JP2002510462A - 哺乳類のエンドグルクロニダーゼをコードする単離された核酸分子およびその使用 - Google Patents

哺乳類のエンドグルクロニダーゼをコードする単離された核酸分子およびその使用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、単離されたまたは組換え哺乳動物のエンドグルクロニダーゼの酵素、ポリペプチドおよびペプチド、例えば、ヒト、ネズミおよびラットのヘパラナーゼ、それをコードする遺伝的配列およびその使用、特に転移、血管形成、血管形成術誘導再狭窄、アテローム性動脈硬化症、炎症を抑制し、創傷の治癒を促進し、そうでなければヘパラン硫酸のヘパラナーゼ切断を包含する生理学的プロセスをモジュレートすることができる、化合物、タンパク質、ポリペプチド、小さい分子および高分子の測定および特性決定における使用に関する。本発明は、さらに、細胞における哺乳動物のヘパラナーゼの発現レベルを変更し、修飾するか、あるいはそうでなければモジュレートする方法に関する。本発明の他の面は、哺乳動物のヘパラナーゼに結合し、および/またはそれを阻害することができる、免疫反応性分子、特にモノクローナル抗体に関する。本発明のなお他の面は、創傷の治癒のプロセスを促進する因子としてのヘパラナーゼの使用を包含する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、単離されたまたは組換え哺乳動物のエンドグルクロニダーゼ(endog
lucuronidase) 酵素、ポリペプチドおよびペプチド、特にヒト血小板ヘパラナー
ゼ(heparanase)、それをコードする遺伝子配列およびその使用、例えば、転移、
血管形成、血管形成術誘導再狭窄、アテローム性動脈硬化症、炎症を抑制し、創
傷の治癒を促進し、そうでなければヘパラン硫酸(heparan sulphate)のヘパラナ
ーゼ切断を包含する生理学的プロセスをモジュレートすることができる、化合物
、タンパク質、ポリペプチド、小さい分子および高分子の測定および特性決定に
おける使用に関する。
【0002】 本発明は、さらに、細胞における哺乳動物のヘパラナーゼの発現レベルを変更
し、修飾するか、あるいはそうでなければモジュレートする方法に関する。本発
明の他の面は、哺乳動物のヘパラナーゼに結合し、そして/またはそれを阻害す
ることができる、免疫反応性分子に関する。本発明のなお他の面は、新血管形成
プロセスを阻害する因子としてのヘパラナーゼの使用を包含する。
【0003】 一般的事項 この明細書において数値で言及する刊行物の引用文献の詳細は説明の終わりに
集められている。 この明細書は、引用文献の後に提示されているプログラムのパテントイン・バ
ージョン(PatentIn Version)2.0 を使用する、ヌクレオチドおよびアミノ酸配
列の情報を含む。各ヌクレオチドまたはアミノ酸配列は、配列表示<210 >およ
び引き続く配列の識別記号(例えば、<210 >1 、<210 >2 、およびその他)
により配列表において識別されている。
【0004】 配列(DNA 、タンパク質(PRT )、およびその他)の長さ、型および各ヌクレ
オチドまたはアミノ酸配列の源の生物は、数値の表示フィールドにおいて提供さ
れる情報、それぞれ、<211 >、<212 >および<213 >により示される。明細
書において言及するヌクレオチドおよびアミノ酸配列は、数値の表示フィールド
において提供される情報<400 >および引き続く配列の識別記号(例えば、<40
0 >1 、<400 >2 、およびその他)により規定される。
【0005】 本明細書において言及するヌクレオチドの表示は、IUPAC-IUB バイケミカル・
ノウメンクレイチュアー・コミッション(Biochemical Nomenclature Commision
)により推奨されるものであり、ここでA はアデニンを表し、C はシトシンを表
し、G はグアニンを表し、T はチミンを表し、Y はピリミジン残基を表し、R は
プリン残基を表し、M はアデニンまたはシトシンを表し、K はグアニンまたはチ
ミンを表し、S はグアニンまたはシトシンを表し、W はアデニンまたはチミンを
表し、H はグアニン以外のヌクレオチドを表し、B はアデニン以外のヌクレオチ
ドを表し、V はチミン以外ヌクレオチドを表し、D はシトシン以外のヌクレオチ
ドを表し、そしてN は任意のヌクレオチド残基を表す。
【0006】 本明細書において言及するアミノ酸残基の表示を表1に記載する。 本明細書において使用するとき、用語「に由来する」は、特定した完全体(int
eger) が、特定の源から必ずしも直接的ではないにしても、その源から得ること
ができることを示す。 この明細書を通じて、特記しない限り、「を含んでなる」という語または変形
、例えば、「含んでなる」または「含む」は、述べた工程または因子または完全
体あるいは工程または因子または完全体のグループを包含することを意味するが
、任意の他の工程または因子または完全体あるいは工程または因子または完全体
のグループを排除しないことが理解されるであろう。
【0007】 発明の背景 血液から生ずる悪性腫瘍細胞および白血球による組織の浸潤は、血管の内皮の
管腔表面へのそれらの付着、血管の内皮の細胞層を通る通過、および1連の分泌
されたおよび/または細胞表面の、プロテアーゼおよびグリコシダーゼ活性によ
る、下に横たわる基底板および細胞外マトリックス(ECM )の引き続く分解を包
含する(Nakajima et al., 1983;Schmitt et al., 1992;Vlodavsky et al., 199
2 )。
【0008】 毛管の内皮による転移腫瘍細胞の初期の捕捉は、血小板非依存的であるが、そ
の後短時間に起こる血小板の凝集は血小板の活性化および脱顆粒に導くことがあ
り、ギャップの形成および内皮細胞の収縮を生じ、下に横たわる基底膜を腫瘍細
胞による付着に暴露することが、研究により示された(Tanaka et al. 、1986;C
rissman et al., 1985;Yahalom et al., 1985 )。
【0009】 基底板および下に横たわる接続組織の間質は、フィブロネクチン、ラミニン、
コラーゲンIV型およびヴィトロネクチンの複雑な網状組織から主として成り、そ
れらの各々はマトリックス内に埋め込まれたヘパラン硫酸プロテオグリカン(HS
PG)のヘパラン硫酸(HS)の側鎖と相互作用する(YurchncoおよびSchittny, 19
90)。 HS鎖は一般に低度に硫酸化されているか、あるいは硫酸化されてない領域(主
としてβ-D- グルクロン酸に1 →4 結合されたN −アシル化グルコサミンの二糖
単位)により分離された硫酸化二糖単位のクラスター(α-L- イヅロン酸残基に
1 →4 結合されたN-硫酸化グルコサミン)から成る(TurnbullおよびGallagher,
1990;1991)。
【0010】 本発明に導いた研究において、本発明者らは、マトリックス中に埋め込まれた
HSPGのHS側鎖を切断することができる,酵素、タンパク質、ポリペプチドおよび
ペプチドを単離し、特徴づけしようとした。こうして、誘導化された遺伝的配列
は、ECM の解体を助けかつマトリックス部位において発現されるか、あるいはそ
れに輸送されるとき、細胞の移動を促進する手段を提供する。 本発明の遺伝的配列は、さらに、なかでも、転移、新血管形成、血管形成、血
管形成術誘導再狭窄、アテローム性動脈硬化症のプラーク形成および炎症を抑制
し、および/または創傷の治癒を促進する、広い範囲の治療および予防の医薬化
合物を開発する手段を提供する。
【0011】 発明の要約 本発明の1つの面は、HS中のグリコシド結合を加水分解することができるポリ
ペプチドをコードする配列をコードするか、あるいはそれに対して相補的なヌク
レオチド配列を含んでなる単離された核酸分子を提供する。
【0012】 本発明の第2の面は、哺乳動物のエンドグルクロニダーゼポリペプチド、特に
ヘパラナーゼまたはそのフラグメントまたは誘導体をコードする配列をコードす
るか、あるいはそれに対して相補的なヌクレオチド配列を含んでなる単離された
核酸分子を提供する。さらに詳しくは、哺乳動物のエンドグルクロニダーゼのポ
リペプチドは、<400 >1 〜11または<400 >13または<400 >15または<400
>17または<400 >19または<400 >23の任意の1またはそれ以上に記載するア
ミノ酸配列を含んでなるか、あるいはそれらに対して少なくとも40%同一である
【0013】 本発明の他の面は、<400 >12または<400 >14または<400 >16または<40
0 >18のいずれか1つと記載するヌクレオチド配列あるいはそれらの相同体、ア
ナローグまたは誘導体、あるいはそれらの相補的配列、に対して少なくとも40%
同一である、単離された核酸分子を提供する。 本発明のなお他の面は、組換えエンドグルクロニダーゼ活性、特にヘパラナー
ゼ活性またはその活性部位を発現する遺伝的構築物を提供する。 本発明の他の面は、哺乳動物の組換えエンドグルクロニダーゼポリペプチド、
特にヘパラナーゼまたはそのフラグメントまたは誘導体を提供する。
【0014】 本発明のなおさらに他の面は、ヘパラナーゼ活性のモジュレーターを同定する
方法を提供し、前記方法は潜在的モジュレーターの存在下に組換えヘパラナーゼ
活性をアッセイし、そして前記活性を前記潜在的モジュレーターの非存在下の組
換えヘパラナーゼ活性と比較することを含んでなる。 本発明のそれ以上の面は、哺乳動物のエンドグルクロニダーゼポリペプチド、
特に哺乳動物のヘパラナーゼのインヒビターを提供する。本発明に含まれるイン
ヒビター分子は、転移、血管形成、創傷の治癒、血管形成術誘導再狭窄、アテロ
ーム性動脈硬化症、炎症またはヘパラナーゼ活性が増強される他の生理学的また
は医学的症状のインヒビターとして有用である。
【0015】 本発明のなお他の面において、新血管形成および組織の発生、炎症、創傷の治
癒および腫瘍の転移の調節に関係する、その関連するプロセスを抑制するための
、組換えヘパラナーゼまたはその活性なフラグメントまたは誘導体の使用が提供
される。 本発明の組換えポリペプチドは、また、硫酸化分子、例えば、HSPGおよびヘパ
ラン硫酸分子の配列決定において、あるいは硫酸化プロテオグリカン、硫酸化オ
リゴ糖およびヘパラン硫酸分子の構造の決定を促進するために有用であり、ここ
で前記組換えポリペプチドを使用して、それからヘパラン硫酸部分を切断する。
【0016】 本発明のそれ以上の面は、本発明の組換えエンドグルクロニダーゼポリペプチ
ドに結合することができる免疫学的に相互作用性分子、特にヘパラナーゼポリペ
プチドの触媒活性に結合しそして/または阻害することができる抗体分子を提供
する。本発明の抗体分子は、生物学的試料におけるヘパラナーゼの発現の診断に
おいて、特に患者がヘパラナーゼの発現の増加に関連する症状、例えば、なかで
も、癌、転移、血管形成、血管形成術誘導再狭窄、アテローム性動脈硬化症また
は炎症を有することが推測される場合の診断において特に有用である。
【0017】 本発明のそれ以上の面は、生物学的試料のヘパラナーゼの発現の診断において
、特に患者がヘパラナーゼの発現の増加に関連する症状、例えば、前述の症状、
を有することが推測される場合の患者由来の試料、例えば、血清の診断アッセイ
において、「標準」として使用するための、組換えエンドグルクロニダーゼポリ
ペプチド、特に組換えヘパラナーゼポリペプチドまたはその免疫学的相互作用性
の相同体、アナローグまたは誘導体を提供する。
【0018】 本発明のなおそれ以上の面は、ヒトまたは動物の被検体におけるヘパラナーゼ
の発現の増加を診断する方法を提供し、この方法は、ヘパラナーゼのポリペプチ
ドに結合することができる抗体分子を、生物学的試料、例えば、血清または単離
された細胞と、抗体:抗原の複合体が形成するために十分な時間の間および条件
下に、接触させ、次いでこうして形成した複合体を検出および/または定量する
ことを含んでなる。本発明のこの面に従う定量は、組換えヘパラナーゼまたはそ
の相同体、アナローグまたは誘導体からなる標準的タンパク質を使用して実施さ
れる。
【0019】 本発明のなおそれ以上の面は、ヒトまたは動物の被検体におけるヘパラナーゼ
の発現の増加を診断する方法を提供し、この方法は、前記被検体に由来するヘパ
ラナーゼをコードするmRNAを含む生物学的試料あるいは該被検体に由来する
ヘパラナーゼをコードする単離mRNAサンプルを、ペパラナーゼをコードする
前記mRNAに結合することができるヌクレオチド配列を含んでなる単離された
核酸分子と、ハイブリダイゼーションが起こるために十分な時間の間および条件
下に、接触させ、次いで前記ハイブリダイゼーションを検出および/または定量
することからなる。
【0020】 好ましい態様の詳細な説明 本発明の1 つの面は、HSPGのHS側鎖を切断することができるペプチドをコード
するヌクレオチド配列またはそれ相補的なヌクレオチド配列を含んでなる単離さ
れた核酸分子を提供する。 用語「単離された」は、記載する完全体または完全体のグループが天然に存在
する形態と区別される形態、好ましくは1または複数の汚染物質が除去されてい
る形態で提供されることを意味する。
【0021】 本明細書において使用するとき、用語「切断」または同様な用語は、HSの1 ま
たは複数のグリコシド結合の加水分解を包含する。 本発明の核酸分子は、一本鎖または二本鎖および線状のまたは共有結合で閉じ
た、RNA またはDNA (例えば、cDNA)であることができる。核酸分子はまた、全
体の遺伝子またはその実質的な部分に対応するか、あるいはそのフラグメントお
よび誘導体に対応するゲノムDNA であることができる。ヌクレオチド配列は天然
に存在するヌクレオチド配列に対応することができるか、あるいは単一または多
重のヌクレオチドの置換、欠失または付加を含有することができる。
【0022】 さらに詳しくは、単離された核酸分子は下記の分子の1またはそれ以上である
ことができる: (i ) 転写および/または翻訳調節配列および/またはコード領域および/
または非翻訳配列(すなわち、イントロン、5'−および3'−非翻訳配列)を含ん
で成る古典的なゲノム遺伝子; (ii) コード領域もしくはその一部分または1もしくは複数のエクソン配列
、および遺伝子の5'−非翻訳配列および/または3'−非翻訳配列に対応するmRNA
またはcDNA; (iii ) コード領域もしくはその一部分または1もしくは複数のエクソン配
列に対応する構造領域;および/または (iv) 機能的エンドグルクロニダーゼポリペプチドまたはヘパラナーゼポリ
ペプチドをコードする合成または融合分子またはその相同体、アナローグまたは
誘導体。
【0023】 本発明の特に好ましい態様において、単離された核酸分子はcDNA分子である。 本明細書において使用するとき、用語「ポリペプチド」は、酵素的に活性でな
いペプチド分子または酵素分子の酵素的に活性なタンパク質あるいは融合分子を
包含する少なくともアミノ酸を含んでなる任意のポリマーを意味する。「ポリペ
プチド」はまた、天然に存在する分子および組換え的に産生された分子の双方を
包含すると解釈すべきである。
【0024】 本発明の好ましい態様において、単離された核酸分子のポリペプチド産物はエ
ンドグルクロニダーゼポリペプチドまたはその相同体、アナローグまたは誘導体
である。 本明細書において使用するとき、用語「エンドグルクロニダーゼ」は、硫酸化
プロテオグリカン(sulphated proteoglycan) 分子から硫酸化二糖(sulphated
disaccharide)または硫酸化多糖(sulphated polysaccharide)を少なくとも切
断することができる、任意のペプチド、ポリペプチド、タンパク質または酵素分
子を意味する。
【0025】 当業者は理解するように、エンドグルクロニダーゼは、なかでも、プロテオグ
リカンから1または複数の硫酸化二糖単位を加水分解するか、あるいはそうでな
