JP2002520135A - ミスト捕集機および方法 - Google Patents

ミスト捕集機および方法

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JP2002520135A JP2000558897A JP2000558897A JP2002520135A JP 2002520135 A JP2002520135 A JP 2002520135A JP 2000558897 A JP2000558897 A JP 2000558897A JP 2000558897 A JP2000558897 A JP 2000558897A JP 2002520135 A JP2002520135 A JP 2002520135A
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ブルース， エー． ジョンソン，
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ドナルドソン カンパニー，インコーポレイティド
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Abstract

(57)【要約】 改良されたミスト捕集装置を提供する。本装置は、改良されたミスト捕集用前置式フィルタを含む。この前置式フィルタは多段式構造を有し、繊維性濾材からなる好ましい中間段階を含む。改良の結果、様々な環境下で、好ましい液体捕集作業が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 （発明の分野） 本願は、ミスト捕集機システムに関する。本発明のミスト捕集機は空中液体を
好ましく捕集するための濾材装置に関する。本願で開示する好ましい濾材ラップ
は、米国特許第５，４５４，８５８号（’８５８特許と呼ぶ）に開示のシステム
と併用可能であるが、その開示の全容を参照により本明細書に組み込む。
【０００２】 （発明の背景） 金属加工業では、切削、成形の両工程において様々な冷却液および潤滑剤が利
用される。これらの液体には、純オイル、オイル−水混合物および非オイル系合
成物が含まれる。金属加工工程において、このような流体塗布のために使われる
外力および切削工具が工作物にぶつかる際に生じる熱が原因となり、多くの場合
において微細なミストまたはエーロゾル（空中）が生じる。このミストを抑制す
るために濾過システムが必要となる。
【０００３】 工作機械が独立していれば、切削領域を覆うフードを用いてその領域からエー
ロゾル・ミストを取り除くことができる。また、新式の工作機械では切削領域周
囲に囲いが施されており、その位置からミストを取り除くことができるようにな
っている。
【０００４】 ミスト捕集機の構造およびカートリッジの若干の改良点については、米国特許
第５，４５４，８５８号、同５，４１５，６７６号および同５，６１１，９２２
号に開示されているが、これら特許の開示のすべてを参照により本明細書に組み
込む。これら特許はミネソタ州ミネアポリスのドナルドソン カンパニー， イ
ンコーポレイテッドが所有するものであり、同社は本願の譲受人である。このよ
うな技術を実行したドナルドソン社製ミスト捕集機は、トーリット（Ｔｏｒｉｔ
）とドライフロ（Ｄｒｙｆｌｏ）の商標名で同社のトーリット部門から入手可能
である。
【０００５】 （発明の概要） 本発明の幾つかの態様によれば、ミスト捕集濾過システムと併用される改良さ
れた前置式フィルタ・ラップが提供される。濾過工程が好ましい形で行われるた
めに、改良された前置式フィルタ・ラップは３段式の濾材を含んでいることが好
ましい。濾材の中段は、平均気孔寸法が３７０ミクロン程度、浸透性が１８０か
ら３５０フィート／分（約３．２９から１０．７ｍ／分）以内、厚さ０．０４イ
ンチ（約０．１０２ｃｍ）であることが好ましい。好ましい中段域の上流および
下流両段はいずれも繊維性の厚材であることが好ましく、その好ましい構造は先
述のとおりである。
【０００６】 また本発明の幾つかの態様によれば、好ましくは前記のような前置式フィルタ
・ラップであって、例えばプリーツ型カートリッジのようなろ過カートリッジに
対して動作可能に位置決めされ、典型的な例ではカートリッジに外接してそれを
囲む状態にある前置式フィルタ・ラップを含む、好ましい結合体が提供される。
このような結合体は、金属切削または金属孔あけなどの工程で発生する空中ミス
トのろ過に使用される、好ましい前置式フィルタ・ラップ／カートリッジを考慮
したものである。
【０００７】 本発明によれば、前記のような好ましい前置式フィルタ・ラップ／カートリッ
ジ結合体を含む好ましいミスト捕集機が提供される。また、ミスト捕集機の好ま
しい操作および使用方法が提供される。
【０００８】 （好ましい実施形態の詳細な説明） Ａ．米国特許第５，４５４，８５８号に記載のミスト捕集システム 図１は、好ましいミスト捕集機用カートリッジ１２と併用されるミスト捕集シ
ステム１０を説明する図である。本明細書セクションＤにおいて後述する、改良
された好ましい濾過ラップ２２１は、好適な濾過システムおよびカートリッジと
併用でき、その用途は図示した従来のミスト捕集システム１０およびミスト捕集
機用カートリッジ１２に限定されるものではないことを理解されたい。
【０００９】 ミスト捕集システム１０は、排気口３０を有する仕切り壁２２によって分離さ
れた上部室１８と下部室２０とを備えた外箱１６を含む。上部室１８は、排気口
３０を介して流体がミスト捕集機用カートリッジ１２と連通する送風機ケース２
６とモータ２８とを含んでいる。
【００１０】 送風機ケース２６内のファンは、空気吸入口２４を介して汚染空気を下部室２
０に吸い込む。汚染空気はミスト捕集機用カートリッジ１２の側壁を介して吸い
込まれ、送風口３１を介して上部室２８内に放出される。上部室２８内の圧力上
昇に伴い、濾過された空気はミスト捕集システム１０の上面にある送出口３２か
ら追い出される。上部室１８内の送出口３２の極近傍に、最終段フィルタとして
高効率粒子空気フィルタ（ＨＥＰＡ）を据え付けてもよい。
【００１１】 ドア３４が下部室２０の前部に設けられており、そのドアを介してミスト捕集
機用カートリッジ１２の挿入または撤去が可能となっている。好ましくは、上部
スクリーン３６および下部スクリーン３８が、ミスト捕集システム１０の下部室
２０内の空気吸入口２４の上下両方にそれぞれ設置されている。上部下部両スク
リーン３６、３８は、金属の削りくずなどの粒子がミスト捕集機用カートリッジ
１２内に吸い込まれるの防ぎ、またはミスト捕集用システム１０の底面にあるホ
ッパ４０内に落下するのを防ぐ。
【００１２】 ミスト捕集機用カートリッジ１２は、フィルタ保持機構１４によって、ミスト
捕集システム１０の下部室２０内に保持されている。上記の好ましいフィルタ・
カートリッジ保持機システム１４は、ミスト捕集システム１０の後部に取り付け
られた後部ピボット・ブラケット５２から、ミスト捕集システム１０のドア３４
の極近傍に取り付けられた前部ブラケット５４まで延びるＶ字型に角度をつけた
一対のスライド５０を含む。
【００１３】 図２は、作動可能位置に固着された濾過カートリッジ保持システム１４を説明
する図である。一対の支持部材５６が、後部ピボット棒５８によって後部ピボッ
ト・ブラケット５２に回転可能に取り付けられている。一対の濾過カートリッジ
