JP2002520422A - グリコペプチド抗生物質、グリコペプチド抗生物質のコンビナトリアルライブラリーおよびその作成方法 - Google Patents

グリコペプチド抗生物質、グリコペプチド抗生物質のコンビナトリアルライブラリーおよびその作成方法

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JP2002520422A
JP2002520422A JP2000560150A JP2000560150A JP2002520422A JP 2002520422 A JP2002520422 A JP 2002520422A JP 2000560150 A JP2000560150 A JP 2000560150A JP 2000560150 A JP2000560150 A JP 2000560150A JP 2002520422 A JP2002520422 A JP 2002520422A
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ケーンズ,ロバート
世傑 福沢
ジーイー,ミン
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    • Y10S930/00Peptide or protein sequence
    • Y10S930/01Peptide or protein sequence
    • Y10S930/19Antibiotic

Abstract

(57)【要約】 式:A−A−A−A−A−A−A[式中、各ダッシュは、共有結合を表し;A1は、修飾又は非修飾 −アミノ酸残基、アルキル、アリール、アラルキル、アルカノイル、アロイル、アラルカノイル、複素環、複素環−カルボニル、複素環−アルキル、複素環−アルキル−カルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、グアニジニル、カルバモイル、又はキサンチルを含み;ここでA〜Aのそれぞれは、修飾又は非修飾 −アミノ酸残基を含み、それによって(i)Aは、A上のアミノ基に結合し、(ii)A、A 及びAのそれぞれは、芳香族側鎖を有し、この芳香族側鎖は、2つ以上の共有結合により共に架橋しており、そして(iii)Aは、末端カルボキシル、エステル、アミド、又はN−置換アミド基を有し;そしてA〜Aの1つ以上は、グリコシド結合を介して、それぞれ1つ以上の糖残基を有する1つ以上のグリコシド基に結合しており;少なくとも1つの該糖残基は、式:YXR、N(R )=CR、N=PR、NはP+Rの1つ以上の置換基を有し、ここで、Yは、単結合、O、NR又はSであり;Xは、O、NR、S、SO、C(O)O、C(O)S、C(S)O、C(S)S、C(NR)O、C(O)NR、又はハロ(この場合Y及びRは、存在しない)である。]のグリコペプチド。本発明の複数のグリコペプチドを含んでなる化学ライブラリー。グリコペプチド抗生物質から誘導されたアグリコンのグリコシル化によるグリコペプチドの製造方法。グリコペプチド抗生物質からシュードアグリコンを生成し、そのシュードアグリコンをグリコシル化するグリコペプチドの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】関連出願
【0002】 本出願は、1998年7月14日に提出された同時係属米国出願番号第09/
115,667号(仮出願に変更されたため)および1999年5月19日に提
出された同時係属米国出願番号第60/134,839号の優先日の利点を請求
し、その両方の完全な開示を参考として本明細書に組み込む。
【0003】 発明の背景
【0004】発明の分野
【0005】 本発明は、既知のグリコペプチド抗生物質に構造的に類似したグリコペプチド
化合物およびグリコペプチド化合物のライブラリーおよびこれらのライブラリー
の作成方法に関する。該化合物は、修飾された炭水化物部分を含む。ライブラリ
ーは、オリゴペプチドにコンジュゲートした多種多様なセットの炭水化物官能性
をもたらすコンビナトリアルケミカル技法を使用して作成する。
【0006】発明の背景
【0007】 グリコペプチド抗生物質は、細菌細胞壁合成に使用される基質の結合部位とし
て作用する空洞または間隙を有する強固なペプチド構造に化学的に結合した少な
くとも1つのサッカリド基を有することを特徴とする。グリコペプチド抗生物質
はさらに、ペプチド骨格を含むアミノ酸の実体および相互接続並びに分子内の糖
残基の数および置換パターンに応じて、様々な亜群に分類される。グリコペプチ
ド抗生物質は、一般に、グラム陽性細菌に対して活性であるが、グラム陰性細菌
に対しては比較的効力がない。
【0008】 グリコペプチド抗生物質の中で最も著明であるのはバンコマイシンである。バ
ンコマイシンは、アミコラトプシスオリエンタリス(Amycolatopsis orientali
s)により産生され、ほとんどの多剤耐性グラム陽性細菌に対して効力があるこ
とから「最後の頼みの薬物」としばしば称される。しかし、近年、バンコマイシ
ン耐性株のいくつかの細菌が出現した。[Cohen M.、(1992);Neu H.、(1992)
]。病院の5〜25%の腸球菌株が現在バンコマイシンに耐性であると推定され
ている[Axelsen,P.H.等(1997)]。細菌の中で最も恐れられているのは、黄色ブ
ドウ球菌であり、これは危険な呼吸器および血液感染をもたらすことがある。こ
の細菌のバンコマイシン耐性およびバンコマイシン非感受性株も近年報告されて
いる[Milewski(1996)]。
【0009】 バンコマイシンの構造式が下に示され、これはヘプタペプチド構造に共有結合
した二糖部分を特徴とする。バンコマイシンの構造は、「ダルバヘプチド(dalb
aheptide)」と称されるクラスの分子に配置される[Malabarba A.等(1997a)]
。一般にダルバヘプチドは、ペプチド結合により共に連結し、少なくとも5つの
アミノ酸残基の芳香族置換基を介した架橋により強固なコンフォメーションに維
持された7つのアミノ酸の存在を特徴とする。バンコマイシンの「アグリコン」
と一般的に称される、バンコマイシンのヘプタペプチド構造では、アミノ酸2、
4、および6の芳香族側鎖が、エーテル結合を介して共に融合している。アミノ
酸5および7の側鎖は、炭素−炭素結合を介して接続している。アミノ酸1およ
び3はそれぞれロイシンおよびアスパラギンである。他の天然のグリコペプチド
抗生物質は、フェノール性ヒドロキシル基との結合形成を通してアミノ酸4の芳
香族置換基に連結したグルコース残基を有する点で、バンコマイシンに類似して
いる。グルコース残基は、次いで、その近位ヒドロキシル位を通して、独特なア
ミノ糖のL−バンコサミンに連結している。この糖は、グリコペプチド抗生物質
から切り離され、両方の糖の存在がこのクラスの抗生物質の薬物動態特性を増強
することが判明した。[Nagarajan R.(1988)、(1991)、(1993)]。
【0010】
【化1】
【0011】 (I) バンコマイシンの抗微生物活性は、細菌細胞壁の生合成を妨害できることに起
因することが知られている。[Nagarajan R.(1993)]。NMR証拠により、バ
ンコマイシンのヘプタペプチド鎖は、細胞壁の形成に使用される二糖−ペンタペ
プチド前駆体のD−アラニル−D―アラニン末端と多くの水素結合を形成するこ
とが示される[Prowse W.等(1995);Pierce C.等(1995);Williams D.等(198
8)参照]。バンコマイシンの細胞壁前駆体とのこの相互作用が、細胞壁会合の続
くグリコシル転移反応および/またはペプチド転移反応段階を阻害または予防す
るようである。この作用形態の支持するものは、バンコマイシン耐性細菌株は、
D−アラニル−D−ラクテート配列で終結するペンタペプチド前駆体を産生する
ことが判明したという事実である。耐性株に対するバンコマイシンの効力の減少
は、薬物とD−アラニル−D−ラクテート基質の間の水素結合相互作用の減少に
起因すると仮定されている。D−アラニル−D−ラクテートに対するバンコマイ
シンの親和性は、D−アラニル−D−アラニンに対するよりも2〜3桁低い(4
.1kcal/mol)と推定されている[Walsh C.(1993)]。
【0012】 バンコマイシンおよび他のグリコペプチド抗生物質の糖残基は、結合活性に影
響を及ぼすことが示された。糖残基の構造変化により、抗生物質の活性に有意な
変化が生じ得る。[Malabarba(1997)、Nagarajan,R.(1993)]。グリコペプチド
抗生物質上の糖残基は、表面結合ペプチドリガンドに対するこれらの分子の結合
活性を増強し得ると提唱されている。結合活性の増強について少なくとも2つの
異なる機序が提唱されている。[Kannan(1988)、Gerhard(1993)、Allen(1997)]
【0013】 例えば、バンコマイシンの生物活性は、多くの他のグリコペプチド抗生物質の
生物活性と共に、分子の凸(リガンドの結合していない)面での結合相互作用に
因る二量体化により増強することが提唱されている。[Williams D.等(1993);
Gerhard U.等(1993)]。二量体化は、バンコマイシン分子の二糖基により容易
になると信じられ、表面結合D−Ala−D−Alaペプチドリガンドに対する
バンコマイシンの結合活性の増加により活性に影響を及ぼすと考えられている[
Williams、(1998)]。二量体化の構造的証拠が、NMRおよび結晶学的研究の両
方から得られ、異なるグリコペプチド抗生物質により溶液中で形成された二量体
の安定性に有意な差異があることが判明した[MacKay(1994)]。二量体化定数の
差異は、他の点では天然d−Ala−d−Ala基質に非常に類似した結合親和
性を有する、異なるグリコペプチド抗生物質の生物活性の顕著な差異を少なくと
も部分的に説明し得ることが提唱される[Williams(1998)]。
【0014】 活性の増強に関する第2の機序がまた、糖の1つの上にN−アルキル鎖を含む
、グリコペプチド抗生物質テイコプラニンについて提唱されている。このN−ア
ルキル鎖は、膜と相互作用し、従って、テイコプラニン分子を膜表面に「アンカ
ー」することにより、表面結合D−Ala−D−Alaリガンドに対するテイコ
プラニンの効果的な結合活性を増加させることが示唆されている[Beures(1995
)]。バンコマイシン炭水化物部分への疎水性置換基の付着は、バンコマイシン
耐性株に対する活性を増強するようであることに注目すべきである。例えば、バ
ンコサミン糖のアミン窒素上にアルキル化により疎水性基を付着させると、バン
コマイシン耐性株に対する活性は2桁増加する[Nagarajan(1991)]。親油性
基が抗生物質を細胞表面に位置させ、リガンド結合を細胞内プロセスとさせ、こ
れにより部分的にD−Ala−D−Lacに対する結合親和性の減少が克服され
得ると推測される。従って、グリコペプチド抗生物質上の糖は、実質的にペプチ
ド基質と相互作用しないようであるが、それらは生物活性の増加に非常に重要な
役割を果たす。それ故、グリコペプチドクラスの抗生物質を基にした新規抗菌剤
の設計の1つの可能性ある成功裡の戦略は、分子の炭水化物部分の修飾を含む[
Malabarba(1997a)]。
【0015】 グリコペプチド抗生物質のバンコマイシンのクラスの関連メンバーは、リスト
セチン、エレモマイシン、アボパルシンおよびテイコプラニンを含む。これらの
化合物のいくつかを、図1にバンコマイシンと共に示す。これらの全ての化合物
の化学構造は、アミノ酸および架橋における差異の少ない、アグリコンコアとし
てのダルバヘプチド構造を含むが、糖残基の性質並びにアグリコンコアへの糖残
基の付着の数および点に関して互いに最も特徴的に異なっている。バンコマイシ
ン型の抗生物質の生物活性は糖残基の性質により変化することが知られている。
【0016】 バンコマイシンおよび他のグリコペプチド抗生物質由来の新規薬物候補を得る
1つのアプローチは、天然のグリコペプチドの1つ以上の糖残基の化学的修飾を
含む。例えば、以前に記述されているように、アルキル鎖を、アミノ糖のアミノ
基などの分子の糖残基に付着できる[Cooper,R等(1996)]。他の半合成アプロ
ーチは、分子のペプチド部分に適用される古典的エステル化およびアミド化法を
含む[Malabarba,A.等(1997b)]。親油性アルキル鎖を抗生物質に付着するこ
とにより、より良好な膜アンカリングが得られ、よって、細胞壁でのグリコペプ
チドの効果的活性は増加することが提唱されている[Felmingham,D.(1993)]
。追加の糖の存在もまた、活性の増強された化合物をもたらし、これは二量体化
能の向上に起因し得る[Malabarba,A.等(1997a);Allen N.等(1997)]。バ
ンコマイシン分子の修飾への他の半合成アプローチは、ポリペプチド結合ポケッ
トの誘導体化を含む[Pavlov A.等(1993)]。
【0017】 バンコマイシン耐性株に対する活性の増大した新規化合物を産生する以前の努
力は、典型的には、天然グリコペプチドの特異的標的誘導体の直接合成を含んだ
。これは、活性のスクリーニングに使用する適切なセットの薬物候補を得るため
の、非常に多くの時間と費用を必要とする遅く比較的退屈なプロセスである。グ
ルコペプチド系抗生物質に基づいた新規薬物候補の合成に向けた組合せアプロー
チを開発することが望ましい。これを認識して、Griffinおよび共同研究者は、
異なるペプチド鎖がアミノ酸7のカルボキシレートに付加されたバンコマイシン
誘導体のコンビナトリアル(組合せ)ライブラリーを合成した。バンコマイシン
感受性またはバンコマイシン耐性株に対して、非誘導体化天然産物と比べて有意
に活性を向上させた候補は同定されなかった。努力の失敗は、天然産物に関連し
たライブラリーの合成を含む戦略に重要な必要性を強調する:置換基が活性に効
果を及ぼす証拠のある場所の分子の位置に該置換基を導入することが必須である
。グリコペプチド抗生物質の場合、分子の炭水化物部分の変化は、活性の増加に
おいて糖残基により果たされる比較的大きな役割に鑑みて保証されるようである
。糖残基が様々な官能性を有するグリコシル化バンコマイシン誘導体を作成する
ための酵素の使用が提唱および探求されている[Solenberg(1997)]。しかし
、このように酵素を使用して調製できる化合物の範囲は、所望の官能基化糖残基
に特異的な酵素の有用性により限定されている。これはグルコースおよびキシロ
ースについてのみ実証されており;バンコサミンは酵素法を使用して付着された
ことがなく、活性を示す化合物が酵素法を使用して産生されたことも全くない。
炭水化物部分を組合せ的に変化させたグルコペプチド系抗生物質のライブラリー
を作成する他の戦略も報告されていない。
【0018】 天然産物の比較により、グリコペプチド抗生物質上の糖の性質および配置は抗
生物質活性に重要な役割を果たすことが明らかになってきた。さらに、活性に重
要であり得る炭水化物上の位置について、半合成努力からいくつかの情報がある
。例えば、我々は、バンコサミン窒素上に疎水性置換基を含むいくつかのバンコ
マイシン誘導体が、バンコマイシン耐性株に対して向上した活性を示すことをす
でに記載した。しかし、活性に影響を及ぼすバンコマイシンのグルコース残基上
の修飾の報告は全くない。事実、アミノ酸4に付着した2つ以上の糖を含むグリ
コペプチド抗生物質について、アグリコンに直接付着した糖を修飾して活性を向
上できることは文献に示唆されていない。グルコース残基は「結合に対して独立
的な寄与は全くなく、結合定数に関してその役割は、単にアグリコン部分に対し
て最適にバンコサミンを位置づけることであるようである」と論じられている[
Kannan等(1988)]。
【0019】 バンコサミン様グリコペプチド抗生物質間の構造活性相関は、残基6のベンジ
ル位でのアミノ糖およびアミノ酸4位でのN−アルキルまたはN−アリール置換
アミノ糖の存在は、VREおよびVSEの両方に対して抗生物質活性を増加させ
ることを示す。しかし、これらの傾向は、ブドウ球菌および連鎖球菌などの他の
グラム陽性細菌に対して必ずしも常に維持されない。さらに、N−アルキル化、
N−アシル化、N−オキシドの形成またはC−6位でのエステル基の修飾以外は
糖基上に官能性を導入する効果を伝える研究は全くない。グリコペプチド抗生物
質上の糖の性質および配置は、抗生物質活性に、かかる重要な役割を果たしてい
るので、糖置換基を最適化するためにより多くの研究が必要である。かかる研究
はバンコマイシン耐性細菌に対するより良好な抗生物質をもたらすだけでなく、
細菌膜での相互作用の機序に関するより多くの情報を提供し得る。異なる糖置換
基をもつ誘導体の調製は、現在提唱されている相互作用における糖の役割を明ら
かにするだけでなく、細胞表面でのグリコペプチド抗生物質の新規な特異的また
は非特異的相互作用の発見をもたらし得る。天然および半合成グリコペプチド抗
生物質の構造活性相関に関する論評については、Malabarba等、Med.Res.Rev.、1
997、17、69;Nagarajan、Antimicrob.Agents Chemother.、1991、35、605;Na
garajan、J.Antibiotics、1993、46、1181;CooperおよびThompson、Ann.Rep.Me
d.Chem.、1996、31、131;Malabarba等、Eur.J.Med.Chem.、1997、32、459;All
en等、J.Antiobiotics、1997、50、677参照。
【0020】 組合せ戦略は、ペプチド、核酸、および様々な小分子ライブラリーの合成に成
功裡に適用されているが、炭水化物をベースにしたライブラリーの作成には十分
に使用されていない。炭水化物ライブラリーの作成へ向けたほとんどのアプロー
チは、溶液中で実施される。二および三糖化合物の多様なライブラリーの作成へ
向けた固相アプローチも報告されている[Liang等(1996)]。固相法により、
大過剰の反応物を使用することによって、反応を完了させることが可能となる。
固相アプローチはまた、生成物の化合物の空間的分割も可能となる。アミノ酸が
変化したグリコペプチドライブラリーは、固相で産生される。しかし、グリコペ
プチド抗生物質が固相法を使用して製造できることは示唆されていない。
【0021】 発明の概要
【0022】 本発明は、式A−A−A−A−A−A−Aを有するグリコペプ
チド組成物に関し、ここで各々のダッシュは共有結合を示し;ここでのA基は
、修飾されているか、または修飾されていないアミノ酸残基、アルキル、アリー
ル、アラルキル、アルカノイル、アロイル、アラルカノイル、ヘテロ環、ヘテロ
環−カルボニル、ヘテロ環−アルキル、ヘテロ環−アルキル−カルボニル、アル
キルスルホニル、アリールスルホニル、グアニジニル、カルバモイル、またはキ
サンチルを含み;ここでのAからA基の各々は、修飾されているか、または
修飾されていないアミノ酸残基を含み、ここで(i)A基は、A基上のアミ
ノ基に連結し、(ii)A、AおよびA基の各々は、芳香族側鎖を有し、
この芳香族側鎖は2つ以上の共有結合により共に架橋し、(iii)A基は末
端カルボキシル、エステル、アミド、またはN置換アミド基を有する。
【0023】 AからA基の1つ以上が、グリコシド結合を介して、1つ以上の糖残基を
各々有する1つ以上のグリコシド基に連結していることがさらに必要とされ;こ
こでの上記糖残基の少なくとも1つは、式YXR、N(R)=CR、N
=PR、NまたはPの1つ以上の置換
基を有し、ここでY基は、単結合、O、NRまたはSであり;X基は、O、N
、S、SO、C(O)O、C(S)O、C(S)S、C(NR)O、C(O)NR 、またはハロ(YおよびRが存在しない場合)であり;R、R、Rおよび
は、独立に、水素、アルキル、アリール、アラルキル、アルカノイル、アロ
イル、アラルカノイル、ヘテロ環、ヘテロ環−カルボニル、ヘテロ環−アルキル
、ヘテロ環−アルキル−カルボニル、アルキルスルホニルまたはアリールスルホ
ニル;および任意の薬学的に許容されるその塩であり;ただし、Yが単結合であ
り、XがO、NHまたはN−アルキルである場合、Rは水素ではなく;Xおよび
Yは両方共Oではなく;XおよびYはそれぞれ、SおよびO、またはOおよびS
ではなく;2つ以上の上記置換基が存在する場合、それらは同一または異なり得
; ただし、AがYXR基(Yは単結合であり、XはNHであり、Rはアルカノイ
ルである)によりその2位が置換されたグルコース残基に連結している場合、上
記グルコース残基はさらに、別の糖残基により置換されており;Aが、二糖(
グルコース残基はN置換アミノヘキソース残基を有する)に連結している場合、
上記グルコース残基はアルカノイルオキシではない少なくとも1つのYXR基を
有し;Aがアシルアミノグルクロネート残基に連結している場合、上記アシル
アミノグルクロネート残基はさらに糖残基により置換されている。
【0024】 本発明はまた、各々が上記の式を有する、複数のグリコペプチドを含む化学ラ
イブラリーに関する。
【0025】 本発明はさらに、(a)1つ以上の有機溶媒に可溶性で、グリコペプチド抗生
物質由来であるアグリコン(このアグリコンは正確に1つの遊離フェノール性ヒ
ドロキシル基を有する);および(ii)保護された第1のグリコシルドナー(
供与体)を選択し;(b)非酵素的グリコシル化反応を有機溶媒中で進行させて
、第1のグリコシド結合を形成させ、これは上記の遊離ヒドロキシル基を、第1
のグリコシルドナーのアノマー炭素に連結して、保護された第1のグリコシル残
基を有するシュードアグリコンを提供し;(c)第1グリコシル残基から1つの
保護基を選択的に除去して、第1グリコシル残基上に正確に1つの遊離ヒドロキ
シル基を有するシュードアグリコンを提供し;(d)第2の保護されたグリコシ
ルドナーを選択し;および(e)非酵素的グリコシル化反応を有機溶媒中で進行
させて、第2のグリコシド結合を形成させ、これはシュードアグリコン上の上記
の遊離ヒドロキシル基を、第2のグリコシルドナーのアノマー炭素に連結させる
ことを含む、グリコペプチドの製造方法に関する。
【0026】 本発明はさらに、(a)1つ以上の有機溶媒に可溶性であるグリコペプチド抗
生物質を選択し;(b)グリコペプチド抗生物質をルイス酸と接触させて、分解
反応を進行させ糖残基を除去して、シュードアグリコンの糖残基上に正確に1つ
の遊離ヒドロキシル基を有するシュードアグリコンを生成し;(c)保護された
グリコシルドナーを選択し;(d)非酵素的グリコシル化反応を有機溶媒中で進
行させて、シュードアグリコン上の遊離ヒドロキシル基を、グリコシルドナーの
アノマー炭素に連結するグリコシド結合を形成させることを含む、グリコペプチ
ドの製造方法に関する。
【0027】 本発明はさらに、(a)Aに連結したヘキソース残基の6位のみに遊離一級
ヒドロキシル基を有する保護されたグリコペプチドを選択し;(b)保護された
グリコペプチドを、化合物ArSOG(ここでArはアリール基であり、Gは
脱離基である)と、グリコペプチドスルホネートエステルを形成する、遊離一級
ヒドロキシル基の反応を可能とするに効果的な条件下で接触させ;(c)グリコ
ペプチドスルホネートエステルを、求核試薬と、置換グリコペプチドを生成する
、スルホネート基の置換を可能とするに効果的な条件下で接触させることを含む
、グリコペプチドの製造方法に関する。
【0028】 本発明はさらに、コンビナトリアル型式で少なくとも2段階実施して化学ライ
ブラリーを作成することによる化学ライブラリーの作成方法に関し、ここでの各
段階は、置換基をグリコペプチドに導入する。
【0029】 本発明はさらに、コンビナトリアル型式で実施される少なくとも2段階を実施
することによる化学ライブラリーを作成する別の方法に関し;ここで少なくとも
1つの段階は、置換糖残基を導入するグリコシル化反応を含む。
【0030】 発明の詳細な説明
【0031】定義
【0032】 「グリココンジュゲート」は、任意のサイズの少なくとも1つの炭水化物に連
結した任意の分子を含む。分子はペプチドまたはタンパク質、核酸、小分子、脂
質、または別の炭水化物であり得;天然でも非天然起源でもよい。「グリコペプ
チド」は、少なくとも1つの炭水化物に連結したペプチドを含むグリココンジュ
ゲートである。「グリコペプチド抗生物質」は、抗菌活性をもつ天然のグリコペ
プチドの1つであり、例えば、バンコマイシン、テイコプラニン、リストセチン
、クロロエレモマイシンおよびアボパリシンを含む。
【0033】 「アグリコン」は、ペプチドコアのみを残して、グリコペプチドから炭水化物
残基を除去した結果である。「シュードアグリコン」は、グリコペプチドのA 残基に連結した二糖残基の2つの糖残基の一方のみを除去した結果である。従っ
て、シュードアグリコンは、Aが単糖残基に連結したアグリコンを含む。
【0034】 「ダルバヘプチド」は、アミノ酸残基5および7のアリール置換基の間の直接
的炭素−炭素結合を含む架橋、およびアミノ酸残基2および4、並びに4および
6の置換基の間のアリールエーテル架橋を含む、7つのアミノ酸残基の少なくと
も5つの芳香族置換基の間の架橋により強固なコンフォメーションに維持された
ヘプタペプチド部分を含むグリコペプチドである。異なるダルバヘプチドのアミ
ノ酸残基2および4〜7は、天然のグリコペプチド抗生物質に見られるものであ
る。これらのアミノ酸残基は、残基2および6が必ずしも常にその芳香族環上に
塩素置換基を有さず、遊離ヒドロキシルまたはアミノ基上の置換が存在し得ると
いう点においてのみ異なる。アミノ酸残基1および3は、異なるダルバヘプチド
で実質的に異なり得;両方がアリール置換基を有する場合、これらは架橋し得る
。ダルバヘプチド構造を有する分子は、例えば、上記のグリコペプチド抗生物質
を含む。
【0035】 「アルキル」という用語は、単結合または多重結合により接続された1〜20
の炭素原子を有する非環式または非芳香族環式基を意味する。アルキル基は、ハ
ロ、ヒドロキシル、保護ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、シアノ、アルコキシ、
アリールオキシ、アラルキルオキシ、COOH、アロイルオキシ、アルキルアミ
ノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム、アルキルチオ、アルカノイ
ル、アルカノイルオキシ、アルカノイルアミド、アルキルスルホニル、アリール
スルホニル、アロイル、アラルカノイル、ヘテロ環、CONH、CONH−ア
ルキル、CON(アルキル)、COO−アラルキル、COO−アリール、COO
−アルキルまたはアルキル、アリール、アラルキルまたはヘテロ環の任意の組合
せにより置換されたホスホニウムの1つ以上により置換され得る。
【0036】 「アリール」という用語は、6〜20炭素原子並びに単結合により融合または
接続され得る1〜4環を有する非ヘテロ環芳香族化合物由来の基を意味する。ア
リール基は、アルキル、アラルキル、ヘテロ環、ヘテロ環−アルキル、ヘテロ環
−カルボニル、ハロ、ヒドロキシル、保護ヒドロキシル、アミノ、ヒドラジノ、
アルキルヒドラジノ、アリールヒドラジノ、ニトロ、シアノ、アルコキシ、アリ
ールオキシ、アラルキルオキシ、アロイルオキシ、アルキルアミノ、ジアルキル
アミノ、トリアルキルアンモニウム、アルキルチオ、アルカノイル、アルカノイ
ルオキシ、アルカノイルアミド、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ア
ロイル、アラルカノイル、COO−アルキル、COO−アラルキル、COO−ア
リール、CONH、CONH−アルキル、CON(アルキル)またはアルキル
、アリール、アラルキルまたはヘテロ環の任意の組合せにより置換されたホスホ
ニウムの1つ以上により置換され得る。「アラルキル」という用語は、アリール
基により置換されたアルキル基を意味する。
【0037】 「ヘテロ環」という用語は、単結合により融合または接続され得る、1〜4環
を有するヘテロ環化合物由来の基を意味し;該化合物は、炭素、窒素、酸素、硫
黄またはリンであり得る3〜20環原子を有する。ヘテロ環基は、アルキル、ア
リール、アラルキル、ハロ、ヒドロキシル、保護ヒドロキシル、アミノ、ヒドラ
ジノ、アルキルヒドラジノ、アリールヒドラジノ、ニトロ、シアノ、アルコキシ
、アリールオキシ、アラルキルオキシ、アロイルオキシ、アルキルアミノ、ジア
ルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム、アルキルチオ、アルカノイル、アル
カノイルオキシ、アルカノイルアミド、アルキルスルホニル、アリールスルホニ
ル、アロイル、アラルカノイル、COOH−アルキル、COO−アラルキル、C
OO−アリール、CONH、CONH−アルキル、CON(アルキル)または
アルキル、アリール、アラルキルまたはヘテロ環の任意の組合せにより置換され
たホスホニウムの1つ以上により置換され得る。
【0038】 「アルコキシ」、「アリールオキシ」および「アラルキルオキシ」という用語
は、それぞれ、酸素原子の、アルキル、アリール、またはアラルキル基への結合
から得られた基を意味する。「アルカノイル」、「アロイル」および「アラルカ
ノイル」という用語は、それぞれ、カルボニルの、アルキル、アリール、または
アラルキル基への結合から得られた基を意味する。「ヘテロ環−アルキル」およ
び「ヘテロ環−カルボニル」という用語は、それぞれ、ヘテロ環基の、アルキル
またはカルボニル基への結合から得られた基を意味する。「ヘテロ環−アルキル
−カルボニル」という用語は、ヘテロ環−アルキル基のカルボニル基への結合か
ら得られた基を意味する。「保護ヒドロキシル」という用語は、酸または塩基で
の処理により、還元により、または光への曝露により容易に除去されて遊離ヒド
ロキシル基を再生する基に結合したヒドロキシル基を意味する。
【0039】 本明細書に使用した「ルイス酸」という用語は、鉱酸および有機カルボン酸の
例外の除く、塩基から電子対を受容できる任意の物質を意味する。本明細書に使
用した「有機溶媒」という用語は、非水性溶媒、好ましくはケトン、ハロゲン化
溶媒、エーテル、エステルおよび非ヘテロ環芳香族溶媒を意味する。
【0040】 「化学ライブラリー」は、異なる構造を有する合成された化合物のセットであ
る。化学ライブラリーを生物活性についてスクリーニングして、目的の個々の活
性化合物を同定し得る。
【0041】 「グリコシルドナー」は、アノマー脱離基、好ましくはスルホキシドを有する
糖またはグリコシド残基であり、これは、活性化されてアノマー炭素を、活性化
基を置換する求核試薬との反応を受け易くさせ、よってグリコシド結合を形成し
得る。
【0042】 本明細書に使用した「脱離基」という用語は、求核試薬によりスルホニル基か
ら用意に置換される基である。脱離基の例は、ハロ、アルコキシ、アリールオキ
シ、アルカノイルオキシおよびアリールスルホニルオキシである。
【0043】 「DMF」という用語は、N,N−ジメチルホルムアミドを意味し;「THF
」はテトラヒドロフランを意味し:「TFA」は、トリフルオロ酢酸を意味し;
「EtOAc」は酢酸エチルを意味し;「MeOH」はメタノールを意味し;「
MeCN」はアセトニトリルを意味し;「Tf」はトリフルオロアセチル基を意
味し;「DMSO」はジメチルスルホキシドを意味し;「DIEA」はジイソプ
ロピルエチルアミンを意味し;構造式の「All」は、アリル基を意味し;「F
moc」は9−フルオレニルメチルオキシカルボニルを意味し;「HOBt」は
1−ヒドロキシベンゾトリアゾールを、「OBt」は1−オキシベンゾトリアゾ
リル基を意味し;「PyBOP」はベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリ
ピロリジン−ホスホニウムヘキサフルオロリン酸を意味し;「Su」はスクシニ
ミジル基を意味し;「HBTU」はO−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,
N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸を意味し;「alo
c(アロク)」はアリルオキシカルボニルを意味し;および「CBz」はベンジ
ルオキシカルボニルオキシを意味する。
【0044】 本発明のグリコペプチド組成物は、式A−A−A−A−A−A
を有し、ここで各々のダッシュは共有結合を示し;ここでのA基は、修飾
されているか、または修飾されていないアミノ酸残基、アルキル、アリール、ア
ラルキル、アルカノイル、アロイル、アラルカノイル、ヘテロ環、ヘテロ環−カ
ルボニル、ヘテロ環−アルキル、ヘテロ環−アルキル−カルボニル、アルキルス
ルホニル、アリールスルホニル、グアニジニル、カルバモイル、またはキサンチ
ルを含み;ここでのAからA基の各々は、修飾されているか、または修飾さ
れていないアミノ酸残基を含み、ここで(i)A基は、A基上のアミノ基に
連結し、(ii)A、AおよびA基の各々は、芳香族側鎖を有し、この芳
香族側鎖は2つ以上の共有結合により共に架橋し、(iii)A基は末端カル
ボキシル、エステル、アミド、またはN置換アミド基を有する。
【0045】 AからA基の1つ以上が、グリコシド結合を介して、1つ以上の糖残基を
各々有する1つ以上のグリコシド基に連結していることがさらに必要とされ;こ
こでの上記糖残基の少なくとも1つは、式YXR、N(R)=CR、N
=PR、NまたはPの1つ以上の置換
基を有し、ここでY基は、単結合、O、NRまたはSであり;X基は、O、N
、S、SO、C(O)O、C(O)S、C(S)O、C(S)S、C(NR)O、
C(O)NR、またはハロ(YおよびRが存在しない場合)であり;R、R
およびRは、独立に、水素、アルキル、アリール、アラルキル、アルカノ
イル、アロイル、アラルカノイル、ヘテロ環、ヘテロ環−カルボニル、ヘテロ環
−アルキル、ヘテロ環−アルキル−カルボニル、アルキルスルホニルまたはアリ
ールスルホニル;および任意の薬学的に許容されるその塩であり;ただし、Yが
単結合であり、XがO、NHまたはN−アルキルである場合、Rは水素ではなく
;XおよびYは両方共Oではなく;XおよびYはそれぞれ、SおよびO、または
OおよびSではなく;2つ以上の上記置換基が存在する場合、それらは同一また
