JP2002507886A - アンギオテンシン誘導体 - Google Patents

アンギオテンシン誘導体

Info

Publication number
JP2002507886A
JP2002507886A JP50401199A JP50401199A JP2002507886A JP 2002507886 A JP2002507886 A JP 2002507886A JP 50401199 A JP50401199 A JP 50401199A JP 50401199 A JP50401199 A JP 50401199A JP 2002507886 A JP2002507886 A JP 2002507886A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
angiotensin
derivative according
peptide
carrier
derivative
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP50401199A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4850321B2 (ja
JP2002507886A5 (ja
Inventor
グローバー,ジェームス,フランシス
ラシュトン,アーサー
モルガン,フィリップ,ジョン
ヤング,ステファン,クリントン
Original Assignee
プロチュース モレキュラー デザイン リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from GBGB9713361.5A external-priority patent/GB9713361D0/en
Priority claimed from GB9808696A external-priority patent/GB9808696D0/en
Application filed by プロチュース モレキュラー デザイン リミテッド filed Critical プロチュース モレキュラー デザイン リミテッド
Publication of JP2002507886A publication Critical patent/JP2002507886A/ja
Publication of JP2002507886A5 publication Critical patent/JP2002507886A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4850321B2 publication Critical patent/JP4850321B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K7/00Peptides having 5 to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K7/04Linear peptides containing only normal peptide links
    • C07K7/14Angiotensins: Related peptides
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K47/00Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
    • A61K47/50Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates
    • A61K47/51Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates the non-active ingredient being a modifying agent
    • A61K47/62Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates the non-active ingredient being a modifying agent the modifying agent being a protein, peptide or polyamino acid
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system
    • A61P9/12Antihypertensives
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2319/00Fusion polypeptide

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Cardiology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)

