JP2002513028A - ポリサッカリド抗原結合体 - Google Patents

ポリサッカリド抗原結合体

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、抗原提示細胞(APC)の細胞表面に結合し得るポリサッカリド骨格を有する化学結合体(本明細書中では、ポリサッカリドアジュバント−抗原結合体と呼ばれる)に関し、この化学結合体には、(a)安定なカルボニル基(すなわち、アミノ基と反応してイミンまたはシッフ塩基を形成し得る、アルデヒド基およびケトン基)を有する1以上の分子、および(b)ポリサッカリド骨格に共有結合された場合に免疫原性応答を惹起し得る、1以上のポリペプチドまたはペプチドが共有結合している。この結合体を作製する方法、およびこの結合体を使用して哺乳動物における免疫応答の相乗作用を増強する方法もまた開示される。ワクチン接種の方法、ならびに本発明の1以上のポリサッカリドアジュバント−抗原結合体を含む薬学的組成物および獣医学的組成物もまた開示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) (発明の分野) 本発明は、ポリサッカリド誘導体、その調製、ならびにワクチンおよび免疫刺
激組成物におけるその使用に関する。より詳細には、本発明は、抗原と結合体化
された抗原提示細胞(APC)によって認識されるポリサッカリドの誘導体であ
る抗原−アジュバント結合体に関する。
【0002】 (関連分野) アジュバントは、予防的および治療的ワクチンの効力を増加するために免疫系
を活性化することにおける有用性を有する。免疫アジュバントは、以下の適用を
有する:(1)感染およびガンに対して宿主の抵抗性の非特異的刺激、(2)予
防的ワクチン免疫原性の増強、および(3)治療的ワクチン免疫原性の増強。こ
れらのアジュバントは、細胞媒介性免疫応答(T細胞応答、遅延過敏症)、体液
性応答(B細胞応答、抗体産生)、またはその両方を優先的に増強し得る。体液
性免疫の刺激は、細菌感染の予防、いくつかのウイルス感染、ならびに軟部組織
および循環系ガンの治療において重要である。細胞性免疫は、固形腫瘍ガン治療
およびいくつかのウイルス性疾患について主に重要なものである。
【0003】 外来の因子または抗原(例えば、ウイルス、細菌、または寄生生物)による初
期の刺激の後に、免疫系は、再度の曝露の際に、通常、促進された応答をともな
ってその因子を認識しそして反応する。この増強された応答は、疾患の予防のた
めのワクチン投与の、非常に大きな成功にとっての基礎を形成する。しかし、外
来抗原に対する初期の免疫応答は、完全な応答のために数日間を必要とする。こ
の初期の応答は、高度に病原性の生物による感染に対する防御については、十分
ではない。より早い防御免疫応答を達成する方法は、病原体(通常、弱毒化また
は死滅している)を用いるワクチン投与または免疫による。しかし、多くの場合
において、死滅した微生物または純粋な抗原を用いる免疫は、生成される細胞媒
介性免疫が弱いかまたは全くない、短期間の乏しい免疫応答を誘発する。多くの
場合において、この乏しい免疫応答は、抗原調製物に対するアジュバントの添加
によって改変され得る。マンノース(例えば、マンナン)、β(1,3)グルコ
ース(例えば、グルカン)、β(1,4)アセチル化マンノース(アセマンナン
)、β(1,4)N−アセチルグルコサミン(キチン)のいくつかのポリサッカ
リド(炭水化物ポリマー)、およびヘテロポリサッカリド(例えば、ラムノガラ
クツロナン(ペクチン))が、免疫系を刺激することが示されている。抗原提示
細胞(APC)は、これらのポリサッカリドおよび他のポリサッカリドの糖部分
を認識しそして結合する、特異的細胞表面レセプターを有する。抗原提示細胞(
APC)(例えば、樹状細胞およびいくつかのマクロファージ)は、抗原の取り
込み、およびエンドリソゾームにおけるその抗原の小ペプチドへのプロセッシン
グを担う。プロセスされた抗原は、クラスII MHCと共にAPCの表面に発
現される。特に、反応性T細胞は、抗原とクラスII MHCとを同時に認識し
、クラスII MHCに限定された免疫応答を生じる。B細胞は、プロセスされ
た抗原によって刺激され、抗体を産生する。これらAPC表面レセプター(例え
ば、マクロファージマンノースレセプターおよび樹状細胞由来のそのホモログの
レセプターDEC−205)は、エンドサイトーシスを媒介する膜貫通タンパク
質であり、そして明らかに抗原提示のプロセスにおいて役割を担う(Stahl
、P.D.、Current Opinions in Immunology
4:49(1992);およびJiang、W.ら、Nature 375:
151(1995))。これらのポリサッカリドのそのようなレセプターへの結
合は、食作用、増殖性応答、サイトカインの放出、および免疫系の他の活性にお
ける増加によって示されるように、免疫刺激を明らかに誘導する。この免疫刺激
活性のために、これらのポリサッカリドは、ワクチンアジュバントとして提唱さ
れてきた。
【0004】 ポリサッカリドアジュバントは、サイトカイン産生を改変し(例えば、IL−
1のアップレギュレート)、そして中程度のTh1応答を生じることにより、免
疫調節効果を発揮する。CD4+T細胞のTh1サブセットによって生じた免疫
応答は、補体結合抗体ならびに、γ−IFN、IL−2、およびIL−12に関
連する強力な遅延型過敏症(DTH)反応を誘導する。ネイティブのタンパク質
のコンフォメーションに対するポリサッカリドの効果は、中程度であり、中和抗
体応答を誘発するのに必要なコンフォーメーションのエピトープを保持する。し
かし、これらのアジュバントは、外来の抗原が内在性の経路を介してプロセスさ
れることを許容し得ないので、これらの外来の抗原は、細胞傷害性Tリンパ球(
CTL)応答を誘導しない。APCは特定の糖部分に対して特異的な細胞表面レ
セプターを有するので、これらの糖部分に関連する抗原の、これらの細胞への標
的化および送達は、有意に増強され得る。明らかに、抗原送達の標的化における
糖部分の役割は、ポリサッカリドアジュバントに限定されない。例えば、過ヨウ
素酸酸化によるキラヤサポニン(quillajasaponin)糖側鎖の修
飾は、そのアジュバント性の喪失をもたらす。おそらく、この結果は、その標的
化能力の喪失による。
【0005】 特定のポリサッカリドのアジュバント特性は、しばらく公知であったが、その
使用は、主として研究適用に限定されていた。例えば、グルカンが、マウスにお
いて抗腫瘍応答を誘導し、そして急性敗血症に対する予防効果を有し得ることが
示されている。これらの効果は、グルカンの分子量およびその分枝の程度に依存
する。マンナンは、アジュバント活性を有する他のポリサッカリドであり、これ
は、おそらく、マクロファージマンノース細胞表面レセプターへの結合の後にそ
の効果を発揮する。近年、酸化条件下でのタンパク質抗原のマンナンへの結合体
化が、細胞媒介性免疫応答を生じることが示されている(Apostolopo
ulos、V.ら、Vaccine 14:930(1996))。しかし、非
酸化条件下で(すなわち、アルデヒド形成を伴わない)マンナンに結合体化され
たタンパク質抗原は、体液性免疫のみを誘発する(Okawa、Y.ら、J.I
mmunol.Meth.142:127(1992))および(Aposto
lopoulos、V.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、
92:10128(1995))。T細胞免疫の刺激はまた、実験条件下でガラ
クトースオキシダーゼを用いて、細胞表面ポリサッカリドのガラクトシル残基に
おいてアルデヒドを生成することによって、達成されている(Zeng、B.ら
、Science 256:1560(1992))。しかし、この免疫刺激は
、再現性がなかった(Rhodes、J.Immunol.Today 17:
436(1996))。これらの結果は、アルデヒドの不安定性および/または
酵素的酸化によるアルデヒドの不十分な生成に関連する問題を強調する。
【0006】 同一出願人に譲渡された、同時係属中の1998年10月2日に出願された米
国特許出願番号09/165,310は、(i)抗原提示細胞(APC)上に存
在する表面レセプターに結合するポリサッカリド、および(ii)安定なカルボ
ニル基(すなわち、アミノ基と反応してイミンまたはシッフ塩基を形成し得るア
ルデヒド基およびケトン基)を有する1つ以上の化合物、を含むポリサッカリド
結合体を開示し、ここで化合物(ii)は、(iii)直接的な共有結合を通し
てまたは二官能性リンカーの残基を介して共有結合的にポリサッカリド(i)に
結合される。この結合体は、アジュバントまたは免疫刺激剤として有用である。
【0007】 アジュバントに共有結合して結合体を形成する特定のタンパク質抗原は、アジ
ュバントと混合した抗原の免疫原性よりも高い免疫原性を有し得ることが報告さ
れている。例えば、アジュバントであるムラミルジペプチド(MDP)の合成ウ
イルス抗原への付加は、アジュバント効果の制限を生じた。しかし、この抗原の
MDPとの共有結合的結合体は、強力な免疫応答を誘発した(Arnonら、P
roc.Natl.Acad.Sci.USA 77:6769−6772(1
980))。免疫原性の乏しいタンパク質、リゾチームとのキラヤサポニンアジ
ュバント(QS−21)の結合体化は、免疫原性の増強を生じた(Kensil
ら、Vaccines 92,Cold Spring Harbor Lab
oraory,35−40頁;および米国特許第5,583,112号(199
2))が、一方QS−21とのリゾチームの混合物は、免疫応答を誘発すること
に失敗した。最近、ムチン(MUCI)融合タンパク質が、酸化条件化でマンナ
ンに結合体化された場合に、有効な抗腫瘍細胞免疫応答が誘導されることが報告
された(Apostolopoulosら、Vaccine 14:930−9
38(1996))。しかし、臭化シアンを用いる、ポリサッカリドへのタンパ
ク質のイソウレア結合を介する結合体化は、細胞の免疫応答を誘発しなかった。
著者らは、過ヨウ素酸を用いるポリサッカリドの酸化によって産生されるアルデ
ヒド基の存在が、T細胞免疫を誘発するために必要とされたことを示す。
【0008】 従って、特定のアジュバントに結合体化された抗原は、免疫原性の増大を示す
。さらに、いくつかの場合において、これらの結合体は、特定のCTL応答を誘
発し得るようである。結合体がいかにしてCTL応答を誘発するかのメカニズム
は未知であるが、アジュバント部分が最初の標的化、抗原提示細胞(APC)の
表面への結合、そして同時刺激の原因である可能性がある。いったんこの結合が
起こると、結合体は、エンドサイトーシス/ピノサイトーシスによって、同時刺
激された細胞の細胞質に内在化され、そしてその抗原は、内因性のものとして処
理され得る。キラヤサポニンが抗原−アジュバント結合体を形成する有用性の報
告は存在するが、この固有の毒性および不安定性は、商業的製品におけるこれの
使用を困難にする。過ヨウ素酸酸化したポリサッカリドの抗原−アジュバント結
合体は非毒性である。しかし、ポリサッカリド糖残基を酸化することによる短命
なアルデヒドの一貫しない生成は、このアプローチを商業的な目的のために同様
に不適切なものとする。
【0009】 従って、例えば、臨床的に有用なウイルスおよびガンワクチンのために必要と
されるような増強されかつ有用なT細胞免疫応答を誘発するために、抗原として
、安定な、再生可能な、かつ非毒性の抗原−アジュバント結合体を使用すること
が有利である。本発明は、APCを標的化および同時刺激し得る、再生可能な、
安定な、かつ非毒性の抗原−アジュバント結合体の調製、ならびにT細胞免疫を
刺激するためのワクチン抗原としてのこのような結合体の使用に関する。
【0010】 (発明の要旨) 本発明は、以下を含む化学的結合体(本明細書中以下ではポリサッカリドアジ
ュバント−抗原結合体という)に関する: (i)抗原提示細胞(APC)の細胞表面に結合し得るポリサッカリド; (ii)安定なカルボニル基(すなわち、アミノ基と反応してイミンまたはシ
ッフ塩基を形成し得るアルデヒド基およびケトン基)を有する1つ以上の分子; (iii)ポリサッカリド骨格(i)に共有結合した場合に、免疫原性応答を
誘発し得る、1つ以上のポリペプチドまたはペプチド; ここで分子(ii)は、安定なカルボニル基をインタクトに維持する様式で、
(iv)直接的な共有結合を通して、または二官能性リンカーを介して共有結合
的にポリサッカリド(i)に結合され;そして ここでこの1つ以上のポリペプチドまたはペプチド(iii)は、(v)直接
的な共有結合を通して、または二官能性リンカーを介して共有結合的にポリサッ
カリド(i)に結合される。
【0011】 本発明は、1つ以上の抗原に対する哺乳動物の免疫応答を増強するために本発
明のポリサッカリドアジュバント−抗原結合体の有効量を投与する工程を含む、
動物において免疫応答の強化を増強する工程に関する。
【0012】 本発明はまた、1つ以上の本発明のポリサッカリドアジュバント−抗原結合体
を投与する工程を含む、ワクチン投与の方法に関する。
【0013】 本発明はまた、1つ以上の本発明のポリサッカリドアジュバント−抗原結合体
、および1つ以上の薬学的に受容可能な希釈剤、キャリア、または賦形剤を含む
薬学的組成物および獣医学的組成物に関する。これらの組成物は、動物およびヒ
トにおける免疫増強剤として使用され得る。
【0014】 本発明はまた、1つ以上の本発明のポリサッカリドアジュバント−抗原結合体
を含むワクチンに関する。
【0015】 (好ましい実施態様の詳細な説明) 本発明は、以下を含むポリサッカリド結合体に関する: (i)抗原提示細胞(APC)の表面に結合し得るポリサッカリド; (ii)安定なカルボニル基を有する1つ以上の分子(すなわち、アミノ基と
反応してイミンまたはシッフ塩基を形成し得るアルデヒド基およびケトン基); (iii)ポリサッカリド骨格(i)に共有結合した場合に、免疫原性応答を
誘発し得る、1つ以上のポリペプチドまたはペプチド; ここで分子(ii)は、安定なカルボニル基をインタクトに維持する様式で、
(iv)直接的な共有結合を通して、または二官能性リンカーの残基を介して共
有結合的にポリサッカリド(i)に結合され;そして ここでこの1つ以上のポリペプチドまたはペプチド(iii)は、(v)直接
