JP2002363212A - 重合用触媒及び重合体の製造方法並びに重合体 - Google Patents

重合用触媒及び重合体の製造方法並びに重合体

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JP2002363212A
JP2002363212A JP2001165493A JP2001165493A JP2002363212A JP 2002363212 A JP2002363212 A JP 2002363212A JP 2001165493 A JP2001165493 A JP 2001165493A JP 2001165493 A JP2001165493 A JP 2001165493A JP 2002363212 A JP2002363212 A JP 2002363212A
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JP2001165493A
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Hajime Yasuda
源 安田
Sukemasa Nakayama
祐正 中山
Daisuke Yamazaki
大輔 山崎
Takao Sone
卓男 曽根
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JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な重合用触媒、及びこの重合用触媒を用
いた重合体の製造方法並びにこの重合用触媒を用いて得
られる重合体を提供する。 【解決手段】 FeCl2と1,6−dimesity
l−2,2’:6’,2”−terpyridineと
溶媒とを撹拌・混合し、紫色の懸濁液を得る。次いで、
この懸濁液より分離した固形分を洗浄して紫色粉末を得
る。その後、この紫色粉末をジクロロメタンに溶解させ
た溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸銀を加えたジ
クロロメタン懸濁液を、遮光下、室温にて撹拌しながら
加え、24時間撹拌し続ける。次いで、得られた液体か
ら固形物を分離し、得られた濾液にジクロロメタンとヘ
キサンとを添加した液体から再結晶化させてオレンジ色
の結晶を得る。得られた結晶は図1で示す鉄錯体であ
る。この鉄錯体と有機アルミノキサンとを含有させるこ
とで本発明の重合用触媒を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重合用触媒及び重
合体の製造方法並びに重合体に関する。更に詳しくは、
新規な重合用触媒及びこの重合用触媒を用いた重合体の
製造方法並びにこの重合用触媒を用いて得られる重合体
に関する。
【0002】
【従来の技術】これまで、遷移金属錯体を用いた重合用
触媒が多く開示されている。これらの遷移金属錯体は重
合時に重合末端に配位し、重合末端に重合する単量体を
規制するために、得られる重合体のミクロ構造が制御し
易い等、特異な重合特性を発揮させることができる。こ
の効果は、遷移金属錯体を構成する遷移金属及びこの錯
体の大部分の配位子場を占める配位子により大きく異な
る。このため、更に、種々の重合特性を発揮できる新規
な重合用触媒が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑み
てなされた新規な重合用触媒、及びこの重合用触媒を用
いた重合体の製造方法並びにこの重合用触媒を用いて得
られる重合体を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の重合用触媒は、
窒素原子により3座配位するターピリジン誘導体からな
る配位子を1つ有する鉄錯体を含有することを特徴とす
る。
【0005】上記「ターピリジン誘導体」は、ターピリ
ジンを除くターピリジンの誘導体であり、ピリジン又は
ピリジン誘導体が他原子を介さずに3つ結合してなる化
合物群である。各々の隣接するピリジン骨格同志の結合
位置は、鉄イオンに対して3座配位できれば特に限定さ
れない。しかし、特に安定な鉄錯体を形成することがで
きるため、通常、2,2’:6’,2”−ターピリジン
誘導体{化学式(2)等参照}が用いられる。このター
ピリジン誘導体が備える置換基の種類、置換基の数及び
置換位置等は特に限定されないが、置換基としては炭素
数1〜20の炭化水素基が好ましい。このようなターピ
リジン誘導体としては、炭素数5以下の炭化水素基を少
なくとも1つ備える上記化学式(1)で示されるターピ
リジン誘導体が挙げられる。
【0006】また、置換基の数は2〜8が好ましく、置
換位置は2、4、4’、4”及び6”のうちの少なくと
も1ヶ所であることが好ましく、このうち4、4’及び
4”の組合せ{化学式(11)等参照}若しくは2及び
6”の組合せであることが好ましい。このうち、置換基
を2及び6”に有するターピリジン誘導体としては上記
化学式(13)で示されるターピリジン誘導体が挙げら
れる。
【0007】上記のうち化学式(1)で示されるターピ
リジン誘導体は、置換基であるR〜R11が各々水素
原子又は炭素数1〜5の炭化水素基であり、且つR
のうちの少なくともいずれか1つは炭素数1〜5
の炭化水素基である化合物を挙げることができる。この