ければ切断することができる、ヘパラナーゼ(heparanase)およびエンドグルコ
シダーゼ(endoglycosidase)の双方を包含する。しかしながら、すべてのエンド
グルクロニダーゼがすべてのプロテオグリカン基質に対して高い活性を有するわ
けではなく、そしてある程度の基質の特異性は一般にこのクラス内の酵素につい
て起こる。
【0026】 例えば、ネズミ黒色腫B16 ヘパラナーゼは、等しい効率でないが、ヘパリンお
よびHSの双方を切断する(GrahamおよびUnderwood 、1996)。他方において、腫
瘍由来ヘパラナーゼは内皮細胞表面のHSPGを分解することができない(Hennes e
t al. 、1998)が、ヒト血小板は、多分その中のヘパラナーゼ活性を介して、内
皮細胞表面のHSPG、腫瘍由来HSPG、ECM 関連HSPG、および構造がいっそうヘパリ
ンに類似する他の構造のいずれをも分解する(Hoogewerf et al.、1995;Bartlet
t et al.、1995a 、 b;Yahalom et al. 、1984;Castllottal1982;Wastson et al
. 、1976;Wastson et al. 、1977;Gamse et al. 、1978)。
【0027】 本明細書において使用するとき、用語「ヘパラナーゼ」は、上皮細胞表面およ
び/または細胞外マトリックス(ECM )および/または腫瘍細胞および/または
ヘパリンに関連するHSPGからHS側鎖を少なくとも除去することができる、任意の
ペプチド、ポリペプチド、タンパク質または酵素の分子を意味し、そして組換え
分子、単離された天然に存在するアイソタイプおよび融合ポリペプチドの双方を
包含する。
【0028】 好ましくは、エンドグルクロニダーゼポリペプチドは、ヘパラナーゼ、または
その相同体、アナローグまたは誘導体、より好ましくは1または複数のHS側鎖を
切断することによって、内皮細胞表面のHSPGを少なくとも分解することができる
ヘパラナーゼポリペプチド、なおより好ましくは内皮細胞表面のHSPGおよびECM
関連HSPGを少なくとも分解することができるヘパラナーゼポリペプチド、なおい
っそう好ましくは内皮細胞表面のHSPG、腫瘍由来HSPG、ECM 関連HSPGおよびヘパ
リン様HS側鎖を少なくとも切断することができる、ヘパリンを包含する、ヘパラ
ナーゼポリペプチドである。
【0029】 本明細書において例示するように、本発明者らは、ヒト血小板からヘパラナー
ゼ酵素を単離し、ヘパラナーゼポリペプチドのN末端のアミノ酸配列およびのト
リプシン分解ペプチドのアミノ酸配列を決定し、そしてこのアミノ酸配列を利用
して血小板ヘパラナーゼをコードするcDNA分子を単離した。
【0030】 したがって、特に好ましい態様において、本発明は、<400 >1 〜11または<
400 >13または<400 >15または<400 >17または<400 >19または<400 >23
のいずれか1つに記載する配列に対して少なくとも40%同一であるアミノ酸を少
なくとも含んでなるヘパラナーゼポリペプチドをコードする単離された核酸分子
をコードするか、あるいはそれ相補的である単離された核酸分子を提供する。 好ましくは、<400 >1 〜11または<400 >13または<400 >15または<400
>17または<400 >19または<400 >23のいずれか1つに対する類似性は、少な
くとも約60%、より好ましくは少なくとも約80%、なおより好ましくは少なくと
も約90%である。
【0031】 2つのアミノ酸配列がこれらの百分率の限界内に入るか否かを決定するとき、
当業者は理解するように、配列の並べた(side-by-side)比較または多重整列(
multiple alignment)を実施することが必要である。このような比較または整列
において、整列を実施するために使用するアルゴリズムに依存して、同一でない
残基の位置決定において差が生ずるであろう。本発明の関係において、2または
それより多くのアミノ酸配列の間の同一性または類似性の百分率は、当業者に知
られている任意の標準的アルゴリズムを使用して決定して、前記配列の間の、そ
れぞれ、同一であるか、あるいは類似する残基の数を意味する。
【0032】 例えば、アミノ酸配列の同一性または類似性は、GAP プログラムを使用して計
算し、そして/またはコンピューター・ジェネティックス・グループ・インコー
ポレーテッド(Computer Genetics,Inc.、 University Research Park 、米国ウ
ィスコンシン州マディソン)のプログラムを使用して整列させることができる(
Devereaux et al.、1984)。GAP プログラムは、Needleman およびWuncsh(1970
) のアルゴリズムを利用して、同一/類似する残基の数を最大としかつ整列中の
配列のギャップの数および/または長さを最小とする。これに代えて、又はこれ
に加えて、2より多いアミノ酸配列を比較する際に、Thompson et al. 、(1994
)のClustalWプログラムを使用する。
【0033】 別の態様において、本発明の単離された核酸分子は、<400 >1 〜11または<
400 >13または<400 >15または<400 >17または<400 >19または<400 >23
のいずれか1つと実質的に同一であるアミノ酸配列を少なくとも含んでなるヘパ
ラナーゼポリペプチドをコードする単離された核酸分子をコードするか、あるい
はそれに対して相補的である。 本明細書において使用するとき、用語「実質的に同一」または同様な用語は、
記載するヌクレオチド配列またはアミノ酸配列に対して少なくとも95%同一であ
る、任意の配列を包含し、前述のヌクレオチド配列またはアミノ酸配列の任意の
相同体、アナローグまたは誘導体を包含すると理解すべきである。
【0034】 命名の目的で、<400 >1 〜11に記載するアミノ酸配列は、精製されたヘパラ
ナーゼポリペプチドに由来するトリプシン分解ペプチドのアミノ酸配列に関係す
る。ヒトヘパラナーゼポリペプチドの完全なアミノ酸配列は<400 >13に記載さ
れる。実施例8に記載する、診断の適用に適当な抗体を産生するために使用する
ヒトヘパラナーゼポリペプチド誘導体のアミノ酸配列は<400 >23に記載される
。変異型のヒトヘパラナーゼポリペプチドの完全なアミノ酸配列は<400 >15に
記載される。ネズミヘパラナーゼポリペプチドの部分的アミノ酸配列は<400 >
17に記載される。ラットヘパラナーゼポリペプチドの部分的アミノ酸配列は<40
0 >19に記載される。
【0035】 本発明の関係において、エンドグルクロニダーゼまたはヘパラナーゼのポリペ
プチドの「相同体」(homologue)は、ヒトヘパラナーゼポリペプチドに類似する
活性を有する、ポリペプチド、酵素またはタンパク質を意味し、そして、アミノ
酸の置換、付加または欠失にかかわらず、それらに対して少なくとも約40%同一
である。相同体は本明細書において例示するヘパラナーゼポリペプチドと同一で
ある種に由来するか、あるいは異なる種に由来する。
【0036】 さらに、相同的ポリペプチドのアミノ酸を、同様な性質、例えば、疎水性、親
水性、疎水性モーメント、電荷または抗原性、およびその他を有する、他のアミ
ノ酸で置換することができる。 「アナローグ」は、その中に天然に存在しないアミノ酸のアナローグの存在に
かかわらず、ヒトヘパラナーゼに対して少なくとも約40%同一であるアミノ酸配
列を有する、機能的および非機能的ポリペプチドを包含する。
【0037】 用語「誘導体」は、本明細書に記載するエンドグリコシダーゼまたはヘパラナ
ーゼのポリペプチドとの関係において、以後において、機能的タンパク質の活性
をもつか、あるいはもたなくてもよいヘパラナーゼポリペプチドに由来する突然
変異体、部分またはフラグメントを意味する。誘導体は、リガンドがその中に含
有されるアミノ酸残基の1 またはそれ以上に結合されている、修飾されたペプチ
ド、例えば、炭水化物、酵素、タンパク質、ポリペプチドまたはリポーター分子
、例えば、放射性核種または蛍光化合物を包含する。
【0038】 主題のポリペプチドのグリコシル化、蛍光、アシル化またはアルキル化形態は
特に本発明に包含される。さらに、本明細書に開示するアミノ酸配列のフラグメ
ントまたは部分からなるヘパラナーゼの誘導体、ならびに主題のポリペプチドの
2 またはそれより多くのコピーを含んでなるホモポリマーまたはヘテロポリマー
は本発明の範囲内に入る。ペプチドを誘導化する手順はこの分野においてよく知
られている。
【0039】 置換はベースのポリペプチド(すなわち、ヘパラナーゼ)のアミノ酸が異なる
天然に存在するアミノ酸残基または普通でないアミノ酸残基で置換されている、
アミノ酸の代替を包含する。このような置換は「保存的」として分類することが
でき、この場合においてベースのポリペプチドの中に含有されているアミノ酸残
基は他の天然に存在する同様な特性のアミノ酸で置換される、例えば、Gly ←→
Ala 、 Val←→Ile ←→Leu 、 Asp←→Glu 、 Lys←→Arg 、 Asn←→Gln また
はPhe ←→Trp ←→Tyr 。
【0040】 本発明に包含される置換はまた、「非保存的」であることができ、ここではベ
ースのポリペプチドの中に存在するアミノ酸残基は、異なる性質を有するアミノ
酸、例えば、異なるグループからの天然に存在するアミノ酸で置換される(例え
ば、帯電したまたは疎水性アミノ酸がアラニンで置換される)か、あるいは天然
に存在するアミノ酸が普通でないアミノ酸で置換される。 アミノ酸の置換は典型的には単一の残基であるが、クラスターであるか、ある
いは分散した、多数の残基であることができる。 天然に存在するアミノ酸は表1 に列挙されているものを包含する。本発明に包
含される普通でないアミノ酸は、表2 に列挙されているものを包含するが、これ
らに限定されない。
【0041】 アミノ酸の欠失は通常約1 〜10アミノ酸残基程度であるが、挿入は任意の長さ
であることができる。欠失および挿入をN末端またはC末端に行うことができる
か、あるいは内部の欠失または挿入であることができる。一般に、アミノ酸配列
内の挿入はアミノ末端またはカルボキシル末端の融合より小さく、1 〜4 アミノ
酸残基程度であろう。
【0042】 当業者は理解するように、ベースのポリペプチドをコードする単離された核酸
分子が準備されたとき、ベースのポリペプチドの相同体、アナローグまたは誘導
体を製造する、いくつかの手段、例えば、なかでも、DNA の部位特異的突然変異
誘発および突然変異化オリゴヌクレオチドのプライマーを利用するポリメラーゼ
連鎖反応が可能である。 したがって、本発明は、明らかなように、本発明のエンドグルクロニダーゼま
たはヘパラナーゼのポリペプチドのすべての相同体、アナローグまたは誘導体に
拡張される。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】 本発明の単離された核酸分子は、哺乳動物源、例えば、なかでも、ヒトまたは
実験動物、例えば、マウス、ウサギまたはラットに由来することが好ましい。特
に好ましい態様において、単離された核酸分子はヒトに由来する。 本明細書において使用するとき、用語「に由来する」は、特定した源からの完
全体または完全体のグループの起源を意味するが、前記完全体または完全体のグ
ループの他の1またはそれ以上の起源を排除しない。 本発明は、明らかなように、特に単離された核酸分子がゲノムDNA を含んでな
る、主題の核酸分子のすべての組織源に拡張される。
【0050】 エンドグルクロニダーゼポリペプチドまたはヘパラナーゼポリペプチドをコー
ドするmRNAの好ましい組織源は、肝臓、胎盤、脾臓、血小板、マクロファージお
よび腫瘍細胞、例えば、なかでも、黒色腫細胞、哺乳動物の腺癌細胞、結腸癌腫
細胞およびB16 腫瘍細胞を包含するが、これらに限定されない。 本発明の特に好ましい態様において、単離された核酸分子はヒト血小板、ネズ
ミ脾臓T細胞またはラットMAT 細胞に由来する。
【0051】 本発明の他の面は、エンドグルクロニダーゼポリペプチドをコードする核酸分
子をコードするか、あるいはそれに対して相補的である核酸分子を包含し、ここ
で前記核酸分子は少なくとも低いストリンジェンシイの条件下に<400 >12また
は<400 >14または<400 >16または<400 >18のいずれか1つと記載する核酸
分子あるいはそれに対して相補的な鎖にハイブリダイズすることができる。
【0052】 命名の目的で、<400 >12に記載するヌクレオチド配列は、ヒト血小板ヘパラ
ナーゼ、本発明に包含されるエンドグルクロニダーゼ酵素をコードするcDNAに関
係する。<400 >14に記載するヌクレオチド配列は、ヒト血小板ヘパラナーゼを
コードする変異型cDNAに関係する。<400 >16に記載するヌクレオチド配列は、
BamHepN およびmhep3 と表示するオリゴヌクレオチドを使用するPCR により産生
された、マウス活性化脾臓T細胞由来の部分的ヘパラナーゼcDNAフラグメントに
関係する。<400 >18に記載するヌクレオチド配列は、BamHepN およびdT-Notと
表示するオリゴヌクレオチドを使用するPCR により産生された、ラットMAT 細胞
由来の部分的ヘパラナーゼcDNAフラグメントに関係する。
【0053】 当業者は理解するように、<400 >12または<400 >14または<400 >16また
は<400 >18のいずれか1つに記載する、ヒト血小板ヘパラナーゼcDNA配列の変
異型は、低いストリンジェンシイの条件下のハイブリダイゼーションにより単離
することができる。このような変異型は、ヒトまたは他の哺乳動物に由来する、
任意のゲノム配列、cDNA配列、mRNAまたは他の核酸分子を包含する。追加の変異
型は排除されない。 好ましくは、核酸分子は、さらに、ヘパラナーゼポリペプチド、より好ましく
は前述の触媒活性を有するヘパラナーゼポリペプチドをコードするヌクレオチド
配列をコードするか、あるいはそれに対して相補的であるヌクレオチド配列を含
んでなる。
【0054】 より好ましくは、本発明のこの面に従う単離された核酸分子は、<400 >12ま
たは<400 >14または<400 >16または<400 >18のいずれか1つと記載する核
酸分子またはそれに対して相補的な鎖に少なくとも中程度のストリンジェンシイ
の条件下にハイブリダイゼーションすることができる。 なおいっそう好ましくは、本発明のこの面に従う単離された核酸分子は、<40
0 >12または<400 >14または<400 >16または<400 >18のいずれか1つと記
載する核酸分子またはそれに対して相補的な鎖に少なくとも高いストリンジェン
シイの条件下にハイブリダイゼーションすることができる。
【0055】 ストリンジェンシイのレベルを規定する目的で、低いストリンジェンシイは本
発明において6 ×SSC 緩衝液、0.1%(w/v) のSDS 中で28℃において実施されるハ
イブリダイゼーションおよび/または洗浄であると定義される。一般に、ストリ
ンジェンシイは、SSC 緩衝液の濃度を減少し、そして/またはSDS の濃度を増加
し、そして/またはハイブリダイゼーションおよび/または洗浄の温度を上昇さ
せることによって増加する。
【0056】 中程度のストリンジェンシイは0.2 ×SSC 〜2 ×SSC 緩衝液、0.1%(w/v) のSD
S 中で42℃〜65℃において実施されるハイブリダイゼーションおよび/または洗
浄を含んでなるが、高いストリンジェンシイは0.1 ×SSC 〜0.2 ×SSC 緩衝液、
0.1%(w/v) のSDS 中で少なくとも55℃において実施されるハイブリダイゼーショ
ンおよび/または洗浄を含んでなる。ハイブリダイゼーションおよび洗浄のため
の条件を当業者はよく理解している。さらに明瞭とのみする目的で、核酸分子の
間のハイブリダイゼーションを実施するパラメーターについての説明はAusubel
et al.(1987)(これは引用することによって本明細書の一部とされる)のp.2.
