JP2002511878A - 抗酸化剤による過増殖状態の治療の増強 - Google Patents

抗酸化剤による過増殖状態の治療の増強

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Abstract

(57)【要約】 有効量の抗腫瘍性薬剤を、細胞毒性を上昇させる有効量の抗酸化剤と組合わせて異常細胞増殖を示す宿主に投与することを含む、抗腫瘍性薬剤の細胞障害活性を高める方法。本発明はまた、抗腫瘍性治療に先立って、あるいは治療と同時に、あるいは治療後に抗酸化剤を投与することを含む、異常増殖する細胞の充実性成長の治療のために投与される抗腫瘍性薬剤の毒性を低下させる、あるいは抗腫瘍性薬剤の治療指数を上昇させる方法も含む。

Description

【発明の詳細な説明】 抗酸化剤による過増殖状態の治療の増強 発明の分野 本発明は医薬化学の分野に関するものであり、特に過増殖状態のための治療を 抗酸化剤によって増強するための方法および組成物に関する。 発明の背景 乾癬から良性および悪性腫瘍にいたるまで、広い範囲の疾患が細胞の過剰増殖 に関わっている。これらの疾患は一般に、正常な細胞増殖、分化、あるいはプロ グラム細胞死(アポトーシス)のプロセスに対する制御の喪失によって引き起こ される。これらの疾患、特に腫瘍の基礎となる異常の多くは遺伝子レベルで起こ る。抗腫瘍性薬剤(細胞毒性薬としても知られる)がしばしば過増殖状態の治療 に使用される。抗腫瘍性薬剤による治療は数多くの悪性状態の治療で成功を収め ている;しかしほとんどの場合、進行した疾患の患者で症状を緩和し、延命する ために用いられる。過増殖状態の治療で使用される2つの群の薬剤は、代謝拮抗 物質とアルキル化剤である。代謝拮抗物質は、 葉酸、プリン、およびピリミジン誘導体に細別することができる。さらに、いく つかの天然産物あるいはそれらの誘導体が有糸***阻害剤として使用されてきた 。これらはピンカアルカロイド類およびポドフィロトキシンの誘導体を含む。研 究団体では、様々な発現形態をとりうる異常細胞増殖亢進についての遺伝的ベー スを理解し、これらの深刻な状態を成功裡に処置するための治療法を開発するべ く努力が続けられている。 約40年間にわたって、代謝拮抗物質である5−フルオロウラシル(5−FU )と、この塩基を含むヌクレオシド(たとえば5−フルオロ−2’−デオキシウ リジンあるいはFdUrd)が、ヒトにおける充実性腫瘍に対して有効な「標準 」薬剤の一部となってきた。5−フルオロウラシルは主として結腸直腸癌、卵巣 癌、腎臓癌、乳癌および頭部と頚部の癌の治療のために使用される。5−フルオ ロ−2’−デオキシウリジンは、進行した消化器腺癌の肝転移、腎細胞癌、進行 した卵巣癌、および頭部と頚部の扁平上皮癌を含めて、充実性腫瘍の治療に使用 される。フルオロピリミジンの臨床的有用性は、これらの化合物の投与によって 誘発される宿主毒性のために制限されている。フルオロピリミジンの宿主毒性の 症状発現としては、主として消 化器上皮の潰瘍、骨髄抑制、また頻度は低いが心臓毒性、肝毒性および神経毒性 が含まれる。 一部の癌患者群は5−フルオロウラシルや5−フルオロー2’−デオキシウリ ジンによる治療に対して不耐性である。5−フルオロウラシルに対する不耐性は 当初、5−フルオロウラシルの異化経路における最初の酵素、ジヒドロウラシル デヒドロケナーゼ(DHUDアーゼ、EC1.3.1.2)の欠損あるいは低活 性が原因とされた。しかし、必ずしもすべての不耐性患者がジヒドロウラシルデ ヒドロケナーゼ活性の低下を示すとは思われなかった。さらに、フルオロピリミ ジンで治療された癌が耐性になる、すなわちこれらの薬剤に対して耐性を発現す ることも示された。 結腸直腸癌(CRC)は、結腸細胞のクローン個体群における突然変異の蓄積 から生じる多段階のプロセスである。p53腫瘍抑圧遺伝子の突然変異は、比較 的後期ではあるが直腸結腸癌の病因に共通する事象であり、末期腺腫およひ癌の 80%を上回って起こる(Fearonら、FASEB J.6,2789(1 992);Srivastarvaら、Contemp.Oncol.Apri l 63(192);Klineら、 Cancer(Phila.73,28(1994))。細胞毒性化学療法やガ ンマ線照射のような進行した疾患のための従来の療法は、増殖細胞におけるDN A損傷を誘発する。この損傷は、未だ定義されていない機序を通して、p53を 誘導する信号を送り、今度はそれがG1細胞周期の停止によって、またある場合 にはアポトーシスによって、細胞増殖の抑制につながる。従って、機能性p53 を欠如する腫瘍はしばしばそのような治療に対して抵抗性であり(S.C.Ri ghettiら、Cancer Res.56,689(1996);J.S. Kovackら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.93, 1093(1996))、機能性p53に頼らない末期結腸直腸癌のための治療 を開発することの重要性が強調されている。 現在までのところ、進行した結腸直腸癌のための最も有効な単独化学療法剤は 5−FUである。5−FUの活性代謝産物、5−フルオロデオキシウリジン−5 ’−一リン酸(FdUMP)は、還元された葉酸塩の存在下でチミジル酸シンタ ーゼ(TS)と複合体を形成して、それによって酵素活性を抑制し、DNA合成 の前駆物質を枯渇させる。5−FUはまた、RNAに取り込まれてそのプロセシ ングと機能を変化させるが、これが細胞 毒性とどのように関係するかは不明である。これまでのデータは、5−FUはp 53依存経路と非依存経路の両方を利用できるが(Pritchardら、Ph armacol.Ther.72,149(1996))、p53機能の喪失は 5−FUの効果を著しく低下させる(B.Cohenら、Cancer(Phi la.)67,1859(1991);Advanced Cancer Me ta−Analysis Project,J.Clin.Oncol.10, 896(1992)ことを示唆している。 多くの過増殖状態の治療が成功を収めていないことを考慮すると、プログラム 細胞死(すなわちアポトーシス)を含めた正常な細胞機能の喪失を仲介する重要 な生物学的経路を同定し、これらの疾患の治療のための組成物と方法の両方を同 定することは有益であろう。 米国特許第5,035,878号および5,294,430号は、ジチオカル バメートが、抗腫瘍性薬剤による治療が引き起こす骨髄の造血機能損傷(骨髄抑 制)を逆転させうることを開示している。 それ故、良性および悪性腫瘍を含めた異常細胞増殖状態の治 療のための方法と組成物を提供することが本発明の目的である。 結腸癌の治療のための方法と組成物を提供することが本発明のもうひとつの目 的である。 充実性腫瘍の治療のための方法と組成物を提供することが本発明のさらなる目 的である。 広汎性腫瘍の治療のための方法と組成物を提供することが本発明のさらにもう ひとつの目的である。 発明の要旨 本文中で特定して開示するものを含めて、抗酸化剤が細胞周期の停止(G1、 G2、SおよびM型)を誘導し、その結果異常細胞増殖の治療のための抗腫瘍性 薬剤の効果を増強するのに有用であることが発見された。それ故ひとつの実施形 態では、本発明は、有効量の抗腫瘍性薬剤を、細胞毒性を上昇させる有効量の抗 酸化剤と組合せて異常細胞増殖を示す宿主に投与することを含む、抗腫瘍性薬剤 の細胞障害活性を高める方法である。 さらに、抗酸化剤は細胞周期の停止を誘導するだけでなく、さもなければ細胞 周期停止のプロセスを解除するであろう酵素を抑制することにより、細胞に停止 状態を維持させ、そしておそらくはアポトーシスを誘導することができることも 認められ た。 重要な点として、抗酸化剤は、異常増殖する細胞に対しての抗腫瘍性薬剤の細 胞毒性を高めるだけでなく、正常細胞に対する抗腫瘍性薬剤の毒性を低下させる ことも発見された。それ故、抗酸化剤は抗腫瘍性薬剤の有効性を高め、また毒性 を低下させる。正常細胞への緩和作用は上皮細胞において著明である。特に、以 前に米国特許第5,035,878号および5,294,430号においてBo rchが報告しているように、抗酸化剤は白血球以外の細胞にこの作用を及ぼす ことが認められた。 従って本発明は、抗腫瘍性治療に先立って、あるいは治療と同時に、あるいは 治療後に抗酸化剤を投与することを含む、異常増殖する細胞の充実性成長の治療 のために投与される抗腫瘍性薬剤の毒性を低下させる方法、ならびに抗腫瘍性治 療に先立って、あるいは治療と同時に、あるいは治療後に抗酸化剤を投与するこ とを含む、異常増殖する細胞の充実性成長の治療のために投与される抗腫瘍性薬 剤の治療指数を上昇させる方法を含む。 少なくとも一部の細胞系では、抗酸化剤は、NF_IL6、AGP/EBP、 LAP、IL−6DBP、rNF_IL6、 およびCRP2(5−11)としても知られるC/EBPβ(CCAAT/エン ハンサー結合蛋白(C/EBP)β)の翻訳後修飾に影響を及ぼすことによって 抗腫瘍性薬剤の細胞毒性を高めることが認められている。C/EBPβは様々な 群の核転写因子のメンバーであり、それらの因子は、ダイマーの形成に必要なロ イシンジッパーモチーフ、これらの因子間の相互作用を促進する基礎DNA結合 ドメイン、ならびに標的遺伝子のプロモーターおよび/またははエンハンサーの 調節領域を含む。C/EBPβはNF_TL6応答因子を通していくつかの急性 期蛋白遺伝子を活性化し、それが核標的を持つことを示唆している。C/EBP βはまた、アルブミン、c−fos、およびいくつかの脂肪細胞特異蛋白をコー ドする遺伝子の調節の役割を担うことが示されている。さらに、C/EBPβは 、インターロイキン−1(IL−1)とインターロイキン−8(IL−8)、顆 粒球マクロファージ/コロニー刺激因子、および免疫グロブリン遺伝子を含む炎 症性応答および免疫応答に関わる種々の遺伝子の活性化に関係づけられてきた。 すなわち、C/EBPβは種々様々なシグナル形質導入と細胞分化事象に関与す る多形質発現性トランスアクチベータである。 唯一ではないと考えられるひとつの経路において、抗酸化剤は次の事柄を含む 事象のカスケードを通して抗腫瘍性薬剤の細胞毒性を上昇させることが認められ た:(I)C/EBPβをリン酸化する酵素、蛋白キナーゼAの活性化を生じさ せ、リン酸化の際にC/EBPβがサイトゾルから細胞の核へと転移してp21 の誘発を仲介し、細胞増殖の停止を引き起こす、cAMPのレベルを上昇させる ;および(ii)蛋白ホスファターゼ2A(PP2A)の抑制を通して核の中の C/EBPβの脱リン酸化(そしてその結果として非活性化と非局在化)を防ぐ 。PP2A活性の抑制は、PP2Aを活性形態に維持することに関与するPP2 Aの触媒サブユニットをカルボキシメチル化する酵素、メチルトランスフェラー ゼの活性を低下させることによって生じる。メチルカルボキシル化の低下は、基 質としてのC/EBPβのPP2Aによる酵素的脱リン酸化の低下をもたらす。 C/EBPβのリン酸化の誘導とC/EBPβの脱リン酸化の抑制を同時に行な うことにより、抗酸化剤はC/EBPβを細胞の核において活性な状態に維持し 、その結果サイクリン依存性キナーゼ阻害剤、p21WAF1/CIP1の連続的発現と それに続く細胞周期停止を誘導する。 それ故より一般的には、本発明は、抗酸化剤を細胞の内部に投与する段階を含 む、細胞の核におけるC/EBPβ蛋白の局在を増大させるための方法を含む。 この方法はC/EBPβ蛋白を活性なリン酸化された状態に維持し、その結果細 胞増殖の停止とアポトーシスを誘導することが認められた。 ひとつの非制限的な例として、本発明は、抗酸化特性を示す化合物(たとえば ピロリジンジチオカルバメート(「PDTC」)およびビタミンE類似体、Tro loxR)がG1細胞周期の停止および/またははアポトーシスの誘導によってヒ ト結腸直腸癌細胞のDNA複製を低下させることを明らかにする。しかし、抗酸 化化合物は正常なヒト結腸細胞、ケラチノサイトあるいは***上皮細胞には作用 を及ぼさない(表1参照)。細胞周期の乱れは、野生型p53に比べて突然変異 型p53を発現する結腸直腸癌細胞においてより顕著である。細胞周期停止およ びアポトーシスの誘導は、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤、p21WAF1CIP1の 持続的誘導と相関した。5−FUと組み合わせた抗酸化剤による治療は、足場非 依存性の結腸直腸癌細胞増殖を有意に低下させた。さらに、抗酸化剤は単独で、 胸腺欠損マウスにおける樹立結腸直腸癌の腫瘍成長を有意に低下 させ、5−FUと抗酸化剤の組合せは腫瘍成長を停止させるか(TroloxR )あるいは腫瘍の後退を生じさせた(ピロリジンジチオカルバメート)。 エピトープタグC/EBPβ蛋白を構造的に発現するDKO−I細胞(ヒト結 腸直腸癌細胞系)を使用して、C/EBPβの翻訳後修飾(リン酸化)が、認め られたC/EBPβ活性土昇の役割を担うのかどうかをさらに検討した。in vivoで、[32P]正リン酸塩で標識したあと免疫沈降反応に供すると、蛋白 の量は変化しないままで、PDTCあるいはホルスコリン(3R−3α,4αβ ,5β,6β.6αα,10α,10αβ,10bα)−5−(アセチルオキシ )−3−エテニルドデカヒドロ−6,10,10b−トリヒドロキシ−3,4a ,7,7,10a−ペンタメチル−1H−ナフト[2,1−b]ピラン−1−オ ン)に応答してエピトープ標識C/EBPβのリン酸化が4〜6倍上昇すること が明らかになった。C/EBPβ内のin vitroでのリン酸化部位をマッ ピングする手段として、C/EBPβの欠失分析を実施した。160あるいは2 00のCOOH末端アミノ酸だけを含む端を切り取ったバージョンのC/EBP βはPDTCが誘導するリン酸化のための 基質に乏しかったが、305のCOOH末端アミノ酸を含む突然変異型C/EB Pβは完全な長さのC/EBPβと同じくらい効率的にPDTCによってリン酸 化された。236から305の間の主要アミノ酸配列を詳細に検討すると、この 領域がコンセンサス(共通)PKAリン酸化部位(Arg−X−Ser299−X )を含むことが明らかになった。 cAMP依存性蛋白キナーゼ媒介経路の活性化に続くC/EBPβのSer29 9 のリン酸化が、この蛋白の核転移と、その後の変化した細胞内レドックス状態 に応答した遺伝子のトランスアクチベーションに必須であると思われる。 核内のC/EBPβの非活性化は、蛋白ホスファターゼ2A(PP2A)によ るこの転写因子の脱リン酸化により起こる。この酵素は、メチルトランスフェラ ーゼによるPP2Aの触媒サブユニットのカルボキシメチル化によって活性化さ れる。さらなる実験で、蛋白ホスファターゼ2Aの触媒サブユニットのカルボキ シメチル化が例示的抗酸化剤としてのPDTCによって抑制されること、さらに メチルトランスフェラーゼの活性阻害によってカルボキシメチル化の喪失が生じ ることが確認された。これらの結果は、抗酸化剤が蛋白ホスファターゼ2Aを活 性形態に維持することに関わるメチルトランスフェラーゼを抑制することによっ て、蛋白ホスファターゼ2A(pp2A)による核内のC/EBPβの脱リン酸 化(従って非活性化)を防ぐという事実を裏付ける。メチルカルボキシル化の低 下は、基質としてのC/EBPβのPP2Aによる酵素的脱リン酸化の低下をも たらす。さらに、評価した抗酸化剤は蛋白ホスファターゼ1(PP1)にはほと んどあるいは全く作用を及ぼさないことが認められた。 図面の簡単な説明 本文中に示す図面は本発明の好ましい実施形態を例示するものであり、本発明 の範囲を限定するとはみなされない。 図1Aは、PDTCの濃度に対する軟寒天形成単位×106HCT15および HCT116細胞(対照の%として)のグラフである。グラフは、ピロリジンジ チオカルバメート(PDTC)とビタミンEがin vitroで足場非依存性 増殖を抑制することを示している。軟寒天コロニー形成は、培地だけ(対照)、 あるいはピロリジンジチオカルバメート(25〜200μM)またはビタミンE (0.1〜10mM)の漸増濃度を補足した軟寒天にHCT116あるいはHC T15細胞を接種すること によって測定した。37℃で10日間培養したあとコロニーを採点した。数値は 四度繰り返して実施した3回の実験を代表する。 図1Bは、抗酸化剤がCRC細胞においてG1細胞周期の停止とアポトーシス を誘導することを示す一連のフローサイトメトリー分析である。同調しないHC T116あるいはHCT15細胞をピロリジンジチオカルバメート(70μM) あるいはビタミンE(3mM)の存在下または不在下で増殖させる。抗酸化剤と の接触から24時間後に、細胞を分離し、フローサイトメトリー分析を実施した 。 図1Cは、試験化合物処置後の時間に対する細胞内H22レベルの棒グラフて ある。図1Cは、細胞内レドックスの状態と細胞周期の乱れの間での負の関連性 を示している。細胞内レドックス状態の変化は内因性H22レベルの測定によっ て調べた。各々の読み取り値からバックグラウンド蛍光を差し引いた。数値は、 104細胞あたりの補正DHR平均±s.e.m.として表している。フローサ イトメトリー分析によるG1(丸)あるいはアポトーシス(TUNEL−陽性; 四角)細胞のパーセンテージ。 図1Dは、N−アセチルシステイン、ビタミンCおよびカタラーゼの内因性H22レベルおよび細胞周期進行への影響を示す。HCT15細胞をピロリジンジ チオカルバメート(70μM)、ビタミンE(3mM)、N−アセチルシステイ ン(50μM)あるいはビタミンC(200μM)と共に24時間培養した。内 因性H22レベルと細胞周期の変化を図1Cで述べたように測定した。さらに、 空のプラスミドあるいはヒトカタラーゼについての発現プラスミドで細胞を一過 性的にトランスフェクションし、24時間後上記のようにアッセイした。空のプ ラスミドでトランスフェタションした細胞からの数値を、カタラーゼを含む細胞 から得た数値から差し引いて、2つの皿からの平均±s.e.m.として表した 。 図1Eは、ピロリジンジチオカルバメートとビタミンEがin vitroで 5−FUあるいはドキソルビシン誘導の増殖抑制を増強することを示す。HCT 116およびHCT15細胞を、ピロリジンジチオカルバメート(70μM)あ るいはビタミンE(3mM)の存在下または不在下で、漸増濃度の5−FU(5 ×10-8−5×10-5)あるいはドキソルビシン(1×10-9−1×10-6)の いずれかを含む上述したような軟寒 天に接種した。