ターピリジン誘導体を配位子として備える鉄錯体は化学
式(2)で表される。
【0008】炭素数1〜5の炭化水素基としては、特に
限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n
−ペンチル基、i−ペンチル基及びt−ペンチル基を挙
げることができる。このような置換基を備えることによ
り、工業的に多用されているトルエン等の溶媒に対する
溶解性を向上させることができる。従って、鉄錯体の触
媒作用を十分に引き出すことが可能となる。
【0009】また、炭化水素基を備える位置は特に限定
されないが、バラスンよく備えることが好ましい。即
ち、例えば、ターピリジン誘導体全体において2つの炭
化水素基を備える場合には1つのピリジン環に2つの炭
化水素基を備えるよりも、各々1つのピリジン環に1つ
の炭化水素基を備えることが好ましい。更に、各ピリジ
ン環の4位(置換位置が4、4’及び4”)の位置に炭
化水素基を備え、他は水素原子であることが好ましい。
即ち、化学式(1)におけるR 、R及びRのみが
炭素数1〜5の炭化水素基であり、その他は水素原子で
ある下記化学式(11)で示されるターピリジン誘導体
である。このターピリジン誘導体を配位子として備える
鉄錯体は上記化学式(3)として表される。
【0010】
【化11】 (但し、R、R及びRは異なっていても、同じで
あってもよい。)
【0011】更に、化学式(11)で示される化合物に
おけるR、R及びRが各々第3級ブチル基(t−
ブチル基)である下記化学式(12)で示されるターピ
リジン誘導体を配位子とすることが好ましい。この配位
子を備える鉄錯体は上記化学式(4)として示される。
これらのターピリジン誘導体を備える鉄錯体は、工業的
に多く用いられる後述する芳香族系の溶媒に対する溶解
性に優れる。このため重合用触媒の有する触媒活性を十
分に引き出すことが可能となる。
【0012】
【化12】
【0013】一方、化学式(6)で示される上記ターピ
リジン誘導体は、R〜R10が各々水素原子又は炭素
数1〜5の炭化水素基であり、R及びR11(置換位
置が2及び6”)が各々炭素数6以上の炭化水素基であ
る化合物である。この炭素数1〜5の炭化水素基として
は、特に限定されないが前記化学式(1)におけると同
様な炭化水素基を適用することができる。
【0014】このターピリジン誘導体は、R〜R10
が全て水素原子である化合物であってもよい。即ち、化
学式(13)で示されるターピリジン誘導体を挙げるこ
とができる。このターピリジン誘導体を配位子として備
える鉄錯体は化学式(8)として示される。
【0015】
【化13】
【0016】また、上記ターピリジン誘導体における炭
素数6以上の炭化水素基としては、特に限定されない
が、例えば、芳香族系炭化水素基であるフェニル基、ベ
ンジル基、トリル基、スチリル基、キシリル基、フェネ
チル基、メチルベンジル基、インデニル基、クメニル
基、メシチル基、フェニルプロピル基、ナフチル基、イ
ソプロピルベンジル基、ジフェニルメチル基、フェナン
トリル基、シメニル基、ジビニルベンジル基、トリメチ
ルベンジル基、アントリル基及びピレニル基や、脂肪族
系炭化水素基であるヘキシル基、ヘプチル基、ノニル基
及びデシル基や、脂環式炭化水素基であるシクロヘキセ
ニル基、シクロヘキシル基及びシクロへプチル基等を挙
げることができる。
【0017】これらの炭化水素基のなかでも、芳香族系
炭化水素基であることが好ましい。即ち、ベンゼン環又
はベンゼン縮合環を有する基であることが好ましい。こ
の芳香族系炭化水素基を備えるターピリジン誘導体を配
位子として備える鉄錯体は、工業的に多く用いられる後
述する芳香族系の溶媒に対する溶解性に優れる。このた
め重合用触媒の有する触媒活性を十分に引き出すことが
可能となる。また、R及びR11にこの芳香族系炭化
水素基を備えるターピリジン誘導体を配位子として備え
る鉄錯体は、エチレン等の炭素数が2である低分子量の
単量体の重合反応にも触媒活性を得ることが可能とな
る。
【0018】更に、上記のR及びR11は各々異なる
芳香族系炭化水素基(ベンゼン環又はベンゼン縮合環を
有する基)であってもよいが、同じ芳香族系炭化水素基
であってもよい。このようなターピリジン誘導体として
は、芳香族系炭化水素基としてメシチル基を備える化学
式(14)で示されるターピリジン誘導体が挙げられ
る。このターピリジン誘導体を配位子として備える鉄錯
体は化学式(15)として示される。
【0019】
【化14】 (但し、メシチル基に付加している水素原子は記載して
いない)
【0020】
【化15】 (但し、メシチル基に付加している水素原子は記載して
いない)
【0021】この他、芳香族系炭化水素基としてナフチ
ル基を備える化学式(16)で示されるターピリジン誘
導体が挙げられる。このターピリジン誘導体を配位子と
して備える鉄錯体は化学式(17)として示される。
【0022】
【化16】 (但し、ナフチル基に付加している水素原子は記載して
いない)
【0023】
【化17】 (但し、ナフチル基に付加している水素原子は記載して
いない)
【0024】本発明の重合用触媒に含まれる鉄錯体を構
成する鉄イオンの価数は特に限定されないが、通常、2
価又は3価である。
【0025】また、化学式(2)又は(7)で示される
鉄錯体が備えるLはターピリジン誘導体を除くその他の
配位子である。これらのLは、特に限定されないが、
