JP2002501787A - 抗石灰化医療物品 - Google Patents

抗石灰化医療物品

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JP2002501787A
JP2002501787A JP2000529275A JP2000529275A JP2002501787A JP 2002501787 A JP2002501787 A JP 2002501787A JP 2000529275 A JP2000529275 A JP 2000529275A JP 2000529275 A JP2000529275 A JP 2000529275A JP 2002501787 A JP2002501787 A JP 2002501787A
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Abstract

(57)【要約】 医療物品は抗石灰化元素状金属の析出物を有する生体適合材料を含むことができる。生体適合材料は組織、布等であることができる。生体適合材料は、医療物品を意図する用途に配設するときに、生体適合材料が血流から実質的に除かれるかまたは管状血流から効果的に除かれる低血流領域にあるように、医療物品に改造を行うことができる。抗石灰化元素状金属を析出させるのに気相法又は溶液相法を用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は少なくとも一部が患者の体液および/または組織に接触するように意
図されている医療物品に関し、その場合に医療物品は石灰化を阻止する生体適合
材料から構成される。本発明はさらにこれら医療物品の製造法にも関する。
【0002】 発明の背景 種々の医療物品が、とくに患者の体液と接触するように考案されている。この
接触は医療物品の石灰化が問題になるような十分に長期間である可能性がある。
関連のある医療物品には、例えばカテーテル及び人工器官がある。カテーテルに
は皮膚を浸透して身体組織への接近をもたらす経皮的デバイスがある。
【0003】 人工器官、すなわち人工装具デバイスはヒト及び動物の損傷または罹病器官、
組織及び他の構造物を修復又は交換するために用いられる。人工器官は典型的に
は長期間移植させるので概して生体適合性でなければならない。とくに、人工器
官には人工心臓、人工心臓弁、輪状形成環、靭帯修復材料、導管修復構造物、哺
乳類組織で作った外科的パッチ等がある。人工器官は天然材料、合成材料または
これらの混合物からつくることができる。
【0004】 石灰化、すなわちカルシウム塩類、とくにリン酸カルシウム(ヒドロキシアパ
タイト)の析出は患者の体液に接触している間に、医療物品中の一部の材料の中
及び表面に生じる可能性がある。石灰化は、とくに長期にわたり、石灰化に敏感
な材料から作られた医療物品の性能及び構造健全性に影響を及ぼすことがある。
たとえば、石灰化はブタ大動脈弁またはウシ心膜からつくった生体人工器官の臨
床的欠陥の主原因である。石灰化は縫合糸が組織を通過する応力点においてとく
に激しい。石灰化はまたポリウレタンのような合成材料から作った人工器官の性
能にも顕著に影響する。
【0005】 損傷したヒト心臓弁の代替品としての生体人工器官の動物心臓弁の重要性は、
これら異種移植片に対する石灰化の影響にかなりの関心をもたらした。天然の材
料からの生体人工器官の心臓弁は1960年代早々に導入された。生体人工器官
の心臓弁は典型的にはブタ大動脈弁から得られるかまたはウシ心膜のような他の
生物材料から製造される。異種移植片の心臓弁は典型的には移植前にグルタルア
ルデヒドで固定して免疫拒絶反応の可能性を減少させる。グルタルアルデヒドは
タンパク質中の遊離アミノ基と共有結合を形成し、それによって隣接するタンパ
ク質を化学的に架橋させる。
【0006】 一般に、生体人工器官の心臓弁は移植してから約7年後に故障しはじめて、2
0年後に機能できる状態の生体人工器官弁は極めて少ない。劣化した弁の人工器
官の取り替えは、とくに年長者であって緊急な交換を必要とする状況にある場合
には、患者を補足的な外科的危険にさらす。生体人工器官の故障はあらゆる年齢
の患者にとっての問題であるけれども、年少の看者にとってはとくに顕著である
。15才未満の患者で交換した50パセント以上の生体人工器官弁は石灰化によ
って5年以内に働かなくなる。
【0007】 同様に、人工心臓におけるポリウレタン嚢およびポリウレタン弁における葉状
器官の石灰化は、場合によっては臨床的に重大である。天然及び/または合成材
料から作った他の人工器官も臨床的に重大な石灰化を示す。
【0008】 その結果として、移植生体材料、とくに心臓弁に対するカルシウム析出の防止
にはかなりの関心がある。石灰化防止に関する研究は、移植前の生体材料の前処
理にかなりの程度集中されている。カルシウムの核形成を減少させることにより
石灰化を低下させようとする試みにおいて組織を前処理するために洗浄剤(たと
えばドデシル硫酸ナトリウム)、トルイジンブルーまたはジホスフォネート類が
用いられている。これらの材料は、比較的短時間内に、移植組織片を包囲する体
液中に生体人工器官材料を洗い流す傾向があって、その有効性を制限する。
【0009】 石灰化を減少させる他の方法は、反応性グルタルアルデヒド部分の少なくとも
一部を不活性にする化学的方法を採用している。さらに他の方法は、固着法自体
が石灰化および対応する機械的劣化に寄与するという証拠が示唆するので、ほか
の選択可能な固着法の開発を含んでいる。さらに、移植された組織中に存在する
自力では生活できない細胞がカルシウム析出部位であるので、コラーゲン(移植
前の組織のエラスチンマトリックス)から気泡物質を除くために種々の方法が開
発されている。
【0010】 生体人工器官の石灰化の減少に向かう重要な進歩は、Al+3カチオンおよび他
の多価カチオンが石灰化を阻止するという確認であった。移植前に生体適合材料
を酸性のAlCl3水溶液で処理した。処理溶液から除かれた後、Al+3カチオ ンの一部は洗い去られるけれども、かなりの量のカチオンは、おそらくカチオン
と生体人工器官とのある種の関わり合いによって、長期間処理材料に結合して残
留する。
【0011】 結合したAl+3カチオンはカルシウム析出の顕著な防止に寄与することが認め
られる。さらに、この効果はかなりの期間、未成熟な動物では少なくとも数か月
間持続する。Fe+3塩による処理は石灰化における同様の減少を生じることが認
められる。
【0012】 生理学的に正常な骨格及び歯の組織の石灰化ならびに生体人工器官の石灰化の
ような病理学的石灰化はリン灰石鉱物の初期析出を含めて重要な相似を有する。
これら鉱物析出物はカルシウム及びリン酸塩を含有し、そして鉱物の成長は、初
期の析出によって生じた核において行われる。骨の成長における核形成は高濃度
のカルシウム結合リン脂質及び高活性のホスファターゼ、とくにアルカリ性ホス
ファターゼを有する構造において行われる。アルカリ性ホスファターゼ活性は、
とくに小児において高く、若い患者に移植された生体人工器官に対して激しい石
