JP2002502920A - スクラップを分離する圧力スクリーン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 好ましくない粗い混入物を含む混合液を分離する圧力スクリーンを提供する。好適には繊維懸濁液を分離する圧力スクリーンを提供する。この圧力スクリーンは、円筒状のスクリーン室２を形成するスクリーンハウジング１と、スクリーンハウジングに直接接続され、円筒状の入口室４を形成する入口ハウジング３とを備える。円筒状の入口室４の直径は、スクリーン室より小さく、好適には、スクリーン室の直径より１０％小さい。入口部材５は入口室に位置し、入口室に分離される懸濁液を、入口室に対してほぼ接線方向に供給する。出口部材７は、入口室に位置し、入口室から、石の粒子や金属片の形態のスクラップ粒子のような粗い混入物を排出する。これによって、スクラップ粒子がスクリーン室に入ることを防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、望ましくない粗い混入物あるいは汚染物質を含む混合液を分離する
圧力スクリーン（プレッシャスクリーン）に関する。この圧力スクリーンは、円
筒状のスクリーン室を形成するスクリーンハウジング、分離される混合液をスク
リーン室に供給する入口部材、および圧力スクリーンから粗い混入物を排出する
少なくとも１つの出口部材からなる。特に、本発明は、紙パルプ懸濁液のような
、繊維の懸濁液を分離すべく設計された圧力スクリーンに関する。このような懸
濁液中に生じうる粗い混入物は、通常、石の粒子や金属片の形態のスクラップ粒
子からなる。スクラップ粒子は、回転子およびまたはスクリーンバスケットなど
のスクリーン室にある種々の要素を損傷したり、最悪の場合にはこれらを破壊す
る。

【０００２】 回転子とスクリーンバスケットからなる従来の圧力スクリーンにおいて、懸濁
液は、入口部材を介して円筒状のスクリーン室に接線方向に供給され、渦を形成
する。その結果、渦状に回転するスクラップ粒子は、スクリーン室の中で、遠心
力によって、径方向外側に向かって引かれ、スクリーン室の回転子を妨げること
なく、出口部材を介して通過するのがせいぜいである。しかしながら、スクリー
ン室に入る繊維懸濁液の速度は、すべてのスクラップ粒子を懸濁液から出口部材
へ充分に分離するには不充分な場合が頻繁にある。従って、回転子およびまたは
スクリーンバスケットは、重量のあるスクラップ粒子によって損傷を受ける場合
が多く、圧力スクリーンが故障して修理する必要があるような程度の損傷を受け
ることもある。

【０００３】 スクラップ粒子を充分に分離できないという上記の問題を解決するためには、
繊維懸濁液の流速を高めて、スクラップ粒子に作用する遠心力を高めるという方
法がある。しかしながら、繊維懸濁液の入口速度が高まると、スクリーンの圧力
損失が許容できない程高くなり、さらに磨耗も激しくなるため、この方法は現実
的な方法とは言えない。

【０００４】 本発明の目的は、スクラップを分離するために有効な特性を有する改良された
圧力スクリーンを提供することにある。

【０００５】 上記の目的は、円筒状のスクリーン室の直径より小さい直径を持ち、スクリー
ン室と流体連通する円筒状の入口室を形成する入口ハウジングを備える、前述の
圧力スクリーンによって達成される。入口部材は、円筒状の入口室にほぼ接線方
向に混合液を供給すべく入口ハウジングに位置し、出口部材は、入口室から粗い
混入物を排出すべく入口ハウジングに位置する。

【０００６】 懸濁液が入ると、比較的小さい渦が、円筒状のスクリーン室の直径より小さい
直径を持つ円筒状の入口室に形成されるため、石の粒子や金属片の形態のスクラ
ップ粒子のような比較的重い混入物はより強力な遠心力を受け、それによりスク
ラップ粒子が入口室から出口部材へ外に向かって効率良く分離される。このため
、スクラップ粒子がスクリーン室に入口することを防ぐことができる。この結果
、本発明に係るスクリーンは、回転子とスクリーンバスケットが通常位置するス
クリーン室において、懸濁液が主な分離プロセスを受ける前に、スクラップ粒子
を確実に前もって分離することを可能にする。

【０００７】 好適には、円筒状の入口室の直径は、円筒状のスクリーン室の直径より、少な
くとも１０％小さい。

【０００８】 本発明の実施形態において、円筒状の入口室と円筒状のスクリーン室は、それ
らの間にある軸方向の通路を介して互いに通じている。このため、入口室で回転
するスクラップ粒子は、スクリーン室に入らないようになる。好適には、入口ハ
ウジングは、スクリーンハウジングと直接接続され、スクリーンハウジングの下
に置かれる。したがって、入口室内のスクラップ粒子が、重力によってスクリー
ン室に入るのを防ぐことができる。

【０００９】 軸方向の通路は、円筒状の入口室の直径と同じ直径を持つ円形の断面を有して
もよい。また、円筒状のスクリーン室は、円筒状の入口室に対して平行に伸びて
いてもよい。スクリーンの設計が単純になるように、同軸であることが好ましい
。

