JP2002509882A - フルオキセチンおよびそのエナンチオマーの安定した投薬剤形 - Google Patents

フルオキセチンおよびそのエナンチオマーの安定した投薬剤形

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JP2002509882A JP2000540823A JP2000540823A JP2002509882A JP 2002509882 A JP2002509882 A JP 2002509882A JP 2000540823 A JP2000540823 A JP 2000540823A JP 2000540823 A JP2000540823 A JP 2000540823A JP 2002509882 A JP2002509882 A JP 2002509882A
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バトラー、ハル、ティー.
ワルド、ステファン、エー.
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セプラコア インコーポレーテッド
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/13Amines
    • A61K31/135Amines having aromatic rings, e.g. ketamine, nortriptyline
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/24Antidepressants

Abstract

(57)【要約】 効力の強い抗うつ薬フルオキセチン、そのエナンチオマーおよび塩の化学的・物理的に安定した医薬製剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 本発明は、化学的および物理的に安定な、フルオキセチンまたはそのエナンチ
オマーもしくは塩を含有する医薬組成物に関する。
【0002】発明の背景 多くの因子が、治療薬剤成分の安定性、治療薬剤成分と不活性成分との間の潜
在的な相互作用、製造方法、包装、発送中に遭遇する環境条件、貯蔵および取り
扱い、製造と使用との間の時間の長さおよび投薬剤形のタイプを含む医薬製品の
安定性に影響を及ぼす。物理的安定性のほかに、医薬製品の化学的安定性が考慮
されるべきである。医薬製剤の物理的かつ化学的安定性は、少なくとも3つの主
たる理由のために非常に重要である。
【0003】 第1に、医薬製品は好ましくは、新鮮で、上品で、かつ専門的にみえなければ
ならない。退色、色の変化、曇りの出現等を含む、物理的外観および色における
いかなる変化も、患者に、製品における信頼を失わせ得る。第2に、いくつかの
製品は多重回投与容器中に分配されているので、時間に亘って治療剤の一律の投
与が保証されなければならない。例えば、曇った液剤、壊れた(broken)エマルジ
ョン、変色した錠剤、変色したカプセル等によって、一律でない投与パターンが
示されうる。第3に、治療薬剤成分は、投薬剤形の期待される貯蔵寿命を通じて
ずっと、患者に入手可能でなければならない。投薬剤形の物理的または化学的完
全性の破壊は、治療薬剤成分の生物学的利用能の欠乏または有害に変えられた生
物学的利用能となり得る。
【0004】 多様な投薬剤形が、薬剤を投与するために利用可能である。例えば、典型的に
薬剤成分、希釈剤および他の賦形剤例えば滑沢剤等を含むトローチ、錠剤および
カプセルは、当分野でよく知られている。よく知られている賦形剤としては、例
えばコーティング剤、着色剤、乾燥剤、乳化剤、可溶化剤、フレーバー、固化防
止剤(anti-caking agent)、可塑剤、沈殿防止剤、増粘剤、結合剤、希釈剤、湿 潤剤等を包含する。
【0005】 ラクトースは、普通使用される希釈剤または賦形剤である。噴霧乾燥されたラ
クトースが、直接圧縮賦形剤として広く使用されている、普通に入手可能な形態
のラクトースである。噴霧乾燥ラクトースが出現したため、賦形剤としてのその
用途が広がった。噴霧乾燥ラクトースが急速に受け入れられたのは、部分的には
、直接圧縮錠剤に組込むことのその容易さに帰する。本願においては、噴霧乾燥
ラクトースは、すぐ使用できる形 (ready-to-use form)であり、さらなる粒化ま
たは複雑な加工段階の導入を必要としない。噴霧乾燥ラクトースはまた、トロー
チもしくはカプセルの投薬剤形に、容易にかつ便利に組込むことができる。噴霧
乾燥ラクトースを薬剤に直接加えて、それで所望の希釈比を生じることができる
。その後、例えばラクトースと薬剤との組合せを、必要なときに他の賦形剤と共
に、錠剤へと乾燥圧縮するかまたは、トローチもしくはカプセルへと調剤するこ
とができる。
【0006】 ラクトースは、噴霧乾燥されていてもいなくても、典型的には、そのアルファ
形とベータ形の間の平衡状態で存在し、そこでは、これらの形の間の相互転化が
進んでいる。アルファ‐ラクトースは、ベータ‐D‐ガラクトースとアルファ‐D
‐グルコースとの二糖である。ベータ‐ラクトースは、ベータ‐D‐ガラクトー スとベータ‐D‐グルコースとの二糖である。ベータ‐ラクトースはその無水形 態でのみ生じるが、アルファ‐ラクトースは無水形態でまたは1水和物として得
ることができる。
【0007】 ラクトースのアルファ形とベータ形との間の相互転化中に、ほとんどの第1級
アミンと不適合性(incompability)であることが知られているアルデヒド中間体 が形成される。第1級アミンは、アルデヒド(およびケトン)のカルボニル炭素
に付加して、イミンを形成する: ほとんどの第1級アミンとラクトースとの不適合性は、よく認識されている。Ca
stelloら、J. Pharm. Sci. 51 (2) : 106-108 (1962年、2月)を参照されたい。
また、Blaugら、J. Pharm. Sci. 61 (11) : 1770-1775 (1972年、11月);Hartau
erら、Drug Dev. and Indust. Pharm., 17 (4) : 617-630 (1991年)を参照され たい。
【0008】 Castelloらは、硫酸アンフェタミン(第1級アミン塩)とラクトースとの適合
性を試験した。かれらは、ラクトースと硫酸アンフェタミンとの混合物が、特に
アルカリ性滑沢剤例えばステアリン酸マグネシウムの存在中で、変色することを
見出した。Blaugらは、硫酸デキストロアンフェタミン(第1級アミン塩)を噴 霧乾燥ラクトースと共に試験した。かれらは、ラクトースが、硫酸デキストロア
ンフェタミンの存在中でシッフ塩基(すなわちイミン)を形成することを見出し
た。Hartauerらは、アミノフィリンをラクトースと共に試験し、アミノフィリン
とラクトースとの間に、特に約60℃の熱が施与されたときに、変色によって証明
されたいくらかの不適合性が生じることを見出した。アミノフィリンは、1分子
のエチレンジアミン(第1級アミン)に対して2分子の比のテオフィリン(第2
級アミン)を含む。しかし、Hartauerらは、これらの化合物を試験し、テオフィ
リン単独(第2級アミン)では、60℃の熱の存在中または不存在中で、ラクトー
スと反応しないが、エチレンジアミンは、特に60℃に加熱すると、ラクトースと
反応することを見出した。このようにして、アミノフィリンとラクトースとの不
適合性がアミノフィリンの第1級アミン成分であるエチレンジアミンとラクトー
スとの不適合性からの結果であるとわかった。
【0009】 いくつかの特許公報に好適な賦形剤としてラクトースが記載され、また塩酸フ
ルオキセチンのいくつかの一般的なものがラクトースと共に製剤化されているよ
うに、処方薬である第2級アミンの塩酸フルオキセチンまたはPROZAC(登録商標
)はラクトースと適合性を有すると考えられていた。しかしながら、市販の製品
であるPROZAC(登録商標)はラクトースを含有しないPulvule(登録商標)投薬 剤形として利用できる。Physician's Desk Reference, 第52版, Medical Econom
ics Co., Montvale, NJ, p.1293 (1998)によれば、固形のPROZAC(登録商標)の
単位投薬剤形のそれぞれには、10から20mgの塩酸フルオキセチン、FD&C Blue No
.1、ゼラチン、酸化鉄、シリコーン、デンプン、二酸化チタン及び他の活性成分
が含有されている。フルオキセチンはまた、経口用溶液としても入手できる。い
ずれの場合にも、市販の形態は安定であると考えられている。例えば、Patterso
nら、Am. J. Hosp. Pharm. 51:1342 (1994)を参照すること。
【0010】 米国特許第5,104,899号、5,589,511号、5,648,396号及び5,708,035号は全て光
学的に純粋なS(+)またはR(−)フルオキセチンを含有する医薬組成物の製
造及び使用に関するものである。これらの特許のいずれもがラクトースをフルオ
キセチンのエナンチオマーと共に使用するために許容される賦形剤として報告し
ている。同様に、米国特許第5,356,934号はラクトースを(R)−フルオキセチ ンと共に使用するために許容される賦形剤として開示している。更に、米国特許
第4,683,235号及び4,594,358号は、ラクトースをラセミ型フルオキセチン組成物
に対して許容される賦形剤として言及している。
【0011】 EP 0,693,281 A2号は、塩酸フルオキセチンを含有する分散型錠剤(すなわち 水に速やかに溶解または分散して分散後に摂取することを意図される錠剤)につ
いて開示している。これらの分散型錠剤はラクトースを賦形剤として含有してい
る。例えば、塩酸フルオキセチン、デンプングリコレートナトリウム、ラクトー
ス、L-HPC 21、サッカリンナトリウム及びミントアロマ(mint aroma)を含有す
る分散型錠剤がこの特許文献の実施例1に記載されている。
【0012】 これらの文献とは逆に、また一般の製薬会社によるフルオキセチン及びラクト
ースの使用とは逆に、ラセミ型フルオキセチン、そのエナンチオマー及びその塩
を含む、ある種の第2級アミン含有薬剤は、ラクトースの存在下で熱的及び化学