灰化問題をもたらすことがある。
【0013】 ホスファターゼ活性はAlCl3及びFeCl3を加えたインキュベートによっ
て抑制されることが認められる。この観察結果は、石灰化を減少させる場合のA
+3及びFe+3カチオンの効果がホスファターゼ活性の抑制によるのかもしれな
いことを示唆する。あるいはまたはさらに、結晶を不安定にすることによって成
長を抑制できると思われるヒドロキシアパタイト結晶格子内における置換によっ
てイオンが作用するのかもしれない。
【0014】 発明の要約 医療物品は、抗石灰化元素状金属の析出物を有する生体適合材料の1つ以上の
部分を包含することができる。抗石灰化元素状金属は金属の酸化によって抗石灰
化金属イオン源となる。石灰化の減少は物品のより少ない劣化をもたらし、その
結果長期にわたり効果的な作用を行うことができる。抗石灰化元素状金属の使用
は緩やかで比較的長期にわたる抗石灰化金属イオンの放出を生じることができる
。抗石灰化元素状金属を析出させるために種々の方法を用いることができる。抗
石灰化元素状金属を他の抗石灰化薬剤と混合して、より一層の石灰化の減少を得
ることもできる。
【0015】 抗石灰化元素状金属に基づく方法は組織を損傷せずに有効量の抗石灰化元素状
金属イオンを組織に送出することができる。この方法は、たとえば金属被覆布を
組織内の石灰化にとくに敏感な部分の近くに結合させることによって、石灰化に
とくに敏感な組織部分にイオンを送出するように用いることができる。抗石灰化
金属の腐食を加速又は減速するように条件を変えることによって放出速度を調節
することができる。
【0016】 第1の態様において、本発明は生体適合材料を含む医療物品を特徴とし、該生
体適合材料は抗石灰化元素状金属を包含する。生体適合材料は患者体内の体液及
び組織に接触するのに適する。好ましくは、医療物品を意図する目的に用いると
きに生体適合材料が低血流領域にあるように、生体適合材料を医療物品内に配設
させる。抗石灰化元素状金属はアルミニウム、鉄、マグネシウムまたはそれらの
混合物のような金属を含むことができる。生体適合材料は、乾燥生体適合材料1
グラム当たり約0.01mgを上回る量の元素状金属を含むことができる。
【0017】 ある態様において、生体適合材料は布を含み、この場合に布は抗石灰化元素状
金属の析出物を有する。医療物品は心臓弁人工器官を含むことができ、この場合
に該心臓弁人工器官は内部及び外部を備えたオリフィス(オリフィス環)を有す
る。オリフィスは血流の通路を形成して血流はオリフィス内部に接触する。縫製
カフを形成する布はオリフィス外部に固定される。医療物品の石灰化は、患者体
内に移植約1か月後に、好ましくは少なくとも約30パーセント減少し、該減少
は元素状金属を欠く相当医療物品と比較して求められる。医療物品は、さらに抗
石灰化金属化合物の析出物を含むこともできる。ある態様では、医療物品は心臓
弁人工器官を含み、該心臓弁人工器官は環帯内部に血流通路を形成する環帯を形
成する組織を含み、この場合に生体適合材料は環帯外部に配設された布を含む。
【0018】 他の態様では、本発明は、健康管理専門家の監督下で用いるための前記のよう
な医療物品の配布を含む方法を特徴とする。 他の態様では、本発明は組織を含む医療物品を特徴とし、該組織は抗石灰化元
素状金属の析出物を含む。医療物品が心臓弁人工器官であることができる。組織
は架橋および/または非架橋組織を含むことができる。組織は好ましくは、組織
1グラム当たり少なくとも約0.01mgの量の元素状金属の析出物を含む。
【0019】 他の態様では、本発明は、生体適合材料を含む医療物品の製造法を特徴とし、
該方法は基質の少なくとも一部に抗石灰化元素状金属を析出させて生体適合材料
を形成させることを含む。これらの態様において析出は、酸化形態の抗石灰化金
属を含む溶液を生体適合材料と接触させて行われる。溶液から元素状金属を析出
させるために析出工程は化学的還元を含むことができる。析出は電気めっきを含
むことができる。基質は布および/または組織を含むことができる。該方法はさ
らに、布を補助成分と結合させて医療物品を形成させることができる。
【0020】 他の態様では、本発明は生体適合材料を含む医療物品の製造法を特徴とし、該
方法は基質の少なくとも一部に抗石灰化元素状金属を析出させて生体適合材料を
形成させることを含む。生体適合材料は患者体内の体液及び組織との接触に適し
、かつ医療物品を意図する目的に用いるときに血流から生体適合材料が実質的に
除かれるように、生体適合材料を医療物品上に置くことができる。生体適合材料
は布を含む縫製カフであることができ、そして析出工程が蒸着を含むことができ
る。
【0021】 他の態様では、本発明は生体適合材料を含む医療物品を特徴とし、生体適合材
料は鉄、マグネシウム、亜鉛、ガリウム、ランタンまたはベリリウムのような元
素状金属を含む。生体適合材料は患者体内の体液及び組織との接触に適すること
ができる。医療物品を意図する目的に用いるときに、血流から生体適合材料を実
質的に除くことができる。
【0022】 他の態様では、本発明は抗石灰化元素状金属を被覆した不織形態の糸を含む縫
合糸を特徴とする。 本発明の他の特徴及び利点は下記の本発明の詳細な説明およびクレームから明
らかである。
【0023】 好適な態様の詳細な記述 医療物品に石灰化抵抗性を付与するために、酸化すると漸次金属イオンを生成
する元素状金属の析出物を医療物品に付与することができる。抗石灰化元素状金
属の析出物は長く持続する石灰化抑制金属イオン源をもたらすことができる。金
属析出物の量及び種類は所望度の石灰化抑制をもたらすように選ぶことができる
。抗石灰化元素状金属の析出は他の方法と組み合わせて、さらに改良された石灰
化抑制をもたらすことができる。
【0024】 患者の体液と接触させるために種々の医療物品を用いることができる。適切な
医療物品は、通常患者の生理的流体および/または組織と接触させるように意図
される生体適合材料を含む。体液には、たとえば血液、血漿、血清、間質液、唾
液および尿がある。患者は動物、とくに哺乳動物であることができ、好ましくは
ヒトである。
【0025】 石灰化と人工器官の劣化との関係が与えられれば、いかなる程度のカルシウム
析出の抑制も有効である。好ましい程度の抑制は、患者体内の体液及び/または
組織との接触約1か月後に、抗石灰化元素状金属の析出物を有しない相当医療物
品と比べて、少なくとも約30パーセント、好ましくは少なくとも約50パーセ
ント、より好ましくは少なくとも約75パーセントのカルシウム析出の減少をも
たらす。患者による金属の溶解及び排出速度を考えれば、元素状金属の析出が医
療デバイスの機械的機能を阻止するか、または患者の体液中に有毒量の金属イオ
ンを生じさせてはならない。抗石灰化金属と縫合線との結合は、組織内を通過す
る縫合糸に関連する厳しい石灰化を減少させる。
【0026】 ある態様では、医療物品を意図する目的に用いるときに、この生体適合材料を
血流から実質的に除くように、抗石灰化元素状金属析出物を有する生体適合材料
を医療物品上に配設する。いいかえると、医療物品が患者の体液又は組織と接触
