JP2002507148A - アスコルビン酸の電気化学的回収方法 - Google Patents

アスコルビン酸の電気化学的回収方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、廃棄物塩流を同時に発生させることなく、電気化学セルの高い導電性を維持することによって、バッチ式と連続式の両プロセスにおいて塩からアスコルビン酸への化学量論的転化を生じながら、アスコルビン酸塩からアスコルビン酸を回収するための電気化学的方法に関する。1実施態様では、アスコルビン酸塩を含むフィード流を電界の影響下で解離させて、水分解電気透析にさらす。アスコルビン酸イオンをプロトンと結合させ、塩カチオンをヒドロキシルイオンと結合させて、それぞれ、アスコルビン酸と塩基とを形成する。フィード流はさらに無機塩を含み、この無機塩はセルの高い導電性を維持し、バッチ式と連続式の両プロセスにおいてアスコルビン酸塩からアスコルビン酸への化学量論的転化を容易にし、微細な粉末としてのアスコルビン酸の析出と結晶化とを促進する。該方法に有用な電気化学セルは、少なくとも1つのカチオン膜と組み合わせた、少なくとも1つのカチオン膜と、少なくとも1つの両極性膜の組み合わせを有する配置を包含する。

Description

【発明の詳細な説明】 アスコルビン酸の電気化学的回収方法 関連出願へのクロスリファレンス 本出願は、1997年6月30日出願の米国暫定出願第60/051199号 の恩典を請求する。 技術分野 本発明は、アスコルビン酸の製造に関し、さらに詳しくは、廃棄物塩流の形成 を回避し、改良された導電性を与え、アスコルビン酸塩からアスコルビン酸へ連 続プロセスで転化させながら、アスコルビン酸塩からアスコルビン酸を生成する ための電気化学的方法に関する。 発明の背景 植物と大抵の高等動物においてはD−グルコースからビタミンCが合成される 。しかし、ヒトはビタミンCの合成を妨害する遺伝的欠陥を有する。これに関し て、ヒトはかれらの日常の食事で又は補充によって必要なビタミンCを消費しな ければならない。ビタミンCの認識された必要性と重要性のために、Reich steinプロセスを含めた、数種類のビタミンC合成方法が現在用いられてい る。Reichsteinプロセスの出発物質はグルコースであり、これが数工 程で2−ケト−L−グロン酸(KLG)に転化される。KLGはメタノールと酸 とによってエステル化されると、KLGメチルエステルを形成し、これが次にナ トリウムメトキシドによって処理されるとアスコルビン酸ナトリウムを生成する 。次に、アスコルビン酸ナトリウムを硫酸又は塩酸によって酸性化すると、アス コルビン酸生成物と、等モル量の好ましくない廃棄物塩とが得られる。 廃棄物塩流を形成する、アスコルビン酸塩溶液中への酸導入の必要性を回避す るために、米国特許第5,702,579号は、両極性膜と単極性膜とを用いる 電気透析によってアスコルビン酸塩をプロトン化する方法を開示している。この 特許公報では、電気化学セル中へ導入されるフィード流はアスコルビン酸塩溶液 に限定される。フィード流をアスコルビン酸塩溶液のみに限定することによって 、 電気化学セルの導電性は絶えず減少する。このようなものとして、定常的な電流 操作中のセル電圧は絶えず上昇して、低下した導電性を補償することによって、 アスコルビン酸塩をアスコルビン酸に転化さることの総合的費用を高める。さら に、アスコルビン酸塩からアスコルビン酸への連続転化は効果的に達成されない 、この理由は溶液中の増加した量のアスコルビン酸塩の存在がアスコルビン酸の 溶解性を高めて、それによってアスコルビン酸を溶液から沈澱し難くして、連続 的な規模での微粉状結晶を形成し難くするからである。 したがって、廃棄物塩流を生じることなくアスコルビン酸塩をアスコルビン酸 に転化させ、フィード溶液の改良された導電性を与えることによって高い電圧必 要量を減少させ、バッチ式と連続式の両方においてアスコルビン酸塩からアスコ ルビン酸への化学量論的転化で作用する、簡単な電気化学的方法が必要とされる 。 発明の概要 廃棄物塩流を同時発生させることなく、セルの高い導電性を維持して、それに よって、高い電圧必要量を減少させ、バッチ式と連続式の両方においてアスコル ビン酸塩からアスコルビン酸への化学量論的転化を生じる、アスコルビン酸ナト リウム又は他のアスコルビン酸塩からアスコルビン酸を回収するための新規な電 気化学的方法を提供することが、本発明の主要な目的である。さらに、本発明は 、プロセスを水溶液中で実施した場合にはアスコルビン酸塩のカチオンの例えば 水酸化物、炭酸塩若しくは炭酸水素塩のような、又は両極性膜を用いてメタノー ル中で実施する場合には該カチオンのメトキシド塩のような、有用な副生成物を 生じる。炭酸水素塩又はメトキシドの共生成物をアスコルビン酸合成の早期に用 いて、アスコルビン酸塩を形成するKLGメチルエステルのラクトン化を実施す ることができる。共生成物として水酸化物が製造される場合には、この水酸化物 を企業内(in-house)中和のために用いるか又は外部に販売することができる。 この目的は、アスコルビン酸と、例えば苛性ソーダ又は炭酸水素塩のような塩 基とを製造するための電気化学的方法であって、下記工程: (a)陽極液区画の陽極と、陰極液区画の陰極と、陽極液区画と陰極液区画と の間に配置され、陽極液区画と陰極液区画とから第1及び第2カチオン交換膜に よって分離された中央区画とを含む電気化学セルを用意する工程と; (b)アスコルビン酸塩と無機塩とを含むフィード溶液を中央区画中に導入す る工程と; (c)酸を含む陽極液を陽極液区画中に導入する工程と; (d)塩基を含む陰極液を陰極液区画中に導入する工程と; (e)アスコルビン酸塩をアスコルビン酸イオンと塩カチオンとに転化させて 、陽極ではプロトンを形成し、陰極ではヒドロキシルイオンを形成するために充 分な電圧を陽極と陰極とを横切って印加する工程であって、該プロトンが第1カ チオン交換膜を通って中央区画に移動して、アスコルビン酸イオンと結合して、 アスコルビン酸を形成し、塩カチオンが第2カチオン交換膜を通って陰極液区画 に移動して、ヒドロキシルイオンと結合して、共生成物塩基を形成する前記工程 とを含む前記電気化学的方法によって主として達成される。 