JP2002512163A - コンベヤチェーン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、接続リンク（４）によって相対変位可能に相互接続される複数の主リンク（２）を備えたコンベヤチェーン（１）に関する。第１の主リンク（２）は、チェーン長手方向の第１の端部が接続リンク（４）の第１の端部と共に第１の継手（６）を形成する。継手（６）は、チェーンの長手方向に対して本質的に垂直でありかつチェーン表面に対して本質的に平行な軸（Ａ）回りの揺動を許容する。接続リンク（４）の第２の端部は、後続の主リンク（２）の第２の端部と共に第２の継手(８)を形成する。第２の継手は、チェーンの長手方向および第１の継手（６）の揺動軸（Ａ）に対して垂直な軸（Ｂ）回りの揺動を許容する。チェーンの長手方向においてわかられるときに、２の軸（Ａ（Ｂ））は異なる平面に位置している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、物品を搬送するためのコンベヤチェーンに関する。

【０００２】 異なる物品を搬送するために産業界で用いられるコンベヤチェーンは公知であ
る。そのようなコンベヤチェーンは一般的に、搬送する物品をその上に載置可能
な平面を有した多数のチェーンリンクを備えている。より大きな物品を搬送する
ために、互いに平行な少なくとも一対のコンベヤチェーンがしばしば用いられる
が、この場合にはその大きな物品は両方のチェーン上に載る。互いに垂直な２方
向への揺動が可能となるように、個々のチェーンリンクは相対変位可能に相互に
接続されている。一方では、搬送経路を湾曲させることができるようにチェーン
リンクは搬送平面上で相対変位可能でなければならず、他方では、搬送平面の下
方で戻ることができるようにチェーンリンクは搬送平面に対して垂直な方向に変
位可能でなければならない。公知のコンベヤチェーンにおいては、２つの軸線回
りに揺動可能なこの動きは一種の自在継手によってチェーンリンク間に形成され
、２つの揺動軸は一点において交差している。このようなリンク接続は、個々の
チェーンリンクが水平若しくは搬送平面に対して平行な揺動軸によって相互に接
続され、搬送平面に対して垂直な方向への揺動を許容するように構成される。こ
れらの揺動軸は、第１のチェーンリンクには堅固に取り付けられるが、隣接する
第２のチェーンリンクにおいては長孔内に配設され、一対のチェーンリンクがこ
れらの揺動軸の回りに相互に揺動することを許容するばかりでなく、これらの揺
動軸に搬送平面方向の更なる自由度を与え、搬送平面内におけるチェーンリンク
の揺動を許容する。実際、１つの揺動軸が存在するのみであり、 実際には存在
しない第２の軸回りの揺動は、隣接する２つのチェーンリンクの一方における第
１の軸方向の遊びによってのみ達成される。この構造により、既知のコンベヤチ
ェーンにおいては制限された動きだけが可能である。さらに、揺動軸を含んでい
る横方向の長孔内に容易に埃がたまるので、コンベヤチェーンの動き、したがっ
てコンベヤチェーンの機能をさらに制限する。公知のコンベヤチェーンにおける
限定された動きは、搬送経路を湾曲させるために、横方向の案内の大きな遊びを
さらに必要とする。

【０００３】 本発明の課題は、より大きな可動性をもたらす改良されたコンベヤチェーンを
創り出すことにある。

【０００４】 この課題は、請求項１に記載された特徴によって解決される。好ましい構造は
、従属項から得ることができる。

【０００５】 本発明によるコンベヤチェーンは必要な２つの揺動のための２つの別々のヒン
ジを、接続リンクによって接続される個々のチェーンリンク間に備えている。２
つの揺動軸の分離は、個々の軸回りにおけるチェーンリンクのより高い自由度の
動きをもたらす。加えて、従来から公知の埃に極めて敏感な横方向の細長い孔を
省略することができ、コンベヤチェーンの機能の信頼性を改善することができる
。本発明のコンベヤチェーンの場合、公知のコンベヤチェーンの場合のようにチ
ェーンリンクの相対動きはもはやリンクの構造によっては制限されず、主リンク
の上側および下側表面の形状に起因していつかは生じる衝接によって制限される
だけである。