して用いるのに適切な場所にあるとき、医療物品と結合した生体適合材料は継ぎ
目における材料の端面のような生体適合材料の小部分以外はおそらく血流とは接
触しないであろう。他の態様では、抗石灰化元素状金属を有する生体適合材料を
、生体適合材料が実際上導管血流を経験しない低血流部分に完全に配設すること
ができる。このような医療物品は抗石灰化元素状金属の析出物を有する生体適合
材料補助部分を含むことができる。
【0027】 元素状金属を医療物品の生体適合材料と結合させるために種々の方法を用いる
ことができる。気相法は基本的に気相から生体適合材料表面への金属の堆積を含
む。他の方法は金属溶液と化学的還元剤との反応を含む。さらに、元素状金属は
電気化学的還元によって析出させることができる。
【0028】 特別の方法を、ある種の生体適合材料内部および/または表面への金属析出に
一層適するようにすることができる。下記の種々の方法を用いて、結合する抗石
灰化元素状金属を有する多くの種々の材料を製造することができる。好ましい態
様では、元素状金属を、とりわけ石灰化にとくに敏感な医療物品の部分またはそ
の近傍に送り出す。
【0029】 A.生体適合物品 適切な生体適合物品には長期間体液と接触する医療物品がある。生体適合物品
は下記の生体適合材料から作ることができる。適切な物品には、たとえば移植デ
バイス及び経皮的デバイスがある。とくに関心のある医療物品は石灰化によって
破損しやすい物品である。
【0030】 移植デバイスは概して患者体内に完全に移植された、すなわち完全に体内にあ
る物品を含む。移植デバイスには、たとえば移植器官のような人工器官、心臓弁
人工器官、心膜パッチ、導管移植片、生理的導管、輪状形成環、骨、皮膚、靭帯
及び腱がある。
【0031】 経皮的デバイスには皮膚を貫通し、それによって体外から体内に延びる物品が
ある。経皮的デバイスには制限なく種々の種類のカテーテルがある。カテーテル
は、導管系、胃腸管、または尿系のような種々の身体組織にアクセスするために
用いることができる。
【0032】 縫合糸は、たとえば傷口を閉じるときに医療物品内に成分を一緒に締結しかつ
/または医療物品を生体組織に結合するように生体組織の断片を固定するために
用いることができる。縫合糸はコラーゲン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポ
リアミド(ナイロン)、カットガット、被覆カットガット、ポリジオキシモン、
ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチレート、ポリ乳酸、及びポリグリコー
ル酸のような種々の材料から作ることができる。したがって、ある用途では、縫
合糸は大形医療物品の一部とみなすことができる。他の用途では、縫合糸は単独
の医療物品とみなすことができる。その構造が種々の使用を見込んでいるので、
縫合糸をもっぱら移植デバイスまたは経皮的デバイスとして分類することはでき
ない。他の物品もまた移植デバイス及び経皮的デバイスのいずれにも有用である
ことができる。
【0033】 ある医療デバイスは意図する目的に用いるときに主要血管から離れて配設され
る。他の医療デバイスは意図する目的に用いるときに主要血管と結びつける。概
して、主要血管と結びつける医療デバイスは高血流に関連する部分及び血管内の
血流とは接触しない低血流領域の他の部分を有する。同様に、これら医療デバイ
スは高血流領域または乱流領域にある血管内に端面等を有する生体適合材料部分
を血流から実質的に除去することができる。 B. 生体適合材料 前記のように、興味のある医療物品には生体適合材料がある。多くの医療物品
には、加工して医療物品を形成させる生体適合材料の数種の種類および/または
別個の部分がある。好ましくは、生体適合材料の一部と結合する抗石灰化元素状
金属を医療物品の石灰化されやすい部分またはその近傍に配設する。組織及びポ
リウレタン人工器官弁はとくに石灰化されやすい。
【0034】 適当な生体適合材料には天然材料、合成材料及びそれらの混合物がある。天然
材料、すなわち本発明に用いるための生物材料には比較的完全な(細胞性)組織
のみならず非細分化組織がある。これらの組織は、例えば天然の心臓弁;末端、
壁及び葉状組織のような天然の心臓弁の部分;心膜パッチのような心膜組織;結
合組織;バイパス移植片;腱;靭帯;皮膚パッチ;血管;軟骨;硬膜;皮膚;骨
;臍帯組織等から得ることができる。
【0035】 天然組織は特定動物種、典型的には哺乳動物、例えばヒト、ウシ、ブタ、アザ
ラシ又はカンガルーから得られる。これらの天然組織は通常コラーゲン含有物質
を含む。天然組織は典型的には軟組織であるが、かならずしもその必要はない。
適当な組織は、ポリマーまたは非細分化天然組織からつくることができる細胞密
集マトリックスを含む組織加工物質のような組織相当物をも含む。
【0036】 生物組織は架橋によって固定させることができる。これは、たとえば組織の酵
素による劣化を防ぐことによって機械的安定化をもたらす。グルタルアルデヒド
は固定化に典型的に用いられるが、エポキシド、ホルムアルデヒド及び他の二官
能性アルデヒドのような他の固定剤を用いることもできる。生物材料は組織の種
類、用途および他の要因によって架橋、非架橋のいずれかの形態で用いることが
できる。
【0037】 適切な合成材料には、たとえばポリマーおよびセラミックがある。適当なセラ
ミックには、制限なくヒドロキシアパタイト、アルミナ及び熱分解炭素がある。
高分子材料は合成ポリマーのみならず純生物ポリマーから加工することができる
。適当な合成材料には厳しい脱水に耐えることができないヒドロゲル及び他の合
成材料がある。
【0038】 適当な合成ポリマーには制限なくポリアミン(例えばナイロン)、ポリエステ
ル、ポリスチレン、ポリアクリレート、ビニルポリマー(たとえばポリエチレン
、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンおよびポリ塩化ビニル)、ポリ
カーボネート、ポリウレタン、ポリジメチルシロキサン、セルロースアセテート
、ポリメチルメタクリレート、エチレン酢酸ビニル、ポリスルホン、ニトロセル
ロース及び類似のコポリマーがある。これらの合成ポリマー材料はメッシュ状に
織ってマトリックスまたは基質を作ることができる。あるいはまた、合成ポリマ
ー材料は適当な形状に成形又は注型することができる。
【0039】 生物ポリマーは天然に存在するか、またはたとえば発酵等によって生体外で製
造することができる。純粋な生物ポリマーは製織、編成、注型、成形、押出、気
泡整列及び磁気整列のような方法によって基質内に適当に形成させることができ
る。たとえば磁気整列の説明については、たとえばR.T.Tranquill
oらのBiomaterials 17:349−357(1996)(本明細
書に参照として組み入れてある)を参照されたい。適当な生物ポリマーには制限
なくコラーゲン、エラスチン、絹、ケラチン、ゼラチン、ポリアミノ酸、カット
ガット縫合糸、多糖類(たとえばセルロース及びデンプン)およびそれらのコポ