本発明の他の実施態様は、アスコルビン酸と有用な共生成物塩基とを製造する ための電気化学的方法であって、下記工程: (a)陽極、該陽極は陽極液流によってすすぎ洗いされる、陰極、該陰極は陰 極液流によってすすぎ洗いされる、及び該陽極と該陰極との間に配置された電気 透析セルスタックを含み、該電気透析セルが少なくとも1個のフィード区画と、 少なくとも1個の塩基区画と、フィード区画と塩基区画との間に配置された交互 の両極***換膜とカチオン交換膜とを含む電気化学セルを用意する工程と; (b)アスコルビン酸塩と無機塩とを含むフィード溶液をフィード区画中に導 入する工程と; (c)塩基を含む塩基性電解質を塩基区画中に導入する工程と; (d)アスコルビン酸塩をアスコルビン酸イオンと塩カチオンとに転化させて 、両極性膜においてプロトンとヒドロキシルイオンとを形成するために充分な電 圧を陽極と陰極とを横切って印加する工程であって、該プロトンがフィード区画 に移動し、ヒドロキシルイオンが塩基区画に移動する前記工程と を含む前記電気化学的方法を包含する。フィード区画中のプロトンはアスコルビ ン酸イオンと結合して、アスコルビン酸と脱離(displaced)塩カチオンとを形成 する。脱離塩カチオンはカチオン交換膜を通って塩基区画中に移動して、ヒドロ キシルイオンと結合して、共生成物塩基を形成する。有用な共生成物塩基は、例 え ば水酸化ナトリウムのような、塩基区画中に導入される塩基と同じ塩基であるこ とができる。 ガス拡散陽極を有する二区画電気化学セルにおいてアスコルビン酸と有用な共 生成物塩基とを製造する方法であって、下記工程: (a)陽極液区画内のガス拡散陽極と、陰極液区画内の陰極と、陽極液区画と 陰極液区画との間に配置されたカチオン交換膜とを含む電気化学セルを用意する 工程と; (b)アスコルビン酸塩と無機塩とを含む陽極液を陽極液区画中に導入する工 程と; (c)陰極液を陰極液区画中に導入する工程と; (d)水素ガス供給源をガス拡散陽極中に導入する工程と; (e)アスコルビン酸塩をアスコルビン酸イオンと塩カチオンとに転化させて 、陽極ではプロトンを形成し、陰極ではヒドロキシルイオンを形成するために充 分な電圧を陽極と陰極とを横切って印加する工程であって、該プロトンが陽極液 区画においてアスコルビン酸イオンと結合して、アスコルビン酸と脱離塩カチオ ンとを形成する前記工程と を含む前記方法を提供することが、本発明のさらに他の目的である。脱離塩カチ オンはカチオン交換膜を通って陰極液区画中に移動して、ヒドロキシルイオンと 結合して有用な共生成物塩基を形成する。 これらの実施態様において、アスコルビン酸はアスコルビン酸塩から、好まし くない廃棄物塩流を同時発生させることなく、製造される。これらの方法は連続 式で操作されることができ、アスコルビン酸の濃度がフィード溶液中のその溶解 度を超えると、電気化学セルから分離した結晶化装置内で析出する。したがって 、アスコルビン酸の製造と精製とが1工程で達成される。水、メタノール及び任 意の短鎖アルコールから成る群から選択された極性溶媒中に溶解した任意の金属 アスコルビン酸塩をフィード電解質として用いることができる。メタノール系を 用いる場合には、アスコルビン酸塩は僅かに溶解性であるに過ぎないが、アスコ ルビン酸生成物はより安定である。 フィード電解質溶液の導電性を改良し、したがってセル電圧を減ずるために、 フィード電解質溶液流に無機塩を加える。セルの導電性を改良する任意の無機塩 を用いることができ、このような無機塩は非限定的にアルカリ金属の硫酸塩、硫 酸水素塩、塩化物、リン酸塩及びこれらの混合物を包含する。好ましくは、硫酸 ナトリウムが本発明に用いられる。 或いは、安定なカチオン交換樹脂をフィード溶液に加えて、導電性を増強する ことができる。 フィード区画におけるアスコルビン酸の形成と同時に、両極性膜において有用 なプロセスを行うことが、本発明のさらに他の目的である。両極性膜における水 の解離からの水酸化物の形成は、例えば水酸化ナトリウム又は炭酸水素ナトリウ ム又は炭酸ナトリウムのような、有用な共生成物の形成を可能にする。メタノー ルが使用溶媒である場合には、両極性膜においてメトキシドが形成され、溶液中 にナトリウムメトキシドを形成することができる。炭酸水素塩又は炭酸塩が望ま しい陰極液共生成物である場合には、ガス状二酸化炭素を、形成されるアルカリ (caustic)と反応させて、アルカリ金属カチオンの炭酸水素塩又は炭酸塩を形成 するために充分な速度で、陰極液区画に導入する。 図面と実施例の下記セクションによって、アスコルビン酸ナトリウムからアス コルビン酸を電気化学的に形成するためのこれらの新規な方法をさらに説明する 。 図面の簡単な説明 図1:三区画電気化学セルにおいてアスコルビン酸ナトリウムからアスコルビ ン酸を製造するためのセットアップの線図。 図2:アスコルビン酸の両極性膜セル製造のためのセットアップの線図。 図3:アスコルビン酸と水酸化ナトリウムとを水性製造するための図2に示し た両極性膜電気透析スタックの拡大線図。 図4:メタノール中でアスコルビン酸とナトリウムメトキシドとを製造するた めの両極性膜の使用。 図5:アスコルビン酸とナトリウムメトキシドとを製造するための二区画ガス 拡散陽極セル。 好ましい実施態様の説明 図1は三区画電気化学セルにおいてアスコルビン酸ナトリウムからアスコルビ ン酸を製造するためのセットアップの線図である。三区画セルの要素は陽極液区 画3中の陽極2と、陰極液区画5中の陰極4と、陽極液区画3と陰極液区画5と の間の中央区画7とを包含する。陽極2は電解条件に対して安定でなければなら ず、炭素と、Pt、Pd、Ir、Au、Ru等の貴金属若しくは合金と、Ti若 しくはTaを含めたバルブ金属上に付着した貴金属若しくは合金を包含すること ができる。陰極4は安定でなければならず、炭素、貴金属と合金、ニッケル及び 鋼を包含することができる。 フィード溜め13からのフィード電解質溶液は中央区画7に導入される。フィ ード溶液はアスコルビン酸塩を含む。当該技術分野で周知の非常に多様な種類の アスコルビン酸塩を用いることができる。有用なアスコルビン酸塩の代表的な例 は、例えばナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩、アンモニウム塩 を包含し、アスコルビン酸ナトリウムが好ましい。フィード電解質は任意の適当 な極性溶媒中に溶解することができる。有用な溶媒は、非限定的に、水、メタノ ール、短鎖アルコール、又はこれらの混合物を包含する。連続式プロセス中に用 いるための本発明のフィード電解質溶液は、塩分解電解中に消耗されるアスコル ビン酸塩量を補充するために充分な量のアスコルビン酸塩を含有する。