F、Cl及びBr等のハロゲン(イオン及び原子を含
む)、ハロゲン化炭素水素のスルホン酸(イオンを含
む)、ヒドロキシル基(フェノキシイオン等の−O
含む)を有する化合物、カルボキシル基(COOを含
む)を有する化合物、鎖状エーテル化合物、環状エーテ
ル化合物、カルボニル化合物及びアルキルスルフィン化
合物等を挙げることができる。また、これらの配位子は
溶媒分子であってもよい。
【0026】また、化学式(7)におけるmは配位子L
の数を表し、R及びR11の占める配位子の大きさに
より変化する。即ち、R及びR11が嵩高い大きな配
位子である場合にはmは2となる場合があると考えられ
る。
【0027】本発明の他の重合用触媒は、窒素原子及び
硫黄原子により4座配位するビス(2−ピリジル)−
2,5−ジチオヘキサン(以下、単に「ビスピリジルジ
チオヘキサン」という)又はその誘導体(以下、「ビス
ピリジルジチオヘキサン誘導体」という)からなる上記
化学式(9)で示され、該化学式(9)におけるR
16が各々水素原子又は炭素数1〜5の炭化水素基で
ある配位子を1つ有する上記化学式(10)で示される
鉄錯体を含有することを特徴とする。
【0028】上記化学式(9)及び上記化学式(10)
における、炭素数1〜5の炭化水素基としては、化学式
(1)におけると同様な炭化水素基を適用することがで
きる。また、上記化学式(10)で示される鉄錯体を構
成する鉄イオンの価数は前記と同様に特に限定されない
が、通常、2又は3である。更に、Lは、特に限定され
ないが、化学式(2)におけるLと同様なものを適用す
ることができる。
【0029】上記のように本発明の重合用触媒に、化学
式(2)、(7)及び(10)で示される鉄錯体を少な
くとも1種含有することにより、種々の単量体の重合及
び共重合を行うことができる。例えば、炭素数2〜10
のα−オレフィン(エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン等)、炭素数4〜10
のジエン類{共役ジエン(1,3−ブタジエン、イソプ
レン、1,3−ペンタジエン、1,3−シクロヘキサジ
エン等)、累積ジエン(1,2−ブタジエン、1,2−
ペンタジエン、2,3−ペンタジエン、1,2−シクロ
ヘキサジエン等)}、アクリル酸エステル類(アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等)、
メタクリル酸エステル類(メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸ブチル等)、スチレン類
(スチレン、スチレン誘導体)等の重合及び共重合に好
適に用いることができる。
【0030】これらの中でも、化学式(2)で示される
鉄錯体を含有する重合用触媒は、炭素数4〜10のジエ
ン類の単独重合、炭素数4〜10の2種以上のジエン類
の共重合及び(メタ)アクリル酸エステル類の単独重合
に適する。また、化学式(7)で示される鉄錯体を含有
する重合用触媒は、特に、炭素数4〜10のジエン類の
単独重合、炭素数4〜10の2種以上のジエン類の共重
合、炭素数4〜10のジエン類と炭素数2〜10のα−
オレフィンとの共重合、及び(メタ)アクリル酸エステ
ル類の単独重合に適する。更に、化学式(10)で示さ
れる鉄錯体を含有する重合用触媒は、特に、(メタ)ア
クリル酸エステル類の単独重合に適する。
【0031】また、本発明の重合用触媒には、上記化学
式(2)、(7)及び(10)で示される鉄錯体以外に
も有機アルミノキサン化合物を含有させることが好まし
い。この有機アルミノキサン化合物は、通常、下記化学
式(18)及び/又は(19)で示される化合物であ
る。
【0032】
【化18】
【0033】
【化19】
【0034】但し、化学式(18)におけるR〜R
及び化学式(19)におけるRは、各々炭素数1〜20
の炭化水素基であり、この炭化水素基を2つ以上備える
場合は同一であっても、異なっていてもよい。このR
〜R及びRは、特に限定されず脂肪族系炭化水素基、
芳香族系炭化水素基及び脂環式炭化水素のいづれであっ
てもよいが、通常、メチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、
イソヘキシル基、オクチル基及びイソオクチル基等の脂
肪族系炭化水素基である。中でも、メチル基である有機
アルミノキサン化合物を用いることが好ましい。また、
化学式(18)及び化学式(19)におけるnは特に限
定されないが、通常、2以上であり、5〜100であ
る。また、本発明の重合用触媒にはこれら有機アルミノ
キサン化合物を1種のみ含有してもよく、2種以上含有
してもよい。
【0035】また、本発明の重合用触媒は、溶液中にお
いてもスラリー中においても用いることができる。溶液
中又はスラリー中で用いる際に使用する溶媒は、一般に
用いられている溶媒であれば特に限定されないが、例え
ば、ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水
素、ブタン、ペンタン、n−ヘキサン及びヘプタン等の
脂肪族炭化水素、シクロペンタン及びシクロヘキサン等
の脂環式炭化水素、ミネラルスピリット、ソルベントナ
フサ、ケロシン等の炭化水素系溶媒、塩化メチレン等の
ハロゲン化炭化水素等を挙げることができる。更には、
重合目的の単量体自体を溶媒とすることもできる。これ