リマーがある。生物ポリマーは再吸収可能であることができる。
【0040】 生体適合材料は前記の種々の天然材料及び合成材料の混合物を含むことができ
る。生体適合材料は金属部分を含むこともできる。機械的心臓弁は縫製カフおよ
び/または血管移植片とともに、通常金属および/またはセラミック成分から製
造される適切な製品である。
【0041】 生体適合材料を組み合わせて医療物品を形成させる。たとえば、機械的心臓弁
は弁を固定する補助成分とともに血流通路内に配設される機械的及びセラミック
成分を含むことができる。図1Aについて説明すると、機械的心臓弁100の1
つの態様の断面が示されている。心臓弁100は、オリフィス102の内部10
4を通る血流通路を形成するオリフィス102を含む。心臓弁100は、オリフ
ィス102を通る血流通路が対応して開いたり閉じたりするように開位置と閉位
置との間に回転自由に装着される2個の葉状器官すなわち閉鎖体106、108
を有する双葉状器官弁として示される。
【0042】 通常布でつくることができる縫製カフ110が、実質的に血流通路外のオリフ
ィス102の外部112に配設される。縫製カフは石灰化にとって重要な部位で
ある。縫製カフ108は弁100を固定するために心臓組織に外科的に縫合する
ことができる。本発明は他のデザインおよび/または種類の機械的心臓弁をも包
含する。
【0043】 あるいはまた、心臓弁人工器官は図1Bに示すように合成ポリマー葉状器官に
基づくことができる。心臓弁人工器官120は葉状器官の支持体となるステント
122を含む。ステント122は、たとえばポリマー、金属及びそれらの混合物
を含む種々の材料から作ることができる。ステント122を作るのに使用するた
めの適当な合成ポリマーには、たとえばポリオレフィン、ポリエステル、ポリア
ミド、ポリスルホン、アクリル、ポリアクリロニトリルのような熱可塑性樹脂、
Delrin(登録商標)のようなアセタールポリマー、ポリエーテルエーテル
ケトン(PEEK)のようなポリエーテル、及びポリアラミドがある。葉状器官
124及びステント122は、ポリアミノ酸および/または多糖類のようなポリ
マーから製造され、任意に生体再吸収可能であることができる合成ポリマーから
作ることができる。葉状器官124に組み込むための好ましい再吸収不能なポリ
マーには、たとえばポリウレタン、ポリエーテル/ポリウレタンブロックコポリ
マー、シリコーンエラストマー、ポリテトラフルオロエチレン及び硫黄架橋1−
ヘキセン/メチルヘキサジエンコポリマーがある。人工器官120は布縫製カフ
126を含む。
【0044】 図2について説明すると、心臓弁人工器官130を血管状移植片132に取り
付けて、該弁をを大動脈弁移植片として改造する。血管状移植片132は弁13
0に誘導する血管の一部に取って替わることができる。肺動脈弁、大動脈弁、僧
帽弁及び三尖弁のような異なる天然の弁と取り替えるように改造された心臓弁人
工器官は、通常血流の実質的に外側の同様の適切に配設された縫製カフ134を
含む。
【0045】 図3について説明すると、輪状形成環150は織製または編製ポリエステルの
ような1層の布154で被覆されたフレーム152を含むことができる。布15
4は輪状形成環150の外面全体を被覆することができる。本来の心臓弁のベー
スを支持するために輪状形成環150を移植することができる。輪状形成環15
0は直接的な血流の実質的外側に配設される。
【0046】 組織成分182を含む生体人工器官心臓弁180の実施態様を図4に示す。組
織成分は、弁を開いたり閉じたりするように機能する3つの葉状器官184、1
86、188および、円筒部分190の内部に血流通路を形成してその流れを葉
状器官184、186、188によって制御する円筒部分を包含する。葉状器官
184、186、188は縫い目で円筒部分190に結合される。円筒部分19
0は輪状部分及び3つの縫い目支持体を含む。円筒部分190の外側は布192
で被覆される。布192は縫合糸194によりまたは無縫合の固定法を用いて結
合することができる。弁180が患者体内の定位置にあるときには布192は血
流の低流動領域の外側にある。図4の挿入図に示すように、縫合糸194は抗石
灰化元素状金属の被覆196を含むことができる。
【0047】 C. 抗石灰化元素状金属の析出 抗石灰化金属の析出物を生体適合材料に適用する方法は大まかにその析出が気
相から行われるかまたは液相から行われるかによって分類することができる。抗
石灰化金属には、たとえばアルミニウム、鉄、マグネシウム、亜鉛、ガリウム、
ランタンおよびベリリウムがあり、アルミニウム、鉄及びマグネシウムが好まし
い。特定種類の生体適合材料を用いる場合に種々の析出法を選ぶことができる。
たとえば、一部の方法はある材料についてその材料が著しく劣化すると思われる
ような厳しい条件を用いる場合がある。とくに、組織は通常気相金属析出に用い
られる条件に耐えることができない。
【0048】 気相法には、たとえば蒸着、スパッタリングおよびマグネトロンスパッタリン
グがある。気相法は通常さまざまな真空度、すなわち低圧を必要とする。一部の
材料は容易に低圧に耐えられないかもしれない。気相法はとくにの抗石灰化金属
の布へ析出に適している。この被覆布は図1−4に示したような前記医療物品に
組み込むことができる。
【0049】 蒸着は単に、開口部から金属化させる基質に向かって蒸発させた金属を送出す
ることを含むことができる。蒸着は、たとえばSioshansiらの米国特許
第5,474,797号(本明細書に参照として組み入れてある)に記載されて
いるように高真空下でイオンビーム補助蒸着(IBAD)を用いて行うのが好ま
しい。IBADは所望の金属の蒸気を生成する蒸発器を含む。金属蒸気は1種以
上のガスから生成されたイオンビームによって基質に送られる。
【0050】 溶液による抗石灰化金属の析出法には化学的還元及び電気めっきがある。適当
な化学還元剤には、たとえば種々の金属還元用の水素化ホウ素ナトリウム、H2 及びCOがある。気体還元剤は、溶液中に吹き込むことができる。適当な溶剤は
通常水性であるが、ただし生体適合材料が溶剤によって損傷しない場合には、ア
ルコールのような他の溶剤を用いることもできる。組織を加工する場合には、特
定加工法の範囲内でpHを調節できる範囲まで、pHを約4から約11の値に保
つのが好ましく、約7.0 から約8.0の値に保つのがより好ましい。必要な らば、不活性塩類の添加によってイオン強度を調節することができ、イオン強度
の同一性は通常析出法および対応する組成物の性質によって決まる。
【0051】 電気化学的析出法は、金属溶液から生体適合材料と接触している元素状金属を
電気めっきするために組織のような適当な生体適合材料に対する電圧の印加を含
む。生体適合材料はカソードとして機能する。必要な電圧は逆反応および溶解し
ているイオン濃度による。金属塩の選択はめっき法の効果に影響を及ぼす。
【0052】 析出する金属の量を求めるには、通常溶解速度が考慮すべきポイントである。
生体適合材料が置かれる環境は溶解速度に影響を及ぼす。特定溶解速度が与えら