Abstract

(57)【要約】 ペプチド担体に結合した少なくとも1つのアンギオテンシンペプチド部分を含むアンギオテンシン誘導体。この誘導体は、レニン活性化アンギオテンシン系に伴う病状の治療および予防に用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 アンギオテンシン誘導体 本発明は、哺乳動物のペプチド・ホルモンであるアンギオテンシンI および アンギオテンシンIIの類似体または誘導体に関し、また特に、レニン活性化アン ギオテンシン系に関連した疾病の治療法および予防法において、これらを免疫治 療上利用することに関する。 アンギオテンシン・ペプチドは哺乳類の動脈圧を制御することに関係している 。それらは、動脈圧の低下により生じたレニンによって導かれるレニン−アンギ オテンシン系(RAS)として公知の生化学的カスケードの結果として、体内にお いて様々な形で生じる。下記に模式的に表したRASでは、動脈血圧の低下に続い て、レニンが腎臓により貯蔵プロレニンから放出され、アンギオテンシノーゲン に酵素的に作用して、配列Asp-Arg-Val-Tyr-Ile-His-Pro-Phe-His-Leuを有する デカペプチドのアンギオテンシンIを生成する。アンギオテンシンIのC末端から の2つのアミノ酸は、肺の内皮に存在するアンギオテンシン変換酵素(ACE)に より、通常1〜2秒以内ですばやく切断され、配列Asp-Arq-Val-Tyr-Ile-His-Pro- Pheを有するオクタペプチドのアンギオテンシンIIを生成する。 アンギオテンシンIは、体内にほんのわずかの時間しか存在せず、また、穏や かな血管収縮薬活性を備えている。従って、アンギオテンシンIは単独では循環 系にほとんど作用しない。しかしながら、アンギオテンシンIIは、内分泌系、並 びに循環系に重大な作用を持つ血管作動性のペプチドである。高濃度のRAS活性 化アンギオテンシンIIは、血管収縮と、塩および水分の腎臓における停留を生じ 、その双方が心臓血管障害をもたらす可能性がある亢進動脈圧(高血圧症)をもた らし得る。アンギオテンシンIIは、鬱血性心不全を含む他のいくつかの疾病状態 に関連している。高血圧症は心臓マヒおよび心臓発作に対する主な危険因子であ り、また、鬱血性心不全は発症からの数年以内で極めて高い死亡率を示す疾病で ある。レニン−アンギオテンシン系に関連するこれらの疾病および他の疾病を治 療する有効な治療法が必要とされている。 これらの疾病に対する現在の治療法には、小さな有機分子を用いたRAS系への 介入がある。1つの方法として、現在、高血圧症の処置で承認されている薬剤、 リシノプリル、カプトプリルおよびエナラプリル薬剤のような阻害剤でACEを阻 害することが試みられている。しかし、これらの薬剤は完全に成功しなかった。 ACEの阻害はほんの部分的なものであると思われる。さらに、ACEが基質特異性を 欠如しているので、ブラジキニンを含む他の代謝的活性ペプチドの生体内変化も また阻害されると思われるが、それは望ましくない。その上、これらの薬剤 は、多くの場合、成人の生涯の大半のような長期間にわたって、規則的に服用す る必要がある。しかし、これらの薬剤のより重大な欠点は、空咳と、眩暗暈感お よび失神が起こる可能性を伴う第1回投与時の降圧作用とを含む望ましくない副 作用である。抗高血圧症薬治療は長期間、例えば30年にも及ぶ期間、時にはそ れ以上長い期間、常に処置する必要があるので、これらの有害な副作用によって 患者の同意を失う結果となる可能性があり、特に主として無症候性疾病において 短期の臨床的作用が無い場合には、この治療方法の有用性が厳しく限定される。 より最近の治療の方法は、アンギオテンシンIIの活性をブロックすることを目 的としたアンギオテンシン受容体拮抗薬である薬剤に関連する。例えば、ロサル タン(losartan)およびバルサルタン(valsartan)などを例示できる。現在ま でに開発されている薬剤は、AT1アンギオテンシン受容体のみに特異的であるよ うである。従って、それらの薬剤はアンギオテンシンIIの主要な血管収縮薬効果 をブロックし、より許容性が高いが、アンギオテンシン・ホルモンの他の作用に 影響することがない。AT1受容体拮抗薬を用いた経験によれば、AT1受容体拮抗薬 がACE阻害剤に対し比較的有効であると思われるが、患者の同意が充分に得られ ないという問題が残されている。従って、RASに関連した疾病に対する改良され た治療法が必要である。 ホルモンの活性に関連した疾病または障害を治療し、予防することができる方 法とは、免疫療法によって、すなわち、特定の抗ホルモン抗体によりホルモンの 活性を中和するようホルモンに対して患者を免疫することによって、患者体内の ホルモンの作用を中和する方法である。そのような抗体は、受動的免疫治療で外 因的に投与してもよく、また、ホルモンを主成分とする免疫原を用いた能動免疫 によりその生体内で産生させることができる。 我々は、今回、新規のアンギオテンシン誘導体を開発した。それは効力のある 免疫原であり、RASによって生成された高濃度のアンギオテンシンIIに関連した 疾病を治療する免疫治療法において使用することが可能である。 詳しくは、アンギオテンシン誘導体は、タンパク質またはポリペプチドのよう な免疫担体に対するアンギオテンシン・ペプチドの結合を促進し、免疫したホス ト(host)でアンギオテンシンに結合してその作用を中和する抗体を誘導するこ とが可能な免疫原性複合体を形成する結合部分(例えばペプチド配列)に結合し た1種または複数のアンギオテンシン・ペプチドとして開発された。これらの誘 導性抗体には前駆体形態であるアンギオテンシノーゲンに結合できるものも含ま れ、この場合、レニンによるアンギオテンシンIを生じる切断が制御されので、 その系にさらなるブロッキングが提供されることになる。特に これは、レニン産生に関するアンギオテンシンIIのネガティブ・フィードバック 効果の変化による作用およびアンギオテンシンIの遊離による作用を低下させる ことができる。これは、レニン産生におけるアンギオテンシンIIの負のフィード バック作用の調節効果およびアンギテンシンIの放出を低減することに特に適切 である。 従って、1つの態様として、本発明は、ペプチド担体結合部分に結合した少な くとも1つのアンギオテンシン・ペプチド部分を含むアンギオテンシン誘導体を 提供する。 これらのアンギオテンシン誘導体は、ホルモンの活性が特異的抗ホルモンまた は抗ポリペプチド抗体によって中和されるように、ホルモン・アンギオテンシン II、および/またはそのポリペプチド前駆体アンギオテンシンI、および/また はアンギオテンシノーゲンに対して患者を免疫するのに使用することができる。 そのアンギオテンシン・ペプチド部分は、天然のアンギオテンシンの生物学的 活性(すなわち、受容体での天然ホルモン活性であり、アンギオテンシンIおよ びアンギオテンシンII双方を含む)を必ずしも有しておらず、天然のアンギオテ ンシン・ペプチドの免疫学的擬態として作用する、すなわち、天然のアンギオテ ンシン・ペプチドに結合する抗体を生成するために免 疫学的にアンギオテンシンに似た作用をすることが可能な本体のいかなる部分で あってもよい。例えば、そのような成分は、都合良くは、アンギオテンシン・ペ プチド、好ましくはアンギオテンシンI(式、Asp-Arg-Val-Tyr-Ile-His-Pro-Phe- His-Leuのデカペプチド)、または、アンギオテンシンII(式、Asp-Arq-Val-Tyr-I le-His-Pro-Pheのオクタペプチド)、あるいは、それらの機能的に同等な異型体 を含む。そのような異型体には、単一または複数のアミノ酸の置換、付加または 欠失によるアンギオテンシンIまたはアンギオテンシンII配列の修飾物、および 化学的にアミノ酸残基が修飾された配列があるが、これらの場合、アンギオテン シン免疫原性活性を保持していなければならない。そのような機能的に(つまり 免疫学的に)同等な異型体は天然の生物学的変化として生じるかもしれず、化学 的合成または化学的修飾、突然変異誘発、例えば、部位特定的な突然変異誘発ま たはランダムな突然変異誘発などによる公知の技術および標準的技術を用いて調 製することもできる。修飾に関する重要な特性は、アンギオテンシン・ペプチド が天然のアンギオテンシンの免疫学的擬態として作用する能力を保持しているこ とである。従って、例えば、アンギオテンシン・ペプチドまたはそのエピトープ (類)の物理化学的特性、例えば、電荷密度、親水性/疎水性、サイズおよび立 体配置を維持し、免疫学的構造も維持する別のアミノ酸に、あるアミノ酸を置換 することができる。「付加」異型体には、単一または複数のアミノ酸の配列内挿 入、並びにN末端またはC末端融 合を含めることができる。欠失は配列内であってもよく、あるいはN末端またはC 末端から切断してもよい。本明細書に使用される用語「アンギオテンシン・ペプ チド」には、すべての天然のアンギオテンシン・ペプチドおよびそれらと機能的 に同等な異型体が含まれる。 担体結合成分は免疫学的担体にアンギオテンシン・ペプチド部分を結合するこ とが可能な手段として働き、通常、それはタンパク質またはポリペプチドである 。また、好ましくは、反応性側鎖を有するアミノ酸残基を含んでおり、それを介 してアンギオテンシン誘導体を標準的な結合技術を用いて担体に容易に結合する ことができる。そのような側鎖には、有利には、遊離のヒドロキシル基、カルボ キシル基、またはチオール基を含むことができる。従って、そのようなアミノ酸 は、システイン、チロシン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸残基、あるい はN-アセチルシステインのようなそれらの誘導体であれば都合がよい。 本発明のアンギオテンシン類似体は、免疫療法的に利用可能な抗体を誘導する ための、免疫学的担体への改良された結合を有していることが示された。また、 これらの類似体は、この点に関して天然のペプチド以上の長所を備えている。 