10日後にコロニーを採点し、1C50値を、基礎コロニー形成を 50%低下させるのに必要な5−FUあるいはドキソルビシン濃度(±s.e. m.)として計算した。数値は四度繰り返して実施した3回の実験を代表するも のである。 図2Aは、ピロリジンジチオカルバメートとビタミンEが野生型p53ヒトC RC腫瘍異種移植片における5−FUの効果を高めることを示すグラフと、腫瘍 を有するマウスの関連写真である。HCT116CRC細胞をnu/nuマウス の肩甲骨の間に皮下注射した。ひとたび腫瘍が約150mm3に達すれば、ピロ リジンジチオカルバメート(70μM)またはビタミンE(3mM)、5−FU (40mg/kg)または食塩水、あるいは抗酸化剤と5−FUの両方を動物に 毎週1回i.p.注射した。腫瘍容積を毎週計算した。写真は、処置の4週間後 に前記の処置が肉眼的腫瘍サイズに及ぼす影響を示している。 図2Bは、種々の試験物質による処置の実施週数に対する腫瘍容積(mm3) のグラフであり、突然変異型p53腫瘍に対する一次治療としておよびサルベー ジ処方としてのピロリジンジチオカルバメートと5−FUの高い効果を示してい る。上述したようにHCT15誘導の腫瘍を生じさせた。次に5−FUの 存在下または不在下で3週間、ピロリジンジチオカルバメートで動物を処置した 。この時点で、ピロリジンジチオカルバメートと5−FUの併用治療を受けてい た動物において2ヵ月間処置を中止した。他のすべての処置群は、残りの3週間 5−FUとピロリジンジチオカルバメートで処置した。 図3A〜3Cは、ピロリジンジチオカルバメートがp53をバイパスしてp2 1WAF1/CIP1の発現を誘導することを示している。 図3Aは、ピロリジンジチオカルバメート処置後に機能性(HCT116)お よび突然変異型(HCT15)p53を発現するヒトCRC細胞においてp21WAF1/CIP1 蛋白のレベルが上昇することを示している。CRC細胞を表示したよ うにピロリジンジチオカルバメート(70μM)で処置し、ウエスタンブロット 分析に供した。 図3Bは、ヒトCRC細胞でのピロリジンジチオカルバメートによるp21WA F1/CIP1 mRNAのp53非依存性誘導を示す。指数増殖させながら、非同期性 ヒトCRC細胞を70μMピロリジンジチオカルバメートと共に血清含有培地で 培養した。さらに、p53の分解を標的とするHPV16E6を含 むHCT116細胞を分析した。表示した時点で細胞を採集し、ポリ(A)+m RNA単離のために調製した。サンプル(3μg)を1%(w/v)ホルムアル デヒド/アガロースゲルで電気泳動し、ニトロセルロース膜に移した。32P標識 p21WAF1/CIP1プローブを用いて43℃でノーザンブロットハイブリダイゼー ションを実施した。IB15は等しい負荷と転移についての対照として示してい る。 図3Cは、抗酸化剤が誘導するアポトーシスがp21WAF1/CIP1の発現を必要 とすることを示している。機能性(p21+/+)あるいは欠失p21WAF1/CIP 1 のいずれかを含むHCT116細胞を、表示した濃度のピロリジンジチオカル バメートあるいはビタミンEで24時間処置し、TUNEL分析によってアポト ーシスを調べた。数値はTUNEL陽性細胞のパーセントで表されており、3回 の測定の平均±s.e.m.を示す。 図4Aは、ピロリジンジチオカルバメートがNF_IL6コンセンサス配列を 通してp21WAF1/CIP1の転写活性を誘導することを示す。2.4キロベース対 のp21WAF1/CIP1プロモーター配列と突然変異体をルシフェラーゼリポーター 遺伝子に融合した。TATAは転写開始部位(+1と定義する) から45bpに位置するp21WAF1/CIP1TATAボックスを表す。−2280 、−2198、−2078、−1838、−1428および1138は末端欠失 構築物に関する5’末端点を定義する。−2280△NF_IL6構築物は、N F_IL6部位に2塩基対の突然変異がある無傷プロモーターを含む。すベての リポーター構築物をHCT116あるいはHCT15細胞にトランスフェクショ ンし、24時間後に抗酸化剤誘導のルシフェラーゼ活性を相対光度単位(RLU )で測定した。ルシフェラーゼ活性をCAT活性に標準化し、結果を基線レベル に対する活性化の倍数として報告した。 図4Bは、ピロリジンジチオカルバメート処置がC/EBPβDNA結合活性 を誘導することを示す。左のパネル:HCT116とHCT15細胞を70μM ピロリジンジチオカルバメートで指定された時間処置し、核抽出物をγ−32P標 識p21−NF_IL6オリゴヌクレオチドと共に培養した。右のパネル:レー ン1〜3は、ピロリジンジチオカルバメートで12時間(レーン1)、過剰の標 識していない野生型オリゴヌクレオチド(レーン2)および突然変異型オリゴヌ クレオチド(レーン3)で処置したHCT116細胞から誘導した核抽出物に関 して競合制御を実施した。レーン4〜6は、C/EBPα(レーン4)、β(レ ーン5)、あるいはδ(レーン6)ポリクローナル抗体に関してスーパーシフト 分析を行った。 図4CおよびDは、C/EBPβがp21WAF1/CIP1プロモーター活性を刺激 しうることを示している。HCT116(図C)あるいはHCT15(図D)細 胞を、C/EBPα、βあるいはδcDNAと3μgのp21WAF1/CIP1−ルシ フェラーゼを含む指示された量のサイトメガロウイルス(CMV)発現プラスミ ドでトランスフェクションした。図4Aは対照プラスミドを含んだ。 図4Eは、C/EBPβが抗酸化剤誘導のアポトーシスに対する細胞の感受性 を調節することを示す。対照HCT15細胞およびセンスまたはアンチセンスC /EBPβ細胞系を、10μMムリステロンAおよび/またははピロリジンジチ オカルバメート(70μM)あるいはビタミンE(3mM)の存在下または不在 下で24時間増殖させた。200倍の倍率の光学顕微鏡下で採点したTUNEL 陽性細胞のパーセンテージによってアポトーシス指数を評価し、数値は3つのサ ンプルに関する平均±s.e.m.で表している。挿入図は、10μmムリステ ロンAの存在下あるいは不在下で増殖させた、2つのトランスフェクションした 細胞系におけるp21WAF1/CIP1蛋白レベルに関する代表的なウエスタンブロッ トを示す。 図4Fは、in vitroで高いC/EBPβ蛋白レベルが化学療法剤の細 胞毒性を増強することを示す。対照HCT細胞とセンスC/EBPβ細胞系を1 0μMムリステロンAで誘導し、5−FU(1.5μM)あるいはドキソルビシ ン(0.1μM)のいずれかに24時間暴露した。図4Cで述べたようにアポト ーシス指数を計算した。 図5aおよび5bは、HCT116およびHCT15細胞の増殖に対する試験 化合物の作用の測定として、食塩水、ビタミンE、PDTC、5−FU、および ビタミンEと5−FUの組合せで処置した胸腺欠損マウスから誘導した結腸直腸 細胞異種移植片からの、BrDU標識細胞の増殖(総細胞核のパーセント;Br DUはブロモデオキシウリジンをさす)の棒グラフである。 図6aおよび6bは、試験化合物のアポトーシスへの作用の測定として、食塩 水、ビタミンE、PDTC、5−FU、およびビタミンEと5−FUの組合せで 処置した胸腺欠損マウスか ら誘導した結腸直腸細胞異種移植片からのTUNEL陽性細胞(総細胞核のパー セント;TUNELはTdT媒介のdUTPニック末端標識をさす)の棒グラフ である。腫瘍組織を4%(v/v)パラホルムアルデヒド中で一晩固定し、標準 的な組織学的手順に従ってパラフィンに包埋した。切片を10mMクエン酸緩衝 液(pH6.0)で前処理し、BrDUに対するPC10モノクローナル抗体( Boehringer Mannheim)と共に培養した。断片化したDNA のTdT標識(TUNEL)を製造者の指示に従って実施した。増殖指数(総B rDU細胞核のパーセント)およびアポトーシス指数(TUNEL)を200倍 の倍率の顕微鏡下で採点した細胞のパーセンテージによって評価した。 図7A〜7Dは、PDTC処置が翻訳後修飾を通してC/EBPβDNA結合 活性を誘導することを示している。(A)DKO−1細胞を指定された時間70 μMのPDTCで処置し、核抽出物を[γ−32P]標識p21−NF_IL6オ リゴヌクレオチドで調製した(レーン1〜9)。特異性検定:レーン10〜12 は、PDTCで3時間(レーン5)、過剰の標識していない野生型オリゴヌクレ オチド(レーン11)および突然 変異型オリゴヌクレオチド(レーン12)で処置したDKO−1細胞から誘導し た核抽出物に関して競合制御を実施した。レーン13〜15は、C/EBPα( レーン13)、β(レーン14)、あるいはδ(レーン15)ポリクローナル抗 体に関してスーパーシフト分析を行った。(B)同様のDKO−1細胞培養物を PDTC(70μM)で指定された時間処置した。ポリ(A)を単離し、処置に 関連したC/EBPβmRNAレベルの変動をノーザンブロット分析によって評 価した。IB15は等しい負荷と転移についての対照として示されている。(C )同様のDKO−1培養物を[32P]正リン酸塩の存在下にPDTC(70μM )で処置した。PDTC処置の前(0の時点)あるいは処置後の指定された時間 に、細胞からの免疫沈降反応によってサイトゾルおよび核分画からのC/EBP βを精製した。処置に関連したC/EBPβの局在に関する変動をSDS−PA GEによって分析し、続いてオートラジオグラフィーあるいはウエスタンブロッ ト分析(100μgの総細胞蛋白/レーン)によって分析した。(D)DKO− 1細胞をPDTC(70μM)の存在下で1時間培養し、次にC/EBPβ蛋白 のコンパートメント化の処置に関連した差を検出するため、免疫細胞 化学用に調製した。すべての実験において、免疫前血清あるいはin vitr oで翻訳したC/EBPβ蛋白と共に予備培養しておいた一次抗C/EBPβ抗 血清で処置した同様の培養物は、二次Cy3共役抗体による処置後、蛍光シグナ ルを示さなかった。代表的な顕微鏡写貞は、PDTC処置前と処置後の抗C/E BPβ染色した細胞を示す。 図8A〜8Bは、内因性cAMPレベルとPKA活性へのPDTCの作用を示 している。DKO−1細胞を70μM PDTCで指定された時間処置した。細 胞溶解産物を調製し、(A)内因性cAMPレベルあるいは(B)PKA活性に 関して検定した。数値は蛋白μg当りの平均pmol±s.e.m.で表してお り、四度繰り返して実施した3回の実験を代表する。 図9A〜9Cは、PDTCがSer299でC/EBPβをリン酸化することを 示している。(A)0μM(レーン1)、70μM PDTC(レーン2)ある いは50μMホルスコリンのいずれかで処置した[32P]正リン酸塩標識DKO −1細胞(2mCi/ml.3時間)からの内因性C/EBPβを抗C/EBP β抗体で免疫沈降させた。標識蛋白をSDS−PAGE、次いでオートラジオグ ラフィーによって視覚化した。(B)in vivo標識したエピトープタグC/EBPβのトリプシンホスホペプチドマッ プ。PDTC処置したあるいは処置していないDKO−1細胞からFLAGエピ トープに対する抗体で免疫沈降させた野生型(WT)および突然変異型(Ala299 )C/EBPβをトリプシンで消化し、ホスホペプチドを電気泳動と薄層ク ロマトグラフィーによって分離して、オートラジオグラフィーで視覚化し、X1, 2 を構造的にリン酸化した。野生型蛋白でトランスフェクションした細胞では、 PDTC処置後ホスホペプチドX3が増加したが、突然変異型蛋白でトランスフ ェクションした細胞では増加しなかった。丸は起点を示す。(C)PDTCで処 置していない細胞と処置した細胞からのC/EBPβの野生型とAla置換突然 変異型のin vivoでのリン酸化の比較。オートラジオグラフィー(上)と C/EBPβ免疫ブロット(下)が示されている。 図10A〜10Bは、C/EBPβのPKAリン酸化が核の転移に必要である ことを示している。(A)同様のDKO−1細胞培養物をPDTC(0または7 0μM)で処置した。ポリ(A)+mRNAおよび蛋白を各群から単離し、C/ EBPβmRNAおよび蛋白レベルの処置に関連した変動をノーザンまたはウエ スタンブロット分析によって評価した。IB15は等しい負荷と転移についての 対照として示している。(B)DKO−1細胞をPDTC(0または70μM) あるいはPDTCとmPKI(ミリスチル化蛋白キナーゼA阻害剤;1μM)で 3時間処置した。細胞をパラホルムアルデヒドで固定し、C/EBPβ蛋白を免 疫蛍光染色によって視覚化した。mPK1単独による細胞の処置はC/EBPβ の核転移を誘発することができなかった(データは示していない)。 図11は、蛋白ホスファターゼ2Aの触媒サブユニットのカルボキシメチル化 がPDTCによって阻害されることを示す。DKO−1細胞を、[メチル−3H ]S−アデノシルメチオニンおよび/またはは70μM PDTCを含む血清含 有培地で3時間培養した。サイトゾルあるいは核分画を調製し、標準的な方法を 用いてC/EBPβを免疫沈降させた。抗体/抗原複合体をSDS−PAGEに よって分割し、フルオログラフィーによってPP2Acの存在を検出した。PD TCは、核分画中、およびそれよりは低い度合いでサイトゾル分画中のPP2A サブユニットのカルボキシメチル化を抑制した。 図12は、PDTCがPP2Acのメチルトランスフェラー ゼ活性化を抑制することを示す。PP2A(aおよびcダイマー)を、[メチル −3H]S−アデノシルメチオニン、漸増濃度のPDTCおよび部分精製したラ ットメチルトランスフェラーゼの存在下に37℃で30分間培養した。SDSサ ンプル緩衝液を加えて反応を停止した。サンプルをSDS−PAGEによって分 割し、メチル化PP2A触媒サブユニットの存在をフルオログラフィーによって 視覚化した。表示したように、PDTCは、メチルトランスフェラーゼがPP2 Aの触媒サフユニットを用量依存的にカルボキシメチル化する能力を選択的に抑 制する。 図13は、経過時間(時)に対しての蛋白基質上に残存する放射能パーセント のグラフである。図は、PDTCがPP2A活性は抑制するが、PP1活性は抑 制しないことを示している。PDTCの活性を12(選択的PP1阻害剤)、オ カダイン酸(okadaic acid)(PP2AとPP1の両方の阻害剤) 、12とPDTC、ならびにオカダイン酸とPDTCと比較している。DKO− 1細胞をPDTCの存在下(試験)あるいは不在下(対照)で増殖させた。細胞 を溶解し、その後放射性リン酸化C/EBPβを加えた。次に試験化合物を加え て、 溶解産物と共に培養した。蛋白を採集し、蛋白中に残る放射性リン酸の量を測定 した。 図14は、転写因子C/EBPβがPP2Ac蛋白ホスファターゼと複合する ことを示している。ラット脳の可溶性抽出物をフェニルセファロースによって分 別し、内因性PP2Aヘテロダイマー(a−c複合体)を用いてメチルトランス フェラーゼ活性に関して分析した。メチルトランスフェラーゼ活性のピークをさ らに、強力な陰イオン交換樹脂であるSource Qおよびゲル濾過クロマト グラフィーによって分別した。図14に例示した部分精製メチルトランスフェラ ーゼは、ゲル濾過カラムからのピークメチルトランスフェラーゼ活性を表す。さ らにメチルトランスフェラーゼ活性のこのピーク分画を弱い陰イオン交換樹脂で あるDEAE、および異なる強力な陰イオン交換樹脂、MonoQのカラムに供 する。C/EBPβとPP2Aの両方がこれらの付加的な段階後に検出可能であ る。ラット脳抽出物を陽性対照として示す(C/EBPβとPP2AcはSDS −PAGEで約45および36kDa移動する)。 発明の詳細な説明 抗酸化剤は、p21プロモーター中の特異部位に結合してp53 に依存しないp21の発現を誘導する転写因子、C/EBPβの活性化が仲介す る機序を通して、異常増殖細胞における細胞周期の停止とアポトーシスを誘導す ることが発見された。また、抗酸化剤治療後の蛋白キナーゼAによるC/EBP βのSer299における部位選択的リン酸化が、観察されるこの蛋白の核転移に 必須であることも発見された。 同時に、抗酸化剤はPP2Aの抑制を通して核におけるC/EBPβの脱リン 酸化(従って非活性化および非局在化)を防ぐことも認められた。PP2A活性 の抑制は、PP2Aを活性形態に維持することに関与するPP2Aの触媒サブユ ニットをカルボキシメチル化する酵素、メチルトランスフェラーゼの活性を低下 させることによって生じる。メチルカルボキシル化の低下は、基質としてのC/ EBPβのPP2Aによる酵素的脱リン酸化の低下をもたらす。C/EBPβの リン酸化の誘導とC/EBPβの脱リン酸化の抑制を同時に行うことにより、抗 酸化剤はC/EBPβを細胞の核において活性な状態に維持し、その結果p21WAF1/CIP1 の連続的発現とそれに続く細胞周期停止を誘導する。 in vivoおよびin vitroでのPP2Aサブユ ニットのカルボキシメチル化の役割を担うメチルトランスフェラーゼは、ユニー クなタイプのカルボキシルメチルトランスフェラーゼである。哺乳類のII型お よびIII型カルボキシルメチルトランスフェラーゼは、PP2Acサブユニッ トをカルボキシメチル化する酵素とは実質的に異なる特性を持つと思われる。蛋 白カルボキシルメチルトランスフェラーゼII型は、加齢と共に蛋白中に蓄積す るD−アスパルチルおよびL−イソアスパルチル残基を修飾し、それ故、これら のアミノ酸を含む異なる蛋白をメチル化する。カルボキシルメチルトランスフェ ラーゼIII型は、蛋白(G蛋白)のカルボキシル末端に先行するシステインで 蛋白を修飾し、システインのイソプレニル化および最後の3個のカルボキシル末 端残基の蛋白分解を必要とする。このカルボキシルメチルトランスフェラーゼの 活性は、in vitroでの結腸直腸癌細胞系DKO−1の抗酸化剤処置によ って変化しない。それ故、in vitroデータは、抗酸化剤がG蛋白ではな くPP2Acのメチル化の役割を担うメチルトランスフェラーゼを選択的に抑制 することを示唆している。 C/EBPβ、PP2Aおよびメチルトランスフェラーゼか ら成るより高次の新規蛋白複合体も同定された。それ故、本発明のもうひとつの 実施形態は、たとえば少なくとも70%、好ましくは80または90%の純度で 単離された形態のこの新規複合体である。この酵素を単離するための方法は実施 例27で述べる。 I.発明の実施形態 本文中で述べる基本的発見に基づき、抗酸化剤を細胞の内部に投与する段階を 含む、細胞の核中のC/EBPβ蛋白の局在を増加させるための方法を示す。こ の方法はC/EBPβ蛋白を活性なリン酸化状態に維持し、その結果細胞増殖の 停止とアポトーシスを誘導することが発見された。 