れたとすると、析出金属の量は、金属がカルシウム抑制に有効な時間の長さを確
定する。
【0053】 任意の析出法に関し、析出した金属の量が生体適合材料の重要な官能性を著し
く害してはならない。元素状金属を析出させる条件が比較的厳しい場合には、析
出金属の対応する減少を認めながらも、析出時間を制限するのが望ましいであろ
う。析出に関して、乾燥生体適合材料1グラム当たり抗石灰化金属の量は通常約
0.01mgを上回り、好ましくは約0.05mgないし約40mg、より好ま
しくは約0.1mgないし約20mgである。医療物品中に組み入れる場合には
、若干の生体適合材料は元素状金属の析出物を有しないかもしれないので、生体
適合材料総量に対する元素状金属の比率は、上記範囲を下回る場合がある。
【0054】 概して、生体適合材料は、生体適合物品への加工前、加工中または加工後に元
素状金属の析出を受けることができる。たとえば、布被覆を有する組織の心臓弁
人工器官を作るために、組織成分及び布が、各材料に適した条件を用いて別個に
抗石灰化元素状金属の析出を受けることができる。同様に、組織だけまたは布だ
けが抗石灰化金属の析出を受けることができる。所望の元素状金属の析出後に、
組織成分および布成分を混合することができる。あるいはまた、組織成分及び布
成分を生体適合物品に成形後、両材料に適した方法を用いて該物品に抗石灰化元
素状金属を析出させることができる。
【0055】 複数の元素状金属を析出させることができる。気相法の場合には、複数の金属
の析出を逐次又は同時に行うことができる。概して、溶液法は元素状金属の逐次
析出を含む。さらに、単一医療物品に組み込むために生体適合材料の1つ以上の
区分の異なる部分に異種の元素状金属を組み込むことができる。
【0056】 多数の元素状金属を、異種金属が互いに電気的接触するかまたは接触しないよ
うに析出させることができる。異種金属が電気的接触する場合には、1つの金属
の酸化電位が他の金属の酸化速度に影響する。このように、1つの金属の酸化速
度を、第2の金属の選択によって加速または減速させることができる。第2の金
属は、後記のように有益な効果を与えるように選ぶこともできる。
【0057】 D. 混合抗石灰化剤 1種の抗石灰化剤だけで得られる以上の抗石灰化活性を得るために、多数の抗
石灰化剤を混合することができる。この追加抗石灰化剤は元素状金属、他種の化
学組成物またはそれらの混合物であることができる。多数の元素状金属の析出に
ついてはさきに述べたが、この場合に2種以上の元素状金属が抗石灰化性能を有
することができる。
【0058】 多数の元素状金属が抗石灰化性能を有する場合には、前記の考察はすべて等し
くあてはまる。たとえば、金属が電気的接触する場合には、1つの金属は通常元
素状態に安定化されながら他の金属の酸化を促進する。したがって、安定化され
た金属は、他の金属が存在する間は抗石灰化剤として有効ではないかもしれない
。たとえ元素状金属が直接電気的接触していないとしても、第2の元素状金属の
存在は酸化速度及び対応する抗石灰化剤としての効果に影響を及ぼすことができ
る。2種以上の抗石灰化元素状金属を、明らかな抗石灰化効果を欠く1種以上の
追加元素状金属と混合することができる。追加的元素状金属は、抗菌効果のよう
な異なる活性を導入するか、または抗石灰化金属の送出若しくは接着を調節する
ことができる。
【0059】 多数の金属を連続層に置くことができ、該金属を同時に無定形表面を作るよう
に析出させることができ、かつ/または各金属が基質の選ばれた部分と接触する
ように各金属を基質上にパターン化させることができる。溶液相法は通常、金属
を基質の一部に析出させ、後に結合させて金属をパターン化するのでなければ、
金属をパターン化するのに用いられない。例えば第2の金属の析出中に第1の元
素状金属が不安定な場合には、逐次析出の順序は、元素状金属を析出させるため
に用いられる方法によって影響を受けることがある。多数の金属の配置は通常金
属間の特定関係に起因する抗石灰化有効性に対する効果によって影響される。
【0060】 抗石灰化元素状金属を他の化学形態の抗石灰化剤と混合することができる。た
とえば、生体適合材料をAl+3、Mg+2またはFe+3のような抗石灰化金属イオ
ンを含む化合物の溶液と処理することができる。元素状金属はより長期の抗石灰
化活性をもたらすけれども、金属イオンの直接適用はより直接的な抗石灰化効果
を生じることができる。塩溶液中の金属塩濃度は通常0.00001ないし0.
1モル、好ましくは0.001ないし0.1モルである。適当な塩には、たとえ
ば塩化アルミニウム、塩素酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、硫酸アルミニウ
ムカリウム、硝酸アルミニウム、塩化第二鉄、硝酸第二鉄、臭化第二鉄、エデン
チン酸第二鉄ナトリウム、硫酸第二鉄、及びギ酸第二鉄がある。
【0061】 人工器官に用いられるポリマーマトリックス中に金属塩を組み込むこともでき
る。ポリマーマトリックス中に金属塩を組み入れるように重合工程中に金属塩を
加えるのが好ましい。このように、長期にわたり抗石灰化抑制剤が制御速度で放
出される。
【0062】 さらに、抗石灰化金属イオンを、外因性貯蔵構造物に可逆的に結合された生体
適合材料に付与することができる。Al+3およびFe+3の送出に好ましい外因性
貯蔵構造物には、たとえばフェリチン及び関連金属貯蔵タンパク質がある。フェ
リチンは化学的架橋等によって組織や他の基質に結合させることができる。外因
性貯蔵構造物を用いる抗石灰化金属カチオンの送出は同時係属出願で譲渡された
米国特許出願第08/595,402号及び同第08/690,661号に記載
されており、いずれも本明細書に参照として組み入れてある。
【0063】 約0.00001モルないし約0.1モルの濃度のカルシウムイオンキレート
化剤を処理前に金属塩溶液に加えることができる。たとえば、クエン酸塩及びク
エン酸はAl+3およびFe+3イオンの抗石灰化抑制効果を相乗的に高めることが
認められている。同様に、制限なくエタンヒドロキシジホスホネート(EHDP
またはエチドロネート)およびアミノプロパンヒドロキシジホスホネートを含む
ジホスホネート塩のような他のカルシウムイオンキレート化剤もAl+3およびF
+3イオンの抗石灰化効果に相乗的改善をもたらす。特別の用途にはさらに高い
濃度またはさらに低い濃度を用いることもできる。
【0064】 多数の抗石灰化剤の適用順序は特定薬剤の有効性に影響を与える場合がある。
特定な適用法は、第2の薬剤の析出によって第1の薬剤を無効にさせないように
、選択された適用順序に影響を与えることもある。必要ならば、これらの要因を
実験的に調べることができる。
【0065】 E. 他の生物薬剤 Au、Ag、Pt、Pd、Ir、Cu、Sn、Sb、BiおよびZnを含む金
属が抗菌活性をもたらすことは公知であって、銀が好ましい。多数の元素状金属
を析出させるときに、抗菌効力のために1種以上の金属を選ぶことができる。こ
のように、元素状金属の析出は石灰化を抑制するだけでなく感染を阻止すること