バッチ式 プロセスでは、フィード溶液中のアスコルビン酸塩濃度は、プロセスに用いられ る極性溶媒、温度及びカチオンに依存する。一般に、選択される溶媒が水である 場合には、アスコルビン酸塩の濃度は溶液の約30〜70重量%である。メタノ ールが選択された溶媒である場合には、アスコルビン酸塩の濃度は通常、溶液の 1重量%未満である。 フィード電解質溶液は、溶液の導電性を改良するために充分な量の無機塩をも 含有する。このような塩の例はアルカリ金属の硫酸塩、硫酸水素塩、塩化物及び リン酸塩を包含し、硫酸ナトリウムが好ましい。無機塩は、溶液の導電性を改良 することによって、系のセル電圧必要量を減じて、高いアスコルビン酸塩転化率 を容易にもする。無機塩の存在なしには、アスコルビン酸塩からアスコルビン酸 への転化は溶液中のフリーカチオンの濃度によって限定される。例えば硫酸ナト リウムのような、存在する無機塩によって、多量に過剰なフリーカチオンが系に 加えられてフィード流の導電性を改良するので、この限定は除去される。この添 加はアスコルビン酸塩からアスコルビン酸への本質的に100%の転化率におい ても高い電流密度が用いられることを可能にする。 溶液中のアスコルビン酸ナトリウムがアスコルビン酸へ可溶化効果を及ぼして 目的生成物の結晶化度を低下させることが判明している。それ故、溶液の導電性 を維持するために付加的なアスコルビン酸塩を加える必要性なしにプロセスを実 施することの他の利点は、連続結晶化プロセスでのアスコルビン酸の高い回収率 である。さらに、結晶化したアスコルビン酸生成物はアスコルビン酸ナトリウム によって汚染されないので、アスコルビン酸生成物が微粉状結晶として得られる 。 さらに、フィード溶液の改良された導電性の結果として、セル電圧の必要性は 低下し、総合的な電力消費量と系のコストとは一般に減少する。その結果、プロ セスを電流効率の低下なしに高い電流密度で実施することができる。 アスコルビン酸の形成のために必要なプロトン量よりも多量な量で系に加えら れた任意に過剰なプロトンは硫酸イオンと反応して、カチオン交換膜を横切らな い硫酸水素ナトリウムを形成する。また、任意の余分な硫酸水素ナトリウムはプ ロトンを移送して、アスコルビン酸を形成することができる。 NaHSO4+NaAsA→AsA+Na2SO4 (1) 如何なる特定の作用理論によっても縛られるのを望むわけではないが、NaH SO4/Na2SO4対は溶液pHを緩衝するようにも作用するので、アスコルビ ン酸ナトリウムからアスコルビン酸への完全な転化が電流効率を低下させないと 考えられる。その結果、高い電流効率が維持される。さらに、NaHSO4/N a2SO4対は電流キャリヤーとして作用するので、アスコルビン酸ナトリウムか らアスコルビン酸への完全な転化によってセル電圧は上昇しない。 フィード流に硫酸ナトリウムを加えることの他の利点は、アスコルビン酸を連 続的に結晶化させながら、塩分解プロセスを連続操作することが可能になること である。アスコルビン酸ナトリウムをフィード溶液に連続的に加えることができ るが、これは直ちに硫酸水素ナトリウムと反応してアスコルビン酸を形成するの で、溶液中には決して存在しない。このようなものとして、硫酸水素ナトリウム は仲介体として作用する。 最後に、本発明では無機塩の使用によって、セルはアスコルビン酸塩からアス コルビン酸への化学量論的転化で操作されるので、残留アスコルビン酸塩を除去 するためのイオン交換は不要である。 或いは、増強した導電性を与えるために安定なカチオン交換樹脂をフィード電 解質溶液に加えることができる。 通常は、陽極液区画3中に導入される陽極液溶液は電気化学的に不活性な無機 酸である。有用な代表的な例は、例えばH2SO4又はH3PO4のような無機酸を 包含する、陽極反応は酸素とプロトンとを生じる水の酸化である(式2)。 2H2O→O2+4H++4e- (2) 三区画セル実施態様における陰極液溶液は、開始の時点において加えられる塩 基を含むことができる。有用な代表的な塩基は、例えば水酸化ナトリウム、水酸 化カリウム、炭酸ナトリウム又は炭酸水素ナトリウムのような、アスコルビン酸 塩のアルカリ金属の水酸化物又は炭酸塩/炭酸水素塩を包含する。この方法は陰 極において有用な生成物、即ち、例えばヒドロキシルイオンとアスコルビン酸塩 からのカチオンとからの塩基を生成するので、セルの操作中、付加的な新しい塩 基の導入は通常不必要である。陰極反応は式3による水の還元からの水素とヒド ロキシルイオンとの生成である。 2H2O+2e-→H2+2OH- (3) 炭酸塩/炭酸水素塩が好ましい生成物である場合には、ガス状二酸化炭素を陰 極液区画5中に形成されるアルカリと反応させて、アルカリ金属カチオンの炭酸 水素塩又は炭酸塩を生成するために充分な速度でバブルさせることができる。ア スコルビン酸塩の先駆体を製造するために発酵方法を用いる場合には、発酵プロ セスからの二酸化炭素をこれに便利に用いることができる。 中央区画7は陽極液区画3及び陰極液区画5から第1カチオン交換膜9及び第 2カチオン交換膜11によって分離される。これらのカチオン交換膜は安定でな ければならず、スルホン酸基を含有する強酸性樹脂とカルボン酸基を含有する弱 酸性樹脂とから選択される。カチオン交換膜は例えばDuPontのNafio ne(登録商標)のような過フッ素化膜又は非過フッ素化型を包含することがで きる。第1カチオン交換膜9は陽極液区画3からのプロトンが中央区画7に入っ て、アスコルビン酸塩と反応して、アスコルビン酸を形成するのを可能にする。 このプロトンは、アスコルビン酸が弱酸であるので、アスコルビン酸によって結 合されるため、プロトンが第2カチオン交換膜11を通って失われて、陰極液区 画5に達することはない。その代り、アスコルビン酸塩を形成していた金属カチ オンが第2カチオン交換膜11を横切って陰極液区画5に移動する。 好ましい実施態様では、系の温度は約20〜50℃であるべきである。アスコ ルビン酸生成物を取り出すためのインライン結晶化装置17によって、系は連続 的に操作されることができる。結晶化装置17は、低温において難溶性であるア スコルビン酸生成物が結晶化装置17中で析出するように、電気分解回路よりも 操作可能であることが好ましい。消耗されたフィード電解質溶液は、次に、アス コルビン酸によって再飽和されるために中央区画7に戻る。