ら溶媒は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して
用いることもできる。
【0036】更に、本発明の重合用触媒は、適当な担体
に担持させて用いることができる。この担体の種類につ
いて特に制限はない。例えば、無機酸化物担体(アルミ
ナ等)、それ以外の無機担体、或いは有機担体の何れも
用いることができる。また、担持方法についても特に制
限はなく、公知の方法を適宜利用することができる。
【0037】本発明の重合体の製造方法は、請求項1乃
至10のうちのいずれか1項に記載の重合用触媒を用い
て単独重合又は共重合を行うことを特徴とする。また、
本発明の重合体は、請求項1乃至10のうちのいずれか
1項に記載の重合用触媒を用いて得られることを特徴と
する。
【0038】この単独重合又は共重合(以下、単独重合
と共重合との両方を意味する場合は単に「重合」とい
う)は、通常、溶液中又はスラリー中において行う。こ
の際使用できる溶媒については、例えば、前述の溶媒を
単独で又は2種以上を混合して同様に適用することがで
きる。また、この重合において使用する重合用触媒に含
有される鉄錯体の量は、特に限定されないが、単量体1
0〜50000mol(より好ましくは25〜2500
mol、更に好ましくは50〜1000mol)に対し
て鉄錯体1molとすることが好ましい。
【0039】更に、重合温度、重合時間及び重合圧力等
は特に限定されないが、工業的且つ経済的な面から、重
合温度は−30℃から+120℃(より好ましくは−2
0℃〜+80℃)とすることが好ましい。また、重合時
間は10分〜12時間(より好ましくは30分〜6時
間)とすることが好ましい。重合の際の圧力も特に限定
されないが、工業的且つ経済的な面から0.5〜150
0気圧(より好ましくは1〜500気圧)が好ましい。
また、これらの重合は連続式及びバッチ式のいずれであ
っても行うことができる。
【0040】本発明の製造方法によると、前述した各種
単量体の重合を行うことができる。特に、化学式(2)
で示される鉄錯体を含有する重合用触媒を用いる製造方
法は、炭素数4〜10のジエン類の単独重合体、炭素数
4〜10の2種以上のジエン類の共重合体及び(メタ)
アクリル酸エステル類の単独重合体の製造に適する。ま
た、化学式(7)で示される鉄錯体を含有する重合用触
媒を用いる製造方法は、炭素数4〜10のジエン類の単
独重合体、炭素数4〜10の2種以上のジエン類の共重
合体、炭素数4〜10のジエン類と炭素数2〜10のα
−オレフィンとの共重合体、及び(メタ)アクリル酸エ
ステル類の単独重合体の製造に適する。更に、化学式
(10)で示される鉄錯体を含有する重合用触媒を用い
る製造方法は、(メタ)アクリル酸エステル類の単独重
合体の製造に適する。
【0041】特に、化学式(1)で示される鉄錯体及び
アルミノキサンを含有する重合用触媒を用いたブタジエ
ンの単独重合においては、重合時間を3時間以上(更に
は6時間以上)とすることにより、収率99mol%以
上、trans−1,4結合が70mol%以上(更に
75mol%以上、特に80mol%以上)、数平均分
子量が10〜10、分子量分布が1.05〜2.0
0の各特徴でポリブタジエンを得ることができる。
【0042】また、化学式(1)で示される鉄錯体及び
アルミノキサンを含有する重合用触媒を用いたイソプレ
ンの単独重合においては、室温において重合時間を3時
間以上(更には6時間以上)とすることにより、収率9
9mol%以上、3,4結合が70〜85mol%、数
平均分子量が10〜10、分子量分布が1.5〜
2.0の各特徴でポリイソプレンを得ることができる。
【0043】更に、化学式(1)で示される鉄錯体及び
アルミノキサンを含有する重合用触媒を用いたブタジエ
ンとイソプレンとの共重合においては、重合時間を3時
間以上(更には6時間以上)とすることにより、収率9
8mol%以上、イソプレン含量50mol%以上(6
0mol%以上、更には80mol以上、特に90mo
l%以上がtrans−1,4結合であるイソプレン繰
返単位)、数平均分子量が10〜10の各特徴で共
重合体を得ることができる。
【0044】また、化学式(1)及び化学式(10)で
示される鉄錯体及びアルミノキサンを含有する重合用触
媒を用いたメタクリル酸メチルの単独重合においては、
アルミノキサンのみからなる重合用触媒を用いるよりも
1.5〜2倍高い収率でポリメタクリル酸メチルを得る
ことができる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例及び参考例
を用いて更に詳細に説明する。 [1]錯体A〜Eの合成(実施例錯体A〜D、参考例錯
体E) (1)錯体Aの合成{化学式(5)} 0.4g(2.5mmol)のFeClと、1.0g
(2.5mmol)の化学式(12)で表される第3級
ブチル基を備えるターピリジン系配位子{4,4’,
4”−tri(tertiarybutyl)−2,
2’:6’,2”−terpyridine}と、10
0mlのTHFとを内容量300mlの二股フラスコに
投入して、10時間撹拌し、黄色の懸濁液を得た。この
懸濁液から分離した固形分をTHFとヘキサンとで洗浄
して黄色粉末1.17gを得た。この黄色粉末を元素分
析に供した結果、C2734FeClである錯
体Aであることが分かった(理論値C:H:N=57.