ひとつの実施形態では、本発明は、有効量の抗腫瘍性薬剤を、細胞毒性を上昇 させる有効量の抗酸化剤と組合せて治療を必要とする宿主に投与することを含む 、抗腫瘍性薬剤の細胞障害活性を高める方法である。抗酸化剤は、本文中で特定 して開示されるものを含めて、細胞周期の停止(G1、G2、SおよびM型)を 誘導し、従って異常細胞増殖に関連する疾患の治療のための抗腫瘍性薬剤の効果 を増強するために有用であることが発見された。この方法はC/EBPβ蛋白を 活性なリン酸化状態 に維持し、その結果細胞増殖の停止とアポトーシスを誘導することが発見された 。代替実施形態では、宿主、たとえば治療を必要とする個人あるいは動物におい てC/EBPβ蛋白のリン酸化状態を上昇させることを含み、そのような個人あ るいは動物に薬理的に有効な用量の化学療法剤と組み合わせてあるいは化学療法 剤と交互に、細胞毒性を高める用量の抗酸化剤を投与する段階を含む、異常細胞 過増殖疾患に対しての抗腫瘍性薬剤あるいは化学療法剤の細胞毒性を上昇させる 方法を示す。 もうひとつの実施形態では、本発明は、腫瘍性状態のある宿主に治療上有効な 用量の細胞毒性化学療法と抗酸化剤を投与する段階を含み、細胞毒性化学療法が 癌化学療法剤および放射線療法から成る群から選択される、当該宿主を治療する 方法を対象とする。代表的な癌化学療法剤と抗酸化剤を以下に列挙する。粒子あ るいは電磁の電離放射線を含めて、異常細胞増殖状態を改善するいかなる放射線 療法もこの方法における使用に適する。広い範囲の腫瘍性状態のための放射線療 法の適当且つ有効な線量が周知である。ひとつの非制限的実施形態では、放射線 療法は、適切な時間枠、たとえば6週間まで、約3,000センチグレイから約 5,000センチグレイの線量で照射されるガン マ線である。 本発明はまた、そのような治療を必要とする個体に薬理的に有効な用量の抗酸 化剤、あるいは抗酸化剤と抗腫痛性薬剤の組合せを投与する段階を含む、当該個 体において細胞増殖を停止し、アポトーシスを誘発する手段としてのp21蛋白 の発現を増大させる方法を対象とする。 本発明はさらに、そのような治療を必要とする個体に薬理的に有効な用量の抗 酸化剤、あるいは抗酸化剤と抗腫瘍性薬剤の組合せを投与する段階を含む、当該 個体において細胞周期の停止(G1、G2、SあるいはM)とアポトーシスを調節 する方法を対象とする。 もうひとつの実施形態では、治療効果は、本文中で詳細に述べる作用を達成す るための有効用量のC/EBPβ、あるいはC/EBPβと実質的な相同性を持 つ蛋白を投与することによって達成されうる。当該蛋白あるいは蛋白類似体は、 単独であるいは抗腫瘍性療法の補助として投与することができる。C/EBPβ と実質的な相同性を持つ蛋白は、本文中では−X1−Arg−X2−Ser−X 3の形態のペプチド配列から成るものあるいはかかる配列を含むものと定義され 、X2は298位 のC/EBPβアミノ酸であり、X1とX3はC/EBPβの配列と実質的な相 同性を持つ隣接ペプチド配列である。実質的な相同性という用語は、親配列と実 質的に同じ機能を達成し、少なくとも60%、より好ましくは75%、最も好ま しくは90%または95%またはそれ以上の配列同一性を持つ蛋白あるいはペプ チド配列を指す。蛋白の有効な送達のための方法は既知であり、この療法の効果 を高めるためにこの実施形態と組み合わせて用いることができる。 もうひとつの実施形態では、脱リン酸化に対して抵抗性である安定化されたリ ン酸結合を持つ、合成Ser299リン酸化C/EBPβ類似体を投与することが できる。そのような安定化されたリン酸塩は、ホスホロアミデートおよびホスホ ネート類似体を含むが、これらに限定されない。 本発明はまた、細胞の内部に蛋白ホスファターゼ抑制量の抗酸化剤を投与する ことを含む、細胞において蛋白ホスファターゼ2A(PP2A)を抑制する方法 を提供する。本発明のこの態様の代替実施形態では、細胞をメチルトランスフェ ラーゼあるいはメチルエステラーゼ抑制量の抗酸化剤に接触させることを含む、 PP2Aの触媒サブユニットのカルボキシメチル化状 態を低下させる方法を提供する。 唯一ではないと考えられるひとつの経路において、抗酸化剤は次の事柄を含む 事象のカスケードを通して抗腫瘍性薬剤の細胞毒性を上昇させることが発見され た:(i)C/EBPβをリン酸化する酵素、蛋白キナーゼAの活性化を生じさ せ、次にそれがりン酸化の際にサイトゾルから細胞の核へと転座してp21の誘 発を仲介し、細胞増殖の停止を引き起こす、cAMPのレベルを上昇させる;お よび(ii)PP2Aの抑制を通して核の中のC/EBPβの脱リン酸化(そし てその結果として非活性化と非局在化)を防ぐ。PP2A活性の抑制は、PP2 Aを活性形態に維持することに関与するPP2Aの触媒サブユニットをカルボキ シメチル化する酵素、メチルトランスフェラーゼの活性を低下させることによっ て生じる。メチルカルボキシル化の低下は、基質としてのC/EBPβのPP2 Aによる酵素的脱リン酸化の低下をもたらす。C/EBPβのリン酸化の誘導と C/EBPβの脱リン酸化の抑制を同時に行うことにより、抗酸化剤はC/EB Pβを細胞の核において活性な状態に維持し、その結果p21WAF1/CIP1の連続 的発現とそれに続く細胞周期の停止を誘導する。 この発見に基づき、化合物の細胞の核におけるC/EBPβ蛋白の局在を増大 させる能力を評価することを含む、異常細胞増殖の治療のために治療上有効な化 合物を同定する方法を提供する。代替実施形態では、化合物のC/EBPβのS er299におけるリン酸化を増大させる能力を評価することを含む、異常細胞増 殖の治療のために治療上有効な化合物を同定する方法を提供する。この方法は、 選択した細胞系を試験化合物と共にあらかじめ定められた時間(たとえば3時間 )37℃で培養し、次に核分画からC/EBPβを免疫沈降させることを含む。 その後トリプシン消化と薄層クロマトグラフィーを実施してC/EBPβのリン 酸化を確認する。 本文中で詳述する発見に基づき、本発明が次の態様をさらに含むがそれらに限 定されないことは当業者には明白であろう。 (i)化合物のSer299におけるC/EBPβのリン酸化状態を変化させ る能力を評価することによって治療上有効な化合物を同定する方法。この方法で は、試験化合物を、少なくともリン酸化されたC/EBPβ、aおよびCサブユ ニットを包含するダイマー形態の蛋白ホスファターゼ2A、メチルトランスフェ ラーゼおよび[メチル−3H]S−アデノシルメチオニン を含む溶液に加える。 (ii)(1)に述べる方法あるいは当業者に既知または明白なもうひとつ別 のプロトコールを用いて、化合物が蛋白ホスファターゼ2a活性を抑制する能力 を評価することによって、治療上有効な化合物を同定する方法。 (iii)化合物が蛋白ホスファターゼ2aのカルボキシメチル化状態を変化 させる能力を評価することによって、治療上有効な化合物を同定する方法。 (iv)化合物がメチルトランスフェラーゼの活性を変化させる能力を評価す ることによって、治療上有効な化合物を同定する方法。 (v)X2が298位のC/EBPβアミノ酸であり、X1とX3がC/EB Pβと実質的な相同性を持つ隣接ペプチド配列を表す、−X1−Arg−X2− Ser−X3の形態のペプチド配列。 (vi)そのような治療を必要とする個人あるいは動物に、C/EBPβの核 滞留時間および官能性を高める薬理的に有効な用量の抗酸化剤を投与する段階を 含む、当該個人あるいは動物において、cAMP依存性蛋白キナーゼ、蛋白キナ ーゼC、 ラス依存性MAPキナーゼおよびカルシウム−カルモジュリン依存性キナーゼを 含むがこれらに限定されないメディエイタによって誘導される、C/EPBβの リン酸化状態と機能性を増大させる方法。 (vii)そのような治療を必要とする個人あるいは動物に薬理的に有効な用 量の抗酸化剤を投与する段階を含む、当該個人あるいは動物においてcAMP依 存性蛋白キナーゼ、蛋白キナーゼC、ラス依存性MAPキナーゼおよびカルシウ ム−カルモジュリン依存性キナーゼを含むがこれらに限定されないメディエイタ によって誘導される、C/EPBβのリン酸化状態と官能性を増大させる方法。 (viii)腫瘍性状態を発現するまたは呈する危険性のある宿主、たとえば 個人あるいは動物に薬理的に有効な用量の抗酸化剤を投与する段階を含む、宿主 、例えば当該個人あるいは動物の治療のための方法。 (ix)C/EBPβ発現の核局在および官能性を高めることを含む、腫瘍性 状態を発現する危険性のある個人あるいは動物の治療のための方法。 (x)C/EBPβの核滞留時間を上昇させることを包含す る、個人あるいは動物に薬理的に有効な用量の治療薬を投与する段階を含み、当 該治療薬が抗酸化剤単独あるいは抗酸化剤と抗腫瘍性薬剤の組合せである、良性 および悪性腫瘍を含むがこれらに限定されない異常細胞増殖疾患を有する個体の 治療のための方法。 (xi)C/EBPβの活性化、C/EBPβのリン酸化と核滞留時間、PP 2Aの触媒サブユニットのカルボキシメチル化のPP2A抑制、およびメチルト ランスフェラーゼまたはメチルエステラーゼ活性の抑制を単独であるいはそれら を組合せて測定することを通して、腫瘍性および細胞増殖性疾患を有する個体を 診断し、治療応答を評価するための方法。 II.抗酸化剤 本明細書で使用する時、抗酸化剤という用語は、生理的条件下で酸化性である 化合物の酸化を妨げる物質を指す。ひとつの実施形態では、化合物がin vi troで内因性酸素基を還元する場合に、この開示の目的のための抗酸化剤とみ なされる。抗酸化剤を酸素付加条件下で細胞抽出物に加えて、酸化性化合物への 作用を評価することができる。非制限的な例として、抗酸化剤は酸素、スーパー オキシドアニオン、過酸化水素、スー パーオキシド基、リポオキシド基、ヒドロキシル基を補足してあるいは反応性金 属に結合して、脂質、蛋白、核酸等への酸化損傷を防ぐ。抗酸化剤という用語は 、次の分類の化合物を含むがこれらに限定されない。 A)ジチオカルバメート ジチオカルバメートは特許および学術文献において広汎に記述されてきた。ジ チオカルバメートおよび関連化合物は広汎に、たとえば「ジチオカルバメートと 関連化合物」と題するG.D.Thornら、Elsevier,New Yo rk,1962によって検討されている。米国特許第5,035,878号およ び5,294,430号は、ジチオカルバメートが抗腫瘍性薬剤での治療によっ て引き起こされる骨髄の造血機能への損傷(骨髄抑制)を逆転させうることを開 示している。C/EBPβの核局在を上昇させる、これら2つの特許に開示され た製薬上許容されるジチオカルバメートのすべてが本発明における使用に適して おり、参照して本文中に組み込まれる。活性化合物 ジチオカルバメートは、重金属中毒のために臨床的に使用される遷移金属キレ ート化剤である。Baselt,R.C., F.W.J.Sundermanら(1977)、「ラットにおけるニッケルカ ルボニルの急性毒性に対するジエチルジチオカルバメート、D−ペニシラミンお よびトリエチレンテトラミンの解毒効果の比較。」Res Commun Ch emPathol Pharmacol 18(4):677−88;Menn e,T.とK.Kaaber(1978)、「キレート化剤によるニッケルアレ ルギーを原因とする汗疱の治療。」Contact Dermatitis 4 (5):289−90;Sunderman,F.W.(1978)、「水銀中 毒における治療薬剤への臨床応答」Ann Clin Lab Sci 8(4 ):259−69;Sunderman,F.W.(1979)、「急性ニッケ ルカルボニル中毒におけるジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム(ジチオカー ブ)の効果。」Ann Clin Lab Sci 9(1):1−10;Ga le,G.R.,A.B.Smithら(1981)、「急性カドミウム中毒の 治療におけるジエチルジチオカルバメート。」Ann Clin Lab Sc i 11 (6):476−83;Jones,M.M.とM.G.Cheri an(1990)、「慢性カドミウム中毒のためのキレート拮抗物 質の検索。」Toxicology 62(1):1−25;Jones,S. G.,M.A.Basingerら(1982)、「急性カドミウム中毒のため の解毒薬としてのジエチルジチオカルバメートとEDTAの比較。」Res C ommun Chem Pathol Pharmacol 38(2):27 1−8;Pages,A.,J.S.Casasら(1985)、「重金属中毒 におけるジチオカルバメート:N,N−ジ(1−ヒドロキシエチル)ジチオカル バメートとZn(II)、Cd(II)、Hg(II)、CH3Hg(II)、 およびC65Hg(II)の複合体。」J.Inorg Biochem 25 (1):35−42;Tandon,S.K.,N.S.Hashmiら(19 90)、「置換ジチオカルバメートの鉛キレート化作用。」Biomed En viron Sci 3(3):299−305。 ジチオカルバメートはまた、腎毒性を防ぐためのシスプラチナ化学療法におい て補助的に使用されてきた。Hacker,M.P.,W.B.Ershler ら(1982)、「マウスにおけるシクロホスファミドの膀胱毒性と抗腫瘍活性 へのジスルフィラム(二硫化テトラエチルチウラム)およびジエチルジ チオカルバメートの影響。」Cancer Res 42(11):4490− 4,Bodenner,1986#733;Saran,M.とBors,W. (1990)、「in vivoでのラジカル反応−−総説。」Radiat. Environ.Biophys.29(4)249−62。 現在アルコール乱用の治療に使用されているジチオカルバメートは、ジエチル ジチオカルバメートのダイマーであるジスルフィラムである。ジスルフィラムは 肝のアルデヒドデヒドロゲナーゼを抑制する。Inoue,K.とFukuna gaら(1982)。「ヒト赤血球のアルデヒドデヒドロケナーゼへのジスルフ ィムおよびその還元代謝産物、ジエチルジチオカルバメートの作用。」Life Sci 30(5):419−24。 ジチオカルバメートはHIVウイルスの複製を阻害し、同時に特異的T細胞サ ブポピュレーションの突然変異を促進することが報告された。このことから、A IDS患者群におけるジエチルジチオカルバメートの臨床試験が実施された。R eisinger,E.ら(1990)。「ジチオカーブによるHIV進行の抑 制。」Lancet 335:679。 ジチオカルボキシレートは、チオール抗酸化剤として知られる化合物の一般分 類のメンバーであり、またカルボジチオールあるいはカルボジチオレートとも称 される、A−SC(S)−B構造の化合物である。SC(S)一部分が治療活性 にとって必須であり、AとBは化合物の効果あるいは毒性に有害な影響を及ぼさ ないどのような基でもよいと思われる。 代替実施形態では、ジチオカルバメート中の硫黄原子の1個または両方がセレ ン原子で置換されている。硫黄をセレンで置換すると、ある場合には分子の毒性 が低下し、従って患者により良好に耐容されると考えられる。 AとBは、大きさ、電荷、毒性、および安定性の度合(胃などの酸性環境、あ るいは腸管などの塩基性環境における安定性を含めて)を含めて、化合物に所望 する特性を与えるように当該技術のひとつによって選択できる。AとBの選択は 化合物の組織分布および薬物動態にも市要な影響を持つであろう。化合物は好ま しくは腎***によって排出される。 製薬学的にジチオカルボキシレートを投与することの利点は、in vivo でチオエステラーゼによって酵素分解されないと思われること、従ってin v ivoで長い半減期を示すと 考えられることである。 好ましい実施形態では、Aは水素あるいは次のものを含むがそれらに限定され ない製薬うえ許容されるカチオン:ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネ シウム、アルミニウム、亜鉛、ビスマス、バリウム、銅、コバルト、ニッケル、 あるいはカドミウム;代表的にはカルボン酸であり、酢酸、シュウ酸、酒石酸、 コハク酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、安息香酸、タンニン酸、パモン酸、アル ギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、 あるいはポリガラクツロン酸を含むがこれらに限定されない塩形成有機酸;ある いは、窒素ヘテロ環あるいは式NR4567の一部、ただしR4、R5、R6お よびR7は独立に水素、C1-6の線形、分枝または(C4-6の場合には)環状アル キル、ヒドロキシ(C1-6)アルキル(ただし1またはそれ以土のヒドロキシル 基がいずれかの炭素原子上に位置する)、またはアリールである、N,N−ジベ ンジルエチレン−ジアミン、D−グルコサミン、コリン、テトラエチルアンモニ ウム、あるいはエチレンジアミンを含むがこれらに限定されないアンモニアまた は他の窒素塩基から形成されるカチオン。 もうひとつの実施形態では、Aは、結合している分子からin vivoで開 裂されうる生理的に開裂可能な脱離基であり、アシル(アセチル、プロピオニル およびブチリルを含めて)、アルキル、リン酸塩、硫酸塩あるいはスルホン酸塩 を含むがこれらに限定されない。 ひとつの実施形態では、Bは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリ ール、アラルキル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール 、アルカリール、水素、C1-6アルコキシ−C1-10アルキル、C1-6アルキルチオ −C1-10アルキル、NR23、−(CHOH)nCH2OH、ただしnは01、2 、3、4、5または6である、アルキルアセチル、アルキルプロピオニルおよび アルキルブチリルを含めた−(CH2nCO21、あるいはヒドロキシ(C1-6 )アルキル−(ただし1またはそれ以上のヒドロキシル基がいずれかの炭素原子 上に位置する)。 