電気分解によってア スコルビン酸に転化されたアスコルビン酸ナトリウムに代わるために充分な量で 、結晶化装置17後にフィード溜め13においてアスコルビン酸ナトリウムをフ ィード流に加えることができる。 さらに、セルの高い導電性を維持するために必要である場合には、付加的な無 機塩をフィード溜めに加えることができる。このやり方では、一貫して高い電流 密度でのアスコルビン酸塩からアスコルビン酸への化学量論的転化によって連続 プロセスを操作することができる。 三区画セルにおいてアスコルビン酸を形成するためのアスコルビン酸ナトリウ ムの塩分解は10〜1000mA cm-2の範囲の電流密度において、より好ま しくは50〜300mA cm-2において行うことができる。溶液の温度範囲は 約5〜80℃、より好ましくは20〜50℃であるべきである。これより高い温 度は、生成物が分解されるため、避けるべきである。このプロセスは連続的にも バッチ式でも操作することができる。 図2と3はアスコルビン酸の両極性膜セル製造の線図を示す。この電気透析セ ルスタックの要素は陽極液によってすすぎ洗いされる陽極20と、陰極液によっ てすすぎ洗いされる陰極22と、少なくとも1つのフィード区画30(図3に示 す)を有する電気透析セルスタック23と、陽極20と陰極22との間に配置さ れた少なくとも1つの塩基区画32(図3に示す)とを含む。陽極20は電気分 解条件に安定でなければならず、炭素と、Pt、Pd、Ir、Au、Ru等の貴 金属若しくは合金と、Ti若しくはTaを含めたバルブ金属上に付着した貴金属 若しくは合金を包含することができる。陰極22は安定でなければならず、炭素 、貴金属と合金、ニッケル及び鋼を包含することができる。電極をすすぎ洗いす るために用いられる陽極液と陰極液とは、典型的に、水酸化ナトリウムと硫酸を 含めた、強塩基又は酸の溶液である。 フィード溜め26からのフィード電解質溶液はフィード区画30(図3に示す) に導入される。フィード電解質はアスコルビン酸塩を含む。当該技術分野で周知 の非常に多様な種類のアスコルビン酸塩を用いることができる。有用なアスコル ビン酸塩の代表的な例は、図1の考察で述べたものであり、例えばナトリウム塩 、カリウム塩のようなアルカリ金属塩、アンモニウム塩を包含し、アスコルビン 酸ナトリウムが好ましい。フィード電解質は任意の適当な極性溶媒中に溶解する ことができる。有用な溶媒は、非限定的に、水、メタノール、短鎖アルコール、 又はこれらの混合物を包含する。連続式プロセス中に用いるための本発明のフィ ード電解質溶液は、プロセス中にアスコルビン酸に転化されるアスコルビン酸塩 量を補充するために充分な量のアスコルビン酸塩を含有する。バッチ式プロセス では、フィード溶液中のアスコルビン酸塩濃度は、プロセスに用いられる極性溶 媒、温度及びカチオンに依存する。一般に、選択される溶媒が水である場合には 、アスコルビン酸塩の濃度は溶液の約30〜70重量%である。メタノールが選 択された溶媒である場合には、アスコルビン酸塩の濃度は通常、溶液の1重量% 未満である。 フィード電解質溶液は、溶液の導電性を改良するために充分な量の無機塩をも 含有する。適当な無機塩の例とそれらの利点とは両極性膜セルに適用可能であり 、図1の上記考察に関連して述べられている。上述したように、無機塩はアスコ ルビン酸塩以外のフィード源から付加的なカチオンを導入することによって、溶 液の導電性を改良する。溶液中のアスコルビン酸塩はアスコルビン酸に転化され るものに限定されるので、アスコルビン酸の最終生成物はアスコルビン酸塩汚染 を有さず、このことは微粉状結晶の形成を容易にする。さらに、限定された量の アスコルビン酸塩を含有するフィード溶液が連続的規模でアスコルビン酸結晶を 生成することが判明している。このプロセスは、無機塩がアスコルビン酸塩量を ア スコルビン酸に連続的に転化されるアスコルビン酸塩量に限定しながら溶液に充 分な導電性を与えるので、連続的にかつ効果的に操作されることができる。 開始時点で加えられる塩基は塩基区画27に導入される。有用な代表的な塩基は 、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム又は炭酸水素ナト リウムのような、アスコルビン酸塩のアルカリ金属の水酸化物又は炭酸塩/炭酸 水素塩を包含する。この方法は陰極において有用な生成物、即ち、例えばヒドロ キシルイオンとアスコルビン酸塩からのカチオンとからの塩基を生成するので、 セルの操作中、付加的な新しい塩基の導入は通常不必要である。塩基は任意の極 性溶媒に溶解することができる。有用な極性溶媒は、非限定的に、水、メタノー ル、短鎖アルコール又はこれらの混合物である。 電気透析セルスタック23はさらに、フィード区画30と塩基区画32(図3 に示す)とを分離する、少なくとも1つの交互の両極***換膜34(図3に示す )とカチオン交換膜36(図3に示す)とを含む。 両極性膜34(図3に示す)は、カチオン交換に結合した、アニオン交換層か ら成る。両極性膜の好ましい典型的な例は、アニオン交換層が第4級アミンを含 む樹脂を含有し、カチオン交換層がスルホン酸基を含む樹脂を含有している、徳 山曹達(日本)によって提供されるNeosepta(登録商標)BP−1ブラ ンドである。この膜は水を解離して、低電位においてヒドロキシルイオンとプロ トンとを形成する。電界の影響下で、プロトンは陰極22方向に移動して、フィ ード流中に入り、そこで金属カチオンに取って代わって、アスコルビン酸イオン と結合してアスコルビン酸を形成する。次に、金属カチオンはカチオン交換膜3 6(図3に示す)方向に移動して、塩基区画32(図3に示す)に入り、そこで 両極性膜34(図3に示す)において形成されたヒドロキシルイオンと結合して 、アルカリを生成する。三区画形態におけると同様に、カチオン交換膜は過フッ 素化されていても、過フッ素化されていなくてもよい。これらの二区画ユニット の多くを、外端部に1対の電極を有する慣用的な電気透析セルにおいて一緒にス タックする(stack)ことができる。 アルカリではなく炭酸塩/炭酸水素塩が好ましい生成物である場合には、二酸 化炭素を塩基区画32(図3に示す)中にバブルさせると、この塩基区画におい て二酸化炭素はヒドロキシルイオンと反応して、炭酸塩又は炭酸水素塩を形成す る。発酵方法を用いてアスコルビン酸塩の先駆体を製造する場合には、発酵プロ セスからの二酸化炭素をこれに便利に用いることができる。 