【０００６】 有利には、接続リンクは、少なくとも一つの隣接する主リンクによってその上
下の表面がほぼ完全に覆われる。このことは、個々の主リンク間の狭い隙間によ
ってのみ中断される、ほぼ連続する滑らかな表面がチェーンの上側表面上に形成
されるという利点を有する。このことは、搬送される物品のための大きな支持表
面、および個々のチェーンリンク間のヒンジがカバーによって埃または機械的な
損傷の影響から保護されることをもたらす。接続リンクの下側表面を覆うことは
、コンベヤチェーンに対してほぼ連続した滑らかな支持表面を与え、ガイド内に
おけるチェーンのスライド特性を改善する。

【０００７】 好ましくは、第２ヒンジに隣接する主リンクによって第１ヒンジの領域まで、
接続リンクはその上側および／または下側表面が覆われる。そのような設計は、
結果として、接続リンクのほぼ完全な覆いにもかかわらずチェーン表面に平行な
２つの主リンクの動きが実質的に制限されないという効果を有する。さらに、２
つの隣接する主リンクの上下の表面間の分離線が第２ヒンジの領域にあるので、
チェーン表面若しくは搬送平面に対して垂直な方向の主リンク間の動きは実質的
に制限されない。したがって、コンベヤチェーンの動きを大幅に制限することな
く、２つのヒンジは最適に保護される。

【０００８】 全ての主リンクおよび全ての接続リンクは、好ましくは同一に設計される。こ
のことは、コンベヤチェーンが主リンクおよび接続リンクのみの２つの異なる構
成要素だけから成るので、コンベヤチェーンにコスト的に効率の良い構造をもた
らす。

【０００９】 好ましくは、チェーン車輪が係合する凹部を、主リンクはその下側表面上に有
する。下側表面上のこれらの凹部は、コンベヤチェーンの他の部分の設計とは無
関係に、チェーン車輪と主リンクとの間の特に良好な接触が達成されるように設
計される。このことはコンベヤチェーンの信頼できる確実な推進をもたらし、そ
れによって大きな力が信頼性を有して伝達されるから、重い物品をコンベヤチェ
ーンで搬送することができる。

【００１０】 好ましくは、主リンクは、チェーンの長手方向に延びる横方向の案内溝を備え
る。これらの案内溝は、対応する支持用型材の内部におけるコンベヤチェーンの
確実な動きをもたらす。有利には、案内溝は、特に搬送経路が湾曲する部分にお
いて支持用型材の上側表面が案内溝の上側側面によって覆われるように設計され
る。このことは、埃若しくは搬送されている物品の一部がコンベヤチェーンと支
持用型材との間に付着し若しくは捕えられることを防止する。このように、コン
ベヤチェーンは、支持用型材と共に滑らかでほぼ閉じた表面を構成するので、搬
送経路内への異物の侵入および潜在的な機能の外乱を防止する。さらに、そのよ
うな溝の形成はまた、主リンクがその案内溝の上側側面および下側側面の両方を
介して支持用型材上に載ることになるので、高い支持能力が得られる効果を有す
る。

【００１１】 好ましくは、２つのヒンジのうちの少なくとも一方が、いくつかの櫛形突起を
主リンク上に有するとともに主リンク上の突起間の空間に嵌合する同様の櫛形突
起を接続リンク上に有し、それによって横断するヒンジボルトが主リンクおよび
接続リンクの突起を貫通する。ヒンジのこのような設計は、ヒンジボルトが主リ
ンクおよび接続リンク上の多数箇所で支持されることを保証し、それが大きな力
の信頼性ある伝達を保証する。さらに、ヒンジボルトが多数箇所で支持されるこ
とにより、力の伝達は極めて均一である。

【００１２】 ヒンジボルトは、好ましくは係止接続によってヒンジ内に保持される。このこ
とは、ヒンジボルトがヒンジの対応する開口内に挿入されるだけで係止されるの
で、コンベヤチェーンの単純な取付けをもたらす。したがって、更なる取付け要
素および取付け工程は必要とされない。