的に不安定であることが発見された。また、水がラクトースまたは関連化合物の
存在下におけるフルオキセチンの分解を加速し得ることも発見された。
【0013】 従って、本発明はラクトースの使用に伴って生じる熱的または化学的不安定性
のない投薬剤形に必要とされる特質を有する安定な固形の医薬投薬剤形を提供す
る。
【0014】 第2級アミンを含有する薬剤及びラクトース等の賦形剤間の不適合性を避けた
、フルオキセチン、そのエナンチオマーまたはその塩の安定な固形医薬製剤を調
製することが望まれている。
【0015】発明の概要 本発明は、フルオキセチン、そのエナンチオマーまたは塩、好ましくは酸付加
塩の、安定な固形の投薬剤形を包含する。投薬剤形は、物理的および化学的に安
定であり、フルオキセチン活性成分等の活性第2級アミン含有化合物と、メイラ
ード反応の基質である特定の賦形剤(ラクトースを含むがこれに限定されない)
との間の、何れの不適合性をも回避する高性能組成物である。好ましい投薬剤形
は圧縮錠剤である。これらの圧縮錠剤は、好ましくはラクトースを含まない。最
も好ましくは、投薬剤形はラクトースを含有しないかまたは非吸湿性である。
【0016】 本発明はまた、フルオキセチンまたはそのエナンチオマー、または製薬上許容
されるその塩および、少なくとも1の製薬上許容される非ラクトース賦形剤を含
む、ラクトースを含まない医薬組成物に関する。別の実施形態においては、本発
明は、フルオキセチンまたはそのエナンチオマー、または製薬上許容されるその
塩および、少なくとも1の製薬上許容される賦形剤を含み、該賦形剤がラクトー
スでない固形医薬組成物に関する。
【0017】 1の実施形態においては、少なくとも1の製薬上許容される非ラクトース賦形
剤は、結合剤、充填剤またはそれらの混合物である。別の実施形態においては、
少なくとも1の医薬賦形剤は、結合剤、充填剤またはそれらの混合物である。好
ましい実施形態においては、上記の賦形剤は、滑沢剤、崩壊剤またはそれらの混
合物をさらに包含する。好ましい実施形態においては、医薬組成物は、すべての
単糖または二糖の賦形剤を実質的に含まない。別の実施形態においては、医薬組
成物は、すべての単糖または二糖の充填剤を実質的に含まない。
【0018】 本発明はまた、フルオキセチン、その光学的に純粋なエナンチオマー、または
製薬上許容されるその塩および、少なくとも1の製薬上許容される賦形剤を含む
、熱的に安定な、ラクトースを含まない固形医薬組成物に関する。本発明はまた
、約1%〜約99重量%のフルオキセチン、その光学的に純粋なエナンチオマー、
または製薬上許容されるその塩および、約99〜約10重量%の少なくとも1の製薬
上許容される賦形剤を含む、化学的に安定な、ラクトースを含まない固形医薬組
成物に関する。
【0019】 1の実施形態においては、フルオキセチン、そのエナンチオマーまたは塩は、
約1mg〜約200mgの量で存在する。より好ましい実施形態においては、フルオキ セチン、そのエナンチオマーまたは塩は、約10mg〜約80mgの量で存在する。別の
好ましい実施形態においては、フルオキセチン、そのエナンチオマーまたは塩は
、抑うつ、強迫性障害、不安または肥満の治療のために治療上有効な量で存在す
る。なお別の好ましい実施形態においては、治療上有効な量は、ヒトにおける抑
うつまたは偏頭痛の予防または治療のために十分な量である。
【0020】 本発明はまた、フルオキセチン、そのエナンチオマー、または製薬上許容され
るその塩、微晶質セルロース、および予めゼラチン化したデンプンを含む、固形
医薬組成物に関する。1の実施形態においては、この固形医薬組成物は、錠剤ま
たはカプセル、好ましくは圧縮錠剤の投薬剤形で提供される。
【0021】 本発明はまた、治療上有効な量の本発明の組成物の1つを投与することによる
、哺乳動物における障害を治療するための方法に関する。好ましい実施形態にお
いては、哺乳動物はヒトである。該障害には、抑うつ、不安、強迫性障害、過食
症、肥満、および偏頭痛が含まれる。
【0022】発明の詳細な説明 フルオキセチン、そのエナンチオマーおよび塩の薬理学的利益に基づいて、こ
れらの活性成分の安定な高性能の投薬剤形への必要性がある。特に、固形錠剤剤
形、とりわけ安定な圧縮錠剤への必要性がある。本発明者らは、ラクトースを除
き、かつ本明細書中に記載した代替成分を使用することによって、ラクトースを
含まないフルオキセチン、そのエナンチオマーまたは塩の投薬剤形が、驚くべき
ことに、化学的に、かつ物理的に安定であることを見出した。この安定性は、製
造の容易さまたは投与性能を失うことなく、本発明によって達成することができ
る。
【0023】 本発明は、フルオキセチン、エナンチオマー、または製薬上許容されるその塩
および、いかなる形態のラクトースも含まないまたは使用しない製薬上許容され
る担体または賦形剤を含む、化学的かつ物理的にに安定な医薬製剤に関する。ラ
クトースは、とりわけその製造の容易さの故に、広く受け入れられており、製薬
工業に使用されてきている。しかし、本出願人は、第2級アミン薬剤(すなわち
第2級アミン部分を有する化合物)とラクトースを含む製剤が、時間に亘って不
安定であり、熱および水分にさらされるとより急速に分解することを有利に見出
した。
【0024】 第2級アミンは、特に室温で、または熱(例えば約60℃より下)にさらされる
のが最小限であるかまたは全く避けられるとき、ラクトースと適合性であるとこ
れまで考えられていた。記載したように、フルオキセチン並びにそのエナンチオ
マーおよび塩は、ラクトースを含まないPulvule(登録商標)カプセルとして入 手可能であるが、現在まではラクトースと共存可能であると記述されてきた。本
発明の後にのみ、フルオキセチンがラクトースと好ましくない相互作用をし得る
ことが報告されている(Wirthら、J. Pharm, Sci., 87(1):31(January 1988))。
【0025】 物理的および/化学的不適合性が、第2級アミンであるフルオキセチン、その
エナンチオマーおよび塩とラクトースとの間に存在することが発見された。理論
によって限定されないが、フルオキセチン、そのエナンチオマーおよび塩とラク
トースとの不適合性は、ラクトースのアルデヒド中間体と第2級アミンとの間の
反応に帰するエナミンの形成から引き起こされると考えられている: 室温(例えば約60℃より下の温度)および室内の相対湿度においてさえ、不適
合性が存在することがまた発見された。さらに、本出願人はまた、広く受け入れ
られている賦形剤であるラクトースを使用することなく、フルオキセチンまたは
そのエナンチオマーを含む非常に安定な医薬組成物を見出した。
【0026】 本発明に従えば、フルオキセチン、そのエナンチオマーまたは塩はラクトース
を含まない医薬組成物で提供される。これらの組成物は、セロトニン再取込み抑
制剤としての強力な活性を有し、種々の状態を治療するのに有用である。これら
の状態のいくつかは、例えば、抑うつ、肥満、偏頭痛、強迫性障害、不安、過食
症および関連した障害を含む。
【0027】 より重要なことには、これらのラクトースを含まない組成物は、フルオキセチ
ン、そのエナンチオマーまたは塩をヒトに送達するための安定かつ便利な投薬剤
形を提供する。本発明のラクトースを含まない組成物は、とりわけそれらがかな
りの貯蔵寿命を有することにおいて、安定である。さらに、本発明の組成物は、
穏やかな温度および湿度変化にさらされたときでさえ、安定なままである。さら
に、本発明の組成物がラクトースを含まなくても、該組成物はなお容易に製造で
き、該組成物は望ましい投与性能特性を有する。本発明の組成物は、フルオキセ
チン、光学的に純粋なエナンチオマー、または製薬上許容されるその塩および、
少なくとも1の製薬上許容される非ラクトース賦形剤を含む、固形単位投薬剤形
を包含する。組成物はまた、他の治療成分、結合剤/充填剤、崩壊剤、滑沢剤、
固化防止剤、防腐剤、フィルムコーティング剤、甘味剤、着色剤、フレーバー、
乾燥剤、可塑剤、染料、分散剤および/または界面活性剤を任意に含むことがで
きる。しかし、いかなるそのような成分もフルオキセチン、またはそのエナンチ
オマー(第2級アミン)と適合性であって、製剤の安定性を保証するものでなく
てはならない。
【0028】 本発明に従い製造された、フルオキセチン、そのエナンチオマーまたは塩のラ
クトースを含まない投薬剤形は、該活性成分および少なくとも1の非ラクトース
賦形剤を含むのが好ましい。そのような賦形剤の例は当分野でよく知られており
、USP (XXI)/ NF (XVI)に挙げられていて、これは,その全てが参照により本明細
書に組み入れられる。本発明に従い製造された、ラクトースを含まないフルオキ
セチン投薬剤形が、フルオキセチン、そのエナンチオマーまたは塩、結合剤/充
填剤および滑沢剤を、製薬上適合性の製薬上許容される量で含むのがさらに好ま
しい。本発明に従い製造された、ラクトースを含まないフルオキセチン投薬剤形
が、フルオキセチン、またはそのエナンチオマーまたは塩、微晶質セルロース、
予めゼラチン化されたデンプンおよびステアリン酸マグネシウムを含むのがなお
さらに好ましい。
【0029】 他の糖、例えばフルクトースおよびシュークロース、並びに炭水化物充填剤は
、フルオキセチン含有製剤と組合せて使用したときに、ラクトースによって引き
起こされる程度まで深刻ではないが、同様の分解を引き起こすかまたは引き起こ
し得ることがまた見出された。かくして、別の実施形態においては、ラクトース
を含まない医薬組成物は、フルオキセチン、そのエナンチオマー、または製薬上
許容されるその塩および少なくとも1の製薬上許容される非ラクトース賦形剤を
含有するが、いかなる単糖または二糖の賦形剤(これに限定されないが、グルコ
ース、シュークロースおよびフルクトースを含む)も含有しない。
【0030】 上述のように、非結合水、例えば水分または湿気にさらされる、ラクトースを
含むフルオキセチン製剤は、より急速に分解する。水の添加(例えば5%)は、
貯蔵寿命または時間に亘る製剤の安定性のような特性を決定するために、長期間
貯蔵をシミュレートする手段として、医薬の分野では広く受け入れられている。
例えばJens T. Carstensen, Drug Stability : Principles and Practice, 2d.