10〜2.10.16 の中に見出される。
【0057】 本発明のなおいっそう好ましい態様において、単離された核酸分子は、さらに
、<400 >12または<400 >14または<400 >16または<400 >18のいずれに由
来する少なくとも10の隣接ヌクレオチドまたはそれに対して相補的な鎖に対して
少なくとも40%同一であるヌクレオチド配列からなる。 さらにいっそう好ましくは、単離された核酸分子は、さらに、<400 >12また
は<400 >14または<400 >16または<400 >18のいずれか1 つと記載する配列
に由来する少なくとも50の隣接ヌクレオチドまたはそれに対して相補的な鎖に対
して少なくとも40%同一であるヌクレオチド配列からなる。
【0058】 2 つのアミノ酸配列がこれらの百分率の限界内に入るか否かを決定するとき、
当業者は理解するように、配列の並べた比較または多重整列を実施することが必
要である。このような比較または整列において、整列を実施するために使用する
アルゴリズムに依存して、同一でない残基の位置決定において差が生ずることが
ある。本発明の関係において、2またはそれより多くのアミノ酸配列の間の同一
性の百分率は、当業者に知られている任意の標準的アルゴリズムを使用して決定
して、前記配列の間で同一である残基の数を意味する。
【0059】 例えば、BESTFIT プログラムまたはコンピューター・ジェネティックス・グル
ープ・インコーポレーテッド(Computer Genetics,Inc.、 University Research
Park 、米国ウィスコンシン州マディソン)の他のプログラムを使用して、ヌク
レオチド配列を整列させ、そしてそれらの同一性を計算することができる(Deve
reaux et al.、1984)。
【0060】 本発明は、哺乳動物のエンドグルクロニダーゼポリペプチド、特に哺乳動物の
ヘパラナーゼポリペプチド、例えば、血小板に由来するヘパラナーゼポリペプチ
ドをコードすることができる核酸分子に特に関する。本発明は、明らかなように
、ヒト血小板に由来する本明細書に詳しく記載するものに対して追加の遺伝子を
包含する。
【0061】 哺乳動物のエンドグルクロニダーゼのポリペプチド、例えば、ヘパラナーゼポ
リペプチドをコードする配列をコードするか、あるいはそれに対して相補的であ
る遺伝的配列は天然に存在する配列に対応するか、あるいは1または複数のヌク
レオチドの置換、欠失および/または付加により異なることができる。したがっ
て、本発明は、任意のエンドグルクロニダーゼまたはヘパラナーゼの遺伝子およ
び任意の機能的遺伝子、それらの突然変異体、誘導体、部分、フラグメント、相
同体またはアナローグまたは非機能的分子に拡張されるが、これらは、例えば、
前記遺伝子の酵素的または化学的合成において、あるいは免疫学的に相互作用性
の組換え分子の発生において、遺伝的プローブ、プライマー配列として少なくと
も有用である。
【0062】 特に好ましい態様において、例示する本発明の遺伝的配列を使用して、同一ま
たは異なる種の他の細胞、組織、または器官の型から、あるいは他の哺乳動物種
、特に実験哺乳動物、例えば、ラット、マウスまたはウサギの細胞、組織、また
は器官から、同様な遺伝子が同定され、そして単離される。 この態様によれば、前記他の細胞、組織または器官に由来するDNA 、mRNAまた
はcDNAをハイブリダイゼーション有効量の<400 >12または<400 >14または<
400 >16または<400 >18のいずれか1 つに由来する少なくとも10の隣接ヌクレ
オチドの長さからなる第1ヘパラナーゼをコードする遺伝的配列またはそれに対
して相補的な配列、前記第1配列の少なくとも10の隣接ヌクレオチドに由来する
相同体、アナローグまたは誘導体とハイブリダイズさせ、そして前記ハイブリダ
イゼーションを検出する。
【0063】 本発明の目的に対して、ヌクレオチド配列の「相同体」は、本発明の核酸分子
と実質的に同一である単離された核酸分子、あるいは1または複数のヌクレオチ
ドの置換、挿入、または再配列が前記配列内に存在するか否かにかかわらず、そ
の相補的ヌクレオチド配列を意味する。 本明細書において記載するヌクレオチド配列の「アナローグ」は、本発明の核
酸分子と実質的に同一である単離された核酸分子、あるいは前記核酸分子の中に
通常存在しない非ヌクレオチドの構成成分が存在するか否かにかかわらず、その
相補的ヌクレオチド配列を意味し、ここで非ヌクレオチドの構成成分は、なかで
も、炭水化物、輻射性化学物質、例えば、放射性ヌクレオチド、リポーター分子
、例えば、DIG 、アルカリ性ホスファターゼまたはヘパラナーゼポリペプチドを
包含するが、これらに限定されない。
【0064】 本明細書において記載するヌクレオチド配列の「誘導体」は、前記配列または
その一部分に類似する有意な配列を含有する、任意の単離された核酸分子を意味
する。一般に、本発明のヌクレオチド配列を突然変異誘発に付して単一または多
数の置換、欠失および/または挿入を産生することができる。本発明のヌクレオ
チド配列のヌクレオチドの挿入誘導体は、5'および3'末端の融合ならびに単一ま
たは多数のヌクレオチドまたはヌクレオチドのアナローグの配列内挿入を包含す
る。挿入ヌクレオチド配列の変異型は、1またはそれ以上のヌクレオチドまたは
ヌクレオチドのアナローグが前記配列のヌクレオチド配列中の前もって決定した
部位の中に導入されているものであるが、ランダム挿入もまた可能であり、生ず
る産物の適当なスクリーニングを実施する。
【0065】 欠失変異型はヌクレオチド配列から1 またはそれより多くのヌクレオチドの除
去により特徴づけられる。置換ヌクレオチドの変異型は、配列中の少なくとも1
つのヌクレオチドが除去され、そして異なるヌクレオチドまたはヌクレオチドの
アナローグがその場所に挿入されているものである。 特に好ましい態様において、同定可能なシグナルを与えることができるリポー
ター分子(例えば、放射性同位元素、例えば、32P もしくは35S またはビオチニ
ル化分子)により、ヘパラナーゼをコードする遺伝的配列を標識化する。
【0066】 好ましくは、第1遺伝的配列は、<400 >12または<400 >14または<400 >
16または<400 >18のいずれか1つまたはその相補的鎖、相同体、アナローグま
たは誘導体に由来する、少なくとも50の隣接ヌクレオチド、なおより好ましくは
少なくとも100 の隣接ヌクレオチド、なおいっそう好ましくは少なくとも500 の
隣接ヌクレオチドを含んでなる。 こうして同定された関係する遺伝的配列は、組換え体の形態、ウイルス粒子、
バクテリオファージ粒子、酵母細胞、動物細胞、または植物細胞であることがで
きる。
【0067】 本発明において考えられる別法は、本明細書において例示するヘパラナーゼを
コードする配列に由来する2つの核酸「プライマー分子」を、関係する遺伝的配
列またはその機能的部分をコードするヌクレオチド配列を含んでなる核酸「鋳型
分子」に対してハイブリダイズさせることを含み、ここで前記プライマーの第1
は<400 >12または<400 >14または<400 >16または<400 >18のいずれか1
つに由来するの隣接ヌクレオチドまたはその相同体、アナローグまたは誘導体を
含んでなり、そして前記プライマーの第2は<400 >12または<400 >14または
<400 >16または<400 >18に対して相補的なの隣接ヌクレオチドまたはその相
同体、アナローグまたは誘導体を含んでなり、ただし第1および第2のプライマ
ーは互いに対して相補的ではない。鋳型分子の特定の核酸分子は、この分野にお
いてよく知られている技術であるポリメラーゼ連鎖反応において酵素的に増幅さ
れる。
【0068】 他の好ましい態様において、各核酸プライマー分子は少なくとも10ヌクレオチ
ド長さ、より好ましくは少なくとも20ヌクレオチド長さ、なおより好ましくは少
なくとも30ヌクレオチド長さ、なおいっそう好ましくは少なくとも40ヌクレオチ
ド長さ、さらになおいっそう好ましくは少なくとも50ヌクレオチド長さである。 さらに、核酸プライマー分子は、任意のヌクレオチド、アデニン、シチジン、
グアニン、チミジン、もしくはイノシン、またはそれらの機能的アナローグまた
は誘導体の組合わせから成り、これらは前記プライマーを使用する環境において
前記プライマーの鋳型分子へのハイブリダイゼーションに対して阻害作用を示さ
ないで、ポリヌクレオチド分子の中に少なくとも組込まれることができる。
【0069】 さらに、核酸プライマー分子の一方または双方は、他の核酸プライマー分子の
水性混合物、例えば、1 または複数のヌクレオチドの置換または欠失により互い
に異なる、縮重プライマー配列の混合物の中に含有されることができる。あるい
は、核酸プライマー分子の一方または双方は実質的に純粋な形成であることがで
きる。 核酸鋳型分子は、組換え体の形態、ウイルス粒子、バクテリオファージ粒子、
酵母細胞、動物細胞、または植物細胞であることができる。好ましくは、核酸鋳
型分子はヒトまたは実験動物種に由来する。
【0070】 当業者は理解するように、基本的ポリメラーゼ連鎖反応手順の多数の既知の変
法が存在し、<400 >12または<400 >14または<400 >16または<400 >18の
いずれか1つに記載するヌクレオチド配列が準備されるとき、これらの変法を使
用してエンドグルクロニダーゼまたはヘパラナーゼポリペプチドをコードする関
係する遺伝的配列を単離することができる。このような変法は、例えば、McPher
son et al.(1991)において論じられている。本発明は、本明細書において例示す
るヌクレオチド配列を使用する、関係するエンドグルクロニダーゼまたはヘパラ
ナーゼをコードする遺伝的配列の単離における、すべてのこのような変法の使用
に拡張される。
【0071】 任意の他の態様に従う単離された核酸分子を、プラスミドまたはバクテリオフ
ァージ分子の中にクローニングして、例えば、プライマー分子またはハイブリダ
イゼーションプローブの製造を促進するか、あるいは組換え遺伝子産物を製造す
ることができる。このような組換えプラスミド、コスミド、バクテリオファージ
分子または他の組換え分子はこの分野においてよく知られており、そして過度の
実験を使用しないで達成することができる。したがって、本発明は、<400 >12
または<400 >14または<400 >16または<400 >18のいずれか1つに記載する
ヌクレオチド配列またはその相補的配列、相同体、アナローグまたは誘導体を含
んでなる、任意の組換えプラスミド、バクテリオファージ、コスミドまたは他の
組換え分子に拡張される。
【0072】 本発明の核酸分子は、また、本発明のエンドグルクロニダーゼポリペプチドを
発現する遺伝的構築物を開発し、これにより単離された細胞または形質転換され
た組織において組換えポリペプチドを製造するために有用である。 本発明の第3 の面は、本明細書において記載する哺乳動物のエンドグルクロニ
ダーゼポリペプチド、特に哺乳動物のヘパラナーゼポリペプチドをコードする核
酸分子をコードするか、あるいはそれに対して相補的である単離された核酸分子
を含んでなる遺伝的構築物を提供する。 最も好ましい態様において、遺伝的構築物は発現ベクターである。
【0073】 用語「発現ベクター」は、細胞をベースとする発現に要求される、適当な調節
配列、例えば、プロモーターおよびターミネーターと作用可能に接続するように
単離された核酸分子を配置することによって、単離された核酸分子が発現可能な
形態で提供される、遺伝的構築物を意味する。本発明の関係において、発現ベク
ターは、発現ベクターが細胞の中に導入されるとき、組換えポリペプチドの発現
を促進するためにセンスの向きで適当なプロモーターと作用可能に接続させて、
エンドグルクロニダーゼまたはヘパラナーゼのポリペプチドをコードする単離さ
れた核酸分子が配置されている、遺伝的構築物を包含する。発現ベクターは、ま
た、阻害性核酸分子、例えば、アンチセンス分子、リボザイムまたはミニザイム
の転写を促進するために、単離された核酸分子がアンチセンス向きに適当なプロ
モーターと作用可能な接続で配置されている、遺伝的構築物を包含する。
【0074】 したがって、本発明の1 つの態様は、細胞系統またはウイルス粒子の中に導入
したとき、遺伝子の発現または少なくとも転写が起こるために適当な条件下に、
組換えエンドグルクロニダーゼまたはヘパラナーゼのポリペプチド、あるいはア
ンチセンス分子、リボザイムまたはミニザイムの製造に有用である発現ベクター
を提供する。このような条件は、発現を調節するためのプロモーターおよびター
ミネーター配列の選択を包含する、適当な細胞系統および発現ベクターの選択に
依存し、そして当業者によく知られている。
【0075】 「プロモーター」に対する本明細書における言及は、その最も広い関係におい
て解釈され、そして古典的ゲノム遺伝子の転写調節配列を包含し、CCAAT ボック
ス配列を含むか、または含まない、真核細胞における正確な転写開始に要求され
るTATAボックス、あるいは原核細胞における正確な転写開始に要求されるピリブ
ナウ(Pribnow )ボックスを包含する。
【0076】 プロモーターは他の調節因子(すなわち、上流の活性化配列、エンハンサーお
よびサイレンサー)を包含し、これらの因子は発生的刺激(developmental stim
ulation)および/または外部の刺激に応答して、あるいは組織特異的方法で遺伝
子の発現を変更する。好ましいプロモーターは1 またはそれ以上の特定の調節因
子の追加のコピーを含有し、発現をさらに増強し、および/または空間的発現お
よび/または一時的発現のパターンを変更することができる。例えば、銅の誘導
性を与える調節因子を異種プロモーター配列に隣接して配置して、構造遺伝子ま
たはリコンビナーゼ遺伝子の発現を推進し、これにより前記遺伝子の発現に対し
て銅の誘導性を与えることができる。
【0077】 本発明の関係において、用語「プロモーター」は、また、細胞における発現を
与え、活性化するか、あるいは増強する、合成または融合の分子、または誘導体
を記載するために使用される。 プロモーターは、その発現を調節する、構造遺伝子の上流または5'に通常位置
するが、必ずしも位置する必要はない。さらに、プロモーターからなる調節因子
は通常遺伝子の転写開始に示すの2kb 以内に位置する。
【0078】 遺伝子または単離された核酸分子をプロモーター配列の制御下に作用可能に配
置することは、その発現がプロモーター配列によりコントロールされるように、
前記遺伝子または単離された核酸分子を配置することを意味する。プロモーター
は一般にそれらをコントロールする遺伝子に対して5'(上流)に配置される。異
種プロモーター/構造遺伝子の組合わせの構築物において、一般に、プロモータ
ーを遺伝子の転写開始部位からある距離を置いて配置することが好ましく、その
距離はそのプロモーターとその自然の設定においてそれをコントロールする遺伝
子、すなわち、プロモーターが誘導された遺伝子との間の距離とほぼ同一である
【0079】 この分野において知られているように、プロモーターの機能を低下させないで
、この距離の多少の変動を受け入れることができる。同様に、調節配列因子の制
御下に配置すべき異種遺伝子に関するその因子の好ましい配置は、その自然の設
定、すなわち、それが由来する遺伝子、における因子の配置により定められる。
再び、この分野において知られているように、この距離を多少変更することもで
きる。
【0080】 当業者は認識するように、プロモーターの選択は形質転換される細胞の特質、
およびリコンビナーゼ、構造遺伝子または本発明の遺伝的構築物の中に含有され
る他の遺伝子の発現が要求される時点に依存するであろう。さらに、発現ベクタ
ーにおいて使用するプロモーター配列は、また、要求される発現レベル、および
発現が構成的であるか、あるいは調節されることを意図するかどうかに依存して
変化するであろうことは、この分野においてよく知られている。
【0081】 真核細胞中の発現のために、遺伝的構築物は一般に、本発明の核酸分子に加え
て、プロモーターおよび必要に応じて前記核酸分子の発現を促進するように設計
された他の調節配列を含んでなる。プロモーターは哺乳動物のエンドグルクロニ
ダーゼ、例えば、ヘパラナーゼをコードするゲノムのクローンに由来することが
できるか、あるいはそれは他の遺伝的源に由来する異種プロモーターであること
ができる。真核細胞中の遺伝子の発現に適当なプロモーター配列はこの分野にお
いてよく知られている。
【0082】 真核発現ベクターにおいて使用するために適当なプロモーターは、哺乳動物細
胞、昆虫細胞、例えば、Sf9 (Spodoptera frugiperda )細胞、酵母細胞および
植物細胞における発現を調節できるものを包含する。真核細胞における発現のた
めに好ましいプロモーターは、なかでも、ポリヘドロン(polyhedron)プロモー
ター、SV40初期プロモーターおよびサイトメガロウイルス(CMV-IE)プロモータ
ーである。
【0083】 発現ベクターを組換えタンパク質の製造に意図するとき、プロモーターは、さ
らに、主題の組換えポリペプチドが機能的であるために要求されうるポリペプチ
ドに対する翻訳後の修飾、例えば、N結合グリコシル化を実施できる細胞におい
て、発現を調節できるように、さらに選択される。当業者は、このような目的に