先端止め金具６０が支持部材５６に取り付けられており、ミスト捕集機用カート
リッジ１２が、濾過システム１０内に正しく位置決めされて、仕切り壁２２の排
気口３０（図１参照）と流体を介してかみあうようになっている。伸長したハン
ドル６２が、前部ピボット棒６４によって、支持部材５６の自由端に回転可能に
取り付けられている。好ましくは、ハンドル６２は、角度をつけたスライド５０
に同時に載りかつ前部ブラケット５４に対し押し込むようにした、一対の足を有
している。支持部材５６の長さは、支持部材５６に対するハンドル６２の角度Ｑ
が９０°未満となるように決められる。その結果、濾過カートリッジ保持システ
ム１４は、かみあいがはずれるという重大な危険を回避した状態で、濾過カート
リッジ１２に対し上向きにかなりの大きさの力を及ぼすことができる。ハンドル
６２の足６６は、ハンドル６２の底部で斜めに切られており（図３参照）、角度
をつけたスライド５０内をすべり易くしてある。動作可能位置にあるとき、斜め
に切られた足６６の表面は、前部ブラケット５４の裏面にしっかり寄り掛かって
いる。
【００１４】 図３は、横たえられた、つまり解除位置にある濾過カートリッジ保持システム
１４を説明する図である。ハンドルの足６６は、ハンドル６２が前方に移動して
ミスト捕集機用カートリッジ１２から離れるのに伴い、Ｖ字型に角度をつけたス
ライド５０に支えられて動く。ハンドル６６が水平位置にあるとき、支持部材５
６はドア３４に近づくにしたがって下向きとなり、ミスト捕集機用カートリッジ
１２の挿入または撤去が容易になっている。ハンドル６２は、支持部材５６の延
長部６８として動作し、ミスト捕集機用カートリッジ１２の挿入または撤去を容
易にする。ハンドルは、水平位置にあるときにはドア口から外方向に延び、濾過
カートリッジ保持システム１４が動作可能位置にある場合を除き、ドア３４が閉
じるのを防止する。
【００１５】 濾過カートリッジ保持システム１４の各構成部品については、前記構成部品に
変更および修正を加えることができることを理解されたい。例えば、支持部材５
６を単一の剛率ピボット部材で置き換えることもできよう。同様に、ハンドルを
、支持部材に回転可能に取り付けられるソリッド部材として修正することもでき
よう。
【００１６】 図４は、従来のミスト捕集機用カートリッジ１２を説明する図である。フィル
タ支持部材８０は、好ましくは、上部開口８４を有する円形上部部材または上端
キャップ８２と、内側および外側孔開きフィルタ側壁またはライナ８６、８８と
、下端キャップ９０を含む（図５参照）。上端キャップ８２はコンプレッション
・ガスケット７８を含み、排気口３０との液密かみあいを確実にする。支持部材
８０は、金属またはプラスチックを含めた、好適な濾材であればいずれの濾材で
構成することもできる。このようなカートリッジは、セクションＤで後述する改
良された前置式フィルタ・ラップと併用することができる。
【００１７】 Ｂ．米国特許第５，４５４，８５８号に記載の前置式フィルタ・ラップ 図４に示すように、米国特許第５，４５４，８５８号に記載の外側孔開きフィ
ルタ側壁８８は、前置式フィルタ・ラップ９１でおおわれている。図４および図
５で説明した前置式フィルタ・ラップは、波形外側ラップ９２と概略平坦な内側
ラップ９４を含んでいる。内側および外側両前置式フィルタ・ラップ９２、９４
は、フック部およびループ部９６、９８に沿った継ぎ目で接合してもよい。フッ
クおよびループ両ファスナ９６、９８はベルクロ（ＶＥＬＣＲＯ、商標名）で入
手可能である。前置式フィルタ・ラップ９１は、前置式フィルタ・ラップ９１両
端部のフックおよびループ両ファスナ材９６、９８を使用して、フィルタ支持部
材８０に装着されている（図５参照）。
【００１８】 米国特許第５，４５４，８５８号では、前置式フィルタ・ラップ９１を、おそ
らくは発泡ウレタン材で構成し得るものとみなし、また完全に連続気泡の濾過フ
ォーム材とした。同目的に好適なフォーム材は、ペンシルバニア州チェスタのス
コット フォーム インク社（Ｓｃｏｔｔ Ｆｏａｍ Ｉｎｃ．）から登録商標
名のフィルター フォーム（Ｆｉｌｔｅｒ Ｆｏａｍ）の名で入手可能である。
また、同’８５８特許では、外側ラップ９２は内側ラップ９４よりも多孔性であ
ることが好ましいとしてあり、外側ラップ９２により多量の液体を保持させた。
外側ラップ９２はその厚さが０．７５インチ（約１．９１ｃｍ）であって、気孔
／インチ（気孔／ｃｍ）がおよそ４５（１７．７）であることが好ましく、内側
ラップ９４はその厚さが０．２５インチ（約０．６４ｃｍ）であって、気孔／イ
ンチ（気孔／ｃｍ）がおよそ１００（３９．３）であることが好ましいとした。
動作中は、発泡ウレタンラップ９１は液体を保持しているとし、しかし空気流に
対しては抵抗が無いことが好ましいとした。
【００１９】 Ｃ．米国特許第５，４５４，８５８号に記載の好ましいカートリッジおよび前
置式フィルタ・ラップ 図６は、米国特許第５，４５４，８５８号に記載の、別のミスト捕集機用カー
トリッジ１２の断面図である。下端キャプ９０は傾斜部１００を有し、それによ
って、カートリッジ１２の内側表面１０２上に捕集されたオイルが濾材１０４を
介してホッパ４０内に流れ出るようになっている。
【００２０】 濾材１０４は、円筒形のプリーツ型フィルタ・カートリッジを形成するように
配置された合成ガラス繊維・ポリエステル材を含むことが好ましいと記載した。
（プリーツ型構成とは、その断面が複数の山と谷を交互に有する構成である。）
濾材１０４は、０．７７８ミクロンの粒子において７０パーセントから９０パー
セントの間の高効率であることが好ましいと記載した。
【００２１】 プリーツ１０７を正確な間隔で維持するために、濾材１０４には刻み目をつけ
て直線部１１８と曲線部１２０を交互につくるようにすると記載した。波形をつ
くる工程では、小さなくぼみ１０９はプリーツの頂１０６に沿って濾材１０４に
一体に形成し、プリーツ１０７間の間隔を保つようにすると記載した。この種の
波形濾材の構成については、１９８４年６月５日、ライト（Ｗｒｉｇｈｔ）他に
発行の米国特許第４，４５２，６１９号に記載されている。同特許を本明細書に
参照によって組み込む。
【００２２】 ’８５８特許によれば、ゴミおよびオイルが濾材１０４に蓄積するのに伴い、
濾材１０４が部分的に詰まり、濾材１０４を介した空気流によって、濾材１０４
に対する付加的な圧力の発生が促進される。濾材１０４が高圧に耐えるためには
、プリーツ１０７をエア・フィルタよりも密な間隔で配置し、濾材１０４にさら
なる構造上の無欠性を付与することが好ましいと記載した。’８５８特許によれ
ば、通常のエア・フィルタのプリーツは概して間隔を広くとって配置されている
ため、本ミスト捕集システムにおける空気圧下では恐らく崩壊してしまうであろ
う。
【００２３】 濾材１０４は、厚さ０．０３０インチ（約０．０７６ｃｍ）未満の繊維で構成
される低表面エネルギー合成繊維マトリクスであることが好ましいと記載した。
濾材１０４は、脂肪族フルオロカーボンなどの低表面エネルギー濾材で（部分的
にまたは全体を）処理してもよい。同目的に好適な低エネルギー塗料は、ミネソ
タ州セント・ポール市の３Ｍ社（Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ）から、スコッチガー
ド（Ｓｃｏｔｃｈｇｕａｒｄ、商標名）またはスコッチバン プロテクター（Ｓ
ｃｏｔｃｈｂａｎ Ｐｒｏｔｅｃｔｏｒ商標名）で売られている。スコッチバン