は異なり得; ただし、AがYXR基(Yは単結合であり、XはNHであり、Rはアルカノイ
ルである)によりその2位が置換されたグルコース残基に連結している場合、上
記グルコース残基はさらに、別の糖残基により置換されており;Aが、二糖(
グルコース残基はN置換アミノヘキソース残基を有する)に連結している場合、
上記グルコース残基はアルカノイルオキシではない少なくとも1つのYXR基を
有し;Aがアシルアミノグルクロネート残基に連結している場合、上記アシル
アミノグルクロネート残基はさらに糖残基により置換されている。
【0046】 修飾アミノ酸残基は、その芳香族基が、ハロ、アルキル、アルコキシ、アルカ
ノイル、または求電子置換反応によりまたはアルキル化剤またはアシル化剤とフ
ェノール性ヒドロキシル基の反応により容易に導入される他の基により置換され
ているアミノ酸残基;および、そのヒドロキシルまたはアミノ基上に保護基、ま
たは、アルカノイル、アロイル、アラルキル、アラルカノイル、カルバモイル、
アルキルオキシカルボニル、アラルキルオキシカルボニル、アリールオキシカル
ボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロ環、ヘテロ環−アル
キルまたはヘテロ環−カルボニル置換基を含むが、これに限定されない他の容易
に導入される置換基を有するアミノ酸残基を含む。好ましい保護基の例は、アセ
チル、アリルオキシカルボニル(aloc)、CBz、アリル、ベンジル、p−
メトキシベンジルおよびメチルを含む。ヒドロキシル基の修飾は、フェノール性
ヒドロキシル基、ベンジルヒドロキシル基、または脂肪族ヒドロキシル基上で起
こる。A、AおよびAに加えて他のアミノ酸残基も、その芳香族置換基を
介して架橋し得る。
【0047】 好ましくは、グリコペプチドのA〜A残基は、ペプチド結合により連続的
に連結され、上記に定義したダルバヘプチドのように架橋されている。従って、
好ましいグリコペプチドは、残基が、図1に示したように、天然グリコペプチド
抗生物質のように連結されたペプチドコアを有する。Aでの異なるアミノ酸の
置換が許容され、これは上記した、全位置の修飾アミノ酸残基と同様である。本
発明の好ましい実施形態において、A残基は、−アミノ酸であり、これは、末
端アミノ基上で、アルキル、アリール、アラルキル、アルカノイル、アロイル、
アラルカノイル、ヘテロ環、ヘテロ環−カルボニル、ヘテロ環アルキル、アルキ
ルスルホニル、アリールスルホニル、グアニジニル、カルバモイル、またはキサ
ンチルにより置換され得、A〜Aの構造および相互接続は、バンコマイシン
のそれであり、すなわち、グリコペプチドは、バンコマイシンのヘプタペプチド
コアを有し、上記のA〜A上でのアミノ酸修飾および置換を受ける。
【0048】 本発明のグリコペプチドは、グリコシド結合を介して、A〜A残基に付着
した少なくとも1つのグリコシド基を含む。好ましくは、グリコシド基は、A 残基に付着する。本発明の1つの好ましい実施形態において、ヘキソース残基が
、直接Aに結合し、YXR基により置換されている。YXR基において、Yが
単結合を示す場合、XRは糖残基の炭素原子に直接結合する。Xがハロである場
合、YおよびRは存在せず、ハロ基が、LXX、CXおよび下記した他の化合物
のように、糖残基の炭素原子に直接結合する。YXRは、過酸化物のOOR、ま
たはOSRまたはSOR基を示すものではない。ヘキソース残基は、単糖残基で
も、二糖またはオリゴ糖残基の一部であってもよい。さらにより好ましくは、Y
XR基は、ヘキソースのC−6位に位置する。最も好ましくは、Yは単結合であ
り、XはNRまたはSであり、すなわち、置換アミノまたはチオ基はヘキソー
スのC−6位に付着する。本発明の1つの実施形態において、グリコシド基はA 残基にも付着する。本発明の別の好ましい実施形態において、Aに連結した
ヘキソース残基は、式N=PRを有するイリド基により置換され、こ
こでR、RおよびRは好ましくはアリールである。
【0049】 本発明は上記の化合物の全てを含むが、本発明の好ましい実施形態において、
グリコペプチド組成物はバンコマイシン由来である。従って、本発明は、バンコ
マイシンのグルコース残基のC−6位の選択的誘導体化の方法を含む。我々は、
この位置での置換基は、生物活性に劇的な効果を及ぼし得ることを発見した。例
えば、硫黄を介してグルコースC−6位に付着した(2−チオ−6−アザチミン)
によるグルコースC−6ヒドロキシルの置換は、試験した全ての株に対する活性
の増加を引き起こす。
【0050】
【化2】
【0051】 さらにこの位置が置換されバンコサミン糖上でさらなる置換が起こる場合、生物
活性は予測不可能で非相加的様式で影響される。例えば、グルコースのC−6で
の上記の2−チオ−6−アザチミン置換がバンコサミン窒素上での4−(4−ク
ロロフェニル)ベンジル基の置換と同時に起こる場合(これもまた全ての株に対
して活性を増加させる)、いくつかの細菌株に対する活性は、どちらか1つの置
換で観察された活性よりも増加し、一方、他の株に対しては、活性はバンコマイ
シンさえよりも低い。
【0052】 適切な保護基のセットを導入し、C−6ヒドロキシル基を、Aでヘキソース
残基を有するグリコペプチドの全ての他のヒドロキシル基から区別する戦略が、
下記のスキーム1に示され、バンコマイシンのグルコースC−6ヒドロキシルの
官能基化が示される。
【0053】
【化3】
【0054】 類似の基による両方のアミンの保護は、過剰のアシル化試薬の使用を必要とす
るが、バンコサミンアミン基の選択的官能基化を可能とするN−メチルロイシン
残基の選択的保護が知られている。Pavlov等、J.Antibiotics、1993、46、1731
参照。グルコース−6位でのメシチレンスルホニル基の選択的導入は、この位置
を、他のヒドロキシル基から区別し、メシチレンスルホニル基を置換するさらな
る反応を可能とし多くの誘導体を与える。様々な官能基が、一級アリールスルホ
ニル基の求核置換の一般的な方法の使用により直接、またはアジドおよびヨード
基を含む最初の置換生成物のさらなる合成修飾によりグルコース−6位で導入さ
れる。例えば、ヨード基は様々な求核試薬により置換されて追加のC6−誘導体
を産生する。好ましい求核試薬はチオール化合物、特にヘテロ環チオールである
。6位でのアジド基の修飾は、例えば、アジド基をアミノ基に還元し、次いで、
還元的アルキル化、求核置換、または当業者に公知の他のアミノ基反応により官
能基化して実施される。これらのアプローチは、図7〜10および例の多くに示
されている。本発明の好ましい実施形態において、アジド基はホスフィン化合物
との反応により部分的に還元されてイミノホスホランを生成する。
【0055】 前記の方法により得られた特異的誘導体、およびこれらの誘導体の抗生物質活
性は、以後に提示する。例えば、置換ジアジンまたは置換トリアジン、例えば、
2−チオ−6−アザチミンのグルコース−6位での導入により、VREを含む試
験した細菌の全5つの株に対する活性が増加する。大きな疎水性基、特に全また
は部分的陽性荷電を有するもの、例えば、N(R)=CR、N=PR、NまたはP(ここでR、R、およ
びRの1つ以上がかさのある基である)も活性を増加させる。
【0056】 グルコース−6ヨード誘導体のバンコサミンアミン基でのN−デシルおよびN
−4−(4−クロロフェニル)ベンジル基の導入は、ハロゲン化物置換のみで観察
された以上のさらなる活性の増強を引き起こす。これらの2つの疎水性基は、以
前に、アミノ酸−4二糖のバンコサミンまたは4−エピ−バンコサミン残基のア
ミン基に導入した場合に、VSEおよびVREに対してグリコペプチド抗生物質
の活性化を増加させることが示された。疎水性およびハロゲン化物置換の各々は
個々に抗生物質活性を増加させるので、両方の変化を1つの構造に合わせると、
さらに良好な活性が得られることが期待された。意外にも、これらの修飾効果は
相加的ではなく、この結果は期待され得なかった。個々の変化は活性を増加させ
るが、変化の組合せにより、細菌株依存性を示す生成物が得られ、活性の複合増
加、または、個々の変化以下であるだけでなく、バンコマイシンそれ自体よりも
低い活性の複合減少が得られる。それ故、グルコース残基に変化を導入すること
により、バンコサミンに施した変化により、この非天然系では予測できない活性
がもたらされるグリコペプチドが産生される。
【0057】 本発明の好ましいグリコペプチド化合物は:N−4−(4−クロロフェニル)ベ
ンジルバンコサミン−グルコース−C6−2−メシチレンスルホン化バンコマイ
シン(化合物XLII;例参照)、グルコース−C6−2−チオ−6−アザチミ
ンバンコマイシン(LXIV)、グルコース−C6−2−チオ−4−ヒドロキシ
−6−メチルピリミジンバンコマイシン(LXXVIII)、N−4−(4−ク
ロロフェニル)ベンジルバンコサミン−グルコース−C6−2−チオ−5−アミ
ノ−1,3,4−チアジアゾールバンコマイシン(LXXXIII)、N−4−(
4−クロロフェニル)ベンジルバンコサミン−グルコース−C6−2−チオ−4
−アミノ−3−ヒドラジノ−1,2,4−トリアゾールバンコマイシン(LXXX
IV)、N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコサミン−グルコース−C
6−2−チオ−4−ヒドロキシ−6−メチルピリミジンバンコマイシン(LXX
XV)、N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコサミン−グルコース−C
6−2−チオ−6−アザチミンバンコマイシン(LXXXVI)、バンコサミン
−N−4−(4−クロロフェニル)ベンジル−グルコース−C6−ヨードバンコマ
イシン(LXXIIa)、グルコース−C6−N−2−キノキサリニル−バンコ
サミン−N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコマイシン(LII)、バ
ンコサミン−N−4−(4−クロロフェニル)ベンジル−グルコース−C6−S−
3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾールバンコマイシン(LXX
III)、グルコース−C6−メシチレンスルホニルバンコマイシン(XLI)
、グルコース−C6−ヨードバンコマイシン(LXX)、グルコース−C6−ア
ジドバンコマイシン(XLVI)、グルコース−C6−ブロモバンコマイシン(
CX)、グルコース−C6−アミンバンコマイシン(XLVII)、グルコース
−C6−ヒドラジンバンコマイシン(XLIV)、バンコサミン−N−4−(4
−クロロフェニル)ベンジル−グルコ−ス−C6−イミノトリフェニルホスホラ
ンバンコマイシン(CXXXVI)である。
【0058】 本発明の化合物の化学ライブラリーは、グリコペプチド上に多くの異なる置換
基、特に糖残基上に置換基を導入することの生物活性に対する効果を探索するた
めに調製される。化学ライブラリーの任意の調製において、少なくとも2段階を
実施し、その各々の段階はグリコペプチド上に置換基を導入する。多くの異なる
前以て決定された置換基が、少なくとも2つの位置の各々で独立に導入される組
合せ型式が確立され、多くのグリコペプチドを含むライブラリーが得られ、ここ
で、前以て決定された置換基の各々の可能な組合せを提示する。例えば、3つの
位置を置換し、36の異なる置換基(12の3セット)が選択され、12の各セ
ットの1つが各位置で置換される場合、ライブラリー中のユニークな化合物の全
数(その各々が3つの置換基を有する)は、12×12×12=1,728であ
る。組合せ合成を自動システムで実施すれば、大量の関連化合物が比較的迅速に
調製され得ることは容易に明らかである。組合せ合成を実施する方法は公知であ
り、数個の論評文献に記載されている[Thompson(1996)、Gallop(1994)、Gordon
(1994)、Terrett(1995)]。
【0059】 置換基が、2つの異なる反応スキームの使用により、本発明のグリコペプチド
ライブラリー化合物に導入される。1つの反応スキームで、グリコシル化反応を
使用して、所望の置換基を有する糖を、下記に詳述したように、グリコペプチド
抗生物質、アグリコンまたはシュードアグリコンの様々な位置上のヒドロキシル
基に付着させる。他の反応スキームは、スキーム1に示したように、およびそれ
に伴う議論および数個の例で記載したように、ヘキソースC−6ヒドロキシル基
を誘導体化する方法である。本発明のライブラリーの構築において、少なくとも
2つの段階を組合せ形式で実施する。これらの段階は、上記に概略を示した2つ
の反応スキームから独立に選択され、よってライブラリーは、どちらかのスキー
ムで排他的にまたは2つの組合せを使用して構築される。
【0060】 個々にまたは化学ライブラリーの一部としてグリコペプチド化合物を調製する
に適切な1つの方法は、適切に保護されたアグリコンの合成で開始される。アグ
リコンの全ての反応性官能基(アミン、カルボン酸、フェノールおよびベンジル
アルコール)を、糖を付着させるヒドロキシル基、好ましくは残基4上のフェノ
ール性ヒドロキシル基を除き適切に保護する。カルボン酸は、使用する他の保護
基に直交する基で保護され、すなわち、カルボン酸保護基は、分子上の他の保護
基の除去に適切な条件下では除去されない。さらに、有機溶媒中で保護アグリコ
ンを可溶性とさせる保護基を使用する。保護基は、最終グリコペプチド化合物に
存在しても、酸性または塩基性条件、接触水素化または光への曝露により除去さ
れてもよい。アグリコンがバンコマイシンから得られる場合、保護基は以下であ
ることが好ましい:アミン窒素上のカルボキシベンジル(CBz)、ベンジルエ
ステル基;AおよびAのフェノール性ヒドロキシル上のベンジル、アリルま
たはメチルフェノール性エーテル、および脂肪族ヒドロキシル上のアセテート。
バンコマイシンのアグリコンを調製する別の方法を、図2および3、および例に
示す。
【0061】 この適切に保護されたアグリコンは、非酵素的反応を介して、有機溶媒中で様
々なグリコシルドナーによりグリコシル化され、よって、アグリコンとグリコシ
ルドナーの間にグリコシド結合が形成される。好ましくは、グリコシルドナーは
、6位またはいずれかの場所で官能基化された活性化単糖アノマースルホキシド
である。これらのスルホキシドドナーは、グリコシド結合形成後に単一のヒドロ
キシルの選択的保護が可能となるように異なって保護される。この選択的脱保護
を可能とする適切な保護基は、2,2−ジメチルアセトアセテート基、4−アジ
ドブチリル基および他の保護基の存在下で除去できる任意の他の基である。
【0062】 アグリコンフェノール性ヒドロキシル基の修飾スルホキシドグルコシル化は、
隣接基である糖のC−2でのアセテートまたは他の立体障害のないエステルの使
用により達成され得る。この修飾グルコシル化において、活性化単糖アノマース
ルホキシドを利用した好ましいグリコシル化手順のように、アノマー中心での脱
離基は、2,6−ジ−t−ブチルメチルピリジンの存在下で無水トリフルオロメ
タンスルホン酸(TfO)により活性化されるスルホキシド部分である。グリ
コシル化手順の修飾は、反応物へのBFの添加を含む。理論に拘束されないが
、BFの存在は、酸の存在下では不安定である望ましくないオルト−エステル
副生成物の形成を防ぐと信じられている。修飾手順の使用により、所望のβグリ
コシド結合が得られる。BFの使用は、改良である。なぜなら、以前には、C
−2での非常にかさのあるエステル(例えばピバレート)の存在が、隣接基関与
を使用してスルホキシド法によるβグリコシド結合の形成中の望ましくないオル
ト−エステルの形成を防ぐために必要であったからである。これらのかさのある
エステルは除去が、強塩基性条件下を除き、非常に困難であり得る。
【0063】 前記のグルコシル化反応をポリマーレジン上で、好ましくはこれらの化合物の
カルボン酸官能性を適切なレジンに結合させた後に実施することが好ましい。カ
ルボン酸基をレジンに付着させるために、最初に選択的に脱保護しなければなら
ない。カルボン酸の保護基としてのp−ニトロベンジルエステルの使用は、保護
ヒドロキシル基の存在下でのカルボン酸の選択的脱保護を容易にするために好ま
しい。適切なレジンは、付着のために適切に官能基化された反応溶媒中で不溶性
の架橋ポリマー、例えばSASRIN(Wangのレジン)である。一旦レジンに結
合すると、付着した糖上の異なって保護されたヒドロキシル基を脱保護する。別
法として、このヒドロキシル基は、レジンに付着させる前に遊離する。なぜなら
、ヒドロキシル基は結合反応を妨害しないからである。次いで、遊離ヒドロキシ
ル基は、第2グリコシル化反応で求核試薬として作用する。この第2グリコシル
化において、ヒドロキシルを、好ましくは固相反応で、様々なアジド糖を用いて
グリコシル化する。グリコシル化反応後、アジド基を還元し、次いで、得られた
アミノ基を誘導体化する。ライブラリー作成の固相部分は、平行合成または混合
および分割戦略を使用して実施できる。次いで、炭水化物−修飾グリコペプチド
誘導体を脱保護し、レジンから切断する。次いで、このセットの化合物を、ペプ
チド結合および抗細菌活性についてアッセイする。
【0064】 保護基を本発明の任意の化合物から除去することが望ましい場合、その除去は
、当業者に公知の方法を使用して達成される。好ましい保護基の除去法は、以下
の通りである。アミン上のAloc基、およびアリルエステルまたはアリルエー
テルは、1:1酢酸:DMF中で、Pd(0)媒介反応、例えば[PhP]Pd
(II)ClおよびBuSnHを使用して除去する。アセテート保護基は、T
HF/メタノール中ヒドラジンを使用して除去する。
【0065】 グリコペプチド化合物のライブラリーを作成する別の方法は、適切に保護した
シュードアグリコンの合成で開始される。残基Aに二糖を有する保護グリコペ
プチド抗生物質、すなわち、図15および例で示したように、追加の糖残基を有
するシュードアグリコンを、有機溶媒中、ルイス酸で処理し、追加の糖残基を除
去する。本発明の好ましい実施形態において、ルイス酸は、好ましくはジエチル
エーテルとの錯体としての三フッ化ホウ素である。グリコペプチド抗生物質がバ
ンコマイシンである場合、アリルオキシカルボニル(aloc)基が、Aおよ
びバンコサミン残基のアミン上、脂肪族ヒドロキシル基上のアセテート、フェノ
ール性ヒドロキシル上のアリルフェニルエーテル、およびA末端カルボキシル
上のアリルまたはo−ニトロベンジルエステル上に存在することが好ましく;固
相合成を使用する場合、o−ニトロベンジルエステルが好ましい。追加の糖残基
を除去し、シュードアグリコン(ここでは、追加の糖が付着する残留残基A
上のヒドロキシル基を除く、全ての反応性官能基(アミン、カルボン酸、フェノ
ール、およびベンジルアルコール)が適切に保護されている)を残す分解反応が
進行する。
【0066】 シュードアグリコンは、1つの糖残基が既に付着したアグリコンのグリコシル
化で上記したように、非酵素的反応を介して有機溶媒中でグリコシル化される。
【0067】 シュードアグリコンからのグリコペプチド化合物の固相合成で、分子は、好ま
しくは、保護されたシュードアグリコンからo−ニトロベンジル基を除去した後
にレジンに付着させる。
【0068】 以下の例は、本発明の様々な態様を説明するために提示され、それを制限する
ものではない。
【0069】 例
【0070】一般的手順
【0071】 特記しない限り、分取逆相HPLCによる生成物の精製は、PHENOMENEX LUNA
18カラム(21.2cm×250mm)、5m粒子サイズを使用して実施し
;半分取逆相HPLCは、VydacC18カラム(10×250mm)、5m粒子
サイズを使用して実施する。検出は、285nmでのUV吸収測定による。
【0072】方法A :化合物を、DMF−水またはDMF−メタノール中に溶かし、ついで、
水で希釈し、ろ過(0.45μm)する。0.1〜1mLサンプルの複数回の注入
が、沈降およびカラムへの過剰添加を回避するためにほとんどの分離で必要であ
る。7〜8mL/分の流速で0.1%酢酸を含む水中アセトニトリル勾配を使用
する。この方法により精製された生成物は、1−ブタノール(期待される水分含
量で約1:1)で処理し、減圧下で蒸発乾固する。次いで、この固体をメタノー
ルに溶かし、トルエンで希釈し、減圧下で蒸発させる。
【0073】方法B :化合物を、水または水−メタノールまたは水−DMF混合物に溶かし、
ろ過(0.45μm)する。0.1〜1mLサンプルの複数回の注入が、沈降およ
びカラムへの過剰添加を回避するためにほとんどの分離で必要である。7〜8m
L/分の流速で0.1%トリフルオロ酢酸を含む水中アセトニトリル勾配を使用
する。この方法により精製された生成物を減圧下で蒸発して、アセトニトリルを
除去(浴温度は25℃またはそれ以下に維持し、バンコサミン残基の損失を回避
する)し、残りの水溶液を凍結し凍結乾燥する。各々の水性サンプルの純度は、
凍結乾燥前に分析HPLCにより確認する。
【0074】方法C :化合物を、水または水−メタノールまたは水−DMF混合物に溶かし、
ろ過(0.45μm)する。0.1〜1mLサンプルの複数回の注入が、沈降およ
びカラムへの過剰添加を回避するためにほとんどの分離で必要である。水中アセ
トニトリル勾配(リン酸でpH=3に調整した0.5%トリエチルアミン)を使
用する。この方法により精製した生成物は、ポリスチレンカラム(10mm×6
00mm)上での吸着により脱塩し、次いで、5カラム容量の水で洗浄し、0.
1%酢酸を含む水中75%メタノールで溶出する。生成物を含む画分を合わせ、
メタノールを減圧下で除去し、得られた水溶液を凍結し凍結乾燥させた。各水性
サンプルの純度は、凍結乾燥前に分析HPLCにより確認する。
【0075】 例1:N,N’−ジalocバンコマイシンアリルエステル(III)
【0076】 a)N,N’−ジアリルオキシカルボニルバンコマイシン(II)
【0077】 バンコマイシン・HCl(13g、8.7mmol)の105mLの水溶液に
、ゆっくりと80mLアセトンを加える。次いで、NaHCO(1.54g、
18.3mmol)の30mL水溶液を5分間かけて加えると、濃厚な白色のス
ラリーが得られる。10分間撹拌した後、懸濁液を、N−(アリルオキシカルボ
ニルオキシ)スクシンイミド(18g、90mmol)の70mLアセトン溶液
で処理する。数時間以内に反応液は透明になり、室温で36時間撹拌する。TL
C(6:4:1、クロロホルム−メタノール−水)により、バンコマイシン(基
線)が全く残っていないこと、および1つの主なグリコペプチド生成物(R
0.3)が示される。粗反応混合物を、1−ブタノール(100mL)で処理し
、減圧下で蒸発乾固する。固体を50mLメタノールに溶かし、300mLジエ
チルエーテルへの添加により沈降させる。全ての塊を粉砕し、白色懸濁液を1時
間4℃で静置する。約200mLの透明な上清をデカントし、残りの懸濁液を遠
心分離し、上清をデカントする。白色固体を240mLアセトンと共に激しく混
合し、懸濁液を遠心分離し、上清をデカントする。固体をメタノールに溶かし、
300mLトルエンで希釈し、減圧下で蒸発させると、(II)(15.5g、
痕跡量のNHS不純物を含む)が得られ、これはさらに精製することなく使用で
きる。所望であればNHSを除去する。固体を最小限のメタノール/DMF(1
:1)に溶かし、水への添加により沈降させる。懸濁液をよく混合し、懸濁液を
遠心分離し、上清をデカントする。白色固体はメタノールに溶かし、画分を合わ
せ、過剰のトルエンで希釈し、減圧下で蒸発させ真空乾燥させる。N−(アリル
オキシカルボニルオキシ)スクシンイミドの調製は、Int.J.Peptide Protein R
es.1991、37、556-564に報告されている。
【0078】 b)N,N’−ジalocバンコマイシンアリルエステル(III)
【0079】 化合物(II)(5g、3mmol)を28mL DMSOに、アルゴン雰囲
気下で(1時間撹拌しながら)溶かす。粉末NaHCO(2.5g、30mm
ol)を加え、懸濁液を10分間撹拌し、次いで、アリルブロミド(1.3mL
、15mmol)を加える。7時間撹拌し続け、その後、TLCにより(II)
が消失し、1つの主な生成物が示される。反応液を、添加時に形成された沈降物
がちょうど再度溶けるまで、ゆっくりとアセトン(約25mL)で希釈する。こ
の溶液を、200mLアセトンおよび450mLジエチルエーテルを含むフラス
コに、真空ろ過(不溶性NaHCOを除去)する。フラスコを時折、ろ液の添
加中に、形成された白色沈降物および油状物の混合物を分散するためにかき混ぜ
る。反応フラスコおよびフィルターは、10mLアセトン−メタノール(1:1
)で濯ぐ。ろ液/懸濁液を4℃で16時間時折かき混ぜながら貯蔵する。沈降物
および油状物がフラスコを覆い、透明な上清を残し、これをデカントする。固体
の塊をアセトンで濯ぎ、高真空下で乾燥させ、10mL DMF−メタノール(
1:1)に溶かす。この溶液を、180mLの水(6つの遠心管チューブで6×
30mL)の添加により沈降させる。懸濁液を混合し、塊を粉砕し、遠心分離し
、上清をデカントする。固体をメタノール−アセトン中で合わせ、トルエンで希
釈し、減圧下で蒸発させ、真空乾燥させると(III)(4.5g)が得られる
。TLC:R=0.67;(クロロホルム−メタノール−水;6:4:1)。
分析サンプルは、HPLCでの分離により調製すると;(方法A;25%〜60
%アセトニトリルの線形勾配で30分間;流速=7.5mL/分)(III)が
得られる。保持時間=24分間;LRESI−MS、C778728
の計算値:1655.5;[M+H]=1657;[M−バンコサミン+
H]=1431。
【0080】 例2:アリル−ジaloc−トリ−OAllペルアセテートバンコマイシンシ
ュードアグリコン(VI)
【0081】 a)アリルジaloc−トリ−O−アリルバンコマイシン(IV)
【0082】 All−ジalocバンコマイシン(753mg、0.455mmol)を5
mL DMFにとる。粉末CsCO(750mg、2.30mmol)を反
応溶液に加える。懸濁液を高真空下で30分間撹拌する。次いで、アリルブロミ
ド(400L、2.36mmol)を加える。6時間後のTLCにより、反応の
完了が示される。懸濁液を100mLの水中で沈降させ、遠心分離する。白色固
体を集め、シリカゲルカラム(30mm×12cm)にのせ、CHClから5
%MeOH/CHClの勾配で溶出すると、660mg(82%)の化合物(
IV)が白色固体として得られる。R=0.6(20%MeOH/CHCl
)。質量分析[M+Na]、1776;[M−V]、1550、[M−V−
G]、1387。
【0083】 b)アリル−ジaloc−トリ−O−アリルペルアセテートバンコマイシン(
V)
【0084】 アリルジaloc−トリ−O−アリルバンコマイシン(IV)(100mg、
0.0563mmol)を5mL CHClに溶かす。ピリジン(164L
、2.027mmol)、次いで2mg DMAPを加える。反応溶液が透明に
変わる。AcO(96mL、1.013mmol)を加える。5時間後、TL
Cにより反応の完了が示される。反応液を、1mLメタノールでクエンチし、次
いで全溶媒を除去する。残渣をシリカゲルカラム(30mm×12cm)にのせ
、0%〜5%MeOH/CHClの勾配で溶出すると、104mg(91%)
の化合物(V)が白色固体として得られる。R=0.3(5%MeOH/CH
Cl)。質量分析[M+Na]2028。
【0085】 c)アリル−ジaloc−トリ−OAllペルアセテートバンコマイシンシュ
ードアグリコン(VI)
【0086】 アリル−ジaloc−トリ−OAllペルアセテートバンコマイシン(V)(
238mg、0.117mmol)を、トルエンと共に3回共沸し、次いで8m
LのCHClに溶かす。PhSH(120L、1.173mmol)、次い
でBF・EtO(431L、3.51mmol)を加える。2時間後のTL
Cにより、反応の完了が示される。反応液を1mL DIEAによりクエンチし
、全溶媒を除去する。残渣をシリカゲルカラム(30mm×12cm)にのせ、
0%〜5%MeOH/CHClの勾配で溶出すると、144mg(70%)の
化合物(VI)が白色固体として得られる。R=0.3(5%MeOH/CH
Cl)。質量分析[M+Na]2028。
【0087】 例3:バンコサミンN−CBz−C−6−O−アセチルスルホキシド(XI)
【0088】 a)N,N’−ビス−Cbz,バンコマイシン(VII)
【0089】 8.5mLの水に溶かし、10mLのアセトンで希釈した、バンコマイシン・
HCl(1.76g、1.19mmol)の溶液に、NaHCO(210mg、
2.5mmol)を含む3mLの水を加える。撹拌懸濁液に、20mLのアセト
ン、15mLの水およびN−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)スクシンイミド
(1.2g、4.8mmol)を、3mLアセトン溶液として加える。15時間後
、透明な溶液を減圧下でトルエン共沸混合物と共に蒸発乾固する。固体を15m
L DMFに溶かし、120mLテトラヒドロフランへの添加により沈降させる
。懸濁液を遠心分離し、試薬を含む上清をデカントする。次いで、固体を120
mLアセトンに懸濁し、激しく混合し、遠心分離し、上清をデカントする。固体
のこのアセトン洗浄を3回実施して、全試薬を除去する。白色固体を減圧下で乾
燥させると(VII)(1.9g、95%)が得られ、これはさらに操作するこ
となく使用する。TLC:R=0.33(クロロホルム−メタノール−水;6
:4:1)。LRESI−MS、C828728Clの計算値、17
15.5;[M+Na]=1739;[M−バンコサミン+H]=1440
;[M−二糖+H]=1277。
【0090】 b)バンコサミンN−CBzメトキシド(VIII)
【0091】 粗バンコマイシンビスCBz(VII)(3.414g、1.99mmol)を
18mLメタノールに溶かし、2.7mLの10N HCl水溶液を加える。白
色沈降物が反応中に形成される。2時間後、TLCにより反応の完了が示される
。全溶媒を除去し、残渣を300mLアセトン中で沈降させる。アセトン層を集
め濃縮すると、濃厚な油状物が得られる。この油状物をシリカゲルカラム(40
mm×14cm)にのせ、60%ETOAc/PEで溶出すると、303mg(
75%)の化合物(VIII)が透明な油状物として得られる。(:=2:1)
。R=0.2(40%ETOAc/PE)。
【0092】 c)バンコサミンN−CBz C−4−O−アセチルメトキシド(IX)
【0093】 化合物(VIII)(49mg、0.159mmol)を2mL CHCl
に溶かす。DMAP(0.2mg)、次いでピリジン(13L、12.6mmo
l)および無水酢酸(15L、16.23mmol)を反応液に加える。12時
間後、TLCにより反応の完了が示される。反応液を0.5mLメタノールによ
りクエンチし、全溶媒を除去する。残渣をシリカゲルカラム(20mm×14c
m)にのせ、30%ETOAc/PEで溶出すると、53mg(95%)の化合
物(IX)が透明な油状物として得られる(:=2:1)アノマー:R=0.
4(40%EtOAc/PE);H NMR(CDCl、300MHz)7
.35(m、5H)、5.25〜4.90(m、3H)、4.79(d、J=6.5
Hz、H−1、1H)、4.74(bs、H−4、1H)、4.10(m、H−5
、1H)、3.34(s、OCH、3H)、2.10(s、COCH、3H)
、2.00〜1.88(m、H−2、H−2’、2H)、1.73(s、CH
3H)、1.14(d、J=6.4Hz、CH、3H)。アノマー:R=0.
3(40%EtOAc/PE);H NMR(CDCl、300MHz)7
.35(m、5H)、5.10(d、J=12.0Hz、1H)、5.09(s、1
H)、4.95(d、J=12.0Hz、1H)、4.73(bs、H−4、1H
)、4.55(d、J=12.0Hz、H−1、1H)、3.84(m、H−5、
1H)、3.50(s、OCH、3H)、2.07(s、COCH、3H)、
2.00〜1.70(m、H−2、H−2’、2H)、1.64(s、CH、3
H)、1.20(d、J=6.4Hz、CH、3H)。
【0094】 d)バンコサミン−N−CBz C4−O−アセチルスルフィド(X)
【0095】 化合物(IX)(144mg、0.410mmol)をトルエンと共に3回共
沸し、次いで4mLのCHClに溶かす。PhSH(84L、0.82mm
ol)、次いでBF・OEt(100L、0.82mmol)を加える。1
5分後のTLCにより、反応の完了が示される。反応液を20mLの飽和NaH
CO水溶液によりクエンチする。CHCl層を分離し、水層をさらにCH Cl(20mL×3)で抽出する。CHCl層を合わせ、無水硫酸ナト
リウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮すると、透明な油状物が得られる。この油状物
をシリカゲルカラム(30mm×14cm)にのせ、20%ETOAc/PEで
溶出すると、125mg(71%)の化合物(X)が白色固体として得られる。
=0.7(40%EtOAc/PE)(:=3:1)。アノマー:H N
MR(CDCl、500MHz)7.47〜7.24(m、10H)、5.58
(dd、J=2.8、6.7Hz、H−1、1H)、5.10(d、J=12.2H
z、1H)、5.00〜4.97(m、3H)、4.90(s、H−4、1H)、
4.51(m、H−5、1H)、2.55(dd、J=6.7、14.0Hz、H−
2、1H)、2.23(d、J=14.0Hz、H−2’、1H)、2.09(s
、COCH、3H)、1.77(s、CH、3H)、1.16(d、J=6.
4Hz、CH、3H);13C NMR(CDCl、500MHz)170
.94、154.69、136.60、136.02、131.20、129.06、
128.71、128.46、128.35、127.31、83.12、74.01
、66.61、64.44、53.66、37.35、24.11、20.87、17
.13:アノマー:H NMR(CDCl、500MHz)7.47〜7.2
4(m、10H)、5.58(dd、J=2.8、6.7Hz、H−1、1H)、
5.10(d、J=12.2Hz、1H)、5.00〜4.97(m、3H)、4.