担体結合部分は、アンギオテンシン・ペプチドのN末端ま たはC末端でのペプチド延長の形態、あるいは、2つ以上のアンギオテンシン部 分間の鎖セグメントからの、またはそれらの内部に配置されたペプチド・ペンダ ントの形態をとることができる。 さらなる観点から、本発明は、式Iのアンギオテンシン誘導体を提供できるこ とがわかる。 上式で、 Aはアンギオテンシン・ペプチド部分を表し、 Xはアミノ酸を表し、 Yは、遊離の-SH基、-OH基、または=COOH基を持った側鎖を有するアミノ酸を表 し、 Lは、1つまたは複数の部位で((A)-Xn)-基と結合することが可能な、例えば、 10までの(A)Xn部分と結合することが可能な有機リンカーを表し、 nおよびrはそれぞれ0〜20であり、 mおよびsはそれぞれ≧1、例えば1〜10、好ましくは1、2、3または4であり、 p、qおよびtはそれぞれ0または1であり、 ただし、m≧2の場合、p=1、または、s≧2の場合、q=1である。 好ましくは、Aはアンギオテンシン・ペプチドであり、また、 Xはアンギオテンシン・ペプチドのN末端またはC末端に結合することができる。 基Lは任意の有機リンカー構造であってもよいが、好ましくは、ペプチド鎖で あり、それは天然または合成のアミノ酸、あるいは擬似アミノ酸の残基を含んで いる直鎖状、分岐状、または単一のアミノ酸残基であってよい。しかしながら、 それはさらにカルボキシル末端またはアミン末端の樹状あるいはカスケード型ポ リマー、例えば分枝状ポリアミンを表していてもよい。 t=0の場合、式(I)の化合物は、上式において、担体結合成分(すなわち、X- YまたはX-L-Y)が単一のN末端延長またはC末端延長としてアンギオテンシン・ペ プチドのN末端またはC末端に結合した誘導体、例えば樹状配列として、基Yの担 体結合部分末端に複数のアンギオテンシン・ペプチド部分が結合した誘導体、あ るいは担体結合部分上の複数の部位でアンギオテンシン部分を結合した誘導体を 含む。 t=1の場合、誘導体は、担体結合部分の担体結合基Yが誘導体の鎖セグメント内 に、すなわち、2つ以上のアンギオテンシン・ペプチド部分間に効果的に配置さ れている「ダイマー」型構造の形態をとり得る。 t=1、およびLがアミノ酸残基またはペプチド鎖である場合、Lは、「鎖逆転」 アミノ酸、または擬似アミノ酸(すなわち、2つのペプチド成分を結合可能な化 合物、例えば、ジアミンまたはジカルボン酸)であるか、あるいはそれらを含ん でいてよく、これは、ペプチド鎖のN末端からC末端を反転するか逆転することが 可能な化合物である。従って、そのような化合物は2つのアミノ基または2つの カルボン酸基を通常含んでおり、例えば、グルタミン酸またはα,ω-アルキレ ンジアミン、α,ω-アルキレンジカルボン酸である。t=1の場合、((A)-Xn)-基 の総数が8を超えないことがさらに好ましい。 式(I)の好ましい化合物は、上式において、nおよびrはそれぞれ0〜10であり 、さらに好ましくは1〜6であり、また、上式において、mおよびsはそれぞれ≦8 であり、好ましくは1、2または4である。 基Xは、好ましくは、側鎖を有しないかまたはヒドロカルビル側鎖(好ましく は、各アルキル部分が飽和または不飽和であって、6つまでの炭素を含み、また 、各アリル部分が好ましくはフェニル環であるアルキル、C3-7のシクロアルキル またはシクロアルケニル、C3-7のシクロアルキル−またはシクロアルケニル−ア ルキル、アルカリル、アラルキルまたはアルカリルアルキル部分)を有している アミノ酸を表し、特に好ましくは、脂肪族側鎖を有していないアミノ酸である。 グリシン、 アラニン、β-アラニン、バリン、ロイシンおよびイソロイシンが好ましく、特 にグリシンが好ましい。 基Yは、好ましくはシステイン、チロシン、グルタミン酸またはアスパラギン 酸、あるいはそれらの誘導体、例えばN-アセチルシステインである。 基Lは、好ましくは、少なくとも1つのアミノ酸残基または少なくとも2つの アミンまたはカルボキシル基を含む擬似アミノ酸を含んでおり、特にt=0の場合 、例えばリジン、アルギニン、グルタミン酸またはアスパラギン酸である。その ような好ましい基Lは、例えば、2〜15のアミノ酸残基を含んでいる直鎖状または 分岐状のペプチド鎖であると都合がよい。もちろん、分岐形成はアミノ酸残基側 鎖のアミン基あるいはカルボキシル基、例えば、リジンまたはアルギニンの側鎖 アミン基、あるいはアスパラギン酸またはグルタミン酸の側鎖のカルボキシル基 でペプチド結合形成により形成することができる。そのうち、1つまたは複数の 、例えば1〜3個のリジン残基を含む基Lが特に好ましい。分岐形成は、リジンの α-アミノ基およびε-アミノ基の双方でペプチド結合形成によって形成すること ができる。 従って、式(I)の好ましい化合物は、式(II)から式(IV)の化合物を含ん でいる。 上式において、A、X、L、nおよびrは前文に定義したとおりであり、m≧2であ る。 式(IV)の化合物が複数の(A)基を含んでいる場合、それらが同じ末端で結 合していることが好ましく、すなわち、すべてがN末端結合、またはC末端結合し ていることが好ましい。 式(II)および式(III)の化合物において、Xがアンギオテンシン・ペプチド である基AにC末端結合している場合、Yは好ましくはシステインである。XがAのN 末端に結合している場合、Yは好ましくはN-アセチルシステインである。 式(II)から式(V)において、XnまたはXrは、それぞれ1〜6のグリシン残基 の鎖であることが好ましい。 式(IV)の化合物では、mは好ましくは2または4である。 式(III)から式(IV)において、Lは、好ましくは、リジン であり、上式において、uは0〜10、好ましくは0〜6であり、 また、Xは上記に定義したとおりのアミノ酸である。 従って、式(IV)の好ましい化合物は、式(VI)および式(VII)に表される ものである。 上式において、A、X、Y、nおよびuは先に定義されたとおりであり、Kはリジン である。 式(V)の「ダイマー型」誘導体では、アンギオテンシン・ペプチド部分は、 アンギオテンシン・ペプチドの「反転した」または「逆転した」配列異型体、す なわち、構成しているアミノ酸の順序が反転しているアンギオテンシン・ペプチ ドであることが好ましい。 本発明に係る代表的なアンギオテンシン誘導体は次のものを含んでいる。 (A-(Gly)1-2-成分は、α-アミノ基またはε-アミノ基のいずれかに結合するこ とができる。) 上式において、AはアンギオテンシンIまたはアンギオテンシンIIであり、A’ はアンギオテンシンIまたはアンギオテンシンII、あるいは逆転したあるいは反 転したアンギオテンシンIまたはアンギオテンシンIIの配列である。 好ましくはグリシンであるけれども、上記の式の1つまたは複数のグリシン残 基の代わりに脂肪族側鎖アミノ酸を使用してもよい。 コンピュータ援用エネルギー最小化モデリングにより試験した場合、単独で最 適な免疫原性であるには本発明のペプチド類似体はあまりにも小さいと一般的に 考えられるが、担体結合部分を介して担体に結合された場合、これらのペプチド 類似体は強い防御免疫応答を誘発することがわかった。従って、本発明のペプチ ド類似体は、RASに関係する疾病の免疫療法において利用するのに非常に適して いる。理論的に制限されることを望まないが、担体結合部分を用いた担体へのペ プチドの連結は、天然のアンギオテンシン・ペプチドの場合と同じ立体配座を実 質的に有する類似体を生じたと思われる。 本発明による新規の誘導体は、R.B.Merrifield,Fed.Proc.Amer.Soc.Bi ol.(1962).21,412、およびR.B.Merrifield,Jour.Amer.Chem.Soc.(1963) ,85,2149、およびconventional FMOC chemistryに記述されているような、固 体マトリックスヘ結合されたポリペプチドを生成するためのアミノ酸を段階的に 付加するメリフィールド(Merrifield)固相法を含むペプチドに対するいくつか の一般的技術を用いて、生成することができる。所望により、鎖合成の間、成長 鎖におけるアミノ酸の反応性側鎖基を保護してもよい。分岐状構造は類似の技術 によって調製することができる。 新規の誘導体が直鎖状のペプチドである場合は、例えば、Sambrookらによって 記載されている分子クローニング (Molecular Cloning、研究室マニュアル(A Laboratory Manual)、第2版、1989 年)のような当技術分野で公知の技術を用いて、組換えDNA発現により調製する こともできる。 従って、本発明は、また、本発明のアンギオテンシン・ペプチド誘導体をコー ドする核酸分子、およびそれに相補的な配列を有する核酸分子を提供する。 本発明のさらなる態様によれば、我々は、本発明の前記核酸分子を含む発現ベ クターを提供する。そのようなベクターは、例えば、大腸菌または酵母菌のよう な原核細胞または真核細胞である微生物、あるいは植物細胞または哺乳動物細胞 のような動物細胞における発現に適当と思われる。 さらに、in situでの本発明に係るアンギオテンシン誘導体の合成が可能な発 現ベクターは、治療に利用できるとともに、様々な方法によって被験者に導入す ることができる。これらの例には、薬理学上許容される賦形剤、例えば、リン酸 緩衝食塩水(PBS)の溶液に含まれた「裸の(naked)」核酸ベクターの局所的適用が 含まれている。また、例えば、米国特許第5371015号に記述されている当技術分 野で公知の方法による粒子衝撃のような、「遺伝子ガン(gene gun)」技術として 知られている物理的方法によるベクターの投与も含まれている。この技術では、 発射装置から高圧で発射することによって、ベクターで被 覆された金ビーズのような不活性粒子を皮膚表面から浸透することが十分可能な 速度に加速している。 さらに、本発明のアンギオテンシン誘導体をコードする核酸配列をデリバリー ・ベクターの形態で免疫治療に利用することができる。これらには、核酸配列が 組み込まれ、当技術分野で公知の方法により免疫に利用することが可能な当技術 分野で公知のアデノウイルスまたはレトロウイルス・デリバリー・ベクター等の ウイルス・デリバリー・ベクターが含まれる。 