62:6.09:7.47に対して、測定値C:H:N
=57.45:6.08:7.25であった)。この結
果より、先に得られた黄色粉末1.17gは2.1mm
olにあたり、収率は83.2%であった。
【0046】(2)錯体Bの合成{化学式(15)} 0.013g(0.11mmol)のFeClと、
0.05g(0.11mmol)の化学式(14)で表
されるメシチル基を備えるターピリジン系配位子(1,
6−dimesityl−2,2’:6’,2”−te
rpyridine)と、8mlのTHFとを100m
lの二股フラスコに投入して、10時間撹拌して、紫色
の懸濁液を得た。この懸濁液から分離した固形分をTH
Fとヘキサンとで洗浄して紫色粉末0.06gを得た
(その後、この紫色粉末の元素分析を行ったところ錯体
Bではないことを確認した)。
【0047】次いで、上記で得られた紫色粉末0.06
gを50mlのジクロロメタンに溶解させた溶液に、ト
リフルオロメタンスルホン酸銀(AgOSOCF
0.025g(0.11mmol)を5mlのジクロロ
メタンに加えて撹拌した懸濁液を遮光下で室温にて撹拌
しながら加え、そのまま24時間撹拌し続けた。その
後、乾燥下で吸引濾過して固形物(主にAgCl)を分
離した。次いで、得られた濾液にジクロロメタンとヘキ
サンとを添加した液体から再結晶化させてオレンジ色の
結晶を得た。得られた結晶をX線構造解析したところ、
下記化学式(20)で表される錯体Bであった。得られ
た錯体BのX線構造解析結果をORTEP(Oak R
idge Thermal Ellipsoid Pl
ot Program)により作図し、図1に示す(但
し、水素原子は省略してある)。
【0048】
【化20】 (但し、メシチル基に付加している水素原子は記載して
いない。また、OTfはOSOCFを表す。)
【0049】また、結合距離及び結合角を以下に列挙す
る。各元素の左隣りに記載した「()」内の数は図1に
おいて示した原子の番号である。 錯体Cにおける各原子間の結合距離 Fe(1)−F(7)=2.06Å、Fe(1)−O
(4)=2.14Å、Fe(1)−O(4)=2.18
Å、Fe(1)−N(1)=2.20Å、Fe(1)−
N(2)=2.09Å、Fe(1)−N(3)=2.2
6Å 錯体Aにおける各原子間の結合角 F(7)−Fe(1)−N(2)=174゜、O(1)
−Fe(1)−O(4)=175゜、N(1)−Fe
(1)−N(3)=150゜
【0050】(3)錯体Cの合成{化学式(17)} i)配位子{化学式(16)}の合成 0.08g(0.067mmol)のトリフェニルホス
フィンパラジウム錯体([Pd{P(C
])と、1.32g(7.65mmo
l)の1−ナフタレンホウ酸と、1.0g(2.56m
mol)の6,6”−dibromo−2,2’:
6’,2”−terpyridineと、4.09g
(10.75mmol)のNaPO・12HOと
を、24mlのジメチルエーテル(DME)と4mlの
水との混合溶媒中で20時間還流した後、室温まで冷却
した。その後、得られた液体から溶媒を減圧留去して固
形物を得た。ベンゼンを用いて得られた固形物の抽出作
業を行った後、食塩水で洗浄し、次いで、硫酸マグネシ
ウムの存在下において水分を除去し、残った液体から溶
媒を減圧留去して固形物を得た。得られた固形物をジエ
チルエーテルで洗浄して乾燥させ白色粉末0.42g
(0.86mmol、収率33.7%)を得た。
【0051】ii)配位子の確認 得られた白色粉末を質量分析及びH−NMRにより構造
を確認した結果、化学式(16)で表されるナフチル基
を有するターピリジン誘導体(6,6”−dinaph
tyl−2,2’:6’,2”−terpyridin
e)であることが分かった。H−NMRにより得られた
チャートを図2に示す。
【0052】iii)錯体Cの合成 0.09g(0.74mmol)のFeClと、上記
i)で得られた0.36g(0.74mmol)の白色
粉末{化学式(16)で表されるターピリジン誘導体}
と、30mlのTHFとを100mlの二股フラスコに
投入し、24時間撹拌して、灰色の懸濁液を得た。懸濁
液中の固形分を分離し、THFとヘキサンとで洗浄し、
灰色粉末を0.17g得た。{その後、この灰色粉末の
元素分析を行ったところ化学式(17)の錯体ではない
ことを確認した}。
【0053】次いで、上記で得られた灰色粉末0.06
gを50mlのジクロロメタンに溶解させた溶液に、
0.025g(0.11mmol)のトリフルオロメタ
ンスルホン酸銀(AgOSOCF)を5mlのジク
ロロメタンに加えて撹拌した懸濁液を遮光下で室温にて
撹拌しながら加え、そのまま24時間撹拌し続け、赤色
の懸濁液を得た。この赤色の懸濁液から遠心分離にによ
り固形物(主にAgCl)を除去して赤色の上澄み液を
得た。この赤色の上澄み液にジクロロメタンとヘキサン
との混合溶媒を添加した液体から再結晶させて赤色結晶
(空気中では不安定)を得た。得られた赤色結晶は下記
化学式(21)で表される錯体Cであると考えられる。
【0054】
【化21】 (但し、ナフチル基に付加している水素原子は記載して
いない。また、OTfはOSOCFを表す)
【0055】(4)錯体Dの合成{化学式(23)} 0.08g(0.63mmol)のFeClと、0.
