JP2002367766A - 加熱ローラおよび加熱装置 - Google Patents

加熱ローラおよび加熱装置

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JP2002367766A
JP2002367766A JP2001172323A JP2001172323A JP2002367766A JP 2002367766 A JP2002367766 A JP 2002367766A JP 2001172323 A JP2001172323 A JP 2001172323A JP 2001172323 A JP2001172323 A JP 2001172323A JP 2002367766 A JP2002367766 A JP 2002367766A
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heating
layer
heating roller
adhesive
roller
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JP2001172323A
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Toshihiro Maeda
智弘 前田
Toshiaki Kagawa
敏章 香川
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低熱容量化、強度向上および製作の容易性を
同時に実現できる加熱ローラおよび加熱装置を提供す
る。 【解決手段】 加熱ローラ40は、加熱手段によって加熱
される加熱層44と、加熱層44の内周に接着剤によって接
合された断熱層42とを有している。接着剤層43の厚みが
10μm以上100μm以下の範囲内とされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱ローラおよび
加熱装置に関し、さらに詳しくは、乾式電子写真機器
(複写機、レーザプリンタ等の画像形成装置等)におけ
る定着装置、湿式電子写真機器における乾燥装置、イン
クジェットプリンタにおける乾燥装置、リライタブルメ
ディア用消去装置等で好適に使用される加熱ローラおよ
びそれを用いた加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】たとえば乾式電子写真方式の画像形成装
置における定着装置では、加熱ローラ、加熱ローラに被
加熱材である記録用紙を押圧する加圧ローラおよび加熱
ローラを加熱する加熱手段が設けられ、現像工程を経て
定着装置に送られてきた未定着像を有する用紙が、所定
の温度に加熱された加熱ローラと加圧ローラによって形
成された接触ニップ部を通過し、その間に用紙上の未定
着像が熱と圧力により用紙に定着される。
【0003】このような電子写真プロセスを用いた定着
装置においては、電源投入時あるいは待機状態からレデ
ィ(印字可能)状態となるまでの時間すなわち立ち上が
り時間の短縮や省エネルギ化が求められており、そのた
めの種々の提案がなされている。その1つとして、特開
平9−244448号公報には、加熱ローラの外周面を
鼓形状に形成するとともに、加熱ローラを薄肉化して熱
容量を低減させるものが提案されている。また、特開平
8−129313号公報には、加熱ローラ内部に弾性体
層を設け、その外部に薄肉の金属スリーブを設けること
が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】外径が決められている
加熱ローラにおいて、立ち上がり時間を短縮するために
加熱ローラの熱容量を小さくするには、たとえば上記の
特開平9−244448公報等に示されているように、
加熱ローラの肉厚を薄くする必要があるが、そうする
と、加熱ローラの断面2次モーメントが小さくなって、
機械的強度が低下し、加熱ローラの断面変形、長手軸方
向の変形である曲げが大きくなる。また、玉軸受等で支