両極性膜セルプロセスは、水溶液又はメタノール溶液のいずれによって操作す るとしても、上述したように、固体アスコルビン酸生成物の取り出しのためにイ ンライン結晶化装置を用いて連続的に操作することができる。 両極性膜セルスタックは約1〜350mA cm-2、より好ましくは10〜1 50mA cm-2の電流密度において操作することができる。これより高い電流 密度は、膜の耐用寿命(lifetime)が短くなるため避けるべきである。ユニットセ ルの電位低下は好ましくは4voltを超えるべきではなく、温度範囲は5〜6 0℃、より好ましくは20〜50℃であるべきである。これより高い温度は両極 性膜を損傷する可能性がある。このプロセスは連続的にもバッチ式でも操作する ことができる。 図4はメタノール中でアスコルビン酸とナトリウムメトキシドとを製造するた めの両極性膜の使用を示す。両極性膜において解離されてメトキシルイオンとプ ロトンとを形成するメタノール中で少なくとも1つの両極性膜40を操作するこ とができる。したがって、系全体が非水性であることができる。両極性膜40に おいて形成されたプロトンは陰極42方向に移動して、フィード流に入り、そこ で金属カチオンに取って代わってアスコルビン酸イオンと結合して、アスコルビ ン酸を形成する。次に、金属カチオンはカチオン交換膜41を横切って移動して 、塩基区画45に入り、そこで両極性膜において形成されたメトキシルイオンと 結合して、ナトリウムメトキシドを生成する。ナトリウム若しくはカリウムを含 めた任意の金属のアスコルビン酸塩、又はアンモニウム塩から成る群から選択さ れたフィード電解質をフィード区画47に導入して、メタノール中に溶解させる 。また、アスコルビン酸ナトリウムがメタノール中で低溶解性であるために、メ タノール系のフィード溶液に無機塩が加えられる。系の導電性を改良するために 、ナトリウム又は他の金属の溶解性フィード源がカチオン交換膜41を横切って 移動することが必要である。適当な無機塩の例とそれらの利点は図1の三区画セ ルの上記考察に関連して説明されている。メタノール中でアスコルビン酸とナト リ ウムメトキシドとを製造するために、好ましい無機塩は次亜リン酸ナトリウムで ある。 図5は、アスコルビン酸とナトリウムメトキシドとを製造するための二区画ガ ス拡散陽極セルの代表的な図である。これは上記で考察した三区画セルの代替手 段である。二区画セルの要素は陽極液区画54中の陽極50と、陰極液区画56 中の陰極52とを包含する。 ガス拡散陽極50は、アスコルビン酸塩又はアスコルビン酸が酸化されないよ うな電位において作動する水素減極陽極(hydrogen depolarized anode)である。 水素ガスをガス拡散陽極に供給する、陽極反応はプロトンを形成する水素の酸化 である。 H2→2H++2e- (4) 二区画セルの陰極においては水の電気化学的還元(式3)から水素の好都合な 供給源が得られる。ガス拡散陽極50は、水素ガスが供給される乾燥側と、湿潤 側又は陽極液側とを有する多孔質電極構造である。ガス拡散陽極は、一般にTe flon(登録商標)のような非導電性疎水性ポリマーと混合された炭素から成 る耐食性導電性ベースサポートから構成される。ガス拡散陽極は水素の電気化学 的解離を容易にするための電気的触媒(elactrocatalyst)をも含有する。このよ うな触媒は、水素の電気化学的解離を触媒するそれらの能力のために燃料電池の 分野で知られた、白金族金属の高分散性金属(highly dispersed metal)若しくは 合金又は他の物質から構成されることができる。水素減極陽極(hydrogen depola rized anode)は、電解質浸透及び汚染の減少を助成するために湿潤側に多孔質ポ リマー層を有することもできる。このような多孔質ポリマー層は例えばTefl one(登録商標)、PVCのような非イオン性物質、又はポリスチレンスルホン 酸若しくはペルフルオロスルホン酸から形成されるような、他のイオン型ポリマ ーから構成することができる。 陰極52は安定でなければならず、炭素、貴金属と合金、ニッケル及び鋼を包 含することができる。 陽極液区画54は陰極液区画56から、カチオン交換膜58によって分離され る。カチオン交樟膜は安定でなければならず、スルホン酸基を含有する強酸性樹 脂又はカルボン酸基を含有する弱酸性樹脂を含むことができる。カチオン交換膜 は例えばDuPontのNafion(登録商標)のような過フッ素化膜又は非 過フッ素化型を包含することができる。陽極液区画54中で形成されたプロトン はアスコルビン酸塩と反応して、アスコルビン酸を形成する。金属のアスコルビ ン酸塩から脱離した塩カチオンはカチオン交換膜58を横切って陰極液区画56 中に移動する。 陽極液溶液は陽極液区画54中に導入される。陽極液溶液はアスコルビン酸塩 を含む。当該技術分野において周知の非常に多様な種類のアスコルビン酸塩を用 いることができる。有用なアスコルビン酸塩の代表的な例は、例えばナトリウム 塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩、アンモニウム塩を包含し、アスコルビ ン酸ナトリウムが好ましい。アスコルビン酸塩は任意の適当な極性溶媒中に溶解 することができる。有用な溶媒は、非限定的に、水、メタノール、短鎖アルコー ル又はこれらの混合物を包含する。連続式プロセス中に用いるための本発明の陽 極液溶液は、プロセス中にアスコルビン酸に転化されるアスコルビン酸塩量に取 って代わるために充分な量のアスコルビン酸塩を含有する。バッチ式プロセスで は、フィード溶液中のアスコルビン酸塩の濃度は極性溶媒、温度及びカチオンに 依存する。一般に、選択される溶媒が水である場合には、アスコルビン酸塩の濃 度は溶液の約30〜70重量%である。メタノールが選択された溶媒である場合 には、アスコルビン酸塩は通常溶液の1重量%未満である。 陽極液溶液は溶液の導電性を改良し、プロセスの連続ランを容易にするために 充分な量の無機塩をも含有する。適当な無機塩の例とそれらの利点とは二区画セ ルに適用可能であり、図1の三区画セルの上記考察に関連して既に述べられてい る。 二区画セル実施態様における陰極液溶液は、開始時点において加えられる塩基 を含むことができる。有用な代表的な塩基は、例えば水酸化ナトリウム、水酸化 カリウム、ナトリウムメトキシド、炭酸ナトリウム又は炭酸水素ナトリウムのよ うな、アスコルビン酸塩のアルカリ金属の水酸化物、又は炭酸塩/炭酸水素塩を 包含する。