他の本発明の核酸ベクターを運ぶのに利用できる非ウイルス・デリバリー・ベ クターには、当技術分野で公知のリポソーム伝達手段を含む脂質デリバリー・ベ クターが含まれる。 また、さらなる観点から、本発明は、本発明によるベクターで形質転換された 宿主生物を提供する。 本発明のアンギオテンシン誘導体は、他の小分子に対する場合のように、単独 で抗体産生を刺激するのには十分なサイズでないかもしれないので、抗体産生お よび防御免疫応答を刺激するためには高分子担体に結合させる必要があるかもし れない。 従って、さらなる観点から、本発明は、担体に結合させた、好ましくは、ポリ ペプチド担体に結合させた上記定義のアンギ オテンシン誘導体を提供する。 本発明の誘導体の担体への結合は、当技術分野で公知の方法、例えば、ヘテロ 二官能性連結剤で処理する方法によって行うことができる。結合が、末端のシス テイン(またはN-アセチルシステイン)を介して行われる場合、連結剤は、m-マ レイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスルフォスクシンアミド・エステルを用いる ことができる。その場合、マレイミドがペプチド担体中の1つまたは複数のリジ ン側鎖を修飾し、末端のシステイン残基でチオエーテル結合を形成する。当技術 分野で公知の他の結合試薬、例えば、カルボジイミド結合試薬もまた使用するこ とができる。 精製ツベルクリン・タンパク分画、破傷風トキソイド、ジフテリア・トキソイ ド、テンガイ・ヘモシアニンまたはそれらの誘導体を含む、当技術分野で公知の そのような目的の担体を使用してもよい。 さらに、アンギオテンシン誘導体が直鎖状ペプチドで、担体がタンパク質また はポリペプチドである場合、適当なホスト細胞中で複合分子をコードする核酸分 子が発現する組換えDNA方法によって、全ペプチド複合体を生成することができ る。 本発明の新規のアンギオテンシン誘導体は、標準濃度または 高濃度のRAS活性および/またはアンギオテンシン・ペプチドに関連した病状を 治療する免疫治療方法に使用することができ、現在利用可能な方法と比較した場 合、有利な方法であることを示している。現在の治療のケースよりも投薬の頻度 がより少ないという点から患者の同意は増えるはずであり、また、不適当な副作 用も回避できる。 従って、さらなる態様によれば、本発明は、薬理学上許容される1つまたは複 数の担体または賦形剤と、本発明によるアンギオテンシン誘導体、または本発明 による複合アンギオテンシン誘導体を含む薬剤組成物を提供する。 また、さらなる観点によれば、本発明は、治療用の本発明によるアンギオテン シン誘導体を提供する。 さらなる観点によれば、本発明は、レニン−アンギオテンシン系に関連した疾 患の治療用の医薬製造での本発明によるアンギオテンシン誘導体の使用を提供す る。そのような疾患としては、鬱血性心不全、全身性高血圧症のような高血圧症 、およびレニン−アンギオテンシン系が病態生理学に寄与するその他の疾病、並 びにレニン−アンギオテンシン系が活性レベルを上昇させた場合の疾病がある。 また、さらなる観点によれば、本発明は、本発明によるアン ギオテンシン誘導体を投与することを含むレニン−アンギオテンシン系に関連し た病状を治療する方法を提供する。 その方法は、血圧を調整するのに使用することができる。 誘導体をコードする組換え核酸または担体に任意に結合させた本発明によるア ンギオテンシン誘導体は、非経口的(例えば、誘導体を吸着し、それらを被験者 の皮膚に浸透させることを可能にするのに十分な速度で加速することができる金 顆粒剤またはビーズなどの不活性粒子の形態で腹腔内、皮下、筋肉内、皮内に、 あるいは静脈内に)、局所的(例えば、皮膚へのクリームとして)、関節内、粘 膜的(例えば、経口的、鼻腔的、膣的、直腸的に、および眼内経路を介して)方 法を含むすべての従来法によって、あるいは、たとえば吸入装置および噴霧器な どの肺および気管支系へ薬剤を直接運ぶように設計された装置による肺内への送 達によって投与することができるとともに、例えば、Remingtons Pharmaceutica l Sciences、Gennaro編、Mack Publishing Company、Pennsylvania、米国(1990 )に記述されているような、製薬学的に許容される1つまたは複数の担体または 賦形剤を任意に用いて、薬学的従来法によって処方することができる。 そのような組成物は、粘膜的、非経口的または経口的投与などの単位投与形に 処方すると都合がよい。 実際の治療措置または予防措置、処方および投薬量は、個々の患者に大いに依 存し、個々の状況に基づいて開業医により工夫され得る。 処方の種類は投与経路に適したものである。例えば、皮下注射または筋肉内注 射による非経口投与は、1つまたは複数の免疫アジュバント、例えば、水酸化ア ルミニウム、サポニン、クイルA(quil A)、ムラミル・ジペプチド、鉱物油また は植物油、小胞ベースのアジュバント、非イオン的ブロック共重合体、あるいは DEAEデキストランを任意に加えた注射用のPBS、食塩水、あるいは蒸留水に 複合体類似物の滅菌水性懸濁液を用いて行うことができる。防腐剤などの付加的 な成分を用いてもよい。 注射は1〜100μgペプチド当量の範囲の投薬量で行うことができる。また、投 薬は、ほぼ3カ月または6カ月ごとに1回の頻度から、1年ごとに1回または5 年ごとに1回までの頻度で行うことができる。 経口投与については、結合させた誘導体を錠剤、液体、カプセルなどに処方す ることができる。投与量は、製品の生物学的利用可能性に依存した間隔で行われ る投薬で、1〜1000μgペプチド当量の範囲にある。 さらなる観点によれば、本発明は、ACE阻害剤および/またはアンギオテンシ ンII受容体拮抗薬に基づいた既存の治療によって達成されている現状に匹敵する か、あるいはそれより優れているアンギオテンシンホルモンの最大限の阻害を達 成する方法であって、前記方法が本発明によるアンギオテンシン誘導体を投与す ることを含む方法を提供する。 次に、図を参照し、以下のこれに制限されることはない実施例において、本発 明をさらに詳しく説明する。 図1は、時間(試料日)に対する抗体価、+/−sem、n=6(ODの0.1の増加に 相当する希釈)を示すグラフであり、 A=コントロール B=実施例2の誘導体3 C=実施例2の誘導体1 D=実施例2の誘導体4 E=実施例2の誘導体2である。 図2は、コントロールラット、および実施例4の群CおよびJのAI類似体の複合 体により免疫したラットにおけるAIを投与した後の血圧のピーク変化を示すグラ フである。図3は、実施例4の群AおよびCの動物におけるAIに応答した平均血圧変化の記 録を示す。 図4、図5および図6は、図4ではアンギオテンシンI、図5ではアンギオテ ンシンII、および図6ではアンギオテンシノーゲンのアッセイで用いたELISAア ッセイにおけるA450換算で測定された抗体価を示す棒グラフであり、そのELISA は、アンギオテンシン・ホルモンの類似体を含むワクチンに対して生じた部分的 に精製されたラット抗血清の結合を示す。 図7および図8は、以下の誘導体についての時間(試料日)に対する抗体価を 示すグラフである。 実施例1:ペプチド生成。 Protein Technologies社製のSymphony Peptide Synthesiserを用いた固相ペプチド合成のFmoc法によってペプチドを合成した。 使用した樹脂は、Rink Amide Linkerを有するTentagel S-NH2であった。使用し たFmocアミノ酸の側鎖保護基は、Cys、His、ApnおよびGlnに対してはTrt、Tyr、 Thr、Asp、GluおよびSerに対してはtBuであり、LysおよびTrpのインドールNに対 してはBoc、Argに対してはPmcであった。カルボキシル基の活性化は、TBTU/HOB t/DIPEAを用いて行い、すべての結合はDMF中で実施した。Fmoc基の脱保護は、D MF中の20%ピペリジンで行った。ペプチドの樹脂からの切断は、TFA中の5%ア ニソール/5%チオアニソール/5%EDT/3%水/2%TESで1時間行った。そ のペプチドを、Waters Deltaprep 4000の40mm x 210mm Deltapak C18ラジアル・ コンプレッション・カラムを用いたRP-HPLCによって精製し、Kratos Maldi 3の MALDI-TOF、およびAAAによって特性を決定した。 デンドリマーについては、Fmoc Lys(FmoC)-OHを上記の方法に従って付着させ 、ペプチド延長用の遊離αおよびεアミノ基の双方を与える。使用するFmocアミ ノ酸の量は、適宜に増加させなければならない。 Rink Amide Linker=p-[(R,s--[1-(9H-フルオレン-9-イル)-メトキシホルムア ミド]-2,4-ジメトキシベンジル)-フェノキシ酢酸 Fmoc=9-フルオレニルメトキシカルボニル Trt=トリチル、トリフェニルメチル tBu=第三級ブチル Boc=第三級ブチルオキシカルボニル Pmc=2,2,5,7,8-ペンタメチルクロマン-6-スルホニル TBTU=2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム テトラフルオロボレート HOBt=N-ヒドロキシベンゾトリアゾール DIPEA=ジイソプロピルエチルアミン DMF=N,N-ジメチルホルムアミド EDT=エタンジチオール TES=トリエチルシラン TFA=トリフルオロ酢酸 RP-HPLC=逆相高性能液体クロマトグラフィー MALDI-TOF=マトリックス支援されたレーザー脱離イオン化−フライト時間(M atrix assisted laser desorptionionization-time of flight) AAA=アミノ酸分析 Fmoc-Lys(Fmoc)-OH=α,ε ジ-9-フルオレニルメトキシカルボニルリジン 以下のペプチドを本方法で合成した。 実施例2:複合化手順。 