Ed., Marcel Dekker, NY, NY, 1995, pp. 379-80を参照されたい。
【0031】 さらに、製剤における水の影響は、非常に大きい。というのは、吸湿性条件、
例えば水分および/または湿気に好ましい条件は普通、製剤の製造中、取り扱い
中、包装中、貯蔵中、輸送中および使用中に出会うからである。このように、フ
ルオキセチンの活性化形態を含む医薬組成物または製剤にラクトースを使用する
のは、組成物が通常の製造条件、包装条件および貯蔵条件下で持つ水分および/
または湿気との実質的な接触のために、回避するべきであることが明らかである
【0032】 さらに、ラクトース以外の賦形剤は、開示したラクトースを含まないフルオキ
セチンの医薬組成物を、組成物の製造可能性および治療性能に悪影響を与えるこ
となしに製造するのに容易に使用できるが、噴霧乾燥したラクトースは、好まれ
る賦形剤であり続ける。噴霧乾燥形態では、ラクトースは、流体状のすべての直
接圧縮充填剤のうちの最良のものの1つであり、活性成分の適合性が製剤におい
て主な役割を演じない低い投与量処方(例えば投与量当たり≦50mg)のためには
非常に有効である。例えばR. Shangraw, Selection of Manufacturing Process
and Excipients with an Emphasis on Direct Compression, Course material f
rom Granulation, Tableting, and Capsule Technology, Center for Professio
nal Advancement, East Brunswick, NJ, 1996を参照されたい。したがって、可 能なときは、フルオキセチンの固形投薬剤形または医薬組成物のために入手でき
て可能な賦形剤の中に、ラクトースを含むことが望ましい。
【0033】 したがって、代替として、本発明は、フルオキセチンおよび光学的に純粋なそ
のエナンチオマー、または製薬上許容されるその塩および任意に、ラクトースを
含むがこれに限定されない1以上の製薬上許容される賦形剤を含み、ラクトース
含有製剤が無水である、すなわち実質的に非結合水を含まない、物理的かつ化学
的に安定な医薬組成物、特に固形医薬製剤を包含する。本発明はさらに、活性形
態のフルオキセチン、またはそのエナンチオマーもしくは製薬上許容されるその
塩および、ラクトースを含むがこれに限定されない1以上の賦形剤または成分を
含む、熱的かつ化学的に安定な非吸湿性医薬組成物を包含する。いかなる理論に
よっても限定されることなしに、これらの安定な無水または非吸湿性の医薬組成
物は、いくぶん、フルオキセチンのような第二級アミンとラクトースまたは他の
単糖もしくは二糖との間の不適合性が、そのような製剤を非結合水にさらすこと
によって促進されるおよび/または、あるいは開始されるという本出願人の発見
に基づく。
【0034】 かくして、ラクトースが望ましい賦形剤なら、本発明の別の態様は、活性形態
のフルオキセチン、ラクトースおよび任意に1以上のさらなる賦形剤もしくは成
分を含み、得られる医薬組成物は実質的に非結合水を含まない、非吸湿性もしく
は無水の医薬組成物に関する。非吸湿性もしくは無水の製剤は標準の方法によっ
て作ることができるが、ただし、得られる医薬組成物が実質的に結合水を含まず
、低湿度条件を用いて加工を行うように適当な賦形剤が選ばれるようにすること
を認識すべきである。
【0035】 本発明に従い調製された無水の医薬組成物は、無水の性質が保持されるように
調製され、貯蔵されるべきである。したがって、これらの組成物は、医薬組成物
を水にさらすのを防ぎ、それらが適当な規定のキットに含まれることができるよ
うに当分野でよく知られている材料を用いて包装されるであろう。そのような包
装は、これに限定されることはないが、密封して封止するホイル(foil)、プラス
チック等、単位投薬容器、ブリスターパック(blister pack)またはストリップパ
ック(strip pack)を包含する。
【0036】 本発明の第2の代替の態様は、活性形態のフルオキセチンおよびラクトースを
含む固形医薬製剤の製造方法であって、無水または低い水分/湿度条件下で活性
形態のフルオキセチンまたは製薬上許容されるその塩およびラクトースを混合し
、ここで該成分は実質的に非結合水をふくまないことを含む方法を包含する。こ
の方法は任意に、無水または非吸湿性固形製剤を低水分条件下で包装することを
さらに含むことができる。そのような条件を用いることによって、水と接触する
という危険は低減され、加工および貯蔵中の活性なフルオキセチンの分解が防止
され、または実質的に低減される。さらに、最終的に包装された製品には、ほと
んどまたは全く非結合水が存在せず、これは実質的に安定性を改善し、分解を防
ぐ。そのような組成物は、密封して封止された包装例えばバイアル、封止された
包み(packet)、ブリスターパック(blister pack)および、当業者によく知られて
いる他の真空封止されたかつ水分を含まない容器で提供され得る。
【0037】 本発明に従い製造されたすべての投薬剤形におけるフルオキセチン、またはそ
のエナンチオマーもしくはその塩の好ましい量は、それの治療上有効な量である
べきであり、これはまた、それの医学的に許容される量である。本発明の医薬組
成物におけるの実際のフルオキセチンまたはそのエナンチオマーの投与レベルは
、患者に対して毒性を示さず、特定の患者に所望の治療上の応答を達成するのに
有効なフルオキセチンの量、および投与の方法を得るように、変わり得る。
【0038】 選択された投薬レベルおよび投与頻度は、投与経路、投与時間、例えばフルオ
キセチン、またはそのエナンチオマーもしくはその塩などの治療剤の排出速度、
治療の持続時間、フルオキセチンまたはそのエナンチオマーと組合せて使用する
他の薬剤、化合物および/または材料、治療される患者の年齢、性別、体重、状
態、一般的健康状態およびこれまでの医療歴、ならびに医療の分野でよく知られ
ている要因を含む種々の要因に依存するであろう。例えば、投薬のプログラムは
、健康な大人に比べて、妊娠した女性、授乳中の母親および子供では変わるよう
である。
【0039】 当分野で通常の技術を有する医師は、治療上有効な量の、必要とされる医薬組
成物を容易に決定し、処方することができる。例えば、医師は、本発明の医薬組
成物において使用されるフルオキセチンまたはそのエナンチオマーの投薬を、所
望の治療上の効果を達成するのに必要なレベルより低いレベルで開始し、所望の
効果が達成されるまで投薬量を徐々に増加することができる。
【0040】 フルオキセチンまたはそのエナンチオマーの適当な毎日の投薬量は、所望の治
療効果を生じるのに最低有効な投薬量であるフルオキセチンまたはそのエナンチ
オマーの量であろう。そのような治療上有効な投薬量は一般に、上記した要因に
依存する。例えば、フルオキセチンまたはそのエナンチオマーもしくはその塩の
単位投薬量は、約1mg〜約200mg、好ましくは約2mg〜約100mgを含み得る。例え ば、単位投薬量は、1mg、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45
mg、50mg、60mgまたは80mgのフルオキセチン、またはそのエナンチオマーもしく
はその塩を用いて処方することができる。所望なら、フルオキセチンまたはその
エナンチオマーの有効な毎日の投薬量は、1日を通じて適当な間隔で、任意に2
、3、4、5、6またはそれ以上の副投薬量(sub-dose)としての単位投薬剤形で
、別々に投与することができる。先に述べたように、好ましい投薬剤形は、錠剤
(tablet)、錠剤(pastille)、丸剤、舐錠(lozenge)、シロップ、カプセル等であ る。しかしながら、他の製薬上許容される投薬剤形、例えば散剤、顆粒、糖衣錠
等がまた使用できる。
【0041】 本発明に従い製造された、フルオキセチンまたはそのエナンチオマーの投薬剤
形を含む全ての成分が好ましくは、USP/NFにおける医薬成分およびその組合せの
ための標準に合っているかそれを超えていることに注意されたい。USP/NFの目的
は、治療の技術の実際において使用される材料および物質ならびにそれらの調製
についての正式の標準および明細を提供することである。USP/NFは、表題、定義
、記載および、同一性、品質、強度、純度、包装およびラベルのための標準を確
立し、また、実行できるところでは、生物学的利用能、安定性、適当な取り扱い
および貯蔵のための手順ならびに、それらの試験のための方法およびそれらの製
造もしくは調製のための製剤を提供する。
【0042】 ラクトースを含まない非吸湿性の無水の、本明細書中において記載し特許請求
したフルオキセチンまたはそのエナンチオマーの投薬剤形は、USP XXI/NF XVI(
参照によりその全体がここに組み入れられる)に示された標準に少なくとも合う
ような、製薬上許容される組合せのかつ製薬上許容される量の成分のそれぞれに
ついて、USP/NF(例えば、USP XXI/NF XVI)において示された医薬標準に合って
いる。さらに、フルオキセチン、またはそのエナンチオマーもしくはその塩は、
当分野で公知の方法(米国特許第4,314,081号、第5,104,899号、第5,589,511号 、および第5,648,396号に開示された方法を含む。前記の特許出願は、フルオキ セチンまたはそのエナンチオマーを製造する方法を教示することの表示目的のた
めに、参照によりここに組み入れられる)に従い作ることができることに注意す
べきである。
【0043】 医薬製品の安定性は、例外はあるが、特定の製剤が、特定の容器中で、その物
理的、化学的、微生物学的、治療的かつ及び毒物学的な明細事項の範囲内であり
つづけ、かつラベルの効能レベルの少なくとも約90%を維持する能力として定義
され得る。かくして、例えば、有効期間(expiration dating)は、推奨された条 件下で貯蔵されたときに、医薬品が安定であり続ける時間として定義される。
【0044】 多くの要因が、治療成分の安定性、治療成分と不活性成分(例えばフルオキセ
チンまたはそのエナンチオマーと賦形剤)との間の潜在的相互作用等も含め、医
薬製品の安定性に影響を与える。物理的要因、例えば熱、光および水分は、化学
反応を開始、または促進することができる。
【0045】 便宜上、本明細書で使用するある用語は、以下の様に定義する。本明細書で使
用される「担体(carrier)」という語は、「ビヒクル(vehicle)」と類義語である
。本明細書で使用される「ラクトースを含まない(ラクトースなしの)」という
語は、フルオキセチンまたはそのエナンチオマーの投薬剤形中に存在する(もし
、存在するなら)ラクトースの量が、発明者らによって見出されたフルオキセチ
ン、またはその塩もしくはそのエナンチオマーとラクトースとの間の不適合性を