この方法は陰極において有用な生成物、即ち、例えばヒドロキシルイ オンと、アスコルビン酸塩からのカチオンとから塩基を生成するので、セルの操 作中 の付加的な新しい塩基の導入は通常不必要である。 炭酸塩/炭酸水素塩が好ましい生成物である場合には、ガス状二酸化炭素を陰 極液区画56中に、形成されるアルカリと反応して、アルカリ金属カチオンの炭 酸水素塩又は炭酸塩を製造するために充分な速度でバブルさせることができる。 この実施態様では、系の温度は約5〜80℃、好ましくは20〜50℃である べきである。これより高い温度はアスコルビン酸生成物を分解させる可能性があ る。アスコルビン酸生成物を取り出すためのインライン結晶化装置によって、系 を連続的に操作することができる。低温では難溶性であるアスコルビン酸生成物 が結晶化装置において析出するように、結晶化装置が電気分解回路よりも低い温 度で操作可能であることが好ましい。次に、消耗された陽極液溶液はアスコルビ ン酸による再飽和のために陽極液区画54に戻る。電気分解によってアスコルビ ン酸に転化される量を補充するために充分な量で、アスコルビン酸塩と無機塩と を陽極液流に加えることができる。このやり方で、連続プロセスを操作すること ができる。 二区画セルにおいてアスコルビン酸を形成するためのアスコルビン酸塩の塩分 解は10〜1000mA cm-2、より好ましくは50〜300mA cm-2の 電流密度で行うことができる。溶液の温度範囲は約5〜80℃、好ましくは20 〜50℃であるべきである。これより高い温度は生成物を分解させるために避け るべきである。このプロセスは連続式にもバッチ式にも操作されることができる 。 下記特定の実施例から、本発明はより明確に認識され、より良好に理解される であろう。 実施例1 三区画セルにおけるアスコルビン酸と水酸化ナトリウムとの製造 100cm2の面積を有する三区画MPセル(ElectroCell AB 、スウェーデン)において結晶質アスコルビン酸を製造した。セル要素は、DS A−O2陽極(ElectroCell AB)、平面的ニッケルプレート陰極及 びNafion(登録商標)350カチオン交換膜であった。電気化学セルと付 随するセットアップとを図1に示す。初期陰極液は2モルのアルカリの溶液であ り、 陽極液は3モルの硫酸であった。陰極液の濃度を約2モルに維持するために陰極 液に水を加えた。 初期フィード電解質溶液は、水に溶解した2モルのアスコルビン酸と1モルの 硫酸ナトリウムとから構成された。実験を200mA cm-2の一定の電流密度 と50℃の温度において操作し、固体のアスコルビン酸ナトリウムをフィード溜 めに、塩分解電気分解によって消耗される量を補充するために充分な速度で加え た。フィード電解質をアスコルビン酸ナトリウムの添加によって1.0〜2.0 のpHに維持した。このpHにおいて、アスコルビン酸塩の大部分はアスコルビ ン酸として存在する。 フィード溶液のスリップ流は、ジャケットを通して冷水(5℃)が循環して、 結晶化装置内のフィード溶液を約20℃に冷却するジャケット付きガラス溜めか ら成る結晶化装置を通過した。アスコルビン酸濃度がフィード中で増強するので 、アスコルビン酸結晶は結晶化装置中で析出し始めた。フィード溶液は約1.8 モルアスコルビン酸の定常状態濃度に達した。 実験を約5.5時間操作した。実験の終了時に、結晶を結晶化装置から取り出 して、濾過して、フィード溶液を除去した。次に、結晶を真空オーブン中で乾燥 させた。686gの乾燥生成物が回収された。生成物は白色粉末であり、これは 96.6%純度であると分析され、1.3%の硫酸塩を含有した。良好な結晶化 /濾過/洗浄方法及び/又は再結晶によって改良された純度を得ることができた 。実施のための電流効率は83%であり、セルを横切るセル電圧は8.5〜9. 0Voltであった。 実施例2 三区画セルにおけるアスコルビン酸と炭酸水素カリウムとの製造 実施例1に述べた同じ要素と実験セットアップとを用いて、三区画MPセルに おける溶液中でアスコルビン酸と炭酸水素カリウムとを製造した。初期陰極液は 1モル炭酸水素塩の溶液であり、陽極液は3モル硫酸塩であった。初期フィード 電解質溶液は、1.5モルのアスコルビン酸と0.5モルの硫酸カリウムとの溶 液から構成された。実験を200mA cm-2の一定の電流密度と50℃の温度 において操作した。固体の水酸化カリウムをフィード溜めに、塩分解電気分解に よ って形成されるアスコルビン酸を中和して、フィード電解質pHを1.5〜2. 0に維持するために充分な速度で加えた。このpHにおいて、アスコルビン酸塩 の大部分はアスコルビン酸として存在する。 実験はバッチリサイクル式で約2.5時間操作した。陰極液区画内の炭酸水素 塩濃度は3.5モルに上昇したが、フィード溜め中のアスコルビン酸濃度はKO Hの添加のために変化しなかった。このランのため電流効率は95%であり、M Pセルを横切る電圧低下は8.5〜9.0Voltであった。 実施例3 両極性膜セルにおけるアスコルビン酸と水酸化ナトリウムとの水溶液の製造 アスコルビン酸と水酸化ナトリウムとを両極性膜電解セルスタックにおいて製 造した。実験セットアップを図2に示す。図3はスタック自体の図であり、イオ ンの移動を示す。セル要素は、Electrosynthesis Co.の電 極面積100cm2を有するED−1−BPセルスタックと、白金化チタン陽極 及び陰極と、Neosepta(登録商標)BP−1ブランドの両極性膜と、N eosepta(登録商標)CM−2ブランドのカチオン交換膜とであった。3 対の膜を用いた。初期陰極液は1モルのアルカリの溶液であり、陽極液は1モル の硫酸であった。初期塩基は1.5モルの水酸化ナトリウムの溶液から構成され た。初期フィード溶液は水に溶解した0.5モルのアスコルビン酸と1モルの硫 酸ナトリウムとの溶液から構成された。実験を100mA cm-2の一定の電流 密度と40℃の温度において操作し、固体のアスコルビン酸ナトリウムをフィー ド溜めに、塩分解電気分解によって消耗される量を補充するために充分な速度で 加えた。フィード電解質はアスコルビン酸ナトリウムの添加によって1.5〜2 .0のpHに維持された。このpHおいて、アスコルビン酸塩の大部分はアスコ ルビン酸として存在する。 実験はバッチリサイクル式で約1時間操作した。塩基区画内のアルカリ濃度と フィード区画内のアスコルビン酸濃度とは、85%の電流密度において、それぞ れ約2.3モルと2.0モルとに上昇された。