90(s、H−4、1H)、4.51(m、H−5、1H)、2.55(dd、J
=6.7、14.0Hz、H−2、1H)、2.23(d、J=14.0Hz、H−
2’、1H)、2.09(s、COCH、3H)、1.77(s、CH、3H
)、1.16(d、J=6.4Hz、CH、3H);13C NMR(CDCl 、500MHz)170.94、154.69、136.60、136.02、1
31.20、129.06、128.71、128.46、128.35、127.3
1、83.12、74.01、66.61、64.44、53.66、37.35、2
4.11、20.87、17.13。
【0096】 e)バンコサミンN−CBz C4−O−アセチルスルホキシド(XI)
【0097】 バンコサミンスルフィド(X)(18mg、0.0433mmol)を1.5m
L CHClに溶かし、−78℃に冷却する。mCPBAを加え、反応液を
ゆっくりと1時間で−20℃まで加温する。TLCにより反応の完了が示される
。反応液を100mLのジメチルスルフィドによりクエンチする。反応液を5m
Lの飽和NaHCO水溶液で抽出する。水層をさらにCHCl(5mL×
3)で抽出する。CHCl層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ
過し、濃縮すると、透明な油状物が得られる。この油状物をシリカゲルカラム(
20mm×8cm)にのせ、60%ETOAc/PEで溶出すると、19mg(
95%)の化合物(XI)が白色固体として得られる。R=0.15(40%
EtOAc/PE)。
【0098】 例4:(VI)からのバンコマイシンの再生
【0099】 a)(VI)を(XI)でグルコシル化すると(V)が得られる
【0100】 化合物(VI)(22.7mg、0.0127mmol)を共沸し、1mL C
Clに溶かし、−78℃まで冷却する。BF・EtO(2L、0.0
168mmol)、次いで無水トリフルオロメタンスルホン酸(4L、0.02
47mmol)を加える。次いで、スルホキシド(XI)(22mg、0.04
94mmol)の0.5mLCHCl溶液を反応容器に1分間かけて滴下し
て加える。TLCにより全スルホキシドが添加後に活性化されたことが示される
。反応液をゆっくりと1.5時間かけて−25℃まで加温し、100mLのメタ
ノールおよび100mLのDIEAでクエンチする。全溶媒を除去し、残渣をシ
リカゲルカラム(10mm×5cm)にのせ、0〜5%MeOH/CHCl
勾配で溶出すると、17mgの白色固体が得られる。この白色固体は、PHENOMEN
EX LUNAC18カラム(21.2×250mm)、5m粒子サイズを使用して、
30分間、水中80%アセトニトリル/0.1%酢酸から100%アセトニトリ
ル/0.1%酢酸の線形勾配で;流速8mL/分で溶出し、285nmでUV検
出して逆相HPLCにより精製する。純粋な生成物を含む画分を合わせ、蒸発さ
せると、11mg(41%)の化合物(V)が白色固体として得られる。R
0.3(5%MeOH/CHCl)。質量分析[M+Na]2028。
【0101】 b)化合物(V)を脱保護すると化合物(IV)が得られる
【0102】 グリコシル化生成物(V)(9mg、0.00443mmol)を0.4mLの
メタノールおよび0.2mLのTHFに溶かす。ヒドラジン(30L)を加える
。反応液を4時間後に0.2mLの酢酸でクエンチする。全溶媒を除去し、残渣
を、PHENOMENEX LUNAC18カラム(21.2×250mm)、5m粒子サイズ
を使用して、30分間、水中80%アセトニトリル/0.1%酢酸から100%
アセトニトリル/0.1%酢酸の線形勾配で;流速8mL/分で溶出し、285
nmでUV検出して逆相HPLCにより精製する。純粋な生成物を含む画分を合
わせ、蒸発させると、5mg(63%)の化合物(IV)が白色固体として得ら
れる。R=0.3(5%MeOH/CHCl)。質量分析[M+Na]
028。
【0103】 c)化合物(IV)を脱保護するとバンコマイシンが得られる
【0104】 化合物(IV)(5mg、0.00281mmol)を、0.5mL DMF/
0.5mL酢酸に溶かす。触媒量のパラジウムジクロリド−ビス−トリフェニル
ホスフィンを加え、反応容器を窒素で充填する。この混合物に、激しく撹拌しな
がら、5分毎に5μLずつ水素化トリブチルスズを、出発物質および中間体がT
LCにより消失するまで加える。粗反応混合物を、50mLの遠心チューブ中で
、20mLのジエチルエーテルで沈降させる。混合物を遠心分離し、デカントす
ると、白色固体が得られ、これを20mLのジエチルエーテルと共にボルテック
スにかけ、遠心分離し、デカントし、乾燥させる。得られた白色固体を、PHENOM
ENEX LUNAC18カラム(21.2×250mm)、5m粒子サイズを使用して
、40分間、水中0.1%トリフルオロ酢酸から水中20%アセトニトリル/0.
1%トリフルオロ酢酸の線形勾配で;流速7mL/分で溶出し、285nmで紫
外線(UV)検出して逆相HPLCにより精製する。生成物を含む画分を合わせ
、10mLの水で希釈し、有機溶媒を蒸発させ、次いで、残渣を凍結乾燥させる
と、3mg(75%)のバンコマイシンTFA塩が白色固体として得られる。R =0.05(CHCl:MeOH:HO=3:4:2)。質量分析[M+
Na]1471。
【0105】 例5:ベンジルN,N’−ビス−Cbzバンコマイシン(XII)
【0106】 (VII)(1.49g、0.87mmol)の15mL DMSO溶液に、ア
ルゴン雰囲気下で、NaHCO(35mg、0.4mmmol)、次いで、ベ
ンジルブロミド(0.3mL、2.5mmol)を加え、混合物を3時間室温で撹
拌する。反応液を、ジエチルエーテル中10%アセトン400mLに添加するこ
とにより沈降させる。懸濁液を遠心分離すると、撹拌時に濃厚な粘着性固体が得
られ、上清をデカントする。合わせた上清を減圧下で10mLの容量まで蒸発さ
せ、200mLのジエチルエーテルへの添加により沈降させる。懸濁液を遠心分
離し、上清をデカントする。固体をメタノールに溶かし、合わせ、減圧下で蒸発
させる。HPLC(方法A:38%アセトニトリルで3分間、次いで38%〜7
5%アセトニトリルの線形勾配で40分間;流速8mL/分)により精製すると
、(XII)(0.97g、Iから61%)が得られる。保持時間=26分間;
TLC:R=0.5(クロロホルム−メタノール−水、50:21:4)。L
RESI−MS、C899328Clの計算値、1805.6;[M
+Na]=1829;[M−バンコサミン+H]=1530;[M−二糖+
H]=1368。
【0107】 例6:ベンジルCBZ−トリ−O−メチルジアセテートバンコマイシンアグリ
コン(XV)
【0108】 a)ベンジルCBZ−トリ−O−メチルバンコマイシン(XIII)
【0109】 粗ベンジルビス−CBZ−バンコマイシン(XII)(1.0262g、0.5
677mmol、バンコマイシンから100%)の20mL DMFの撹拌溶液
に、CsCO(830mg、2.55mmol)およびMeI(530L、
8.52mmol)を加える。反応液を3時間撹拌し、次いで、1mL酢酸を加
える。溶液を15%MeOH/CHClを用いてシリカゲルの栓を通してろ
過し、濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(10〜12.5%Me
OH/CHCl)により精製すると、655.2mgの半純粋な生成物が得
られる。Rf0.53(15%MeOH/CHCl)。
【0110】 655.2mgの半純粋な生成物(0.354mmol)を10.6mLの酢酸
に溶かす。チオフェノール(215L、2.09mmol)および酢酸中3%H
Brの5.7mLを加える。15分後、反応液を、150mLのHOに注ぎ、
白色沈降物を遠心分離により単離する。フラッシュクロマトグラフィー(5〜7
.5%MeOH/CHCl)により沈降物を精製すると、313.5mg(バ
ンコマイシンから4段階で40%)の(XIII)が得られる。Rf0.26(
7.5%MeOH/CHCl);MS(ESI)計算値1410.2(C717019Cl)実測値1433.2MNa。
【0111】 b)ベンジルCBZ−トリ−O−メチルp−メトキシベンジルジアセテートバ
ンコマイシンアグリコン(XIV)
【0112】 C(290.2mg、2058mmol)の10mL DMF溶液に、Cs
CO(162mg、0.497mmol)およびp−メトキシベンジルクロリ
ド(PMBCl)(84L、0.617mmol)を加える。反応液を3.5時間
撹拌し、次いで、10%MeOH/CHClを用いてシリカゲルの栓を通し
てろ過し、濃縮する。残渣を円形クロマトグラフィー(0〜6%MeOH/CH Cl)により精製すると、222.3mg(71%)の精製中間生成物が得
られる。Rf0.33(7.5%MeOH/CHCl);MS(ESI)計算
値1530.3(C797820Cl)実測値1530.3。
【0113】 5mLピリジン中の精製中間生成物(222.3mg、0.144mmol)の
溶液に、1.25mLの無水酢酸を加える。反応液を3時間撹拌し、次いで、真
空濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(0〜4%MeOH/CH Cl)により精製すると、228.3mg(97%)の(XIV)が得られる
。Rf0.29(5%MeOH/CHCl);MS(ESI)計算値161
4.4(C838222Cl)実測値1614.4。
【0114】 c)ベンジルCBZ−トリ−O−メチルジアセテートバンコマイシンアグリコ
ン(XV)
【0115】 (XIV)(241.8mg、0.150mmol)の10mLCHCl
液に、1mLのトリフルオロ酢酸(TFA)を加える。5分後、25mLのトル
エンを加え、反応液を真空乾燥する。円形クロマトグラフィー(0〜6%MeO
H/CHCl)により精製すると、206.5mg(92%)の(XV)が
得られる。R=0.25(5%MeOH/CHCl);MS(ESI)計
算値1494.2(C757421Cl)実測値1517.2MNa
【0116】 例7:N,N’−ジaloc−グルコース−C6−アミン−バンコマイシンア
リルエステル(XVIII)
【0117】 a)N,N’−ジaloc−グルコース−C6−メシチレンスルホニル−バン
コマイシンアリルエステル(XVI)
【0118】 化合物(III)(370mg、0.22mmol)の2.5mL無水ピリジン
の撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下で、ピリジン中1.4Mメシチレンスルホニル
クロリド溶液0.5mLを加える。温度を4℃で24時間維持し、その後、反応
液を、50mLのジエチルエーテル(2つの50mL遠心チューブで2×25m
L)への添加により沈降させる。懸濁液を遠心分離し、上清をデカントする。固
体をメタノールに溶かすことにより合わせ、減圧下で蒸発させる。HPLC(方
法A;30%〜75%アセトニトリルの線形勾配で40分間;流速=7.5mL
/分)により分離すると、出発物質(III)(64mg)および(XVI)(
202mg、50%、回収されたIIIに基づいて60%)が得られる。保持時
間=28分間;TLC;R=0.7(クロロホルム−メタノール−水、50:
21:4)。LRESI−MS、C869730Clの計算値:
1837.5;[M+H]=1839;[M−バンコサミン+H]=161
4;[M−二糖+H]=1267。
【0119】 b)N,N’−ジaloc−グルコース−C6−アジド−バンコマイシンアリ
ルエステル(XVII)
【0120】 化合物(XVI)(310mg、0.17mmol)の8mL無水DMFの撹
拌溶液に、アルゴン雰囲気下で、アジ化ナトリウム(112mg、1.72mm
ol)を加え、懸濁液を85℃で8時間撹拌する。混合物を室温まで冷却し、8
0mLのジエチルエーテルへの添加により沈降させる。白色固体を遠心分離し、
上清をデカントする。固体を最小限のメタノールに溶かし、80mLの水への添
加により沈降させる。懸濁液を激しく混合し、次いで、4℃で12時間貯蔵する
。懸濁液を遠心分離し、上清をデカントする。HPLC(方法A;25%〜50
%アセトニトリルの線形勾配で40分間;流速=7.5mL/分)により分離す
ると、(XVII)(172mg、60%)が得られる。保持時間=27分間;
TLC:R=0.55(クロロホルム−メタノール−水;50:21:4)。
LRESI−MS、C77861227Clの計算値1680.5;[
M+H]=1682;[M−バンコサミン+H]=1456;[M−二糖+
H]=1267。
【0121】 c)N,N’−ジaloc−グルコース−C6−アミン−バンコマイシンアリ
ルエステル(XVIII)
【0122】 アジド(XVII)(172mg、0.1mmol)およびトリフェニルホス
フィン(180mg、0.7mmol)の、5mL水を含む25mL THFの
溶液を60℃で16時間加熱する。反応液を室温まで冷却し、200mLトルエ
ンで希釈し、減圧下で蒸発乾固する。白色固体を5.5mLメタノール−DMF
(10:1)に溶かし、75mLジエチルエーテル(3×25mL)への添加に
より沈降させる。懸濁液を遠心分離し、トリフェニルホスフィンを含む上清をデ
カントする。固体をメタノールに溶かし、合わせ、減圧下で蒸発させる。HPL
C(方法A;15%〜50%アセトニトリルの線形勾配で40分間;流速=7.
5mL/分)により分離すると、(XVIII)(140mg、82%)が得ら
れる。保持時間=24分間;TLC:R=0.3(クロロホルム−メタノール
−水;6:4:1)。LRESI−MS、C77881027Clの計
算値:1654.5;[M+H]=1656;[M−バンコサミン+H]
1429;[M−二糖+H]=1267。
【0123】 例8:アリルN,N’−ジaloc−グルコース−C6−N−4−(4−クロロ
フェニル)ベンジルバンコマイシン(XIX)
【0124】 (XVIII)(26mg、0.016mmol)の0.5mL無水DMFの撹
拌溶液に、アルゴン雰囲気下で、4−4−(4−クロロフェニル)ベンジルカルボ
キシアルデヒド(1.7mg、0.008mmol)を加える。10分後、シアノ
ボロハイドライドナトリウム(2mg、0.03mmol)を加え、混合物をさ
らに4時間撹拌する。反応混合物を8mLのジエチルエーテルへの添加により沈
降させる。懸濁液を遠心分離し、上清をデカントし、次いで、白色固体を減圧下
で乾燥させて、残留ジエチルエーテルを除去する。HPLC(方法A:20%〜
45%アセトニトリルの線形勾配で30分間;流速7.5mL/分)により分離
すると、(XIX)(9mg、アルデヒドに基づき61%)(保持時間=27分
間)が得られ、8mgが回収される(XVIII)。TLC:R=0.66(
クロロホルム−メタノール−水;6:4:1)。LRESI−MS、C90 1027Clの計算値1854.6;[M+H]=1856;[M−
二糖+H]=1267。4−(4−クロロフェニル)ベンジルカルボキシアルデ
ヒドの調製は、J.Heterocyclic Chem.Vol.22、1985、p.873-878に記載されてい
る。
【0125】 例9:アリルN,N’−ジaloc−グルコ−ス−C6−N−5−(4−クロロ
フェニル)フラン−1−メチレンバンコマイシン(XX)
【0126】 (XVIII)(63mg、0.036mmol)の0.9mL無水DMFの撹
拌溶液に、アルゴン雰囲気下で、DIEA(7.4μl、0.04mmol)を加
える。5分後、5−(4−クロロフェニル)フルファル(7.3mg、0.035m
mol)を加え、溶液を70℃で100分間加熱する。次いで、シアノボロハイ
ドライドナトリウム(5mg、0.08mmol)を加え、混合物をさらに2時
間70℃で加熱する。反応混合物を室温まで冷却し、25mLのジエチルエーテ
ルへの添加により沈降させる。懸濁液を遠心分離し、上清をデカントする。残留
ジエチルエーテルをアルゴン気流下で除去する。HPLC(方法A:20%〜6
0%アセトニトリルの線形勾配で40分間;流速=7.5mL/分)により分離
すると、(XX)(42mg、64%)が得られる。保持時間=23分間。TL
C:R=0.6(クロロホルム−メタノール−水、6:4:1)。LRESI
−MS、C88951028Clの計算値:1844.5;[M+H]
=1846;[M−バンコサミン+H]=1656;[M−二糖+H]
1268。
【0127】 例10:アリルN,N’−ジaloc−グルコ−ス−C6−N−デシルバンコ
マイシン(XXI)
【0128】 (XVIII)(11mg、0.007mmol)の0.45mLの無水DMF
の撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下で、DIEA(1.3μL、0.0073mmo
l)を加える。10分後、デシルアルデヒド(1.3μL、0.007mmol)
を加え、溶液を室温で45分間撹拌する。次いで、シアノボロハイドライドナト
リウム(2mg、0.03mmol)を加え、混合物をさらに5時間撹拌する。
反応混合物を6mLのジエチルエーテルへの添加により沈降させ、懸濁液を遠心
分離し、上清をデカントする。残留ジエチルエーテルをアルゴン気流下で除去す
る。HPLC(方法A;20%〜75%アセトニトリルの線形勾配で40分間;
流速=7.5mL/分)により分離すると、(XXI)(2mg、17%)が得
られる。保持時間=21分間。TLC:R=0.68(クロロホルム−メタノ
ール−水、6:4:1)。LRESI−MS、C871081027Cl の計算値:1794.7;[M+H]=1796;[M−二糖+H]=1
267。
【0129】 例11:アリルN,N’−ジaloc−(6−N−チオカルボニルメチルアミノ
グルコース)バンコマイシン(XXII)
【0130】 アミン(XVIII)(6mg、0.0036mmol)の0.2mL無水ピリ
ジンの溶液を、アルゴン雰囲気下で、メチルイソチオシアネート(0.8mg、
0.01mmol)で処理する。10分後、TLCにより出発物質の完全な消失
が示される。反応混合物を8mLのジエチルエーテルに加え、得られた懸濁液を
遠心分離し、上清をデカントする。白色固体を10mLジエチルエーテルと共に
激しく混合し、遠心分離し、上清をデカントし、固体を減圧下で乾燥させると、
(XXII)(6mg、96%)が得られる。TLCにより、1つの化合物が示
される;R=0.8(クロロホルム−メタノール−水;6:4:1)。この生
成物をさらなる操作を行うことなく脱保護にかける。LRESI−MS、C79911127Clの計算値:1727.5;[M+H]=172
9;[M−バンコサミン+H]=1502。
【0131】 例12:アリルN,N’−ジaloc−グルコース−C6−N−(チオフェン−
2−カルボキシアミド)バンコマイシン(XXIII)
【0132】 N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)(84mg、0.73mmol)お
よびトリエチルアミン(92.5μL、0.66mmol)の1.3mLアセトニ
トリル−0.5mLジクロロメタンの撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下、4℃で、
チオフェン−2−カルボニルクロリド(71μL、0.66mmol)の0.3m
Lアセトニトリル溶液を加える。30分後、冷却浴を除去し、混合物を室温でさ
らに30分間撹拌する。撹拌を停止し、トリエチルアンモニウムクロリドを静置
すると、0.3MのNHS活性化エステル溶液が得られる。
【0133】 アミン(XVIII)(9mg、0.005mmol)の0.5mL無水DMF
の撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下で、上記で調製した50μLの0.3M NH
S活性化エステル溶液(0.015mmol)を加える。48時間後、反応混合
物を10mLジエチルエーテルへの添加により沈降させ、得られた懸濁液を遠心
分離し、上清をデカントする。HPLC(方法A;30%〜70%アセトニトリ
ルの線形勾配で40分間;流速=7.5mL/分)により分離すると、(XXI
II)(6.7mg、70%)が得られる。保持時間=19分間。TLC:R
=0.75(クロロホルム−メタノール−水、6:4:1)。LRESI−MS
、C82901028Clの計算値:1764.5;[M+Na]
=1788;[M−バンコサミン+Na]=1562;[M−二糖+H] =1268。
【0134】 例13:アリルN,N’−ジaloc−グルコース−C6−N−(グリシン−カ
ルボキシアミド)バンコマイシン(XXIV)
【0135】 アミン(XVIII)(20mg、0.012mmol)の1mL無水DMF
の撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下で、N−Fmoc−グリシンペンタフルオロフ
ェニルエステル(13mg、0.028mmol)を加える。1時間後、混合物
を、15mLジエチルエーテルへの添加により沈降させ、遠心分離し、過剰の試
薬を含む上清をデカントする。白色固体をメタノールにとり、50mLトルエン
で希釈し、減圧下で蒸発させると、Fmoc保護グリシンアミド生成物が得られ
、TLCにより1つの生成物であった:R=0.73(クロロホルム−メタノ
ール−水;6:4:1)。乾燥固体を1mL無水DMFにアルゴン雰囲気下で溶
かし0.15mLのピペリジンで処理する。30分後、混合物を、25mLジエ
チルエーテルへの添加により沈降させ、懸濁液を遠心分離し、上清をデカントす
る。HPLC(方法A;10%〜45%アセトニトリルの線形勾配で40分間;
流速=8mL/分)により分離すると、(XXIV)(5mg、25%)(保持
時間=25分間)(これは分析目的で使用する)および不純物の混入した14m
gの(XXIV)が得られる。この物質はさらなる操作を行うことなく脱保護に
かける。TLC:R=0.4(クロロホルム−メタノール−水;6:4:1)
。LRESI−MS、C79911128Clの計算値:1711.5
;[M+H]=1713;[M−バンコサミン+H]=1488;[M−二
糖+H]=1268。
【0136】 例14:アリルN,N’−ジaloc−グルコース−C6−N−ミリストイル
バンコマイシン(XXV)
【0137】 N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)(63mg、0.55mmol)お
よびトリエチルアミン(69μL、0.5mmol)の1mLアセトニトリルの
撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下、4℃で、ミリストイルクロリド(135μL、
0.5mmol)の1mLアセトニトリル−ジクロロメタン(1:1)の溶液に
加える。30分後、冷却浴を除去し、混合物を室温でさらに2時間撹拌する。撹
拌を停止し、トリエチルアンモニウムクロリド沈降物を静置すると、0.23M
のNHS活性化エステル溶液が得られる。
【0138】 アミン(XVIII)(15mg、0.009mmol)の0.6mL無水DM
Fの撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下で、上記で調製した50μLの0.23M
NHS活性化エステル溶液(0.01mmol)を加える。8時間後、反応混合
物を、10mLジエチルエーテルへの添加により沈降させる。得られた懸濁液を
遠心分離し、上清をデカントする。HPLC(方法A;50%〜100%アセト
ニトリルの線形勾配で40分間;流速=7.5mL/分)により分離すると、(
XXV)(10mg、60%)が得られる。保持時間=26分間。TLC:R =0.75(クロロホルム−メタノール−水;6:4:1)。LRESI−MS
、C911141028Clの計算値:1864.7;[M+Na]
=1888;[M−バンコサミン+H]=1640;[M−二糖+H]=1
268。
【0139】 例15:アリルN,N’−ジaloc−グルコース−C6−N−2−ヨード−
ベンゾイルバンコマイシン(XXVI)
【0140】 N−ヒドロキシスクシンイミド(84mg、0.73mmol)およびトリエ
チルアミン(92.5μL、0.66mmol)の1.5mLアセトニトリルの撹
拌溶液に、アルゴン雰囲気下、4℃で、2−ヨードベンゾイルクロリド(177
mg、0.66mmol)の0.8mLアセトニトリル溶液を加える。30分後、
冷却浴を除去し、混合物を室温でさらに1時間撹拌する。撹拌を停止し、トリエ
チルアンモニウムクロリドを静置すると、0.28MのNHS活性化エステル溶
液が得られる。
【0141】 アミン(XVIII)(7mg、0.004mmol)の0.6mL無水DMF
の撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下で、上記で調製した22μLの0.28M N
HS活性化エステル溶液(0.006mmol)を加える。1時間後、追加の3
0μLの0.28M NHS活性化エステル溶液を加え溶液をさらに14時間撹
拌する。反応混合物を14mLジエチルエーテルへの添加により沈降させる。懸
濁液を遠心分離し、上清をデカントする。HPLC(方法A;20%〜70%ア
セトニトリルの線形勾配で40分間;流速=7.5mL/分)により分離すると
、(XXVI)(5mg、66%)が得られる。保持時間=26分間。TLC:
=0.6(クロロホルム−メタノール−水;50:21:4)。LRESI
−MS、C84911028Clの計算値:1884.4;[M+
Na]=1907;[M−バンコサミン+Na]=1681;[M−二糖+
H]=1268。
【0142】 例16:アリルN,N’−ジaloc−グルコース−C6−N−2−キノキサ
ロイルバンコマイシン(XXVII)
【0143】 N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)(27mg、0.23mmol)お
よびトリエチルアミン(29.7μL、0.21mmol)の0.6mLアセトニ
トリルの撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下、4℃で、2−キノキサロイルクロリド
(41mg、0.21mmol)の1.0mLアセトニトリル溶液を加える。10
分後、冷却浴を除去し、混合物を室温で30分間撹拌する。混合物を4℃まで冷
却し、撹拌を停止し、トリエチルアンモニウムクロリドを静置すると、0.12
MのNHS活性化エステル溶液が得られる。
【0144】 アミン(XVIII)(46mg、0.026mmol)の0.5mL無水DM
Fの撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下で、上記で調製した325μLの0.12M
NHS活性化エステル溶液(0.04mmol)を加える。45分後、反応混
合物を25mLジエチルエーテルへの添加により沈降させ、懸濁液を遠心分離し
、上清をデカントする。HPLC(方法A;30%〜80%アセトニトリルの線
形勾配で40分間;流速=7.5mL/分)により分離すると、(XXVII)
(35mg、74%)が得られる。保持時間=24分間。TLC:R=0.6
3(クロロホルム−メタノール−水、50:21:4)。LRESI−MS、C 86921228Clの計算値:1810.6;[M+Na]=18
34;[M−バンコサミン+H]=1586;[M−二糖+H]=1268
【0145】 例17:アリルN,N’−ジaloc−グルコース−C6−N−4−(4−クロ
ロフェニル)ベンゾイルバンコマイシン(XXVIII)
【0146】4−(4−クロロフェニル)安息香酸
【0147】 4−(4−クロロフェニル)ベンズアルデヒド(0.84g、3.9mmol)の
30mLアセトニトリル−アセトン(2:1)の撹拌溶液に、15mL水および
固体重炭酸ナトリウム(3.5g、41.7mmol)を加える。5分後、25m
Lの酸化試薬溶液(オキソン:4.8g、4×10−4M EDTAを含む25
mL水中7.8mmol)を15分間かけて滴下して加え、次いで、さらに3.5
時間撹拌する。次いで、反応混合物を18mLの亜硫酸水素ナトリウム水溶液(
9.5g)で処理し、2時間撹拌し、次いで、10mL 6M HClで酸性と
する。混合物を分液漏斗に移し、300mLジクロロメタンおよび400mL水
で希釈する。水層をジクロロメタン(3×120mL)で洗浄し、有機層を合わ
せ、次いで、500mL水で洗浄する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ
過し、減圧下で蒸発させる。所望の酸をアセトン−水(5:2)から再結晶し、
ろ過し、水で洗浄し、減圧下でトルエンから蒸発させると、0.6gの生成物が
得られる。残留生成物は、クロマトグラフィーにより単離し得るが、得られた量
は満足の行くものである。TLC:R=0.3(クロロホルム−メタノール;
10:1)。前記の手順は、Webb等、Tetrahedron、1988、54、401-410から適応
させる。
【0148】 4−(4−クロロフェニル)安息香酸(5.3mg、0.023mmol)の0.
4mL無水DMFの撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下で、1−ヒドロキシベンゾト
リアゾール(HOBt)(4mg、0.03mmol)、次いで、DIEA(1
0μL、0.06mmol)を加える。10分後、溶液をPyBOP(10mg
、0.02mmol)で処理し、さらに30分間撹拌する。TLCにより、痕跡
量の出発物質の酸および1つの新規な生成物(HOBt活性化エステルと期待さ
れる)が示され、試薬貯蔵溶液(活性化酸中約57mM)が得られる。
【0149】 アミン(XVIII)(21mg、0.012mmol)の0.25mL無水D
MFの撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下で、DIEA(2μL、0.012mmo
l)を加える。溶液を5分間撹拌し、次いで、0.3mLの57mM活性化酸溶
液で処理する。20分後、反応液を20mLジエチルエーテルへの添加により沈
降させ、得られた懸濁液を遠心分離し、上清をデカントし、残留溶媒をアルゴン
気流下で除去する。HPLC(方法A;35%〜80%アセトニトリルの線形勾
配で40分間;流速=7.5mL/分)により分離すると、(XXVIII)(
18mg、82%)が得られる。保持時間=26分間。TLC:R=0.7(
クロロホルム−メタノール−水;50:21:4)。LRESI−MS、C90951028Clの計算値:1868.5;[M+Na]=1892
;[M−バンコサミン+H]=1669;[M−二糖+H]=1268。
【0150】 例18:化合物XIX〜XXVIIIの脱保護
【0151】アリル/Aloc除去の一般的手順
【0152】 グリコペプチドのDMF−酢酸(4:3または1:1)の溶液に、(PhP) Pd(II)Cl(触媒)を加える。激しく撹拌しながら、BuSnHを、
2〜10分毎に、5〜10モル等量ずつ、TLC(クロロホルム−メタノール−
水;6:4:1)が、全グリコペプチド生成物が基線を示すまで加える。二層混
合物を、ジエチルエーテルへの添加により沈降させ、懸濁液を遠心分離し、上清
をデカントする。白色固体を減圧下またはアルゴン気流により乾燥させ、残留ジ
エチルエーテルを除去し、水に溶かし、次いで、ろ過して、全ての残留触媒また
は疎水性塩を除去する。HPLCによる分離は、個々の化合物について記載した
通りに実施する。
【0153】 a)グルコース−C6−N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコマイシ
ン(XXIX)
【0154】 化合物(XIX)(8.5mg、0.0046mmol)の脱保護は、アリル/
aloc除去の一般的手順で記載した通りに実施する。HPLC(方法B;5%
〜50%アセトニトリルの線形勾配で40分間;流速=7.5mL/分)により
分離すると、(XXIX)(7mg、95%)が得られる。保持時間=27分間
。LRESI−MS、C79851023Clの計算値:1646.5
;[M+H]=1648;[M−二糖+H]=1143。
【0155】 注記:(XXIX)の形成については(XLVIII)の調製も参照。
【0156】 b)グルコース−C6−N−5−(4−クロロフェニル)フラン−1−メチレン
バンコマイシン(XXX)
【0157】 化合物(XX)(31mg、0.017mmol)の脱保護は、アリル/al
oc除去の一般的手順に記載した通りに実施する。HPLC(方法B;5%〜6
0%アセトニトリルの線形勾配で40分間;流速=7.5mL/分)により分離
すると、(XXX)(27mg、92%)が得られる。保持時間=26分間。L
RESI−MS、C77831024Clの計算値:1636.5;[
M+H]=1638;[M−二糖+H]=1143。
【0158】 c)グルコース−C6−N−デシルバンコマイシン(XXXI)
【0159】 化合物(XXI)(2mg、0.001mmol)の脱保護は、アリル/al
oc除去の一般的手順に記載の通りに実施する。HPLC(方法B;0%〜60
%アセトニトリルの線形勾配で40分間;流速=8mL/分)により分離すると
、(XXXI)(2mg、95+%)が得られる。保持時間=25分間。LRE
SI−MS、C76961023Clの計算値:1586.6;[M+
H]=1588;[M−二糖+H]=1143。
【0160】 d)グルコース−C6−N−チオカルボニルメチルアミノバンコマイシン(X
XXII)
【0161】 化合物(XXII)(6mg、0.003mmol)の脱保護は、アリル/a
loc除去の一般的手順に記載の通りに実施する。HPLC(方法B;0%〜5
0%アセトニトリルの線形勾配で40分間;流速=7.5mL/分)により分離
すると、(XXXII)(1mg、17%)が得られる。保持時間=21分間。
LRESI−MS、C68791123Clの計算値:1519.
5;[M+H]=1521;[M−バンコサミン+H]=1739;[M−
二糖+H]=1143。
【0162】 e)グルコース−C6−N−(チオフェン−2−カルボキシアミド)バンコマイ
シン(XXXIII)
【0163】 化合物(XXIII)(6.3mg、0.0034mmol)の脱保護は、アリ
ル/aloc除去の一般的手順に記載の通りに実施する。HPLC(方法B;0
%〜50%アセトニトリルの線形勾配で40分間;流速=7.5mL/分)によ
り分離すると、(XXXII)(5mg、97%)が得られる。保持時間=23
分間。LRESI−MS、C71781024Clの計算値:15
56.5;[M+H]=1558;[M−バンコサミン+H]=1415;
[M−二糖+H]=1143。
【0164】 f)グルコース−C6−N−(グリシン−カルボキシアミド)バンコマイシン(
XXXIV)
【0165】 化合物(XXIV)(14mg、記載のように不純物を含む)の脱保護を、ア
リル/aloc除去の一般的手順に記載の通りに実施する。HPLC(方法B;
0%〜35%アセトニトリルの線形勾配で40分間;流速=7.5mL/分)に
より分離すると、(XXXIV)(8mg、57%)が得られる。保持時間=2
2分間。LRESI−MS、C68791124Clの計算値:150
3.5;[M+H]=1505;[M−バンコサミン+H]=1362;[
M−二糖+H]=1143。
【0166】 g)グルコース−C6−N−ミリストイルバンコマイシン(XXXV)
【0167】 化合物(XXV)(10mg、0.005mmol)の脱保護は、アリル/a
loc除去の一般的手順に記載の通りに実施する。HPLC(方法B;15%〜
75%アセトニトリルの線形勾配で40分間;流速=7.5mL/分)により分
離すると、(XXXV)(8mg、89%)が得られる。保持時間=27分間。
LRESI−MS、C801021024Clの計算値:1656.6
;[M+H]=1658;[M−バンコサミン+H]=1517;[M−二
糖+H]=1143。
【0168】 h)グルコース−C6−N−2−ヨードベンゾイルバンコマイシン(XXXV
I)
【0169】 化合物XXVI(4mg、0.002mmol)の脱保護を、アリル/alo
c除去の一般的手順に記載の通りに実施する。HPLC(方法B;0%〜50%
アセトニトリルの線形勾配で40分間;流速=7.5mL/分)により分離する
と、(XXXVI)(3mg、89%)が得られる。保持時間=23分間。LR
ESI−MS、C73791024Clの計算値:1676.4;
[M+H]=1678;[M−バンコサミン+H]=1535;[M−二糖
+H]=1143。
【0170】 i)グルコース−C6−N−2−キノキサロイルバンコマイシン(XXXVI
I)
【0171】 化合物(XXVII)(30mg、0.017mmol)の脱保護を、アリル
/aloc除去の一般的手順に記載の通りに実施する。HPLC(方法B;5%
〜60%アセトニトリルの線形勾配で40分間;流速=7.5mL/分)により
分離すると、(XXXVII)(28mg、98%)が得られる。保持時間=2
2分間。LRESI−MS、C75801224Clの計算値:160
2.5;[M+H]=1605;[M−バンコサミン+H]=1460;[
M−二糖+H]=1143。
【0172】 j)グルコース−C6−N−4−(4−クロロフェニル)ベンゾイルバンコマイ
シン(XXXVIII)
【0173】 化合物(XXVIII)(10mg、0.005mmol)の脱保護を、アリ
ル/aloc除去の一般的手順に記載の通りに実施する。HPLC(方法B;1
0%〜60%アセトニトリルの線形勾配で40分間;流速=7.5mL/分)に
より分離すると、(XXXVIII)(8mg、90%)が得られる。保持時間
=24分間。LRESI−MS、C79831024Clの計算値:1
660.5;[M+H]=1663;[M−バンコサミン+H]=1520
;[M−二糖+H]=1143。
【0174】 例19:グルコース−C6−5−クロロ−2−ヒドロキシ−ベンジルアミンバ
ンコマイシン(XXXIX)
【0175】
【化4】
【0176】 a)N,N’−ジaloc−アリル−グルコース−C6−5−クロロ−2−ヒ
ドロキシ−ベンジルアミンバンコマイシン
【0177】 N,N’−ジaloc−アリル−グルコース−C6−アミンバンコマイシンA
cOH塩(XVIII、193.7mg、0.113mmol)を、乾燥DMF(
5mL)に溶かし、DIEA(10.7mL、0.117mmol)を加える。混
合物を70℃でAr下で撹拌する。1.5時間後、5−クロロサリチルアルデヒ
ド(11mg、0.0703mmoL)を加えると、溶液は黄色に変わる。混合
物を1時間撹拌し、次いで、NaBHCN(0.117mL、1M−THF、
0.117mmoL)を加える。混合物をさらに2時間撹拌し、次いで、室温ま
で冷却する。混合物を蒸発させ、残渣をODS−HPLC(LUNA5mC18
(2)、21.2×250mm、UV=285nm、A:0.1%AcOH/H
、B:0.1%AcOH/MeCN、20〜60%B0〜30分、8mL/分、
=25分間)により精製すると、AcOH塩として白色無定形の標題化合物
が得られる(64.3mg、0.0346mmol、31%)。LRESI−MS
1796(M+2H、C8495 35Cl1028、1569(M
−alocバンコサミン+2H)、1267(M−alocバンコサミン−グ
ルコース+H)
【0178】
【化5】
【0179】 b)グルコース−C6−5−クロロ−2−ヒドロキシ−ベンジルアミンバンコ
マイシン(XXXIX)
【0180】 N,N’−ジaloc−アリル−グルコース−C6−5−クロロ−2−ヒドロ
キシ−ベンジルアミンバンコマイシン(64.3mg、0.0346mmol)を
乾燥DMF/AcOH(1/1)(2mL)で溶かす。Pd(PPh)Cl (1.2mg、0.00171mmol)を加え、次いで、混合物を室温でAr下
で撹拌する。BuSnH(10mL)を約5〜20分毎に加える。5時間後、
反応は完了する。エーテルを加え、3回遠心分離する。残渣をODS−HPLC
(LUNA5mC18(2)、21.2×250mm、UV=285nm、A:0.