【００１３】 好ましくは、ヒンジボルトは合成材料から製造される。このことは、ヒンジの
動きを妨げるヒンジボルトの腐食を排除する。また、ヒンジボルト、特にラッチ
接続を有するヒンジボルトは、合成材料からコスト的に効率よくかつ容易に製造
することができる。

【００１４】 好ましくは、主リンクおよび／または接続リンクは単一の部品として、好まし
くは合成材料から製造される。個々のリンクの単一部品としての設計は必要な取
付け作業の数を減少させ、したがってコンベヤチェーンのより速くコスト的に効
率のよい取付けをもたらす。加えて、部品数の減少は潜在的な破損の数を限定し
、したがってコンベヤチェーンの信頼性を高める。主リンクおよび接続リンクは
、容易にかつコスト的に効率良く合成材料から製造することができ、かつ合成材
料の使用はコンベヤチェーンの機能に影響を与える腐食を排除する。

【００１５】 本発明は、添付の図面を参照しつつ以下に記載される。

【００１６】 図１は本発明によるコンベヤチェーン１の平面形状を示している。この図は、
Ｕ字形に旋回して戻る一つのコンベヤチェーン１のみを示している。しかしなが
ら、好ましい実施態様においては、より大きな物品を搬送するために、２つ若し
くはそれ以上のコンベヤチェーン１が互いに平行に走行することができる。コン
ベヤチェーン１は、点線で表された接続リンク４によって接続される多数の主リ
ンク２から成っている。その接続は、接続リンク４が主リンク２によって広く覆
われるように設計されている。主リンク２と接続リンク４は、第１ヒンジ６およ
び第２ヒンジ８によって相対変位可能に接続されており、かつ一対のヒンジ６，
８の揺動軸Ａ、Ｂは本質的に互いに垂直である。ヒンジ６の揺動軸Ａは、主リン
ク２と接続リンク４との間の揺動がチェーンの長手方向においてコンベヤチェー
ン１の表面に対して垂直な方向に可能となるように、本質的にチェーンの長手方
向に対して垂直かつコンベヤチェーン１の表面に平行に延びている。ヒンジ８の
揺動軸Ｂは、本質的にコンベヤチェーン１の表面に対して垂直に延び、搬送平面
内におけるチェーンの揺動を可能にしている。

【００１７】 主リンク２は、その上側表面については、カバープレート１０の形に設計され
、ヒンジ６、８および接続リンク４を大きく覆っている。このことにより、コン
ベヤチェーン１は、埃が通過する隙間をほとんど有しない連続した滑らかな表面
を持つことになる。ヒンジ６、８が保護されて配置されるため、これらヒンジの
高い可動性が長期間にわたって保証される。図１はまた、コンベヤチェーンを１
を支えて案内するチェーン支持用型材１２を示している。この平面図は、本発明
のコンベヤチェーン１が非常に小さいカーブ半径で移動できることを示している
。特にヒンジ８は、主リンク２の部品同士の衝突によって制限されることがなく
、かつヒンジ８自身によっても制限されることがない高い自由度の揺動を提供す
る。