リン酸緩衝食塩水(phosphate buffered saline:PBS)中の破傷風トキソイド 溶液に、60モル過剰のS-MBSおよびm-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスルホ スクシンイミドエステルを加え、シールしたバイアルにおいて、4℃で2時間撹 拌する。 過剰S-MBS架橋剤をPBS中でクロマトグラフィー(ゲルろ過クロマトグラフィ、 PD-10、G-25 sephadexカラム)により除去する。活性化破傷風トキソイドのピー クを収集し、遊離マレイミド基についてアッセイし、下記のように使用する。 得られた担体タンパク質溶液をN2を用いてパージし、12モル過剰のアンギオテ ンシン誘導体ペプチドを添加する。得られた溶液を、シールした容器で、20℃で 4時間撹拌する。 その複合体を上記のゲルろ過クロマトグラフィーによって遊離ペプチドから精 製する。遊離のマレイミド基の損失に関する最終アッセイを、その混合物の試料 で行って、利用可能な部位がすべて複合化されることを証明する。 最終複合体を作用濃度まで希釈し、所望のように処方する。 直鎖状c末端が延長されたアンギオテンシンペプチド誘導 体を有するS-MBS架橋結合複合体の構造(例えば、実施例1の誘導体(1)および (2))を以下に示す。 この手順に従って、実施例1のアンギオテンシン誘導体(1)〜(4)を破傷風ト キソイドのアリコートに個々に複合化させた。実施例3 :免疫化調査。 実施例2に記述した破傷風トキソイドのアリコートに、各々結合させた実施例 1の4つのアンギオテンシン誘導体を、通常生理食塩水(saline)(0.9%(w/v)) ビヒクル中の0.4%(w/v)の水酸化アルミニウムゲル(Alhydrogel、Superfoss/a 、Denmark)へ吸着させて製剤化した。 すべての複合体を10μg/mlペプチド当量溶液として使用した。 雄Sprague-Dawleyラットを、1群当たり6匹のラットを有する5つの処置群に 用いた。 処置群は以下のものを受けた。 ビヒクル、滅菌食塩水 0.5ml/ラット N-アセチル-Cys-Gly-アンギ 0.5mlビヒクル中、5μgペプチド当量/ラット オテンシンI誘導体免疫治療 アンギオテンシンI-Gly-Cys 0.5mlビヒクル中、5μgペプチド当量/ラット 誘導体免疫治療 N-アセチル-Cys-Gly-アンギ 0.5mlビヒクル中、5μgペプチド当量/ラット オテンシンII誘導体免疫治 療 アンギオテンシン 5μgペプチド当量/ラット II-Gly-Cys誘導体免疫治療 用いた経路は皮下とし、調査期間中、各ラットは特定の試験物質の3回別々の 投与量を受けた。 実験手順の全体にわたって、週に一度各ラットの体重を記録した。実験手順 この最初の調査では、動物の一般的な生理学上のモニタリングの一部として、 各ラットのコア温度を記録した。 1日目およびその後22日目および43日目に、ラットはビヒクルまたは試験 物質の1回皮下投与量を受けた。続いて、各投与後24時間(2日目、23日目 および44日目)および表1に明示したさらなる特定の日に、静脈血試料(0.5ml )をラッ トを押さえながら得た。 ガラス管に静脈血の各試料を集め、氷上で冷却し放置して凝塊とし、遠心分離 して、試料化から45分以内に血清を得た。血清試料は、約-20℃でできるだけ迅 速に凍結した。 各血清試料は、酵素連結された免疫吸着剤アッセイ(Enzyme Linked ImmunoSo rbant Assay:ELISA)にて、血清中に存在する抗アンギオテンシンペプチド−抗 体を滴定することにより、抗体応答の処置による生成についてアッセイした。 このアッセイは以下のように実施した。 96ウェルの単一ウェルマイクロタイタープレートを50μ lの検出基質、例えば、アンギオテンシンII-Gly-Cys-BSA(10μgペプチド当量 /ウェル)で1時間室温にてコーティングした。同時に別のウェルへ50μlのPB Sを注入し、基質ブランクとして作用させた。 そのプレートを200μlリン酸緩衝食塩液(PBS)/0.1%Tween 20で3回洗浄し た。 PBS中の3%(w/v)粉乳(Marvel)をウェル当たり200μl添加し、室温で1 時間放置して非特異的抗体結合を阻害した。 プレートを、200μlのPBS/0.1% Tween 20で3回洗浄した。 血清試料をPBSで適当な希釈濃度まで希釈した。典型的な希釈物は以下のとお りである。 適当に希釈された血清(50μl)を適当なウェルに充填し、20℃で1時間イン キュベートして、基質:抗体を結合させた。 そのプレートを200μlのPBS/0.1% Tween 20で3回 洗浄した。 PBS中のラビット抗ラットIgGペルオキシダーゼ複合体を1:5000に希釈した。 すなわち、IgGペルオキシダーゼ1μlにPBSを5ml加えた。これはラット血清抗 体に結合し、抗体検出を可能にする。 希釈されたIgGペルオキシダーゼ50μlを適当なウェルに添加し、室温で45分 間放置した。 そのプレートを200μlのPBSで3回洗浄した。 ペルオキシダーゼ基質3,3',5,5'-テトラメチルベンジジン(TMB)の250μlア リコートを、30%過酸化水素4μlとともに0.1M酢酸ナトリウム緩衝液pH5.5の2 5mlへ添加した。 調製したTMB基質100μlを、ブランクのウェルを含む適当なウェルに添加した 。抗体/基質結合が形成されていた場合に、色素が生じる反応が起こる。室温に 15分間放置し、その後、各ウェルに10%硫酸50μlを添加して反応を停止した。 そのプレートを、TMB基質上のペルオキシダーゼ酵素の反応によって生じた405 nmの光の吸収について調べ、一次(抗ア ンギオテンシン)抗体結合の量に比例する。実施例1の誘導体(1)から(4)の 4つの試料複合体処方についての結果を図1に示す。 図1は、x軸上の日に測定された異なる試料時間での、平均抗体価(+/−Sem 、n=6)の時間経過をy軸上に示す。抗体価は、ElISAアッセイにおける基線レベ ルから0.1 OD変化に対して求められた、血清のSAS推定希釈である。 アンギオテンシンペプチドに対する抗体レベルの変化を時間の経過とともに見 ることができる。以下にそれを要約する。 (A)はコントロールである。 抗体価データと並行して、すべての動物を、体温、体重および一般的外見にお ける総体的な生理学的変化について、全般的毒性または有害効果として検査した 。 4つのアンギオテンシン免疫複合体処置群のうちのいずれにも有害作用は記録 されず、これはその処置が、動物において有害な生理学的作用なしで、抗アンギ オテンシン抗体を産生する のに有効であることを示している。実施例4 :意識のあるラットでの外因性アンギオテンシンI(AI)の昇圧効果に 関するアンギオテンシンペプチドに対する活性免疫化の作用 アンギオテンシン類似体を用いた活性免疫化の可能性を実証するこの実験では 、あるアンギオテンシンI(AI)類似体およびアンギオテンシンII(AII)類似体 を優れた免疫原である担体タンパク質と結合させた。これらの免疫複合体はアジ ュバントされ、免疫化されたラットで強い抗アンギオテンシン免疫応答が生じる ことを確認した。 免疫化されたラットを、外因性AIに対する昇圧応答の阻害に関して試験した。物質および方法 アンギオテンシン免疫治療ワクチンの調製 この調査で使用したアンギオテンシン類似体は以下のとおりである。 AI類似体は、N-アセチル-システイン-グリシン-アンギオテンシンIである。 AII類似体は、N-アセチル-システイン-グリシン-アンギオ テンシンIIである。 Symphony peptide synthesizer(Anachem)を使用して、AIおよびAII類似体を調 製した。 適当な二価リンカーを使用して、複合担体タンパク質、破傷風トキソイド(TT )(Chiron Behring,GmbH)、テンガイ・ヘモシアニン(KLH)(Biosyn,GmbH)お よび非毒性組換えジフテリア毒素(DT)(Chiron Behring,GmbH)を、好適な二価 のリンカーを用いて活性化した。「活性化」担体タンパク質は、サイズ排他式ク ロマトグラフイによって、過剰の架橋試薬から分離した。 以下の複合体を作製した。 過剰のAIおよび/またはAIIの類似体を活性化担体タンパク質と混合し、反応 させ、その後、AI/AII-担体タンパク質複合体をサイズ排他式クロマトグラフィ により、残存する遊離の類似体から分離した。 その複合体を0.2μmフィルタ(Millipore)を通す濾過によって滅菌し、アジ ュバントおよび生理食塩水ビヒクルを用いて処方し、投与に適したワクチンを得 た。 Alhydrogel(R)(Superfos S.A.)は、この試験に関して選択された水酸化ア ルミニウムゲルアジュバントであり、また、0.9%生理食塩水(Flowfusor(R)、F resenius)はワクチンビヒクルであった。 表2に、各処置群に投与される複合体処方を示す。その複合体は、DEAE(ジエ チルアミノエチル)−デキストランアジュバントで処方されたF群の複合体以外 、水酸化アルミニウムアジュバントで処方された。免疫化およびAI抗原投与 表2中の特定の日に、雄Sprague Dawleyラット(当初200 〜250g;Harlan Olac、すべての群においてn=6)を、食塩水または免疫治療ワ クチン(0.5ml、sc.)で注射した。 61日目に、ナトリウムメトヘキシトン麻酔(40〜60mg kg-1ii.p.,必要に応じ て補充)下で、遠位腹大動脈(腹側尾動脈を介して)および右頚静脈にカテーテ ルを移植した。翌日、意識のあるラットにAI(3〜60pmolラット-1)の濃縮剤(0 .1ml)静脈投与量を増加させながら与える一方で、平均値全身性動脈血圧および 心拍数を記録した。実験の最後に、動物にペントバルビトンナトリウム(100mg )静脈投与し、血液試料をElISAによる抗アンギオテンシン抗体の測定のために 、心臓穿刺により得た。 アンギオテンシン類似体抗体のELISA ELISAプレートウェル(Anachem)を、担体としてのウシ血清アルブミン(BSA )に複合化させたAIまたはAIIのいずれか10μgペプチド当量で、コーティング した。 コーティングされたウェルを、PBS(0.2% w/v)/Tween(Sigma)で洗浄し、3 %マーヴェルでブロック化し、それらの各ウェル中でワクチン接種ラットからの 希釈した血清をインキュベートした。