適当な細胞を容易に決定することができる。例示として、チャイニーズハムスタ
ー卵巣(CHO )細胞を使用して、その中で産生された組換えポリペプチドのN末
端のグリコシル化およびシグナル配列の切断を実施することができる。あるいは
、バキュロウイルスの発現ベクター、例えば、pFastBac(GibcoBRLにより供給さ
れる)を標準的プロトコールに従い使用して、組換えエンドグルクロニダーゼポ
リペプチドをSf9 (Spodoptera frugiperda )中で発現させることができる。
【0084】 本発明の目的に適当な多数の発現ベクターは記載されてきており、そして容易
に入手可能である。特に好ましい態様において、発現ベクターはpcDNA3(Medos
Company Pty Ltd.、オーストリア国ヴィクトリア州、から入手可能である)をベ
ースとし、これはCMV プロモーターおよびBGH ターミネーター配列を含んでなり
、本発明の組換えエンドグルクロニダーゼポリペプチドをコードする単離された
核酸配列が、前記ベクターの多重クローニング部位の中に、CMV プロモーターに
関してセンス向きに挿入されるとき、真核細胞における前記組換えエンドグルク
ロニダーゼポリペプチドの発現を調節する。例示のみを目的として、pcDNA3ベク
ターの地図は第2図に提供されている。
【0085】 発現のために適当であると考えられる真核細胞の例は、哺乳動物、酵母、昆虫
、植物の細胞または細胞系統、例えば、COS 、VERO、HeLa、マウスC127、チャイ
ニーズハムスター卵巣(CHO )、WI-38 、ベイビーハムスター腎(BHK )、MDCK
またはSf9 (昆虫)細胞系統を包含する。このような細胞系統は当業者にとって
容易に入手可能である。
【0086】 原核細胞、例えば、大腸菌(Escherichia coli)中の発現の前提条件は、有効
なリボソーム結合部位を有する強いプロモーターを使用することである。細菌細
胞、例えば、大腸菌(E.coli)中の発現のために適当な、典型的なプロモーター
は、lacZプロモーター、温度感受性λL またはλR プロモーター、T7プロモータ
ーまたはIPTG誘導tac プロモーターを包含するが、これらに限定されない。大腸
菌(E.coli)中で本発明の動物を発現させる、多数の他のベクター系はこの分野
においてよく知られており、そして、例えば、Ausubel et al.、(1989)に記載さ
れている。
【0087】 細菌中の発現に適当なプロモーターを有する、多数のベクター、例えば、なか
でも、pKC30(λL:Shimatake およびRosenberg 、1981) 、pKK173-3(tac:Amannお
よびBrosius 、1985) 、pET-3(T7:StudierおよびMoffat、1986) または発現ベク
ターのpQE 系列(Qiagen 、カリフォルニア州)が記載されてきている。 適当な原核細胞は、なかでも、コリネバクテリウム、サルモネラ、大腸菌(Es
cherichia coli)、バシラス(Bacillus)種、およびシュードモナス(Pseudomonas
) を包含する。本発明の目的のために適当な細菌株は、関係する分野においてよ
く知られている。
【0088】 用語「ターミネーター」は、転写の停止をシグナルする転写ユニットの終わり
におけるDNA 配列、特に3'−非翻訳DNA 配列を意味する。原核細胞における転写
のためのターミネーターの場合において、ターミネーターは一般に一次転写物の
3'末端へのポリアデニル化配列の付加を促進する、ポリアデニル化シグナルを含
む。ターミネーターは細菌、菌類、ウイルス、動物および/または植物から単離
することができる。真核細胞および原核細胞において活性なターミネーターは知
られており、そして文献に記載されている。本発明の遺伝的構築物において使用
するために特に適当なターミネーターの例は、BGH ポリアデニル化配列を包含す
る。
【0089】 本明細書に記載する遺伝的構築物は、原核細胞または真核細胞、組織または生
物中の前記遺伝的構築物の維持および複製のために適当な、細菌複製起点および
/または選択マーカー遺伝子、例えば、抗生物質耐性遺伝子をさらに含むことが
できる。このような配列はこの分野においてよく知られている。
【0090】 選択マーカーは、前記選択マーカーが発現されないと、細胞の増殖を妨害する
か、あるいは遅延し、あるいは細胞を死亡させる化合物に対する耐性を、発現さ
れたとき、細胞を与えることができる遺伝子を包含する。本発明において意図す
る、好ましい選択マーカーは下記のものを包含するが、これらに限定されない:
抗生物質耐性遺伝子、例えば、アンピシリン、クラフォラン(Claforan)、ゲン
タマイシン、G-418 、ヒグロマイシン、リファンピシン、カナマイシン、ネオマ
イシン、スペクチノマイシン、テトラサイクリン、またはそれらの誘導体または
関係する化合物、あるいは細胞に対して毒性であることがある、任意の他の化合
物。
【0091】 複製起点または選択マーカーは、組換えエンドグルクロニダーゼまたはヘパラ
ナーゼポリペプチドをコードする遺伝的配列から空間的に離れて位置するであろ
う。 本発明の1 つの特に好ましい態様において、発現ベクターは組換え哺乳動物エ
ンドグルクロニダーゼまたはヘパラナーゼポリペプチドの産生のために意図され
る。したがって、このような態様において、前記ポリペプチドをコードするヌク
レオチド配列はそれが作用可能に接続されているプロモーター配列に関してセン
スの向きに配置されたことが必須である。
【0092】 好ましくは、産生される組換えポリペプチドは機能的である。当業者は認識す
るように、本発明の核酸分子は哺乳動物細胞に由来し、原核細胞または真核細胞
中でそれによりコードされた組換えポリペプチドを発現させることができる。機
能的組換えエンドグルクロニダーゼポリペプチドの発現のために適当な細胞系は
過度の実験を行わないで容易に決定することができる。しかしながら、好ましく
は真核細胞系、より好ましくは哺乳動物細胞系統、例えば、前述の細胞系統の任
意の1つを使用して、組換えポリペプチドを発現させる。
【0093】 好ましくは、産生された組換えポリペプチドは、<400 >1 〜11または<400
>13または<400 >15または<400 >17または<400 >19または<400 >23のい
ずれか1つまたはそれより多くに対して少なくとも40%同一であるアミノ酸配列
またはその相同体、アナローグまたは誘導体、より好ましくは任意のそれに対す
る翻訳後修飾を含むもの、特に1またはそれ以上のグリコシル化アミノ酸を含ん
でなる。
【0094】 別の態様において、組換えエンドグルクロニダーゼまたはヘパラナーゼポリペ
プチドは、第2ポリペプチド、例えば、検出可能なリポーターポリペプチド、例
えば、β−ガラクトシダーゼ、β−グルクロニダーゼ、ルシフェラーゼまたは他
の酵素またはハプテンペプチド、例えば、ポリリジンもしくはポリヒスチジンま
たは他のポリペプチド分子との「インフレーム」融合ポリペプチドとして産生さ
れる。
【0095】 「インフレーム」とは、第1 ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列が、
終止コドンをそれらの間に介在させないで、第2ポリペプチドに隣接して同一オ
ープンリーディングフレームで配置され(すなわち、クローニングまたは結合さ
れ)、こうして結合された第2核酸分子が発現されるとき、第1 および第2 のポ
リペプチドの個々のアミノ酸配列の合計に対応するアミノ酸配列からなる、単一
の融合ポリペプチドが産生されることを意味する。
【0096】 融合ポリペプチドを産生させるために、エンドグルクロニダーゼまたはヘパラ
ナーゼのポリペプチドまたはその相同体、アナローグまたは誘導体をコードする
核酸分子を、必要に応じて1 またはそれより多くのアミノ酸(例えば、なかでも
、ポリリジンまたはポリヒスチジン)をコードするスペーサー核酸分子により分
離されて、第2 ポリペプチドをコードする第2 核酸分子に隣接してクローニング
し、こうして第1 コード領域および第2 コード領域は同一オープンリーディング
フレーム中に存在し、2 つのコーディング領域の間に終止コドンは存在しない。
【0097】 翻訳されるとき、こうして産生されたポリペプチドは第1および第2 コーディ
ング領域のポリペプチド産物の間の融合物を含んでなる。スペーサーの核酸分子
は遺伝的構築物において利用されるとき、前記スペーサーは切断されて第1 およ
び第2 コード領域の融合されたポリペプチド産物の分離を促進することができる
アミノ酸配列、例えば、トロンビン切断部位を少なくともコードすることが望ま
しいであろう。 融合ポリペプチドをコードする遺伝的構築物は、発現を意図する細胞の翻訳機
構により認識されることができる、少なくとも1 つの開始コドンおよび1 つの終
止コドンをさらに含む。
【0098】 好ましくは、融合ポリペプチドをコードする遺伝的構築物をさらに修飾して、
エンドグルクロニダーゼをコードするか、あるいはヘパラナーゼをコードするヌ
クレオチド配列のコード領域とインフレームで配置されたターゲッティングシグ
ナルをコードする遺伝的配列を含み、発現された組換えエンドグルクロニダーゼ
ポリペプチドまたはヘパラナーゼポリペプチドを細胞外マトリックスにターゲッ
トするようにすることができる。より好ましくは、ターゲッティングシグナルを
コードする遺伝的配列はエンドグルクロニダーゼまたはヘパラナーゼポリペプチ
ドをコードするヌクレオチド配列のコード領域の5'末端または3'末端において、
最も好ましくは5'末端に、インフレームで配置される。
【0099】 融合ポリペプチドの製造方法はこの分野においてよく知られている。 本発明の組換えエンドグルクロニダーゼまたはヘパラナーゼポリペプチドを製
造するために、この分野において知られている手段により、例えば、なかでも、
エレクトロポレーション、塩化カルシウム形質転換またはPEG 融合により、本明
細書に記載する発現ベクターを適当な細胞系の中に導入して、形質転換された細
胞またはトランスフェクトされた細胞を生成せしめる。
【0100】 引き続いて、形質転換された細胞またはトランスフェクトされた細胞を、遺伝
的構築物によりコードされた組換えポリペプチドの発現が起こるために十分な時
間および条件下に、インキュベートする。発現ベクターが選択マーカーをさらに
含むとき、選択マーカーがそれに対する耐性を与える化合物を少なくとも含む培
地上で、形質転換された細胞またはトランスフェクトされた細胞をインキュベー
トし、これにより発現ベクターを含有しかつ少なくとも選択マーカーの遺伝子を
発現する細胞の選択を促進することができる。
【0101】 血小板ヘパラナーゼの精製について本発明者らが記載する方法(実施例1)ま
たはその変法を使用して、こうして産生された組換えポリペプチドを細胞からの
部分的に精製するか、あるいは実質的に均質に精製することができる。 また、組換えポリペプチドが融合ポリペプチドとして発現されるとき、融合ポ
リペプチドをその性質(例えば、サイズ、溶解度、電荷およびその他)に基づい
て精製することもできる。また、融合ポリペプチドは、その非エンドグルクロニ
ダーゼ部分の性質、例えば、基質のアフィニティーに基づいて精製することがで
きる。いったん精製されると、融合ポリペプチドを切断して、本発明の無傷のエ
ンドグルクロニダーゼポリペプチドを解放することができる。
【0102】 単離されたまたは産生された組換えエンドグルクロニダーゼポリペプチド、特
に組換えヘパラナーゼは、新血管形成および組織の発生の調節におけるその関連
する過程、炎症、創傷の治癒および/または腫瘍の転移を抑制することが望まし
い、任意の用途において有用である。
【0103】 さらに、単離されたまたは産生された組換えエンドグルクロニダーゼポリペプ
チド、特に組換えヘパラナーゼは、硫酸化分子、特に、なかでも、硫酸化プロテ
オグリカン、硫酸化オリゴ糖またはヘパラン硫酸の残基または側鎖を少なくとも
含んでなる硫酸化分子の構造および/または配列の決定を促進するために使用す
ることができる。組換えポリペプチドの機能的特質を利用することによって、硫
酸化オリゴ糖部分を切断するために十分な時間の間および条件下に、本発明の組
換えポリペプチドの存在下に、広い範囲の硫酸化分子を消化することができ、必
要に応じて、この分野において知られている方法のなかでも、質量分析、赤外分
光光度測定、核磁気共鳴(NMR )分光法または紫外分光法を使用して、硫酸化オ
リゴ糖部分を超構造決定に付すことができる。
【0104】 さらに、組換えエンドグルクロニダーゼポリペプチド、特に組換えヘパラナー
ゼは、免疫学的に相互作用性の分子、例えば、抗体またはFabsまたはSCABS (一
本鎖抗体)を包含する抗体の機能的誘導体、酵素に結合した抗体、放射能標識ま
たは蛍光標識の製造において使用することができる。本発明は、組換えおよび合
成の抗体および抗体のハイブリッドに拡張される。「合成」抗体は、本発明にお
いて、抗体のフラグメントおよびハイブリッドを包含すると考えられる。
【0105】 この分野においてよく知られている手順を使用して、適当な組換えポリペプチ
ドまたはそのエピトープまたはそのペプチドフラグメントで免疫化することによ
って、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を得ることができる。 したがって、本発明は、哺乳動物の組換えエンドグルクロニダーゼまたはヘパ
ラナーゼポリペプチドに結合することができる免疫学的に相互作用性分子に、拡
張されることは明らかである。
【0106】 最も好ましくは、免疫学的に相互作用性分子は抗体分子である。抗体分子はモ
ノクローナルまたはポリクローナルであることができ、そしてヒトまたは動物の
細胞および組織におけるヘパラナーゼの発現の増加を急速に診断して、それに関
連する症状、例えば、なかでも、血管形成、血管形成術誘導再狭窄、アテローム
性動脈硬化症のプラーク形成および炎症の診断を促進するための酵素結合イムノ
アッセイ(ELISA )または他のイムノアッセイを開発するために使用することが
できる。本明細書に記載する本発明は、免疫学的に相互作用性の分子およびそれ
らの性能についてのイムノアッセイを必要とする診断アッセイのすべてのこのよ
うな使用に拡張される。
【0107】 広い範囲のイムノアッセイ技術は米国特許第4,016,043 号、米国特許第4,424,
279 号および米国特許第4,018,653 号に記載されているような技術であることが
できる。例示のみとして、組換え血小板ヘパラナーゼに対して発生させた抗体を
固体の支持体上に固定化し、そしてヘパラナーゼの発現の増加の存在について試
験すべき動物からの生物学的試料を結合した分子と接触させる。抗原−抗体の複
合体を形成させるために十分な時間である、適当なインキュベーション期間後、
検出可能なシグナルを生成することができるリポーター分子で標識化した第2抗
体を次いで添加し、インキュベートして、十分な時間を経過させて、抗体−抗体
−標識化抗体の三元複合体を形成させる。
【0108】 未反応物質を洗浄除去し、リポーター分子が生成するシグナルの観測により、
三元複合体の存在を決定する。結果は可視シグナルの簡単な観測による定性的で
あるか、あるいは既知量のヘパラナーゼを含有する対照試料との比較による定量
的であることができる。このアッセイの変法は、試料および標識化抗体の双方を
結合した抗体に同時に添加する、同時アッセイ、または標識化抗体および試験す
べき試料をまず組合わせ、インキュベートし、次いで結合した抗体に同時に添加
する、逆アッセイを包含する。これらの技術はこの分野においてよく知られてお
り、そして小さい変動の可能性は容易に明らかであろう。
【0109】 固体の支持体は典型的にはガラスまたはポリマーであり、最も普通に使用され
ているポリマーはセルロース、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、
ポリ塩化ビニルまたはポリプロピレンである。固体の支持体は管、ビーズ、ディ
スクまたはマイクロプレートの形態であるか、あるいはイムノアッセイを実施す
るために適当な、任意の他の表面であることができる。結合方法はこの分野にお
いてよく知られており、そして不溶性担持に分子を一般に架橋し、共有結合する
か、あるいは物理的に吸着させることから成る。
【0110】 「リポーター分子」とは、本明細書において使用するとき、その化学的特質に
より、抗原結合した抗体の検出を可能とする、分析的に同定可能なシグナルを産
生する分子を意味する。検出は定性的または定量的であることができる。この型
のアッセイにおいて最も普通に使用されているリポーター分子は、酵素、蛍光体
または放射性核種を含有する分子(すなわち、放射性同位元素)である。酵素イ
ムノアッセイにおいて、一般にグルタルアルデヒドまたは過ヨウ素酸塩により、
酵素を第2抗体に結合させる。
【0111】 しかしながら、容易に認識されるように、当業者に容易に入手可能である、広
範な種類の異なる結合技術が存在する。普通に使用されている酵素は、なかでも
、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、β- ガラクトシ
ダーゼおよびアルカリ性ホスファターゼである。特定の酵素とともに使用すべき
基質は、一般に、対応する酵素による加水分解のとき、発生する検出可能な色変