2ml(0.63mmol)の下記化学式(22)で表
される1,6−bis(2−pyridyl)−2,5
−dithiahexane(NSSN系配位子)と、
20mlのTHFとを100mlの二股フラスコに投入
して、10時間撹拌して、黄色の懸濁液を得た。懸濁液
中の固形分を分離し、THFとヘキサンとで洗浄し、黄
色粉末を0.20g得た。尚、下記化学式(22)で表
されるNSSN系配位子の合成は文献「J.D.Nol
an et al、Aust.J.Chem,197
0,23,1553−1558」に従って行った。
【0056】
【化22】
【0057】
【化23】
【0058】得られた、黄色粉末を元素分析した結果、
1416FeClである上記化学式(2
3)で示される錯体Dであることが分かった(理論値
C:H:N=41.71:4.00:6.95に対し
て、測定値C:H:N=41.39:4.02:6.8
2であった)。この結果より、先に得られた黄色粉末
0.20gは0.496mmolにあたり、収率は7
8.7%であった。
【0059】以下に、参考例として下記化学式(24)
で表される錯体Eの合成について示す。 (5)錯体Eの合成{化学式(24)} 1.0g(6.2mmol)のFeClと、1.5g
(6.2mmol)の2,2’:6’,2”−terp
yridineと、100mlのTHFとを内容量30
0mlの二股フラスコに投入して、10時間撹拌して、
黄色の懸濁液を得た。固形分を分離し、エーテルとヘキ
サンとで洗浄し、黄色粉末を得た。
【0060】
【化24】
【0061】得られた黄色粉末をジクロロメタンとヘキ
サンとの混合溶媒に溶解させた後、この混合溶媒を除去
した。これにより、オレンジ色の結晶と紫色の結晶とが
同時に析出された。得られた2種の結晶をX線構造解析
及び元素分析したところ、オレンジ色の結晶はFe
(2,2’:6’,2”−terpyridine)C
で表される錯体Eであった。一方、紫色の結晶は
[Fe(II)(2,2’:6’,2”−terpyri
dine)][Fe(III)Clで表される錯
体であった。得られた錯体EをORTEPにより作図
し、図3に示す(但し、水素原子は省略してある)。
【0062】また、結合距離及び結合角を以下に列挙す
る。各元素の左隣りに記載した「()」内の数は図3に
おいて示した原子の番号である。 錯体Aにおける各原子間の結合距離 Fe−N(1)=2.16Å、Fe−N(2)=2.0
7Å、Fe−N(3)=2.19Å、Fe−Cl(1)
=2.74Å、Fe−Cl(2)=2.31Å、Fe−
Cl(3)=2.07Å 錯体Aにおける各原子間の結合角 Cl(1)−Fe−Cl(2)=83.4゜、Cl
(1)−Fe−Cl(3)=178.7゜、Cl(1)
−Fe−N(1)=88.0゜
【0063】[2]錯体A、D及びEを用いた重合(錯
体Eは参考例) (1)錯体A又は錯体Eを用いたブタジエンの単独重合 内容量50mlのシュレンク型ガラス管内に0.05m
molの錯体A又は錯体Eを含有する10mlの乾燥ト
ルエン溶液を投入し、更に、5mmolのMMAOを含
有する10mlの乾燥トルエン溶液を投入し、1時間撹
拌を行い触媒を形成した。その後、室温において先のシ
ュレンク型ガラス管内に更に10mmolのブタジエン
を投入して、表1及び表2に示す所定時間の間撹拌を行
いブタジエンを重合させた。上記所定の時間が経過した
時点で少量の塩酸により酸性化したメタノールを大過剰
に添加して重合反応を停止させ、生成物を沈殿させた。
次いで、この沈殿物を遠心分離し、減圧乾燥させてブタ
ジエン重合体を得た。
【0064】尚、この重合においてはブタジエン単量体
のmol量に対して1/200倍のmol量の開始剤を
添加した。また、得られた重合体の数平均分子量(以
下、「Mn」という)及び重量平均分子量(以下、「M
w」という)をゲル浸透クロマトグラフィー(以下、単
に「GPC」という)により測定した。また、重合体の
ミクロ構造をH−NMR及びC−NMRにより測定し
た。この結果を表1及び表2に示す。
【0065】
【表1】
【0066】表1の結果より、参考例である錯体Eで
は、重合時間を4時間以上(更には5時間以上)とする
ことにより、収率15mol%以上(更には20mol
%以上)、trans−1,4結合が90mol%以上
(更に95mol%以上)、数平均分子量が2000以
上(更には3000以上、特に4000以上)、分子量
分布が1.08〜2.1の各特徴でポリブタジエンを得
ることができる。一方、本発明である錯体Aを含有する
重合用触媒を用いた場合は、参考例である錯体Eを用い
た場合に比べて収率が大幅(1.5〜4.5倍)に向上
していることが分かる。これはピリジン骨格にt−ブチ
ル基を備えるために溶媒に対する溶解性が向上したため
に得られた結果であると考えられる。
【0067】また、本発明の重合用触媒(錯体Aを含
む)では、得られるポリブタジエンの数平均分子量は4
400〜4600であった。更に、得られるポリブタジ
エンはそのミクロ構造において76〜88%がtran
s−1,4結合を有することが分かる。
【0068】(2)錯体Aを用いたイソプレンの単独重
合 内容量50mlのシュレンク型ガラス管内に0.05m
molの錯体Aを含有する10mlの乾燥トルエン溶液