引き起こして、投薬剤形の貯蔵寿命を通して初期の効能の約90%より下に、フル
オキセチンの効能に悪影響を与えるのに不充分であることを意味することを意図
する。本明細書で使用される「非結合水」という語は、医薬組成物の1以上の成
分の安定な水和物(例えばアルファラクトース1水和物)の形で存在しない水を
意味する。同様に、本明細書で使用される「無水」という語は、投薬剤形中に存
在する(もし存在するなら)非結合水の量が、フルオキセチンとラクトースとの
間の不適合性を開始および/または促進するのに不充分であることを意味する。
さらに、本明細書で使用される「無水」、「無水の」条件または性質は、水分(m
oisture)が包含される非結合水を実質的に含まないことを意味する。本明細書で
使用される「非吸湿性」という語は、製剤全部が実質的に非吸湿性である、すな
わち、フルオキセチンとラクトースとの間の不適合性を開始および/または促進
するのに十分な非結合水を提供しないことを意味する。「添加剤」という語は、
本明細書で使用される「賦形剤(excipient)」という語と類義語である。
【0046】 本明細書で用いる「フルオキセチンもしくはそのエナンチオマーまたはその塩
」とは、ラセミ体のフルオキセチンおよびラセミ体のフルオキセチンの塩、光学
的に純粋な(S)−フルオキセチンおよびその塩、ならびに光学的に純粋な(R)−フ
ルオキセチンおよびその塩を意味する。言い換えると、ラセミ体およびエナンチ
オマーの塩は、本発明の範囲内に含まれる。
【0047】 本明細書で用いる「光学的に純粋な」、「Rエナンチオマーを実質的に含まな い」、または「そのSエナンチオマーを実質的に含まない」とは、95重量%以上 の所望のエナンチオマー、好ましくは98重量%以上の所望のエナンチオマー、最
も好ましくは約99重量%以上の所望のエナンチオマーを含む組成物を意味し、前
記%は、フルオキセチンの総重量に基づくものである。言い換えると、用語「実
質的に含まない」とは、約5重量%以下、好ましくは約2重量%以下、より好まし
くは約1重量%以下を意味する。
【0048】 本明細書で用いる「フルオキセチン」または「ラセミ体フルオキセチン」とは
、化合物(±)N‐メチル‐3‐フェニル‐3‐[(α,α,α‐トリフルオロ‐p‐トリ
ル)オキシ]プロピルアミンまたは(±)N‐メチル‐3‐(p‐トリフルオロメチルフ
ェノキシ)‐3‐フェニルプロピルアミン、それらの遊離塩基、無水形態、水和形
態、溶媒和物、またはクラスレート化合物を指す。
【0049】 本明細書で用いる「製薬上許容される」とは、確実な根拠のある医学的判断の
範囲内で、妥当な医学的に安全な利益/危険の比と釣り合って、過剰の毒性、炎
症、アレルギー応答または他の問題もしくは合併症なしに、人間および動物の組
織および流体と接触して投与するのに及び使用するのに適している、これらの化
合物、材料、組成物および/または投薬剤形を指す。
【0050】 本明細書で用いる用語「固形単位投薬剤形の経口投与」とは、その投薬剤形が
経口の腔を介して投与されること、ピル全体が口中に入れられ、活性成分が口中
で放出されないように嚥下されること、または好ましくは該固形単位投薬剤形が
口中で実質的に溶解し始めないこと、を意味する。
【0051】 さらに、「製薬上許容される」賦形剤という語は、フルオキセチンもしくはそ
のエナンチオマー(またはその塩)と、所与のラクトースを含まない投薬剤形の
任意の賦形剤成分との間の厄介な化学的もしくは物理的不適合性がないことを意
味するのに使用される。例えば、厄介な化学反応は、フルオキセチンもしくはそ
のエナンチオマー(またはその塩)の薬効が、1以上の賦形剤の添加のために有
害に減らされるか、または増加されるものである。厄介な化学反応の別の例は、
フルオキセチン(またはそのエナンチオマーまたはその塩)投薬剤形の味が、過
度にまずくなるものである。各賦形剤は、ラクトースを含まないフルオキセチン
製剤の他の成分と適合性であり、患者に有害でないという意味で「許容でき」な
ければならない。
【0052】 物理的不適合性とは、投薬剤形の種々の成分、例えばフルオキセチンもしくは
そのエナンチオマー(またはその塩)およびその賦形剤のうちの任意のものの中
での不適合性を指す。例えば、賦形剤とフルオキセチンとの組合せは、投薬剤形
の所望の形(例えば錠剤、トローチ、カプセル等)、その安定性などが、所望の
規定された投与レジメに従って該投薬剤形を投与するのに十分に維持することが
できない程度に、過度に吸湿性の混合物を形成するか、または過度に分離した混
合物を形成し得る。
【0053】 非常にしばしば、フルオキセチンなどの抗うつ剤は、固形投薬剤形、例えば錠
剤、カプセル、トローチ、カプレット等によって、経口的に投与される。さらに
、カプセル投薬剤形、例えば硬質ゼラチンカプセル、軟質ゼラチンカプセル等も
使用される。しかしながら、錠剤は、患者に対して(例えば投与量の精度、簡潔
さ、携帯できること、味の口当たりのよさ、ならびに投与の容易さ)と製造者に
対して(例えば、単純さおよび製造の経済性、安定性ならびに包装、輸送および
投薬の便利さ)の両方に与えられる利点の故に、好ましい投薬剤形のままである
。錠剤は、適当な添加剤とともにまたはそれらなしで、治療上の薬剤物質を含む
固形の医薬投薬剤形である。好ましくは、本発明は、圧縮されているが非分散性
の錠剤に向けられる。
【0054】 本明細書で用いる「分散性錠剤」とは、19℃〜21℃で水中に3分以内に溶解し 、水中でさえ分散しなければならない固形の経口投与される医薬剤形を指す。こ
の試験には、100 mlの水に2つの錠剤を入れ、それらが完全に分散するまで攪拌 することが含まれる。この手段により生成した分散物は、710μmの標準メッシュ
を有するスクリーンを通過しなければならない(Pharmacopea Britanica、第II巻
、1988)。本明細書においては、この試験を「溶解試験」と呼ぶ。この型のin vi
tro溶解が可能な錠剤を、本明細書においては急速溶解性錠剤とも呼ぶ。好まし い実施形態においては、本発明のラクトースを含まない、圧縮された錠剤は、嚥
下後、in vivo、例えば胃または腸管で容易に溶解し、その内容物を放出するが 、溶解試験においては3分以内に溶解し、均質に分散せず、むしろ、溶解試験に かけたときに、3分以上、好ましくは5分以上を要する。
【0055】 現在、錠剤のフルオキセチンは、米国においては市販されていない。さらに、
米国以外で利用可能な錠剤のフルオキセチン塩酸塩は、ラクトースを含有するた
め不安定であると考えられる。例えば、Wirthら、J. Pharm. Sci., 87(1): 31-3
9 (January 1998)を参照されたい。
【0056】 本発明の医薬的物質または治療上の成分(すなわち、ラクトースを含まない非
吸湿性または無水の投薬剤形)を、希釈剤と共にまたはなしに、圧力を用い固形
投薬剤形(例えば錠剤)へと、入手可能な装置を使用して製造するためには、材
料(結晶または粉末状)は、多数の物理的な特性を有することが必要である。こ
れらの特性としては、例えば自由に流れる能力(圧密に詰まった粉末として)、
また機械から容易に離れる能力が包含される。ほとんどの材料は、これらの特性
を1つも持たないか、または幾つかしか持たないので、錠剤の製剤化および製造
の方法は、これらの望ましい特性を、錠剤もしくは同様の投薬剤形へと圧縮され
るべき材料に与えるように開発されてきた。
【0057】 言及したように、薬剤または治療成分に加えて、錠剤および同様の投薬剤形は
、添加剤と称する多数の材料を含む。これらの添加剤は、投薬剤形、例えば錠剤
、カプレット、カプセル、トローチ等の製剤においてそれらが演じる役割に従っ
て分類される。添加剤の群には、これに限定されることはないが、結合剤、希釈
剤(充填剤)、崩壊剤および滑沢剤が包含される。
【0058】 本発明において使用するための種々の添加剤の以下の考察はとりわけ、ラクト
ースを含まない投薬剤形に言及するが、当業者は、各範疇の1つの集まりが、本
発明の非吸湿性または無水の医薬組成物での使用に適当な添加剤を含むことを容
易に理解するであろう。さらに、本発明の非吸湿性または無水の医薬組成物はま
た、ラクトースまたは他の単糖もしくは二糖類を賦形剤として含むことができる
【0059】 非吸湿性の製剤のためには、賦形剤および添加剤の選択において、全体に亘っ
て、適当な環境的制御なしに、水分収着(吸収又は吸着)の傾向がないように、
特別の用心がなされなければならない。例えば、そのような製剤における使用の
ための賦形剤には、これに限定されることはないが、アルファラクトース1水和
物、マンニトール等が包含される。
【0060】 無水の製剤のために、以下と同一の賦形剤または添加剤の適当な無水または低
水分形態が使用されるべきであり、例えばAVICEL-PH-103(商標)およびStarch
1500 LMである。
【0061】 結合剤を使用して、錠剤成分の混合物から、材料が錠剤機械に使用されるとき
流れるように、自由に流れる粉末を提供する。結合剤はまた、ラクトースを含ま
ないフルオキセチンまたはそのエナンチオマーの錠剤への結合性を提供する。結
合剤が少なすぎると、流動の問題が生じ、それらの完全な状態を保持しない錠剤
を生じる。多すぎると、錠剤からの薬剤の放出(溶解速度)に悪影響を与え得る
。このように、錠剤からの薬剤成分の溶解速度に悪影響を与えることなく、錠剤
成分の自由に流れる混合物を与えるのに十分な量の結合剤が錠剤に組込まれるべ
きである。より低い投与量の錠剤では、圧縮助剤(compression aid)と称される 適当な希釈賦形剤の使用によって、良好な圧縮性の必要性をある程度まで取り除
くことができる。使用される結合剤の量は、製剤のタイプおよび投与の形式によ
って変化し、当業者には容易に認識できる。
【0062】 本発明に従って製造された、ラクトースを含まない非吸湿性または無水のフル
オキセチンまたはそのエナンチオマーの投与製剤と共に使用されるのに適当な結
合剤としては、これに限定されることはないが、コーンスターチ、じゃがいもデ
ンプンもしくは他のデンプン、ゼラチン、天然および合成のゴム例えばアラビア
ゴム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギン酸塩、粉末化したトラ
ガカント、グァーゴム、セルロースおよびその誘導体(例えばエチルセルロース
、セルロースアセテート、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ナトリウム
カルボキシメチルセルロース)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、予
めゼラチン化したデンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えばNo.