持される両端部の肉厚も薄くなるため、両端部の機械的
強度も低下して、両端部の断面変形も大きくなる。した
がって、そのような加熱ローラを電子写真方式の画像形
成装置における定着装置に用いた場合、曲げが大きくな
るために、安定した駆動ができず、記録用紙の搬送不良
や記録用紙上のトナー像の定着不良等の不具合が生じ
る。また、両端部の断面変形が大きくなることによっ
て、軸受等との間の摩擦抵抗が大きくなり、必要な駆動
トルクが増加する。さらに、加熱ローラの端部には、通
常、駆動用歯車の内周面に形成された動力伝達用の突起
がはまる切欠き等の係合部が形成されるが、端部の機械
的強度が低下することによって、剪断応力が大きくな
り、とくに係合部に変形や破損が生じる。
【0005】そこで、上記の特開平8−129313号
公報のように、強度を向上させるための弾性体層を設け
ることが考えられるが、この場合には、加熱層と弾性体
層とのずれを防止するための固定手段が必要となる。こ
の固定手段には、加熱ローラの製作を困難なものにしな
いこと、加熱ローラの熱容量を増加させないことなどが
要求される。
【0006】本発明の目的は、上記の問題を解決し、低
熱容量化、強度向上および製作の容易性を同時に実現で
きる加熱ローラおよび加熱装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】本発明
による加熱ローラは、加熱手段によって加熱される加熱
層と、加熱層の内周に接着剤によって接合された断熱層
とを有し、接着剤層の厚みが10μm以上100μm以
下の範囲内であることを特徴とするものである。
【0008】加熱層の材料として、たとえば、ニッケ
ル、鉄、アルミニウム、銅、あるいはそれらの合金が用
いられる。また、加熱層の厚みは、10〜150μmと
される。
【0009】また、断熱層としては、耐熱性を有するス
ポンジ材、たとえば、シリコーンゴムからなるスポンジ
等が用いられる。
【0010】また、接着剤としては、耐熱性を有する接
着剤、たとえば、シリコーン系接着剤等が用いられる。
【0011】通常、加熱ローラの軸方向両端部が玉軸受
等の軸受によって支持され、中間領域を記録用紙等の被
加熱材が通される。そして、加熱ローラには、被加熱材
を加熱ローラに押圧するための加圧ローラが圧接させら
れる。また、少なくともいずれか一方の端部に、駆動用
歯車との係合部が形成される。
【0012】断熱層を加熱層の内周に接着剤によって接
合することにより、加熱ローラ全体の強度を向上させる
ことができ、これにより、加熱層を薄くして、加熱ロー
ラ全体の熱容量を小さくすることができる。
【0013】したがって、本発明の加熱ローラによれ
ば、加熱ローラの低熱容量化および強度向上を同時に実
現することができる。
【0014】接着剤層の厚みは、10μm以上100μ
m以下の範囲内であることが好ましい。すなわち、接着
剤層の厚みが10μm未満(たとえば5μm)である
と、十分な接着力が得られず、回転を繰り返すうちに加
熱層と断熱層とがずれてしまい、また、接着剤層の厚み
が100μm超(たとえば150μm)であると、加熱
層に発生した熱が接着剤の加熱に使用されるため、加熱
ローラを所定温度にまで加熱するための時間(ウォーム
アップ時間)が長くなる。接着剤層の厚みを上記範囲内
とすることにより、回転を繰り返すことによって生じや
すい加熱層と断熱層とのずれが接着剤によって防止され
るとともに、接着剤使用に伴う熱容量の増加が抑えられ
る。
【0015】加熱層としては、金属の円筒体を使用する
ことができ、特別な加工は必要ない。また、接着剤によ
る接合は、かしめなどの固定方法に比べて容易に行うこ
とができる。
【0016】したがって、本発明の加熱ローラによれ
ば、加熱ローラの低熱容量化および強度向上と同時に、
製作の容易性の向上を実現することができる。
【0017】本発明の加熱ローラにおいて、接着剤層
は、加熱層と断熱層との対向部分の全面にわたって設け
られてもよいが、加熱層と断熱層との対向部分のうちの