もうひとつの実施形態では、BはNR23であり、ただしR2とR3は独立にア ルキル;−(CHOH)n(CH2nOH、ただしnは0、1、2、3、4、5 または6である;−(CH2nCO21、−(CH2nCO24;ヒドロキシ( C1-6)ア ルキル−;アルケニル(ビニル、アリルおよびCH3CH=CH−CH2−CH2 を含むがこれらに限定されない);アルキル(CO2H)、アルケニル(CO2H )、アルキニル(CO2H)、あるいはアリール、ただしアリール基は上述した ように、特にたとえばNO2、CH3、t−ブチル、CO2H、ハロまたはp−O H基で置換されていてもよい;あるいはR2とR3が一緒になって−(CH2m− のようなブリッジを構成していてもよい、ただしmは3、4、5、6、7、8、 9または10であり、R4は、アセチル、プロピオニルおよびブチリルを含めた アルキル、アリール、アルカリールまたはアラルキルである。 さらにもうひとつの実施形態では、Bはヘテロ環式あるいはアルキルヘテロ環 式基でありうる。ヘテロ環は、任意に一部あるいは全部が水素添加されていても よい。非制限的な例は、フェナジン、フェノチアジン、ピリジンおよびジヒドロ ピリジンを含めて、上に列挙したものである。 さらにもうひとつの実施形態では、Bは製薬上活性な化合物あるいは薬剤の残 基である。本明細書で使用する時、薬剤という用語は、疾患あるいは障害の治療 、治癒、あるいは予防のための医薬品として内的あるいは外的に使用される物質 を指す。 −C(S)SA基は直接薬剤に結合するか、あるいは適当なリンク部分を通して 薬剤に結合することができる。 もうひとつの実施形態では、ジチオカルバメートはAO2C−R9−NR10−C (S)SA構造のアミノ酸誘導体であり、ただしR9はリンク部分である二価の B部分、あるいは天然のアミノ酸の内部残基(たとえばアラニンについてのCH3 CH、グリシンについてのCH2、リシンについてのCH(CH24NH2)で あり、R10は水素または低級アルキルである。 Bはまた、1またはそれ以上のジチオカルバメート基が直接あるいは適当なリ ンク部分を通して結合しているポリマーでもよい。ジチオカルバメートは好まし くは、in vivo条件下で治療的な恩恵を与えるために適当な期間にわたっ てポリマーから放出される。好ましい実施形態では、ポリマー自体もin vi voで分解性である。生分解性あるいは生受食性という用語は、本明細書で使用 する時、25〜37℃の温度のpH6〜8の生理溶液に接触すると所望する適用 (通常はin vivo治療)において許容される期間内に、通常は5年未満、 好ましくは1年未満に溶解あるいは分解するポリマーを指す。好ましい実施形態 では、ポリマーは適用に応じて1時間から数週間の 期間内に分解する。 数多くの分解性ポリマーが既知である。非制限的な例は、リシン、アルギニン 、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、グルタミン酸、グル タミン、ヒドロキシリシン、セリン、トレオニン、およびチロシンのポリマーお よびコポリマー;ポリ(a−ヒドロキシ酸)、たとえばポリ乳酸、ポリグリコー ル酸、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ無水物、アルブミンまたはコラ ーゲンを含むポリオルトエステル、ラクトースのような糖単位を含む多糖類、お よびポリカプロラクトンを含むがこれらに限定されない、ペプチド、蛋白、核蛋 白、リポ蛋白、糖蛋白、合成および天然ポリペプチドならびにポリアミノ酸であ る。ポリマーはランダムあるいはブロックコポリマーでもよい。 Bはまた、ジチオカルバメートの水溶解度を高める基、たとえば−低級アルキ ル−O−R8、ただしR8は−PO2(OH)-+またはPO3(M+2であり、M+ は製薬上許容されるカチオンである;−C(O)(CH22CO2 -+あるいは −SO3 -+;−低級アルキルカルボニル−低級アルキル;−カルボキシ低級ア ルキル;−低級アルキルアミノ−低級アルキル;N,N−ジ 置換アミノ低級アルキル−、ただし置換基はそれそれ独立に低級アルキルである ;ピリジル−低級アルキル−;イミダゾリル−低級アルキル−;イミタゾリル− Y−低級アルキル、ただしYはチオまたはアミノである;モルホリニル−低級ア ルキル;ピロリジニル−低級アルキル;チアゾリニル−低級アルキル−;ピペリ ジニル−低級アルキル;モルホリニル−低級ヒドロキシアルキル;N−ピリル; ピペラジニル−低級アルキル;N置換ピペラジニル−低級アルキル、ただし置換 基は低級アルキルである;トリアゾリル−低級アルキル;テトラゾリル−低級ア ルキル;テトラゾリルアミノ−低級アルキル;あるいはチアゾリル−級アルキル であってもよい。 代替実施形態では、B−C(S)S−SC(S)−Bのようなダイマーを投与 することもできる。 本明細書で使用する時、「アルキル」という用語は、特に記載がないかぎり、 C1−C10の飽和直鎖、分枝あるいは環状(C5またはそれ以上の場合)炭化水素 (あるいは低級アルキル、すなわちC1−C5)を指し、特にメチル、エチル、プ ロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、シクロペ ンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソ ヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、3−メチルペンチル、2, 2−ジメチルブチル、および2,3−ジメチルブチルを含む。アルキル基は任意 にいずれかの炭素上で、ヒドロキシル、アミノ、あるいはモノまたはジ置換アミ ノから成る群から選択される1またはそれ以上の部分で置換されていてもよく、 ただし置換基は独立にアルキル、アリール、アルカリールあるいはアラルキル; アリール、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、硫酸塩 、ホスホン酸、リン酸塩、あるいはホスホン酸塩であり、これらは、当業者には 既知であるように、たとえばGreeneら、「有機合成における保護基、」J ohn Wiley and Sons,第2版、1991が教示するように、 保護されていなくてもあるいは必要に応じて保護されていてもよい。 本明細書で使用する時、「アルケニル」という用語は、特に記載がないかぎり 、少なくとも1つの二重結合を持つC2−C10の直鎖、分枝あるいは環状炭化水 素を指す。 本明細書で使用する時、「アルキニル」という用語は、特に記載がないかぎり 、少なくとも1個の三重結合を持つC2−C10の直鎖あるいは分枝炭化水素を指 す。 「アラルキル」という用語は、少なくとも1個のアルキル置換基を持つアリー ル基を指す。 「アルカリール」という用語は、少なくとも1個のアリール置換基を持つアル キル基を指す。 「ハロ(アルキル、アルケニルあるいはアルキニル)」という 用語は、基の中の水素の少なくとも1個がハロゲン原子で置換されたアルキル、 アルケニルあるいはアルキニル基を指す。 本明細書で使用する時、「アリール」という用語は、特に記載がないかぎり、 フェニル、ビフェニル、あるいはナフチル、好ましくはフェニルを指す。アリー ル基は任意に、次のものから成る群から選択される1またはそれ以上の部分で置 換されていてもよい:アルキル、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリ ールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、硫酸 塩、ホスホン酸、リン酸塩、あるいはホスホン酸塩、CO2Hまたはその製薬土 許容される塩、CO2(アルキル、アリール、アルカリールまたはアラルキル) 、あるいはグルカミン、これらは、当業者には既知であるように、たとえばGr eeneら、「有機合成における保護基、」John Wiley and S ons,第2版、1991が教示する ように、保護されていなくてもあるいは必要に応じて保護されていてもよい。 本明細書で使用する時、「アルコキシ」という用語は、特に記載がないかぎり 、−O−アルキル構造の部分を指す。 本明細書で使用する時「アシル」という用語は、C(O)R’の式を持つ基を 指し、R’はアルキル、アリール、アルカリールあるいはアラルキル基である。 本明細書で使用する時「ヘテロ環式」という用語は、芳香族環に少なくとも1 個の硫黄、酸素あるいは窒素を含む芳香族部分を指す。非制限的な例は、フェナ ジン、フェノチアジン、フリル、ピリジル、ピリミジル、チエニル、イソチアゾ リル、イミダゾリル、テトラゾリル、ピラジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオ フェニル、キノリル、イソキノリル、ベンゾチエニル、イソベンゾフリル、ピラ ゾリル、インドリル、イソインドリル、ベンズイミダゾリル、プリニル、モルホ リニル、カルボゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2, 4−チアジアゾリル、イソオキサゾリル、ピロリル、ピラゾリル、キナゾリニル 、ピリダジニル、ピラジニル、シノリニル、フタラジニル、キノキサリニル、キ サンチニル、ヒポキサンチニル、 プテリジニル、5−アザシチジニル、5−アザウラシリル、トリアゾロピリジニ ル、イミダゾロピリジニル、ピロロピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、アデ ニン、N6−アルキルプリン、N6−ベンジルプリン、N6−ハロプリン、N6−ビ ニルプリン、N6−アセチレンプリン、N6−アシルブリン、N6−ヒドロキシア ルキルプリン、N6−チオアルキルプリン、チミン、シトシン、6−アザピリミ ジン、2−メルカプトピリミジン、ウラシル、N5−アルキルピリミジン、N5− ベンジルピリミジン、N5−ハロピリミジン、N5−ビニルピリミジン、N5−ア セチレンピリミジン、N5−アシルピリミジン、N5−ヒドロキシアルキルプリン 、およびN6−チオアルキルプリン、およびイソキサゾリルである。ヘテロ環式 基は任意に、アリールについて上述したように置換されていてもよい。ヘテロ環 式基は、所望する場合には部分的あるいは全面的に水素添加されていてもよい。 非制限的な例として、ジヒドロピリジンをピリジンの代わりに使用することがで きる。ヘテロ環式塩基上の官能性酸素および窒素基は、連続反応の間必要に応じ てあるいは所望に応じて保護することができる。適当な保護基は当業者には周知 であり、トリメチルシリル、ジメチルヘキシルシリル、t−ブチルジメチ ルシリル、およびt−ブチルジフェニルシリル、トリチルメチル、アルキル基、 アセチルおよびプロピオニルのようなアシル基、メチルスルホニル、ならびにp −トルイルスルホニルを含む。 本明細書で使用する時「ヒドロキシアルキル」という用語は、いずれかの炭素 原子に結合している水素の少なくとも1個がヒドロキシ基で置換されているC1 −C6アルキル基を指す。 「製薬上許容される誘導体」という用語は、レシピエントに投与したとき直接 または間接的に親化合物を提供することができる、あるいはそれ自体が活性を示 す、活性化合物の誘導体を指す。 「製薬上許容されるカチオン」という用語は、陽性電荷を担い、薬剤と共に、 たとえば塩中の対カチオンとして投与することができる有機あるいは無機部分を 指す。製薬上許容されるカチオンは当業者には既知であり、ナトリウム、カリウ ムおよび第四アミンを含むがこれらに限定されない。 「生理的に開裂されうる脱離基」という用語は、結合している分子からin vivoで開裂することができる部分を指し、有機または無機アニオン、製薬上 許容されるカチオン、アシル (アセチル、プロピオニルおよびブチリルを含めて、(アルキル)C(O)を含 むがこれに限定されない)、アルキル、リン酸塩、硫酸塩およびスルホン酸塩を 含むがこれらに限定されない。 「鏡像異性的に富化された組成物あるいは化合物」という用語は、化合物のひ とつの鏡像異性体を少なくとも95重量%、好ましくは少なくとも97、98、 99または100重量%の割合で含む組成物あるいは化合物を指す。 「アミノ酸」という用語は、たとえばアラニル、バリニル、ロイシニル、イソ ロイシニル、プロリニル、フェニルアラニニル、トリプトファニル、メチオニニ ル、グリシニル、セリニル、トレオニニル、システイニル、チロシニル、アスパ ラギニル、グルタミニル、アスパルトイル、グルタオイル、リシニル、アルギニ ニル、およびヒスチジニルを含むがこれらに限定されない、合成および天然のア ミノ酸を含む。 本明細書で使用する時「リンク部分」という用語は、アルキル、アルケニル、 アルキニル、アリール、ポリアルキレンオキシ(たとえば−[(CH2nO−]n −)、−C1-6アルコキシ−C1-10アルキル−、−C1-6アルキルチオ−C1-10 アルキル−、−NR3−、および−(CHOH)nCH2OH、ただ しnは独立に0、1、2、3、4、5または6である、を含むがこれらに限定さ れない、2個の化学残基を結合する二価基である。 Thornらの第2章で説明されているように、ジチオカルバメートの調製は 非常に簡単である。R12NCSSHあるいはR12NSSNaの式を持つ化合 物を、代表的にはアルコール溶液または水溶液中で、二硫化炭素と第二アミンの 反応によって形成することができる。通常慣例では、ジチオカルバミン酸ナトリ ウム塩が形成されるように、NaOHの存在下でこの反応を実施する。従って、 たとえばジメチルジチオカルバミン酸ナトリウムはCS2NaOHとジメチルア ミンから生成される。Thornら、p.14および本文中で引用する参考文献 参照。Thornらが開示し、特性付けている他の代表的なジチオカルバミン酸 化合物は次のものを含む:N−メチル、N−エチルジチオカルバメート、ヘキサ メチレンジチオカルバミン酸、ジ(β−ヒドロキシエチル)ジチオカルバミン酸 ナトリウム、N−メチルナトリウム、N−シクロブチルメチルジチオカルバメー ト、N−アリル−N−シクロプロピルメチル−ジチオカルバミン酸ナトリウム、 シクロヘキシルアミルジチオカルバ メート、ジベンジル−ジチオカルバメート、ジメチレンジチオカルバミン酸ナト リウム、種々のペンタメチレンジチオカルバメート塩、ピロリジン−N−カルボ ジチオ酸ナトリウム、ピペリジン−N−カルホジチオ酸ナトリウム、モルホリン −N−カルボジチオ酸ナトリウム、α−フルフリルジチオカルバメートおよびイ ミダゾリンジチオカルバメート。 B)プロブコールおよびその誘導体 プロブコールは、広く使用されている食品添加物、[2,3]−第三ブチル− 4−ヒドロキシアニソール(BHA)および2,6−ジ−第三ブチル−4−メチ ルフェノール(BHT)と化学的関連性がある。その正式な化学名は4,4−( イソプロピリデンジチオ)ビス(2,6−ジ−第三ブチルフェノール)である。 参照してここに組み込まれるParthasarathyへの米国特許第5,2 62,439号は、一方または両方のヒドロキシル基が、化合物に水溶性を与え るエステル基で置換されているプロブコールの可溶性類似体を開示している。ひ とつの実施形態では、可溶性誘導体は、プロブコールのモノ−またはジ−コハク 酸エステル、グルタル酸エステル、アジピン酸エステル、スベリン酸エステル、 セバシン酸エステル、アゼライ ン酸エステル、あるいはマレイン酸エステルから成る群から選択される。もうひ とつの実施形態では、プロブコール誘導体は、エステルがカルボン酸基から成る 群から選択される官能性を持つアルキルあるいはアルケニル基を含む、モノ−ま たはジ−エステルである。’439号特許に述べられているいずれの化合物も本 発明において使用することができる。 同様に参照してここに組み込まれる米国特許第5,155,250号は、2, 6−ジアルキル−4−シリルフェノールが抗アテローム硬化症薬であることを開 示している。同じ化合物が、1995年6月15日公開のPCT特許公開第WO 95/15760号では血清コレステロール降下薬として開示されている。参照 してここに組み込まれる米国特許第5,608,095号は、アルキル化−4− シリルフェノールがLDLの過酸化を抑制し、血漿コレステロールを低下させ、 さらにVCAM−1の発現を抑制して、アテローム硬化症の治療において有用で あることを開示している。これらの化合物のいずれも本発明で使用することがで きる。 C)N−アセチルシステインおよびその誘導体 システインは1個のキラル炭素原子を持つアミノ酸である。 L−鏡像異性体、D−鏡像異性体、あるいはL−およびD−鏡像異性体のラセミ 混合物として存在する。L−鏡像異性体は天然の立体配置である。 N−アセチルシステイン(アセトアミド−メルカプトプロピオン酸、NAC) はシステインのN−アセチルか誘導体である。これも同様にL−鏡像異性体、D −鏡像異性体、鏡像異性体のひとつが鏡像異性的に強化された組成物、あるいは LおよびD鏡像異性体のラセミ混合物として存在する。「鏡像異性的に富化され た組成物あるいは化合物」という用語は、化合物のひとつの鏡像異性体を少なく とも95重量%、好ましくは少なくとも97重量%の割合で含む組成物あるいは 化合物を指す。これらの形態のNACのいずれもが本発明における抗酸化剤とし て送達されうる。ひとつの実施形態では、NACあるいはその塩のチオエステル あるいはチオエーテルの1個の異性体、好ましくは天然のL−鏡像異性体を治療 過程において使用する。 N−アセチルシステインは抗酸化活性を示す(Smilkstein,Kna pp,KuligおよびRumack,N.Engl.J.Med.1988, 第319巻、p.1557−62;Knight,K.R.,MacPhady en,K.,Lepore, D.A.,Kuwata,N.,Eadie,P.A.,O’Brien,B. Clinical Sci.,1991,第81巻、p.31−36;Ell is,E.F.,Dodoson,L.Y.,Police,R.J.,Neu rosurg.,1991,第75巻,p.774−779)。スルフヒドリル 官能基は詳細に特性付けられており、高い反応性を持つ遊離基スカベンジャーで ある。N−アセチルシステインは、細胞成分を還元状態に維持する上で重要なグ ルタチオン(g−グルタミルシステイニルグリシンとしても知られるトリペプチ ド)の形成を促進することが知られている(Berggren,M.,Daws on,J.,Moldeus,P.FEBS Lett.,1984,第176 巻、p.189−192)。グルタチオンの形成は、ヒドロキシル基の既知の前 駆物質である過酸化水素を不活性化する酵素、グルタチオンペルオキシダーゼの 活性を高めると考えられる(Lalitha,T.,Kerem,D.,Yan ni,S.,Pharmacology and Toxicology,19 90,第60巻、p.56−61)。 