の時拡張出来る。この１端部１７はリテーナー・リングの中心に向けて曲げられ
、ロックピンを形成する。このリテーナー・リングのラジアル内面からの長さは
図２に詳細に、図３に拡大して示すように該リングの断面を与える基本円Ｃの直
径にほぼ等しい。ピン１７は２本のバー９間の軸方向グルーブ８内に延び、リテ
ーナー・リングがハブ部分７とブレーキディスク１０に対して回転するのを阻止
する。

【００１１】 図示のリテーナー・リング１４は平らなラテラル対向面１８を持つが本質的に
断面が円形状であり、この１方はブレーキディスクの中央開口の近くに配置され
た円形グルーブ２０の平らなラテラル面１９に対する衝接面を形成する。円形グ
ルーブ２０の深さはリング１６の断面形状の基本円Ｃの半径にほぼ等しい。グル
ーブ２０の平らなラテラル面１９は曲面壁２１につながり、この曲面の曲率半径
は基本円Ｃの曲率半径にほぼ等しい。図３の拡大図で分かるように、リング１４
の外面とグルーブの壁部分２１との間には僅かな遊びしかなく、リング１４がこ
の遊び以上には広がれないことになる。

【００１２】 総じて、回転に対する固定及び完全な円形リングに比べて比較的低い面圧がリ
ングの対向面及びブレーキディスクの摩耗を極端に少なくし、一方グルーブ２０
の壁部分２１はリングがバー９のグルーブ１３から外れて広がるおそれを回避す
る。

【００１３】 製造容易とするためリテーナー・リング１４は対向する２つの平面１８を有す
るが、その機能のためならブレーキディスク１０に面する面１９が平坦であって
もよい。本発明の基本思想の範囲内では、このリングは断面が完全な円形、正方
形或いは長方形であってもよい。この２つの断面形状については、面と面との間
の角部が鋭くならないようにするのが好ましい。円形基本形状と平らにされたラ
テラル対向面とを有する、添付図面に示す断面形状が機能面及び製造面から最適
であると分かった。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係るホイールハブ及びブレーキディスク装置の実施形態の縦断面図で
ある。

【図２】 上記装置の外側リテーナー・リングの側面図である。

【図３】 図１の丸で囲んだ部分の拡大図である。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 アクスルエンド（１）にベアリング手段を介してハブ部分（
   ７）が装着され、軸方向グルーブ（８）とバー（９）とが交番する筒状ネック部
   分（７）をもったハブ部分（７）と、 該ハブ部分にブレーキディスクを固定するため上記バー（９）とグルーブ（８
   ）とに対応して係合するグルーブ（１１）とバー（１２）とを持った中央開口付
   きブレーキディスク（１０）と、 上記ネック部分の囲周グルーブ（１３）に保持され、上記ハブ部分に１方向に
   ブレーキディスクを軸方向に固定する切れ目付きリテーナー・リング（１４）と
   、 を具備して成るホイールハブ及びブレーキディスク構造において、 該リテーナー・リング（１４）は互いに向かい合う端部を持ち、その少なくと
   も一方（１７）はラジアル方向で内方へ曲げられて上記ネック部分（７）の凹み
   （８）内に延びて該リテーナー・リング（１４）を上記ネック部分（７）に固定
   することを特徴とするホイールハブ及びブレーキディスク構造。
2. 【請求項２】 上記ブレーキディスク（１０）がこの中央開口と共働して囲
   周グルーブ（２０）を持ち、該囲周グルーブ（２０）は上記リテーナー・リング
   の断面形状に合致するような形状で囲周面（２１）を持ち、この囲周面はリテー
   ナー・リング（１４）のラジアル外面から突出してかつ少しスペースをとって配
   置され上記リテーナー・リングがラジアル方向に広がるのを防ぐことを特徴とす
   る請求項１に記載のホイールハブ及びブレーキディスク構造。
3. 【請求項３】 リテーナー・リング（１４）が真の矩形、或いは真の円の形
   状を変形した断面形状を有することを特徴とする請求項１或いは２に記載のホイ
   ールハブ及びブレーキディスク構造。
4. 【請求項４】 リテーナー・リング（１４）が平らなラテラル面（１８）を
   有し、これが上記ブレーキディスク（１０）の該囲周グルーブ（２０）の平らな
   ラテラル面（１９）に対面して平行であることを特徴とする請求項３に記載のホ
   イールハブ及びブレーキディスク構造。
5. 【請求項５】 リテーナー・リング（１４）が対向して平行な平らなラテラ
   ル面（１８）を有することを特徴とする請求項４に記載のホイールハブ及びブレ
   ーキディスク構造。