一部に存在していてもよい。すなわち、接着剤は、たと
えば、加熱ローラの軸方向に所定の間隔をおいて塗布さ
れていてもよく、また、加熱ローラの周方向に所定の間
隔をおいて塗布されていてもよい。
【0018】接着剤が加熱層と断熱層との対向部分のう
ちの一部に存在していることにより、加熱層から接着剤
層への熱の逃げ量が抑えられ、ウォームアップ時間の短
縮が可能である。
【0019】本発明による加熱ローラは、加熱手段によ
って加熱される加熱層と、加熱層の内周に接着剤によっ
て接合された断熱層とを有し、接着剤は、加熱層と断熱
層との対向部分のうちの軸方向の両端部に存在している
ことを特徴とするものである。
【0020】通常、加熱ローラの中間領域が記録用紙等
が通される通紙領域となり、接着剤を加熱ローラの両端
に塗布することによって、通紙領域には接着剤層が存在
しなくなり、加熱層から接着剤層への熱の逃げ量が抑え
られ、ウォームアップ時間の短縮が可能である。接着剤
層の厚みは、100μmより大きくてもよい。
【0021】断熱層を加熱層の内周に接着剤によって接
合することにより、加熱ローラ全体の強度を向上させる
ことができ、これにより、加熱層を薄くして、加熱ロー
ラ全体の熱容量を小さくすることができる。
【0022】したがって、本発明の加熱ローラによれ
ば、加熱ローラの低熱容量化および強度向上を同時に実
現することができる。
【0023】回転を繰り返すことによって生じやすい加
熱層と断熱層とのずれが接着剤によって防止され、ま
た、接着剤が加熱層と断熱層との対向部分のうちの両端
部に存在していることにより、加熱層から接着剤層への
熱の逃げ量が少なくて済み、接着剤使用に伴う熱容量の
増加が抑えられる。各端部における接着剤層の幅は、ず
れ防止のため、5mm以上(10mm程度)であること
が好ましい。
【0024】加熱層としては、金属の円筒体を使用する
ことができ、特別な加工は必要ない。また、接着剤によ
る接合は、かしめなどの固定方法に比べて容易に行うこ
とができる。
【0025】したがって、本発明の加熱ローラによれ
ば、加熱ローラの低熱容量化および強度向上と同時に、
製作の容易性の向上を実現することができる。
【0026】本発明の加熱ローラにおいて、接着剤は、
加熱層の内周に塗布されていることが好ましい。スポン
ジのシリコーンゴムなどからなる断熱層は、鉄などから
なる加熱層に比べて、接着剤が内部にしみこみやすいた
め、断熱層に接着剤を塗布すると必要な接着剤量が多く
なるが、接着剤を加熱層に塗布することにより、接着剤
量を少なくすることができ、また、接着剤層の厚みのコ
ントロールも容易となる。
【0027】本発明による加熱装置は、上記のような加
熱ローラと、加熱ローラに圧接する加圧ローラと、加熱
ローラの加熱層を外部より加熱する加熱手段とを備え、
加熱ローラと加圧ローラとでシート状の被加熱材を挟圧
搬送することによって該被加熱材の加熱を行うことを特
徴とするものである。
【0028】上記のような加熱ローラを用いて加熱装置
を構成することにより、従来の加熱装置に比べて、加熱
ローラの低熱容量化を実現することができ、ウォームア
ップ時間を短縮でき、大幅な省エネルギを達成すること
ができる。
【0029】加熱手段としては、ハロゲンランプ等を用
いたランプ加熱方式、セラミックヒータを用いたヒータ
加熱方式、誘導コイルを用いた誘導加熱方式などが使用
可能であるが、加熱手段が加熱ローラの加熱層に交番磁
界を印加して誘導電流を発生させる誘導加熱手段であ
り、加熱ローラの加熱層が交番磁界中で発熱する導電体
層であることがより好ましい。加熱ローラを短時間で均
一に加熱するには、加熱ローラを覆うように(半周程
度)加熱手段を配置することが必要であり、誘導加熱手
段によると、この条件を容易に実現することができる。
【0030】加熱装置を上記のような定着装置に用いた
場合、加熱ローラと加圧ローラの接触ニップ部を、表面
に未定着のトナー像が形成された記録用紙が両ローラに
挟圧された状態で搬送され、その間に、未定着のトナー