N−アセチルシステインはin vivoで低い毒性を示し、その毒性はデプ レニルよりも有意に低い(たとえばラットにお けるLD50は、N−アセチルシステインとデプレニルについて静脈内でそれぞれ 1140と81mg/kgと測定された)。 N−アセチルシステインとその誘導体は、たとえば第WO 95/26719 号に記述されている。この特許公開に述べられている誘導体のいずれもが本発明 に従って使用できる。 D)カタラーゼおよびピルビン酸塩を含むがこれらに限定されない、過酸化物の スカベンジャー E)ジチオトレイトールおよび2−メルカプトエタノールを含むチオール F)TroloxTM、BHA、BHT、アミノステロイド抗酸化剤、トコフェロ ールとその類似体、およびラザロイドを含むがこれらに限定されない脂質過酸化 の阻害剤である抗酸化剤 G)単独あるいは互いに組合わせた抗酸化性ビタミン(ビタミンCあるいはEあ るいはその合成または天然プロドラッグあるいは類似体)、フラボノイド、フェ ノール化合物、カラテノイド、およびアルファリポ酸を含む食事性抗酸化物質 H)非ステロイド系抗炎症薬、COX−2阻害剤、アスピリンベースの化合物、 およびケルセチンを含むがこれらに限定されない、リポキシゲナーゼおよびシク ロオキシゲナーゼの阻害剤 I)ユビキノールおよび、グルタチオン、Seおよびリポ酸のような、またこれ らを含むチオール抗酸化剤を含むがこれらに限定されない、身体で製造される抗 酸化物質 J)合成フェノール抗酸化剤:第IおよびII相薬剤代謝酵素の誘導物質 III.抗腫瘍性薬剤 本明細書で使用する時「抗腫瘍性薬剤」という用語は、異常細胞増殖を低下さ せる物質を指す。抗腫瘍性薬剤は、Martindale、「エキストラ薬局方 」、第31版、Royal Pharmaceutical Society( 1996)を含めた数多くの文献において広汎に記述されてきた。 抗腫瘍性薬剤は次のものを含む: (i)葉酸代謝拮抗薬; (ii)代謝拮抗物質(5−フルオロウラシル、β−L−1,3−ジオキソラニ ルシチジンのようなシチジン類似体および6−チオグアニンを含めた、シチジン プリン代謝拮抗物質、シタラビン、フダラビン、フロクスウリジン、6−メルカ プトプリン、メトトレキサート、5−フルオロピリミジン); (iii)ヒドロキシ尿素; (iv)有糸***阻害剤(CPT−11、エトポシド(VP−21)を含む)、 タキソール、およびビンクリスチン; (v)アルキル化剤(ブスルファン、クロラムブシル、シクロホスファミド、イ フォファミド、メクロレタミン、メルファラン、およびチオテパを含むがこれら に限定されない); (vi)非古典的アルキル化剤、白金含有化合物、ブレオマイシン、抗腫瘍抗生 物質、アントラサイクリン、アントラセンジオン、トポイソメラーゼ11阻害剤 、ホルモン性薬剤(コルチコステロイド類(デキサメタゾン、プレドニゾンおよ びメチルプレドニゾン)を含むがこれらに限定されない);ならびに (v)フルオキシメステロンおよびメチルテストステロンのようなアンドロゲン 、ジエチルスチルベステロールのようなエストロゲン、タモキシフェンのような 抗エストロゲン、ロイプロリドのようなLHRH類似体、フルタミド、アミノグ ルテチミド、酢酸メゲストロールおよびメドロキシプロゲステロンのような抗ア ンドロゲン、アスパラギナーゼ、カルムスチン、ロムスチン、ヘキサメチルメラ ミン、ダカルバジン、ミトタン、ストレプトゾシン、シスプラチン、カルボプラ チン、レバミゾール、およびロイコボリン。 抗腫瘍性薬剤のより包括的なリストは次のものを含む:アセグラトン;アクラ ルビシン;アルトレタミン;アミノグルテチミド;5−アミノグレアブリン酸; アムサクリン;アナストロゾール;塩酸アンシタビン;17−IA抗体;抗リン パ球免疫グロブリン;アンチネオプラストンA10;アスパラギナーゼ;ペガス パルガーゼ;アザシチジン;アザチオプリン;バチマスタット;ベンゾポルフィ リン誘導体;ビカルタミド;塩酸ビサントレン;硫酸ブレオマイシン;ブレキナ ールナトリウム;ブロクスウリジン;ブスルファン;カンパス−IH;カラセミ ド;カルベチマー;カルボプラチン;カルボクオン;カルモファー;カルムスチ ン、クロラムブシル;クロロゾトシン;クロモマイシン;シスプラチン;クラド リビン;座瘡プロピオンバクテリウム;シクロホスファミド;サイクロスポリン ;シタラビン;ダカルバジン;ダクチノマイシン:塩酸ダウノルビシン;デシタ ビン;ジアジクオン;ジクロロジエチルスルフィド;ジデムニンB.;ドセタキ セル;ドキシフルリジン;塩酸ドキソルビシン;ドロロキシフェン;エチノマイ シン;エダトレキサート;エリプチニウム;エルムスチン;エンロプラチン;エ ノシタビン;塩酸エピルビシン;リン酸エストラムスチンナトリウム; エタニダゾール;エトグルシド;エトポシド;塩酸ファドロゾール;ファザラビ ン;フェンレチニド;フロクスウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシ ル;フルタミド;ホルメスタン;フォテムスチン;硝酸ガリウム;ゲンシタビン ;グスペリムス;ホモハリントニン;ヒドロキシ尿素;塩酸イダルビシン;イフ ォスファミド;イルモフォシン;イモプロスルファントシレート;イノリモマブ ;インターロイキン−2;イリノテカン;JM−216;レトロゾール;リチウ ムガモレナート;ロバプラチン;ロムスチン;ロニダミン;マフォスファミド; メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキ サートナトリウム;ミボプラチン;ミルテフォシン;ミソニダゾール;ミトブロ ニトール;ミトグアゾンジヒドロクロリド;ミトラクトール;ミトマイシン;ミ トタン;塩酸ミトザントロン;ミゾリビン;モピダモール;マルチアルキルペプ チド;ムロモナーブ−CD3;塩酸ムスチン;ミコフェノール酸;ミコフェノレ ートモフェチル;ネダプラチン;ニルタミド;塩酸ニムスチン;オキサリプラチ ン;パクリタキセル;PCNU;ペノスタチン;硫酸ペプロマイシン;ピポブロ マン;ピラルビシン;ピリトレキシムイセチオネート;塩酸ピ ロキサントロン;プリカマイシン;ポルフィマーナトリウム;プレドニムスチン ;塩酸プロカルバジン;ラルチトレキセート;ラニムスチン;ラゾキサン;ログ レチミド;ロキニメックス;セブリプラチン;セムスチン;シロリムス;シゾフ ィラン;ソブゾキサン;ブロメブレートナトリウム;スパルフォジン酸;スパル フォゼートナトリウム;ストレプトゾシン;スルオフェヌール;タクロリムス; タモキシフェン;テガファー;塩酸テロキサントロン;テモゾロミド;テニポシ ド;テストラクトン;メソテトラフェニルポルフィンスルホン酸四ナトリウム; チオグアニン;チオイノシン;チオテパ;トポテカン;トレミフェン;トレオス ルファン;トリメトレキサートトロフォスファミド;腫瘍壊死因子;ユベニメッ クス;ウラムスチン;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;硫酸ビンデシ ン;酒石酸ビノレルビン;ボロゾール;ジノスタチン;ゾリモマブ・アリトック ス;ならびに塩酸ゾルビシン。 IV.異常細胞過増殖状態 抗酸化剤は、次のものを含むがこれらに限定されない異常細胞増殖の疾患に対 する抗腫瘍性薬剤の細胞毒性を高めるために使用することができる: 次のものを含むがこれらに限定されない良性腫瘍:乳頭腫、腺腫、線維腫、軟 骨腫、骨腫、脂肪腫、血管腫、リンパ管腫、平滑筋腫、横紋筋腫、髄膜腫、神経 腫、神経節細胞腫、母斑、クロム親和性細胞腫、神経鞘腫、線維腺腫、奇形腫、 胞状奇胎、顆粒層膜、ブレンナー腫瘍、卵巣男性肝細胞腫、内細胞腫、性索間葉 、ライディヒ細胞腺腫、および胸腺腫; 次のものを含むがこれらに限定されない悪性腫瘍(癌):腎細胞癌、前立腺癌 、膀胱癌および腺癌を含む癌腫、線維肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、脂肪肉腫、血管 肉腫、リンパ管肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、骨髄性白血病、赤白血病、多発 性骨髄腫、神経膠腫、髄膜肉腫、胸腺腫、葉状嚢肉腫、腎芽細胞腫、奇形腫絨毛 上皮腫、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、皮膚原発性の皮膚腫瘍(たとえば基 底細胞癌、扁平上皮癌、黒色腫、およびボーエン病)、皮膚を浸潤する***腫瘍 および他の腫瘍、カポジ肉腫、ならびに口腔、膀胱および直腸疾患を含めた粘膜 組織の前悪性および悪性疾患、中枢神経系腫瘍(グリア芽細胞腫)、髄膜腫、な らびに星状細胞腫; 菌状息肉腫、乾癬、皮膚筋炎、慢性関節リウマチ、ウイルス(たとえばいぼ、 単純疱疹および尖圭コンジローム)、伝染性 軟属腫、女性生殖道(子宮頚、膣および外陰)の再発悪性および悪性疾患を含む 過増殖性および新生物発生前病変。 これらのうちで、この方法を用いて治療することができる特定状態は、結腸直 腸癌、卵巣癌、骨癌、腎癌、乳癌、冑癌、膵癌、黒色腫、リンパ腫、白血病、形 質細胞悪液質および多発性骨髄腫のような造血系腫瘍、ならびにアミロイドーシ スを含む。 抗酸化剤はまた、血管形成術後の再狭窄およびアテローム硬化症のような心臓 血管系増殖性疾患を治療するために抗腫瘍性薬剤と組合わせて使用することもで きる。 V.製薬組成物 上述した状態のいずれかに罹患している哺乳類、特にヒトを含めた宿主を、製 薬上許容される担体あるいは希釈剤の存在下で有効量の抗酸化剤を任意に抗腫瘍 性薬剤と組合わせて患者に局所的あるいは全身的に投与することによって治療す ることができる。抗酸化剤は、抗腫瘍性薬剤の細胞毒性作用を高めるために使用 するとき、抗腫瘍性薬剤による治療の前、治療と併用して、あるいは治療後に投 与することができる。抗腫瘍性薬剤の投与のための方法および用量は当業者には 既知であり、また「医師のデスク・リファレンス」、Martindaleの「 エ キストラ薬局方」、およびGoodman & Gilmanの「治療の薬理学 的基礎」を含めた数多くの文献で記述されており、あるいは標準的な方法を用い て容易に決定できる。 抗酸化剤は、皮下、静脈内、腹腔内、筋肉内、非経口的、経口的、粘膜下、吸 入、徐放性パッチを通して経皮的に、あるいは局所的に、標的状態を治療するた めに有効な用量範囲で投与することができる。本文中で述べるすべての状態につ いての代表的な全身用量は、1日1回投与あるいは1日当りの分割投与として、 1日当り0.01mg/kg〜500mg/kg体重の範囲である。局所適用に ついての代表的な用量は、活性化合物の0.001〜100重量%の範囲である 。 治療する状態に関連した好ましくない症状および臨床徴候を軽減するのに十分 な期間当該化合物を投与する。 活性化合物は、重篤な毒性作用を伴わずにin vivoで治療用量の化合物 を患者に送達するのに十分な量で、製薬上許容される担体あるいは希釈剤に包含 される。 薬剤組成物中の活性化合物の濃度は、薬剤の吸収、不活性化および排出速度、 ならびに当業者に既知の他の要素に依存する。用量値は軽減すべき状態の重症度 によっても異なることに留意 しなければならない。さらに、個々の被験者について、個人の必要性および組成 物の投与を管理するまたは監督する者の専門的判断に従って特定の用量処方を経 時的に調節しなければならないこと、また本文中上記に述べた用量範囲は例示と してのみであり、特許請求する組成物の範囲あるいは実施を制限することを意図 するものではないことは明白である。有効成分は一度に投与するか、あるいは様 々な時間間隔をおいて投与するいくつかの小用量に分割してもよい。 全身的送達のための活性化合物の好ましい投与方法は経口である。経口組成物 は一般に不活性希釈剤あるいは可食担体を含む。経口組成物は、ゼラチンカプセ ルに納めるかあるいは圧縮して錠剤にすることができる。経口治療投与のために 、活性化合物を賦形剤と共に組み込んで、錠剤、トローチあるいはカプセルの形 態で使用することができる。製薬上適合性である結合剤および/またはは補助物 質を組成物の一部として包含することができる。 錠剤、丸剤、カプセル、トローチ等は、次のいずれの成分あるいは同様の性質 の化合物も含みうる:微結晶性セルロース、トラガカントゴムあるいはゼラチン のような結合剤;デンプン あるいはラクトースのような賦形剤、アルギン酸、プリモゲル(Primoge l)あるいはトウモロコシデンプンのような崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム あるいはステロテス(Sterotes)のような潤滑剤;コロイド状二酸化ケ イ素のような糊稠剤;スクロースあるいはサッカリンのような甘味料;あるいは ペパーミント、サリチル酸メチルあるいはオレンジフレーバーのような香味料。 投与単位形態がカプセルであるときには、上記のタイプの物質に加えて、脂肪 油のような液体担体を含みうる。さらに、投与単位形態は、投与単位の物理的形 態を変化させる他の様々な物質、たとえば砂糖、シェラックあるいは他の腸溶剤 の被膜を含むことができる。 化合物あるいはその塩は、エリキシル、懸濁液、シロップ、オブラート、ロゼ ンジ、チューインガム等の成分として投与することができる。シロップは、活性 化合物に加えて、甘味料としてのスクロースと一部の防腐剤、染料、着色料およ び香味料を含みうる。 化合物はまた、所望する作用を損なわない他の有効物質、あるいは抗生物質、 抗真菌薬、抗炎症薬、抗ウイルス薬あるいは 他の免疫抑制剤のような所望する作用を補足する物質と混合することができる。 非経口、皮内、皮下あるいは局所適用のために使用される溶液あるいは懸濁液 は、次の成分を含みうる:注射用蒸留水、食塩水、不揮発性油、ポリエチレング リコール、グリセリン、プロピレングリコールあるいは他の合成溶媒のような滅 菌希釈剤;ベンジルアルコールあるいはメチルパラベンのような抗菌剤;アスコ ルビン酸あるいは亜硫酸水素ナトリウムのような抗酸化剤;エチレンジアミン四 酢酸のようなキレート化剤;アセテート、クエン酸塩あるいはリン酸塩のような 緩衝剤、ならびに塩化ナトリウムあるいはデキストロースのような張度調節剤。 pHは塩酸あるいは水酸化ナトリウムのような酸あるいは塩基で調整することが できる。非経口製剤は、アンプル、使い捨て注射器あるいはガラスまたはプラス チック製の多回投与バイアルに入れることができる。 静脈内投与する場合、好ましい担体は生理食塩水、静菌水、Cremopho r ELTM(BASF,Parsippany,NJ)あるいはリン酸緩衝生理 食塩水(PBS)である。 好ましい実施形態では、活性化合物は、インプラントおよびマイ クロ被包送達系を含めて、徐放性製剤のように体内からの速やかな排出に対して 化合物を保護する担体と共に調製される。エチレン酢酸ビニル、ポリアンヒドリ ド、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸のよ うな生分解性で生体適合性のポリマーが使用できる。そのような製剤の調製方法 は当業者には明白である。材料はAlza CorporationおよびNo va Pharmaceuticals,Inc.から市販されているものを入 手することができる。リポソーム懸濁液(ウイルス抗原に対するモノクローナル 抗体で感染細胞を標的とするリポソーム)も製薬上許容される担体として好まし い。これらは当業者に既知の方法、たとえば米国特許第4,522,811号( その全体が参照してここに組み込まれる)に述べられている方法に従って調製で きる。たとえばリポソーム製剤は次のようにして調製できる:適当な脂質(ステ アロイルホスファチジルエタノールアミン、ステアロイルホスファチジルコリン 、アラカドイルホスファチジルコリンおよびコレステロールなど)を無機溶媒に 溶かし、それを蒸発させると、容器の表面に乾燥脂質の薄膜が残る。次に化合物 の水溶液を容器に入れる。その後、容器の側面から脂質物質を遊離させ、脂質凝 集塊を分散さ せるように容器を手で渦巻き状に撹拌して、リポソーム懸濁液を生成する。 局所適用のための適当な賦形剤あるいは担体は、直腸、膣、鼻粘膜あるいは口 腔粘膜への適用のためのローション、懸濁液、軟膏、クリーム、ゲル、チンキ、 スプレー、散剤、パスタ、徐放性経皮パッチ、座剤のような従来の手法によって 調製することができる。全身投与に関して上記に列挙した他の物質に加えて、増 粘剤、皮膚軟化剤および安定剤が局所組成物の調製に使用できる。増粘剤の例は 、ワセリン、蜜ろう、キサンタンガム、あるいはポリエチレン、ソルビトールの ような湿潤剤、鉱油、ラノリンとその誘導体のような皮膚軟化剤、あるいはスク アレンを含む。数多くの溶液および軟膏が、特に眼科適用のために市販されてい る。 V.実施例 以下の実施例は、本発明の様々な実施形態を示すために提供するものであり、 本発明の範囲を制限することを意図しない。 実施例1 HCT 116およびHCT 15ヒトCRC細胞はAmerican Ty pe Culture Collectionから入手し た。HCT 116細胞から生成されたp21WAF1/CIP1−/−癌細胞はJ.P ietenpol(Vanderbilt University,TN)から 、HPV E6−トランスフェクションされたHCT 116はW.S.E1− Deiry(University of Pennsylvania,PA) [W.S.E1−Deiryら、Cell 75,817(1993)]から提 供された。これらの試験で使用した癌細胞系はすべて、5%CO2の空気中37 ℃で、10%熱活性化ウシ胎児血清(FBS)、可欠アミノ酸、L−グルタミン 、およびペニシリンGナトリウム(100U/ml)と硫酸ストレプトマイシン (100mg/ml)を補足した高グルコースのダルベッコ改変イーグル培地( DMEM)(GIBCO BRL)において増殖させた。 ピロリジンジチオカルバメート(Sigma Chemical Co.,M A)、ビタミンE類似体(6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロ マン−2−カルボン酸:Vit(E)(Aldrich)、5−FU(Hoff mann−LaRoche Inc.,Nutley,NJ)あるいはドキソル ビシン(Sigma)の足場非依存性増殖への作用を調べるため、HCT 15とHCT 116細胞を、試験する因子と共に1%FBSと0.4%寒天を 補足したDMEMにおいて10×103細胞/35mmプレートの割合で平板培 養した。Omnicon画像分析器を使用してコロニーの数を10日間定量した 。10日後に直径50ミクロン以上のコロニー(約50細胞)を陽性と採点した 。