的な共有結合を通して、または二官能性リンカーの残基を介して共有結合的にポ
リサッカリド(i)に結合される。
【0016】 イミン形成カルボニル基を有する化合物は、芳香族環状化合物または非芳香族
環状化合物、芳香族複素環化合物または非芳香族複素環化合物、あるいは非環状
化合物であり得る。好ましくは、芳香族ケトンまたは複素環ケトンおよび芳香族
アルデヒドまたは複素環アルデヒドは、(ii)のように使用される。
【0017】 本発明のこの局面をより明確に説明するために、ポリサッカリド結合体は、以
下の式: (A−L’)y−P−(L−I)x またはその薬学的に受容可能な塩によって示され得、ここで Pは、抗原提示細胞の細胞表面に結合し得るポリサッカリドであり; 各々のL’は、独立して、共有結合または二官能性連結分子であり; Aは、ポリサッカリド骨格に共有結合された場合に、免疫原性応答を誘発し得
るタンパク質またはペプチドであり、yが1より大きい場合に、各々のAは、同
じかまたは異なるタンパク質抗原もしくはペプチド抗原であり得; 各々のLは、独立して、共有結合または二官能性連結分子であり; Iはイミン形成化合物であり、xが1よりも大きい場合には、各々のIは同じ
かまたは異なるイミン形成化合物であり得る。好ましいイミン形成化合物は、(
a)ケトン官能基またはアルデヒド官能基;および(b)存在する場合、このポ
リサッカリドまたは二官能性連結分子上に存在する補足的な官能基と反応し得る
第2の官能基を有する脂肪族化合物、芳香族化合物、または複素環化合物であり
;そして xおよびyは、独立して、1以上である。
【0018】 xおよびyの値は、ポリサッカリド上の共有結合的に修飾された反応基の数に
よって決定される。因子の数およびストラテジーは、本明細書中でより十分に詳
述されるように、xおよびyの値に影響を与える。一般的に、xは、ポリサッカ
リド上に存在する反応性のヒドロキシ基、末端ヘミアセタール基および/または
カルボキシ基の数の関数である。有用なポリサッカリド(P)の多様な分子量分
布のために、xによって示される修飾の程度は、100グリコシル残基あたりに
導入されたイミン形成基の数として表現され得る。この慣例を用いて、xの値は
1〜100以上まで変化し得、好ましい範囲は100グリコシル残基あたり1〜
約50イミン形成基である。yの値は、1〜100以上まで変化し得る。好まし
くは、yの値は100グリコシル残基あたり約1〜約20まで、より好ましくは
、約1〜約10まで、そしてなおより好ましくは、1〜約5抗原性基まで変化し
得る。
【0019】 イミン形成化合物Iおよび抗原性部分Pの比は、使用される結合体化ストラテ
ジーに広範に依存して変化する。この比の制御は、さらに本明細書中に記載され
る。
【0020】 ポリサッカリドの遊離のヒドロキシ基、末端グリコシルヘミアセタール基、ま
たはカルボキシル酸基は、ポリサッカリドPのLもしくはL’への共有結合のた
めに、または直接的にIおよび/もしくはAに共有結合するために使用される。
ポリサッカリド上に存在する1つ以上のこれらの反応基は、最初に、これらの基
の反応性を増加させるために「活性化され」得る(本明細書中でさらに記載され
るように)か、またはポリサッカリドは、「活性化された」官能基を有するイミ
ン形成化合物と反応され得る。
【0021】 特許請求の範囲の前に見られるスキーム6および7は、この結合体の構造をよ
り詳細に例示する。これらのスキームにおいて例示される「タンパク質」は、任
意の有用な免疫原性ポリペプチドまたはペプチドによって置き換えられ得る。
【0022】 (ポリサッカリド) 本発明の結合体を形成するために使用され得るポリサッカリドは、APC上の
細胞表面レセプターに結合する天然または化学改変された任意のポリサッカリド
を含む。本発明の目的のために有用なポリサッカリドは、最小限2つのサッカリ
ド、好ましくは7以上のサッカリドを含み、そして分枝していないかまたは分枝
しており、そして約1000から数百万ダルトンまでの分子量を有し得る。好ま
しいポリサッカリドは、約1,000から約500,000の分子量を有する。
このポリサッカリドは、本明細書において記載されるような化学改変を有し得る
【0023】 用語「抗原提示細胞」または、その略称「APC]は、本発明の目的のために
、抗原を取り込み、それらを小ペプチドへとプロセシングし、そしてクラスII
MHCとともにT細胞およびB細胞に対する提示のためにそれらの表面上にそ
れらを発現することを担う樹状細胞およびマクロファージを意味する。
【0024】 進化の間、マクロファージおよび樹状細胞は、異なる微生物から炭水化物部分
を認識する細胞表面レセプターを発達させた。これらのレセプターは、食作用お
よび飲作用という、抗原提示に関与する2つのプロセスにおいて重要な役割を果
たす。これらの細胞表面レセプターによって認識されるポリサッカリドは、これ
らのアジュバントの構築のために適している。なぜなら、このようなポリサッカ
リドは、APC標的化のために有効な機構を提供するからである。いくつかの場
合、細菌、真菌および動物起源の炭水化物配列は、植物ポリサッカリドによって
共有される。従って、植物ポリサッカリドは、いくつかの場合、出発物質の実際
の供給源を提供し得る。これらのアジュバントは、可溶性または不溶性のポリサ
ッカリドのいずれかによって調製され得るが、可溶性形態が好ましい。
【0025】 本開示の適用は、植物ポリサッカリドに限られるわけでは全くない。これらは
、APC表面レセプターによって認識される、異なる供給源由来の他の炭水化物
含有化合物にまで拡張され得る。これらの他のポリサッカリドの例は、キチンお
よびデキストランであって、これらは、それぞれ動物および細菌起源である。適
切な炭水化物含有化合物の例は、細菌のテイコイン酸およびそれらの誘導体、細
菌のリポポリサッカリド、リピドAおよびそれらの誘導体である。
【0026】 本発明で有用である好適なポリサッカリドは;βグルカン;マンナン;ペクチ
ンポリサッカリド;キチンおよびその誘導体;ムレイン、細菌フラクタン、キサ
ンタン、細菌ヘテロポリサッカリド、および真菌プルランである。これらのポリ
サッカリドの誘導体もまた有用である。有用な誘導体は、ポリサッカリドエステ
ル;スルホン化、硫酸化およびリン酸化ポリサッカリド;カルボキシメチル、エ
チルアミノおよびヒドロキシエーテルを含むポリサッカリドエーテル;および架
橋ポリサッカリドである。これらの誘導体は、本明細書に参考として完全に援用
される、Roberts,J.F.Essentials of Carboh
ydrate Chemistry,Springer−Verlag,New
York(1998)により詳細に記載されている。最も好適なポリサッカリ
ドをより詳細に以下に記載する。
【0027】 βグルカン:βグルカンは、(1→6)結合により連結されたβ−Dグルコピ
ラノシル単位を持つ(1→3)連結β−Dグルコピラノシル単位の骨格鎖を持つ
。これらは、酵母、カビ、藻、および穀粒のような、いくつかの供給源中に見い
だされる。これらは、広範囲の分子量、すなわち、5,000〜500,000
以上の間にあり、これは、それらの免疫調整性質に影響する。一般に、比較的水
に不溶性である高分子量のβグルカンは、より高い生物学的活性を持つ。しかし
、この可溶性の欠如は、グルカンの全身投与を妨げる。リン酸、硫酸、カルボキ
シ、およびその他のような、アニオン性基の導入によるこれらポリサッカリドの
修飾は、それらの生物学的活性を見かけ上保持する可溶性形態を生じた。可溶性
グルカンは、以下の手順の1つにより調製され得る:i)酵母抽出物からの単離
(HahnおよびAlbersheim、1978、Plant Physio
l.66:107)、ii)グルカン粒子の音波処理(Januzら、1986
、J.Immunol.137:327)、およびiii)スルホン化、リン酸
化、カルボキシメチル化、または硫酸化によるアニオン性基の不溶性グルカンへ
の導入(BohnおよびBrMiller、1995、Carbohydr.P
olym.28:3)、(Di Luzio、米国特許第4,739,046,
4/1988)。βグルカンでは、唯一の還元性グルコシル残基(位置3に連結
)は、(1→3)連結β−Dグルコシル残基の骨格鎖の末端に位置する。骨格鎖
に(1→6)連結により結合するグルコシル残基は、遊離の還元性基を持たない
。単球グルカンレセプターに結合する最小のフラグメントは、(1→3)連結β
グルカノヘプタサッカリドである。しかし、このオリゴサッカリドは、免疫刺激
活性を持たない。
【0028】 マンナン:マンナンは、マンノースのみからなる直鎖または分枝ポリサッカリ
ドである。マンナンは、植物、カビ、細菌、および他の生物において見い出され
る。特定の植物において、直鎖マンナンは、β−(1→4)連結マンノシル残基
からなる。他方、いくつかの酵母において、マンノース残基は、α−(1→2)
およびα−(1→6)結合によって結合される。Saccharomyces
cerevisiae(パン酵母)由来の分枝マンナンにおいて、マンナンは、
O2原子がα−D−マンノピラノシル、α−D−マンノピラノシル−α−(1→
2)−α−D−マンノピラノシル、およびα−D−マンノピラノシルα−(1→
3)−α−D−マンノピラノシル−α−(1→2)−α−D−マンノピラノシル
の側鎖によって置換されたα−(1→6)連結マンノピラノシル骨格構造からな
る。さらに、S.cerevisiaeマンナンはまた、リン酸化され得る(B
arreto−BergterおよびP.A.Gorin、Adv.Carbo
hydr.Chem.Biochem.41:67(1983)、Vinogr
adov、E.ら、Carbohydr.Res.307:177(1998)
)。S.cerevisiaeマンナンが細胞媒介性免疫を刺激する能力は疑問
視されているが、それらは、T細胞応答を刺激するにおいてリポポリサッカリド
の作用を増強する(Ohta、M.ら、Immunology 60:503(
1987))。マンナンは、マクロファージマンノース結合細胞表面レセプター
に対する結合によってそれらの免疫刺激効果を発揮し得るようである。βマンナ
ンの誘導体であるアセチル化β(1→4)ポリマンノースは、マンナンに類似の
様式で免疫系を刺激するようである。
【0029】 ペクチンポリサッカリド:いくつかのペクチンポリサッカリドは、抗補体性で
あり、そしてそれらは、異なる程度の免疫賦活活性を有し得る(Yamada、
H.ら、Planta Medica 56:182(1990))。これらの
ポリサッカリドの過ヨウ素酸での酸化は、古典的経路における抗補体活性の欠失
をもたらすが、代替経路における活性を増加させた(Yamada、H.および
Kiyohara、H.、Abstracts of Chinese Med
icine 3(1):104(1989))。いくらかの免疫賦活活性を示し
、従って細胞表面レセプターによって認識されるポリサッカリドは、ホモガラク
ツロナン、ラムノガラクツロナン、アラバン、ガラクタン、およびアラビノガラ
クタンに大まかに分類され得る。しかし、これらの化合物すべてが、生物学的活
性を有するわけではない。多くの場合、この活性は、構造、分子量、凝集状態お
よび他のパラメーターに依存する。一般に、ペクチンポリサッカリドは、1,4
結合 α−D−ガラクトシルウロン酸残基と会合する糖ポリマーの基である。こ
れらのポリサッカリドは、その骨格のガラクトシルウロン酸残基に連結された、
いくつかの分枝オリゴサッカリドを有し得る。サポニンおよび他のポリサッカリ
ドを用いた以前の研究から、分枝オリゴサッカリドは、アジュバント活性につい
て関連するようである。
【0030】 2−アセトアミドグルカン:キチン、ムレインおよびそれらの誘導体:キチン
は、β(1→4)結合によって結合された線状のN−アセチル−D−グルコサミ
ン(NAG)ポリマーである。これは、そのNAG残基の約16%が脱アセチル
化されている。これは、天然に広範に分布する。これは、節足動物の外骨格およ
び真菌の細胞壁において見い出されている。このポリサッカリドは、徹底的な分
子間水素結合を形成する鎖を有し、それによって、水および種々の有機溶媒にお
いて不溶性となっている。キチンのNアセチル基の強アルカリ処理による除去に
よって、キトサン(β(1→4)ポリ−D−グルコサミン水溶性ポリカチオン)
が得られる。そのNアセチル基の70%が除去されたキトサン(脱アセチル化キ
チン)は、有意な免疫刺激活性を示す(Azuma,I.Vaccine 10
:1000(1992))。この不溶性によって課される限定を回避するために
、水中でより可溶性であるいくつかのキチン誘導体(例えば、グリコールキチン
(Senzyu、K.ら、J Japan、Agri.Chem.Soc.23
:432(1950))、およびこれもまた免疫刺激特性を有し得るカルボキシ
メチルキチン)が開発された。ヘプタマー以上の大きさのNAGオリゴサッカリ
ドから構成される水溶性アルコール不溶性キトデキストリンは、限定された酸加
水分解によって調製された(Berger,L.R.ら、Biochim.Bi
ophys.Acta 29:522(1958))。ムレイン(細菌細胞壁の
主要成分)は、β(1→4)結合NAGからできたポリサッカリドであり、これ
は、NAG単位の1つが、エーテル結合によってC3位においてO乳酸基で置換
されて、反復配列NAG−NAMを形成するNアセチル−D−ムラミン酸(NA
M)を得る。乳酸残基のために、単離されたムレインは水溶性である。細菌細胞
壁において、ムレインは、特定のペプチドに結合して、架橋ペプチドグリカンを
形成する。それらの構造類似性のために、キチンおよびムレインは、酵素である
リゾチームによって認識され、そして見かけ上、マクロファージの細胞表面上の
レセプターによってもまた認識される。これらの構造的な類似性は、グリコール
キチンにもまた存在するが、キチンの免疫刺激特性およびその誘導体のいくつか
を説明し得る。
【0031】 (安定なカルボニル基を有する分子(イミン形成性化合物)) 本発明の結合体の第二のエレメントは、安定なカルボニル基を有する1つ以上
の分子(すなわち、アルデヒド基またはケトン基)である。これは、アミノ基と
反応してイミンまたはシッフ塩基を形成し得る。イミン形成性カルボニル基を有
する化合物は、芳香性または非芳香性の(飽和または部分的に不飽和の)炭素環
、芳香性または非芳香性の(飽和または部分的に不飽和の)ヘテロ環、または1
つ以上の不飽和結合を有し得る非環状脂肪族化合物であり得る。さらに、これら