が溶融されて記録用紙上に定着される。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明を
乾式電子写真方式の画像形成装置における定着装置に適
用した実施形態について説明する。
【0032】図1は、画像形成装置の主要部を示してい
る。
【0033】この画像形成装置は、4色の可視像形成ユ
ニット(10Y)(10M)(10C)(10B)が被加熱材である記録用紙
(P)の搬送路に沿って配列されたいわゆるタンデム式の
プリンタである。可視像形成ユニットは、符号(10)で総
称する。4組の可視像形成ユニット(10)は、用紙(P)の
供給トレイ(11)と定着装置(12)との間の記録用紙搬送手
段としての記録用紙搬送装置(13)に沿って配設されてい
る。そして、画像形成装置は、搬送装置(13)で搬送され
る用紙(P)に可視像形成ユニット(10)により各色トナー
を多重転写した後、これを定着装置(12)により定着し
て、フルカラー画像を形成する。
【0034】さらに詳しく説明すると、搬送装置(13)
は、前後1対の駆動ローラ(14)およびアイドルローラ(1
5)によって架張され所定の周速度(この例では134m
m/s)に制御されて回動する無端状搬送ベルト(16)を
備え、このベルト(16)上に用紙(P)を静電吸着させてト
レイ(11)から定着装置(12)に搬送する。各可視像形成ユ
ニット(10)は、感光体ドラム(17)の周囲に帯電ローラ(1
8)、レーザ光照射装置(19)、現像器(20)、転写ローラ(2
1)およびクリーナ(22)を備え、各ユニット(10)の現像器
(20)にはイエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラ
ック(B)のトナーが収容されている。
【0035】各可視像形成ユニット(10)は、以下の工程
により、用紙(P)上にトナー画像を形成する。すなわ
ち、まず、感光体ドラム(17)の表面を帯電ローラ(18)で
一様に帯電した後、レーザ光照射装置(19)により感光体
ドラム(17)の表面を画像情報に応じてレーザ露光し、静
電潜像を形成する。その後、現像器(20)により感光体ド
ラム(17)上の静電潜像に対しトナー像を現像し、この顕
像化されたトナー像を、トナーとは逆極性のバイアス電
圧が印加された転写ローラ(21)により、搬送装置(13)に
より搬送される用紙(P)に順次転写する。定着装置(12)
の前方に1対の排出ローラ(23)(24)が設けられ、搬送ベ
ルト(16)と定着装置(12)との間および定着装置(12)と排
出ローラ(23)(24)との間に、用紙ガイド(25)(26)が設け
られている。転写の終了した用紙(P)は、駆動ローラ(1
4)の曲率により搬送ベルト(16)から剥離された後、ガイ
ド(25)を通って定着装置(12)に搬送される。定着装置(1
2)において、後に詳しく説明するように、定着が行わ
れ、定着の終了した用紙(P)はガイド(26)を通って排出
ローラ(23)(24)により排出される。
【0036】上記の画像形成装置における定着装置(12)
の例が、図2に示されている。
【0037】この定着装置(12)は、誘導加熱方式のもの
であり、加熱部材である加熱ローラ(定着ローラ)(4
0)、磁界発生手段である誘導コイル(49)、温度検出手段
を構成する温度センサであるサーミスタ(50)、温度制御
手段である励磁回路(51)、および加圧手段を構成する加
圧ローラ(34)を備えている。
【0038】加熱ローラ(40)は、電磁誘導により加熱さ
れて、定着装置(12)の部分を移動している被加熱材であ
る記録用紙(P)を加熱するためのものである。加熱ロー
ラ(40)は、図2および図3に示すように、芯金(41)と、
芯金(41)の外周に形成された断熱層(42)と、断熱層(42)
の外周に形成された接着剤層(43)と、接着剤層(43)の外
周に形成された加熱層(44)と、加熱層(44)の外周に形成
された離型層(45)とを備えている。
【0039】芯金(41)には、たとえば、鉄、STKM(J