化について選択される。また、蛍光産物を生ずる、蛍光発生基質を使用すること
ができる。
【0112】 また、蛍光化合物、例えば、フルオレセインおよびローダミンを、それらの結
合能力を変更しないで、抗体にカップリングすることができる。特定の波長の光
で照射することによって活性化するとき、蛍光色素標識化抗体は光のエネルギー
を吸収し、分子の励起状態を誘導し、次いで光学顕微鏡で視的に検出可能なな特
徴ある色の光を放射する。EIA におけるように、蛍光標識化抗体を第1 の抗体−
ハプテン複合体に結合させる。
【0113】 非結合試薬を洗浄除去した後、残留する複合体を適当な波長の光に暴露させ、
観測される蛍光は問題のハプテンの存在を示す。免疫蛍光およびEIA 技術の双方
はこの分野において非常によく確立されており、本発明の方法のために特に好ま
しい。しかしながら、他のリポーター分子、例えば、放射性同位元素、化学発光
性または生物発光性の分子を使用することもできる。要求される目的に適合する
ように手順を変化させることは、当業者にとって明らかであろう。
【0114】 免疫学的に相互作用性分子は、また、本発明の組換えヘパラナーゼの精製にお
いて有用である。抗体を使用するタンパク質のアフィニティー精製方法はこの分
野においてよく知られている。 それ以上の態様において、本発明の単離された核酸分子をそれが作用可能に連
結されているプロモーター配列に関してアンチセンスの向きに配置し、こうして
前記核酸分子が発現されるとき、アンチセンス分子またはリボザイムが転写され
るようにする。
【0115】 本発明の関係において、アンチセンス分子はRNA 分子であり、これはポリペプ
チドに翻訳されることができる「センス」mRNA分子を産生するように通常転写さ
れる分子に対して核遺伝子の相補的鎖から転写される。したがって、アンチセン
ス分子はセンスmRNA、またはその一部分に対して相補的である。本発明のアンチ
センス分子の作用モードは特定のメカニズムに限定ではないが、アンチセンスRN
A 分子はセンスmRNAと塩基対合により二本鎖mRNAを形成する能力を有し、これは
センスmRNAの翻訳および引き続くポリペプチド遺伝子産物の合成を妨害すること
がある。
【0116】 リボザイムは2つの領域に対して相補的であるハイブリダイジング領域からな
り、各々はターゲットセンスmRNAの中に少なくとも5つのヌクレオチド塩基を有
する。さらに、リボザイムは高度に特異的なエンドリボヌクレアーゼ活性を有し
、この活性はターゲットセンスmRNAを自触的に(autocatalytically)切断する。
リボザイム機能の完全な説明はHaseloffおよびGerlach(1988) により提供され、
そして国際特許出願No.WO89/05852 号の中に含有されている。本発明は、本明細
書に記載する哺乳動物エンドグルクロニダーゼポリペプチド、特にヒトヘパラナ
ーゼをコードするセンスmRNAをターゲットし、これにより前記センスmRNAに対し
てハイブリダイズし、それを切断し、こうしてそれがもはや機能的ポリペプチド
産物を合成するように翻訳されないようにする、リボザイムに拡張される。
【0117】 この態様によれば、本発明は、エンドグルクロニダーゼまたはヘパラナーゼmR
NAの一部分、<400 >12または<400 >14または<400 >16または<400 >18の
いずれか1つに由来する少なくとも約10〜20の隣接ヌクレオチドまたはその相補
的配列、相同体、アナローグまたは誘導体、好ましくは<400 >12または<400
>14または<400 >16または<400 >18のいずれか1つに由来する少なくとも約
20〜50の隣接ヌクレオチドまたはその相補的配列、相同体、アナローグまたは誘
導体、またはより好ましくは<400 >12または<400 >14または<400 >16また
は<400 >18のいずれか1 つに由来する少なくとも約50〜100 の隣接ヌクレオチ
ドまたはその相補的配列、相同体、アナローグまたは誘導体、またはなおより好
ましくは全長または実質的に全長までのエンドグルクロニダーゼまたはヘパラナ
ーゼmRNA配列と、水素結合の複合体を形成することができる隣接ヌクレオチド塩
基の配列からなるリボザイムまたはアンチセンス分子を提供する。
【0118】 エンドグルクロニダーゼ遺伝子、ヒトヘパラナーゼ遺伝子の発現の阻害におけ
る本発明のアンチセンスおよび/またはリボザイム分子の効能を破壊しないで、
前記分子に対して、ある種の修飾、なかでも、ヌクレオチドの置換を行うことが
できることが理解される。したがって、それらをコードする前記遺伝子の任意の
ヌクレオチド配列の変異型、相同体、アナローグまたはフラグメントを包含する
ことは本発明の範囲内に入るが、唯一の要件は、前記ヌクレオチド配列の変異型
が転写されるとき、前記センスmRNA分子に対してハイブリダイズすることができ
るアンチセンスおよび/またはリボザイム分子を産生するということである。
【0119】 本発明のリボザイムおよびアンチセンス分子は、ヒトまたは動物の細胞および
組織におけるヘパラナーゼの発現の増加に関連する症状、例えば、なかでも、転
移、血管形成、血管形成術誘導再狭窄、アテローム性動脈硬化症のプラーク形成
および炎症の予防および療法的処置において特に有用である。この態様によれば
、なかでも、炎症部位、腫瘍部位における、細胞外マトリックスまたは内皮表面
中の内因性ヘパラナーゼ酵素の発現を減少または防止するために十分な時間の間
および条件下に、ヒトまたは動物の被検体に、主題のアンチセンスまたはリボザ
イム分子またはそれを発現する遺伝的構築物を投与することができる。
【0120】 被検体に直接投与される「裸の」アンチセンスまたはリボザイム分子の場合に
おいて、当業者は理解するように、修飾されたヌクレオチド残基、ヌクレオチド
アナローグまたは他の置換を含めて細胞のヌクレアーゼ酵素による前記分子の分
解を減少または阻止し、これによりそれらの投与後の半減期を延長することが必
要な場合がある。このような修飾された核酸分子はこの分野においてよく知られ
ている。 本明細書に記載する主題のアンチセンスまたはリボザイム分子を発現する遺伝
的構築物の場合において、当業者は理解するように、被検体への投与後にアンチ
センスまたはリボザイム分子を発現させて、ヘパラナーゼの発現を減少させるこ
とにおける本発明の有利な効果を達成することが重要であろう。
【0121】 本発明のしかもなお他の面はヘパラナーゼ活性のモジュレーターを同定する方
法を包含し、この方法は潜在的モジュレーターの存在下に組換えヘパラナーゼの
活性をアッセイし、そして前記活性を前記潜在的モジュレーターの非存在下の組
換えヘパラナーゼの活性と比較することを含んでなる。 本明細書において使用するとき、用語「モジュレーター」は、エンドグルクロ
ニダーゼポリペプチド、特にヘパラナーゼポリペプチドの酵素活性を変更するこ
とができる、任意の化学的化合物、分子または高分子、例えば、前記酵素活性の
アゴニストおよびアンタゴニストの双方を意味する。
【0122】 好ましくは、主題の方法は、機能的組換えエンドグルクロニダーゼポリペプチ
ドまたはヘパラナーゼポリペプチドを細胞中でアッセイ可能な量で産生させるた
めに十分な時間の間および条件下に、前記ポリペプチドを発現させる第1 工程を
さらに含む。 用語「アッセイ可能な量」は、組換えポリペプチドの酵素機能に対して特異的
である、任意の標準的酵素アッセイ手順により、前記ポリペプチドの活性を測定
するために十分な、組換えポリペプチドの発現レベルを意味する。
【0123】 本発明の特に好ましい態様において、モジュレーターはアンタゴニスト分子で
ある。この態様によれば、前記モジュレーターの存在下に検出された組換えヘパ
ラナーゼ活性は、実質的に同様な反応条件下に、前記モジュレーターの非存在下
に検出された組換えヘパラナーゼ活性よりも有意に低い。 エンドグルクロニダーゼまたはヘパラナーゼ酵素の活性の好ましいモジュレー
ターは、in vitroまたはin vivo において測定して、前記モジュレーターの非存
在下に検出可能な酵素活性に比較して、少なくとも約20%だけ、より好ましくは
少なくとも約50%だけ、なおより好ましくは少なくとも約80だけ、阻害または減
少することができる。
【0124】 別の態様において、エンドグルクロニダーゼまたはヘパラナーゼ酵素の活性の
好ましいモジュレーターは、平滑筋細胞の新血管形成および/または増殖のレベ
ルを実質的に減少させるか、あるいは内皮細胞表面HSPGおよび/または細胞外マ
トリックスHSPGの分解レベルを少なくとも約20%だけ、より好ましくは少なくと
も約50%だけ、なおより好ましくは少なくとも約80だけ減少させるために十分な
レベルに、前記酵素活性を阻害または減少することができる。
【0125】 本発明のそれ以上の面は、哺乳動物エンドグルクロニダーゼポリペプチド酵素
活性、特に哺乳動物ヘパラナーゼのインヒビターに関する。 本明細書において使用するとき、用語「インヒビター」は、上に定義した酵素
活性の任意のモジュレーターまたは核酸分子、例えば、哺乳動物エンドグルクロ
ニダーゼポリペプチド、特に細胞、組織または器官中のヘパラナーゼポリペプチ
ドの発現レベルを減少することができる核酸分子を意味し、ここで発現の減少は
アッセイ可能なエンドグルクロニダーゼまたはヘパラナーゼの酵素活性のレベル
の減少に導く。
【0126】 本発明のインヒビター分子は、ヘパラナーゼポリペプチドの切断不可能な基質
または負に帯電した分子、例えば、なかでも、硫酸化オリゴ糖、スルホネート、
ホスフェートまたはホスホネート、あるいはヘパラナーゼポリペプチドに結合し
かつその活性を阻害することができる抗体分子または触媒的抗体分子、あるいは
細胞中のヘパラナーゼポリペプチドの発現を核酸レベルにおいて阻害することが
できる、核酸インヒビター分子、例えば、なかでも、リボザイム、ミニザイム(
minizyme)またはアンチセンス分子であることができ、唯一の要件は前記インヒ
ビター分子が、なかでも、創傷部位、腫瘍細胞、細胞外マトリックスまたは内皮
表面におけるヘパラナーゼポリペプチドの活性を少なくとも減少することができ
ることである。
【0127】 本発明の特に好ましい態様において、インヒビター分子はヘパラナーゼポリペ
プチドの切断不可能な基質または基質アナローグ、例えば、硫酸化オリゴ糖、ス
ルホネートまたはそれを含んでなるHSPGである。より好ましくは、インヒビター
はエンドグルクロニダーゼ酵素活性のモジュレーターの同定について前述して方
法を使用して同定されるものである。
【0128】 本明細書に記載するインヒビター分子は、ヘパラナーゼ酵素を阻害する能力を
有するために、広範囲の予防および療法上の用途において有用である。本発明に
包含されるインヒビター分子は、転移、血管形成、創傷の治癒、血管形成術誘導
再狭窄、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、炎症またはヘパラナーゼ活性が
増強される他の生理学的または医学的症状のインヒビターとして特に有用である
【0129】 本発明の有利な効果は、活性成分として本明細書に記載する1 または複数のイ
ンヒビター分子を少なくとも含んでなる医薬組成物を、ヒトまたは動物の被検体
に、注射、経口的摂取(例えば、投薬食物材料)または局所的投与により、投与
することによって達成される。 組成物は単位投与形態で提供され、そしてこの分野においてよく知られている
任意の方法により製造することができる。このような方法は、1 または2 以上の
補助的成分を構成する担体と活性成分を組合わせる工程を含む。一般に、組成物
は活性成分を液状担体または微細な固体の担体または双方と均一にかつ均質に組
合わせ、次いで必要に応じて生成物を造形することによって製造される。
【0130】 経口投与に適当な本発明の組成物は、各々が前もって決定した量の活性成分を
含有する、個々の単位、例えば、カプセル剤、サッシェまたは錠剤として;粉剤
または顆粒として;水性または非水性の液体中の溶液または懸濁液として提供す
ることができる。活性成分は、また、ボーラス、舐剤またはパスタとして提供す
ることができる。
【0131】 錠剤は、必要に応じて補助的成分を使用して、圧縮または成形により製造する
ことができる。圧縮された錠剤は、適当な機械により、自由流動性の形態、例え
ば、粉末または顆粒の活性成分を、必要に応じて結合剤(例えば、不活性希釈剤
、保存剤、崩壊剤(例えば、ナトリウム澱粉グリコレート、架橋したポリビニル
ピロリドン、架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース)表面活性剤または分
散剤と混合して、圧縮することによって製造することができる。成形された錠剤
は、適当な機械により、不活性液状希釈剤で加湿した粉末状化合物の混合物を成
形することによって製造することができる。
【0132】 錠剤または粉剤または顆粒を必要に応じて被覆するか、あるいは刻みをつけ、
例えば、変化する比率のヒドロキシプロピルメチルセルロースを使用して所望の
放出のプロフィルを提供するようにして、その中の活性成分を遅く、あるいはコ
ントロールして放出するように処方することができる。さらに、甘味剤または規
定食の処方物を添加して、特定の動物の被検体に対する嗜好性を改善することが
できる。必要に応じて、このような固体状組成物に腸溶コーティングを施して、
胃以外の腸の部分における放出を提供するようにする。 活性化合物は、また、グリセロール、液状ポリエチレングリコール、および/
またはそれらの混合物または油中で調製した分散液で投与することができる。通
常の貯蔵および使用の条件下で、これらの調製物は保存剤を含有して微生物の増
殖を防止する。
【0133】 非経口投与に適当な薬学上の形態は、無菌の水溶液(水溶性である場合)また
は分散液および無菌の注射可能な溶液または分散液の即時調合のための無菌の粉
末を包含する。すべての場合において、形態は無菌であり、そして容易に注射可
能である程度に流動性でなくてはならない。それは製造および貯蔵の条件下に安
定でなくてはならず、そして微生物、例えば、細菌および真菌の汚染作用に対し
て保存しなくてはならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例
えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液状ポリエチレングリコー
ル、およびその他)を含有する溶媒または分散媒質、それらの適当な混合物、お
よび植物油であることができる。
【0134】 適切な流動性を、例えば、コーティング、例えば、レシチンの使用、分散液の
場合において要求される粒度の維持、および界面活性剤の使用により、維持する
ことができる。種々の抗菌剤または抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノ
ール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールおよびその他により、微生物の作
用を防止することができる。多くの場合において、等張化剤、例えば、糖類また
は塩化ナトリウムを添加することが好ましいであろう。例えば、組成物において
吸収を遅延させる因子を使用することによって、注射可能な組成物の吸収を延長
することができる。
【0135】 無菌の注射可能な溶液は、活性化合物を要求される量で適当な溶媒の中に、必
要に応じて種々の前述の他の成分とともに、混入し、滅菌濾過することによって
調製される。一般に、分散液は、種々の滅菌した1 または2 以上の活性成分を、
基本的分散媒質および要求される前述の他の成分を含有する無菌のベヒクルの中
に混入することによって、調製される。無菌の注射可能な溶液を調製するための
無菌の粉末の場合において、好ましい調製方法は、真空乾燥および凍結乾燥技術
であり、これらは活性成分+追加の所望の成分の粉末を前もって滅菌濾過した溶
液から製造する。
【0136】 本発明の医薬組成物において利用する担体、賦形剤および/または希釈剤は、
ヒトまたは獣医学的用途において許容されるべきである。このような担体、賦形
剤および/または希釈剤は、この分野においてよく知られている。獣医学的使用
に適当な担体および/または希釈剤は、任意のかつすべての溶媒、分散媒質、水
溶液、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張化剤および吸収遅延剤、およ
びその他を包含する。任意の慣用の媒質または薬剤が活性成分と不適合性である
場合を除外するかぎり、組成物中のそれらの使用が考えられる。補助的活性成分
を組成物の中に混入することもできる。
【0137】 本発明の組成物は、他の慣用の他の物質を含むことができる。例えば、経口投
与に適当な組成物は、このようなそれ以上の物質、例えば、規定食処方物、結合
剤、甘味剤、増粘剤、香味剤、崩壊剤、コーティング剤、保存剤、滑剤および/
または時間遅延剤を包含することができる。適当な甘味剤は、スクロース、ラク
トース、グルコース、アスパルテームまたはサッカリンを包含する。適当な崩壊
剤は、澱粉、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、キサンタンガム、ベン
トナイト、アルギン酸または寒天を包含することができる。
【0138】 適当な香味剤は、ペパーミント油、ヒメコウジ油、チェリー、オレンジまたは