の化合物は、直接結合によるか、または二官能性リンカーを経由するかのいずれ
かで、ポリサッカリドへの共有結合を可能にする官能基を有する。
【0032】 カルボニル基を有する特定の芳香族化合物が、特定のTh細胞表面レセプター
上のアミノ基との反応に際してのイミンまたはシッフ塩基の形成において非常に
有効である証拠が存在する。芳香族化合物に結合するカルボニル基がより安定で
ある(が、脂肪族アルデヒドは一般に不安定である)ので、それらの誘導体は、
代表的に、より長い寿命を有する。さらに、カルボニル基を有する環状化合物の
疎水的な特徴は、細胞表面レセプターとポリサッカリド結合体との間の相互作用
を増強する。結果として、ポリサッカリドを修飾するために使用される化合物は
、好ましくは、アリールまたはヘテロアリールアルデヒドまたはケトンである。
T細胞上のアミノ基に対するこれらの化合物の接近を容易にするために、それら
はまた、いくらかの親水性特徴も有することがより好ましい。
【0033】 上記の全ての特性をいくらかの程度を具現化する化合物は、ポリサッカリドの
修飾のための好ましい薬剤である。好ましい化合物は、モノおよびジ置換C6-10 アリールアルデヒドおよびC6-10アリール(C1-4)アルキルアルデヒド、アリ
ール基を含む化合物(例えば、フェニルまたはナフチル)を含み、そしてホルミ
ルまたはホルミル(C1-4)アルキル置換を含む。好ましくは、これらの化合物
は、さらに、ハロ、ヒドロキシル、C1-4アルキル、C1-4ヒドロキシアルキル、
1-4アルコキシ、トリフルオロメチル、またはベンジルオキシのような1また
は2のさらなる置換基を含む。適切な例は、1または2のヒドロキシルおよびハ
ロによって置換された、ベンズアルデヒドおよびナフトアルデヒドを含む。例と
しては、2,3−ジヒドロキシベンズアルデヒド、2,4−ジヒドロキシベンズ
アルデヒド、2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒドおよび3,4−ジヒドロキ
シベンズアルデヒド、5−クロロ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド、バニリン
、エチルバニリン、ナリンゲニン、3−ヒドロキシベンズアルデヒド、4−ヒド
ロキシベンズアルデヒド、および4−ヒドロキシフェニルアセトアルデヒドが挙
げられる。第二の好ましい基は、ヒドロキシ置換C1-4アルキル(C6-10)アリ
ールケトン)(例えば、2−ヒドロキシアセトフェノン、3−ヒドロキシアセト
フェノン、および4−ヒドロキシアセトフェノン)、ならびにヒドロキシ置換ア
リールケトン(例えば、6−ヒドロキシ−1,2−ナフトキノン)である。第三
の好ましい基は、ヘテロアリールアルデヒドおよびヘテロアリールケトンを含む
。有用なヘテロアリール基は、チオフェン、フラン、ベンゾチオフェン、ベンゾ
フラン、ピリジン、キノリン、ピリダジン、ピリミジン、ピラゾール、イミダゾ
ール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、イソオキサゾー
ル、およびオキサゾールであって、これら各々は、ケト、ホルミルまたはホルミ
ル(C1-4)置換基を有し、そして好ましくは、これらが利用可能な環の炭素原
子によって収容され得る場合にさらなるハロまたはヒドロキシル置換基を含む。
好ましくは、フラニル、ピリジルおよびインドリルアルデヒドおよびケトンが有
用なヘテロアリール核である。有用な例としては、ピリドキサール、2−チオフ
ェンカルボキシアルデヒドおよび3−チオフェンカルボキシアルデヒドが挙げら
れる。
【0034】 イミン形成性カルボニル基を含む環状化合物の別の比較的安定な基は、ケト、
ホルミル、またはホルミルアルキル置換を有するトリテルペノイドおよびステロ
イドである。例としては、アンドロステロン、ホルミルジエノロン、プロゲステ
ロン、プレドニゾロン、キラヤ酸、および他の誘導体が挙げられる。
【0035】 イミン−形成性カルボニル基を含む化合物としてまた有用なのは、C4-10アル
キルアルデヒド、C4-10アルケニルアルデヒド、C4-10アルキルケトンおよびC 4-10 アルケニルケトンのような、好ましくは、1または2のアミノ、ヒドロキシ
またはそれらの組み合わせにより置換された、脂肪族アルデヒドおよびケトンで
ある。
【0036】 (二官能性リンカー−LおよびL’) 二官能性リンカーは、当該分野において種々の適用について周知である。多数
の二官能性リンカーが使用されて、適切なポリサッカリドと適切なイミン形成性
化合物との間の付着を形成し得る。「二官能性リンカーの残基」とは、その二官
能性リンカーの末端がその化合物およびそのポリサッカリドに共有結合した後に
、ポリサッカリドに対して適切なカルボニル化合物を結合する構造をいう。
【0037】 ポリサッカリドに対して、安定なカルボニル含有化合物を連結させるために使
用され得る安定なリンカー基の非限定的な例は、アルキレンジアミン(NH2
(CH2r−NH2)、ここで、rは2〜12である;アミノアルコール(HO
−(CH2r−NH2)、ここで、rは2〜12である;アミノチオール(HS
−(CH2r−NH2)、ここでrは2〜12である;必要に応じてカルボキシ
保護されたアミノ酸;エチレンおよびポリエチレングリコール(H−(O−CH 2 −CH2n−OH、ここでnは1〜4である)である。適切な二官能性ジアミ
ン化合物は、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジ
アミン、スペルミジン、2,4−ジアミノ酪酸、リジン、3,3’−ジアミノジ
プロピルアミン、ジアミノプロピオン酸、N−(2−アミノエチル)−1,3−
プロパンジアミン、2−(4−アミノフェニル)エチルアミン、および類似の化
合物を含む。
【0038】 ポリサッカリドのカルボキシル基が結合体基として使用される場合、1つ以上
のアミノ酸は、二官能性のリンカー分子として使用され得る。従って、アミノ酸
(例えば、βアラニンまたはγアミノ酪酸)またはシステイン、もしくはオリゴ
ペプチド(例えば、ジアラニンまたはトリアラニン)が適切な連結分子として使
用され得る。
【0039】 好ましい二官能性連結基は以下を含む: −NH−(CH2r−NH−、ここでrは2〜5、 −O−(CH2r−NH−、ここでrは2〜5、 −NH−CH2−C(O)−、 −O−CH2−CH2−O−CH2−CH2−O−、 −NH−NH−C(O)−CH2−、 −NH−C(CH32−C(O)−、 −S−(CH2r−C(O)−、ここでrは1〜5、 −S−(CH2r−NH−、ここでrは2〜5、 −S−(CH2r−O−、ここでrは1〜5、 −S−(CH2)−CH(NH2)−C(O)−、 −S−(CH2)−CH(COOH)−NH−、 −O−CH2−CH(OH)−CH2−S−CH(CO2H)−NH−、 −O−CH2−CH(OH)−CH2−S−CH(NH2)−C(O)−、 −O−CH2−CH(OH)−CH2−S−CH2−CH2−NH−、 −S−CH2−C(O)−NH−CH2−CH2−NH−、および、 −NH−O−C(O)−CH2−CH2−O−P(O2H)−。
【0040】 タンパク質抗原は、アミノ、カルボキシル、スルフヒドリル、イミダゾール、
およびフェノール性基のようなそれらの側鎖により、ポリサッカリドアジュバン
トを含むイミン形成性カルボニルに結合し得る。タンパク質抗原の構造的完全性
は、CTL応答の誘導には必要ではないので、結合手順は、変性条件下で実施さ
れ得る。アジュバントと抗原との間の架橋を最小にするために、抗原またはアジ
ュバントのいずれか(または両方)の1モルあたりの反応基の数は、小数まで、
優先的には、1分子あたり5未満に制限すべきである。これらの条件下で、形成
された結合体は、広範囲の架橋を有さず、主に、約1:1の抗原/アジュバント
組成物である。
【0041】 タンパク質抗原の末端またはεアミノ基は、いくつかの手順によりポリサッカ
リドに共有結合し得る。必要であれば、結合に利用可能な多くのアミノ基は、可
逆的トリフルオロアセチル化、または酸無水物(すなわち、マレイン、シトラコ
ン、およびその他)を用いたN−アシル化、次いで制御された脱アシル化(Gl
azer,A.Nら、「Chemical Modification of
Proteins,」 Laboratory Techniques in
Biochemistry and Molecular Biology,W
orkおよびWork、編、American Elsevier,New Y
ork(1975)を参照のこと)により還元され得る。
【0042】 スルフヒドリル基は、タンパク質において限られて分布する極めて反応性の基
である。これらの特徴は、これらを、カルボニル含有ポリサッカリドへのタンパ
ク質抗原の結合に適切にする。タンパク質抗原の、カルボニル化合物で誘導体化
されたアミノ化ポリサッカリドへの架橋は、スクシンイミジル4−(p−マレイ
ミドフェニル)ブチレート(SMPB)、4−(4−N−マレイミドフェニル)
酪酸ヒドラジドハイドロクロライド(MPBH)、マレイミドベンゾイル−N−
ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS)、およびその他(Pierce)
のような、ヘテロ二官能性架橋リンカーを用いて実施され得る。スキーム7を参
照のこと。一般に、これらの架橋剤は、最初、ポリサッカリドからのアミノ基ま
たはカルボニル基と反応し、次いで、タンパク質抗原からのスルフヒドリル基と
反応する。これら試薬により形成される結合は、切断可能でなく、そしてしばし
ば免疫原性に乏しい。
【0043】 抗原をポリサッカリドに連結するために用いられ得るリンカー基のさらなる限
定されない例は、アルキレンジアミン(NH2−(CH2)n−NH2)、ここ
でnは2〜12;アミノアルコール(HO−(CH2)r−NH2)、ここでr
は2〜12;および必要に応じてカルボキシルが保護されているアミノ酸;上記
のような、エチレンおよびポリエチレングリコール(H−(O−CH2−CH2
)n−OH、ここでnは1〜4である)である。
【0044】 (抗原性ポリペプチドおよびペプチド) 本発明の結合体を使用して、1つ以上の抗原に対して免疫応答を増強し得る。
種々の病原因子由来の抗原を使用して、本発明の結合体を形成し得る。本発明の
免疫応答を誘発する結合体のために適切な代表的な抗原としては、以下のいずれ
かに由来する抗原が挙げられる: インフルエンザ、ネコ白血病ウイルス、ネコ免疫不全ウイルス、HIV−1、
HIV−2、狂犬病、はしか、B型肝炎、口蹄病、パピローマウイルス、サイト
メガロウイルス、単純ヘルペス、A型肝炎、C型肝炎、HTLV−1およびHT
LV−2のようなウイルス; 炭疽、ハンセン病、結核、ジフテリア、ライム病、梅毒、腸チフス熱、および
淋病の動物学的(ethiological)因子のような細菌; Babeosis bovis、Plasmodium、Leishmani
a spp.、Toxoplasma gondii、およびTrypanos
oma cruziのような原生動物; Aspergillus sp.、Candida albicans、Cr
yptococcus neoformans、およびHistoplasma
capsulatumのような真菌;ならびに 腫瘍胎児抗原、前立腺特異的膜抗原、前立腺特異的抗原、タンパク質MZ2−
E、多型性上皮ムチン(PEM)、葉酸結合タンパク質LK26、短縮型上皮成
長因子レセプター(EGFR)、トムセン−フリードライヒ(T)抗原、GM−
2およびGD−2ガングリオシドのような腫瘍抗原。
【0045】 この抗原は、タンパク質、ペプチド、ポリサッカリドまたはオリゴサッカリド
(遊離またはタンパク質キャリアとの結合体)、あるいはこれらの混合物であり
得る。タンパク質およびペプチドは、天然の供給源由来から精製され得るか、固
相合成の手段によって合成され得るか、または組換え遺伝学によって得られ得る
。ポリサッカリドおよびオリゴサッカリドは、天然の供給源から単離され得るか
、酵素学的手順および/または有機合成アプローチによって合成され得る。
【0046】 本明細書において使用する場合、句「病原性因子」とは、動物において疾患状
態または苦痛を生じる因子を意味する。この定義に包含されるものとしては、例
えば、疾患状態を生じるかまたはそのような生物体に感染した動物を疾患状態に
罹患しやすくする(2次感染)かのいずれかである、細菌、原生動物、真菌、ウ
イルス、および後生動物寄生虫がある。
【0047】 本明細書において使用する場合、用語「生物体」とは、病原因子であるかにか
かわらず、ウイルスを含む任意の生きている生物系を意味する。
【0048】 本明細書において使用する場合、用語「抗原」とは、特異的免疫応答を誘導す
る能力を有する物質を意味する。本発明の目的のために、用語「抗原」は、免疫
原と互換可能に使用される。
【0049】 「免疫原性エピトープ」は、全体のタンパク質またはポリペプチドが免疫原性
である場合、抗体応答を誘発するタンパク質の部分を規定する。これらの免疫原
性エピトープは、分子上の数個の位置に制限されると考えられる。一方、抗体が
結合し得るタンパク質分子の領域は、「抗原性決定基」または「抗原性エピトー
プ」と定義される。タンパク質の免疫原性エピトープの数は、一般に、抗原性エ
ピトープの数よりも少ない。例えば、Geysenら、Proc.Natl.A
cad.Sci.USA 81:3998〜4002(1983)を参照のこと
【0050】 さらなる定義は、本明細書を通じて提供される。
【0051】 本発明の結合体としては、特定の細菌(Helicobacter pylo
ri、Chlamydia pneumoniae、Chlamydia tr
achomatis、Ureaplasma urealyticum、Myc
oplasma pneumoniae、Staphylococcus sp
p.、Staphylococcus aureus、Streptococc
us spp.、Streptococcus pyogenes、Strep
tococcus pneumoniae、Streptococcus vi
ridans、Enterococcus faecalis、Neisser
ia meningitidis、Neisseria gonorrhoea
e、Bacillus anthracis、Salmonella spp.