IS)等の鉄鋼、SUS304(JIS)等の非磁性ステンレス
鋼、アルミニウム、銅等の金属あるいはそれらの合金等
が用いられる。
【0040】断熱層(42)は、加熱層(44)の熱が芯金(41)
側に逃げることを防止するものである。断熱層(42)に
は、耐熱性を有するスポンジ材、たとえば、シリコーン
ゴムからなるスポンジ等が適している。
【0041】接着剤層(43)は、加熱層(44)と断熱層(42)
とがずれることを防止するためものである。この例で
は、接着剤層(43)は、加熱層(44)と断熱層(42)との対向
部分の全面にわたって設けられている。接着剤層(43)
は、加熱層(44)の内周面に予め接着剤を塗布しておくこ
とによって形成される。接着剤には、耐熱性を有する接
着剤、たとえば、シリコーン系接着剤等が適している。
【0042】加熱層(44)は、誘導コイル(49)からの変動
磁界を受けて発熱するために、導電体によって形成され
ている。加熱層(44)には、比透磁率の大きいものが適し
ており、たとえば、鉄、STKM(JIS)等の鉄鋼、SU
S430(JIS)等の磁性ステンレス鋼、ケイ素鋼板、電
磁鋼板、ニッケル鋼等から構成されるのが望ましい。ま
た、比透磁率が低い材料であっても、たとえばSUS3
04(JIS)等の非磁性ステンレス鋼等の抵抗率の大きい
材料は、渦電流発生時の発熱量が大きいので、使用でき
る。あるいは、加熱層(44)は、たとえばセラミックス等
の非磁性のベース部材に比透磁率の高い前記材料が導電
性を有するように配置されているような構成であっても
よい。
【0043】離型層(45)は、用紙(P)からトナーがオフ
セット(付着)するのを防止するためのものである。離
型層(45)には、PFA(テトラフルオロエチレンとペル
フルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)やPT
FE(ポリテロラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂、
シリコーンゴム、フッ素ゴム等が適している。
【0044】誘導コイル(49)は、加熱ローラ(40)を渦電
流で発熱させるためのもので、全体として半円筒状に形
成されて、加熱ローラ(40)の上側の約半周の外周に沿う
ように配置されている。このように、誘導コイル(49)を
加熱ローラ(40)の外周に沿う曲率を持たせて配置する
と、誘導コイル(49)の中心側すなわち加熱ローラ(40)の
中心側に磁束が集中し、加熱ローラ(40)における渦電流
の発生量が多くなる。そして、加熱ローラ(40)の加熱層
(44)の材料を高透磁率のものにすると、さらに磁束が集
中し、加熱効率が改善される。
【0045】誘導コイル(49)には、たとえば、酸化膜等
の表面絶縁層が形成されたアルミニウム単線が使用され
る。しかし、銅線もしくは銅ベースの複合部材線であっ
てもよいし、エナメル線を撚り線にしたリッツ線であっ
てもよい。いずれの線材を使用しても、コイル(49)での
ジュール損を抑えるためには、コイル(49)の全抵抗値
は、0.5Ω以下、望ましくは0.1Ω以下である方が
よい。
【0046】誘導コイル(49)は、加熱ローラ(40)の軸方
向に1つだけ配置されてもよいし、定着される用紙(P)
のサイズに応じて、複数個配置されてもよい。
【0047】加圧ローラ(34)は、鉄、鉄鋼、ステンレス
鋼、アルミニウム等の芯金(37)の外周表面にシリコーン
ゴム等の耐熱弾性材層(38)を有するように構成されてい
る。加圧ローラ(34)の耐熱弾性材層(38)の表面には、加
熱ローラ(30)の場合と同様の離型層が形成されていても
よい。加圧ローラ(34)は、図示しないばね等の弾性部材
により加熱ローラ(30)にたとえば100Nの力で圧接さ
れ、これにより、加熱ローラ(30)との間に幅が約3.5
mm程度の接触ニップ部(S)が形成される。
【0048】なお、加圧ローラ(34)を加熱ローラ(30)に
圧接する場合の力は、上記に示す値に限定されるもので
はなく、ローラ対の構成や定着条件等によって適宜最適