ラスプベリーの香味剤を包含する。適当なコーティング剤は、アクリル酸および
/またはメタクリル酸および/またはそれらのエステルのポリマーまたはコポリ
マー、ワックス、脂肪族アルコール、ゼイン、シェラックまたはグルテンを包含
する。適当な保存剤は、安息香酸ナトリウム、ビタミンE、アルファ−トコフェ
ロール、アスコルビン酸、メチルパラベン、プロピルパラベンまたは重亜硫酸ナ
トリウムを包含する。適当な時間遅延剤は、グリセリルモノステアレートまたは
グリセリルジステアレートを包含する。 下記の非限定的実施例を参照して、本発明をさらに説明する。
【0139】実施例1哺乳動物ヘパラナーゼの精製および特性決定 ヒト血小板ヘパラナーゼをFreeman およびParishの方法[ 国際特許出願No.PCT
/AU97/00453]に従い精製した。SDS-PAGEにより示される、純度の証拠を第1 図に
示す。すべての試料を電気泳動の前にジチオスレイトールで還元した。
【0140】 精製されたヒト血小板ヘパラナーゼは、SDS-PAGE分析(第1 図)およびゲル濾
過により測定して、50kDa の分子量を有した。ベーリンガー・マンヘイム(Boeh
ringer-Mannheim 、 オーストリア国シドニー)から入手した組換えN-グルコシダ
ーゼF で酵素をN-脱グリコシル化すると、分子量は40kDa に減少した(第1 図)
。これは、6 つの推定上のN-グリコシル化部位をコードする脱グリコシル化成熟
酵素のcDNA配列から予測された、42kDa の分子量と一致する(実施例3 参照)。
同時のO-グルコシダーゼおよびノイラミニダーゼ処理後に、N-脱グリコシル化物
質の見掛けのサイズのそれ以上の減少は観測されなかった(第1 図)。精製され
た膜結合酵素は、また、還元性条件下にゲル濾過およびSDS-PAGE分析により測定
して、天然の分子量および50kDa のサブユニットの分子量を有した(第1 図)。
【0141】実施例2N 末端およびトリプシン消化配列の決定 Hellman et al.(1995)の方法を使用して、精製されたヒト血小板ヘパラナーゼ
のSDS-PAGE分析後に得られた50kDa のバンドをin situ トリプシン消化すると、
11のペプチドが単離され、パーキン・エルマー・ アプライド・バイオシステムス
・オサイス(Perkin Elmer Applied Biosystems Procise)494タンパク質配列決定
装置を使用して、これらのペプチドをアミノ酸配列決定した。50kDa のバンドを
切除し、受動的にPVDFナイロン膜に移し、そしてMesser et al.(1997) の方法に
よりN 末端の配列が得られた。
【0142】 トリプシン消化で発生したペプチドのアミノ酸配列およびN 末端の配列を表7
に示す(すなわち、表7 の、それぞれ、ペプチド1 〜11対応する<400 >11)。 ペプチドおよびN 末端の配列をアミノ酸配列のデータベースと比較すると、い
かなる既知のタンパク質とも、高度に有意なまたは一貫した相同性を証明されな
かった。ペプチド2 および3 は、ペプチド2 が長さが1 残基だけ大きい以外、同
一であった。ペプチド1 および8 は、ペプチド1 が長さが2 残基だけ大きい以外
、同一であった。ペプチド5 および7 はペプチド4 および6 に関連する小さい配
列であった。配列はすべてのペプチドについて高度に信頼性があり、ほんのわず
かの残基が問題があった。ペプチド10の興味ある特徴は残基2 および3 における
多形性についての証拠であった。血小板ヘパラナーゼは多数のヒトのドナーから
プールされた血小板調製物から製造されたので、これは驚くべきことではない。
【0143】実施例3ヒトヘパラナーゼcDNAのクローニング クローンc1(ATCC No.514661)と表示するcDNAクローンを、アメリカン・ティッ
シュー・タイプ・カルチャー・コレクション(American Tissue Type Culture Co
llection、 米国マリイランド州)から入手した。EST データベースのBLAST サー
チにおいて、前の実施例に記載されているようにして得られたヒト血小板ヘパラ
ナーゼのアミノ酸配列(<400 >1 〜11)の1またはそれ以上をコードする可能
性があるヌクレオチド配列について、このcDNAクローンを同定した。c1クローン
は、少なくとも4 つのヒト血小板ヘパラナーゼのペプチド配列またはそれらに密
接に関係する配列、特に<400 >1 、2 、9 および10と記載する配列をコードす
ることができるヌクレオチド配列からなることが、本発明者らにより示された。
【0144】 これらのデータが強く示唆するように、クローンc1はヒト血小板ヘパラナーゼ
のポリペプチドの少なくとも一部分をコードした。 本発明者らによる引き続く実験において、c1クローンはほぼ1.1kb のより大き
いであり、ヘパラナーゼのC 末端をコードする、<400 >12のでヌクレオチド77
4 〜1711からなることが明らかにされた。
【0145】 c1クローンを完全に配列決定し、そしてmRNAの5'末端のPCR 増幅のためのプラ
イマーを設計するために利用した。c λと表示し、ほぼ800bp の長さのフラグメ
ントを、λht11ヒト血小板cDNAライブラリー(ATCC No.HL 1008 )から増幅した
。c λフラグメントを配列決定し、そして部分的cDNAクローンとオーバーラップ
する3'配列、特に<400 >12のヌクレオチド1 〜816 を含有することが示された
【0146】 c λフラグメントを使用して、ハイブリダイゼーションスクリーニングにより
、λht11ヒト血小板cDNAライブラリーから2つの推定上の全長のクローン(c2お
よびc9と表示する)を得た。クローンc9は全長のヘパラナーゼポリペプチドをコ
ードしたが、<400 >12のヌクレオチド1144〜1258からの115bp の欠失を含んだ
。クローンc2は<400 >12のヌクレオチド1 〜1481を含んでなり、こうして終止
コドンから169bp 内でトランケートされていた。
【0147】 ヘパラナーゼ酵素の全長のcDNAおよびアミノ酸配列が推定された(<400 >12
および<400 >13)。<400 >12に記載するヘパラナーゼのオープンリーディン
グフレームは1629ヌクレオチド長さであり、そして543 アミノ酸のタンパク質を
コードする。<400 >12と記載するヌクレオチド配列は、位置1679〜1684に推定
上のポリアデニル化シグナルを含有する。
【0148】 11の単離されたトリプシン消化ペプチドのうちの8 つおよび単離された酵素の
N 末端の配列は、組立てられた全長のcDNA配列によりコードされるアミノ酸
配列中に検出された(すなわち、<400 >1 〜3 、<400 >6、<400 >8 〜11)
。これらの8 つのトリプシンペプチドのうちの7 つは、cDNA配列によりコードさ
れるアミノ酸配列と本質的に同一であった(すなわち、<400 >1 〜3 および<
400 >8 〜11)。ペプチド6 はcDNA配列中で不完全な配列として見出されたが、
ペプチド4 、5 および7 は見出されなかった。これらのペプチド配列はヘパラナ
ーゼ調製物中のタンパク質の不純物に由来するか、あるいはヘパラナーゼの異な
るようにスプライスされた変異型を表すかどうかはまだ明らかではない。
【0149】 単離された成熟酵素はトランケートされた形態であり、N 末端は推定上の開始
コドンから158 残基下流に位置する。なぜなら、オープンリーディングフレーム
は<400 >12のヌクレオチド46から1674に延びるが、成熟タンパク質は<400 >
12のヌクレオチド517 〜1674によりコードされるからである。成熟した単離され
たタンパク質をコードする予測されたcDNAのサイズ(C 末端のプロセシングが存
在しなかったと仮定する)は42.2kDa であり、これはヒト血小板酵素がN-脱グリ
コシル化されたとき得られた40kDa の見掛けのサイズと一致する(第1 図)。
【0150】 <400 >13に記載する未熟ポリペプチドの位置158 におけるリジン酸残基は、
成熟ヒトヘパラナーゼポリペプチドのN 末端を形成する。推定上のN 結合グリコ
シル化部位は、未熟の全長のポリペプチド中のAsn162、Asn178、Asn200、Asn217
、Asn238およびAsn459に存在する。
【0151】実施例4ヒトヘパラナーゼmRNAの組織分布 種々のヒト組織のノザンブロットにより、ヒトヘパラナーゼmRNAの発現を分析
した。 Expresshyb溶液(Clontech)を製造業者が特定するように使用して、ランダムプ
ロービング(Megaprime DNA標識化系、Amersham) により標識化された、全長のヒ
トヘパラナーゼcDNAで膜をプロービングすることによって、多数のヒト組織ブロ
ット(Clontech 、カリフォルニア州パロアルト)のノザン分析を実施した。膜を
室温において1 ×SSC 中で40分間洗浄し、次いで60℃において0.1 ×SSC 中で40
分間洗浄し、X 線フィルムに対して露出した。
【0152】 非免疫組織において、単離されたヘパラナーゼcDNAクローン(-2kb) をベース
とする期待されたサイズのメッセージが胎盤において検出されたが、心臓、脳、
肺、肝臓、骨格筋、腎臓または膵臓において検出されなかった(第1 図)。また
、4.4kb の第2メッセージが胎盤において2kb のメッセージよりも低いレベルで
検出された。4.4kb のメッセージは、また、すべての他の組織において検出され
たが、オールタネイトスプライス変異型(alternate splice varient)または関
係する遺伝子からの産物を表すことがある(下文参照)。
【0153】 免疫組織において、2kb および4.4kb の双方のメッセージは脾臓、リンパ節、
胸腺、末梢血リンパ球、骨髄および胎児肝臓において検出された(第4 図)。最
高のレベルのmRNAがPBL において見られ、より低いレベルは脾臓、リンパ節、骨
髄および胎児肝臓において見られ、そしてほんの弱い発現は胸腺において見られ
た。2kb および4.4kb のメッセージの発現レベルは免疫組織の各々において類似
するように見え、双方のメッセージは同一遺伝子、または多分同等に調節される
異なる遺伝子に由来する。
【0154】実施例5ヒトヘパラナーゼ遺伝子のサザンブロット分析 10μg のヒトゲノムDNA をある範囲の制限酵素で制限し、1 %アガロースゲル
上で分離し、次いでHybond-Nナイロンフィルター(Amersham 、 イリノイ州アーリ
ントンハイツ)に移した。ブロットをランダムプライミングにより標識化された
全長のヒトヘパラナーゼcDNAでプロービングし、50%のホルムアミド、6 ×SSC
、 0.5×SSC 、5×デンハルト溶液および100 μg/mlのサケ***DNA中で42℃
においてハイブリダイゼーションさせた。膜を室温において1 ×SSC 中で40分間
洗浄し、次いで65℃において0.1 ×SSC 中で40分間洗浄し、X 線フィルムに対し
て露出した。
【0155】 ある範囲の制限酵素で制限し、全長のヒトヘパラナーゼcDNAでプロービングし
た2 個体からのヒトゲノムDNA のサザン分析は、簡単なハイブリダイゼーション
バンドのパターンを明らかにし、これは単一のコピーの遺伝子であるヒトヘパラ
ナーゼ遺伝子と一致した(第5 図)。したがって、ノザン分析により観測された
4.4kg のメッセージは関係する遺伝子から産物よりむしろスプライス変異型であ
るようである。
【0156】実施例6マウスおよびラットのヘパラナーゼcDNA (1) RNA の単離および第1 鎖cDNAの合成 1ml のトリゾール(Trizol)試薬(Gibco BRL) 中の100mg の組織または107 個の
細胞を均質化することによって、全体の細胞のRNA を調製し、次いで水性画分を
回収し、イソプロパノールを使用してRNA を沈降させた。第1 鎖cDNA合成系(Pha
rmacia Biotech. )を製造業者の使用説明書に従い使用して、5 μg の総RNA か
らオリゴ糖dTプライマー(dT-Not、表9 )でプライミングすることによって、第
1 鎖cDNAを製造した。
【0157】 (2) ポリメラーゼ連鎖反応 100ng の各オリゴヌクレオチドのプライマー、1.25mMの各dNTP、50mMのKCl 、
10mMのTris-Cl pH8.3 および1.5mM のMgCl2 の存在下に、1 単位のTaq DNA ポリ
メラーゼ(Bresatec)を使用して40増幅サイクルで、10ngの第1 鎖cDNAについて反
応を実施した。 (3) ヌクレオチドの配列決定 アプライド・バイオシステムス(Applied Biosystems)377 配列決定装置を使用
する自動化配列決定により、PCR 産物またはcDNAクローンを配列決定した。
【0158】 (4) cDNAのクローニング 製造業者が記載するようにT テイルドベクターpCR2.1(Invitrogen)の中に、PC
R 産物を直接サブクローニングした。 (5) バイオインフォーマティクス(bioinformatics)およびPCR によるcDNAの クローニングを使用するマウスヘパラナーゼの同定 BLASTNを使用するヒトヘパラナーゼ核酸配列でdbest(public EST、 GeneBank)
をスクリーニングすることによって、マウスヘパラナーゼEST を同定した(表8
)。ENTREZ(NCBI)およびオーバーラップするEST から組立てた隣接配列を使用し
て、EST ヌクレオチド配列を回復した。収集したEST 配列はマウスヘパラナーゼ
cDNAの3'末端をカバーし、ヒトヘパラナーゼmRNAのポリアデニル化テイルに対し
てヌクレオチド1004に対応した。
【0159】 マウスヘパラナーゼcDNAのヌクレオチド配列は5'末端に向けて513 塩基だけ延
長された。これは、活性化された129 のマウス脾臓T 細胞から単離された全RNA
から作られた第1 鎖cDNAについて、オリゴヌクレオチドBamHepN(ヒトヘパラナー
ゼcDNAのヌクレオチド517 〜534 に対応する)およびmhep3(マウスヘパラナーゼ
cDNAのヌクレオチド1234〜1250に対応する)(表9)を使用してPCR により達成され
た。
【0160】 マウスヘパラナーゼcDNAフラグメントを直接配列決定し、1368ヌクレオチドの
長さであり(ヌクレオチド1 〜513 はEST から収集されたそれと同一であった)
、そして分子のC 末端部分の386 アミノ酸配列(予測された成熟タンパク質から
なるヒトヘパラナーゼのアミノ酸158 〜543 に対応する)をコードすることが決
定された。
【0161】 ヒトヘパラナーゼcDNAのヌクレオチド配列および由来するアミノ酸配列は、そ
れぞれ、<400 >16および<400 >17に記載される。 予測されたアミノ酸は、Asn37 、Asn154およびAsn296に3 つの推定上のN 結合
グリコシル化部位および残基352 〜371 により包含される推定上の膜貫通領域を
含有する。PILEUP(NCBI)を使用してマウスおよびヒトのヘパラナーゼアミノ酸を
整列させると、80.8%の同一性が示された(第5 図)。 PCR フラグメントをベクターpCR2.1の中にサブクローニングすることによって
、マウスヘパラナーゼcDNAフラグメント(muhep-pCR2.1/1と表示する)のクロー
ンを発生させた。このクローンのヌクレオチド配列は、PCR 産物の直接配列決定
から決定された配列と同一であった。
【0162】 (6) PCR によるラットヘパラナーゼcDNAのクローニング ラットMAT 腫瘍細胞系統に由来する第1 鎖DNA についてBamHepN オリゴヌクレ
オチドおよびポリ−dTプライマー(dT-Not)(表9 )を使用して、cDNA末端(RACE
)-PCR の3'急速増幅を実施することによって、ラットヘパラナーゼcDNAフラグメ
ントを発生させた。 ラットヘパラナーゼcDNAのヌクレオチド配列および由来するアミノ酸配列は、
それぞれ、<400 >18および<400 >19と記載される。ラットヘパラナーゼcDNA
を直接的配列決定し、そしてこれは1168ヌクレオチド長さであり、分子のC 末端
部分の386 アミノ酸(成熟タンパク質からなるヒトヘパラナーゼのアミノ酸158
〜543 に対応する)をコードすると決定された。
【0163】 予測されたアミノ酸配列はAsn37 およびAsn296に2 つの推定上のグリコシル化
部位を含有し、ヒトおよびマウスのヘパラナーゼのように、残基352 〜371 によ
り包含される推定上の膜貫通領域を含有する。ラットヘパラナーゼアミノ酸配列
をヒトおよびマウスのそれと整列させると、それぞれ、79.7%および93.7%の同
一性が明らかになる(第6 図)。 PCR フラグメントをベクターpCR2.1の中にサブクローニングすることによって
、ラットヘパラナーゼcDNAフラグメント(rahep-pCR2.1/1と表示する)のクロー
ンを発生させた。このクローンのヌクレオチド配列は、PCR 産物の直接配列決定
から決定された配列と同一であった。
【0164】実施例7マウスヘパラナーゼのバキュロウイルスの発現 (1) ラットおよびマウスのヘパラナーゼ 制限酵素EcoRI(マウスのクローン)およびBamHI/EcoRI(ラットのクローン)を