1%TFA/HO、B:MeCN、50分間かけて0〜50%B、8mL/分
、t=14分間)により精製すると、TFA塩として白色の無定形物が得られ
る(XXXIX、15.2mg、0.00893mmol、26%)。LRESI
−MS1588(M+2H、C7383 35Cl1024、114
3(M−バンコサミン−グルコース+H)
【0181】 例20:グルコース−C6−トリフルオロアセトアミドバンコマイシン(XL
【0182】
【化6】
【0183】 a)N,N’−ジaloc−アリル−グルコース−C6−トリフルオロアセト
アミドバンコマイシン
【0184】 N,N’−ジaloc−アリル−グルコース−C6−アミンバンコマイシン(
XVIIIのAcOH塩)(13.1mg、0.00768mmol)を乾燥ピリ
ジン(0.5mL)に溶かす。混合物を0℃で撹拌する。無水トリフルオロ酢酸
(1.7mL、0.012mmol)を加える。6時間後、追加の10mLの無水
トリフルオロ酢酸を加え、次いで反応は完了する。混合物をODSショートカラ
ムを通過させ、次いで、ODS−HPLC(LUNA5mC18(2)、21.2
×250mm、UV=285nm、A:0.1%TFA/HO、B:MeCN
、20〜50〜100%B0〜30〜40分、8mL/分、t=34分間)に
より精製すると、標題化合物が白色無定形固体として得られる(5.6mg、0.
00302mmol、39%)。LRESI−MS1756(M+6H、C7993 35Cl1028、1507(M−alocバンコサミン
−O+H)
【0185】
【化7】
【0186】 b)グルコース−C6−トリフルオロアセトアミドバンコマイシン(XL) N,N’−ジaloc−アリル−グルコース−C6−トリフルオロアセトアミ
ドバンコマイシン(5.3mg、0.00302mmol)を乾燥DMF/AcO
H(1/1)(1mL)に溶かす。Pd(PPh)Cl(1.0mg、0.0
0142mmol)を加え、次いで、混合物をAr下で室温で撹拌する。Bu SnH(0.1mL)を、約20分毎に加える。4時間後、反応は完了する。ジ
エチルエーテルを加え、次いで混合物を2回遠心分離する。残渣をODS−HP
LC(LUNA5mC18(2)、21.2×250mm、UV=285nm、A
:0.1%TFA/HO、B:MeCN、30分間かけて0〜30%B、8m
L/分、t=14分間)により精製すると、(XL)が白色無定形TFA塩(
13、0.2mg、0.000121mmol、4%)として得られる。LRES
I−MS1543(M+H、C6876 35Cl1024、1
400(M−バンコサミン+H)、1143(M−バンコサミン−グルコース
+H)
【0187】 例21:グルコース−C6−メシチレンスルホニルバンコマイシン(XLI)
【0188】 メシチレンスルホニル誘導体(XVI)(52mg、0.028mmol)の
3mL無水DMFの撹拌溶液に、2mL酢酸、次いで(PhP)Pd(II)C
(触媒)を加える。この溶液を水素化トリブチルスズ(20分間、5分間隔
で20μLを添加)で処理し、その後、TLCによりほとんどの反応が示される
。最後の添加から5分後、0.45mLのBuSnHを一度に加える。反応液
は暗く変わり、TLC(クロロホルム−メタノール−水;6:4:1)により、
全てのグリコペプチドの基線が示される。二層混合物を0.5mLメタノールお
よび5mLジエチルエーテルで希釈し、5分間撹拌する。溶液を90mLジエチ
ルエーテル(3つの遠心チューブ中で3×30mL)への添加により沈降させる
。得られた懸濁液を遠心分離し、上清をデカントし、残留ジエチルエーテルをア
ルゴン気流下で除去する。固体を水(1チューブあたり約5mL)に溶かし、4
℃で5時間貯蔵し、ろ過して、残留触媒または疎水性塩を除去する。水溶液を合
わせ、減圧下で容量を減少させ、HPLC(方法B;0%〜60%アセトニトリ
ルの線形勾配で40分間;流速=7.5mL/分)による分離により、(XLI
)(44mg、90%)が得られる。保持時間=24分間。LRESI−MS、
758526Cl:1629.5;[M+H]=1631;
[M−バンコサミン+H]=1488;[M−二糖+H]=1143。
【0189】 例22:N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコサミン−グルコース−
C6−2−メシチレンスルホン化バンコマイシン(XLII)
【0190】
【化8】
【0191】 グルコース−C6−2−メシチレンスルホン化バンコマイシンTFA塩(XL
I)(100.0mg、0.0573mmol)を乾燥DMF(2mL)に溶かし
、湿潤DIEA(50mL、0.547mmol)を加え、混合物を75℃で0.
5時間安定化させる。4−(4−クロロフェニル)ベンジルカルボキシアルデヒド
(10.6mg、0.0490mmol)を加え、反応混合物を75℃で2時間撹
拌し、次いで、NaBHCN(0.3mL、1M−THF、0.3mmoL)を
加える。混合物をさらに2時間撹拌し、室温まで冷却し、ろ過し、ODS−HP
LC(LUNA5mC18(2)、21.2×250mm、UV=285nm、A
:0.1%TFA/HO、B:MeCN、10〜60%B0〜30分、8mL
/分、t=27分間)により精製すると、白色無定形固体として(XLI)(
37.7mg、0.0194mmol、35%)、およびTFA塩として出発物質
(26.7mg、0.0153mmol、27%)が得られる。LRESI−MS
1831(M+2H、C8896 35Cl26S)、1488(M
−N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコサミン+2H)、1143(
M−N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコサミン−グルコース+H)
【0192】 例23:N−デシルバンコサミン−グルコース−C6−2−メシチレンスルホ
ン化バンコサミン(XLIII)
【0193】
【化9】
【0194】 グルコ−ス−C6−2−メシチレンスルホン化バンコマイシンTFA塩(XL
I)(101.5mg、0.0528mmol)を湿潤DMF(5mL)に溶かし
、DIEA(28mL、0.306mmol)を加え、混合物を70℃で0.5時
間安定化させる。デシルアルデヒド(9.30mL、0.0494mmol)を加
え、反応混合物を70℃で1.5時間撹拌し、次いで、NaBHCN(0.3m
L、1M−THF、0.3mmoL)を加える。混合物をさらに2時間撹拌し、
次いで、室温まで冷却する。混合物を蒸発させ、残渣をODS−HPLC(LU
NA5mC18(2)、21.2×250mm、UV=285nm、A:0.1%T
FA/HO、B:MeCN、10〜10〜60〜100%B0〜5〜30〜4
0分、8mL/分、t=29分間)により精製すると、白色の無形定物(XL
III)(18.9mg、0.010mmol、17%)および出発物質(17.
2mg、0.00985mmol、10%)がTFA塩として得られる。LRE
SI−MS1771(M+2H、C85107 35Cl26S)
1488(M−バンコサミン+2H)、1144(M−N−デシルバンコサミ
ン−グルコース+2H)
【0195】 例24:グルコース−C6−ヒドラジンバンコマイシン(XLIV)
【0196】
【化10】
【0197】 グルコース−C6−2−メシチレンスルホン化バンコマイシン(XLI)(1
0.0mg、0.00527mmol)およびヒドラジン(50mL、0.001
59mmol)を、乾燥DMF(0.5mL)で溶かす。混合物を45℃で撹拌
する。2.5時間後、溶媒を真空除去する。より長い反応時間で化合物は分解す
る。残渣をODS−HPLC(LUNA5mC18(2)、21.2×250mm
、UV=285nm、A:0.1%TFA/HO、B:MeCN、30分間か
けて0〜30%B、8mL/分、t=18分間)により精製すると、白色の無
定形TFA塩(XLIV)(1.2mg、0.000761mmol、14%)が
得られる。LRESI−MS1462(M+H、C6678 35Cl1123、1321(M−バンコサミン+3H)、1143(M−バンコサ
ミン−グルコース+H)
【0198】 例25:グルコース−C6−1−ピレンスルホン化バンコマイシン(XLV)
【0199】
【化11】
【0200】 N,N’−ジaloc−アリル−バンコマイシン(III)(25.0mg、0
.0151mmol)を乾燥ピリジン(1mL)に溶かす。混合物を4℃で冷蔵
庫中で撹拌し、1−ピレンスルホニルクロリド(13.6mg、0.0452mm
ol)をピリジン(0.5mL)と共に加える。4℃で暗闇中で撹拌する。57
時間後、追加の3等量の2−メシチレンスルホニルクロリドをピリジン(5mL
)と共に加える。全70時間後、MeOH(0.5mL)で反応液をクエンチし
、エーテル(10mL)を加える。遠心分離し、層を除去する(2回)。残渣を
ODS−HPLC(LUNA5mC18(2)、21.2×250mm、UV=2
85nm、A:0.1%AcOH/HO、B:0.1%AcOH/MeCN、4
0〜80%B0〜30分、8mL/分、t=22分間)により精製すると、白
色の無定形物が得られる。生成物を乾燥DMF/AcOH(1/1)(1mL)
に溶かす。Pd(PPh)Cl(触媒)を加え、次いで、混合物を室温でA
r下で撹拌する。BuSnH(0.2mL)を約5分毎に加える。3時間後に
、反応は完了する。エーテルを加え、次いで2回遠心分離する。混合物をろ過し
、ODS−HPLC(LUNA5mC18(2)、21.2×250mm、UV=
285nm、A:0.1%TFA/HO、B:MeCN、0〜50〜100%
B0〜30〜50分、8mL/分、t=31分間)により精製すると、TFA
塩として白色の無定形物(XLV)(4.5mg、0.00246mmol、5.
4%、2段階)が得られる。LRESI−MS1713(M+2H、C82 35 Cl26S)、1570(M−バンコサミン+2H)、11
44(M−バンコサミン−グルコース+2H)
【0201】 例26:グルコース−C6−アジドバンコマイシン(XLVI)
【0202】
【化12】
【0203】 N,N’−ジaloc−アリル−グルコース−C6−アジドバンコマイシン(
XVII)(19.5mg、0.0116mmol)を乾燥DMF/AcOH(1
/1)(1mL)で溶かす。Pd(PPh)Cl(1.0mg、0.0014
2mmol)を加え、次いで、混合物をAr下で室温で撹拌する。BuSnH
(0.1mL)を約20分毎に加える。4時間後、反応は完了する。エーテルを
加え、混合物を2回遠心分離する。残渣をODS−HPLC(LUNA5mC1
8(2)、21.2×250mm、UV=285nm、A:0.1%TFA/H
、B:MeCN、30分間かけて0〜30%B、8mL/分、t=13分)に
より精製すると、TFA塩として白色無形定物(XLVI)(6.3mg、0.0
040mmol、34%)が得られる。LRESI−MS1473(M+H、C 6675 35Cl1223、1331(M−バンコサミン+2H) 、1143(M−バンコサミン−グルコース+H)
【0204】 例27:グルコース−C6−アミンバンコマイシン(XLVII)
【0205】 アミン(XVIII)(18mg、0.01mmol)の、0.8mL酢酸を含
む1mL無水DMFの溶液に、(PhP)Pd(II)Cl(触媒)を加える
。BuSnHの撹拌溶液に、20μLアリコートを2分毎に8分間で、次いで
、40μLアリコートを2分毎に6分間で加え、その後、BuSnHを添加す
ると、暗い反応混合物が得られ、TLC(クロロホルム−メタノール−水、6:
4:1)により、全てのグリコペプチドが基線にあることが示される。粗混合物
を20mLのジエチルエーテルへの添加により沈降させ、懸濁液を遠心分離し、
上清をデカントする。白色固体を減圧下で乾燥させ、残留ジエチルエーテルを除
去し、水(約5mL)に溶かし、ろ過して、全ての残留触媒または疎水性塩を除
去する。HPLC(方法B;0%〜40%のアセトニトリルの線形勾配で40分
間;流速7.5mL/分)による分離により、(XLVII)(15mg、96
%)が得られる。保持時間=23分間。LRESI−MS、C66761023Clの計算値:1446.5; [M+H]=1448;[M−バン
コサミン+H]=1305;[M−二糖+H]=1143。
【0206】 例28:グルコース−C6−N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコサ
ミン−N4−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコマイシン(XLVIII
【0207】 (XVIII)(10mg、0.007mmol)の0.4mL無水DMFの撹
拌溶液に、アルゴン雰囲気下で、DIEA(6μL、0.035mmol)を加
える。5分後、4−4−(4−クロロフェニル)ベンジルカルボキシアルデヒド(
1.5mg、0.007mmol)を加え、混合物を65℃で1時間撹拌する。次
いで、シアノボロハイドライドナトリウム(3mg、0.05mmol)を加え
、混合物をさらに5時間65℃で撹拌する。反応液を室温まで冷却し、15mL
のジエチルエーテルへの添加により沈降させる。得られた懸濁液を遠心分離し、
上清をデカントする。残留ジエチルエーテルをアルゴン気流下で除去する。HP
LC(方法B;10%〜65%のアセトニトリルの線形勾配で40分間;流速7
.5mL/分)による分離により、(XLVIII)(2mg、15%)(保持
時間=27分間)および(XXIX)(3mg、26%)(これは以前に調製し
たものと同一である)が得られる。LRESI−MS、C929410 Clの計算値:1846.5; [M+H]=1848;[M−二糖+H
=1143。
【0208】 例29:グルコース−C6−N−5−(4−クロロフェニル)フラン−1−メチ
レン−バンコサミン−N−デシルバンコマイシン(XLIX)
【0209】 グルコース−C6−N−5−(4−クロロフェニル)フラン−1−メチレン誘導
体(XXX)(8.8mg、0.005mmol)の0.5mL無水DMFの撹拌
溶液に、アルゴン雰囲気下で、DIEA(4.4μL、0.025mmol)、次
いでデシルアルデヒド(0.85μL、0.0045mmol)を加え、溶液を7
0℃で2時間撹拌する。次いで、シアノボロハイドライドナトリウム(2mg、
0.03mmol)を加え、混合物をさらに2時間70℃で撹拌する。混合物を
室温まで冷却し、8mLジエチルエーテルへの添加により沈降させる。得られた
懸濁液を遠心分離し、上清をデカントし、残留ジエチルエーテルをアルゴン気流
下で除去する。HPLC(方法B;20%〜80%のアセトニトリルの線形勾配
で35分間;流速7.5mL/分)による分離により、(XLIX)(1mg、
12%)が得られる。保持時間=19分間。LRESI−MS、C871031024Clの計算値:1776.6; [M+H]=1778;[M
−二糖+H]=1143。
【0210】 例30:グルコース−C6−N−5−(4−クロロフェニル)フラン−1−メチ
レン−バンコサミン−N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコマイシン(
L)
【0211】 グルコース−C6−N−5−(4−クロロフェニル)フラン−1−メチレン誘導
体(XXX)(8.4mg、0.005mmol)の0.5mL無水DMFの撹拌
溶液に、アルゴン雰囲気下で、DIEA(4.2μL、0.024mmol)、つ
いで、4−4−(4−クロロフェニル)ベンジル−カルボキシアルデヒド(0.9
mg、0.004mmol)を加え、溶液を70℃で2時間撹拌する。次いで、
シアノボロハイドライドナトリウム(2.5mg、0.04mmol)を加え、混
合物をさらに2時間70℃で撹拌する。混合物を室温まで冷却し、8mLジエチ
ルエーテルへの添加により沈降させる。得られた懸濁液を遠心分離し、上清をデ
カントし、残留ジエチルエーテルをアルゴン気流下で除去する。HPLC(方法
B;12%〜60%のアセトニトリルの線形勾配で40分間;流速7.5mL/
分)による分離により、(L)(2.5mg、28%)(保持時間=29分間)
および3.5mgの回収された出発物質が得られる。LRESI−MS、C90
921024Clの計算値:1836.5;[M+H]=1838;
[M−二糖+H]=1143。
【0212】 例31:グルコース−C6−N−2−キノキサロイル−バンコサミン−N−デ
シルバンコマイシン(LI)
【0213】 グルコース−C6−N−2−キノキサロイル誘導体(XXXVII)(11m
g、0.007mmol)の0.5mL無水DMFの撹拌溶液に、アルゴン雰囲気
下で、DIEA(6μL、0.035mmol)、次いでデシルアルデヒド(1.
1μL、0.006mmol)を加え、溶液を70℃で2時間撹拌する。次いで
、シアノボロハイドライドナトリウム(3mg、0.05mmol)を加え、溶
液をさらに2時間70℃で撹拌する。次いで、混合物を室温まで冷却し、15m
Lジエチルエーテルへの添加により沈降させる。得られた懸濁液を遠心分離し、
上清をデカントし、残留ジエチルエーテルをアルゴン気流下で除去する。HPL
C(方法B;5%〜70%のアセトニトリルの線形勾配で40分間;流速7.5
mL/分)による分離により、(LI)(5mg、40%)(保持時間=32分
間)が得られる。LRESI−MS、C851001224Clの計算
値:1742.6;[M+H]=1744;[M−二糖+H]=1143。
【0214】 例32:グルコース−C6−N−2−キノキサロイル−バンコサミン−N−4
−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコマイシン(LII)
【0215】
【化13】
【0216】 グルコース−C6−N−2−キノキサロイル誘導体(XXXVII)(10.
3mg、0.006mmol)の0.4mL無水DMFの撹拌溶液に、アルゴン雰
囲気下で、DIEA(5.2μL、0.03mmol)、次いで、4−4−(4−
クロロフェニル)ベンジルカルボキシアルデヒド(1.2mg、0.0055mm
ol)を加え、溶液を70℃で100分間撹拌する。シアノボロハイドライドナ
トリウム(2.5mg、0.04mmol)を加え、混合物をさらに2.5時間7
0℃で撹拌する。混合物を室温まで冷却し、15mLジエチルエーテルへの添加
により沈降させる。得られた懸濁液を遠心分離し、上清をデカントし、残留ジエ
チルエーテルをアルゴン気流下で除去する。HPLC(方法B;5%〜70%の
アセトニトリルの線形勾配で40分間;流速7.5mL/分)による分離により
、(LII)(3.3mg、30%、3mgの回収された出発物質に基づき60
%)(保持時間=29分間)が得られる。LRESI−MS、C8889 24Clの計算値:1802.5;[M+H]=1804;[M−二糖
+H]=1143。
【0217】 例33:グルコース−C6−チオプロピアナトバンコマイシン(LIII)
【0218】 メシチレンスルホニル誘導体(XLI)でのチオレート置換の一般的手順
【0219】 メシチレンスルホニル誘導体(XLI)(10〜100mg)の0.5〜4m
L無水DMFの撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下で、粉末炭酸カリウム(20〜3
0モル等量)を加える。得られた懸濁液に、チオール(10〜20モル等量)を
加え、混合物を60〜65℃で、分析HPLCが9の消失を示すまで撹拌する。
懸濁液を室温まで冷却し、0.5〜1mLメタノールで希釈し、ろ過(0.45m
)し、カーボネートを除去し、次いで、ろ液を減圧下で蒸発させる。次いで、H
PLCによる分離を実施する。
【0220】 メシチレンスルホニル誘導体(XLI)(13mg、0.008mmol)を
、一般法に記載したように2−プロパンチオール(30μL、0.32mmol
)でチオレート置換する。HPLC(方法B;0%アセトニトリルで5分間、次
いで0%〜45%のアセトニトリルの線形勾配で40分間;流速7.5mL/分
)による分離により、(LIII)(8mg、66%)が得られる。保持時間=
37分間。LRESI−MS、C698123Clの計算値:1
505.5;[M+H]=1507;[M−バンコサミン+H]=1364
;[M−二糖+H]=1143。
【0221】 例34:グルコ−ス−C6−チオフェニルバンコマイシン(LIV)
【0222】 メシチレンスルホニル誘導体(XLI)(5mg、0.003mmol)を、
一般法に記載したようにチオフェノール(5μL、0.05mmol)でチオレ
ート置換する。HPLC(方法B;5%〜60%のアセトニトリルの線形勾配で
40分間;流速7.5mL/分)による分離により、(LIV)(3mg、67
%)が得られる。保持時間=19分間。LRESI−MS、C7279 23Clの計算値:1539.4;[M+H]=1540;[M−バン
コサミン+H]=1397;[M−二糖+H]=1143。
【0223】 例35:グルコース−C6−3−クロロチオフェニルバンコマイシン(LV)
【0224】 メシチレンスルホニル誘導体(XLI)(8mg、0.005mmol)を、
一般法に記載したように3−クロロチオフェノール(6μL、0.05mmol
)でチオレート置換する。HPLC(方法B;8%〜50%のアセトニトリルの
線形勾配で40分間;流速7.5mL/分)による分離により、(LV)(4m
g、51%)が得られる。保持時間=30分間。LRESI−MS、C72 23Clの計算値:1573.4;[M+H]=1574;[
M−バンコサミン+H]=1433;[M−二糖+H]=1143。
【0225】 例36:グルコース−C6−3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリア
ゾールバンコマイシン(LVI)
【0226】 メシチレンスルホニル誘導体(XLI)(7mg、0.004mmol)を、
一般法に記載したように3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール
(5mg、0.04mmol)でチオレート置換する。HPLC(方法B;0%
〜40%のアセトニトリルの線形勾配で40分間;流速7.5mL/分)による
分離により、(LVI)(4mg、65%)が得られる。保持時間=23分間。
LRESI−MS、C68771323Clの計算値:1545.
4;[M+H]=1547;[M−バンコサミン+H]=1404;[M−
二糖+H]=1143。
【0227】 例37:グルコース−C6−イミダゾールバンコマイシン(LVII) メシチレンスルホニル誘導体(XLI)(6mg、0.0034mmol)お
よびイミダゾール(18mg、0.26mmol)を、0.7mL無水DMF中で
、アルゴン雰囲気下、80℃で8時間撹拌する。混合物を室温まで冷却し、水で
希釈し、HPLC(方法B;0%〜50%のアセトニトリルの線形勾配で40分
間;流速7.5mL/分)による分離により、(LVII)(2.5mg、46%
)が得られる。保持時間=24分間。LRESI−MS、C697711 23Clの計算値:1497.5;[M+H]=1498;[M−バン
コサミン+H]=1357;[M−二糖+H]=1143。
【0228】 例38:グルコース−C6−5−チオ−1−メチル−テトラゾールバンコマイ
シン(LVIII)
【0229】
【化14】
【0230】 グルコース−C6−2−メシチレンスルホン化バンコマイシンTFA塩(XL
I)(10mg、0.00573mmol)、5−メルカプト−1−メチル−テ
トラゾール(14mg、0.121mmol)、およびKCO(17mg、
0.123mmol)を乾燥DMF(0.5mL)で溶かす。混合物を70℃で撹
拌する。4時間後、分析HPLCにより、反応の完了が示される。混合物をろ過
し、ODS−HPLC(LUNA5mC18(2)、21.2×250mm、U
V=285nm、A:0.1%TFA/HO、B:MeCN、0〜50%B0
〜30分、8mL/分、t=22分間)により精製すると、白色無定形TFA
塩として(LVIII)(3.4mg、0.00205mmol、36%)が得ら
れる。LRESI−MS1547(M+2H、C6879 35Cl13 23 S)、1404(M−バンコサミン+2H)、1144(M−バンコサ
ミン−グルコース+2H)
【0231】 例39:グルコース−C6−1−チオ−4−ブロモベンゼンバンコマイシン(
LIX)
【0232】
【化15】
【0233】 グルコース−C6−2−メシチレンスルホン化バンコマイシンTFA塩(XL
I)(10mg、0.00573mmol)、4−ブロモチオフェノール(22.
7mg、0.12mmol)、およびKCO(17mg、0.123mmol
)を乾燥DMF(0.5mL)に溶かす。混合物を70℃で撹拌する。1時間後
、分析HPLCにより、反応の完了が示される。混合物をろ過し、ODS−HP
LC(LUNA5mC18(2)、21.2×250mm、UV=285nm、
A:0.1%TFA/HO、B:MeCN、0〜50%B0〜30分、8mL
/分、t=27分間)により精製すると、白色無定形TFA塩として(LIX
)(3.2mg、0.00185mmol、32%)が得られる。LRESI−M
S1618(M+H、C7279 79Br35Cl23S)、14
75(M−バンコサミン+H)、1143(M−バンコサミン−グルコース+
H)
【0234】 例40:グルコース−C6−2−チオ−4−トリフルオロメチルピリジンバン
コマイシン(LX)
【0235】
【化16】
【0236】 グルコ−ス−C6−2−メシチレンスルホン化バンコマイシンTFA塩(XL
I)(10mg、0.00573mmol)、4−(トリフルオロメチル)−2−
ピリジンチオール(21.6mg、0.12mmol)、およびKCO(17
mg、0.123mmol)を乾燥DMF(0.5mL)で溶かす。混合物を65
℃で撹拌する。2時間後、分析HPLCにより、反応の完了が示される。混合物
をろ過し、ODS−HPLC(LUNA5mC18(2)、21.2×250m
m、UV=285nm、A:0.1%TFA/HO、B:MeCN、0〜50
〜100%B0〜30〜40分、8mL/分、t=35分間)により精製する
と、白色無定形TFA塩として(LX)(2.3mg、0.00133mmol、
23%)が得られる。LRESI−MS1613(M+4H、C7180 35 Cl1123S)、1143(M−バンコサミン−グルコース+H
【0237】 例41:グルコース−C6−2−チオ−4−アミノピリミジンバンコマイシン
(LXI)
【0238】
【化17】
【0239】 グルコース−C6−2−メシチレンスルホン化バンコマイシンTFA塩(XL
I)(17.5mg、0.0100mmol)、4−アミノ−2−メルカプトピリ
ミジン(26.1mg、0.12mmol)、およびKCO(17mg、0.
123mmol)を乾燥DMF(0.5mL)で溶かす。混合物を80℃で撹拌
する。1時間後、分析HPLCにより、反応の完了が示される。混合物をろ過し
、ODS−HPLC(COSMOSIL 5C18−AR、20×250mm、
およびLUNA5mC18(2)、21.2×250mm、UV=285nm、
A:0.1%TFA/HO、B:MeCN、0〜70%B0〜60分、8mL
/分、t=30分間)により精製すると、白色無定形TFA塩として(LXI
)(7.3mg、0.00436mmol、44%)が得られる。LRESI−M
S1557(M+H、C7079Cl1223S)、1414(M−
バンコサミン+H)、1143(M−バンコサミン−グルコース+H)
【0240】 例42:グルコース−C6−6−チオ−2,4−ジアミノピリミジンバンコマ
イシン(LXII)
【0241】
【化18】
【0242】 グルコース−C6−2−メシチレンスルホン化バンコマイシンTFA塩(LX
II)(13.3mg、0.00762mmol)、4−アミノ−2−メルカプト
ピリミジン(31.2mg、0.163mmol)、およびKCO(22.1
mg、0.160mmol)を乾燥DMF(0.5mL)で溶かす。混合物を80
℃で撹拌する。7時間後、分析HPLCにより、反応の完了が示される。混合物
をろ過し、ODS−HPLC(COSMOSIL 5C18−AR、20×25
0mm、およびLUNA5mC18(2)、21.2×250mm、UV=28
5nm、A:0.1%TFA/HO、B:MeCN、0〜70%B0〜60分
、8mL/分、t=36分間)により精製すると、白色無定形TFA塩として
(LXII)(10mg、0.00593mmol、78%)が得られる。LR
ESI−MS1573(M+2H、C7081 35Cl1323S) 、1430(M−バンコサミン+2H)、1143(M−バンコサミン−グル
コース+H)
【0243】 例43:グルコース−C6−2−チオ−4−アミノ−6−ヒドロキシピリミジ
ンバンコマイシン(LXIII)
【0244】
【化19】
【0245】 グルコース−C6−2−メシチレンスルホン化バンコマイシンTFA塩(XL
I)(10mg、0.00573mmol)、4,5−ジアミノ−6−ヒドロキシ
−2−メルカプトピリミジン(19.4mg、0.122mmol)、およびK CO(17mg、0.123mmol)を乾燥DMF(0.5mL)で溶かす。
混合物を65℃で撹拌する。5時間後、混合物をろ過し、ODS−HPLC(L
UNA5mC18(2)、21.2×250mm、UV=285nm、A:0.1
%TFA/HO、B:MeCN、0〜50〜100%B0〜30〜40分、8
mL/分、t=29分間)により精製すると、白色無定形TFA塩として(L
XIII)(1.0mg、0.000592mmol、10%)が得られる。LR
ESI−MS1574(M+2H、C7080 35Cl1224S) 、1431(M−バンコサミン+2H)、1143(M−バンコサミン−グル
コース+H)
【0246】 例44:グルコース−C6−2−チオ−6−アザチミンバンコマイシン(LX
IV)
【0247】
【化20】
【0248】 グルコース−C6−2−メシチレンスルホン化バンコマイシン(XLI)(1
75mg、0.1mmol)、6−アザ−2−チオチミン(307mg、2.1m
mol)、およびKCO(304mg、2.2mmol)を乾燥DMF(5
mL)で溶かす。混合物を80℃で撹拌する。5時間後、分析HPLCにより、
反応の完了が示される。溶媒を真空除去する。水を加え、混合物を遠心分離する
。残渣を、ODS−HPLC(COSMOSIL 5C18−AR、20×25
0mm、およびLUNA5mC18(2)、21.2×250mm、UV=28
5nm、A:0.1%TFA/HO、B:MeCN、0〜70%B0〜60分
、8mL/分、t=36分間)により精製すると、白色無定形TFA塩として
(LXIV)(79mg、0.047mmol、47%)が得られる。LRES
I−MS1573(M+H、C7079Cl1224S)、1430
(M−バンコサミン+H)、1143(M−バンコサミン−グルコース+H) 。298KでのDMSO−d中でのH−NMRデータ;δ0.84(3H
、d、J=6.5Hz、1d)、0.90(3H、d、J=6.5Hz、1c)、
1.09(3H、d、J=6.0Hz、V6)、1.30(3H、s、V7)、1.
52(2H、m、1a)、1.70(1H、br d、J=8.5Hz、V2e)
、1.72(1H、m、1b)、1.90(1H、br d、J=8.5Hz、V
2a)、2.08(3H、s、アザチミン−6)、2.15(1H、m、3a)、
2.41(1H、m、3a)、2.42(3H、s、1e)、3.17(1H、b
r s、V4)、3.50〜3.56(5H、m、G2〜6)、3.63(1H、
m、×1)、4.20(1H、br s、×6)、4.37(1H、m、×3)、
4.44(2H、br s、×5および×7)、4.65(1H、br d、J=
5.0Hz、V5)、4.92(1H、br s、×2)、5.10(1H、s、
z6)、5.18(1H、s、z2)、5.19(1H、s、4f)、5.24(
2H、s、V1およびG1)、5.40(2H、br s、G3OHおよびG4
OH)、5.55(1H、s、4b)、5.73(1H、br s、×4)、5.
80(1H、br s、Z2OH)、5.94(1H、br s、Z6OH)、
6.25(1H、s、7f)、6.40(1H、s、7d)、6.90(1H、m
、w3およびw6)、6.72(1H、d、J=9.0Hz、5e)、6.78(
1H、d、J=9.0Hz、5f)、7.19(1H、s、5b)、7.32(1
H、m、2e)、7.39(1H、m、2b)、7.46(1H、d、J=8.5
Hz、6e)、7.51(1H、d、J=8.5Hz、6f)、7.60(1H、
m、2f)、7.85(1H、s、6b)、8.49(2H、br s、w5およ
びw7)、8.66(1H、br s、w4)、9.10(1H、br s、7c
OH)、9.17(1H、br s、5dOH)、9.44(1H、br s、7
eOH)。
【0249】
【化21】
【0250】 例45:グルコース−C6−2−チオ−5−メトキシベンズイミダゾールバン
コマイシン(LXV)
【0251】
【化22】
【0252】 グルコース−C6−2−メシチレンスルホン化バンコマイシンTFA塩(XL
I)(5mg、0.00287mmol)、5−メトキシ−2−ベンズイミダゾ
ール−チオール(11.0mg、0.0610mmol)、およびKCO(8
.6mg、0.0622mmol)を乾燥DMF(0.5mL)で溶かす。混合物
を65℃で撹拌する。4時間後、分析HPLCにより反応の完了が示される。混
合物をろ過し、ODS−HPLC(LUNA5mC18(2)、21.2×25
0mm、UV=285nm、A:0.1%AcOH/HO、B:0.1%AcO
H/MeCN、0〜50%B0〜30分、8mL/分、t=27分間)により
精製すると、白色無定形TFA塩として(LXV)(1.2mg、0.00070
0mmol、24%)が得られる。LRESI−MS1611(M+2H、C 83 35Cl1124S)、1467(M−バンコサミン+2H) 、1143(M−バンコサミン−グルコース+H)
【0253】 例46:グルコース−C6−2−チオ−5−クロロベンゾチアゾールバンコマ
イシン(LXVI)
【0254】
【化23】
【0255】 グルコース−C6−2−メシチレンスルホン化バンコマイシンTFA塩(XL
I)(103.9mg、0.0595mmol)、5−クロロ−2−メルカプト−
ベンゾチアゾール(256.9mg、1.27mmol)、およびKCO(1
76.1mg、1.27mmol)を乾燥DMF(5mL)で溶かす。混合物を7
5〜80℃で撹拌する。2時間後、分析HPLCにより反応の完了が示される。
混合物をろ過し、ODS−HPLC(LUNA5mC18(2)、50×250
mm、UV=285nm、A:0.1%TFA/HO、B:MeCN、60分
間かけて20〜100%B、20mL/分、t=36分間)により精製すると
、白色無定形TFA塩として(LXVI)(75.8mg、0.0434mmol
、73%)が得られる。LRESI−MS1632(M+2H、C7379 Cl1023、1488(M−バンコサミン+H)、114
3(M−バンコサミン−グルコース+H)。298KでのDMSO−d中で
H−NMRデータ;δ0.87(3H、d、J=5.5Hz、1d)、0.9
2(3H、d、J=6.0Hz、1c)、1.08(3H、d、J=6.0Hz、
V6)、1.24(3H、s、V7)、1.56(1H、m、1a)、1.65(
1H、m、1b)、1.66(1H、m、1a)、1.72(1H、br d、J
=13Hz、V2e)、1.90(1H、br d、J=12Hz、V2a)、
2.19(1H、m、3a)、2.62(3H、s、1e)、2.63(1H、m
、3a)、3.15(1H、br s、V4)、3.47〜3.57(3H、m、
G2、G3、およびG4)、3.59(1H、br d、J=11.0Hz、G6
)、3.73(1H、m、G5)、3.83(1H、br d、J=11.0Hz
、G6)、3.96(1H、m、×1)、4.20(1H、br s、×6)、4
.43(1H、d、J=5.5Hz、×3)、4.45(1H、br s、×7)
、4.46(1H、br s、×5)、4.67(1H、br d、J=6.5H
z、V5)、4.90(1H、br s、×2)、5.10(1H、s、z2)、
5.16(1H、s、z6)、5.21(2H、br s、G1およびV1)、5
.26(1H、d、J=5.5Hz、4f)、5.45〜5.55(2H、m、G3
OHおよびG4OH)、5.67(1H、s、4b)、5.80(1H、d、J=
7.5Hz、×4)、5.90(1H、br s、Z2OH)、5.95(1H、
d、Z6OH)、6.25(1H、s、7f)、6.40(1H、s、7d)、6
.57(1H、m、w3)、6.74(1H、s、クロロベンゾチアゾール−4)
、6.74(1H、d、J=8.5Hz、5e)、6.78(1H、d、J=8.5
Hz、5f)、7.14(1H、d、J=9.0Hz、2e)、7.16(1H、
s、5b)、7.30(1H、d、J=8.0Hz、6e)、7.45(1H、d
、J=9.0Hz、クロロベンゾチアゾール−7)、7.46(1H、s、2b)
、7.46(1H、d、J=8.0Hz、6f)、7.53(1H、d、J=9.0
Hz、2f)、7.83(1H、s、6b)、8.05(1H、d、J=9.0H
z、クロロベンゾチアゾール−4)、8.51(2H、br s、w5およびw
7)、8.78(1H、br s、w4)、9.08(1H、br s、7cOH
)、9.17(1H、br s、5dOH)、9.44(1H、br s、7eO
H)。
【0256】
【化24】
【0257】 例47:グルコース−C6−2−チオ−5−フェニル−1,3,4−オキサジア
ゾ−ルバンコマイシン(LXVII)
【0258】
【化25】
【0259】 グルコース−C6−2−メシチレンスルホン化バンコマイシンTFA塩(XL
I)(78.0mg、0.0447mmol)、5−フェニル−1,3,4−オキサ
ジアゾ−ル−2−チオール(170.4mg、0.956mmol)、およびK CO(132.7mg、0.960mmol)を乾燥DMF(2mL)で溶かす
。混合物を65℃で撹拌する。2時間後、分析HPLCにより反応の完了が示さ
れる。混合物をろ過し、ODS−HPLC(LUNA5mC18(2)、21.
2×250mm、UV=285nm、A:0.1%TFA/HO、B:MeC
N、10〜60%B0〜30分、8mL/分、t=21分間)により精製する
と、白色無定形TFA塩として(LXVII)(60.3mg、0.0350mm
ol、78%)が得られる。LRESI−MS1608(M+H、C7480 35 Cl1124S)、1466(M−バンコサミン+2H)、11
43(M−バンコサミン−グルコース+H)
【0260】 例48:グルコース−C6−5−チオ−1−(4−ヒドロキシフェニル)−1H
−テトラゾールバンコマイシン(LXVIII)
【0261】
【化26】
【0262】 グルコース−C6−2−メシチレンスルホン化バンコマイシンTFA塩(XL
I)(10mg、0.00573mmol)、1−(4−ヒドロキシフェニル)−
1H−テトラゾール−5−チオール(23.3mg、0.12mmol)、および
CO(17mg、0.123mmol)を乾燥DMF(0.5mL)で溶か
す。混合物を65℃で撹拌する。14時間後、分析HPLCにより反応の完了が
示される。混合物をろ過し、ODS−HPLC(LUNA5mC18(2)、2
1.2×250mm、UV=285nm、A:0.1%TFA/HO、B:Me
CN、0〜50〜100%B0〜30〜40分、8mL/分、t=35分間)
により精製すると、白色無定形TFA塩として(LXVIII)(1.8mg、
0.00103mmol、18%)が得られる。LRESI−MS1625(M
+2H、C7381 35Cl1324S)、1480(M−バンコサ
ミン+2H)、1143(M−バンコサミン−グルコース+H)
【0263】 例49:グルコース−C6−2−チオ−4,5−ジフェニルオキサゾールバン
コマイシン(LXIX)
【0264】
【化27】
【0265】 グルコース−C6−2−メシチレンスルホン化バンコマイシンTFA塩(XL
I)(10mg、0.00573mmol)、4,5−ジフェニル−2−オキサゾ
ールチオール(30.4mg、0.12mmol)、およびKCO(17mg
、0.123mmol)を乾燥DMF(0.5mL)で溶かす。混合物を65℃で
撹拌する。2時間後、分析HPLCにより反応の完了が示される。混合物をろ過
し、ODS−HPLC(LUNA5mC18(2)、21.2×250mm、U
V=285nm、A:0.1%TFA/HO、B:MeCN、10〜10〜6
0%B0〜5〜30分、8mL/分、t=28分間)により精製すると、白色
無定形TFA塩として(LXIX)(3.4mg、0.00133mmol、33
%)が得られる。LRESI−MS1683(M+3H、C8289 35Cl 1023S)、1540(M−バンコサミン+3H)、1143(M
−バンコサミン−グルコース+H)
【0266】 例50:グルコース−C6−ヨードバンコマイシン(LXX)
【0267】 a)N,N’−ジaloc−グルコース−C6−ヨード−バンコマイシンアリ
ルエステル
【0268】 メシチレンスルホニル誘導体(XVI)(500mg、0.27mmol)の
12mL無水ジメチルアセトアミド(DMA)の撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下
で、粉末ヨウ化カリウム(0.9g、5.4mmol)を加え、混合物を85℃で
12時間撹拌する。反応液を室温まで冷却し、120mLジエチルエーテル(4
×30mL)への添加により沈降させ、懸濁液を遠心分離し、上清をデカントし
、残留ジエチルエーテルをアルゴン気流下で除去する。各チューブの白色固体を
3mLメタノール/0.8mL DMFに溶かし、30mL水の添加により沈降
させ、懸濁液を4℃で12時間貯蔵する。次いで、各懸濁液を遠心分離し、上清
をデカントする。固体をメタノールに溶かし、合わせ、250mLトルエンで希
釈し、減圧下で蒸発乾固する。固体を最小限のメタノールに溶かし、沈降させる
ことなくできるだけ多くのジクロロメタンで希釈し、ジクロロメタン中に充填し
たシリカカラムにのせ、最初に2カラム容量のジクロロメタン−メタノール−水
(100:15:1)、次いで、ジクロロメタン−メタノール−水(100:1
6:11)で溶出する。純粋な生成物を含む画分を合わせ、蒸発させると、(3
50mg、73%)が得られる。純粋でない生成物を含む画分を合わせ、蒸発さ
せ、HPLC(方法A;25%〜70%のアセトニトリルの線形勾配で40分間
;流速=7.5mL/分)により分離すると、追加の純粋な生成物(30mg)
が得られる。保持時間=25分間。標題化合物の合わせた収量=380mg、8
0%。TLC:R=0.6(クロロホルム−メタノール−水;50:21:4
)。LRESI−MS、C778627Clの計算値:1765
.4;[M+Na]=1788;[M−バンコサミン+Na]=1562;
[M−二糖+H]=1289。
【0269】 b)グルコース−C6−ヨードバンコマイシン(LXX)
【0270】 段階(a)からのヨード誘導体(109mg、0.062mmol)を、8m
l無水DMFに溶かし、2つの別々の4mL反応に分割する。次いで、酢酸(3
mL)、次いで、(PhP)Pd(II)Cl(触媒)を各フラスコに加え
る。BuSnHを、激しく撹拌している溶液に、30μLずつ1分毎に4分間
加える。4回目の添加後、5分間待機し、次いで、60μLのBuSnHを加
える。混合物が暗く変わり、TLC(クロロホルム−メタノール−水;6:4:
1)により全てのグリコペプチドが基線にあることが示される。粗混合物を0.
5mLメタノールで希釈し、80mLジエチルエーテルへの添加により沈降させ
る。懸濁液を遠心分離し、上清をデカントする。白色固体をジエチルエーテルに
懸濁し、激しく混合する。懸濁液を遠心分離し、上清をデカントする。白色固体
を減圧下で乾燥させて、残留ジエチルエーテルを除去し、水(約10mL)に溶
かし、4℃で12時間貯蔵し、次いで、ろ過して、全ての残留触媒または疎水性
塩を除去する。HPLC(方法B;5%〜60%アセトニトリルの線形勾配で4
0分間;流速=7.5mL/分)による分離により、(LXX)(89mg、8
6%)が得られる。保持時間=22分間。LRESI−MS、C667423Clの計算値:1557.3;[M+H]=1558;[M−バ
ンコサミン+H]=1415;[M−二糖+H]=1143。
【0271】 例51:グルコース−C6−チオアセテートバンコマイシン(LXXI)
【0272】 ヨーダイド(LXX)(2.5mg、0.0016mmol)の0.2mL無水
DMFの撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下で、粉末炭酸カリウム(10mg、0.
07mmol)を加える。得られた懸濁液に、メルカプト酢酸一ナトリウム塩(
8mg、0.07mmol)を加え、混合物を60℃で40分間撹拌する。懸濁
液を室温まで冷却し、1mLメタノールで希釈し、ろ過(0.45m)し、カー
ボネートを除去する。ろ液を減圧下で蒸発させてメタノールを除去し、次いで、
水(0.3mL)で希釈し、HPLC(方法B;0%〜45%アセトニトリルの
線形勾配で40分間;流速=7.5mL/分)により分離すると、(LXXI)
(1.5mg、62%)が得られる。保持時間=22分間。LRESI−MS、
687725Clの計算値:1521.4;[M+H]=1
523;[M−バンコサミン+H]=1380;[M−二糖+H]=114
3。
【0273】 例52:バンコサミン−N−デシル−グルコース−C6−S−3−アミノ−5
−メルカプト−1,2,4−トリアゾールバンコマイシン(LXXII)
【0274】 a)バンコサミン−N−デシル−グルコース−C6−ヨード−バンコマイシン
(LXXIIa)
【0275】 (LXX)(32mg、0.019mmol)の0.6mL無水DMFの撹拌溶
液に、アルゴン雰囲気下で、DIEA(17μL、0.1mmol)を加える。
10分後、デシルアルデヒド(2.86μL、0.015mmol)を加え、溶液
を70℃で2時間加熱する。次いで、シアノボロハイドライドナトリウム(3m
g、0.05mmol)を加え、加熱をさらに2時間続ける。反応混合物を室温
まで冷却し、20mLジエチルエーテルへの添加により沈降させる。懸濁液を遠
心分離し、上清をデカントする。白色固体を減圧下で乾燥させて、残留ジエチル
エーテルを除去する。HPLC(方法B;5%〜80%のアセトニトリルの線形
勾配で40分間;流速=8mL/分)により分離すると、ヨード生成物(LXX
IIa)(10mg、30%)(保持時間=28分間)が得られ、6mgが回収
される(LXX)。(LXXIIa)のLRESI−MS、C7694 23Clの計算値:1697.5;[M+H]=1699;[M−バン
コサミン+H]=1415;[M−二糖+H]=1143。
【0276】 b)バンコサミン−N−デシル−グルコース−C6−S−3−アミノ−5−メ
ルカプト−1,2,4−トリアゾールバンコマイシン(LXXII)
【0277】 段階(a)からのヨード生成物(5mg、0.003mmol)の0.5mL無
水DMFの撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下で、炭酸カリウム(10mg、0.0
7mmol)を加える。5分後、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリ
アゾール(4.2mg、0.036mmol)を加え、混合物を55℃で30分間
撹拌する。混合物を室温まで冷却し、ろ過(0.45m)し、カーボネートを除
去し、8mLの水で希釈する。HPLC(方法B;5%〜70%のアセトニトリ
ルの線形勾配で40分間;流速=7.5mL/分)による分離により、(LXX
II)(4.8mg、95%)が得られる。保持時間=28分間。LRESI−
MS、C78971323Clの計算値:1685.6;[M+H
=1687;[M−バンコサミン+H]=1404;[M−二糖+H] =1143。
【0278】 例53:バンコサミンN−4−(4−クロロフェニル)ベンジル,グルコース−
C6−S−3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾールバンコマイシ
ン(LXXIII)
【0279】
【化28】
【0280】 a)バンコサミン−N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルグルコース−C6
−ヨード−バンコマイシン(LXXIIIa)
【0281】 (LXX)(21mg、0.013mmol)の0.5mL無水DMFの撹拌溶
液に、アルゴン雰囲気下で、DIEA(11μL、0.06mmol)を加える
。10分後、4−4−(4−クロロフェニル)ベンジル−ベンズアルデヒド(2.
5mg、0.11mmol)を加え、溶液を70℃で90分間加熱する。シアノ
ボロハイドライドナトリウム(3mg、0.05mmol)を加え、混合物を7
0℃でさらに2時間撹拌する。反応混合物を室温まで冷却し、25mLのジエチ
ルエーテルへの添加により沈降させる。懸濁液を遠心分離し、上清をデカントす
る。白色固体を減圧下で乾燥させ、残留ジエチルエーテルを除去する。HPLC
(方法B;5%〜60%アセトニトリルの線形勾配で40分間;流速=8mL/
分)による分離により、ヨード生成物(LXXIIIa)(11mg、46%)
が得られ;保持時間=32分間;3mgが回収される(LXX)。(LXXII
Ia)のLRESI−MS、C798323Clの計算値:17
57.4;[M+H]=1759;[M−バンコサミン+H]=1415;
[M−二糖+H]=1143。
【0282】 b)バンコサミン−N−4−(4−クロロフェニル)ベンジル,グルコース−C
6−S−3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾールバンコマイシン
(LXXIII)
【0283】 ヨード生成物(LXXIIIa)(5.4mg、0.003mmol)の0.5
mL無水DMFの撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下で、炭酸カリウム(10mg、
0.07mmol)を加える。5分後、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4
−トリアゾール(4.2mg、0.037mmol)を加え、撹拌混合物を55℃
で50分間加熱する。混合物を室温まで冷却し、ろ過(0.45m)し、カーボ
ネートを除去し、ろ液を6mLの水で希釈する。HPLC(方法B;10%〜6
5%のアセトニトリルの線形勾配で40分間;流速=8mL/分)により、(L
XXIII)(4.5mg、90%)が得られる。保持時間=28分間。LRE
SI−MS、C81861323Clの計算値:1745.5;[
M+H]=1747;[M−バンコサミン+H]=1405;[M−二糖+
H]=1143。
【0284】 例54:N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコサミン−グルコース−
C6−アジドバンコマイシン(LXXIV)
【0285】
【化29】
【0286】 N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコサミン−グルコース−C6−ヨ
ードバンコマイシンTFA塩(LXXIIIa)(10.9mg、0.00582
mmol)およびNaN(7.6mg、0.116mmol)を乾燥DMF(1
mL)で溶かす。混合物を45℃で撹拌する。4時間後、分析HPLCにより、
反応の完了が示され、混合物をろ過し、次いで、ODS−HPL(COSMOS
IL 5C18−AR、20×250mm、およびLUNA5mC18(2)、
21.2×250mm、UV=285nm、A:0.1%TFA/HO、B:M
eCN、20〜70%B0〜60分、8mL/分、t=33分間)により精製
すると、TFA塩として白色の無定形標題化合物(8.2mg、0.00458m
mol、79%)が得られる。LRESI−MS1673(M+H、C79 35 Cl1223、1330(M−N−4−(4−クロロフェニル)
ベンジルバンコサミン−グルコ−ス+H)、1143(M−N−4−(4−ク
ロロフェニル)ベンジルバンコサミン−グルコース+H)
【0287】 例55:N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコサミン−グルコース−
C6−アミンバンコマイシン(LXXV)
【0288】
【化30】
【0289】 N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコサミン−グルコース−C6−ア
ジドバンコマイシン(LXXIV)(7.7mg、0.00430mmol)およ
びPPhを、THF(0.8mL)と共に懸濁し、混合物を室温でAr下で0.
5時間撹拌する。HO(0.4mL)を加え、混合物を75℃で撹拌する。9
時間後、混合物をろ過し、次いで、ODS−HPLC(COSMOSIL 5C
18−AR、20×250mm、およびLUNA5mC18(2)、21.2×
250mm、UV=285nm、A:0.1%TFA/HO、B:MeCN、
20〜70%B0〜60分、8mL/分、t=30分間)により精製すると、
TFA塩として白色の無定形標題化合物(3.2mg、0.00182mmol、
42%)が得られる。LRESI−MS1648(M+2H、C7986 35 Cl1023、?(M−N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバン
コサミン−グルコ−ス+H)、1143(M−N−4−(4−クロロフェニル)
ベンジルバンコサミン−グルコース+H)
【0290】 例56:グルコース−C6−2−チオ−5−アミノ−1,3,4−チアジアゾー
ルバンコマイシン(LXXVI)
【0291】
【化31】
【0292】 グルコース−C6−ヨードバンコマイシンTFA塩(LXX)(14mg、0
.00837mmol)、5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオー
ル(24mg、0.18mmol)、およびKCO(25mg、0.181m
mol)を乾燥DMF(0.5mL)で溶かす。混合物を40〜50℃で撹拌す
る。0.5時間後、分析HPLCにより反応の完了が示される。混合物をろ過し
、次いで、ODS−HPLC(COSMOSIL 5C18−AR、20×25
0mm、およびLUNA5mC18(2)、21.2×250mm、UV=28
5nm、A:0.1%TFA/HO、B:MeCN、10〜70%B0〜60
分、8mL/分、t=27分間)により精製すると、TFA塩として白色の無
定形標題化合物(6.3mg、0.0375mmol、45%)が得られる。LR
ESI−MS1565(M+H、C6877 35Cl1223 、1143(M−バンコサミン−グルコース+H)
【0293】 例57:グルコース−C6−5−チオ−4−アミノ−3−ヒドラジノ−1,2,
4−トリアゾールバンコマイシン(LXXVII)
【0294】
【化32】
【0295】 グルコース−C6−ヨードバンコマイシンTFA塩(LXX)(20mg、0
.0120mmol)、4−アミノ−3−ヒドラジノ−5−メルカプト−1,2,
4−トリアゾール(Purpald(登録商標)、37.5mg、0.257mmol)
、およびKCO(35.4mg、0.256mmol)を乾燥DMF(0.5
mL)で溶かす。混合物を45℃で撹拌する。2時間後、分析HPLCにより反
応の完了が示される。混合物をろ過し、次いで、ODS−HPLC(COSMO
SIL 5C18−AR、20×250mm、およびLUNA5mC18(2)
、21.2×250mm、UV=285nm、A:0.1%TFA/HO、B:
MeCN、0〜70%B0〜60分、8mL/分、t=32分間)により精製
すると、TFA塩として白色の無定形標題化合物(8.3mg、0.0491mm
ol、41%)が得られる。LRESI−MS1569(M−NHNH+H+
Na、C6881 35Cl1523SNa)、1143(M−バンコ
サミン−グルコース+H)。298KでのDMSO−d中でのH−NMR
データ;δ0.86(3H、d、J=6.0Hz、1d)、0.90(3H、d、
J=6.0Hz、1c)、1.07(3H、d、J=6.5Hz、V6)、1.26
(3H、s、V7)、1.41(1H、m、1a)、1.48(1H、m、1a)
、1.70(1H、br d、J=12Hz、V2e)、1.73(1H、m、1
b)、1.89(1H、br d、J=12Hz、V2a)、2.14(1H、m
、3a)、2.32(3H、s、1e)、2.36(1H、m、3a)、3.05
(1H、m、×1)、3.15(1H、br s、V4)、3.46(1H、br
d、J=12.5Hz、G6)、3.51(1H、br d、J=12.5Hz
、G6)、3.52(3H、m、G2、G3、およびG4)、3.72(1H、m
、G5)、4.20(1H、br s、×6)、4.37(1H、m、×3)、4
.43(1H、s、×7)、4.44(1H、br s、×5)、4.69(1H
、br d、J=6.5Hz、V5)、4.88(1H、br s、×2)、5.
10(1H、s、z6)、5.16(1H、s、z2)、5.20(1H、s、4
f)、5.20(1H、br s、G4OH)、5.22(1H、s、V1)、5
.29(1H、br s、G1)、5.43(1H、br s、G3OH)、5.
54(1H、s、4b)、5.74(1H、br s、Z2OH)、5.75(1
H、br s、×4)、5.94(1H、br s、Z6OH)、6.25(1H
、s、7f)、6.40(1H、s、7d)、6.64(1H、m、w3)、6.
72(1H、d、J=8.5Hz、5e)、6.77(1H、d、J=8.5Hz
、5f)、6.89(1H、m、w6)、7.19(1H、s、5b)、7.33
(1H、m、2e)、7.34〜7.57(5H、m、5−チオ−4−アミノ−3
−ヒドラジノー1,2,4−トリアゾールのNHおよびNHNH)、7.37
(1H、m、2b)、7.47(1H、d、J=8.5Hz、6e)、7.51(
1H、d、J=8.5Hz、6f)、7.57(1H、m、2f)、7.85(1
H、s、6b)、8.46(2H、br s、w5およびw7)、8.66(1H
、br s、w4)、9.09(1H、br s、7cOH)、9.41(1H、
br s、7eOH)。
【0296】
【化33】
【0297】 例58:グルコース−C6−2−チオ−4−ヒドロキシ−6−メチルピリミジ
ンバンコマイシン(LXXVIII)
【0298】
【化34】
【0299】 グルコース−C6−ヨードバンコマイシンTFA塩(LXX)(15mg、0
.00897mmol)、4−ヒドロキシ−2−メルカプト−6−メチルピリミ
ジン(27.4mg、0.193mmol)、およびKCO(26.5mg、
0.192mmol)を乾燥DMF(1mL)で溶かす。混合物を45℃で撹拌
する。0.5時間後、分析HPLCにより反応の完了が示され、混合物をろ過し
、次いで、ODS−HPLC(COSMOSIL 5C18−AR、20×25
0mm、およびLUNA5mC18(2)、21.2×250mm、UV=28
5nm、A:0.1%TFA/HO、B:MeCN、0〜70%B0〜60分
、8mL/分、t=36分間)により精製すると、TFA塩として白色の無定
形標題化合物(3.0mg、0.00178mmol、20%)が得られる。LR
ESI−MS1572(M+H、C7180 35Cl1124S)
1430(M−バンコサミン−グルコース+2H)、1143(M−バンコサ
ミン−グルコース+H)
【0300】 例59:N−デシルバンコサミン−グルコース−C6−2−チオ−6−アザチ
ミンバンコマイシン(LXXIX)
【0301】
【化35】
【0302】 N−デシルバンコサミン−グルコース−C6−2−メシチレンスルホン化バン
コマイシンTFA塩(例52a)(10mg、0.00530mmol)、6−
アザ−2−チオチミン(16.0mg、0.112mmol)、およびKCO (31.0mg、0.224mmol)を乾燥DMF(0.5mL)で溶かす。混
合物を75℃で撹拌する。8.5時間後、分析HPLCにより反応の完了が示さ
れる。混合物をろ過し、残渣をODS−HPLC(LUNA5mC18(2)、
21.2×250mm、UV=285nm、A:0.1%TFA/HO、B:M
eCN、10〜60%B0〜30分、8mL/分、t=26分間)により精製
すると、TFA塩として白色の無定形標題化合物(4.8mg、0.00262m
mol、50%)が得られる。LRESI−MS1714(M+2H、C80 100 35 Cl1224S)、1143(M−N−デシルバンコサミン
−グルコース+H)
【0303】 例60:N−デシルバンコサミン−グルコース−C6−2−チオ−5−クロロ
ベンゾチアゾールバンコマイシン(LXXX)
【0304】
【化36】
【0305】 N−デシルバンコサミン−グルコース−C6−2−メシチレンスルホン化バン
コマイシンTFA塩(例52a)(6.5mg、0.00345mmol)、5−
クロロ−2−メルカプト−ベンゾチアゾール(14.8mg、0.0734mmo
l)、およびKCO(10.1mg、0.0731mmol)を乾燥DMF(
0.5mL)で溶かす。混合物を75℃で撹拌する。2.5時間後、分析HPLC
により反応の完了が示される。混合物をろ過し、残渣をODS−HPLC(LU
NA5mC18(2)、21.2×250mm、UV=285nm、A:0.1%
TFA/HO、B:MeCN、10〜60%B0〜30分、8mL/分、t =28分間)により精製すると、TFA塩として白色の無定形標題化合物(1.
4mg、0.000742mmol、22%)が得られる。LRESI−MS1
771(M+H、C8398 35Cl1023
【0306】 例61:N−デシルバンコサミン−グルコース−C6−2−チオ−5−フェニ
ル−1,3,4−オキサジアゾ−ルバンコマイシン(LXXXI)
【0307】
【化37】
【0308】 グルコース−C6−2−チオ−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾ−ルバ
ンコマイシンTFA塩(50.0mg、0.0290mmol)を湿潤DMF(2
mL)で溶かし、DIEA(14.2mL、0.155mmol)を加え、混合物
を70℃で20分間安定化させる。デシルアルデヒド(4.70mL、0.025
0mmoL)を加え、反応混合物を70℃で1.5時間撹拌し、次いで、NaB
CN(0.1mL、1M−THF、0.1mmol)を加える。混合物をさら
に2時間撹拌し、次いで、室温まで冷却する。混合物を蒸発させ、残渣をODS
−HPLC(LUNA5mC18(2)、21.2×250mm、UV=285
nm、A:0.1%TFA/HO、B:MeCN、10〜60%B0〜30分
、8mL/分、t=22分間)により精製すると、TFA塩として白色の無定
形標題化合物(10.8mg、0.00579mmol、20%)および出発物質
(12.1mg、0.00702mmol)が得られる。LRESI−MS174
9(M+2H、C84101 35Cl1124S)、1144(M−
N−デシルバンコサミン−グルコース+2H)
【0309】 例62:N−デシルバンコサミン−グルコース−C6−2−チオ−4,5−ジ
フェニルオキサゾールバンコマイシン(LXXXII)
【0310】
【化38】
【0311】 N−デシルバンコサミン−グルコース−C6−2−メシチレンスルホン化バン
コマイシンTFA塩(XLIII)(5.6mg、0.00321mmol)、4
,5−ジフェニル−2−オキサゾールチオール(16.0mg、0.0632mm
ol)、KCO(8.8mg、0.0637mmol)を乾燥DMF(0.5
mL)で溶かす。混合物を65℃で撹拌する。2時間後、分析HPLCにより反
応の完了が示される。混合物をろ過し、残渣をODS−HPLC(LUNA5m
C18(2)、21.2×250mm、UV=285nm、A:0.1%TFA/
O、B:MeCN、20〜60%B0〜30分、8mL/分、t=29分
間)により精製すると、白色の無定形TFA塩として標題化合物(2.1mg、
0.00108mmol、34%)が得られる。LRESI−MS1824(M
+H、C91106 35Cl1024S)、1143(M−N−デシ
ルバンコサミン−グルコース+H)
【0312】 例63:N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコサミン−グルコース−
C6−2−チオ−5−アミノ−1,3,4−チアジアゾールバンコサミン(LXX
XIII)
【0313】
【化39】
【0314】 N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコサミン−グルコース−C6−ヨ
ードバンコマイシンTFA塩(例53a)(13.0mg、0.00694mmo
l)、5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール(19.7mg、
0.148mmol)、およびKCO(20.5mg、0.148mmol)
を乾燥DMF(0.5mL)で溶かす。混合物を40〜50℃で撹拌する。0.5
時間後、分析HPLCにより反応の完了が示される。混合物をろ過し、残渣をO
DS−HPLC(COSMOSIL 5C18−AR、20×250mm、およ
びLUNA5mC18(2)、21.2×250mm、UV=285nm、A:
0.1%TFA/HO、B:MeCN、20〜70%B0〜60分、8mL/
分、t=33分間)により精製すると、TFA塩として白色の無定形標題化合
物(3.0mg、0.00160mmol、23%)が得られる。LRESI−M
S1763(M+H、C8186 35Cl1223、1420
(M−N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコサミン−グルコース+H) 、1143(M−N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコサミン−グル
コース+H)
【0315】 例64:N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコサミン−グルコース−
C6−5−チオ−4−アミノ−3−ヒドラジノ−1,2,4−トリアゾールバンコ
マイシン(LXXXIV)
【0316】
【化40】
【0317】 N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコサミン−グルコース−C6−ヨ
ードバンコマイシンTFA塩(例53a)(12.0mg、0.0639mmol
)、4−アミノ−3−ヒドラジノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール(
20.0mg、0.137mmol)、およびKCO(18.8mg、0.13
6mmol)を乾燥DMF(1mL)で溶かす。混合物を45℃で撹拌する。3
時間後、分析HPLCにより反応の完了が示される。混合物をろ過し、次いで、
ODS−HPLC(COSMOSIL 5C18−AR、20×250mm、お
よびLUNA5mC18(2)、21.2×250mm、UV=285nm、A
:0.1%TFA/HO、B:MeCN、0〜70%B0〜60分、8mL/
分、t=43分間)により精製すると、白色の無定形TFA塩として標題化合
物(43、5.1mg、0.0491mmol、41%)が得られる。LRESI
−MS1748(M−NHNH+H、C8186 35Cl1323 、1403(M−NHNH−N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバ
ンコサミン+H)、1143(M−N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバ
ンコサミン−グルコース+H)
【0318】 例65:N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコサミン−グルコース−
C6−2−チオ−4−ヒドロキシ−6−メチルピリミジンバンコマイシン(LX
XXV)
【0319】
【化41】
【0320】 N−4−(クロロフェニル)ベンジルバンコサミン−グルコース−C6−ヨード
バンコマイシンTFA塩(例53a)(10.0mg、0.00534mmol)
、4−ヒドロキシ−2−メルカプト−6−メチルピリミジン(16.2mg、0.
114mmol)、およびKCO(15.8mg、0.114mmol)を乾
燥DMF(1mL)で溶かす。混合物を45℃で撹拌する。1時間後、分析HP
LCにより反応の完了が示される。混合物をろ過し、次いで、ODS−HPLC
(COSMOSIL 5C18−AR、20×250mm、およびLUNA5m
C18(2)、21.2×250mm、UV=285nm、A:0.1%TFA/
O、B:MeCN、0〜70%B0〜60分、8mL/分、t=46分間
)により精製すると、白色の無定形TFA塩として標題化合物(6.0mg、0.