2208, 2906, 2910)、微晶質セルロースまたはこれらの混合物が包含される。
【0063】 微晶質セルロースの適当な形は、例えばAVICEL-PH-101およびAVICEL-PH-105と
して売られている材料(FMC Corporation, American Viscose Division, Avicel
Sales, Marcus Hook, PA., U.S.A.から入手可能)である。典型的な適当な結合
剤は、FMC CorporationによりAVICEL RC-581として売られている、微晶質セルロ
ースとナトリウムカルボキシメチルセルロースとの混合物である。
【0064】 ほとんどの市販の錠剤は、総重量約100mg〜約500mgの重さである。それゆえに
、フルオキセチンまたはそのエナンチオマーのラクトースを含まない投薬剤形を
含む多くのよく効く薬剤については、充填剤は、錠剤の大きな部分を構成する。
充填剤(例えば希釈剤)は、粉末(例えば錠剤またはカプセルにおいて)にかさ
を与え、よって許容できる大きさの錠剤、カプセルまたは他の所望の投薬剤形を
製造するために使用される。典型的には、治療成分は、それと共に希釈剤を組込
むことによって、適当な大きさを有する便利な投薬剤形で形成される。結合剤を
用いると、薬剤の充填剤への結合が起こり、生物学的利用性に影響を与え得る。
したがって、充填剤を含む投薬剤形からの薬剤成分の放出に悪影響を与えること
なしに、所望の希釈比を達成するのに十分な量の充填剤が使用されるべきである
。さらに、投薬剤形の治療成分と物理的及び化学的に適合性である充填剤が使用
されるべきである。かくして、言及したように、本発明に従って製造されたフル
オキセチンのラクトースを含まない投薬剤形を形成するのに、ラクトースをフル
オキセチンと共に使用するべきでない。本発明のラクトースを含まないフルオキ
セチンまたはそのエナンチオマーの投薬剤形が、炭水化物充填剤または単糖類も
しくは二糖類(例えば、これに限定されることはないが、グルコース、スクロー
スおよびフラクトース)を含まないのがまた好ましい。使用される充填剤の量は
、製剤のタイプおよび投与の形式によって変わり、当業者には容易に認識できる
【0065】 本発明に従って製造された投薬剤形と共に使用するのに適切な充填剤の例とし
ては、これに限定するものではないが、タルク、炭酸カルシウム(例えば顆粒も
しくは粉末)、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、硫酸カルシウム
、(例えば顆粒もしくは粉末)、微結晶質セルロース、粉末セルロース、デキス
トレート(dextrate)、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプ
ン、予備ゼラチン化デンプン、またはこれらの混合物が包含される。
【0066】 本発明の医薬組成物における結合剤/充填剤は、典型的には、医薬組成物の約
1〜99重量%で含まれる。
【0067】 崩壊剤は、錠剤が、in vitroまたはin vivoのいずれにせよ、水性環境にさら されたときに分解するように使用する。崩壊剤が多すぎると、大気中の水分のた
めにびん中で分解し得る錠剤を生じるか、唾液、および投与を補助するために患
者が摂る水または他の液体のいずれか、またはどちらにも晒される剤形である場
合には、口の中で該剤形が崩壊し始めうる。少なすぎるのは、分解が起こるのに
不充分であり得、よって投薬剤形からの薬剤成分の放出の速度および範囲を変え
得る。かくして、薬剤成分の放出を不都合に変えるような、少なすぎたり多すぎ
たりしない十分な量の崩壊剤が、本発明に従って製造される投薬剤形を形成する
のに使用されるべきである。使用される崩壊剤の量は、製剤のタイプおよび投与
の形式に基づいて変わり、当業者には容易に認識できる。典型的には、約0.5〜 約15重量%の崩壊剤、好ましくは約1〜約5重量%の崩壊剤が、医薬組成物におい
て使用され得る。
【0068】 本発明に従って製造された、ラクトースを含まない、非吸湿性かつ無水のフル
オキセチンの投薬剤形を形成するために使用され得る適当な崩壊剤としては、こ
れに限定するものではないが、寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶質セ
ルロース、クロスカルメロース(croscarmellose)ナトリウム、クロスポビドン(c
rospovidone)、ポラクリリン(polacrilin)カリウム、ナトリウムデンプングリコ
レート、ジャガイモもしくはタピオカデンプン、他のデンプン、予備ゼラチン化
デンプン、他のデンプン、クレー、他のアルギン、他のセルロース、ゴムまたは
これらの混合物が包含される。特定の実施形態では、崩壊剤は、該組成物から特
異的に排出されるか、または水に急速に溶解するのを妨げるのに十分な量で存在
する。例えば、ラクトースを含まない圧縮錠剤が好ましい非分散性錠剤である。
【0069】 フルオキセチンまたはそのエナンチオマーの物理化学特性に基づいて、ラクト
ースを含まない、非吸湿性または無水のフルオキセチンまたはそのエナンチオマ
ーの医薬組成物を、それらが、被験者、例えば被験者の胃に投与した後にin viv
oで容易に溶解するように製剤するのが望ましい。かくして、好ましい実施形態 においては、本発明の医薬組成物には、崩壊剤、例えば、これに限定するもので
はないが、クロスカルメロースまたはナトリウムデンプングリコレートが包含さ
れる。
【0070】 投与がどんなものでも、投薬剤形成分の錠剤製造機械のパンチへの付着は避け
るべきである。例えば、薬剤(例えばフルオキセチン)がパンチ表面へ蓄積する
と、錠剤表面に穴が開き、したがって許容できなくなる。また、このようにして
の薬剤または他の投薬剤形成分の付着は、錠剤を鋳型から除くときに不必要に高
い排出力を要する。過剰の排出力は、高い破壊率に至り、鋳型上での過大の摩損
および破損はいうまでもなく、製造コストを増加させ得る。実際に、湿気を集中
させる(wet-massing)ことによって、および高レベルの滑沢剤、例えばステアリ ン酸マグネシウムの使用によって、付着を減らすことが可能である。しかしなが
ら、良好な抗付着特性を有する薬剤塩の選択もまた、これらの問題を最小限にす
る。
【0071】 言及したように、フルオキセチン錠剤製造粉末混合物の錠剤製造機への流動性
を高めるために、かつ、錠剤が圧縮された後に鋳型に錠剤の付着を防ぐために、
滑沢剤を使用する。滑沢剤が少なすぎると、満足のいく錠剤を作ることができず
、多すぎると水を通さない疎水性のコーティングを有する錠剤を生じ得る。滑沢
剤は普通、疎水性材料、例えばステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステ
アリン酸カルシウム等であるので、多すぎる量の滑沢剤の使用により、水を通さ
ない疎水性のコーティングが形成され得る。さらに、水を通さない疎水性のコー
ティングは、錠剤の分解および薬剤成分の溶解を阻止し得る。かくして、薬剤成
分の所望の分解および/または溶解を不都合に妨げる、水を通さない疎水性のコ
ーティングを形成することなく、鋳型から圧縮した錠剤を容易に解離することが
できる、十分な量の滑沢剤を使用すべきである。
【0072】 本発明に従って製造される、フルオキセチンの投薬剤形と共に使用するのに適
した滑沢剤としては、これに限定するものではないが、ステアリン酸カルシウム
、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽鉱油、グリセリン、ソルビトール、マン
ニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル
硫酸ナトリウム、タルク、水素化した植物油(例えばピーナッツ油、綿実油、ひ
まわり油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油および大豆油)、ステアリン酸亜鉛、
オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、寒天またはそれらの混合物が包含される
。さらなる滑沢剤としては、例えばシロイドシリカゲル(syloid silica gel)(A
EROSIL 200、Baltimore MDのW.R. Grace Co.により製造)、合成シリカの凝集エ
ーロゾル(Plano, TexasのDeaussa Co.により市販)、CAB-O-SIL(Boston, Mass
のCabot Co.により販売されている二酸化ケイ素製品)またはそれらの混合物が 包含される。滑沢剤は、典型的には、医薬組成物の約5重量%より少ない量で、 任意的に添加される。
【0073】 フルオキセチン、そのエナンチオマー、またはその塩の投薬剤形と共に使用す
るための別のクラスの添加剤としては、これに限定するものではないが、固化防
止剤、抗菌性防腐剤、コーティング剤、着色剤、乾燥剤、香味剤および香料、可
塑剤、増粘剤、甘味料、緩衝化剤、湿潤剤等が包含される。
【0074】 本発明に従って製造される、フルオキセチン、そのエナンチオマー、またはそ
の塩の投薬剤形と共に使用するための適当な固化防止剤としては、これに限定す
るものではないが、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、二酸化ケイ素、コ
ロイド状二酸化ケイ素、タルクまたはそれらの混合物が包含される。
【0075】 本発明に従って製造される投薬剤形と共に使用するための適当な抗菌性防腐剤
としては、これに限定するものではないが、塩化ベンズアルコニウム溶液、塩化
ベンゼトニウム、安息香酸、ベンジルアルコール、ブチルパラベン、セチルピリ
ジニウムクロリド、クロロブタノール、クレゾール、デヒドロ酢酸、エチルパラ
ベン、メチルパラベン、フェノール、フェニルエチルアルコール、酢酸フェニル
水銀、硝酸フェニル水銀、ソルビン酸カリウム、プロピルパラベン、安息香酸ナ
トリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ソルビン酸、チ
メルゾール(thimersol)、チモールまたはそれらの混合物が包含される。
【0076】 本発明に従って製造される投薬剤形と共に使用するための適当なコーティング
剤としては、これに限定するものではないが、ナトリウムカルボキシメチルセル
ロース、セルロースアセテートフタレート、エチルセルロース、ゼラチン、医薬
用グレーズ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース(例えば第2208, 2906, 2910番)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフ
タレート(例えば第200731, 220824番)、メチルセルロース、ポリエチレングリ
コール、ポリビニルアセテートフタレート、シェラック、スクロース、二酸化チ
タン、カルナウバワックス、微結晶質ワックスまたはそれらの混合物が包含され
る。使用されるコーティング剤の量は、製剤のタイプおよび投与の形式に基づい
て変わり、当業者には容易に認識される。
【0077】 フィルム形成ポリマーのコーティングが、幾つかのタイプの装置(例えば慣用
のコーディングパン(pan)、アクセラコタ(Accelacota)、ハイ‐コーラ(High-Col
a)またはワースター空気懸濁カラム(Worster air suspension column))のうち の1つを用いて、本発明の錠剤(例えば、カプセル形成錠剤は、しばしばカプレ
ット(caplet)と称される)に任意的に施与される。そのような装置は典型的に
は、ゴミおよび溶媒または水蒸気を除去して、急速な乾燥を促進するための排出
系を有している。スプレーガンまたは他の適当な霧化装置をコーティングパンに
導入して、錠剤の土台(bed)の急速かつ均質な被覆に導く噴霧パターンを提供す る。標準的には、加熱または冷たい乾燥空気が、連続式に、または噴霧サイクル
を用いた交互式に、錠剤の土台上に導入されて、フィルムコーティング溶液の乾
燥を促進する。
【0078】 連続または断続的な噴霧乾燥サイクルで、積極的空気排出(positive pneumati
c displacement)系またはぜん動ポンプ系を用いることによって、コーティング 溶液を噴霧することができる。特定のタイプの噴霧施与が、コーティングパンの
乾燥効率によって選択される。
【0079】 ほとんどの場合、コーティング材料は、錠剤が、錠剤の所望の厚さおよび所望
の外観が達成されるように均質にコーティングされるまで、噴霧される。多くの
異なるタイプのコーティング、例えば腸溶性、遅延放出コーティングまたは、速
く作用する錠剤のための急速に溶解するタイプのコーティングが、施与され得る
。好ましくは、活性成分のより急速な放出を可能にするような即時放出錠剤のた
めに、急速に溶解するタイプのコーティングが使用され、結果として作用が早く
なる。錠剤に施与されるフィルム形成ポリマーのコーティングの厚さは、例えば
多様である。しかし、厚さは、外観、感触(触覚および口での感触)およびゼラ
チンカプセルの機能に似せる(simulate)のが好ましい。治療剤のより急速なまた
は遅延した放出が望ましい場合には、あるとすれば特性、例えば活性成分の所望
の血中レベル、放出の速度、活性成分の溶解性および投薬剤形の所望の性能に基
づいて使用するために、当業者であればフィルムタイプおよび厚さを容易に認識
するであろう。
【0080】 本発明のフルオキセチン、そのエナンチオマーまたは塩の投薬製剤と共に使用
するための多数の適当なフィルム形成剤としては、例えばメチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース(PHARMACOAT 606 6 cps)、ポリビニルピロ
リドン(ポビドン(Povidone))、エチルセルロース(ETHOCEL 10 cps)、メタク
リル酸およびメタクリル酸エステルの種々の誘導体、酢酸フタル酸セルロースま
たはそれらの混合物が包含される。
【0081】 本発明に従って製造される投薬剤形と共に使用するための適当な着色剤として
は、これに限定されることはないが、製薬上許容される染料およびレーキ、カラ
メル、赤色酸化第二鉄、黄色酸化第二鉄またはそれらの混合物が包含される。本
発明に従って製造されるラクトースを含まないフルオキセチンの投与製剤と共に
使用するための適当な乾燥剤としては、これに限定されることはないが、塩化カ
ルシウム、硫酸カルシウム、シリカゲルまたはそれらの混合物が包含される。
【0082】 本発明に従って製造される投薬剤形と共に使用するための適当なフレーバーと
しては、これに限定されることはないが、スクロース、アラビアゴム、トラガカ
ント、アーモンド油、アネトール、アニス油、ベンズアルデヒド、キャラウェー
、キャラウェー油、カルダモン油、カルダモンシード、複合カルダモンチンキ、
チェリージュース、シナモン、シナモン油、クローブ油、ココア、コリアンダー
油、エリオディクチオン(eriodictyon)、エリオディクチオン(eriodictyon)抽出
液、酢酸エチル、エチルバニリン、ユーカリノキ油、フェンネル油、グリシリザ
(glycyrrhiza)、純グリシリザ(glycyrrhiza)エキス、グリシリザ(glycyrrhiza)
流エキス剤、ラベンダー油、レモン油、メントール、サリチル酸メチル、グルタ
ミン酸モノナトリウム、ナツメグ油、橙花油、橙花水、オレンジ油、スウィート
オレンジピールチンキ、複合オレンジスピリット、ペパーミント、ペパーミント
油、ペパーミントスピリット、松葉油、ローズ油、ストロンガーばら水(stronge
r rose water)、スペアミント、スペアミント油、チモール、トルーバルサム(to
lu balsam)チンキ、バニラ、バニラチンキおよびバニリンまたはそれらの混合物
が包含される。
【0083】 本発明に従って製造される投薬剤形と共に使用するための適当な可塑剤として
は、これに限定されることはないが、ひまし油、ジアセチル化モノグリセリド、
フタル酸ジエチル、グリセリン、モノ‐およびジ‐アセチル化モノグリセリド、
ポリエチレングリコール、プロピレングリコールおよびトリアセチンまたはそれ
らの混合物が包含される。
【0084】 本発明に従って製造される投薬剤形と共に使用するための適当な増粘剤として
は、これに限定されることはないが、アラビアゴム、寒天、アラミン酸(alamic
acid)、アルミニウムモノステアレート、ベントナイト、ベントナイトマグマ、 カーボマー(carbomer) 934、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキ
シメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム 12、
カラギーナン、セルロース、微晶質セルロース、ゼラチン、グアーガム、ヒドロ
キシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース(Nos. 2208; 2906; 2910)、マグネシウムアルミニウムシリケ ート、メチルセルロース、ペクチン、ポリビニルアルコール、ポビドン(povidon
e)、シリカゲル、コロイド状二酸化ケイ素、アルギン酸ナトリウム、トラガカン
トおよびキサンタンゴムまたはそれらの混合物が包含される。
【0085】 本発明に従って製造される投薬剤形と共に使用するための適当な甘味料として
は、これに限定されることはないが、アスパルテーム、デキストレート(dextrat
e)、マンニトール、サッカリン、サッカリンカルシウム、サッカリンナトリウム
、ソルビトール、ソルビトール溶液またはそれらの混合物が包含される。
【0086】 本発明に従って製造される投薬剤形と共に使用するための適当な緩衝剤として
は、これに限定されることはないが、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム
等またはそれらの混合物が包含される。適当な湿潤剤(humectant)としては、こ れに限定されることはないが、グリセロール、他の湿潤剤またはそれらの混合物
が包含される。フルオキセチンの投薬剤形はさらに、1以上の以下のものを含む
ことができる:(1) 溶解遅延剤、例えばパラフィン;(2) 吸収促進剤、例えば4
級アンモニウム化合物;(3) 湿潤剤(wetting agent)、例えばセチルアルコール およびグリセロールモノステアレート;(4) 吸収剤、例えばカオリンおよびベン
トナイトクレー;(5) 酸化防止剤、例えば水溶性酸化防止剤(例えばアスコルビ
ン酸、システインヒドロクロリド、重硫酸ナトリウム、メタ重硫酸ナトリウム(s
odium metabisulfate)、亜硫酸ナトリウム等)、油溶性酸化防止剤(例えばアス
コルビルパルミテート、ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシト ルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル(propyl gallate)、アルファ‐トコ
フェロール等);ならびに(6) 金属キレート剤、例えばクエン酸、エチレンジア
ミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸等。
【0087】 本発明の、非吸湿性または無水の投薬剤形はまた、錠剤に関して先に記載した
種々の賦形剤と共に、例えばゼラチンまたは他の適当な材料の硬質または軟質の
カプセルの形で提供され得る。錠剤の形成のために、フルオキセチンを1以上の
賦形剤(例えば希釈剤、結合剤、崩壊剤、分散剤、界面活性剤、滑沢剤、コーテ
ィング材料、フレーバー剤、着色剤、溶媒、増粘剤、懸濁剤、甘味料、着色料、
染料等)と、種々の割合で、伝統的な錠剤製造装置、例えば2殻(twin shell)ま
たは「V」ブレンダーを用いて、公知の手順によって一緒にして、治療剤の均質 な分配およびブレンドを含む化学的かつ熱的に安定なラクトースを含まない投薬
剤形(錠剤、カプレット等)を製造する。種々の賦形剤のそれぞれの正確な量は
、医薬の分野の当業者には容易に決定され得る。
【0088】 本発明に従って製造されるフルオキセチンの投薬剤形の大規模製造は、治療上
の薬剤成分の他に、添加剤(これに限定されることはないが、希釈剤、結合剤、
滑沢剤、崩壊剤、着色剤、フレーバー、甘味剤等またはそれらの混合物が包含さ
れる)を必要とし得る。これらおよび他の添加剤の組込みによって、種々の投薬
剤形(錠剤、カプセル、カプレット、トローチ等)が作られ得る。これらは、例
えば硬質ゼラチンカプセル、カプレット、糖衣錠、作用を遅らせるための腸溶性
コーティングされた錠剤、多重圧縮錠剤、作用を長引かせた錠剤、溶液のための
錠剤、発泡性錠剤、頬および舌下錠、トローチ等が包含される。糖コーティング
は好ましくは、ラクトースまたは単糖もしくは二糖類を含まない。
【0089】 本発明の投薬剤形の錠剤は、典型的には、成形によって、圧縮によって、また
は一般的に許容される錠剤形成方法によって作られる。したがって、圧縮された
錠剤は普通大規模製造法によって製造されるが、成形された錠剤はしばしば、小
規模の操作を含む。例えば、ラクトースを含まないフルオキセチンの投薬剤形を
作るために3つの一般的錠剤製造法がある:(1) 湿式顆粒化法(wet-granulation
method);(2) 乾式顆粒化法(dry-granulation method);および(3) 直接圧縮。
これらの方法は、当業者によく知られている。Remington's Pharmaceutical Sci
ences, 16th and 18th Eds., Mack Publishing Co., Easton, Pennsylvania (19
80 and 1990)参照。また、U.S. Pharmacopeia XXI, U.S. Pharmacopeial Conven
tion, Inc., Rockville, Maryland (1985)参照。
【0090】 ラクトースを含まないフルオキセチンの投薬剤形の種々の錠剤製剤を、本発明
に従って作ることができる。これらには、錠剤の剤形、例えば糖衣錠、フィルム
コーティングされた錠剤、腸溶性コーティングされた錠剤、多重圧縮錠剤、作用
を長引かせた(prolonged action)錠剤等が包含される。ラクトースを含まない、
非吸湿性で無水のフルオキセチン(またはそのエナンチオマーもしくは塩)の糖衣
錠 (SCT) は、糖コーティングを含む圧縮錠剤である。そのようなコーティング は、着色することができ、好ましくない味またはにおいを有する薬剤物質を覆い
隠す点で、また酸化に敏感な材料を保護する点で、有益である。ラクトースを含
まないフルオキセチンのフィルムコーティングされた錠剤(FCT)は、水溶性材料 の薄層またはフィルムで覆われた圧縮錠剤である。フィルム形成特性を有する多
数のポリマー物質が使用され得る。フィルムコーティングは、コーティング操作
に必要な時間を大きく減らすという追加の利点と共に、糖コーティングと同様の
一般特性を与える。腸溶性コーティングされた錠剤は活性成分の放出を遅らせる
ことから好ましさの点では劣るものの、該錠剤もまた、本発明において使用する
のに適している。ラクトースを含まないフルオキセチンの腸溶性コーティングさ
れた錠剤(ECT)は、腸内での分解でなく胃液中での溶解を阻止する物質でコーテ ィングされた圧縮錠剤である。腸溶性コーティングは、粘膜に炎症を起こすもの
のために、または投薬の遅延放出手段として、胃中で不活性化されてしまうか、
または壊される薬剤物質を含む錠剤のために使用することができる。
【0091】 ラクトースを含まない、非吸湿性で無水形態のフルオキセチンの多重圧縮錠剤
(MCT)は、1より多い圧縮サイクルによって作られた圧縮錠剤、例えば層をなす 錠剤またはプレスコートされた(press-coated)錠剤である。層をなす錠剤は、予
め圧縮された粒剤の上に追加の錠剤粒を圧縮することによって製造される。この
操作を繰り返して、2、3またはそれ以上の層を有する多重錠剤を製造すること
ができる。典型的には、層をなす錠剤を作るために、特別の錠剤プレスが必要と
される。例えば、米国特許第5,213,738号(参照によりその全内容を本明細書中 に組み入れるものとする)参照。
【0092】 プレスコートされた(press-coated)錠剤は、多重圧縮錠剤の別の形態である。
そのような錠剤は乾燥コートされた(dry-coated)錠剤とも称されるが、予め圧縮
された錠剤を錠剤製造機へ送り、予め形成された錠剤の回りに別の粒剤層を圧縮
することによって製造される。これらのラクトースを含まないフルオキセチン錠
剤は、コア錠剤中の薬剤物質の味をマスキングすることにおける糖衣錠の特性を
保持しながら、圧縮錠剤の利点すべて、例えば、スロットをつける(slotting)、
モノグラムをつける(monogramming)、in vivo分解等を有する。プレスコートさ れた錠剤はまた、不適合性の薬剤物質を分離するために使用することができる。
さらに、コア錠剤に腸溶性コーティングを与えるためにそれらを使用することが
できる。両方のタイプ(すなわち、層をなす錠剤およびプレスコートされた錠剤
)のラクトースを含まないフルオキセチン錠剤を、例えば、作用を長引かせた投
薬剤形の設計に使用することができる。
【0093】 ラクトースを含まない、非吸湿性の、または無水のフルオキセチンの作用を長
引かせた錠剤は、一定時間に亘って投薬を提供するやり方で薬剤物質を放出する
ように処方された圧縮錠剤を含む。投与後またはある生理学的条件現れるまで薬
剤物質の放出が一定時間妨げられる、作用を遅らせた錠剤を含む多数の錠剤タイ
プがある。薬剤物質の全投与量を胃腸液に周期的に放出する、繰り返し作用する
(repeat action)錠剤が形成され得る。また、含有されている薬剤物質の増加分 量を胃腸液に連続的に放出する、拡大放出(extended release)錠剤が形成され得
る。
【0094】 製造方法および、ラクトースを含まない、非吸湿性のまたは無水の本発明の錠
剤に組込まれるべき添加剤を、錠剤の急速な圧縮を可能にする所望の物性を錠剤
製剤に与えるために、選択することができる。圧縮後、錠剤は好ましくは、多数
のさらなる特性、例えば概観、硬さ、in vivo分解能および均質性(これらは、 製造方法と錠剤製剤に存在する添加剤との両方によって影響される)を有するべ
きである。
【0095】 すべての錠剤圧縮装置の基本単位は、下方パンチ(底部からダイへと合う)な
らびに、一般に下方パンチと同じ形および寸法のヘッドを有する上方パンチ(錠
剤材料がダイのキャビティを満たした後、頂部からダイのキャビティへと入る)
を含む。錠剤は、パンチに施与された圧力によって形成される。次に、錠剤は、
ダイから排出される。ダイのキャビティを満たす材料の体積によって、錠剤の重
量が決定される。
【0096】 ラクトースを含まない、非吸湿性のまたは無水のフルオキセチン錠剤または顆
粒の投薬剤形の、ダイのキャビティへと自由に流動する能力は、均質充填を保証
することにおいて重要である。顆粒の流動性はまた、供給または送りホッパーの
供給源からの粒剤の連続的な動きを保証するために重要である。さらに、錠剤粒
が凝集特性を持たないとすると、圧縮後に錠剤が、取り扱いの際にぼろぼろに砕
けたり、ばらばらにこわれたりする。なおさらに、パンチはダイ内で自由に動か
なければならず、錠剤はパンチ面から容易に排出されなければならないので、錠
剤形成材料は、摩擦を最小にし、圧縮された錠剤の除去を可能にする程度の滑沢
性を持たなければならない。顆粒化を促進するために、造粒剤(granulating age
nt)を添加することができる。使用される造粒剤の量は、製剤のタイプおよび投 与の形式によって変わり、当業者には容易に認識できる。典型的には、約5〜約1
5重量%の造粒剤が、医薬製剤において使用される。
【0097】 さらに、安定な錠剤またはその他の投薬剤形は、そのもとの大きさ、形、重さ
および色を、通常の取り扱いおよび貯蔵条件下で、その貯蔵寿命の間ずっと保持
することに注意する。このように、例えば、容器の底での過剰の粉末もしくは固
体粒子、錠剤面の割れ目や欠け目、または錠剤表面もしくは容器壁での結晶の出
現は、コーティングされていない錠剤の物理的不安定性の表れである。それゆえ
に、錠剤の穏やかな均質なかつ再現性のある振動および転倒の影響があっても、
錠剤が十分な物理的安定性を有することが保証されるべきである。市販の入手可
能な硬度テスターによって、錠剤の硬さを決定することができる。さらに、活性
成分のin vitroでの有効性は、時間と共に、はっきりとわかるほどに変化すべき
ではない。
【0098】 本発明のラクトースを含まない医薬組成物はまた、当分野で公知の慣用の方法
(例えば、Ebert, Pharm. Tech., 1(5) : 44-50 (1977)参照)を用いて、軟質の
弾力性のあるゼラチンカプセル単位投薬剤形で処方され得る。軟質の弾力性のあ
るゼラチンカプセルは、硬質ゼラチンカプセルよりいくらか厚い軟質の球状のゼ
ラチン殻を持ち、グリセリン、ソルビトールもしくは同様のポリオールの添加に
よってゼラチンが可塑化されている。カプセル殻の硬さは、ゼラチンのタイプな
らびに可塑化剤および水の量を変えることによって、変化させ得る。軟質ゼラチ
ン殻は、保存剤(例えばメチル‐およびプロピルパラベンならびにソルビン酸)
を含んで、菌類の成長を阻止することができる。活性成分は、液体ビヒクルまた
は担体(例えば、植物油もしくは鉱油、グリコール例えばポリエチレングリコー
ルおよびプロピレングリコール、トリグリセリド、界面活性剤例えばポリソルベ
ートまたはそれらの組合せ)中に溶解または懸濁することができる。
【0099】 本発明の医薬組成物の錠剤ならびに他の投薬剤形、例えばドラジェー(dragees
)、カプセル、丸剤および顆粒は、任意的に、刻み目をつける、または、コーテ ィングおよび殻(例えば腸溶性コーティングおよび、医薬製剤の分野でよく知ら
れている他のコーティング)を有して製造されることができる。
【0100】 本発明の医薬組成物はまた、例えば、所望の放出プロファイルを与えるために
割合を変えてヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス
、リポソームおよび/またはミクロスフェア(microspheres)を用いて、その中の
活性成分のゆっくりとした、もしくは制御された放出を与えるように処方され得
る。
【0101】 他に示さなければ、ここに記載されたすべての百分率は、特定の投薬剤形の全
成分の全重量に対する重量パーセントである。
【0102】 ラクトースを含まないフルオキセチン投与製剤、例えばトローチ、錠剤または
カプセルは、フルオキセチンを1以上の製薬上適合性のある賦形剤と共に、約1
mg〜約200mgのフルオキセチンを含む、好ましくは約2mg〜約80mgのフルオキセチ
ンを含む単位投与量フルオキセチン投与製剤を得るために製薬上適合性のある量
で一緒にすることによって形成され得る。例えば、湿式粒状化、乾式粒状化また
は圧縮成形を含む当分野でよく知られている方法によって、錠剤、トローチまた
はカプセル投与製剤を形成することができる。当分野でよく知られている、錠剤
、トローチおよびカプセルを形成するための他の方法が使用できる。しかし、錠
剤およびトローチの製剤のためには圧縮成形が好ましい。カプセルについては、
フルオキセチンおよび1以上の賦形剤が充填されている硬質ゼラチンカプセル殻
が好ましい。
【0103】 STARCH 1500(商標)は、Colorcon Ltd.によって製造された、予備ゼラチン化
デンプンであり、75重量%を超える量での使用は推奨されていない。さらに、ST
ARCH 1500(商標)と共に、ステアリン酸マグネシウムが滑沢剤として使用され るときには、0.25重量%より多い量のステアリン酸マグネシウムを使用すべきで
ない。というのは、これは溶解性に悪影響を及ぼし得るからである。STARCH 150
0(商標)と0.25重量%より多いステアリン酸マグネシウムとの製剤における、 溶解性へのこの悪影響は、比較的低い水溶性を有する化合物例えばフルオキセチ
ンについては、特に重要である。
【0104】 本発明を記載してきたが、以下の実施例において、目下特許請求されている発
明に従う好ましい実施形態を説明する。実施例は説明的なものであって、添付の
請求の範囲を限定するものではないことが理解される。
【0105】 活性成分をふるい分けし、列挙した賦形剤と共にブレンドした。混合物を、適
当な大きさの2部分からなる硬質ゼラチンカプセルに、当分野でよく知られてい
る適当な機械および方法を用いて充填する。Remington's Pharmaceutical Scien
ces, 16th or 18th Editions参照(参照により、そのすべてが本明細書に組入れ
られる)。充填重量を変えることおよび、必要なら、適合するカプセルの大きさ
を変えることによって、他の投与量を製造することができる。上記した、任意の
、安定な、ラクトースを含まない硬質ゼラチンカプセル製剤を形成することがで
きる。
【0106】 適当なふるいを通して、活性成分をふるい分け、均質なブレンドが形成される
まで、非ラクトース賦形剤とブレンドする。乾燥ブレンドをふるいにかけ、ステ
アリン酸マグネシウムとブレンドする。得られた粉末ブレンドを次に、所望の形
と大きさを有する錠剤に圧縮する。賦形剤に対する活性成分(すなわち、フルオ
キセチン)の比を変える、または錠剤重量を変更することによって、他の強度の
錠剤を製造できる。
【0107】 適当なふるいを通して、活性成分をふるい分け、均質なブレンドが形成される
まで、非ラクトース賦形剤(クロスカルメロース(もしくはナトリウムデンプン
グリコレート)の半分および微結晶質セルロースのすべてを除く)とブレンドす
る。適当な体積の水を加え、粉末を粒状化する。乾燥後、顆粒をふるいにかけ、
微結晶質セルロースと、クロスカルメロースもしくはナトリウムデンプングリコ
レートの残余と、およびステアリン酸マグネシウムと簡単にブレンドした。得ら
れた自由に流動する粉末を次に、所望の形と大きさを有する錠剤に圧縮する。賦
形剤に対する活性成分(すなわち、フルオキセチン)の比を変える、または錠剤
重量を変更することによって、他の強度の錠剤を製造できる。
【0108】 活性成分を、適当なふるいに通し、均質なブレンドが形成されるまで、非ラク
トース賦形剤(ステアリン酸マグネシウムを除く)とブレンドする。乾燥ブレン
ドをふるい分けし、ステアリン酸マグネシウムと簡単にブレンドする。得られた
粉末ブレンドを次に、所望の形と大きさを有する錠剤に圧縮する。賦形剤に対す
る活性成分(すなわち、フルオキセチン)の比を変える、または錠剤重量を変更
することによって、他の強度の錠剤を製造できる。
【0109】 特定の実施例に関して本発明を記載したが、請求の範囲で規定した本発明の意
図および範囲からはずれることなく、種々の変更および修正がなされ得ることは
当業者には明らかであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,Z W (72)発明者 ワルド、ステファン、エー. アメリカ合衆国 01776 マサチューセッ ツ州、サドバリー、シダー ミル ロード 71 Fターム(参考) 4C076 AA37 CC01 CC16 EE31A EE38A FF05 4C206 AA01 FA21 MA02 MA05 MA55 ZA12 ZA70

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フルオキセチンの光学的に純粋なエナンチオマーまたはその
    薬学的に許容される塩と、少なくとも1種の製薬上許容される非ラクトース賦形
    剤とを含有し、ラクトースを含まない医薬組成物。
  2. 【請求項2】 フルオキセチンの光学的に純粋なエナンチオマーまたはその
    薬学的に許容される塩と、ラクトースではない製薬上許容される賦形剤とを含有
    する、固形の医薬組成物。
  3. 【請求項3】 製薬上許容される非ラクトース賦形剤が結合剤、充填剤、ま
    たはそれらの混合物である、請求項1記載の組成物。
  4. 【請求項4】 製薬上許容される賦形剤が結合剤、充填剤、またはそれらの
    混合物である、請求項2記載の組成物。
  5. 【請求項5】 前記結合剤がデンプンである、請求項3または4記載の組成
    物。
  6. 【請求項6】 前記結合剤がセルロースである、請求項3または4記載の組
    成物。
  7. 【請求項7】 前記デンプンがトウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン
    、予備ゼラチン化デンプン、およびそれらの混合物からなる群より選択される、
    請求項5記載の組成物。
  8. 【請求項8】 前記セルロースがエチルセルロース、酢酸セルロース、カル
    ボキシメチルセルロースカルシウム、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、
    メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶質セルロース
    、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項6記載の組成物。
  9. 【請求項9】 さらに滑沢剤、崩壊剤、またはそれらの混合物を含む、請求
    項3または4記載の組成物。
  10. 【請求項10】 フルオキセチンのエナンチオマーが(R)-フルオキセチンで
    ある、請求項1または2記載の組成物。
  11. 【請求項11】 フルオキセチンのエナンチオマーが(S)-フルオキセチンで
    ある、請求項1または2記載の組成物。
  12. 【請求項12】 前記医薬組成物があらゆる単糖類または二糖類を実質的に
    含まない、請求項1または2記載の組成物。
  13. 【請求項13】 フルオキセチンのラセミ体、フルオキセチンの光学的に純
    粋なエナンチオマーまたはその薬学的に許容される塩と、少なくとも1種の製薬
    上許容される賦形剤とを含有し、ラクトースを含まない化学的に安定した圧縮錠
    剤。
  14. 【請求項14】 約1〜50重量%のフルオキセチンのラセミ体、フルオキセ
    チンの光学的に純粋なエナンチオマーまたはその薬学的に許容される塩と、約99
    〜50重量%の少なくとも1種の製薬上許容される賦形剤とを含有し、ラクトース
    を含まない化学的に安定した圧縮錠剤。
  15. 【請求項15】 前記錠剤が崩壊剤を含まない、請求項13または14記載の圧
    縮錠剤。
  16. 【請求項16】 溶解試験にかけたとき、前記錠剤が3分未満では溶解しな
    い、請求項13または14記載の圧縮錠剤。
  17. 【請求項17】 フルオキセチンが約1〜200mgの量で存在する、請求項13 または14記載の組成物。
  18. 【請求項18】 フルオキセチンが約2〜100mgの量で存在する、請求項17 記載の組成物。
  19. 【請求項19】 フルオキセチンのエナンチオマーが光学的に純粋な(R)-フ
    ルオキセチンである、請求項13または14記載の組成物。
  20. 【請求項20】 フルオキセチンのエナンチオマーが光学的に純粋な(S)-フ
    ルオキセチンである、請求項13または14記載の組成物。
  21. 【請求項21】 フルオキセチンのラセミ体、フルオキセチンの光学的に純
    粋なエナンチオマーまたはその薬学的に許容される塩と、微結晶質セルロースと
    、予備ゼラチン化デンプンとから本質的になる、固形の圧縮錠剤。
  22. 【請求項22】 前記圧縮錠剤が無菌、無水、かつ非吸湿性である、請求項
    13または14記載の固形の医薬組成物。
  23. 【請求項23】 フルオキセチンのラセミ体、フルオキセチンの光学的に純
    粋なエナンチオマーまたはその薬学的に許容される塩と、1種以上の製薬上許容
    される賦形剤とを含有する、無水の固形医薬組成物。
  24. 【請求項24】 前記組成物がラクトースを含まない、請求項23記載の組成
    物。
  25. 【請求項25】 前記組成物が圧縮錠剤である、請求項23または24記載の組
    成物。
  26. 【請求項26】 フルオキセチンのエナンチオマーが光学的に純粋な(R)-フ
    ルオキセチンである、請求項23または24記載の組成物。
  27. 【請求項27】 フルオキセチンのエナンチオマーが光学的に純粋な(S)-フ
    ルオキセチンである、請求項23または24記載の組成物。
  28. 【請求項28】 前記組成物が非吸湿性である、請求項23または24記載の組
    成物。
  29. 【請求項29】 前記薬学的に許容される塩が塩酸塩である、請求項1、13
    、14、21、23または24記載の組成物。
  30. 【請求項30】 フルオキセチンのラセミ体、フルオキセチンの光学的に純
    粋なエナンチオマーまたはその薬学的に許容される塩と、1種以上の製薬上許容
    される賦形剤とを含有する、安定した固形の単位投薬剤形であって、カプセル剤
    またはゲルカップ剤ではない前記単位投薬剤形。
  31. 【請求項31】 フルオキセチンのエナンチオマーが光学的に純粋な(R)-フ
    ルオキセチンである、請求項30記載の単位投薬剤形。
  32. 【請求項32】 フルオキセチンのエナンチオマーが光学的に純粋な(S)-フ
    ルオキセチンである、請求項30記載の単位投薬剤形。
  33. 【請求項33】 フルオキセチンの光学的に純粋なエナンチオマーまたはそ
    の薬学的に許容される塩と、少なくとも1種の製薬上許容される非ラクトース賦
    形剤とを含有し、ラクトースを実質的に含まない固形圧縮錠剤。
  34. 【請求項34】 フルオキセチンの光学的に純粋なエナンチオマーまたはそ
    の薬学的に許容される塩と、少なくとも1種の製薬上許容される非ラクトース賦
    形剤とを含有し、ラクトースを実質的に含まない崩壊性錠剤。
  35. 【請求項35】 哺乳動物に、治療上有効な量の請求項1、2、13、14、21
    、23、24、30、33または34記載の組成物を経口投与することを含む、哺乳動物の
    うつ病の治療方法。
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