使用して、ラットおよびマウスの双方のヘパラナーゼ(N 末端のコーディング配
列)をそれらのそれぞれのクローニングベクター(rahep-pCR2.1/1およびmuhep-
pCR2.1/1)から切除した。
【0165】 切除したフラグメントをプラスミドpFastBac(Gibco BRL) の中に多面体プロモ
ーターの前にクローニングし、細菌DH10Bac 株の中に移した。バクミド(Bacmid
)DNA(DH10Bac ゲノムの中に組込まれたpFastBac)を調製し、Sf9 (Spodoptera
frugiperda )昆虫細胞をトランスフェクトするために使用した。72時間のイン
キュベーション後、上清および細胞を収集し、酵素活性についての試験に使用し
た。 2 〜3 の別々の試料について、トランスフェクトされた細胞/非トランスフェ
クト細胞から観測された活性を表10に記載する。 N 末端のトランケート配列を発現するラットおよびマウスのクローンの1/3 に
おいて、限界のヘパラナーゼ活性が観測された。
【0166】 (2) ヒトのN 末端および全長のヘパラナーゼ 制限酵素EcoRI を使用して、2つのヒト構築物をそれらのそれぞれのT テイル
ドクローニングベクター(NH2-pCR2.1およびFull-pCR2.1 )から切除した。切除
したフラグメントをプラスミドpFastBac(Gibco BRL) の中に多面体プロモーター
の前にクローニングし、細菌DH10Bac 株の中に移した。バクミドDNA (DH10Bac
ゲノムの中に組込まれたpFastBac)を調製し、Sf9 (Spodoptera frugiperda )
昆虫細胞をトランスフェクトするために使用した。72時間のインキュベーション
後、上清および細胞を収集し、酵素活性についての試験に使用した。
【0167】 2 〜5 の別々の試料について、トランスフェクトされた細胞/非トランスフェ
クト細胞から観測された活性を表11に記載する。 全長のヒトヘパラナーゼ配列を含有するクローンの3/5 において、明瞭なヘパ
ラナーゼ活性が観測された。N 末端のトランケート配列を含有するクローンの2/
5 において、限界のヘパラナーゼ活性が観測された。総合すると、バキュロウイ
ルスのデータが示唆するように、活性ヘパラナーゼの最良の発現を得るためには
全長のヘパラナーゼ配列を必要とする。
【0168】実施例8COS-7 細胞における哺乳動物ヘパラナーゼの発現 (1) ラットおよびマウスのヘパラナーゼ 制限酵素EcoRI(マウスのクローン)およびBamHI/EcoRI(ラットのクローン)を
使用して、ヘパラナーゼタンパク質の成熟形態(すなわち、ヒトヘパラナーゼ遺
伝子の成熟タンパク質をコードする領域に対して相同の配列)のみをコードする
、ラットおよびマウスの双方のヘパラナーゼcDNAをそれらのそれぞれのクローニ
ングベクター(rahep-pCR2.1/1およびmuhep-pCR2.1/1)から切除した。切除した
フラグメントをプラスミドpcDNA3(Invitrogen)の中にサイトメガロウイルス(CM
V)の前にクローニングした。プラスミドDNA を大腸菌(E.coli)DH5 αから調製
し、次いで下記の方法に従いCOS-7 哺乳動物細胞をトランスフェクトするために
使用した。
【0169】 記載されているようにDEAE−デキストラン方法により、ヘパラナーゼ発現構築
物またはpcDNA3ベクター単独で、COS-7 細胞(30〜50%のコンフルエント/75cm 2 のフラスコ)を一時的にトランスフェクトした。10%(v:v)のNuserum(Flow L
aboratories)を含有するダルベッコ変性イーグル培地(DME)中の5 〜10μg/mlの
DNA 、0.4mg/mlのDEAE−デキストラン(Pharmacia) および1mM のクロロキン(Sig
ma) から成るトランスフェクション混合物(1ml/5cm2の皿)と、細胞をインキュ
ベートした。次いでトランスフェクション混合物を除去し、細胞をリン酸塩緩衝
生理食塩水(PBS、7.6mM のNa2HPO4/3.25mMのNaH2PO4/145mN NaCl)、 pH7.4
中の10%ジメチルスルホキシド(v:v) で2 分間処理し、完全に補充した培地に48
〜72時間戻した後、アッセイにおいて使用した。
【0170】 10%の熱不活性化ウシ胎児血清、100U/ml のペニシリン、100mg/mlのストレプ
トマイシン、2mM のグルタミン(Commonwealth Serum Laboratories) および0.05
mMの2-メルカプトエタノール(2ME)(Koch-Light Ltd.)を補充したDME 中で、細胞
を維持した。72時間インキュベートした後、上清および細胞を収集し、酵素につ
いて試験するために使用した。 トランスフェクトされた細胞/モックトランスフェクトされた細胞から観測さ
れたヘパラナーゼ活性を表12に示す。これらのデータが示すように、有意なヘパ
ラナーゼ活性はマウスまたはラットのヘパラナーゼタンパク質を発現するトラン
スフェクトされた細胞において明らかではなかった。
【0171】 (2) ヒトのN 末端および全長のヘパラナーゼ 制限酵素EcoRI を使用して、2つのヒト構築物をそれらのそれぞれのT テイル
ドクローニングベクター(<400 >13のアミノ酸158 〜543 をコードするヒトヘ
パラナーゼcDNAを含有するNH2-pCR2.1;および<400 >13のアミノ酸1 〜543 を
コードするヒトヘパラナーゼcDNAを含有するFull-pCR2.1 )から切除した。切除
したフラグメントをプラスミドpcDNA3(Invitrogen)の中にサイトメガロウイルス
(CMV)の前にクローニングした。プラスミドDNA を大腸菌(E.coli)DH5 αから
調製し、次いで下記の方法に従いCOS-7 哺乳動物細胞をトランスフェクトするた
めに使用した。72時間インキュベートした後、上清および細胞を収集し、酵素に
ついて試験するために使用した。
【0172】 トランスフェクトされた細胞/トランスフェクトされない細胞から観測された
ヘパラナーゼ活性を表13に示す。これらのデータが示すように、有意なヘパラナ
ーゼ活性は全長のヒトヘパラナーゼ配列を発現するCOS-7 細胞の中に存在した(
バックグラウンドのレベルの10倍)が、COS-7 細胞中のラットおよびマウスのタ
ンパク質について観測されたように、タンパク質の成熟のプロセシングされた形
態のみを発現する細胞について、活性はほとんど、あるいはまったく観測されな
かった。
【0173】 いかなる理論または作用のモードによっても拘束されないで、哺乳動物細胞に
おける組換えタンパク質の正しい発現および/または輸送および/またはプロセ
シングを与えることにおける、ヒトヘパラナーゼのアミノ酸1 〜157 および多分
ラットおよびマウスのヘパラナーゼの対応する領域の重要な機能的役割を、これ
らのデータは示唆する。
【0174】実施例9 . 第6 図に示す比較のアミノ酸配列のデータに基づいて、ヘパラナーゼ特異的抗
体を発生させるためのペプチドを製造するために使用できる、多数の配列の差が
同定された。例示としてのみ、ヒトとマウス/ラットとの間のヘパラナーゼ配列
の差を含有し、かつウサギの免疫化前のタンパク質担体へのペプチドのカップリ
ングを促進するC 末端のシステイン残基を含有する、15アミノ酸のペプチドを合
成した。全長のヒトヘパラナーゼ配列の残基423 〜437 をスパンする、ヘパラナ
ーゼ酵素ペプチドのアミノ酸配列を下に示す: VQGSKRRKLRVYLHC (<400 >23)
【0175】 イムジェクト(Imject)マレイミド活性化KLH(Pierce、イリノイ州ロックフォー
ド)を製造業者の使用説明書に従い使用して、15アミノ酸のペプチドをそのC 末
端のシステイン残基を介してキーホールリンペットヘモシアニン(KLH )にカッ
プリングさせた。PBS 中に溶解したKLH-ペプチド複合体(0.2mg/ml)をフロイン
ド完全アジュバント(FCA)の中に1:1 の複合体溶液/FCA の比で乳化させた。ウ
サギを0.2mg のKLH-ペプチドで皮下の4 つの部位において免疫化し、FCA よりむ
しろフロインド不完全アジュバントを使用して、免疫化を4 週の間隔で反復し、
最後の免疫化の2週後にウサギから採血し、血清を収集した。
【0176】 抗ヒトヘパラナーゼ抗体についてのアッセイのためのELISA アッセイを開発し
た。このアッセイにおいて、前述したようにヒト血小板から精製したヒト血小板
ヘパラナーゼ(PBS 中の5 μg/ml、15時間、4 ℃)を96ウェルのプラスチックの
マイクロプレート(25μl/ウェル)中で固定化した。次いで、1 %(w/v) ウシ血
清アルブミン(BSA)を含有するPBS の200 μl/ウェルを添加することによって、
非特異的結合部位を4 ℃において2 時間ブロックした。
【0177】 200 μl/ウェルのPBS /0.05%のTween 20(PBST) で3 回洗浄した後、50μl/
ウェルのPBS /1 %BSA 中の抗血清の連続希釈物を添加し、4 ℃において2 時間
インキュベートした。PBSTで3 回洗浄した後、50μl/ウェルのヒツジ抗ウサギIg
にカップリングされたセイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)をPBS /1 %BSA
中において4 ℃において1 時間添加し、プレートを再びPBSTで3 回洗浄し、そし
て比色HRP 基質2,2-アジノ- ビス(3-エチルベンチアゾリンー6- スルホン酸ジア
ンモニウム塩(ABTS) の添加により結合したHRP を測定し、30分間インキュベー
トした後、発色を37℃で405nm においてELISA プレート上で測定した。
【0178】 第7 図において、抗ペプチド抗血清を使用して得られたELISA の結果を、精製
されたヒト血小板ヘパラナーゼに対して発生させたポリクローナルウサギ抗体の
反応性と比較する。第7 図に示すように、天然の酵素に対する抗血清についての
ほぼ1/10240 の力価に比較して、抗ペプチド抗血清は天然の酵素に対してかなり
の反応性を示し、ほぼ1/640 の終点の力価を与える。比較により、ペプチド−KL
H 複合体で免疫化する前に得られた血清は無視できるヒトヘパラナーゼとの反応
性を示す。
【0179】
【表7】
【0180】
【表8】
【0181】
【表9】
【0182】
【表10】
【0183】
【表11】
【0184】
【表12】
【0185】
【表13】
【0186】 参考文献 Amann およびBrosius(1985).Gene 40, 183。 Ausubel, F.M., Brent, R., Kingston, RE, Moore, D.D., Seidman, J.G., Smit
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【0190】 Wasteson, A., Hook, M.およびWestermark, B.(1976).64, 218-221。 Wasteson, A., Glimelius, B,. Busch, C., Westermark, B., Heldin, C-H およ
びNorling, B.(1977).Thromb.Res.11, 309-321。 Yahalom, J., Eldor, A., Fuks, Z.およびVlodavsky, I.(1984).J.Clin.Invest.
74, 1842-1849 。 Yahalom, J., Eldor, A., Biran, S., Fuks, Z. およびVlodavsky, I.(1985).Ra
diother.Oncol.3, 211-225。 Yurchenco, P.D.,およびSchittny, J.C.(1990).FASEB J.4, 1577-1590 。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、SDS-PAGE後の、精製されたヒト血小板ヘパラナーゼおよび脱グリコシ
ル化され、精製されたヒト血小板ヘパラナーゼの写真表示である。精製された血
小板ヘパラナーゼをジチオエリスリエトールで還元し、10%のポリアクリルアミ
ドゲル上で電気泳動させ、クーマッシー・ブリリアント・ブルーR250で染色する
。レーン1 、分子量標準(ホスホリラーゼb)(94kDa) 、ウシ血清アルブミン(67
kDa)、オバルブミン(43kDa) 、炭酸アンヒドラーゼ(30kDa) 、大豆トリプシンイ
ンヒビター(20kDa) およびα−ラクトアルブミン(14kDa));レーン2 、ヒト血小
板ヘパラナーゼおよびレーン3 、膜関連ヒト血小板ヘパラナーゼ。ヒト血小板ヘ
パラナーゼを、a )酵素なし(レーン4 )、b )N −グルコシダーゼF(レーン5
)、並びにc )N −グルコシダーゼF 、O −グルコシダーゼおよびノイラミニダ
ーゼ(レーン6 )とインキュベートした。
【図2】 図2は、発現ベクターpcDNA3(Invitrogen)のグラフ表示であり、サイトメガロ
ウイルスのIEプロモーター(P CMV)、BGH ターミネーター(BGH pA)、 SV40 の複
製起点(SV40 ori) 、ネオマイシン耐性遺伝子(ネオマイシン)、SV40ターミネ
ーター(SV40 pA)、細菌の複製起点(ColE1) およびアンピシリン耐性遺伝子(ア
ンピシリン)の位置を示す。本発明のエンドグルクロニダーゼをコードする配列
は、T7およびSP6 プロモーター配列により挟まれた多重クローニング部位(HindI
II....ApaI)の中に挿入されている。
【図3】 図3は、<400 >12と記載する放射能標識化された全長のヒトヘパラナーゼcD
NAとのハイブリダイゼーション後の、非免疫性心臓、脳、胎盤、肺、肝臓、骨格
筋、腎臓および膵臓の組織に由来するmRNAのノザンブロットハイブリダイゼーシ
ョンの写真表示のコピーである。組織源は各レーンの上部に示されている。サイ
ズマーカー(kb)は図面の左に示されている。
【図4】 図4は、<400 >12に記載する放射能標識化された全長のヒトヘパラナーゼcD
NAとのハイブリダイゼーション後の、非免疫性脾臓、リンパ節、胸腺、末梢血(P
B)リンパ球、骨髄および胎児肝臓の組織に由来するmRNAのノザンブロットハイブ
リダイゼーションの写真表示のコピーである。組織源は各レーンの上部に示され
ている。サイズマーカー(kb)は図面の左に示されている。
【図5】 図5は、ゲノムのサザンブロットハイブリダイゼーションの写真表示のコピー
であり、遺伝子の体制化およびヒトヘパラナーゼ遺伝子のコピー数を示す。2つ
の個体(1および2とマークするレーン)からのゲノムDNAを制限酵素EcoRI
(レーン1 および2 )、BamHI (レーン3 および4 )、HindIII (レーン5 およ
6 )またはPstI(レーン7 および8 )で消化し、1 %(w/v )アガロースゲル上
の電気泳動により分離し、ナイロン膜に移し、放射能標識化された全長のヒトヘ
パラナーゼcDNA(<400 >12)にハイブリダイゼーションさせた。使用した酵素
およびDNA 源は各レーンの上部に示されている。図面の右側における矢印は、個
体2の中に存在するが、個体1の中に存在しない、多形性1.4kb のPstIフラグメ
ントの位置を示す。
【図6】 図6は、ヒト(<400 >13)、ネズミ(<400 >17)およびラット(<400 >
19)ヘパラナーゼのアミノ酸配列の整列を示す概略的表示のコピーである。コン
ピューター・ジェネティックス・グループ(Computer Genetics Group )(Deve
raux et al. 、1984)のPILEUPプログラムを使用して、ヒト(hu.hep)、ネズミ
(mu.hep)およびラット(rat.hep )ヘパラナーゼのポリペプチドの配列を整列
させた。同一のアミノ酸はボックスで示されている。数字は図面に示す配列の各
々についてのアミノ酸の位置を意味する。
【図7】 図7は、ヒトヘパラナーゼ(<400 >23)の残基423 〜437 に由来しかつKLH
(充填したバー)に複合化された15アミノ酸長さのペプチドを使用して得られた
抗血清のELISA 力価を、血小板由来のヘパラナーゼ(対角線のクロスハッチのバ
ー)を使用して得られた抗血清またはペプチド−KLH 免疫化前のウサギから得ら
れた前免疫血清(水平のクロスハッチのバー)の力価と比較して示すグループ表
示のコピーである。データは試験した各血清希釈物(x 軸)についての光学密度
(y 軸)を示す。CON とマークする試料は非血清の対照試料である。
【手続補正書】
【提出日】平成13年2月26日(2001.2.26)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0190
【補正方法】変更
【補正内容】
【0190】 Wasteson, A., Hook, M.およびWestermark, B.(1976).64, 218-221。 Wasteson, A., Glimelius, B,. Busch, C., Westermark, B., Heldin, C-H およ
びNorling, B.(1977).Thromb.Res.11, 309-321。 Yahalom, J., Eldor, A., Fuks, Z.およびVlodavsky, I.(1984).J.Clin.Invest.