【００１０】 本発明の実施形態について、添付の図面を参照して、より詳細に説明する。

【００１１】 本図面が示す圧力スクリーンは、鉛直方向に長く伸びる円筒状のスクリーンハ
ウジング１からなり、このスクリーンハウジング１は、円筒状のスクリーン室２
を形成している。このスクリーン室２には、図示しない回転子が回転可能に設け
られ、図示しないスクリーンバスケットに囲まれており、繊維懸濁液を、受け入
れる（合格の）フラクション（分画）と拒絶する（不合格の）フラクションとに
分離する。スクリーンハウジング１に直接接続された入口ハウジング３は、円筒
状の入口室４を形成し、スクリーンハウジング１の下に置かれる。円筒状の入口
室４は、円筒状のスクリーン室２と同軸であり、通路６を介して、円筒状のスク
リーン室２と軸方向に連通している。通路６は、入口室４の直径と同じ直径を持
つ円形の断面を有する。または、入口室４およびスクリーン室２は、互いに偏心
して延在してもよい。図面から明らかなように、入口室４の直径は、スクリーン
室２の直径よりかなり小さく、好適には、少なくとも１０％小さい。

【００１２】 入口パイプ５の形状を持つ入口部材は、入口ハウジング３に置かれ、分離され
るべき繊維懸濁液を入口室４に接線方向に供給する。入口ハウジング３もまた、
出口パイプ７の形状を持つ出口部材を備える。この出口パイプ７は、円筒状の入
口室４に向ってほぼ接線方向に、および懸濁液の入ってくる方向に延在して、繊
維懸濁液に存在する石の粒子や金属片のようなスクラップ粒子を排出する。出口
パイプ７は、入口室４に入口開口部８を有する。この入口開口部８は、入口室４
の入口パイプ５の開口部にほぼ対向して設置される。

【００１３】 スクラップ集積室９は、出口パイプ７に設けられている。入口バルブ１０は、
集積室９の上流の出口パイプ７に設置され、出口バルブ１１は、集積室９の下の
出口パイプ７に位置し、集積室９の下流にある。圧力スクリーンが作動している
あいだ、通常、バルブ１０は開き、一方、バルブ１１は閉じており、このため、
スクラップ粒子は、集積室９の中に集積する。集積室９の中に集積したスクラッ
プ粒子が重力によって排出されるように、周期的に、バルブ１０が閉じ、バルブ
１１が開く。

【００１４】 本発明は、固定したスクリーンバスケットと、スクリーンバスケットに沿って
脈動（パルス）を発生し、スクリーンの穴が詰まるのを防止する回転子とからな
る、上述のタイプの圧力スクリーンで実施されることが有利であるが、スクラッ
プ粒子を予め分離するのが役に立つであろう他のタイプの圧力スクリーンにおい
て実施されてもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明による圧力スクリーンを概略的に示した斜視図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 スベンソン，レンナルト スウェーデン国、エス−856 53・スンス バル、コルトラストベーゲン・４ (72)発明者 ビクストレーム，ベーン スウェーデン国、エス−856 53・スンス バル、ボーゲベーゲン・12・アー Ｆターム(参考） 4L055 CB26 FA07

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 円筒状のスクリーン室（２）を形成するスクリーンハウジン
   グ（１）と、分離されるべき混合液をスクリーン室に供給する入口部材（５）と
   、圧力スクリーンから粗い混入物を排出する少なくとも１つの出口部材（７）と
   を備える、好ましくない粗い混入物を含む混合液を分離する圧力スクリーンであ
   って、 前記円筒状のスクリーン室（２）の直径より小さい直径を持ち、スクリーン室
   と流体連通する円筒状の入口室（４）を形成する入口ハウジング（３）をさらに
   備えており、 前記入口部材（５）が、入口ハウジング（３）に位置して、前記円筒状の入口
   室（４）にほぼ接線方向に混合液を供給し、 前記出口部材（７）が、前記入口ハウジングに位置して、前記入口室から粗い
   混入物を排出することを特徴とする圧力スクリーン。
2. 【請求項２】 前記円筒状の入口室（４）と前記円筒状のスクリーン室（２
   ）はそれらの間にある軸方向通路（６）を介して連通していることを特徴とする
   請求項１に記載の圧力スクリーン。
3. 【請求項３】 前記入口ハウジング（３）が、前記スクリーンハウジング（
   １）と直接接続されていることを特徴とする請求項２に記載の圧力スクリーン。
4. 【請求項４】 前記軸方向通路（６）が、前記円筒状の入口室（４）と同じ
   直径を持つ円形の断面を有することを特徴とする請求項３に記載の圧力スクリー
   ン。
5. 【請求項５】 前記入口ハウジング（３）が、前記スクリーンハウジング（
   １）の下に位置することを特徴とする請求項１から４のいずれか一項に記載の圧
   力スクリーン。
6. 【請求項６】 前記円筒状のスクリーン室（２）が、前記円筒状の入口室（
   ４）と平行に延在することを特徴とする請求項１から５のいずれか一項に記載の
   圧力スクリーン。
7. 【請求項７】 前記円筒状のスクリーン室（２）が、前記円筒状の入口室（
   ４）と同軸上にあることを特徴とする請求項６に記載の圧力スクリーン。
8. 【請求項８】 前記円筒状の入口室（４）の直径が、前記円筒状のスクリー
   ン室（２）の直径より少なくとも１０％小さいことを特徴とする請求項１から７
   のいずれか一項に圧力スクリーン。