な値に設定することができる。また、この圧接によって
生じる接触ニップ部(S)の幅についても、上記の値に限
定されるものではなく、適宜最適な値に設定することが
できる。接触ニップ部(S)の幅は、おおむね、2mmか
ら7mm程度の値に設定することが多い。
【0049】上記の加熱ローラ(40)の寸法の1例を挙げ
ると、芯金(41)の直径が16mm、断熱層(42)の厚みが
6mm、接着剤層(43)の厚みが50μm、発熱層(44)の
厚みが40μm、離型層(45)の厚みが30μmである。
【0050】上記の加熱ローラ(40)において、接着剤層
(43)の厚みを種々変更した場合のウォームアップ時間に
ついて調べた結果を表1に、また、耐久性について調べ
た結果を表2にそれぞれ示す。表1において、WUT
(秒)は、加熱ローラを190℃まで昇温させたときの
ウォームアップ時間である。また、表2は、加熱ローラ
を100時間連続回転させた後の接着の有無(○:問題
なし、×:NG)を示している。
【0051】
【表1】
【表2】 表1から、接着剤層(43)の厚みが100μm以下では、
接着剤層(43)がない場合のウォームアップ時間と大差な
いが、接着剤層(43)の厚みが150μmになると、ウォ
ームアップ時間が大幅に長くなることが分かる。
【0052】また、表2から、接着剤層(43)の厚みが1
0μm以上では、良好な接着を示すのに対し、接着剤層
(43)の厚みが5μmになると、十分な接着力が得られ
ず、回転を繰り返すうちに加熱層(44)と断熱層(42)とが
ずれてしまうことが分かる。
【0053】加熱ローラ(40)の第2の例が、図4に示さ
れている。
【0054】第2の例の場合、接着剤層(43)は、加熱層
(44)の内周面に所定の幅の接着剤(43a)を軸方向に所定
の間隔をおいて塗布することにより形成されている。
【0055】加熱ローラ(40)の第3の例が、図5に示さ
れている。
【0056】第3の例の場合、接着剤層(43)は、加熱層
(44)の内周面に所定の幅の接着剤(43b)を周方向に所定
の間隔をおいて塗布することにより形成されている。
【0057】加熱ローラ(40)の第4の例が、図6に示さ
れている。
【0058】第4の例の場合、接着剤層(43)は、加熱層
(44)と断熱層(42)との対向部分のうちの軸方向の両端部
にのみ接着剤(43c)を塗布することにより形成されてい
る。そして、接着剤(43c)が塗布されていない部分が被
加熱材である記録用紙を通すための通紙領域とされる。
この加熱ローラ(40)において、接着剤層(43)の各端部の
幅を3mmと5mmとにして、表2と同様の条件で耐久
性テストを行ったところ、幅3mmでは、加熱層(44)と
断熱層(42)との接着がはがれ、幅5mmでは、そのはが
れはみられなかった。通紙領域を確保しかつ装置全体の
大きさを大きくしないという点から、接着剤層(43)の各
端部での幅は、狭い方が好ましく、ずれ防止とのバラン
スから10mm程度が好ましい。
【0059】この定着装置(12)の動作は、次のとおりで
ある。
【0060】まず、ウォームアップ時において、励磁回
路(51)がオンとなり、誘導コイル(49)に交流電流が供給
される。これにより、コイル(49)が励磁され、加熱ロー
ラ(40)の加熱層(44)にに交流渦電流が誘起され、ジュー
ル熱により発熱する。このときの発熱量は、たとえば約
1000Wである。一方、励磁回路(51)による通電が開
始すると同時に、加熱ローラ(40)が図示しない適宜な駆
動手段によって回転駆動され、これにより、加圧ローラ
(34)が従動回転する。また、加熱ローラ(40)の表面温度
がサーミスタ(50)によって常時検知され、加熱ローラ(4
0)の表面温度が所定の温度(この例では、190℃)に
達すると、ウォームアップが完了し、励磁回路(51)によ
るコイル(49)への通電がサーミスタ(50)の温度検出値に
基づくオン・オフ制御に切り替わり、加熱ローラ(40)の
表面温度が所定の温度に維持される。そして、このよう