膜対当りの電圧低下は約2Vol tであった。 実施例4 両極性膜セルにおけるメタノール中のアスコルビン酸と ナトリウムメトキシドとの溶液の製造 図4はメタノール中でナトリウムメトキシドとアスコルビン酸とを製造するた めに用いるためのセルスタックの図を示す。セル要素は、電極面積10cm2を 有するElectroCell AB MicroCellセルスタックと、白 金化チタン陰極と、Neosepta(登録商標)BP−1の両極性膜と、Ne osepta(登録商標)CM−2のカチオン交換膜とであった。2つの両極性 膜と1つのカチオン交換膜とを用いた。初期陰極液と陽極液とは0.5モルの硫 酸を含有するメタノールであった。初期塩基は0.3モルのナトリウムメトキシ ドの溶液から構成され、初期フィードはメタノールに溶解した次亜リン酸ナトリ ウムの0.6モル溶液と、スラリーとして存在する0.075モルのアスコルビ ン酸ナトリウムとから構成された。実験を20mA cm-2の一定の電流密度と 35〜40℃の温度において操作した。 実験はバッチリサイクル式で約10時間操作した。塩基区画内のメトキシド濃 度とフィード区画内のアスコルビン酸濃度とは、77%の電流密度において、そ れぞれ約0.72モルと0.40モルとに上昇された。アスコルビン酸ナトリウ ムの74%は溶解性アスコルビン酸に転化した。膜対当りの電圧低下は約15〜 20Voltであった。 実施例5 二区画ガス拡散陽極セルにおけるアスコルビン酸と水酸化ナトリウムとの製造 面積100m2を有し、ガス拡散陽極を取り付けられた二区画MPセル(El ectroCell AB、スウェーデン)においてアスコルビン酸と水酸化ナ トリウムとを製造する。セル要素は、ガス拡散陽極(例えば、E−Tek Co rp.、Boston、Massによって製造されたガス拡散陽極)と、平面的 ニッケルプレート電極と、Nafion(登録商標)350カチオン交換膜とで ある。電気化学セルと付属するセットアップとは図5に示す。初期陰極液は2モ ルのアルカリの溶液であり、陽極液は水に溶解した2モルのアスコルビン酸と1 モルの硫酸ナトリウムとを含む溶液である。ガス拡散陽極の乾燥側に水素ガスを 供給する。 実験を200mA cm-2の一定の電流密度と50℃の温度において操作し、 固体のアスコルビン酸ナトリウムを陽極液溜めに、塩分解電気分解によって消耗 される量を補充するために充分な速度で加える。ガス拡散陽極において形成され るプロトンがアスコルビン酸イオンと結合して、アスコルビン酸を形成し、遊離 したナトリウムイオンはカチオン交換膜を横切って移動して、陰極において形成 される水酸化物と結合して、アルカリを製造する。アスコルビン酸ナトリウムの 添加によって、陽極液pHは1.0〜2.0に維持される。このpHおいて、ア スコルビン酸塩の大部分はアスコルビン酸として存在する。 実施例6 必要セル電圧の低下と、結晶化を通してのアスコルビン酸の回収の増加とを包 含する、塩分解プロセスに硫酸ナトリウムを用いることの利点を示すために試験 を行った。全てのランに関して、フィード流にアスコルビン酸ナトリウムを定期 的に添加することによって、フィードpHを大体一定に維持した。硫酸ナトリウ ムが存在するランに関しては、系に遊離のアスコルビン酸ナトリウムが殆ど又は 全く存在しないように、フィードのpHを約1.5に維持した。硫酸ナトリウム が存在しないランに関しては、アスコルビン酸ナトリウムの約90%がアスコル ビン酸に転化するように、系を約pH2において操作した。存在する硫酸ナトリ ウムを有するランがセル電圧の大きな低下を示し、しかもアスコルビン酸ナトリ ウムからアスコルビン酸への転化のために同じ電流効率を示した点で、結果は意 外であった。表1では、三区画電気化学セルにおいて必要な電圧が硫酸ナトリウ ムの添加なしに要したセル電圧の1/2未満に意外に減少したことを結果は示し た。両極性膜セルでは、膜対を横切る必要な電圧は大きく低下した。 フィード流中へ硫酸ナトリウムを添加することによって、系に導入されるアス コルビン酸ナトリウム量を、アスコルビン酸に連続的に転化されるレベルに維持 することができる。アスコルビン酸ナトリウムのレベルを、直ちに反応してアス コルビン酸を形成する量以下である、限定された量に維持することによって、ア スコルビン酸が溶液から析出する可能性が増大する。表2の結果は、溶液中のア スコルビン酸塩の存在が溶液中のアスコルビン酸の溶解度を高めて、その結果ア スコルビン酸の総合結晶化収率を減少させることを示す。さらに、アスコルビン 酸がアスコルビン酸塩の存在下で析出するときに、アスコルビン酸が固まりを形 成して、ガラスに付着する。フィード流中に無機塩を用いることによって、アス コルビン酸塩の本質的に総てがアスコルビン酸に転化し、アスコルビン酸は固ま りを形成せずに微細な粉末として析出する。 アスコルビン酸のみの沈澱は50℃から25℃への冷却後数分間を要したが、 アスコルビン酸ナトリウム量が増加するにつれて、沈澱時間は数時間にまで増加 した。表2に示すように、フィード溶液中のアスコルビン酸ナトリウム量が増加 する場合には、溶液中でより多くのアスコルビン酸が可溶化されることによって 、生成物の連続的な結晶化が妨害される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,V N,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.アスコルビン酸と、共生成物の塩基とを製造するための方法であって、 (a)陽極液区画の陽極と、陰極液区画の陰極と、陽極液区画と陰極液区画と の間に配置され、陽極液区画と陰極液区画とから第1及び第2カチオン交換膜に よって分離された中央区画とを含む電気化学セルを用意する工程と; (b)アスコルビン酸塩と無機塩とを含むフィード溶液を中央区画中に導入す る工程と; (c)酸を含む陽極液を陽極液区画中に導入する工程と; (d)塩基を含む陰極液を陰極液区画中に導入する工程と; (e)アスコルビン酸塩をアスコルビン酸イオンと塩カチオンとに転化させて 、陽極ではプロトンを形成し、陰極ではヒドロキシルイオンを形成するために充 分な電圧を陽極と陰極とを横切って印加する工程であって、該プロトンが第1カ チオン交換膜を通って中央区画に移動して、アスコルビン酸イオンと結合して、 アスコルビン酸を形成し、塩カチオンが第2カチオン交換膜を通って陰極液区画 に移動して、ヒドロキシルイオンと結合して、共生成物塩基を形成する前記工程 とを含む工程を特徴とする前記方法。 