JP2002373002A - プロセスシミュレータ応用制御装置及び方法 - Google Patents

プロセスシミュレータ応用制御装置及び方法

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正 彦 堤
Yasuhiko Nagamori
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プロセスシミュレータを直接用いてモデル予
測制御を構築する直接型プロセスシミュレータ応用制御
装置及び方法を提供する。 【解決手段】 プロセスの外乱及びプロセスの観測出力
を計測するセンサと、これらの各計測値及びプロセス操
作量指令値を記憶する手段と、プロセスの外乱を現時点
から未来の所定点まで予測する手段と、上記計測値、プ
ロセス操作量指令値、プロセスの外乱の予測値とにより
プロセス被制御量の挙動を予測する手段と、予め決定し
ておいた各運転点における所定の期間に亘るステップ応
答時系列を記憶する手段と、プロセス操作量指令値と、
プロセスの外乱の計測値とによって、運転点毎のステッ
プ応答時系列から現在のステップ応答時系列を選択する
手段と、少なくとも予測したプロセス予測値と選択した
ステップ応答時系列とを入力として所定の期間に亘る最
適な操作量指令値を決定する手段とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下水処理プロセス
や食品加工プロセスなどの生物学的プロセス、石油精製
などの化学プロセスなど、主に時定数が比較的長いプロ
セス系を中心とし、その他、モータや発電機などの電磁
気システム、及びロボットなどの機械システムなどを含
む様々なプロセスやシステムの挙動を模擬するシミュレ
ータをベースにしたプロセスシミュレータ応用制御装置
及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】産業界におけるプロセスやシステム(以
下対象プロセスという)、例えば、上下水道の水量プロ
セス及び水質プロセス、鉄鋼プロセス、石油精製プロセ
ス、交通システム、エレベータシステム、ビル空調シス
テム、都市熱エネルギー供給システム等、様々な対象プ
ロセスに対する制御方式として、古典制御の一種である
PID制御やシーケンス制御が従来広く利用されてき
た。これらの制御方式は、信頼性、制御性能、及び設計
やチューニングの容易さなどの観点からバランスの取れ
た制御方式であり、産業界において最も標準的な制御方
式としての地位を確立してきた。
【0003】近年、例えば、環境問題の深刻化とこれに
対する意識の高まり、価値観の多様化に伴う顧客要求の
多様化、などの社会背景の変化は、次に示す様に制御に
対する要求を一層厳しくかつ多様なものとするようにな
ってきている。例えば、下水処理においては、環境への
負荷を低減するため、放流水質成分である有機物及び窒
素やリンなどの河川への放流規制が義務付けられるよう
になりつつあり、これらの値を定量的に制御する必要が
高まってきている。
【0004】また、鉄鋼の板厚制御における厳しい品質
要求やエレベータにおける快適な乗り心地に対する要求
などにも厳しい制御性能が求められるようになってきて
いる。さらに、上下水処理プロセスにおける薬品注入量
の低減などの要求と処理水質の向上のトレードオフのよ
うに、単なる制御性能のみの要求ばかりでなく、経済的
なコスト低減や省エネルギーなども求められるようにな
ってきており、制御への要求は多様化している。このよ
うに、多様で厳しい要求に答えるためには、従来のPI
D制御やシーケンス制御ではもはや十分とは言いがた
く、近年、様々なアドバンスト制御が用いられるように
なってきている。
【0005】アドバンスト制御には、大別して2つのア
プローチがある。一つは、ファジィー制御や人工知能
(AI)などのアプローチであり、人間の感覚や経験的
な知識を定量化して制御を行おうとする方法であり、If
-Then式のルールに基づいて制御を行うため、ルールベ
ース制御と呼ばれる。もう一つのアプローチは、対象プ
ロセスの挙動を表現あるいは模擬する数式モデルに基づ
いて制御系を構築する方法であり、モデルベース制御と
呼ばれる。
【0006】これらの2つのアプローチは、それらが用
いられる状況や適用範囲によって、それぞれ得失がある
が、対象プロセスの挙動を適切に表現することのできる
モデルが存在する場合には、潜在的には、モデルベース
制御の方がルールベース制御よりも優れた制御性能を得
ることができる。その詳細については、本願と同一出願
人によって出願された特願2000−059221号の
明細書及びその明細書中に記載の参考文献を参照された
い。従って、対象プロセスの挙動を模擬できるモデルの
有無が、ルールベース制御を利用すべきかモデルベース
制御を利用すべきかの判断基準の一つとなる。
【0007】エレベータやパワーエレクトロニクスなど
の機械系や電磁気系では、運動方程式や回路方程式、あ
るいは電磁気学の法則に基づいて、比較的容易に対象プ
ロセスのモデルを構築することができる。また、制御を
行おうとする動作点(運転点)近傍では、比較的次数の
低い線形微分方程式あるいは線形伝達関数や線形状態方
程式で、対象プロセスのモデルを表現できるため、例え
ば、最適レギュレーータ理論(LQR:Linear Quardratic
Regulator/LQG:Linear Quardratic Regulator with
Gaussian Input)や逆最適制御理論(ILQ:Inverse Lin
ear QuardraticRegulator)、あるいは、H無限大制御
理論などのモデルベース制御の適用が既に行われてお
り、その有効性が実証されている。
【0008】一方、石油化学プロセスや上下水道プロセ
スなどのいわゆるプロセス制御分野では、プロセスの応
答が機械系や電気系と比較して遅く、また制御性能に対
する要求と同時に操作量となる薬品や電力などの運転コ
ストを低減したいという要求が強いため、機械系や電気
系とは異なった形のアドバンスト制御が進展してきた。
この中で最も重要なものとして、モデルベース制御の一
種であるモデル予測制御がある。モデル予測制御は、制
御性能達成に加えてコスト低減や種々の制約条件を考慮
することができ、比較的多様な要求に答えることのでき
る制御方式である。モデル予測制御は、1970年代後半か
ら1980年代初頭にかけて、シェル石油(Shel1 Oi1)社
から独立したDMC(Dynamic Matrix Control)社などが
産業界で実用化した制御方式であり、主に、石油化学プ
ロセス業界におけるアドバンスト制御として、多く用い
られている。
【0009】しかし、従来のPID制御などと比較する
と、プロセス制御分野においては、まだこのようなアド
バンスト制御の適用は少ない。その技術的な理由の一つ
として、既存のモデル予測制御が扱える対象プロセスが
限られている、ということが挙げられる。既存のモデル
予測制御をあるプロセスに適用するためには、何らかの
形の対象プロセスの集中定数線形モデルを必要としてい
る。このようなモデルは、物理化学法則から導出される
場合や、あるいはステップ応答試験などを行うことによ
って直接導出する場合がある。
【0010】その一方で、例えば下水処理の水質プロセ
スなどに代表されるように、対象プロセスは、多くの場
合、強い非線形性(Nonlinearities)を持っていたり、
空間的な分布性(Spatial Distribution)が強かったり
しており、プロセスの挙動を、線形モデルでは近似的に
も模擬することが困難な場合がある。このような場合
に、現在実用化されているモデル予測制御方式の有効性
は明らかでなく、適用範囲は限られていると考えられ
る。また、最新の制御理論の分野では非線形のモデル予
測制御に関する研究も活発に行われるようになってきて
いるが、多くのものはモデル予測制御系の構成法や閉ル
ープ系の安定性などの理論的な解析を主目的としてお
り、実装上重要となる演算量の問題や扱っている非線形
の対象システムに関する制約などの面でまだまだ課題が
多く、実用上、これらの制御系を簡単に実現できる段階
に至っていないと考えられる。
【0011】一方、制御を直接の目的とせず、例えば、
運転管理、監視、プロセス設計、運転訓練などの目的
で、プロセスの挙動を模擬するモデル(これは通常シミ
ュレータとよばれる)は、様々な分野で用いられてい
る。例えば、下水処理の分野では、国際水質学会(IAW
Q:International Association on Water Quality)
が、窒素やリンの除去プロセスを非線形微分方程式を用
いて表した活性汚泥モデルASM1〜ASM3(Activated Slud
ge Model No.1〜Activated Sludge Model No.3)を公表
しており、偏微分方程式等で表される水理モデルと組み
合わせることによって、下水処理水質プロセスシミュレ
ータを計算機上に構築できる。この様なプロセスシミュ
レータは、計算機技術の発展に伴い、ますます高精度に
プロセスの模擬ができるようになってきており、それに
伴い、シミュレータを構築するために使われるモデル自
身はますます複雑化してきている。
【0012】このような発展の方向性をそのまま未来に
外挿すると、運転管理や監視などを目的としたプロセス
モデル(シミュレータ)とモデルベース(モデル予測)制
御系を設計するためのプロセスモデルは、さらに乖離し
ていくと推測される。しかし、複雑な現象をより厳密に
捉えることが可能なプロセスシミュレータを用いて、こ
れをモデル予測制御系設計に利用することができれば、
厳しくかつ多様な要求に答えられる制御系を構築でき、
その潜在能力は非常に高いと考えられる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】このようにプロセスシ
ミュレータを用いた制御方式というものが、非常に高い
潜在能力を有しているにも拘わらず、現在まで、プロセ
スシミュレータを用いたシステマティックな制御方式は
開発されてこなかった。発明者等は、この問題を解決す
るため、特願2000−059221号において、複雑
な数式モデルから構成されるプロセスシミュレータを用
いて、制御系設計用の簡易モデル(低次元線形近似モデ
ル)を同定しながら、従来のモデル予測制御方式を利用
する制御系設計手法を提案した。これは、従来の既存の
モデル予測制御とプロセスシミュレータを関連づけるた
めに、制御系設計用モデルを導入したものであり、間接
的にプロセスシミュレータを利用した間接型プロセスシ
ミュレータ応用制御装竃であった。
【0014】本発明では、間接的なアプローチではな
く、プロセスシミュレータを直接用いてモデル予測制御
を構築する直接型プロセスシミュレータ応用制御装置の
構成法を提供する。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
プロセスの外乱を計測する外乱センサと、プロセスの観
測出力を計測するプロセス出力センサと、外乱センサ及
びプロセス出力センサの各計測値、並びに、プロセス操
作量指令値を所定の期間にわたって記憶するプロセス値
記憶手段と、プロセスの外乱を現時点から未来の所定点
まで予測するプロセス外乱予測手段と、プロセス値記憶
手段に記憶された各計測値及びプロセス操作量指令値
と、プロセス外乱予測手段によるプロセスの外乱の予測
値とを参照してプロセス被制御量の時間的及び空間的挙
動を予測するプロセス予測手段と、プロセス操作量指令
値に対応させて予め決定しておいた各運転点における所
定の期間に亘るステップ応答時系列を記憶するステップ
応答記憶手段と、プロセス値記憶手段のプロセス操作量
指令値と、プロセスの外乱の計測値とによって、ステッ
プ応答記憶手段に記憶された運転点毎のステップ応答時
系列から現在のステップ応答時系列を選択するステップ
応答選択手段と、プロセス予測手段で予測したプロセス
予測値と、ステップ応答選択手段によって選択したステ
ップ応答時系列と、予め設定された評価関数及び評価重
み制約条件並びに目標値軌道とを入力として所定の期間
に亘る最適な操作量指令値を決定するプロセス最適化手
段と、を備えたプロセスシミュレータ応用制御装置であ
る。
【0016】本発明によれば、プロセス応答予測とプロ
セスステップ応答とプロセス最適化を、それぞれ独立化
させ、プロセス応答予測とプロセスステップ応答を外部
からプロセス最適化手段へ供給することにより、非線形
の対象プロセスや分布定数系の対象プロセスなど複雑な
対象プロセスに対しても柔軟に対応できるモデル予測制
御方式を提供できる。さらに、それぞれの機能(プロセ
ス応答予測とプロセスステップ応答とプロセス最適化)
は、従来のモデル予測制御で用いられていたものと同程
度の演算量で計算できるため、結果として従来のモデル
予測制御と同程度の演算量で実現可能な制御方式を提供
できる。
【0017】従来のモデル予測制御でこのようなことが
できなかった原因は、対象システムのモデルを予め与え
た後、制約付き2次形式評価関数を最小にするようにモ
デル予測制御設計問題を定式化しており(モデルの仮定
⇒最適化問題(モデル予測制御問題))、対象システム
のモデルにモデル予測制御問題が大きく制約されてしま
うためである。
【0018】本発明では、設計問題の定式化に特定のモ
デルを用いることを仮定せず、先に制約付きの2次形式
評価関数を与えたモデル予測制御を考え、その際に必要
となるステップ応答とプロセス応答予測の2つを外部か
ら供給するという定式化を行ったため(最適化問題(モ
デル予測制御問題)の定式化⇒必要となるモデルの供
給)、モデル予測制御の適用範囲を飛躍的に拡張させる
ことができる(このアイデアの詳細は、実施例にて説明
する)。
【0019】さらに、本発明で用いるプロセス最適化手
段は、評価関数が2次形式である場合には、必ず単峰性
の最適化問題となるため、必ず最適解を求めることがで
きる。これに対して、現在研究されている非線形モデル
予測制御は、一般に多峰性の最適化問題となり最適解が
求まらない可能性がある。これは、本発明においては、
プロセス最適化手段として従来のモデル予測制御に用い
られているものをそのまま援用し、この最適化問題を解
く際に必要となるステップ応答とプロセス予測値を制御
周期毎に可変に外部から与えるというアイデアを用いた
ため、最適化問題の単峰性は保存されるためである。一
方、通常の非線形モデル予測制御では、非線形モデルと
制約付き2次形式評価関数を用いて問題を定式化するた
め、プロセス最適化問題自身が複雑になり、一般に多峰
性の問題となる。
【0020】請求項2に係る発明は、請求項1に記載の
プロセスシミュレータ応用制御装置において、プロセス
予測手段は、プロセスの物理化学的な法則に基づいて微
分方程式又は偏微分方程式を用いて構築したプロセスシ
ミュレータを備える。
【0021】本発明によれば、対象プロセスに対する理
解が深まり、対象プロセスの応答の予測精度が上がれば
上がるほど、それに伴って、プロセスの制御性能や経済
的コストをより厳密に最適化できる。
【0022】請求項3に係る発明は、請求項1に記載の
プロセスシミュレータ応用制御装置において、プロセス
予測手段は、プロセス値記憶手段に予め蓄積されたプロ
セス操作量指令値及びプロセスの外乱の計測値と、プロ
セスの観測出力の時系列データとに基づいて、多変量解
析等の統計的手法、システム同定法、ニューラルネット
ワークの時系列データからのモデリング手法のいずれか
一つを利用して構築したプロセスシミュレータを備え
る。
【0023】本発明によれば、対象プロセスに対する物
理化学的知見があいまいな場合であっても、過去に対象
プロセスを運転した結果であるデータをシステマティッ
クに解析することにより、対象プロセスの出力を予測す
ることができ、その予測結果を用いたモデル予測制御系
を構築することができる。
【0024】請求項4に係る発明は、請求項1に記載の
プロセスシミュレータ応用制御装置において、プロセス
予測手段は、将来のプロセス出力予測時系列を外部で設
定する人間系のプロセスシミュレータを備える。
【0025】本発明によれば、対象プロセスに対する物
理化学的知見があいまいであり、かつ対象プロセスの過
去の運転履歴が保存されていないようなケースにおいて
も、その対象プロセスの挙動をある程度熟知している管
理者や運転員がいる場合には、管理者や運転員にはプロ
セスがこの先どのように変化するかを予測軌道(時系列
データ)として予測してもらうことのみで、対象プロセ
スを最適化することができる。
【0026】請求項5に係る発明は、請求項2又は3に
記載のプロセスシミュレータ応用制御装置において、プ
ロセス予測手段は、プロセスシミュレータによって予測
を実施した上でその予測結果をグラフとして表示装置上
に表示し、現在までの運転状況から外部で判断して表示
装置上にグラフとして表示された予測結果を前記表示装
置上から修正する。
【0027】本発明によれば、対象プロセスのプロセス
シミュレータによる予測値が対象プロセスの管理者や運
転員の経験や勘と一致せず、管理者や運転員が不安を感
じるような場合にも、管理者や運転員が納得できるよう
にプロセスの予測をディスプレイ上から容易に変更する
ことができ、その結果、管理者や運転員が満足できるよ
うなプロセスの最適化を行うことができる。
【0028】請求項6に係る発明は、請求項2又は3に
記載のプロセスシミュレータ応用制御装置において、プ
ロセス予測手段は、プロセスシミュレータに対して拡張
カルマンフィルタなどを用いてプロセス出力値からのフ
ィードバック機構を持たせることによってロバスト性を
持たせたロバストプロセスシミュレータを備える。
【0029】本発明によれば、例えば、対象プロセスが
積分特性を含んでいたり(安定限界系)、不安定系であ
るような場合でプロセスシミュレータが入力(外乱と操
作量)の少しの摂動や、対象プロセスの動特性の変動に
対して過敏であるような場合にでもロバストにプロセス
の応答を予測することができ、結果としてこのような対
象プロセスに対しても、プロセスの最適化を行うことが
できる。また、プロセスが安定である場合であっても、
プロセスに混入する外乱に対する感度をなるべく押さえ
て予測精度を向上させることができ、結果としてより精
度の高いプロセス最適化を行うことができる。
【0030】請求項7に係る発明は、請求項1に記載の
プロセスシミュレータ応用制御装置において、ステップ
応答記憶手段は、オフラインで予め各運転点毎にプロセ
スに対するステップ応答試験を行っておき、この試験結
果から得られたステップ応答時系列を予めデータベース
として記憶させておく。
【0031】本発明によれば、対象プロセスが安定系で
あり、予め試験信号を入力できるような場合に、想定で
きる複数の運転点において予めステップ応答試験を複数
回行い、プロセスの動特性を事前に詳細に捉えておくこ
とにより、より厳密にプロセスを最適化することができ
る。
【0032】請求項8に係る発明は、請求項2又は3に
記載のプロセスシミュレータ応用制御装置において、ス
テップ応答記憶手段は、プロセスシミュレータを用いて
オフラインで予め各運転点毎に仮想的なステップ応答試
験を行っておき、この試験結果から得られたステップ応
答時系列を予めデータベースとして記憶させておく。
【0033】本発明によれば、対象プロセスが既に稼動
状態にあったりして、対象プロセスの動特性を実験的に
捉えることが困難であるような場合でも、プロセスシミ
ュレータを用いて仮想的にプロセスの動特性を事前に詳
細に捉えることができ、プロセスを最適化することがで
きる。
【0034】請求項9に係る発明は、請求項2又は3に
記載のプロセスシミュレータ応用制御装置において、ス
テップ応答記憶手段は、プロセスシミュレータを用いて
オンラインで現在の運転点近傍での仮想的なステップ応
答試験を行う。
【0035】本発明によれば、実際に稼動している状態
での運転点近傍におけるステップ応答をオンラインで得
ることができ、オフラインで想定していなかったような
運転点でプラントが運転されるような場合においても、
プロセスを最適化することができる。
【0036】請求項10に係る発明は、請求項1に記載
のプロセスシミュレータ応用制御装置において、プロセ
ス最適化手段は、制約付きの2次計画問題として定式化
し、共役勾配法などの標準的な2次計画問題の解法を用
いることによって演算を行う。
【0037】本発明によれば、ステップ応答とプロセス
予測値を外部から供給することのみで、従来のモデル予
測制御の標準的な解法として用いられている制約付き2
次計画問題の解法をそのまま援用して、より柔軟にモデ
ル予測制御系を構成することができる。つまり、既に実
現されているモデル予測制御の遺産(ソフトウェア)を
そのまま継承して、その適用範囲を飛躍的に拡大するこ
とができる。
【0038】請求項11に係る発明は、請求項1に記載
のプロセスシミュレータ応用制御装置において、プロセ
ス最適化手段は、制約付きの2次計画問題として定式化
し、これを線形行列不等式問題と見なすことによって、
内点法などのアルゴリズムを用いて演算を行う。
【0039】本発明によれば、近年制御理論の最先端で
研究されているLMIとしてモデル予測制御を捉えなお
すことにより、LMIの研究を通して得られた最適化に
関する最新の成果をそのままモデル予測制御に援用する
ことができ、プロセスの最適化を従来のモデル予測制御
より、より効率的に行うことができる。
【0040】請求項12に係る発明は、請求項1に記載
のプロセスシミュレータ応用制御装置において、プロセ
ス最適化手段は、制約付きの2次計画問題として定式化
し、これに対して遺伝的アルゴリズムや免疫的アルゴリ
ズムなどのヒューリスティックな解法を用いて準最適な
演算を行う。
【0041】本発明によれば、プロセスを厳密に最適化
することをあきらめて準最適化するという妥協をするこ
とにより、遺伝的アルゴリズムなどの高速なヒューリス
ティック解法を利用して、請求項10や請求項11より
も、格段に高速にプロセスを準最適化できる。そのた
め、導入コストなどの問題でハイエンドの高速のコンピ
ュータを利用できないような場合においても、比較的ロ
ーエンドのコンピュータによってモデル予測制御系を構
築することができる。
【0042】請求項13に係る発明は、請求項1に記載
のプロセスシミュレータ応用制御装置において、プロセ
ス外乱予測手段は、プロセスの外乱の計測値の時系列デ
ータに対する回帰モデル等の統計モデルを用いてプロセ
スの外乱の予測値を求める。
【0043】本発明によれば、プロセス外乱の過去の挙
動から精度よく外乱予測モデルを作ることにより、プロ
セス出力の予測をより高精度に行うことができ、結果と
してより厳密にプロセスを最適化できる。
【0044】請求項14に係る発明は、請求項1に記載
のプロセスシミュレータ応用制御装置において、プロセ
ス外乱予測手段は、プロセスの外乱の計測値の過去の時
系列データを参考にして、パターンマッチングによりプ
ロセスの外乱の予測値を求める。
【0045】本発明によれば、周期的に変動するような
外乱の予測を簡易にかつ精度良く行うことにより、プロ
セス出力の予測を高精度に行うことができ、結果として
より厳密にプロセスを最適化できる。
【0046】請求項15に係る発明は、請求項1に記載
のプロセスシミュレータ応用制御装置において、プロセ
ス外乱予測手段は、現在のプロセスの外乱の計測値をホ
ールドし、そのまま未来のある時点に外挿することによ
ってプロセスの外乱の予測値を求める。
【0047】本発明によれば、プロセス外乱に対する先
験情報があまり無いような場合においても、ある程度の
プロセス外乱の予測を行うことにより、プロセス外乱予
測を行わない場合よりはプロセス出力予測精度を上げる
ことができ、結果としてプロセスの最適性を向上するこ
とができる。
【0048】請求項16に係る発明は、プロセスの外乱
を計測するステップと、プロセスの観測出力を計測する
ステップと、プロセスの外乱及び観測出力の各計測値、
並びに、プロセス操作量指令値を所定の期間にわたって
記憶するステップと、プロセスの外乱の計測値を現時点
から未来の所定点まで予測するステップと、それぞれ記
憶された前記各計測値及び前記プロセス操作量指令値
と、予測された前記プロセスの外乱予測値とを参照して
プロセス被制御量の時間的及び空間的挙動を予測するス
テップと、前記プロセス操作量指令値に対応させて予め
決定しておいた各運転点における所定の期間に亘るステ
ップ応答時系列を記憶するステップと、それぞれ記憶さ
れた前記プロセス操作量指令値と、プロセスの外乱の計
測値とによって、前記記憶された運転点毎のステップ応
答時系列から現在のステップ応答時系列を選択するステ
ップと、予測した前記プロセス予測値と、選択した前記
ステップ応答時系列と、予め設定された評価関数及び評
価重み制約条件並びに目標値軌道とに基づいて所定の期
間に亘る最適な前記操作量指令値を決定するステップ
と、を備えたプロセスシミュレータ応用制御方法であ
る。
【0049】本発明によれば、請求項1に記載の発明と
同一の効果を有する。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す好適な
実施形態に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態に
おいては、具体的なプロセスとして、下水の微生物反応
を用いた水質処理プロセスを取り上げるが、プロセスは
任意のものでよく、本発明のアイデアの本質的な部分で
はない。本発明のアイデアは、最適なモデル予測制御系
を構成する(アルゴリズムを含む)構成法自身にある。図
1は、本発明の一実施形態の構成を適用対象である下水
処理場の下水処理プロセスとプロセスシミュレータ応用
モデル制御装置を併せて示した下水処理システムを表わ
す系統図である。
【0051】図1における下水処理システムは、制御対
象としての下水処理プロセス1と、プロセスの計測値を
プロセスデータサーバへ保持するプロセス値記憶手段2
と、プロセスに混入する外乱である流入量や流入水質を
予測するプロセス外乱予測手段3と、プロセスの状態や
被制御量や観測出力を予測するプロセス予測手段4と、
プロセスの被制御量や観測出力の様々な運転点近傍にお
けるステップ応答を記憶するステップ応答記憶手段5
と、プロセスの現在(まで)の操作量や観測出力に基づ
き、ステップ応答記憶手段5から適切なステップ応答を
取り出すステップ応答選択手段6と、プロセス評価関数
及び評価重み供給手段7と、プロセス制約条件供給手段
8と、目標値軌道供給手段9と、プロセスの最適な操作
量を決定するプロセス最適化手段10とを備える。
【0052】このうち、下水処理プロセス1は、最初沈
殿池11と、嫌気槽12と、無酸素槽13と、好気槽1
4と、最終沈殿池15と、プロセス外乱と考えられる流
入下水の量及び各種流入下水水質を計測するプロセス外
乱センサ16と、下水処理プロセス1の各設備の溶存酸
素濃度、アンモニア窒素濃度、呼吸速度などの各種水質
値を計測するプロセス出力センサ171〜175と、下
水処理プロセス1の各施設への操作量である循環ポンプ
181とブロワ182と返送ポンプ183と余剰汚泥引
き抜きポンプ184の4つのアクチュエータとで構成さ
れる。
【0053】上記のように構成された本実施形態の動作
について以下に説明する。この実施形態は、最終的に
は、以下に示す「新モデル予測制御問題」の具体的な解
法を与えていることになる。なお、以下の「新モデル予
測制御問題」自身が、既存のモデル予測制御の定式化と
して考えられていなかった新しいモデル予測制御の定式
化の方法である。この新しいモデル予測制御の定式化を
発明するに至った理由に関しては、本実施形態の効果の
説明の欄にて行うこととする。
【0054】新モデル予測制御問題(出力予測形式;離
散時間系) 制御対象(対象プロセス)の前に積分器を挿入した拡大制
御対象(拡大系)のモデルが、制御周期毎に、以下の様な
出力予測形式で与えられているとする。
【0055】
【数1】 ここで、ΔU(k)は入力Δu(k)∈Rmを1ステップづつずら
してNu2個並べたもの、D(k)は外乱d(k)∈Rkを1ステッ
プづつずらしてNu個並べたもの、G(k)は(時間に依存す
る)プロセスのステップ応答(時系列データ)を1ステッ
プづつずらしてNp3個並べたもの、Y(k)は出力y(k)∈Rp
をNp個並べたもの、Yhold(k)は操作量を固定した場合の
出力yhold∈Rpを1ステップづつずらしてNp個並べたも
の、E(k)は外乱から出力への影響を表す行列である。な
お、R*は*次の実数の集合である。
【0056】また、以下のような制約条件が与えられて
いるとする。
【0057】
【数2】 ここで、u(i)は入力uのi番目要素、Δu(i)は入力の差分
Δuのi番目の要素、y( j)は出力yのj番目の要素であり、
添え字のminとmaxは、それぞれ最小と最大を表し、入力
及び出力の制約である。このとき、次の評価関数を最小
にするような制御入力u(k)(あるいは、同じことである
が、入力の差分Δu(k))を求めよ。
【0058】
【数3】
【数4】 (6)式は、時刻k〜k+Nu間の最適操作量であるが、実
際には、現在時刻kの操作量のみを取りだし、 △u(k)=[Im,0,…,0]Δu(k) (7) を最適操作量とする。
【0059】「新モデル予測制御問題」と「新モデル予
測制御問題の解」を参考にして、以下に図1に示した本
実施形態の動作を説明する。
【0060】先ず、プロセス値記憶手段2において、プ
ロセス外乱センサ16、プロセス出力センサ171〜1
75で計測した各種水質や水量などのセンサ出力値、及
びアクチュエータ181〜184の操作量値(アクチュ
エータの操作量値が計測できない場合は、プロセス最適
化手段10から出力される操作量指令値)に関する項目
を記録する領域を確保し、これらの領域の初期化を行
う。
【0061】次に、ある時刻において、プロセス外乱セ
ンサ16の計測値(時系列データ)、プロセスセンサ1
71〜175の計測値(時系列データ)、及びアクチュ
エータ181〜185の操作量値(時系列データ)をプ
ロセス値記憶手段2のプロセスデータサーバに適切なフ
ォーマットに従って記憶する。
【0062】次に、プロセス外乱予測手段3によって、
本実施形態の外乱である流入下水量及び流入下水水質を
予測する。具体的には、以下の様なことが考えられる。
【0063】例えば、過去の流入下水量データや流入下
水水質データを統計解析し、自己回帰モデル(ARモデ
ル)などの統計モデルを構成して、流入下水量や流入下
水水質を予測することができる。
【0064】また、流入下水量や流入下水水質は、図2
(a),(b)に示すように、天候と時刻に依存して一
定のパターンを持つことが多いので、現在の天候と時刻
を参照して過去のパターンを参照することによって予測
することができる。
【0065】また、流入下水量や流入下水水質の典型的
なパターンが認められず、さらに過去の流入下水量や流
入下水水質のデータが保存されていない場合には、プロ
セス外乱センサ16によって計測した流入下水量や流入
下水水質をホールドし、これを未来に外挿することによ
ってプロセス外乱の予測を行うことができる。
【0066】次に、プロセス値記憶手段2に記憶された
所定の期間に亘る操作量の時系列データ及びプロセス外
乱予測手段3によって予測された流入下水量や流入下水
水質の予測値をプロセス予測手段4に引き渡す。
【0067】プロセス予測手段4では、例えば、以下に
示すような数学モデル(非線形微分方程式)によって構
築されるプロセスシミュレータによって、被制御量(あ
るいは観測出力)である最終沈殿池15の水質を予測す
る。
【0068】プロセスシミュレータのモデル 図1の下水処理プロセスのプロセスシミュレータは、構
成要素として最初沈殿池モデル、嫌気槽モデル、無酸素
槽モデル、好気槽モデル、最終沈殿池モデル、からな
り、これを物理的に結合することによって構築できる。
【0069】最初沈殿池(First Clarifier)モデル 沈殿池のモデル化の方法は、例えば文献「G.A.Ekama
et al,"Secondary Settling Tanks-Theory,Modeling,De
sign and Operation",IAWQ Scientific Technical Rep
ort No.6,(1997)」にまとめられているが、ここでは、
説明を簡単にするため、以下のような簡単なモデルを利
用する。
【0070】
【数5】 ここで、Qfcin(t)[m3/day]は外乱としての流入量、Sfci
n(t)[g/m3]及びXfcin(t)[g/m3]は、それぞれ、外乱とし
ての溶解性及び浮遊性流入水質成分、Qfcout(t)=Qfcwas
te(t)+Qfcnextoutq(t)[m3/day](Qfcwaste(t):初沈余
剰汚泥引抜量、Qfcnextoutq(t):生物反応槽(嫌気槽)
への流出量)は最初沈殿池からの流出量、Sfcin(t)[g/
m3]は溶解性の水質9項目からなるベクトル、XLfc(t)[g
/m3]は、沈殿部の浮遊性(固形)の水質7項目からなるベ
クトル、XUfc(t)[g/m3]は上澄部の浮遊性の水質7項目か
らなるベクトルである。溶解性の水質と浮遊性の水質は
合計16個からなる。また、Vfcは最初沈殿池容量(一定と
仮定)であり、αは汚泥が沈殿していると考えられる容
積の最初沈殿池水量Vfcに対する割合の逆数を示す定数
である。また、嫌気槽へ引き継がれる水質をZfc(t):=[S
fc(t)XUfc(t)]Tと定義し、余剰汚泥として引き抜かれる
水質をZfcwaste(t):=[Sfc(t)XLfc(t)]Tと定義する。
【0071】嫌気槽(AnAerobic Tank)モデル 嫌気槽モデルは、微生物の反応と液体の完全混合を表す
モデルから成る。
【0072】
【数6】 ここで、Qaain(t)=Qfcnextout(t)+Qscret(t)[m3/day]
(Qscret(t)[m3/day]は、後述の返送汚泥量)と、Qaaout
[m3/day]は、それぞれ嫌気槽への流入量(最初沈殿池か
らの流入量+返送汚泥量)と嫌気槽からの流出量(無酸素
槽への流入量)であり、Zaa(t)[g/m3]は嫌気槽の水質か
らなるベクトルであり、Zaain(t)[g/m3]={Zfc(t)Qfcout
(t)+Zscret(t)}/Qaain(t)(Zscret(t)は後述の返送汚泥
の水質)は嫌気槽へ流入する水質からなるベクトルであ
り、Vaa[m3]は嫌気槽の水量(一定と仮定)である。ま
た、r(Zaa(t)は、微生物反応による反応速度式であり、
例えば、文献「IAWQ Task Group on Mathematical Mode
ling for Design and Operationof Biological Wastewa
ter Treatment Processes、"Activated Sludge Model N
o.2",IAWQ Scientific Technical Report No.3,(199
5)」に示されている19個の生物反応プロセスを考慮した
ASM2などで構成される(ただし、ASM2である必然性はな
く、微生物反応を模擬できる反応速度式であれば、任意
のものでよい)。
【0073】ASM2では、Zaa(t)の要素として、P04(リン
酸)、NH4(アンモニア)、NO3(硝酸)、DO(溶存酸素)や、M
LSS(浮遊固形物濃度)の構成要素としての窒素除去やリ
ン除去に関わる微生物など、16個の水質を考慮してい
る。また、r(Zaa(t)の各要素は、19個の各プロセスに対
して定義されるモノー型と呼ばれる非線形関数の反応速
度式に対する重み付き和で構成されているため、それ自
身非線形の関数になっている。従って、(13)〜(15)式の
ASM2モデルは、16次の非線形微分方程式となっている。
【0074】無酸素槽(AnOxic Tank)モデル 無酸素槽モデルは、嫌気槽モデルとほぼ同様の構成であ
る。
【0075】
【数7】 ここで、Qaoin(t)+Qoxcirc(t)[m3/day](Qoxcirc(t)は
後述の循環量)とQaoout(t)[m3/day]は、それぞれ反応
槽への流入量と反応槽からの流出量、Zao(t)[g/m3]は無
酸素槽の水質からなるベクトル、Zaoin(t)[g/m3]={Zaa
(t)Qaaout(t)+Zox(t)Qoxcirc(t)}/Qaoin(t)(Zox(t)は
後述の好気槽の水質)は無酸素槽へ流入する水質からな
るベクトル、Vao[m3]は無酸素槽の水量(一定と仮定)で
ある。
【0076】好気槽(OXic Tank)モデル 好気槽のモデルは、嫌気槽や無酸素槽のモデルに、酸素
供給のモデルを追加したものとなる。
【0077】
【数8】 ここで、Qoxin(t)=Qaoout(t)[m3/day]とQoxout(t)=Qoxn
extout(t)+Qoxcirc(t)[m3/day](Qoxnextout(t)は最終沈
殿池への流出量、Qoxcirc(t)は循環量)は、それぞれ好
気槽への流入量と好気槽からの流出量(循環量+最終沈
殿池への流出量)、Zoxwe (t)[g/m3]は好気槽の水質から
なるベクトル、Zoxin(t)[g/m3]=Zao(t)は好気槽へ流入
する水質からなるベクトルVox[m3]は好気槽の水量(一定
と仮定)である。また、So2ox(t)はZox(t)の要素(ASM2で
は2番目の要素)である溶存酸素濃度、So2は飽和溶存酸
素濃度、KLaは総括酸素移動容量係数、Qb(t)はブロワに
よる曝気風量、Kは曝気風量と総括酸素移動容量係数を
関連づける比例定数である。
【0078】最終沈殿池(Second Clari6er)モデル 最終沈殿池も、最初沈殿池のモデルと同様にモデル化で
きる。
【0079】
【数9】 ここで、Qscin(t)=Qoxnextout(t)は最終沈殿池への流入
量、[Sscin(t),XLscin(t)]=Zox(t)は最終沈殿池への流
入水質、Ssc(t)[g/m3]は溶解性の水質からなるベクト
ル、XLsc(t)[g/m3]は、沈殿部の浮遊性(固形)の水質か
らなるベクトル、XUsc(t)[g/m3]は上澄部の浮遊性の水
質からなるベクトルである。また、Vscは最終沈殿池の
水量(一定と仮定)であり、βは汚泥が沈殿していると考
えられる容積の沈殿池水量Vscに対する割合の逆数を示
す定数である。また、Qscout(t)=Qscwaste(t)+Qscret
(t)[m3/day](Qscout(t):余剰汚泥引抜量、Qscret(t):
返送汚泥量)である。また、嫌気槽へ返送される(及び余
剰汚泥として引き抜かれる)水質をZscret:=[Ssc(t)XLsc
(t)]Tと定義し、放流水質をZsceffl(t):=[Ssc(t)XUsc
(t)]Tと定義する。以上の(8)〜(27)式の各プロセスモデ
ルを結合し、これを例えば計算機上に実装することによ
り、プロセスシミュレータを構築できる。以上のモデル
をまとめると、形式的には以下のようにまとめて書くこ
とができる。
【0080】
【数10】 と定義し、f(x(t)),g1(x(t)),g2(x(t))は、(8)〜(27)
式のx(t)に関する関数を適切に配置したものである。ま
た、h(x(t))は観測量であり、例えば、x(t)の要素であ
る各槽の酸素濃度S02aa(t),S02ao(t),S02ox(t)や各槽
のMLSS濃度Xtssaa(t),Xtssao(t),Xtssox(t)、さらに
は、x(t)の要素である各槽のアンモニア性窒素濃度Snh4
aa(t),Snh4ao(t),Snh4ox(t)や、リン酸性リン濃度Spo
4aa(t),Spo4ao(t),Spo4ox(t)などをベクトルとして並
べたものである。また、h2(x(t))は、被制御量であり、
例えば、放流規制である最終沈殿池から流出する(x(t))
の要素である)リン酸性リン濃度Spo4sc(t)やアンモニア
性窒素濃度Snh4sc(t)、さらには、Ssc(t)の各水質要素
の関数(線形和)である溶解性CODなどである。
【0081】さて、(28)〜(30)式のプロセスシミュレー
タを用いてプロセス予測を行う際には、未来の操作量は
現在の操作量をそのままホールドしているとして、計算
を行う。これを、所定の制御周期毎にサンプリングし、
所定の予測ホライズンNpまでの時系列データとして取り
出し、さらにこのデータを適切に並べることにより、
(1)式のYhold(k)の下記の、
【数11】 を得ることができる。これがプロセス予測手段4の予測
方法の一例であり、これによって操作量を固定した場合
のプロセスの予測値が計算できる。
【0082】また、(28)〜(30)式のようなプロセスモデ
ルが得られないような場合には、過去の時系列データか
ら統計的(数理的)な方法によってプロセスシミュレータ
を構築しておき、これに対して上記と同様のことを行え
ば、操作量を固定した場合のプロセス予測を行うことが
できる。
【0083】また、もしプロセスシミュレータが存在し
ない場合には、次の様に操作量を固定した場合の予測を
行うこともできる。まず、運転員が現在の操作量を保っ
た場合の最終沈殿池15の水質がどのように変化するか
を過去の経験と勘に基づいて予測し、それを図3に示す
ように、例えば電子的に入力できるディスプレイ(銀行
のATMの様なもの)に予測軌道(予測応答)として入力をし
てもらう。この入力されたデータを時系列データとして
取り出し、上記と同様の方法によって、操作量を固定し
た場合の予測を行うことができる。
【0084】また、プロセスシミュレータは存在するが
運転員がプロセスシミュレータの予測に不満や疑問を感
じる様な場合には、以下の様にプロセス予測を行うこと
もできる。まず、上述したようなプロセスシミュレータ
により、操作量を固定した場合の最終沈殿池15の水質
の予測を行う。次に、この予測軌道(予測応答)を、例え
ばディスプレイ上にグラフとして表示する。次に、この
ディスプレイ上にグラフとして表示された予測応答に不
満がある場合には、運転員が、例えばマウスなどによっ
てドラッグやドロップをすることにより、この予測応答
波形を修正できるようにしておく。そして、この修正さ
れた予測応答波形を時系列データとして改めて保存し、
これを上記と同様の方法によって、操作量を固定した場
合のプロセス予測を行うことができる。これを図4に示
す。
【0085】上述したように、プロセスの物理化学的な
方法に基づいて微分方程式や偏微分方程式など用いて構
築したシミュレータや、プロセス値記憶手段2に蓄積さ
れたプロセス操作量、その外乱等から多変量解析等の統
計的システム同定法を利用して構築したシミュレータを
用いる方法では、プロセス出力センサ171〜175の
値を用いずに予測を行っていた。このような予測では、
しばしば予測精度が劣化することがある。さらに、純粋
な積分を含むプロセスや不安定なプロセス(有限の値の
操作量を入力しているにも関わらず、出力が有限でなく
なるようなプロセス)では、そもそも予測を行うことが
できない。このような場合には、例えば、(28)〜(30)式
の様なプロセスシミュレータに対して、プロセス出力セ
ンサ171〜175の出力値と現時点の予測値との誤差
をフィードバックすることにより、より精度良くかつ高
ロバストな予測を行うことができる。例えば、以下の様
にセンサ値のフィードバックを持つプロセスシミュレー
タ(ロバストプロセス値予測器)を構成できる。
【0086】
【数12】 もし、f(x(t))-Kh1(x(t))を適当な動作点周りで線形近
似を行い、その固有値の実部が全てマイナスになるよう
にKを選び、さらに対象プロセスが(28)〜(30)式で厳密
に(誤差を持たずに)表現できるならば、(34)式と(35)式
は、それぞれ、(局所的には)真の状態と真の出力に漸近
的に収束する。従って、単に(28)〜(30)式を用いて予測
を行うよりも、(34)式と(35)式を用いることによってロ
バストに予測を行うことができる。
【0087】次に、ステップ応答記憶手段5では、予め
プロセスに対するステップ応答試験を行うことができる
場合には、想定される複数の運転点を設定し、その複数
の運転点周りでステップ応答試験を行っておき、その応
答波形を対応する運転点とセットにしてデータベース化
しておくことができる。また、プロセスが既に稼動状態
にあり、ステップ応答試験を行うことが困難な場合に
は、例えば(28)〜(30)式で構成される様なプロセスシミ
ュレータを用いて、このプロセスシミュレータを仮想的
に対象プロセスとみなし、これに対して応答波形を対応
する運転点とセットにしてデータベース化しておくと同
様な方法でステップ応答を記憶させておくことができ
る。
【0088】また、対象プロセスに対する想定される運
転点が予め不明であり、かつ、制御周期がプロセスシミ
ュレーション計算時間と比較してそれほど短くない場合
には、現在の運転点をプロセス値記憶手段2からオンラ
インで検出し、その近傍で循環ポンプ181乃至余剰汚
泥引き抜きポンプ184のアクチュエータに微小なステ
ップ摂動を与えた場合の応答をシミュレーションし、そ
の応答波形を記憶することによって、ステップ応答記憶
手段5を実現することができる。なお、この方法を用い
た場合は、ステップ応答波形が一つであるため、以下で
説明するステップ応答選択手段6は必要なくなる。
【0089】次に、ステップ応答選択手段6では、プロ
セス値記憶手段2に保存された現在の操作量を入力し、
その情報からステップ応答記憶手段5に記憶されたステ
ップ応答の集合の中から、最も近い運転点を探し出し
(例えば、現在の複数の操作量の値とステップ応答記憶
手段5に記憶された運転点(複数の操作量の様々な組み
合わせに対する運転点)を、例えば、0〜1の値を取る
ように、全て正規化し、正規化した複数の操作量の値と
正規化した運転点の誤差の2乗和が最小となるような運
転点を最も適切な運転点として採用するなど、その運転
点に対応するステップ応答を選択する。
【0090】また、プロセス運転員が自分でステップ応
答を選択したい場合には、図5に示すように、それぞれ
の出力に対するステップ応答波形を複数表示しておき、
この中から運転員が選択するという方法も考えられる。
さらに、前述したように、管理者や運転員がグラフとし
て表示された予測結果を自分で修正する方法も考えられ
る。次に、プロセス最適化手段10では、プロセス予測
手段4による操作量を固定した場合のプロセス出力予測
値と、ステップ応答選択手段6によって選択されたステ
ップ応答波形を入力し、それぞれのデータを適切に並べ
ることによって、Yhold(k)の予測値及びG(k)の予測値を
計算する。次に、これらの予測値を用いて、例えば制約
条件が無い場合には、(6)式を計算することによって最
適な操作量を決定できる。この場合、プロセス評価関数
及び評価重み供給手段7や目標値軌道供給手段9によっ
て、予め評価関数や評価関数の重みや目標値軌道は外部
から与えられているとする。
【0091】また、プロセス制約条件供給手段8による
制約がある場合には、後述する「モデル予測制御問題
3'」の解法として良く用いられている共役勾配法などの
最適化手法を用いることによって、最適操作量を決定で
きる。
【0092】また、より効率良く最適操作量を求めるた
めには、制約がある場合の最適化問題をLMIの問題とし
て再定式化して、最近のLMIの研究で得られている最新
の成果を用いて、より効率良く最適操作量を求めること
ができる。
【0093】また、一連の処理を行う計算機のパワーが
足りない場合やより短い周期で制御を行いたい場合に
は、最適化問題の最適解を求めることをあきらめ、遺伝
的アルゴリズムなどのヒューリスティックな解法を用い
て、準最適な操作量を求めることができる。次に、プロ
セス最適化手段10で決定した最適な操作量を操作量指
令値として下水処理プロセス1に与え、これに従って操
作量を調整する。最後に、プロセス値記憶手段2の初期
化を除いた上記の操作を制御周期毎に繰り返す。なお、
人間系が介在している箇所については、必ずしも制御周
期毎に繰り返す必要はなく、間欠的に介在しても構わな
い。
【0094】次に、本実施形態の効果を説明することと
する。ここでは、まず本実施形態が何故効果的であるか
を説明し、最後に本実施例の効果をまとめる。まず、以
下の説明を行う準備として、後の説明で重要となるプロ
セスシミュレータ(28)〜(30)式の特徴を列挙する。
【0095】イ プロセスシミュレータのモデルは一見
複雑であるが、要素をベクトル化して表示すると、結局
(28)〜(30)式の形にまとめられる。
【0096】ロ しかし、(28)〜(30)式の状態方程式の
次数は、ASM2を用いた場合80次(5×16次)にのぼり、高
次である。
【0097】ハ さらに、(28)〜(30)式は、強い非線形
性を持つため線形近似を行うことは難しい(fx(t)の要素
はASM2による飽和型の強い非線形関数であり、さらに双
線形の項も持っている)。
【0098】さて、本実施形態の効果を説明するため
に、これらの特徴を念頭において、(28)〜(30)式に対し
て、既存のモデル予測制御方式を適用することを考え
る。一般に(非線形の)モデル予測制御は、以下のように
定式化される。
【0099】モデル予測制御問題1(一般系;連続時間系) 制御対象(対象プロセス)のモデルが以下のように与えら
れているとする。
【0100】
【数13】 ここで、u(t)∈Rmは入力、d1(t))∈Rlはシステム外乱、
d2(t)∈Rkは観測外乱、x(t)∈Rnは状態、y(t)∈Rpは出
力であり、R*は*次の実数の集合である。また、以下の
ような制約条件が与えられているとする。
【0101】
【数14】 ここで、U(i)は入力uのi番目の要素、y(j)は出力yのj番
目の要素であり、添え字のminとmaxは、それぞれ最小と
最大を表し、入力及び出力の制約である。このとき、次
の評価関数を最小にするような制御入力u(t)を求めよ。
【0102】
【数15】 プロセス制御においては、通常、制御周期をサンプリン
グ周期とする離散時間のモデルを用いて、以下の様な離
散時間系のモデル予測制御問題として定式化することも
多い。
【0103】モデル予測制御問題2(一般系;離散時間系) 制御対象(対象プロセス)のモデルが以下の様に与えられ
ているとする。
【0104】 制御対象 x(k+1)=f(x(k))+g1(x(k))u(k)+g2(x(k))d1(k) (41) y(k)=h(x(k))+j(x(k))d2(k) (42) ここで、u(t)∈Rmは入力、d1(t))∈Rlはシステム外乱、
d2(t)∈Rkは観測外乱、x(t)∈Rnは状態、y(t)∈Rpは出
力であり、R*は*次の実数の集合である。また、以下の
ような制約条件が与えられているとする。
【0105】
【数16】 このとき、次の評価関数を最小にするような制御入力u
(k)を求めよ。
【0106】
【数17】 さて、ここで、以上のモデル予測制御方式を、下水処理
プロセスに対して適用することを考える。まず、上記
「イ」の特徴より、(28)〜(30)式において、被制御量と
観測出力を同一のものとすれば(y(t)=z(t))、本実施形
態の下水処理プロセスには、(28)〜(30)式の下水処理プ
ロセスシミュレータを使った「モデル予測制御問題1」
として定式化できる。さらに、(28)〜(30)式を、例えば
オイラー差分などによって、予め与えた制御周期で離散
化すれば、「モデル予測制御問題2」として定式化する
こともできる。
【0107】しかし、「モデル予測制御問題1」や「モ
デル予測制御問題2」は、問題として定式化することは
容易であるが、実際にこの問題を解くのはそれほど容易
なことではない。これに対して、現在、多くの研究者に
よって非線形モデル予測制御問題の研究が進められてい
る。例えば、理論上の問題として、局所解に陥らずに最
適解を求める問題や安定性を保証する問題などが残され
ている。さらに、莫大の計算量をどのように低減するか
という実装上の問題も残されている。特に、実用上の側
面からは、計算量の問題を解決することは重要である
(局所解の問題や安定性の問題も非常に重要な問題であ
る。しかし、実用的観点からは、局所解の問題は局所解
を準最適解と考えて妥協してしまうことができる。ま
た、安定性の問題に関しては、多くのプロセスでは、不
安定化しないように制御系の機構面から対策することな
どで避けている場合が多い。しかし、計算量が莫大にな
る問題は、現実の実装に関わるため、この問題を解決し
なれば、産業界で使われることは難しい)。例えば、こ
れを下水処理プロセスに適用するためには、下水処理プ
ロセスシミュレータの特徴「ロ」のため、計算量が莫大
になってしまうことは避けられない。従って、このよう
なモデル予測制御を下水処理プロセスのような複雑なプ
ロセスに適用するには、まだ長い年月を必要とすると考
えられる。
【0108】一方、実際に既に産業分野で使われている
モデル予測制御は、「モデル予測制御1」や「モデル予
測制御2」の制御対象を線形なシステムに限ったもので
ある。特に計算機上に実装することを考えて、離散時間
系で用いられることが多く、これは、「モデル予測制御
問題2」の特殊ケースと考えることができる。これを以
下に示す。
【0109】モデル予測制御問題3(線形状態空間モデ
ル;離散時間系) 制御対象(対象プロセス)のモデルが以下の様に与えられ
ているとする。
【0110】 制御対象 x(k+1)=Ax(k)+βu(k)+Ed1(k) (46) y(k)=Cx(k)+Fd2(k) (47) ここで、u(t)∈Rmは入力、d1(t))∈Rlはシステム外乱、
d2(t)∈Rkは観測外乱、x(t)∈Rnは状態、y(t)∈Rpは出
力である。また、A〜Fは適当なサイズの定数行列であ
る。
【0111】また、以下のような制約条件が与えられて
いるとする。
【0112】
【数18】 このとき、次の評価関数を最小にするような制御入力u
(k)を求めよ。
【0113】
【数19】 なお、通常、線形のモデル予測制御では、予め制御対象
の前に積分器を挿入しておくことが多いため(ステップ
目標値に対して、定常偏差をゼロに保つためである)、
実際には、以下の問題を解くことが多い。ただし、以下
のモデル予測制御3'とモデル予測制御3は、アルゴリズ
ム上はほとんど同じである。
【0114】モデル予測制御問題3、(線形状態空間拡大
モデル;離散時間系) 制御対象(対象プロセス)の前に積分器を挿入した拡大制
御対象のモデルが以下の様に与えられているとする。
【0115】
【数20】 また、以下のような制約条件が与えられているとする。
【0116】
【数21】 ここで、U(i)は入力uのi番目の要素、ΔU(i)は入力の差
分、y(j)は出力yのj番目の要素であり、添え字のminとm
axは、それぞれ最小と最大を表し、入力及び出力の制約
である。このとき、次の評価関数を最小にするような制
御入力u(k)(あるいは、同じことであるが、入力の差分
Δu(k))を求めよ。
【0117】
【数22】 さて、「モデル予測制御問題3'」は、次の手順で解くこ
とができる。
【0118】1)評価関数をベクトル及び行列形式で表す
こと。
【0119】2)制御対象のモデルから出力予測形式を導
出すること。
【0120】3)評価関数を最小化する操作量を計算する
こと。
【0121】1)については、評価関数(56)式を以下の様
に書きなおす。
【0122】
【数23】 一方、2)については、制御対象(51)式と(52)式のモデル
から、ブスチップ先出力予測形式とよばれる次の形に変
形する。
【0123】
【数24】 次に、3)の最適操作量を求める。ここでは、簡単のた
め、制約条件が存在しない場合を考える。この場合は、
解析的に最適操作量を導出できる。まず、(62)式を(57)
式へ代入して、評価関数を△U(k)のみの関数として表
す。すると、 J(k)=(G△U(k)+Hx(k)-Yr(k))TQ(GΔU(k)+Hx(k)-Yr(k)) +△U(k)TR△U(k) (65) となり、この(65)式を△U(k)に関して最小化するため
に、△U(k)に関して偏微分を行いそれをゼロとする。つ
まり、
【数25】 を計算する。ここで、G,Hx(k),Q,R及びYr(k)が△U
(k)に依存しないことに注意すると、これは解析的に計
算でき、その解は、 △U(k)=(GTQG+R)-1GT(Yr(k)-Hx(k)) (67) となる。これが、時刻k〜k+Nu間の最適操作量である
が、実際には、現在時刻kの操作量のみを取りだし、 △U(k)=[Im,0,…,0]△U(k) (68) を最適操作量とし、制御周期毎に(67)式を解きなおし
て、閉ループ制御系とする。なお、この(68)式は、 1)状態は測定可能である。
【0124】2)制約条件を考慮していない。
【0125】という場合の最適操作量であるが、状態が
得られない場合や制約がある場合に関しては、それぞ
れ、 1)状態x(k)に対するオブザーバを構成してx(k)の推定値
で置きかえる。
【0126】2)制約条件がある場合は、(53)式と(55)式
を、(61)式などを用いて△u(k)の関数として書きなお
し、これをまとめて、△U(k)に関する線形行列不等式(L
MI)として書きなおす。そして、(65)式と併せて、線形
制約を持つ二次形式最適化問題として、例えば共役勾配
法を用いて数値的に最適操作量を求める。
【0127】とすれば、容易に解決できる。
【0128】以上が、産業界で既に用いられているモデ
ル予測制御方式の一般的な定式化とその解法である。
【0129】この「モデル予測制御3'」を下水処理プロ
セスに適用するためには、(51)式と(52)式の線形モデル
を必要とする。しかしながら、(28)〜(30)式は、非線形
のモデルであり、その要素としてASM2などの強い非線形
関数を含むため、この線形近似モデルを導出することは
難しい。つまり、前記「ハ」の性質を持つため、(51)式
と(52)式の様なモデルを、近似的にも作ることが困難で
ある。従って、「モデル予測制御3'」を本実施形態の下
水処理プロセスに適用することは困難である。
【0130】以上の説明により、本実施形態の下水処理
プロセスの様な複雑なプロセスには、従来のモデル予測
制御を適用することが難しいことがわかる。
【0131】本発明では、このような複雑なプロセスに
対しても、適用できるようなモデル予測制御方式を提供
している。以下では、このアイデアを説明しよう。
【0132】さて、前述の「モデル予測制御問題3'」に
おいて、その解法の過程を再考してみると、評価関数を
ベクトル形式で表すことや出力予測形式を導出すること
が、「モデル予測制御問題3'」を具体的に解くために必
要となる操作であった。逆に、もし予め、「評価関数を
ベクトル形式で表現」し、「出力予測形式で表現された
対象システムのモデルが与えられている」ならば、その
形から直接モデル予測制御問題を定式化しても構わな
い。前者の「評価関数をベクトル形式で表現」すること
は、単に表現の形式を変えただけであるが、後者の「出
力予測形式で表現された対象システムのモデルが与えら
れている」ことは、単に表現形式を変えただけではな
く、それ以上の意味を持つ。
【0133】すなわち、「モデル予測制御問題3'」で
は、「出力予測形式」の導出を線形状態空間モデルから
行っているが、「出力予測形式」さえ存在すれば、制御
対象のモデルが線形状態空間モデルでな<とも、その後
の(65)〜(68)式は意味を持ち、最適操作量の決定を行う
ことができるということである。つまり、最適操作量(6
8)式を求めるために、制御対象が線形であることは(少
なくとも陽には)用いていない。用いているのは、「出
力予測形式」であり、(67)式を見てもわかるように、具
体的には、GとHx(k)の2つを何らかの方法で得ることが
できれば、(65)〜(68)式の手段は実行可能である。で
は、(62)式のGとHx(k)は何を意味するかを考えてみるこ
ととする。
【0134】Gは、(63)式の中を見ればわかるように、
△uに対するインパルス応答(=uに対するステップ応答)
を制御周期毎に1ステップずつずらして、予測ホライズ
ンNpの長さだけ並べたものである。別の言葉を使えば、
「予測出力応答の未来の入力に依存する成分」というこ
ともできる。また、Hx(k)は、△u=0とした場合の出力予
測値を与えるものであるから、「操作量を一定に保った
場合の出力予測値からなるベクトル」であることがわか
る。別の言葉を使えば、「予測出力応答の過去の入力に
依存する成分」ということもできる。このことより、も
し、「現在の運転点の近くでのステップ応答」と「現在
の運転状態を保つ、すなわち、操作量を固定する場合の
出力の予測」を行うことができれば、「モデル予測制御
問題3'」の形をそのまま利用して、モデル予測制御問題
を解くことができる。
【0135】以上をまとめると、線形モデルを用いずに
出力予測形式のモデルを用いて、先に示した「新モデル
予測制御問題」の定式化に到達することができる。
【0136】以上の説明から明らかなように、この「新
モデル予測制御問題」の解法は、「モデル予測制御問題
3'」と全く同様に行うことができる。また、「モデル予
測制御問題3'」は、「新モデル予測制御問題」におい
て、ステップ応答を固定し(線形の場合ステップ応答は
全ての運転点において同一の応答となるようにし)、
【数26】 とした特殊な場合と見なすことができる。
【0137】「モデル予測制御問題3'」を「新モデル予
測制御問題」に変更したことにより、以下の様にモデル
予測制御の適用範囲を拡張できた。
【0138】a. 「新モデル予測制御問題」では、「ス
テップ応答行列」と「操作量を固定した場合の出力予測
応答」を、何らかの方法によって適切に供給することが
できれば、制御対象のモデルが線形である必要はない。
【0139】b. 「モデル予測制御問題3'」では線形モ
デルから問題を定式化したため、ステップ応答行列Gは
固定であったが、(65)〜(67)式の手順はステップ応答行
列が時間と共に変化しても(kに依存しても)意味を持つ
ため、G(k)と拡張できる。
【0140】そして、「ステップ応答行列」や「操作量
を固定した場合の出力予測応答」は、上記実施形態の動
作として説明した方法によって供給することができる。
この拡張によって、以下に列挙する本実施形態の効果が
得られる。
【0141】A. 制御周期毎に「プロセスのステップ応
答」と「プロセスの操作量固定時のプロセス出力予測
値」を外部からプロセス最適化手段に適切に供給すると
いう操作を行う事のみで、従来の線形のモデル予測制御
と同程度の演算量で、モデル予測制御の適用範囲を格段
に拡張することができる。
【0142】B. 「ステップ応答」や「プロセス出力予
測値」等の一般の人にも容易に理解できる概念を用いて
制御系の設計を行うことができるため、「ステップ応
答」や「プロセス出力予測値」をディスプレイ上に表示
するなどをして可視化することにより、管理者や運転員
が安心して用いることのできる最適な制御系を構築する
ことができる。
【0143】C. 一般の人にも容易に理解できる概念
である「ステップ応答」や「プロセス出力予測値」を人
間系を介して修正することにより、プロセス最適性を適
応的に向上させていくことができる。
【0144】なお、既存のモデル予測制御と本発明の新
しいモデル予測制御系の構成方法の考え方の相違を示し
た図を図6に示しておく。
【0145】
【発明の効果】以上の説明により明らかな如く、本発明
によれば、下水処理プロセス、上水処理プロセス、石油
化学プロセスなど、特に、比較的時定数の長いプロセス
系を中心とする任意の対象システムに対して、制御性
能、経済性、制約などを考慮した最適な制御系を、容易
に実装可能な演算量で、かつ、ヒューマンフレンドリー
な形で提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプロセスシミュレータ応用モデル
制御装置の一実施形態の構成を適用対象である下水処理
場の下水処理プロセスと併せて示した系統図。
【図2】図1に示した実施形態の動作を説明するため
に、流入下水量又は水質と時間との関係を示した線図。
【図3】図1に示した実施形態の動作を説明するため
に、人間系による予測値と時間との関係を示す線図の入
力状態を示す概念図。
【図4】図3に示した人間系による予測値と時間との関
係をプロセスシミュレータにより修正する場合の入力状
態を示す概念図。
【図5】図1に示した実施形態の動作を説明するため
に、ステップ応答選択手段を人間系で行う場合の選択方
法を示す概念図。
【図6】本発明のモデル予測制御装置と既存のモデル予
測装置の考え方の相違を表した図
【符号の説明】
1 下水処理プロセス 2 プロセス値記憶手段 3 プロセス外乱予測手段 4 プロセス予測手段 5 ステップ応答記憶手段 6 ステップ応答選択手段 7 プロセス評価関数及び評価重み供給手段 8 プロセス制約条件供給手段 9 目標値軌道供給手段 10 プロセス最適化手段 11 最初沈殿池 12 嫌気槽 13 無酸素槽 14 好気槽 15 最終沈殿池 16 プロセス外乱センサ 171〜175 プロセス出力センサ 181〜184 アクチュエータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堤 正 彦 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中事業所内 (72)発明者 永 森 泰 彦 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中事業所内 (72)発明者 初 鹿 行 雄 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 (72)発明者 岸 原 正 樹 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中事業所内 Fターム(参考) 5H004 GA30 GB08 KA31 KC10 KC24 KC27 LA03 LA12

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プロセスの外乱を計測する外乱センサと、 プロセスの観測出力を計測するプロセス出力センサと、 前記外乱センサ及び前記プロセス出力センサの各計測
    値、並びに、プロセス操作量指令値を所定の期間にわた
    って記憶するプロセス値記憶手段と、 プロセスの外乱を現時点から未来の所定点まで予測する
    プロセス外乱予測手段と、 前記プロセス値記憶手段に記憶された各計測値及び前記
    プロセス操作量指令値と、前記プロセス外乱予測手段に
    よるプロセスの外乱の予測値とを参照してプロセス被制
    御量の時間的及び空間的挙動を予測するプロセス予測手
    段と、 前記プロセス操作量指令値に対応させて予め決定してお
    いた各運転点における所定の期間に亘るステップ応答時
    系列を記憶するステップ応答記憶手段と、 前記プロセス値記憶手段の前記プロセス操作量指令値
    と、プロセスの外乱の計測値とによって、前記ステップ
    応答記憶手段に記憶された運転点毎のステップ応答時系
    列から現在のステップ応答時系列を選択するステップ応
    答選択手段と、 前記プロセス予測手段で予測したプロセス予測値と、前
    記ステップ応答選択手段によって選択したステップ応答
    時系列と、予め設定された評価関数及び評価重み制約条
    件並びに目標値軌道とを入力として所定の期間に亘る最
    適な前記操作量指令値を決定するプロセス最適化手段
    と、 を備えたプロセスシミュレータ応用制御装置。
  2. 【請求項2】前記プロセス予測手段は、プロセスの物理
    化学的な法則に基づいて微分方程式又は偏微分方程式を
    用いて構築したプロセスシミュレータを備える請求項1
    に記載のプロセスシミュレータ応用制御装置。
  3. 【請求項3】前記プロセス予測手段は、前記プロセス値
    記憶手段に予め蓄積されたプロセス操作量指令値及びプ
    ロセスの外乱の計測値と、プロセスの観測出力の時系列
    データとに基づいて、多変量解析等の統計的手法、シス
    テム同定法、ニューラルネットワークの時系列データか
    らのモデリング手法のいずれか一つを利用して構築した
    プロセスシミュレータを備える請求項1に記載のプロセ
    スシミュレータ応用制御装置。
  4. 【請求項4】前記プロセス予測手段は、将来のプロセス
    出力予測時系列を外部で設定する人間系のプロセスシミ
    ュレータを備える請求項1に記載のプロセスシミュレー
    タ応用制御装置。
  5. 【請求項5】前記プロセス予測手段は、前記プロセスシ
    ミュレータによって予測を実施した上でその予測結果を
    グラフとして表示装置上に表示し、現在までの運転状況
    から外部で判断して前記表示装置上にグラフとして表示
    された予測結果を前記表示装置上から修正する請求項2
    又は3に記載のプロセスシミュレータ応用制御装置。
  6. 【請求項6】前記プロセス予測手段は、前記プロセスシ
    ミュレータに対して拡張カルマンフィルタなどを用いて
    前記プロセス出力値からのフィードバック機構を持たせ
    ることによってロバスト性を持たせたロバストプロセス
    シミュレータを備える請求項2又は3に記載のプロセス
    シミュレータ応用制御装置。
  7. 【請求項7】前記ステップ応答記憶手段は、オフライン
    で予め前記各運転点毎にプロセスに対するステップ応答
    試験を行っておき、この試験結果から得られたステップ
    応答時系列を予めデータベースとして記憶させておく請
    求項1に記載のプロセスシミュレータ応用制御装置。
  8. 【請求項8】前記ステップ応答記憶手段は、前記プロセ
    スシミュレータを用いてオフラインで予め各運転点毎に
    仮想的なステップ応答試験を行っておき、この試験結果
    から得られたステップ応答時系列を予めデータベースと
    して記憶させておく請求項2又は3に記載のプロセスシ
    ミュレータ応用制御装置。
  9. 【請求項9】前記ステップ応答記憶手段は、前記プロセ
    スシミュレータを用いてオンラインで現在の運転点近傍
    での仮想的なステップ応答試験を行う請求項2又は3に
    記載のプロセスシミュレータ応用制御装置。
  10. 【請求項10】前記プロセス最適化手段は、制約付きの
    2次計画問題として定式化し、共役勾配法などの標準的
    な2次計画問題の解法を用いることによって演算を行う
    請求項1に記載のプロセスシミュレータ応用制御装置。
  11. 【請求項11】前記プロセス最適化手段は、制約付きの
    2次計画問題として定式化し、これを線形行列不等式問
    題と見なすことによって、内点法などのアルゴリズムを
    用いて演算を行う請求項1に記載のプロセスシミュレー
    タ応用制御装置。
  12. 【請求項12】前記プロセス最適化手段は、制約付きの
    2次計画問題として定式化し、これに対して遺伝的アル
    ゴリズムや免疫的アルゴリズムなどのヒューリスティッ
    クな解法を用いて準最適な演算を行う請求項1に記載の
    プロセスシミュレータ応用制御装置。
  13. 【請求項13】前記プロセス外乱予測手段は、プロセス
    の外乱の計測値の時系列データに対する回帰モデル等の
    統計モデルを用いてプロセスの外乱の予測値を求める請
    求項1に記載のプロセスシミュレータ応用制御装置。
  14. 【請求項14】前記プロセス外乱予測手段は、プロセス
    の外乱の計測値の過去の時系列データを参考にして、パ
    ターンマッチングによりプロセスの外乱の予測値を求め
    る請求項1に記載のプロセスシミュレータ応用制御装
    置。
  15. 【請求項15】前記プロセス外乱予測手段は、現在のプ
    ロセスの外乱の計測値をホールドし、そのまま未来のあ
    る時点に外挿することによってプロセスの外乱の予測値
    を求める請求項1に記載のプロセスシミュレータ応用制
    御装置。
  16. 【請求項16】プロセスの外乱を計測するステップと、 プロセスの観測出力を計測するステップと、 プロセスの外乱及び観測出力の各計測値、並びに、プロ
    セス操作量指令値を所定の期間にわたって記憶するステ
    ップと、 プロセスの外乱の計測値を現時点から未来の所定点まで
    予測するステップと、 それぞれ記憶された前記各計測値及び前記プロセス操作
    量指令値と、予測された前記プロセスの外乱予測値とを
    参照してプロセス被制御量の時間的及び空間的挙動を予
    測するステップと、 前記プロセス操作量指令値に対応させて予め決定してお
    いた各運転点における所定の期間に亘るステップ応答時
    系列を記憶するステップと、 それぞれ記憶された前記プロセス操作量指令値と、プロ
    セスの外乱の計測値とによって、前記記憶された運転点
    毎のステップ応答時系列から現在のステップ応答時系列
    を選択するステップと、 予測した前記プロセス予測値と、選択した前記ステップ
    応答時系列と、予め設定された評価関数及び評価重み制
    約条件並びに目標値軌道とに基づいて所定の期間に亘る
    最適な前記操作量指令値を決定するステップと、 を備えたプロセスシミュレータ応用制御方法。
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