予備試験は、ピロリジンジチオカルバメートとビタミンEはそれぞれ25〜2 00μMと0.1〜10mMの濃度でCRC細胞のコロニー形成率に有意に影響 を及ぼさないことを示唆した。より高い濃度は非特異的細胞毒性を生じさせた。 実施例2 核のDNA含量を、記述されているように[I.G.Nicolettiら、 J.Immunol.Methods,139,271(1991)]原形質膜 を溶解し、ヨウ化プロピジウム(50mg/ml)で核DNAを染色して、Be cton Dickinson FACSORT蛍光活性化セルソーターを用い て核の相対的DNA含量を定量することによって調べた。細胞周期の各々の期の 核の割合をMODFIT−DNA分析ソフトウエアを使用して測定した。蛍光顕 微鏡あるいはフローサイトメトリーのいずれかによるアポトーシス細胞の検出を 、Apop Tag Plus In Situ Apoptosis Detection Kit(Oncor,Gaithersburg,MD)を用いて製造者のプ ロトコールに述べられているように実施した。簡単に言うと、ターミナルデオキ シヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)によるアポトーシスの間にDN Aの断片化によって生産されたDNAの遊離3’OH基にジゴキシゲニン標識ヌ クレオチドを加えた。FTC共役抗ジゴキシゲニン抗体によってジゴキシゲニン を検出した。蛍光活性化セルソーターを用いて分析を行い、蛍光顕微鏡(Zei ss)を使用してFITC染色を視覚化した。 実施例3 ジヒドロローダミン1234(DHR)を特異的蛍光染料プローブとして使用 して、フローサイトメトリーによって細胞内H22レベルを分析した[G.Ro the,A.Emmendorffer,A.Oser,J.Roesler, G.Valet,J.Immun.Methods 138,133(1991 );J.A.Royall,H.Ischiropoulos,Arch.Bi ochem.Biophysics 302,348(1993)]。1mM DHRとピロリジンジチオカルバメ ート(70μm)あるいはvit E(3mM)を含むDMEMにおいてCRC 細胞を24時間まで増殖させた。トリプシン処理後、リン酸緩衝生理食塩水中2 %FBSでトリプシン活性をクエンチングし、1%パラホルムアルデヒド(Si gma)中で細胞を固定した。励起源488nm、発光波長580nmのBec ton−Dickinson FACS Vantageフローサイトメーター を用いてそれぞれのサンプルについて1×104細胞の細胞ローダミン123蛍 光強度を測定した。PC−Lysisソフトウエアプログラム(Becton Dickinson)でヒストグラムを分析した。ブランクのウエルからのバッ クグラウンド蛍光をそれぞれの読取りから差し引いた。 実施例4 雄性胸腺欠損Balb/c nu/nuマウスを4〜6週齢でHarlan Sprague−Dawley Companyから入手し、試験前に少なくと も2週間検疫した。動物実験は学会および政府の動物取扱い規制に従って実施し た。HCT 116とHCT 15 CRC細胞系を、上述したように10%F BS補足DMEM培地で増殖させた。2回の連続する トリプシン処理を通して細胞を単離し、300gで5分間遠心分離にかけ、2回 洗浄して、滅菌リン酸緩衝生理食塩水に懸濁した。0.2ml中1×106細胞 を7〜10週齢の雄性ヌードマウスの肩甲骨の間に皮下注射した。 実施例5 腫瘍容積を週に1回、最大の長さ、幅および高さを測定して評価した。腫瘍が ひとたび120〜150mm3の平均サイズに達すれば、動物にピロリジンジチ オカルバメート(70μM)あるいはビタミンE(3mM)、5−FU(40m g/kg)あるいは食塩水、あるいはピロリジンジチオカルバメートまたはビタ ミンEと5−FUの組合せを週に1回6週間にわたってi.p.注射した。クロ スオーバー(交換)実験では、動物に上記の処置を3週間実施し(ビタミンEを 除いて)、その後ピロリジンジチオカルバメートと5−FUの併用処置(食塩水 、ピロリジンジチオカルバメートあるいは5−FU単独)に切り換えるか、ある いは実験の残りの3週間についてはピロリジンジチオカルバメートと5−FUに よる処置を中止した。予備実験では、ピロリジンジチオカルバメート、ビタミン Eあるいは5−FUの単回投与のシリーズを30日間投与して、LD50と 有効な投与経路を確認した(データは示していない)。腫瘍容積は、試験終了ま で週に1回記録した。 実施例6 腫瘍組織を4%(v/v)パラホルムアルデヒドに一晩固定し、標準的な組織 検査手順に従ってパラフィンに包埋した。記述されているように[Holmgr enら、Nature Med.1,149(1955)]BrDU染色を実施 した。断片化したDNAのTdT標識を記述されているように実施した。増殖指 数(BrDU)およびアポトーシス指数(TUNEL)は、200倍の倍率の顕 微鏡下で採点した細胞のパーセンテージによって評価した。HCT 116およ びHCT 15誘導の腫瘍(処置に関わりなく)の増殖指数はそれぞれ53.1 ±5.2と63.1±7.2であった。 実施例7 ウエスタンブロット分析用に、50mM トリス−Cl、pH7.4、300 mM NaCl、2mM EDTA、0.5%ノニデット−40、05mMフッ 化フェニルメチルスルホニルアプロチニン(1μg/ml)、ペプスタチン(1 μg/ml)、およびロイペプチン(2μg/ml)中に細胞を溶解した。抽 出物100mg(ブラッドフォード分析によって測定した)を12%SD−PA Eゲルに適用し、0.2μM細孔ニトロセルロース膜(Schleicher and Schuell)に移した。最終濃度0.1μg/mlのp21 WAF1 /CIP1 、p53、p27あるいはC/EBPβ(Santa Cruz)に対し て惹起した抗体でブロットをプローブした。洗浄後、ブロットをロバ抗ウサギあ るいはヤギ抗マウスIgG−ホースラディッシュペルオキシダーゼ共役体と共に 培養し、Enhanced Chemiluminescence(Amers ham,Arlington Heights,IL)を用いて展開した。 実施例8 記述されているようにして[M.Schwab,K.Alitalo,H.E .Varmus,J.M.Bishop,Nature (Lond.)303 ,497(1983)]RNAを抽出した。1%(w/v)アガロースホルムア ルデヒドゲルを通して電気泳動してポリ(A)+mRNAを分離し、以前に記述 されているように(Coffeyら、Cancer Res.47,4590( 1987)]ノーザンブロッティングを実施した。ヒト p21WAF1/CIP1cDNAはB.Vogelstein(Jon Hopkin s Oncology Center,Baltimore,MD)から提供さ れ、ランダムプライマー拡大法によって[32P]dCTPで標識した。ハイブリ ダイゼーションとハイブリダイゼーション後の洗浄を43℃で行った。IB15 は等しい負荷と転移についての対照として使用した[P.E.Danielso nら、DNA 7,261(1988)]。 実施例9 ヒトp21WAF1/CIP1プロモーター構築物(WWP−luc)はB.Voge lstein[W.El−Deiryら、Cell 75,817(1993) ]から提供された。CRC細胞系を50%の集密度まで増殖させ、その後製造者 の指示に従ってCELLFECTIN(GIBCO BRL)でトランスフェク ションした。すべてのルシフェラーゼアッセイに関して、pBSKII+または pCMV−ベーシックを加えてトランスフェクションした総DNAを一定に保持 した。pCMV−C/EBP発現ベクターはすべてL.Sealey(Vand erbilt University,TN)から提供された。pCMV−CA T を遺伝子発現のための内部対照としてトランスフェクションした。トランスフェ クション後12時間後に、選択した細胞を70μMピロリジンジチオカルバメー トで処置した。処置の24時間後に、細胞溶解産物を調製し、記述されているよ うにして[A.Misra−Press,C.S.Rim,H.Yao,M.S .Roberson,P.J.S.Stork,J.Biol.Chem.27 0,14587(1995)]ルシフェラーゼ活性をアッセイした。ルシフェラ ーゼ活性をCAT活性に標準化し、結果を基線レベルに対する活性化の倍数とし て報告した。 実施例10 その3’末端にp21WAF1/CIP1cDNA開始部位を含む2.4キロベース対 のゲノム断片をルシフェラーゼリポーターベクター、pGL2−ベーシック(P romega)のHind III部位にサブクローニングした。公表されてい るp21WAF1/CIP1プロモーター配列(GenBank)に対して設計した内部 p21WAF1/CIP1プライマーを使用したPCRにより、p21WAF1/CIP1欠失突然 変異体(D2198〜D1138)を生成した。それぞれの場合に、PCR産物 をpGL2−ベーシックにブクローニングし、二本鎖DNA塩基配列決定によっ て 配列を確認した。Muta−Gene M13 In vitro変異誘発キッ ト(Bio−Rad,Hercules,CA)を用いてNF_IL6認識部位 の変異誘発を行った。 DNA塩基配列決定によって所望するTT〜AA塩基対の変化が存在すること を確認した。 実施例11 野生型およびNF_IL6突然変異型のp21WAF1/CIP1プロモーター配列に おける塩基−1884から−1904に対応する相補的オリゴヌクレオチドを合 成した(野生型、GTACTTAAGAAATATTGAATおよびATTCA ATATTTCTTAAGTAC;突然変異型、GTACAAAAGAAATA TTGAATおよびATCAATATTTCTTTTGTAC)。それぞれのオ リゴ200ngを200μCiのγ−32P標識ATPとT4ポリヌクレオチド キナーゼで末端標識した。次に生じた末端標識オリゴをアニーリングして、ゲル 精製した。抗酸化剤で処置したCRC細胞からの核抽出物の調製および電気泳動 移動度アッセイ(EMSA)についての条件は記述されている通りであった[K ailoffら、Science 253,786(1991)]。抗血清を加 えるときには、放 射標識プローブの添加前に核抽出物と2μlのC/EPBα、βあるいはδポリ クローナル抗体(Santa Cruz)を室温で10分間培養した。 実施例12 2つのヒト直腸結腸癌細胞系、HCT 116(野生型p53)とHCT 1 5(突然変異型p53)を、催腫瘍性の軟寒天ex vivoモデル中で漸増量 のピロリジンジチオカルバメートあるいはビタミンEのいずれかで処置した。ピ ロリジンジチオカルバメートとビタミンEのいずれもが、HCT 116および HCT 15細胞の足場非依存性増殖の用量依存的低下を生じさせた(図1A) 。この分析を結腸(HCA−7、Difi、RKO、SW620)、***(MC F−7、MDA−MB231)および胃(Hs 746T)から誘導した様々な 腫瘍細胞系に拡大した。これらの濃度で、両方の抗酸化剤が、p53の状態に関 わらず試験したすべての腫瘍細胞系の非足場依存性増殖を抑制する上でに有効で あった(Difi、RKOについてはデータは示していない)。 ピロリジンジチオカルバメート(70μM)あるいはビタミンE(3mM)の いずれかでHCT 116あるいはHCT 15 CRC細胞を24時間処置し、その後細胞をヨウ化プロピジウム染色してフロー サイトメトリー分析を行うと、両方の化合物がG1ピークの細胞の有意の蓄積を 誘発したことを示し、軟寒天において認められたピロリジンジチオカルバメート あるいはビタミンEの増殖抑制作用が細胞周期の停止および/またははアポトー シスによるものであることを示唆した(図1B)。これらの細胞周期の乱れがこ れらの化合物の抗酸化特性と相関するかどうかを調べるため、細胞内レドックス 状態(内因性H22レベルによって)およびG1細胞周期停止あるいはアポトー シスを受けた細胞のパーセンテージ(フロー25サイトメトリー分析によって) の両方を、抗酸化剤処置細胞において24時間にわたって定量した。 図1Cに示すように、ピロリジンジチオカルバメートとビタミンEのいずれも が両方の細胞系において内因性H22レベルを有意に低下させ、ピロリジンジチ オカルバメートがより有効な還元剤であった。さらに、このH22レベルの低下 は、これらの細胞におけるG1細胞周期の停止およびTUNEL陽性核の発現と 相関していた。膜透過性抗酸化剤、N−アセチル−L−システイン(NAC)と 食事性抗酸化剤、ビタミンCによ るHCT 15細胞の処置は、H22レベルの同様の低下とアポトーシスの誘発 を示し(図1D)、細胞周期の進行における反応性酸素種の役割を裏付けた。抗 酸化剤はH22以外の反応性酸素種を通して細胞内レドックス環境を変化させる と考えられるため、ヒトカタラーゼをコードする発現プラスミドでHCT 15 細胞を一過性的にトランスフェクションした。カタラーゼの過剰発現はこれらの 細胞においてH22レベルを著しく低下させ、細胞周期の停止とアポトーシスを 誘発したことから、H22がこれらの抗酸化剤処置細胞で観察された細胞周期作 用の重要なメディエイタであることを直接示唆した。 抗酸化剤が5−FUとドキソルビシンの細胞毒性効果を高めることをさらに明 らかにするため、70μMのピロリジンジチオカルバメートあるいは3mMのビ タミンE(両細胞系でのこれらの化合物についてのおよそのIC50値)の存在下 と不在下で、軟寒天において増殖させたHCT 116とHCT 15細胞につ いて、各薬剤のIC50値を測定した。ピロリジンジチオカルバメートあるいはビ タミンEは、各薬剤単独で処置した細胞に比べて5−FUとドキソルビシンの両 方についてのIC50を低下させた(図1E)。これらの作用はピロリジンジチオ カ ルバメートに関してより著明であり、おそらくそのより強力な還元能力を反映し ている。5−FUとドキソルビシンの細胞取込みおよび代謝の機序は大きく異な っている。従って、ピロリジンジチオカルバメートあるいはビタミンEがこれら の経路の変化を通して5−FUあるいはドキソルビシンの細胞毒性を変調させる とは考えられない。 実施例13 次に、HCT 116あるいはHCT 15細胞を胸腺欠損マウスにおける腫 瘍異種移植片として増殖させることにより、ピロリジンジチオカルバメートある いはビタミンEの治療効果をin vivoで検討した。触知可能な腫瘍(平均 腫瘍容積150mm3)を確認したあと、動物にピロリジンジチオカルバメート 、ビタミンE、および/またはは5−FU、あるいは陰性対照として食塩水を週 に1回i.p.注射した。HCT 116細胞に関する結果を図2Aに示す。4 週間後、対照マウスにおける腫瘍容積は施設プロトコールに従って屠殺が必要と なった。個々に、ピロリジンジチオカルバメート、ビタミンEおよび5−FUは 、食塩水処置対照と比較して6週間にわたって腫瘍容積を有意に低下させた。ピ ロリジンジチオカルバメートあるい はビタミンEの付加は5−FUの作用を有意に増強した。2ヵ月間の併用処置中 止後、全体として、9匹の動物で腫瘍の完全な消失が観察され、25匹では腫瘍 の再増殖の徴候が観察されなかった。併用療法はこれらの突然変異型p53 C RC細胞においてより有効であることを除いては、HCT 15誘導の異種移植 片でも同様の結果が見られた。 確立されたHCT 15誘導腫瘍においてピロリジンジチオカルバメートと5 −FUのin vivo効果をさらに調べるため、マウスを、単独薬剤治療で有 意差が確認されたあと併用治療に切り換えた(図2B)。最初に処置を受けなか ったマウスは3週間までに大きな腫瘍(2780±257mm3)を発現した。 このときに5−FUとピロリジンジチオカルバメートでこれらのマウスを処置す ると、これらの進んだ病変のサイズが低下した(6週目:1184±96mm3 )。最初に単独薬剤で処置されたマウスでの併用処置(5−FUとピロリジンジ チオカルバメート)への切り換えも腫瘍サイズを低下させた。最初に5−FUお よびピロリジンジチオカルバメート単独で処置された動物について、腫瘍サイズ はそれぞれ1864±190mm3から660±82mm3に、また1325±2 10mm3 から637±231mm3に低下した。これらの結果はin vitro所見を 補足するものとなり、抗酸化剤がCRC細胞において5−FUの効果を有意に増 強することを示唆している。 体重の変化あるいは主要器官の肉眼解剖検査と顕微鏡検査によって判定したと き、マウスにおいて薬剤誘発毒性の徴候を認めなかった。剖検では、すべての腫 瘍が腫瘍サイズあるいは治療処方に関わりなく肉眼的な中心壊死を示した。ピロ リジンジチオカルバメートと5−FUで処置したマウスからの腫瘍はもはや存在 しなかったので、この処置群はこれらの分析から除外した。残存する腫瘍の免疫 組織化学的分析は、治療処方に関わりなく、高い増殖指数を示した。しかし、ア ポトーシス指数は、両方の異種移植片モデルにおいてビタミンE処置後約5倍上 昇した(図2C)。これに対し、5−FUで処置した腫瘍のアポトーシス指数は 、突然変異型p53(HCT 15)に比べて野生型p53(HCT 116) を発現する細胞で顕著に高く、5−FUの細胞毒性におけるp53媒介のアポト ーシスの役割を裏付けた。ビタミンEと5−FU併用処置は、突然変異型p53 の遺伝的背景においてさえも、これらの腫瘍におけるアポトーシス指数をさらに 上昇させることができた。突然変異型 p53 HCT 15細胞でのビタミンEと5−FU誘導のアポトーシスの明ら かな相乗作用は、抗酸化剤がアポトーシスシグナル伝達経路を再建し得ることを 示唆している。 実施例141細胞周期停止とその後のアポトーシスの調節は、p53およびp21WA F1/PICIやp27のようなサイクリン依存性キナーゼ阻害剤を含めた数多 くの細胞蛋白に帰せられてきた。ウエスタンブロット分析によって測定したよう に(図3A)、ピロリジンジチオカルバメートは24時間にわたってHCT 1 16あるいはHCT 15細胞のp53あるいはp27蛋白レベルに影響を及ぼ さなかった。これに対し、p21WAF1/CIP1蛋白とmRNAレベルはピロリジン ジチオカルバメート処置後1時間以内に上昇し、24時間持続した(図1B)。 