な状態で、前記のように未定着トナー像が転写された記
録用紙(P)が接触ニップ部(S)に搬送され、加熱ローラ(4
0)の熱および加圧ローラ(34)の圧力により、トナー像は
溶融定着され、用紙(P)上に固定され、堅牢な画像とな
る。
【0061】なお、温度制御は、上記のようなオン・オ
フ制御に限らず、たとえば位相制御、サイクル制御等、
他の方式を用いることもできる。
【0062】上記の例では、画像形成装置はカラー画像
形成装置であるが、これに限らず、単一色のトナー画像
を形成するモノクロ画像形成装置にも適用できる。
【0063】また、本発明による加熱ローラおよび加熱
装置は、上記のような乾式電子写真方式の画像形成装置
における定着装置に限らず、たとえば湿式電子写真機器
における乾燥装置、インクジェットプリンタにおける乾
燥装置、リライタブルメディア用消去装置の加熱装置に
も適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明が適用されるカラーレーザプリ
ンタの主要部の構成を示す概略構成図である。
【図2】図2は、図1における定着装置を示す構成図で
ある。
【図3】図3は、加熱ローラの第1の例を示す縦断面図
である。
【図4】図4は、加熱ローラの第2の例を示す縦断面図
である。
【図5】図5は、加熱ローラの第3の例を示す横断面図
である。
【図6】図6は、加熱ローラの第4の例を示す縦断面図
である。
【符号の説明】
(12) 定着装置 (34) 加圧ローラ (40) 加熱ローラ (42) 断熱層 (43) 接着剤層 (44) 加熱層 (49) 誘導コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H033 AA30 AA31 BA25 BB12 BB19 BB23 BB26 BE06 3J103 AA02 AA15 AA32 BA04 CA02 CA62 DA05 EA07 FA01 GA02 GA57 GA58 HA03 HA16 3K059 AB28 AD07 AD32 AD40 CD52

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱手段によって加熱される加熱層と、加
    熱層の内周に接着剤によって接合された断熱層とを有
    し、接着剤層の厚みが10μm以上100μm以下の範
    囲内であることを特徴とする加熱ローラ。
  2. 【請求項2】接着剤は、加熱層と断熱層との対向部分の
    うちの一部に存在していることを特徴とする請求項1の
    加熱ローラ。
  3. 【請求項3】加熱手段によって外部より加熱される加熱
    層と、加熱層の内周に接着剤によって接合された断熱層
    とを有し、接着剤は、加熱層と断熱層との対向部分のう
    ちの軸方向の両端部に存在していることを特徴とする加
    熱ローラ。
  4. 【請求項4】各端部における接着剤層の幅が5mm以上
    であることを特徴とする請求項3の加熱ローラ。
  5. 【請求項5】接着剤は、加熱層の内周に塗布されている
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項の加熱ロ
    ーラ。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1項の加熱ローラ
    と、加熱ローラに圧接する加圧ローラと、加熱ローラの
    加熱層を外部より加熱する加熱手段とを備え、加熱ロー
    ラと加圧ローラとでシート状の被加熱材を挟圧搬送する
    ことによって該被加熱材の加熱を行うことを特徴とする
    加熱装置。
  7. 【請求項7】加熱手段が加熱ローラの加熱層に交番磁界
    を印加して誘導電流を発生させる誘導加熱手段であり、
    加熱ローラの加熱層が交番磁界中で発熱する導電体層で
    あることを特徴とする請求項6の加熱装置。
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