、Salmonella typhi、Vibrio cholera、Pas
teurella pestis、Pseudomonas aerugino
sa、Campylobacter spp.、Campylobacter
jejuni、Clostridium spp.、Clostridium
difficile、Mycobacterium spp.、Mycobac
terium tuberculosis、Treponema spp.、B
orrelia spp.、Borrelia burgdorferi、Le
ptospira spp.、Hemophilus ducreyi、Cor
ynebacterium diphtheria、Bordetella p
ertussis、Bordetella parapertussis、Bo
rdetella bronchiseptica、hemophilus i
nfluenza、Escherichia coli、Shigella s
pp.、Erlichia spp.、およびRichettsia spp.
を含む)由来の1つ以上の細菌抗原を含み得る。
【0052】 細菌の抗原は、天然、組換え、または合成であり得る。そのような細菌抗原と
しては、細胞表面に存在する糖質の決定基に結合する細菌由来のセレクチンまた
はレクチン;ならびにフィブロネクチン、ラミニン、およびコラーゲンのような
タンパク質の細菌レセプター、が挙げられるがこれらに限定されない。
【0053】 本発明の結合体としては、特定のウイルス(インフルエンザウイルス、パライ
ンフルエンザウイルス、おたふくかぜウイルス、アデノウイルス、RSウイルス
、エプスタイン−バーウイルス、ライノウイルス、ポリオウイルス、コクサッキ
ーウイルス、エコーウイルス、はしかウイルス、風疹ウイルス、水痘−帯状疱疹
ウイルス、ヘルペスウイルス(ヒトおよび動物)、単純ヘルペスウイルス、パル
ボウイルス(ヒトおよび動物)、サイトメガロウイルス、肝炎ウイルス、ヒトパ
ピローマウイルス、アルファウイルス、フラビウイルス、ブンヤウイルス、狂犬
病ウイルス、アレナウイルス、フィロウイルス、HIV 1、HIV 2、HT
LV−I、HTLV−II、FeLV、ウシLV、FeIV、イヌジステンパー
ウイルス、イヌ接触伝染性肝炎ウイルス、ネコカリチウイルス、ネコ鼻気管炎ウ
イルス、TGEウイルス(ブタ)、および口蹄病を含む)由来の1つ以上の抗原
が挙げられ得る。
【0054】 ウイルスの抗原は、天然、組換え、または合成であり得る。そのようなウイル
ス抗原としては、細胞表面レセプターへの付着の原因となり、ウイルス感染プロ
セスを開始するウイルスタンパク質(例えば、(i)レトロウイルス(HIV、
HTLV、FeLVなど)およびヘルペスウイルスのエンベロープ糖タンパク質
、(ii)インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼ(neuramidas
e))が挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】 本発明の結合体としては、1つ以上の腫瘍関連抗原が挙げれられ得る。腫瘍関
連抗原は、天然、組換え、または合成であり得る。そのような腫瘍関連抗原とし
ては、タンパク質MZ2−E、多型性上皮ムチン、葉酸結合タンパク質LK26
、MAGE−1またはMAGE−3およびそのペプチドフラグメント、ヒト絨毛
性ゴナドトロピン(HCG)およびそのペプチドフラグメント、腫瘍胎児抗原(
CEA)およびそのペプチドフラグメント、アルファフェトプロテイン(AFP
)およびそのペプチドフラグメント、膵臓癌胎児抗原およびそのペプチドフラグ
メント、MUC−1およびそのペプチドフラグメント、CA125、15−3、
19−9、549、195およびそのペプチドフラグメント、前立腺特異的抗原
(PSA)およびそのペプチドフラグメント、前立腺特異的膜抗原(PSMA)
およびそのペプチドフラグメント、扁平上皮細胞癌腫抗原(SCCA)およびそ
のペプチドフラグメント、卵巣癌抗原(OCA)およびそのペプチドフラグメン
ト、膵臓癌関連抗原(PaA)およびそのペプチドフラグメント、Her1/n
euおよびそのペプチドフラグメント、gp−100およびそのペプチドフラグ
メント、変異型K−rasタンパク質およびそのペプチドフラグメント、変異型
p53およびそのペプチドフラグメント、短縮型上皮成長因子レセプター(EG
FR)、ならびにキメラタンパク質p210BCR-ABLが挙げられるが、これらに
限定されない。
【0056】 有用なペプチドまたはポリペプチドは、ポリペプチド全体が動物に投与される
場合、抗体および/または抗原特異的細胞傷害性Tリンパ球(CTL)応答を誘
発することが公知のポリペプチドのエピトープ保有部分を含有し得る。このポリ
ペプチド部分のエピトープは、このポリペプチドの免疫原性エピトープまたは抗
原性エピトープである。「免疫原性エピトープ」は、タンパク質全体が免疫原で
ある場合、抗体および/または抗原特異的細胞傷害性Tリンパ球(CTL)応答
を誘発するタンパク質の部分として定義される。一方、抗体が結合し得るタンパ
ク質分子の領域は、「抗原性エピトープ」として定義される。タンパク質の免疫
原性エピトープの数は、一般に、抗原性エピトープの数よりも少ない。例えば、
Geysenら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:39
98〜4002(1983)を参照のこと。
【0057】 抗原性エピトープを含有する(すなわち、抗体が結合し得るタンパク質分子の
領域を含有する)ペプチドまたはポリペプチドの選択において、タンパク質配列
を模倣する比較的短いペプチドが部分的に模倣されたタンパク質と反応する抗血
清を慣用的に惹起し得ることが、当該分野において周知である。例えば、Sut
cliffe、J.G.ら、「Antibodies that react
with predetermined sites on proteins
」、Science 219:660〜666(1983)を参照のこと。タン
パク質反応性の血清を惹起し得るペプチドは、タンパク質の一次配列中に頻繁に
表れ、一連の単純な化学的法則によって特徴付けられ得、そしてインタクトなタ
ンパク質の免疫優勢領域(すなわち、免疫原性エピトープ)にも、アミノ末端も
しくはカルボキシル末端にも限定されない。
【0058】 従って、本発明の結合体を形成するために使用され得る抗原性エピトープ保有
ペプチドおよびポリペプチドは、抗体(特定のポリペプチドに特異的に結合する
モノクローナル抗体を含む)の惹起のために有用である。例えば、Wilson
ら、Cell 37:767〜778(1984)の777頁を参照のこと。
【0059】 本発明の抗原性エピトープ保有ペプチドおよびポリペプチドは、好ましくは少
なくとも7の、より好ましくは少なくとも9の、最も好ましくは少なくとも約1
5と約30と間の、特定のポリペプチドのアミノ酸配列中に含有されるアミノ酸
の配列を含有する。
【0060】 CTLでのT細胞応答によって認識されるエピトープは、抗体によって見られ
るエピトープとは異なり得る。通常、CTLは、MHCクラスI分子と結合し、
そして細胞表面に曝露されたペプチド(細胞質ゾルの画分中で酵素学的に分解さ
れたタンパク質由来)を認識する。これらCTL認識ペプチドは、MHCの対立
遺伝子特異的配列モチーフに従って、MHCクラスI分子に選択的に結合する。
これらのペプチドは、発現クローニングによって同定され得る。van der
Bruggen、P.ら、Science 245:1643(1991)を
参照のこと。あるいは、CTL認識ペプチドは、免疫に使用したタンパク質抗原
由来のペプチドを用いるインビトロ刺激によるCTL誘導によって、同定され得
る。特定のCTLに認識された本発明のエピトープ保有ペプチドおよびポリペプ
チドは、好ましくは少なくとも6の、より好ましくは7と20と間のアミノ酸の
配列である。これらペプチドを使用して、本発明の結合体を形成し得る。これら
ペプチドは、抗体の惹起および抗原特異的CTLまたはT細胞免疫の惹起のため
に有用である。
【0061】 エピトープ保有ペプチドおよびポリペプチドは、任意の従来の手段によって産
生され得る。Houghten、R.A.、「General method
for the rapid solid−phase synthesis
of large numbers of peptides:specifi
city of antigen−antibody interaction
at the level of individual amino ac
ids」、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:5131〜
5135(1985)。この「Simultaneous Multiple
Peptide Synthesis(SMPS)」プロセスは、Hought
enら(1986)に対する米国特許第4,631,211号においてさらに記
載される。
【0062】 ポリサッカリド、イミン形成化合物、リンカーおよび各々の比の好ましい組み
合わせとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない。
【0063】
【表1】 *)I/PおよびL/P比は、100個の糖質残基(N=1〜8)あたりに取
り込まれたIまたはL分子として表現する。
【0064】 (ポリサッカリドアジュバント抗原結合体の調製) 本発明はまた、本発明のポリサッカリドアジュバント抗原結合体の調製のため
の方法に関する。糖鎖構造の統合性が、それらのアジュバント活性について重要
である。見かけ上、APC表面レセプターによる糖質部分の認識は、その細胞の
標的化およびそれらの免疫刺激効果を発揮するために必須である。トリテルペン
サポニンのアジュバント活性はまた、トリテルペノイド部分においてアルデヒド
基を必要とする。最近、イミンまたはシッフ塩基を形成し得る有機低分子がT細
胞に対して同時刺激性シグナルを提供し得、従って、APCに存在するB7−1
レセプターによるそれらの刺激についての必要性を除去することが示されている
。(i)環式または複素環式芳香族化合物あるいはイミン形成性カルボニル基を
有する環式または非環式脂肪族化合物の、(ii)APCによって認識され、そ
して結合される特定のポリサッカリドへの付加は、優れたアジュバント特性を有
する産物を生じる。
【0065】 本発明の結合体は、イミン形成化合物および抗原性タンパク質またはペプチド
をポリサッカリドに、別々にまたは単一の工程のいずれかで、結合させることに
よって形成され得る。均一な製品を得るために、複雑な混合物に対して、イミン
形成化合物および抗原性部分は、別々にポリサッカリド骨格に付加される。混合
物が、例えば、寛容な動物ワクチンであり得る場合、付加および反応条件の順序
のコントロールはあまり必要ではない。
【0066】 結合体の調製のための適切なアジュバントは、標的化能(すなわち、APC上
のレセプターを認識し、そして結合する)、ならびにイミン形成カルボニル基を
介する同時刺激活性を有する。さらに、それはタンパク質抗原と共有結合を形成
し得る反応性基を有する。イミン形成カルボニル基を取り込むように改変される
特定のポリサッカリド(すなわち、グルカン、マンナン、キチン、ペクチン、な
ど)は、これらの必要条件を満たす。
【0067】 (I.アルデヒド保有基を含有する改変されたポリサッカリドアジュバントの
調製) いくつかの免疫刺激ポリサッカリド(例えば、グルカンおよびマンナン)は、
グルコシル残基またはマンノシル残基のいずれかを包含する。これらの糖におけ
る化学修飾のために利用可能な官能基は、限定された反応性を有する大きなヒド
ロキシル基(−OH)である。各−OH基が、他のものと同じ反応確率を有する
と仮定することも可能であるが、−OH基反応性に対する構造的な束縛は、限定
的な反応条件下で特定の優勢な産物の産生に有利であり得る。さらに、これらの
ポリサッカリドはまた、1つの直線状ポリマー鎖当たり1つの末端還元グリコシ
ル残基を有し得る。グルカン、マンナン、および他のポリサッカリドにおける末
端還元糖の限定された数は、特に約3〜50グリコシル残基を有するオリゴサッ
カリドにおける新たな化学基の付加のための高度に特異的な部位を提供する。
【0068】 本明細書に記載される化学修飾は、可溶性または不溶性のグルカン、マンナン
、および異なる生物から得られる他のポリサッカリドを用いて使用され得る。し
かし、これらのポリサッカリドおよびその化学修飾は、利用可能な合成手順の例
示としてのみ提供され、限定としては提供されない。これらの新たなアジュバン
トにおける炭水化物部分の役割がAPCの標的化であるので、有用な分子量範囲
は、非常に広範(すなわち、数百から数百万まで)であり得る。本発明では、分
子量が1,000〜数100,000までの範囲の分子量の可溶性オリゴサッカ