その血清を2,500〜20,000倍の範囲にわた って、PBS(Sigma)で希釈した。 固定化された抗体を、ラビット抗ラットIgG/セイヨウワサビ(horseradish) ペルオキシダーゼ複合体を用いてウェル中で検出し、H2O2(Sigma)と3,3'-5,5'- テトラ-メチルベンジジンを用いて明らかにした。その反応は、22℃で15分後に 、10%(v/v)H2SO4(Sigma)の添加によって停止した。 生成された色をPackardのプレート・リーダを使用して、450nmでの吸光度によ り決定した。得られた吸光度読取り値を統計パッケージ(SAS Institute 1997) により分析し、抗体価を決定した。AI 抗原投与に関する血圧変化の統計的分析 直前の前抗原投与値以上の平均血圧および心拍数の最大変化 を、各動物および各抗原投与量について計算した。処置された群と免疫化されて いないコントロールとの差異を、Dunnett試験を用いてANOVAにより評価した。投与量応答分析 免疫化の主たる効果は、AI抗原投与に対して動物の血圧投与量応答における平 行シフトが生じることであった。このシフトの大きさを見積るために、ロジステ ィック・モデルを導き、投与量応答に適合させた。 上式において、dはAIの投与量であり、BPmaxは血圧の最大変化であり、αは形 状パラメータであり、また、ED50は半減最大応答を与えるAIの投与量である。個 々のED50見積りを各動物について得た。処置群と免疫化されていないコントロー ルとの有意差は、Dunnett多重比較試験法を用いて対数変換したED50値のANOVAに より算定した。結果 表3は結果のうちのいくつかを要約しており、活性免疫化が、AIに対する昇圧 投与量応答で有意なシフトを生じるとともに、抗体価を著しく増加することを示 している。 血圧に関する明らかな効果がこれらの処置で実証され、その最大投与量シフト (8.9xコントロール)は、水酸化アルミニウムアジュバント上の破傷風トキソイ ドおよびAI類似体を含む複合体を用いて確認される。 さらに、表3は抗アンギオテンシン抗体価と応答との関係をも説明している。 一般に、処置誘導抗体価と平均処置誘導投与量シフトの間には、広範囲の一致が あるが、群CおよびJ間に目立った投与量応答がないのは明らかである。 図2および図3は、コントロールラット(群A)、および5μg(低投与量、群 C)および25μg(高投与量、群J)のペプチド当量投与量で、AIOHゲルアジュバ ントで提供された、破傷風トキソイドおよびAI類似体の複合体で免疫化したラッ トに関する結果を図示している。 図2は、コントロールラット(群A)、および5μg(低投与量、群C)または 25μg(高投与量、群J)の投与量にてAI類似体で免疫化したラットにおけるAI の昇圧作用を示すグラフである。y軸はBP(mmHg)のピーク変化を表し、x軸はコン トロール、高投与量群J(25μg)および低投与量群C(5μg)動物におけるアンギ オテンシンI投与量(pmol/ラット)を示す。エラー・バーは、集団標準偏差(n =6)内にプールされたものに基づいて平均の95%信頼区間を示すが、 それはコントロール群のみに示す。 図3は、群A(コントロール)および群C(5μg投与量)からの代表動物でのA I(3、18および60pmol濃縮剤投与量)に対する応答における平均血圧変化の記録 を示す。結論 水酸化アルミニウムアジュバント上の破傷風トキソイドおよびAI類似体を含む 複合体を用いた処置は、外因性AIに対する昇圧応答を非常に有意に低下させた。 中央値AI濃縮剤(pmol.rat-1)は、コントロール(群A)ラットおよび免疫化さ れた(群B〜L)ラットにおいて、平均値血圧での半減最大の増加(ED50)および 対応する抗アンギオテンシン抗体価を達成する。有意性確率はDunnett法により 多重比較について調整した(*=p<0.05、**=p<0.01、***=p<0.001) 。実施例5 :実施例3において産生された抗体の特性決定 実施例3において産生された抗体は、下記のアフィニティ・クロマトグラフィ ーにより濃縮した。物質 1mLのHiTrapタンパク質Gアフィニティ・カラム(Pharmacia Biotech、17-040 4-03) 洗浄緩衝液(WB)=PBS pH7.2 溶出緩衝液(EB)=0.1Mグリシン(HCL)pH2.7 中和緩衝液(NB)=1Mトリス(HCL)pH9 貯蔵緩衝液(SB)=20%エタノール(v/v) 1.TT-NAc-CG-アンギオテンシンI(5mL)、アンギオテンシンI-GC-TT(7mL)、TT-N AC-CG-アンギオテンシンII(6mL)またはアンギオテンシンII-GC-TT(5mL)のそれ ぞれで接種した後、末端血からのラット血清を、遠心分離によって清澄化し、1 μmのPTFEディスク・フィルタを通してろ過し、次 いで、pH7.2のPBSに対して透析した。その後、それぞれを別々に以下のように濃 縮した。 2.HiTrapカラムをWB 5mLで洗浄し、平衡化した。 3.調製した血清(1.)をHiTrapカラムに1回通過させ、排出物を収集して-20 ℃で保存した。 4.HiTrapカラムをWB 5mLで洗浄し、残余の血清を除去した。 5.固定化された抗体EB 10mLで溶出した。その溶出液を各1ml画分に収集し、NB の0.1mLで直ちに中和した。 6.実験の最後に、HiTrapカラムをSBで洗浄し、4℃で保存した。 ELISAアッセイは、以下のようにコーティングされたプレートを用いて、実施 例3の記述に従って実施した。 1)アンギオテンシンIおよびアンギオテンシンIIについて物質 Nunc Maxisorp ELISAプレート(Life Technologies、 430341 A)。 ヒトアンギオテンシンI(Bachem、H-1680) ヒトアンギオテンシンII(Bachem、H-1705) 0.1M炭酸塩緩衝液、pH9.8(0.1L当たり、Na2CO3で0.316gおよびNaHCO3でO.584g ) 使用した他の材料は、上述の実施例3で記載したELISA法と同様であった。 1.測定される特異的結合の事象に依存して、アンギオテンシンIまたはアンギ オテンシンIIのいずれか100μL(0.1M炭酸塩緩衝液pH9.8の0.2mg/ml)をELISA プレート・ウェルの適当数に添加し、22℃で1時間インキュベートした。 2.上述の実施例3に記載したELISA法に従って、ELISAプレートをPBS/Tweenで 洗浄し、Marvelでブロックし、再度PBS/Tweenで洗浄した。 3.破傷風トキソイド(TT)複合体TT-NAc-CG-Ang I、Ang I-GC-TT、TT-NAc-CG- Ang IIおよびAng II-GC-TTに調達した血清から濃縮した抗体を、pH7.2のPBS、2. 5μg/mlで、コーティングされたウェル中でインキュベートした(1時間、22℃ )。 その後、吸光度を450nmで読み取る以外は実施例3に記述した方法によりELISA を完了した。 2) アンギオテンシノーゲンについて 天然アンギオテンシノーゲン(Sigma、A-2562)の検出のためのELISAは、実施例 3の方法により実施した。 破傷風トキソイド(TT)複合体、TT-NAc-CG-Ang I、Ang I-GC-TT、TT-NAc-CG- Ang IIおよびAng II-GC-TTに調達した血清からの濃縮抗体を、pH7.2のPBS、0.5 μg/mlでインキュベートした(22℃で1時間)。 その結果を図4、図5および図6に示し、各図は、アンギオテンシンI(図4 )、アンギオテンシンII(図5)およびアンギオテンシノーゲン(図6)でコー ティングされたELISAプレートで読み取れた吸光度を示し、抗体が、アンギオテ ンシンI、アンギオテンシンII、アンギオテンシノーゲンに認識されるTT、すな わち、TT-NAc-CG-Ang I、Ang I-GC-TT、TT-NAc-CG-Ang IIおよびAng II-GC-TTに 結合させたそれぞれのアンギオテンシン誘導体に調達されたことを示している。実施例6 :さらなるアンギオテンシン誘導体の生成および免疫化調査 以下のアンギオテンシン誘導体ペプチド1〜6を実施例1の方法に従って合成 した。 これらのペプチドを実施例2に記述したような破傷風トキソイドに結合させ、 実施例3に記述された手順を用いて免疫化調査用に処方した。 抗体価を実施例4に記述したELISA技術を用いて、免疫原に使用されるペプチ ドに対して測定した。 その結果を図7および図8に示し、これは、抗体価をさまざまな試料日で、0. 1OD単位の変化を示すように設計されたSASTM(Statistics Analysis System)を 生じる希釈倍率としてy軸に示すグラフである。示された各測定点は、各2通り ずつアッセイされた、5匹の異なる動物からの5つの血清試料の平均値を表す。 すべてのペプチドが、抗アンギオテンシンI応答を生じるのに有効であること が示された。その応答は、程度と持続時間において多様であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 9/00 C07K 7/14 9/12 14/575 43/00 116 C12N 1/15 C07K 7/14 1/19 14/575 1/21 C12N 1/15 15/00 ZNAA 1/19 5/00 A 1/21 A61K 37/02 5/10 37/24 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U Z,VN,YU,ZW (72)発明者 ラシュトン,アーサー 英国 チェシャー エスケー9 2ビーイ ー,ウィルムスロー,オーバーヒル ロー ド 14,’フォー ゲーブルス’ (72)発明者 モルガン,フィリップ,ジョン 英国 チェシャー シーダブル12 3アー ルピー,コングレトン,テムズ クロス 28 (72)発明者 ヤング,ステファン,クリントン 英国 チェシャー エスケー4 4エルデ ィー,ストックポート,ヒートン ムーア ー,クランボーヌ ロード 8