ピロリジンジチオカルバメートによるp21WAF1/CIP1mRNAの誘導は、ユ ビキチン媒介の蛋白分解を通してp53を不活性化するヒト乳頭腫ウイルス(H PV)E6を発現するHCT 116細胞において抗酸化剤の作用が減衰しなか ったため、p53非依存性であると思われた(図3B)(Scheffnerら 、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A. 88,5523(1991);Crookら、Oncogene 6,873( 1991))。ビタミンEで処置したHCT 116およびHCT 15細胞に おぃてもp21WAF1/CIP1発現の同様の上昇が認められた。 抗酸化剤によるp21WAF1/CIP1の誘導がこれらの細胞周期の分断を必要とす ることを確認するため、親HCT 116細胞あるいは細胞をピロリジンジチオ カルバメートあるいはビタミンEによるp21WAF1/CIP1の標的分断で24時間 処置した(図3C)。両方の細胞型において、抗酸化剤媒介のアポトーシスが有 意に減衰し、p21WAF1/CIP1が抗酸化剤媒介の細胞死において中心的役割を果 たすことを示唆した。 実施例15 p21WAF1/CIP1の誘導が抗酸化剤の転写活性に依存することを確認するため 、ルシフェラーゼリポーター遺伝子に連結したp21WAF1/CIP1プロモーターの 2.4キロベース対断片でHCT 116およびHCT 15細胞をトランスフ ェクションした。トランスフェクションした細胞をピロリジンジチオカルバメー トで処置すると、p21WAF1/CIP1mRNAおよび蛋白のp53非依存性誘導と 一致してHCT 116と HCT 15の両方の細胞で、p21WAF1/CIP1プロモーター活性を約5倍誘導 した(図4A)。このプロモーターの連続的な欠失は、p21WAF1/CIP1プロモ ーターのピロリジンジチオカルバメート応答要素がヌクレオチド−2078と− 1874の間に位置することを明らかにした。部位特異的突然変異誘発によるこ の部位の分断はピロリジンジチオカルバメートによるルシフェラーゼ活性の誘導 を消失させ、ピロリジンジチオカルバメート誘導のp21WAF1/CIP1転写にはN F_IL6部位が必要であることを示した。 NF_IL6コンセンサス配列は、CCAAT/エンハンサー結合蛋白(C/ EBP)ファミリーの転写因子のメンバーによって認識される(S.Akira とT.Kishimoto,Immunol Rev.127,25(1992 );Landschulzら、Genes Dev.2 786(1988); Caoら、同上5,1538(1991);Changら、Mol.Cell. Biol.10,6642(1990);Williamsら、同上5,155 3(1991);Akiraら、EMBO.J.9,1897(199O);P oliら、Cell 63,25 643(1990))。これらの因子 は、他のbZIP蛋白とのホモダイマーあるいはヘテロダイマーの形成を促進す るロイシンジッパー(bZIP)ダイマー化領域に隣接する基本的DNA結合領 域を含む。興味深いことに、C/EBPαはp21WAF1/CIP1を転写的に上方調 節し、マウスの前脂肪細胞における細胞増殖を抑制することを示したが、アポト ーシスとの関連性は認められなかった。 p21WAF1/CIP1 NF_IL6シス要素を含む32P標識オリゴヌクレオチド と、24時間にわたってピロリジンジチオカルバメートで処置したHCT 11 6およびHCT 15細胞からの核抽出物について実施した電気泳動移動度アッ セイ(EMSA)によって測定したとき、ピロリジンジチオカルバメート処置後 にp21WAF1/CIP1 NF_IL6部位へのDNA結合活性が上昇した(図4B :左のパネル)。移動した複合体は、コンセンサスNF_IL6配列を含む50 倍モル過剰の標識していないオリゴヌクレオチド(右のパネル:レーン2)と競 合したが、突然変異NF_IL6コンセンサス配列を含むオリゴヌクレオチド( レーン3)とは競合せず、誘導された複合体がNF_IL6シス要素に特異的で あることを示唆した。誘導複合体のスーパーシフト分析は、移動した複合体が NF_IL6シス要素とC/EPBβ(レーン5)の相互作用によるものであり 、C/EBPα(レーン4)あるいはC/EBPδ(レーン6)との相互作用に よるものではないことを示唆した。 C/EBPβがp21WAF1/CIP1転写活性に影響を及ぼしうることを確認する ため、C/EBPα、βあるいはδをコードする真核細胞発現プラスミドを、完 全な長さのp21WAF1/CIP1−ルシフェラーゼプロモーター構築物を含むHCT 116あるいはHCT 15細胞にコトランスフェクションした(図4Cおよ び4D)。C/EBPβのトランスフェクションは、p21WAF1/CIP1プロモー ター活性を用量依存的に強く活性化し、NF_IL6部位の突然変異はこの刺激 を消失させた。これに対し、C/EBPαあるいはC/EBPδはp21プロモ ーター活性を刺激することができなかった。 最後に、エクジソン誘導性プロモーターの制御下で、センスおよびアンチセン スの両方向にヒトC/EBPβcDNAで安定にトランスフェクションされたH CT 15細胞の系統を生成することにより、アポトーシスシグナル伝達経路に おけるC/EBPβの機能的役割を検討した。 構造的に発現されたC/EBPβが細胞死を誘導する可能性を避けるため、エ クジソン(ムリステロンA)誘導性発現系(Invitrogen,Carls bad,CA)を使用した。ヒトC/EBPβcDNAを都合のよい酵素開裂部 位でpINDにサブクローニングした。センスおよびアンチセンスC/EBPβ 配列を含む構築物を二本鎖DNA塩基配列決定によって確認した。トランスフェ クションの前に、pIND−C/EBPβ構築物をPmeIで線形化し、精製し た。製造者の指示に従ってCELLFECTINを使用して、HCT 15細胞 を5μgのpVgRXR(Invitorgn)と10μgのpIND−C/E BPβでトランスフェクションした。24時間後、1mg/mlのGeneti cinと10mg/mlのプロマイシン(GIBCO BRL)を補足した培地 に細胞を移して、トランスフェクタントクローンを選択した。2週間後、希釈を 制限して抗生物質耐性細胞をサブクローニングした。24時間の10μMムリス テロンAの誘発とウエスタンブロット分析により、C/EBPβ蛋白の発現とそ の後のp21WAF1/CIP1の誘導を測定した。すべてのアッセイについて3つの独 立した陽性クローンを使用し、基本的に同じ結果 を得た。 これらの細胞系からそれぞれ誘導したクローンからの代表的なデータを図4E および図4Fに示す。C/EBPβの過剰発現は、刺激していない基線レベルと 比べてp21WAF1/CIP1蛋白レベルを上昇させた(図4E:挿入図)。C/EB Pβの誘導はまた、抗酸化剤の存在下および不在下のいずれにおいてもこれらの 細胞のアポトーシス指数の上昇を導いた。さらに、アンチセンスmRNA誘導に よるC/EBPβ発現の抑制は、これらの細胞での抗酸化剤誘導のアポトーシス をほとんど消失させた(図4E)。C/EBPβの誘導が結腸直腸癌細胞への抗 酸化剤の作用を媒介することのさらなる証拠が、過剰発現C/EBPβの存在下 で5−FUあるいはドキソルビシンのいずれかに応答したアポトーシス指数の上 昇によって明らかにされた(図4F)。C/EBPβの過剰発現が存在しない場 合、5−FUはアポトーシス指数を20%上昇させたが、ドキソルビシンはアポ トーシスを誘導しなかった。これらの細胞が5−FUあるいはドキソルビシンの 存在下でC/EBPβを過剰発現するように誘導されたときには、アポトーシス はそれぞれ70%と80%に上昇した。以上のことを合わせて考慮すると、こ れらのデータは、抗酸化剤によるアポトーシスの誘導が、少なくとも一部には、 転写因子C/EBPβの活性化を通してp21WAF1/CIP1のp53非依存性誘導 によって媒介されることを示している。 もうひとつの転写因子、NF−kBはTNFαが媒介するアポトーシスに対し て耐性を与えることが示されているが、最近の報告は、腎上皮細胞におけるNF −kB DNA結合活性の誘導が血清撤退後のアポトーシスに先行することを明 らかにした。NF−kB活性は、リン酸化の抑制とそれに続くその阻害剤(Ik B)のプロテアソーム媒介の蛋白分解を通して、ピロリジンジチオカルバメート によって下方調節されうる。これらの試験で使用したピロリジンジチオカルバメ ートの用量では、これらのCRC細胞においてNF−kB DNA結合活性の低 下は検出されなかった。さらに、最近になってp21WAF1/CIP1の誘導がNF− kBの転写活性を上昇させうることが明らかにされ、従って、これらの細胞での 抗酸化剤作用がNF−kB活性の低下によって媒介されるとは考えにくい。これ らの試験は、転写因子C/EBPβの誘導が化学療法剤媒介のアポトーシスに対 してCRC細胞を感作することを示している。 直接あるいは間接的なC/EBPβの活性化はp21WAF1/CIP1遺伝子の発言 を誘導し、2つの直腸結腸癌細胞系においてG1細胞周期の停止とアポトーシス を導いた。抗酸化剤、ピロリジンジチオカルバメートとビタミンEが機能性p5 3に依存せずにこの転写因子を誘導する能力は、DNA損傷物質の効力に重要な 生物学的影響を及ぼす。5−FUとドキソルビシンはいずれも、主としてDNA 損傷の誘発を通して細胞毒性作用を発揮する。この損傷が、定義されていない機 序を通して、p53の誘導をシグナル伝達し、それが今度は細胞増殖の抑制とア ポトーシスを導く。進んだCRC腫瘍の80%以上でp53の突然変異が起こる ことがら、これらの突然変異が、5−FUのようなDNA損傷性薬剤に対して進 行した直腸結腸癌腫の応答率が比較的低いことの原因であると考えられる。5− FUは局所的な野生型p53結腸直腸癌腫の治療において特に有効であるが、進 行した、しばしば突然変異型p53を含む結腸直腸癌腫を有する患者ではその成 功率が15〜20%に低下する。従って、p53媒介のアポトーシスの必要性を 回避する抗酸化剤(これらの試験全体を通じてヒトで得られうる用量で使用した )の能力は、進行した結腸直腸癌および他の充実性腫瘍のための抗酸 化剤と化学療法剤の組合せの有用性を示すものである。 実施例16 図5aおよび5bは、HCT 116およびHCT 15細胞の増殖に対する 試験化合物の作用の測定として、食塩水、ビタミンE、PDTC、5−FU、お よびビタミンEと5−FUの組合せで処置した胸腺欠損マウスから誘導した結腸 直腸細胞異種移植片からのBrDU標識細胞(総細胞核のパーセント)の棒グラ フである。図6aおよび6bは、試験化合物のアポトーシスへの作用の測定とし て、やはり食塩水、ビタミンE、PDTC、5−FU、およびビタミンEと5− FUの組合せで処置した胸腺欠損マウスから誘導した異種移植片からのTUNE L陽性細胞(総細胞核のパーセント)の棒グラフである。標準的な組織学的手法 に従って腫瘍組織を4%(v/v)パラホルムアルデヒドに一晩固定し、パラフ ィンに包埋した。切片を10mMクエン酸緩衝液(pH6.0)で前処理し、B rDUに対するPC10モノクローナル抗体(Boehringer Mann heim)と共に培養した。断片化したDNAのTdT標識(TUNEL)を製 造者に指示に従って実施した。200倍の倍率の顕微鏡下で採点した細胞のパー センテージによって、 増殖指数(BrDU)とアポトーシス指数(TUNEL)を評価した。 実施例17 図7に示すように、PDTC処置は翻訳後修飾を通してC/EBPβ DNA 結合活性を誘導する。(A)DKO−1細胞を70μM PDTCで指定された 時間処置し、[γ−32P]標識p21NF_IL6オリゴヌクレオチドで核抽出 物を調製した(レーン1〜9)。特異性アッセイ:レーン10〜12、PDTC で3時間(レーン5)、過剰の未標識野生型(レーン11)および突然変異型( レーン12)オリゴヌクレオチドで処置したDKO−1細胞から誘導した核抽出 物に関して競合制御を実施した。レーン13−15、C/EBPα(レーン13 )、β(レーン14)、あるいはδ(レーン15)ポリクローナル抗体を用いて スーパーシフト分析を行った。(B)同様のDKO−1細胞培養物をPDTC( 70μM)で指定された時間処置した。ポリ(A)を単離し、処置に関連するC /EBPβmRNAレベルの変動をノーザンブロット分析によって評価した。I B15を等しい負荷と転移についての対照として示す。(C)同様のDKO−1 培養物を[32P]オルトリン酸塩の存在下にPDTC (70μM)で処置した。サイトゾルおよび核分画からのC/EBPβをPDT C処置の前(0の時点)あるいは処置後の表示された時点で細胞からの免疫沈降 反応によって精製した。処置に関連するC/EBPβの局在の変化をSDS−P AGEとそれに続くオートラジオグラフィーあるいはウエスタンブロット分析に よって分析した(総細胞蛋白100μg/レーン)。(D)DKO−1細胞をPD TC(70μM)の存在下で1時間培養し、その後免疫細胞化学用に調製して、 処置に関連したC/EBPβ蛋白のコンパートメント化の差を検出した。すべて の実験において、in vitroで翻訳したC/EBPβ蛋白と共に予備培養 しておいた免疫前血清あるいは一次抗C/EBPβ抗血清で処置した同様の培養 物は、二次Cy3共役抗体による処置後蛍光シグナルを示さなかった。代表的な 顕微鏡写真は、PDTC処置前と処置後の抗C/EBPβ染色細胞を示す。 実施例18 図8は、内因性cAMPレベルとPKA活性へのPDTCの作用を示す。DK O−1細胞を70μMのPDTCで指定された時間処置した。細胞溶解産物を調 製し、(A)内因性cAMP レベルあるいは(B)PKA活性(実験手順参照)に関して検定した。数値は蛋 白μg当りのpmol平均±s.e.m.で表しており、四重に実施した3回の 実験の代表値である。実施例19 図9は、PDTCがSer299においてC/EBPβをリン酸化することを示 す。(A)0μM(レーン1)、70μM PDTC(レーン2)あるいは50 μMフォルスコリンで処置した[32P]オルトリン酸塩標識DKO−1細胞(2 mCi/ml、3時間)からの内因性C/EBPβを抗C/EBPβ抗体で免疫 沈降させた。標識蛋白をSDS−PAGEとそれに続くオートラジオグラフィー によって視覚化した。(B)in vivo標識エピトープで標識したC/EB Pβのトリプシンホスホペプチドマップ。PDTC処置あるいは未処置DKO− 1細胞からFLAGエピトープに対する抗体で免疫沈降させた野生型(WT)お よび突然変異型(Ala299)C/EBPβをトリプシンで消化し、電気泳動と 薄層クロマトグラフィーによってホスホペプチドを分離し、オートラジオグラフ ィーで視覚化して、X1,2を構造的にリン酸化した。野生型蛋白でトランスフェ クションした細胞ではPDTC処置後にホスホペプチ ドX3が増加したが、突然変異型蛋白ではホスホペプチドX3は増加しなかった 。丸は起点を示す。(C)未処置細胞とPDTCで処置した細胞からのC/EB Pβの野生型およびAla置換突然変異型のin vivoでのリン酸化の比較 。オートラジオグラフィー(上)とC/EBPβ免疫ブロット(下)を示す。( D)蛋白が核に転移するためにはC/EBPβ内のSer299のリン酸化が不可 欠である。DKO−1細胞をpCMV−C/EBPβ(WT)あるいはpCMV −C/EBPβ(Ala299)でトランスフェクションし、PDTCで3時間処 置した。C/EBPβ蛋白を実験手順に述べられているように免疫細胞化学によ って視覚化した。 実施例20 図10は、C/EBPβのPKAリン酸化が核転移に必要であることを示す。 (A)同様のDKO−1細胞培養物をPDTC(0または70μM)で3時間処 置した。ポリ(A)+mRNAと蛋白を各々の群から単離し、C/EBPβmR NAと蛋白レベルの処置に関連した変動をノーザンまたはウエスタンブロット分 析によって評価した。TB15を等しい負荷と転移についての対照として示す。 (B)DKO−1細胞をPDTC(0ま たは70μM)あるいはPDTCとmPKI(ミリスチル化蛋白キナーゼA阻害 剤;1μM)で3時間処置した。細胞をパラホルムアルデヒドで固定し、C/E BPβ蛋白を免疫蛍光染色によって視覚化した。mPKI単独での細胞の処置は C/EBPβの核転移を誘導することができなかった(データは示していない) 。 実施例21 図11は、PP2Acの触媒サブユニットのカルボキシメチル化がPDTCに よって阻害されることを示す。DKO−1細胞を、[メチル−3H]S−アデノ シルメチオニンおよび/またはは70μM PDTCを含む血清含有培地で3時 間培養した。標準的な方法を用いてサイトゾルあるいは核分画を調製し、C/E BPβを免疫沈降させた。抗体/抗原複合体をSDS−PAGEによって分割し 、PP2Acの存在をフルオログラフィーによって検出した(一晩)。PDTC は核分画中のPP2Aサブユニットのカルボキシメチル化を抑制し、それよりも 少ない度合でサイトゾル分画中のPP2Aサブユニットのカルボキシメチル化を 抑制した。実施例22 図12は、PDTCがPP2Acのメチルトランスフェラーゼ活性化を抑制す ることを示す。PP2A(aおよびCダイマー)を、[メチル−3H]S−アデ ノシルメチオニン、漸増濃度のPDTCおよび部分精製したラットメチルトラン スフェラーゼの存在下に37℃で30分間培養した。SDSサンプル緩衝液を加 えて反応を停止した。サンプルをSDS−PAGEによって分割し、メチル化P P2A触媒サブユニットの存在をフルオログラフィーによって視覚化した。PD TCは、メチルトランスフェラーゼがPP2Aの触媒サブユニットを用量依存的 にカルボキシル化する能力を選択的に抑制する。 実施例23 PP2A活性に対するPDTCの特異的で直接的な抑制作用を明らかにするた め、DKO−1細胞を最初に17μMのPDTCで3時間処置した。細胞溶解産 物を調製し、リン酸塩が放射標識されているリン酸化C/EBPβの存在下に3 7℃で10分間、次の試薬で処置した:12(選択的PPI阻害剤)、オカダイ ン酸(PP2AとPP1の選択的阻害剤)、I2とPDTC、ならびにオカダイ ン酸とPDTC。図13に示すように、PDTC はDKO−1抽出物におけるホスファターゼ活性を抑制し、その結果、C/EB Pβをリン酸化状態に維持した。この作用は抗酸化剤の除去後可逆的である。こ の結果は、PP2AホスファターゼのPDTC抑制と一致する。これに対し、P P1ホスファターゼ特異的阻害剤、12は、同じ条件下でC/EBPβを脱リン 酸化から保護することができなかった。予想されたように、非特異的ホスファタ ーゼ阻害剤、オカダイン酸はすべてのDKO−1ホスファターゼ活性を抑制し、 従ってC/EBPβを脱リン酸化から保護した。