リドおよびポリサッカリドが好ましい。
【0069】 (a)1,3−グルカンおよびマンナンへの、還元的アミノ化によるそれらの
末端グルコシルヘミアセタールを介してのイミン形成化合物の付加) オリゴサッカリドの還元末端は、二官能性ジアミン化合物のような、アミノ基
を有する分子の直接的共有結合のための選択的および都合の良い部位を提供する
。還元的アミノ化手順には、オリゴサッカリド(またはポリサッカリド)中の末
端還元グリコシル残基を、1つ以上の一級アミノ基を保有する化合物と、シアノ
ボロハイドライドナトリウムの存在下で、反応させることを包含する。シアノボ
ロハイドライドアニオンは、アルデヒドまたはケトンおよびアミンによって形成
されるイミンまたはシッフ塩基を選択的に還元する。末端グリコシル化ヘミアセ
タールが、ほんのわずかな時間のみ、そのホルミル形態またはオープン形態にあ
るので、その反応は、非常に低速度で進行し得る。スキーム1は、2段階手順と
して行われる、ポリサッカリドへのイミン形成化合物の付加を例示する。その手
順は、以下に要約される。
【0070】 工程1。グルカン/マンナンオリゴサッカリド(またはポリサッカリド)を、
適切な溶媒(例えば、アセトニトリル水溶液、ジメチルホルムアミド(DMF)
、ピリジン、または三級アミン緩衝液(約pH9)を含有するこれらの混合物)
に溶解する;そして適切なジアミン化合物を同じ溶媒中に添加する。最終pHを
約9.0に調整する。適切な二官能性ジアミン化合物は、スペルミジン、エチレ
ンジアミン、1,4ブタンジアミン、2,4−ジアミノ酪酸、ジアミノプロピオ
ン酸、リジン、5−ヒドロキシリジン、N−(2−アミノエチル)−1,3−プ
ロパンジアミン、および類似の化合物である。ジアミンリンカーを介する架橋を
避けるために、ジアミン化合物は、炭水化物における遊離のアルデヒド基と等量
のモル濃度(すなわち、直線状炭水化物ポリマー鎖当たり1つの遊離のアルデヒ
ド)を超える約6〜10倍過剰で存在すべきである。この溶液に、50%アセト
ニトリル水溶液に溶解したシアノボロハイドライドを添加し、そして穏やかに攪
拌しながら数日間約40℃で反応させる。ポリサッカリド中に取り込まれたアミ
ン化合物の量は、反応時間、ならびに反応条件およびポリサッカリド調製物の関
数である。トリニトロベンゼンスルホン酸とともに毎日取り込んだジアミン化合
物の量を決定して(Habeeb,AFSA Anal.Biochem.14
:328(1996))、特定されたジアミン取り込みレベルに到達するのに要
求される時間を確立する。改変されたアミノ化グルカン/マンナン(ポリサッカ
リド直鎖当たり約1モルのジアミンスペーサーを含有する)は、7容量のエタノ
ールまたは他の適切な溶媒で、24時間4℃で沈殿させることによって回収され
得る。濾紙上の沈殿物をエタノールで洗浄する。水中の材料を溶解し(必要であ
ればpHを酢酸で約4と約5との間にする)、そして凍結乾燥させる。
【0071】 工程2。イミノ形成カルボニル基、およびヒドロキシル基(好ましくは1つ)
を有する芳香族環式または複素環式化合物(例えば、バニリン、エチルバニリン
、ナリゲニン、ピリドキサール、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、2,4−ジ
ヒドロキシベンズアルデヒド)、および他の類似の化合物が、アミノ化ポリサッ
カリドに付加するために好ましい。しかし、カルボニル基および−OH基を有す
る他の化合物(例えば、ステロイドトリテルペノイド誘導体および脂肪族のアル
デヒドまたはケトン)もまた使用され得る。
【0072】 10mlの無水ジオキサン、アセトン、またはピリジン中に溶解された10ミ
リモル(1.6gm)のCDIまたはN,N’−カルボニルジイミダゾールを、
攪拌しながら小アリコートで、10mlのジオキサン、アセトン、またはピリジ
ン中に溶解した10ミリモルの5−クロロ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(
1.6gm)、バニリン(1.5gm)、4−ヒドロキシベンズアルデヒド(1
.2gm)、またはピリドキサールリン酸(2.47gm)のいずれかに添加す
る。反応を6〜8時間、混合しながら約35〜45℃で進行させる。大気中の水
分から保護する。その反応産物は、芳香族アルデヒド誘導体およびイミダゾール
から、−OHで形成される高度に反応性の中間体イミダゾールカルバメートであ
る。この反応混合物は、改変されたポリサッカリドアミノ基とカップリングして
安定なカルバメート連結を生じる中間体イミダゾールカルバメートを予め単離す
ることなしに、アミノ化ポリサッカリドに付加され得る。(イミダゾールカルバ
メート誘導体は、クロマトグラフィー、示差的抽出などのような手順によって単
離され得る)。
【0073】 ポリサッカリド−OH基とイミダゾールカルバメート中間体との間の反応は、
イミダゾールカルバメート基と等モルかまたはそれより低い量のポリサッカリド
結合アミンの存在下でカップリング反応が起こるようにすることによって、最小
化され得る。アミノ化ポリサッカリド中のアミノ基の量をTNBSを用いて決定
するか、またはオリゴサッカリドについては、それを1つの鎖当たり単一の末端
還元糖を仮定して、炭水化物ポリマーの平均分子量から推定する。アミノ化グル
カンまたはマンナンを適切な無水有機溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド(D
MSO)、ジオキサン、またはピリジン)中に溶解し、そしてpHをトリエチル
アミンで約9.5〜10に調整する。ポリサッカリド調製物のアミノ基よりも低
い量を含有するカルバメート中間体のアリコートを添加し、そしてその反応を1
2〜18時間、40℃で湿気から保護しながら進行させる。(−NH2基の濃度
よりも低い濃度でのカルバメート中間体の使用はまた、タンパク質抗原を結合体
化するためのいくらかの遊離の−NH2基の存在を確認する)。約6〜8容量の
冷エタノールを反応物に添加し、そして約4℃で24時間放置し、ポリサッカリ
ド芳香族アルデヒド誘導体を沈殿させる。修飾ポリサッカリドを水中に再溶解し
、そして再び6〜8容量のエタノールまたは他の適切な溶媒で沈殿させる。残り
のアミノ基から、または調製物中の芳香族基の数から、260〜280nmでの
UV吸光度測定から決定されるように、カップリングの効率を決定する。アルデ
ヒド結合体を水中に溶解し、そして凍結乾燥する。
【0074】 新たなアルデヒド基を、過ヨウ素酸での穏やかな酸化により、ポリサッカリド
鎖中で作製することもまた可能である。酸化の後、さらなるアルデヒド基を有す
るそのポリサッカリドを、アルコールで沈殿させ、そして上記のように還元的ア
ミノ化に供する。
【0075】 (b)イミン形成化合物のβグルカンおよびマンナンへのポリサッカリドの−
OH基を介する付加) グルカン、マンナン、またはカルボニル保有化合物の類似のポリサッカリド誘
導体を調製するための別の方法は、後者を−OH基を介してポリサッカリドに付
加することである。グリコシル残基当たりの−OHの数のために、この方法は、
より高い密度のカルボニル基を有する結合体の調製を可能にする。ポリサッカリ
ド−OH基は、活性化され得、そしてカルボニル保有分子と反応することが許容
され得る。あるいは、カルボニル保有分子は活性化され、そしてポリサッカリド
−OH基と反応することが許容される。スキーム2を参照のこと。
【0076】 カルボニル基およびヒドロキシル基の両方を有する化合物の、ポリサッカリド
−OH基への直接結合体化は、CDIによってなされ得る。10gmの凍結乾燥
グルカン/マンナンが、100mlの無水DMSOまたはDMFおよびピリジン
中に溶解される(グリコシル残基は約55ミリモル濃度)。ポリサッカリド溶液
に6倍過剰のCDI(0.3モルのCDI=49gm)を添加し、窒素下で攪拌
し、そして12時間40℃で水分から保護する。これらの反応条件下で、ほとん
どのポリサッカリド−OH基は、イミダゾールの同時産生により最小の架橋で活
性化される。(より少ない活性化が必要とされる場合、より低い量のCDIを使
用する)。CDI活性化ポリサッカリドは、無水アセトンの6〜8容量で沈殿す
ることによって回収され得る。1gmのCDI活性化ポリサッカリドを50ml
の無水DMF中に溶解し(必要ならばピリジンを添加する)、そしてカルボニル
保有化合物を添加する。1個のカルボニル基を各10〜20グリコシル残基につ
いて導入するために、DMF中に溶解された約6〜約3ミリモルと等しい量のカ
ルボニル成分を、CDI活性化ポリサッカリドに添加する。pHを約9〜約10
まで、無水トリエチルアミンで調整する。約36時間40〜60℃で攪拌しなが
ら、そして湿気から保護しながら反応させる。カルボニル化合物ポリサッカリド
産物を、6〜8容量のエタノールで4℃で約36時間、沈殿させる。不溶性物質
をエタノールで洗浄し、そして真空下で強力な乾燥剤下で保存する。活性化され
た基をポリサッカリドから除去するために、ポリサッカリドを溶解し、そして0
.1M 酢酸Na、pH8.9で、36時間保存して、全ての未反応のイミダゾ
リルカルバメートを加水分解し、そして元々の−OH基に戻す。加水分解の間に
形成されたイミダゾールを、透析、ゲル濾過によって、または誘導体化したポリ
サッカリドをエタノールで沈殿させることによって除去する。水溶液からのその
産物を濃縮した後、それを凍結乾燥させる。
【0077】 カルボニル基およびアミノ基の両方を保有する化合物の、ポリサッカリドの−
OHへの付加は、N,N’−ジスクシンイミジルカルボネート(DSC)を用い
てなされ得る。DSCで活性化させたヒドロキシル基は、ほとんど一級アミンと
のみ反応するが、−OH基とは反応しない。これにより、ポリサッカリドの潜在
的な架橋が回避される。未反応のDSC活性化−OH基は、加水分解によってそ
の元々の状態に戻される。
【0078】 6gmのグルカン/マンナンポリサッカリド(約34ミリモルのグリコシル残
基)を、50〜100mlのアセトニトリル、DMF、DMSO、ピリジン、ま
たは9gmのDSCを含有するそれらの混合物(34ミリモル)(約1モルのD
SC/モルのグリコシド残基)に溶解する。60分の時間の間、50〜80℃で
攪拌しながら、8.6ml(62ミリモル)の無水トリエチルアミンを含有する
50mlの乾燥ピリジンを(乾燥N2下で)滴下する。反応を無水条件下で50
〜80℃で、さらに4〜6時間、継続する。その反応条件およびポリサッカリド
に依存して、調製は、1つのグリコシル残基当たり0.1〜1の活性化−OH基
を有するべきである。DSC活性化ポリサッカリドを、約8容量の無水イソプロ
パノールを加えることによって沈殿させ、そして4℃で24時間湿気から保護し
ながら放置する。沈殿させたポリサッカリドを収集し、それを再懸濁し、そして
乾燥イソプロパノールで洗浄する。10mlのTHFまたはDMFに溶解させた
1gmのDSC活性化ポリサッカリド(約6ミリモル)を、単独またはピリミジ
ンと組み合わせて、選択されたアミノ/カルボニル含有化合物と反応させる。結
合体化の程度は、反応物の濃度ならびに反応条件に依存する。
【0079】 1グリコシル残基当たり0.1カルボニル基(反応効率が100パーセントに
近いと仮定して)を取り込むために、攪拌しながら0.6ミリモルの選択された
アミノ/カルボニル含有化合物(すなわち、0.105gmの7−アミノ−4−
メチルクマリン(FW175.2)または0.080gmの4−アミノアセトフ
ェノン(FW135))を、1gmのDSC活性化ポリサッカリドに添加する。
その反応物に、カルボニル化合物の量と等モル量(すなわち、0.6ミリモル(
80〜85μl)の無水トリエチルアミンを添加する。1〜2時間、50〜80
℃で反応させる。反応の終わりに、それを8容量の冷イソプロパノールを用いて
24時間沈殿させることによってポリサッカリド誘導体を回収する。その不溶性
物質を収集し、そしてそれを0.1M 酢酸Na(pH8.9)中に再溶解し、
そして36時間放置して、未反応のイミダゾリルカルバメート基を加水分解する
。6〜8容量の冷エタノールまたはイソプロパノールを用いて24時間沈殿させ
、イミダゾールおよび他の残った反応物を除去する。誘導体化したポリサッカリ
ドを水中に溶解し、そして凍結乾燥する。取り込みの程度を260〜280nm
で吸光度を測定することによって決定する。イミン形成カルボニル基の存在をシ
ッフ試薬によって確認する。
【0080】 (c)ペクチンポリサッカリドへのイミン形成化合物の添加) ペクチンポリサッカリド(ホモガラクツロナン、ラムノガラクツロナン、アラ
ビノガラクタン、アラバン、またはガラクタン)からのカルボキシル基、例えば
、ガラクツロン酸、グルクロン酸、3−デオキシ−D−マンノ−オクツロソン酸
(octulosonic acid)(Kdo)、アセル酸(aceric
acid)、およびその他の酸は、これらのポリサッカリドを特定のカルボニル
基保有化合物にカップリングするために使用され得る反応性基である。カルボキ
シル基は、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)およびN−ヒドロスクシ
ンイミド(NHS)を使用することによって、アミンに特異的にカップリングさ
れ得る。この反応は、ジオキサン、DMF、DMSO、アセトニトリル、ピリジ
ン、またはこれらの混合物のような有機溶媒中で行われ得る。ポリサッカリド中
のカルボキシル基は、ジアミンを連結するためにDCC/NHS法を使用するこ
とによって、続いて、結合したアミンをTNBSで決定することによって、間接
的に決定され得る。カップリングはまた、1−エチル−3−(3−ジメチルアミ
ノプロピル)カルボジイミド(EDC)をN−ヒドロキシスルホスクシンイミド
(スルホ−NHS)と組み合わせて(これらの両方が水溶性である)使用して、
水性媒体中で行われ得る。
【0081】 1つの例において、DMFまたはDMFピリジンに溶解したペクチンポリサッ
カリドに、DCCおよびNHSを添加し、無水トリエチルアミンでpHを8と9
の間に調整し、そして一晩25℃で攪拌する。沈殿したジシクロヘキシルウレア
を濾過または遠心分離によって除去する。1グリコシル残基当たりの活性化した
−COOH基の数は、i)限定された量のDCCおよびNHSを使用すること、
またはii)中間体を形成するための活性化時間を制御することによって、選択
され得る。活性化ポリサッカリドは、アミン含有化合物と反応させる前に単離さ
れる。DCCおよびNHSからの改変されたポリサッカリドの分離は、湿気から
保護して、6容量のエタノールでの24時間、4℃での沈殿により達成される。
DMFピリジンに溶解したエタノール洗浄した沈殿(活性化ポリサッカリド)に
、過剰の(活性化カルボキシルと相対的に)アミンカルボニル含有化合物を添加
する;pHを8と9との間に無水トリエチルアミンで調整し、そして25℃で一
晩混合しながら反応させる。誘導体化したペクチンポリサッカリドを、上記のよ
うにエタノールで沈殿させ、エタノールで洗浄し、そして0.1〜0.2Mの酢
酸アンモニウムまたは重炭酸アンモニウム中に溶解する。その水への溶解度を増
大させるために、さらなる水酸化アンモニウムが、pHを約8まで上げるために
添加され得る。その溶液を濾過して不溶性の物質を除去し、そして分光学的に結
合体化の程度を決定する。カルボニル保有残基を含有する改変されたペクチンポ
リサッカリドは、凍結乾燥される。
【0082】 −COOH基を使用して、グリコシル残基とカルボニル化合物との間にスペー
サーを導入し得る。例えば、アンドロステロン、プレドニゾロン、ピリドキサー
ル、4−ヒドロキシフェニルアセトアルデヒド、4’−ヒドロキシベンズアルデ
ヒド、および−OH基を含有するその他のような化合物は、DSCで活性化され
得、そして引き続いてアミノ化ポリサッカリドと、またはジアミンスペーサーと
反応され得る。DSCで活性化された水酸基は、ほとんど一級アミンとのみ反応
するが、−OH基とは反応しない。スキーム3を参照のこと。
【0083】 水酸化カルボニル含有化合物(10ミリモル)を、無水DMF、アセトニトリ
ル、または3gmのDSC(11ミリモル)(約1モルのDSC/モルのカルボ
ニル化合物)を含有するアセトン中に溶解する。約60分の期間の間、50〜8
0℃で攪拌しながら、2.9ml(20ミリモル)の無水トリエチルアミンを含
有する17mlの乾燥ピリジンを(乾燥窒素下で)滴下する。その反応を無水条
件下で50〜80℃でさらに4〜6時間継続させ、化合物1モル当たり約1活性
化−OH基を含有する沈殿を生じる。スペーサーを組み込むために、過剰の(5
0ミリモル)のリジン、2,3−ジアミノプロピオン酸、または類似のスペーサ
ー分子を反応中に加え、続いて、カルボニル化合物の量と等モル(すなわち、1
0ミリモル(1.3ml))の量の無水トリエチルアミンを加える。1〜2時間
、50〜60℃で反応させ、そして生成物を水を加えることによって回収し、そ
して水溶液を、酢酸エチル、ジクロロメタン、または他の適切な溶媒で抽出する
。その結合体化カルボニル化合物は、有機相中に分配されるべきである。TLC
で純度をチェックする。あるいは、その生成物は、他の反応物からシリカゲルク
ロマトグラフィーによって分離される。カルボニルスペーサー化合物を含む画分
を収集し、そして乾燥するまで蒸発させる。
【0084】 カルボニルスペーサー化合物を、DCC/NHS法を使用して、ペクチンポリ
サッカリドと連結する。DMFまたはピリジン中に溶解したポリサッカリドに、
取り込みの標的化された程度(例えば、10〜20個のグリコシル残基につき1
個のカルボニル基)を達成するのに必要とされるカルボニルスペーサー化合物の
量を添加する。以前に記載したように、DCC/NHSを添加して、反応を継続
する。修飾したペクチンポリサッカリドをエタノールで沈殿させる。沈殿をアル
コールで洗浄し、水中に溶解し、そしてそれを再びアルコールで沈殿させる。そ
の沈殿させた物質を、0.2Mの重炭酸アンモニウムまたは酢酸アンモニウム中
に溶解し、アンモニアでpHを8〜9に調整する。不溶性の物質を濾過し、そし
てカルボニル化合物のペクチンポリサッカリドへの取り込みを分光学的に決定す
る。カルボニル基の存在を、シッフ試薬で定量的に確認する。水溶液を濃縮し、
必要であれば、凍結乾燥させる。
【0085】 (d)キチン誘導体へのイミン形成化合物の付加) 部分的にまたは全体的に脱アシル化したキチン(コロイドキトサン)、グリコ
ールキチン、および他の水溶性キチン誘導体からのグルコサミンアミノ基は、ポ
リサッカリドをカルボニル保有化合物へカップリングするために有用な反応性基
である。スキーム4を参照のこと。
【0086】 10mlの無水ジオキサンまたはアセトン中に溶解した10ミリモル(1.6
gm)のCDIまたはN,N’−カルボニルジイミダゾールを、攪拌しながら、
小アリコートで、10mlのジオキサンまたはアセトン中に溶解した10ミリモ
ルのバニリン(1.5gm)、4−ヒドロキシベンズアルデヒド(1.2gm)
、5−クロロ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(1.6gm)、ピリドキサー
ルリン酸(2.47gm)、またはその他の類似の化合物に添加し、そして、6
〜8時間40℃で混合しながら反応させる。空気中の湿気から保護する。その反
応生成物は、芳香族アルデヒド誘導体およびイミダゾールから−OH基で形成さ
れる高度に反応性の中間体イミダゾールカルバメートである。この反応混合物を
、キトサンまたは他のキトサン誘導体に中間体イミダゾールカルバメートを単離
する前以外に添加し得る。その中間体は、ポリサッカリドのグルコサミンアミノ
基とカップリングし、安定なカルバメート連結を生じる。イミダゾールカルバメ
ート誘導体を、クロマトグラフィー、示差的抽出、または他の手順で単離する。
【0087】 キトサンオリゴサッカリドまたはグリコールキチンを適切な無水有機溶媒(例
えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジオキサン、またはピリジン)中に
溶解し、そしてpHを約9.5〜10にトリエチルアミンで調整する。特定の程
度の取り込みを生じるのに必要とされる量(グルコサミン残基当たり0.05〜
1基)のカルボニル含有カルバメート中間体を添加し、約12〜18時間40℃
で、湿気から保護しながら反応させる。約6〜8容量の冷エタノールを、反応物
に添加し、そして4℃で24〜48時間放置して、ポリサッカリド芳香族アルデ
ヒド結合体を沈殿させる。その誘導体化オリゴサッカリドまたはポリサッカリド
を水、DMF、またはDMSO中に再溶解し、そして6〜8容量のエタノールま
たは他の適切な溶媒で再び再沈殿させる。UVスペクトルからカップリングの効
力を決定する。ポリサッカリド芳香族アルデヒド結合体を水に溶解し、そして凍
結乾燥させる。
【0088】 カルボキシル基を含有するカルボニル保有化合物(例えば、8,10−ジオキ
ソウンデカン酸および4,6−ジオキソヘプタン酸)は、ペクチンポリサッカリ
ドについて記載されるDCC/NHS手順を使用して、キトサンオリゴサッカリ
ドまたはアミノ化ポリサッカリドのいずれかに連結され得る。
【0089】 (II.タンパク質抗原−アジュバント結合体の調製) タンパク質抗原は、それらの側鎖(例えば、アミノ基、カルボキシル基、スル
フヒドリル基、イミダゾール基およびフェノール基)によりイミン形成カルボニ
ル含有ポリサッカリドアジュバントと結合体化され得る。そのタンパク質抗原の
コンホメーションの統合性が、CTL応答の誘導に必要ではないため、結合体化
手順は、変性条件下で実施され得る。そのアジュバントとその抗原の間の架橋を
最小にするために、抗原またはアジュバントのいずれか(または両方)の1モル
あたりの反応基の数が、少数に限定されるべきであり、代表的には、結合体分子
1つあたり1〜50の抗原部分、好ましくは、1分子あたり10より少ない抗原
部分である。これらの条件下で、形成される結合体は、一般的に、大規模な架橋
を有さない、約1:1の抗原/アジュバント組成物であるが、50:1までの(
例えば、20:1、15:1、10:1、5:1、および2:1)抗原/アジュ
バント比を有する結合体は、本発明の範囲内である。必要な場合、分離手順(例
えば、ゲル透過クロマトグラフィー)が、これらの調製物のさらなる精製を可能
にし、比較的均質な調製物が得られる。
【0090】 (a)それらのアミノ基を介したタンパク質抗原の結合体化) タンパク質抗原の末端またはε−アミノ基は、いくつかの手順によりポリサッ
カリドに共有結合され得る。必要な場合、結合に利用可能な数のアミノ基が、可
逆性のトリフルオロアセチル化により還元され得るか、または酸性無水物(すな
わち、無水マレイン酸、無水シトラコン酸など)でN−アシル化され得る。続い
て、制御された脱アシル化を行なう(Glazer,A.N.ら、Chemic
al Modification of Proteins.Work & W
ork(編)「Laboratory Techniques in Bioc
hemistry and Molecular Biology」、New
York、American Elsevierを参照のこと)。8より大きい
pHで安定なN−アシル化は、4℃と40℃との間の温度で、4未満のpHに曝
露されることにより再現性よく戻され得る(Marcianiら、Protei
n Purification:Micro to Macro、Alan R
.Liss、New York;および米国特許第4,743,362号(19
87))。
【0091】 特定の数の遊離アミノ基を有するタンパク質調製物は、以下の手順により調製
され得る。可逆的なアシル化によるタンパク質のアミノ基の全ての改変後、揮発
性緩衝液(炭酸アンモニウム)で、pH8〜9で透析し、凍結乾燥する。4未満
のpHでの処理(特定の温度および時間)により特定の数のアミノ基を脱アシル
化し、そしてこの脱アシル化プロセスを、反応のpHを8を超えるpHにするこ
とにより停止する。スキーム5を参照のこと。揮発性の緩衝液の使用は、反応混
合液の直接的な凍結乾燥を可能にする。
【0092】 (1a)DSCを用いたその−NH2基を介してポリサッカリドの−OH基と
結合体化されたタンパク質) カルボニル化合物含有グルカンを、カルボニル含有化合物をポリサッカリドの
−OH基へ、上記の1−b節、スキーム2に記載の手順を用いて結合することに
より調製する。5〜10mlの、0.9gのDSC(0.34〜3.4mmol
)含むDMF、アセトニトリル、DMSO、ピリジンまたはこれらの混合物(約
0.1〜1モルのDSC/グリコシド残基のモル)中のカルボニル化合物含有ポ
リサッカリド0.6g(約3.4mmolのグリコシル残基)を溶解する。0.
5〜1時間の間40℃にて攪拌しながら、0.9ml(6.2mmol)の無水
トリエチルアミンを含む5mlの乾燥ピリジンを滴下する(乾燥N2下)。35
℃にてさらに0〜4時間無水条件下で反応を続ける。カルボニル含有ポリサッカ
リドの調製物は、グリコシル残基あたり0.01〜1活性な−OH基を有するは
ずである。8容量の無水イソプロパノールの添加により活性化ポリサッカリドを
沈殿させ、そして4℃で24時間湿気から保護し、放置する。沈殿したポリサッ
カリドを収集し、そして乾燥イソプロパノールで洗浄する。THFまたはDMF
中に活性化ポリサッカリドを単独でか、またはピリジンと共に溶解して、タンパ
ク質抗原と反応させる。結合体化の程度は、反応物の濃度および反応条件に依存
する。
【0093】 例えば、スキーム6は、ウシ血清アルブミン(BSA、分子量68,000)
とカルボニル含有グルカン(平均分子量約10,000)との約1:1の結合体
の調製を例示する。2mlのピリジン/DMFまたは類似の溶媒に溶解した0.
1g(10μモル)カルボニル含有DSC−活性化グルカン(1モルあたり2〜
5の活性化−OHを有する)へ、10mlのDMFまたはDMF/ピリジンに溶
解した0.7g(10μモル)の部分的に脱保護したシトラコニレート化BSA
(1〜4−NH2基/モル)を添加する。この反応物へ、そのタンパク質の量と
当モルである量(すなわち、10μモル(1〜2μl))の無水トリエチルアミ
ンを添加し、そして25℃で2〜4時間反応させる。ゲルろ過クロマトグラフィ
ー、イオン交換クロマトグラフィー、またはアフィニティークロマトグラフィー
、あるいは硫酸アンモニウムまたはエタノールのいずれかを用いる沈殿によって
、未反応物質からタンパク質−ポリサッカリド結合体を分離する。沈殿したタン
パク質−ポリサッカリド結合体を収集し、そしてピリジン/酢酸緩衝液(pH約
4.0)に溶解して、全ての残余のシトラコニレート化アミノ基を脱保護する。
副生成物を除去し、そして透析またはゲルろ過によって緩衝液を交換し、そして
凍結乾燥する。結合体のおよその分子量を決定し、そしてタンパク質およびポリ
サッカリドの濃度からその結合体化の程度を決定する。
【0094】 (2a) DCC/NHS手順を用いて、タンパク質のアミノ基によって、ペ
クチンポリサッカリドのような酸性ポリサッカリドのカルボキシル基に結合体化
したタンパク質) タンパク質抗原とアルデヒド含有ペクチンポリサッカリドとの間の架橋を制限
するために、タンパク質のアミノ基を、上記のN−アシル化手順を用いて広範囲
に保護し得る。続いて、結合体化後に、このアシル化アミノ基を、5未満のpH
に曝露することによって脱保護し得る。
【0095】 (b) タンパク質のスルフヒドリル基を介するタンパク質抗原の結合体化) スルフヒドリル基は、タンパク質中に局在する(limited distr
ibution)高反応性基である。これらの特性は、そのタンパク質を、カル
ボニル含有ポリサッカリドへのタンパク質抗原の結合体化に適合させる。カルボ
ニル化合物で誘導体化したアミノ化ポリサッカリドへのタンパク質抗原の架橋を
、スクシンイミジル4−(p−マレイミドフェニル)ブチレート(SMPB)、
4(4−N−マレイミドフェニル)酪酸ヒドラジドヒドロクロリド(MPBH)
、マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS)な
ど(Pierce)のような、ヘテロ二官能性架橋リンカーを用いて実施し得る
。スキーム7を参照のこと。一般に、これらの架橋剤は、そのポリサッカリド由
来のアミノ基またはカルボ二ル基と初めに反応し、続いてタンパク質抗原由来の
スルフヒドリル基と反応する。これらの薬剤によって形成した結合は、切断不可
能であり、そしてしばしば免疫原性に乏しい。以下は、1モルのグルカンまたは
マンナン(約100,000の分子量、すなわち、約555のグリコシル残基)
あたり1〜2モルのタンパク質を有するタンパク質−ポリサッカリド結合体を調
製するための手順である。
【0096】 6g(60μモル)のグルカン/マンナンポリサッカリド(分子量、約100
,000(約34mモルのグリコシル残基)を、50〜100mlのアセトニト
リル、9gのDSC(34mモル)(すなわち、1モルのグリコシル残基あたり
約1モルのDSC)を含む、DMF、DMSO、ピリジンか、またはそれらの混
合物中に溶解する。60分の間に、8.6ml(62mモル)の無水トリエチル
アミンを含む50mlの乾燥ピリジンを、50〜80℃で攪拌しながら滴下(乾
燥窒素下)する。無水条件下で50〜80℃にてさらに6〜8時間、反応を続け
る。反応条件およびポリサッカリドに応じて、調製物は、1グリコシル残基あた
り0.5〜1の活性化−OH基を有する。約8容量の乾燥イソプロパノールを添
加することによって活性化ポリサッカリドを沈殿させ、湿気を防ぎ、そして4℃
で24時間放置する。沈殿したポリサッカリドを収集し、それを再懸濁し、そし
て乾燥イソプロパノールで洗浄する。DSCで活性化したヒドロキシル基は、−
OH基とではなく、1級アミノ基とほぼ例外なく反応する。
【0097】 1グリコシル残基あたり0.5〜1.0の活性化−OH基を有し、そして10
〜20mlのTHFまたはDMF(単独か、またはピリジンとともに)に溶解し
た1gのDSC活性化ポリサッカリド(5.5mモルの単量体グルコシド)を、
0.55mモルのジアミン(例えば、エチレンジアミン、2,3−ジアミノプロ
ピオン酸、または同種のジアミン)と反応させる。この反応物に、無水ジアミン
化合物の量と等モル量(すなわち、0.6mモル(約80μl))の無水トリエ
チルアミンを添加する。50〜80℃で4〜6時間反応させて、約500のグリ
コシル残基あたり約40〜50の−NH2を含む、ポリサッカリド誘導体を生成
させる。0.1M酢酸ナトリウム(pH約8.9)水溶液、0.1M酢酸カリウ
ム(pH約9.5)水溶液、またはpH8.5〜9.5を有する同種の溶液で1
0倍に希釈し、そして35〜40℃で8〜12時間維持して、残余のDSC活性
化−OH基を加水分解させる(アンモニア、一級アミンまたは二級アミンを含む
緩衝溶液を用いず、そしてこれらの除去を容易にするために、アルコールに可溶
性であるカチオンを選択する)。減圧下でのロータリーエバポレーションによっ
て水を除去し、アミノ化ポリサッカリドを沈殿させ、そしてイソプロパノールで
これを洗浄する。
【0098】 10〜20mlの無水ピリジンに溶解した1gのアミノ化ポリサッカリド(約
0.5mモル−NH2)へ、5〜10mlのピリジンに溶解した約0.4mモル
の8,10−ジオキソウンデカン酸か、4,6−ジオキソウンデカン酸か、4,
6−ジオキソヘプタン酸か、3−カルボキシベンズアルデヒドか、または4−カ
ルボキシベンズアルデヒドを添加する。(添加したカルボニル化合物の量は、ポ
リサッカリド上の遊離のアミノ基の総数の80%と等価である)。この混合物へ
、105mg(0.5mモル)のDCCおよび47mg(0.4mモル)のNH
Sを添加し、そして6時間かまたは反応が完了するまで混合しながら反応させる
。[反応の完了、および残余の遊離−NH2を、TNBS法によって決定し得る
]。
【0099】 アミノ化ポリサッカリドへのカルボキシル化化合物の添加の完了後に、この反
応混合物へピリジンまたはDMFに溶解した0.1mモル(28mg)のヘテロ
−二官能性架橋剤であるN−(γ−マレイミドブチリルオキシ)スクシンイミド
エステル(GMBS)を添加し、そして2〜4時間反応させる。この反応の完了
を、TNBF法で決定し得る。その他の反応物から、i)イソプロパノールでの
沈殿、ii)ゲルろ過、またはiii)ダイアフィルトレーションによって水性
溶媒と共に、このポリサッカリド誘導体(約500グリコシル残基あたり1〜1
0マレイミド基を含む)を分離する。ゲルろ過またはダイアフィルトレーション
を使用する場合、水溶液を濃縮し、そしてそれを凍結乾燥する。
【0100】 タンパク質抗原は、ポリサッカリドのマレイミド基と反応して安定なチオエー
テル結合を形成するために、利用可能な遊離の−SH基を有するべきである。(
必要な場合、このタンパク質を還元剤(すなわち、2−メルカプトエタノール)
で処理して、−SH基を再生し、透析またはゲルろ過によって試薬を除去し、そ
してこの還元型タンパク質を凍結乾燥する)。この反応を、水溶性有機溶媒中で
実行し得る。20mlのピリジン、DMF、または両溶媒の混合物に溶解した1
0μモル(約1gの活性化ポリサッカリド(分子量100,000))へ、1モ
ルあたり限定数の−SH基を含む10μモルのタンパク質を添加し、そして数時
間反応させる。この反応を以下により停止させる:過剰のβ−メルカプトエタノ
ールを反応混合物へ添加し、そして1時間反応させる。タンパク質:ポリサッカ
リド誘導体の結合体を、溶媒および他の反応物から、ダイアフィルトレーション
またはゲル濾過によって分離する。この結合体を、イオン交換クロマトグラフィ
ーまたはゲル浸透クロマトグラフィーのような異なるクロマトグラフィー法によ
ってさらに精製し得る。あるいは、この結合体を、塩溶媒、または有機溶媒を用
いる沈殿によって精製し得る。この結合体の組成をHPLC、ポリアクリルアミ
ド電気泳動、または他の適切な方法によって分析する。
【0101】 (薬学的組成物および獣医学的組成物ならびに使用方法) 最近の研究(Rhodes,J.Immunology Today 17:
436(1996))が、外因性シッフ塩基形成化合物が、カルボニル基の天然
のドナーについて置換され得、そしてCD4 Tヘルパー(Th)細胞に対する
同時刺激シグナルを提供し得ることを示した。関連の研究(Zheng,B.ら
、Science、256:1560(1992))では、ガラクトースオキシ
ダーゼでAPCを処置し、新規なアルデヒド基の形成することは、抗原とともに
マウスに投与した場合、効果的なアジュバントを生じた。
【0102】 これらの知見は、免疫系の刺激因子としてシッフ塩基形成化合物の役割を強調
する。APCとT細胞との間の相互作用の間、特定化されたAPCカルボニル基
と、未同定の細胞表面レセプターに位置するTh細胞アミノ基との間の過渡的な
シッフ塩基の形成が存在する。シッフ塩基形成の結果は、Th細胞におけるIL
−2およびIFN−γ産生の増加を伴うTh1型応答に対する免疫系の偏りおよ
びCTL応答の増強である。シッフ塩基形成化合物は、Th細胞上のCD−28
レセプターおよびAPC上に存在するB7−1レセプターに関する同時刺激経路
を回避することにより作用するようである。
【0103】 免疫系が、不完全であるかまたは不十分であり得る種々の状況が存在する。例
えば、免疫系不全は、未熟な乳児または成熟前の乳児(新生児)において共通で
ある。それはまた、例えば、癌の化学療法の副作用として熟考され得る特定の薬
剤による抑制に起因し得る。免疫系の1つ以上の構成部分(例えば、癌の特定の
形態において)の発育障害はまた、免疫不全を生じ得る。免疫不全はまた、ウイ
ルス感染(ヒト免疫不全ウイルス(HIV)を含む)により引き起こされ得る。
【0104】 本発明のさらなる局面は、ワクチン−アジュバントの組み合わせとして使用す
るための、本発明の結合体(例えば、式Iの化合物または生理的に受容可能なそ
の塩)を提供する。従って、ワクチンは、本発明の結合体を処方することにより
調製され得る。
【0105】 本発明の化合物は、経口、非経口(皮下、経皮、筋内および静脈内を含む)、
直腸および吸入から選択される経路によりヒトレシピエントに投与され得る。化
合物の有効用量の大きさは、レシピエントの同一性、関連する免疫強化の型、処
置される状態の重篤度および投与経路を含む多くの因子に依存し、そして最終的
には担当医の裁量である。
【0106】 有効用量は、一般的に、1個体あたり0.03〜250mgの範囲であり、そ
して最も好ましくは、1用量あたり約0.05〜約100mgである。免疫刺激
因子は、好ましくは、1週間に1回または2回だけ投与され、そしていくつかの
場合において、より低い頻度で投与される。処置の頻度および長さは、種および
個体によって変化する。
【0107】 本発明の化合物を化学原料として投与することが可能であるが、薬学的処方物
の調製の際にそれらを提示することが好ましい。本発明の処方物は、本発明の化
合物を1つ以上の受容可能なキャリアおよび必要に応じて他の治療成分とともに
含む。このキャリアは、他の処方物の成分と適合性であり、そしてそのレシピエ
ントに対して有害でないという意味において受容可能であるべきである。
【0108】 免疫アジュバントは、個体に投与した場合またはインビトロで試験した場合、
抗原が投与される被験体または試験系において抗原に対する免疫応答を増加する
化合物である。いくつかの抗原は、単独で投与された場合、弱い免疫原性である
か、または被験体において有用な免疫応答を惹起する濃度で、被験体に対して毒
性である。免疫アジュバントは、より強力な免疫原性の抗原を作製することによ
り、抗原に対する被験体の免疫応答を増強し得る。アジュバントの効果はまた、
より低い容量の抗原の投与で被験体において有用な免疫応答を達成する能力をも
たらし得る。
【0109】 本発明の化合物および組成物の免疫原誘導活性は、多くの公知の方法により決
定され得る。本発明の組成物の投与の際の特定の抗原に対する抗体の力価の増加
は、免疫原活性の測定に使用され得る(Dalsgaard,K.、Acta
Veterinia Scandinavica 69:1−40(1978)
)。1つの方法は、1つ以上の外来性抗原を含む試験組成物を用いて経皮的にC
D−1をマウスに注入することを必要とする。血清を、2週間後にマウスから採
取し、そして抗免疫原抗体についてELISAにより試験する。
【0110】 改変ポリサッカリドアジュバントに共有結合した弱い抗原性タンパク質を使用
して、免疫原性の増強を示す。この目的のために、2つの弱い免疫原性タンパク
質(トリリゾチームおよびウサギアクチン)を選択した。選択された結合体およ
び異なる量の遊離アジュバント、または遊離抗原およびアジュバントのいずれか
でマウスを免疫する。同一の処方物を用いるブースター免疫を、最初の免疫の4
週間後および8週間後に供する。抗原−アジュバント結合体、または遊離抗原お
よびアジュバントにより刺激された、IgGおよびIgGサブクラスについての
力価は、最初の免疫から4週間後、8週間後、および12週間後にELISAに
より決定する。
【0111】 T細胞免疫に対する抗原−アジュバント結合体の効果を、インビトロでのT細
胞増殖アッセイを用いて決定する。3回目の免疫の4週間後屠殺した動物からの
脾臓細胞をアッセイに使用する。3連において4×105細胞を、0.2μg/
mlまたは10μg/mlのOVAを含有する0.2ml培地を用いて培養する
。培養の2〜3日後、細胞を12時間1μCiの3H−チミジンでパルスする。
この細胞を採取し、そして液体シンチレーション計数により3H−チミジンの取
り込み量を決定する。細胞増殖を、刺激された細胞での1分あたりの計数(cp
m)からコントロールでのcpmを引いて表現する。
【0112】 本発明の組成物は、被験体において抗原に対する活性な免疫を誘導するワクチ
ンとして有用である。本発明の組成物の有利な効果を享受し得る任意の動物は、
処置され得る被験体の範囲内である。被験体は、好ましくは哺乳動物であり、そ
してより好ましくはヒトである。
【0113】 本発明の結合体は、単独で使用され得るか、あるいは他のアジュバントともに
投与され得る。本発明での有用なそのようなアジュバントは、油状アジュバント
(例えば、フロイント完全アジュバントおよびフロイント不完全アジュバント)
、サポニン、改変サポニン、リポソーム、鉱物塩(例えば、AlK(SO42
AlNa(SO42、AlNH4(SO42、シリカ、ミョウバン、Al(OH
3、Ca3(PO42、カオリン、および炭素)、ポリヌクレオチド(例えば、
ポリIC酸およびポリAU酸)、ならびに特定の天然物質(例えば、リピドA、
Mycobacterium tuberculosis由来のワックスD、な
らびにCorynebacterium parvum、Bordetella
pertussisおよびBrucella属のメンバーにおいて見られる物
質)、ウシ血清アルブミン、ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、エデス
チン、キーホールリンペットヘモシアニン、Pseudomonal Toxi
n A、コレラ原性、コレラ毒素、百日咳毒素、ウイルスタンパク質、および真
核生物タンパク質(例えば、インターフェロン、インターロイキン、または腫瘍
壊死因子)が挙げられる。そのようなタンパク質は、当業者に公知の方法により
、天然の供給源または組換え供給源から得られ得る。組換え供給源から得られた
場合、非サポニンアジュバントは、少なくとも分子の免疫原性部分を含むタンパ
ク質フラグメントを含み得る。本発明の実施に使用し得る他の公知の免疫原性高
分子としては、ポリサッカリド、tRNA、非代謝性合成ポリマー(例えば、ポ
リビニルアミン、ポリメタクリル酸、ポリビニルピロリドン、4’,4−ジアミ
ノジフェニル−メタン−3,3’−ジカルボン酸および4−ニトロ−2−アミノ
安息香酸の混合重縮合物(polycondensates)(相対的に高い分