【００１８】 図２は、本発明のコンベヤチェーン１の側面断面図を示している。具体的には
、コンベヤチェーン１の案内および駆動が示されている。コンベヤチェーン１は
、チェーン支持用型材１２によって案内されるとともにチェーン車輪１４の回り
に湾曲しそれによって同時に駆動される。この効果を得るため、主リンク２はそ
の下面に凹部６を有し、そこにチェーン車輪１４の歯１８が嵌合する。チェーン
車輪１４は、本質的に正方形断面を有するハブ２０によってシャフトに固定され
、その結果シャフトによって駆動される。前進経路２２においてコンベヤチェー
ンは支持用型材１２の上側表面上を案内され、次いでチェーン車輪１４上で湾曲
する。コンベヤチェーン１の戻り経路２４は、コンベヤチェーン１の前進経路２
２と平行であり、前進経路２２の下方でチェーン支持用型材１２の内側にある。
コンベヤチェーン１は、チェーン支持用型材１２の内部で戻り方向に動くため、
破損および埃による汚損から保護されている。さらに、露出している可動部品の
数が減らされているので、コンベヤチェーン１の近くで作業する人が怪我をする
危険性が最小となる。図２はまた、ヒンジ６により主リンク２が相対的に２つの
方向に動けるということを示している。したがって、コンベヤチェーン１は、ヒ
ンジ６回りの揺動によって２方向に湾曲することができる。最初に、コンベヤチ
ェーン１はチェーン車輪１４上で下方に湾曲するとともに、チェーン車輪１４に
接触した後で反対方向に湾曲する。このことは、駆動力の良好な伝達を行うため
にチェーン車輪１４を大きくしても、コンベヤチェーン１の前進経路２２および
戻り経路２４を、共通のチェーン支持用型材１２内において互いに極めて接近さ
せることができることを意味している。このことにより、コンベヤチェーン１を
、非常にコンパクトでスペースをとらない構造とすることができる。主リンク２
の上側表面はカバープレート１０として設計され、コンベヤチェーン１のほぼ連
続した表面を構成する。個々の主リンク２の上側表面間における非常にせまい隙
間２６は、ヒンジ６、８が主リンク２のプレート１０によってほぼ完全に覆われ
るように、有利には斜めに設計される。狭い隙間２６はヒンジ６の垂直方向、す
なわち搬送平面に対して垂直な方向の動きの自由度を制限するけれども、それに
もかかわらず、限定された動きのみがこの垂直揺動方向において必要である。図
示したように大きな湾曲半径が可能な戻り経路２４のために、この可動性が必要
であるからである。加えて、コンベヤチェーン１が勾配部分を乗り切るために、
この方向の限定された動きの自由度が必要である。主リンク２の下側表面も、カ
バープレート２８の形態で設計されている。カバープレート２８は、チェーン車
輪１４の歯１８に対する噛み合い開口１６を有している。また、主リンク２の下
側表面には、個々の主リンク２間に大きな隙間３０が設けられており、ヒンジ６
が下方に揺動する際の高い可動性が確保されている。このことにより、駆動車輪
若しくは転向車輪として用いられるチェーン車輪１４を小さな半径で設計するこ
とができる。コンベヤチェーンの下側表面におけるこの大きな隙間３０により生
じる障害は小さい。その理由は、コンベヤチェーンがチェーン支持用型材１２の
内部で保護された状態で進行するため、埃が侵入する危険性が限られるからであ
る。接続リンク４は、本質的に、主リンク２の上下表面のカバープレート１０お
よび２８間に完全に位置している。このことにより、埃若しくは機械的な損傷か
らの保護に加えて、主リンクと接続リンクとの間により広い支持表面を得ること
ができるため、コンベヤチェーン１の搬送能力を高めることができる。

【００１９】 図３は、主リンク２を様々な角度から示している。主リンク２の平面図は、図
３の右側に示されている。主リンク２は、カバープレート１０によってほぼ完全
に覆われている。これにより、大きな搬送表面が形成され、搬送される物品をそ
の上にしっかりと載置することができる。主リンク２の破線で表される中心部分
３２は、カバープレート１０によってほぼ完全に覆われるとともにカバープレー
トの側縁に対してオフセットされており、これによりチェーン支持用型材１２が
係合可能な横方向の案内溝３４が形成されている。主リンク側のヒンジ６および
８の部分は中心部分３２上に形成されている。平面図に示すように、ヒンジ６は
櫛形の多数の突起３５を有し、これら突起３５間の隙間には接続リンク４の櫛形
の相手部分が係合する。したがって、ヒンジ６により高い搬送能力と荷重分配が
保証される。主リンク２の前縁３６よりも内側にヒンジ８が設けられているため
、コンベヤチェーン１を完全に組立てたときに、接続リンク４はカバープレート
１０によってほぼ完全に覆われる。主リンク２の側面図が示すようにヒンジ８も
また櫛形に形成されており、高い搬送能力および一様な荷重分配がヒンジ８によ
って保証される。主リンク２の前縁に向かって、下側のカバープレート２８がヒ
ンジ８を超えて突出し、上側のカバープレート１０と共に接続リンク４を受け入
れるための空間３７を形成している。ヒンジボルト３９、４１が挿通される挿通
孔３８および４０が、主リンクの端部においてヒンジ６および８の櫛形部分内に
設けられている。ヒンジ８の挿通孔４０は貫通せずに上側のカバープレート１０
によって覆われており、このチェーンの上側表面からヒンジ内に埃が侵入するこ
とを防止している。さらに、ヒンジ挿通孔３８および４０には、ヒンジボルト３
９，４１が挿入される係止部４２および４４が設けられている。これによりヒン
ジ６、８をねじ込む必要がないので、ヒンジ６、８を挿入するだけで容易に取り
付けることができる。図３の左側には、主リンク２の下側表面の平面図が示され
ている。主リンク２の中心部分３２は、下側のカバープレート２８によってほぼ
完全に覆われている。上側のカバープレート１０がそうであったように、下側の
カバープレート２８は、中心部分３２を超えて側方に突出し、上側のカバープレ
ート１０と共に前述した案内溝３４を形成している。チェーン車輪１４の歯１８
が係合する係合孔１６は、中心部分３２のほぼ中央に配設されている。特に縦方
向において、下側のカバープレート２８が上側のカバープレート１０より延びて
いないので、コンベヤチェーン１が揺動軸Ａの回りに下方へ湾曲する際の大きな
可動性をもたらす。

【００２０】 図４は、接続リンク４を様々な方向から示している。接続リンク４は、その長
手方向の２つの端部に、ヒンジ６および８の接続リンク側の部分を有している。
主リンク側のヒンジ６、８の対応する中間の隙間と係合するように、これらの部
分もまた櫛形である。ヒンジ挿通孔４８および５０がこれらのヒンジ部分を貫通
して設けられ、主リンク２のヒンジ挿通孔３８および４０を貫通するヒンジボル
ト３９、４１が、ヒンジ６、８を組立てるときにこれらの挿通孔を貫通する。接
続リンク４の中心部分４６には、材料を節約して重量を減少させるための凹部が
設けられている。接続リンク４の長手方向の両端はヒンジ６、８の揺動方向に応
じて丸められ、ヒンジの高い自由度での相対運動を可能としている。接続リンク
４は主リンク２の中心部分３２より狭い幅を有していることが有利であり、その
結果、コンベヤチェーン１は、主リンク２の中心部分３２の滑らかな横方向の縁
部によって案内溝内において案内される。

【００２１】 図５に描かれた断面図は、本発明によるコンベヤチェーン１のチェーン支持用
型材１２を示している。その上側表面において、チェーン支持用型材１２は前進
経路２２のコンベヤチェーン１を案内する。チェーン支持用型材１２の下側領域
においては、戻り経路のコンベヤチェーン１が閉じた空洞５２内を案内される。
コンベヤチェーン１の前進経路２２を案内するために、チェーン支持用型材１２
は、コンベヤチェーン１の主リンク２の案内溝３４に係合する対応する突起５４
を有している。突起５４にはスライドレール５６が設けられ、これによりチェー
ン支持用型材１２上においてコンベヤチェーン１が容易にスライドすることがで
きる。これらのスライドレール５６は、有利には優れたスライド特性を有した合
成材料から製造される。例えば、それはポリアミドである。更なる突起５８が、
コンベヤチェーン１の戻り経路のためにチェーン支持用型材１２の空洞５２内に
設けられている。チェーン支持用型材１２の上側表面の突起５４と同様に、これ
らの突起５８もスライドレール６０を有している。有利には、これらのスライド
レール６０は、チェーン支持用型材１２の上側表面に用いられるスライドレール
５６と同様に構成される。これにより部分点数を削減できる。スライドレール６
０を有した突起５８もまた、コンベヤチェーン１の主リンク２の案内溝３４と係
合している。しかしながら、戻り経路においては、コンベヤチェーン１の主リン
ク２はその下側のカバープレート２８がスライドレール６０上に載っているが、
前進経路２２においては、コンベヤチェーン１は主リンク２の上側のカバープレ
ート１０によって支持されている。カバープレート１０はチェーン支持用型材１
２の突起５４を超えて突出しているので、チェーン支持用型材１２はカバープレ
ート１０によってその上方が覆われ、チェーン支持用型材１２の内部および特に
コンベヤチェーン１のヒンジ内への埃の侵入が防止されている。好ましくは、搬
送経路がカーブする部分における隙間が完全に覆われるように、カバープレート
１０が突起５４を超えて突出していることが好ましい。また、ここに描かれてい
る支持用型材１２にはガイドレール６２が含まれている。このガイドレール６２
は、コンベヤチェーン１の表面に対して本質的に垂直であり、搬送経路に沿って
コンベヤチェーン１の長手方向と平行に延びている。スライド体６４がこのガイ
ドレール６２に挿入されており、このスライド体６４はコンベヤチェーン１上を
搬送される物品を横方向に関して案内する。

【００２２】 ここに描かれたチェーン支持用型材１２は、本発明のコンベヤチェーン１に対
する使用だけでなく、コンベヤベルトやローラチェーンに対する使用もできるよ
うに設計されることが有利である。

【００２３】 図６は、コンベヤーベルト６６におけるチェーン支持用型材１２の使用を示し
ている。ここでは、支持体６８が突起５４間に用いられている、支持体６８が設
けられている部位は、支持体６８が設けられない場合にスライドレール５６が取
り付けられる部位である。支持体６８は、好ましくは合成材料若しくはアルミニ
ウムから製造されるとともに、突起５４間の空間内にラッチ接続によって固定さ
れるように設計される。ガイド体６８は、搬送ベルト６６を案内するガイド形状
体６９を有する。ガイド形状体６９は互いに対向する一対の細長片からなり、そ
れらはチェーン支持用型材１２の長手方向に延び、断面形状においてＴ字形の空
間を形成している。その下側領域には、スライド箔片７１が、ガイド形状体６９
すなわち一対の細長片によってその末端領域に囲まれるように、ガイド形状体６
９の内側に長手方向に挿入されている。このように、スライド箔片７１はガイド
形状体６９のＴ字形断面の横方向の脚部内に横たわり、支持体６８上でチェーン
支持用型材１２の長手方向に延びている。

【００２４】 スライド箔片７１は非常に容易にスライドする、例えば低圧ポリエチレンのよ
うな合成材料から製造され、その上をコンベヤベルト６６が走行する非常に容易
にスライドし易い表面を形成する。以前には、コンベヤベルトのための非常にス
ライドしやすい走行表面を生み出すべく、例えば低圧ポリエチレンのような合成
材料は押出成形によって容易に加工できないという事実により、支持体６８の全
体が対応するベルトガイドと共に非常にスライドし易い合成材料から切り出され
た。比較すると、新規な構造は、支持体６８が一体に組み込まれたガイド形状体
６９と共に、例えば、容易に押出成形される合成材料若しくはアルミニウムから
製造できるという事実により、コスト集約的な機械加工を省くことができるとい
う利点を有する。極めて滑らかな滑走表面１１をコンベヤベルト６６のために形
成するには、単にスライド箔片７１をガイド形状体６９に挿入するだけで十分で
ある ガイド用形状体６９がスライド箔片７１の上方に有する縁部は、チェーン
支持用型材１２の長手方向において本質的にスライド箔片７１に対し垂直に配設
され、コンベヤベルト６６の走行平面の横方向の境界として用いられる。コンベ
ヤベルト６６のためのガイドは、このようにして形成される。また、チェーン支
持用型材１２は、コンベヤベルト６６の戻り経路のための閉じた空間５２内に、
コンベヤベルト６６の戻り経路を案内するガイド形状体７０を備えている。ガイ
ド形状体７０は、本質的にガイド形状体６９と同様に設計されている。しかしな
がら、それは別体に形成された支持体ではなく、空洞５２の底部領域上に直接配
設されている。すなわち、ガイド形状体７０は押出成形によって製造されたチェ
ーン支持用型材１２内に直接形成されている。ガイド形状体６９と同様に、ガイ
ド形状体７０も同様に配設されたスライド箔片７３を備えている。有利には、異
なる部品の数を最小限とするために、スライド箔片７１は戻り経路に用いられる
スライド箔片７３と同一寸法とされる。

【００２５】 図７は、チェーン支持用型材１２をローラチェーン７２と共に使用する状態を
示している。ここでは、チェーン支持用型材１２は、ローラチェーンが支持リン
クと共にその上を案内される追加の突起７４の一組を、突起５４の下方に備えて
いる。滑走レール７６が突起７４に取り付けられている。これらのレールはコン
ベヤチェーン１で用いられる滑走レール５６および５８と同じ形状を有している
ことが好ましく、これにより必要部品点数をさらに減少させることができる。ロ
ーラチェーン７２の戻り経路もまたチェーン支持用型材１２の下側表面上の空洞
５２内にあり、このケースではローラ体８６が空洞５２の囲まれた底部表面上を
転動する。ここで、ローラチェーンの案内は、その横方向の支持体７８とこれと
関連するチェーン支持用型材１２の側壁とにより行われる。また、ローラ体８６
が、追加的に、ベルト６６を搬送するための空洞５２の底部表面に設けられたガ
イド形状体７０によって案内される。

【００２６】 更に、チェーン支持用型材１２は、その側面およびその下側表面上に、取り付
け用形状体ここでは取付溝８１を備えている。これらの取付溝はＴ字形の空洞を
囲み、その内部に取付けスクリュ若しくはナットが配設される。例えば、案内リ
ンク６２がこれらの取付溝８１内に固定される。また、これらの固定溝は、チェ
ーン支持用型材１２を適切な支持体若しくは担体に取り付けるために用いられる
。チェーン支持用型材１２の長手方向に沿って延びる連続した案内溝８２はまた
、例えば異なるセンサ若しくは操作装置のような様々な取付部品を取り付ける可
能性を提供する。加えて、取付溝８１はまた、搬送経路に沿ったケーブルガイド
２５として用いられる。

【００２７】 図８は、図７に示されたローラチェーン７２の詳細に描写している。ローラチ
ェーン７２は、多数の同様な支持リンク７８から成っている。各支持リンク７８
はそれぞれチェーンの長手方向に延びる一対の側方部分８０、８２からなり、そ
れによってローラ体８６を支持するローラ軸８４が、それらの間でチェーンの長
手方向および側方部分８０、８２に対し本質的に垂直に延びている。ローラ軸８
４は側方部分８２と共に１つの単一部品として製造され、かつその自由端は、側
方部分８０に向けられるとともに、側方部分８０内に適切に形成された凹部８９
内に係合するラッチフック８８を有している。側方部分８０、８２すなわち支持
リンク７８は、チェーンの長手方向に見た場合、ローラ軸８４の方に向かう端部
に向けて幅狭となるように、すなわちチェーンの長手方向に関して側方部分８０
、８２を隔てている距離が横方向に減少するように形成されている。支持リンク
７８、側方部分８０、８２のテーパを有する端部には、貫通孔９０が設けられて
いる。隣接する支持リンク７８のローラ軸８４が挿通できるように、これらの２
つの貫通孔は互いに対向して設けられている。ローラ体８６の寸法は、支持リン
ク７８のテーパ側の端部において一対の側方部分８０、８２間にぴったりとはま
るように設定され、したがって後続の支持リンク７８の側方部分８０，８２間に
もぴったりとはまるので、そのローラ軸が前方の支持リンク７８の側方部分８０
、８２およびローラ体８６を貫通して延びるようになっている。

【００２８】 また、接続スタッド９２が側方部分８０、８２間に配置され、各ローラ間の隙
間を覆っている。接続スタッドは拡がっており、それによって各接続スタッドの
ほぼ半分が側方部分８０、８２と一体の部分を構成する。２つの半体を接続する
ためのセンタリングピンすなわち追加のラッチ手段及びこれに対応する凹部は、
接続スタッド９２の２つの半体の接続部位に配置されている。

【００２９】 このように、ローラチェーン７２全体は側方部分８０、８２およびローラ体８
６の単に３つの異なる各部品から成るだけであり、普通のローラチェーンと比較
して部分点数が大幅に減少し、それは製造、保管および組み立てコストの減少を
意味している。有利には、ローラチェーンの全ての部品が合成材料から製造され
る。このことにより、経済的な製造、例えばダイキャスティングによる製造が可
能となる一方で、他方では軽量で取り扱いが容易な腐食しないローラチェーン７
２を提供することができるようになる。

【００３０】 ローラチェーン７２の取り付けは、特殊な工具を必要とすることなく、ラッチ
要素８８を係合させるだけで良いから極めて簡単かつ迅速である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 コンベヤチェーンの平面図。