2.アスコルビン酸塩がアスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウ ム、アスコルビン酸リチウム及びアスコルビン酸アンモニウムから成る群から選 択されるメンバーであることを特徴とする、請求項1記載の方法。 3.無機塩がアルカリ金属硫酸塩、アルカリ金属塩化物、アルカリ金属リン 酸塩、及びアルカリ金属硫酸水素塩から成る群から選択されるメンバーであるこ とを特徴とする、請求項1記載の方法。 4.フィード電解質が中央区画中に連続的に導入されることを特徴とする、 請求項1記載の方法。 5.アスコルビン酸が中央区画から連続的に回収されて、連続的に結晶化さ れることを特徴とする、請求項4記載の方法。 6.無機塩が硫酸ナトリウムであることを特徴とする、請求項1記載の方法 。 7.共生成物塩基がアルカリ金属水酸化物であることを特徴とする、請求項 1記載の方法。 8.共生成物塩基をガス状二酸化炭素によってさらに処理して、アルカリ金 属炭酸水素塩とアルカリ金属炭酸塩とから成る群から選択されるメンバーを形成 することを特徴とする、請求項7記載の方法。 9.アスコルビン酸と共生成物塩基とを製造するための方法であって、 (a)陽極、該陽極は陽極液流によってすすぎ洗いされる、陰極、該陰極は陰 極液流によってすすぎ洗いされる、及び該陽極と該陰極との間に配置された電気 透析セルスタックを含み、該電気透析セルが少なくとも1個のフィード区画と、 少なくとも1個の塩基区画と、フィード区画と塩基区画との間に配置された交互 の両極***換膜とカチオン交換膜とを含む電気化学セルを用意する工程と; (b)アスコルビン酸塩と無機塩とを含むフィード電解質溶液をフィード区画 中に導入する工程と; (c)塩基を含む塩基性電解質を塩基区画中に導入する工程と; (d)アスコルビン酸塩をアスコルビン酸イオンと塩カチオンとに転化させて 、両極性膜においてプロトンとヒドロキシルイオンとを形成するために充分な電 圧を、陽極と陰極とを横切って印加する工程であって、該プロトンがフィード区 画に移動して、アスコルビン酸イオンと結合してアスコルビン酸を形成し、塩カ チオンがカチオン交換膜を通って塩基区画に移動して、塩基区画内のヒドロキシ ルイオンと結合することによって共生成物塩基を形成する前記工程と を含む工程を特徴とする前記方法。 10.アスコルビン酸塩がアスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリ ウム、アスコルビン酸リチウム及びアスコルビン酸アンモニウムから成る群から 選択されるメンバーであることを特徴とする、請求項9記載の方法。 11.無機塩がアルカリ金属硫酸塩、アルカリ金属塩化物、アルカリ金属リ ン酸塩、及びアルカリ金属硫酸水素塩から成る群から選択されるメンバーである ことを特徴とする、請求項9記載の方法。 12.無機塩が硫酸ナトリウムであることを特徴とする、請求項9記載の方 法。 13.共生成物が水酸化ナトリウムであることを特徴とする、請求項9記載 の方法。 14.フィード電解質が中央区画中に連続的に導入されることを特徴とする 、請求項9記載の方法。 15.アスコルビン酸が中央区画から連続的に回収されて、連続的に結晶化 されることを特徴とする、請求項14記載の方法。 16.アスコルビン酸と共生成物メトキシド塩とを製造する方法であって、 (a)陽極、該陽極は陽極液流によってすすぎ洗いされる、陰極、該陰極は陰 極液流によってすすぎ洗いされる、及び該陽極と該陰極との間に配置された電気 透析セルスタックを含み、該電気透析セルが少なくとも1個のフィード区画と、 少なくとも1個の塩基区画と、フィード区画と塩基区画との間に配置された交互 の両極***換膜とカチオン交換膜とを含む電気化学セルを用意する工程と; (b)アスコルビン酸塩と無機塩とを含むフィード溶液をフィード区画中に導 入する工程と; (c)塩基を含む塩基性電解質を塩基区画中に導入する工程と; (d)アスコルビン酸塩をアスコルビン酸イオンと塩カチオンとに転化させて 、両極性膜においてプロトンとメトキシルイオンとを形成するために充分な電圧 を陽極と陰極とを横切って印加する工程であって、該プロトンがフィード区画に 移動して、アスコルビン酸イオンと結合してアスコルビン酸を形成し、塩カチオ ンがカチオン交換膜を通って塩基区画に移動して、塩基区画内のメトキシルイオ ンと結合することによって共生成物メトキシド塩を形成する前記工程と を含む工程を特徴とする前記方法。 17.アスコルビン酸塩がアスコルビン酸ナトリウムであることを特徴とす る、請求項16記載の方法。 18.共生成物塩基がナトリウムメトキシドであることを特徴とする、請求 項16記載の方法。 19.フィード電解質が中央区画中に連続的に導入されることを特徴とする 、請求項16記載の方法。 20.アスコルビン酸が中央区画から連続的に回収されて、連続的に結晶化 されることを特徴とする、請求項19記載の方法。 21.ガス拡散陽極を有する二区画電気化学セルにおいてアスコルビン酸と 共生成物塩基とを製造する方法であって、 (a)陽極液区画内のガス拡散陽極と、陰極液区画内の陰極と、陽極液区画と 陰極液区画との間に配置されたカチオン交換膜とを含む電気化学セルを用意する 工程と; (b)アスコルビン酸塩と無機塩とを含む陽極液を陽極液区画中に導入する工 程と; (c)陰極液を陰極液区画中に導入する工程と; (d)水素ガス供給源をガス拡散陽極中に導入する工程と; (e)アスコルビン酸塩をアスコルビン酸イオンと塩カチオンとに転化させて 、陽極ではプロトンを形成し、陰極ではヒドロキシルイオンを形成するために充 分な電圧を陽極と陰極とを横切って印加する工程であって、該プロトンが陽極液 区画においてアスコルビン酸イオンと結合してアスコルビン酸を形成し、該塩カ チオンがカチオン交換膜を通って陰極液区画中に移動して、ヒドロキシルイオン と結合することによって共生成物塩基を形成する前記工程と を含む工程を特徴とする前記方法。 22.フィード電解質が中央区画中に連続的に導入されることを特徴とする 、請求項21記載の方法。 23.アスコルビン酸が中央区画から連続的に回収されて、連続的に結晶化 されることを特徴とする、請求項22記載の方法。
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