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ペプチド担体結合部分に結合した少なくとも1つのアンギオテンシン・ペプ チドを含むアンギオテンシン誘導体。 2.アンギオテンシン部分が、アンギオテンシンI、アンギオテンシンII、ある いはアンギオテンシンIまたはアンギオテンシンIIの機能的等価物からなる請求 項1に記載のアンギオテンシン誘導体。 3.担体結合部分が反応性側鎖を有するアミノ酸残基を含んでいる請求項1また は2に記載のアンギオテンシン誘導体。 4.担体結合部分がアンギオテンシン・ペプチド成分のN末端またはC末端での ペプチド延長である前記請求項のいずれか一項に記載のアンギオテンシン誘導体 。 5.式I: (上式において、Aはアンギオテンシン・ペプチド成分を表し、 Xはアミノ酸を表し、 Yは、遊離の-SH基、-OH基、または-COOH基を持つ側鎖を有するアミノ酸を表し 、 Lは、1つまたは複数の部位で((A)-Xn)-基と結合可能な、 例えば10までの(A)Xn部分と結合可能な有機リンカーを表し、 nおよびrはそれぞれ0〜20であり、 mおよびsは、それぞれ≧1、例えば1〜10であり、好ましくは1、2、3または4 であり、 p、qおよびtはそれぞれ0または1であり、 ここで、m≧2の場合p=1、またはs≧2の場合q=1という条件で、Xはアンギオテ ンシン・ペプチド部分のN末端またはC末端に結合することができる)で表わさ れる請求項1記載のアンギオテンシン誘導体。 6.Aがアンギオテンシン・ペプチドである請求項5に記載のアンギオテンシン 誘導体。 7.Lがペプチド鎖である請求項5または6に記載のアンギオテンシン誘導体。 8.nおよびrがそれぞれ0〜10である請求項5から7のいずれか一項に記載のア ンギオテンシン誘導体。 9.mおよびsがそれぞれ≦8である請求項5から8のいずれか一項に記載のアン ギオテンシン誘導体。 10.Xが、側鎖を有さないかまたはヒドロカルビル側鎖(好ましくは、アルキ ル、C3-7のシクロアルキルまたはシクロアルケニル、C3-7のシクロアルキル−ま たはシクロアルケニル−アルキル、アルカリル、アラルキルまたはアルカリルア ルキル部分であって、各アルキル部分が飽和または不飽和であり、6個までの炭 素原子を含み、各アリール成分が好ましくはフェニル環である)、特に好ましく は、脂肪族側鎖を有するアミノ酸である請求項5から9のいずれか一項に記載の アンギオテンシン誘導体。 11.Xがグリシン、アラニン、β−アラニン、バリン、ロイシンまたはイソロ イシンである請求項5から10のいずれか一項に記載のアンギオテンシン誘導体 。 12. (上式において、A、X、L、nおよびrは上記に定義されたものであり、m≧2であ る)から選択される請求項5から11のいずれか一項に記載のアンギオテンシン 誘導体。(上式において、AはアンギオテンシンIまたはIIである)から選択された前記請 求項のいずれか一項に記載のアンギオテンシン誘導体。 14.アンギオテンシンI、アンギオテンシンIIおよび/またはアンギオテンシ ノーゲン分子との交差反応性免疫学的応答を誘導する前記請求項のいずれか一項 に記載のアンギオテンシン誘導体。 15.担体に結合された前記請求項のいずれか一項に記載のアンギオテンシン誘 導体。 16.前記担体がポリペプチドである請求項15に記載のアンギオテンシン誘導 体。 17.前記担体が、精製ツベルクリン・タンパク分画、破傷風トキソイド、ジフ テリア・トキソイド、テンガイ・ヘモシアニンまたはそれらの誘導体から選択さ れる請求項16に記載のアンギオテンシン誘導体。 18.請求項1から14のいずれか一項に記載のアンギオテンシン誘導体、また は請求項15から17のいずれか一項に記載の複合アンギオテンシン誘導体を、 薬学上許容される1つまたは複数の担体または賦形剤とともに含む薬剤組成物。 19.治療に利用するための請求項1から17のいずれか一項に記載のアンギオ テンシン誘導体。 20.レニン−アンギオテンシン系に関連した疾病を治療するのに使用するため の薬剤の製造における請求項1から17のいずれか一項に記載のアンギオテンシ ン誘導体の使用。 21.前記疾病が鬱血性心不全または高血圧症である請求項20に記載の使用。 22.血圧を調整するための請求項21に記載の使用。 23.請求項1から17のいずれか一項に記載のアンギオテン シン誘導体を投与することを含むレニン−アンギオテンシン系の活性化に関連し た病状を治療する方法。 24.請求項1から17のいずれか一項に記載のアンギオテンシン・ペプチド誘 導体をコードする核酸分子、およびそれと相補的な配列の核酸分子。 25.請求項24に記載の核酸分子を含む発現ベクター。 26.請求項25のベクターで形質転換した宿主生物。 27.請求項1から16のいずれか一項に記載のアンギオテンシン・ペプチド誘 導体をコードする核酸分子、またはアンギオテンシン・ペプチド誘導体をコード する核酸分子を含む発現ベクターを投与することを含む、レニン−アンギオテン シン系に関連した疾病を治療する方法。 28.担体と結合したときに、アンギオテンシンI、アンギオテンシンIIおよび /またはアンギオテンシノーゲンのエピトープを認識する、免疫された被験者に おける抗体を誘導できるポリペプチド免疫原。
JP50401199A 1997-06-24 1998-06-23 アンギオテンシン誘導体 Expired - Fee Related JP4850321B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GBGB9713361.5A GB9713361D0 (en) 1997-06-24 1997-06-24 Peptide derivatives
GB9713361.5 1998-04-23
GB9808696A GB9808696D0 (en) 1998-04-23 1998-04-23 Peptide derivatives
GB9808696.0 1998-04-23
PCT/GB1998/001833 WO1998058952A1 (en) 1997-06-24 1998-06-23 Angiotensin derivatives