子量を有する)(Sela,M.、Science 166:1365−137
4(1969)を参照のこと))または糖脂質、脂質もしくは炭水化物が挙げら
れるが、これらに限定されない。
【0114】 本発明の結合体は、広い範囲の投薬量にわたって、そして投与される1つ以上
の特定の抗原に対する広い範囲の比率で投与される場合に、アジュバント効果を
示す。この結合体は、個々にまたは実質的に純粋な他のアジュバントと混合され
るかのいずれかで投与され、抗原に対する免疫応答の増強を達成し得る。
【0115】 本発明の方法に有用な化合物の投与は、非経口、静脈内、筋内、皮下、経鼻的
、または他の適切な手段によりなされ得る。投与される投薬量は、年齢、体重、
同時処置の種類(あれば)、投与される抗原の性質に依存し得る。一般に、ポリ
サッカリドアジュバント−抗原結合体は、広い範囲の投薬量および投与される抗
原に対する広範な比率にわたって投与され得る。最初の用量は、約4週間免疫応
答を増強させた期間の後ブースター投薬量に増量され得る。さらなるブースター
投薬量もまた、投与され得る。本発明の結合体は、以下のような様式において使
用され得る:経口投与のためのカプセル、液体溶液、乳濁液、懸濁液、またはエ
リキシル、あるいは溶液、乳濁液、または懸濁液のような滅菌液体形態。好まし
くは、生理食塩水、もしくはリン酸緩衝化生理食塩水のような任意の不活性キャ
リアが使用され、本発明の方法において使用する化合物のそのような任意のキャ
リアは、本発明の方法において使用するために適切な可溶性特性を有する。
【0116】
【化1】
【0117】
【化2】
【0118】
【化3】
【0119】
【化4】
【0120】
【化5】
【0121】
【化6】
【0122】
【化7】 本発明を十分に記載してきたことから、当業者は理解される。同様のことが、
広範なそして等しい範囲の条件、処方物、および本発明の範囲またはその任意の
実施態様に影響しない、他のパラメーターを実施し得る。全ての特許および刊行
物が引用される。
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Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリサッカリドアジュバント−抗原結合体であって、以下: (i)抗原提示細胞(APC)の細胞表面に結合し得るポリサッカリド; (ii)安定なカルボニル基を有する1以上の分子; (iii)ポリサッカリド骨格(i)に共有結合された場合に免疫原性応答を
    惹起し得る、1以上のポリペプチドまたはペプチド; を含み、 ここで該安定なカルボニル基をインタクトにしたままの様式で、分子(ii)
    が、(iv)直接共有結合を通して、または二官能性リンカーを介してポリサッ
    カリド(i)に共有結合的に結合しており;そして 該1以上のポリペプチドまたはペプチド(iii)が、(v)直接共有結合を
    通して、または二官能性リンカーを介してポリサッカリド(i)に共有結合的に
    結合している、ポリサッカリドアジュバント−抗原結合体。
  2. 【請求項2】 前記安定なカルボニル基を有する1以上の分子(ii)が、
    芳香族アルデヒド、芳香族ケトン、シクロアルキルアルデヒド、シクロアルキル
    ケトン、シクロアルケニルアルデヒド、シクロアルケニルケトン、複素環式アル
    デヒド、複素環式ケトン、複素芳香族ケトン、複素芳香族アルデヒド、アルキル
    アルデヒド、アルキルケトン、アルケニルアルデヒド、アルケニルケトン、およ
    びそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の結合体。
  3. 【請求項3】 前記安定なカルボニル基を有する1以上の分子が、直接共有
    結合を介して前記ポリサッカリドに結合している、請求項1に記載の結合体。
  4. 【請求項4】 前記安定なカルボニル基を有する1以上の分子が、二官能性
    リンカー分子を介して前記ポリサッカリドに結合している、請求項1に記載の結
    合体。
  5. 【請求項5】 前記ポリサッカリドが、最低限2つのサッカリドを含む、請
    求項1に記載の結合体。
  6. 【請求項6】 前記ポリサッカリドが、β−グルカン;マンナン;ペクチン
    ポリサッカリド;キチンおよびその誘導体;ムレイン;細菌フルクタン;キサン
    タン;細菌へテロポリサッカリド;真菌プルラン;ならびにそれらのエステル、
    スルホネート、スルフェート、ホスフェート;エーテル、および架橋誘導体から
    なる群より選択される、請求項1に記載の結合体。
  7. 【請求項7】 前記ポリサッカリドが、β−グルカン;マンナン;ペクチン
    ポリサッカリド;および2−アセトアミドグルカンポリサッカリドからなる群よ
    り選択される、請求項1に記載のポリサッカリド結合体。
  8. 【請求項8】 前記免疫原性応答を惹起し得るポリペプチドまたはペプチド
    が、ウイルス、細菌、原生動物、真菌、またはそれらの混合物に由来する、請求
    項1に記載の結合体。
  9. 【請求項9】 前記ポリペプチドまたはペプチドが、直接共有結合を介して
    前記ポリサッカリドに結合している、請求項1に記載の結合体。
  10. 【請求項10】 前記ポリペプチドまたはペプチドが、二官能性リンカー分
    子の残基を介して前記ポリサッカリドに結合している、請求項1に記載の結合体
  11. 【請求項11】 前記二官能性リンカー分子の残基が、スクシンイミジル4
    −(p−マレイミドフェニル)ブチレート、4−(4−N−マレイミドフェニル
    )酪酸ヒドラジド塩酸塩、およびマレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシ
    ンイミドエステルからなる群より選択される、請求項10に記載の結合体。
  12. 【請求項12】 前記免疫原性応答を惹起し得るポリペプチドまたはペプチ
    ドが、インフルエンザ、ネコ白血病、ネコ免疫不全、HIV−1、HIV−2、
    狂犬病、麻疹、B型肝炎、***、炭疽、ジフテリア、ライム病、結核、または
    それらの混在を引き起こすウイルスまたは細菌に由来する、請求項8に記載の結
    合体。
  13. 【請求項13】 前記免疫原性応答を惹起し得るポリペプチドまたはペプチ
    ドが、癌胎児抗原、前立腺特異的膜抗原、前立腺特異的抗原、タンパク質MZ2
    −E、多型性上皮ムチン、葉酸結合タンパク質LK26、GM−2ガングリオシ
    ド、GD−2ガングリオシド、それらの免疫原性エピトープ、およびそれらの混
    合物からなる群より選択される、請求項8に記載の結合体。
  14. 【請求項14】 前記安定なカルボニル基を有する化合物が、一置換および
    二置換のC6-10アリールアルデヒド、C6-10アリール(C1-4)アルキルアルデ
    ヒド、ヒドロキシ置換C1-4アルキル(C6-10)アリールケトン、ヒドロキシ置
    換C6-10アリールケトン、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請
    求項2に記載の結合体。
  15. 【請求項15】 前記安定なカルボニル基を有する化合物が、ホルミルまた
    はホルミル(C1-4)アルキル置換基によって置換された、フェニルまたはナフ
    チルのうちの1つであり、そして必要に応じて、ハロ、ヒドロキシ、C1-4アル
    キル、C1-4アルコキシ、トリフルオロメチル、およびベンジルオキシからなる
    群より独立して選択される1または2のさらなる置換基を含む、請求項14に記
    載の結合体。
  16. 【請求項16】 前記安定なカルボニル基を有する化合物が、1つまたは2
    つのヒドロキシおよびハロによって置換された、ベンズアルデヒドおよびナフト
    アルデヒドのうちの1つである、請求項15に記載の結合体。
  17. 【請求項17】 前記安定なカルボニル基を有する化合物が、2,3−ジヒ
    ドロキシベンズアルデヒド、2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド、2,5−
    ジヒドロキシベンズアルデヒド、3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド、5−
    クロロ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド、バニリン、エチルバニリン、ナリン
    ゲニン、3−ヒドロキシベンズアルデヒド、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、
    4−ヒドロキシフェニルアセトアルデヒド、2−ヒドロキシアセトフェノン、3
    −ヒドロキシアセトフェノン、4−ヒドロキシアセトフェノン、6−ヒドロキシ
    −1,2−ナフトキノン、4,6−ジオキソヘプタン酸、または8,10−ジオ
    キソウンデカン酸のうちの1つである、請求項14に記載の結合体。
  18. 【請求項18】 前記安定なカルボニル基を有する化合物が、C4-10アルキ
    ルアルデヒド、C4-10アルケニルアルデヒド、C4-10アルキルケトン、C4-10
    ルケニルケトン、およびそれらの混合物からなる群より選択され、これらは全て
    、1または2のアミノ、ヒドロキシ、またはその組合せによって置換されている
    、請求項1に記載の結合体。
  19. 【請求項19】 前記ポリサッカリドが、(1→3)結合β−D−グルコピ
    ラノシル単位の骨格鎖を有し、(1→6)結合によって結合するβ−D−グルコ
    ピラノシル単位を有し、そして分子量が約5,000〜約500,000の間で
    ある、β−グルカンであって、ここで、該β−グルカンが、必要に応じて1以上
    の陰イオン性基、陽イオン性基、または非イオン性基の付加によって修飾される
    、請求項1に記載の結合体。
  20. 【請求項20】 前記ポリサッカリドが、末端の還元マンノシル残基を有す
    る(1→4)ポリマンノース、またはそのアセチル化産物を含むβ−マンナンで
    ある、請求項1に記載の結合体。
  21. 【請求項21】 前記ポリサッカリドが、ホモガラクツロナン、ラムノガラ
    クツロナン、アラバン、ガラクタン、およびアラビノガラクタンからなる群より
    選択されるペクチンポリサッカリドである、請求項1に記載の結合体。
  22. 【請求項22】 前記二官能性リンカー分子の残基が、以下: H2N−(CH2r−NH2、ここでrは、2〜12である; HO−(CH2r−NH2、ここでrは、2〜12である; HS−(CH2r−NH2、ここでrは、2〜12である; 必要に応じてカルボキシ保護されたアミノ酸;および H−(O−CH2−CH2n−OH、ここでnは1〜4である、 からなる群より選択される、請求項1に記載の結合体。
  23. 【請求項23】 前記二官能性リンカー分子が、エチレンジアミン、1,4
    −ブタンジアミン、スペルミジン、2,4−ジアミノ酪酸、リジン、β−アラニ
    ン、γ−アミノ酪酸、ジアラニン、トリアラニン、3,3’−ジアミノジプロピ
    ルアミン、ジアミノプロピオン酸、N−(2−アミノエチル)−1,3−プロパ
    ンジアミン、および2−(4−アミノフェニル)エチルアミンからなる群より選
    択される、請求項22に記載の結合体。
  24. 【請求項24】 前記二官能性リンカー分子が、以下: −NH−(CH2r−NH−、ここでrは2〜5である、 −O−(CH2r−NH−、ここでrは2〜5である、 −NH−CH2−C(O)−、 −O−CH2−CH2−O−CH2−CH2−O−、 −NH−NH−C(O)−CH2−、 −NH−C(CH32−C(O)−、 −S−(CH2r−C(O)−、ここでrは1〜5である、 −S−(CH2r−NH−、ここでrは2〜5である、 −S−(CH2r−O−、ここでrは1〜5である、 −S−(CH2)−CH(NH2)−C(O)−、 −S−(CH2)−CH(COOH)−NH−、 −O−CH2−CH(OH)−CH2−S−CH(CO2H)−NH−、 −O−CH2−CH(OH)−CH2−S−CH(NH2)−C(O)−、 −O−CH2−CH(OH)−CH2−S−CH2−CH2−NH−、 −S−CH2−C(O)−NH−CH2−CH2−NH−、および、 −NH−O−C(O)−CH2−CH2−O−P(O2H)− からなる群より選択される、請求項1に記載の結合体。
  25. 【請求項25】 前記安定なカルボニル基を有する化合物が、ヘテロアリー
    ルアルデヒドおよびヘテロアリールケトンからなる群より選択される、請求項1
    に記載の結合体。
  26. 【請求項26】 前記安定なカルボニル基を有する化合物が、チオフェン、
    フラン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ピリジン、キノリン、ピリダジン、
    ピリミジン、ピラゾール、イミダゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,
    4−トリアゾール、イソオキサゾール、またはオキサゾールのうちの1つであっ
    て、これらの化合物の各々が、ケト、ホルミルまたはホルミル(C1-4)アルキ
    ル置換基を有し、そして必要に応じてさらなるハロまたはヒドロキシ置換基を含
    む、請求項25に記載の結合体。
  27. 【請求項27】 前記安定なカルボニル基を有する化合物が、ピリドキサー
    ル、2−チオフェンカルボキシアルデヒド、および3−チオフェンカルボキシア
    ルデヒドのうちの1つである、請求項25に記載の結合体。
  28. 【請求項28】 前記結合体が、以下の式: (A−L’)y−P−(L−I)x によって表されるかまたはその薬学的に受容可能な塩であり、ここで、 Pは、抗原提示細胞の細胞表面に結合し得るポリサッカリドであり; 各L’は、同じかまたは異なっており、そして共有結合または二官能性連結分
    子であり; Aは、ポリサッカリド骨格に共有結合された場合に免疫原性応答を惹起し得る
    タンパク質またはペプチドであり、そしてここでyが1より大きい場合は各Aは
    同じまたは異なるタンパク質またはペプチドであり得; 各Lは、同じかまたは異なっており、そして共有結合または二官能性連結分子
    であり;そして Iは、(a)ケトンまたはアルデヒド官能基;および(b)該ポリサッカリド
    または該二官能性連結分子上に相補的官能基が存在する場合は、その存在する相
    補的官能基と反応し得る第二の官能性基を有するイミン形成化合物であり、そし
    てここでxが1より大きい場合、各Iは同じかまたは異なり得; xは1〜100であり;そして yは1〜約20である、 請求項1に記載の結合体。
  29. 【請求項29】 薬学的組成物であって、以下、 請求項1に記載の結合体、および、 薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤、 を含有する、薬学的組成物。
  30. 【請求項30】 ワクチンであって、以下: (a)請求項1に記載のポリサッカリド結合体;および (b)薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤、 を含有する、ワクチン。
  31. 【請求項31】 動物において免疫応答を増強する方法であって、そのよう
    な増強の必要な動物に対して、該動物の免疫応答を増強するに有効な量の請求項
    29に記載の組成物を投与する工程を包含する、方法。
  32. 【請求項32】 動物において抗原に対する免疫応答を増強する方法であっ
    て、該動物の該抗原に対する免疫応答を増強するに有効な量の請求項29に記載
    の組成物を投与する工程を包含する、方法。
  33. 【請求項33】 動物にワクチン接種する方法であって、該動物に請求項3
    0に記載の組成物を投与する工程を包含する、方法。
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