を投入し、更に、5mmolのMMAOを含有する10
mlの乾燥トルエン溶液を投入し、1時間撹拌を行い触
媒を形成した。その後、表2に示す0℃又は室温におい
て先のシュレンク型ガラス管内に更に10mmolのイ
ソプレンを投入して、表2に示す所定時間の間撹拌を行
いイソプレンを重合させた。上記所定の時間と成った時
点で少量の塩酸により酸性化したメタノールを大過剰に
添加して重合反応を停止させ、生成物を沈殿させた。次
いで、この沈殿物を遠心分離し、減圧乾燥させてイソプ
レン重合体を得た。尚、この重合においてはイソプレン
単量体のmol量に対して1/200倍のmol量の開
始剤を添加した。また、得られた重合体のMn及びMw
をGPCにより測定した。この結果を表2に示す。
【0069】
【表2】
【0070】表2の結果より、重合時間に比例して収率
が向上していることが分かる。また、その収率は重合時
間が6時間において既に99%を超えている。また、室
温における重合に比べて、0℃における重合では数平均
分子量が6.5倍にも大きくなっていることが分かる。
更に、分子量分布は室温におけるよりも、温度0℃にお
ける方がより狭い分布にすることができることが分か
る。
【0071】(3)錯体A又は錯体Eを用いたイソプレ
ンとブタジエンとの共重合 上記(1)におけると同様にトルエンを溶媒として触媒
を形成した後、5mmolのイソプレンと、5mmol
のブタジエンとを投入して、表3に示す所定時間の撹拌
を行いイソプレンとブタジエンとを共重合させた。上記
所定の時間と成った時点で少量の塩酸により酸性化した
メタノールを大過剰に添加して重合反応を停止させ、生
成物を沈殿させた。次いで、この沈殿物を遠心分離し、
減圧乾燥させて共重合体を得た。また、得られた共重合
体のMn及びMwをGPCにより測定した。この結果を
表3に示す。更に、得られた共重合体の構造をH−NM
R及びC−NMRにより同定し表4に示した。
【0072】
【表3】
【0073】
【表4】
【0074】表3の結果より、化学式(24)で示され
る鉄錯体Eを含有する重合用触媒では重合時間に関わら
ず8%程度の収率であるのに対して、本発明の重合用触
媒では重合時間が長い程高い収率が得られることが分か
るが、1時間から3時間までの間に急激に収率は上昇す
るものと思われる。また、得られる共重合体の数平均分
子量は重合時間が長くなるほど小さくなることが分か
る。一方、分子量分布は重合時間1時間から6時間の間
に最も狭くなる重合時間が存在すると思われる。
【0075】また、表4の結果より、ブタジエンとイソ
プレンの各々の含量はほぼ同じ程度であることが分か
る。このうち、ブタジエンの繰り返し単位ではcis−
1,4結合がほとんど含有されず、重合時間が長くなる
につれてtrans−1,4結合が増え、1,2結合の
割合が低下することが分かる。また、イソプレンの繰り
返し単位ではtrans−1,4結合が全く得られず、
重合時間が長くなるにつれて僅かにcis−1,4結合
が増えることが分かる。
【0076】(4)錯体A、錯体D及び錯体Eを用いた
メタクリル酸メチルの重合 (1)におけると同様にしてトルエンを溶媒として触媒
を形成した後、10mmolのメタクリル酸メチルを投
入して、12時間撹拌を行いメタクリル酸メチルを重合
させた。撹拌後12時間経過時に少量の塩酸により酸性
化したメタノールを大過剰に添加して重合反応を停止さ
せ、生成物を沈殿させた。次いで、この沈殿物を遠心分
離し、減圧乾燥させて重合体を得た。また、得られた重
合体のMn及びMwをGPCにより測定した。この結果
を表5に示す。
【0077】
【表5】
【0078】表5の結果より、アルミノキサンのみから
なる比較例1の重合に比べて、本発明の実施例11及び
12ではいずれも1.9〜2.1倍高い収率で重合体が
得られることが分かる。即ち、鉄錯体A及び鉄錯体Dは
メタクリル酸メチルの重合において触媒作用を発揮して
いることが分かる。
【0079】
【発明の効果】本発明の重合用触媒及び本発明の重合体
の製造方法によると、各種単量体の単独重合及び共重合
を行うことができ、また、本発明の重合体は本発明の重
合用触媒及び本発明の製造方法を用いることにより容易
に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】化学式(20)で示される鉄錯体のORTEP
により作図した説明図である。
【図2】化学式(16)で示される配位子のH−NMR
チャートによる説明図である。
【図3】化学式(24)で示される鉄錯体のORTEP
により作図した説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 曽根 卓男 東京都中央区築地2丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 4J015 DA09 4J028 AA01A AB00A AC46A BA00A BA01B BB01B BC25B CA27A EA01 EB02 EB04 EB05 EB07 EB09 EB12 EB13 EB14 EB16 EB17 EB21 EB25 EC01 EC02 FA02 FA06 FA07 GA01 GA06 GA11 4J100 AA01Q AA02P AA03P AA04P AA15Q AA16P AA19P AB01P AB02P AL03P AR18P AS02P AS03P AS03Q AS04P AS11P CA01 CA04 CA14 DA01 DA04 FA08 FA09 4J128 AA01 AB00 AC46 BA00A BA01B BB01B BC25B CA27A EA01 EB02 EB04 EB05 EB07 EB09 EB12 EB13 EB14 EB16 EB17 EB21 EB25 EC01 EC02 FA02 FA06 FA07 GA01 GA06 GA11