プトテクターについては、１９９１年のイントロデューシング ＦＸ−８４５
スコッチバン化学が新しい生命を吹き込む（Ｉｎｔｒｏｄｕｃｉｎｇ ＦＸ−８
４５Ｓｃｏｔｃｈｂａｎ Ｃｈｅｍｉｓｔｒｙ Ｔａｋｅｓ Ｏｎ Ａｎｅｗ
Ｌｉｆｅ）という表題の小冊子に記載があるが、これを参照によって本明細書に
組み込む。低エネルギー塗料および低エネルギー濾材は、濾材１０４上に低エネ
ルギー表面を作りだし、オイルの凝集を容易にしかつ排出を促進する。前置式フ
ィルタ・ラップ９１、１１０も低表面エネルギー濾材で処理してよい。
【００２４】 図６に示すように、米国特許第５，４５４，８５８号に記載の濾材１０４は、
外側ライナ８８の内側表面から引っ込んだ所または離れた所に置き、外側ライナ
８８と濾材１０４との間にすき間８９を形成する。すき間８９を設けることによ
って、前置式フィルタ・ラップ９１に浸透するオイルの多くは、濾材１０４上に
ではなく、前置式フィルタ・ラップ９１またはフィルタ・ラップ８８の内側表面
に液滴を形成するようになる。
【００２５】 米国特許第５，４５４，８５８号によれば、プリーツ１０６はカートリッジ１
２、１２’に縦に配置される。濾材１０４および内側・外側両ライナ８６、８８
は、プラスチゾルなどの濾材用接着剤１０８によって、上端および下端両キャッ
プ８２、９０に保持される。ファスナ材のフック部９６’は、外側ライナ８８と
上端キャップ８２の間にミスト捕集機用カートリッジ１２’を囲むように、接着
剤１０８によって保持してもよい。次いで、前置式フィルタ・ラップ９１をミス
ト捕集機用カートリッジ１２、１２’に直接取り付けてもよい。
【００２６】 微細すぎて濾材１０４の外側表面で捕集できないオイルミストは、プリーツ１
０６の内側表面１０２上に発生することがある。縦方向のプリーツ１０６によっ
て、内側表面１０２上に捕集された液体は、下に向かってカートリッジ１２、１
２’の下端キャップ９０上方へ流れ出し、そこで濾材１０４を通過しホッパ４０
内に流れ込む。
【００２７】 米国特許第５，４５４，８５８号には、濾材１０４は図７に示す流れ図に従っ
て構成することが好ましいと記載した。平坦な濾紙は、脂肪族フルオロカーボン
などの低表面エネルギー塗料１３０をくぐらせることが好ましいとした。用紙は
、吹き付け塗りを含む様々な方法で処理または湿らすことができることを理解さ
れたい。過剰な塗料は、塗被用紙を一対の圧縮ローラ１３２に挟んで圧縮するこ
とによって取り除くと記載した。次いで、塗被用紙を対流乾燥器１３４で乾燥す
るとした。塗料は用紙表面全体にでは無く、一部に塗布しても何らかのよい効果
が得られることを留意されたい。
【００２８】 米国特許第５，４５４，８５８号によれば、プリーツをつける前に、用紙の長
さ方向に加熱ローラを用いて一連の溝を圧縮形成することによって、用紙を波形
にする１３６（断面に、複数の山と谷が交互に付与してある）。次いで、用紙に
プリーツ１３８をつけた濾材１０４を形成し、その後にフィルタ外箱１４０に挿
入すると記載されている。米国特許第５，４５４，８５８号によれば、好ましい
波形形成工程は、先に参照によって本明細書に組み込んだ、ライト（Ｗｒｉｇｈ
ｔ）他に発行の米国特許第４，４５２，６１９号に開示されている。本明細書に
図示した円筒形フィルタ・カートリッジは例示のために示したものにすぎず、様
々なフィルタ構成が可能であることを理解されたい。例えば、一般には、円筒形
カートリッジの代わりに、好適な排出機構を有する平板フィルタ・カートリッジ
を使用してもよい。
【００２９】 図６はまた、前置式フィルタ・ラップ１１０を説明する図である。米国特許第
５，４５４，８５８号によれば、前置式フィルタ・ラップ１１０は、流体喪失の
大きい空気入材または乾燥空気入材などの不織空気入材を多層にして構成される
ことが好ましいとされる。前置式フィルタ・ラップ１１０の性質上、対になるフ
ック部を使わずに、フック部９６’に直接取り付けてよい。
【００３０】 米国特許第５，４５４，８５８号に記載の好ましい実施形態では、外側前置式
フィルタ層１１２は、密度６．７オンス／平方ヤード、剛率０．８％を有する厚
さ約０．７５インチ（約１．９１ｃｍ）の連続気泡材である。これらの仕様を満
たす製品は、ノースカロライナ州シャルロットにあるキュムラス ファイバー
（Ｃｕｍｕｌｕｓ Ｆｉｂｅｒ Ｃｏｒｐ．）社製の登録商標名のエアレイド
メディア（Ａｉｒｌａｉｄ Ｍｅｄｉａ）が売られているとした。２つの内側層
１１４、１１６は密度３．６２オンス／平方ヤード、剛率１．６％を有する厚さ
約０．２５インチ（約１．９１ｃｍ）の高効率材であるとした。この仕様を満た
す製品は、’８５８特許ではノースカロライナ州シャルロットにあるケムーウー
ブ（Ｋｅｍ−Ｗｏｖｅ（Ｃｈｅｍｗｏｖｅ）Ｃｏｒｐ．）社製が入手可能である
とした。
【００３１】 ’８５８特許では、好ましい前置式フィルタ・ラップ１１０は、ミスト捕集シ
ステム１０の動作中、オイルを蓄積するとした。オイルの蓄積に伴って、フィル
タ１２、１２’にまたがる圧力低下が増大する。送風機ケース２６内のモータ２
８を止めると、前置式フィルタ・ラップ１１０に蓄積したオイルがホッパ４０内
へと下方に排出する。オイルが排出してしまうと、フィルタ１２、１２’にまた
がる圧力低下は減少する。
【００３２】 米国特許第５，４５４，８５８号に記載の別の実施形態では、前置式フィルタ
・ラップは、厚さも効率も様々である繊維ガラス濾材または繊維ガラスウール濾
材で構成してもよく、そのような濾材はウェストバージニア州ビエンナ（Ｖｉｅ
ｎｎａ）にあるシューラ フィルトレーション社（Ｓｃｈｕｌｌｅｒ Ｆｉｌｔ
ｒａｔｉｏｎ Ｃｏｒｐ．）の登録商標名のファイバーグラス ウール（Ｆｉｂ
ｅｒｇｌａｓｓ Ｗｏｏｌ）が売られているとした。繊維ガラス材は、オイルの
蓄積に伴いフィルタにまたがって圧力低下が増大すると、オイルを保持する。繊
維ガラス前置式フィルタ・ラップを定期的に取り替えることによって、濾材１０
４の寿命が延びることになる。
【００３３】 米国特許第５，４５４，８５８号によれば、その濾材１０４の低表面エネルギ
ーのせいで、濾材１０４が保持するオイルの量は少なくなる。’８５８特許には
、実際の動作においては、濾材１０４の外側表面に形成されるオイル滴は重力に
よって捕集ホッパ４０内へと下方に向かって排出し、また濾材１０４を通過し内
側表面１０２上に凝集するオイルは重力によって下端キャップ９０の傾斜部へと
排出し、再び濾材１０４を通過してホッパ４０内へ排出すると記載した。米国特
許第５，４５４，８５８号によれば、濾材１０４の内側および外側両表面上での
オイルの凝集と縦に方向づけられたプリーツ１０６とが相まって、オイルが下流
空気中に比較的少量流れ出ることをいっそう確実にしている。以上のように、米
国特許第５，４５４，８５８号によれば、オイルを捕集しかつフィルタ１２から
引き離して処理できるように、濾材１０４はオイルを吸収せず、代わりにオイル
を分離かつ排出する。幾つかの用途においては、捕集流体はリサイクルされる。 また、米国特許第５，４５４，８５８号によれば、濾材１０４にはプリーツが
つけられているためその表面積は大きくなり、それによって濾材１０４を介して
流れる空気は低速で移動するようになり、結果として、オイルがフィルタ１２の
内側表面１０２から下流空気中に吹き飛ばされる傾向は弱まる。
【００３４】 ’８５８特許に記載の好ましい実施形態では、時間の経過につれて効率および