00318mmol、60%)が得られる。LRESI−MS1773(M+2
H、C8490 35Cl1124S)、1429(M−N−4−(4
−クロロフェニル)ベンジルバンコサミン+H)、1143(M−N−4−(4
−クロロフェニル)ベンジルバンコサミン−グルコース+H)
【0321】 例66:N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコサミン−グルコース−
C6−2−チオ−6−アザチミンバンコマイシン(LXXXVI)
【0322】
【化42】
【0323】 N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコサミン−グルコース−C6−ヨ
ードバンコマイシンTFA塩(例53a)(10.5mg、0.00560mmo
l)、6−アザ−2−チオチミン(18.0mg、0.126mmol)、および
CO(17.4mg、0.126mmol)を乾燥DMF(1mL)で溶か
す。混合物を45℃で撹拌する。1時間後、分析HPLCにより反応の完了が示
される。混合物をろ過し、残渣をODS−HPLC(COSMOSIL 5C1
8−AR、20×250mm、およびLUNA5mC18(2)、21.2×2
50mm、UV=285nm、A:0.1%TFA/HO、B:MeCN、0
〜70%B0〜60分、8mL/分、t=44分間)により精製すると、白色
の無定形TFA塩として標題化合物(4.4mg、0.00233mmol、42
%)が得られる。LRESI−MS1774(M+2H、C8389 35Cl 1224S)、1432(M−バンコサミン+2H)、1143(M
−バンコサミン−グルコース+H)
【0324】 例67:N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコサミン−グルコース−
C6−2−チオ−4,5−ジフェニルオキサゾールバンコマイシン(LXXXV
II)
【0325】
【化43】
【0326】 N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコサミン−グルコース−C6−2
−メシチレンスルホン化バンコマイシン(例53a)(11.6mg、0.006
0mmol)、4,5−ジフェニル−2−オキサゾールチオール(31.9mg、
0.126mmol)、およびKCO(17.5mg、0.127mmol)
を乾燥DMF(0.5mL)で溶かす。混合物を75℃で撹拌する。3時間後、
分析HPLCにより反応の完了が示される。混合物をろ過し、ODS−HPLC
(LUNA5mC18(2)、21.2×250mm、UV=285nm、A:
0.1%TFA/HO、B:MeCN、20〜60%B0〜30分、8mL/
分、t=19分間)により精製すると、TFA塩として白色の無定形標題化合
物(3.5mg、0.00175mmol、29%)が得られる。LRESI−M
S943(M+4H、C9497 35Cl1024S)2+
【0327】 例68:N,N’−ジaloc,メチルグリシンバンコマイシン(LXXXVI
II)
【0328】 a)メチルグリシンバンコマイシン
【0329】 バンコマイシン・HCl(3.16g、2.13mmol)の21mLのDMS
O−DMF(16:5)の撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下で、グリシンメチルエ
ステル・HCl(0.53g、4.26mmol)およびジイソプロピルエチルア
ミン(1.13mL、6.5mmol)を加える。溶液を氷浴で冷却し、0.45
MのHOBT/HBTUのDMF溶液7mLを加える。1時間後、氷浴を取り外
し、6時間撹拌し続ける。反応混合物を、400mLアセトン−エタノール(3
:1)への添加により沈降させ、4℃で16時間貯蔵し、透明な上清をデカント
し、残留懸濁液を遠心分離する。白色固体を100mLエタノールに懸濁し、遠
心分離し、上清をデカントする。エタノール洗浄を2回繰返し、その後、TLC
により試薬の完全な除去が示される。白色固体を真空で乾燥させると、3.6g
の粗生成物が得られる。この生成物はさらに精製することなく次の段階で使用す
る。
【0330】 b)N,N’−ジaloc,メチルグリシンバンコマイシン(LXXXVIII
【0331】 粗生成物(2.1g、1.4mmol)の18mL DMSO−DMF(5:4
)の撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下で、氷浴で冷却しながら、アリル1−ベンゾ
トリアゾリルカーボネート(0.76g、3.5mmol)およびトリエチルアミ
ン(0.4mL、2.83mmol)を加える。1.5時間後、反応液を室温まで
加温し、さらに1.5時間撹拌し続ける。反応混合物を200mLのアセトン−
ジエチルエーテル(1:1)へ添加により沈降させると、白色の沈降物が得られ
、これを遠心分離し、上清をデカントする。固体を200mLジエチルエーテル
に懸濁し、遠心分離し、上清をデカントする。固体をメタノールに溶かし、減圧
下で蒸発させると黄褐色の泡状物が得られる。HPLC(方法A;30%〜44
%アセトニトリルの線形勾配で25分間;流速=7mL/分)により分離すると
、(LXXXVIII)(1g、48%)が得られる。保持時間=21.5分間
。TLC:R=0.7(クロロホルム−メタノール−水、6:4:1)。LR
ESI−MS、C77881029Clの計算値:1686.5;[M
+Na]=171。
【0332】 例69:グルコース−C6−メシチレンスルホニル−N,N’−ジaloc,メ
チルグリシンバンコマイシン(LXXXIX)
【0333】 2−メシチレンスルホニルクロリド(160mg、0.73mmol)の0.5
mL無水ピリジンの溶液を4℃で30分間撹拌する。この溶液を化合物(LXX
XVIII)(310mg、0.18mmol)に加え、2.5mL無水ピリジン
中でアルゴン雰囲気下、4℃で撹拌する。撹拌混合物を4℃で12時間維持し、
30mLジエチルエーテル−アセトン(3:2)への添加により沈降させ、遠心
分離し、上清をデカントする。白色固体をメタノールにとり、減圧下で蒸発させ
る。HPLC(方法A;30%〜75%のアセトニトリルの線形勾配で40分間
;流速=7.5mL/分)による分離により、出発物質(60mg)および標題
化合物(225mg、65%、回収された出発物質に基づき81%)が得られる
。保持時間=30.7分間。TLC:R=0.7(クロロホルム−メタノール−
水、50:21:4)。LRESI−MS、C86981031Cl の計算値:1868.6;[M+H]=1870;[M−バンコサミン+H
=1645;[M−二糖+H]=1299。
【0334】 例70:グルコース−C6−アジド−N,N’−ジaloc,メチルグリシンバ
ンコマイシン(XC)
【0335】 メシチレンスルホニル誘導体(LXXXIX)(54mg、0.03mmol
)の2mL無水DMFの撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下で、アジ化ナトリウム(
50mg、0.8mmol)を加える。懸濁液を85℃で6時間撹拌し、室温ま
で冷却する。混合物を最小限のメタノール(約0.5mL)で希釈して、アジ化
ナトリウムを溶かし、次いで、沈降物が形成されるまでクロロホルムで希釈する
。次いで、メタノールを滴下して加え、沈降物を溶かす。混合物を、ショートシ
リカゲルカラム(3×15cm)にかけ、クロロホルム−メタノール−水(50
:21:4)で溶出する。生成物を含む画分を合わせ、減圧下で蒸発させる。H
PLC(方法A;25%〜50%アセトニトリルの線形勾配で40分間;流速=
7mL/分)による分離により、(XC)(35mg、70%)が得られる;保
持時間=29.1分間。TLC:R=0.5(クロロホルム−メタノール−水、
50:21:4)。LRESI−MS、C77871328Clの計算
値:1711.5;[M+Na]=1735;[M−バンコサミン+H]
1486;[M−二糖+H]=1299。
【0336】 例71:グルコース−C6−アミン−N,N’−ジaloc,メチルグリシンバ
ンコマイシン(XCI)
【0337】 アジド(XC)(59mg、0.035mmol)の1mL DMFの撹拌溶
液に、アルゴン雰囲気下で、トリメチルホスフィン(1M THF溶液の100
μL)を加える。1.5時間後、0.2mLの水を加え、混合物を室温で17時間
撹拌し、次いで、45℃でさらに6時間撹拌する。混合物を室温まで冷却し、0
.5mLまで蒸発させ、16mLのジエチルエーテルへの添加により沈降させる
。得られた懸濁液を遠心分離し、上清をデカントし、固体を減圧下で乾燥させる
。HPLC(方法A;15%〜50%アセトニトリルの線形勾配で40分間;流
速=7mL/分)による分離により、(XCI)(28mg、64%)が得られ
る;保持時間=18.4分間。TLC:R=0.2(クロロホルム−メタノール
−水、6:4:1)。LRESI−MS、C77891128Clの計
算値:1685.5;[M+H]=1687;[M−バンコサミン+H]
1460;[M−二糖+H]=1298。
【0338】 例72:グルコース−C6−N,N−ビス−Cbz−グアニジニル,N,N’−
ジaloc,メチルグリシンバンコマイシン(XCII)およびグルコース−C
6−N,N−ビス−Cbz−グアニジニル,メチルグリシンバンコマイシン(XC
III)
【0339】 アミン(XCI)(12mg、0.007mmol)の0.3mL無水DMF撹
拌溶液に、N,N’−ビス−Cbz−メチルプソイドチオ尿素(25mg、0.0
7mmol)を加え、12時間撹拌し続ける。反応混合物を10mLジエチルエ
ーテルへの添加により沈降させ、遠心分離し、デカントする。白色固体を20m
Lジエチルエーテルに懸濁し、懸濁液を遠心分離し、上清をデカントし、固体を
減圧下で乾燥させると、(XCII)(13mg、93%)が得られる。TLC
:R=0.8(クロロホルム−メタノール−水、6:4:1)。この生成物は
さらに精製することなく次の段階で使用する。(XCII)の分析サンプルを、
HPLC(方法A;40%〜75%のアセトニトリルの線形勾配で40分間;流
速=7mL/分)を使用した分離により同じように調製する。保持時間=23.
3分間。LRESI−MS、C941031332Clの計算値:19
95.6;[M+H]=1997;[M−二糖+Na]=1321。
【0340】 グアニジン誘導体(XCII)の0.5mL無水DMFの撹拌溶液に、0.15
mL酢酸および触媒量の(PhP)PdClを加える。混合物を水素化トリ
ブチルスズ(5μLを10分毎に2時間)で、TLC(クロロホルム−メタノー
ル−水、6:4:1)により全グリコペプチドが基線を示すまで処理する。反応
混合物を10mLジエチルエーテルへの添加により沈降させ、懸濁液を遠心分離
し、上清をデカントし、固体を減圧下で乾燥させる。HPLC(方法A;10%
〜60%のアセトニトリルの線形勾配で40分間;流速=7mL/分)による分
離により、(XCIII)(11mg、XCIから86%)が得られる。保持時
間=23.5分間。LRESI−MS、C86951328Clの計算
値:1827.6;[M+H]=1830;[M−二糖+H]=1216。
【0341】 N,N’−ビス−Cbz−メチルプソイドチオ尿素の調製は、Int.J.Pep.Prot.
Res.Vol.40、1992、p.119-126に記載されている。
【0342】 例73:グルコース−C6−メシチレンスルホニル,メチルグリシンバンコマ
イシン(XCIV)
【0343】 メシチレンスルホニル誘導体(LXXXIX)(10mg、0.005mmo
l)の、2μLギ酸を含む0.1mL無水DMFの撹拌溶液に、トリフェニルホ
スフィン(0.5mg、0.002mmol)および触媒量のテトラキス(トリフ
ェニルホスフィン)Pd(0)を加える。72時間後、反応混合物を6mLジエチ
ルエーテルへの添加により沈降させ、懸濁液を遠心分離し、上清をデカントし、
固体を減圧下で乾燥させる。HPLC(方法C;半プレップカラム;5%〜75
%のアセトニトリルの線形勾配で40分間;流速=4mL/分)による分離によ
り、(XCIV)(4mg、40%)が得られる。保持時間=17.4分間。L
RESI−MS、C78901027Clの計算値:1700.5
;[M+H]=1703;[M−バンコサミン+H]=1561;[M−二
糖+H]=1215。
【0344】 例74:グルコース−C6−アミン,メチルグリシンバンコマイシン(XCV
【0345】 アミン(XCI)(6mg、0.004mmol)の、0.35mL酢酸を含む
0.5mL無水DMFの撹拌溶液に、触媒量の(PhP)PdClを加える
。この混合物を水素化トリブチルスズ(10μLを10分毎に1時間)で、TL
C(クロロホルム−メタノール−水、6:4:1)により全グリコペプチドが基
線を示すまで処理する。反応混合物を20mLジエチルエーテルへの添加により
沈降させ、懸濁液を遠心分離し、上清をデカントし、残留ジエチルエーテルを減
圧下で除去する。固体をHPLC(方法B;0%〜40%のアセトニトリルの線
形勾配で40分間;流速=7.5mL/分)により分離すると、(XCV)(5
mg、92%)が得られる。保持時間=19.7分間。LRESI−MS、C
811124Clの計算値:1517.5;[M+H]=1519
;[M−バンコサミン+H]=1378;[M−二糖+H]=1216。
【0346】 例75:グルコース−C6−グアニジン,メチルグリシンバンコマイシン(X
CVI)
【0347】 グアニジン誘導体(XCIII)(6mg、0.003mmol)を0.4mL
水−メタノール(1:1)に溶かし、触媒10%Pd/Cを用いてバルーン圧力
下で3.5時間水素化する。反応混合物をろ過し、メタノールを減圧下で除去す
る。HPLC(方法B、半プレップカラム;5%〜25%のアセトニトリルの線
形勾配で40分間;流速=4mL/分)による分離により、(XCVI)(1m
g、15%)が得られる。保持時間=19.3分間。LRESI−MS、C70
831324Clの計算値:1559.5;[M+H]=1561;
[M−バンコサミン+H]=1418;[M−二糖+Na]=1239。
【0348】 例76:グルコース−C6−ヨード−N,N’−ジaloc,メチルグリシンバ
ンコマイシン(XCVII)
【0349】 メシチレンスルホニル誘導体(LXXXIX)(26mg、0.014mmo
l)の0.7mL無水ジメチルアセトアミド(DMA)の撹拌溶液に、ヨウ化カ
リウム(50mg、0.3mmol)を加える。混合物を85℃で16時間撹拌
し、次いで室温まで冷却する。溶液を水で希釈し、HPLC(方法A;30%〜
60%のアセトニトリルの線形勾配で40分間;流速=7mL/分)により分離
すると、(XCVII)(19mg、75%)が得られる。保持時間=23.9
分間。TLC:R=0.55(クロロホルム−メタノール−水、50:21:
4)。LRESI−MS、C77871028Clの計算値:17
96.54;[M+H]=1798;[M−バンコサミン+H]=1571
;[M−二糖+Na]=1323。
【0350】 例77:グルコース−C6−ヨード,メチルグリシンバンコマイシン(XCV
III)およびグルコース−C6−デオキシ,メチルグリシンバンコマイシン(
XCIX)
【0351】 a)(XCVIII)のみの調製
【0352】 触媒量の(PhP)PdClを、0.1mL酢酸を含む0.2mL無水DM
Fに溶かし(XCVII)(4mg、0.002mmol)の撹拌溶液に加える
。この混合物を、水素化トリブチルスズ(5μLを10分毎に50分間)で、T
LC(クロロホルム−メタノール−水、6:4:1)により全グリコペプチドが
基線を示すまで処理する。反応混合物を6mLジエチルエーテルへの添加により
沈降させ、懸濁液を遠心分離し、上清をデカントし、残留ジエチルエーテルを減
圧下で除去する。HPLC(方法C;2%アセトニトリルで5分間、次いで、2
%〜30%のアセトニトリルの線形勾配で30分間;流速=4mL/分)による
分離により、(XCVIII)(3mg、75%)が得られる。保持時間=23
.1分間。LRESI−MS、C69791024Clの計算値:
1628.4;[M+H]=1630;[M−バンコサミン+H]=148
7;[M−二糖+H]=1215。
【0353】 b)(XCVIII)および(XCIX)の調製
【0354】 触媒量の(PhP)PdClを、0.35mL酢酸を含む0.5mL無水D
MFに溶かした(XCVII)(12mg、0.007mmol)の撹拌溶液に
加える。この混合物を、水素化トリブチルスズ(10μLを5分毎に30分間)
で、TLC(クロロホルム−メタノール−水、6:4:1)により全生成物が基
線を示すまで処理する。反応混合物を25mLジエチルエーテルへの添加により
沈降させ、懸濁液を遠心分離し、上清をデカントし、残留ジエチルエーテルを減
圧下で除去する。HPLC(方法A;0%〜40%のアセトニトリルの線形勾配
;流速=7.5mL/分)による分離により、(XCVIII)(4mg、33
%)(保持時間=26.7分間)および(XCIX)(2.5mg、21%)(保
持時間=22.3分間)が得られる。
【0355】 例78:グルコース−C6−デオキシ,メチルグリシンバンコマイシン(XC
IX)
【0356】 (XCVIII)(1mg)および10%Pd/C(触媒)の0.4mLの5
0%メタノール水溶液の撹拌溶液を、バルーン圧力下で3時間水素化する。反応
混合物を0.2μmシリンジフィルターを通してろ過し、HPLC(方法B;半
プレップカラム;2%〜30%のアセトニトリルの線形勾配;流速=4mL/分
)により分離すると、(XCIX)(1mg)が得られる。保持時間=23.4
分間。LRESI−MS、C69801024Clの計算値:1502
.5;[M+H]=1504;[M−バンコサミン+H]=1360;[M
−二糖+Na]=1215。
【0357】 例79:N,N’−ビス−Cbz,バンコマイシン(VII)
【0358】 8.5mLの水に溶かし、10mLのアセトンで希釈したバンコマイシン・H
Cl(1.76g、1.19mmol)の溶液に、NaHCO(210mg、2
.5mmol)を含む3mLの水を加える。撹拌懸濁液に、20mLアセトン、
15mL水およびN−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)スクシンイミド(1.
2g、4.8mmol)を3mLアセトン溶液として加える。15時間後、透明
な溶液をトルエン共沸混合物と共に減圧下で蒸発乾固する。固体を15mL D
MFに溶かし、120mLテトラヒドロフランへの添加により沈降させる。懸濁
液を遠心分離し、試薬を含む上清をデカントする。次いで、固体を120mLア
セトンに懸濁し、激しく混合し、遠心分離し、上清をデカントする。固体のこの
アセトン洗浄を3回実施して、全試薬を除去する。白色固体を減圧下で乾燥させ
ると標題化合物(1.9g、95%)が得られ、これはさらに操作することなく
使用する。TLC:R=0.33(クロロホルム−メタノール−水;6:4:
1)。
【0359】 例80:N,N’−ビス−Cbzベンジルバンコマイシン(XII)
【0360】 (C)(1.49g、0.87mmol)の15mL DMSO溶液に、アルゴ
ン雰囲気下で、NaHCO(35mg、0.4mmmol)、次いで、ベンジ
ルブロミド(0.3mL、2.5mmol)を加え、混合物を3時間室温で撹拌す
る。反応液を、ジエチルエーテル中10%アセトン400mLに添加することに
より沈降させる。懸濁液を遠心分離すると、撹拌時に濃厚な粘着性固体が得られ
、上清をデカントする。合わせた上清を減圧下で10mLの容量まで蒸発させ、
200mLのジエチルエーテルへの添加により沈降させる。懸濁液を遠心分離し
、上清をデカントする。固体をメタノールに溶かし、合わせ、減圧下で蒸発させ
る。HPLC(方法A:38%アセトニトリルで3分間、次いで38%〜75%
アセトニトリルの線形勾配で40分間;流速8mL/分)により精製すると、(
XII)(0.97g、Iから61%)が得られる。保持時間=26分間;TL
C:R=0.5(クロロホルム−メタノール−水、50:21:4)。
【0361】 例81:グルコース−C6−メシチレンスルホニル−N,N’−ビス−Cbz
ベンジルバンコマイシン(CII)
【0362】 化合物(CI)(250mg、0.138mmol)の1.8mL無水ピリジン
の撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下、4℃で、ピリジン中1.12Mメシチレンス
ルホニルクロリド溶液0.25mLを加える。温度を4℃で18時間維持し、そ
の後、ピリジン中1.12Mメシチレンスルホニルクロリド0.1mLを加える。
さらに8時間後、混合物を50mLジエチルエーテルへの添加により沈降させ、
遠心分離し、上清をデカントし、白色固体を真空乾燥させる。HPLC(方法A
;35%〜95%のアセトニトリルの線形勾配で40分間;流速=7.8mL/
分)による分離により、出発物質(33mg)および(CII)(154mg、
56%、回収された3に基づき64%)が得られる。保持時間=27分間;TL
C:R=0.53(クロロホルム−メタノール−水、45:10:1)。LR
ESI−MS、C9810330Clの計算値:1987.6;
[M+H]=1989;[M−バンコサミン+H]=1711;[M−二糖
+Na]=1390。
【0363】 例82:グルコース−C6−アジド−N,N’−ビス−Cbzベンジルバンコ
マイシン(CIII)
【0364】 メシチレンスルホニル誘導体(CII)(80mg、0.04mmol)の1
mL無水DMFの撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下で、アジ化ナトリウム(26m
g、0.4mmol)を加える。懸濁液を85℃で7.5時間加熱し、室温まで冷
却する。混合物を20mLジエチルエーテルへの添加により沈降させ、遠心分離
し、上清をデカントする。黄褐色の固体をメタノール(約1mL)に溶かし、2
0mL水への添加により沈降させる。懸濁液を遠心分離し、上清をデカントする
。HPLC(方法A;35%〜80%のアセトニトリルの線形勾配で40分間;
流速=7.8mL/分)による分離により、(CIII)(38mg、52%)
が得られる。保持時間=24分間;TLC:R=0.45(クロロホルム−メ
タノール−水、45:10:1)。LRESI−MS、C899212 Clの計算値:1830.6;[M+Na]=1854;[M−バンコサ
ミン+H]=1556;[M−二糖+Na]=1389。
【0365】 例83:グルコース−C6−アミン−N,N’−ビス−Cbz,ベンジルバンコ
マイシン(CIV)
【0366】 トリフェニルホスフィン(32mg、0.12mmol)およびアジド(CI
II)(25mg、0.014mmol)の、1mL水を含む3mL THFの
溶液を55℃で5時間加熱する。室温まで冷却後、混合物を40mLのトルエン
で希釈し、減圧下で蒸発乾固する。固体をメタノール(約1mL)に溶かし、2
5mLジエチルエーテルへの添加により沈降させる。得られた懸濁液を遠心分離
し、上清をデカントし、固体を減圧下で乾燥させる。HPLC(方法A;20%
〜75%のアセトニトリルの線形勾配で40分間;流速=7.5mL/分)によ
る分離により、(CIV)(18mg、73%)が得られる。保持時間=21分
間;TLC:R=0.15(クロロホルム−メタノール−水、50:21:4
)。LRESI−MS、C89941027Clの計算値:1804.
6;[M+H]=1806;[M−二糖+H]=1369。
【0367】 例84:グルコース−C6−N−アセチル−N,N’−ビス−Cbzベンジル
バンコマイシン(CV)およびグルコース−C6−N−アセチルバンコマイシン
(CVI)
【0368】 アミン(CIV)(15mg、0.008mmol)の0.3mL無水DMF溶
液に、アルゴン雰囲気下、4℃で、無水酢酸(0.1mL、0.01mmol)を
加える。30分後、8mLのトルエンを加え、混合物を減圧下で蒸発乾固すると
、15mg(CV)(TLCによりワンスポット;R=0.7(クロロホルム
−メタノール−水、50:21:4))が得られる。この生成物をさらに精製す
ることなく脱保護する。
【0369】 N−アセチル誘導体(CV)(11mg)を、0.8mL DMF−メタノー
ル−水(1:2:1)に溶かし、触媒10%Pd/Cを用いてバルーン圧力下で
水素化する。70分後、反応混合物をろ過して触媒を除去し、0.6mLの水で
希釈する。HPLC(方法B;0%〜30%のアセトニトリルの線形勾配で50
分間;流速=7.5mL/分)による分離により、(CVI)(6mg、CIV
から67%)が得られる。保持時間=24分間。LRESI−MS、C68 1024Clの計算値:1488.5;[M+H]=1490;[M
−バンコサミン+H]=1346;[M−二糖+H]=1143。
【0370】 例85:N,N’−ジ−Fmocバンコマイシン(CVII) バンコマイシン・HCl(178mg、0.012mmol)の2mL水溶液
に、21mgのNaHCOを加える。得られた懸濁液を3mLのアセトンで希
釈し、10分間撹拌する。次いで、透明な溶液をN−(9−フルオレニルメトキ
シカルボニルオキシ)スクシンイミド(Fmoc−スクシンイミド)(90mg
、0.26mmol)および1mLのDMSOで処理し、24時間撹拌する。次
いで、追加の80mgのFmoc−スクシンイミドを加え、混合物をさらに16
時間撹拌する。混合物を6mLジエチルエーテル−アセトン(5:2)への添加
により沈降させ、懸濁液を遠心分離し、上清をデカントする。白色固体をジエチ
ルエーテルに懸濁し、懸濁液を遠心分離し、上清をデカントし、固体を減圧下で
乾燥させる。HPLC(方法A;20%〜100%のアセトニトリルの線形勾配
で75分間;流速=7mL/分)による分離により、(CVII)(167mg
)が得られる。保持時間=73分間。TLC:R=0.6(クロロホルム−メ
タノール−水、6:4:1)。LRESI−MS、C969528Cl の計算値:1891.6;[M+H]=1893。
【0371】 例86:N,N’−ジ−Fmocアリルバンコマイシン(CVIII)
【0372】 Fmoc保護誘導体(CVII)(35mg、0.018mmol)の0.6m
L DMSO溶液に、NaHCO(13mg、0.15mmol)を加え、混
合物を10分間撹拌する。次いで、アリルブロミド(10μL、0.12mmo
l)を加え、24時間撹拌し続ける。反応混合物を10mL THF−酢酸エチ
ル(9:1)への添加により沈降させ、懸濁液を遠心分離し、上清をデカントし
、固体を減圧下で乾燥させる。HPLC(方法A;30%〜80%のアセトニト
リルの線形勾配で45分間;流速=7mL/分)による分離により、(CVII
I)(24mg、68%)が得られる。保持時間=37分間。TLC:R=0
.8(クロロホルム−メタノール−水、6:4:1)。LRESI−MS、C
9928Clの計算値:1931.6;[M+Na]=1955
【0373】 例87:N,N’−ジaloc−グルコース−C6−ブロモ−バンコマイシン
アリルエステル(CIX)
【0374】 メシチレンスルホニル誘導体(XVI)(10mg、0.005mmol)の
0.3mL無水DMFの撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下で、臭化リチウム(10
mg、0.11mol)を加え、80℃で7.5時間撹拌する。反応液を室温まで
冷却し、減圧下で蒸発乾固する。HPLC(方法A;30%〜55%のアセトニ
トリルの線形勾配で40分間;流速=7.5mL/分)による分離により、(C
IX)(10mg、少量の見かけのメシチレンスルホン酸塩を含む)が得られる
。保持時間=25分間;TLC:R=0.6(クロロホルム−メタノール−水
、50:21:4)。LRESI−MS、C778627 79Br
の計算値:1717.4;[M+Na]=1741;[M−バンコサミン
+H]=1493;[M−二糖+Na]=1290。この中間体はさらに精
製することなく脱保護する。
【0375】 例88:グルコース−C6−ブロモバンコマイシン(CX)
【0376】 ブロミド(CIX)(10mg、0.005mmol、記載のように不純物を
含む)の、0.3mL酢酸を含む0.4mL無水DMFの撹拌溶液に、(PhP) PdCl(触媒)を加える。激しく撹拌しながら、BuSnHを10μL
アリコートで10〜20分毎に2時間加え(計110μL添加)、その後、TL
C(クロロホルム−メタノール−水;6:4:1)により、全グリコペプチドが
基線を示した。二層混合物を150μLメタノールで希釈し、15mLジエチル
エーテルへの添加により沈降させる。懸濁液を遠心分離し、上清をデカントする
。白色固体をアルゴン気流下で乾燥させて、残留ジエチルエーテルを除去し、D
MF−水(1:2、約2mL)に溶かし、ろ過して、全ての残留触媒または疎水
性塩を除去する。HPLC(方法B;0%〜45%のアセトニトリルの線形勾配
で40分間;流速=7.5mL/分)による分離により、(CX)(7mg、4
から85%)が得られる。保持時間=24分間。LRESI−MS、C66 23 79BrClの計算値:1509.3;[M+H]=151
1;[M−バンコサミン+H]=1369;[M−二糖+H]=1143。
【0377】 例89:2−(2,2−ジメチルアセトアセチル)−3,4,6−トリ−O−ベン
ジル−D−グルコースフェニルスルホキシド(CXVI)
【0378】 化合物(CXI)(3,4,6−トリ−O−ベンジル−D−グルコース)は、市
販で入手できるD−グルコースペンタアセテートから、マルチグラムスケールで
5段階で全収率50%で調製される[V.Betaneli等、Carbohydrate Research、
1982、Vol.107、p.285]。
【0379】 a)2−アセチル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−D−グルコースフェニル
スルフィド(CXII)
【0380】 (CXI)(5.1g、11.3mmol)の200mL乾燥CHCl溶液
に、ピリジン(9.2mL、113mmol)、無水酢酸(AcO)(5.3m
L、56.7mmol)、および4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(1
00mg、0.82mmol)を加える。反応液を1.5時間撹拌し、次いで真空
濃縮する。残渣を500mLのEtOAcに溶かし、1N HCl(2×100
mL)、飽和NaHCO(2×100mL)、HO(100mL)および飽
和NaCl(100mL)で洗浄する。有機層をNaSOで乾燥し、真空濃
縮すると、6.1gの粗ジアセテートが得られる。この物質を200mLの乾燥
CHClに溶かし、溶液を−40℃まで冷却する。チオフェノール(1.2
mL、11.7mmol)、次いでBF・EtO(2.9mL、22.6mm
ol)を加える。反応液をゆっくりと室温まで加温し、次いで、室温で1.5時
間撹拌する。次いで、反応液を200mLの飽和NaHCOに注ぎ、30分間
撹拌する。生成物をCHCl(3×200mL)で抽出する。有機層を合わ
せ、NaSOで乾燥させ濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(
10〜15%EtOAc/石油エーテル)により精製すると、5.6g(85%
)の(CXII)が白色固体として得られる(14:1比の:スルフィド)。R =.41(15%EtOAc/石油エーテル);H NMR(CDCl
500MHz)7.22〜7.54(m、20H)、5.05(appt、J=9.0H
z、1H、H2)、4.80〜4.83(m、2H)、4.55〜4.70(m、5
H)、3.68〜3.82(m、4H)、3.55〜3.58(m、1H)、2.0
2(s、3H、アセテート上のCH);13C NMR(CDCl、500
MHz)170.2、138.9、138.8、138.6、133.7、133.0
、129.6、129.2、129.1、128.7、128.6、128.5、12
8.4、128.3、86.7、85.2、80.1、78.5、76.0、75.8、
74.2、72.6、69.7、21.8。
【0381】 b)3,4,6−トリ−O−ベンジル−D−グルコースフェニルスルフィド(C
XIII)
【0382】 (CXII)(802mg、1.37mmol)の10mL THF溶液に、
MeOH(20mL)および12滴のNaOHの飽和メタノール溶液を加える。
反応液を一晩撹拌し、次いで150mLのMeOHで希釈する。アンバーライト
酸性レジンを加え、反応液を10分間撹拌する。リトマス紙により、pHが中性
であることが示され、レジンをろ別する。ろ液を真空濃縮し、残渣をフラッシュ
クロマトグラフィー(20%EtOAc/石油エーテル)により精製すると、白
色固体としての654mg(93%)のスルフィド(CXIII)、および49
mg(7%)のスルフィドが得られる。Rf( )=.20(15%EtOAc
/石油エーテル)。Rf( )=.13(15%EtOAc/石油エーテル);
H NMR( )(CDCl、500MHz)7.25〜7.63(m、20
H)、4.87〜4.98(m、3H)、4.55〜4.68(m、4H)、3.8
5(dd、J=11.0、1.5Hz、1H)、3.79(dd、J=10.5、4
.5Hz、1H)、3.63〜3.68(m、2H)、3.54〜3.60(m、2
H)、2.50(s、1H、遊離OH);13C NMR( )(CDCl
500MHz)139.2、139.0、138.8、133.6、132.6、1
29.7、129.3、129.2、129.1、128.8、128.7、128.
5、128.4、128.3。
【0383】 c)2−(2−メチル)−アセトアセチル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−D
−グルコースフェニルスルフィド(CXIV)
【0384】 冷却器を具備した100mLの2口丸底フラスコに、(CXIII)(1.0
6g、1.96mmol)、乾燥トルエン(35mL)、DMAP(240mg
、1.96mmol)、およびエチル−2−メチルアセトアセテート(1.5mL
、9.8mmol)を加える。反応液を48時間加熱還流し、次いで冷却し真空
濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(15〜20%EtOAc/石
油エーテル)により精製すると、1.07g(86%)の(CXIV)が白色固
体として、95mg(9%)の回収(CXIII)と共に得られる。R=.2
0(15%EtOAc/石油エーテル)(異性体の混合物)。
【0385】 d)2−(2,2−ジメチルアセトアセチル)−3,4,6−トリ−O−ベンジル
−D−グルコースフェニルスルフィド(CXV)
【0386】 (CXIV)(189.5mg、0.296mmol)の12mL THF溶液
を0℃まで冷却し、カリウムt−ブトキシド(66.5mg、.592mmol)
を加える。溶液を0℃で10分間撹拌し、次いでヨウ化メチル(37L、.59
2mmol)を加える。反応液を0℃で45分間撹拌し、次いで、20mLの飽
和NHClに注ぎ、CHCl(3×20mL)で抽出する。有機層を合わ
せ、NaSOで乾燥させ、真空濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(
20%EtOAc/石油エーテル)により精製すると、181mg(94%)の
(CXV)が油状物として得られる。Rf.25(15%EtOAc/石油エー
テル);H NMR(CDCl、500MHz)7.17〜7.54(m、2
0H)、5.15(appt、J=10Hz、1H、H2)、4.86(d、J=11
Hz、1H)、4.74(d、J=10.5Hz)、4.56〜4.69(m、5H
)、3.70〜3.82(m、1H)、3.55〜3.58(m、1H)、2.22
(s、3H)1.44(s、3H)、1.37(s、3H);13C NMR(C
DCl、500MHz)206.2、172.6、138.8、138.6、13
8.4、133.6、132.9、129.7、129.1、128.7、128.6
、128.4、128.3、127.6、86.7、84.8、80.0、78.6、
75.7、75.5、74.2、73.0、69.5、56.5、27.1、22.8、
22.6。
【0387】 e)2−(2,2−ジメチルアセトアセチル)−3,4,6−トリ−O−ベンジル
−D−グルコースフェニルスルホキシド(CXVI)
【0388】 (CXV)(189.5mg、.290mmol)の15mL CHCl
液を、−60℃まで冷却し、m−クロロペルオキシ安息香酸(mCPBA)(6
4%純度、85mg、.315mmol)を加える。反応液をゆっくりと−5℃
まで加温し、50LのMeSでクエンチする。反応液を20mLの飽和NaH
COに注ぎ、CHCl(3×20mL)で抽出する。有機層を合わせ、N
SOで乾燥させ、濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(40
%EtOAc/石油エーテル)により精製すると、186.1mg(96%)の
(CXVI)がスルホキシド異性体の1:1混合物として得られる。Rf(極性
の低い方の異性体)=.29(40%EtOAc/石油エーテル);Rf(極性
の高い方の異性体)=.23(40%EtOAc/石油エーテル);H NM
R(極性の低い方の異性体)(CDCl、500MHz)7.15〜7.61(
m、20H)、5.51(appt、J=9.5Hz、1H、H2)、4.19〜4.8
6(m、6H、Bns上の3×CH)、4.17(d、J=9.5Hz、1H、
H1)、3.78(appt、J=8.5、1H)、3.51〜3.69(m、3H)、
3.45〜3.48(m、1H)、2.23(s、3H)、1.47(s、3H)、
1.40(s、3H);H NMR(極性の高い方の異性体)(CDCl
500MHz)7.14〜7.82(m、20H)、5.29(appt、J=8.5H
z、1H、H2)、4.54〜4.85(m、4H、Bns上の2×CH)、4
.30〜4.37(m、3H)、3.78(appt、J=8.5Hz、1H)、3.6
4〜3.74(m、3H)、3.50〜3.52(m、1H)、2.22(s、3H
)、1.46(s、3H)、1.42(s、3H);13C NMR(極性の低い
方の異性体)(CDCl、500MHz)206.4、172.1、139.7
、138.7、138.4、138.2、132.1、129.6、129.2、12
9.1、128.6、128.4、127.7、126.3、91.3、84.5、8
1.0、75.6、75.4、74.2、70.0、69.2、56.7、26.9、2
2.8、22.6;13C NMR(極性の高い方の異性体)(CDCl、50
0MHz)206.2、173.1、139.8、138.7、138.3、129.
4、129.1、129.0、128.6、128.5、128.4、128.3、1
28.0、127.1、93.7、83.7、80.2、75.5、75.4、74.2
、71.4、68.8、56.6、26.8、22.8、22.7。
【0389】 例90:モデルフェノールのグリコシル化。3,4,6−トリ−O−ベンジル−
β−D−グルコピラノシル2,6−ジメトキシフェノール(CXVIII)の調
【0390】 a)2−(2,2−ジメチルアセトアセチル)−3,4,6−トリ−O−ベンジル
−D−グルコピラノシル−2,6−ジメトキシフェノール(CXVII)。2,6
−ジメトキシフェノール(48.6mg、0.315mmol)を5mLのベンゼ
ンに溶かし、ビス(トリブチルスズ)オキシド(88.3L、0.173mmol)
を加える。溶液を、枝に4Åモレキュラーシーブを含むディーンシュタークトラ
ップを用いて一晩還流する。反応液を冷却し、真空で濃縮すると、トリブチルス
ズ−2,6−ジメトキシフェノキシドが得られ、これを1mlの乾燥塩化メチレ
ンに溶かして貯蔵溶液を得る。分離フラスコに、(CXVI)(62.4mg、
0.0931mmol)および2,6ジ−t−ブチル−4−メチルピリジン(40
.6mg、0.198mmol)を3回トルエンと共に共沸する。4Åシーブを炎
光で乾燥させ、撹拌棒をフラスコに加え、次いで4mlのEtOAcを加える。
溶液を1時間撹拌し、−78℃に冷却する。100LのTfOを含む157L
の貯蔵溶液および900LのCHClを加える(TfOの.093mmo
l)。反応液を−60℃まで加温させる。温度を−60℃で10分間維持し、次
いで反応液を−78℃まで冷却し戻す。170.5L(0.0473mmol)の
トリブチルスズ2,6−ジメトキシフェノキシドの貯蔵溶液をシリンジで滴下し
て加える。5分後、40Lのピリジンを加え、次いで反応液を50mlのEtO
Acで希釈し、25mlのNaHCOに注ぐ。EtOAc層を25mLの飽和
NaClで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮する。残渣をフラッシュクロ
マトグラフィー(30%EtOAc/石油エーテル)により精製すると、30.