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒素原子により3座配位するターピリジ
    ン誘導体からなる配位子を1つ有する鉄錯体を含有する
    ことを特徴とする重合用触媒。
  2. 【請求項2】 上記ターピリジン誘導体は下記化学式
    (1)で示され、該化学式(1)におけるR〜R11
    は各々水素原子又は炭素数1〜5の炭化水素基であり、
    且つR〜R11のうちの少なくともいずれか1つは炭
    素数1〜5の炭化水素基であり、下記化学式(2)で示
    される鉄錯体を含有する請求項1記載の重合用触媒。 【化1】 【化2】 (但し、Lは上記ターピリジン誘導体を除く他の配位子
    であり、各Lは同じであっても異なっていてもよい)
  3. 【請求項3】 上記ターピリジン誘導体は上記化学式
    (1)におけるR、R、R、R、R、R
    10及びR11が各々水素原子であり、上記化学式
    (1)におけるR、R及びRが各々炭素数1〜5
    の炭化水素基であり、下記化学式(3)で示される鉄錯
    体を含有する請求項2記載の重合用触媒。 【化3】 (但し、Lは上記ターピリジン誘導体を除く他の配位子
    であり、各Lは同じであっても異なっていてもよい)
  4. 【請求項4】 上記ターピリジン誘導体は上記化学式
    (1)におけるR、R及びRが各々第3級ブチル
    基であり、下記化学式(4)で示される鉄錯体を含有す
    る請求項3記載の重合用触媒。 【化4】 (但し、Lは上記ターピリジン誘導体を除く他の配位子
    であり、各Lは同じであっても異なっていてもよい)
  5. 【請求項5】 上記LがClである下記化学式(5)で
    示される鉄錯体を含有する請求項4記載の重合用触媒。 【化5】
  6. 【請求項6】 上記ターピリジン誘導体は下記化学式
    (6)で示され、該化学式(6)におけるR〜R10
    が各々水素原子又は炭素数1〜5の炭化水素基であり、
    該化学式(6)におけるR及びR11が各々炭素数6
    以上の炭化水素基であり、下記化学式(7)で示される
    鉄錯体を含有する請求項1記載の重合用触媒。 【化6】 【化7】 (但し、Lは上記ターピリジン誘導体を除く他の配位子
    であり、各Lは同じであっても異なっていてもよく、m
    は2又は3である)
  7. 【請求項7】 上記ターピリジン誘導体は上記化学式
    (6)におけるR〜R10が各々水素原子であり、該
    化学式(6)におけるR及びR11が各々炭素数6以
    上の炭化水素基であり、下記化学式(8)で示される鉄
    錯体を含有する請求項6記載の重合用触媒。 【化8】 (但し、Lは上記ターピリジン誘導体を除く他の配位子
    であり、各Lは同じであっても異なっていてもよく、m
    は2又は3である)
  8. 【請求項8】 上記ターピリジン誘導体は上記化学式
    (6)におけるR及びR11が各々ベンゼン環又はベ
    ンゼン縮合環を有する請求項7記載の重合用触媒。
  9. 【請求項9】 窒素原子及び硫黄原子により4座配位す
    るビス(2−ピリジル)−2,5−ジチオヘキサン又は
    その誘導体からなる下記化学式(9)で示され、該化学
    式(9)におけるR〜R16が各々水素原子又は炭素
    数1〜5の炭化水素基である配位子を1つ有する下記化
    学式(10)で示される鉄錯体を含有することを特徴と
    する重合用触媒。 【化9】 【化10】 (但し、Lは上記ビス(2−ピリジル)−2,5−ジチ
    オヘキサン又は上記その誘導体を除く他の配位子であ
    り、各Lは同じであっても異なっていてもよい)
  10. 【請求項10】 更に、有機アルミノキサン化合物を含
    有する請求項1乃至9のうちのいずれか1項に記載の重
    合用触媒。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10のうちのいずれか1
    項に記載の重合用触媒を用いて単独重合又は共重合を行
    うことを特徴とする重合体の製造方法。
  12. 【請求項12】 上記単独重合又は上記共重合にジエン
    系単量体を用いる請求項11記載の重合体の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至10のうちのいずれか1
    項に記載の重合用触媒を用いて得られたことを特徴とす
    る重合体。
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