【図２】 コンベヤチェーンの側面断面図。

【図３】 （ａ）〜（ｅ）は、主リンクを様々な角度から見た図。

【図４】 接続リンクを示す図。

【図５】 本発明のコンベヤチェーンを用いるチェーン支持用型材の横断面図。

【図６】 コンベヤーベルトを用いるチェーン支持用型材の横断面図。

【図７】 ローラチェーンを用いるチェーン支持用型材の横断面図。

【図８】 （ａ）および（ｂ）はローラチェーンを示す図。

【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書

【提出日】平成１２年７月６日（２０００．７．６）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】特許請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【特許請求の範囲】

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 接続リンク（４）によって相対変位可能に相互に接続された多数の主リンク（
   ２）を備えるコンベヤチェーン（１）であって、 前記チェーンの長手方向における第１の主リンク（２）の第１の端部が前記接
   続リンク（４）の第１の端部と共に第１のヒンジ（６）を形成して、前記チェー
   ンの長手方向に対して垂直でありかつ前記チェーンの前記表面に対して本質的に
   平行な軸（Ａ）回りの揺動を許容し、 前記接続リンク（４）の第２の端部が後続する前記主リンク（２）の第２の端
   部と共に第２のヒンジ（８）を形成して、前記チェーンの長手方向および前記第
   １のヒンジ（８）の揺動軸（Ａ）に対して垂直な軸（Ｂ）回りの揺動を許容し、 かつ２つの前記軸（Ａ）（Ｂ）は前記チェーンの長手方向に見たときに２つの
   異なる平面内に配設されることを特徴とするコンベヤチェーン（１）。
2. 【請求項２】 前記接続リンク（４）は、その上側および下側表面が、少なくとも１つの隣接
   する前記主リンク（２）によってほぼ完全に覆われることを特徴とする、請求項
   １に記載のコンベヤーチェーン（１）。
3. 【請求項３】 接続リンク（４）は、前記第２のヒンジ（６）に隣接する主リンク（２）によ
   って、第１のヒンジ（８）の領域までその上側および／または下側表面が覆われ
   ることを特徴とする、請求項１または２に記載のコンベヤチェーン（１）。
4. 【請求項４】 全ての主リンク（２）および全ての接続リンク（４）が同様に形成されること
   を特徴とする、請求項１乃至３のいずれかに記載のコンベヤーチェーン（１）。
5. 【請求項５】 前記主リンク（２）は、チェーン車輪（１４）が噛み合う凹部（１６）をその
   下側表面に有することを特徴とする、請求項１乃至４のいずれか一項に記載のコ
   ンベヤーチェーン（１）。
6. 【請求項６】 前記主リンク（２）は、前記チェーンの長手方向に延びる側方の案内溝（３４
   ）を有することを特徴とする、請求項１乃至５のいずれか一項に記載のコンベヤ
   ーチェーン（１）。
7. 【請求項７】 前記一対のヒンジ（６、８）のうちの少なくとも一方は、いくつかの櫛形の突
   起を前記主リンク（２）上に有するとともに、前記主リンク（４）上の突起の中
   間隙間内に係合する櫛形の突起を前記接続リンク（４）上に有し、途切れのない
   ヒンジボルトが前記主リンク（２）および前記接続リンク（４）の突起を貫通し
   ていることを特徴とする、請求項１乃至６のいずれか一項に記載のコンベヤーチ
   ェーン（１）。
8. 【請求項８】 前記ヒンジボルト（３９、４１）はラッチ接続（４２、４４）によって前記ヒ
   ンジ（６、８）内に保持されることを特徴とする、請求項７に記載のコンベヤチ
   ェーン（１）。
9. 【請求項９】 前記ヒンジボルト（３９、４１）は、合成材料から製造されることを特徴とす
   る、請求項７または８に記載のコンベヤチェーン（１）。
10. 【請求項１０】 前記主リンク（２）および／または前記接続リンク（４）は、それぞれ単一部
    材として、好ましくは合成材料から製造されることを特徴とする、請求項１乃至
    ９のいずれか一項に記載のコンベヤチェーン（１）。