8mg(93%)の(CXVII)が得られる。R=0.30(25%EtO
Ac/石油エーテル);H NMR(CDCl、270MHz)7.17〜
7.33(m、15H)、7.04(t、J=8.6Hz、1H、フェノールのH
)、6.565(d、2H、J=8.6Hz、フェノールのH)、5.44(a
ppt、J=8.4Hz、1H、H−2)、5.075(d、J=7.9Hz、1H、
H−1)、4.46〜4.88(m、6H、Bns上の3×CH)、3.69〜
3.88(m、2H)、3.79(s、6H、フェノール上の2×OMe)、3.
39〜3.46(m、1H)、2.12(s、3H)、1.37(s、3H)、1.
32(s、3H);13C NMR(CDCl、270MHz)206.1、
172.4、153.7、138.6、138.3、138.0、133.7、128
.5、128.0、127.6、127.2、124.8、105.4、100.5、
83.1、78.1、76.1、75.0、74.7、74.1、73.9、68.7、
56.2、55.9、26.0、22.3、21.5;MS(ESI)計算値698.
8(C414610)実測値721.8MNa。
【0391】 b)3,4,6−トリ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル2,6−ジメ
トキシフェノール(CXVIII)
【0392】 (CXVII)(53.2mg、0.0761mmol)の650LのTHF溶
液に、1.3mlのMeOH、次いでヒドラジン(40L、1.3mmol)を加
える。反応液を3時間撹拌し、次いで100lの酢酸を加える。反応液を40m
Lの飽和塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、塩化メチレン(3×25mL)で抽出
する。有機抽出物を合わせ、NaSOで乾燥させ、濃縮する。フラッシュク
ロマトグラフィー(20%EtOAc/石油エーテル)により精製すると、35
.1mg(79%)の(CXVIII)が得られる。R=0.24(25%Et
OAc/石油エーテル);H NMR(CDCl、270MHz)δ7.1
7〜7.44(m、15H)、7.06(t、J=8.6Hz、1H、フェノール
のH)、6.61(d、J=8.6Hz、2H、フェノールのH)、5.07
(d、J=11.2Hz、1H)、4.84(appt、J=11.7Hz、2H)、
4.54〜4.60(m、4H)、3.88〜3.94(m、III)、3.85(
s、6H、フェノール上の2×OCH)、3.49〜3.78(m、5H); C NMR(CDCl、270MHz)δ153.2、139.0、138.
6、138.3、136.0、127.2〜129.0(多重線、芳香族)、125
.0、106.5、105.6、85.0、77.4、76.1、75.8、75.2、
75.1、73.8、69.6、56.5。
【0393】 例91:CBz−テトラ−O−ベンジルジアセテートバンコマイシンアグリコ
ン(CXXIII)
【0394】 a)CBZ−Bn−バンコマイシンアグリコン(CXIX) トリフルオロ酢酸(6.4mL)をビス−CBz−Bn−バンコマイシン(X
II)(250.2mg;0.138mmol;HPLCにより>80%の純度)
に加える。反応混合物は黒色に変わり、室温で11時間撹拌し、次いで80mL
のHO中で沈降させる。沈降物を遠心分離により集め、シリカゲルフラッシュ
クロマトグラフィー(15%MeOH/CHCl)にかける。所望の生成物
を含む画分を合わせ、濃縮する。この物質は、逆相分取HPLC(C18、40
分間かけて0.1%HOAcを含む40〜80%CHCN/HO)により精
製すると、(CXIX)(60.1mg;32%)が白色固体として得られる。
=0.17(15%MeOH/CHCl);MS(ESI)計算値13
68.1(C686419Cl)実測値1369.1MH。
【0395】 b)CBZ−Bn−O−アリルバンコマイシンアグリコン(CXX)
【0396】 4Åモレキュラーシーブを、(CXIX)(171.2mg;0.125mmo
l)に加え、次いでDMF(7.5mL)を加える。溶液を30分間撹拌し、次
いでCsCO(52.6mg、0.162mmol)を加え、混合物を30分
間撹拌する。溶液を0℃まで冷却し、アリルブロミド(75.6μL、0.625
mmol)を加える。50分後、反応液をHOAC(100μL)の添加により
クエンチする。反応混合物を15%MeOH/CHClを用いてシリカゲル
の栓を通してろ過し、ろ液を濃縮する。逆相分取HPLC(C18、45分間か
けて0.1%HOAcを含む40〜80%CHCN/HO)により精製する
と、(CXX)(77.4mg、44%)が白色固体として、回収された(CX
IX)(23.8mg;14%)と共に得られる。R=0.28(15%MeO
H/CHCl);MS(ESI)計算値1408.2(C7168
19Cl)実測値1409.2MH。
【0397】 c)CBZ−テトラ−O−ベンジル−O−アリルバンコマイシンアグリコン(
CXXI)
【0398】 4Åモレキュラーシーブを、(CXX)(26.3mg;0.0187mmol
)に加え、次いでDMF(1.5mL)を加える。溶液を30分間撹拌し、次い
でCsCO(29.0mg、0.089mmol)を加え、混合物を30分間
撹拌する。溶液を0℃まで冷却し、ベンジルブロミド(44.4μL、0.373
6mmol)を加える。反応液を2.5時間0℃で撹拌し、次いで室温まで加温
し、室温で5時間撹拌する。次いで、反応液をHOAc(40μL)でクエンチ
し、15%MeOH/CHClを用いてシリカゲルの栓を通してろ過する。
ろ液を濃縮し、残渣を円形クロマトグラフィー(5%MeOH/CHCl
により精製すると、(CXXI)(22.7mg;73%)が白色固体として得
られる。R=0.125(5%MeOH/CHCl);MS(ESI)計
算値1678.5(C928619Cl)実測値1701.5MNa
【0399】 d)CBZ−テトラ−O−ベンジル−O−アリルジアセテートバンコマイシン
アグリコン(CXXII)
【0400】 化合物(CXXI)(47.8mg;0.0285mmol)をピリジン(4m
L)に溶かし、AcO(1mL)を加える。反応液を室温で2.5時間撹拌し
、次いで濃縮する。残渣を10%MeOH/CHClを用いてシリカゲルの
栓を通してろ過し、ろ液を濃縮する。残渣を円形クロマトグラフィー(4%Me
OH/CHCl)により精製すると、(CXXII)(47.8mg;95
%)が白色固体として得られる。R=0.30(5%MeOH/CHCl
);MS(ESI)計算値1762.6(C969021Cl)実測
値1785.6MNa。
【0401】 e)CBZ−テトラ−O−ベンジルジアセテートバンコマイシンアグリコン(
CXXIII)
【0402】 (CXXII)(44.8mg;0.0254mmol)に、CHCl(4.
5ml)、HOAc(0.59mL)、およびN−メチルモルホリン(0.29m
L)を加える。溶液を5分間脱気し、次いでPd(PPh)(11.1mg;
9.6×10−3mmol)を加える。反応液を45分間撹拌し、次いで追加量
のPd(PPh)(3.5mg;3×10−3mmol)を加える。反応液を
さらに15分間撹拌し、次いで10%MeOH/CHClを用いてシリカゲ
ルの栓を通してろ過する。ろ液を濃縮し、残渣を円形クロマトグラフィー(5%
MeOH/CHCl)により精製すると、(CXXIII)(41.9mg
;96%)が得られる。R=0.25(5%MeOH/CHCl);MS
(ESI)計算値1722.5(C938621Cl)実測値172
3.5MH。
【0403】 例92:[2−(2,2−ジメチルアセトアセチル)−3,4,6−トリ−O−ベン
ジル−β−D−グルコピラノシド]−N−CBZ−テトラ−O−ベンジル−ジア
セテートバンコマイシンアグリコン(CXXIV)
【0404】 スルホキシド(CXVI)(101.3mg、0.151mmol)を2,6−
ジ−t−ブチル−4−メチルピリジン(62.7mg、0.303mmol)と合
わせ、5mLの乾燥CHClを加える。溶液を−70℃まで冷却し、Tf O(25.2μL、0.151mmol)を加える。反応液を−60℃まで加温し
、この温度で30分間維持する。次いで、(CXXIII)(39.6mg;0.
023mmol)を1mLのCHCl中に滴下して加える。反応液をゆっく
りと−50℃まで加温し、次いで温度を−50℃から−55℃の間で30分間維
持する。反応液をチオフェノール(15μL)、次いでDIEA(100μL)
の添加によりクエンチする。冷反応混合物を10%MeOH/CHCl(1
00mL)を用いてシリカゲルの栓を通してろ過する。ろ液を濃縮し、円形クロ
マトグラフィー(4%MeOH/CHCl)にかける。所望の生成物を含む
画分を合わせ、円形クロマトグラフィー(3.5%MeOH/CHCl)に
より再度精製すると、(CXXIV)(8.7mg;17%)が得られる。R
=0.23(3.5%MeOH/CHCl);MS(FAB)計算値2,26
7.1(C12612228Cl)実測値2268.2MH。
【0405】 例93:N,N’−ジアリルオキシカルボニル−メトキシ−グリシン−デロイ
シンアスパラギン酸バンコマイシン(CXXVIII)
【0406】 a)デロイシン−バンコマイシン(CXXV)
【0407】 バンコマイシン・HCl(497mg、0.335mmol)を4mLの水に
溶かし、これに40℃の油浴中で撹拌しながら4mLの蒸留ピリジンを加える。
この溶液に、フェノルイソチオシアネート(50mg、0.368mmol)を
加える。30分間撹拌した後、透明な溶液を減圧下で有機溶媒を蒸発させ、次い
で100mLの水を加え、これを凍結し凍結乾燥させる。この粉末に、4mLの
CHClおよび4mLのトリフルオロ酢酸を加える。この透明な溶液を室温
で3分間撹拌し、次いで減圧下で蒸発させて乾燥させる。褐色の油状物を100
mLの酢酸エチル(EtOAc)と100mLのHO間に分配させる。水層を
集め、有機層を2回水(各40mL)で抽出する。水層を合わせ、減圧下で蒸発
させて乾燥させる。白色固体をメタノールに溶かし、C18逆相カラム(50m
m×12cm、粒子サイズ40μm、孔サイズ60Å(J.T.Baker))にのせ、
水中10%アセトニトリル/0.1%酢酸で溶出する。純粋な生成物を含む画分
を合わせ、蒸発させると、325mg(73.5%)の(CXXV)が白色粉末
として得られる。R=0.1(CHCl:MeOH:HO=3:5:1.5
)。質量分析[M+H]、1322;[M−V]、1178。
【0408】 b)メトキシ−グリシン−デロイシンバンコマイシン(CXXVI)
【0409】 化合物(CXXV)(162mg、0.117mmol)およびグリシンメチ
ルエステル塩酸塩(74mg、0.585mmol)を0.8mL DMSOおよ
び0.8mL DMFに溶かし、0℃で撹拌する。ジイソプロピルエチルアミン
(204μL、0.585mmol)、次いでHOBt/HBTU(1.17mL
の0.45M DMF溶液、0.526mmol)をシリンジを介して反応溶液に
加える。氷浴を添加後に取り除く。10分後、反応は完了し、反応溶液を直接ポ
リ(ジビニルベンゼン)カラム(30mm×8cm、50〜100μ粒子サイズ)
にのせ、メタノール/水(0、10%、20%、30%、40%、50%の各1
00mL)で溶出する。純粋な生成物を含む画分を合わせ、蒸発させると、16
0mg(95%)の(CXXVI)が得られる。R=0.1(CHCl:M
eOH:HO=3:3:1)。質量分析[M+H]、1393;[M−V] 、1249。
【0410】 c)N−アリルオキシカルボニル−メトキシ−グリシン−デロイシンバンコマ
イシン(CXXVII)
【0411】 化合物(CXXVI)(647mg、0.465mmol)を10mLの水お
よび10mLのジオキサン混合物に溶かす。5mLジオキサン中Fmoc−スク
シンイミド(172mg、0.511mmol)を、10時間かけてシリンジポ
ンプを介して溶液に加える。反応混合物を、添加後さらに5時間撹拌する。次い
で、溶液を減圧下で回転蒸発させる。得られた粗油状物を10mL DMFに溶
かす。この透明な溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(406μL、2.32
mmol)、次いで1mL DMF中Aloc−OBt(102mg、0.46
5mmol)を加える。反応液を室温で30分間撹拌する。ピペリジン(2mL
)をこの時点で反応フラスコに加える。さらに5分間撹拌した後、溶液を160
mLアセトンに懸濁させ、撹拌し、遠心分離し、デカントする。得られた白色の
沈降物を集め、C18逆相カラム(50mm×12cm、粒子サイズ40μm、
孔サイズ60Å(J.T.Baker)にのせ、イソプロパノール/水(0、10%、2
0%、30%、40%、50%、60%の各100mL)で溶出する。純粋な生
成物を含む画分を合わせ、蒸発させると、309mg(3段階で58%)の(C
XXVII)が白色粉末として得られる。R=0.4(CHCl:MeOH
:HO=3:2:0.5)。質量分析[M+2H]、1478;[M−V+
H]、1250。
【0412】 d)N,N’−ジアリルオキシカルボニル−メトキシ−グリシン−デロイシン
アスパラギン酸バンコマイシン(CXXVIII)
【0413】 化合物(CXXVII)(102mg、0.0691mmol)およびAlo
c−Asp(OFm)−OH(55mg、0.138mmol)を前以て混合し、
トルエンと共に3回共沸させ、1.5mLのDMFに溶かし、次いで0℃に冷却
する。ジイソプロピルエチルアミン(48μL、0.276mmol)、次いで
HOBt(19mg、0.138mmol)およびPyBOP(72mg、0.1
38mmol)を反応容器に加える。15分間撹拌した後、200μLのピペリ
ジンを反応液に加える。氷浴を取り外し、反応液を室温で5分間撹拌する。透明
な溶液を45mLアセトンに懸濁し、撹拌し、遠心分離し、デカントする。固体
を減圧下で乾燥させ、PHENOMENEX LUNAC18カラム(21.2×250mm)
、5μ粒子を使用して、30分間、水中0.1%酢酸から水中70%アセトニト
リル/0.1%酢酸の線形勾配で;流速7mL/分で溶出し、285nmで紫外
線(UV)検出して逆相HPLCにより精製する。生成物を含む画分を合わせ、
蒸発させると、71mg(2段階で62%)の化合物(CXXVIII)が得ら
れる。R=0.5(CHCl:MeOH:HO=3:2:0.5)。質量分
析[M+Na]、1698;[M−V+Na]、1472。
【0414】 例94:N−アリルオキシカルボニル−N’−メトキシグリシン[N−アセテ
ート−バンコサミノ]バンコマイシン(CXXXI)
【0415】 a)メトキシ−グリシンバンコマイシン(CXXIX)
【0416】 バンコマイシン塩酸塩(317mg、0.213mmol)およびグリシンメ
チルエステル塩酸塩(54mg、0.426mmol)を2mL DMSOおよ
び2mL DMFに溶かし、0℃で撹拌する。ジイソプロピルエチルアミン(1
86μL、0.3195mmol)、次いでHOBt/HBTU(710Lの0.
45M DMF溶液、0.319mmol)をシリンジを介して反応溶液に加え
る。氷浴を添加後に取り除く。10分後、反応は完了し、反応溶液を直接ポリ(
ジビニルベンゼン)カラム(30mm×8cm、50〜100μ粒子サイズ)に
のせ、メタノール/水(0、10%、20%、30%、40%、50%の各10
0mL)で溶出する。純粋な生成物を含む画分を合わせ、蒸発させると、249
mg(77%)の(CXXIX)が白色粉末として得られる。R=0.15(
CHCl:MeOH:HO=3:2:0.5)。質量分析[M+H]、1
521;[M−V]、1377。
【0417】 b)N−アリルオキシカルボニル−N’−メトキシグリシンバンコマイシン(
CXXX)
【0418】 化合物(CXXIX)(110mg、0.0723mmol)を3mLのDM
Fに溶かす。0.5mL DMF中Aloc−OBt(17mg、0.0795m
mol)を、シリンジポンプを介してこの溶液に10時間かけて加える。反応液
を添加後さらに5時間撹拌する。次いで、溶液を160mLアセトンに懸濁し、
撹拌し、遠心分離し、デカントする。白色固体をポリ(ジビニルベンゼン)カラム
(30mm×8cm、50〜100μ粒子サイズ)にのせ、メタノール/水(0
、10%、20%、30%、40%、50%の各100mL)で溶出する。純粋
な生成物を含む画分を合わせ、蒸発させると、115mg(62%)の(CXX
X)が白色粉末として得られる。R=0.4(CHCl:MeOH:H
=3:2:0.5)。質量分析[M+H]、1605;[M−V]、146
1。
【0419】 c)N−アリルオキシカルボニル−N’−メトキシグリシン[N−アセテート
−バンコサミノ]バンコマイシン(CXXXI)
【0420】 化合物(CXXX)(32mg、0.0202mmol)およびグリオキシル
酸一水和物(2mg、0.0222mmol)を400μlのメタノールに溶か
し、40℃で2時間撹拌する。白色沈降物が生じ、懸濁液を室温まで冷却し戻し
、100μLのDMF、次いで61μLのNaCNBHのTHF溶液(1M溶
液)を加える。20分後、得られた透明な溶液を直接、PHENOMENEX LUNAC18
カラム(21.2×250mm)、5μm粒子を使用して、30分間、水中20
%アセトニトリル/0.1%酢酸から水中70%アセトニトリル/0.1%酢酸の
線形勾配で;流速7mL/分で溶出し、285nmで紫外線(UV)検出して逆
相HPLCにより精製する。生成物を含む画分を合わせ、蒸発させると、18m
g(54%)の生成物(CXXXI)が得られる。質量分析[M+H]、16
62;[M−V]、1460。
【0421】 例95:2−(4−アジドブチリル)−3,4,6−トリアセチルグルコーススル
ホキシド(CXXXII)
【0422】 a)2−(4−アジドブチリル)−1,3,4,6−テトラアセチル−D−グルコ
ース
【0423】 1,3,4,6テトラアセチルD−グルコース(W.E.Dick、Carbohyd.Res.、21、
255-268(1972))をCHClに溶かし、0.1M溶液を作成する。6等量のピ
リジンおよび3等量の4−アジドブチリルクロリド(S.Kusumoto等、Bull.Chem.
Soc.Jpn.、59、1289-1298(1986))を加える。7時間後、反応液を飽和NaHC
に注ぎ、CHClで抽出し、NaSOで乾燥させ、濃縮する。残渣
をフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると標題化合物が得られる。
【0424】 b)2−(4−アジドブチリル)−3,4,6−トリアセチル−D−グルコースス
ルフィド
【0425】 段階a)の生成物を、CHClに溶かして0.1M溶液を作成する。5等
量のBF・EtOおよび1.25等量のチオフェノールを加える。7時間後
、反応液を飽和NaHCOに注ぎ、CHClで抽出し、NaSOで乾
燥させ、濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると標題
化合物が得られる。
【0426】 c)2−(4−アジドブチリル)−3,4,6−トリアセチル−D−グルコースス
ルホキシド
【0427】 段階b)の生成物をCHClに溶かし、0.1M溶液を作成する。溶液を
−78℃まで冷却し、1.1等量のmCPBAを加える。反応液をスルホキシド
への変換が完了するまでゆっくりと加温する。反応液を1等量のMeSでクエ
ンチし、飽和NaHCOに注ぎ、CHClで抽出し、NaSOで乾燥
させ、濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると標題化
合物(CXXXII)が得られる。
【0428】 例96:修飾スルホキシドグリコシル化手順。CBZ−Bn−トリ−O−Mc
バンコマイシンシュードアグリコン(CXXXIII)
【0429】 a)CBZ−Bn−トリ−O−Me−ヘキサアセチルバンコマイシンシュード
アグリコン
【0430】 ペルアセチル化グルコーススルホキシド(47.3mg、0.1036mmol
)および2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルピリジン(43.3mg、0.21
08mmol)を3回トルエンと共に共沸する。4Åモレキュラーシーブを炎光
乾燥させ、撹拌棒を加え、次いで3mlのCHClを加える。溶液を45分
間撹拌し、次いで−78℃に冷却する。100LのTfOを含む174Lの貯
蔵溶液および900LのCHClを加える(TfOの0.1036mmo
l)。反応液を−60℃まで加温し、その温度で20分間維持し、次いで−78
℃まで冷却し戻す。CBZ−Bn−トリ−O−Me−ジアセチルバンコマイシン
アグリコン(XV)(49.0mg、0.0328mmol)を1mlのCH
に溶かし、BF・EtO(83L、0.656mmol)を加える。こ
の溶液を活性化スルホキシドに加え、反応液を−15℃まで1.5時間かけて加
温する。次いで、反応液を、7.5%MeOH/CHClを用いてシリカゲ
ルの栓を通して、200Lのピリジンを含むフラスコにろ過する。ろ液を濃縮す
る。円形クロマトグラフィーによる精製により、28.3mg(47%)の標題
化合物が得られる。Rf0.21(50%EtOAc/石油エーテル次いで5%
MeOH/CHCl);MS(ESI)計算値1824.5(C8992
30Cl)実測値1847.5MNa。
【0431】 b)CBZ−Bn−トリ−O−Meバンコマイシンシュードアグリコン
【0432】 段階a)の生成物(7.2mg、0.0039mmol)を250LのTHFに
溶かし、500LのMeOHを加える。20LのHNNHを加え、反応液を
10時間撹拌させる。次いで、反応を60Lの酢酸(HOAc)でクエンチし、
20%MeOH/CHClを用いてシリカゲルの栓を通してろ過する。ろ液
を濃縮し、PHENOMENEX LUNAC18カラム(21.2×250mm)、5m粒子
を使用して、35分間、水中35%〜80%アセトニトリル/0.1%酢酸の線
形勾配で;流速7mL/分で溶出し、逆相HPLCにより精製する。2.0mg
(32%)の標題化合物(CXXXIII)が白色固体として単離される。HP
LCでの保持時間は24.8分間であり;MS(ESI)計算値1572.3(C 778024Cl)実測値1595.3MNa。
【0433】 例97:修飾スルホキシドグルコシル化手順。Aloc−テトラ−O−アリル
−ペンタアセチルバンコマイシンシュードアグリコン(VI)の調製
【0434】 a)Aloc−テトラ−O−アリル−ペンタアセチル−2(4−アジドブチリ
ル)−グルコースバンコマイシンシュードアグリコン
【0435】 2−(4−アジドブチリル)−3,4,6−トリアセチル−D−グルコーススルホ
キシド(CXXXII)(3等量)および2,6−ジ−t−ブチル−4−メチル
ピリジン(6等量)を3回トルエンと共に共沸する。4Åモレキュラーシーブを
炎光乾燥させ、撹拌棒を加え、次いで3mlのCHClを加える。溶液を4
5分間撹拌し、次いで−78℃に冷却する。TfO(3等量)を加える。反応
液を−60℃まで加温し、その温度で20分間維持し、次いで−78℃まで冷却
し戻す。Aloc−テトラ−O−アリルジアセテートバンコマイシンアグリコン
(1等量、ベンジルブロミドの代わりにアリルブロミド;およびN−(ベンジル
オキシカルボニルオキシ)スクシンイミドの代わりにヨウ化メチルおよびalo
c−スクシンイミドを使用して、XVの調製と同じように調製)を1mlのCH Clに溶かし、BF・EtO(20等量)を加える。この溶液を活性化
スルホキシドに加え、反応液を−15℃まで1.5時間かけて加温する。次いで
、反応液を、7.5%MeOH/CHClを用いてシリカゲルの栓を通して
、200Lのピリジンを含むフラスコにろ過する。ろ液を濃縮する。円形クロマ
トグラフィーによる精製により、alloc−テトラ−O−アリル−ペンタアセ
チル−2(4−アジドブチリル−グルコースバンコマイシンシュードアグリコン
が得られる。
【0436】 b)Aloc−テトラ−O−アリル−ペンタアセチルバンコマイシンシュード
アグリコン(VI)
【0437】 Aloc−テトラ−O−アリル−ペンタアセチル−2−(4−アジドブチリル)
−グルコースバンコマイシンシュードアグリコンを、5:1THF/HOに溶
かして0.1M溶液を作成する。5等量のPhPを加え、反応液を60℃まで
加熱する。反応液を、TLCが反応の完了を示すまでこの温度で維持する。次い
で、反応液を室温まで冷却し、10%MeOH/CHClを用いてシリカゲ
ルを通してろ過する。円形クロマトグラフィーによる精製により(VI)が得ら
れる。
【0438】 例98:モデルフェノールのグリコシル化。2,3,4,6−テトラ−O−ベン
ジル−β−D−グルコピラノシル−2,6−ジメトキシフェノールの調製
【0439】 ペルアセチル化グルコーススルホキシド(50.1mg、0.1098mmol
)および2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルピリジン(47.4mg、0.23
1mmol)を3回トルエンと共に共沸する。4Åモレキュラーシーブを炎光乾
燥させ、撹拌棒を加え、次いで3mlのCHClを加える。この溶液を45
分間撹拌し、次いで−78℃に冷却する。100LのTfOを含む185Lの
貯蔵溶液および900LのCHClを加える(TfOの0.1098mm
ol)。反応液を−60℃まで加温し、その温度で20分間維持し、次いで−7
8℃まで冷却し戻す。2,6−ジメトキシフェノール(8.4mg、.0545m
mol)を1mlのCHClに溶かし、BF・EtO(140L、1.
098mmol)を加える。この溶液をシリンジにより活性化スルホキシドに加
える。反応液を0℃まで加温し、次いで、反応液を、酢酸エチルを用いてシリカ
ゲルの栓を通して、200Lのピリジンを含むフラスコにろ過する。このろ液を
濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(45%EtOAc/石油エーテル)に
より精製すると、14.9mg(56%)の標題化合物が得られる。Rf0.27
(50%EtOAc/石油エーテル);H NMR(CDCl、500MH
z)δ7.05(t、J=8.5Hz、1H、フェノールのH)、6.59(d
、J=8Hz、2H、フェノールのH)、5.25〜5.36(m、3H、H2
、H3、およびH4)、5.10(d、J=7.5Hz、1H、H1)、4.28
(dd、J=12.3Hz、J=5Hz、1H、H6)、4.15(dd、J=1
2Hz、J=2.5Hz、H6’)、3.86(s、6H、フェノール上の2×M
e)、3.70〜3.73(m、1H、H5)、2.05〜2.06(m、12H、
4アセテート)。
【0440】 例99:ジ−{N,N’−ジアリルオキシカルボニル−O−アリル−6−グルコ
サミノバンコマイシン}−C(O)CH−(O)(CXXXV)
【0441】 a)アリルN,N’−ジアリルオキシカルボニル[6−N−アセテート−グル
コサミノ]バンコマイシン(CXXXIV)
【0442】 化合物(III)(17mg、0.0103mmol)およびグリオキシル酸
一水和物(0.95mg、0.103mmol)を1mLメタノールに溶かし、4
0℃で2時間撹拌すると、白色の沈降物が生じる。懸濁液を室温まで冷却し戻し
、250μLのDMF、次いで200μLのNaCNBHのTHF溶液(1M
溶液)を加える。20分後、得られた透明な溶液を直接、PHENOMENEX LUNAC1
8カラム(21.2×250mm)、5μm粒子を使用して、30分間、水中2
0%アセトニトリル/0.1%酢酸から水中70%アセトニトリル/0.1%酢酸
の線形勾配で;流速7mL/分で溶出し、285nmで紫外線(UV)検出して
逆相HPLCにより精製する。生成物を含む画分を合わせ、蒸発させると、6m
g(33%)の生成物(CXXXIV)が得られる。R=0.28(CHCl
:MeOH:HO=3:2:0.5)。質量分析[M+H]、1716;
[M−V]、1488。
【0443】 b)ジ−{N,N’−ジアリルオキシカルボニル−O−アリル−6−グルコサミ
ノバンコマイシン}−C(O)CH−(O)(CXXXV)
【0444】 図13に示すように、化合物(CXXXIV)(5mg、0.00292mm
ol)を1mLのメタノールに溶かし、300μLのDIEAを加える。この溶
液を10分間撹拌し、次いで、5mm×30mmポリスチレンカラムにのせ、メ
タノール/水/1%DIEA(0%、10%、20%、30%、40%、50%
の各10mL)で溶出する。化合物(CXXXIV)を含む画分を合わせ、濃縮
すると、白色固体が得られる。この白色固体をC−6アミン(III)(10m
g、0.00582mmol、遊離塩基としてシリカゲルカラムから精製)と混
合し、トルエンと共に3回共沸させ、100μLのDMFに溶かす。反応溶液を
0℃で撹拌し、DIEA(5μL、0.0283mmol)、次いでHOBt(
2mg、0.0148mmol)およびpyBOP(5mg、0.00962mm
ol)を加える。10分後、反応液を直接10mm×12cmシリカゲルカラム
にのせ、30%メタノール/CHClで溶出すると、粗生成物が得られる。粗
生成物を、PHENOMENEX LUNAC18カラム(21.2×250mm)、5μ粒子
を使用して、40分間、水中20%アセトニトリル/0.1%酢酸から水中70
%アセトニトリル/0.1%酢酸の線形勾配で;流速7mL/分で溶出し、28
5nmで紫外線(UV)検出して逆相HPLCにより精製する。生成物を含む画
分を合わせ、蒸発させると、2mg(20%)の二量体(CXXXV)が得られ
る。R=0.7(30%CHCl/MeOH)。質量分析[M+2Na]
、3396。
【0445】 例100:N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコサミン−グルコース
−C6−イミノトリフェニルホスホランバンコマイシン(CXXXVI)
【0446】
【化44】
【0447】 N−クロロビフェニルバンコサミン−グルコース−C6−アジドバンコサミン
(LXXIV)(15mg、0.00838mmol)およびPPh(44.0
mg、0.168mmol)を、THF/HO(1mL、4/1)と共に懸濁
し、混合物を45℃で撹拌する。6時間後、10等量のPPhおよび1mLの
THFを加える。18時間後、混合物をろ過し、次いで、ODS−HPLC(C
OSMOSIL 5C18−AR、20×250mm、およびLUNA5μmC
18(2)、21.2×250mm、UV=285nm、A:0.1%TFA/H O、B:MeCN、20〜70%B0〜60分、8mL/分、t=49分間
)により精製すると、白色の無定形固体生成物(CXXXVI)(5.5mg、
0.00182mmol、42%)がTFA塩として得られる。LRESI−M
S1908(M+2H、C9998 35Cl1023P)、1708
(M−N−4−(4−クロロフェニル)ベンジル+2H)、1564(M−N−
4−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコサミン+2H)、1143(M−N
−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコサミン−グルコース+H)
【0448】 例101:N,N’−ジアリルオキシカルボニル−メトキシ−グリシン−デロ
イシングルコサミノ−アスパルテートバンコマイシン(図12、I)
【0449】 図12に示すように、化合物(CXXVII)(20mg、0.0119mm
ol)およびグルコサミンHCl(8mg、0.0358mmol)を前以て混
合し、トルエンと共に3回共沸し、240μLのDMFに溶かし、次いで0℃ま
で冷却する。ジイソプロピルエチルアミン(21μL、0.119mmol)、
次いでHOBt(4.8mg、0.0357mmol)およびpyBOP(18m
g、0.0358mmol)を反応容器に加える。15分間撹拌した後、透明な
溶液を45mLアセトンに懸濁し、撹拌し、遠心分離し、デカントする。固体を
減圧下で乾燥させ、PHENOMENEX LUNAC18カラム(21.2×250mm)、
5μm粒子を使用して、40分間、水中0.1%酢酸から水中40%アセトニト
リル/0.1%酢酸の線形勾配で;流速7mL/分で溶出し、285nmで紫外
線(UV)検出して逆相HPLCにより精製する。生成物を含む画分を合わせ、
蒸発させると、13mg(2段階で60%)の標題化合物が得られる。R=0
.15(CHCl:MeOH:HO=3:2:0.5)。質量分析[M+Na
、1859;[M−V+Na]、1632。
【0450】 例102:抗微生物活性についてのバンコマイシン類似体の評価
【0451】 バンコマイシン類似体の評価は、インビトロ感受性試験および時間−殺滅アッ
セイを使用して実施する。[NCCL Standard、1993]。感受性試験では、5つの
細菌株、最も重要性のある2つ:黄色ブドウ球菌およびエンテロコッカス・フェ
カーリス(両方共感受性で耐性の株である)およびバシラス・セレウスを選択し
、各ウェルに残る細菌生存率を、テトラゾリウム塩3−(4,5−ジメチル−2−
チアゾリル)−2,5−ジフェニル−2Hテトラゾリウムブロミド(MTT)に基
づく比色アッセイを使用して評価し、最小阻止濃度(MIC)値をμg/mLと
して決定する。[Mosmann,T.(1983);Damour,O等(1992);Mikami,Y等(1994)]。
このアッセイにより、感受性情報が迅速に効率的に明瞭に得られる。
【0452】 この最初のスクリーニングを通過した有望な類似体を試験して、時間−死滅ア
ッセイを使用してより詳細に耐性株に対するその活性を評価する。[Pankuch G
.等(1994);Zelinitsky,S.等(1997);Mercier,R-C等(1997)]。この研究により
その殺菌能または作用機序に関する情報が得られる。
【0453】細菌
【0454】 全ての菌株[バチルス・セレウス(Bacillus cereus)(ATCC(登録商標
)11778)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(ATCC(登録
商標)29213)、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus
)(ATCC(登録商標)33591)、エンテロコッカス・フェカーリス(En
terococcus faecalis)(ATCC(登録商標)29212)、及びゲンタマイ
シン、ストレプトマイシン、バンコマイシン耐性エンテロコッカス・フェカーリ
ス(Enterococcus faecalis)(ATCC(登録商標)51299)]は、レメ
ル(REMEL)(レネクサ、カンザス州)から購入されている。
【0455】感受性試験
【0456】 MICは、96ウェルマイクロプレートを使用して微量希釈法により求める。
試料をカチオン調整(Cation Adjusted)(20〜25mg/mLのCa2+/mL及び
10〜12.5mg/mLのMg2+)ミュラー・ヒントン(Mueller-Hinton)ブロ
ス(ディフコラボラトリーズ(Difco Laboratories)(デトロイト、ミシガン
州))で懸濁して、マイクロプレート上で5μg/mLから0.0025mg/mLまで
2倍希釈する(12工程の希釈)。100μLの細胞懸濁液(10CFU/mL)を
含む、各ウェルに、100μLの抗生物質溶液を加えて、プレートを37℃で2
4時間インキュベートする。50μLのMTT溶液(1mg/mL)を各ウェルに加え
、次にプレートを同じ条件下でインキュベートする(インキュベーション時間;
バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus
aureus)、及びメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)では
30分間;エンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)及びゲ
ンタマイシン、ストレプトマイシン、バンコマイシン エンテロコッカス・フェ
カーリス(Enterococcus faecalis)では2時間)。MTTは、黄色のテトラゾ
リウム塩であるが、これが生存細胞中のミトコンドリア酵素により還元されて、
不溶性の青色のホルマザン生成物になる。MIC値は、細菌増殖を阻害するため
の最低薬物濃度を観察することにより評価する。試験化合物の抗菌活性に関する
結果は、本明細書に後述の表に示される。
【0457】タイムキル(time-kill)測定法
【0458】 タイムキル(time-kill)試験には、1mLのカチオン調整ミュラー・ヒントン
(Cation Adjusted Mueller-Hinton)ブロス+5%溶解ウマ血液を倍加抗生物
質濃度と共に含む24ウェルマイクロプレートを使用する。抗生物質濃度は、微
量希釈MICより高い7回の倍加希釈液になるように選択する。薬物を含まない
対照ウェルを各実験に含める。溶解ウマ血液は、ウマ血液レメル(REMEL)(レ
ネクサ、カンザス州)を6回凍結及び融解することにより調製する。次に等容量
の溶解血液及び無菌脱イオン水を混合して、12000×gで20分間遠心分離
する。次に適量の50%溶解血液をカチオン調整ミュラー・ヒントン(Cation
Adjusted Mueller-Hinton)ブロスに加えて、最終濃度の5%溶解ウマ血液を得
る。0.5mLの細胞懸濁液(10CFU/mL)を含む各ウェルに、0.5mLの抗生
物質溶液を加え、プレートを振盪インキュベーターで37℃でインキュベートす
る。抗生物質含有懸濁液の生菌の計数は、カチオン調整ミュラー・ヒントン(Ca
tion Adjusted Mueller-Hinton)ブロス中の各ウェルからの0.1mLアリコー
トの10倍希釈液の、トリプチカーゼ(Trypticase)ダイズ寒天−5%ヒツジ血
液寒天プレート上への平板培養により、0、1、2、4、6、12、24、36
、及び48時間の時点で行う。回収プレートは、48時間までインキュベートす
る。コロニーカウントの感受性の下限は、300CFU/mLである[Pankuch G.ら
、(1994)]。結果は、図16〜19に図解されるが、ここで抗生物質の量はg/mL
で与えられ、それぞれの記号により示される。
【0459】
【表1】
【0460】 BC:バチルス・セレウス(Bacillus cereus)ATCC11778 SA:黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)ATCC29213 MRSA:黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)ATCC3359、メチ
シリン耐性 EF:エンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)ATCC2
9212 VREF:エンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)ATC
C51299、バンコマイシン耐性 CL5137:エンテロコッカス・フェチウム(Enterococcus faecium)CL
5137、VanA CL5244:エンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)C
L5244、VanB
【0461】
【表2】
【0462】
【表3】
【0463】 BC:バチルス・セレウス(Bacillus cereus)ATCC11778 SA:黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)ATCC29213 MRSA:黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)ATCC3359、メチ
シリン耐性 EF:エンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)ATCC2
9212 VREF:エンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)ATC
C51299、バンコマイシン耐性 CL5137:エンテロコッカス・フェチウム(Enterococcus faecium)CL
5137、VanA CL5244:エンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)C
L5244、VanB
【0464】 上に提示される生物学的データを含む即座の教示から、本発明の1つの実施態
様では、ヘキソース残基の1つ以上の天然の置換基(好ましくはグルコース残基
のC位)を非天然置換基で置き換えると、生じる修飾グリコペプチド誘導体の
抗生物質活性が、感染微生物を横断して、しかし特にバンコマイシン耐性菌株に
対して、強化されることが明らかとなろう。本発明のある実施態様では、出発グ
リコペプチド抗生物質のコア構造における他の位置で、更に置換及び/又は修飾
を行うと、抗生物質活性を調節して、感染微生物の所定の菌株における抗生物質
活性が更に大きく強化される。本発明の好ましい実施態様では、グルコース−C の変化は、バンコサミン残基のアミノ基の更なる置換と組合せられる。
【0465】 前述の実施例は、本発明のある好ましい実施態様を記述することを意図してい
る。しかしながら、本発明の明らかな追加及び修飾は、当業者には明白であろう
ことを理解されたい。本発明は請求の範囲に述べられることを除いて限定される
ことはない。
【0466】 引用文献
【0467】 Cohen M. (1992), Science, 257:1050. Neu H. (1992), Science, 257:1064. Axelsen, P.H.ら (1997), J. Am. Chem. Soc. (JACS), 119:1516. Westwellら (1995), J. Antibiotics, 48:1292. Walsh C. (1993), Science, 261:308. Malabarba A.ら (1997a),「グリコペプチド抗生物質の構造修飾」, Med.