74, 1842-1849。 Yahalom, J., Eldor, A., Biran, S., Fuks, Z. およびVlodavsky, I.(1985).Ra
diother.Oncol.3, 211-225。 Yurchenco, P.D.,およびSchittny, J.C.(1990).FASEB J.4, 1577-1590。
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
【表18】
【表19】
【表20】
【表21】
【表22】
【表23】
【表24】
【表25】
【表26】
【表27】
【表28】
【表29】
【表30】
【表31】
【表32】
【表33】
【表34】
【表35】
【表36】
【表37】
【表38】
【表39】
【表40】
【表41】
【表42】 国際出願明細書(英文)の第65頁〜第93頁の記載に対応する記載が翻訳文
に存在しないため、この欠落している記載を追加します。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 29/00 A61P 43/00 111 35/04 C07K 14/42 43/00 111 C12N 9/88 C07K 14/42 9/99 C12N 9/88 C12Q 1/68 A 9/99 C12N 15/00 ZNAA C12Q 1/68 A61K 37/54 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG, KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,L U,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO ,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG, SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,U G,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 パリッシュ,クリストファー リチャード オーストラリア国,オーストラリアン キ ャピタル テリトリー 2601,キャンペ ル,バセイ クレッセント 62 (72)発明者 ハンドーフ,ブレントン ジェイムズ オーストラリア国,オーストラリアン キ ャピタル テリトリー 2606,スウィンガ ー ヒル,ロウエ プレイス 25 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA07 CA04 DA02 EA02 GA11 GA18 HA01 HA12 4B050 CC03 CC04 DD11 LL01 4B063 QA01 QA18 QA19 QQ02 QQ42 QQ53 QR08 QR56 QR62 QS25 QS34 4C084 AA02 AA07 BA44 CA17 DC22 NA14 ZA452 ZA892 ZB112 ZB262 4H045 AA10 AA30 CA41 CA42 DA89 EA22 EA24 EA29 FA74

Claims (50)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 <400 >12または<400 >14または<400 >16または<400
    >18のいずれか1 つに対して少なくとも80%の同一性を有するヌクレオチド配列
    またはそれらに対して相補的な配列を含んでなりそして哺乳動物のエンドグルク
    ロニダーゼ活性を有するポリペプチドをコードする単離された核酸分子。
  2. 【請求項2】 エンドグルクロニダーゼ活性がヘパラナーゼである、請求項
    1 に記載の単離された核酸分子。
  3. 【請求項3】 <400 >12と記載するヌクレオチド配列またはそれに対して
    相補的なヌクレオチド配列を含んでなる請求項2 に記載の単離された核酸分子。
  4. 【請求項4】 <400 >16と記載するヌクレオチド配列またはそれに対して
    相補的なヌクレオチド配列を含んでなる請求項2 に記載の単離された核酸分子。
  5. 【請求項5】 <400 >18と記載するヌクレオチド配列またはそれに対して
    相補的なヌクレオチド配列を含んでなる請求項2 に記載の単離された核酸分子。
  6. 【請求項6】 下記の配列: (i ) <400 >1 〜<400 >11または<400 >23のいずれか1 つに記載する
    アミノ酸配列; (ii) <400 >13に記載するアミノ酸配列; (iii ) <400 >17に記載するアミノ酸配列; (iv) <400 >19に記載するアミノ酸配列; (v ) HSPGからHS側鎖を除去することができる(i )〜(iv)のいずれか1
    つの相同体、アナローグまたは誘導体;および (vi) HSPGからHS側鎖を除去することができる<400 >15の相同体、アナロ
    ーグまたは誘導体; から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%同一であるアミノ酸配列か
    らなる哺乳動物のエンドグルクロニダーゼのポリペプチドをコードするヌクレオ
    チド配列からなる単離された核酸分子。
  7. 【請求項7】 エンドグルクロニダーゼ活性がヘパラナーゼである、請求項
    6 に記載の単離された核酸分子。
  8. 【請求項8】 <400 >13に記載するアミノ酸配列または<400 >13のアミ
    ノ酸残基158 〜543 をコードする請求項7 に記載の単離された核酸分子。
  9. 【請求項9】 <400 >17に記載するアミノ酸配列をコードする請求項7 に
    記載の単離された核酸分子。
  10. 【請求項10】 <400 >19に記載するアミノ酸配列をコードする請求項7
    に記載の単離された核酸分子。
  11. 【請求項11】 少なくとも下記の工程: (i ) 哺乳動物の細胞、組織または器官に由来するDNA 、mRNAまたはcDNAを
    ハイブリダイゼーション有効量の1 またはそれ以上のプローブまたはプライマー
    分子と、ハイブリダイゼーションが起こるために十分な時間の間および条件下に
    、ハイブリダイゼーションさせ、前記プローブまたはプライマー分子は<400 >
    12または<400 >14または<400 >16または<400 >18のいずれか1 つに由来す
    る少なくとも10の隣接ヌクレオチドの長さを有し;そして (ii) ハイブリダイゼーションを検出する; を含んでなる、哺乳動物のエンドグルクロニダーゼポリペプチドをコードする核
    酸分子を同定する方法。
  12. 【請求項12】 ハイブリダイズした核酸分子を単離する工程をさらに含む
    、請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 ハイブリダイゼーションを検出する工程がポリメラーゼ連
    鎖反応のフォーマットを含んでなる、請求項11に記載の方法。
  14. 【請求項14】 ハイブリダイゼーションを検出する工程がプライマーエク
    ステンションを含んでなる、請求項11に記載の方法。
  15. 【請求項15】 ハイブリダイゼーションを検出する工程がプローブまたは
    プライマーに共有結合したリポーター分子を検出することを含んでなる、請求項
    11に記載の方法。
  16. 【請求項16】 プロモーターの配列に作用可能に連結された請求項1 に記
    載の単離された核酸分子を含んでなる発現ベクター。
  17. 【請求項17】 プロモーターがポリヘドロンプロモーターまたはCMV プロ
    モーターである、請求項16に記載の発現ベクター。
  18. 【請求項18】 プロモーター配列に作用可能に連結されている請求項6 に
    記載の単離された核酸分子を含んでなる発現ベクター。
  19. 【請求項19】 プロモーターがポリヘドロンプロモーターまたはCMV プロ
    モーターである、請求項18に記載の発現ベクター。
  20. 【請求項20】 <400 >13、<400 >15、<400 >17もしくは<400 >19
    のいずれか1 つに記載するアミノ酸配列、またはプロモーター配列に作用可能に
    連結されたHSPGからHS側鎖を除去することができる、それらの相同体、アナロー
    グまたは誘導体を有する哺乳動物のヘパラナーゼのポリペプチドをコードする単
    離された核酸分子を含んでなる発現ベクター。
  21. 【請求項21】 プロモーターがポリヘドロンプロモーターまたはCMV プロ
    モーターである、請求項20に記載の発現ベクター。
  22. 【請求項22】 <400 >1 〜11または<400 >23のいずれか1 つに記載す
    るアミノ酸配列を含んでなる単離されたヘパラナーゼのペプチド。
  23. 【請求項23】 エンドグルクロニダーゼ活性を有しかつ<400 >13、<40
    0 >13のアミノ酸158 〜543 、<400 >17もしくは<400 >19のいずれか1 つに
    対して少なくとも80%同一であるアミノ酸配列、またはHSPGからHS側鎖を除去す
    ることができる、それらの相同体、アナローグまたは誘導体を含んでなる、組換
    えまたは単離されたポリペプチド。
  24. 【請求項24】 エンドグルクロニダーゼ活性がヘパラナーゼ活性を含む、
    請求項23に記載の組換えまたは単離されたポリペプチド。
  25. 【請求項25】 <400 >13または<400 >13のアミノ酸158 〜543 と記載
    するアミノ酸配列を含んでなる、請求項24に記載の単離されたまたは組換えポリ
    ペプチド。
  26. 【請求項26】 <400 >17に記載するアミノ酸配列を含んでなる、請求項
    24に記載の単離されたまたは組換えポリペプチド。
  27. 【請求項27】 <400 >19に記載するアミノ酸配列を含んでなる、請求項
    24に記載の単離されたまたは組換えポリペプチド。
  28. 【請求項28】 <400 >13に記載するアミノ酸配列の成熟タンパク質領域
    を含んでなる、請求項24に記載の単離されたまたは組換えポリペプチド。
  29. 【請求項29】 <400 >1 〜11、<400 >13、<400 >17または<400 >
    19または<400 >23のいずれか1 つに対して少なくとも80%同一であるアミノ酸
    配列を含んでなる、単離されたまたは組換えエンドグルクロニダーゼポリペプチ
    ドに結合することができる抗体分子。
  30. 【請求項30】 潜在的モジュレーターの存在下に請求項23に記載の組換え
    エンドグルクロニダーゼ酵素の活性をアッセイし、そして前記活性を前記潜在的
    モジュレーターの非存在下の組換えヘパラナーゼの活性と比較することを含んで
    なる、ヘパラナーゼ活性のモジュレーターを同定する方法。
  31. 【請求項31】 前記ヘパラナーゼ活性のモジュレーターが、ヘパラナーゼ
    活性のインヒビターである、請求項30に記載の方法。
  32. 【請求項32】 前記ヘパラナーゼ活性のインヒビターが、ヘパラナーゼの
    切断不可能な基質または基質のアナローグである、請求項31に記載の方法。
  33. 【請求項33】 前記ヘパラナーゼ活性のインヒビターが、硫酸化オリゴ糖
    、スルホネートまたはそれを含んでなるHSPGである、請求項31に記載の方法。
  34. 【請求項34】 前記ヘパラナーゼ活性のインヒビターが、<400 >1 〜11
    、<400 >13、<400 >17または<400 >19または<400 >23のいずれか1 つに
    対して少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んでなる、単離されたまたは
    組換えエンドグルクロニダーゼポリペプチドに結合することができる抗体分子で
    ある、請求項31に記載の方法。
  35. 【請求項35】 <400 >13、<400 >17もしくは<400 >19のいずれか1
    つに対して少なくとも80%同一であるアミノ酸配列、またはHSPGからHS側鎖を除
    去することができる、それらの相同体、アナローグまたは誘導体を含んでなるヘ
    パラナーゼのポリペプチドを阻害するための、硫酸化オリゴ糖、スルホネートま
    たはそれを含んでなるHSPGの使用。
  36. 【請求項36】 <400 >13、<400 >17または<400 >19のいずれか1 つ
    に対して少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を有するヘパラナーゼポリペプ
    チドのインヒビターを、ヒトまたは動物の被検体におけるヘパラナーゼ活性を減
    少するために十分な時間の間および条件下に、前記被検体に投与する、ことを含
    んでなる、前記被検体におけるヘパラナーゼ活性が高い前記被検体における生理
    学的または医学的症状を治療する方法。
  37. 【請求項37】 上昇したヘパラナーゼ活性と関連する生理的又は医学的状
    態が、転移、血管形成、創傷の治癒、血管形成術誘導再狭窄、動脈硬化症、アテ
    ローム性動脈硬化症および炎症からなる群から選択される、請求項36に記載の方
    法。
  38. 【請求項38】 <400 >13、<400 >17または<400 >19のいずれか1 つ
    に対して少なくとも80%同一であるアミノ酸配列、あるいはHSPGからHS側鎖を解
    放することができる、それらの相同体、アナローグまたは誘導体を含んでなる組
    換えまたは単離されたヘパラナーゼのポリペプチド、または前記ポリペプチド、
    相同体、アナローグまたは誘導体を含んでなる医薬組成物をヒトまたは動物の被
    検体に投与することを含んでなる、前記被検体における創傷の治癒を増強する方
    法。
  39. 【請求項39】 創傷の治癒の増強が組織の発生または組織修復に関連する
    、請求項38に記載の方法。
  40. 【請求項40】 請求項29に記載の抗体を、ヘパラナーゼの過度の発現に関
    連する生理学的または医学的症状を患うことが推測されるヒトまたは動物の被検
    体に由来する生物学的試料と、抗原:抗体の複合体が形成するために十分な時間
    の間および条件下に、接触させ、次いで前記複合体の形成を検出することを含ん
    でなる、前記生理学的または医学的症状を診断する方法。
  41. 【請求項41】 前記生理学的または医学的症状が、癌、転移、血管形成、
    血管形成術誘導再狭窄、アテローム性動脈硬化症および炎症からなる群から選択
    される、請求項40に記載の方法。
  42. 【請求項42】 前記生物学的試料が、血清、胎盤、末梢血リンパ球、脾臓
    、リンパ節、骨髄または胎児肝臓またはそれらの誘導体である、請求項40に記載
    の方法。
  43. 【請求項43】 下記工程: (i ) ヘパラナーゼを発現する細胞または組織に由来するmRNAを含有する生
    物学的試料を、プローブまたはプライマーと、ハイブリダイゼーションが起こる
    ために十分な時間の間および条件下に、接触させ、ここで前記プローブまたはプ
    ライマーは<400 >12、<400 >14、<400 >16または<400 >18のいずれか1
    つの少なくとも10の隣接ヌクレオチドに対して少なくとも80%の同一性を有する
    ヌクレオチド配列またはそれらに対して相補的なヌクレオチド配列を含んでなり
    ;そして (ii) ハイブリダイゼーションを検出、そして/または定量する; ことを含んでなる、ヘパラナーゼの過度の発現に関連する生理学的または医学的
    症状を、ヒトまたは動物の被検体において、診断する方法。
  44. 【請求項44】 前記生理学的または医学的症状が、癌、転移、血管形成、
    血管形成術誘導再狭窄、アテローム性動脈硬化症および炎症からなる群から選択
    される、請求項43に記載の方法。
  45. 【請求項45】 前記生物学的試料が、胎盤、末梢血リンパ球、脾臓、リン
    パ節、骨髄もしくは胎児肝臓またはそれらの誘導体を含んでなる、請求項44に記
    載の方法。
  46. 【請求項46】 前記ハイブリダイゼーションを検出および/または定量す
    る工程が、ポリメラーゼ連鎖反応のフォーマットにおいて、被検体について得ら
    れたハイブリダイゼーションを健康な個体について得られたハイブリダイゼーシ
    ョンと比較することを含んでなる、請求項44に記載の方法。
  47. 【請求項47】 プローブまたはプライマーがヌクレオチド配列に共有結合
    したリポーター分子を含み、そして前記ハイブリダイゼーションを検出および/
    または定量する工程が、被検体に由来する生物学的試料に結合したリポーター分
    子の量を、健康な個体に由来する同等の生物学的試料に結合したリポーター分子
    の量と比較することを含んでなる、請求項44に記載の方法。
  48. 【請求項48】 請求項1 〜10のいずれか一項に記載の核酸分子または請求
    項16〜21のいずれか一項に記載の発現ベクターを含む細胞。
  49. 【請求項49】 昆虫細胞または哺乳動物細胞である、請求項49に記載の細
    胞。
  50. 【請求項50】 前記昆虫が、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera f
    rugiperda )であるか、あるいは前記哺乳動物細胞がCOS 細胞である、請求項49
    に記載の細胞。
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