これらの結果は、PDTCのよ うな抗酸化剤が、C/EBPβの脱リン酸化に関わるPP2Aのような1つのク ラスのホスファターゼの特異的阻害剤であることを示している。 実施例24 細胞増殖あるいはアポトーシスへのPDTCの作用を多くの正常および癌細胞 系において評価した。IC50を、細胞増殖を阻害するPDTCの濃度として測定 した。結果を表1に示す。表示されているように、PDTCは正常細胞の増殖を 阻害しないが、乳癌細胞、胃癌細胞、骨肉腫細胞および膵癌細胞の増殖を実質的 に抑制した。 表1:細胞増殖へのPDTCの作用 (細胞増殖を抑制するあるいはアポトーシスを誘導するために必要なIC50正常細胞 ケラチノサイト 600uM 初期結腸細胞 500uM 初期***上皮 650uM 形質転換していないラット腸上皮細胞 450uM乳癌細胞 MCF−7 13uM MCF−10WT 5uM MCF−10HRas 5uM MDA−MB231 10uM MDA MB−468 20uM胃癌細胞 Hs746T 35uM N−87 40uM骨肉腫 Saos−2 10uM膵癌細胞 AsPol 70uM PANC−1 75uM BxPc3 100uM実施例25 抗酸化剤が正常細胞においてアポトーシスを誘導するかどうかを調べるため、 正常細胞と癌細胞を70μM PDTCと共に24時間培養し、DNAの断片化 を対照のパーセンテージとして評価した。表2および3に示すように、正常細胞 系(初期結腸細胞)はPDTCとの24時間の接触後有意なDNA断片化を示さ なかったが、癌細胞(野生型p53 HCA−7、HCT 116、突然変異型 p53 HCT 15、DLD−1およびDKO−3細胞)は実質的なDNA断 片化を示した。 表2:PDTCはin vitroでCRC細胞におけるアポトーシスを誘導す るが、正常細胞ではアポトーシスを誘導しない(I)太字の数値:AOVAによって判定したとき未処置細胞と有意差あり(P<0. 01) 表3:PDTCはin vitroでCRC細胞におけるアポトーシスを誘導す るが、正常細胞ではアポトーシスを誘導しない(II) 太字の数値:AOVAによって判定したとき未処置細胞と有意差あり(P<0. 01) 実施例26 表4および5に示すように、PDTCはマウス小腸およびマウス結腸において 5−FUの毒性を実質的に低下させる。これらの結果は、PDTCが抗腫瘍性薬 剤の細胞毒性を高めるだけでなく、同時に細胞毒性薬剤に接触した正常細胞に緩 和作用を及ぼすことを示唆している。 実施例27 C/EBPβ/PP2Aメチルトランスフェラーゼ複合体の単離 C/EBPβ、PP2Aおよびメチルトランスフェラーゼから成る新規多成分 複合体を単離し、最初に特性づけた。この複合体は、細胞***およびアポトーシ スを含むがそれらに限定さ れない、PP2Aと下流の転写事象の調節において重要な役割を果たすと思われ る。 同時免疫沈降手法は、転写因子C/EBPβがPP2Ac蛋白ホスファターゼ と複合することを初めて明らかにした。この新規複合体は、PP2AによるC/ EBPβのリン酸化状態の制御において機械作用的に需要な役割を果たすと思わ れる。 さらに、C/EBPβ/PP2Ac複合体はまた、C/EBPβの触媒サブユ ニットをカルボキシメチル化するメチルトランスフェラーゼを含むことが示され た。ラット脳の可溶性抽出物をフェニル−セファロースで分別し、外因性PP2 Aヘテロダイマー(AC複合体)を用いてメチルトランスフェラーゼ活性を分析 した。メチルトランスフェラーゼ活性のピークをSource Q(強力な陰イ オン交換樹脂)とゲル濾過クロマトグラフィーによってさらに分別した。図14 の部分精製したメチルトランスフェラーゼは、ゲル濾過カラムからのピークメチ ルトランスフェラーゼ活性を示す。メチルトランスフェラーゼ活性のこのピーク 分画をさらにDEAE(弱い陰イオン交換樹脂)とMono Q(異なる強力な 陰イオン交換樹脂)カラムに移した。C/EBPβとPP2Aの両方がこれらの 追加段階後に検出可能である。 ラット脳抽出物は陽性対照として示している(C/EBPβとPP2AcはSD S−PAGE上を約45および36kDa移動する)。 本発明の修正および変更は上記の詳細な記述から当業者には明白であろう。そ のような修正および変更は付属の特許請求の範囲内に含まれることが意図されて いる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/34 A61K 31/34 31/357 31/357 31/365 31/365 31/381 31/381 31/395 31/395 31/396 31/396 31/40 31/40 31/407 31/407 31/409 31/409 31/416 31/416 31/4164 31/4164 31/4166 31/4166 31/4168 31/4168 31/4178 31/4178 31/4188 31/4188 31/4196 31/4196 31/4353 31/4353 31/437 31/437 31/4375 31/4375 31/4468 31/4468 31/451 31/451 31/47 31/47 31/4704 31/4704 31/473 31/473 31/495 31/495 31/5025 31/5025 31/506 31/506 31/513 31/513 31/519 31/519 31/52 31/52 31/53 31/53 31/566 31/566 31/585 31/585 31/67 31/67 31/675 31/675 31/70 31/70 31/7008 31/7008 31/704 31/704 31/7042 31/7042 31/706 31/706 31/7064 31/7064 31/7072 31/7072 31/7076 31/7076 31/7135 31/7135 38/43 45/00 38/45 47/20 38/55 A61P 9/00 45/00 17/06 47/20 35/00 A61P 9/00 43/00 17/06 A61K 37/64 35/00 37/52 43/00 37/48 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AU,BA,BB,BG,BR,CA,CN,CU, CZ,EE,GE,HU,ID,IL,IS,JP,K P,KR,LC,LK,LR,LT,LV,MG,MK ,MN,MX,NO,NZ,PL,RO,SG,SI, SK,SL,TR,TT,UA,US,UZ,VN,Y U (72)発明者 コフイー,ロバート・ジエイ アメリカ合衆国、カリフオルニア・94062、 ウツドサイド、リツジ・ロード・125 (72)発明者 メツドフオード,ラツセル・エム アメリカ合衆国、ジヨージア・30350、ア トランタ、フアウンデイル・ウエイ・7935 (72)発明者 ワジンスキー,ブライアン アメリカ合衆国、テネシー・37221、ナツ シユビル、ロンドンベリー・ロード・8217

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.有効量の抗腫瘍性薬剤を、細胞毒性を高める有効量の抗酸化剤と組合わせて 治療を必要とする宿主に投与することを含む、異常細胞増殖疾患に対する抗腫瘍 性薬剤の細胞障害活性を高める方法。 2.抗腫瘍性治療に先立って、治療と同時に、あるいは治療後に抗酸化剤を投与 することを含む、異常増殖する細胞の充実性成長の治療のために投与される抗腫 瘍性薬剤の毒性を低下させる方法。 3.抗腫瘍性治療に先立って、治療と同時に、あるいは治療後に抗酸化剤を投与 することを含む、異常増殖する細胞の充実性成長の治療のために投与される抗瘍 性薬剤の治療指数を上昇させる方法。 4.細胞の内部に抗酸化剤を投与することを含む、細胞中のC/EBPβの核局 在を上昇させる方法。 5.メチルトランスフェラーゼを、抑制を達成するために十分な量の抗酸化剤と 接触させることを含む、蛋白ホスファターゼ2Aに作用するメチルトランスフェ ラーゼによる蛋白ホスファ ターゼ2Aの触媒サブユニットのカルボキシメチル化を抑制する方法。 6.化合物のC/EBPβのSer299におけるリン酸化を促進する能力を評価 することを含む、抗腫瘍性薬剤の細胞毒性を高める化合物の同定のための方法。 7.化合物の蛋白ホスファターゼ2Aのカルホキシメチル化を抑制する能力を評 価することを含む、抗腫瘍性薬剤の細胞毒性を高める化合物の同定のための方法 。 8.X2が298位のC/EBPβアミノ酸であり、X1とX3がC/EBPβ と実質的な相同性を持つ隣接ペプチド配列を表す、−X1−Arg−X2−Se r−X3の形態のペプチド配列。 9.異常細胞増殖が結腸直腸癌である、請求項1に記載の方法。 10.異常細胞増殖が乳癌である、請求項1に記載の方法。 11.C/EBPβ、PP2AおよびPP2Aサブユニットのカルボキシメチル 化の役割を担うメチルトランスフェラーゼから成る、少なくとも70%の純度の 蛋白複合体。 12.有効量のC/EBPβあるいはC/EBPβと実質的な相同性を持つ蛋白 をリン酸化形態あるいはリン酸化していない 形態で宿主に投与することを含む、宿主における異常細胞増殖状態を治療するた めの方法。 13.C/EBPβと実質的な相同性を持つ蛋白が、X2が298位のC/EB Pβアミノ酸であり、X1とX3がC/EBPβと実質的な相同性を持つ隣接ペ プチド配列を表す、−X1−Arg−X2−Ser−X3の形態のペプチド配列 から成り、あるいはかかるペプチド配列を含み、実質的な相同性という用語が、 親配列と実質的に同じ機能を達成し、且つ少なくとも60%の配列同一性を持つ 蛋白あるいはペプチド配列を指す、請求項13に記載の方法。 14.安定化されたリン酸結合を持つ合成C/EBPβ類似体あるいは脱リン酸 化に対して抵抗性であるその類似体。 15.ホスホロアミデートあるいはホスホネート類似体である、請求項15に記 載の合成類似体。 16.抗酸化剤がジチオカルバメートである、請求項1、2、3、4または5に 記載の方法。 17.ジチオカルバメートがA−SC(S)−Bの構造を持ち、Aが水素あるい は製薬上許容されるカチオンであり、Bがアルキル、アルケニル、アルキニル、 アルカリール、アラルキル、 ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、アルカリール、水 素、C1-6アルコキシ−C1-10アルキル、C1-6アルキルチオ−C1-10アルキル、 NR23、−(CHOH)nCH2OH、ただしnは0、1、2、3、4、5また は6である、アルキルアセチル、アルキルプロピオニルおよびアルキルブチリル を含めた−(CH2nCO21、あるいはヒドロキシ(C1-6)アルキル−(1 またはそれ以上のヒドロキシル基がいずれかの炭素原子上に位置する)、あるい はNR22、ただしR2とR3は独立にアルキルである;−(CHOH)n(CH2 nOH、ただしnは0、1、2、3、4、5または6である;−(CH2nC O21、−(CH2nCO24;ヒドロキシ(C1-6)アルキル−;アルケニル (ビニル、アリルおよびCH3CH=CH−CH2−CH2を含むがこれらに限定 されない);アルキル(CO2H)、アルケニル(CO2H)、アルキニル(CO2 H)、あるいはアリール、ただしアリール基は上述したように、特にたとえば NO2、CH3、t−ブチル、CO2H、ハロあるいはp−OH基で置換されてい てもよい;あるいはR2とR3が一緒になって−(CH2m−のようなブリッジを 構成していてもよい、ただしmは3、4、5、6、7、 8、9または10である、R4はアセチル、プロピオニルおよびブチリルを含め たアルキル、アリール、アルカリールあるいはアラルキルである、あるいはBは 、部分的あるいは全面的に水素添加されていてもよい、ヘテロ環式あるいはアル キルヘテロ環式基でもよい、請求項16に記載の方法。 18.抗酸化剤がプロブコールあるいはそのモノまたはジエステルである、請求 項1、2、3、4、5または6に記載の方法。 19.プロブコールの一方または両方のヒドロキシル基がコハク酸、グルタル酸 、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、あるいはマレイン酸の エステルで置換されている、請求項18に記載の方法。 20.抗酸化剤が2,6−ジアルキル−4−シリルフェノールである、詰求項1 、2、3、4、5または6に記載の方法。 21.抗酸化剤がN−アセチルシステインである、請求項1、2、3、4、5ま たは6に記載の方法。 22.抗酸化剤が、過酸化物のスカベンジャー、チオール、脂質過酸化阻害剤、 食事性抗酸化物質、リポキシゲナーゼおよびシクロオキシゲナーゼの阻害剤、身 体で製造される抗酸化物質、および合成フェノール抗酸化剤から成る群から選択 される、請 求項1、2、3、4、5または6に記載の方法。 23.抗腫瘍性薬剤が、アセグラトン;アクラルビシン;アルトレタミン;アミ ノグルテチミド;5−アミノグレアブリン酸;アムサクリン;アナストロゾール ;塩酸アンシタビン;17−1A抗体;抗リンパ球免疫グロブリン;アンチネオ プラストンA10;アスパラギナーゼ:ペガスパルガーゼ;アザシジチン;アザ チオプリン;バチマスタット;ベンゾポルフィリン誘導体;ビカルタミド;塩酸 ビサントレン;硫酸ブレオマイシン;ブレキナールナトリウム;ブロクスウリジ ン;ブスルファン;カンパス−IH;カラセミド;カルベチマー;カルボプラチ ン;カルボクオン;カルモファー;カルムスチン、クロラムブシル;クロロゾト シン;クロモマイシン;シスプラチン;クラドリビン;座瘡プロピオンバクテリ ウム;シクロホスファミド;サイクロスポリン;シタラビン;ダカルバジン;ダ クチノマイシン;塩酸ダウノルビシン;デシタビン;ジアジクオン;ジクロロジ エチルスルフィド;ジデムニンB.;ドセタキセル;ドキシフルリジン;塩酸ド キソルビシン;ドロロキシフェン;エチノマイシン;エダトレキサート;エリプ チニウム;エルムスチン;エンロプラチン;エノシタビン;塩酸エピルビシン; リン酸エ ストラムスチンナトリウム;エタニダゾール;エトグルシド;エトポシド;塩酸 ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フロクスウリジン;リン酸フ ルダラビン;フルオロウラシル;フルタミド;ホルメスタン;フォテムスチン; 硝酸ガリウム;ゲンシタビン;グスペリムス;ホモハリントニン;ヒドロキシ尿 素;塩酸イダルビシン;イフォスファミド;イルモフォシン;イモプロスルファ ントシレート;イノリモマブ;インターロイキン−2;イリノテカン;JM−2 16;レトロゾール;リチウムガモレナート;ロバプラチン;ロムスチン;ロニ ダミン;マフォスファミド;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メ トトレキサート;メトトレキサートナトリウム;ミボプラチン;ミルテフォシン ;ミソニダゾール;ミトブロニトール;ミトグアゾンジヒドロクロリド;ミトラ クトール;ミトマイシン;ミトタン;塩酸ミトザントロン;ミゾリビン;モピダ モール;マルチアルキルペプチド;ムロモナーブ−CD3;塩酸ムスチン;ミコ フェノール酸;ミコフェノレートモフェチル;ネダプラチン;ニルタミド;塩酸 ニムスチン;オキサリプラチン;パクリタキセル;PCNU;ペノスタチン;硫 酸ペプロマイシン;ピポブロマン;ピラルビシン;ピリトレキシ ムイセチオネート;塩酸ピロキサントロン;プリカマイシン;ポルフィマーナト リウム;プレドニムスチン;塩酸プロカルバジン;ラルチトレキセート;ラニム スチン;ラゾキサン;ログレチミド;ロキニメックス;セブリプラチン;セムス チン;シロリムス;シゾフィラン;ソブゾキサン;ブロメブレートナトリウム; スパルフォジン酸;スパルフォゼートナトリウム;ストレプトゾシン;スルオフ ェヌール;タクロリムス;タモキシフェン;テガファー;塩酸テロキサントロン ;テモゾロミド;テニポシド;テストラクトン;メソテトラフェニルポルフィン スルホン酸四ナトリウム;チオグアニン;チオイノシン;チオテパ;トポテカン ;トレミフェン;トレオスルファン;トリメトレキサートトロフォスファミド; 腫瘍壊死因子;ユベニメックス;ウラムスチン;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビン クリスチン;硫酸ビンデシン;酒石酸ビノレルビン;ボロゾール;ジノスタチン ;ゾリモマブ・アリトックス;および塩酸ゾルビシンから成る群から選択される 、請求項1、2、3、6または7に記載の方法。 24.異常細胞増殖が良性腫瘍である、請求項1、2、3または12に記載の方 法。 25.異常細胞増殖が悪性腫瘍である、請求項1、2、3または12に記載の方 法。 26.異常細胞増殖が過増殖性あるいは新生物発生前病変である、請求項1、2 、3または12に記載の方法。 27.異常細胞増殖が、乳頭腫、腺腫、線維腫、軟骨腫、骨腫、脂肪腫、血管腫 、リンパ管腫、平滑筋腫、横紋筋腫、髄膜腫、神経腫、神経節細胞腫、母斑、ク ロム親和性細胞腫、神経鞘腫、線維腺腫、奇形腫、胞状奇胎、顆粒層膜、ブレン ナー腫瘍、卵巣男性胚細胞腫、内細胞腫、性索間葉、ライディヒ細胞腺腫、胸腺 腫、腎細胞癌、前立腺癌、膀胱癌、腺癌、線維肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、脂肪肉 腫、血管肉腫、リンパ管肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、骨髄性白血病、赤白血 病、多発性骨髄腫、神経膠腫、髄膜肉腫、胸腺腫、葉状嚢肉腫、腎芽細胞腫、奇 形腫絨毛上皮腫、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、皮膚原発性あるいは皮膚に 浸潤する皮膚腫瘍、カポジ肉腫、ならびに粘膜組織の前悪性および悪性疾患、中 枢神経系腫瘍、菌状息肉腫、乾癬、皮膚筋炎、慢性関節リウマチ、ウイルス、伝 染性軟属腫、女性生殖道の再発悪性および悪性疾患から成る群から選択される、 請求項1、2、3または12に記載の方法。 28.異常細胞増殖が、結腸直腸癌、卵巣癌、骨癌、腎癌、乳癌、胃癌、膵癌、 黒色腫、および造血系腫瘍から成る群から選択される、請求項1、2、3または 12に記載の方法。 29.異常細胞増殖が心臓血管系の状態である、請求項1、2、3または12に 記載の方法。 30.心臓血管系の状態が血管形成術後の再狭窄である、請求項29に記載の方 法。
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