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【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、バンコマイシンおよび関連グリコペプチド抗生物質の構造図を含む。
【図2】 図2は、グリコシル化に適した保護されたバンコマイシンのアグリコンの調製
を示す。
【図3】 図3は、グリコシル化に適した保護されたバンコマイシンのアグリコンの別の
調製を示す。
【図4】 図4は、アグリコンのグリコシル化に有用な糖の調製を示す。
【図5】 図5は、アグリコンのモデル化合物である、フェノールのグリコシル化を示す
【図6】 図6は、バンコマイシンのアグリコンのグリコシル化を示す。
【図7】 図7は、バンコマイシンのグルコースC6位へのアミノ置換基の導入のスキー
ムである。
【図8】 図8は、バンコマイシン上のグルコースC6アミノ置換基のさらなる官能基化
を示す。
【図9】 図9は、グルコースC6位およびバンコサミン窒素の両方の置換を示す。
【図10】 図10は、バンコマイシンのグルコースC6位でのチオ置換基の導入を示す。
【図11】 図11は、バンコマイシンのAアミノ酸の除去並びにA末端アミノ基での
反応を可能とする生成物の保護を示す。
【図12】 図12は、A末端アミノ基での反応を示す。
【図13】 図13は、グルコースC6位を介したバンコマイシン二量体の調製を示す。
【図14】 図14は、バンコサミン窒素上のリンカー基の置換を示す。
【図15】 図15は、適切に保護されたシュードアグリコンの調製を示す。
【図16】 図16は、バンコマイシン耐性エンテロコッカス・フェシウムに対するN−デ
シル−C6−アミノトリアゾールバンコマイシンの時間−殺滅研究のグラフであ
る。
【図17】 図17は、バンコマイシン耐性エンテロコッカス・フェシウムに対するN−4
−(4−クロロフェニル)ベンジル−C6−アミノトリアゾールバンコマイシンの
時間−殺滅研究のグラフである。
【図18】 図18は、バンコマイシン耐性エンテロコッカス・フェシウムに対するバンコ
マイシンの時間−殺滅研究のグラフである。
【図19】 図19は、バンコマイシン耐性エンテロコッカス・フェシウムに対するN−4
−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコマイシンの時間−殺滅研究のグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,GH,G M,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE ,KG,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA, UG,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ケーンズ,ロバート アメリカ合衆国 48120 ミシガン州 デ ィアボーン, リンデンウッド ドライ ブ, 3237 (72)発明者 福沢 世傑 日本国 120 東京都足立区千住橋戸町94 −25−108 (72)発明者 ジーイー,ミン アメリカ合衆国 08540 ニュージャージ ー州 プリンストン, ウエスト ドライ ブ, 1106 (72)発明者 トンプソン,クリストファー アメリカ合衆国 01757 マサチューセッ ツ州 ミルフォード, ボードイン ドラ イブ, 3

Claims (116)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式:A−A−A−A−A−A−A[式中、各
    ダッシュは、共有結合を表し;A基は、修飾又は非修飾α−アミノ酸残基、ア
    ルキル、アリール、アラルキル、アルカノイル、アロイル、アラルカノイル、ヘ
    テロ環、ヘテロ環−カルボニル、ヘテロ環−アルキル、ヘテロ環−アルキル−カ
    ルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、グアニジニル、カルバモ
    イル、又はキサンチルを含み;ここでA〜A基のそれぞれは、修飾又は非修
    飾α−アミノ酸残基を含み、ここで(i)A基は、A基上のアミノ基に結合
    し、(ii)A、A及びA基のそれぞれは、芳香族側鎖を有し、この芳香族
    側鎖は、2つ以上の共有結合により共に架橋しており、そして(iii)A基は
    、末端カルボキシル、エステル、アミド、又はN−置換アミド基を有し;そして A〜A基の1つ以上は、グリコシド結合を介して、それぞれ1つ以上の糖
    残基を有する1つ以上のグリコシド基に結合しており;ここで、少なくとも1つ
    の該糖残基は、式:YXR、N(R)=CR、N=PR
    又はPの1つ以上の置換基を有するように修飾
    された二糖であり、ここで、Y基は、単結合、O、NR又はSであり;X基は
    、O、NR、S、SO、C(O)O、C(O)S、C(S)O、C(S)S
    、C(NR)O、C(O)NR、又はハロ(この場合Y及びRは、存在しな
    い)であり;そしてR、R、R及びRは、独立に、水素、アルキル、アリ
    ール、アラルキル、アルカノイル、アロイル、アラルカノイル、ヘテロ環、ヘテ
    ロ環−カルボニル、ヘテロ環−アルキル、ヘテロ環−アルキル−カルボニル、ア
    ルキルスルホニル又はアリールスルホニル;及び任意のその薬学的に許容しうる
    塩である(ただし、式:YXRの少なくとも1つの置換基は、ヒドロキシルでは
    なく;X及びYは、両方ともOではなく;X及びYは、それぞれ、S及びO、又
    はO及びSではなく;そして2つ以上の該置換基が存在するならば、これらは同
    一であっても異なっていてもよい)が;ただし、 Aが、N−置換アミノヘキソース残基を有するグルコース残基を有する二糖
    に結合しているとき、該グルコース残基は、少なくとも1つの該置換基:YXR
    、N(R)=CR、N=PR、N又はPを有するように修飾されている]のグリコペプチド。
  2. 【請求項2】 該二糖が、Aに結合している2つのヘキソース残基を含み
    、そして少なくともAに直接結合しているヘキソース残基が、少なくとも1つ
    の該置換基:YXR、N(R)=CR、N=PR、N 又はPを有するように修飾されていることを特徴とす
    る、請求項1記載のグリコペプチド。
  3. 【請求項3】 該置換基が、Aに直接結合している該ヘキソース残基のC
    6位に結合している、請求項2記載のグリコペプチド。
  4. 【請求項4】 Aに直接結合している該ヘキソース残基が、グルコースで
    ある、請求項3記載のグリコペプチド。
  5. 【請求項5】 少なくとも1つの該置換基が、YXR(ここで、Yは、単結
    合であり、そしてXは、O、NR、S又はSOである)である、請求項4記
    載のグリコペプチド。
  6. 【請求項6】 Xが、NRである、請求項5記載のグリコペプチド。
  7. 【請求項7】 Xが、Sである、請求項5記載のグリコペプチド。
  8. 【請求項8】 Xが、SOである、請求項5記載のグリコペプチド。
  9. 【請求項9】 Xが、Oであり、そしてRが、Hではない、請求項5記載の
    グリコペプチド。
  10. 【請求項10】 少なくとも1つの該置換基:YXRが、ハロゲンである、
    請求項4記載のグリコペプチド。
  11. 【請求項11】 A−A−A−A−A−A−Aが、ダルバヘ
    プチドを形成する、請求項2記載のグリコペプチド。
  12. 【請求項12】 A−A−A−A−A−A−Aが、ダルバヘ
    プチドを形成する、請求項3記載のグリコペプチド。
  13. 【請求項13】 A−A−A−A−A−A−Aが、ダルバヘ
    プチドを形成する、請求項4記載のグリコペプチド。
  14. 【請求項14】 A−A−A−A−A−A−Aが、ダルバヘ
    プチドを形成する、請求項5記載のグリコペプチド。
  15. 【請求項15】 A−A−A−A−A−A−Aが、ダルバヘ
    プチドを形成する、請求項6記載のグリコペプチド。
  16. 【請求項16】 A−A−A−A−A−A−Aが、ダルバヘ
    プチドを形成する、請求項7記載のグリコペプチド。
  17. 【請求項17】 A−A−A−A−A−A−Aが、ダルバヘ
    プチドを形成する、請求項8記載のグリコペプチド。
  18. 【請求項18】 A−A−A−A−A−A−Aが、ダルバヘ
    プチドを形成する、請求項9記載のグリコペプチド。
  19. 【請求項19】 A−A−A−A−A−A−Aが、ダルバヘ
    プチドを形成する、請求項10記載のグリコペプチド。
  20. 【請求項20】 該ダルバヘプチド中のAが、グリコシド結合を介して1
    つ以上の糖残基に結合している、請求項11記載のグリコペプチド。
  21. 【請求項21】 該ダルバヘプチド中のアミノ酸が、バンコマイシン中のア
    ミノ酸である、請求項11記載のグリコペプチド。
  22. 【請求項22】 N−メチルロイシンであるAが、選択的に脱離して、別
    の該A基で置換されている、請求項20記載のグリコペプチド。
  23. 【請求項23】 他のヘキソース残基が、少なくとも1つの該置換基を有す
    る、請求項2記載のグリコペプチド。
  24. 【請求項24】 他のヘキソース残基が、少なくとも1つの該置換基を有す
    る、請求項3記載のグリコペプチド。
  25. 【請求項25】 他のヘキソース残基が、少なくとも1つの該置換基を有す
    る、請求項4記載のグリコペプチド。
  26. 【請求項26】 他のヘキソース残基が、少なくとも1つの該置換基を有す
    る、請求項5記載のグリコペプチド。
  27. 【請求項27】 他のヘキソース残基が、少なくとも1つの該置換基を有す
    る、請求項6記載のグリコペプチド。
  28. 【請求項28】 他のヘキソース残基が、少なくとも1つの該置換基を有す
    る、請求項7記載のグリコペプチド。
  29. 【請求項29】 他のヘキソース残基が、少なくとも1つの該置換基を有す
    る、請求項8記載のグリコペプチド。
  30. 【請求項30】 他のヘキソース残基が、少なくとも1つの該置換基を有す
    る、請求項9記載のグリコペプチド。
  31. 【請求項31】 他のヘキソース残基が、少なくとも1つの該置換基を有す
    る、請求項10記載のグリコペプチド。
  32. 【請求項32】 他のヘキソース残基が、少なくとも1つの該置換基を有す
    る、請求項11記載のグリコペプチド。
  33. 【請求項33】 他のヘキソース残基が、少なくとも1つの該置換基を有す
    る、請求項12記載のグリコペプチド。
  34. 【請求項34】 他のヘキソース残基が、少なくとも1つの該置換基を有す
    る、請求項13記載のグリコペプチド。
  35. 【請求項35】 他のヘキソース残基が、少なくとも1つの該置換基を有す
    る、請求項14記載のグリコペプチド。
  36. 【請求項36】 少なくとも1つの該置換基が、YXR(ここで、Yは、単
    結合であり、そしてXは、O、NR、S又はSOである)である、請求項2
    3記載のグリコペプチド。
  37. 【請求項37】 Xが、NRである、請求項36記載のグリコペプチド。
  38. 【請求項38】 該置換基が、該他のヘキソース残基のC3に結合している
    、請求項37記載のグリコペプチド。
  39. 【請求項39】 複数のグリコペプチドを含むことを特徴とする化学的ライ
    ブラリーであって、該グリコペプチドのそれぞれが、式:A−A−A−A −A−A−A[式中、各ダッシュは、共有結合を表し;A基は、修飾
    又は非修飾α−アミノ酸残基、アルキル、アリール、アラルキル、アルカノイル
    、アロイル、アラルカノイル、ヘテロ環、ヘテロ環−カルボニル、ヘテロ環−ア
    ルキル、ヘテロ環−アルキル−カルボニル、アルキルスルホニル、アリールスル
    ホニル、グアニジニル、カルバモイル、又はキサンチルを含み;ここでA〜A 基のそれぞれは、修飾又は非修飾α−アミノ酸残基を含み、ここで(i)A 基は、A基上のアミノ基に結合し、(ii)A、A及びA基のそれぞれは
    、芳香族側鎖を有し、この芳香族側鎖は、2つ以上の共有結合により共に架橋し
    ており、そして(iii)A基は、末端カルボキシル、エステル、アミド、又は
    N−置換アミド基を有し;そして A〜A基の1つ以上は、グリコシド結合を介して、それぞれ1つ以上の糖
    残基を有する1つ以上のグリコシド基に結合しており;ここで、少なくとも1つ
    の該糖残基は、式:YXR、N(R)=CR、N=PR
    又はPの1つ以上の置換基を有するように修飾
    された二糖であり、ここで、Y基は、単結合、O、NR又はSであり;X基は
    、O、NR、S、SO、C(O)O、C(O)S、C(S)O、C(S)S
    、C(NR)O、C(O)NR、又はハロ(この場合Y及びRは、存在しな
    い)であり;そしてR、R、R及びRは、独立に、水素、アルキル、アリ
    ール、アラルキル、アルカノイル、アロイル、アラルカノイル、ヘテロ環、ヘテ
    ロ環−カルボニル、ヘテロ環−アルキル、ヘテロ環−アルキル−カルボニル、ア
    ルキルスルホニル又はアリールスルホニル;及び任意のその薬学的に許容しうる
    塩である(ただし、式:YXRの少なくとも1つの置換基は、ヒドロキシルでは
    なく;X及びYは、両方ともOではなく;X及びYは、それぞれ、S及びO、又
    はO及びSではなく;そして2つ以上の該置換基が存在するならば、これらは同
    一であっても異なっていてもよい)が;ただし Aが、N−置換アミノヘキソース残基を有するグルコース残基を有する二糖
    に結合しているとき、該グルコース残基は、少なくとも1つの該置換基:YXR
    、N(R)=CR、N=PR、N又はPを有するように修飾されている]を有するライブラリー。
  40. 【請求項40】 A−A−A−A−A−A−Aが、ダルバヘ
    プチドを形成し、そして該二糖が、Aに結合した2つのヘキソース残基を含み
    、そして少なくともAに直接結合しているヘキソース残基が、C6位で該置換
    基を有するように修飾されている、請求項39記載の化学的ライブラリー。
  41. 【請求項41】 他のヘキソース残基が、YXR基(ここで、Yは、単結合
    であり、そしてXは、NRである)を有する、請求項40記載の化学的ライブ
    ラリー。
  42. 【請求項42】 グリコペプチドの製造方法であって、 (a)式:A−A−A−A−A−A−A[式中、各ダッシュは
    、共有結合を表し;A基は、修飾又は非修飾α−アミノ酸残基、アルキル、ア
    リール、アラルキル、アルカノイル、アロイル、アラルカノイル、ヘテロ環、ヘ
    テロ環−カルボニル、ヘテロ環−アルキル、ヘテロ環−アルキル−カルボニル、
    アルキルスルホニル、アリールスルホニル、グアニジニル、カルバモイル、又は
    キサンチルを含み;ここでA〜A基のそれぞれは、修飾又は非修飾α−アミ
    ノ酸残基を含み、ここで(i)A基は、A基上のアミノ基に結合し、(ii)
    、A及びA基のそれぞれは、芳香族側鎖を有し、この芳香族側鎖は、2
    つ以上の共有結合により共に架橋しており、そして(iii)A基は、末端カル
    ボキシル、エステル、アミド、又はN−置換アミド基を有し; 少なくともAは、Aに結合しているヘキソース残基を有するグリコシド基
    に結合している]の保護グリコペプチド(該保護グリコペプチドは、遊離アミノ
    又はカルボキシル基を持たず、そして遊離第1級ヒドロキシル基を該ヘキソース
    残基の6位だけに有する)を選択する工程; (b)該保護グリコペプチドを化合物:ArSOG(式中、Arは、アリー
    ル基であり、そしてGは、脱離基である)と、該遊離第1級ヒドロキシル基を反
    応させるのに有効な条件下で接触させて、グリコペプチドスルホン酸エステルを
    形成する工程; (c)該グリコペプチドスルホン酸エステルを求核試薬と、スルホナート基を
    置換させるのに有効な条件下で接触させて、置換グリコペプチドを生成させる工
    程; を含むことを特徴とする方法。
  43. 【請求項43】 該求核試薬が、チオール化合物である、請求項42記載の
    方法。
  44. 【請求項44】 該求核試薬が、ハロゲン化物である、請求項42記載の方
    法。
  45. 【請求項45】 該ハロゲン化物−置換グリコペプチドを第2の求核試薬と
    、該ハロゲン化物を置換させるのに有効な条件下で接触させて、第2の置換グリ
    コペプチドを生成させる、請求項44記載の方法。
  46. 【請求項46】 該第2の求核試薬が、チオール化合物である、請求項45
    記載の方法。
  47. 【請求項47】 求核試薬が、アジドイオンであり、更に置換グリコペプチ
    ドの6位のアジド基のアミノ基への還元を含むことを特徴とする、請求項42記
    載の方法。
  48. 【請求項48】 更に該アミノ基に置換基を導入する工程を含むことを特徴
    とする、請求項47記載の方法。
  49. 【請求項49】 求核試薬が、アジドイオンであり、更に該置換グリコペプ
    チドを、イミノホスホランを形成させるのに有効な条件下でホスフィン化合物と
    接触させる工程を含むことを特徴とする、請求項42記載の方法。
  50. 【請求項50】 それぞれが置換基をグリコペプチドに導入する、少なくと
    も2つの工程を含むことを特徴とする、請求項39記載の化学的ライブラリーを
    生成させる方法。
  51. 【請求項51】 該2つの工程の少なくとも1つが、Aに直接結合してい
    るヘキソース残基の6位への置換基の導入を含むことを特徴とする、請求項50
    記載の方法。
  52. 【請求項52】 該少なくとも2つの工程のもう一方が、Aに直接結合し
    ている該ヘキソース残基に結合しているアミノヘキソース残基へのN−置換基の
    導入を含むことを特徴とする、請求項51記載の方法。
  53. 【請求項53】 Aに直接結合している該ヘキソース残基が、グルコース
    残基である、請求項52記載の方法。
  54. 【請求項54】 A−A−A−A−A−A−Aが、ダルバヘ
    プチドを形成する、請求項51記載の方法。
  55. 【請求項55】 該ダルバヘプチド中のアミノ酸が、バンコマイシン中のア
    ミノ酸である、請求項54記載の方法。
  56. 【請求項56】 N−メチルロイシンであるAが、選択的に脱離して、別
    の該A基で置換されている、請求項55記載の方法。
  57. 【請求項57】 グリコペプチドの製造方法であって、 (a)(i)1つ以上の有機溶媒に可溶性であり、グリコペプチド抗生物質か
    ら誘導され、そしてちょうど1つの遊離フェノール性ヒドロキシル基を有する、
    アグリコン;及び(ii)保護された第1のグリコシルドナーを選択すること; (b)有機溶媒中で第1の非酵素的グリコシル化反応を進行させることにより
    、該遊離フェノール性ヒドロキシル基を第1のグリコシルドナーのアノマー炭素
    に結合させる第1のグリコシド結合を形成させて、保護された第1のグリコシル
    残基を有するシュードアグリコンを提供すること; (c)第1のグリコシル残基から1つの保護基を選択的に脱離して、第1のグ
    リコシル残基上にちょうど1つの遊離ヒドロキシル基を有するシュードアグリコ
    ンを提供すること; (d)第2の保護グリコシルドナーを選択すること;及び (e)有機溶媒中で第2の非酵素的グリコシル化反応を進行させることにより
    、シュードアグリコン上の該遊離ヒドロキシル基を第2のグリコシルドナーのア
    ノマー炭素に結合させる第2のグリコシド結合を形成させること を含むことを特徴とする方法。
  58. 【請求項58】 グリコペプチドの製造方法であって、 (a)1つ以上の有機溶媒に可溶性である、保護されたグリコペプチド抗生物
    質を選択すること; (b)グリコペプチド抗生物質をルイス酸と接触させて、分解反応を進行させ
    ることにより、糖残基を脱離して、シュードアグリコンの糖残基上にちょうど1
    つの遊離ヒドロキシル基を有するシュードアグリコンを生成させること; (c)保護グリコシルドナーを選択すること;及び (d)有機溶媒中で非酵素的グリコシル化反応を進行させることにより、シュ
    ードアグリコン上の遊離ヒドロキシル基をグリコシルドナーのアノマー炭素に結
    合させるグリコシド結合を形成させること を含むことを特徴とする方法。
  59. 【請求項59】 第1のグリコシド及び第2のグリコシルドナーのそれぞれ
    が、活性化アノマースルホキシド基を有する単糖である、請求項57記載の方法
  60. 【請求項60】 グリコシルドナーが、活性化アノマースルホキシド基を有
    する単糖である、請求項58記載の方法。
  61. 【請求項61】 BFが、第1の非酵素的グリコシル化反応において存在
    する、請求項59記載の方法。
  62. 【請求項62】 第1のグリコシルドナーが、グルコースである、請求項6
    1記載の方法。
  63. 【請求項63】 グリコペプチド抗生物質が、バンコマイシンである、請求
    項60記載の方法。
  64. 【請求項64】 グリコペプチド抗生物質が、バンコマイシンである、請求
    項60記載の方法。
  65. 【請求項65】 ルイス酸が、三フッ化ホウ素である、請求項63記載の方
    法。
  66. 【請求項66】 グリコペプチド抗生物質が、保護基での置換により有機溶
    媒に可溶性にされている、請求項63記載の方法。
  67. 【請求項67】 工程(d)に続いて更に該保護基の脱離を含むことを特徴
    とする、請求項66記載の方法。
  68. 【請求項68】 該保護基が、アミン窒素上に置換されているアロク(al
    oc)基、アリルエステル基、アリルフェノールエーテル基、及び脂肪族ヒドロ
    キシルの酢酸エステルを含むことを特徴とする、請求項67記載の方法。
  69. 【請求項69】 アグリコンが、保護基での置換により有機溶媒に可溶性に
    されている、請求項57記載の方法。
  70. 【請求項70】 工程(e)に続いて更に該保護基及びグリコシド上の保護
    基の脱離を含むことを特徴とする、請求項69記載の方法。
  71. 【請求項71】 該保護基が、アミン窒素上のCBz基、ベンジルエステル
    基、残基5及び7上のメチルフェノールエーテル基、並びに脂肪族ヒドロキシル
    の酢酸エステルを含むことを特徴とする、請求項70記載の方法。
  72. 【請求項72】 グリコペプチドが、ポリマー支持体に結合している、請求
    項57記載の方法。
  73. 【請求項73】 グリコペプチドが、ポリマー支持体に結合している、請求
    項58記載の方法。
  74. 【請求項74】 少なくとも2つの工程を含むことを特徴とし、該少なくと
    も2つの工程の少なくとも1つが、置換糖残基を導入するグリコシル化反応を含
    むことを特徴とする、請求項39記載の化学的ライブラリーを生成させる方法。
  75. 【請求項75】 A〜Aが、ペプチド結合により連続的に結合し、かつ
    ダルバヘプチドのように架橋している、請求項74記載の方法。
  76. 【請求項76】 該グリコシル化反応が、該置換糖残基をアグリコンのA 残基に結合させる、請求項75記載の方法。
  77. 【請求項77】 該グリコシル化反応が、該置換糖残基をシュードアグリコ
    ンの糖残基に結合させ、そしてシュードアグリコンの該糖残基が、シュードアグ
    リコンのA残基に結合している、請求項76記載の方法。
  78. 【請求項78】 第2のグリコシル化反応が、第2の置換糖残基を該置換糖
    残基に結合させる、請求項76記載の方法。
  79. 【請求項79】 Aが、修飾又は非修飾α−アミノ酸残基であり、そして
    〜Aが、ペプチド結合により連続的に結合し、かつダルバヘプチドの構造
    を有するように架橋している、請求項77記載の方法。
  80. 【請求項80】 Aが、修飾又は非修飾α−アミノ酸残基であり、そして
    〜Aが、ペプチド結合により連続的に結合し、かつダルバヘプチドの構造
    を有するように架橋している、請求項78記載の方法。
  81. 【請求項81】 A〜Aの構造及び相互連結が、バンコマイシンで見い
    出されるものである、請求項77記載の方法。
  82. 【請求項82】 活性化アノマースルホキシド基を有するグリコシルドナー
    が、各グリコシル化反応において使用される、請求項81記載の方法。
  83. 【請求項83】 N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコサミン−
    グルコース−C6−2−メシチレンスルホン化バンコマイシンである、請求項1
    記載の化合物。
  84. 【請求項84】 グルコース−C6−2−チオ−6−アザチミンバンコマイ
    シンである、請求項1記載の化合物。
  85. 【請求項85】 グルコース−C6−2−チオ−4−ヒドロキシ−6−メチ
    ルピリミジンバンコマイシンである、請求項1記載の化合物。
  86. 【請求項86】 N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコサミン−
    グルコース−C6−2−チオ−5−アミノ−1,3,4−チアジアゾールバンコ
    マイシンである、請求項1記載の化合物。
  87. 【請求項87】 N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコサミン−
    グルコース−C6−2−チオ−4−アミノ−3−ヒドラジノ−1,2,4−トリ
    アゾールバンコマイシンである、請求項1記載の化合物。
  88. 【請求項88】 N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコサミン−
    グルコース−C6−2−チオ−4−ヒドロキシ−6−メチルピリミジンバンコマ
    イシンである、請求項1記載の化合物。
  89. 【請求項89】 N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコサミン−
    グルコース−C6−2−チオ−4−ヒドロキシ−6−アザチミンバンコマイシン
    である、請求項1記載の化合物。
  90. 【請求項90】 N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコサミン−
    グルコース−C6−ヨードバンコマイシンである、請求項1記載の化合物。
  91. 【請求項91】 グルコース−C6−N−2−キノキサリニル−バンコサミ
    ン−N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコマイシンである、請求項1
    記載の化合物。
  92. 【請求項92】 バンコサミン−N−4−(4−クロロフェニル)ベンジル
    −グルコース−C6−S−3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾ
    ールバンコマイシンである、請求項1記載の化合物。
  93. 【請求項93】 グルコース−C6−メシチレンスルホニルバンコマイシン
    である、請求項1記載の化合物。
  94. 【請求項94】 グルコース−C6−ヨードバンコマイシンである、請求項
    1記載の化合物。
  95. 【請求項95】 グルコース−C6−アジドバンコマイシンである、請求項
    1記載の化合物。
  96. 【請求項96】 グルコース−C6−ブロモバンコマイシンである、請求項
    1記載の化合物。
  97. 【請求項97】 グルコース−C6−アミンバンコマイシンである、請求項
    1記載の化合物。
  98. 【請求項98】 グルコース−C6−ヒドラジンバンコマイシンである、請
    求項1記載の化合物。
  99. 【請求項99】 N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコサミン−
    グルコース−C6−イミノトリフェニルホスホランバンコマイシンである、請求
    項1記載の化合物。
  100. 【請求項100】 グルコース−C6−N−デシルバンコマイシンである、
    請求項1記載の化合物。
  101. 【請求項101】 N−4−(4−クロロフェニル)ベンジルバンコサミン
    −グルコース−C6−アミンバンコマイシンである、請求項1記載の化合物。
  102. 【請求項102】 少なくとも1つの二糖基を有するグリコペプチド抗生物
    質(該二糖基は、2つの糖基を含むことを特徴とし、第1の該糖基は、少なくと
    も1つのアミノ又は置換アミノ基を有し、そして第2の該糖基は、ヒドロキシル
    ではない少なくとも1つの置換基を有するように修飾されている)、又はその薬
    学的に許容しうる塩。
  103. 【請求項103】 第2の該糖基が、グルコースのC6位にヒドロキシルで
    はない少なくとも1つの置換基を有するように修飾されているグルコースである
    、請求項102記載のグリコペプチド抗生物質。
  104. 【請求項104】 該グルコースのC6位にヒドロキシルではない少なくと
    も1つの置換基を有するように修飾されている、バンコマイシンである、請求項
    103記載のグリコペプチド抗生物質。
  105. 【請求項105】 該グルコースのC6位のヒドロキシルではない該少なく
    とも1つの置換基が、アミノである、請求項104記載のグリコペプチド抗生物
    質。
  106. 【請求項106】 第1の該糖基が、少なくとも1つの置換アミノ基を有す
    る、請求項105記載のグリコペプチド抗生物質。
  107. 【請求項107】 該置換アミノ基が、−NRH(ここで、Rは、1つ
    以上のアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロ環又は置換ヘ
    テロ環基を有する)である、請求項106記載のグリコペプチド抗生物質。
  108. 【請求項108】 少なくとも1つの該置換アルキル基が、アラルキルであ
    る、請求項107記載のグリコペプチド抗生物質。
  109. 【請求項109】 少なくとも1つの該置換アリール基が、アラルキルオキ
    シ−置換アリールである、請求項107記載のグリコペプチド抗生物質。
  110. 【請求項110】 少なくとも1つの該置換アリール基が、ハロ−置換アリ
    ールである、請求項107記載のグリコペプチド抗生物質。
  111. 【請求項111】 第1の該糖基が、少なくとも1つの置換アミノ基を有す
    る、請求項102記載のグリコペプチド抗生物質。
  112. 【請求項112】 該置換アミノ基が、−NRH(ここで、Rは、1つ
    以上のアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロ環又は置換ヘ
    テロ環基を有する)である、請求項111記載のグリコペプチド抗生物質。
  113. 【請求項113】 少なくとも1つの該置換アルキル基が、アラルキルであ
    る、請求項112記載のグリコペプチド抗生物質。
  114. 【請求項114】 少なくとも1つの該置換アリール基が、アラルキルオキ
    シ置換アリールである、請求項112記載のグリコペプチド抗生物質。
  115. 【請求項115】 少なくとも1つの該置換アリール基が、ハロ−置換アリ
    ールである、請求項112記載のグリコペプチド抗生物質。
  116. 【請求項116】 ヒドロキシルではない該少なくとも1つの置換基が、ア
    ミノである、請求項112記載のグリコペプチド抗生物質。
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