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2002507886A true JP2002507886A (ja) 2002-03-12
JP2002507886A5 JP2002507886A5 (ja) 2005-12-22
JP4850321B2 JP4850321B2 (ja) 2012-01-11

Family

ID=26311786

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP50401199A Expired - Fee Related JP4850321B2 (ja) 1997-06-24 1998-06-23 アンギオテンシン誘導体

Country Status (13)

Country Link
US (1) US20090105150A1 (ja)
EP (2) EP1001978B1 (ja)
JP (1) JP4850321B2 (ja)
AR (1) AR014884A1 (ja)
AT (1) ATE292143T1 (ja)
AU (1) AU748903B2 (ja)
CA (1) CA2294996C (ja)
DE (1) DE69829567T2 (ja)
DK (1) DK1001978T3 (ja)
ES (1) ES2241147T3 (ja)
NZ (1) NZ501832A (ja)
PT (1) PT1001978E (ja)
WO (1) WO1998058952A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014503506A (ja) * 2010-11-23 2014-02-13 ランティオペップ・ベー・フェー 新規アンジオテンシン2型(at2)受容体作動薬及びその使用

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6902888B1 (en) 1999-05-21 2005-06-07 Myriad Genetics, Inc. Diabetes gene
AU5016200A (en) * 1999-05-21 2000-12-12 Myriad Genetics, Inc. Diabetes gene
US7115266B2 (en) * 2001-10-05 2006-10-03 Cytos Biotechnology Ag Angiotensin peptide-carrier conjugates and uses thereof
AU2002362696B2 (en) * 2001-10-05 2008-05-29 Cytos Biotechnology Ag Angiotensin peptide-carrier conjugates and uses thereof
MXPA04002644A (es) 2001-10-05 2004-07-08 Cytos Biotechnology Ag Conjugados que portan un peptido de angiotensina y usos de los mismos.
CN114957400B (zh) * 2022-06-10 2024-02-23 郑州伊美诺生物技术有限公司 人工修饰的血管紧张素ii及血管紧张素ⅱ酶标记物

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4384995A (en) * 1980-01-16 1983-05-24 The Ohio State University Antigenic modification of polypeptides
US4388995A (en) * 1981-06-08 1983-06-21 Ahn Min H Collapsible container
US4945050A (en) 1984-11-13 1990-07-31 Cornell Research Foundation, Inc. Method for transporting substances into living cells and tissues and apparatus therefor
CA1304886C (en) * 1986-07-10 1992-07-07 Heinz Dobeli Metal chelate resins
US5229490A (en) * 1987-05-06 1993-07-20 The Rockefeller University Multiple antigen peptide system
FR2664386B1 (fr) * 1990-07-05 1992-10-23 Sanofi Sa Trousse pour le dosage specifique de l'angiotensine ii.
US5171662A (en) * 1990-09-13 1992-12-15 The Upjohn Company Method of detecting HIV protease activity
DE69226197T2 (de) * 1991-11-08 1999-02-11 Somatogen Inc Hämoglobine als arzneimittelabgabesystem

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014503506A (ja) * 2010-11-23 2014-02-13 ランティオペップ・ベー・フェー 新規アンジオテンシン2型(at2)受容体作動薬及びその使用
JP2016074675A (ja) * 2010-11-23 2016-05-12 ランティオペップ・ベー・フェー 新規アンジオテンシン2型(at2)受容体作動薬及びその使用

Also Published As

Publication number Publication date
EP1001978A1 (en) 2000-05-24
US20090105150A1 (en) 2009-04-23
DE69829567T2 (de) 2006-02-16
DE69829567D1 (de) 2005-05-04
CA2294996A1 (en) 1998-12-30
AU748903B2 (en) 2002-06-13
JP4850321B2 (ja) 2012-01-11
WO1998058952A1 (en) 1998-12-30
ATE292143T1 (de) 2005-04-15
ES2241147T3 (es) 2005-10-16
AU8120398A (en) 1999-01-04
CA2294996C (en) 2009-12-15
EP1001978B1 (en) 2005-03-30
EP1486505A1 (en) 2004-12-15
AR014884A1 (es) 2001-04-11
NZ501832A (en) 2002-12-20
DK1001978T3 (da) 2005-08-01
PT1001978E (pt) 2005-08-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI355390B (en) Immunogenic peptide carrier conjugates and methods
TWI379839B (en) Aβ immunogenic peptide carrier conjugates and methods of producing same
AU741037B2 (en) Methods for treatment of diabetes using peptide analogues of insulin
US20090105150A1 (en) Angiotensin derivatives
JPH09510975A (ja) アレルギー治療用合成ペプチドベース免疫原
US20080026995A1 (en) Therapeutic vaccine targeted against p-glycoprotein 170 for inhibiting multidrug resistance in the treatment of cancers
JP2004516811A (ja) 短い荷電ペプチド鎖によってn及び/又はc末端が修飾されたペプチド
JPH09501186A (ja) コレステリルエステル運搬蛋白質阻害ペプチドおよびこれを含む動脈硬化症のための予防および治療剤
US20060110400A1 (en) Immunogenic conjugates
JP4199421B2 (ja) デキストラン−レプチン結合体、医薬組成物および関連方法
JPH10511088A (ja) 免疫調節活性を有するペプチド
JPH10501003A (ja) 免疫調節作用を有する新規ペプチド
US7378489B1 (en) Angiotensin derivatives
RU2377249C2 (ru) Биологически активные производные пептида vapeehptllteaplnpk
JP5960064B2 (ja) ヒトプロガストリンペプチドに対する免疫原性組成物
US5945104A (en) Peptides for anti-allergy treatment
US20040202673A1 (en) Constructs of branched synthetic peptide immunogens with artificial T helper cell epitopes coupled to B cell epitopes
JP2001503745A (ja) レトロウィルスを阻害するためのペプチド
WO1989010735A1 (en) Probursin
AU1804002A (en) Methods for treatment of diabetes using peptide analogues of insulin

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050617

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050617

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070807

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20071026

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20071203

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080318

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080619

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20080926

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20090629

RD13 Notification of appointment of power of sub attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7433

Effective date: 20110411

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20110411

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110817

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20110817

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111019

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141028

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees