JP2002506351A - インスリン受容体チロシンキナーゼ基質 - Google Patents

インスリン受容体チロシンキナーゼ基質

Info

Publication number
JP2002506351A
JP2002506351A JP50491599A JP50491599A JP2002506351A JP 2002506351 A JP2002506351 A JP 2002506351A JP 50491599 A JP50491599 A JP 50491599A JP 50491599 A JP50491599 A JP 50491599A JP 2002506351 A JP2002506351 A JP 2002506351A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
irs
sequence
polynucleotide
amino acid
purified
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP50491599A
Other languages
English (en)
Inventor
ヒルマン、ジェニファー・エル
ラル、プリーティ
シャー、パルビ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Incyte Corp
Original Assignee
Incyte Pharmaceuticals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Incyte Pharmaceuticals Inc filed Critical Incyte Pharmaceuticals Inc
Publication of JP2002506351A publication Critical patent/JP2002506351A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/46Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates
    • C07K14/47Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • A61P3/08Drugs for disorders of the metabolism for glucose homeostasis
    • A61P3/10Drugs for disorders of the metabolism for glucose homeostasis for hyperglycaemia, e.g. antidiabetics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Pain & Pain Management (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Endocrinology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Emergency Medicine (AREA)
  • Obesity (AREA)
  • Rheumatology (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明はヒトインスリン受容体チロシンキナーゼ基質(IRS−p53h)及びIRS−p53hを同定かつコードするポリヌクレオチド配列を提供する。また本発明は発現ベクタ、宿主細胞、アゴニスト、抗体及びアンタゴニストも提供する。また本発明はIRS−p53hの発現に関連する疾患を治療するための方法も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 インスリン受容体チロシンキナーゼ基質 技術分野 本発明はヒトインスリン受容体チロシンキナーゼ基質の核酸配列及びアミノ酸 配列に関連し、癌、炎症及びインスリン反応に関連する疾患の診断、予防及び治 療におけるこれらの配列の使用法に関連する。 背景技術 インスリンは筋肉内のグルコース流入及び代謝を刺激することにより、また肝 臓内のグリコーゲン新生を抑制することにより血糖値を調節する。またインスリ ンは概ね全細胞において種々の酵素及び輸送系の発現或いは活性を調節する。イ ンスリン作用はインスリン受容体(IR)、プロテインチロシンキナーゼ(PT K)活性を通して媒介される。インスリン結合は、PTK活性を活性化する受容 体自己リン酸化を引き起こす。インスリンに対する細胞反応は、IRシグナル伝 達における第2のメッセンジャとして作用するサイトゾルポリペプチド基質のチ ロシンリン酸化を通して媒介される。一度リン酸化されれば、基質は種々のシグ ナル伝達タンパク質に結合し、それを活性化する。シグナル伝達タンパク質は、 ホスホチロシン含有ペプチドモチーフを結合するSrc−相同性−2(SH2) −ドメインを含む。 いくつかのIR−PTK基質が記載されている。最も広範に特徴付けられてい る基質は185kdalインスリン受容体基質−1(IRS−1)である。IR S−1は種々のインスリン反応性細胞及び組織において見い出される。それは内 因性酵素活性を示さないが、一度リン酸化されれば、ホスファチジルイノシトー ル(PI)3’−キナーゼ及びGR B−2、Ras経路の制御因子を含むSH2−含有シグナル伝達タンパク質に結 合し、それを活性化する(White,M.F.等(1994)J.Biol.Chem.269:1-4)。IRS −1遺伝子の突然変異はインスリンにより刺激されるシグナル伝達を損ない、正 常及び糖尿病性個体群におけるインスリン耐性に寄与するようになる(Almind, K.等(1996)J.Clin.Invest.97:2569-2575)。 IR−PTKの2つの60kdalタンパク質基質が記載されている。その1 つはRasのGTPase活性因子(GAPと呼ばれる)に関連し、もう1つは PI3’−キナーゼに関連する(Yeh,T.等(1996)J.Biol.Chem 271:2921-2928)。 分子量53及び58kdalを有するIR−PTKに対する2つのさらに別の基 質がげっ歯類において最近同定された。これらのタンパク質、p53及びp58 は密接に関連し、選択的mRNAスプライシング或いは示差的な翻訳後修飾から 生じるようになる。p53及びp58はGAP或いはPI3’−キナーゼには関 連せず、60kDa GAP−関連タンパク質及び60kDa PI3’−キナ ーゼ関連タンパク質とは免疫学的に異なる(Yeh等、上記)。 インスリン信号伝達経路におけるポスト受容体欠陥はタイプ2(非インスリン 依存性)糖尿病の共通の特徴である(Stoffel M.等(1993)Diabetologia 36:335- 337)。インスリン反応の障害に関連する他の疾患或いは状態は高血糖症、筋緊 張性筋ジストロフィ、黒色表皮腫、網膜症、神経障害、アテローム性冠状及び末 梢動脈疾患並びに末梢及び自立神経障害を含む。 新規のヒトインスリン受容体チロシンキナーゼ基質及びそれをコードするポリ ヌクレオチドの発見は、癌、炎症及びインスリン反応に関連する疾患の診断、予 防及び治療において有用な新規の組成物を提供することができ、当分野における 必要性を満足するものである。 発明の開示 本発明は配列番号:1に示されるアミノ酸配列有する実質的に精製されたポリ ペプチド、ヒトインスリン受容体チロシン基質(IRS−p53h)或いはその フラグメントを特徴とする。 さらに本発明は配列番号:1のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする 単離され、実質的に精製されたポリヌクレオチド配列或いはそのフラグメント及 びそのポリヌクレオチド配列を含む組成物を提供する。また本発明はアミノ酸配 列、配列番号:1をコードするポリヌクレオチド配列或いはそのポリヌクレオチ ド配列のフラグメントに厳密性条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド配 列を提供する。また本発明は配列番号:1のアミノ酸配列をコードするポリヌク レオチド配列の相補配列を含むポリヌクレオチド配列或いはそのポリヌクレオチ ド配列のフラグメント又は変異配列を提供する。 また本発明は配列番号:2を含む単離され、精製された配列或いはその変異配 列をを提供する。さらに本発明は配列番号:2のポリヌクレオチド配列に厳密性 条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド配列を提供する。別の態様では、 本発明は配列番号:2の相補配列を含む単離され、精製されたポリヌクレオチド 配列或いはそのフラグメント又は変異配列含む組成物を提供する。また本発明は 配列番号:2の相補配列を含むポリヌクレオチド配列も提供する。 さらに本発明は少なくとも任意の請求されたポリヌクレオチド配列のフラグメ ントを含む発現ベクタを提供する。さらに別の態様では、ポリヌクレオチド配列 を含む発現ベクタは宿主細胞内に含まれる。 また本発明は配列番号:1のアミノ酸配列含むポリペプチド或いはそのフラグ メントを生成するための方法を提供する。その方法はa)ポリ ペプチドの発現に適した条件下で、少なくともIRS−p53hをコードするポ リヌクレオチド配列のフラグメントを含む発現ベクタを含む宿主細胞を培養する 過程と、b)その宿主細胞培養株からポリペプチドを回収する過程とを有する。 また本発明は適当な医薬品担体と共に配列番号:1のアミノ酸配列を有する実 質的に精製されたIRS−p53hを含む医薬品組成物を提供する。 また本発明は配列番号:1のポリペプチドの作用を減少させる精製されたアン タゴニストを提供する。一態様では、本発明は少なくとも配列番号:1のアミノ 酸配列のフラグメントを含むポリペプチドに結合する精製された抗体を提供する 。 またさらに本発明は配列番号:1のポリペプチドの活性を調節する精製された アゴニストを提供する。 また本発明は精製されたIRS−p53hを含む医薬品組成物の有効量を治療 を要する被検者に投与する過程を含むインスリン反応に関連する疾患を治療或い は予防するための方法を提供する。 また本発明はIRS−p53hに対するアンタゴニストの有効量を治療を要す る被検者に投与する過程を含む癌を治療或いは予防するための方法も提供する。 また本発明はIRS−p53hに対するアンタゴニストの有効量を治療を要す る被検者に投与する過程を含む炎症を治療或いは予防するための方法も提供する 。 また本発明は生検サンプルにおいてIRS−p53hをコードするポリヌクレ オチドを検出するための方法であって、a)生検サンプルの核酸材料にIRS− p53h(配列番号:1)に相補的なポリヌクレオチド配列をハイブリダイズし 、ハイブリダイゼーション複合体を形成する 過程と、b)そのハイブリダイゼーション複合体を検出する過程とを有し、その 複合体の存在が生検サンプルにおいてIRS−p53hをコードするポリヌクレ オチドの存在と相関をなすことを特徴とする方法を提供する。好適な実施例では 、ハイブリダイズする前に、生検サンプルの核酸材料はポリメラーゼ連鎖反応に より増幅される。 図面の簡単な説明 第1A図、第1B図、第1C図、第1D図、第1E図及び第1F図は、IRS −p53hのアミノ酸配列(配列番号:1)及び核酸配列(配列番号:2)を示 す。そのアライメントはMacDNASIS PROTM software(Hitachi Software Engineer ing Co.Ltd.San Bruno,CA)を用いて生成された。 第2A図、第2B図及び第2C図は、DNASTARTM software(DNASTAR Inc,Madi son WI)のマルチシーケンスアライメントプログラムを用いて生成された、IR S−p53h(配列番号:1)、ハムスターからのIRS p53(GI 12 03820、配列番号:3)との間のアミノ酸配列アライメントを示す。 発明を実施するための形態 本タンパク質、ヌクレオチド配列及び方法を記載する前に、本発明は記載され る特定の方法、プロトコル、細胞株、ベクタ並びに薬剤に限定されず、変更され る場合もあることを理解されたい。また本明細書で用いられる専門用語は、特定 の実施例を記載することのみを目的としており、本発明の範囲を制限することを 意図するわけではなく、本発明は添付の請求の範囲によってのみ限定されること を理解されたい。 本明細書で用いられるように、添付の請求の範囲では、単数形の冠詞 並びに「その(前記)」は、文脈において異なるように明確に規定されない限り 、複数の指示物を含むことに注意されたい。従って例えば、「ある宿主細胞」が 示すものは、複数のそのような宿主細胞を含んでおり、「その抗体」は当業者に は既知の1つ或いはそれ以上の抗体及びその等価物を示しており、他も同様であ る。 異なるように規定されなければ、本明細書で用いられる科学技術用語は、本発 明が属する分野の当業者に通常理解されているのと同じ意味である。本明細書で 記載される内容と類似或いは等価な任意の方法、装置並びに材料が本発明の検証 に際して用いられてもよいが、好適な方法、装置並びに材料は本明細書中に記載 される。本明細書に記載される全ての発行物は、本発明に関連して用いられる場 合がある発行物において報告される細胞株、ベクタ、方法論を記載及び開示する ために、参照して本明細書の一部としている。本明細書に記載される内容は、本 発明が、先行発明によるそのような開示に先行して権利を与えられないことを容 認するものと解釈されるべきではない。 定義 ここで用いるIRS−p53hは自然、合成、半合成或いは組換え体の何れか の任意のソースからの任意の種、特にウシ、ヒツジ、ブタ、ネズミ、ウマ及び好 適にはヒトを含む哺乳類から得られる実質的に精製されたIRS−p53hのア ミノ酸配列である。 ここで用いる用語「アゴニスト」は、IRS−p53hに結合される際に、I RS−p53hの量を増加するか、或いは活性の期間を延長する分子のことであ る。アゴニストはタンパク質、核酸、炭水化物或いはIRS−p53hに結合し 、その作用を調節する任意の他の分子を含む場合がある。 ここで用いる「アレル」或いは「アレル配列」はIRS−p53hをコードす る遺伝子の代替形である。アレルは、核酸配列における少なくとも1つの突然変 異から生じ、変化したmRNA或いはポリペプチドを生じ、その構造或いは機能 は変化する場合もあれば、変化しない場合もある。任意の所与の遺伝子は、1つ 或いは多くのアレル形を有する場合もあれば、全く有さない場合もある。アレル を引き起こす通常の突然変異は一般に、ヌクレオチドの自然の欠失、付加或いは 置換に起因する。これらの種類の変化はそれぞれ単独で、或いは他との組み合わ せにおいて、所与の配列において1回或いは2回以上生じる場合がある。 ここで用いるIRS−p53hをコードする「変化した」核酸配列は、同一或い は機能的に等価なIRS−p53hをコードするポリヌクレオチドをもたらす種 々のヌクレオチドの欠失、挿入或いは置換を含む。本定義には、IRS−p53 hをコードするポリヌクレオチドのある特定のオリゴヌクレオチドプローブを用 いて容易に検出することができる場合、できない場合がある多形性及びIRS− p53hをコードするポリヌクレオチド配列に対する通常の染色***置とは異な る位置を有する、アレルへの不適当な或いは予想外のハイブリダイゼーションが 含まれる。またコードされたタンパク質は「変更され」て、サイレント変化を生 成し、機能的に等価なIRS−p53hをもたらすアミノ酸残基の欠失、挿入或 いは置換も含む場合もある。故意のアミノ酸置換は、IRS−p53hの生物活 性が保持される限り、残基の極性、電荷、可溶性、疎水性、親水性並びにまた両 親媒性における類似性に基づいて行うことができる。例えば、負に帯電したアミ ノ酸はアスパラギン酸及びグルタミン酸を含み、正に帯電したアミノ酸はリジン 及びアルギニンを含み、同様の親水値を有する帯電していない極性頭基(polar head group)有するアミノ酸はロイシン、イソロイシン及びバリン、グリシン及 びアラニン、 アスパラギン及びグルタミン、セリン及びスレオニン、フェニルアラニン及びチ ロシンを含む。 ここで用いる「アミノ酸配列」は、オリゴペプチド、ペプチド、ポリペプチド 或いはタンパク質配列及びそのフラグメント、並びに自然発生或いは合成分子の ことである。IRS−p53hのフラグメントは長さが約5〜約15アミノ酸で あり、IRS−p53hの生物学的活性或いは免疫学的活性を保持していること が好ましい。「アミノ酸配列」は自然発生タンパク質分子のアミノ酸配列を示す ものとして表されるが、アミノ酸配列等の用語は、示されるタンパク質分子に関 連する完全な自然アミノ酸配列にそのアミノ酸配列を限定することを意味しない 。 ここで用いる「増幅」は、核酸配列の付加的な複製の生成のことであり、一般 に当分野において周知のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術を用いて実行され る(Dieffenbach,C.W.及びG.S.Dveksler(1995)PCR Primer,a Laboratgry Manual ,Cold Spring Harbor Press,Plainview,NY)。 ここで用いる「アンタゴニスト」は、IRS−p53hに結合される際にIR S−p53hの生物学的或いは免疫学的活性を減少させる分子のことである。ア ンタゴニストはタンパク質、核酸、炭水化物或いはIRS−p53hに結合し、 その作用を減少させる任意の他の分子を含む場合がある。 ここで用いる用語「抗体」は、エピトープ決定基を結合することができる、F a、F(ab’)2及びFvのような無傷の分子及びそのフラグメントのことで ある。IRS−p53hポリペプチドを結合する抗体は、ポリペプチド或いは免 疫性抗原としてを対象の小さなペプチドを含む無傷のフラグメントを用いて生成 されることができる。動物を免疫するために用いられるポリペプチド或いはオリ ゴペプチドは、RNAの翻 訳に由来するか、或いは化学的に合成され、所望に応じて担体タンパク質に抱合 されることができる。ペプチドに化学的に結合される通常用いられる担体は、ウ シ血清アルブミン及びサイログロブリン、キーホールリンペットヘモシアニンを 含む。その後結合されたペプチドを用いて動物(例えばマウス、ラット或いはウ サギ)を免疫する。 ここで用いる用語「抗原決定基」は、分子の特定の抗体と接触する部分(すな わちエピトープ)のことである。タンパク質或いはそのフラグメントを用いて宿 主動物を免疫する際、タンパク質の多くの領域が、タンパク質上の所与の領域或 いは三次元構造体に特異に結合する抗体の生成を誘発する場合がある。これらの 領域或いは構造体は抗原決定基と呼ばれる。抗原決定基は、抗体に結合するため に、無傷の抗原(すなわち免疫反応を誘発するために用いられるイムノゲン)と 競合する場合がある。 ここで用いる用語「アンチセンス」は、特異なDNA或いはRNA配列に相補 性をなすヌクレオチド配列を含む任意の組成物である。用語「アンチセンス鎖」は 、「センス」鎖に相補性をなす核酸鎖を示すために用いられる。アンチセンス分 子はペプチド核酸を含み、合成或いは転写を含む任意の方法により生成されるこ とができる。一度細胞内に導入されれば、相補ヌクレオチドは細胞により生成さ れる自然配列と結合し、二重鎖を形成し、転写或いは翻訳のいずれかを遮断する 。記号「負」はアンチセンス鎖を示す際に用いられる場合があり、「正」はセン ス鎖を示す場合に用いられることがある。 ここで用いる用語「生物学的活性」は、自然発生分子の構造的、調節的或いは 生化学的機能を有するタンパク質のことである。同様に「免疫学的活性」は自然 、組換え体或いは合成IRS−p53h、又はその任意のオリゴペプチドが、適 当な動物或いは細胞において特異な免疫反応 を誘発し、かつ特異な抗体と結合する能力のことである。 ここで用いる「相補的」或いは「相補性」は、塩基対による許容塩類及び温度 条件下でのポリヌクレオチドの自然結合のことである。例えば、配列「A−G− T」の場合、相補配列「T−C−A」に結合する。2つの一本鎖分子間の相補性 は、核酸のあるものだけが結合する「部分的」であるか、或いは全相補性が一本 鎖分子間に存在する場合には完全である場合もある。核酸鎖間の相補性の度合い は、核酸鎖間のハイブリダイゼーションの効率及び強度に著しく影響する。これ は核酸鎖間の結合に及びPNA分子の設計及び使用に依存する増幅反応において 特に重要である。 ここで用いる「所与のポリヌクレオチド配列を含む組成物」は、所与のポリヌ クレオチド配列を含む任意の組成物に幅広く用いられる。その組成物は乾燥状態 或いは水溶液状態を含む。IRS−p53h(配列番号:1)をコードするポリ ヌクレオチド配列或いはそのフラグメント(例えば配列番号:2及びそのフラグ メント)を含む組成物はハイブリダイゼーションプローブとして用いられる場合 がある。そのプローブは凍結乾燥状態で保管され、炭水化物のような安定化剤と 付随することができる。ハイブリダイゼーションでは、そのプローブは塩類(例 えばNaCl)、界面活性剤(例えばSDS)及び他の組成物(例えばデンハー ト液、粉乳、サケ***DNA等)を含む水溶液に分散される場合がある。 ここで用いる「コンセンサス」は、核酸配列のうち、不要な塩基を分解するた めに再配列されているもの、或いは5’或いは3’方向にXL-PCR(Perkin Elmer, Norwalk,CT)を用いて伸展され、再配列されているもの、或いはフラグメント構 築用コンピュータプログラム(GELVIEW Fragment Assembly System、GCG,Madison WI)を用いて2つ以上のインサイト社クローンの重複配列から構築されているも ののことである。 ある配列は伸展及び構築のいずれもが施され、コンセンサス配列を生成している 。 ここで用いる用語「ポリヌクレオチドの発現と相関がある」は、ノーザン分析 による配列番号:2に類似のリボ核酸の存在の検出が、サンプル内のIRS−p 53hをコードするmRNAの存在を示しており、それによりそのタンパク質を コードするポリヌクレオチドからの転写物の発現と相関があることを示す。 ここで用いる「欠失」は、アミノ酸配列或いはヌクレオチド配列いずれかにお いて変化し、1つ或いはそれ以上のアミノ酸残基或いはヌクレオチドが欠如する ことである。 ここで用いる用語「誘導体」は、IRS−p53hをコードする核酸配列或い はIRS−p53hの相補配列又はコードされたIRS−p53hの化学修飾体 のことである。そのような修飾の例示は、水素をアルキル基、アシル基或いはア ミノ基に置換することである。核酸誘導体は、自然分子の生物学的及び免疫学的 機能を保持するポリペプチドをコードする。誘導体ポリペプチドは、グリコシレ ーション、ポリエチレングリコール形成(pegylation)或いは由来したポリペプ チドの生物学的或いは免疫学的機能を保持する任意の類似のプロセスにより修飾 されるポリペプチドである。 ここで用いられる用語「相同性」は相補性の度合いのことである。部分的相同 性或いは完全相同性(すなわち同一)がある。部分的相同性配列は、同一配列が 標的核酸にハイブリダイズするのを少なくとも部分的に抑制する配列であり、実 用的な用語「実質的に相同性の」を用いることが好ましい。完全に相補性の配列 の標的配列へのハイブリダイゼーションの抑制は、低い厳密性の条件下でハイブ リダイゼーション検定法を用いて検査されることができる(サザンブロット或い はノーザンブロッ ト、溶液ハイブリダイゼーション等)。実質的に相同性の配列或いはプローブは 、低い厳密性の条件下で完全に相同性の配列及びプローブの標的配列への結合と 競合し、それを抑制するであろう。低い厳密性の条件は非特異な結合が許容され るような条件であることは言うまでもない。低い厳密性条件は、2つの配列の互 いへの結合が特異な(すなわち選択的な)相互作用であることを必要とする。非 特異な結合の欠如は、部分的な度合いの相補性さえ存在しない(例えば約30% 同一性より小さい)第2の標的配列の使用により検査される場合もある。非特異 な結合が存在しない場合、そのプローブは第2の非相補性標的配列にハイブリダ イズしないであろう。 ヒト人工染色体(HAC)は、大きさが10Kから10MのDNA配列を含み 、安定した有糸***染色体の分離及び保持に必要とされる全ての要素を含む(Ha rrington等(1997)Nat Genet.15:345-355)。 ここで用いる用語「ヒト化抗体」は、ヒト抗体により似せるためにアミノ酸が 非抗原結合領域内において置換されているが、その一方で元の結合能力を保持し ている抗体分子のことである。 ここで用いる用語「ハイブリダイゼーション」は、核酸の鎖が塩基対を介して 相補鎖と結合する任意のプロセスのことである。 ここで用いる用語「ハイブリダイゼーション複合体」は、相補性のGとC塩基 との間に、並びに相補性のAとT塩基との間に水素結合を形成することにより2 つの核酸配列間に形成される複合体のことである。これらの水素結合は、塩基ス タッキング相互作用によりさらに安定化する場合もある。2つの相補性核酸配列 は、逆平行形状において水素結合する。ハイブリダイゼーション複合体は、溶液 (例えばC0t或いはR0t分析)内に、又は溶液中に存在する核酸配列と固形支 持体(例えば紙、膜、フィルタ、チップ、ピン、或いはスライドガラス、又は細 胞或いは その核酸が固定されている任意の他の適切な支持体)上に固定化される別の核酸 配列との間に形成されることもできる。 ここで用いる「挿入」或いは「付加」は、自然発生分子に比べて、1つ或いは それ以上のアミノ酸残基或いはヌクレオチドがそれぞれ加わるアミノ酸配列或い はヌクレオチド配列における変化のことである。 ここで用いる「マイクロアレイ」は、紙、ナイロン或いは他の種類の膜、フィ ルタ、チップ、スライドガラス或いは任意の他の適当な固形支持体のような支持 体上で合成される個別のポリヌクレオチド或いはオリゴヌクレオチドからなるア レイのことである。 ここで用いる用語「調節」は、IRS−p53hの生物学的活性の変化ことで ある。例えば調節により、IRS−p53hのタンパク質活性、結合特性或いは 生物学的、機能的或いは免疫学的特性が増減するようになる。 ここで用いる「核酸配列」はオリゴヌクレオチド、ヌクレオチド或いはポリヌ クレオチド並びにそのフラグメント、さらには一本鎖或いは二本鎖の場合がある ゲノム或いは合成起源のDNA或いはRNAのことであり、センス鎖或いはアン チセンス鎖を表す。「フラグメント」は、長さが60ヌクレオチドより長い核酸 配列であり、長さが少なくとも100ヌクレオチド或いは少なくとも1000ヌ クレオチド、さらに少なくとも10,000ヌクレオチドであるフラグメントを 含むことが最も好ましい。 ここで用いる「オリゴヌクレオチド」は、少なくとも約6ヌクレオチドから6 0ヌクレオチドの核酸配列、好ましくは約15−30ヌクレオチドの核酸配列、 より好ましくは20−25ヌクレオチドの核酸配列であり、PCR増幅或いはハ イブリダイゼーション検定法において用いることができる。ここで用いる場合、 オリゴヌクレオチドは、一般に当分 野において定義されているような用語「アンプライマ」、「プライマ」、「オリ ゴマ」及び「プローブ」と実質的に等価である。 ここで用いる「ペプチド核酸」、すなわちPNAは、リジンにおいて終端する アミノ酸残基のペプチドバックボーンに結合する、長さが少なくとも5ヌクレオ チドからなるオリゴヌクレオチドを含むアンチセンス分子或いは抗遺伝因子(an ti-gene agent)ことである。PNAはポリエチレングリコール化され、細胞の 寿命を延長し、その中で相補一本鎖DNA及びRNAを優先的に結合し、転写延 長を停止する(Nielsen PE等(1993)Anticancer Drug Des 8:53-63)。 ここで用いる用語「部分」は、タンパク質に関して(「所与のタンパク質の一 部」をなすような)そのタンパク質のフラグメントを示す。そのフラグメントは 長さ5アミノ酸残基から、全アミノ酸配列から1アミノ酸を引いたものにまで及 ぶ場合がある。こうして「配列番号:1のアミノ酸配列の少なくとも一部を含む 」タンパク質は、完全長IRS−p53h及びそのフラグメントを含む。 ここで用いる用語「サンプル」は幅広い意味に用いられる。IRS−p53h 或いはそのフラグメントをコードする核酸、又はIRS−p53h自体を含むと 予想される生検サンプルは体液、細胞からの抽出物、染色体、細胞器官或いは細 胞から分離された膜、細胞、ゲノムDNA、RNA或いはcDNA(溶液中に存 在するか、或いは固形支持体、組織、組織転写物(tissueprint)等に結合され ている)を含む。 ここで用いる用語「特異な結合」或いは「特異に結合する」は、タンパク質或 いはペプチドとアゴニスト、抗体及びアンタゴニストとの間の相互作用のことで ある。その相互作用は、結合分子により識別されるタンパク質の特定の構造(す なわち抗原決定基或いはエピトープ)の存在に依存する。例えば、抗体がエピト ープ「A」に対して特異である場合 に、標識された「A」及びその抗体を含む反応におけるエピトープA(或いは遊 離し、標識されないA)を含むタンパク質の存在が、その抗体に結合される標識 されたAの量を低減するであろう。 ここで用いる「厳密性条件」或いは「厳密性」は、核酸、塩類及び温度により 定義されるようなハイブリダイゼーションのための条件である。これらの条件は 当分野において周知であり、その条件を変更して、同一或いは関連するポリヌク レオチド配列を同定或いは検出することができる。低い或いは高い厳密性のいず れかを含む多くの等価な条件は、配列(DNA、RNA、塩基組成物)の長さ及 び性質、標的(DNA、RNA、塩基組成物)の性質、環境(溶液中或いは固形 基質上に固定)、塩類或いは他の成分(例えばホルムアミド、硫酸デキストラン 並びに又ポリエチレングリコール)及び反応の温度(プローブの融解温度より5 ℃低い温度から溶融温度より約20〜25℃低い温度までの範囲にある)のよう な要因に依存する。1つ或いはそれ以上の要因を変更して、上記条件とは異なる が、等価である低或いは高厳密性のいずれかの条件を発生させることもできる。 ここで用いる用語「実質的に精製された」は、自然環境から除去されるか、単 離されるか或いは分離された核酸配列或いはアミノ酸配列のことであり、それら は自然に関連する他の成分から少なくとも60%、好適には75%、最も好適に は90%遊離したものである。 ここで用いる「置換」は、1つ或いはそれ以上のヌクレオチド或いはアミノ酸 が、それぞれ異なるヌクレオチド或いはアミノ酸に置き換えられることである。 ここで用いる「形質転換」は、外来DNAが侵入し、受容体細胞を変化させる プロセスを意味する。それは当分野において周知の種々の方法を用いて自然或い は人工的条件下で生じさせることができる。形質転換 は、外来核酸配列を原核或いは真核宿主細胞に挿入するための任意の既知の方法 に基づく場合がある。その方法は形質転換される宿主細胞に基づいて選択され、 限定はしないが、ウイルス感染、電気穿孔法、熱ショック、リポフェクション並 びに粒子照射を含む場合がある。そのように「形質転換された」細胞は、安定に 形質転換された細胞を含んでおり、その細胞では挿入されたDNAが自動的に複 製するプラスミド或いはその宿主染色体の一部の何れかとして複製されることが できる。またその細胞は、限られた期間だけ挿入されたDNA或いはRNAを一 時的に発現する細胞も含む。 ここで用いるIRS−p53hの「変異配列」は、1つ或いはそれ以上のアミ ノ酸により変更されるアミノ酸配列のことである。変異配列は 「保存的に」変 化する場合があり、その場合置換されたアミノ酸は、例えばロイシンをイソロイ シンに置き換える場合のように、類似の構造的及び化学的特性を有する。さらに まれにではあるが、変異配列は、グリシンをトリプトファンに置き換える場合の ように「非保存的に」変化する場合がある。また類似の少数変異配列は、アミノ 酸欠失或いは挿入、又はその両方を含む場合もある。生物学的及び免疫学的活性 を無くすことなくアミノ酸残基が置換、挿入或いは欠失されるかを確定する際の 指標は、当業者に周知のコンピュータプログラム、例えばDNASTAR softwareを用 いて見出すことができる。 発明 本発明は新規のヒトインスリン受容体チロシンキナーゼ基質(これ以降「IR S−p53h」と呼ぶ)、IRS−p53hをコードするポリヌクレオチド及び 癌、炎症及びインスリン反応に関連する疾患の診断、予防或いは治療のためのこ れらの組成物の使用法の発見に基づくもので ある。 本発明のIRS−p53hをコードする核酸は、アミノ酸配列アライメントに 対するコンピュータ検索を用いて癌関連***組織cDNAライブラリ(BRST NOT04)からのインサイト社クローン918158において最初に同定され た。コンセンサス配列、配列番号:2は重複並びにまた伸展核酸配列、インサイ ト社クローン918158(BRSTNOT04)、1342719(COLN TUT03)及び1522281(BLADTUT04)に由来した。 一実施例では、本発明は第1A図、第1B図、第1C図、第1D図、第1E図 及び第1F図に示されるような配列番号:1のアミノ酸配列を有するポリペプチ ドを含む。IRS−p53hは長さが534アミノ酸であり、残基Y17、Y1 15及びY178においてチロシンキナーゼ部位、残基S148においてcAM P/cGMP−依存性タンパク質キナーゼ部位、S4、T19、T103、S1 29、S158、S291、T303及びS395においてカゼインキナーゼI I部位並びにS27、S158、S169、T348、S395、S418及び S440においてタンパク質キナーゼC部位を含む多数の潜在的なリン酸化部位 を含む。第2A図、第2B図及び第2C図に示されるように、IRS−p53h はハムスターからのIRSp53(GI 1203820、配列番号:3)に化 学的及び構造的相同性を有する。詳細にはIRS−p53h及びハムスターIR Sp53は91%アミノ酸配列同一性を共有する。ノーザン分析は種々の組織に おけるIRS−p53hの発現を示しており、この大部分は不死化或いは癌性で ある。詳細には副腎、膀胱、脳、***、結腸、食道、胆嚢、腎臓、肺、膵臓、陰 茎、傍神経節、前立腺及び子宮からの癌及び癌関連組織、並びに結腸及び小腸( 潰瘍性大腸炎)、胆嚢(胆嚢炎)、皮膚(結節性紅斑)、滑膜(リウマチ様関節 炎)、リ ンパ球及び単核細胞を含む炎症関連組織及び細胞株におけるIRS−p53hの 発現が知られる。 また本発明はIRS−p53h変異配列を含む。好適なIRS−p53h変異 配列は、IRS−p53hアミノ酸配列(配列番号:1)に少なくとも80%、 より好ましくは90%アミノ酸配列同一性を有し、IRS−p53hの活性の生 物学的、免疫学的或いは他の機能的特性を保持する変異配列である。最も好まし いIRS−p53h変異配列は、配列番号:1に少なくとも95%アミノ酸同一 性を有する変異配列である。 また本発明はIRS−p53hをコードするポリヌクレオチドを含む。従って IRS−p53hのアミノ酸配列をコードする任意の核酸配列を用いて、IRS −p53hを発現する組換え分子を生成することができる。ある特定の実施例で は、本発明は第1A図、第1B図、第1C図、第1D図、第1E図及び第1F図 に示されるような配列番号:2の核酸配列を有するポリヌクレオチドを含む。 遺伝子コードの縮重の結果として、IRS−p53hをコードする多数のヌク レオチド配列が生成され、その中には任意の既知の自然発生遺伝子のヌクレオチ ド配列に最低限の相同性を示すものもあることは当業者には明らかであろう。こ のように本発明は、可能なコドン選択に基いて組み合わせを選択することにより 形成されるようになるヌクレオチド配列のあらゆる可能な変異配列を考慮する。 これらの組み合わせは、自然発生IRS−p53hのヌクレオチド配列に適用さ れるような標準的なトリプレット遺伝子コードに従って形成され、全てのそのよ うな変形例が明確に開示されているものと考慮されたい。 IRS−p53hをコードするヌクレオチド配列及びその変異配列は、適当に 選択された厳密性条件下で、自然発生IRS−p53hのヌクレオチド配列にハ イブリダイズできることが好ましいが、実質的に異なる コドン使用法を有するIRS−p53hをコードするヌクレオチド配列或いはそ の誘導体を生成することが有利な場合もある。コドンを選択して、特定のコドン が宿主によって利用される頻度に応じて、ペプチドの発現が特定の原核或いは真 核発現宿主において生じる割合を増加してもよい。コードされたアミノ酸配列を 変更することなくIRS−p53hをコードするヌクレオチド配列及びその誘導 体を実質的に変更する他の理由は、より長い半減期といった、自然発生配列から 生成された転写物より望ましい特性を有するRNA転写物を生成することを含む 。 また本発明は、合成化学的に完全に、IRS−p53h及びその誘導体をコー ドするDNA配列或いはそのフラグメントを生成することを含む。生成後、本特 許出願の出願時点で当分野において周知の薬剤を用いて、合成配列を、任意の多 くの入手可能な発現ベクタ及び細胞系に挿入することができる。さらに合成化学 的に、IRS−p53hをコードする配列或いは任意のそのフラグメントに突然 変異を導入することもできる。 また本発明には、Wahl,G.M及びS.L.Berger(1987;Methods Enzymol.Voll52:399 -407)及びKimmel,A.R.(1987;Methods Enzymol.Vol 152:507-511)に教示されるよ うな種々の厳密性の条件下で請求されるヌクレオチド配列、詳細には配列番号: 2に示されるヌクレオチド配列にハイブリダイズすることができるポリヌクレオ チド配列が含まれる。 当分野において周知で、一般に入手可能なDNA配列決定のための方法が本発 明の任意の実施例を実行するために用いられる。これらの方法はDNA polymerase I,Sequenase(登録商標)(US Biochemical Corp,Cleveland OH))のKlenow frag ment、Taqpolymerase(Perkin Elmer)、耐熱性T7 polymerase(Amersham,Chicago IL)或いはGibco BRL(Gaithersburg MD)により市販されているELONGASE Ampllfi cation Systemのような組換えポリメラーゼとプルーフリーディングエキソヌクレアーゼ の組み合わせのような酵素を利用する。このプロセスはHamilton Micro Lab 220 0(Hamilton,Reno NV),Peltier Thermal Cycler(PTC200;MJ Research,Watertown MA)及びABI Catalyst並びに373及び377DNA sequencers(Perkin Elmer)のような 機器を用いて自動化することが好ましい。 IRS−p53hをコードする核酸配列は、部分ヌクレオチド配列を利用して 、かつプロモータ及び調節エレメントのような上流配列を検出するための当分野 において既知の種々の方法を用いて伸展させることができる。例えば、用いられ る場合がある1つの方法、「制限部位」PCRは、汎用プライマを用いて既知の 位置に隣接する未知の配列を回収する(Sarkar.G(1993)PCR Methods Applic 2:3 18-322)。詳細には、ゲノムDNAはリンカー配列に対するプライマ及び既知の 領域に特異なプライマの存在時に最初に増幅される。その後増幅された配列は、 同じリンカープライマ及び第1のプライマに内在する別の特異なプライマを用い て第2巡目のPCRにかけられる。各回のPCRの生成物は、適当なRNAポリ メラーゼを用いて転写され、逆転写酵素を用いて配列決定される。 また逆PCRを利用して、既知領域に基づく多岐プライマを用いて配列を増幅 或いは伸展することもできる(Triglia T等(1988)Nucleic Acids Res 16:8186)。 プライマはOLIGO4.06 Primer Analysis Software(National Biosciences Inc,Pl ymouth MN)或いは別の適当なプログラムを用いて設計され、長さが22−30ヌ クレオチドになり、50%以上のGC含量を有し、さらに約68−72℃の温度 で標的配列にアニールすることができる。その方法はいくつかの制限酵素を用い て、遺伝子の既知の領域内に適当なフラグメントを生成する。その際そのフラグ メン トは、分子内連結反応により環状にされ、PCRテンプレートとして用いられる 。 用いられる場合がある別の方法は、ヒト及び酵母菌人工染色体DNAの既知の 配列に隣接するDNAフラグメントをPCR増幅することを伴う捕獲PCR(Lag erstrom M等(1991)PCR Methods Applic 1:111-19)である。この方法では、多数 の制限酵素消化及び連結を用いて、PCRを実行する前に遺伝子操作された二本 鎖配列をDNA分子の未知の部分に配置することができる。 未知の配列を回収するために用いられることがある別の方法は、Parker JD等( 1991;Nucleic Acids Res 19:3055-3060)による方法である。さらにある方法はP CR、入れ子状プライマ及びPromoterFinder(登録商標)ライブラリを用いて、 ゲノムDNAに歩行することができる(Clontech,Palo Alto CA)。このプロセ スによりライブラリをスクリーニングする必要がなくなり、イントロン/エクソ ン接合部を見つける際に有用である。完全長cDNAに対してスクリーニングす る際に、より長いcDNAを含むように大きさを選択されたライブラリを用いる ことが好ましい。またランダムに初回抗原刺激を受けたライブラリも、それらが 遺伝子の5’及び上流領域を含むより大きな配列を含むという点で好ましい。ラ ンダムに初回抗原刺激を受けたライブラリの使用は、オリゴd(T)ライブラリ が完全長cDNAを産生しない状況では特に好ましい。ゲノムライブラリは5’ 及び3’非転写制御領域に伸展するために有用な場合がある。 市販の毛細管電気泳動系を用いて、配列決定或いはPCR生成物の大きさを解 析したり、或いはヌクレオチド配列を確認することもできる。詳細には毛細管配 列決定は、電気泳動分離のための流動性ポリマ、レーザにより活性化される(各 ヌクレオチドに対して1種類の)4つの異な る蛍光性染料及びCCDカメラによる放射波長の検出を用いる場合がある。出力 /光強度が適当なソフトウエア(例えばGenotyperTM及びSequence NavigatorTM 、Perkin Elmer)を用いて電気信号に変換され、サンプルの装填からコンピュー タ解析及び電子データ表示までの全プロセスがコンピュータ制御される。毛細管 電気泳動法は、特定のサンプルの限定された量内に存在する場合があるDNAの 小片の配列決定に特に好ましい。 本発明の別の実施例では、IRS−p53hをコードするポリヌクレオチド配 列或いはそのフラグメントが、適当な宿主細胞においてIRS−p53h、その フラグメント或いはその機能的等価物の発現をもたらすために組換えDNA分子 に用いられる場合がある。ゲノムコードの固有の縮重により、概ね同一か或いは 機能的に等価なアミノ酸配列をコードする他のDNA配列が生成され、この配列 を用いてIRS−p53hをクローニングし、発現することもできる。 非自然発生コドンを有するIRS−p53hをコードするヌクレオチド配列を 生成することが有利な場合もあることは当業者には理解されよう。例えば、特定 の原核或いは真核宿主により選択されたコドンを選択して、タンパク質発現の割 合の増大したり、或いは自然発生配列から生成される転写物より長い半減期のよ うな所望の特性を有するRNA転写物を生成することもできる。 本発明のヌクレオチド配列は、限定はしないが、遺伝子生成物のクローニング 、プロセッシング並びにまた発現を修飾する変更を含む種々の理由によりIRS −p53hをコードする配列を変更するために、当分野において周知の方法を用 いて遺伝子操作されることができる。遺伝子フラグメント及び合成オリゴヌクレ オチドのランダムなフラグメント化及びPCR再構築によるDNA混合を用いて 、ヌクレオチド配列を遺伝 子操作することができる。例えば、位置指定突然変異誘発を用いて、新しい制限 部位の挿入、グリコシレーションパターンの変更、コドン優先度の変更、スプラ イシング変異配列の生成或いは突然変異の導入等を行うこともできる。 本発明の別の実施例では、IRS−p53hをコードする自然、修飾或いは組 換えポリヌクレオチドは、融合タンパク質をコードするために異種配列に結合さ れることもできる。例えば、IRS−p53h活性のインヒビタ用のペプチドラ イブラリをスクリーニングするために、市販されている抗体により識別されるキ メラIRS−p53hタンパク質をコードすることが有用な場合もある。また融 合タンパク質は、IRS−p53hをコードする配列と異種タンパク質配列との 間に位置する切断部位を含むように遺伝子操作されることもでき、それによりI RS−p53hは切断され、概ね異種部分から離れて精製されるようになる。 別の実施例では、当分野で周知の化学的方法を用いて、IRS−p53hをコ ードする配列が、全体的に或いは部分的に合成されることができる(Caruthers MH等(1980)Nuc Acids Res Symp Ser 215-23,Horn T等(1980)Nuc Acids Res Symp Ser225-32参照)。別法では、タンパク質自体が、IRS−p53hのアミノ酸 配列或いは一部を合成するために化学的方法を用いて生成される場合がある。例 えばペプチド合成は種々の固相技術(Roberge JY等(1995)Science 269:202-204 )を用いて実行されることができ、自動合成は、例えばABI 431A Peptide Synth esizer(Perkin Elmer)を用いることにより実現することができる。 新たに合成されたペプチドは、調製用高速液体クロマトグラフィにより実質的 に精製されることができる(例えばCreighton(1983)ProteinsStructures and M olecular Principles,WH Freeman and Co,New York NY)。合成ペプチドの組成物 は、アミノ酸分析及び配列決定により確認 することができる(例えばEdman degradation procedure;Creighton、上記)。さ らにIRS−p53hのアミノ酸配列或いはその任意の一部は、直接合成中に変 更されるか、並びにまた他のタンパク質或いはその任意の一部からの配列を用い る化学的方法により結合され、変異配列ポリペプチドを生成することもできる。 生物学的に有効なIRS−p53hを発現するために、IRS−p53hをコ ードするヌクレオチド配列或いはその機能的等価物が、適当な発現ベクタ、すな わち挿入されたコード化配列の転写及び翻訳のために必要なエレメントを含むベ クタ内に挿入されてもよい。 当業者に周知の方法を用いて、IRS−p53hをコードする配列及び適当な 転写或いは翻訳制御エレメントを含む発現ベクタを構成することができる。これ らの方法は、in vitro組換えDNA技術、合成技術並びにin viv ゲノム再組換えを含む。そのような技術はSambrook等(1989)Molecular Clonin gA Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Press,Plainview NY及びAusube l FM等(1989)Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons ,New York NYに記載されている。 種々の発現ベクタ/宿主系を利用して、IRS−p53hをコードする配列を 含有し、発現する場合もある。これらは、限定はしないが、組換え体バクテリオ ファージ、プラスミド或いはコスミドDNA発現ベクタと形質転換されたバクテ リア、酵母菌発現ベクタと形質転換された酵母菌、ウイルス発現ベクタで感染し た昆虫細胞系(例えばバキュロウイルス)、ウイルス発現ベクタと形質転換され た植物細胞系(例えば、カリフラワーモザイクウイルスCaMV、タバコモザイ クウイルスTMV)或いはバクテリア発現ベクタと形質転換された植物細胞系( 例えば、Ti或いはpBR322プラスミド)又は動物細胞系のような微生物を 含 む。本発明は用いられる宿主細胞により制限されない。 「制御エレメント」或いは「調節配列」はベクタの非翻訳領域、すなわちエン ハンサ、プロモータ並びに5’及び3’非翻訳領域であり、転写及び翻訳を実行 するために宿主細胞タンパク質と相互作用する。そのようなエレメントは強度及 び特異性において異なる場合がある。用いられるベクタ系及び宿主により、構成 的及び誘導性プロモータを含む、任意の数の適当な転写及び翻訳エレメントを用 いることができる。例えばバクテリア系においてクローニングする際に、Bluesc ript(登録商標)ファージミド(Stratagene,LaJolla CA)のハイブリッドlac Zプロモータ或いはpSport1プラスミド(Gibco BRL)等の誘導性プロモータを用 いることができる。バキュロウイルスポリヘドリン(polyhedrin)プロモータは 昆虫細胞に用いられる。植物細胞のゲノムに由来するプロモータ或いはエンハン サ(例えば熱ショック、RUBISCO及び貯蔵タンパク質遺伝子)或いは植物 ウイルスに由来するプロモータ或いはエンハンサ(例えばウイルス性プロモータ 或いはリーダ配列)が、ベクタにクローニングされる場合もある。哺乳動物細胞 系では、哺乳動物遺伝子或いは哺乳動物ウイルスに由来するプロモータが好まし い。IRS−p53hをコードする配列の多数の複製を含む細胞株を発生させる 必要がある場合には、SV40或いはEBV系のベクタを適当な選択可能マーカ と共に用いることができる。 バクテリア系では、いくつかの発現ベクタが、IRS−p53hのための使用 に応じて選択されてもよい。例えば大量のIRS−p53hが抗体を誘導するた めに必要とされるとき、容易に精製される融合タンパク質を高レベルで発現させ るベクタを用いることができる。そのようなベクタは、限定するわけではないが 、IRS−p53hをコードする配列が、アミノ末端Met及び後続のβ−ガラ クトシダーゼの7残基に対 する配列の枠内のベクタに結合されることができ、ハイブリッドタンパク質が生 成される、多機能coliクローニング及びBluescript(登録商標)(Stratag ene)のような発現ベクタ、並びにpINベクタ(Van Heeke & Schuster(1989) J Biol Chem 264:5503-5509)等を含む。またpGEXベクタ(Promega,Madison WI)を用いて、外来のポリペプチドをグルタチオンS−トランスフェラーゼ( GST)を有する融合タンパク質として発現してもよい。一般にそのような融合 タンパク質は可溶性であり、グルタチオン−アガロースビードへの吸収及びそれ に後続する遊離グルタチオンの存在時の溶出により分離した細胞から容易に精製 することができる。そのような系内で形成されるタンパク質はヘパリン、トロン ビン或いは第XA因子プロテアーゼ切断部位を含むように設計され、対象のクロ ーニングされたポリペプチドが自由にGST成分から遊離されるようにする。 酵母菌、サッカロミセスセレビジエでは、α因子、アルコールオキシダーゼ 及びPGHのような構成的及び誘導性プロモータを含むいくつかのベクタを用い ることができる。再確認する場合には、Ausubel等(上記)及びGrant等(1987)Meth ods in Enzymology 153:516-544を参照されたい。 植物発現ベクタが用いられる場合には、IRS−p53hをコードする配列の 発現は、いくつかのプロモータの任意のものにより行われる。例えばCaMVの 35S及び19Sプロモータのようなウイルス性プロモータは単独で、或いはT MVからのω−リーダ配列と共に用いることができる(Takamatsu等(1987)EMBO J 6:307-311)。別法では、RUBISCOの小サブユニットのような植物プロ モータ或いは熱ショックプロモータ(Coruzzi等(1984)EMBO J 3:1671-1680;Br oglie等(1984)Science 224:838-843及びWinter J and Sinibaldi RM(1991) Results Probl Cell Differ 17:85-105)を用いる場合もある。これらの構成体 は、直接DNA形質転換或いは病原体媒介形質移入により植物細胞内に導入され ることができる。その技術は一般に入手できるいくつかの概説に記載される(例 えば、Hobbs S or Murry LE in McGraw Hill Yearbook of Science and Technol ogy (1992)McGraw Hill New York NY,pp.191-196を参照されたい)。 また昆虫系もIRS−p53hを発現するために用いることができる。例えば ある系では、Autographa californica核多角体病ウイルス(AcNPV)をベク タとして用いて、ヨトウガ(Spodoptera frugiperda)細胞或いはイクラサキンウ ワバ幼虫(Trichoplusia larvae)において外来遺伝子を発現する。IRS−p 53hをコードする配列は、ポリヘドリン(polyhedrin)遺伝子のようなウイル スの非必須領域にクローニングし、ポリヘドリンプロモータの制御下に置かれる 。IRS−p53hをコードする配列を有効に挿入することにより、ポリヘドリ ン遺伝子は非活性になり、コートタンパク質を欠如する組換え体ウイルスが生成 される。その後組換え体ウイルスを用いて、IRS−p53hが発現される、例 えばヨトウガ細胞或いはイクラサキンウワバ幼虫を感染させる(Engelhard EK等 (1994),Proc Nat Acad Sci91:3224-3227)。 哺乳類宿主細胞では、いくつかのウイルス性発現系が利用される場合がある。 アデノウイルスが発現ベクタとして用いられる場合には、IRS−p53hをコ ードする配列は、後期プロモータ及び3連のリーダ配列からなるアデノウイルス 転写/翻訳複合体に結合される場合がある。ウイルスゲノムの非必須E1或いは E3領域内の挿入により、感染した宿主細胞においてIRS−p53hを発現す ることができる生ウイルスを得ることができる(Logan and Shenk(1984)Proc Natl Acad Sci 81:3655-59)。さらにラウス肉腫ウイルス(RSV)エンハンサ のよう な転写エンハンサを用いて、哺乳動物宿主細胞内の発現を増加させることができ る。 またヒト人工染色体(HAC)を用いて、プラスミドに含まれ、発現させるこ とができるDNAのより大きなフラグメントを送達することもできる。治療のた め、6−10MのHACが構成され、従来の送達方法(リポソーム、ポリカチオ ンアミノポリマ或いはベシクル)を用いて送達される。 また特異な開始シグナルを用いて、IRS−p53hをコードする配列のより 効率的な転写を達成することもできる。そのシグナルはATG開始コドン及び隣 接配列を含む。IRS−p53hをコードする配列、その開始コドン及び上流配 列が適当な発現ベクタ内に挿入される場合には、追加の転写或いは翻訳制御シグ ナルは不要である。しかしながらコードする配列或いはその一部のみが挿入され る場合には、ATG開始コドンを含む外来の翻訳制御シグナルが与えられるべき である。さらに開始コドンは、全挿入物を確実に転写するために、正確な読み枠 内に置かれなければならない。外来転写エレメント及び開始コドンは、自然及び 合成両方の種々の起源からなることができる。発現の効率は、論文に記載される ように、使用される特定の細胞系に適したエンハンサを含有することにより高め られる場合がある(Scharf D等(1994)Results Probl Cell Differ 20:125.162)。 さらに宿主細胞株は、挿入した配列の発現を調節できるように、或いは所望の ように発現したタンパク質を処理できるように選択されることができる。そのよ うなポリペプチドの調節は、限定はしないが、アセチル化、カルボキシル化、グ リコシル化、リン酸化、脂質化或いはアシル化を含む。またタンパク質の「プレ プロ」形態を切断する翻訳後プロセッシングを用いて、正確な挿入、折りたたみ 並びにまた機能を促進する ことができる。翻訳後活性のために特異な細胞機構及び特性機構を有する種々の 宿主細胞(例えばCHO、HeLa、MDCK、HEK293及びWI38)がAm erican Type Culture Collection(ATTC;Bethesda,MD)から市販されており、外来 タンパク質の正確な調節及びプロセッシングを確実にするように選択することが できる。 長期間組換え体タンパク質を歩留まり高く生産する場合、安定した発現が望ま しい。例えば、IRS−p53hを安定して発現する細胞株は、複製或いは内性 発現エレメントのウイルス起源及び同じ或いは別のベクタにおける選択可能マー カ遺伝子を含む発現ベクタを用いて形質転換されことができる。ベクタの導入に 続いて、細胞を強化培地内で1〜2日間成長させ、その後選択培地に切り替える ようにする。選択可能マーカの目的は、選択への耐性を与えることであり、その 存在により、導入された配列を有効に発現する細胞が成長し、回収されるように なる。安定して形質転換された細胞の耐性クローンは、細胞タイプに適した組織 培養技術を用いて増殖させることができる。 任意の数の選択系を用いて、形質転換された細胞株を回収することができる。 これらは、限定はしないが、それぞれtk−細胞或いはaprt−細胞において 用いることができる単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(Wigler,M等(1977) Cell 11:223-32)及びアデニンフォスフォリボシール転換酵素遺伝子(Lowy I等 (1980)Cell 22:817-23)含む。また代謝拮抗物質、抗生物質或いは除草剤耐性を 選択のための基準として用いることができる。例えば、dhfrはメトトレキセ ートへの耐性を与え(Wigler M等(1980)Proc Natl Acad Sci 77:3567-70)、n ptはアミノグリコシッドネオマイシン及びG−418への耐性を与え(Colber e-Garapin F等(1981)J Mol Biol 150:1-14)、als或いはpatはそれぞれク ロルスルフロン及びホスフィノトリシン(phosphinotricin)アセ チル基転移酵素への耐性を与える(Murry、上記)。さらに選択可能遺伝子が記 載されており、例えば、trpBにより細胞がトリプトファンの代わりにインド ールを利用できるようになり、hisDにより細胞がヒスチジンの代わりにヒス チノール(histinol)を利用できるようになる(Hartman S.C及びR.C Mulligan( 1988)Proc Natl Acad Sci 85:8047-51)。最近では、アントシアニン、β−グル クロニダーゼ及びその基質GUS並びにルシフェラーゼ及びその基質ルシフェリ ンのようなマーカと共に可視マーカを使用することが普及しており、転換体を同 定するのみならず、特異なベクタ系に起因する一過性或いは安定したタンパク質 発現の量を定量するために幅広く用いられる(Rhodes CA等(1995)Methods Mol B iol 55:121-131)。 マーカ遺伝子発現の存否は、対象の遺伝子が存在することを示唆するが、その 存在及び発現は確認される必要がある。例えば、IRS−p53hをコードする 配列がマーカ遺伝子配列内に挿入される場合には、IRS−p53hをコードす る配列を含む組換え体細胞は、マーカ遺伝子機能の欠如により同定されることが できる。別法では、マーカ遺伝子は、単一のプロモータの制御下でIRS−p5 3hをコードする配列と直列に配置される。誘導及び選択に応じたマーカ遺伝子 の発現は通常、同様に直列の遺伝子の発現を示す。 別法では、IRS−p53hをコードする核酸配列を含み、IRS−p53h を発現する宿主細胞は、当業者に知られる種々の手順により同定されることがで きる。この手順は、限定はしないが、核酸或いはタンパク質の検出並びにまた定 量化のための膜、溶液或いはチップ系技術を含むDNA−DNA或いはDNA− RNAハイブリダイゼーション及びタンパク質バイオアッセイ或いはイムノアッ セイ技術を含む。 IRS−p53hをコードするポリヌクレオチド配列の存在は、IR S−p53hをコードするポリヌクレオチドのプローブ或いはフラグメントを用 いるDNA−DNA或いはDNA−RNAハイブリダイゼーション或いは増幅に より検出されることができる。核酸増幅系アッセイは、IRS−p53hをコー ドするDNA或いはRNAを含む形質転換体を検出するために、IRS−p53 hをコードする配列に基づくオリゴヌクレオチド或いはオリゴマを使用すること を伴う。 IRS−p53hの発現を検出し、測定するための種々のプロトコルは、その タンパク質に対して特異なポリクローナル抗体或いはモノクローナル抗体のいず れかを用いており、当業者には周知である。例えば酵素結合免疫測定法(ELI SA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、蛍光標示式細胞分取(FACE)な どである。IRS−p53hにおける2つの非干渉性エピトープに反応するモノ クローナル抗体を用いる2部位のモノクローナル系イムノアッセイ(monoclonal -based immunoassay)が好ましいが、結合タンパク競合測定法が用いられてもよ い。ここで記載した検定法及び他の検定法は、Hampton R等(1990,Serological M ethods ,a Laboratory Manual,APS Press,St.Paul MN)及びMaddox DE等(1983,J Exp'Med 158:1211-1216)に記載される。 幅広い標識及び接合技術が当業者には知られており、種々の核酸及びアミノ酸 検定法において用いることができる。IRS−p53hをコードするポリヌクレ オチドに関連する配列を検出するための標識化ハイブリダイゼーション或いはP CRプローブを生成するための手段は、オリゴ標識化、ニックトランスレーショ ン、末端標識化或いは標識化ヌクレオチドを用いるPCR増幅を含む。別法では 、IRS−p53hをコードする配列或いはその任意の一部が、mRNAプロー ブの生成のためにベクタ内にクローニングされる場合もある。そのようなベクタ が当分野において知られ、市販されており、T7、T3或いはSP6のような適 当なRNAポリメラーゼ及び標識されたヌクレオチドを加えることによりin vitro でRNAプローブを合成するために用いることができる。これらの手 順は種々の市販のキット(Pharmacia&upjohn(Kalamazoo,MI)、Promega(Madison WI)及びUS Biochemical Corp(Cleveland OH))を用いて行われる。適当なリポー タ分子或いは標識が用いられる場合もあり、放射性核種、酵素、蛍光剤、化学発 光剤或いは色素生産剤並びに基質、コファクタ、インヒビタ、磁気粒子等を含む 。 IRS−p53hをコードするヌクレオチド配列と形質転換された宿主細胞は 、細胞培養からのタンパク質の発現及び回収のために適した条件下で培養される ことができる。組換え体細胞により生成されるタンパク質は、用いられる配列並 びにまたベクタにより、分泌されるか或いは細胞内に含有される。IRS−p5 3hをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクタは、原核細胞膜或いは真核 細胞膜を介してIRS−p53hの分泌を促すシグナル配列を含むように設計す ることができることは当業者には理解されよう。他の組換え体構造を用いて、可 溶性タンパク質の精製を容易にするポリペプチド領域をコードするヌクレオチド 配列にIRS−p53hをコードする配列を結合する場合もある。そのような精 製を容易にする領域は、限定はしないが、固定化金属上で精製できるようにする ヒスチジン−トリプトファンモジュールのような金属キレート化ペプチド、固定 化免疫グロブリン上で精製できるようにするタンパク質Aドメイン及びFLAG S伸展/親和性精製系(Immunex Corp.,Seatile,WA)において用いられるドメイ ンを含む。精製ドメインとIRS−p53hとの間に第XA因子或いはエンテロ キナーゼ(Invitrogen,San Diego,CA)に対して特異な配列のような分割可能リ ンカー配列を含有することにより、精製が容易になる場合もある。1つのそのよ うな発現ベクタが、IRS−p53h及びチオレドキシン或い はエンテロキナーゼ切断部位に先行する6ヒスチジン残基をコードする核酸を含 む融合タンパク質の発現をもたらす。ヒスチジン残基は、IMIAC(Porath,J .等(1992,Prot.Exp.Purlf.3:263-281)に記載されるような固定化金属イオン親 和性クロマトクグラフィ)において精製を容易にし、一方エンテロキナーゼ切断 部位は融合タンパク質からのIRS−p53hを精製するための手段を提供する 。融合タンパク質を含むベクタの議論はKroll,D.J.等(1993;DNA Cell Biol.12:4 41-453)に与えられる。 組換え生成物に加えて、IRS−p53hのフラグメントは、固相技術(Merr ifield J(1963)J Am Chem Soc 85:2149-2154)を用いる直接ペプチド合成により 生成される場合もある。タンパク質合成は手動技術を用いて或いは自動化により 実行されることができる。例えば、Applied Biosystems 431A Peptide Synthesi zer(Perkin Elmer)を製造者により提供される取扱説明書に従って用いることに より自動合成を実現してもよい。IRS−p53hの種々のフラグメントは化学 的に個別に合成されるか、或いは化学的方法を用いて結合され、完全長分子を生 成することができる。 治療 IRS−p53hとハムスターからのIRSp53(GI 1203820) との間には化学的及び構造的相同性がある。さらにIRS−p53hは、癌及び 炎症に関連する組織において発現する。それゆえIRS−p53hは癌、炎症及 びインスリン反応に関連する疾患においてある役割を有するように現れる。詳細 にはIRS−p53hの発現及び活性の増加は、癌或いは炎症に関連し、IRS −p53hの発現及び活性の減少はインスリン反応に関連する疾患において役割 を果たす。 それゆえ一実施例では、IRS−p53h或いはそのフラグメント又は誘導体 が被検者に投与され、インスリン反応に関連する疾患を治療することができる。 そのような疾患は限定はしないが、タイプ2(非インスリン依存性)糖尿病、高 血糖症、筋緊張性筋ジストロフィー、黒色表皮腫、網膜症、神経障害、アテロー ム性冠状及び末梢動脈疾患並びに末梢及び自立神経障害を含む。 別の実施例では、IRS−p53hを発現することができるベクタ或いはその フラグメント又は誘導体を被検者に投与して、限定はしないが、上記疾患を含む インスリン反応に関連する疾患を治療することができる。 さらに別の実施例では、IRS−p53hのアゴニストが被検者に投与され、 限定はしないが、上記疾患を含むインスリン反応に関連する疾患を治療すること ができる。 一実施例では、IRS−p53hのアンタゴニストが被検者に投与され、癌を 予防或いは治療することができる。そのような疾患は、限定はしないが、腺癌、 白血病、リンパ腫、黒色腫、骨髄腫、肉腫及び奇形腫、並びに詳細には副腎、膀 胱、骨、骨髄、脳、***、子宮頚、胆嚢、神経節、消化管、心臓、腎臓、肝臓、 肺、筋肉、卵巣、膵臓、副甲状腺、陰茎、前立腺、唾液腺、皮膚、脾臓、精巣、 胸腺、甲状腺及び子宮の癌を含む種々の種類の癌を含む。一態様では、IRS− p53hに特異な抗体をアンタゴニストとして直接或いは標的又は送達機構とし て間接的に、IRS−p53hを発現する細胞又は組織に医薬品因子を運ぶため に用いることができる。 別の実施例では、IRS−p53hをコードするポリヌクレオチドの相補配列 を発現するベクタが被検者に投与され、限定はしないが上記癌を含む癌を治療或 いは予防することができる。 一実施例では、IRS−p53hのアンタゴニストを被検者に投与し て、任意のタイプの炎症、詳細にはある特定の疾患から生じる炎症を予防或いは 治療することができる。炎症を伴うそのような疾患は、限定はしないが、AID S、アジソン病、成人呼吸窮迫症候群、アレルギー、貧血症、喘息、アテローム 性硬化症、気管支炎、胆嚢炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、アトピー性皮膚炎、 皮膚筋炎、糖尿病、肺気腫、結節性紅斑、萎縮性胃炎、糸球体腎炎、痛風、グレ ーブス病、過好酸球増加症、過敏性腸症候群、紅斑性狼瘡、多発性硬化症、重症 筋無力症、心筋或いは心膜炎症、変形性関節炎、骨粗鬆症、膵臓炎、多発性筋炎 、リウマチ様関節炎、強皮症、シェーングレーン症候群及び自己免疫性甲状腺炎 、さらに癌、血液透析、体外循環の合併症、ウイルス性、細菌性、真菌性、寄生 性、原生動物性及び寄生虫様性感染及び外傷を含む。一態様では、IRS−p5 3hに特異な抗体をアンタゴニストとして直接或いは標的又は送達機構として間 接的に、IRS−p53hを発現する細胞又は組織に医薬品因子を運ぶために用 いることができる。 別の実施例では、IRS−p53hをコードするポリヌクレオチドの相補配列 を発現するベクタが被検者に投与され、限定はしないが、上記炎症を含む任意の 種類の炎症を治療或いは予防することができる。 他の実施例では、本発明のタンパク質、アンタゴニスト、抗体、アゴニスト、 相補配列或いはベクタの任意のものが、他の適当な治療薬剤と組み合わせて投与 される場合もある。併用療法において用いるのに適した薬剤の選択は、従来の製 薬原理に基づいて当業者により行われることができる。治療薬剤の組み合わせは 相互依存的に作用し、上記種々の疾患の治療及び予防に影響を与えるようになる 。このアプローチを用いて、少ない投与量の薬剤で治療有効度を達成し、それに より有害な副作用に対する危険性を低減することができる。 IRS−p53hのアンタゴニスト或いはインヒビタは当業者に広く 知られた方法を用いて生成されることができる。詳細には、精製されたIRS− p53hを用いて抗体を生成するか、或いは医薬品因子のライブラリをスクリー ニングし、IRS−p53hと特異に結合するものを同定することができる。 IRS−p53hに対する抗体は当業者に周知の方法を用いて生成することが できる。そのような抗体は、限定はしないが、ポリクローナル、モノクローナル 、キメラ、一本鎖、Fabフラグメント及びFab発現ライブラリにより生成さ れるフラグメントを含む場合がある。中和性抗体(ダイマ形成を抑制する抗体) が特に治療上の使用に適している。 抗体を生成する場合、ヤギ、ウサギ、ラット、マウス、ヒト等を含む種々の宿 主を、IRS−p53h或いはその任意のフラグメント又は免疫原特性を有する オリゴペプチドを注射することにより免疫することができる。宿主種に応じて、 種々のアジュバントを用いて免疫学的反応を高めることができる。そのようなア ジュバントは、限定はしないが、フロイントアジュバント、水酸化アルミニウム のようなミネラルゲル、及びリゾレシチン、プルロニックポリオル、ポリアニオ ン、ペプチド、油乳剤、キーホールリンペットヘモシアニン及びジニトロフェノ ールのような表面活性物質を含む。ヒトに用いられるアジュバントの中では、B CG(カルメット−ゲラン杆菌)及びコリネバクテリウムパルヴムが特に好ま しい。 IRS−p53hに対する抗体を誘発するために用いられるオリゴペプチド、 ペプチド、或いはフラグメントは、少なくとも5アミノ酸からなるアミノ酸配列 を有し、より好ましくは少なくとも10アミノ酸からなるアミノ酸配列を有する 。それらは自然タンパク質のアミノ酸配列の一部と同一であり、小さな自然発生 分子からなる完全なアミノ酸配列を含むことが好ましい。IRS−p53hアミ ノ酸の短い伸展部はキーホ ールリンペットヘモシアニン及びキメラ分子に対して生成される抗体のような別 のタンパク質の伸展部と融合されるようになる。 IRS−p53hに対するモノクローナル抗体は、培養中の持続細胞株による 抗体分子の生成を実現する任意の技術を用いて調製されることができる。これら の技術は、限定はしないが、ハイブリドーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技 術及びEBV−ハイブリドーマ技術を含む(Koehler等(1975)Nature 256:495-49 7、Kozbor等(1985)J.Immunol Methods 81:31-42、Cote等(1983)Proc Natl Acad Sci 80:2026-2030、Cole,S.P等(1984)Mol.Cell Biol.62:109-120)。 さらに「キメラ抗体」を生成するために開発された技術、適当な抗原特異性及 び生物活性を有する分子を得るためのマウス抗体遺伝子のヒト抗体遺伝子へのス プライシングを用いることができる(Morrison等(1984)Proc Natl Acad Sci 81: 6851-6855:Neuberger等(1984)Nature 312:604-608;Takeda等(1985)Nature 314:4 52-454)。別法では、一本鎖抗体の生成のために記載される技術が、IRS−p 53h特異性一本鎖抗体を生成するように、当分野で知られた方法を用いて適合 されてもよい。関連する特異性を有するが、個別のイディオタイプ組成物からな る抗体が、ランダムに組み合わせた免疫グロビンライブラリからの鎖混合により 生成されることもできる(Burton D.R.(1991)Proc Natl Acad Sci 88:11120-3)。 また抗体は、リンパ球集団においてin vivoで生成を誘発することによ り、或いは組換え免疫グロブリンライブラリ又は論文(Orlandi等(1989,Proc Nat l Acad Sci 86:3833-3837、Winter G and Milstein C(1991;Nature 349:293-299 )に開示されるような非常に特異性の結合剤のパネルをスクリーニングすること により生成することもできる。 またIRS−p53hに対する特異な結合部位を含む抗体フラグメン トを発生させることもできる。例えば、そのようなフラグメントは、限定はしな いが、抗体分子のペプシン消化により生成することができるF(ab’)2フラ グメント及びF(ab’)2フラグメントのジスルフィド架橋を還元することに より生成することができるFabフラグメントを含む。別法では、Fab発現ラ イブラリを構成して、所望の特異性を有するモノクローナルFabフラグメント を迅速にしかも容易に同定できるようにする(Huse WD等(1989)Science 256:127 5-1281)。 種々のイムノアッセイを用いて、所望の特異性を有する抗体を同定するために スクリーニングすることができる。確立された特異性を有するポリクローナル抗 体或いはモノクローナル抗体のいずれかを用いる結合タンパク競合測定法或いは 免疫放射測定法用の種々のプロトコルが、当分野では周知である。そのようなイ ムノアッセイは典型的には、IRS−p53hとその特異的抗体との間の複合形 成体を測定することを含む。2つの非干渉性IRS−p53hエピトープに反応 するモノクローナル抗体を利用する2部位モノクローナル系イムノアッセイが好 ましいが、結合タンパク質競合測定法を用いることもできる(Maddox上記)。 本発明の別の実施例では、IRS−p53hをコードするポリヌクレオチド或 いはその任意のフラグメント、又は相補配列が治療のために用いられる場合があ る。一態様では、IRS−p53hをコードするポリヌクレオチドに対する相補 配列が、mRNAの転写を遮断することが望ましい状況において用いられる。詳 細には、細胞は、IRS−p53hをコードするポリヌクレオチドに相補的な配 列と形質転換されることができる。このように相補分子或いはフラグメントを用 いて、IRS−p53h活性を調節するか、或いは遺伝子機能の調節を実現する ことができる。そのような技術は当分野では周知であり、センス或いはアンチセ ンスオリゴヌクレオチド又はより大きなフラグメントが、IRS−p5 3hをコードする配列のコード化或いは調節領域に沿った種々の位置から設計さ れることができる。 レトロウイルス、アデノウイルス、ヘルペスウイルス或いはワクシニアウイル スに、また種々の細菌性プラスミドに由来する発現ベクタが、標的となる器官、 組織或いは細胞集団にヌクレオチド配列を送達するために用いられる場合がある 。当業者には周知の方法を用いて、IRS−p53hをコードする遺伝子のポリ ヌクレオチドに相補的な核酸配列を発現する組換えベクタを構成することができ る。これらの技術は、Sambrook等(上記)及びAusubel等(上記)の両方に記載され る。 IRS−p53hをコードする遺伝子は、細胞或いは組織を、IRS−p53 hをコードする高レベルのポリヌクレオチド或いはそのフラグメントを発現する 発現ベクタと形質転換することにより遮断されるようになる。そのような構成体 は、翻訳できないセンス或いはアンチセンス配列を細胞内に導入するために用い られる。DNA内に統合されない場合であっても、そのようなベクタは、内因性 ヌクレアーゼにより無能にされるまで、RNA分子を転写し続けることができる 。一過性の発現は、非複製ベクタを用いて一ヶ月或いはそれ以上の間持続し、適 当な複製エレメントがベクタ系の一部であるならさらに長く持続するようになる 。 上記のように遺伝子発現の調節は、IRS−p53hをコードする遺伝子の制 御、5’或いは調節領域(シグナル配列、プロモータ、エンハンサ及びイントロ ン)に対する相補配列或いはアンチセンス分子(DNA、RNA或いはPNA) を設計することにより得られるようになる。転写開始部位、例えば開始部位から の位置−10と+10との間に由来するオリゴヌクレオチドが好ましい。同様に 三重らせん塩基対技術を用いて抑制を実現することができる。二重らせんの能力 の抑制がポリメラーゼ、転写因子或いは調節分子を結合するのに十分に開放され るように なるため、三重らせん対は有用である。三重DNAを用いる最近の治療の進歩は 、論文(Gee JE等(1994)In:Huber BE and BI Carr,Molecular and Immunologic A pproaches ,Futura Publishing Co.Mt Kisco NY)に記載されている。また相補配 列或いはアンチセンス分子は、転写物がリボソームに結合するのを防ぐことによ りmRNAの翻訳を遮断するように設計することができる。 リボザイム、すなわち酵素RNA分子が、RNAの特異な切断を触媒するため に用いられる場合がある。リボザイム作用の機構は、相補的標的RNAへのリボ ザイム分子の配列特異性ハイブリダイゼーションを伴い、それにヌクレオチド鎖 切断分割が伴う。用いられる例は、IRS−p53hをコードする配列のヌクレ オチド鎖切断分割に特異にしかも有効に触媒作用することができる遺伝子操作さ れたハンマヘッドモチーフリボザイムを含む。 任意の潜在的なRNA標的内の特異なリボザイム切断部位は、配列を含むリボ ザイム切断部位GUA、GUU及びGUCに対して標的分子を走査することによ り最初に同定される。一度同定されれば、切断部位を含む標的遺伝子の領域に対 応する15〜20の間のリボヌクレオチドの短いRNA配列は、オリゴヌクレオ チドを無能にする副構造的な特徴に対して評価されることができる。また候補標 的の適合性も、リボヌクレアーゼ保護アッセイを用いて相補的なオリゴヌクレオ チドとのハイブリダイゼーションに対する容易性を検査することにより評価する ことができる。 本発明の相補性リボ核酸分子及びリボザイムは、核酸分子の合成に関して当分 野で知られた任意の方法により調製することができる。これらは、固相ホスホラ ミダイト化学合成のようなオリゴヌクレオチドを化学的に合成するための方法を 含む。別法では、RNA分子は、IRS−p 53hをコードするDNA配列のin vitro及びin vivo転写によ り生成することができる。そのようなDNA配列は、T7或いはSP6のような 適当なRNAポリメラーゼプロモータを用いて種々のベクタ内に組み込むことが できる。別法では、これらのcDNA構成体は、相補RNAを合成し、細胞株、 細胞或いは組織内に構成的に或いは誘導的に導入することができる。 RNA分子を修飾して細胞内安定性及び半減期を改善することもできる。可能 な修飾は、限定はしないが、分子の5’並びにまた3’末端でのフランキング配 列の付加、或いは分子のバックボーンにおけるホスホジエステラーゼ連鎖ではな くホスホロチオネート或いは2’O−メチルの使用を含む。この概念はPNAの 生成に固有のものであり、イノシン、キュエオシン及びワイブトシン並びにアセ チル−、メチル−、チオ−、及び内因性エンドヌクレアーゼにより容易に識別さ れないアデニン、シチジン、グアニン、チミン及びウリジンの同様に修飾された 形成体のような従来にはない塩基を含有することにより、これら分子の全体に拡 張されることができる。 細胞或いは組織内にベクタを導入するために多くの方法が利用可能であり、 vivoin vitro及びex vivoで使用するのに同様に適し ている。ex vivo治療の場合、ベクタは、患者から取り出された基幹細胞 内に導入され、同じ患者に戻される自家移植物に対してクローンのように繁殖す ることができる。形質移入、リポソーム注射或いはポリカチオンアミノポリマに よる送達(Goldman,C.K.等(1997)Nature Biotechnology 15:462-66、参照して本 明細書の一部としている)は、当分野で周知の方法を用いて実現することができ る。 上記治療方法の任意の方法は、例えばイヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ウサギ、サル 、そして最も好ましくはヒトのような哺乳類を含む、治療を要 する被検者に適用されることができる。 本発明のさらに別の実施例は、上記任意の治療効果のために、製薬的に許容可 能な担体と共に用いられる医薬品組成物の投与に関連する。そのような医薬品組 成物は、IRS−p53h、IRS−p53hに対する抗体、擬態、アゴニスト 、アンタゴニスト或いはIRS−p53hのインヒビタからなることができる。 組成物は単独で、或いは限定はしないが、食塩水、緩衝食塩水、デキストロース 及び水を含む任意の無菌の生体適合性医薬品担体において投与されることがある 、安定化化合物のような少なくとも1つの他の薬剤との組み合わせて投与される ことができる。これらの組成物は単独で、或いは他の薬剤、薬物或いはホルモン と組み合わせて患者に投与してもよい。 本発明に用いられる医薬品組成物は、限定はしないが、経口、静脈内、筋肉内 、動脈内、骨髄内、クモ膜下、心室内、経皮、皮下、腹膜内、鼻腔内、腸内、局 所、舌下、直腸手段を含む任意の経路により投与されることができる。 活性処方成分に加えて、これらの医薬品組成物は、製薬的に用いることができ るプレパラートへの活性化合物の処理を容易にする医薬品添加物及び補助剤を含 む適当な製薬的に許容可能な担体を含む場合もある。さらに製剤及び投与に関す る技術についての詳細は、Remington's Pharmaceutical Sciences(Maack Publis hing Co.Easton PA)の最新版に見出される。 経口投与の場合の医薬品組成物は、経口投与に適した投与量の当分野で周知の 製薬的に許容可能な担体を用いて調剤することができる。そのような担体により 、医薬品組成物は、患者が経口摂取するための錠剤、丸剤、糖衣剤、カプセル剤 、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー、懸濁剤等として調剤されることができ る。 経口投与するための医薬品調剤は、活性化合物と固形の医薬品添加物とを混合 して、選択的にはその混合物を細かく砕いて、さらに所望に応じて、錠剤或いは 糖衣剤コアを得るために適当な補助剤を加えた後、顆粒剤の混合物を処理して得 られるようになる。適当な医薬品添加物は、ラクトース、スクロース、マンニト ール或いはソルビトールを含む糖、トウモロコシ、小麦、米、じゃがいも或いは 他の植物からのデンプン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロ ース或いはカルボキシルメチルセルロースナトリウムのようなセルロース、及び アラビアゴム及びトラガカントゴムを含むゴム、並びにゼラチン及びコラーゲン のようなタンパク質を含む炭水化物或いはタンパク質賦形剤である。必要なら、 架橋結合されたポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸或いはアルギン酸ナト リウムのようなその塩を含む、崩壊剤或いは可溶化剤が加えられてもよい。 糖衣剤コアは濃縮糖液のような適当なコーティングと共に用いられ、その濃縮 糖液はアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポルゲル(carbop ol gel)、ポリエチレングリコール並びにまた二酸化チタン、ラッカー溶液及び 適当な有機溶剤或いは溶剤混合物を含む場合もある。染料或いは色素が製品識別 、或いは活性化合物の量、すなわち投与量を特徴付けるために、錠剤或いは糖衣 錠コーティングに加えられる場合もある。 経口投与される医薬品製剤は、ゼラチンからなる押込嵌合式のプッシュフィッ トカプセル剤、並びにゼラチン及びグリコール或いはソルビトールのようなコー ティングからなる軟らかく封止されたソフトシールカプセル剤を含む。プッシュ フィットカプセル剤は、ラクトース或いはデンプンのような賦形剤或いは結合剤 、タルク或いはステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、さらに選択的に安定 化剤と混合された活性処方 成分を含むことができる。ソフトカプセル剤では、活性化合物は、脂肪油、パラ フィン油、或いは安定化剤を用いる場合、用いない場合があるが液体ポリエチレ ングリコールのような適当な溶液内に溶解或いは懸濁される場合がある。 非経口投与のための医薬品製剤は、活性化合物の水溶液を含む。注射するため に、本発明の医薬品組成物は、水溶液内で、好ましくはハンクス溶液、リンガー 溶液或いは生理緩衝食塩水のような生体適合性緩衝液内で調製される。水性の注 入懸濁液は、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ソルビトール或いはデ キストランのように、懸濁液を増粘する物質を含む場合がある。さらに活性化合 物の懸濁液は、適当な油性の注射懸濁液として調製される場合もある。適当な親 油性溶剤或いは溶媒は、ゴマ油のような脂肪油、或いはオレイン酸エチル又はト リグリセリドのような合成脂肪酸エステル、或いはリポソームを含む。選択に応 じて懸濁液は、高濃縮の溶液の調製を可能とするために化合物の可溶性を増加さ せる適当な安定化剤或いは薬剤を含む場合もある。 局所或いは鼻腔投与の場合、特定の障壁を浸透させるのに適した浸透剤が調製 において用いられる。そのような浸透剤は当分野で一般に知られている。 本発明の医薬品組成物は、当分野において知られた、例えば、従来の混合、溶 解、顆粒化、糖衣形成、微粒子化、乳状化、カプセル化、包括(entrapping)或 いは凍結乾燥処理による方法で製造される。 医薬品組成物は塩類として提供され、限定はしないが、塩酸、硫酸、酢酸、乳 酸、酒石酸、リンゴ酸、琥珀酸等の多くの酸を用いて形成することができる。塩 類は、対応する遊離塩基形の場合より、水性或いはプロトン性溶剤において可溶 性を有する傾向がある。他の場合に好ましい製剤は、使用前に緩衝剤と結合され たpH範囲4.5−5.5の1mM −50mMヒスチジン、0.1%−2%スクロース、2%−7%マンニトールの 任意のもの或いは全てを含む凍結乾燥粉末である。 医薬品組成物が調製された後、それらは適当な容器に入れられ、指示された条 件の治療のためにラベルを貼付される。IRS−p53hの投与の場合、そのよ うなラベル貼付は、投与の量、頻度並びに方法を含むであろう。 本発明に用いるために適した医薬品組成物は、活性処方成分が目的を果たすた めの有効な量だけ含まれる組成物を含む。有効な量を投与することは、当業者の 能力内で果たすことができる。 任意の化合物の場合、製薬的に有効な量は、例えば腫瘍性細胞の細胞培養アッ セイ、或いは通常マウス、ウサギ、イヌ或いはブタの動物標本のいずれかにおい て最初に見積もられる。また動物標本を用いて、所望の濃縮範囲及び投与の経路 が確定される。その後その情報を用いて、ヒトに投与するための有効な量及び経 路を確定することができる。 製薬的に有効な量は、症状或いは状態を改善する、例えばIRS−p53h或 いはそのフラグメント、IRS−p53hの抗体、アゴニスト、アンタゴニスト 、或いはIRS−p53hのインヒビタの主成分の量である。そのような化合物 の治療に対する有効度及び毒性は、細胞培養或いは実験動物における標準的な製 薬的手順、例えばED50(集団の50%において製薬的に有効な量)及びLD 50(集団の50%が致死する量)により確定することができる。治療効果と毒 性効果の投与量比が治療指数であり、比LD50/ED50として表すことがで きる。大きな治療指数を示す医薬品組成物が望ましい。細胞培養アッセイ及び動 物実験から得られるデータは、ヒトに投与するための量の範囲を処方する際に用 いられる。そのような化合物の投与量は、毒性が非常に少ないか或いは全くなく ED50を含む血中濃度の範囲内にあることが好ましい。 投与量は、用いられる投与形態、患者の感度及び投与経路によりこの範囲内で変 化する。 厳密な投与量は、治療を要する患者に関連する要因により医師によって確定さ れるであろう。量及び投与を調整して、十分なレベルの活性成分を与えたり、或 いは所望の効果を維持することもある。考慮される場合がある要因は疾患状態の 重症度、被検者の健康状態、患者の年齢、体重及び性別、食事、投与の時間及び 頻度、薬物の組み合わせ、反応への敏感度、並びに治療に対する耐性/反応を含 む。特定の製剤の半減期及びクリアランス率に応じて、3〜4日毎、毎週或いは 2週間毎に一度、長時間作用性の医薬品組成物が投与される場合もある。 通常の投与量は0.1μg〜100,000μgまで変化し、投与の経路にも よるが、全投与量は約1gまでである。詳細な投与量及び送達の方法に関する手 引きは文献に与えられており、一般に当分野の開業医が利用できる。当業者は、 タンパク質或いはそのインヒビタの場合とは異なる製剤を、ヌクレオチドの場合 に用いるであろう。同様にポリヌクレオチド或いはポリペプチドの送達は特定の 細胞、状態、位置等に対して特異であろう。 診断 別の実施例では、IRS−p53hを特異に結合する抗体が、IRS−p53 hの発現により特徴付けられる状態或いは疾患の診断のために、又はIRS−p 53h、アゴニスト、アンタゴニスト或いはインヒビタを用いて治療中の患者を モニタするための検定法において用いることができる。診断のために有用な抗体 は、治療の場合に上記した方法と同様の方法で調製することができる。IRS− p53hに対する診断検定法は、抗体及び標識を用いて、ヒト体液或いは細胞又 は組織の抽出物にお いてIRS−p53hを検出する方法を含む。抗体は、修飾と共に、或いは修飾 を用いずに用いられる場合があり、リポータ分子と共有結合で、或いは非共有結 合での何れかで結合することにより標識化されることができる。当分野において 知られる種々のリポータ分子を用いることができ、そのいくつかが上記される。 IRS−p53hを測定するためのELISA、RIA及びFACSを含む種 々のプロトコルが当分野において知られており、IRS−p53h発現の変更さ れたレベル或いは異常なレベルを診断するための方法を提供する。IRS−p5 3h発現のための正常或いは標準的な値は、正常な哺乳動物被検者、好ましくは ヒトから取り出された体液或いは細胞抽出物を複合体形成に適した条件下でIR S−p53hに対する抗体と結合することにより確立される。標準的な複合体形 成量は種々の方法により定量することができるが、光計測による手段が好ましい 。被検者において発現したIRS−p53hの量、制御及び疾患、生検組織から のサンプルが標準値と比較される。標準値と被検者値との間の偏差が疾患を診断 するためのパラメータを確立する。 本発明の別の実施例では、IRS−p53hをコードするポリヌクレオチドを 診断のために用いることができる。用いられるポリヌクレオチドはオリゴヌクレ オチド配列、アンチセンスRNA及びDNA分子及びPNAを含む。ポリヌクレ オチドを用いて、IRS−p53hの発現が疾患と相関をなす可能性がある生検 組織の遺伝子発現を検出かつ定量することができる。診断検定法を用いて、IR S−p53hの存否及び過剰発現を識別することができ、さらに治療処置中のI RS−p53hレベルの調節をモニタすることができる。 一態様では、IRS−p53h或いは密接に関連する分子をコードするゲノム 配列を含むポリヌクレオチド配列を検出することができるPC Rプローブを用いるハイブリダイゼーションにより、IRS−p53hをコード する核酸配列を同定することができる。非常に特異な領域、例えば5’調節領域 内の10個の特有のヌクレオチド、或いは特異性の低い領域、例えば特に3’コ ード化領域の何れかからなるプローブの特異性及びそのハイブリダイゼーション 或いは増幅の厳密性(最大、高、中間或いは低)が、そのプローブがIRS−p 53hをコードする自然発生配列のみを同定するか、或いは関連する配列を同定 するかを確定するであろう。 またプローブは関連する配列の検出に用いることもでき、IRS−p53hを コードする配列の任意のものからのヌクレオチドの少なくとも50%を含むこと が好ましい。本発明のハイブリダイゼーションプローブはDNA或いはRNAで あり、配列番号:2のヌクレオチド配列に、或いはプロモータ、エンハンサエレ メント及び自然発生IRS−p53hのイントロンを含むゲノム配列に由来する 。 IRS−p53hをコードするDNAのための特異なハイブリダイゼーション プローブを生成するための手段は、IRS−p53h或いはIRS−p53h誘 導体をコードする核酸配列を、mRNAプローブの生成のためにベクタにクロー ニングする過程を含む。そのようなベクタは当分野では周知で、市販されており 、適当なRNAポリメラーゼ及び適当な標識化ヌクレオチドを加えることによりin vitroでRNAプローブを合成するために用いることができる。ハイ ブリダイゼーションプローブは、種々のリポータ群、例えば32P或いは35S のような放射性核種、又はアビジン/ビオチン結合系等を介してプローブに結合 されるアルカリ性フォスファターゼのような酵素標識により標識されることがで きる。 IRS−p53hをコードするポリヌクレオチド配列はIRS−p5 3hの発現に関連する疾患の診断のために用いることができる。そのような疾患 の例は、タイプ2(非インスリン依存性)糖尿病、高血糖症、筋緊張性筋ジスト ロフィー、黒色表皮腫、網膜症、神経障害、アテローム性冠状及び末梢動脈疾患 並びに末梢及び自立神経障害、AIDS、アジソン病、成人呼吸窮迫症候群、ア レルギー、貧血症、喘息、アテローム性硬化症、気管支炎、胆嚢炎、クローン病 、潰瘍性大腸炎、アトピー性皮膚炎、皮膚筋炎、糖尿病、肺気腫、結節性紅斑、 萎縮性胃炎、糸球体腎炎、痛風、グレーブス病、過好酸球増加症、過敏性腸症候 群、紅斑性狼瘡、多発性硬化症、重症筋無力症、心筋或いは心膜炎症、変形性関 節炎、骨粗鬆症、膵臓炎、多発性筋炎、リウマチ様関節炎、強皮症、シェーング レーン症候群及び自己免疫性甲状腺炎、さらに癌、血液透析、体外循環の合併症 、ウイルス性、細菌性、真菌性、寄生性、原生動物性及び寄生虫様性感染及び外 傷、腺癌、白血病、リンパ腫、黒色腫、骨髄腫、肉腫及び奇形腫、並びに詳細に は副腎、膀胱、骨、骨髄、脳、***、子宮頚、胆嚢、神経節、消化管、心臓、腎 臓、肝臓、肺、筋肉、卵巣、膵臓、副甲状腺、陰茎、前立腺、唾液腺、皮膚、脾 臓、精巣、胸腺、甲状腺及び子宮の癌を含む。IRS−p53hをコードするポ リヌクレオチド配列は、サザン分析或いはノーザン分析、ドットブロット、又は 他の膜系技術において、又はPCR技術において、又は変更されたIRS−p5 3h発現を検出するために患者生検からの体液或いは組織を利用するディップス ティック、pin、ELISA検定法或いはマイクロアレイにおいて用いること ができる。そのような定性的或いは定量的方法は当分野において周知である。 特定の態様では、IRS−p53hをコードするヌクレオチド配列は、種々の 癌、特に上記したような癌の活性化或いは誘発を検出する検定法において有用で ある。IRS−p53hをコードするヌクレオチド配列 は標準的な方法において標識され、ハイブリダイゼーション複合体の形成に適し た条件下で患者からの体液或いは組織サンプルに加えられることができる。適当 な時間インキュベートした後、サンプルは洗浄され、そのシグナルが定量され、 標準値と比較される。生検された或いは抽出されたサンプルのシグナルの量が比 較制御サンプルのシグナルの量から著しく変更されている場合には、そのヌクレ オチド配列はサンプル内のヌクレオチド配列とハイブリダイズされており、サン プル内のIRS−p53hをコードするヌクレオチド配列の変更レベルの存在が 関連する疾患の存在を示す。またそのような検定法を用いて、動物実験、臨床試 験或いは個々の患者の治療をモニタする際に特定の治療措置の有効度を評価する ことができる。 IRS−p53hの発現に関連する疾患を診断する基準を与えるために、発現 に対する正常或いは標準値が確立される。これは、動物或いはヒトいずれかの正 常な被検者から取り出された体液或いは細胞抽出物を、当分野で周知の複合体形 成に適した条件下でIRS−p53hをコードする配列或いはそのフラグメント と結合することにより与えられる。標準的なハイブリダイゼーションは、正常な 被検者から得られた値を、既知の量の実質的に精製されたポリヌクレオチドが用 いられる実験から得られた値と比較することにより定量することができる。正常 サンプルから得られた標準値が、疾患の症状がある被検者のサンプルから得られ た値と比較される。標準値と被検者値との間の偏差を用いて、疾患状態の存在を 立証する。 一度疾患が確定され、治療プロトコルが開始されれば、その患者の発現のレベ ルが正常な患者において観測されるレベルに接近し始めるか否かを評価するため に、ハイブリダイゼーション検定法が規則的に繰り返される。継続的な検定法か ら得られる結果を用いて、数日から数ヶ月の 期間に渡る治療の有効度を示すことができる。 癌の場合、個々の患者からの生検組織内の異常な量の転写物の存在が、疾患の 発生に対する素因を示すか、或いは実際の臨床的な症状が発生する前に疾患を検 出するための手段を提供する。この種のより決定的な診断により、専門医は、予 防措置或いは初期段階での積極的な治療を行うことができ、それにより癌の発生 を予防したり、或いは進行するのを防ぐこともできる。 IRS−p53hをコードする配列から設計されるオリゴヌクレオチドに対す るさらなる診断的な使用は、PCRの使用を含む場合がある。そのようなオリゴ マは化学的に合成されるか、酵素的に生成されるか、或いはin vitroで 生成されてもよい。オリゴマは、2つのヌクレオチド配列、すなわち1つがセン ス方向(5’−>3’)を有し、もう1つがアンチセンス方向(3’<−5’) を有するヌクレオチド配列からなり、特異な遺伝子或いは条件の同定のために最 適化された条件下で用いられることが好ましい。同一の2つのオリゴマ、入れ子 状の組のオリゴマ、或いはオリゴマの縮重プールであっても、密接に関連するD NA或いはRNA配列を検出並びにまた定量するために低い厳密性条件下で用い ることができる。 またIRS−p53hの発現を定量するために用いることができる方法は、ヌ クレオチドの放射標識化或いはビオチン標識化、或いは制御核酸の相互増幅並び に実験結果が書き込まれる標準曲線を含む(Melby,P.C.等(1993)J.Immunol.Meth ods,159:235-244;Duplaa,C.等(1993)Anal.Blochem.229-236)。多数サンプルを 定量する速度は、ELISAフォーマットの検定法を実行することにより加速す ることができ、その際対象のオリゴマは種々の希釈法において表され、スペクト ル光計測反応或いは色計測反応が迅速な定量化をもたらすようになる。 さらに別の実施例では、ここで記載されたポリヌクレオチド配列の任意のもの に由来するオリゴヌクレオチドをマイクロアレイの標的として用いることもでき る。マイクロアレイを用いて、多数の遺伝子の発現レベルを同時にモニタし(転 写画像を生成するために)、遺伝子変異配列、突然変異及び多形性を同定するこ とができる。この情報は、遺伝子機能を確定し、疾患の遺伝的基礎を理解し、か つ疾患を診断する際に有用であり、また治療薬剤の活性を発生及びモニタする際 に有用であろう。 一実施例では、全て参照してその全体を本明細書の一部としているPCT出願 WO95/11995(chee等)、Lockhart,D.J.等(1996;Nat.Biotech.14:1675-1 680)及びSchena,M等(1996;Proc.Natl.Acad.Sci.93:10614-10619)に記載される方 法に従ってマイクロアレイが準備及び使用される。 マイクロアレイは、多数の固有の一本鎖核酸配列、通常固形支持体に固定され るcDNAの合成アンチセンスオリゴヌクレオチド或いはフラグメントのいずれ がからなることが好ましい。マイクロアレイは、既知の5’或いは3’配列に渡 る連続的なオリゴヌクレオチドを含むか、或いは完全長配列又はその配列の長さ に沿った特定の領域から選択される固有のオリゴヌクレオチドを含む場合がある 。ある状況では、マイクロアレイにおいてオリゴヌクレオチドの対を用いること が適切である場合がある。その「対」は、好ましくは中央に位置する1つのヌク レオチドを除いて同一である2つの鎖からなるであろう。オリゴヌクレオチド対 の数は、所与の配列に対して10−500の範囲にある。マイクロアレイに用い られるポリヌクレオチドは、少なくともその配列のフラグメントが既知である対 象の遺伝子に特異であるか、或いは特定の細胞タイプ、発生的或いは疾患状態に 共通の1つ或いはそれ以上の未同定のcDNAに特異であるオリゴヌクレオチド であることができる。 あるマイクロアレイ用に既知の配列に対するオリゴヌクレオチドを生成するた めに、対象の遺伝子が、ヌクレオチド配列の5’或いはより好ましくは3’末端 で開始するコンピュータアルゴリズムを用いて試験される。そのアルゴリズムは 、その遺伝子に対して固有で、ハイブリダイゼーションに適した範囲内にGC含 有物を有し、ハイブリダイゼーションに干渉することがある予測される副構造体 のない所定の長さのオリゴマを同定する。そのオリゴマは、光配向化学処理(li ght-directed chemical process)を用いて支持体上の指定された領域で合成さ れる。支持体は紙、ナイロン或いは他の種類の膜、フィルタ、チップ、スライド ガラス或いは任意の他の適切な固定支持体である。 別の態様ではオリゴマは、参照してその全体を本明細書の一部としているPC T出願WO95/251116(Baldeschweiler等)に記載されるような、化学 的結合手順及びインクジェット吐着装置を用いることにより支持体の表面上で合 成されることができる。別の態様では、ドット(或いはスロット)ブロットに類 似の「グリッド(gridded)」アレイを用いて、真空系、熱、紫外線(UV)、 機械的或いは化学的結合手順を利用して、支持体の表面にcDNAフラグメント 或いはオリゴヌクレオチドを配列及び結合することができる。アレイは手動で或 いは市販の開発された(スロットブロット或いはドットブロット装置)機器及び 装置(ロボット式機器を含む)を用いて生成され、8ドット、24ドット、96 ドット、384ドット、1536ドット或いは6144ドット、又は市販の機器 を有効に使用するのに適した任意の他の数量のグリッドを含む。 マイクロアレイを用いてサンプルの分析を行うために、生検サンプルからのR NA或いはDNAがハイブリダイゼーションプローブに加工される。mRNAが 単離され、cDNAがアンチセンスRNA(aRNA) を形成するためのテンプレートとして生成及び使用される。aRNAは、蛍光性 ヌクレオチドの存在下で増幅され、標識されたプローブはマイクロアレイでイン キュベートされ、プローブ配列がマイクロアレイの相補的オリゴヌクレオチドに ハイブリダイズするようにする。インキュベーションの条件は、ハイブリダイゼ ーションが正確な相補的一致或いは種々の低い相補性の度合で生じるように調整 される。ハイブリダイズされなかったプローブを除去した後、スキャナを用いて 蛍光のレベル及びパターンを確定する。スキャナで読取られた画像は検査され、 マイクロアレイ上の各オリゴヌクレオチド配列の相補性の度合及び相対的な存在 比を確定する。生検サンプルは任意の体液(例えば血液、尿、唾液、粘液、胃液 等)、培養された細胞、バイオプシ或いは他の組織標本から得ることができる。 同時に、個々の配列の全てに対して、検出系を用いて、ハイブリダイゼーション の存否或いは量を測定することができる。このデータは、サンプル内の配列、突 然変異、変異配列或いは多形性についての大規模な相関調査の場合に用いること ができる。 本発明の別の実施例では、IRS−p53hをコードする核酸配列を用いて、 自然発生ゲノム配列をマッピングするために有用なハイブリダイゼーションプロ ーブを生成することもできる。その配列は特定の染色体に或いは染色体の特異領 域に、又はPrice CM(1993;Blood Rev 7:127-34)及びTrask BJ(1991;Trends Gene t 7:149-154)に記載されるような、例えばヒト人工染色体(HAC)、酵母菌人 工染色体(YAC)、細菌性人工染色体(BAC)、細菌性P1構造体或いは単 一染色体cDNAライブラリのような人工染色体構造に遺伝子座が決定されるよ うになる。 蛍光in situハイブリダイゼーション(Verma等(1988)Human Chromosom es :A Manual of Basic Techniques,Pergamon Press,New York NYに記載されるFISH)は、他の物理的な染色体マッピング 技術及び遺伝マップデータと相関をなす。遺伝子マップデータの例は種々の科学 雑誌或いはOnline Mendelian Inheritance in Man(OMIM)に見出すことが できる。物理的染色体マップ上のIRS−p53hをコードする遺伝子の位置と 特定の疾患或いは特定の疾患に対する素因との間の相関は、その遺伝的疾患に関 連するDNAの領域の境界を定めることを可能にする。本発明のヌクレオチド配 列を用いて、正常者と保菌者、すなわち感染した個体との間の遺伝子配列の差を 検出することができる。 染色体標本のin situハイブリダイゼーション及び確立された染色体マ ーカを用いる連鎖分析のような物理的マッピング技術が、遺伝子マップを拡張す るために用いることができる。マウスのような別の哺乳動物種の染色体上の遺伝 子の配置が、特定のヒト染色体の数或いは腕が未知であっても、関連するマーカ を明らかにできる場合もある。新規の配列は、物理的なマッピングにより染色体 腕或いはその一部に割り当てることができる。これは、位置クローニング或いは 他の遺伝子発見技術を用いる疾患遺伝子を検索する研究者に貴重な情報を与える 。一度疾患或いは症候群が、特定のゲノム領域、例えばATから11q22−2 3まで(Gatti等(1998)Nature 336:577-580)への遺伝子連鎖により自然のまま局 在されていれば、その領域に対する任意の配列マッピングが、さらなる研究のた めの関連或いは調節遺伝子を表すことができる。また本発明のヌクレオチド配列 を用いて、正常個体と保菌者、すなわち感染個体との間における転座、逆位等に より染色***置内の差を検出することができる。 本発明の別の実施例では、IRS−p53h、その触媒作用或いは免疫原性フ ラグメント又はオリゴペプチドを用いて、種々の薬物スクリー ニング技術の任意のものにおいて化合物のライブラリをスクリーニングすること ができる。そのようなスクリーニングにおいて用いられるフラグメントは溶液中 に遊離するか、固形支持体に付着するか、細胞表面上に支持されるか、或いは細 胞内に配置されてもよい。IRS−p53hと被試験薬剤との間に形成される結 合複合体が測定される場合もある。 薬物スクリーニングに用いる場合がある別の技術は、PCT出願WO84/0 3564に記載されるような、対象のタンパク質への適当な結合親和性を有する 化合物の高スループットスクリーニングを実現する。この方法では、IRS−p 53hに適用されるような、多数の異なる小さな検査化合物がプラスチックピン 或いはある他の表面のような固体支持体上で合成される。検査化合物はIRS− p53h或いはそのフラグメントと反応し、洗浄される。その後結合されたIR S−p53hが当分野で周知の方法により検出される。また精製されたIRS− p53hは、上記の薬物スクリーニング技術において用いるためのプレート上に 直接コーティングされることもできる。別法では、非中和性抗体を用いて、ペプ チドを捕捉し、それを固体支持体上に固定化することもできる。 別の実施例では、IRS−p53hを特異に結合することができる中和性抗体 がIRS−p53hを結合するための検査化合物と競合する、競合薬物スクリー ニングアッセイを使用する。この方法では、抗体を用いて、IRS−p53hと 1つ或いはそれ以上の抗原決定基を共有するあらゆるペプチドの存在を検出する ことができる。 さらに別の実施例では、その新規の技術が、限定はしないがトリプレット遺伝 子コード及び特異な塩基対相互作用のような特性を含む現在知られているヌクレ オチド配列の特性に依存する場合には、IRS−p53hをコードするヌクレオ チド配列を、将来開発されるあらゆる分子生物学技術において用いることができ る。 以下の例は、本発明を例示するために与えるものであり、本発明を制限するも のではない。 実施例 I BRSTNOT04cDNAライブラリ構成 BRSTNOT04cDNAライブラリは、浸潤3段階(4段階中)、核2段 階(3段階中)乳管癌の診断後に、一側性拡張の簡単な***切除中の62歳女性 から切除された微視的に正常な***組織から構成された。手術周辺部は腫瘍に対 して陰性を示した。またin-situ癌の0.4cm病巣が***の下側4分円におい て同定された。手術前に、その患者は良性高血圧症、脳欠陥障害、動脈硬化症、 高脂血症及び血尿と診断された。患者家族病歴は兄弟において肝臓癌があった。 凍結組織はBrinkmann Homogenizer Polytron PT-3000(Brinkmann Instruments ,Westbury NJ)を用いてグアニジニウムイソチオシアネート溶液中に均質化かつ 溶解された。溶解生成物は5.7M CsClクッション上で、周囲温度におい て毎分25,000回転で18時間Beckman L8-70M Ultracentrifuge(Beckman I nstruments)においてBeckman SW28ロータを用いて遠心分離された。RNAは、 酸性フェノールpH4.0を用いて抽出され、0.3M酢酸ナトリウム及び2. 5倍量のエタノールを用いて沈殿され、リボヌクレアーゼ遊離水内に再懸濁され 、37℃でデオキシリボヌクレアーゼ処理された。RNA抽出及び沈殿は上記の ように繰り返された。その後RNAはQiagen Oligotex kit(QIAGEN Inc.;Chatsw orth,CA)を用いて単離され、cDNAライブラリを構成するために用いられた。 mRNAは、Super Script Plasmid System(Cat.No.18248-013:Gibco/BRL)の 推奨プロトコルに従って処理された。BRSTNOT 04cDNAはSepharose CL4B column(Cat.No.275105-01 Pharmacia Upjohn)上 で分画され、400bpを超えるそのcDNAがpSportIに結合された。 その後プラスミドpSportIはDH5a(登録商標)コンピテント細胞(Cat.No. 18258-012 Gibco/BRL)に形質転換された。 II cDNAクローンの単離及び配列決定 プラスミドDNAは細胞から遊離され、REAL Prep 96 Plasmid Kit(Catalog N o.26173,QIAGEN)を用いて精製された。推奨プロトコルを用いたが以下の点を変 更した。1)細菌は、25mg/Lのカルベニシリン及び0.4%のグリセロー ルで1mlの無菌のTerrific Broth(Catalog No.22711.Gibco/BRL)において培養 された。2)接種後、培養株は19時間インキュベートされ、インキュベーショ ン終了時に細胞は0.3mlの溶解緩衝液で溶解された。3)イソプロパノール 沈殿に続いて、プラスミドDNAペレットが0.1mlの蒸留水に再懸濁された 。プロトコルの最後のステップを終了した後、サンプルは4℃で保管するために 96ウエルブロックに移された。 cDNAは、Peltier Thermal Cyclers(PTC200 from MJ Research,Watertown MA)及びApplied Biosystems 377 DNA Sequencing Systemsと共にHamilton Micro Lab 2200(Hamilton,Reno NV)を用いて、Sanger F等(1975;J Mol Biol 94:441f) の方法により配列決定された。 III cDNAクローン及び推定されたタンパク質の相同性検索 配列表のヌクレオチド配列及びそれに由来するアミノ酸配列は、GenBank、Swi ssProt,BLOCKS及びPima IIのようなデータベースへの問合せ配列として用いられ た。そのデータベースは以前に同定され、 注釈を付けた配列を含んでおり、BLASTを用いて相同性(類似性)の領域の 検索が行われた。BLASTはBasic Local Alignment Search Tool(Altschul. S.F.(1993)J.Mol.Evol.36:290-300,Altschul等(1990)J.Mol.Biol.215:403-410) を表している。 BLASTはヌクレオチド及びアミノ酸配列の両方のアライメントを生成し、 配列類似性を確定した。そのアライメントの局部的な性質のため、BLASTは 厳密な一致を判定する際に、或いは原核(細菌)又は真核(動物、真菌或いは植 物)起源からなる相同体を同定する際に特に有用であった。ここで他のアルゴリ ズム、例えば参照して本明細書の一部としているSmith T.等(1992,Protein Engi neering 5:35-51)に記載されるアルゴリズムが、主要配列パターン及び副次的な 構造間隙の問題を取り扱う際に用いられる。本出願において開示される配列は少 なくとも49ヌクレオチドの長さを有し、不要な塩基は12%未満である(この 場合A、C、G或いはTではなくNが記録される)。 BLASTアプローチはKarlin.S.及びS.F.Atschul(1993;Proc.Nat.Acad.Sci. 90:5873-7)に詳述され、参照して本明細書において用いられており、問合せ配列 とデータベース配列との間の一致を検索し、見い出されたあらゆる一致の統計的 有意性を評価し、ユーザにより選択された有意な閾値を満足する一致のみを報告 した。この応用例では、閾値はヌクレオチドの場合10-25、ペプチドの場合1 0-14に設定された。 インサイト社ヌクレオチド配列が霊長類(pri)、齧歯類(rod)及び哺乳類配 列(mam)の場合にGenBankデータベースに対して検索され、その後同じクローン から推定されたアミノ酸配列が、GenBank機能タンパク質データベース、哺乳動 物(mamp)、脊椎動物(vrtp)及び真核生物(eukp)に対して相同体を検索され た。ある特定の一致に対して関連したデータベースがGixxx±pとして報告された (ここでxxxはpri、 rod等であり、存在する場合にはpはペプチドである)。 IV ノーザン分析 ノーザン分析は、遺伝子の転写物の存在を検出するために用いられる実験用技 術であり、特定の細胞種或いは組織からのRNAが結合されている膜への標識さ れたヌクレオチド配列のハイブリダイゼーションを伴う(Sambrook等、上記)。 BLAST(Altschul SF 1993及び1990上記)を用いる類似のコンピュータ技 術を用いて、GenBank或いはLIFESEQTM database(インサイト社)のよう なヌクレオチドデータベース内の同一或いは関連する分子を検索する。この分析 は多くの膜系ハイブリダイゼーションより非常に速度が速い。さらにコンピュー タ検索の感度を変更して、任意の特定の一致が、厳密な一致或いは相同的一致の 何れとして分類されるかを確定することができる。 検索の基準は、 (%配列同一性×%最大BLASTスコア)/100 として定義される積スコアである。積スコアは、2つの配列間の類似度及び配列 一致の長さの両方を考慮する。例えば、積スコア40の場合、その一致は1−2 %誤差の範囲内で正確であり、70ではその一致は正確であろう。相同性分子は 通常、15−40間の積スコアを示す分子を選択することにより同定されるが、 それより低いスコアでも関連した分子が同定される場合もある。 ノーザン分析の結果は、IRS−p53hをコードする転写物が発生するライ ブラリのリストとして報告される。また存在量及び存在比も報告される。存在量 は、特定の転写物がcDNAライブラリ内に現れる回数を直接表し、存在率は、 存在量をcDNAライブラリ内で試験された 配列の全数で割った値である。 V IRS−p53hをコードするポリヌクレオチドの伸展 インサイト社クローン918158の核酸配列を用いて、部分ヌクレオチド配 列を完全長まで伸展するためにオリゴヌクレオチドプライマを設計した。1つの プライマを合成してアンチセンス方向の伸展を開始し、他のプライマを合成して センス方向の配列を伸展した。プライマを用いて、対象の領域に対する新規で未 知のヌクレオチド配列を含むアンプリコンを「外側に」発生させる既知の配列の 伸展を容易にした。初期プライマは、OLIGO4.06(National Biosciences)或いは 他の適当なプログラムを用いてcDNAから設計され、長さが約22−30のヌ クレオチドになり、50%以上のGC含有物を有し、約68−72℃の温度で標 的配列にアニーリングするようにした。ヘアピン構造及びプライマ−プライマ2 量体化をもたらすことになるヌクレオチドの伸展は避けられた。 選択されたヒトcDNAライブラリ(Gibco/BRL)を用いて配列を伸展した。 2つ以上の伸展が必要或いは望まれる場合には、既知領域をさらに伸展させるた めに、追加のプライマの組が設計される。 XL-PCR kit(Perkin Elmer)の取扱説明書に従って、酵素及び反応混合物を完全 に混合することにより、高い忠実度の増幅が得られた。各プライマを40pmo lかつキット全ての他の成分を推奨された濃度で開始する場合、PCRがPeltie r Thermal Cycler(PTC200;MJ Research,Watertown MA)及び以下のパラメータを 用いて実行された。 ステップ1 1分間94℃(初期変性) ステップ2 1分間65℃ ステップ3 6分間68℃ ステップ4 15秒間94℃ ステップ5 1分間65℃ ステップ6 7分間68℃ ステップ7 さらに15サイクル間ステップ4−6の繰返し ステップ8 15秒間94℃ ステップ9 1分間65℃ ステップ10 7分15秒間68℃ ステップ11 12サイクル間ステップ8−10の繰返し ステップ12 8分間72℃ ステップ13 4℃(保持) 反応混合物の5−10μl部分標本が低濃度(約0.6−0.8%)アガロー スミニゲル上で電気泳動法により分析され、どの反応物が配列の伸展に成功した かを判定した。最も大きな生成物を含むと考えられる帯がゲルから切除され、QI A QuickTM(QIAGEN Inc.Chatsworth,CA)を用いて精製され、再結合及びクローニ ングを容易にするためにクレノウ酵素を用いて、オーバーハングから切除された 。 エタノール沈殿後、その生成物は13μlの連結緩衝液中に再溶解され、1μ lT4−DNAリガーゼ(15ユニット)及び1μlT4ポリヌクレオチドキナ ーゼが加えられ、その混合物は2〜3時間室温で、或いは16℃で一晩の間イン キュベートされた。コンピテントcoli細胞(40μlの適当な媒質内に ある)が3μlの連結混合物と形質転換され、80μlのSOC媒質内で培養さ れた(Sambrook J等、上記)。37℃で1時間インキュベートした後、co li 混合物が、2xCarbを含むLuria Bertani(LB)-agar(Sambrook J等、上 記)上に蒔かれた。翌日、いくつかのコロニーが各プレートから無作為に選び取 られ、適当な市販の無菌96ウエル微量定量プレートの個々のウエル内に置かれ た150μlの液体LB/2xCarb媒質内で培養され た。その翌日、各5μlの一晩おいた培養株が有菌の96ウエルプレートに移さ れ、水で1:10に希釈された後、5μlの各サンプルがPCRアレイ内に移さ れた。 PCR増幅の場合、4ユニットのrTthDNAポリメラーゼ、ベクタプライ マ及び伸展反応のために用いられる1つ或いは両方の遺伝子特異性プライマを含 む18μlの濃縮PCR反応混合物(3.3x)が各ウエルに加えられた。増幅 は以下の条件で実行された。 ステップ1 60秒間94℃ ステップ2 20秒間94℃ ステップ3 30秒間55℃ ステップ4 90秒間72℃ ステップ5 さらに29サイクルの間ステップ2−4の繰返し ステップ6 180秒間72℃ ステップ7 4℃(保持) PCR反応物の部分標本が、分子重量マーカと共にアガロースゲル上で処理さ れた。PCR生成物の大きさが、元の部分cDNAと比較され、適当なクローン が選択され、プラスミドに結合され、そして配列決定された。 同様にして、配列番号:2のヌクレオチド配列を用いて、上記手順、5’伸展 用に設計されたオリゴヌクレオチド及び適当なゲノムライブラリを用いて5’調 節配列を得る。 VI 個々のハイブリダイゼーションプローブの標識化及び使用 配列番号:2に由来するハイブリダイゼーションプローブが、cDNA、ゲノ ムDNA或いはmRNAをスクリーニングするために用いられる。約20塩基対 からなるオリゴヌクレオチドの標識化が特に記載され るが、より大きなヌクレオチドフラグメントにも概ね同じ手順が用いられる。オ リゴヌクレオチドは、OLIGO4.06(National Biosciences)のような最新のソフト ウエアを用いて設計され、50pmolの各オリゴマと250μCiの[γ-32P ]アデノシン三リン酸(Amersham)及びT4ポリヌクレオチドキナーゼ(DuPont NEN ,Boston MA)とを組み合わせることにより標識される。標識されたオリゴヌクレ オチドは、Sephadex G-25 super fine resin column(Pharmacia&Upjohn)を用い て実質的に精製される。センス及びアンチセンスオリゴヌクレオチドそれぞれの 毎分107カウント含む部分標本は、エンドヌクレアーゼ(Ase I,Bgl II,Eco RI ,Pst I,Xba 1.或いはPvu II、DuPont NEN(登録商標))の1つで消化されるヒトゲ ノムDNAの典型的な膜系ハイブリダイゼーション分析において用いられる。 各消化物からのDNAは、0.7%アガロースゲルに上で分画され、ナイロン 膜(Nytran Plus,Schleicher & Schuell,Durham NH)に転写される。ハイブリダイ ゼーションは40℃で16時間実行される。非特異性シグナルを除去するために 、ブロットは、0.1×クエン酸ナトリウム食塩水及び0.5%ドデシル硫酸ナ トリウムまでの徐々に厳密性を増す条件下で室温にて連続して洗浄される。XOMA T ARTM film(Kodak,Rochester NY)が数時間Phosphoimager cassette(Molecular Dynamics,Synnyvale CA)内でブロットに露光された後、ハイブリダイゼーション パターンが視覚的に比較される。 VII マイクロアレイ マイクロアレイ用のオリゴヌクレオチドを生成するために、上記ヌクレオチド 配列が、そのヌクレオチド配列の3’末端で開始するコンピュータアルゴリズム を用いて検査される。そのアルゴリズムは、その遺伝 子に固有で、ハイブリダイゼーションに適した範囲内のGC含有物を有し、ハイ ブリダイゼーションに干渉すると考えられる予測された副構造体がない所定の長 さのオリゴマを同定する。そのアルゴリズムは、長さが20ヌクレオチドからな る20の特異な配列のオリゴヌクレオチド(20量体)を同定する。各配列の中 央の1つのヌクレオチドが変化している、一致したオリゴヌクレオチドの組みが 形成される。このプロセスはマイクロアレイ内の各遺伝子に対して繰り返され、 20個の20量体からなる二重の組みが、光配向化学処理(Chee,M.等、PCT/WO9 5/11995、参照して本明細書の一部としている)を用いてシリコンチップの表面 上で合成及び配列される。 別法では、化学的結合手順及びインクジェット吐着装置を用いることにより支 持体の表面上でオリゴマを合成する(Baldeschweiler等、PCT出願WO95/251116、 参照してその全体を本明細書の一部としている)。別の方法では、ドット(或い はスロット)ブロットに類似の「グリッド(gridded)」アレイを用いて、真空 系、熱、紫外線(UV)、機械的或いは化学的結合手順を利用して、支持体の表 面にcDNAフラグメント或いはオリゴヌクレオチドを配列及び結合することが できる。アレイは手動で或いは市販の機器及び装置を用いて生成され、8ドット 、24ドット、96ドット、384ドット、1536ドット或いは6144ドッ トのグリッドを含む。ハイブリダイゼーション後、ハイブリダイズされなかった プローブを除去するためにマイクロアレイは洗浄され、スキャナを用いて蛍光の レベル及びパターンを確定する。スキャナで読取られた画像は検査され、マイク ロアレイ上の各オリゴヌクレオチド配列の相補性の度合及び相対的な存在量を確 定する。 VIII 相補ポリヌクレオチド IRS−p53hをコードする配列に相補的な配列或いはその任意の一部用い て、自然発生IRS−p53hの発現を減少或いは抑制する。約15−約30塩 基対を含むオリゴヌクレオチドの使用が特に記載されるが、より小さな或いはよ り大きなcDNAフラグメントにも概ね同じ方法が用いられる。適当なオリゴヌ クレオチドはOligo4.06ソフトウエア及びIRS−p53h、配列番号:1のコ ード配列を用いて設計される。転写を抑制するために、相補オリゴヌクレオチド は最も固有の5’配列から設計され、コード配列へのプロモータ結合を防ぐため に用いられる。翻訳を抑制するために、相補オリゴヌクレオチドは、IRS−p 53hをコードする転写物へのリボソーム結合を防ぐように設計される。 IX IRS−p53hの発現 IRS−p53hの発現は、cDNAを適当なベクタにサブクローニングし、 ベクタを宿主細胞に形質転換することにより達成される。この場合には、クロー ニングベクタを用いて、coli内でIRS−p53hを発現する。クロー ニング部位の上流では、このベクタはβ−ガラクトシダーゼのためのプロモータ を含み、それにアミノ末端Met及びそれに後続するβ−ガラクトシダーゼの7 残基を含む配列が続く。これらの8残基の直後は、転写のために有用なバクテリ オファージプロモータ及びいくつかの特有の制限部位を含むリンカーである。 単離され、標準的な方法を用いてIPTGと形質転換された細菌株の誘発は、 β−ガラクトシダーゼの最初の8残基、リンカーの約5〜15残基及び完全長タ ンパク質からなる融合タンパク質を生成する。シグナル残基は、活性に対する後 続の検定法において直接用いることができるバクテリア成長媒質内へのIRS− p53hの分泌を促す。 X IRS−p53h活性の例示 ヒトIRは、Yeh等(上記)に示されるようなチャイニーズハムスター卵巣細 胞或いはラット肝臓癌細胞において発現され、部分的に精製される。IRS−p 53hは25℃で20分間、1μmインスリン,5mM MgCl2、5mM MnCl2、20mM HEPES pH 7.5における0.5mM ATP 、0.1%Triton X−100中で部分的に生成されたヒトIRを用いて インキュベートされた。その培養物はSDS−PAGE電気泳動にかけられる( Sambrook、上記)。チロシン−リン酸化IRS−p53hは、RC20(Transdu ction Laboratories:Lexington.KY)及びECL detection system(Amersham)のよう な、セイヨウワサビペルオキシダーゼ抱合抗ホスホチロシン抗体を用いてウエス タンブロット(Sambrook、上記)により検出される。 XI IRS−p53h特異的抗体の生成 PAGE電気泳動法(Sambrook、上記)、或いは他の精製技術を用いて実質的に 精製されるIRS−p53hを用いて、ウサギを免疫し、標準的なプロトコルを 用いて抗体を生成する。配列番号:2から推定されるアミノ酸配列は、DNAStar software(DNASTAR Inc)を用いて分析され、免疫原性の高い領域を確定し、対応 するオリゴポリペプチドを合成かつ使用して、当業者に知られた手段により抗体 を産生させる。C−末端付近、或いは親水性領域内のエピトープのような適当な エピトープの選択は、Ausubel等(上記)などに記載される。 典型的にはオリゴペプチドは長さ15残基で、fmoc(フルオレニルメトキ シカルボニル)化学作用を用いるApplied Biosystems Peptide Synthesizer Mod el 431Aを用いて合成され、M-maleimidobenzoyl-N-hydroxysuccinimide ester( MBS:Ausubel等、上記)と反応すること によりキーホールリンペットヘモシアニン(KLH,Sigma,St.Louis,MO)に結合さ れる。ウサギは、完全なフロイントアジュバント内でオリゴペプチド−KLH複 合体で免疫される。その結果生じる抗血清は、例えば、プラスチックにペプチド を結合し、1%BSAで遮断し、ウサギ抗血清と反応させ、洗浄し、さらに放射 ヨウ素標識されたヤギ抗ウサギIgGと反応させることにより、抗ペプチド活性 に対して検査される。 XII 特異的抗体を用いる自然発生IRS−p53hの精製 自然発生或いは組換えIRS−p53hは、IRS−p53hに対して特異な 抗体を用いる免疫親和性クロマトグラフィにより実質的に精製される。免疫親和 性カラムが、IRS−p53h抗体を、CnBr-activated Sepharose(Pharmacia & Upjohn)のような活性化されたクロマトグラフ樹脂に共有結合させることにより 構成される。結合後、製造者の取扱説明書に従って樹脂は遮断及び洗浄される。 IRS−p53hを含む培地を免疫親和性カラム上を通過させ、カラムは、I RS−p53hを選択吸収させる条件下(例えば洗浄剤中に高イオン強度緩衝剤 を入れたもの)で洗浄される。カラムは、抗体/IRS−p53h結合を***さ せる条件下(pH2−3の緩衝剤或いは尿素或いはチオシアネートイオンのよう な高濃度のカオトロープ)で溶出され、IRS−p53hが回収される。 XIII IRS−p53hと相互作用する分子の同定 IRS−p53h或いはその生物学的活性フラグメントが、125I Bolton-Hunt er試薬(Bolton AE等(1973)Biochem J 133:529)を用いて標識される。多数のウエ ルプレートのウエル内に以前に配列された候補分子が、標識されたIRS−p5 3hでインキュベートされ、洗浄され、 標識されたIRS−p53h複合体を有する任意のウエルが検定される。種々の IRS−p53h濃度から得られたデータを用いて、数、親和性及びIRS−p 53hと候補分子との関係を示す値を計算する。 上記明細書中に記載された全ての特許出願及び特許は参照して本明細書の一部 としている。記載された本発明の方法及びシステムの種々の変更例及び変形例は 、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく当業者には明らかとなろう。本発 明は特定の好適な実施例に関連して記載されてきたが、請求される本発明はその ような特定の実施例に不当に制限されるべきでないことを理解されたい。実際に 、本発明を実施するために記載された形態の種々の変更例は、分子生物学或いは 関連する分野の当業者には明らかであり、以下の請求の範囲内に入るものである 。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 29/00 C07K 16/18 35/00 C12N 1/15 C07K 14/47 1/19 16/18 1/21 C12N 1/15 C12P 21/02 C 1/19 C12Q 1/68 A 1/21 C12N 15/00 ZNAA 5/10 5/00 A C12P 21/02 A61K 37/52 C12Q 1/68 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AT ,AU,BR,CA,CH,CN,DE,DK,ES, FI,GB,IL,JP,KR,MX,NO,NZ,R U,SE,SG,US (72)発明者 シャー、パルビ アメリカ合衆国カリフォルニア州94086・ サニーベイル・#5・クイーンシャルロッ トドライブ 1608

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.配列番号:1のアミノ酸配列を含む実質的に精製されたヒトインスリン受容 体チロシンキナーゼ基質或いはそのフラグメント。 2.請求項1のヒトインスリン受容体チロシンキナーゼ基質をコードする単離さ れ、精製されたポリヌクレオチド配列或いは前記ポリヌクレオチド配列のフラグ メント又は変異配列。 3.請求項2のポリヌクレオチド配列を含む組成物。 4.請求項2のポリヌクレオチド配列に厳密性条件下でハイブリダイズするポリ ヌクレオチド配列。 5.請求項2のポリヌクレオチド配列に相補的なポリヌクレオチド配列或いはそ のフラグメント又は変異配列。 6.配列番号:2を含む単離され、精製されたポリヌクレオチド配列或いはその フラグメント又は変異配列。 7.請求項6のポリヌクレオチド配列を含む組成物。 8.請求項6のポリヌクレオチド配列に相補的なポリヌクレオチド配列。 9.少なくとも請求項2のポリヌクレオチド配列のフラグメントを含む発現ベク タ。 10.請求項9のベクタを含む宿主細胞。 11.配列番号:1のアミノ酸配列を含むポリペプチド或いはそのフラグメント を生成するための方法であって、前記方法が、 a)ポリヌクレオチド配列の発現に適した条件下で請求項10の宿主細胞を培 養する過程と、 b)前記宿主細胞培養株からポリペプチドを回収する過程とを有することを特 徴とする方法。 12.適当な医薬品担体と共に配列番号:1のアミノ酸配列を有する実質的に精 製されたヒトインスリン受容体チロシンキナーゼ基質を含む医 薬品組成物。 13.請求項1のポリペプチドに特異に結合する精製された抗体。 14.請求項1のポリペプチドの精製されたアゴニスト。 15.請求項1のポリペプチドの精製されたアンタゴニスト。 16.請求項12の医薬品組成物の有効量を治療を要する被検者に投与する過程 を含むインスリン反応に関連する疾患を治療するための方法。 17.請求項15のアンタゴニストの有効量を治療を要する被検者に投与する過 程を含む癌を治療するための方法。 18.請求項15のアンタゴニストの有効量を治療を要する被検者に投与する過 程を含む炎症を治療するための方法。 19.生検サンプルにおいてヒトインスリン受容体チロシンキナーゼ基質をコー ドするポリヌクレオチドを検出するための方法であって、 a)生検サンプルの核酸材料に請求項5のポリヌクレオチドをハイブリダイズ し、ハイブリダイゼーション複合体を形成する過程と、 b)前記ハイブリダイゼーション複合体を検出する過程とを有し、前記複合体 の存在が前記生検サンプルにおけるヒトインスリン受容体チロシンキナーゼ基質 をコードするポリヌクレオチドの存在と相関をなすことを特徴とする方法。 20.前記核酸材料がポリメラーゼ連鎖反応により増幅されることを特徴とする 請求項19に記載の方法。
JP50491599A 1997-06-19 1998-06-19 インスリン受容体チロシンキナーゼ基質 Pending JP2002506351A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/878,563 1997-06-19
US08/878,563 US5891674A (en) 1997-06-19 1997-06-19 Insulin receptor tyrosine kinase substrate
PCT/US1998/012903 WO1998057987A2 (en) 1997-06-19 1998-06-19 Irs-p53h, human insulin receptor tyrosine kinase substrate

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002506351A true JP2002506351A (ja) 2002-02-26

Family

ID=25372286

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP50491599A Pending JP2002506351A (ja) 1997-06-19 1998-06-19 インスリン受容体チロシンキナーゼ基質

Country Status (6)

Country Link
US (4) US5891674A (ja)
EP (1) EP0996630A2 (ja)
JP (1) JP2002506351A (ja)
AU (1) AU8375198A (ja)
CA (1) CA2293998A1 (ja)
WO (1) WO1998057987A2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5891674A (en) * 1997-06-19 1999-04-06 Incyte Pharmaceuticals, Inc. Insulin receptor tyrosine kinase substrate
US7632651B2 (en) * 1997-09-15 2009-12-15 Mds Analytical Technologies (Us) Inc. Molecular modification assays
US7745142B2 (en) * 1997-09-15 2010-06-29 Molecular Devices Corporation Molecular modification assays
US20050227294A1 (en) * 1997-09-15 2005-10-13 Molecular Devices Corporation Molecular modification assays involving lipids
US6297018B1 (en) 1998-04-17 2001-10-02 Ljl Biosystems, Inc. Methods and apparatus for detecting nucleic acid polymorphisms
US6423535B1 (en) 1999-11-24 2002-07-23 Incyte Genomics, Inc. Normalization control for hybridization reactions
CA2389268A1 (en) 1999-11-24 2001-06-14 Incyte Genomics, Inc. Normalization controls and duplex probes for quantitative hybridization reactions

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5194596A (en) * 1989-07-27 1993-03-16 California Biotechnology Inc. Production of vascular endothelial cell growth factor
US5350836A (en) * 1989-10-12 1994-09-27 Ohio University Growth hormone antagonists
WO1992013083A1 (en) * 1991-01-18 1992-08-06 Joslin Diabetes Center, Inc. Nucleic acid encoding insulin receptor substrate-1 (irs-1), irs-1 protein, diseases, therapy associated with the metabolism of irs-1
GB9214857D0 (en) * 1992-07-13 1992-08-26 Medical Res Council Human nucleic acid fragments and their use
EP0711309A1 (en) * 1993-06-10 1996-05-15 Novo Nordisk A/S Mutant dna encoding insulin receptor substrate 1
US5858701A (en) * 1994-10-03 1999-01-12 Joslin Diabetes Center, Inc. DNA encoding an insulin receptor substrate
US5891674A (en) * 1997-06-19 1999-04-06 Incyte Pharmaceuticals, Inc. Insulin receptor tyrosine kinase substrate

Also Published As

Publication number Publication date
US5891674A (en) 1999-04-06
WO1998057987A3 (en) 1999-03-18
EP0996630A2 (en) 2000-05-03
US20030180810A1 (en) 2003-09-25
AU8375198A (en) 1999-01-04
US6589935B1 (en) 2003-07-08
WO1998057987A2 (en) 1998-12-23
CA2293998A1 (en) 1998-12-23
US6265550B1 (en) 2001-07-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20030119730A1 (en) Human phospholipid binding proteins
JP2001508663A (ja) 新規のヒトカテプシン
JP2002513553A (ja) 成長関連プロテアーゼインヒビタ重鎖前駆体
JP2001510040A (ja) 新規のatp結合カセット輸送タンパク質
JP2001526914A (ja) ヒト・調節タンパク質
US6348576B1 (en) Human cornichon molecule
JP2001520014A (ja) 細胞***制御因子
JP2001513997A (ja) 新規のヒトgタンパク質結合受容体
JP2002506351A (ja) インスリン受容体チロシンキナーゼ基質
JP2002503962A (ja) ヒトタンパク質フォスファターゼ▲ii▼−c様タンパク質
JP2001514897A (ja) Rabタンパク質
JP2002508176A (ja) ヒトホスファターゼ
JP2001512018A (ja) ヒト寿命保証タンパク質相同体
US20030003093A1 (en) Human beta-alanine-pyruvate aminotransferase
JP2001510043A (ja) T細胞受容体β様タンパク質
JP2001508664A (ja) ヒト由来のホスファチジルイノシトール4,5−二リン酸5−ホスファターゼ
US6197512B1 (en) Human myosin heavy chain-like proteins and method of detecting nucleic acid encoding said proteins
JP2002507419A (ja) ヒトプロテインホスファターゼ関連分子
US5871971A (en) Human developmentally regulated GTP-binding protein
JP2001520015A (ja) ヒト・マンモグロビンホモログ
US20040038279A1 (en) Human E1-like protein
US20030087391A1 (en) B cell receptor associated proteins
JP2001524312A (ja) ヒトcdc10相同体
US6465619B1 (en) Transducin beta-1 subunit
JP2001521385A (ja) ヒト腫瘍関連膜タンパク質