カートリッジ１２、１２’にまたがる圧力低下は増大する。しかし、ミスト捕集
機用カートリッジ１２、１２’は、濾材１０４が急速にオイルで飽和することは
断じてないという理由から、（これより以前のシステムに比べ）比較的長期間機
能するとした。フィルタ１２、１２’がゴミその他の粒子で詰まるのに伴って、
効率およびフィルタ１２、１２’にまたがる圧力低下は増大する。そのため、フ
ィルタ１２、１２’にまたがる圧力低下は、フィルタ１２、１２’に残る耐用年
数と一致し、これを利用してフィルタ１２、１２’の交換時期を示すことができ
る。
【００３５】 Ｄ．好ましいミスト捕集用前置ラップ 本発明によれば、従来のミスト捕集用前置ラップの代替となるミスト捕集用前
置ラップ、例えば、前記した米国特許第５，４５４，８５８号に記載の装置と併
用されるミスト捕集用前置ラップが提供される。ある場合には、本技術は概略、
代替となる好ましい前置ラップを提供することによって操作および性能を改良す
ることに関わる。
【００３６】 本明細書に記載の技術は、１つには、米国特許第５，４５４，８５８号に記載
の技術を商業用に開発することに関連して行った諸観察から発展したものである
。究極の商品開発において、ドライフロ（Ｄｒｙｆｌｏ、商標名）で使用され販
売されている幾つかのフィルタ・ラップを下記のように構成した。
【００３７】 １．外側ラップ − １層の４．０〜４．８オンス／平方ヤード（１０５〜１
２９ｇ／ｍ２）ポリエステル繊維厚材（混合繊維）；０．５５〜０．７０インチ
（１４〜１８ｍｍ）厚さフリーステート（０．００２ｐｓｉ圧縮下で測定）；平
均繊維径約２１．０ミクロン（質量重み付き平均）または約１６．３ミクロン（
長さ重み付き平均）；浸透性（最小）５００フィート／分（１５２ｍ／分）；フ
リーステート剛率約０．６〜１．０％、典型的な場合で約０．７％。
【００３８】 ２．外側ラップと隣り合う内側域 − ２層の３．１〜３．８オンス／平方ヤ
ード（１０５〜１２９ｇ／ｍ２）ポリエステル繊維厚材；０．３２〜０．４２イ
ンチ（８．１〜１０．７ｍｍ）厚さフリーステート（０．００２ｐｓｉ圧縮下で
測定）；平均繊維径１２．５ミクロン（質量重み付き平均または長さ重み付き平
均）；浸透性（最小）３７０フィート／分（約１１３ｍ／分）；フリーステート
剛率約０．８〜１．４％、典型的な場合で約０．９％。
【００３９】 本明細書においては、浸透性について言及する場合、参照数字は一枚の平坦な
参考濾材（または媒体。一般に、浸透性は、ＡＳＴＭ Ｄ７３７に準じ、メリー
ランド州ゲウイサーバーグ（Ｇａｉｔｈｅｒｂｕｒｇ）のフレイザー 精密計器
（Ｆｒａｚｉｅｒ Ｐｒｅｓｉｃｉｏｎ Ｉｎｓｔｒｕｍｅｎｔ Ｃｏ．Ｉｎｃ
．，）社製のフレイザー パーム テスター（Ｆｒａｚｉｅｒ Ｐｅｒｍ Ｔｅ
ｓｔｅｒ）を用いて評価し、０．５０インチのＨ２Ｏ制限を誘導するのに必要な
媒体面速度（空気）をさしている。
【００４０】 幾つかの用途においては、カートリッジ（前置ラップの下流）の現場寿命が約
３から６週間であることが観察され、各構成部品へのにじみが観察された。この
ような比較的短い寿命およびにじみは、１００％オイルの用途に関して、すなわ
ち水溶性の切削油剤（８０〜９０％水）とは対照的に、捕集されるミストの約１
００％がオイルであるような用途においては最も重大な問題のようであった。
【００４１】 本発明による改良品の開発に関連してこのような現象を研究しているうちに、
前記工業用途において使用されるオイルの多くが、いわゆるミスト防止化学添加
剤を含む、１００％オイル空中ミストまたは（捕集の必要がない）エーロゾルを
発生していることが観察された。これら添加剤によって、工業的プロセスによる
５ミクロン未満のオイル粒子発生の恐れは少なくなるが、その結果、サイズ分布
曲線が捕集空中ミスト中の平均オイル粒子径が大きくなる「右」（またはより大
きくなる方）にずれる。より具体的にいうと、一般にオイルがミスト防止添加剤
を含まない１００％オイルの用途では、平均オイル滴サイズ約４〜１０ミクロン
が典型的なサイズであって、重量で大多数がこの範囲にあり、これより小さいオ
イル粒子および大きいオイル粒子もいくらか存在する。一方、オイルにミスト防
止添加剤が付与されている場合、平均オイル径はより大きくなり、例えば約８〜
２２ミクロン程度（平均）の粒子が観察される。粒子径が、工業的プロセスでも
吹き付け速度と液体の体積の相関関係できまることは言うまでもない。
【００４２】 １００％オイル系における市販の上記のドライフロの前置式フィルタ・ラップ
の性能ついて観察した結果に基づき、下記の目標のもとに、改良前置式フィルタ
・ラップを開発すべく鋭意努力を重ねた。
【００４３】 １．かなり大きい流体流量を濾過する能力、すなわち、多くの典型的な動作が
約５０〜４００ｍｇ／ｍ３であるとすれば、少なくとも５０ｍｇ／ｍ３の荷重の
液体を濾過する能力。ここで、約７５ｍｇ／ｍ３以上の液体流量、特に１５０ｍ
ｇ／ｍ３以上の液体流量は、「重」荷重率と呼ばれることがある。（本明細書に
おいては、荷重流体積または速度に関して「ｍｇ／ｍ３」とは、前置式フィルタ
・ラップを通過する空気の単位量に対する空中液体の重量をさしている。）材質
は比較的小さい流量、すなわち５０ｍｇ／ｍ３以下においても有効に作用するも
のでなければならないことは言うまでもない。しかし、流量が大きくなればなる
ほど、少なくとも７５ｍｇ／ｍ３、典型的な場合で８０ｍｇ／ｍ３となると、特
に従来のシステムでは問題を生じる可能性が高くなる。
【００４４】 ２．末端の目詰まりの程度が低い状態での動作を可能にする（好ましいフィル
タ・システムにおいて２〜４インチの圧力低下を伴う比較的長期間の動作）。
【００４５】 ３．目に見えるミスト放出の減少。
【００４６】 研究の間に、１００％オイルの用途での問題の多くが、重荷重条件下で、例え
ば約７５ｍｇ／ｍ３以上の荷重下で悪化しているとの結論に至った。そのような
条件下では、オイルが従来技術のドライフロの前置式フィルタ・ラップに浸透し
、下流のカートリッジではプリーツをつけた媒体が飽和しているのが観察された
。次いでオイルが一部ヘパ（ＨＥＰＡ）フィルタ内に流れ出し、ある程度の目詰
まりと目に見える放出が生じているのが観察された。１つの目的は、プリーツを
つけた媒体に対するオイルの荷重を減らし、ひいてはヘパフィルタに対するオイ
ルの荷重を減らすために、前置式フィルタ・ラップがより大きい割合で液体荷重
を受け入れるようにその効率を高めことにあった。主眼は、動作の間の連続的な
排出とともに定常状態の合体を確立することにあった。本文脈において「定常状
態の合体」とは、長期にわたる連続動作期間（少なくとも６週、典型的な例では
少なくとも４カ月、通常は少なくとも４〜６カ月（１２０〜１８０日））に、フ
ィルタ全体にまたがる４．５インチ以下の圧力低下、典型的な例ではＨ２Ｏで４
インチ以下の圧力低下が維持されるような合体および前置式フィルタ・ラップか
らのオイル排出の一定の割合を意味する。別の言い方をすれば、定常状態の動作
が得られるまで圧力上昇を生じ、定常状態の動作が得られた時点で、システムが
捕集オイルを積み入れる割合とほぼ同じ割合でシステムから捕集オイルが排出し
、ΔＰは横ばいとなり、かりに圧力上昇があったとしても比較的緩慢な割合で増
加する。
【００４７】 本明細書でフィルタにおける圧力低下またはΔＰについて言及する場合、特に
ことわりのない限り、前置式フィルタとプリーツをつけたカートリッジの両方を
含んだフィルタ・カートリッジ・アセンブリ全体にまたがる圧力低下の測定をさ
している。一般に、本明細書で特徴づけられる前置式フィルタと併用するタイプ
のプリーツをつけたカートリッジは、新しくて荷重が加わえられていない場合、
前置式フィルタ・ラップに起因する初期圧力低下が存続していれば、Ｈ２Ｏで約
０．６インチの圧力差が可能である。本明細書で「定常状態の動作」とは、圧力
低下が増大しないことを暗示するというより、むしろ生じる圧力低下が比較的緩
慢であって、前述のような条件下において少なくとも前述の期間、先に特徴づけ
したＨ２Ｏで４インチのΔＰ限界点（またはその他の限界点）を実質的に上回る
（すなわち動作が悪化する限界点を優に上回る）ような圧力上昇なしで、連続し
た動作が可能となることを意味している。典型的なシステムでは、動作中の面速
度は少なくとも８０フィート／分であり、典型的な例では１００フィート／分が
一般的であるということに留意されたい。しばしば動作は８０〜１４０フィート
／分の範囲内であり、典型的な例では１００〜１２０フィート／分である。一般
に、前置式フィルタはこのような面速度に設計されまたは寸法決めされており、
送風機の動力はそれに応じて選択されている。
【００４８】 一般に、多くの典型的な工業プロセスにおける、濾過して取り除くべき空中の
液体の重量は、少なくとも５０ｍｇ／ｍ３程度、多くの場合７５ｍｇ／ｍ３以上
である。実際に、多くのシステムでは５０〜４００ｍｇ／ｍ３の割合を予想して
いる。動作は、液体の重量がこの範囲のいずれにあっても動作できるものである
ことが好ましく、定常状態の動作が先述の期間にわたる連続動作の間であっても
達成されることが好ましい。（低荷重率がときに観察されることは言うまでもな
いが、そのような低荷重率では、目詰まりに関連する問題が生じることは少ない
。） 研究の結果、３段式かつ４層の好ましい前置式フィルタ・ラップが開発された
。３段式かつ４層の好ましいラップの外側から内側へ（または上流から下流へ）
の構成は下記のとおりである。
【００４９】 １．流体喪失が比較的大きく、耐久度が比較的高く、剛率が比較的小さい繊維
性厚材。
【００５０】 ２．領域１に比べて流体喪失が小さく剛率が大きい繊維性厚材。
【００５１】 ３．領域１または領域２のいずれと比べても平均気孔寸法が比較的小さく、剛
率のパーセンテージが比較的高く、浸透性が低い繊維性材。
【００５２】 ４．領域３に比べて流体喪失が比較的大きく、浸透性が高く、剛率が比較的小
さい繊維性厚材の領域。領域２と領域４は同一の濾材であるかまたは類似の濾材
であることが好ましい。
【００５３】 このように特徴づけられた改良された構成は、フィルタ・ラップの中に領域３
または層３と記述した濾材を導入した結果、すなわち（ラップの他の領域に比べ
て）平均気孔寸法が比較的小さく、剛率のパーセンテージが比較的高く、浸透性
が低い繊維性材を導入した結果、ドライフロの名称で市販されている上述した従
来技術の前置式フィルタ装置とは概して異なっている。この部分については、段
階ＩＩとして、後述する。利点はこのような濾材を組み込んだことから生じるだ
けでなく、すなわち中間層と表現した場所を組み込んだことにも由来する。
【００５４】 概ね、改良点は下記の効果に由来すると考えられる。領域３用に選択される媒
体は、かなりの開放気孔構造（浸透性は少なくとも１８０ｆｐｍ、典型的な例で
は３４０ｆｐｍ未満、好ましくは２００から３２０ｆｐｍの範囲内、さらに好ま
しくは２４０から２８０ｆｐｍの範囲内、典型的かつ最もこのましくは約２６０
ｆｐｍ）を有しており、他の領域に比べると実質的に低いとはいえ、その開放気
孔構造によってオイルがたまることができ、またこの領域の媒体が十分に飽和す
るのに伴い、オイルがそこを伝わって流れ出すこともできる。仮にこの場所に実
質的に浸透性の低い媒体を選択すれば、保持されているオイルがシステムを目詰
まりさせかねない。仮に他の領域と比べて実質的浸透性の高い媒体を選択すれば
、オイルミストがその媒体をとおって隣の層に飛び散り、ついにはカートリッジ
の（プリーツをつけた）媒体にしみ出しかねない。この領域の好ましい媒体は平
均気孔寸法が相対的に小さく、典型的な例では４００ミクロン未満、通常は１８
０から３２０ミクロンの範囲内であって、この範囲内では過剰に圧力を増大がな
くともミストが容易に合体する。
【００５５】 領域３における好ましい媒体は典型的な例では、それが清浄なときには効率お
よび圧力低下はかなり低いが、十分オイルで飽和すると、すなわち使用中のフィ
ルタ全体にまたがる圧力差がＨ２Ｏで３．５〜４．５インチのΔＰ（典型的な例
では約Ｈ２Ｏで４インチ以下）であるような荷重が加わると相対的に高効率とな
る。ミスト荷重が比較的大きい、すなわち７５ｍｇ／ｍ３以上であるような条件
下では、数日間の連続使用のうちに、前置式フィルタには多くてＨ２Ｏで３．５
〜４インチのΔＰの荷重が加わり、システムは、動作および排出が定常状態とな
り、一般に少なくとも６週間の連続動作、典型的な例では少なくとも１２０日間
の、しばしば１８０日以上にわたる不変の続動作の間安定する。ラップ媒体を通
過する空気速度（通常の市販システムの場合、典型的な例で１００〜１２０ｆｐ
ｍの面速度）が、捕集されたオイルをこの層（前記層３）の裏面に押しやり、そ
こでオイルは層３に隣り合わせた下流の層（前記層４）に排出する。次いでこの
合体オイルは、プリーツをつけた媒体部分に到達する前にカートリッジの外側へ
流れ落ちる。
【００５６】 空気流が８時間止まると、ほとんどの合体オイルは排出し、圧力はＨ２Ｏで約
２インチのΔＰまで低下する（この時システムを再び動作させる）。このように
、システムを止めることで、ある程度の排出および自浄を行うことができる。
【００５７】 ここで図８、９および１０に注目する。
【００５８】 図８、９および１０には、本発明による前置式フィルタ・ラップ２２１が示さ
れている。この前置式フィルタ・ラップ２２１は、図６に示すカートリッジ・シ
ステム１２’の前置式フィルタ・ラップ１１２の代わりに、または図４に示す捕
集機用カートリッジ・システム１２の前置式フィルタ・ラップ９１の代わりに、
前置式フィルタ・ラップとして使用できる利点がある。その周囲にラップ２２１
を使用することができる好ましい内部カートリッジは、図１から図７に関して先
にその概略を記した種類の内部カートリッジである。本明細書に後に記述の濾材
から、前置式フィルタ・ラップ２２１が様々な形状と寸法で構成し得る結果、様
々な内部カートリッジの外側周囲に適合することは明らかであろう。
【００５９】 前置式フィルタ・ラップ２２１を図８に示すが、前置式フィルタ・ラップが未
装着の円形、円筒状のカートリッジ（図示せず）に、前置式フィルタ・ラップ２
２１を装着する段階での構成を示してある。したがって、図８には円形の構成の
前置式フィルタ・ラップ２２１が示してある。図示した前置式フィルタ・ラップ
２２１は長方形（開いた場合）であって、第１および第２の端部２２４、２２５
を含む。前置式フィルタ・ラップが未装着のカートリッジの周囲に前置式フィル
タ・ラップ２２１を装着する場合、図８に部分的に示すように、典型的な例では
端部２２４、２２５が重なり合う。前置式フィルタ・ラップ２２１の重複部分で
ある領域２２７、２２８には、かみ合い機構２３０が備わっている。好ましいか
み合い機構２３０は、ベルクロの商標名で入手可能なフック・ループ・クロージ
ャ機構２３１である。フック・ループ・クロージャ機構２３１は２枚の細長いフ
ック・ループ・クロージャ材２３２、２３３を含み、フック・ループ・クロージ
ャ材は各々領域２２７、２２８内のかがり２３５によって固定されている。後述
するが、前置式フィルタ・ラップ２２１は複数の濾材層と、好ましくは全媒体層
を通り抜けるように延びてそれらをかがり領域に固定するようなかがり領域２３
５とを含む。
【００６０】 図８の装置は一般に、「順方向流れ」前置式フィルタ・ラップである。言い換
えれば、ミスト・エーロゾルの「順方向流れ」捕集に用いるカートリッジの周囲
を包むように構成され配置されている前置式フィルタ・ラップ２２１、すなわち
空気流に伴って、図８および図９の矢印２４０で示す方向に、前置式フィルタを
介して空気中でミストを運ぶカートリッジの周囲を包むように構成され配置され
ている前置式フィルタ・ラップ２２１が示してある。「順方向流れ」とは、外部
２４１からラップ２２１を介して内部領域２４２へ至る流れである。典型的使用
法では、図４および図６に示すように、前置式フィルタ・ラップが未装着のカー
トリッジは内部領域２４１に位置決めされ、カートリッジ内でも流れは「順」方
向であることは言うまでもない。
【００６１】 別の言い方をすれば、一般に空気流はフィルタ・ラップの上流側から下流側へ
と方向づけされており、図８および図９に示す「順方向」流れ装置の場合、上流
側は一般に２４５にあるとされ下流側は一般に２４６にあるとされる。本明細書
に記載のシステムと類似のシステム（層勾配の物理的方向と逆であることは言う
までもない）を、逆方向流れ（内側から外側への流れ）システムとして構成する
こともできる。
【００６２】 前置式フィルタ・ラップ２２１などの本発明による好ましい前置式フィルタ・
ラップは一般に、その中に３段階の濾材を含んでいる。本明細書では、これら３
つの段階を段階Ｉ、段階ＩＩおよび段階ＩＩＩと記述する。前置式フィルタ・ラ
ップ２２１の場合、図９に示すように、一般に段階Ｉは参照符号２５０で表され
、段階ＩＩは参照符号２５１で、段階ＩＩＩは参照符号２５２でそれぞれ表され
る。一般に、段階Ｉは濾材の最も上流側の段階、段階ＩＩは中間の段階、段階Ｉ
ＩＩは最も下流の段階である。図示した特に好ましい装置においては、参照符号
２５０で表される段階Ｉは、２５６および２５７で表される２つの領域および２
種類の媒体を含む段階である。段階Ｉ、段階ＩＩおよび段階ＩＩＩのいずれも１
層以上の濾材を含むことができることを理解されたい。ある場合には、１層以上
が同一の濾材から成ることも可能である。また、その他の好ましいシステムでは
、１つの段階における複数の層が異なる濾材からなる層を含むこともできる。図
８から図１０に示す好ましい装置は、本明細書で後述するように、段階Ｉが好ま
しい勾配を付与された多層の領域であり、段階ＩＩが好ましい濾材から成る１層
の中間領域であり、段階ＩＩＩが一層の濾材を含む下流領域であるような装置で
ある。様々な段階の好ましい特性および材料は下記の通りである。
【００６３】 段階Ｉ 段階Ｉは、ガス流が出会う前置式フィルタの第１の部分であって、ろ過の間に
そこに捕集されるミストを担持する。その結果、ときに最上流域と記述される。
段階Ｉは、比較的「流体喪失の大きい」媒体であることが好ましく、それによっ
て前置式フィルタによるろ過工程において、望ましくない目詰まりまたは閉塞を
生ぜずに相当量の物質の荷重をかけることができる。段階Ｉは、選択した液体を
その表面に捕集するのに適した種類の繊維性厚材で形成されていることが好まし
い。段階Ｉにおける媒体はポリエステル材であることが好ましい。
【００６４】 段階Ｉの好ましい構成は、その厚さを貫くように勾配を有する構成である。こ
れを達成するために、段階Ｉは、空気が前置式フィルタ・ラップ２２１を通過す
る方向に順次並べられた１層以上の媒体を含むことが好ましい。勾配としては、
テストする限りでは、最外層２５６（最上流層）が隣り合った下流域２５７の媒
体のろ過効率（テストする限り）に比べて低いろ過効率（または高浸透性の）濾
材で形成されるような勾配が付与される。
【００６５】 勾配は、例えば、互いに厚さが異なり、互いに剛率パーセンテージが異なり、
しかも／または互いに平均繊維寸法が異なることなどを含めて種々の方法で付与
される。典型的かつ好ましい勾配は、外側層が、（隣り合った内側層と比べて）
浸透性が高く、剛率パーセンテージが低く、平均繊維径が大きく、さらに厚い状
態になるようにした状態で、３つの変数すべてを異ならせるようにすることによ
って得られる。
【００６６】 段階Ｉの媒体の最外層２５６用に好ましい濾材は、浸透性（最小）５００ｆｐ
ｍ（１５２ｍ／分）、典型的な例では５００から７５０ｆｐｍ；フリーステート
で剛率１．２％未満、典型的な例では１％未満、好ましくは約０．５から０．８
％；秤量約４．０〜４．８オンス／平方ヤード（１３６〜１６３グラム／平方メ
ートル）；フリーステート厚さ（０．００２ｐｓｉ圧縮時の厚さ）０．５５〜０
．７０インチ（１４．０〜１８ｍｍ）；平均繊維径少なくとも１４ミクロンかつ
２７ミクロン以下（質量または長さ平均のいずれか）、好ましくは１６〜２４ミ
クロン（平均または長さ平均）である非網目で流体喪失の大きいポリエステル繊
維媒体である。（質量平均と重量平均は、濾材が異なる寸法の混合物で形成され
ていない場合は同一である。）もちろん、使用可能な濾材は、インディアナ州ミ
シガン市のファイバーボンド社（ＦｉｂｅｒｂｏｎｄＣｏｒｐ．）およびノース
キャロライナ州シャルロットのケムーウーブ社（Ｋｅｍ−Ｗｏｖｅ，Ｉｎｃ．）
などの製造業者から容易に入手できる。濾材は繊維混合物を含んでいてもよい。
典型的な市販品では、繊維構造の無傷性を確保するために、表面に樹脂が付与さ
れている。同様の効果を生むために２成分繊維系を使用することもできる。
【００６７】 領域２５７の媒体としては、領域２５６に比べて高い効率を有しながら、効率
または剛率パ−セントに勾配を与えるような媒体が好ましい。このような濾材と
しては、浸透性（最小）が少なくとも３５０ｆｐｍ、典型的な例では少なくとも
３７０ｆｐｍ（１１３ｍ／分）、しかし一般に領域２５６の媒体に比べて５０ｆ
ｐｍ低い（通常少なくとも１００ｆｐｍ低い）ポリエステル繊維ろ過媒体である
。（典型的な例では約３５０〜５５０ｆｐｍ。）濾材はフリーステート厚さ（す
なわち０．００２ｐｓｉ圧縮時の厚さ）０．３２〜０．４２インチ（８．１〜１
０．７ｍｍ）以内、秤量約３．１〜３．８オンス／平方ヤード（１０５〜１２９
グラム／平方メートル）の濾材であることが好ましい。濾材は、平均繊維径少な
くとも８ミクロンかつ１６ミクロン以下（質量または長さ平均のいずれか）、好
ましくは少なくとも１０ミクロン、典型的な例では１０〜１４ミクロンであるこ
とが好ましい。濾材は、フリーステートで剛率１．２％未満、典型的な例では０
．５〜１％未満、通常は０．７〜０．９％であることが好ましい。繊維混合物を
含む濾材を使用することもできる。
【００６８】 このような濾材は、インディアナ州ミシガン市のファイバーボンド社およびノ
ースキャロライナ州シャルロットのケムーウーブ社などの製造業者から容易に入
手できる。典型的な場合、市販品は、繊維構造の無傷性を確保するために表面に
樹脂が付与されている。同様の効果を生むために２成分繊維系を使用することも
できる。
【００６９】 段階ＩＩ 段階ＩＩは、合体と排出を容易にする中間段階である。段階ＩＩの媒体は、好
ましくは段階Ｉと比べると浸透性が実質的に低く、捕集した液体がその中で確実
に合体できるほど平均気孔寸法が小さい。また、浸透性が十分で、あまりに急速
に閉塞することがなく、ミスト捕集機の通常の動作（つまり面速度８０から１４
０ｆｐｍ、Ｈ２Ｏで４インチ未満のΔＰの間に定常状態の動作が達成できるよう
な特徴を有する濾材である。好ましい濾材は、秤量が少なくとも６５ポンド／３
，０００平方フィート、典型的な例では７２〜８２ポンド／３，０００平方フィ
ート、最も好ましくは７４〜７８ポンド／３，０００平方フィートの濾材である
。濾材は、段階Ｉのどの部分の濾材と比べてもフレイザー（Ｆｒａｚｅｒ）浸透
性が低く、好ましくは少なくとも３０ｆｐｍ低い濾材が好ましい。濾材は、浸透
性（最小）が１８０ｆｐｍ、好ましくは３５０ｆｐｍ以下、最も好ましくは２０
０〜３２０ｆｐｍ（７９±１８ｍ／分）であることが好ましい。濾材は、厚さ約
０．０４インチ以下、典型的な例では０．０２から０．０４インチ、好ましくは
約０．００２５インチである濾材が好ましい。濾材は、平均繊維径が１６〜２４
ミクロン以内の濾材であることが好ましい。一般に、好ましい濾材の平均気孔寸
法は少なくとも１５０ミクロン、典型的な例では少なくとも２００ミクロン、好
ましくは約３７０ミクロン程度であって、典型的かつ好ましい用途においては２
００〜３２０ミクロン以内である。
【００７０】 乾燥破壊強さが１２５ｐｓｉ（８６１ｋＰａ）かつ濡れ破壊強さが６０〜１６
０ｐｓｉ（７５８±３４５ｋＰａ）である濾材が好ましい。繊維混合物を含む濾
材を使用することもできる。
【００７１】 濾材は、繊維が重量で８０％あれば最も好ましく、繊維が重量で約９０％以上
であって残りが樹脂であればさらに好ましい。
【００７２】 一部の用途では、段階ＩＩとして平坦な（非波形かつ非プリーツ型）濾材が使
用される。別の用途においては、プリーツまたは波形（「プリーツ」および「波
形」はいずれも、断面が山と谷を交互に有するような濾材を言うときに使用する
）有する配置に一定の方向性を付与することで、構造上無欠かつ表面積が高率で
ある構成とされる。例えば、深さが０．０３インチ程度、典型的な例では少なく
とも０．０１インチ、通常は０．０１３±０．００３インチ（０．３３±０．０
８ｍｍ）の波形が使用可能である。プリーツまたは波形は円周方向または軸方向
いずれの方向にもつけることができるが、図８に示すような好ましい構成（仮に
波形をつけるとして）は２６０本の波形を円周方向に、すなわち鉛直方向（軸方
向）ではなく装置の周囲につけたものである。このような波形は、前述したよう
な波形構造を有する好ましい濾材を使用すれば、容易に達成することができる。 ふさわしい濾材は、例えばマサチューセッツ州、イースト ウォルポール（Ｅ
ａｓｔ Ｗａｌｐｏｌｅ）のホリングスワース アンド ボーセ（Ｈｏｌｌｉｎ
ｇｓｗｏｒｔｈ ＆ Ｖｏｓｅ）を含めた様々な製造業者から得ることができる
。典型的な市販品には、繊維構造の無傷性を確保するために樹脂が含まれている
（例えば重量で最大約４０％）。複合繊維を使用することができる。
【００７３】 段階ＩＩＩ 最下流段階、段階ＩＩＩ用に好ましい濾材は、段階Ｉの領域２５７に関して前
記した好ましい濾材などである。前記同様の販売元から入手できる同様の濾材が
使用できる。このような濾材が好ましい１つの理由は、段階ＩＩで捕集された液
状物質排出することができ、しかも同時に面速度が低く大きな荷重を受け入れる
ことができるような好ましい領域を 段階ＩＩの下流に付与し、また、好ましい
定常状態の動作を比較的迅速に達成することができ同動作が長期間持続するとい
う点にある。すなわち、このような濾材に捕集された液体は一般に、好ましいΔ
Ｐ、例えばＨ２Ｏで４インチを超えることなく定常状態の動作を可能にする速度
で流れ出る。
【００７４】 前置式フィルタ・ラップ２２１が、その内部に本セクションで好ましいとした
段階Ｉ、ＩＩ、ＩＩＩを有するようなものであるとき、この前置式フィルタ・ラ
ップは、１００％オイル捕集用システムに使用するのに特に適している。しかし
このようなラップは、捕集液体が１００％オイルでない場合にも、例えば水系（
８０〜９０％水）の切削油剤であっても、有効であることを留意されたい。
【００７５】 図８から図１０に示した好ましい装置の場合、段階Ｉ、ＩＩおよびＩＩＩにお
いて多様な層をなす媒体は、端部領域２２４、２２５において互いに縫い合わせ
るだけで、上端および下端２６１、２６２に沿って互いに縫い合わせることは特
にしない。これによって、合体した液体が、その排液を底方向に出しながら様々
な層を通過することが容易になる。端部２６１または２６２のいずれに沿っても
縫い合わせないことで、ラップ２２１を鉛直方向に逆にすることもできる。
【００７６】 Ｅ．作用 別の用途も可能であるが、本発明の原理を利用した好ましいミスト捕集システ
ムは、下記のパラメータを用いた好ましい作用のために構成されて配置されてい
る。
【００７７】 １．少なくとも８０ｆｐｍ程度、典型的な例では１４０ｆｐｍ未満、好ましく
は１００から１２０ｆｐｍである捕集の間の面速度。面速度は空気の体積流量を
前置式フィルタ・ラップの外側表面積で割ったものである。
【００７８】 ２．１から７日間の連続動作期間内に達成され、圧力上昇が約４インチのΔＰ
を実質的に超えない状態で、少なくとも６週間、好ましくは少なくとも４カ月間
（１２０日間）、より好ましくは少なくとも５〜６カ月間（１５０〜１８０日間
）持続する定常状態の動作。
【００７９】 ３．動作の間に、少なくとも５０ｍｇ／ｍ３（フィルタを通過する空気）程度
、典型的な例では少なくとも７５ｍｇ／ｍ３、ある場合には１７５ｍｇ／ｍ３以
上（例えば２００〜３００ｍｇ／ｍ３）の液体の体積を捕集しかつ排出する能力
。（もちろん、より低い負荷速度も伴う動作に同じ材料を使用することができる
。） 作用に関しては、下記の原理および観察記録が興味深い。一般に、前記のよう
に特徴づけられた製品は、１００％オイルの用途に使用することができまたは水
溶性切削油剤とも併用することができる。このシステムは非常に融通がきき、非
常に活気にあふれた用途への取り組み、例えば（切削行為によって生じる金属削
りくずを流し、取り除くために）３００ｐｓｉ〜１，０００ｐｓｉなどの３００
ｐｓｉ以上程度の圧力でチップ発破工に加圧オイルを工作物上へ誘導させるとい
った、１００％オイル用途への取り組みを可能にすべく特に設計されたものであ
る。前述のように特徴づけられるシステムは、関係する金属の種類（鋼鉄、真鍮
、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼など）、システムの相対的温度、切削油剤の
性質およびその塗布法などにかかわらず、多くの場合において使用可能かつ動作
可能となる。また前置ラップによって、下流のカートリッジおよび／またはヘパ
（ＨＥＰＡ）フィルタの耐用年数が増す。
【００８０】 切削油剤が油・水混合物を含む場合、フィルタ設計に関連して考慮すべき効果
が、水がある程度蒸発するという事実に関わるものであることに留意されたい。
これによって、平均粒径が小さくなるだけでなく、ある場合には、もともと切削
油剤に存在していたオイルの重量パーセンテージよりも実質的に高いパーセンテ
ージで空中ミストが残ることがある。すなわち、動作の間に、水は蒸発しようと
するがオイルは蒸発せず、その結果、空中ミストに存在する水・オイルの重量パ
ーセンテージが変わってしまう。実際に、重切削油剤の用途で比較的高温の場合
、８〜１５％オイルを含有する切削油剤を用いた工業プロセスで生じる空中ミス
トは、オイルほぼ１００％の空中ミストと違わない。
【００８１】 前述のように特徴づけたフィルタ・システムは、第１にコストの点で、また取
り付けや操作の容易さの点で、さらにコスト／効率の関係においても電気集塵装
置または遠心分離機などの別の装置より概して好ましい。しかしある場合には、
この原理をその他の濾過方法と組み合わせて適用できることを留意されたい。一
般に、本発明の媒体に対して（最初に）静電荷を付与することもできるが、これ
は良好な初期効率または全体としての好ましい効率的動作に必要なものではない
。したがって、中性の媒体が使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 米国特許第５，４５４，８５８号に記載の従来のミスト捕集システムを説明す
る斜視図である。
【図２】 動作可能な位置にある、図１に示した従来の装置の濾過カートリッジ保持機構
の斜視図である。
【図３】 横たえられ解除された位置にある、図２に示した従来の装置のろ過カートリッ
ジ保持機構の斜視図である。
【図４】 多層前置式フィルタ・ラップを備えた、米国特許第５，４５４，８５８号に記
載の従来型ミスト捕集機用カートリッジの斜視図である。
【図５】 図４のミスト捕集機用カートリッジの平面図である。
【図６】 前置式フィルタ・ラップとして多層不織空気入材を用いた、米国特許第５，４
５４，８５８号による従来型ミスト捕集機用カートリッジの断面図である。
【図７】 米国特許第５，４５４，８５８号による、従来型ミスト捕集機用カートリッジ
の製造法を説明する流れ図である。
【図８】 本発明による前置式フィルタ・ラップの略斜視図であって、ラップ内の細部を
見るために一部切り欠いた状態の、またクロージャが一部開いた状態の前置式フ
ィルタ・ラップの略斜視図である。
【図９】 図８のラップの平面図である。
【図１０】 図９のラップを概略線１０−１０に沿って切った部分断面図である。
【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成１２年１月５日（２０００．１．５）
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 4D019 AA02 BA13 BB03 BB10 BD01 BD02 CA03 CB02 CB04 4D058 JA02 JB14 JB25 JB29 JB39 LA04 QA03 QA21 SA15 TA11

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 ミスト捕集フィルタ用の前置式フィルタであって、 （ａ）不織布厚材の上流域と、 （ｂ）（ｉ）平均気孔寸法３７０ミクロン未満、 （ｉｉ）浸透性１８０〜３５０フィート／分（約３．２９〜１０．７ｍ／分）
    の範囲内、および （ｉｉｉ）厚さ０．０４インチ（約０．１０２ｃｍ）未満の繊維性濾材の中間
    領域と、 （ｃ）不織布厚材の上流域と、 を有することを特徴とするミスト捕集フィルタ用の前置式フィルタ。
  2. 【請求項２】 （ａ）前記中間領域が、坪量７０〜８２ｌｂｓ／３０００ｆ
    ｔ２の範囲内の濾材を含むことを特徴とする請求項１に記載の前置式フィルタ。
  3. 【請求項３】 （ａ）前記中間領域が波形であることを特徴とする請求項２
    に記載の前置式フィルタ。
  4. 【請求項４】 （ａ）前記中間領域が、少なくとも０．０１インチ（約０．
    ０３ｃｍ）の波形深さ部分を含むことを特徴とする請求項３に記載の前置式フィ
    ルタ。
  5. 【請求項５】 （ａ）前記上流域が、不織布厚材の第１および第２の層を含
    み、 （ｉ）前記第１および第２の層のうち上流側の層が、前記第１および第２の層
    のうちの下流側の層に比べ濾過効率が低い濾材を含んでいることを特徴とする請
    求項１に記載の前置式フィルタ。
  6. 【請求項６】 （ａ）前記上流域が、不織布厚材の第１および第２の層を含
    み、 （ｉ）前記第１の層は前記第２の層より上流にあってかつ浸透性が少なくとも
    ５００ｆｔ／ｍｉｎの濾材を含んでおり、 （ｉｉ）前記第２の層は前記第１の層より下流にあってかつ浸透性が少なくと
    も３５０ｆｔ／ｍｉｎの濾材を含んでおり、その浸透性は第１の層を形成する濾
    材の浸透性より少なくとも５０ｆｔ／ｍｉｎ低いことを特徴とする請求項１に記
    載の前置式フィルタ。
  7. 【請求項７】 （ａ）前記第１の層が浸透性５００から７５０ｆｐｍの範囲
    内の濾材を含んでおり、 （ｂ）前記第２の層が浸透性３５０から５５０ｆｐｍの範囲内の濾材を含むこ
    とを特徴とする請求項６に記載の前置式フィルタ。
  8. 【請求項８】 （ａ）前記第１の層が平均繊維径（重量平均）が１４から２
    ７ミクロンの範囲内の濾材を含んでおり、 （ｂ）前記第２の層が前記第１の層内の濾材の平均繊維径より小さい平均繊維
    径の濾材を含むことを特徴とする請求項７に記載の前置式フィルタ。
  9. 【請求項９】 （ａ）前記第２の層の平均繊維径が１０から１４ミクロンの
    範囲内にあることを特徴とする請求項８に記載の前置式フィルタ。
  10. 【請求項１０】 （ａ）前記不織布厚材が （ｉ）浸透性が前記第１の層の浸透性より小さくかつ３５０から５５０ｆｐｍ
    の範囲内にあり、 （ｉｉ）平均繊維径が第１の層内の濾材の平均繊維径より小さくかつ１０から
    １４ミクロンの範囲内にある濾材を含むことを特徴とする請求項９に記載の前置
    式フィルタ。
  11. 【請求項１１】 （ａ）空気が担持する空中液体オイル汚染物質を濾過する
    方法であって、前記空気を （ｉ）８０から１４０フィート／分の範囲内の面速度、 （ｉｉ）少なくとも７５ｍｇ／ｍ３の液体荷重率、および （ｉｉｉ）フィルタにおよぶ圧力差がＨ２Ｏで実質的に４インチを超えること
    なしに、少なくとも１２０日間の連続動作の条件下において、多段式の前置式フ
    ィルタ・ラップを通過するように誘導する誘導工程を含むことを特徴とする濾過
    方法。
  12. 【請求項１２】 （ａ）前記誘導工程が、 （ｉ）不織布厚材の上流域と、 （ｉｉ）（Ａ）平均気孔寸法が３７０ミクロン程度、 （Ｂ）浸透性が２００から３２０フィート／分、および （Ｃ）厚さが０．０４インチ程度の繊維性材の中間領域と、 （ｉｉｉ）不織布厚材の下流域とを有する３段階式の前置式フィルタを通過す
    るように前記空気を誘導することを含むことを特徴とする請求項１１に記載の濾
    過方法。
  13. 【請求項１３】 （ａ）前記誘導工程が前記空気を前置式フィルタを通過す
    るように誘導することを含み、 （ｉ）前記上流領域が不織布厚材からなる第１および第２の層を含み、 （Ａ）前記第１の層が前記第２の層より上流にありかつ浸透性が少なくとも５
    ００フィート／分の濾材を含み、 （Ｂ）前記第２の層が前記第１の層より下流にありかつ浸透性が少なくとも３
    ５０フィート／分で第１の層を形成する濾材の浸透性より５０フィート／分低い
    ことを特徴とする請求項１２に記載の濾過方法。
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