もできる。元素状金属の電気的接触はそれぞれの酸化速度および対応する効果に
影響を及ぼす。
【0066】 さらに、抗菌活性を有する金属化合物を析出させることができる。これらの金
属化合物は、対応する可溶性金属化合物の溶液から、沈殿剤、通常は適当なアニ
オンまたは還元剤を添加して、低酸化状態の金属イオンを生成させることによっ
て析出させることができる。抗菌性金属化合物の析出はさらに同時係属出願で一
般に譲渡される米国特許出願第08/974,992号(本明細書に参照として
組み入れてある)に記載されている。
【0067】 さらに、他の生物学的活性が望まれる或る状況がある。これらの状況では、基
礎材料に生物活性被覆を形成させることによって材料を作ることができ、この場
合に生物活性被覆は、たとえば細胞付着分子、ヘパリンおよびヒルジンのような
抗凝固剤、または成長因子、ならびにそれらの混合物を含むことができる。
【0068】 抗石灰化金属及び生物活性被覆の適用順序は適用方法の適合性に基づいて選ぶ
ことができる。適切ならば、抗石灰化金属及び生物活性被覆を同時に加えること
ができる。異なる活性剤の適用順序によって性能が影響を受けることがあり、そ
のような場合には、適用順序を性能に対する配慮に基づいて選ぶことができる。
必要ならば、これら要因の実験的評価を行うことができる。
【0069】 F. 貯蔵、包装、配布および使用 所望の抗石灰化元素状金属の析出に続いて、多分医療物品に形成される生体適
合材料を貯蔵する。好ましい貯蔵法は微生物汚染のおそれを最小にする。たとえ
ば、生体適合材料はグルタルアルデヒド水溶液とともに密封容器に貯蔵すること
ができる。密封容器においては、生体適合材料は流体の連続的供給を受けない。
その結果、抗石灰化元素状金属の腐食を制限することができる。
【0070】 抗石灰化元素状金属または他の活性剤の考えられる経時的損失に対して相応の
考慮を払わなければならない。過度の腐食が見込まれる場合には、腐食を許容で
きるレベルに保つために貯蔵期間を適当に制限することがある。腐食を減少させ
るために添加剤を加えることができる。たとえば、アスコルビン酸のような酸化
防止剤を加えることができる。
【0071】 配布の場合には、医療物品を密封殺菌容器に入れる。抗石灰化剤および他の薬
剤のみならず別の因子の予想される劣化を明らかにする望ましい最長貯蔵期間を
日付が表すように、通常容器には日付を入れる。人工器官の外科的移植等のよう
な適当な医療処置に用いるために、容器は健康管理の専門家に配布される。図1
A、1Bおよび4に示すような心臓弁の外科的移植がとくに興味がある。
【0072】 抗石灰化金属を結合して得られた人工器官は長期耐久性に関して利点がある。
抗石灰化イオンは、組織に金属を析出させるかまたは布のような抗石灰化金属被
覆材料を組織に結合させることによって組織の石灰化を低下させるのに有効であ
ることができる。この方法は比較的多量の抗石灰化物質を含むことができる。抗
石灰化イオンの放出速度は金属もしくは金属混合物の選択または金属の前処理に
よって調節することができる。さらに、抗石灰化物質はポリウレタン心臓弁人工
器官及び縫合糸と結合させることができる。抗石灰化物質被覆布および/または
縫合糸は同種移植片または市販の心臓弁人工器官と結合させることができる。本
発明の医療物品は、感染のおそれを減じるだけでなく石灰化を減少させるために
抗石灰化元素状金属と共に抗菌性元素状金属および/または抗菌製金属組成物を
含むことができる。
【0073】 実施例 実施例1−洗浄研究 本実施例は血清と接触するときの被覆布からのアルミニウムの溶解速度の測定
を含む。
【0074】 それぞれ4枚の3種類の布を用いた。各布片は約1平方センチメートルであっ
た。第1の布(対照布)はMeadox Medicals,Inc.から入手
した二重ベロアのDacron−ポリエステル織布(Lot 186116)で
あった。第2の布は(Al布)は、前記米国特許第5,474,797号に記載
されているようなIon Beam Assisted Deposition
(IBAD)法を用いて適用した元素状アルミニウム被覆以外は対照布と同一で
あった。IBAD法では、基質を真空チャンバー内の回転基質ホルダーに取り付
ける。強力なイオンのビームを基質表面に向けて蒸発金属原子を送り出し基質上
に元素状金属の被膜を形成させる。IBADアルミニウム蒸着法はSpire
Corp.,Bedford,MAによって行われた。
【0075】 第3の布(Al/Ag布)はSpire Corpによって開発された方法を
用いて、まず元素状の銀、チタンおよびパラジウムを含む抗菌性被覆を受け入れ
た。この3層の金属被覆はBricault Jr.らの米国特許第5,520
,664号(本明細書に参照として組み入れてある)に記載されている。ついで
銀被覆布は前記IBAD法を用いてさらにアルミニウム被覆を受け入れた。おそ
らくアルミニウムは銀、チタンおよびパラジウム金属と電気的接触したであろう
【0076】 合計12枚の布片を切り取った後秤量した。ついで、12枚の布片を蒸気殺菌
した。ウシ血清の500mlのびん9個(Sigma Cheical,St.
Louis,MO)を入手した。各びんから無菌状態で血清5ミリリットルを取
出して「ゼロ日」対照として用いた。各9枚の殺菌した布試料を層流フード下で
無菌状態において別々の血清びんに移した。布試料を血清びんに入れた後、血清
びんを約37℃及び約100RPMにセットした振とう水槽(Environ
ShakerTM,Lab−Line,Melrose Park,IL)に入れ
た。
【0077】 1,2,3,4および7日間のインキュベート後、各びんから無菌状態で5m
lの試料を取出した。液体試料は別に25mlのバイアルに入れた。液体対照及
び液体試料はICP−AES AtomScan 16TM(Termo Jar
rell Ash Corp.,Franklin,MA)を用いてアルミニウ
ム含量の元素分析にかけた。平均値及び標準偏差(S.D.)を含めて結果を表
1に示し、また平均値の結果は図5にプロットした。
【0078】
【表1】
【0079】 血清中4日間でAl布及びAl/Ag布を入れた血清中にはいずれも顕著な濃度
のアルミニウムが存在した。血清中4日後にはAl/Ag布はAl布よりも多量
のアルミニウムを放出したが、7日間ではAl布およびAl/Ag布は血清中に
同等量のアルミニウムを放出した。
【0080】 インキュベート7日間後に、布試料を血清から取出して凍結乾燥器で乾燥した
。血清中に入れなかった相当布片とともに、布試料についてアルミニウム含量を
分析した。布試料を分析するために、硝酸中で布片を加水分解した。ついで、前
記のようにICP−AESを用いて測定を行った。結果を表2に示すが、重量は
血清との接触前に測定した。
【0081】
【表2】
【0082】 表2の結果はAlが血清中に放出されたことを示す。 実施例2−生体内研究 本実施例は生体内におけるアルミニウム被覆布の石灰化の減少を示す。同じ方
法を用いて2組の実験を行った。
【0083】 試料はブタ大動脈末端組織の8mmパンチから調製した。組織試料は緩衝0.
5%グルタルアルデヒド溶液中で架橋させた。第1の研究では12個の試料を用
いた。6個の試料はアルミニウム被覆布に縫い合わせ、6個の試料は対照として
ポリエステル布に縫い合わせた。組織を布に縫い合わせた後、試料を緩衝グルタ
ルアルデヒド中に入れた。
【0084】 第2の研究では、合計36個の組織試料を用いた。布片を各組織試料に縫合し
た。12個の組織試料は平編ポリエステル布に縫合した。12個の組織試料はア
ルミニウム被覆ポリエステル布に縫合し、この場合に該Al布は実施例1に記載
したように調製した。残りの12個の組織試料はアルミニウム/銀被覆布に縫合
し、この場合に該Al/Ag布は実施例1に記載したように調製した。すべての
試料は移稙前に0.5%グルタルアルデヒド含有HEPES緩衝食塩水溶液中に
12日間貯蔵した。
【0085】 移稙前に、すべての試料を無菌食塩水を用いて2−5分間ずつ3回リンスした
。第1研究における12個の試料は色コードの縫合糸を用いて3匹の若い雄ラッ
トの背中の皮下に入れた。第2研究における36個の試料は色コード縫合糸を用
いて6匹の若い雄ラット(ラットごとに各種2個)の背中の皮下に入れた。試料
は21日後(第1研究)又は26日後(第2研究)に取出した。取出した後、分
析前に試料を0.9パーセント食塩水(NaCl水溶液)中に入れた。
【0086】 分析に際し、各組織試料を半分に切断した。各試料の半分はホストカプセル(
host capsule)を取り除いた。第1研究の場合には、すべての試料
から布を除いた。第2研究の場合には、対照試料からは布を除いたが、他の試料
は布を付けたままであった。組織及び布をポリプロピレン試験管に入れて(分離
している場合には別々に)凍結乾燥した。元素分析の場合には、乾燥試料を硝酸
中で加水分解した。元素分析は前記のようにICP−AESによって行った。元
素分析の結果を表3(第1研究)及び表4(第2研究)に示す。第2研究の場合
には、組織の石灰化に対して石灰化が著しく少ない布の寄与をほぼ除くように計
算を調整した。
【0087】
【表3】
【0088】
【表4】
【0089】 第1研究の結果は、カルシウムの減少の証明に関しては統計的有意の境目にあ
る。第2研究の結果はアルミニウム被覆布に結合した組織に関しては石灰化の明
らかな統計的減少を示す。第1研究に関連して第2研究で認められる改善は、移
稙前に緩衝グルタルアルデヒド食塩水溶液中に12日間試料を貯蔵したことによ
るのかもしれない。移稙前の長い期間が腐食プロセスを加速してより多くの抗石
灰化イオンを存在させたのかもしれない。
【0090】 各試料の残り半分を、組織検査前に10%緩衝ホルマリン(第1研究)または
HEPES緩衝0.5%グルタルアルデヒド溶液(第2研究)中に入れた。vo
n Kossa染色法を用いて組織分析を行った。第1研究による典型的な顕微
鏡写真を図6に示す。図6Aについて説明すると、対照組織は外面に連続石灰化
のバンドを有した。図6Bについて説明すると、試料の布被覆面に石灰化及び非
石灰化組織間の転移領域を認めることができる。布を組織に縫合した領域におい
て、石灰化は完全ではないにしても、著しく減少した。縫合の存在しなかった試
料中央部には、試料表面近くに若干の石灰化が生じた。
【0091】 第2研究による典型的顕微鏡写真を図7に示す。Al布(図7A)及びAl/
Ag布(図7C)を有する試料は対応する対照布試料(図7Bおよび7D)より
も組織の布面に析出したカルシウム(暗色で示す)の量が少ないことが分かる。
【0092】 実施例3−前処理表面−洗浄研究 本実施例はアルミニウム被覆の予備処理後のアルミニウム被膜のイオン化度の
評価を含む。
【0093】 洗浄研究は、それぞれ幅約2cm、長さ約3.75cmの布片24個を用いて
行った。布片の半分はAl被覆布で残りの半分はAl/Ag被覆布で実施例1に
用いた相当布と同一である。各種3個の布片は前処理せずに受け入れて対照とし
て役立たせた。別の各種3個の布片は酸化に曝露される表面積を増大させるため
に布全体にわたり20個の切り込みを入れた。切り込みは、布片の幅の約3/4
にわたり端面ごとに10個行った。
【0094】 また、各種3個の布片は3.2%過酢酸に約5分間曝露した。この各種3個の
布片は一緒に12.5mlの過酢酸に曝露した。3.2%過酢酸は32重量%過
酢酸原液(Aldrich Chemical Co.,Milwaukee,
WI)2.5mlを純水で25mlに希釈することによって調製した。
【0095】 残りの各種3個の布片は10%HClに5分間曝露した。これも、この各種3
個の布片を一緒に12.5mlの酸に曝露した。10%HCl溶液は6.5ml
の濃HCl(Fisher Chemical,Fair Lawn,NJ)を
十分な量の純水で希釈して25mlのメスフラスコを満たすことによって調製し
た。過酢酸または塩酸では処理した布片はそれぞれの酸から直ちに取出して、そ
れぞれ150mlの純水で3回リンスし、第2及び第3のリンスはそれぞれ5分
及び10分を要した。
【0096】 洗浄研究は24個の布片を用いて行った。各布片は500mlの0.9%(N
aCl)無菌食塩水(Baxter,Deerfield,IL)を有する1リ
ットルのプラスチック容器に入れた。布片及び食塩水を入れた容器を振とう機に
置いて37℃にインキュベートした。0、3、5および7日後に各容器から5m
lの液体を取出してアルミニウム含量を分析した。Al被覆布についての結果を
表5に示し、Al/Ag被覆布についての結果を表6に示す。
【0097】
【表5】
【0098】
【表6】
【0099】 酸前処理はAl被覆布のイオン化を著しく高めるがAl/Ag被覆布の場合に
はそうではないことに注目されたい。実施例1の結果とは反対に、Al/Ag布
は、Al被覆布の場合に認められたよりも多くのアルミニウムのイオン化をもた
らした。この相違は実施例3における洗浄研究がウシ血清ではなくて食塩水を用
いて行ったという事実によるものかもしれない。ウシ血清は、溶解している金属
の送出を加速することができるトランスフェリンのような生物キレート化剤を含
有する。
【0100】 前記の態様は例示を意図するものであって限定するためのものではない。補足
的態様はクレーム中にある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1Aは縫製カフの中心を通って描いた機械的心臓弁人工器官の
断面図である。 図1Bはポリマー葉状器官を有する心臓弁人工器官の側面図である。
【図2】 図2は付属大動脈移植片を有する図1の機械的心臓弁人工器官の
側面図である。
【図3】 図3は輪状形成環人工器官の斜視断面図であって、環を切り取っ
た部分を破線で示す。
【図4】 図4は組織の心臓弁人工器官の斜視図である。
【図5】 図5はウシ血清溶液中のアルミニウム濃度(ppm単位)を時間
の関数としてプロットしたものであって、該溶液は3種の布試料の1つを含有す
る。
【図6】 図6はラットの背中に皮下移植した21日後の組織の写真(倍率
40倍)を2枚集めたもので、カルシウムが暗色に見えるように組織を染色した
:A)1つの面をアルミニウム析出布で被覆した;B)対照組織試料。
【図7】 図7はラットの背中に皮下移植した26日後の組織の写真を4枚
集めたものでカルシウムが暗色に見えるように組織を染色した:A)1つの面を
アルミニウム析出布で被覆した;B)1つの面を平織ポリエステル布で被覆した
;C)1つの面をアルミニウム/銀析出布で被覆した;D)1つの面を平織ポリ
エステル布で被覆した。
【手続補正書】
【提出日】平成13年3月12日(2001.3.12)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HU ,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U Z,VN,YU,ZW (72)発明者 オウグル,マシュー・エフ アメリカ合衆国ミネソタ州55105,セン ト・ポール,ジュリー・アベニュー 2053 Fターム(参考) 4C081 AB17 AC02 BA17 CG08 4C097 AA27 BB01 DD09 SB10

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体適合材料を含む医療物品であって、前記生体適合材料が
    抗石灰化元素状金属を含み、前記生体適合材料が患者体内の体液および組織との
    接触に適し、そして前記医療物品をその意図する目的に用いるときに前記生体適
    合材料が低血流領域にあるように前記生体適合材料を配設する医療物品。
  2. 【請求項2】 前記抗石灰化元素状金属がアルミニウム、鉄、マグネシウム
    およびそれらの混合物からなる群から選ばれる金属を含む請求項1記載の医療物
    品。
  3. 【請求項3】 前記生体適合材料が、乾燥生体適合材料1グラム当たり約0
    .01mgを上回る量の前記元素状金属を含む請求項1記載の医療物品。
  4. 【請求項4】 前記生体適合材料が布を含み、前記布が前記抗石灰化元素状
    金属の析出物を含む請求項1記載の医療物品。
  5. 【請求項5】 前記医療物品が心臓弁人工器官を含み、前記心臓弁人工器官
    が内部及び外部を有するオリフィスを含み、前記オリフィスがその内部に血流の
    通路を形成し、そして前記布が前記オリフィスの前記外部に固定された縫製カフ
    (sewing cuff)を形成する請求項1記載の医療物品。
  6. 【請求項6】 患者体内への移植約1か月後に、前記医療物品の石灰化を少
    なくとも約30パーセント減少させ、前記減少は、前記元素状金属を欠く相当す
    る医療物品と比較して求められる請求項1記載の医療用物品。
  7. 【請求項7】 前記医療物品がさらに抗石灰化金属化合物を含む請求項1記
    載の医療物品。
  8. 【請求項8】 前記医療物品が心臓弁人工器官を含み、前記心臓弁人工器官
    が環帯を形成する組織を含み、かつ前記環帯内部が血流通路を形成し、さらに前
    記生体適合材料が前記環帯の外側に配設された布を含む請求項1記載の医療物品
  9. 【請求項9】 健康管理専門家の監督下で用いるための請求項1記載の医療
    物品の配布を含む方法。
  10. 【請求項10】 組織を含む医療物品であって、前記組織が抗石灰化元素状
    金属の析出物を含む医療物品。
  11. 【請求項11】 前記抗石灰化元素状金属がアルミニウム、鉄、マグネシウ
    ム及びそれらの混合物からなる群から選ばれる請求項10記載の医療物品。
  12. 【請求項12】 前記医療物品が心臓弁人工器官である請求項10記載の医
    療用物品。
  13. 【請求項13】 前記組織が架橋組織を含む請求項10記載の医療物品。
  14. 【請求項14】 前記組織が、組織1グラム当たり少なくとも約0.01m
    gの量の元素状金属の析出物を含む請求項10記載の医療物品。
  15. 【請求項15】 生体適合材料を含む医療物品の製造法であって、前記方法
    が、基質の少なくとも一部に抗石灰化元素状金属を析出させて前記生体適合材料
    を形成させ、この場合に酸化形態の前記抗石灰化金属を含む溶液を前記生体適合
    材料と接触させて前記析出を行うことを含む方法。
  16. 【請求項16】 前記溶液から元素状金属を析出させるために、前記析出が
    化学的還元を含む請求項15記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記析出が電気めっきを含む請求項15記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記基質が布を含む請求項15記載の方法であって、前記
    方法がさらに前記布を追加成分に結合させて前記医療物品を形成させることを含
    む方法。
  19. 【請求項19】 前記基質が組織を含む請求項15記載の方法。
  20. 【請求項20】 生体適合材料を含む医療物品の製造方法であって、前記方
    法が、基質の少なくとも一部に抗石灰化元素状金属を析出させて前記生体適合材
    料を形成させ、前記医療物品をその意図する目的に用いるときに血流から前記生
    体適合材料が実質的に除かれるように、前記生体適合材料が、患者体内の体液及
    び組織に接触するのに適しかつ前記医療物品上に配設されることを含む方法。
  21. 【請求項21】 前記生体適合材料が布を含む縫製カフであり、そして前記
    析出が蒸着を含む請求項20記載の方法。
  22. 【請求項22】 生体適合材料を含む医療物品であって、前記生体適合材料
    が鉄、マグネシウム、亜鉛、ガリウム、ランタンおよびベリリウムからなる群か
    ら選ばれる元素状金属を含み、前記生体適合材料が患者体内の体液及び組織との
    接触に適する医療物品。
  23. 【請求項23】 前記医療物品をその意図する目的に用いるときに、血流か
    ら前記生体適合材料が実質的に除かれる請求項22記載の医療物品。
  24. 【請求項24】 不織形態の糸を含む縫合糸(suture)であって、前
    記糸が抗石灰化元素状金属の被覆を含む縫合糸。
  25. 【請求項25】 葉状器官(leaflet)を含む心臓弁人工器官であっ
    て、前記葉状器官が合成ポリマーおよび抗石灰化元素状金属析出物を含む心臓弁
    人工器官。
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